(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】オリゴ糖の耐酸性が向上した甘味料、これを含む食品及びオリゴ糖の耐酸性を向上させる方法
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20221111BHJP
【FI】
A23L27/00 F
(21)【出願番号】P 2020115944
(22)【出願日】2020-07-03
(62)【分割の表示】P 2018543162の分割
【原出願日】2017-03-09
【審査請求日】2020-07-03
(31)【優先権主張番号】10-2016-0028514
(32)【優先日】2016-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507406611
【氏名又は名称】シージェイ チェルジェダン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】パク ユンギョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジョンギュ
(72)【発明者】
【氏名】ピョン,ソンベ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】パク,スンウォン
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ドンチョル
【審査官】福間 信子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-529994(JP,A)
【文献】国際公開第2009/133835(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0047921(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0052905(KR,A)
【文献】国際公開第2014/168015(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/075473(WO,A1)
【文献】ビオネ・レアシュガーオリゴ(希少糖含有), 2016/2/6,[検索日:2021年7月1日], <URL: https://web.archive.org/web/20160206180718/http://www.bione.co.jp/bione_reasuger.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/FSTA(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラクトオリゴ糖にプシコースを添加するステップを備え
る、フラクトオリゴ糖含有甘味料におけるフラクトオリゴ糖の耐酸性及び耐熱性を向上させる方法であって、
前記プシコースの添加により甘味料に含まれているフラクトオリゴ糖の耐酸性及び耐熱性が向上し、
前記フラクトオリゴ糖100重量部に対して前記プシコースが
45~720重量部で添加され、
前記甘味料は、pH2及び85℃の条件下で2時間保管した時、前記甘味料内のフラクトオリゴ糖の残存率が、同一の条件下で0時間保管した時の初期値に比べて62.8重量%から81.2重量%である、フラクトオリゴ糖含有甘味料におけるフラクトオリゴ糖の耐酸性及び耐熱性を向上させる方法。
【請求項2】
前記方法は、プシコースを添加するステップの前、後、または同時に、塩を添加するステップをさらに備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記塩は、前記甘味料100重量部を基準に、0.05~0.5重量部を添加することを特徴とする、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、甘味料の味質をさらに改善させることを特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、オリゴ糖の耐酸性が向上した甘味料、これを含む食品、およびオリゴ糖の耐酸性を向上させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
砂糖(Sucrose、ショ糖)は最も古くから使われている甘味料であり、人間が本能的に惹かれる甘さを最も簡単かつ安価に提供する。しかし、砂糖の使用の増加と消費者の経済水準が高くなるにつれて、砂糖が体に有害であるという主張も増えている。特に、砂糖の過剰摂取が肥満などの代謝症候群の原因となることが指摘され、低カロリーであって砂糖と類似な甘さの代替材に対する消費者の要求が増加している。
【0003】
オリゴ糖(Oligosaccharides)は2~10個程度の糖分子が結合した少糖類であり、腸内のビフィズス菌の選択的増殖を促進するなどの腸の健康に有益な効果があり、比較的自然な味質と甘味を有する有益な素材であるため、最近砂糖の代替材としてその使用が普及している。しかし、(1)オリゴ糖の甘さは砂糖の約20~40%程度で低く、(2)酸または熱で容易に加水分解し(Kim J.R.et al., 1995, KOREAN J. FOOD SCI. TECHNOL. VOL. 27, NO.2, pp.170~175.)、(3)加水分解されたら全ての健康機能性失って一般糖類として体内に熱量を与えるなどの欠点がある。
【0004】
従来においてオリゴ糖の貯蔵性を向上させるためにオリゴ糖加水分解に関連した要因に対する研究が行われたが(In M.J. et al., 2006年, J. KOREAN SOC. APPL. BIOL. CHEM., VOL.49(1), pp.86~89.)、糖質を混合することによりオリゴ糖の安定性を高める方法に関する報告は皆無である。
【0005】
このような背景下で、本発明者らはオリゴ糖にプシコースを適用した場合、甘味料のオリゴ糖の耐酸性と耐熱性が向上し、これと同時に甘味料の味質も改善されることを確認し、更に前記甘味料を食品に添加した場合、オリゴ糖またはプシコースをそれぞれ添加した場合に比べて食品の味質が著しく改善されることを確認して、本発明を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願の目的は、オリゴ糖の耐酸性が向上した甘味料を提供することである。
【0007】
本出願の他の目的は、オリゴ糖にプシコースを適用するステップを備える、オリゴ糖含有甘味料におけるオリゴ糖の耐酸性を向上させる方法を提供することである。
【0008】
本出願のさらに他の目的は、本出願の甘味料を含む食品組成物を提供することである。
【0009】
以下、本出願の内容についてより詳細に説明する。本明細書に記載のない内容は、本出願の技術分野または類似分野における熟練者であれば十分に認識かつ類推できるため、その説明を省略する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本出願の目的を達成するため本出願の一態様は、プシコース及びオリゴ糖を含む甘味料において、前記甘味料は糖の耐酸性が向上した甘味料を提供する。
【0011】
本出願における用語「プシコース」は、単糖類(C6)のうちケトヘキソースの一つであり、フルクトースのC-3異性体(エピマー)を意味する。
【0012】
本出願における用語「オリゴ糖」は、一般的に2~10個の単糖類を含む糖重合体を意味し、例えば、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、マルトオリゴ糖、およびゲンチオオリゴ糖が含まれるが、これらに限定されない。具体的に本出願のオリゴ糖は、フラクトオリゴ糖、またはイソマルトオリゴ糖であり、より具体的にはフラクトオリゴ糖である。
【0013】
本出願における用語「耐酸性」は、酸に対する安定性を意味し、具体的に本出願では、酸に対してオリゴ糖が固有の特性を失うことなく維持することができる安定性を意味する。本出願の甘味料はpH1~6の条件で耐酸性を有し、より具体的にはpH2~6の条件で耐酸性を有する。
【0014】
本出願の甘味料をpH2の条件で24時間にわたって保管した時、本出願の甘味料におけるオリゴ糖の重量が、前記条件下で保管して0時間後におけるオリゴ糖の重量を基準に90重量%以上であり、具体的に90~99重量%、90~95重量%、または90.3~92.8重量%である。
【0015】
また、本出願の甘味料をpH2の条件で48時間にわたって保管した時、本出願の甘味料におけるオリゴ糖の重量が、前記条件下で保管して0時間後におけるオリゴ糖の重量を基準に、80重量%以上であり、具体的に80~99重量%、80~95重量%、80~90重量%、または82.9~86.2重量%である。
【0016】
本出願の甘味料は、オリゴ糖の耐熱性がさらに向上した甘味料であり得る。
【0017】
本出願における用語「耐熱性」は、熱に対する安定性を意味し、具体的には、熱に対してオリゴ糖が固有の特性を失わずに維持できる安定性を意味する。本出願の甘味料は、20℃~90℃の条件で耐熱性を有する。具体的に本出願の甘味料は、20℃~85℃の条件、25℃~90℃の条件、25℃~85℃の条件、50℃~90℃の条件、50℃~85℃の条件、80℃~90℃の条件、または80℃~85℃の条件、または85℃の条件で耐熱性を有する。
【0018】
本出願の甘味料は、本出願の甘味料をpH2及び85℃の条件で2時間にわたって保管した時、本出願の甘味料におけるオリゴ糖の重量が、前記条件下で保管して0時間後におけるオリゴ糖の重量を基準に30重量%以上であり、具体的に、50重量%以上、60重量%以上、30~95重量%、30~90重量%、30~85重量%、50~95重量%、50~90重量%、50~85重量%、60~95重量%、60~90重量%、60~85重量%、または62.8~81.2重量%である。
【0019】
また、本出願の甘味料は、本出願の甘味料をpH2及び85℃の条件で4時間にわたって保管した時、本出願の甘味料におけるオリゴ糖の重量が前記条件下で保管して0時間後におけるオリゴ糖の重量を基準に10重量%以上であり、具体的には、30重量%以上、50重量%以上、10~95重量%、10~90重量%、10~80重量%、10~70重量%、30~95重量%、30~90重量%、30~80重量%、30~70重量%、50~95重量%、50~90重量%、50~80重量%、50~70重量%、または51.2~66.6重量%である。
【0020】
本出願の甘味料において本出願のプシコースは、本出願のオリゴ糖100重量部に対して20~1000重量部で含まれ、具体的に本出願のプシコースは、本出願のオリゴ糖100重量部に対して30~1000重量部、40~1000重量部、45~1000重量部、30~900重量部、40~900重量部、45~900重量部、30~800重量部、40~800重量部、45~800重量部、30~750重量部、40~750重量部、または45~750重量部で含まれる。
【0021】
本出願の甘味料は、更に味質が改善されることができる。具体的に、本出願における味質の改善は甘味の増加であり得る。
【0022】
本出願の甘味料は塩をさらに含むことができる。本出願の塩は、クエン酸塩、乳酸塩、炭酸塩、リン酸塩、またはその組合せである。具体的に本出願の塩は、クエン酸カルシウム、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、第1リン酸カリウム、第2リン酸カリウム、第3リン酸カリウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸三カルシウム、第1リン酸ナトリウム、第2リン酸ナトリウム、第3リン酸ナトリウムまたはそれらの組合せであり、より具体的にはクエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムまたは第3リン酸ナトリウムである。
【0023】
本出願の塩は、前記甘味料100重量部を基準に0.05~0.5重量部で含まれる。具体的に本出願の塩は、前記甘味料100重量部を基準に0.1~0.5重量部、または0.1~0.3重量部で含まれる。
【0024】
本出願における甘味料の形態は特に限定されないが、液状、粉末、または顆粒であり、具体的に液状である。
【0025】
本出願の甘味料は、オリゴ糖及びプシコース以外に他の甘味料、合成保存料、天然保存料またはその組合せをさらに含むことができる。具体的に前記オリゴ糖及びプシコース以外の甘味料は、例えば、グルコース、フルクトース、ラクトース、麦芽糖、砂糖、飴、糖シロップ、オリゴ糖、タガトース、キシロース、蜂蜜、高甘味料(例えば、ステビオール配糖体、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウムなど)、食物繊維、デキストリンなどが含まれるが、これらに限定されない。前記合成保存料はソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルビン酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、パラオキシ安息香酸メチルおよびパラオキシ安息香酸エチルが含まれるが、これらに限定されない。前記天然保存料は、例えば、グレープフルーツ種子抽出物、柑橘抽出物、複合黄岑(おうごん)抽出物、乳酸菌複合粉末及びポリリシンが含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
本出願の他の態様は、オリゴ糖にプシコースを適用するステップを備えたオリゴ糖含有甘味料におけるオリゴ糖の耐酸性を向上させる方法を提供する。本出願における用語「適用」は、例えば、混合、添加、コーティング、噴霧などの実施が含まれるが、これらに限定されない。具体的に本出願の適用は、混合または添加である。
【0027】
本出願における耐酸性の向上は、オリゴ糖にプシコースを適用した後にpH2の条件で24時間または48時間静置した時のオリゴ糖の重量が、オリゴ糖にプシコースを適用せず同一条件で同一時間静置した時のオリゴ糖の重量に比べて、5%、7%、10%または13%以上増加することである。
【0028】
本出願におけるオリゴ糖の耐酸性を向上させる方法は、オリゴ糖の耐熱性をさらに向上させる。
【0029】
本出願のオリゴ糖の耐酸性及び耐熱性を向上させる方法において、前記耐酸性および耐熱性の向上は、オリゴ糖にプシコースを適用した後でpH2及び85℃の条件で2時間または4時間保管した時のオリゴ糖の重量が、オリゴ糖にプシコースを適用せず同一条件で同一の時間保管した時のオリゴ糖の重量に比べて、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%以上増加することである。
【0030】
本出願の方法におけるプシコースは、本出願のオリゴ糖100重量部に対して20~1000重量部を適用する。具体的に本出願のプシコースは、本出願の甘味料のオリゴ糖100重量部に対して、30~1000重量部、40~1000重量部、45~1000重量部、30~900重量部、40~900重量部、45~900重量部、30~800重量部、40~800重量部、45~800重量部、30~750重量部、40~750重量部、または45~750重量部で適用する。
【0031】
本出願におけるオリゴ糖の耐酸性を向上させる方法は、本出願のプシコースを適用するステップの前、後、または同時に、塩を適用するステップをさらに備えることができる。具体的に本出願のオリゴ糖の耐酸性を向上させる方法は、プシコースを適用するステップの後に塩を適用するステップをさらに備える。
【0032】
本出願におけるオリゴ糖の耐酸性を向上させる方法において、本出願の塩は、本出願の甘味料100重量部を基準に、0.05~0.5重量部で適用し、より具体的には本出願の甘味料100重量部を基準に0.1~0.5重量部または0.1~0.3重量部で適用する。
【0033】
本出願におけるオリゴ糖の耐酸性及び耐熱性を向上させる方法は、本出願のオリゴ糖の味質をさらに向上させる。
【0034】
本出願の更に他の態様は、オリゴ糖の耐酸性が向上した甘味料を含む食品組成物を提供する。本出願の食品組成物は、一般の食品、健康食品、医療用(または、患者用)食品組成物が含まれるが、これらに限定されない。具体的に本出願の食品組成物は、飲料[例えば、食物繊維飲料、炭酸水、ミスッカル(米粉・麦粉・豆粉などを蒸したり炒めたりしたものを粉にして混ぜ合わせた韓国の伝統食品)など]、ベーカリー、ソース(例えば、とんかつソースなど)、乳加工品(例えば、発酵乳など)、煮物(例えば、うずら卵煮物、サバ煮、ジャガイモの煮物、黒豆煮、サンマの醤油煮など)、牛丼、炒め物(例えば、かまぼこ炒め、ナス炒め、イワシ炒め、イカ炒め、スルメ炒め、野菜炒め、牛肉炒め等)、和え物(例えば、大根和え物、黄色いキュウリの和え物、キュウリの和え物、野菜和えなど)、焼き物(例えば、イカ焼き、牛カルビ焼き、餅焼きなど)、シロップ、ドレッシング、トッポッキ、牛焼肉、ほおずき唐辛子蒸し、キウイの砂糖漬け、サムジャン(ごま油、砂糖・はちみつ・水あめなどの甘味料、にんにく、ごまなどを混ぜた韓国の合わせ味噌の一つ)、または加工食品である。
【0035】
本出願の甘味料を食品組成物に使用する場合、本出願の甘味料をそのまま添加することと他の食品成分と共に使用することができ、通常の方法で適切に使用する。本出願の食品組成物は様々な香味剤または天然炭水化物などを追加成分で含有することができる。前述した天然炭水化物は、グルコース及びフルクトースなどの単糖類、マルトースおよびスクロースなどの二糖類、デキストリンおよびシクロデキストリンなどの多糖類、キシリトール、ソルビトール、およびエリスリトールなどの糖アルコールである。甘味料として、ソーマチン及びステビア抽出物などの天然甘味料、サッカリンおよびアスパルテームのような合成甘味料などを使用する。
【0036】
前記成分の他に本出願の食品組成物は、様々な栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含有することができる。また、本出願の食品組成物は、天然果実ジュース、果実ジュース飲料、野菜飲料の製造のための果肉を含有することができる。これらの成分は、単独または組み合せて使用する。これらの添加剤の割合は、本出願の食品100重量部を基準に0.01~0.20重量部の範囲から選択される。
【0037】
本出願の食品組成物は、前述した本出願の一態様であるオリゴ糖の耐酸性が向上した甘味料を含むので、共通事項に関する記載は省略する。
【0038】
本出願の更に他の態様は、プシコース及びオリゴ糖を含む甘味料を食品に添加するステップを備える、食品の味質を改善する方法に関する。
【0039】
本出願の味質を改善する方法において、前記甘味料はオリゴ糖の耐酸性および/または耐熱性が向上した甘味料である。
【0040】
本出願の食品の味質を改善する方法において本出願の甘味料は、オリゴ糖100重量部に対してプシコースを20~1000重量部、25~1000重量部、45~1000重量部、100~1000重量部、20~750重量部、45~750重量部、100~750重量部、20~500重量部、45~500重量部、100~500重量部、20~300重量部、45~300重量部、100~300重量部、20~231重量部、45~231重量部、または100~231重量部で含む。
【0041】
本出願の食品の味質を改善する方法において、前記味質の改善は甘味の増加であることができる。
【0042】
本出願の食品の味質を改善する方法において、食品組成物と食品は前述した内容と共通であるので、これらの共通点に関する記載は省略する。
【発明の効果】
【0043】
本出願の甘味料は、前記甘味料内のオリゴ糖の耐酸性、耐熱性、および味質を向上させ、これらの甘味料を食品に添加する場合、食品の味質が著しく改善される効果がある。
【0044】
これにより、オリゴ糖に不足な耐熱性、耐酸性、および味質特性を向上させると共に、食品に適用される時の味質も改善することにより、オリゴ糖が本来に持つ健康機能性(腸健康など)を保存し、保管/流通の時において品質安定性を向上させ、カロリーが増加せずに味質が改善され、食品への適用の可能性が増加する利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、実施例及び比較例を記述することで、本発明をより詳細に説明する。ただし、下記の実施例及び比較例は本発明の一例に過ぎなく、本願発明の内容はこれによって限定解釈されない。
【実施例1】
【0046】
甘味料の製造および耐酸性と耐熱性を確認
【0047】
1-1:甘味料の製造
前記表1のように甘味料(実験例1-1、1-2、1-3)を製造した。具体的に、結晶プシコース(固形分内のプシコース含量99重量%、CJ第一製糖(株))を固形分の含量が75重量%になるように精製水に溶解させた後、オリゴ糖(白雪フラクトオリゴ糖、固形分含量75重量%、固形分内のプラクトオリゴ糖の含量55重量%、CJ第一製糖(株))に添加し、床温でブレンダー(EYELA、MAZELA Z)を使用して300RPMで十分攪拌して製造した。
【0048】
比較例1は、オリゴ糖(白雪フラクトオリゴ糖、固形分含量75重量%、固形分内のフラクトオリゴ糖55重量%、CJ第一製糖(株))を使用した。
【表1】
【0049】
1-2:実験方法
耐酸性は、比較例1、実験例1-1、1-2及び1-3に、30重量%のクエン酸水溶液を添加してpHを2に調整し、室温保管して確認した。pHはpH meter(METTLER TOLEDO、SEVEN COMPACT)と高粘度センサー(METTLER TOLEDO、InLab(R)Viscous Pro-ISM)を用いて測定した。
【0050】
耐酸性及び耐熱性(すなわち、酸及び熱に対する複合安定性)は、pH2及び85℃の条件で保管して確認した。
【0051】
時間経過によるオリゴ糖の含量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC、High Performance Liquid Chromatography)を用いて測定した。具体的に、比較例1と実験例1-1、2-1及び3-1の試料の各1gを50mlの容量フラスコに取った後に蒸留水で溶解させて50mlに定量(20g/L)した後、0.2μmフィルターで濾過して試験溶液とした。標準溶液はフラクトオリゴ糖セット(Wako、295-73401)を使用し、標準品である1-Kestose(GF2)、Nystose(GF3)、1-Fructofuranosylnystose(GF4)を各1gずつ50ml容量フラスコに計量して蒸留水に溶解させた後、これを0.3125~20g/Lの濃度範囲になるように連続希釈して0.2μmフィルターで濾過して、標準溶液として使用した。調製した試験溶液と標準溶液をHPLCシステム(Alliance、Waters、e2695 Separation Modules、USA/Waters column Heater Module/RI detector Water 2414/Empower
TMSoftware)を使用して、下記の表2の条件で分析した。
【表2】
【0052】
[式1]
オリゴ糖の含量(g/100g)=((検量線から求めた各オリゴ糖成分(GF2、GF3、及びGF4)の濃度(g/L)×希釈容量(mL)×100))÷((試料の採取量(g)×1000))
【0053】
[式2]
オリゴ糖残存率(重量%、以下、%と記載)=((保管中の試料のオリゴ糖含量(g/100g)×100))÷((製造直後の試料のオリゴ糖含量(g/100g)))
【0054】
以下、比較例及び実験例オリゴ糖の含量と安定性の分析は全て前記の方法で実施した。
【0055】
1-3:実験結果
耐酸性
表3で示すように、pH2の酸条件(床温)で保管した時のオリゴ糖残存率は、オリゴ糖(比較例1)を前記条件下で保管して0時間後(すなわち、酸条件及び床温で保管の開始時点)のオリゴ糖の重量に比べて、24時間経過後には82.3%、48時間経過後は75.6%であった。
【0056】
一方、オリゴ糖にプシコースを適用した甘味料(実験例1-1、2-1と3-1)は、保管して0時間後の糖重量に比べて、24時間経過後には90.3%~92.8%、48時間経過後は82.9%~86.2%のオリゴ糖残存率を示し、プシコースを適用しなかった甘味料より約10~15%の分解減少効果を示し、プシコース添加によってオリゴ糖の耐酸性が向上することを確認した。
【表3】
【0057】
耐酸性及び耐熱性
下記の表4で示すように、pH2と85℃の条件で保管した時、比較例1の保管0時間後から4時間経過後におけるオリゴ糖残存率が5%未満に減少したことに対し、実験例1-1、2-1及び3-1では、51.2%~66.6%の残存率を示し、耐酸性と耐熱性が1000%以上向上することを確認した。
【表4】
【実施例2】
【0058】
オリゴ糖の耐酸性が向上した甘味料に塩をさらに添加した時、甘味料の耐酸性及び耐熱性を確認
【0059】
2-1:塩がさらに添加された甘味料の製造
前記表5に示すように、実施例1の甘味料に塩をさらに添加した甘味料を製造した。具体的に、オリゴ糖にプシコースを適用した甘味料を実施例1と同じ方法で製造した後、塩を添加して床温でブレンダー(EYELA、MAZELA Z)を用いて300RPMで十分攪拌して製造した。
【0060】
オリゴ糖及びプシコースは実施例1と同じものを使用し、塩は粉末状の市販品であるクエン酸ナトリウム(Jungbunzlauer)、乳酸ナトリウム(Musashino Chemical Lab.,Ltd.)、炭酸水素ナトリウムおよび第3リン酸ナトリウム(SeodoBio Natural Ingredients)をそれぞれ使用した。
【表5-1】
【表5-2】
【0061】
2-2:実験方法
耐酸性及び耐熱性、時間経過によるオリゴ糖の含量及び残存率の測定は、実施例1と同様の方法で確認した。
【0062】
2-3:実験結果
耐酸性
下記の表6に示すように、pH2の酸条件(床温)で保管時において、塩をさらに添加した甘味料(実験例2-1-1ないし2-1-4、2-2-1ないし2-2-4、および2-3-1ないし2-3-4)は、前記条件で保管して0時間後のオリゴ糖重量に比べて、前記条件下で保管して48時間経過した後もオリゴ糖残存率が90%以上であり、前記甘味料内のオリゴ糖分解率が10%以下に低くなることを確認した。
【0063】
一方、前記実施例1で示すように、オリゴ糖(比較例1)は同一条件で同じ時間保管した時の残存率が75.6%であり、これにプシコースを添加した甘味料(実験例1-1、1-2及び1-3)も残存率が90%を超えなかった。
【0064】
したがって、塩をさらに添加した場合、オリゴ糖にプシコースを添加した場合よりも耐酸性がさらに向上することを確認した。
【表6】
【0065】
耐酸性及び耐熱性
下記表7で示すように、pH2と85℃の条件で保管した時、実験例1-2ないし1-5、2-2ないし2-5、3-2ないし3-5のオリゴ糖残存率は、前記条件下で保管して0時間後のオリゴ糖の重量に比べて、保管4時間経過後は75.6重量%~95.5重量%であることを確認した。これは、前記実施例1で確認した比較例1のオリゴ糖残存率に比べて1575%~1990%の数値であり、実験例1-1、1-2及び1-3と比較しても14%~86%が増加した数値であることが分かる。
【0066】
したがって塩をさらに添加した場合、オリゴ糖にプシコースを添加した場合よりも耐酸性及び耐熱性がさらに向上することを確認した。
【表7】
【実施例3】
【0067】
塩の添加量による耐酸性及び耐熱性の確認
【0068】
3-1:甘味料の製造および実験方法
実施例2の甘味料の製造方法と同様に甘味料を製造したが、前記表8に示すように塩の添加量を変えながら甘味料を製造した。
【表8】
【0069】
比較例3として、前記実施例1及び2の結果をもとに、耐酸性及び耐熱性が最も優れた実験例2-1を選定した。
【0070】
3-2:実験結果
耐酸性
下記の表9に示すように、各塩(クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび第3リン酸ナトリウム)の添加量が甘味料の全重量に対して、0.05重量%である実験例A群(3-1-A、3-2-A、3-3-A及び3-4-A)はpH2(床温)条件で保管して48時間経過した後の平均オリゴ糖残存率が86.7%であり、比較例3(実験例2-1)のオリゴ糖残存率である85.8重量%に比べて若干耐酸性が向上した効果を確認した。さらに、実験例B、C、D群は、それぞれ92.3%、92.2%、91.1%の平均オリゴ糖残存率を示すことを確認し、塩添加量が甘味料の全重量に対して0.10重量%以上である場合、前記実施例1の甘味料の中で耐酸性が最も優れた比較例3に比べても耐酸性が著しく向上することを確認した。
【表9】
【0071】
耐酸性と耐熱性
下記表10に示すように、各塩の添加量が甘味料の全重量に対して、0.05重量%である実験例A群(3-1-A、3-2-A、3-3-A及び3-4-A)は、pH2と85℃の条件で保管して4時間経過後の平均オリゴ糖残存率が86.9%であり、同一条件と同じ時間で保管し時において比較例3(実験例2-1)のオリゴ糖残存率である66.6%に比べてオリゴ糖の分解が20%以上抑制されたことを確認した。さらに、各塩の添加量が甘味料の全重量に対して0.10重量%以上である実験例B、C、D群は、それぞれ91.0%、93.4%、95.4%のオリゴ糖残存率を示し、10%未満のオリゴ糖分解率を示すことを確認した。
【0072】
したがって塩を甘味料の全重量に対して0.05重量%以上に添加した場合、耐酸性及び耐熱性が著しく向上し、さらに0.10重量%以上で添加した場合にはオリゴ糖分解率が2%~13%未満に減少され、酸と熱でより安定な甘味料を製造することができる。
【表10】
【実施例4】
【0073】
耐酸性が向上した甘味料の官能品質の確認
【0074】
オリゴ糖にプシコースを適用して耐酸性が向上した甘味料が官能品質も改善されることを確認するために官能検査を実施した。
【0075】
下記表11のように、実験例1-1ないし1-3とオリゴ糖をイソマルトオリゴ糖(白雪イソマルトオリゴ糖、固形分の含量75重量%、固形分内のイソマルトオリゴ糖55重量%)で置換した実施例4-1ないし4-3を製造し、官能評価を行った。フラクトオリゴ糖(比較例1)、イソマルトオリゴ糖(比較例4-1)、プシコース(比較例4-2)を比較例として使用し、前記フラクトオリゴ糖及びプシコースは実施例1と同じ製品を使用した。
【表11】
【0076】
甘味料の官能評価は、各試料の濃度が12Brix%になるように精製水を加えて希釈した後、温度が20℃になるように準備して、20代~50代の訓練された男女パネル15名を対象に項目別に評価した。具体的に、用意した試料(比較例4-1ないし4-2、実験例1-1ないし1-3、実験例4-1ないし4-3)に乱数表に番号を付けた後、ランダムに1種ずつ選択して各パネルに提供した。試料の種類による干渉効果を防止するため、先にフラクトオリゴ糖(比較例1)、プシコース(比較例4-2)、およびフラクトオリゴ糖にプシコースを適用した甘味料(実験例1-1ないし1-3)を一つのセットにして官能評価を行い、次にイソマルトオリゴ糖(比較例4-1)、プシコース(比較例4-2)、およびイソマルトオリゴ糖にプシコースを適用した甘味料(実験例4-1ないし4-3)を別のセットにして官能評価を行った。
【0077】
各パネルは提供された試料を飲用した後、感じた甘味の嗜好度及び総合嗜好度を9点尺度法で表現した。定量化された各属性別の点数は再び5点尺度(強度;1点-非常に弱い~5点-非常に強い、嗜好度;1点-非常に良くない~5点-良い)に換算して、下記の表12に記載した。
【0078】
各属性の点数は、実験例1-1ないし1-3は比較例1と、実験例4-1ないし4-3は比較例4-1とそれぞれ比較して統計的有意差を分析(p<0.05)し、統計分析も各実験例に対応する比較例とT-testで分析した。
【表12】
【0079】
官能評価の結果、オリゴ糖にプシコースを適用した甘味料の甘味の嗜好性が増加し、総合嗜好度が著しく上昇することを確認した。
【実施例5】
【0080】
甘味料の食品適用及び官能品質の確認
【0081】
5-1:ベーカリー
下記の表13の配合によってケーキシート(スポンジケーキ)を製造し、これに対する官能評価を行った結果を下記の表14に示した。本実施例5の各表に記載された食品の含量の基準は重量である。すなわち、各原材料は全体100gを基準にg単位(重量%)で配合した。
【0082】
官能評価は、製造された各々のケーキシートを室温に一日放置し、乱数表に番号を付けた後に20~50代の訓練された男女のパネル15名を対象に項目別で評価した。試料の種類による干渉効果を防止するため、先にフラクトオリゴ糖(比較例5-1)、プシコース(比較例5-3)、およびフラクトオリゴ糖にプシコースを適用した甘味料(実験例5-1、5-2、5-3、5-4)をそれぞれ用いて一セットのケーキシートを製造し、各ケーキシートの具体的な組成比は下記の表13に示した。次に、イソマルトオリゴ糖(比較例5-2)、プシコース(比較例5-3)及びイソマルトオリゴ糖にプシコースを適用した甘味料(実験例5-5、5-6、5-7、5-8)をそれぞれ用いて、別のセットのケーキシートを製造した後、それぞれ官能評価を行った。
【0083】
官能評価は、各パネルが提供された試料(ケーキシート)を食べた後、感じた甘味の強度及び嗜好度を5点尺度法で表現して実施した。
【表13】
【表14】
【0084】
官能評価の結果、オリゴ糖またはプシコースの単独甘味料に比べて、オリゴ糖にプシコースを適用した甘味料を用いた場合、食品の甘味の強度、甘味嗜好度、総合嗜好性が増加することを確認し、更に後味嗜好度及び口内触感も上昇することを確認した。
【0085】
5-2:飲料
下記の表15の配合によって食物繊維飲料を製造し、これに対する官能評価を行った結果を下記の表16に示した。
【0086】
官能評価は、製造された食物繊維飲料を冷蔵条件で一日保存した後、乱数表に番号を付けた後に20~50代の訓練された男女のパネル15名を対象に項目別で評価し、試料間の干渉効果を防止するため前記実施例5-1と同様の方法で実施した。
【表15】
【表16】
【0087】
官能評価の結果、オリゴ糖またはプシコースの単独甘味料に比べて、オリゴ糖にプシコースを適用した甘味料を食品に用いた場合、食品の甘味の強度、甘味嗜好度、総合嗜好度が増加することを確認した。また後味嗜好度も増加することを確認した。
【0088】
5-3:ソース
下記の表17の配合によって豚カツソースを製造し、これに対する官能評価を行った結果を下記の表18に示した。
【0089】
官能評価は、製造された各々の豚カツソースを室温で一日放置した後、乱数表に番号を付けた後に20~50代の訓練された男女のパネル15名を対象に項目別で評価し、市販の冷凍豚カツを調理して一緒に提供した。試料間の干渉効果を防止するため前記実施例5-1と同様の方法で実施した。
【表17】
【表18】
【0090】
官能評価の結果、オリゴ糖またはプシコースの単独甘味料に比べて、オリゴ糖にプシコースを適用した甘味料を用いた場合、食品の甘味の強度、甘味嗜好度、甘味持続性と総合嗜好度が増加することを確認した。肉類(豚カツ)製品の特性はその味との調和が重要であるが、オリゴ糖にプシコースを適用した甘味料は食品の初期甘味を持続させるという点で総合嗜好性が高かったと判断される。
【0091】
5-4:発酵乳
前述した配合で得られた実験例から選択された一部とそれに対応する比較例を用いて、下記の表19の配合でドリンク発酵乳(ドリンクヨーグルト)を製造し、これに対する官能評価を行った結果を下記の表20に示した。
【0092】
実施された官能評価は、製造された各々のドリンク発酵乳を冷蔵状態で一日保管した後、乱数表に番号を付けた後に20~50代の訓練された男女のパネル15名を対象に項目別で評価した。
【0093】
具体的に、試料の種類による干渉効果を防止するため、先にフラクトオリゴ糖(比較例5-10)及びプシコース(比較例5-12)とこれらで構成された組成物(実験例5-21、5-22、5-23)をそれぞれ適用して一セットのドリンク発酵乳を製造し、各ドリンク発酵乳の具体的な組成比は下記の表に示した。次に、イソマルトオリゴ糖(比較例5-11)及びプシコース(比較例5-12)とこれらで構成された組成物(実験例5-24、5-25、5-26)をそれぞれ適用して、別のセットのドリンク発酵乳を製造した後、それぞれ官能評価を行った。前記官能評価の実施において、各パネルは指定された試料(ドリンク発酵乳)を摂取した後、感じられる甘味の強度と嗜好を5点尺度法で表現した。
【表19】
【表20】
【0094】
官能評価の結果、オリゴ糖にプシコースを適用した甘味料を用いた場合、食品の甘味強度と甘味嗜好度が著しく上昇し、これと共に酸味と後味嗜好性が上昇し、食品の総合嗜好性が顕著に改善される効果を確認した。
【0095】
5-5:その他の食品
前記実施例1と同様の方法でオリゴ糖にプシコースを適用した甘味料を製造するが、オリゴ糖の重量に対してプシコースの重量が4.24となるように製造した後(オリゴ糖にフラクトオリゴ糖を使用した場合:実験例5-27、イソマルトオリゴ糖を使用した場合:実験例5-28)、家庭内の調理用に用いてこれに対する官能評価を行った結果を下記の表21に示した。
【0096】
具体的に、フラクトオリゴ糖(比較例1)、プシコース(比較例3)及び前記実験例5-27を、30~40代の一般の主婦パネル15人に提供し、各パネルは家庭内で一般調理の時に比較使用した後、これに対する官能評価を行った。提供された3つの甘味料を、それぞれ透明なプラスチック容器に入れて、表紙がなく乱数表で番号を付けた後に官能アンケート紙と共に提供した。
【0097】
また、イソマルトオリゴ糖(比較例2)、プシコース(比較例3)及び実験例5-28も同じ主婦パネル15人に提供し、同じ過程で調理に適用した後に官能評価を実施した。
【0098】
各パネルは、家庭内の一般的に行う調理において、すべての食材の構成が同一であって添加される甘味料のみ変えて調理するように要求し、家族と一緒に食べた後、味の品質と嗜好度を5点尺度法で評価した。また、使用の汎用性を確認するために、少なくとも二つ以上料理するように要求した。使用された料理は、下記の通りである。
【0099】
ジャガイモの煮物、うずら卵煮物、牛丼、サバ煮、丸ごとジャガイモの煮物、かまぼこ炒め物、大根和え物、イカ焼き、トッポッキ、牛プルコギ、ナス炒め、イワシ炒め、イカ炒め、ほおずき唐辛子蒸し、キュウリの和え物、野菜炒め、餅焼き(ドレッシング)、炭酸水(シロップ)、黒豆煮、キウイの砂糖漬け、ミスッカル(米粉・麦粉・豆粉などを蒸したり炒めたりしたものを粉にして混ぜ合わせた韓国の伝統食品)(シロップ)、牛カルビ焼き、サンマの醤油煮、ノガク和え物、サムジャン(ごま油、砂糖・はちみつ・水あめなどの甘味料、にんにく、ごまなどを混ぜた韓国の合わせ味噌の一つ)、牛肉の炒め物、カキ氷(シロップ)、スルメ炒め、サラダ(ドレッシング)、野菜和え。
【表21】
【0100】
官能評価の結果、オリゴ糖の種類に関係なくオリゴ糖にプシコースを適用した甘味料(実験例5-27及び5-28)を添加した食品の甘味嗜好度、総合嗜好度及び後味嗜好度が有意に高かった(p<0.05)。
【0101】
したがって、現在家庭内で砂糖の代わりに使用するオリゴ糖に比べて、本出願のオリゴ糖を適用したプシコースを含む甘味料を食品に添加すれば食品の甘味強度及び消費者の嗜好度が有意に高くなるので、カロリーが低くて甘味強度が増加された砂糖の代替材として食品への適用の可能性と使用効果が十分であることが分かる。