(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】伝送遅延の測定
(51)【国際特許分類】
H04W 24/08 20090101AFI20221111BHJP
H04W 92/12 20090101ALI20221111BHJP
【FI】
H04W24/08
H04W92/12
(21)【出願番号】P 2020554227
(86)(22)【出願日】2018-04-04
(86)【国際出願番号】 CN2018081794
(87)【国際公開番号】W WO2019191913
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジュアン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,ホー
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-519464(JP,A)
【文献】ZTE,CU-DU Node synchronization for TS38.401[online],3GPP TSG RAN WG3 adhoc_R3_AH_NR_1706,3GPP,2017年01月29日,R3-172420,検索日[2022.05.13],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_AHGs/R3_AH_NR_1706/Docs/R3-172420.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集約ユニットのユーザプレーンノードから遅延の影響を受けるネットワーク機能を実行するよう構成される分散ユニットに送信されたデータパケットに関する遅延情報を、前記分散ユニットで前記集約ユニットから受信するステップであって、前記集約ユニットは、遅延の影響を受けないネットワーク機能を実行するよう構成される、ステップと、
前記分散ユニットによって、前記遅延情報に基づいて前記データパケットの伝送遅延を決定するステップと、
前記分散ユニットで、前記データパケットの前記伝送遅延を要求する第1のメッセージを、前記ユーザプレーンノードとは分離された前記集約ユニットの制御プレーンノードから受信するステップと、
前記第1のメッセージに応答して、前記分散ユニットから前記集約ユニットの前記制御プレーンノードに第2のメッセージを送信するステップであって、前記第2のメッセージが前記データパケットに関する前記伝送遅延を含む、ステップと
を含み、
前記遅延情報が、少なくとも、(1)各データパケットのタイムスタンプまたは(2)各データパケットの持続時間を含み、
前記タイムスタンプは、対応するデータパケットが前記集約ユニットの前記ユーザプレーンノードで受信された時刻を示し、
前記持続時間は、前記集約ユニットの前記ユーザプレーンノードでの対応するデータパケットに関する遅延量を示し、
前記伝送遅延は、前記集約ユニットから送信されたデータパケットの遅延情報の平均を示す、
方法。
【請求項2】
前記データパケットの前記伝送遅延を決定するステップが、
前記分散ユニットによって前記データパケットの遅延測定を実行するステップと、
前記分散ユニットによって前記遅延情報及び前記
遅延測定によって得られた遅延測定値に基づいて前記データパケットの前記伝送遅延を計算するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
集約ユニットから分散ユニットに送信されたデータパケットに関する遅延情報を、前記集約ユニットのユーザプレーンノードから前記分散ユニットに送信するステップであって、前記集約ユニットは、遅延の影響を受けないネットワーク機能を実行するよう構成され、前記分散ユニットは、遅延の影響を受けるネットワーク機能を実行するよう構成される、ステップと、
前記ユーザプレーンノードとは分離された前記集約ユニットの制御プレーンノードから、前記データパケットの伝送遅延を要求する第1のメッセージを前記分散ユニットに送信するステップと、
前記集約ユニットの前記制御プレーンノードで、前記第1のメッセージに応答して、前記分散ユニットから第2のメッセージを受信するステップであって、前記第2のメッセージが前記データパケットの前記伝送遅延を含む、ステップと
を含み、
前記遅延情報が、少なくとも、(1)各データパケットのタイムスタンプまたは(2)各データパケットの持続時間を含み、
前記タイムスタンプは、対応するデータパケットが前記集約ユニットの前記ユーザプレーンノードで受信された時刻を示し、
前記持続時間は、前記集約ユニットの前記ユーザプレーンノードでの対応するデータパケットに関する遅延量を示し、
前記データパケットの前記伝送遅延が、前記遅延情報に基づいて決定された平均遅延値に対応する、
方法。
【請求項4】
前記遅延情報が、制御トラフィックを搬送するための前記集約ユニットの前記制御プレーンノードを介して送信されるメッセージ内で搬送されるか、または、
前記遅延情報が、データトラフィックを搬送するための前記集約ユニットの前記ユーザプレーンノードを介して送信されるデータフレーム内で搬送される、
請求項1
または2に記載の方法。
【請求項5】
前記遅延情報が、制御トラフィックを搬送するための前記集約ユニットの前記制御プレーンノードを介して送信されるメッセージ内で搬送されるか、または、
前記遅延情報が、データトラフィックを搬送するための前記集約ユニットの前記ユーザプレーンノードを介して送信されるデータフレーム内で搬送される、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
プロセッサを備える、ワイヤレス通信用の装置であって、
前記プロセッサは、
集約ユニットから送信されたデータパケットに関する遅延情報を、前記集約ユニットのユーザプレーンノードから受信し、ただし、前記集約ユニットは、遅延の影響を受けないネットワーク機能を実行するよう構成され、
前記遅延情報に基づいて前記データパケットの伝送遅延を決定し、
前記データパケットの前記伝送遅延を要求する第1のメッセージを、前記ユーザプレーンノードとは分離された前記集約ユニットの制御プレーンノードから受信し、
前記第1のメッセージに応答して、前記集約ユニットの前記制御プレーンノードに、前記データパケットに関する前記伝送遅延を含む第2のメッセージを送信する
ように構成され、
前記遅延情報が、少なくとも、(1)各データパケットのタイムスタンプまたは(2)各データパケットの持続時間を含み、
前記タイムスタンプは、対応するデータパケットが前記集約ユニットの前記ユーザプレーンノードで受信された時刻を示し、
前記持続時間は、前記集約ユニットの前記ユーザプレーンノードでの対応するデータパケットに関する遅延量を示し、
前記データパケットの前記伝送遅延が、前記遅延情報に基づいて決定された平均遅延値に対応する、
ワイヤレス通信用の装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記データパケットの遅延測定を実行することと、
前記遅延情報及び前記
遅延測定によって得られた遅延測定値に基づいて前記データパケットの前記伝送遅延を計算することと、
に基づいて前記データパケットの伝送遅延を決定するように構成される、
請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
プロセッサを備える、ワイヤレス通信用の、集約ユニットのユーザプレーンノードとして埋め込まれた装置であって、
分散ユニットに送信されたデータパケットに関する遅延情報を、前記分散ユニットに送信し、ただし、前記分散ユニットは、遅延の影響を受けるネットワーク機能を実行するよう構成され、
前記データパケットの伝送遅延を要求する第1のメッセージを前記分散ユニットに送信し、
前記第1のメッセージに応答して、前記分散ユニットから、前記データパケットの前記伝送遅延を含む第2のメッセージを受信する、
ように構成され、
前記遅延情報が、少なくとも、(1)各データパケットのタイムスタンプまたは(2)各データパケットの持続時間を含み、
前記タイムスタンプは、対応するデータパケットが前記集約ユニットの前記ユーザプレーンノードで受信された時刻を示し、
前記持続時間は、前記集約ユニットの前記ユーザプレーンノードでの対応するデータパケットに関する遅延量を示し、
前記データパケットの前記伝送遅延が、前記遅延情報に基づいて決定された平均遅延値に対応する、
装置。
【請求項9】
前記遅延情報が、制御トラフィックを搬送するための前記集約ユニットの制御プレーンノードを介して送信されるメッセージ内で搬送されるか、または、
前記遅延情報が、データトラフィックを搬送するための前記集約ユニットの前記ユーザプレーンノードを介して送信されるデータフレーム内で搬送される、
請求項
6または7に記載の装置。
【請求項10】
前記遅延情報が、制御トラフィックを搬送するための前記集約ユニットの制御プレーンノードを介して送信されるメッセージ内で搬送されるか、または、
前記遅延情報が、データトラフィックを搬送するための前記集約ユニットの前記ユーザプレーンノードを介して送信されるデータフレーム内で搬送される、
請求項8に記載の装置。
【請求項11】
コードが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コードがプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、請求項1
、2または4に記載の方法を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
コードが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コードがプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、請求項3または5に記載の方法を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許文書は、一般に、デジタルワイヤレス通信を対象とする。
【0002】
[背景]
モバイル通信技術は、ますますコネクテッド化及びネットワーク化された社会へと世界を移行させている。モバイル通信の急速な成長及び技術の進歩により、容量及び接続性に対する需要が高まっている。エネルギー消費、デバイスコスト、スペクトル効率、及び待ち時間などの他の側面も、様々な通信シナリオのニーズを満たすために重要である。より高品質のサービスを提供するための新しい方法を含む様々な技法が議論されている。
【0003】
[サマリー]
本文書は、通信システムにおける伝送遅延の測定に関連する方法、システム、及びデバイスを開示する。
【0004】
一つの代表的な態様では、ワイヤレス通信のための方法が開示される。方法は、第1の通信ノード(例えば、分散ユニットDU: Distributed Unit)で、第2の通信ノードから第1の通信ノードに送信されたデータパケットに関する遅延情報を第2の通信ノードから受信するステップを含む。方法は、第1の通信ノードによって、遅延情報に基づいてデータパケットの伝送遅延を決定するステップを含む。方法は、第1の通信ノードで、データパケットの伝送遅延を要求する第1のメッセージを第3の通信ノードから受信するステップを含む。方法は、第1のメッセージに応答して、第1の通信ノードから第3の通信ノードに第2のメッセージを送信するステップをさらに含む。第2のメッセージは、データパケットに関する伝送遅延を含む。
【0005】
別の代表的な態様では、ワイヤレス通信のための方法が開示される。方法は、第1の通信ノードから第2の通信ノードに送信されたデータパケットに関する遅延情報を、第1の通信ノードから第2の通信ノードに送信するステップを含む。方法は、第1の通信ノードから、データパケットの伝送遅延を要求する第1のメッセージを第3の通信ノードに送信するステップを含む。方法は、第1の通信ノードで、第1のメッセージに応答して、第3の通信から第2のメッセージを受信するステップであって、第2のメッセージがデータパケットの伝送遅延を含む、ステップをさらに含む。
【0006】
別の代表的な態様では、ワイヤレス通信のための方法が開示される。方法は、第1の通信ノードによって、第1の通信ノードで受信されるデータパケットについて遅延測定を実行するステップを含む。方法は、データパケットを第2の通信ノードに送信するステップを含む。方法は、第1の通信ノードで、第2の通信ノードからデータパケットに関する遅延情報を受信するステップを含む。方法は、第1の通信ノードによって、(1)遅延測定値又は(2)遅延情報のうちの少なくとも一方に基づいてデータパケットの伝送遅延を決定するステップをさらに含む。
【0007】
別の代表的な態様において、ワイヤレス通信のための方法が開示される。方法は、第1の通信ノードで、第2の通信ノードからデータパケットを受信するステップを含む。方法は、第1の通信ノードによって、データパケットについて遅延測定を実行するステップを含む。方法は、第1の通信ノードから、第2の通信ノードに遅延情報を送信するステップをさらに含む。遅延情報は、第2の通信ノードがデータパケットの伝送遅延を決定するのを支援するための遅延測定値に対応する。
【0008】
別の代表的な態様において、プロセッサを備えるワイヤレス通信装置が開示される。プロセッサは、本明細書に記載の方法を実施するように構成される。
【0009】
さらに別の代表的な態様において、本明細書に記載の様々な技法は、プロセッサ実行可能コードとして具体化され、コンピュータ可読プログラム媒体上に記憶され得る。
【0010】
一つ以上の実装形態の詳細が、添付の付属書、図面、及び以下の説明に記載されている。他の特徴が、説明及び図面並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】フロントホールインターフェースを介して接続された二つの情報要素のシステムアーキテクチャの例示的な概略図である。
【
図1B】フロントホールインターフェースを介して接続された二つの情報要素のシステムアーキテクチャの別の例示的な概略図である。
【
図2A】ワイヤレス通信のための方法のフローチャート表現である。
【
図2B】ワイヤレス通信のための別の方法のフローチャート表現である。
【
図3A】ワイヤレス通信のための別の方法のフローチャート表現である。
【
図3B】ワイヤレス通信のためのさらに別の方法のフローチャート表現である。
【
図4】本技術の一つ以上の実施形態による技法が適用され得るワイヤレス通信システムの一例を示す図である。
【
図6】データパケットに関する伝送遅延を取得するための集約ユニット(CU: Centralized Unit)とDUとの間の代表的なシグナリング手順を示す図である。
【
図7】データパケットに関する伝送遅延を取得するための、CUとDUとの間の別の代表的なシグナリング手順を示す図である。
【
図8】データパケットに関する伝送遅延を取得するための、CUとDUとの間の別の代表的なシグナリング手順を示す図である。
【
図9】データパケットに関する伝送遅延を取得するための、CUとDUとの間の別の代表的なシグナリング手順を示す図である。
【
図10】データパケットに関する伝送遅延を取得するための、CUとDUとの間の別の代表的なシグナリング手順を示す図である。
【
図11】データパケットに関する伝送遅延を取得するための、CUとDUとの間の別の代表的なシグナリング手順を示す図である。
【
図12】データパケットに関する伝送遅延を取得するための、CUと複数レベルのDUとの間の代表的なシグナリング手順を示す図である。
【
図13】データパケットに関する伝送遅延を取得するための、CUと複数のDUとの間の別の代表的なシグナリング手順を示す図である。
【
図14A】DUが編成されている代表的な階層トポロジを示す図である。
【
図14B】DUが編成されている代表的なメッシュトポロジを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
新世代のワイヤレス通信、すなわち5G新無線(NR: New Radio)通信の開発は、増大するネットワーク需要の要件を満たすための継続的なモバイルブロードバンドの進化プロセスの一部である。NRは、より高いスループットを提供して、より多くのユーザが同時に接続されるようにする。エネルギー消費、デバイスコスト、スペクトル効率、及び待ち時間などの他の側面も、様々な通信シナリオのニーズを満たすために重要である。
【0013】
NRがワイヤレス市場に登場すると、大量の接続及び高い伝送速度が、ベースバンドユニット(BBU: Baseband Unit)とリモート無線ユニット(RRU: Remote Radio Unit)との間の既存のコモンパブリックラジオインターフェース(CPRI: Common Public Radio Interface)インターフェースに課題をもたらす可能性がある。CPRIインターフェースを介して送信されるものは、物理層を介して符号化及び変調される同相と直交(I/Q: In-phase and Quadrature)データであるので、対応するビットレートは高くなる。したがって、伝送遅延を最小限に抑え、CPRIインターフェースでの帯域幅の使用を最適化することは困難であり得る。5Gエアインターフェースの速度が数十ギガバイト毎秒(Gbps)に増加すると、それに応じてCPRIインターフェースの帯域幅はテラバイト毎秒のレベルに増加し、フロントホールネットワークインターフェースの展開に多大な圧力をかける。
【0014】
したがって、NRワイヤレス通信システムの伝送容量、伝送遅延、及び展開コストを考慮することができるフロントホールネットワークインターフェースを設計することが望ましい。
図1Aは、フロントホールインターフェースを介して接続された二つの情報要素のシステムアーキテクチャの概略図を示す。集約ユニット(CU)とも呼ばれる第1のネットワーク要素101を使用して、遅延の影響を受けないネットワーク機能を実行することができる。分散ユニット(DU)とも呼ばれる第2のネットワーク要素103を使用して、遅延の影響を受けるネットワーク機能を実行することができる。CU101及びDU103は、インターフェース105(例えば、F1インターフェース)を介して互いに通信している。
【0015】
さらに、情報要素の制御プレーン(CP: control plane)及びユーザプレーン(UP: user plane)、すなわち二つの論理的に分離されたコンポーネントを、NR通信システム内で物理的に分離して、伝送遅延、負荷分散、マルチベンダデバイスの相互運用性、及び/又は展開コストをさらに考慮することができる。
図1Bは、フロントホールインターフェースを介して接続された二つの情報要素のシステムアーキテクチャの別の例示的な概略図を示す。
図1Bでは、第1の情報要素101のCP111及びUP113が、異なる地理的位置に配置されている。CP111及びUP113は、第1のインターフェース115(例えば、E1インターフェース)を介してそれぞれと通信する。CP111は、第2のインターフェース107(例えば、F1-Cインターフェース)を介してDU103と通信し得る。UP113は、第3のインターフェース109(例えば、F1-Uインターフェース)を介してDU103と通信し得る。物理的に分離されたCPコンポーネント及びUPコンポーネントは独立して構成され得るので、5G時代の様々なビジネス要件を満たすための柔軟性及び効率を向上させることができる。
【0016】
遅延の影響を受ける機能及び遅延の影響を受けない機能に対する情報要素の分離、及び情報要素のCPコンポーネント及びUPコンポーネントの分離により、情報要素の自己組織化(SON: self-organizing)能力が、ネットワークの性能を向上させるために重要になる。特に、SONデータ遅延測定機能は、データパケットの伝送遅延を効果的に検出できる基本機能のうちの一つである。これは、ネットワークのサービス品質を監視し、自己最適化を可能にするために使用され得る。しかしながら、現在、分離された情報要素に対するデータ遅延測定の解決策は存在しない。
【0017】
本文書は、NRネットワーク内の分離された情報要素(例えば、CU及び/又はDU)によるデータパケットの伝送遅延を測定及び取得するために様々な実施形態で使用され得る技法について説明している。本開示の技法は、NRネットワークの自己最適化を実現し、ネットワークの最適な性能を達成するために様々な実施形態で使用され得る。
【0018】
図2Aは、ワイヤレス通信のための方法200のフローチャート表現である。方法200は、202において、第1の通信ノード(例えば、DU)で、第2の通信ノードから第1の通信ノードに送信されたデータパケットに関する遅延情報を、第2の通信ノードから受信するステップを含む。方法200は、204において、第1の通信ノードによって、遅延情報に基づいてデータパケットの伝送遅延を決定するステップを含む。いくつかの実施形態において、特定の通信ノードでの遅延情報は、データパケットが通信ノードから対応するユーザ機器(UE: User Equipment)に送信される持続時間であり得る。方法200は、206において、第1の通信ノードで、データパケットの伝送遅延を要求する第1のメッセージを第3の通信ノードから受信するステップを含む。方法200は、208において、第1のメッセージに応答して第1の通信ノードから第2のメッセージを第3の通信ノードに送信するステップをさらに含む。第2のメッセージは、データパケットに関する伝送遅延を含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、データパケットの伝送遅延を決定するステップは、第1の通信ノードによってデータパケットの遅延測定を実行するステップと、第1の通信ノードによって遅延情報及び遅延測定値に基づいてデータパケットの伝送遅延を計算するステップとを含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、第2の通信ノードは、第3の通信ノードと同じである(例えば、これらは共に同じCUである)。遅延情報は、制御トラフィックを搬送するための第2の通信ノードの第1のコンポーネント(例えば、CP)を介して送信されるメッセージ内で搬送され得る。遅延情報はまた、データトラフィックを搬送するための第2の通信ノードの第2のコンポーネント(例えば、UP)を介して送信されるデータフレーム内で搬送され得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、第2の通信ノードは、第3の通信ノードとは異なる。例えば、第2の通信ノードは異なるDUであり、第3の通信ノードはCUである。遅延情報は、第2の通信ノードから送信されるデータフレーム内で搬送され得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、第2の通信ノードは、第3の通信ノードから遅延情報を受信し、遅延情報を第1の通信ノードに転送するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、各データパケットのタイムスタンプを含む。タイムスタンプは、対応するデータパケットが第2の通信ノードで受信された時刻を示す。いくつかの実施形態において、遅延情報は、各データパケットの持続時間を含む。持続時間は、第2の通信ノードでの対応するデータパケットに関する遅延量を示す。
【0024】
いくつかの実施形態において、データパケットの伝送遅延を決定するステップは、遅延情報に基づいて平均遅延値を計算するステップを含む。
【0025】
図2Bは、ワイヤレス通信のための方法250のフローチャート表現である。方法250は、252において、第1の通信ノード(例えば、CU)から、第1の通信ノードから第2の通信ノードに送信されたデータパケットに関する遅延情報を第2の通信ノードに送信するステップを含む。方法250は、254において、第1の通信ノードから、データパケットの伝送遅延を要求する第1のメッセージを第3の通信ノードに送信するステップを含む。方法250は、256において、第1の通信ノードで、第1のメッセージに応答して第3の通信から第2のメッセージを受信するステップであって、第2のメッセージがデータパケットの伝送遅延を含む、ステップをさらに含む。
【0026】
いくつかの実施形態において、第2の通信ノードは、第3の通信ノードと同じである(例えば、同じDU)。いくつかの実施形態において、第2の通信ノードは、第3の通信ノードとは異なる(例えば、異なるDU)。
【0027】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、制御トラフィックを搬送するための第1の通信ノードの第1のコンポーネント(例えば、CP)を介して送信されるメッセージ内で搬送される。いくつかの実施形態において、遅延情報は、データトラフィックを搬送するための第1の通信ノードの第2のコンポーネント(例えば、UP)を介して送信されるデータフレーム内で搬送される。
【0028】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、各データパケットのタイムスタンプを含む。タイムスタンプは、対応するデータパケットが第1の通信ノードで受信された時刻を示す。いくつかの実施形態において、遅延情報は、各データパケットの持続時間を含む。持続時間は、第1の通信ノードでの対応するデータパケットに関する遅延量を示す。いくつかの実施形態において、データパケットの伝送遅延は、遅延情報に基づいて決定された平均遅延値に対応する。
【0029】
図3Aは、ワイヤレス通信のための方法300のフローチャート表現である。方法300は、302において、第1の通信ノード(例えば、CU)によって、第1の通信ノードで受信されるデータパケットについて遅延測定を実行するステップを含む。方法300は、304において、データパケットを第2の通信ノードに送信するステップを含む。方法300は、306において、第1の通信ノードで、第2の通信ノードからデータパケットに関する遅延情報を受信するステップを含む。方法300は、308において、第1の通信ノードによって、(1)遅延測定値又は(2)遅延情報のうちの少なくとも一方に基づいてデータパケットの伝送遅延を決定するステップをさらに含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、方法は、第1の通信ノードによって、データパケットに関する遅延情報を要求する第1のメッセージを第2の通信ノードに送信するステップを含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、制御トラフィックを搬送するための第1の通信ノードの第1のコンポーネント(例えば、CP)に送信される第2のメッセージ内で搬送される。いくつかの実施形態において、遅延情報は、データトラフィックを搬送するための第1の通信ノードの第2のコンポーネント(例えば、UP)に送信されるデータフレーム内で搬送される。
【0032】
いくつかの実施形態において、第1の通信ノードは、制御トラフィックを搬送するための第1のコンポーネントと、データトラフィックを搬送するための第2のコンポーネントとを備える。遅延測定は、第1の通信ノードの第2のコンポーネントによって実行され、データパケットの伝送遅延は、第1の通信ノードの第1のコンポーネントによって決定される。いくつかの実装形態において、方法は、第1のコンポーネントから、データパケットに関する遅延情報を要求する第3のメッセージを第2のコンポーネントに送信するステップと、第1のコンポーネントで、第3のメッセージに応答して第2のコンポーネントから第4のメッセージを受信するステップであって、第4のメッセージが遅延情報を含む、ステップとをさらに含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、各データパケットのタイムスタンプを含む。タイムスタンプは、対応するデータパケットが第2の通信ノードで受信された時刻を示す。いくつかの実施形態において、遅延情報は、各データパケットの持続時間を含む。持続時間は、第2の通信ノードでの対応するデータパケットに関する遅延量を示す。
【0034】
いくつかの実施形態において、データパケットの伝送遅延を決定するステップは、遅延測定値及び遅延情報に基づいて平均遅延値を計算するステップを含む。
【0035】
図3Bは、ワイヤレス通信のための方法350のフローチャート表現である。方法350は、352において、第1の通信ノードで、第2の通信ノードからデータパケットを受信するステップを含む。方法350は、354において、第1の通信ノードによって、データパケットについて遅延測定を実行するステップを含む。方法350は、356において、第1の通信ノードから、第2の通信ノードに遅延情報を送信するステップをさらに含む。遅延情報は、第2の通信ノードがデータパケットの伝送遅延を決定するのを支援するための遅延測定値に対応する。
【0036】
いくつかの実施形態において、方法は、第1の通信ノードで、データパケットに関する遅延情報を要求する第1のメッセージを第2の通信ノードから受信するステップを含む。
【0037】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、制御トラフィックを搬送するための第2の通信ノードの第1のコンポーネントを介して送信される第2のメッセージ内で搬送される。いくつかの実施形態において、遅延情報は、データトラフィックを搬送するための第2の通信ノードの第2のコンポーネントを介して送信されるデータフレーム内で搬送される。
【0038】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、各データパケットのタイムスタンプを含み、タイムスタンプは、対応するデータパケットが第1の通信ノードで受信された時刻を示す。いくつかの実施形態において、遅延情報は、各データパケットの持続時間を含み、持続時間は、第1の通信ノードでの対応するデータパケットに関する遅延量を示す。いくつかの実施形態において、データパケットの伝送遅延は、遅延情報に基づいて決定された平均遅延値に対応する。
【0039】
図4は、本技術の一つ以上の実施形態による技法が適用され得るワイヤレス通信システム400の一例を示す。ワイヤレス通信システム400は、一つ以上の基地局(BS)405a、405b、一つ以上のワイヤレスデバイス410a、410b、410c、410d、及びコアネットワーク425を含み得る。基地局405a、405bは、一つ以上のワイヤレスセクタ内のワイヤレスデバイス410a、410b、410c、及び410dにワイヤレスサービスを提供し得る。いくつかの実装形態において、基地局405a、405bは、異なるセクタでワイヤレスカバレッジを提供するために二つ以上の指向性ビームを生成するための指向性アンテナを含む。
【0040】
コアネットワーク425は、一つ以上の基地局405a、405bと通信し得る。コアネットワーク425は、他のワイヤレス通信システム及びワイヤード通信システムとの接続を提供する。コアネットワークは、加入ワイヤレスデバイス410a、410b、410c、及び410dに関連する情報を格納するための一つ以上のサービス加入データベースを含み得る。第1の基地局405aは、第1の無線アクセス技術に基づくワイヤレスサービスを提供し得、一方、第2の基地局405bは、第2の無線アクセス技術に基づくワイヤレスサービスを提供する。基地局405a及び405bは、展開シナリオに従って、同じ場所に配置され得るか、又はフィールド内で別々に設置され得る。ワイヤレスデバイス410a、410b、410c、及び410dは、複数の異なる無線アクセス技術をサポートし得る。
【0041】
いくつかの実装形態において、ワイヤレス通信システムは、異なるワイヤレス技術を使用する複数のネットワークを含み得る。デュアルモード又はマルチモードのワイヤレスデバイスは、異なるワイヤレスネットワークに接続するために使用され得る二つ以上のワイヤレス技術を含む。
【0042】
図5は、無線局の一部のブロック図表現である。基地局又はワイヤレスデバイス(又はUE)などの無線局455は、本文書に提示されるワイヤレス技法のうちの一つ以上を実装するマイクロプロセッサなどのプロセッサ電子機器450を含み得る。無線局455は、アンテナ470などの一つ以上の通信インターフェースを介してワイヤレス信号を送信及び/又は受信するための送受信機電子機器465を含み得る。無線局455は、データを送信及び受信するための他の通信インターフェースを含み得る。無線局455は、データ及び/又は命令などの情報を記憶するように構成された一つ以上のメモリ(明示的に図示せず)を含み得る。いくつかの実装形態において、プロセッサ電子機器450は、送受信機電子機器465の少なくとも一部を含み得る。いくつかの実施形態において、本開示の技法、モジュール、又は機能のうちの少なくともいくつかは、無線局455を使用して実装される。
【0043】
本開示の技法の詳細について、以下の例示的な実施形態において説明する。
【0044】
[例示的な実施形態1]
図6は、データパケットに関する伝送遅延を取得するための、CUとDUとの間の代表的なシグナリング手順を示す。本実施形態において、遅延はDU側で計算される。CUのCP及びUPは分離されていない。
【0045】
CUは最初に、CUで受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。いくつかの実施形態において、CUは、N個のデータパケットに関する遅延情報を収集し、ここで、Nは所定数である。いくつかの実装形態において、CUは、所定の持続時間Ts内に受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。
【0046】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、CUに到着するデータパケットのそれぞれについての遅延を含む。例えば、データパケットdkが、時刻ta1(k)にCUに到着する。データパケットdkは、tb1(k)にCUからDUに送信される。したがって、データパケットdkのCUでの遅延は、t1(k) = tb1(k) - ta1(k)である。1≦i≦Nのデータパケットそれぞれについて、対応するCUでの遅延は、t1(i)である。その後、データパケットはDUに転送される。
【0047】
次いで、CUは、ステップ601において、遅延情報をDUに送信する。本実施形態では、CUのCP及びUPは分離されていないので、遅延情報は、メッセージ(例えば、遅延測定支援情報)に含まれ、CUのCPを介して送信され得る。いくつかの実施形態において、CUは、t1(i)の平均値、すなわち
【0048】
【数1】
を計算し、メッセージを介して平均値T
1をDUに送信し得る。
【0049】
DU側では、DUもまた、DUでCUから受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。DUは、N個のデータパケットに関する遅延情報、又は所定の持続時間Ts内のデータパケットに関する遅延情報を収集し得る。
【0050】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、DUがCUから受信したデータパケットのそれぞれについてのDUでの遅延を含む。例えば、データパケットdkが、時刻ta2(k)にDUに到着する。次いで、データパケットdkは、ユーザ機器(UE)に送信される。データパケットdkに対応する確認応答(ACK)は、時刻tb2(k)にDUで受信される。したがって、データパケットdkの遅延は、t2(k) = tb2(k) - ta2(k)である。1≦i≦Nのデータパケットそれぞれについて、対応するDUでの遅延は、t2(i)である。いくつかの実施形態において、DUは、平均値、すなわち
【0051】
【0052】
DUがN個のデータパケットのt1(i)とt2(i)の両方を取得した後、DUはデータパケットに関する平均伝送遅延、すなわち
【0053】
【数3】
を計算し得る。いくつかの実施形態において、DUは、次のように平均伝送遅延、すなわちT = T
1 + T
2 + t
Fを計算する。ここで、t
Fは、CUとDUとの間のフロントホールインターフェース(例えば、F1インターフェース)の時間遅延である。t
Fの値は、固定(及び、任意選択で事前設定された)値であり得るか、又は測定値に基づいて取得され得る。
【0054】
CUは、602において、伝送遅延を要求するための第1のメッセージ(例えば、時間遅延要求)をDUに送信する。第1のメッセージは、次のタイプの情報、すなわちCUの識別子、DUの識別子、及び/又は測定対象(複数可)の情報のうちの少なくとも一つを含み得る。CUの識別子は、CU識別情報(ID)及び/又はCUのインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。DUの識別子は、DU ID及び/又はDUのIPアドレスであり得る。測定対象の情報は、データ無線ベアラ(DRB: Data Radio Bearer)IDを含み得、又はDRB ID複数からなる組合せを含み得る。
【0055】
次いで、DUは、603において、第1のメッセージに応答して第2のメッセージ(例えば、時間遅延応答)をCUに送信する。第2のメッセージは、次のタイプの情報、すなわちCUの識別子、UDの識別子、及び/又は測定対象(複数可)の平均データ遅延(複数可)、のうちの少なくとも一つを含み得る。CUの識別子は、CU識別情報(ID)及び/又はCUのインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。DUの識別子は、DU ID及び/又はDUのIPアドレスであり得る。いくつかの実施形態において、各測定対象(例えば、DRB IDに対応するデータトラフィック)について、測定対象の平均データ遅延を示す、対応するT値(例えば、
【0056】
【数4】
又はT = T
1 + T
2 + t
F)は、第2のメッセージに含まれる。
【0057】
[例示的な実施形態2]
図7は、データパケットに関する伝送遅延を取得するための、CUとDUとの間の代表的なシグナリング手順を示す。本実施形態において、遅延はDU側で計算される。CUのCP及びUPは分離されており、CUは、物理的に異なる場所に配置されたCU-CP及びCU-UPを含む。
【0058】
CU-UPは最初に、CU-UPで受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。いくつかの実施形態において、CU-UPは、N個のデータパケットに関する遅延情報を収集し、ここで、Nは所定数である。いくつかの実装形態において、CU-UPは、所定の持続時間Ts内に受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。
【0059】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、データパケットのそれぞれについてのCU-UPでの遅延を含む。例えば、データパケットdkが、時刻ta1(k)にCU-UPに到着する。データパケットdkは、tb1(k)にCU-UPから送信される。したがって、データパケットdkのCU-UPでの遅延は、t1(k) = tb1(k) - ta1(k)である。1≦i≦Nのデータパケットそれぞれについて、対応するCU-UPでの遅延は、t1(i)である。その後、データパケットはDUに転送される。
【0060】
次いで、CU-UPは、ステップ701において、遅延情報をDUに送信する。本実施形態では、CUのCP及びUPが分離されているので、遅延情報は一つ以上のダウンリンクデータフレーム内に含まれ得る。いくつかの実施形態において、CU-UPは、ダウンリンクデータフレームを介してti(i)をDUに送信し得る。いくつかの実施形態において、CU-UPは、t1(i)の平均値、すなわち
【0061】
【数5】
を計算し、平均値T
1をダウンリンクデータフレームを介してDUに送信し得る。
【0062】
DU側では、DUもまた、DUでCU-UPから受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。DUは、N個のデータパケットに関する遅延情報、又は所定の持続時間Ts内のデータパケットに関する遅延情報を収集し得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、DUがCU-UPから受信したデータパケットそれぞれについてのDUでの遅延を含む。例えば、データパケットdkが、時刻ta2(k)にDUに到着する。次いで、データパケットdkは、UEに送信される。データパケットdkに対応する確認応答(ACK)は、時刻tb2(k)にDUで受信される。したがって、データパケットdkのDUでの遅延は、t2(k) = tb2(k) - ta2(k)である。1≦i≦Nのデータパケットそれぞれについて、対応するDUでの遅延は、t2(i)である。いくつかの実施形態において、DUは、t2(i)の平均値、すなわち
【0064】
【0065】
DUがN個のデータパケットのt1(i)とt2(i)の両方を取得した後、DUはデータパケットに関する平均伝送遅延、すなわち
【0066】
【数7】
を計算し得る。いくつかの実施形態において、DUは、T
1とT
2の両方を取得し、次のように平均伝送遅延、すなわちT = T
1 + T
2 + t
Fを計算する。ここで、t
Fは、CU-UPとDUとの間のフロントホールインターフェース(例えば、F1-Uインターフェース)の時間遅延である。t
Fの値は、固定(任意選択で事前構成された)値であり得るか、又は測定値に基づいて取得され得る。
【0067】
CU-CPは、702において、伝送遅延を要求するための第1のメッセージ(例えば、時間遅延要求)をDUに送信する。第1のメッセージは、次のタイプの情報、すなわちCU-CPの識別子、DUの識別子、及び/又は測定対象(複数可)の情報、のうちの少なくとも一つを含み得る。CU-CPの識別子は、CU-CP識別情報(ID)及び/又はCU-CPのインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。DUの識別子は、DU ID及び/又はDUのIPアドレスであり得る。測定対象(複数可)の情報は、データ無線ベアラ(DRB)IDを含み得、又はDRB ID複数からなる組合せを含み得る。
【0068】
次いで、DUは、703において、第1のメッセージに応答して第2のメッセージ(例えば、時間遅延応答)をCU-CPに送信する。第2のメッセージは、次のタイプの情報、すなわちCU-CPの識別子、UDの識別子、及び/又は測定対象(複数可)の平均データ遅延(複数可)のうちの少なくとも一つを含み得る。CU-CPの識別子は、CU-CP識別情報(ID)及び/又はCU-CPのインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。DUの識別子は、DU ID及び/又はDUのIPアドレスであり得る。いくつかの実施形態において、各測定対象(例えば、DRB IDに対応するデータトラフィック)について、測定対象の平均データ遅延を示す、対応するT値(例えば、
【0069】
【数8】
又はT = T
1 + T
2 + t
F)は、第2のメッセージに含まれる。
【0070】
[例示的な実施形態3]
図8は、データパケットに関する伝送遅延を取得するための、CUとDUとの間の代表的なシグナリング手順を示す。本実施形態において、遅延はCU側で計算される。CUのCP及びUPは分離されていない。
【0071】
CUは最初に、CUで受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。いくつかの実施形態において、CUは、N個のデータパケットに関する遅延情報を収集し、ここで、Nは所定数である。いくつかの実装形態において、CUは、所定の持続時間Ts内に受信されるデータパケットの遅延情報を収集する。
【0072】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、データパケットのそれぞれについてのCUでの遅延を含む。例えば、データパケットdkが、時刻ta1(k)にCUに到着する。データパケットdkは、tb1(k)にCUから送信される。したがって、データパケットdkのCUでの遅延は、t1(k) = tb1(k) - ta1(k)である。1≦i≦Nのデータパケットそれぞれについて、対応するCUでの遅延は、t1(i)である。その後、データパケットはDUに転送される。
【0073】
DU側では、DUもまた、DUでCUから受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。DUは、N個のデータパケットに関する遅延情報、又は所定の持続時間Ts内のデータパケットに関する遅延情報を収集し得る。
【0074】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、DUがCUから受信したデータパケットのそれぞれについてのDUでの遅延を含む。例えば、データパケットdkが、時刻ta2(k)にDUに到着する。次いで、データパケットdkは、ユーザ機器(UE)に送信される。データパケットdkに対応する確認応答(ACK)は、時刻tb2(k)にDUで受信される。したがって、データパケットdkの遅延は、t2(k) = tb2(k) - ta2(k)である。1≦i≦Nのデータパケットそれぞれについて、対応するDUでの遅延は、t2(i)である。いくつかの実施形態において、DUは、平均値、すなわち
【0075】
【0076】
DUがN個のデータパケットのt2(i)を取得した後、DUは、801において、遅延情報をCUに送信し得る。CUのCPおよびUPは分離されていないので、遅延情報は、メッセージ(例えば、遅延測定支援情報)に含まれ、制御プレーンを介してCUに送信され得る。メッセージは、次のタイプの情報、すなわちCUの識別子、DUの識別子、及び/又は測定対象(複数可)の情報のうちの少なくとも一つを含み得る。CUの識別子は、CU識別情報(ID)及び/又はCUのインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。DUの識別子は、DU ID及び/又はDUのIPアドレスであり得る。測定対象(複数可)の情報は、データ無線ベアラ(DRB)IDを含み得、又はDRB ID複数からなる組合せを含み得る。
【0077】
CUがN個のデータパケットのt1(i)とt2(i)の両方を取得した後、CUはデータパケットに関する平均伝送遅延、すなわち
【0078】
【数10】
を計算し得る。いくつかの実施形態において、CUは、T
1とT
2の両方を取得し、次のように平均伝送遅延、すなわちT = T
1 + T
2 + t
Fを計算する。ここで、t
Fは、CUとDUとの間のフロントホールインターフェース(例えば、F1インターフェース)の時間遅延である。t
Fの値は、固定(任意選択で事前構成された)値であり得るか、又は測定値に基づいて取得され得る。
【0079】
[例示的な実施形態4]
図9は、データパケットに関する伝送遅延を取得するための、CUとDUとの間の代表的なシグナリング手順を示す。本実施形態において、CUのCP及びUPは分離されている。遅延はCU-UP側によって計算される。
【0080】
CU-UPは、CU-UPで受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。いくつかの実施形態において、CU-UPは、N個のデータパケットに関する遅延情報を収集し、ここで、Nは所定数である。いくつかの実装形態において、CU-UPは、所定の持続時間Ts内に受信されるデータパケットの遅延情報を収集する。
【0081】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、データパケットのそれぞれについてのCU-UPでの遅延を含む。例えば、データパケットdkが、時刻ta1(k)にCU-UPに到着する。データパケットdkは、tb1(k)にCUから送信される。したがって、データパケットdkのCU-UPでの遅延は、t1(k) = tb1(k) - ta1(k)である。1≦i≦Nのデータパケットそれぞれについて、対応するCU-UPでの遅延は、t1(i)である。その後、データパケットはDUに転送される。
【0082】
DU側では、DUもまた、DUでCUから受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。DUは、N個のデータパケットに関する遅延情報、又は所定の持続時間Ts内のデータパケットに関する遅延情報を収集し得る。
【0083】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、DUがCU-UPから受信したデータパケットのそれぞれについてのDUでの遅延を含む。例えば、データパケットdkが、時刻ta2(k)にDUに到着する。次いで、データパケットdkは、ユーザ機器(UE)に送信される。データパケットdkに対応する確認応答(ACK)は、時刻tb2(k)にDUで受信される。したがって、データパケットdkの遅延は、t2(k) = tb2(k) - ta2(k)である。1≦i≦Nのデータパケットそれぞれについて、対応するDUでの遅延は、t2(i)である。いくつかの実施形態において、DUは、t2(i)の平均値、すなわち
【0084】
【0085】
DUがN個のデータパケットのt2(i)を取得した後、DUは、901において、遅延情報をCU-UPに送信し得る。CUのCP及びUPが分離されているので、遅延情報は、アップリンクデータフレーム内、又はDUからCUへのダウンリンクデータ配信ステータス(DDDS)フレーム内に含まれ得る。遅延情報は、次のタイプの情報、すなわちCU-UPの識別子、DUの識別子、及び/又は測定対象(複数可)の情報のうちの少なくとも一つを含み得る。CU-UPの識別子は、CU-UP識別情報(ID)及び/又はCU-UPのインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。DUの識別子は、DU ID及び/又はDUのIPアドレスであり得る。測定対象(複数可)の情報は、データ無線ベアラ(DRB)IDを含み得、又はDRB ID複数からなる組合せを含み得る。
【0086】
CU-UPがN個のデータパケットのt1(i)とt2(i)の両方を取得した後、CU-UPはデータパケットに関する平均伝送遅延、すなわち
【0087】
【数12】
を計算し得る。いくつかの実施形態において、CU-UPは、T
1及びT
2を取得し、次のように平均伝送遅延、すなわちT = T
1 + T
2 + t
Fを計算する。ここで、t
Fは、CU-UPとDUとの間のフロントホールインターフェース(例えば、F1-Uインターフェース)の時間遅延である。t
Fの値は、固定(任意選択で事前構成された)値であり得るか、又は測定値に基づいて取得され得る。
【0088】
[例示的な実施形態5]
図10は、データパケットに関する伝送遅延を取得するための、CUとDUとの間の代表的なシグナリング手順を示す。本実施形態において、CUのCP及びUPは分離されている。遅延はCU-CP側によって計算される。
【0089】
CU-UPは最初に、CU-UPで受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。いくつかの実施形態において、CU-UPは、N個のデータパケットに関する遅延情報を収集し、ここで、Nは所定数である。いくつかの実装形態において、CU-UPは、所定の持続時間Ts内に受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。
【0090】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、データパケットのそれぞれについてのCU-UPでの遅延を含む。例えば、データパケットdkが、時刻ta1(k)にCU-UPに到着する。データパケットdkは、tb1(k)にCUから送信される。したがって、データパケットdkのCU-UPでの遅延は、t1(k) = tb1(k) - ta1(k)である。1≦i≦Nのデータパケットそれぞれについて、対応するCU-UPでの遅延は、t1(i)である。その後、データパケットはDUに転送される。
【0091】
DU側では、DUもまた、DUでCUから受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。DUは、N個のデータパケットに関する遅延情報、又は所定の持続時間Ts内のデータパケットに関する遅延情報を収集し得る。
【0092】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、DUがCU-UPから受信したデータパケットのそれぞれについてのDUでの遅延を含む。例えば、データパケットdkが、時刻ta2(k)にDUに到着する。次いで、データパケットdkは、ユーザ機器(UE)に送信される。データパケットdkに対応する確認応答(ACK)は、時刻tb2(k)にDUで受信される。したがって、データパケットdkの遅延は、t2(k) = tb2(k) - ta2(k)である。1≦i≦Nのデータパケットそれぞれについて、対応するDUでの遅延は、t2(i)である。いくつかの実施形態において、DUは、t2(i)の平均値、すなわち
【0093】
【0094】
CU-CPは、ステップ1001において、CU-UPがN個のデータパケットのt1(i)を取得した後、遅延情報を要求するための第1のメッセージ(例えば、遅延情報検索)を送信する。第1のメッセージは、次のタイプの情報、すなわちCU-CPの識別子、CU-UPの識別子、及び/又は測定対象(複数可)の情報のうちの少なくとも一つを含み得る。CU-CPの識別子は、CU-CP識別情報(ID)及び/又はCU-CPのインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。CU-UPの識別子は、CU-UP ID及び/又はCU-UPのIPアドレスであり得る。測定対象(複数可)の情報は、データ無線ベアラ(DRB)IDを含み得、又はDRB ID複数からなる組合せを含み得る。
【0095】
CU-CPはまた、ステップ1002において、DUがN個のデータパケットのt2(i)を取得した後、遅延情報を要求するための第2のメッセージ(例えば、遅延情報要求)を送信する。第2のメッセージは、次のタイプの情報、すなわちCU-CPの識別子、DUの識別子、及び/又は測定対象(複数可)の情報のうちの少なくとも一つを含み得る。CU-CPの識別子は、CU-CP識別情報(ID)及び/又はCU-CPのインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。DUの識別子は、DU ID及び/又はDUのIPアドレスであり得る。測定対象(複数可)の情報は、データ無線ベアラ(DRB)IDを含み得、又はDRB ID複数からなる組合せを含み得る。
【0096】
次いで、CU-UPは、ステップ1003において、第1のメッセージに応答して第3のメッセージ(例えば、遅延情報検索応答)をCU-CPに送信する。第3のメッセージは、次のタイプの情報、すなわちCU-CPの識別子、CU-UPの識別子、及び/又は測定対象(複数可)の情報のうちの少なくとも一つを含み得る。CU-CPの識別子は、CU-CP識別情報(ID)及び/又はCU-CPのインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。CU-UPの識別子は、CU-UP ID及び/又はCU-UPのIPアドレスであり得る。いくつかの実施形態において、各測定対象(例えば、DRB IDに対応するデータトラフィック)について、遅延情報を示す一つ以上の対応する値(例えば、t1(i)又はT1)は、第2のメッセージに含まれ得る。
【0097】
次いで、DUは、ステップ1004において、第2のメッセージに応答して第4のメッセージ(例えば、遅延情報応答)をCU-CPに送信する。第4のメッセージは、次のタイプの情報、すなわちCU-CPの識別子、DUの識別子、及び/又は測定対象(複数可)の遅延情報のうちの少なくとも一つを含み得る。CU-CPの識別子は、CU-CP識別情報(ID)及び/又はCU-CPのインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。DUの識別子は、DU ID及び/又はDUのIPアドレスであり得る。いくつかの実施形態において、各測定対象(例えば、DRB IDに対応するデータトラフィック)について、遅延情報を示す一つ以上の対応する値(例えば、t2(i)又はT2)は、第4のメッセージに含まれ得る。
【0098】
CU-CPがN個のデータパケットのt1(i)とt2(i)の両方を取得した後、CU-CPはデータパケットに関する平均伝送遅延、すなわち
【0099】
【数14】
を計算し得る。いくつかの実施形態において、CU-CPは、T
1及びT
2を取得し、次のように平均伝送遅延、すなわちT = T
1 + T
2 + t
Fを計算する。ここで、t
Fは、CU-UPとDUとの間のフロントホールインターフェース(例えば、F1-Uインターフェース)の時間遅延である。t
Fの値は、固定(任意選択で事前構成された)値であり得るか、又は測定値に基づいて取得され得る。
【0100】
[例示的な実施形態6]
図11は、データパケットに関する伝送遅延を取得するための、CUとDUとの間の代表的なシグナリング手順を示す。本実施形態において、遅延はDU側で計算される。CUのCP及びUPは分離されている。
【0101】
CU-UPは最初に、CU-UPで受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。いくつかの実施形態において、CU-UPは、N個のデータパケットに関する遅延情報を収集し、ここで、Nは所定数である。いくつかの実装形態において、CU-UPは、所定の持続時間Ts内に受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。
【0102】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、データパケットのそれぞれについてのCU-UPへの到着時間を含む。例えば、データパケット1≦i≦Nはそれぞれ、ta(i)にCU-UPに到着する。その後、データパケットはDUに転送される。次いで、CU-UPは、ステップ1101において、遅延情報をDUに送信する。本実施形態では、CUのCP及びUPが分離されているので、遅延情報は、ダウンリンクデータフレーム(例えば、GTPヘッダ)に含まれ得る。
【0103】
DU側では、DUもまた、DUでCU-UPから受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。DUは、N個のデータパケットに関する遅延情報、又は所定の持続時間Ts内のデータパケットに関する遅延情報を収集し得る。いくつかの実施形態において、遅延情報は、DUがデータパケットについての確認応答を受信する時刻を含む。例えば、データパケットdkiのそれぞれに対応する確認応答(ACK)は、時刻tb(i)にDUで受信される。
【0104】
DUは、ta(i)及びtb(i)に基づいてデータパケットのそれぞれに関する伝送遅延、すなわちt(i) = tb(i) - ta(i)を計算し得る。いくつかの実施形態において、DUは、データパケットに関する平均伝送遅延、すなわち
【0105】
【0106】
CU-CPは、1102において、伝送遅延を要求するための第1のメッセージ(例えば、時間遅延要求)をDUに送信する。第1のメッセージは、次のタイプの情報、すなわちCU-CPの識別子、DUの識別子、及び/又は測定対象(複数可)の情報の少なくとも一つを含み得る。CU-CPの識別子は、CU-CP識別情報(ID)及び/又はCU-CPのインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。DUの識別子は、DU ID及び/又はDUのIPアドレスであり得る。測定対象(複数可)の情報は、データ無線ベアラ(DRB)IDを含み得、又はDRB ID複数からなる組合せを含み得る。
【0107】
次いで、DUは、1103において、第1のメッセージに応答して第2のメッセージ(例えば、時間遅延応答)をCU-CPに送信する。第2のメッセージは、次のタイプの情報、すなわちCU-CPの識別子、UDの識別子、及び/又は測定対象(複数可)の平均データ遅延(複数可)のうちの少なくとも一つを含み得る。CU-CPの識別子は、CU-CP識別情報(ID)及び/又はCU-CPのインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。DUの識別子は、DU ID及び/又はDUのIPアドレスであり得る。いくつかの実施形態において、各測定対象(例えば、DRB IDに対応するデータトラフィック)について、測定対象の平均データ遅延を示す、対応するT値(例えば、
【0108】
【0109】
[例示的な実施形態7]
図12は、データパケットに関する伝送遅延を取得するための、CUと複数レベルのDUとの間の代表的なシグナリング手順を示す。本実施形態において、DUは、
図14Aに示すように、階層的に編成される。
【0110】
CUは最初に、CUで受信されるデータパケットの遅延情報を収集する。いくつかの実施形態において、CUは、N個のデータパケットに関する遅延情報を収集し、ここで、Nは所定数である。いくつかの実装形態において、CUは、所定の持続時間Ts内に受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。
【0111】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、データパケットのそれぞれのCUへの到着時刻を含む。例えば、データパケット1≦i≦Nはそれぞれ、ta(i)にCUに到着する。その後、データパケットは、DU1からDU2、及びDU3へとDUに転送される。次いで、CUは、ステップ1201において、遅延情報をDU1に送信する。本実施形態では、CUのCP及びUPが分離されているので、遅延情報は、ダウンリンクデータフレーム(例えば、GTPヘッダ)に含まれ得る。
【0112】
中間DU(例えば、DU1、DU2)は、遅延情報(例えば、ta(i))を最後のDU3に転送し得る。最後のDU3は、DU3で受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。DU3は、N個のデータパケットに関する遅延情報、又は所定の持続時間Ts内のデータパケットに関する遅延情報を収集し得る。いくつかの実施形態において、遅延情報は、DU3がデータパケットについての確認応答を受信する時刻を含む。例えば、データパケットdkiのそれぞれに対応する確認応答(ACK)は、時刻tb(i)にDU3で受信される。
【0113】
DU3は、ta(i)及びtb(i)に基づいてデータパケットのそれぞれに関する伝送遅延、すなわちt(i) = tb(i) - ta(i)を計算し得る。いくつかの実施形態において、DU3は、データパケットに関する平均伝送遅延、すなわち
【0114】
【0115】
CU-CPは、1202において、伝送遅延を要求するための第1のメッセージ(例えば、時間遅延要求)を最後のDU3に送信する。第1のメッセージは、次のタイプの情報、すなわちCU-CPの識別子、DUの識別子、及び/又は測定対象(複数可)の情報のうちの少なくとも一つを含み得る。CU-CPの識別子は、CU-CP識別情報(ID)及び/又はCU-CPのインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。DUの識別子は、DU ID及び/又はDUのIPアドレスであり得る。測定対象(複数可)の情報は、データ無線ベアラ(DRB)IDを含み得、又はDRB ID複数からなる組合せを含み得る。
【0116】
次いで、最後のDUは、1203において、第1のメッセージに応答して第2のメッセージ(例えば、時間遅延応答)をCU-CPに送信する。第2のメッセージは、次のタイプの情報、すなわちCU-CPの識別子、UDの識別子、及び/又は測定対象(複数可)の平均データ遅延のうちの少なくとも一つを含み得る。CU-CPの識別子は、CU-CP識別情報(ID)及び/又はCU-CPのインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。DUの識別子は、DU ID及び/又はDUのIPアドレスであり得る。いくつかの実施形態において、各測定対象(例えば、DRB IDに対応するデータトラフィック)について、測定対象の平均データ遅延を示す、対応するT値(例えば、
【0117】
【0118】
[例示的な実施形態8]
図13は、データパケットに関する伝送遅延を取得するための、CUと複数のDUとの間の別の代表的なシグナリング手順を示す。本実施形態において、DUは、
図14Bに示すように、メッシュトポロジで編成される。
【0119】
情報要素は、情報要素で受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集し得る。いくつかの実施形態において、CUは、N個のデータパケットに関する遅延情報を収集し、ここで、Nは所定数である。いくつかの実装形態において、CUは、所定の持続時間Ts内に受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。
【0120】
いくつかの実施形態において、遅延情報は、CUに到着するデータパケットのそれぞれについての遅延を含む。例えば、データパケットdkが、時刻ta0(k)にCUに到着する。データパケットdkは、tb0(k)にCU DUから送信される。したがって、データパケットdkのCUでの遅延は、t0(k) = tb0(k) - ta0(k)である。1≦i≦Nのデータパケットそれぞれについて、対応するCUでの遅延は、t0(i)である。その後、データパケットは、(DU1、DU2、及びDU3を含む)DUに転送される。
【0121】
各DUもまた、DUでCUから受信されるデータパケットに関する遅延情報を収集する。DUは、N個のデータパケットに関する遅延情報、又は所定の持続時間Ts内のデータパケットに関する遅延情報を収集し得る。
【0122】
DUmの場合、遅延情報は、DUmが直前の情報要素から受信したデータパケットそれぞれについてのDUmでの遅延を含む。例えば、データパケットdkが、時刻tam(k)にDUmに到着する。次いで、データパケットdkは、時刻tbm(k)に次の情報要素に送信される。したがって、データパケットdkの遅延は、tm(k) = tbm(k) - tam(k)である。1≦i≦Nのデータパケットそれぞれについて、対応するDUmでの遅延は、tm(i)である。いくつかの実施形態において、DUは、tm(i)の平均値を計算し得る。
【0123】
CUは、1301において、遅延情報を要求するための第1のメッセージ(例えば、遅延情報要求)をDU1に送信する。次いで、DU1は、1302において、遅延情報を要求するための第2のメッセージ(例えば、遅延情報要求)をDU2に送信する。続いて、DU2は、1303において、遅延情報を要求するための第3のメッセージ(例えば、遅延情報要求)をDU3に送信する。
【0124】
DU3は、1304において、第3のメッセージに応答して第4のメッセージ(例えば、遅延情報応答)をDU2に送信する。第4のメッセージは、次のタイプの情報、すなわちDU3の識別子、DU2の識別子、及び/又は測定対象(複数可)の遅延情報のうちの少なくとも一つを含み得る。DU3の識別子は、DU3識別情報(ID)及び/又はDU3のインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。DU2の識別子は、DU2 ID及び/又はDU2のIPアドレスであり得る。いくつかの実施形態において、各測定対象(例えば、DRB IDに対応するデータトラフィック)について、遅延情報を示す一つ以上の対応する値(例えば、t3(i)又はt3(i)の平均)は、第4のメッセージに含まれ得る。
【0125】
DU2は、第4のメッセージを受信した後、1305において、第2のメッセージに応答して第5のメッセージ(例えば、遅延情報応答)をDU1に送信する。第5のメッセージは、次のタイプの情報、すなわちDU2の識別子、DU1の識別子、及び/又は測定対象(複数可)の遅延情報のうちの少なくとも一つを含み得る。DU2の識別子は、DU2識別情報(ID)及び/又はDU2のインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。DU1の識別子は、DU1 ID及び/又はDU1のIPアドレスであり得る。いくつかの実施形態において、各測定対象(例えば、DRB IDに対応するデータトラフィック)について、遅延情報を示す一つ以上の対応する値(例えば、t2(i)+t3(i)又はt2(i)+t3(i)の平均)は、第5のメッセージに含まれ得る。
【0126】
DU1は、第4のメッセージを受信した後、1306において、第1のメッセージに応答して第6のメッセージ(例えば、遅延情報応答)をCUに送信する。第6のメッセージは、次のタイプの情報、すなわちDU1の識別子、CUの識別子、及び/又は測定対象(複数可)の遅延情報のうちの少なくとも一つを含み得る。DU1の識別子は、DU1識別情報(ID)及び/又はDU1のインターネットプロトコル(IP)アドレスであり得る。CUの識別子は、CU ID及び/又はCUのIPアドレスであり得る。いくつかの実施形態において、各測定対象(例えば、DRB IDに対応するデータトラフィック)について、遅延情報を示す一つ以上の対応する値(例えば、t1(i)+t2(i)+t3(i)又はt1(i)+t2(i)+t3(i)の平均)は、第6のメッセージに含まれ得る。
【0127】
CUがN個のデータパケットの遅延情報を取得した後、CUは、それ自体の測定値及び第6のメッセージで取得した遅延情報に基づいて、データパケットに関する平均伝送遅延、すなわち
【0128】
【0129】
したがって、NRネットワーク内の分離された情報要素(例えば、CU及び/又はDU)によるデータパケットの伝送遅延の測定及び取得に関連する方法及び対応する装置が開示されることは明白である。本開示の技法は、情報要素のSON能力を強化するために様々な実施形態において使用され得、それにより、ネットワークの性能を向上させる。
【0130】
前述のことから、本開示の技術の特定の実施形態は、例示の目的で本明細書に記載されているが、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更が加えられ得ることが理解されよう。したがって、本開示の技術は、添付の特許請求の範囲によるものを除いて限定されない。
【0131】
本文書に記載された開示及び他の実施形態、モジュール、及び機能的動作は、デジタル電子回路において、又は本文書に開示された構造及びそれらの構造的均等物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアにおいて、又はそれらのうちの一つ以上の組合せにおいて実装され得る。開示の実施形態及び他の実施形態は、一つ以上のコンピュータプログラム製品、すなわち、データ処理装置による実行のために、又はデータ処理装置の動作を制御するためにコンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の一つ以上のモジュールとして実装され得る。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝搬信号に影響を与える物質の組成物、又はそれらの一つ以上の組合せとすることができる。「データ処理装置」という用語は、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は複数のプロセッサ若しくはコンピュータを含む、データを処理するためのすべての装置、デバイス、及び機械を包含する。装置は、ハードウェアに加えて、問題としているコンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又はそれらの一つ以上の組合せを構成するコードを含み得る。伝搬信号は、人工的に生成された信号、例えば、適切な受信装置への送信用の情報を符号化するために生成される、機械によって生成された電気信号、光信号、又は電磁信号である。
【0132】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとも呼ばれる)は、コンパイラ型言語又はインタープリタ型言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述され得、スタンドアロンプログラムとして、又はコンピューティング環境での使用に適したモジュール、コンポーネント、サブルーチン、若しくは他のユニットとしてなど任意の形式で展開され得る。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応しているとは限らない。プログラムは、他のプログラム又はデータを保持するファイルの一部(例えば、マークアップ言語文書に格納された一つ以上のスクリプト)内、問題としているプログラム専用の単一ファイル内、又は複数の協調ファイル(例えば、一つ以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を格納するファイル)内に格納され得る。コンピュータプログラムは、一つのコンピュータ上で実行されるように、又は一つの場所に配置されているか若しくは複数の場所にわたって分散され通信ネットワークによって相互接続されている複数のコンピュータ上で実行されるように展開され得る。
【0133】
本文書に記載のプロセス及び論理フローは、一つ以上のコンピュータプログラムを実行する一つ以上のプログラム可能なプロセッサによって実行されて、入力データに対して動作し出力を生成することによって機能を実行することができる。プロセス及び論理フローは、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって実行され得、装置も、FPGA又はASICとして実装され得る。
【0134】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサには、例として、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方、及び任意の種類のデジタルコンピュータの任意の一つ以上のプロセッサが含まれる。一般に、プロセッサは、読取り専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの重要な要素は、命令を実行するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための一つ以上のメモリデバイスである。一般に、コンピュータはまた、データを記憶するための一つ以上の大容量記憶装置、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、若しくは光ディスクを含むか、又は一つ以上の大容量記憶装置からデータを受信するように、若しくは一つ以上の大容量記憶装置にデータを転送するように動作可能に結合されるか、又はその両方である。しかしながら、コンピュータに必ずしもそのようなデバイスが必要なわけではない。コンピュータプログラムの命令及びデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体には、例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス、磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスク、光磁気ディスク、並びにCD ROMディスク及びDVD-ROMディスクを含む、あらゆる形式の不揮発性のメモリ、媒体、及びメモリデバイスが含まれる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完されるか、又は専用論理回路に組み込まれ得る。
【0135】
本特許文書は多くの詳細が含むが、これらは、発明の範囲又は特許請求され得るものの制限としてではなく、特定の発明の特定の実施形態に固有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈で本特許文書に記載されている一定の特徴を、単一の実施形態において組合せで実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴を、複数の実施形態において別々に、又は任意の適切な部分的組合せで実施することもできる。さらに、特徴は、一定の組合せで作用するものとして上記に記載され、当初はそのように特許請求され得る場合でも、場合によっては、特許請求された組合せからの一つ以上の特徴を、組合せから削除することができ、特許請求された組合せは、部分的組合せ又は部分的組合せの変形を対象としてもよい。
【0136】
同様に、動作が特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を実現するために、そのような動作が示された特定の順序又は連続した順序で実行されること、又は図示されたすべての動作が実行されることを要求するものと理解されるべきではない。さらに、本特許文書に記載の実施形態における様々なシステムコンポーネントの分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とするものと理解されるべきではない。
【0137】
いくつかの実装形態及び実施例が記載されているにすぎず、本特許文書に記載及び図示されている内容に基づいて、他の実装、拡張、及び変形を行うことができる。