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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】挟持装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/08 20060101AFI20221111BHJP
   F16B 2/06 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
B25J15/08 D
F16B2/06 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021069686
(22)【出願日】2021-04-16
(65)【公開番号】P2022045886
(43)【公開日】2022-03-22
【審査請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】109130846
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】596016557
【氏名又は名称】上銀科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】呂明修
(72)【発明者】
【氏名】翁振民
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-162690(JP,A)
【文献】中国実用新案第201872109(CN,U)
【文献】欧州特許出願公開第3584042(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 ~ 21/02
F16B 2/00 ~ 2/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Y軸方向に移動可能な台座と、
互いに分離独立し、前記台座に対してX軸方向に沿って移動可能に装設した2つの挟持組立部材と、を備え、
各前記挟持組立部材は、
挟持部及び挟持支持部を含み、前記挟持支持部は第一枢着部を有している挟持部材と、
前記台座に可動に設置され、接合部及びブラケット支持部を含むブラケットであって、前記ブラケット支持部は第二枢着部を有し、前記第二枢着部が前記第一枢着部に枢着されているため、前記挟持部材が前記ブラケットに対して枢動し、前記第一枢着部及び前記第二枢着部の枢着箇所は前記挟持部と前記接合部との間に位置しているブラケットと、
第一端及び前記第一端に対する第二端を含み、前記第一端は前記挟持支持部に連結するために用いられ、前記第二端は前記接合部に連結するために用いられている弾性部材と、を具備し、
前記2つの挟持組立部材の前記ブラケットは、互いに対して前記Y軸方向に直交するX軸方向に可動可能であり、
何れか1つの前記挟持組立部材の前記挟持部材の前記挟持部が対象物に接触し、且つ2つの前記挟持組立部材が互いに当接していない場合、前記挟持部材が対応している前記ブラケットに対して枢動し、
何れか1つの前記挟持組立部材の前記挟持部材の前記挟持部が前記対象物に接触し、且つ2つの前記挟持組立部材のこれら前記挟持支持部が互いに当接している場合、これら前記挟持部材の枢動が制限され、前記対象物を狭着することを特徴とする、
挟持装置。
【請求項2】
各前記挟持部材は第一面と、前記第一面に対する第二面と、前記第一面及び前記第二面に連接している第三面と、をさらに備え、これら前記第三面は互いに対向し、各前記挟持部材の前記挟持支持部は前記第三面に凸設されている突起構造をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の挟持装置。
【請求項3】
少なくとも何れか1つの前記挟持組立部材は前記挟持支持部に調整部材及び調整機構をさらに備え、前記第一枢着部は前記調整機構と前記挟持部との間に位置し、前記調整機構は複数の調節位置を含み、前記調整部材は前記調整機構に装設されるために用いられ、前記調整部材が異なる前記調節位置に位置している場合、これら前記挟持部の間の最大挟持空間の大きさが決定されることを特徴とする請求項1に記載の挟持装置。
【請求項4】
前記調整機構はこれら前記調節位置にそれぞれ対応している複数の挿入孔を備えていることを特徴とする請求項3に記載の挟持装置。
【請求項5】
前記調整機構はスロットを備え、これら前記調節位置は前記スロットに規定されることを特徴とする請求項3に記載の挟持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挟持装置に関し、より詳しくは、自己適応可能な挟持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の挟持装置(図1A参照)は、Y軸に沿って下方に移動して対象物Gに接近し、バネA22により連結されているブラケットA21の2つの挟持爪部A23の間の空間に対象物Gを進入させた後、台座A1にある2つの挟持組立部材A2が、2つの挟持爪部A23により対象物Gを狭着するまでX軸に沿って互いに接近する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来の技術では、大きなグループになる対象物Gの中から目標物を狭着する場合、挟持爪部A23が目標物を狭着する前に目標物または他の対象物Gに接触して上方に退縮し、継続して目標物を狭着するという任務を完遂できなくなっていた。
【0004】
また、従来の他の挟持装置(図1B参照)は、各挟持組立部材B2が台座B1に枢着されている2つのブラケットB21、B22及びブラケットB21、B22に連結されていると共に前述の両者に対しそれぞれ偏心揺動する挟持爪部B23を備えている。ブラケットB21及びB22には複数の関節が各々設けられている。同様に、大きなグループになる対象物の中から目標物を狭着する場合、挟持爪部B23が目標物を狭着する前に目標物または他の対象物に接触して退縮し、継続して目標物を狭着するという任務を完遂できなくなっていた。
【0005】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、狭着する目標物がある環境に自己適応可能な挟持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明のある態様の挟持装置は、台座及び2つの挟持組立部材で構成されている。各挟持組立部材は挟持部材と、ブラケットと、弾性部材と、を含む。挟持部材は挟持部及び挟持支持部を備え、挟持支持部は第一枢着部を含む。ブラケットは台座に可動に設置されている。ブラケットは接合部及びブラケット支持部を備え、ブラケット支持部は第二枢着部を含む。第一枢着部には第二枢着部が枢着され、第一枢着部及び第二枢着部の枢着箇所は挟持部と接合部との間に位置しているため、挟持部材がブラケットに対して枢動する。弾性部材の第一端は挟持支持部に連結するために用いられ、弾性部材の第二端は接合部に連結するために用いられている。何れか1つの挟持組立部材の挟持部材の挟持部が対象物に接触し、且つ2つの挟持組立部材が互いに当接していない場合、挟持部材が対応しているブラケットに対して枢動する。何れか1つの挟持組立部材の挟持部材の挟持部が対象物に接触し、且つ2つの挟持組立部材の挟持支持部が互いに当接している場合、挟持部材の枢動が制限され、対象物が狭着される。
【発明の効果】
【0008】
以上の構成により、本発明に係る挟持装置は、狭着する目標物がある環境に自己適応し、干渉物の影響を排除し、継続して狭着任務を完遂することができる。
【0009】
本発明の他の特徴について、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】従来の挟持装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図1B】従来の挟持装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る挟持装置の傾斜図である。
図3図2に示す挟持装置の挟持部材を模式的に示した分解図である。
図4A】本発明の一実施形態に係る図2に示す挟持装置が対象物に接触したときの移動状態を示す概略図である。
図4B】本発明の一実施形態に係る図2に示す挟持装置が干渉物に接触したときの移動状態を示す概略図である。
図5】本発明の他の実施形態に係る挟持装置の傾斜図である。
図6図5に示す挟持装置の挟持部材を模式的に示した分解図である。
図7A】本発明の一実施形態に係る図6に示す挟持装置が対象物を挟持したときの移動状態を示す概略図である。
図7B】本発明の一実施形態に係る図6に示す挟持装置が対象物を挟持したときの移動状態を示す概略図である。
図7C】本発明の一実施形態に係る図6に示す挟持装置が対象物を挟持したときの移動状態を示す概略図である。
図7D】本発明の一実施形態に係る図6に示す挟持装置が対象物を挟持したときの移動状態を示す概略図である。
図8】本発明のさらに他の実施形態に係る挟持装置を示す傾斜図である。
図9】本発明のなお他の実施形態に係る挟持装置を示す傾斜図である。
図10】本発明のさらに他の実施形態に係る挟持装置を示す傾斜図である。
図11】本発明のさらなる実施形態に係る挟持装置を示す傾斜図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る挟持装置について具体的に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0012】
本発明の一実施例に係る挟持装置は対象物を狭着するために適用し、特にグループになる対象物Gの中から何れか1つの対象物Gを狭着するために適用する(図2図4B参照)。本発明はこの対象物Gの種類を制限しないが、本発明について説明するために、以下の実施態様では対象物Gを鋼球とする例を挙げて説明する。
【0013】
図に示されるように、挟持装置は台座10及び2つの挟持組立部材11で構成されている。台座10は変位構造101を備えている。2つの挟持組立部材11は台座10にそれぞれ可動に装設されている。各挟持組立部材11は挟持部材110と、ブラケット120と、枢動ユニット130と、弾性部材140と、を含む。各部材の詳細な説明は後述する。
【0014】
挟持部材110は第一面111と、第一面111に対する第二面112と、第一面111及び第二面112に連接している第三面113と、第三面113に対する第四面114と、を含む。また、挟持部材110は挟持部110A及び挟持支持部110Bを備え、挟持部110Aは挟持支持部110BからY軸に沿って延伸している。
挟持部110Aは対象物Gを挟持する際に対象物Gに接触する。挟持支持部110Bは挟持部110Aに連結され、且つ第一枢着部CH1を含む。第一枢着部CH1は、例えば、第一面111及び第二面112を貫通している第一取付穴H1を含む。第三面113には凹部R1が凹設され、凹部R1は対象物Gを狭着する際に、対象物Gを2つの挟持部材110の2つの第三面113の間に保持する。
【0015】
2つのブラケット120は変位構造101に可動に設置され、2つのブラケット120が変位構造101上でX軸に沿って相対移動し、2つの挟持組立部材11は台座10上でX軸に沿って相対移動する。各ブラケット120は接合部120A及びブラケット支持部120Bを備えている。接合部120Aは変位構造101に装設するために用いられている。
ブラケット支持部120Bは第一枢着部CH1に枢着されている第二枢着部CH2を含む。第二枢着部CH2は、例えば、第二取付穴H2を備え、第二取付穴H2の位置は第一取付穴H1の位置に対応している。よって、挟持装置を組み立てる場合、枢動ユニット130を第一取付穴H1及び第二取付穴H2に挿入すると、挟持部材110がブラケット120に対して枢動する。第一枢着部CH1及び第二枢着部CH2の枢着箇所は挟持部110Aと接合部120Aとの間に位置し、即ち、枢動ユニット130が挟持部110Aと接合部120Aとの間に位置している。
【0016】
弾性部材140は、例えば、バネである。弾性部材140は第一端141及び第一端141に対する第二端142を備えている。弾性部材140の第一端141は挟持支持部110Bに連結するために用いられ、弾性部材140の第二端142は接合部120Aに連結するために用いられ、弾性部材140が挟持支持部110Bと接合部120Aとの間に位置している。詳しくは、挟持組立部材11は接合部材15及び2つのロック部材16をさらに備えている。
接合部材15は挟持支持部110Bに配置されるために用いられ、例えば、ロック部材を利用して挟持支持部110Bに組み立てられるか、或いは一体成形方式により挟持支持部110Bに形成されている。接合部材15は第三取付穴H3を含む。何れか1つのロック部材16を第三取付穴H3中に挿入することで、弾性部材140の第一端141がロック部材16により挟持支持部110Bに連結され、例えば、弾性部材140の第一端141がロック部材16に掛着される。
また、ブラケット120の接合部120Aは第四取付穴H4を含む。他のロック部材16を第四取付穴H4中に挿入することで、弾性部材140の第二端142がロック部材16により接合部120Aに連結され、例えば、弾性部材140の第二端142がロック部材16に掛着される。
【0017】
本実施例或いは他の実施例では、少なくとも1つの挟持組立部材11は挟持支持部110Bに調整部材17及び調整機構115をさらに備えている。調整部材17は調整機構115に装設するために用いられている。第一取付穴H1は調整機構115と挟持部110Aとの間に位置し、即ち、挟持部材110の回転中心が調整機構115と挟持部110Aとの間に位置している。
調整機構115は複数の調節位置を含む。これら調節位置はX軸に沿って配置されている。これにより、何れか1つの挟持部材110の挟持支持部110Bが他の挟持部材110に装設されている調整部材17に当接する。調整部材17が異なる調節位置に位置することで2つの挟持部110Aの間の空間の大きさを決定し、或いは2つの凹部R1の間の空間の大きさを決定する。
【0018】
図2によると、調整機構115は複数の挿入孔であり、これら挿入孔は上述の調節位置にそれぞれ対応している。しかしながら、本発明はこれに限られず、他の実施例では、調整機構は、例えば、スロットであり、上述の調節位置はスロットにそれぞれ配置されていてもよい。或いは、調整機構は、例えば、辺縁がラックギアとなる長形溝であり、上述の調節位置が長形溝にそれぞれ配置されていてもよい。異なる種類の調整機構には適合する種類の調整部材17を組み合わせている。
【0019】
本実施例或いは他の実施例では、各挟持部材110の挟持支持部110Bは第三面113に凸設されている突起構造116をさらに備えている。突起構造116は、例えば、第三面113からX軸に沿って凸設されている。2つの挟持部材110の2つの第三面113が互いに対向しているため、2つの突起構造116も互いに対向している。突起構造116に位置している部分的な第三面113は、例えば、平面または弧状面である。
【0020】
挟持装置は対象物Gを狭着する過程で、まず挟持装置がY軸に沿って移動する。挟持部110Aの第三面113が対象物G(目標物)に接触すると、図4Aに示されるように、挟持部材110が方向D1に沿ってやや偏心揺動する。次いで、対象物Gが凹部R1に進入するまで挟持装置が継続してY軸に沿って移動する。また、何れか1つの挟持部材110の挟持支持部110Bが他の挟持部材110にある調整部材17に接触するまで2つの挟持部材110がX軸に沿って互いに接近する(図2参照)。
2つの挟持部材110が互いに接近すると同時に、ブラケット120及び挟持支持部110Bに連結されている弾性部材140の引張力と対象物Gが挟持部110Aに接触する接触力との間で力の平衡を達成するまで挟持部材110が図4Bの方向D2に沿ってやや偏心揺動する。この際、2つの挟持部110Aが対象物Gを狭着し、対象物Gが挟持装置の中心軸Pに保持される。その後、挟持装置がY軸に沿って逆方向に移動し、今回の狭着作業が完了する。
【0021】
他の状況では、挟持部110Aの第四面114が対象物G(干渉物)に接触すると、図4Bに示されるように、ブラケット120及び挟持支持部110Bに連結されている弾性部材140の引張力と対象物Gが挟持部110Aに接触する接触力との間力の平衡を達成するまで挟持部材110が方向D2に沿ってやや偏心揺動する。力の平衡を達成した状況では、挟持装置が継続してY軸に沿って下に向き、目標物を2つの挟持部110Aの間に進入させ、且つ2つの挟持部材110がX軸に沿って互いに接近し、目標物を狭着する。
【0022】
以上の実施態様は2つの挟持部材110が非交差状形式で対象物Gを狭着する挟持装置を例として説明するが、しかしながら本発明はこれに限られない。他の実施例では、2つの挟持部材が交差状形式で対象物Gを狭着してもよい。
【0023】
図5図6図7A乃至図7Dを参照する。挟持装置の2つの挟持組立部材21は挟持部材210と、ブラケット120と、枢動ユニット130と、弾性部材140と、を備えている。ブラケット120、枢動ユニット130、及び弾性部材140は図2の実施態様によるブラケット120、枢動ユニット130、及び弾性部材140と同じであり、よって、枢動ユニット130により挟持部材210をブラケット120に組み立てる方式、及び弾性部材140をブラケット120及び挟持部材210に組み立てる方式は上述の関連する説明を参照し、ここでは再述しない。
【0024】
各挟持部材210は第一面211と、第一面211に対する第二面212と、第一面211及び第二面212に連接している第三面213と、第三面213に対する第四面214と、を含む。また、挟持部材210は挟持部210A及び挟持支持部210Bを備え、挟持部210Aは挟持支持部210BからY軸に沿って延伸している。
挟持部210Aは対象物Gを挟持すると対象物Gに接触する。挟持支持部210Bは第一枢着部CH1を備えている。第一枢着部CH1は、例えば、第一面211及び第二面212を貫通している第一取付穴H1を含む。挟持部210Aに位置している部分的な第四面214には凹部R2が凹設されている。
【0025】
各挟持部210Aは第一部分217と、折曲部218と、第二部分219と、を含み、折曲部218は第一部分217と第二部分219との間に位置している。
第一部分217は挟持装置の中心軸に向けて傾斜し、第二部分219はY軸に沿って挟持支持部220Bから離間する方向に延伸している。これにより、各挟持部210Aによりノッチが形成され、且つ2つのノッチの開口部は互いに対向している。2つの挟持部材210が互いに接近して対象物Gを狭着すると、2つの挟持部材210の2つの挟持部210Aが互いに交差し、2つの挟持部210Aにある2つの凹部R2も互いに対向する。
【0026】
一方、本実施例或いは他の実施例では、少なくとも1つの挟持組立部材21が調整部材17をさらに備え、且つこの挟持部材210の挟持支持部210Bが調整機構115をさらに含む。図5の調整部材17及び調整機構115は図2の調整部材17及び調整機構115と同じかまたは相似する。よって、上述の関連する説明を参照し、ここでは再述しない。
【0027】
本実施例或いは他の実施例では、各挟持部材210の挟持支持部210Bは第三面213に凸設されている突起構造216をさらに備えている。突起構造216は、例えば、第三面213からX軸に沿って凸設されている。2つの挟持部材210の2つの第三面213が互いに対向しているため、2つの突起構造216も互いに対向している。突起構造216に位置している部分的な第三面213は、例えば、平面または弧状面である。
【0028】
本実施例或いは他の実施例では、少なくとも何れか1つの挟持支持部210Bが挟持支持部210Bの第一面211または第二面212に凸設されているストッパーBRをさらに備え、ストッパーBRは対向している挟持支持部210Bに装設されている調整部材17を当接させるために用いられている。
【0029】
挟持装置は対象物Gを狭着する過程で、まずY軸に沿って移動して挟持部材210の挟持部210Aを対象物Gに接近させる(図7A参照)。何れか1つの挟持部210Aが対象物Gに接触すると(図7A参照)、対象物Gに接触した挟持部材210が方向D3に沿ってやや偏心揺動し、この際、2つの挟持部210Aの間の空間が大きくなる。挟持装置は継続してY軸に沿って下に向き、対象物Gを2つの挟持部210Aの2つの凹部R2の間に進入させる(図7B参照)。
対象物Gが2つの凹部R2の間に進入した後、何れか1つの挟持部材210にあるストッパーBRが他の挟持部材210にある調整部材17に接触するまで2つの挟持部材210がX軸に沿って互いに離間する(図7C参照)。2つの挟持部材210が互いに離間すると同時に、ブラケット120及び挟持支持部210Bに連結されている弾性部材140の引張力と対象物Gが挟持部210Aに接触する接触力との間の力の平衡を達成するまで挟持部材210が方向D4に沿ってやや偏心揺動する。この際、図7Dに示されるように、2つの挟持部210Aが対象物Gを狭着し、対象物Gを挟持装置の中心軸Pに保持する。その後、挟持装置がY軸に沿って逆方向に移動し、今回の狭着任務を完了する。
【0030】
以上の実施態様では全て接合部材15により弾性部材140を挟持部材110(210)の挟持支持部110B(210B)に位置している第二面112(212)及びブラケット120の接合部120Aに連結しているが、本発明はこれに限られない。
【0031】
本実施例或いは他の実施例では、図8に示されるように、各挟持組立部材31の挟持部材310は、例えば、図2の挟持部材110または図5の挟持部材220のように、挟持部材310が第一面311と、第一面311に対する第二面312と、第一面311及び第二面312に連接している第三面313と、第三面313に対する第四面314と、を含む。
挟持部材310の挟持支持部310Bは延長部330をさらに備えている。延長部330は、例えば、挟持部材310の第四面314から延伸するように凸設されている。挟持組立部材31の弾性部材340の第一端341は挟持支持部310Bの延長部330に連結され、弾性部材340の第二端342はブラケット320の接合部320Aに連結されている。
【0032】
以上の実施態様では全て何れか1つの挟持組立部材の挟持部材及びブラケットと他の挟持組立部材の挟持部材及びブラケットとが対称を呈するように設置されている。例えば、図2で対称に設置されているとは、2つの挟持組立部材11の2つの挟持部材110にある離間すると共にブラケット120に対応するブラケット支持部120Bに対する2つの第二面112が挟持装置の対向する両側にそれぞれ向けられていることを指す。しかしながら、本発明はこれに限られない。他の実施例では、何れか1つの挟持組立部材の挟持部材及びブラケットと他の挟持組立部材の挟持部材及びブラケットとが鏡映するように設置されている。
【0033】
図9を参照する。挟持装置は2つの挟持組立部材41を備え、各挟持組立部材41は挟持部材410と、ブラケット420と、枢動ユニット430と、弾性部材440と、を含む。2つの挟持組立部材41の2つの挟持部材410にある離間すると共にブラケット420に対応するブラケット支持部420Bに対する2つの表面412は挟持装置の同一側に向けられている。また、挟持部材410の挟持支持部410Bでは調整機構及び調整部材の設置が省略されている。
図9の挟持部材410、ブラケット420、枢動ユニット430、及び弾性部材440の残りの設置方式は図2の挟持部材110、ブラケット120、枢動ユニット130、及び弾性部材140の設置方式を参照し、或いは図5の挟持部材210、ブラケット220、枢動ユニット230、及び弾性部材240の設置方式を参照し、若しくは図8の挟持部材310、ブラケット320、枢動ユニット330、及び弾性部材340の設置方式を参照し、ここでは再述しない。
【0034】
挟持装置が対象物を狭着する過程では、何れか1つの挟持部材410の挟持部410Aの端部が対象物に接触すると、2つの挟持組立部材41がX軸に沿って互いに接近し、且つ2つの挟持支持部410Bの最小距離が特定値に保持される。この際、挟持装置が継続してY軸に沿って移動し、対象物を2つの挟持部410Aの間に進入させる。
対象物が2つの挟持部410Aの間に進入する過程では、挟持部材410がブラケット420に対してやや偏心揺動し、且つ偏心揺動する幅は2つの挟持支持部410Bの最小距離による制限を受ける。即ち、2つの挟持支持部410Bが少なくとも何れか1つの挟持部材410が偏心揺動して互いに接触すると、この挟持部材410が同じ方向に継続して偏心回転できなくなる。この際、2つの挟持組立部材41がX軸に沿って継続して互いに接近するか不動に保持され、弾性部材440の引張力と挟持部410Aの接触力との間で力の平衡を達成すると、2つの挟持部410Aが対象物を狭着し、対象物を挟持装置の中心軸に保持する。その後、挟持装置がY軸に沿って逆方向に移動し、今回の狭着作業を完了する。
【0035】
鏡映するように設置されている2つの挟持組立部材の2つの挟持部の間の挟持空間には調整可能な弾性を有し、異なるサイズの狭着物に適応し、さらに少なくとも1つの挟持組立部材の挟持支持部に調整機構及び調整部材が設置されている。例えば、図10に示されるように、挟持装置は2つの挟持組立部材51を備え、少なくとも何れか1つの挟持組立部材51の挟持支持部510Bは調整機構及び調整部材57をさらに含む。詳しくは、調整機構は挟持部材510から離間するブラケット520の表面512に設けられているスロットS1及びスロットに内設されていると共にスロットS2を有しているスライダー58を備えている。2つのスロットS1及びS2はX軸に沿って延伸している。
スロットS1には凹孔が凹設され、調整部材57がこの凹孔に挿入される。スライダー58がスロットS1に沿ってX軸上で挟持部材510に対して異なる調節位置まで移動し、調整部材57が同時にスロットS2に沿ってスライダー58に対して対応している異なる調節位置まで移動する。これにより、スライダー58が挟持部材510の挟持支持部510Bに突出する程度を選択的に調整し、即ち、スライダー58の対向する挟持部材510に向けられる表面581がそれがある挟持支持部510Bに突出する程度を選択的に調整し、2つの挟持部材510の2つの挟持部510Aの間の最大挟持空間の大きさをさらに調整する。
【0036】
或いは、調整機構は、例えば、挟持部材610のブラケット620から離間する表面612にある凹部S3と、スロットS4を有しているスライダー68と、凹部S3に内設されている歯状部材69と、を備えている(図11参照)。歯状部材69は、例えば、弾性材質のガスケットであり、且つ歯状面691及び歯状面691に凹設されている凹孔を有している。2つの凹部S3及びS4はX軸に沿って延伸している。調整部材67はまずスライダー68のスロットS4に挿入された後、歯状部材69の凹孔に挿入され、スライダー68が歯状部材69に可動に装設されている。スライダー68は歯状部材69に向けられている表面が歯状面682となり、且つ歯状面682の紋様は歯状部材69の歯状面691に適合している。
スライダー68がX軸に沿って挟持部材610に対して異なる調節位置まで移動し、調整部材67が同時にスロットS4に沿ってスライダー68に対して対応している異なる調節位置まで移動する。これにより、スライダー68が挟持部材610の挟持支持部610Bに突出する程度を選択的に調整し、即ち、スライダー68の対向する挟持部材610に向けられている表面681がそれがある挟持支持部610Bに突出する程度を選択的に調整し、2つの挟持部材610の2つの挟持部610Aの間の最大挟持空間の大きさをさらに調整する。
【0037】
上述の実施例では枢着部材がブラケットのブラケット支持部及び挟持部材の挟持支持部に貫設されている例について説明したが、しかしながら本発明はこの例に限られない。本実施例或いは他の実施例では、他の枢着方式によりブラケットのブラケット支持部を挟持部材の挟持支持部に枢着し、挟持部材をブラケットに対し枢動するようにしてもよい。
【0038】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0039】
10 台座
101 変位構造
11 挟持組立部材
110 挟持部材
110A 挟持部
110B 挟持支持部
111 第一面
112 第二面
113 第三面
114 第四面
115 調整機構
116 突起構造
120 ブラケット
120A 接合部
120B 支持部
130 枢動ユニット
140 弾性部材
141 第一端
142 第二端
15 接合部材
16 ロック部材
17 調整部材
21 挟持組立部材
210 挟持部材
210A 挟持部
210B 挟持支持部
211 第一面
212 第二面
213 第三面
214 第四面
216 突起構造
217 第一部分
218 折曲部
219 第二部分
31 挟持組立部材
310 挟持部材
310A 挟持部
310B 挟持支持部
311 第一面
312 第二面
313 第三面
314 第四面
320 ブラケット
320A 接合部
330 延長部
340 弾性部材
341 第一端
342 第二端
41 挟持組立部材
410 挟持部材
410A 挟持部
410B 挟持支持部
412 表面
420 ブラケット
420B 支持部
430 枢動ユニット
440 弾性部材
51 挟持組立部材
510 挟持部材
510A 挟持部
510B 挟持支持部
512 表面
520 ブラケット
520B ブラケット支持部
57 調整部材
58 スライダー
581 表面
61 挟持組立部材
610 挟持部材
610A 挟持部
610B 挟持支持部
612 表面
620 ブラケット
67 調整部材
68 スライダー
681 表面
682 歯状面
69 歯状部材
691 歯状面
A1 台座
A2 挟持組立部材
A21 ブラケット
A22 バネ
A23 挟持爪部
B1 台座
B2 挟持組立部材
B21 第一ブラケット
B22 第二ブラケット
B23 挟持爪部
BR ストッパー
CH1 第一枢着部
CH2 第二枢着部
D1 方向
D2 方向
D3 方向
D4 方向
H1 第一取付穴
H2 第二取付穴
H3 第三取付穴
H4 第四取付穴
G 対象物
P 中心軸
R1 凹部
R2 凹部
S1 スロット
S2 スロット
S3 凹部
S4 スロット
X X軸
Y Y軸
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10
図11