(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】トレイ組立体
(51)【国際特許分類】
B25J 19/00 20060101AFI20221111BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20221111BHJP
B25J 19/06 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
B25J19/00 Z
B25J5/00 A
B25J19/06
(21)【出願番号】P 2021182076
(22)【出願日】2021-11-08
【審査請求日】2021-11-08
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521217150
【氏名又は名称】ベア ロボティクス インク
【氏名又は名称原語表記】Bear Robotics, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ジーノ ヌグェガン
【審査官】仁木 学
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108670713(CN,A)
【文献】特表2010-517875(JP,A)
【文献】特開2001-300876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
A47B 31/00
A47G 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットに固定的に装着されるように構成される第1トレイと、
前記第1トレイの上部で前記第1トレイと回動可能に結合されるように構成される第2トレイと、
前記第1トレイおよび前記第2トレイの間に位置する少なくとも一つのパッドアセンブリとを含み、
少なくとも一つの前記パッドアセンブリはそれぞれ、前記第1トレイに向かう方向に設置されるローリング部材および少なくとも一端が少なくとも一つの前記パッドアセンブリの内部に固定的に連結される弾性部材を含み、
少なくとも一つの前記パッドアセンブリは前記第2トレイと結合され、前記第1トレイに対して相対的に回動可能に装着され、
前記第2トレイが前記第1トレイに対して回動すると、前記パッドアセンブリの前記弾性部材の復原力によって前記第2トレイが本来の位置に復帰するように構成される、トレイ組立体。
【請求項2】
前記第2トレイは前記第1トレイと向き合う下面に設置される少なくとも一つの連結部材を含み、
前記第1トレイには前記少なくとも一つの連結部材に対応する位置に少なくとも一つの連結ホールが形成され、
前記第1トレイと前記第2トレイが結合される時、少なくとも一つの前記連結部材が少なくとも一つの前記連結ホールに挿入されるように構成される、請求項1に記載のトレイ組立体。
【請求項3】
前記第1トレイは少なくとも一つの前記パッドアセンブリと向き合う上面に前記パッドアセンブリに向かって突出した少なくとも一つの弾性部材装着部を含み、
少なくとも一つの前記パッドアセンブリの前記弾性部材は前記第1トレイの前記弾性部材装着部に装着され、
前記第2トレイが前記第1トレイに対して回動する時、少なくとも一つの前記パッドアセンブリが共に回動して前記弾性部材によって復原力が発生するように構成される、請求項1に記載のトレイ組立体。
【請求項4】
少なくとも一つの前記パッドアセンブリの前記弾性部材はそれぞれ複数の引張スプリングを含み、複数の前記引張スプリングが前記第1トレイの少なくとも一つの前記弾性部材装着部を取り囲む形態で少なくとも一つの前記弾性部材装着部に装着される、請求項3に記載のトレイ組立体。
【請求項5】
前記第2トレイは前記第1トレイと向き合う下面で前記第1トレイの少なくとも一つの前記弾性部材装着部に対応する位置に設置される少なくとも一つの連結部材を含み、
前記第1トレイの少なくとも一つの前記弾性部材装着部には少なくとも一つの連結ホールが形成され、
前記第1トレイと前記第2トレイが結合される時、前記第2トレイの少なくとも一つの連結部材が少なくとも一つの前記パッドアセンブリを貫通して前記第1トレイの少なくとも一つの前記連結ホールに挿入されるように構成される、請求項3に記載のトレイ組立体。
【請求項6】
少なくとも一つの前記パッドアセンブリは内側面に弾性部材固定ピンをさらに含み、
前記弾性部材は少なくとも一端が前記弾性部材固定ピンに固定的に連結される、請求項1に記載のトレイ組立体。
【請求項7】
前記第1トレイの側面に少なくとも一つのスロットが形成され、
前記第2トレイは側面で前記少なくとも一つのスロットに対応する位置に設置される結合部材を含み、
前記第1トレイの少なくとも一つのスロットは前記第1トレイの周方向に沿って長く形成されて、前記第2トレイの前記結合部材が挿入された後に前記第1トレイの周方向に沿って回動可能なように構成される、請求項1に記載のトレイ組立体。
【請求項8】
前記ローリング部材は、少なくとも一つの前記パッドアセンブリそれぞれで周方向に沿って複数設置される、請求項1に記載のトレイ組立体。
【請求項9】
前記ローリング部材は、少なくとも一つの前記パッドアセンブリと向き合う前記第1トレイの上面に接してローリング可能なように構成される、請求項1に記載のトレイ組立体。
【請求項10】
少なくとも一つの前記パッドアセンブリはダンピング部材をさらに含む、請求項1に記載のトレイ組立体。
【請求項11】
前記ダンピング部材は、少なくとも一つの前記パッドアセンブリそれぞれで周方向に沿って複数設置される、請求項10に記載のトレイ組立体。
【請求項12】
少なくとも一つの前記パッドアセンブリの個数は2個以上であり、少なくとも一つの前記パッドアセンブリは前記第1トレイ上で前記第1トレイの中心を基準として対称となるように配置される、請求項1に記載のトレイ組立体。
【請求項13】
少なくとも一つの前記パッドアセンブリの個数は3個である、請求項12に記載のトレイ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトレイ組立体に関し、より詳細には飲食および/または飲料をサービングするためのロボットに装着されて使われ得るトレイ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット技術の発展につれて、産業用ロボットだけでなくサービスロボットに対する関心と需要も増加している。サービスは日常生活の多様な分野に適用されており、このようなサービスロボットのうち、レストランなどで顧客が注文した飲食をテーブルまで運搬する自律走行サービングロボットも知られている。サービングロボットはレストランの運営効率性を最大化するとともに、顧客サービスの質を向上させる利点があるため、最近これに対する関心が急増している。
【0003】
図1は、飲食および/または飲料をサービングするためのロボットを例示的に示す図面である。
図1を参照すると、ロボット10はロボット10の移動のための駆動部11および駆動部11の上端に搭載される本体部12からなる。本体部12には使用者の命令を入力できる装置または無線通信を通じて使用者の命令を受信できる装置が設置され得、入力された使用者の命令によって自律走行して飲食および/または飲料をサービングしたり、食事後に食器を移動させることができる。また、飲食および/または飲料のサービング乃至食器の移動のために本体部12の上部にトレイが配置され得る。
【0004】
一方、ロボット10の移動時または使用者が飲食および/または飲料を把持する過程で、本体部12の上面に配置されるトレイに衝撃が加えられて振動が伝達され得る。
【0005】
したがって、トレイが本体部12に安定的に装着されないと、トレイがロボット10から分離する際に飲食および/または飲料乃至食器が落下する問題が発生する可能性がある。また、トレイが本体部12に安定的に装着されても、トレイに印加される衝撃や振動が飲食および/または飲料乃至食器にそのまま伝達されるのであれば、振動などによって飲食および/または飲料がこぼれ出る問題が発生し得る。
【0006】
したがって、サービングロボットの開発につれて、サービングロボットに安定的に装着され、かつ飲食および/または飲料を問題なくサービングできる専用トレイの開発も必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前述した従来技術の問題点を解決するためのものであって、飲食および/または飲料をサービングするためのロボットに安定的に装着して使用できるトレイ組立体を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明はロボットの移動などによってトレイに伝達される衝撃や振動を補償して、さらに安定的に飲食および/または飲料などのサービングがなされ得るトレイ組立体を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明はロボットから分離が可能であるため、維持、管理が容易なトレイ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例に係るトレイ組立体は、ロボットに固定的に装着されるように構成される第1トレイと、第1トレイの上部で第1トレイと回動可能に結合されるように構成される第2トレイと、第1トレイおよび第2トレイの間に位置する少なくとも一つのパッドアセンブリとを含む。ここで、少なくとも一つのパッドアセンブリはそれぞれ、第1トレイに向かう方向に設置されるローリング部材および少なくとも一端が少なくとも一つのパッドアセンブリの内部に固定的に連結される弾性部材を含み、少なくとも一つのパッドアセンブリは第2トレイと結合され、第1トレイに対して相対的に回動可能に装着されて第2トレイが第1トレイに対して回動すると、パッドアセンブリの弾性部材の復原力によって第2トレイが本来の位置に復帰するように構成される。
【0011】
本発明の一実施例によると、第2トレイは第1トレイと向き合う下面に設置される少なくとも一つの連結部材を含むことができ、第1トレイには少なくとも一つの連結部材に対応する位置に少なくとも一つの連結ホールが形成され得、第1トレイと第2トレイが結合される時に少なくとも一つの連結部材が少なくとも一つの連結ホールに挿入されるように構成され得る。
【0012】
本発明の一実施例によると、第1トレイは少なくとも一つのパッドアセンブリと向き合う上面にパッドアセンブリに向かって突出した少なくとも一つの弾性部材装着部を含むことができ、少なくとも一つのパッドアセンブリの弾性部材は第1トレイの弾性部材装着部に装着されて第2トレイが第1トレイに対して回動する時、少なくとも一つのパッドアセンブリが共に回動しながら弾性部材によって復原力が発生するように構成され得る。
【0013】
本発明の一実施例によると、少なくとも一つのパッドアセンブリの弾性部材はそれぞれ複数の引張スプリングを含むことができ、複数の引張スプリングが第1トレイの少なくとも一つの弾性部材装着部を囲む形態で少なくとも一つの弾性部材装着部に装着され得る。
【0014】
本発明の一実施例によると、第2トレイは第1トレイと向き合う下面で第1トレイの少なくとも一つの弾性部材装着部に対応する位置に設置される少なくとも一つの連結部材を含むことができ、第1トレイの少なくとも一つの弾性部材装着部には少なくとも一つの連結ホールが形成され、第1トレイと第2トレイが結合される時、第2トレイの少なくとも一つの連結部材が少なくとも一つのパッドアセンブリを貫通して第1トレイの少なくとも一つの連結ホールに挿入されるように構成され得る。
【0015】
本発明の一実施例によると、少なくとも一つのパッドアセンブリは内側面に弾性部材固定ピンをさらに含むことができ、弾性部材は少なくとも一端が弾性部材固定ピンに固定的に連結され得る。
【0016】
本発明の一実施例によると、第1トレイの側面に少なくとも一つのスロットが形成され、第2トレイは側面で少なくとも一つのスロットに対応する位置に設置される結合部材を含むことができ、第1トレイの少なくとも一つのスロットは第1トレイの周方向に沿って長く形成されて第2トレイの結合部材が挿入された後、第1トレイの周方向に沿って回動可能なように構成され得る。
【0017】
本発明の一実施例によると、ローリング部材は少なくとも一つのパッドアセンブリそれぞれで周方向に沿って複数設置され得る。
【0018】
本発明の一実施例によると、ローリング部材は少なくとも一つのパッドアセンブリと向き合う第1トレイの上面に接してローリング可能なように構成され得る。
【0019】
本発明の一実施例によると、少なくとも一つのパッドアセンブリはダンピング部材をさらに含むことができる。
【0020】
本発明の一実施例によると、ダンピング部材は少なくとも一つのパッドアセンブリそれぞれで周方向に沿って複数設置され得る。
【0021】
本発明の一実施例によると、少なくとも一つのパッドアセンブリの個数は2個以上であり、少なくとも一つのパッドアセンブリは第1トレイ上で第1トレイの中心を基準として対称となるように配置され得る。
【0022】
本発明の一実施例によると、少なくとも一つのパッドアセンブリの個数は3個であり得る。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一実施例によると、トレイ組立体がロボットに固定的に装着され得るため、飲食および/または飲料を安定してサービングすることができる。
【0024】
また、トレイ組立体を構成するトレイが互いに回動可能に結合され、トレイに伝達される衝撃や振動を補償できるように構成されるため、飲食および/または飲料をこぼすことなくさらに安定的にサービングすることができる。
【0025】
また、トレイ組立体を構成するトレイが互いに分離可能に結合されることによって維持、管理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】飲食および/または飲料をサービングするためのロボットを例示的に示す図面である。
【
図2】本発明の一実施例に係るトレイ組立体を示す図面である。
【
図3】本発明の一実施例に係るトレイ組立体で第1トレイと第2トレイを分解して上から斜めに見た図面である。
【
図4】本発明の一実施例に係るトレイ組立体の第1トレイを示す図面である。
【
図5】本発明の一実施例に係るトレイ組立体の第2トレイを示す図面である。
【
図6】本発明の一実施例に係るトレイ組立体のパッドアセンブリを上から見た図面である。
【
図7】本発明の一実施例に係るトレイ組立体のパッドアセンブリを下から見た図面である。
【
図8】本発明の他の実施例に係るトレイ組立体を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
【0028】
本発明を明確に説明するために、本発明に関わらない部分の説明は省略し、明細書全体を通じて同じ構成要素に対しては同じ参照符号を付することにする。また、図面に示された各構成要素の大きさ、厚さ、位置などは説明の便宜のために任意に示したので、本発明は必ずしも図示されたものに限定されない。すなわち、明細書に記載されている特定形状、構造および特性は本発明の思想および範囲を逸脱することなく一実施例から他の実施例に変更されて具現され得、個別の構成要素の位置または配置も本発明の思想および範囲を逸脱することなく変更され得るものと理解されるべきである。
【0029】
したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味として行われるものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲の請求項が請求する範囲およびそれと均等なすべての範囲を包括するものと受け入れられるべきである。
【0030】
図2は本発明の一実施例に係るトレイ組立体を示す図面であり、
図3は本発明の一実施例に係るトレイ組立体で第1トレイと第2トレイを分解して上から斜めに見た図面である。
【0031】
図2および
図3を参照すると、本発明の一実施例に係るトレイ組立体100は第1トレイ110、第2トレイ120およびパッドアセンブリ130を含む。
【0032】
本発明の一実施例に係るトレイ組立体100の第1トレイ110はロボットに装着されてトレイ組立体100をロボットに固定する機能を遂行する。第1トレイ110はロボットと向き合う下面にロボットに固定的に装着されるようにする構成をさらに含むことができる。第1トレイ110をロボットに装着するための構成は、機械的結合、磁力による結合等の多様な公知の結合方式を利用できるものであって、本明細書でこれに対する説明は省略する。一方、第1トレイ110は維持、管理のためにロボットに分離可能に装着され得る。
【0033】
本発明の一実施例に係るトレイ組立体100の第2トレイ120は、飲食および/または飲料をサービングするために食器やカップなどを載置して支持する機能を遂行する。このために、第2トレイ120は第1トレイ110の上部で第1トレイ110と連結され得、特に第2トレイ120は第1トレイ110に対して回動可能に結合され得る。
【0034】
本発明の一実施例に係るトレイ組立体100のパッドアセンブリ130は第1トレイ110と第2トレイ120の間に位置し、第2トレイ120が第1トレイ110に対して回動する時に第2トレイ120が本来の位置に復帰し、その過程で振動などを減衰する機能を遂行する。本実施例によると、パッドアセンブリ130は第1トレイ110の上面で第1トレイ110の中心を基準として対称となる位置に3個設置され得るが、パッドアセンブリ130の個数はトレイ組立体100の大きさ、回動範囲、トレイ組立体100を通じて運搬する飲食および/または飲料の荷重などにより変更され得る。
【0035】
以下で、本発明の一実施例に係るトレイ組立体100のそれぞれの構成を、図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
図4は本発明の一実施例に係るトレイ組立体の第1トレイを示す図面であり、
図5は本発明の一実施例に係るトレイ組立体の第2トレイを示す図面である。また、
図6および
図7は、それぞれ本発明の一実施例に係るトレイ組立体のパッドアセンブリを上からおよび下から見た図面である。
【0037】
まず
図4および
図5を参照すると、本発明の一実施例に係る第1トレイ110の側面には少なくとも一つのスロット111が形成され得、第2トレイ120の側面には第1トレイ110の少なくとも一つのスロット111に対応する位置に結合部材121が設置され得る。これに伴い、第2トレイ120の結合部材121が第1トレイ110のスロット111に挿入される形態で第1トレイ110および第2トレイ120の結合がなされ得る。
【0038】
第1トレイ110の側面に形成されるスロット111は第1トレイ110の周方向に沿って長く形成され、第2トレイ120の結合部材121はスロット111に挿入され得るねじからなる。このような構成によって、結合部材121がスロット111に挿入された状態で第1トレイ110の周方向に沿って移動することができ、したがって第2トレイ120が第1トレイ110に対して回動することができる。また、このような構成によって、トレイ組立体100が持ち上げられる時に第2トレイ120が第1トレイ110から分離され得ないようにして安定した結合を維持することができる。
【0039】
本実施例では、第1トレイ110の周方向に沿って3個のスロット111が形成され、これに対応して第2トレイ120に3個の結合部材121が設置されるか、これらの個数をそれぞれ1個、2個、または4個以上のように多様に変形できることは言うまでもない。
【0040】
本発明の一実施例に係る第1トレイ110は、第2トレイ120およびパッドアセンブリ130と向き合う上面に第2トレイ120およびパッドアセンブリ130に向かって突出した弾性部材装着部113を含むことができる。第1トレイ110の弾性部材装着部113は後述するパッドアセンブリ130の弾性部材133を装着するためのものであって、弾性部材装着部113の個数と位置はパッドアセンブリ130の個数と位置に対応する。本実施例では、図示された通り、第1トレイ110の上面に3個の弾性部材装着部113が第1トレイ110の中心を基準として対称となるように形成され得る。
【0041】
本発明の一実施例に係る第2トレイ120は、第1トレイ110およびパッドアセンブリ130と向き合う下面に第1トレイ110およびパッドアセンブリ130に向かって突出した連結部材122を含むことができる。また、第1トレイ110には第2トレイ120の連結部材122に対応する位置に連結ホール112が形成され、第1トレイ110と第2トレイ120が結合される時に連結部材122が連結ホール112に挿入される方式で結合され得る。
【0042】
本実施例によると、第1トレイ110の連結ホール112は弾性部材装着部113の中央に形成され、第2トレイ120の連結部材122がパッドアセンブリ130を貫通して第1トレイ110の連結ホール112に挿入され得る。このような構成によって、パッドアセンブリ130を挟んで第1トレイ110と第2トレイ120が結合され得るとともに、第1トレイ110と第2トレイ120の間に位置するパッドアセンブリ130の位置が安定的に維持され得る。
【0043】
図6および
図7を参照すると、本発明の一実施例に係るトレイ組立体100のパッドアセンブリ130は、ローリング部材131、弾性部材固定ピン132、弾性部材133、ダンピング部材134およびハウジング135を含むことができる。
【0044】
本実施例に係るパッドアセンブリ130は、全体としてリング状を有するハウジング135にローリング部材131、弾性部材固定ピン132、弾性部材133およびダンピング部材134が装着されてなる。ハウジング135の下部、すなわち第1トレイ110と向き合う下部は開放された形態からなり、ハウジング135の上部、すなわち第2トレイ120と向き合う上部には支持部材が設置されて一部が閉鎖された形態からなり得る。
【0045】
前述した通り、第1トレイ110と第2トレイ120の結合時、第2トレイ120の連結部材122がパッドアセンブリ130を貫通して第1トレイ110の連結ホール112に挿入される方式で結合され得る。このために、パッドアセンブリ130のハウジング135の上部支持部材の中央にホールが形成され、第2トレイ120の連結部材122がハウジング135の上部支持部材の中央ホールを貫通して第1トレイ110の連結ホール112に挿入され得るようにする。パッドアセンブリ130のハウジング135の上部支持部材に形成されるホールは、第2トレイ120の連結部材122の直径に対応する直径を有するように構成され、第2トレイ120とパッドアセンブリ130が堅固に結合され得る。これを通じて、パッドアセンブリ130が第1トレイ110と第2トレイ120の間で安定的に位置を維持することができ、第2トレイ120が第1トレイ110と結合した後に回動する時、パッドアセンブリ130が第2トレイ120とともに回動することができる。
【0046】
本発明の一実施例に係るパッドアセンブリ130のローリング部材131は、第2トレイ120が第1トレイ110に対して回動する時、パッドアセンブリ130が第2トレイ120とともに回動できるようにして回動が円滑になされ得るようにする機能を遂行する。ローリング部材131は第1トレイ110と第2トレイ120が結合された状態で第1トレイ110の上面に接してローリング可能なように、第1トレイ110の上面に向かう方向にパッドアセンブリ130の周りに沿って設置され得る。
【0047】
本実施例では、図示された通り、ローリング部材131がボールハウジングおよびハウジングの内部で回転可能に設置されるボールを含み、ボールが第1トレイ110の上面に接してローリング可能なように構成され得る。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、ローリング部材131は別途のボールハウジングなしにボールのみで構成されることも可能であり、ローラのように公知のローリング可能な部材からなることも可能であろう。また、本実施例ではパッドアセンブリ130のローリング部材131がパッドアセンブリ130のハウジング135の周りに沿って一定の間隔をおいて6個設置されているが、ローリング部材131の個数はパッドアセンブリ130の大きさ、トレイ組立体100の回動範囲などにより変更され得る。
【0048】
本発明の一実施例に係るパッドアセンブリ130の弾性部材133は、第2トレイ120が第1トレイ110に対して回動する場合に第2トレイ120が本来の位置に復帰できる復原力を付与する機能を遂行する。パッドアセンブリ130の弾性部材133は少なくとも一端がパッドアセンブリ130に固定的に連結され得る。具体的には、パッドアセンブリ130のハウジング135の内側に弾性部材固定ピン132が設置され、弾性部材133は一端が弾性部材固定ピン132に固定的に連結され得る。
【0049】
本発明の一実施例によると、弾性部材133は複数のスプリングからなり得る。具体的には、弾性部材133は6個の引張スプリングからなり得る。6個の引張スプリングそれぞれは一端が弾性部材固定ピン132に装着され、他端がパッドアセンブリ130の中央部に向かって配置されるものの、隣接する引張スプリングと互いに連結される。ここで、弾性部材固定ピン132は3個設置され、一つの弾性部材固定ピンに二つの引張スプリングが同時に装着される。これに伴い、図示された通り、6個の引張スプリングは中に空間を置いて互いに連結される形態を有する。
【0050】
一方、引張スプリングの中心部すなわち、6個の引張スプリングによって形成される中の空間に、前述した第1トレイ110の弾性部材装着部113が位置して引張スプリングが互いに連結される中心部が第1トレイ110に装着され得る。
【0051】
図7および
図8と共に
図3および
図4を参照すると、第1トレイ110と第2トレイ120の結合時、それぞれのパッドアセンブリ130の6個の引張スプリングの中心部が第1トレイ110の弾性部材装着部113を取り囲む形態で装着され得る。すなわち、弾性部材装着部113によりパッドアセンブリ130の弾性部材133の中心部が第1トレイ110に対して相対的に固定され得る。これに伴い、第2トレイ120が第1トレイ110に対して回動する場合、パッドアセンブリ130が共に回動しながら弾性部材固定ピン132に装着される弾性部材133の端部側が回動することになり、これによって弾性部材133に復原力が発生することになって第2トレイ120が本来の位置に復帰できるようになる。
【0052】
本実施例では弾性部材133が6個の引張スプリングからなるものを例示しているが、弾性部材を異なる形態で具現することも可能であろう。例えば、弾性部材を一つのトーションスプリングで具現するものの、トーションスプリングの両端部を弾性部材装着ピンに連結し、トーションスプリングの中央コイルを弾性部材装着部に装着する形態も可能であろう。また、弾性部材133の個数、配置、弾性係数等は、トレイ組立体100を通じて運搬する飲食および/または飲料の荷重、予想されるロボットの動作などにより変更され得る。
【0053】
本発明の一実施例に係るパッドアセンブリ130は、ダンピング部材134がパッドアセンブリ130のハウジング135に設置されて、第2トレイ120が第1トレイ110に対して回動時および復帰時に第2トレイ120およびパッドアセンブリ130の回動による振動を吸収、減衰することによって回動を止める役割を果たすことができる。ダンピング部材134は第2トレイ120およびパッドアセンブリ130の回動に妨げとならない位置、すなわちパッドアセンブリ130のローリング部材131および弾性部材133と干渉しない位置に設置され得る。例えば、図示された通り、ダンピング部材134はパッドアセンブリ130のハウジング135の周りに沿って複数設置され得る。ダンピング部材134の個数と質量は、トレイ組立体100を通じて運搬する飲食および/または飲料の荷重、予想されるロボットの動作などにより変更され得る。
【0054】
このように、第1トレイ110と第2トレイ120は互いに回動可能に結合され、回動した場合にも第2トレイ120が本来の位置に復帰できるように構成することによって、ロボットの移動や使用者の操作過程においてトレイ組立体100に衝撃や振動が伝達されても、第2トレイ120上に載置される飲食および/または飲料に伝達される衝撃や振動を低減できるため、飲食および/または飲料をさらに安定的にサービングすることができる。
【0055】
一方、前述した実施例では第2トレイ120の上面が扁平に形成されるものとして例示しているが、第2トレイが異なる形態を有することも可能である。
【0056】
図8は本発明の他の実施例に係るトレイ組立体を示す図面であり、
図8を参照すると、本発明の他の実施例に係るトレイ組立体200は前述した実施例と同様に第1トレイ210、第2トレイ220およびパッドアセンブリを含む。ただし、本実施例に係るトレイ組立体200は第2トレイ220の上面に複数個の溝221が形成されるという点で前述した実施例と差がある。
【0057】
具体的には、本実施例に係る第2トレイ220の上面にはサービングのためのカップおよび/または瓶の下部が載置され得る溝221が一定の間隔で複数個形成され得、それぞれの溝はカップおよび/または瓶を安定的に固定させる機能を遂行する。溝の形状と大きさはサービングが必要なカップおよび/または瓶の形状と大きさを考慮して多様に具現され得る。
【0058】
このように、本実施例では第2トレイの上面に複数の溝を形成して、特に飲料をサービングする時にカップや瓶をトレイ組立体に安定的に固定することによって、サービング中に飲料がこぼれ出る問題を防止することができる。それだけでなく、一度に複数の飲料をサービングできるため使用者の便宜性を高めることができる。
【0059】
以上、本発明を具体的な構成要素などのような特定の事項と限定された実施例によって説明したが、前述した実施例は本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であればこのような記載から多様な修正および変形を試みることができる。
【0060】
したがって、本発明の思想は前述した実施例に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等にまたは等価的に変形された全てのものは本発明の思想の範疇に属するものと言える。
【符号の説明】
【0061】
100、200:トレイ組立体
110、210:第1トレイ
111:スロット
112:連結ホール
113:弾性部材装着部
120、220:第2トレイ
121:結合部材
122:連結部材
130:パッドアセンブリ
131:ローリング部材
132:弾性部材固定ピン
133:弾性部材
134:ダンピング部材
135:ハウジング
221:溝