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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】トレイ組立体
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/00 20060101AFI20221111BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20221111BHJP
   B25J 19/06 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
B25J19/00 Z
B25J5/00 A
B25J19/06
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021182107
(22)【出願日】2021-11-08
(65)【公開番号】P2022145460
(43)【公開日】2022-10-04
【審査請求日】2021-11-08
(31)【優先権主張番号】17/206,494
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521217150
【氏名又は名称】ベア ロボティクス インク
【氏名又は名称原語表記】Bear Robotics, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ジーノ ヌグェガン
【審査官】仁木 学
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108670713(CN,A)
【文献】特表2010-517875(JP,A)
【文献】特開2001-300876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
A47B 31/00
A47G 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットに装着されるように構成される第1トレイと、
前記第1トレイの上部で前記第1トレイと回動可能に結合されるように構成される第2トレイとを含み、
前記第2トレイは、前記第1トレイと向き合う下面に設置される少なくとも一つの第1ローリング部材および少なくとも一端が前記下面に固定的に連結される弾性部材を含み、
前記第2トレイが前記第1トレイに対して回動すると、前記第2トレイの前記弾性部材の復原力によって前記第2トレイが本来の位置に復帰するように構成される、トレイ組立体。
【請求項2】
前記第1トレイは前記第2トレイと向き合う上面に前記第2トレイに向かって突出した弾性部材装着部を含み、
前記第2トレイの前記弾性部材は前記第1トレイの前記弾性部材装着部に装着され、前記第2トレイが前記第1トレイに対して回動する時に復原力が発生するように構成される、請求項1に記載のトレイ組立体。
【請求項3】
前記第2トレイの前記弾性部材は複数の引張スプリングを含み、複数の前記引張スプリングが前記第1トレイの前記弾性部材装着部を取り囲む形態で前記弾性部材装着部に装着される、請求項2に記載のトレイ組立体。
【請求項4】
前記第2トレイは前記下面に前記第1トレイに向かって突出形成される弾性部材固定ピンをさらに含み、
前記弾性部材は少なくとも一端が前記弾性部材固定ピンに固定的に連結される、請求項1に記載のトレイ組立体。
【請求項5】
前記第1トレイには前記第2トレイの前記弾性部材固定ピンに対応する位置に連結ホールが形成され、前記弾性部材固定ピンが前記連結ホールに挿入されるように構成される、請求項4に記載のトレイ組立体。
【請求項6】
前記第1トレイの側面に少なくとも一つのスロットが形成され、
前記第2トレイは側面で少なくとも一つの前記スロットに対応する位置に設置される結合部材を含み、
前記第1トレイの少なくとも一つの前記スロットは前記第1トレイの周方向に沿って長く形成されて、前記第2トレイの前記結合部材が挿入された後に前記第1トレイの周方向に沿って回動可能なように構成される、請求項1に記載のトレイ組立体。
【請求項7】
少なくとも一つの前記第1ローリング部材は前記第2トレイの周方向に沿って複数設置される、請求項1に記載のトレイ組立体。
【請求項8】
少なくとも一つの前記第1ローリング部材は前記第2トレイと向き合う前記第1トレイの上面に接してローリング可能なように構成される、請求項1に記載のトレイ組立体。
【請求項9】
前記第2トレイは前記下面に設置される少なくとも一つのダンピング部材をさらに含む、請求項1に記載のトレイ組立体。
【請求項10】
前記第1トレイおよび前記第2トレイの間に位置する中間プレートをさらに含み、
前記中間プレートは前記第1トレイと向き合う前記下面に設置される少なくとも一つの第2ローリング部材を含む、請求項1に記載のトレイ組立体。
【請求項11】
前記中間プレートは前記第2トレイと向き合う上面に前記第2トレイに向かって突出した弾性部材装着部をさらに含み、
前記第2トレイの前記弾性部材は前記中間プレートの前記弾性部材装着部に装着され、前記第2トレイが前記第1トレイに対して回動する時に復原力が発生するように構成される、請求項10に記載のトレイ組立体。
【請求項12】
前記第2トレイの前記弾性部材は複数の引張スプリングを含み、複数の前記引張スプリングが前記中間プレートの前記弾性部材装着部を取り囲む形態で前記弾性部材装着部に装着される、請求項11に記載のトレイ組立体。
【請求項13】
前記第2トレイは側面に設置されるラッチを含み、
前記第1トレイの側面には前記ラッチが引っ掛かる方式で結合され得る溝が形成され、
前記第2トレイの前記ラッチが前記第1トレイの溝に引っ掛かった後に前記第1トレイの周方向に沿って回動可能なように構成される、請求項10に記載のトレイ組立体。
【請求項14】
少なくとも一つの前記第1ローリング部材は、前記第2トレイの周方向に沿って複数設置される、請求項10に記載のトレイ組立体。
【請求項15】
少なくとも一つの前記第1ローリング部材は、前記第2トレイと向き合う前記中間プレートの上面に接してローリング可能なように構成される、請求項10に記載のトレイ組立体。
【請求項16】
少なくとも一つの前記第2ローリング部材は、前記中間プレートと向き合う前記第1トレイの上面に接してローリング可能なように構成される、請求項10に記載のトレイ組立体。
【請求項17】
少なくとも一つの前記第2ローリング部材は前記中間プレートの前記下面の中央に設置される、請求項10に記載のトレイ組立体。
【請求項18】
前記中間プレートは前記第1トレイと向き合う前記下面に設置される少なくとも一つの緩衝部材をさらに含む、請求項10に記載のトレイ組立体。
【請求項19】
前記緩衝部材は前記中間プレートに向かうように設置されるコイルスプリングからなり、前記コイルスプリングは前記中間プレートの周方向に沿って複数設置される、請求項18に記載のトレイ組立体。
【請求項20】
前記中間プレートは前記第1トレイと向き合う前記下面の中央から放射状に延びて形成される突出部を含み、
前記第1トレイには前記突出部の形状と対応する凹部が形成され、前記中間プレートの前記突出部が前記第1トレイの凹部に装着されるように構成される、請求項10に記載のトレイ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトレイ組立体に関し、より詳細には飲食および/または飲料をサービングするためのロボットに装着されて使われ得るトレイ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット技術の発展につれて、産業用ロボットだけでなくサービスロボットに対する関心と需要も増加している。サービスロボットは日常生活の多様な分野に適用されており、このようなサービスロボットのうち、レストランなどで顧客が注文した飲食をテーブルまで運搬する自律走行サービングロボットも知られている。サービングロボットはレストランの運営効率性を最大化するとともに、顧客サービスの質を向上させる利点があるため、最近これに対する関心が急増している。
【0003】
図1は、飲食および/または飲料をサービングするためのロボットを例示的に示す図面である。図1を参照すると、ロボット10はロボット10の移動のための駆動部11および駆動部11の上端に搭載される本体部12からなる。本体部12には使用者の命令を入力できる装置または無線通信を通じて使用者の命令を受信できる装置が設置され得、入力された使用者の命令によって自律走行して飲食および/または飲料をサービングしたり、食事後に食器を移動させることができる。また、飲食および/または飲料のサービング乃至食器の移動のために本体部12の上部にトレイが配置され得る。
【0004】
一方、ロボット10の移動時または使用者が飲食および/または飲料を把持する過程で、本体部12の上面に配置されるトレイに衝撃が加えられて振動が伝達され得る。
【0005】
したがって、トレイが本体部12に安定的に装着されないと、トレイがロボット10から分離する際に飲食および/または飲料乃至食器が落下する問題が発生する可能性がある。また、トレイが本体部12に安定的に装着されても、トレイに印加される衝撃や振動が飲食および/または飲料乃至食器にそのまま伝達されるのであれば、振動などによって飲食および/または飲料がこぼれ出る問題が発生し得る。
【0006】
したがって、サービングロボットの開発につれて、サービングロボットに安定的に装着され、かつ飲食および/または飲料を問題なくサービングできる専用トレイの開発も必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前述した従来技術の問題点を解決するためのものであって、飲食および/または飲料をサービングするためのロボットに安定的に装着して使用できるトレイ組立体を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明はロボットの移動などによってトレイに伝達される衝撃や振動を補償して、さらに安定的に飲食および/または飲料などのサービングがなされ得るトレイ組立体を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明はロボットから分離が可能であるため、維持、管理が容易なトレイ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例に係るトレイ組立体は、ロボットに装着されるように構成される第1トレイと、第1トレイの上部で第1トレイと回動可能に結合されるように構成される第2トレイとを含む。ここで、第2トレイは、第1トレイと向き合う下面に設置される少なくとも一つの第1ローリング部材および少なくとも一端が下面に固定的に連結される弾性部材を含み、第2トレイが第1トレイに対して回動すると、第2トレイの弾性部材の復原力によって第2トレイが本来の位置に復帰するように構成される。
【0011】
本発明の一実施例によると、第1トレイは第2トレイと向き合う上面に第2トレイに向かって突出した弾性部材装着部を含むことができ、第2トレイの弾性部材は第1トレイの弾性部材装着部に装着されて第2トレイが第1トレイに対して回動する時に復原力が発生するように構成され得る。
【0012】
本発明の一実施例によると、第2トレイの弾性部材は複数の引張スプリングを含むことができ、複数の引張スプリングが第1トレイの弾性部材装着部を取り囲む形態で弾性部材装着部に装着され得る。
【0013】
本発明の一実施例によると、第2トレイは下面に第1トレイに向かって突出形成される弾性部材固定ピンをさらに含むことができ、弾性部材は少なくとも一端が弾性部材固定ピンに固定的に連結され得る。
【0014】
本発明の一実施例によると、第1トレイには第2トレイの弾性部材固定ピンに対応する位置に連結ホールが形成され得、弾性部材固定ピンが連結ホールに挿入されるように構成され得る。
【0015】
本発明の一実施例によると、第1トレイの側面に少なくとも一つのスロットが形成され得、第2トレイは側面で少なくとも一つのスロットに対応する位置に設置される結合部材を含むことができる。第1トレイの少なくとも一つのスロットは第1トレイの周方向に沿って長く形成されて第2トレイの結合部材が挿入された後、第1トレイの周方向に沿って回動可能なように構成され得る。
【0016】
本発明の一実施例によると、少なくとも一つの第1ローリング部材は第2トレイの周方向に沿って複数設置され得る。
【0017】
本発明の一実施例によると、少なくとも一つの第1ローリング部材は第2トレイと向き合う第1トレイの上面に接してローリング可能なように構成され得る。
【0018】
本発明の一実施例によると、第2トレイは下面に設置される少なくとも一つのダンピング部材をさらに含むことができる。
【0019】
本発明の一実施例に係るトレイ組立体は、第1トレイおよび第2トレイの間に位置する中間プレートをさらに含むことができ、中間プレートは第1トレイと向き合う下面に設置される少なくとも一つの第2ローリング部材を含むことができる。
【0020】
本発明の一実施例によると、中間プレートは第2トレイと向き合う上面に第2トレイに向かって突出した弾性部材装着部をさらに含むことができ、第2トレイの弾性部材は中間プレートの弾性部材装着部に装着されて第2トレイが第1トレイに対して回動する時に復原力が発生するように構成され得る。
【0021】
本発明の一実施例によると、第2トレイの弾性部材は複数の引張スプリングを含むことができ、複数の引張スプリングが中間プレートの弾性部材装着部を取り囲む形態で弾性部材装着部に装着され得る。
【0022】
本発明の一実施例によると、第2トレイは側面に設置されるラッチを含むことができ、第1トレイの側面にはラッチが引っ掛かる方式で結合され得る溝が形成され得、第2トレイのラッチが第1トレイの溝に引っ掛かった後に第1トレイの周方向に沿って回動可能なように構成され得る。
【0023】
本発明の一実施例によると、少なくとも一つの第1ローリング部材は第2トレイの周方向に沿って複数設置され得る。
【0024】
本発明の一実施例によると、少なくとも一つの第1ローリング部材は第2トレイと向き合う中間プレートの上面に接してローリング可能なように構成され得る。
【0025】
本発明の一実施例によると、少なくとも一つの第2ローリング部材は中間プレートと向き合う第1トレイの上面に接してローリング可能なように構成され得る。
【0026】
本発明の一実施例によると、少なくとも一つの第2ローリング部材は中間プレートの下面の中央に設置され得る。
【0027】
本発明の一実施例によると、中間プレートは第1トレイと向き合う下面に設置される少なくとも一つの緩衝部材をさらに含むことができる。
【0028】
本発明の一実施例によると、緩衝部材は中間プレートに向かうように設置されるコイルスプリングからなり得、コイルスプリングは中間プレートの周方向に沿って複数設置され得る。
【0029】
本発明の一実施例によると、中間プレートは第1トレイと向き合う下面の中央から放射状に延びて形成される突出部を含むことができ、第1トレイには突出部の形状と対応する凹部が形成され、中間プレートの突出部が第1トレイの凹部に装着されるように構成され得る。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施例によると、トレイ組立体がロボットに固定的に装着され得るため、飲食および/または飲料を安定してサービングすることができる。
【0031】
また、トレイ組立体を構成するトレイが互いに回動可能に結合され、トレイに伝達される衝撃や振動を補償できるように構成されるため、飲食および/または飲料をこぼすことなくさらに安定的にサービングすることができる。
【0032】
また、トレイ組立体を構成するトレイが互いに分離可能に結合されることによって維持、管理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】飲食および/または飲料をサービングするためのロボットを例示的に示す図面である。
図2】本発明の第1実施例に係るトレイ組立体を示す図面である。
図3】本発明の第1実施例に係るトレイ組立体を分解して上から斜めに見た図面である。
図4】本発明の第1実施例に係るトレイ組立体を分解して下から斜めに見た図面である。
図5】本発明の第2実施例に係るトレイ組立体を示す図面である。
図6】本発明の第2実施例に係るトレイ組立体を分解して上から斜めに見た図面である。
図7】本発明の第2実施例に係るトレイ組立体を分解して下から斜めに見た図面である。
図8】本発明の第3実施例に係るトレイ組立体を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
【0035】
本発明を明確に説明するために、本発明に関わらない部分の説明は省略し、明細書全体を通じて同一/類似する構成要素に対しては同一/類似する参照符号を付けるようにする。また、図面に示された各構成要素の大きさ、厚さ、位置などは説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明は必ずしも図示されたものに限定されない。すなわち、明細書に記載されている特定形状、構造および特性は本発明の思想および範囲を逸脱することなく一実施例から他の実施例に変更されて具現され得、個別の構成要素の位置または配置も本発明の思想および範囲を逸脱することなく変更され得るものと理解されるべきである。
【0036】
したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味として行われるものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲の請求項が請求する範囲およびそれと均等なすべての範囲を包括するものと受け入れられるべきである。
【0037】
図2は、本発明の第1実施例に係るトレイ組立体を示す図面であり、図3は本発明の第1実施例に係るトレイ組立体を分解して上から斜めに見た図面であり、図4は本発明の第1実施例に係るトレイ組立体を分解して下から斜めに見た図面である。
【0038】
図2図4を参照すると、本発明の第1実施例に係るトレイ組立体100は第1トレイ110および第2トレイ120を含む。
【0039】
本実施例に係るトレイ組立体100の第1トレイ110は、ロボットに装着されてトレイ組立体100をロボットに固定する機能を遂行する。第1トレイ110は、ロボットと向き合う下面にロボットに固定的に装着されるようにする構成をさらに含むことができる。第1トレイ110をロボットに装着するための構成は機械的結合、磁力による結合等の多様な公知の結合方式を利用できるものであって、本明細書でこれに対する説明は省略する。一方、第1トレイ110は維持、管理のためにロボットに分離可能に装着され得る。
【0040】
本実施例に係るトレイ組立体100の第2トレイ120は、飲食および/または飲料をサービングするために食器やカップなどを載置して支持する機能を遂行する。このために、第2トレイ120は第1トレイ110の上部で第1トレイ110に結合され得る。具体的には、第1トレイ110の側面には少なくとも一つのスロット111が形成され得、第2トレイ120の側面には第1トレイの少なくとも一つのスロット111に対応する位置に結合部材121が設置され、第2トレイ120の結合部材121が第1トレイ110のスロット111に挿入される形態で結合され得る。
【0041】
本実施例によると、第1トレイ110と第2トレイ120は互いに結合された状態で回動可能なように構成される。
【0042】
図3を参照すると、第1トレイ110の側面に形成されるスロット111は第1トレイ110の周方向に沿って長く形成され、第2トレイ120の結合部材121はスロット111に挿入され得るネジからなり、結合部材121がスロット111に挿入された状態で第1トレイ110の周方向に沿って移動することができる。これによって、第2トレイ120が第1トレイ110に対して回動することができる。また、このような構成によって、トレイ組立体100が持ち上げられる時に第2トレイ120が第1トレイ110から分離され得ないようにして安定した結合を維持することができる。本実施例では、第1トレイ110の周方向に沿って3個のスロット111が形成され、これに対応して第2トレイ120に3個の結合部材121が設置されるか、これらの個数をそれぞれ1個、2個、または4個以上のように多様に変形できることは言うまでもない。
【0043】
本実施例によると、第2トレイ120は下面、すなわち第1トレイ110と向き合う下面に設置される第1ローリング部材122を含むことができる。図4を参照すると、第1ローリング部材122は、第1トレイ110と第2トレイ120を結合した状態で、第2トレイ120と向き合う第1トレイ110の上面と接してローリング可能なように構成され得る。これに伴い、第2トレイ120が第1トレイ110に対して回動する時に回動が円滑になされ得るようにする。
【0044】
本実施例では、図示された通り、第1ローリング部材122がボールハウジングおよびハウジングの内部で回転可能に設置されるボールを含み、ボールが第2トレイ120と向き合う第1トレイ110の上面に接してローリング可能なように構成され得る。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、第1ローリング部材122は別途のボールハウジングなしにボールのみで構成されることも可能であり、ローラのように公知のローリング可能な部材からなることも可能である。また、本実施例では第2トレイ120の第1ローリング部材122が第2トレイ120の下面で周方向に沿って一定の間隔をおいて6個設置されているが、第1ローリング部材122の個数はトレイ組立体100の大きさ、回動範囲などにより変更され得る。
【0045】
このように、第1トレイ110と第2トレイ120は互いに回動可能に結合され得る。また、第1トレイ110と第2トレイ120は下記のように回動した後に本来の位置に復帰できる復原力を有するように構成される。
【0046】
図4を参照すると、本実施例に係るトレイ組立体100の第2トレイ120は弾性部材123および弾性部材固定ピン124を含むことができる。
【0047】
本実施例によると、第2トレイ120の弾性部材123は、第2トレイ120が第1トレイ110に対して回動する場合に第2トレイ120が本来の位置に復帰できる復原力を付与する機能を遂行する。第2トレイ120の弾性部材123は少なくとも一端が第2トレイ120の下面に固定的に連結され得る。
【0048】
本実施例では、第2トレイ120の下面からこれと向き合う第1トレイ110の上面に向かって突出形成される弾性部材固定ピン124により第2トレイ120の下面に固定的に連結され得る。第1トレイ110には第2トレイ120の弾性部材固定ピン124に対応する位置に連結ホール114が形成され得、第1トレイ110と第2トレイ120の結合時に弾性部材固定ピン124が連結ホール114に挿入され得る。これに伴い、弾性部材固定ピン124は弾性部材123を第2トレイ120の下面に固定的に連結することができるとともに、第1トレイ110と第2トレイ120の結合を助けることができる。
【0049】
本実施例によると、第2トレイ120の弾性部材123は複数のスプリングからなり得る。具体的には、弾性部材123は6個の引張スプリングからなり得る。6個の引張スプリングそれぞれは一端が弾性部材固定ピン124に装着され、他端が第2トレイ120の中央部に向かって配置されるものの、隣接する引張スプリングと互いに連結される。ここで、弾性部材固定ピン124は3個設置され、一つの弾性部材固定ピン124に二つの引張スプリングが同時に装着される。これに伴い、図示された通り、6個の引張スプリングは中に空間を置いて互いに連結される形態を有する。
【0050】
再び図3を参照すると、第1トレイ110は第2トレイ120と向き合う上面に第2トレイ120に向かって突出した弾性部材装着部113を含むことができる。第1トレイ110の弾性部材装着部113は第1トレイ110の上面の中央に設置され、第1トレイ110と第2トレイ120の結合時、第2トレイ120の弾性部材123が第1トレイ110の弾性部材装着部113を取り囲む形態で結合され得る。すなわち、6個の引張スプリングによって形成される中の空間に弾性部材装着部113が位置して引張スプリングが互いに連結される中心部が、第1トレイ110に対して相対的に固定され得る。
【0051】
このような構成によって、第2トレイ120が第1トレイ110に対して回動する場合にも弾性部材123の復原力によって第2トレイ120が本来の位置に復帰できることになる。すなわち、ロボットの移動や使用者の操作過程でトレイ組立体100に衝撃や振動が伝達されても、弾性部材123により第2トレイ120が回動後に元の位置に戻ることによって第2トレイ120上に載置される飲食および/または飲料に伝達される衝撃や振動を低減できることになる。
【0052】
本実施例では弾性部材123が6個の引張スプリングからなるものを例示しているが、弾性部材を異なる形態で具現することも可能である。例えば、弾性部材を一つのトーションスプリングで具現するものの、トーションスプリングの両端部を弾性部材装着ピンに連結し、トーションスプリングの中央コイルを弾性部材装着部に装着する形態も可能である。また、弾性部材123の個数、配置、弾性係数等は、トレイ組立体100を通じて運搬する飲食および/または飲料の荷重、予想されるロボットの動作などにより変更され得る。
【0053】
一方、本実施例によると、第2トレイ120はダンピング部材125をさらに含むことができる。第2トレイ120のダンピング部材125は、第2トレイ120下面に設置され、第2トレイ120が第1トレイ110に対して回動する時および復帰する時に第2トレイ120の回動による振動を吸収、減衰して回動を止める役割をすることができる。
【0054】
ダンピング部材125は第2トレイ120の回動に妨げとならない位置、すなわち第2トレイ120の第1ローリング部材122および弾性部材123と干渉しない位置に設置され得る。例えば、図示された通り、ダンピング部材125は第2トレイ120の下面の周方向に沿って複数設置され得、第1ローリング部材122に対して半径方向の外側に設置され得る。ダンピング部材125の個数と質量はトレイ組立体100を通じて運搬する飲食および/または飲料の荷重、予想されるロボットの動作などにより変更され得る。
【0055】
図5は本発明の第2実施例に係るトレイ組立体を示す図面であり、図6は本発明の第2実施例に係るトレイ組立体を分解して上から斜めに見た図面であり、図7は本発明の第2実施例に係るトレイ組立体を分解して下から斜めに見た図面である。
【0056】
図5図7を参照すると、本発明の第2実施例に係るトレイ組立体200は、第1実施例に係るトレイ組立体100と同様に第1トレイ210および第2トレイ220を含む。また、本実施例に係るトレイ組立体200は第1トレイ210と第2トレイ220の間に位置する中間プレート230をさらに含む。
【0057】
本実施例に係るトレイ組立体200の第1トレイ210はロボットに装着され、第2トレイ220は第1トレイ210の上部で第1トレイ210と回動可能に結合され得る。本実施例によると、第2トレイ220の側面にはラッチ(結合部材)221が設置され、第1トレイ210の側面には第1トレイ210の外側周りに沿って溝211が形成され得る。第2トレイ220のラッチ221は第1トレイ210の溝211に引っ掛かる方式で結合され得、ラッチ221が溝211に沿って移動する方式で第2トレイ220が第1トレイ210に対して回動することができる。
【0058】
本発明の第2実施例に係るトレイ組立体200の第2トレイ220は、本発明の第1実施例に係るトレイ組立体100の第2トレイ120と同様に第1ローリング部材222、弾性部材223および弾性部材固定ピン224を含むことができる。また、図示されてはいないが、第2トレイ220はダンピング部材をさらに含むことができる。本実施例での第1ローリング部材222、弾性部材223、弾性部材固定ピン224およびダンピング部材の構成と機能は第1実施例と実質的に同一であるため、これに対する詳細な説明は省略し、第1実施例と差がある部分を中心に説明する。
【0059】
本実施例によると、第1トレイ210と第2トレイ220の間に中間プレート230が配置される。これに伴い、第2トレイ220の第1ローリング部材222は第2トレイ220と向き合う中間プレート230の上面と接してローリングすることができる。
【0060】
図6および図7を参照すると、本実施例に係るトレイ組立体200の中間プレート230は突出部231、第2ローリング部材232、弾性部材装着部233および緩衝部材234を含むことができる。
【0061】
本実施例に係る中間プレート230の弾性部材装着部233は第1実施例での第1トレイ110の弾性部材装着部113と類似する構成と機能を有する。すなわち、中間プレート230の弾性部材装着部233は、第2トレイ220と向き合う中間プレート230の上面の中央に第2トレイ220に向かって突出する形態で設置され得、これに伴い、第1トレイ210、第2トレイ220および中間プレート230が結合する時、第2トレイ220の弾性部材223、例えば6個の引張スプリングの中心部が弾性部材装着部233を取り囲む形態で装着され得る。このように、弾性部材装着部233により第2トレイ220の弾性部材223が中間プレート230に対して相対的に固定され得、第2トレイ220が第1トレイ210および中間プレート230に対して回動する場合にも弾性部材223の復原力によって第2トレイ220が本来の位置に復帰できることになる。
【0062】
本実施例によると、中間プレート230の第2ローリング部材232は第1トレイ210と向き合う中間プレート230の下面に設置され得、中間プレート230と向き合う第1トレイ210の上面に接してローリング可能なように構成される。第2ローリング部材232は中間プレート230の下面の中央に設置され、第2トレイ220が第1トレイ210に対して回動する場合に均衡を維持して円滑な動作を助ける機能を遂行する。
【0063】
本実施例によると、中間プレート230の緩衝部材234は第1トレイ210と向き合う中間プレート230の下面に設置され得、第1トレイ210に対して中間プレート230を支持し、上下方向への衝撃を吸収する機能を遂行する。緩衝部材234は第1トレイ210に向かって設置されるコイルスプリングからなり得、中間プレート230の周方向に沿って一定の間隔で複数個設置され得る。もちろん、緩衝部材234の大きさ、個数、弾性係数等はトレイ組立体200の大きさ、トレイ組立体200を通じて運搬する飲食および/または飲料の荷重、予想されるロボットの動作動きなどによって変わり得る。
【0064】
本実施例によると、中間プレート230の突出部231は中間プレート230の下面の中央から放射状に延びる形態で形成され得る。これに対応して、第1トレイ210には突出部231の形状に符合する凹部が形成され得る。この場合、中間プレート230の突出部231が第1トレイ210の凹部に装着されることによって、中間プレート230を第1トレイ210に安定的に結合することができる。
【0065】
一方、前述した実施例では第2トレイ120、220の上面が扁平に形成されるものとして例示しているが、第2トレイが異なる形態を有することも可能である。
【0066】
図8は本発明の第3実施例に係るトレイ組立体を示す図面であり、図8を参照すると、本発明の第3実施例に係るトレイ組立体300は前述した実施例と同様に第1トレイ310および第2トレイ320を含む。ただし、本実施例に係るトレイ組立体300は第2トレイ320の上面に複数個の溝321が形成されるという点で前述した実施例と差がある。
【0067】
具体的には、本実施例に係る第2トレイ320の上面にはサービングのためのカップおよび/または瓶の下部が載置され得る溝321が一定の間隔で複数個形成され得、それぞれの溝はカップおよび/または瓶を安定的に固定させる機能を遂行する。溝の形状と大きさはサービングが必要なカップおよび/または瓶の形状と大きさを考慮して多様に具現され得る。
【0068】
このように、本実施例では第2トレイの上面に複数の溝を形成して、特に飲料をサービングする時にカップや瓶をトレイ組立体に安定的に固定することによって、サービング中に飲料がこぼれ出る問題を防止することができる。それだけでなく、一度に複数の飲料をサービングできるため使用者の便宜性を高めることができる。
【0069】
以上、本発明を具体的な構成要素などのような特定の事項と限定された実施例によって説明した。しかし、前述した実施例は本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であればこのような記載から多様な修正および変形を試みることができる。
【0070】
したがって、本発明の思想は前述した実施例に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、特許請求の範囲と均等にまたは等価的に変形された全てのものは本発明の思想の範疇に属するものと言える。
【符号の説明】
【0071】
100、200、300:トレイ組立体
110、210、310:第1トレイ
111:スロット
113:弾性部材装着部
114:連結ホール
120、220、320:第2トレイ
121:結合部材
221:ラッチ
122、222:第1ローリング部材
123、223:弾性部材
124、224:弾性部材固定ピン
125:ダンピング部材
230:中間プレート
231:突出部
232:第2ローリング部材
233:弾性部材装着部
234:緩衝部材
321:溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8