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特許7175386Al1-xScxNおよびAlyGa1-yN材料を含む共通層上のフォトニックおよび電子装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】Al1-xScxNおよびAlyGa1-yN材料を含む共通層上のフォトニックおよび電子装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/026 20060101AFI20221111BHJP
   C30B 29/38 20060101ALI20221111BHJP
   H01S 5/30 20060101ALI20221111BHJP
   H01L 21/338 20060101ALI20221111BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20221111BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20221111BHJP
   H01L 21/20 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
H01S5/026
C30B29/38 C
H01S5/30
H01L29/80 H
H01L29/80 E
H01L21/20
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021513359
(86)(22)【出願日】2019-04-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 US2019029869
(87)【国際公開番号】W WO2019217141
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2020-11-06
(31)【優先権主張番号】62/670,261
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/670,273
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/227,764
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520435267
【氏名又は名称】レイセオン ビービーエヌ テクノロジーズ コープ
【氏名又は名称原語表記】RAYTHEON BBN TECHNOLOGIES CORP.
【住所又は居所原語表記】10 Moulton Street Cambridge Massachusetts 02138 US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ソルタニ,モハメド
(72)【発明者】
【氏名】チュンベス,エドアルド,エム.
【審査官】淺見 一喜
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-527283(JP,A)
【文献】特開2014-209576(JP,A)
【文献】国際公開第2017/093678(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0240832(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0338810(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0130883(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0190384(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102015116068(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0294529(US,A1)
【文献】Matthew T. Hardy, Brian P. Downey, Neeraj Nepal, et al.,Epitaxial ScAlN grown by molecular beam epitaxy on GaN and SiC substrates,Applied Physics Letters,米国,American Institute of Physics,2017年04月20日,Vol. 110,162104
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
C30B 29/38
H01L 21/338
H01L 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単結晶基板を有する構造であって、
前記単結晶基板上の電子装置およびフォトニック装置と、
前記単結晶基板に、前記電子装置用の2DEGチャネルを提供する層と、
を有し、
前記フォトニック装置は、前記2DEGチャネルを提供する層の上にクラッド層を有し、
前記クラッド層は、前記2DEGチャネルを提供する層と格子整合され、
前記クラッド層の上には、フォトニック導波層が設置され、
前記2DEGチャネルを提供する層は、前記フォトニック装置および前記電子装置に共通であり、
前記2DEGチャネルを提供する層は、Al1-xScxN層であり、ここで、0<x≦0.11であり、
前記クラッド層は、Al1-xScxN層であり、ここで、0<x≦0.11であり、
前記フォトニック導波層は、AlyGa1-yNを含む材料であり、ここで、Alはアルミニウム、Gaはガリウム、Nは窒素であり、0≦y≦1である、構造。
【請求項2】
前記電子装置は、HEMTである、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記フォトニック装置は、前記電子装置と電気的に接続される、請求項1に記載の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、全般にフォトニック装置に関する。また、本願は、共通の単結晶層上に配置された、フォトニック装置および半導体電子装置を有するように適合された構造に関する。また、本願は、フォトニック装置およびIII族-N半導体を有する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られているように、フォトニック装置は、レーザのように光子を発生させ、増幅器、モジュレータ、スイッチ、または電気光学装置のように光子の伝播を変更する際、または光子検出器のように光子を検出する際に、使用されている。従来から知られているように、これらの多くのフォトニック装置は、異なる材料の水平に配置された層の垂直スタックを用いて形成され、光子が生じおよび/または伝播するフォトニック導波層、ならびにフォトニック導波層上に配置されたクラッド層を含み、クラッド層は、フォトニック装置の作動周波数において、フォトニック導波層の屈折率よりも小さな屈折率を有し、フォトニック導波層内に光子が閉じ込められ、フォトニック導波層の外部への光子のリークが抑制される。従来から知られているように、複数のフォトニック装置を集積する構造は、フォトニック集積回路(PIC)または集積光学回路として知られている。
【0003】
従来の電子集積回路は、トランジスタのようなアクティブ電子装置、ならびにレジスタ、キャパシタ、およびインダクタのようなパッシブ装置を複数集積した構造である。従って、フォトニック装置は、光子を発生し、伝播し、および/または制御し、電子装置は、電子(および/またはホール)を発生し、伝播し、および/または制御する。ある望ましい構造は、それぞれが、共通の単結晶層上にIII族-窒化物半導体材料を有する電子集積装置が集積された、フォトニック装置である。
【0004】
III族-窒化物フォトニック導波層/クラッド層を実現するため、過去に多くの試みが行われている:
1- フォトニック導波層よりも低い屈折率を有する、サファイアのような別のウルツ型結晶上、またはフォトニック導波層とは異なるIII-窒化物結晶上に、フォトニック導波層をエピタキシャル成長させること、
2- III-窒化物フォトニック導波層を、二酸化ケイ素(SiO2)のような別の基板に移し、接合すること、
3- SiO2基板上のIII-窒化物をスパッタすること、
4- シリコンのような別の結晶質ファミリー材料上で、III-窒化物フォトニック導波層をエピタキシャル成長させること。
【0005】
前述の対応の中で、(1)は、同じファミリーの別の結晶上に、結晶質のフォトニック導波層を成長させるため、幅広く技術的に魅力的である。しかしながら、大きな問題は、フォトニック導波層と下側のクラッド層との間の、結晶格子の不整合である。その結果、高密度の結晶転位が生じ、フォトニック導波層の成長厚さが制限される。(2)の対応では、フォトニック装置の実施可能なプラットフォームが提供されるが、それのIII族-窒化物電子装置および回路との集積は、難しい。対応(3)は、成長方向において、単結晶材料が提供され得る。これは、横方向において、アモルファスまたは多結晶であり、比較的大きなロスが生じる上、電子装置の集積が難しい。対応(4)は、Si上にIII族-窒化物が成長した際に、転位密度が高くなり悩ましい。また、シリコン(Si)は、GaNおよびAlGaNよりも大きな屈折率を有し、従って、多くの用途において、GaNおよびAlGaNの効果的な光学クラッド層にはなり得ない。
【0006】
前述のように、フォトニック装置は、フォトニック導波層およびクラッド層を有する、レーザおよびモジュレータを有する。あるそのようなフォトニックモジュレータは、III族-窒化物量子井戸電気光学モジュレータ(面内導波(光は、導波層およびクラッド層の平面に平行に伝播する)および面外(光は、クラッド層の平面に対して垂直に伝播する)導波の両方を含む)であり、レーザのあるタイプは、III族-窒化物量子井戸(面内レーザおよび面外レーザの両方、または垂直放射レーザ)である。これらの量子井戸電気光学モジュレータは、フォトニック導波層(時折、量子井戸構造を含むフォトニック導波層とも称される)と、クラッド層とを有し、フォトニック導波層内での伝播モードが制御される。フォトニック導波層におけるこの伝播モードの強い制御または閉じ込めを確保するため、フォトニック導波層とクラッド層の間の屈折率の差は、十分に大きくする必要がある。例えば、青色-緑色波長での動作の場合、~0.2超である。アルミニウム窒化物(AlN)、ガリウム窒化物(GaN)、および/もしくはインジウム窒化物(InN)、ならびにそれらのそれぞれの三元系または四元系の合金を用いるIII-窒化物材料に基づく、そのような装置では、残念ながら、この差を最大化すると、フォトニック導波層およびクラッド層は、高度に構造的に不整合化され、従って、これらの層の厚さを、所望の/必要な厚さよりも薄くして、装置内のいかなる顕著な格子欠陥および転位の発生をも回避する必要がある。これは、現在、III族-窒化物材料上にそのような装置を構築する際に大きな問題となる。
【0007】
ガリウム窒化物(GaN)およびインジウムガリウム窒化物(InGaN)を含む、これらの材料でできた光学モジュレータおよびレーザが存在する。しかしながら、ある主な問題は、これらの効率、および面内または面外動作に対してこれらの互換性に制限があることである。これらの問題には、以下が含まれる:
1- モジュレータを形成する量子井戸層のスタックの間の大きな結晶格子不整合;これは、層の厚さの増加を制限するとともに、光との相互作用における量子井戸の効率を低下させる。これは、波長が青色よりも長くなった場合(例えば緑色)、特に問題となる。この場合、厚い量子井戸が必要となり、これにより、緑色波長レーザおよびモジュレータの効率が急激に低下し得る。
2- 面内導波モジュレータおよび面内レーザの場合、フォトニック導波層に対する基本的要求仕様は、クラッド材料よりも大きな屈折率を有したまま、格子を、結晶質である下側または上側のクラッド材料と整合させることである。しかしながら、主な問題は、フォトニック導波層とクラッド材料の間の結晶格子の不整合(ミスマッチ)であり、これにより、モジュレータおよびレーザの全体的な特性を低下させる結晶中の転位の発生の開始を回避するための、フォトニック導波層の厚さの成長が制限される。
【0008】
面外モジュレータおよび垂直放射レーザにおいて、分配されたブラグ反射(DBR)層のスタックは、光を垂直に閉じ込める必要があり、層スタックの間の結晶格子のミスマッチは、DBR層の厚さに制約を生じさせ、層の厚さの増加は、材料の品質を低下させ、大きな光学的吸収および散乱が生じる結果となる。従って、所望の厚さを有するDBR層の作製は、極めて難しくなり、特に、作動周波数が上昇した場合、極めて難しくなる。従来、結晶格子のミスマッチ、およびDBRの制限された厚さのため、III族-窒化物構造をベースにした、長波長(~500nm以上)側の高効率のレーザを製造することは、極めて難しい。
【0009】
近年、文献(M.A.Caroら,“ScAlNの圧電係数および自発分極”,J.Phys.Condens.Matter 27,245901(2015);M.A.Moramら,“ScGaNおよびScAlN:新しい窒化物材料”,J.Mater. Chem.A2,6042(2014);R.Deng,S.R.EvansおよびD.Gall,“Al1-xScxNにおけるバンドギャップ”,App.Phys.Lett.102,112103(2013);およびR.Deng,K. Jiang,D.Gall,“Al1-xScxNにおける光学フォノンモード”J.App.Phys.115,013506(2014))において、AlScNの光学的電気的特性が、理論的および実験的に調査されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本開示により、スカンジウムを有するフォトニック装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ある実施形態では、フォトニック導波層と、該フォトニック導波層の上に配置されたクラッド層とを有するフォトニック装置が提供され、前記クラッド層は、スカンジウムを含む材料である。
【0012】
ある実施形態では、クラッド区画は、Al1-xScxNを含む材料である。ここで、0<x≦0.45である。
【0013】
ある実施形態では、フォトニック導波層は、AlyGa1-yN層を含む材料である。ここで、Alはアルミニウムであり、Gaはガリウムであり、Nは窒素であり、0≦y≦1である。
【0014】
ある実施形態では、Al1-xScxN層およびAlyGa1-yN層を有するフォトニック装置が提供される。ここで、Alはアルミニウムであり、Scはスカンジウムであり、Nは窒素であり、0<x≦0.45、0≦y≦1である。
【0015】
ある実施形態では、アルミニウムスカンジウム窒化物クラッド層を含むフォトニック装置が提供される。
【0016】
ある実施形態では、フォトニック導波層と、該フォトニック導波層上に配置されたアルミニウムスカンジウム窒化物クラッド層とを有する構造が提供される。
【0017】
ある実施形態では、単結晶フォトニック導波層を含む層と、該単結晶フォトニック導波層上に配置された単結晶アルミニウムスカンジウム窒化物クラッド層とを有する構造が提供される。
【0018】
ある実施形態では、フォトニック導波層は、III族-窒化物化合物を有し、クラッド層は、アルミニウムスカンジウム窒化物を有する。
【0019】
ある実施形態では、共通の単結晶構造上のフォトニック装置および電子装置を有する構造が提供される。そのような単結晶構造は、III族-N化合物と、アルミニウムスカンジウム窒化物の層と含み、アルミニウムスカンジウム窒化物の層は、フォトニック装置および電子装置に共通である。
【0020】
ある実施形態では、HEMTおよびフォトニック装置を有する構造が提供される。構造は、III族-N層フォトニック導波層と、該III族-N層の表面に設置されたAl1-xScxN層とを有する。HEMTは、Al1-xScxN層の一部を有し、フォトニック導波層は、Al1-xScxN層の表面の異なる部分を有する。ここで、0<x≦0.45である。
【0021】
ある実施形態では、電子装置およびフォトニック装置を有する構造が提供される。構造は、III族-N層と、該III族-N層の表面のAl1-xScxNとを有する。ここで、0<x≦0.45である。
【0022】
ある実施形態では、電子装置は、ヘテロ接合を有し、これを介して、キャリアは、電子装置に供給される制御信号の制御下、チャネルを介して、一組の領域の間を通過する。
【0023】
ある実施形態では、電子装置は、HEMTである。
【0024】
ある実施形態では、Al1-xScxNのIII族-窒化物化合物層と、AlyGa1-yNのフォトニック導波層とを有する、フォトニック集積回路プラットフォームが提供される。ここで、0<x≦0.45、0≦y≦1である。
【0025】
ある実施形態では、Al1-xScxNを含むクラッド層を有する、III族-窒化物量子井戸電気光学モジュレータが提供される。
【0026】
ある実施形態では、分散されたブラッグ反射体(DBR)を有するIII族-窒化物量子井戸レーザが提供される。そのような反射体は、Al1-xScxNを有する。
【0027】
本開示では、III族-N材料を有する量子井戸フォトニック導波層と、該量子井戸フォトニック導波層の上に配置されたAl1-xScxNクラッド層とを有するフォトニック装置が提供される。ここで、0<x≦0.45であり、Al1-xScxNクラッド層は、量子井戸フォトニック導波層の屈折率よりも小さな屈折率を有する。
【0028】
ある実施形態では、Al1-xScxNを含むIII族-窒化物量子井戸層導波層の上に配置されたクラッド層を有するIII族-窒化物量子井戸フォトニック導波層が提供される。ここで、0<x≦0.45である。
【0029】
ある実施形態では、フォトニック導波層と、該フォトニック導波層の上に配置されたクラッド層とを有する、III族-窒化物量子井戸電気光学モジュレータが提供され、クラッド層は、Al1-xScxNを有する。ここで、0<x≦0.45である。
【0030】
ある実施形態では、III族-窒化物量子井戸フォトニック導波層と、分散されたブラッグ反射体(DBR)とを有する、フォトニック装置が提供される。そのようなDBRは、Al1-xScxNを有し、ここで、0<x≦0.45である。
【0031】
ある実施形態では、III族-窒化物量子井戸フォトニック導波層と、該量子井戸フォトニック導波層の上に配置されたAl1-xScxNクラッド層と有するフォトニック構造装置が提供される。ここで、0<x≦0.45であり、屈折率差は、≧~0.2である。また、量子井戸フォトニック導波層に、結晶格子整合層が提供される。
【0032】
ある実施形態では、III族-窒化物層およびアルミニウムスカンジウム窒化物層のスタックを含む、分散されたブラッグ反射体(DBR)を有する、フォトニック装置が提供される。
【0033】
本願発明者らは、III族-窒化物フォトニック装置の主な問題は、量子井戸フォトニック導波層の大きな結晶転位、および低い材料成長品質の結果生じる、量子井戸フォトニック導波層と下側のクラッド層の間の結晶格子整合であるものの、そのような影響は、AlyGa1-yN量子井戸フォトニック導波層を提供することにより、回避できることを認識した。なぜなら、そのような量子井戸フォトニック導波層は、Al1-xScxNクラッド層に対して、完全な、または近い結晶格子整合が可能であり、これにより、構造内の歪みを低減でき、フォトニック導波層の成長厚さ対する任意の制約が低減できるからである。また、フォトニック装置の作動周波数において、Al1-xScxNの光学屈折率は、AlyGa1-yNのそれよりも小さくできる。例えば、x~0.1およびy~0の場合、AlyGa1-yNは、Al1-xScxNよりも~0.2大きい屈折率差を有し、これは、紫外から近赤外のスペクトルで使用されるAlGaNフォトニック装置の製造にとって十分である。
【0034】
従って、本開示では、本願発明者らは、適当な材料組成を有するアルミニウムスカンジウム窒化物(すなわち、Al1-xScxN、0<x≦0.45)クラッドがAlGaNフォトニック導波層に対して格子整合され得ることを把握している。Al1-xScxN(または同様にAlScN)の屈折率は、フォトニック装置の作動周波数において、AlGaNよりも小さく(約~0.2小さい)。最後に、AlGaNおよびAlScNはいずれも、広いバンドギャップ材料であり、これらは、UV範囲に至るまで、光透過性を有する。従って、本開示では、UVから近赤外までの広い光学スペクトル範囲で作動するように適合された、AlScNクラッド層上にAlGaNフォトニック導波層を有する、フォトニック集積回路プラットフォームまたは構造が提供される。また、本構造は、AlScN材料を用いて、フォトニック装置と電子装置の集積が可能であり、これにより、広範囲の適用において、同じマイクロチップ上のIII族-窒化物のモノリシックな電子/フォトニック集積からの恩恵が得られる。
【0035】
また、そのような配置により、変調およびレーザ化の効率が大きく上昇する。特に、モジュレータまたはレーザの量子井戸フォトニック導波層用のGaN/InGaN層を有するフォトニック装置は、GaN/InGaNクラッド層区画の周期スタックで構成されたDBRクラッド層の間に挟まれる(GaN/AlScN、DBR層の一つのスタックは、量子井戸フォトニック導波層の上部に配置され、別のスタックは、量子井戸フォトニック導波層の下方に配置される)。複数の量子井戸面内導波モジュレータ、および複数の量子井戸面内放射レーザに対する光学モードの伝播制御または閉じ込めは、全内部反射により達成される。Al1-xScxNクラッド層区画の光学屈折率は、量子井戸フォトニック導波層のGaNおよびInGaNよりも小さくできることが知られている。例えば、xが~0.10乃至0.20の場合、モジュレータまたはレーザのAl1-xScxNクラッド層とフォトニック導波層(量子井戸フォトニック導波層)との間に、~0.2の屈折率差が得られ、これは、可視バンド(例えば青色から緑色を網羅する)の広い光学スペクトル範囲にわたる、量子井戸フォトニック導波層内における光学伝播モード制御または閉じ込めに十分である。GaNとAl1-xScxNとの間の結晶格子整合は、DBR層の設計厚さの自由度を高め、これらの所望の厚さが達成できる。これにより、III族-窒化物系垂直キャビティレーザおよびモジュレータ用のDBRの有効な層を製造する上での長期にわたる別の課題が克服される。アルミニウムスカンジウム窒化物(Al1-xScxN、0<x≦0.45)である、III族-窒化物光学クラッド層は、GaN/InGaNフォトニック導波層/クラッド層に対して格子整合できる。また、そのような配置では、III族-窒化物量子井戸電気光学モジュレータ(面内導波と面外導波の両方を含む)およびレーザ(面内レーザおよび垂直放射レーザの両方)は、クラッド層としてAl1-xScxN材料を含み、量子井戸領域(ここではGaNおよびInyGa1-yN量子層のスタック)に低い屈折率が提供される一方、量子井戸領域に近い結晶格子整合が提供され、これにより、変調およびレーザ化の効率が有意に上昇する。
【0036】
さらに、そのような配置では、III族-窒化物材料は、UVから赤外までの広い波長範囲で作動できる。さらに、適切な材料組成を有するアルミニウムスカンジウム窒化物(Al1-xScxN、ここでx≦0.45)のIII族-窒化物光学クラッドの使用により、GaN/InGaNフォトニック導波層/クラッド層材料に対して格子整合させることが可能となる。特に、そのような配置では、
1. GaN/InGaNよりも低い屈折率を有し、これと格子整合されるAl1-xScxN(0<x<0.2)により、所望の最適なフォトニック導波層およびクラッド層厚さ(例えば、青色から緑色のスペクトルの波長に対して、~200から300nmのフォトニック導波層厚さ)を有する面内モジュレータおよび面内レーザが可能となる:
2. Al1-xScxN(0<x<0.2)と格子整合されるGaN/InGaN量子井戸フォトニック導波層では、転移が有意に抑制され、量子井戸フォトニック導波層の改善された効率が得られる:
3. 垂直モジュレータおよび垂直放射レーザにおいて、DBRは、GaN/Al1-xScxNクラッド層のスタックを有し、そのような層は、高い材料層品質で、所望の厚さを有することができる。これは、GaNとAl1-xScxNとの間の結晶格子整合により、可能となる。ここで、0<x<0.2である。
【0037】
従って、そのような配置では、フォトニックモジュレータおよびレーザの効率を有意に改善することができる。
【0038】
開示の1または2以上の実施例の詳細は、添付図面および以下の詳細な説明に記載されている。開示の他の特徴、目的、および利点は、詳細な説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本開示によるフォトニック装置の側面の簡略化された概略図である。
図1A】本開示による図1のフォトニック装置の断面の簡略化された概略図である。そのような断面は、図1における1A-1A線に沿ったものである。
図2】Al1-xScxNのxの関数としてのaAlScN、およびAlyGa1-yNにおけるyの関数としての面内格子定数を示したグラフである。
図3A】本開示による、y=0の場合のAlyGa1-yNフォトニック導波層を有するフォトニック装置の簡略化された断面図である。フォトニック導波層は、単結晶基板上にエピタキシャル成長したAl0.89Sc0.11Nクラッド層上に配置され、これと格子整合される。
図3B】500nmの動作波長における、図3AのGaNフォトニック装置の光学モードのシミュレーションの結果を示した図である。フォトニック装置は、それぞれ、700nmおよび350nmの幅および高さを有する。
図4】本開示による、AlGaN核発生層を有するSiC、サファイア、またはSi基板上にエピタキシャル成長されたAlyGa1-yN/GaNバッファ層上に配置された、y=0で、Al0.89Sc0.11N下地クラッド層と格子整合された、AlyGa1-yN導波層を有するフォトニック装置の概略的な断面図である。
図5】本開示による、Al0.89Sc0.11N下地クラッド層上のGaNフォトニック導波層を有し、同じAl0.89Sc0.11Nを用いたHEMTトランジスタと一体化されたフォトニック装置を有する構造の単純化された概略的な断面図である。
図5A】別の実施例による、AlScN下地クラッド層上にGaNフォトニック導波層を有し、HEMTトランジスタと一体化されたフォトニック装置の形成に使用されるプロセスを示す、単純化された概略的な断面図である。
図5B】別の実施例による、AlScN下地クラッド層上にGaNフォトニック導波層を有し、HEMTトランジスタと一体化されたフォトニック装置の形成に使用されるプロセスを示す、単純化された概略的な断面図である。
図5C】別の実施例による、AlScN下地クラッド層上にGaNフォトニック導波層を有し、HEMTトランジスタと一体化されたフォトニック装置の形成に使用されるプロセスを示す、単純化された概略的な断面図である。
図5D】別の実施例による、AlScN下地クラッド層上にGaNフォトニック導波層を有し、HEMTトランジスタと一体化されたフォトニック装置の形成に使用されるプロセスを示す、単純化された概略的な断面図である。
図5E】別の実施例による、AlScN下地クラッド層上にGaNフォトニック導波層を有し、HEMTトランジスタと一体化されたフォトニック装置の形成に使用されるプロセスを示す、単純化された概略的な断面図である。
図5F】別の実施例による、AlScN下地クラッド層上にGaNフォトニック導波層を有し、HEMTトランジスタと一体化されたフォトニック装置の形成に使用されるプロセスを示す、単純化された概略的な断面図である。
図5G】別の実施例による、AlScN下地クラッド層上にGaNフォトニック導波層を有し、HEMTトランジスタと一体化されたフォトニック装置の形成に使用されるプロセスを示す、単純化された概略的な断面図である。
図5H】別の実施例による、AlScN下地クラッド層上にGaNフォトニック導波層を有し、HEMTトランジスタと一体化されたフォトニック装置の形成に使用されるプロセスを示す、単純化された概略的な断面図である。
図5I】別の実施例による、AlScN下地クラッド層上にGaNフォトニック導波層を有し、HEMTトランジスタと一体化されたフォトニック装置の形成に使用されるプロセスを示す、単純化された概略的な断面図である。
図5J】別の実施例による、AlScN下地クラッド層上にGaNフォトニック導波層を有し、HEMTトランジスタと一体化されたフォトニック装置の形成に使用されるプロセスを示す、単純化された概略的な断面図である。
図5J2】別の実施例による、AlScN下地クラッド層上にGaNフォトニック導波層を有し、HEMTトランジスタと一体化されたフォトニック装置の単純化された断面図である。そのような断面は図5Iに示した構造の以降の形成を示したものである。
図6】本開示による、Al0.89Sc0.11N下地クラッド層上にGaNフォトニック導波層を有し、図5に示したような同じAl0.89Sc0.11Nを用いたHEMTトランジスタと一体化されたフォトニック装置の単純化された概略的な断面図である。フォトニック装置とHEMTの間には、電気的接続が概略的に示されている。
図7】本開示の一実施例による、面内モジュレータまたは面内レーザとの使用に適合されたフォトニック装置の単純化された概略的な等尺図である。
図8】本開示の別の実施例による、面外モジュレータまたは面外レーザとの使用に適合されたフォトニック装置の単純化された概略的な断面図である。そのような図には、DBRの組と、該DBRの組の間に挟まれた複数の量子井戸とが示されている。
図8A】本開示の別の実施例による、面外モジュレータまたは面外レーザとの使用に適合されたフォトニック装置の単純化された概略的な斜視図である。そのような図には、DBRの組と、DBRの組の間に挟まれた複数の量子井戸とを提供する、クラッド層区画の組が示されている。
図9】本開示による、図8の面外モジュレータまたはレーザの複数の井戸、およびDBRの組の単純化された概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
各種図面において、同様の参照符号は、同様の素子を表す。
【0041】
まず、図1および図1Aを参照すると、ここではフォトニック導波管である、フォトニック装置10が示されている。フォトニック装置10は、ここでは、例えば炭化ケイ素(SiC)のような単結晶基板である、基板11と、該基板11上のAlGaN核発生層/GaNバッファ層12と有し、層12のAlGaN核発生層部分は、上部のGaNバッファ層が十分に緩和されるように機能する。この核発生層/バッファ層12は、III-N層から、ここでは例えばSiC基板11である基板までの全てのミスマッチを収容する。フォトニック装置10は、さらに、ここではアルミニウムスカンジウム窒化物(Al1-xScxN)であるクラッド層14を有し、これは、以下に示す方法で形成された、AlGaN核発生層/GaNバッファ層12の上部表面に形成される。フォトニック装置10は、さらに、ここではアルミニウムガリウム窒化物(AlyGa1-yN)のような、エピタキシャル成長により形成された、III族-窒化物単結晶化合物である、フォトニック導波層16を有する。以下に示すように、0<x≦0.45、0≦y≦1であり、アルミニウムスカンジウム窒化物(Al1-xScxN)クラッド層14と、アルミニウムガリウム窒化物(AlyGa1-yN)フォトニック導波層16の間に、格子整合が提供される。アルミニウムスカンジウム窒化物(Al1-xScxN)クラッド層14と、アルミニウムガリウム窒化物(AlyGa1-yN)フォトニック導波層16は、同じウルツ型結晶構造を有し、アルミニウムスカンジウム窒化物(Al1-xScxN)クラッド層14は、構造の作動周波数において、アルミニウムガリウム窒化物(AlyGa1-yN)フォトニック導波層16の屈折率よりも小さな屈折率を有することが留意される。ここでは、フォトニック導波管の波長は、青色-緑色スペクトルであり、これにより、矢印18に示すように、フォトニック装置10に誘導されるレーザエネルギーが、アルミニウムガリウム窒化物(AlyGa1-yN)フォトニック導波層16内に閉じ込められる。前述の文献M.A.Moramら“ScGaNおよびScAlN:新しい窒化物材料”J.Mater.Chem.A2,6042(2014)において、AlScNは、スカンジウム組成が40~50%未満では、そのウルツ型構造(他の関連するIII族-窒化物材料と同じ結晶構造)を維持するものの、それを超えると、AlScNは、岩塩構造に変化することが報告されていることに留意する必要がある。これは、ウルツ型とは大きく異なる結晶構造であり、両立することが難しい。フォトニック導波層16の上方のクラッド領域の屈折率は、フォトニック導波層16の屈折率よりも低くする必要がある。このフォトニック導波層16の上方のクラッド領域は、空気、SiO2、または窒化ケイ素であり、これは、AlGaNフォトニック導波層16よりも小さな屈折率を有する。ここで、本例では、フォトニック導波層16の上面および側面を取り囲む空気は、クラッド層として機能する。
【0042】
特に、図2も参照すると、AlScNに対するScモル比(x)と、AlGaNのAlモル比(y)の間の関係、ならびにそれらの面内格子定数(AlScNのaAlScNおよびAlGaNのaAlGaN)が示されている。特に、図2は、面内格子定数、Al1-xScxNのxの関数としてのaAlScN(Aの曲線)、およびAlyGa1-yNのyの関数としてのaAlGaN(Bの曲線)を示すグラフである。グラフには、aAlScNおよびaAlGaN軸の共通の範囲が示されており、AlScNとAlGaNの間に生じる格子整合が可能となる、AlScNおよびAlGaNのxおよびyの範囲が示されている。例えば、Cで表された水平破線で示されているように、面内格子定数aAlGaN=a=3.1541オングストロームを有するAlGaNと格子整合されるAlScNの場合、AlGaNとAlScNの組成は、それぞれ、y=0.50、x=0.06である。
【0043】
以下の表には、図2に基づくこれらの2つの材料の完全な格子整合が得られる、xおよびyのある例の値を示す。
【0044】
【表1】
これらの2つの材料の格子定数の表記は、AlScNの場合、aAlScN=3.111+0.744x(R.Deng,S.R.EvansおよびD.Gall,“Al1-xScxNのバンドギャップ”App.Phys.Lett.102,112103(2013)参照)であり、aAlGaN=3.189-0.086y(H.Morkoc,窒化物半導体材料および装置のハンドブック,Vol.1:材料特性,物理および成長,Wiley-VCH,独国,2008参照)である。従って、xおよびyの適切な選定により、フォトニック装置10のフォトニック導波層AlyGa1-yN16は、下地のクラッド層Al1-xScxN 14と格子整合される。
【0045】
次に、図3Aおよび3Bを参照すると、ここではフォトニック導波管であるフォトニック装置10’が示されている。ここで、y=0、GaNフォトニック導波層16は、Al0.89Sc0.11クラッド層14と格子整合される。現在市販されているAl0.89Sc0.11N基板は存在しないため、図3Aに示すように、本例では、AlGaN核発生層/GaNバッファ層は、SiCまたはサファイアのような、約2μmの厚さを有する基板11上に成長される。従って、ここでは、AlGaN核発生層/GaNバッファ層12は、図1に関連して示した前述のバッファ層として機能する。AlGaN核発生層/GaNバッファ層12から始まり、約1から2μmの厚さを有するAl0.89Sc0.11Nのクラッド層14は、最初に、AlGaN核発生層/GaNバッファ層12の上部、または上部表面にエピタキシャル成長される。次に、可視から近赤外の波長用のフォトニック装置10’のGaNフォトニック導波層16が、必要な厚さ(例えば約100~500nm)でエピタキシャル成長する。従来のリソグラフィおよびエッチング技術により、フォトニック装置10’が製造される。図3Bには、図3Aに示したシミュレーションされたそのようなフォトニック導波構造の光学モード、および700nm×350nmの寸法を有するフォトニック装置の例を示す。ここで、フォトニック導波層16の上部および側部を取り囲む空気は、クラッドとして機能する。空気は、フォトニック導波層16の屈折率よりも低い屈折率を有することが留意される。ここでは500nmの作動周波数におけるGaNとAl0.89Sc0.11Nとの間の屈折率差は、~0.2であり、従って、図3Bにおけるシミュレーションのため考慮された、公称寸法(例えば、幅700nm、高さ350nm)を有するフォトニック導波管の場合、フォトニック導波層16内での強い光エネルギー伝播モードの制御および閉じ込めが達成される。
【0046】
図4には、Al1-xScxNクラッド層14上に、ここでは、可視光から近赤外までの約100乃至500nmの厚さを有する、AlyGa1-yNフォトニック導波層16を有する、フォトニック導波装置構造10”の実施例のより一般的な場合を示す。図3に示すように、ここでは、基板11上に、AlGaN/GaNバッファ層12’が形成される。しかしながら、ここでは、バッファ層12’は、下側層12aと、AlGaN核発生層/GaNバッファ層(厚さは、通常1μmよりも厚い)と、AlGaN核発生層/GaNバッファ層12a上にエピタキシャル形成されたAlyGa1-yNの上側薄膜層12bと、を有するように示されている。Al1-xScxNクラッド層14は、AlyGa1-yNおよびAlGaN核発生層/GaNバッファ層12’上に、エピタキシャルに形成される。上部AlyGa1-yN層12bの目的は、Al1-xScxNクラッド層14に対してより良好な格子整合を提供することである。これにより、Al1-xScxNクラッド層14における転位の発生につながる、構造内の歪みが低減される。層14においてx=0.11のときのみ、AlyGa1-yN上部層12b が必要ではなくなり、図2に示すように、Al0.89Sc0.11Nクラッド層14が、AlGaN核発生層/GaNバッファ層12aに対して格子整合成長できる。また、AlyGa1-yN層12bは、層12aのGaNバッファ部と接触する層12bの底部でのy=0(GaN)から、Al1-xScxNクラッド層14と格子整合される、層12bの上部におけるy>0のある組成まで、Al組成が傾斜されてもよい。図4におけるAlyGa1-yNフォトニック導波層16を有するフォトニック導波装置10”の断面は、Al1-xScxN下地層と格子整合され得る。プロセスは、SiCまたはサファイア基板11上のAlGaN核発生層/GaNバッファ層12aから開始される。前述のように、まず、AlGaN核発生層/GaNバッファ層12a上に、薄いAlyGa1-yN層12bが成長する。次に、AlyGa1-yN層12bと格子整合された、Al1-xScxNクラッド層14が成長する。最後に、Al1-xScxN層14上に、上部AlyGa1-yNフォトニック導波層16が成長する。リソグラフィおよびエッチング法が使用され、図4に示すように、AlyGa1-yNフォトニック導波層の断面が定められる。
【0047】
導波層がAlyGa1-yNであり、ここでyは、0ではない場合、クラッド層14は、Al1-xScxNである必要があることが留意される。xは、0.89とは異なる(異なるyの値および対応するxの値に対して、前述の表参照)。これらの2つの層は、相互に格子整合される。
【0048】
図5は、HEMTトランジスタ22を有する共通結晶基板11に集積された、フォトニック装置10’’’を有する構造20である。特に、フォトニック装置10’’’は、Al0.89Sc0.11N下地クラッド層14aの上に、GaNフォトニック導波層16を有し、HEMTトランジスタ22は、それぞれ、ソース、ドレイン、およびゲート電極26、28、30を有する。そのようなフォトニック装置10’’’およびHEMTトランジスタ22には、同じAl0.89Sc0.11N層14bが用いられる。
【0049】
次に、図5A乃至5Jを参照すると、フォトニック装置10’’’’(図5J)を有する構造20’を形成する、ある方法が記載されている。そのようなフォトニック装置10’’’’は、Al0.89Sc0.11N下地クラッド層14a上のGaNフォトニック導波層16と、フォトニック装置10’’’’と電気的に接続されたHEMTトランジスタ22’とを有する。ここで、フォトニック装置10’’’’およびHEMTトランジスタ22’には、同じAl0.89Sc0.11N層14bが使用される。従って、図に示すように、核発生層/GaNバッファ層構造12が基板11上に形成され、その後、分子線エピタキシー(MBE)を用いて、ここではScAlNであるバリア層部14bが形成される。図5Aに示すように、ScAlN層部分14bとGaNバッファ層12の間のヘテロ接合は、破線で示されたGaNバッファ層12に、2次元選択ガス(2DEG)を形成することが留意される。
【0050】
次に図5Bを参照すると、フォトニック装置集積再成長プロセスが実施される。プラズマ増強化学気相成膜(PECVD)プロセスまたは原子層成膜(ALD)プロセス、または関連の技術が使用され、誘電体エッチングマスク(例えばSiNx)(図示されていない)が形成される。マスクは、パターン化され、光学リソグラフィを介して、選定された領域に窓が定められ、層14の表面の一部が露出され、ここに、フォトニック装置が形成される(ここでは、図5Aに示した構造の右側)。ここでは、分子線エピタキシー(MBE)法により、エピタキシャル再成長が実施され、図5Cに示すように、クラッド層14a(例えばScAlN)、およびここではGaNである導波層16が形成される。上記マスクは、図5Bに示した構造を残して、その後除去される。
【0051】
次に、図5Cを参照すると、HEMT用のオーミックコンタクトを定めるプロセスが使用される。従来のリソグラフィおよびエッチング技術を用いて、バリア層14bの選定された部分、およびGaNバッファ層12の上側部分がエッチングされ、図に示すように、バリア層部分14bおよびGaNバッファ層12の上側部分に、ソース/ドレイン領域用の凹部21が形成される。このプロセスは、時折、オーミック再成長プロセスと称される。J.Guoら“0.05 Ω・mmの再成長インターフェースを有する、InAlN HEMTにおけるMBE-再成長オーミック”,IEEE Electron Dev.Lett.,vol.3(04),pp.525,2012参照。これは、我々が、バリアバンドギャップは極めて大きいScAlN/GaNのような材料上に、低オーミックコンタクト抵抗を形成することを可能にするプロセスであり、バリア上の電極用のTi/Al、Mo/Al、Ta/Al、および関連する多層金属構造の直接金属成膜およびリフトオフ、ならびにその後の高温アニール(例えば、Tanneal>600℃)を含む、従来のオーミックプロセスにより、低いオーミックコンタクト抵抗を形成することができる。このプロセスでは、バリア層部分14bの上に、誘電体エッチングマスク(例えばSiNx)(図示されていない)が成膜される。フォトレジストを用いて、ソースおよびドレインの領域がパターン化される。まず、フッ素系エッチャントにより、SiNxがエッチングされ、次に、塩素系エッチャントにより、バリア層14、およびGaNバッファ層12の上部がエッチングされる。いったんこのエッチングが完了すると、ウェハは、MBEまたはMOCVDプロセスに戻され、ウェハ全体にわたって、n++-GaN領域17の薄い層が成長する。これは、エッチング領域の抜粋を有するSiNxエッチングマスクの直上にある。n++-GaN領域は、これを充填し、サイドから離れた位置で、2DEGに接触する。いったん再成長が完了すると、ドライエッチングとウェットエッチングの組み合わせが行われ、誘電体エッチングマスク、およびその上の再成長n++-GaNが除去(リフトオフ)され、多結晶となり、図5Cに示すように、ソースおよびドレイン領域に、n++-GaN結晶再成長領域17が残留する。
【0052】
次に、フォトニック装置が定められる。図5Cに示した構造は、フォトレジスト(図示されていない)で被覆される。フォトレジストは、パターン化され、光学的リソグラフィを介して、フォトニック装置の導波層16’用の領域が定められる。ここでは、例えば、塩素(Cl2)系プラズマエッチャントにより、導波層16’の露出部が除去される。次に、マスク(フォトレジスト)が除去され、図5Dに示した構造が残留する。
【0053】
次に、フォトニック装置の上部クラッド層を形成するプロセスが使用される。クラッド材料の層は、ここではSiO2であり、これが、例えば、PECVD、ALDまたは関連する技術を用いて、図5Dに示す構造の上に成膜される。成膜された層は、図示されていないフォトレジストを用いてパターン化され、領域が定められ、残す必要のない上部クラッド層の領域が除去される。フォトレジスト層の除去後、図5Eに示すように、クラッド層31が得られる。
【0054】
次に、HEMTソース/ドレインオーミックコンタクトを形成するプロセスが使用される。特に、図5Fを参照すると、次に、再成長n++-GaN領域17(図5F)とオーミック接触する、金属ソース電極26およびドレイン電極28が形成される。
【0055】
次に、HEMTの表面パッシベーションが提供される。図5Gを参照すると、例えばPECVD、ALD、または関連する技術を介して、図5Fに示した構造の上に、表面パッシベーション誘電体の層19(例えばSiNx))が成膜される。フォトレジストによるパッシベーション層19における窓のパターン化により、領域が定められ、不要な表面パッシベーションが除去される。不要なパッシベーション誘電体パッシベーション層19は、エッチング除去される。また、フォトレジストの除去の結果、図5Gに示す構造が得られる。
【0056】
次に、HEMTのゲート電極を形成するプロセスが使用される。図5Hを参照すると、図示されていないフォトレジストを用いて、ゲート電極用の表面パッシベーション誘電体19を通る窓が定められる。誘電体パッシベーション層19の露出部がエッチング除去され、バリア層14bの表面の選択部分が露出され、ゲート金属とのコンタクト、ここでは、例えばショットキーコンタクトが形成される。次に、ゲート金属がフォトレジストにわたって成膜され、バリア層14bの表面の露出された選択部分における窓を介して、バリア層14bの表面との接触がなされる。フォトレジストは、次に、リフトオフされ、成膜されたゲート金属が除去され、図5Hに示すように、ゲート電極30が残留する。
【0057】
特に、この例では、ゲート電極30は、例えば、ソースとドレインn++-GaN領域17の間の、ポリメチルメタクリレート(PMMA)または同様の変異形のような、図示されていない電子ビームレジストマスクのリソグラフィパターン処理により形成される。この例では、ゲート電極30は、サブミクロンゲートであるが、より大きなサイズのゲート用の光学リソグラフィにより、ゲート30を形成することも可能であることを理解する必要がある。
【0058】
簡単に上述したように、図示されていないマスクは、ゲート領域にわたって窓を有する。マスクの上部に金属が成膜され、マスクがリフトオフされ、マスク上のゲート金属が除去され、ゲート電極30が残留する。図5Hに示すように、その後、例えば、PECVDまたは別の技術を用いて、構造の表面にわたって、ここでは、例えばSiNxのような、追加のパッシベーション層19’が成膜される。
【0059】
次に、フォトニック装置の電極を形成するプロセスが使用される。図5Iを参照すると、光学リソグラフィを用いて、図示されていないフォトレジスト層がパターン化され、クラッド層31上に選択領域が定められる。ここに、フォトニック装置用の電極が形成される。フォトレジストの上部、クラッド層31上の選択領域、およびバリア層14bの上に、金属の層が成膜され、ここにフォトニック装置の電極が形成される。次に、材料の部分とともに、フォトレジスト層がリフトオフされ、電極32、32a、32bが残り、図5Iに示した構造が製造される。
【0060】
次に、HEMTとフォトニック装置を分離するプロセスが使用される。すなわち、図5Jを参照すると、ここでは、バッファ層12の上側部分のトレンチ50により、HEMT22’およびフォトニック装置10’’’が分離され、図5Jに示すように、光学レジスト技術およびエッチング技術を用いて、または図5J2に示すように、イオン注入を用いて、領域50に一組のメサ構造が形成される。分離プロセスは、図5Aに示した構造で開始し、実施されてもよいことを理解する必要がある。
【0061】
図5A乃至5J、および5J2において、まず層14aおよび14bをエピタキシャル成長させ、フォトニック装置製造を支援し、次に、装置のHEMT部分における14aの従来のリソグラフィ、およびエッチング除去を介して、HEMT22用の14bを定める、別の方法は、望ましくない。これは、14bの得られるエッチング表面が、HEMTにおけるキャリアのトラップにつながるためである。これは、RF特性全体および信頼性に悪影響を及ぼす。III-窒化物材料は、極性材料であり、分極を介してHEMTに形成された2DEGは、表面感度が高い。従って、図5A乃至図5Gに示したように、薄いバリア14bから始めて、次にフォトニック装置用の14aのみを成長させて、図5の集積装置を構築することが好ましい。
【0062】
図6は、本開示の別の実施例による、Al0.89Sc0.11N下地クラッド層の上にGaNフォトニック導波層を有し、同じAl0.89Sc0.11Nを用いたHEMTトランジスタと一体化され、電気的に接続された構造の、簡略化された断面図である。ここで、フォトニック導波層16は、GaN(すなわち、AlyGa1-yN、y=0)であり、HEMTから電圧を印加することにより、電気光学的に調整することができる。GaN導波層16は、上部クラッド層31材料(例えば、SiO2)で被覆され、金属電極32、32a、32bと一体化され、GaN導波層16に光電効果が生じる。上部クラッド層31は、金属電極32、32a、32bから、GaN導波層16を光学的に絶縁し、GaN導波層16における金属ロスが回避される。GaN導波層の右側および左側の電極32a、32bは、図示されていない電気グラウンドに接続される一方、GaN導波層16の上部、より具体的にはクラッド層31の上部の中央の電極32は、HEMT22トランジスタと電気的に接続され、フォトニック装置のソースとして機能することができる。従って、電極32の電圧は、電極32とグラウンド(アース)された電極32a、32bの間の通過する電場を形成し、そのような電場は、導波層を通過する。
【0063】
次に、図7を参照すると、示されたフォトニック装置、ここではフォトニック装置31は、面内モジュレータとして提供されるように適合される。フォトニック装置31は、レーザに使用されてもよいことが留意される。面内モジュレータおよびレーザは、同様の一般構造を有することが留意される。基板11から始まり、AlGaN核発生層/GaNバッファ層12が図4に関して説明したように形成され、AlGaN核発生層/GaNバッファ層12の上に、最初に、AlScNのクラッド層14がエピタキシャル成長される。ここで、フォトニック導波層16’は、クラッド層14上に形成された、GaN層およびInzGa1-zN層、ここで0<z≦1、を有する、複数の量子井戸層のスタックを有する。特に、量子井戸フォトニック導波層16’は、GaNとInGaNの交互層16a、16b、16c、16d、16e、16f、16gを有し、フォトニック導波装置31のフォトニック導波層16’が提供される。層の数は、示された数とは異なってもよいことが理解される。特に、AlScN層14上のGaNの底部層16a、次のInGaN層16b、次のGaN層16c、次のInGaN層16d、次のGaN層16e、次のInGaN層16f、および次のGaN上部層16gである。図に示されているように、第2のAlScNクラッド層14aは、量子井戸フォトニック導波層16’の上に形成される。図に示すように、AlScN層14およびAlScN層14aの上には、それぞれ、電極40、42の組が形成される。これらの電極40、42は、ソース80(図7)からの電圧の受信に使用され、フォトニック導波層16’がポンプ化され、レーザとして使用された場合、これによりフォトニック導波層16’内に光子が生じてもよい。あるいは電圧を使用して、導波層16’がポンプ化され、ソース80からの制御信号を変調することにより、フォトニック導波層16’で生じた光子が変調され、生じた光子が導波層16’を介して伝播される。ここでは、簡略化のため、光子は、層16a乃至16gと平行な方向に沿って伝播し、GaN/InGaN多層量子井戸スタックの量子井戸層区画の2つの周期スタックのみが示されていることが留意される。そのような光子電波モード制御または閉じ込めは、図に示すように、ピラー状の構造52におけるクラッド層14および14aにより実施される。
【0064】
次に、図8および図8Aを参照すると、ここではフォトニック装置50である,示されたフォトニック装置は、面外モジュレータを提供するように適合される。フォトニック導波装置50は、垂直放射レーザとして使用され得ることに留意する必要がある。前述のように、面外モジュレータおよびレーザは、同様の一般構造を有するためである。基板11から始まり、AlGaN核発生層/GaNバッファ層12が形成される。AlGaN核発生層/GaNバッファ層上に、ピラー状構造52が形成される。フォトニック導波装置50用のフォトニック導波層16”が、GaN/AlScNクラッド層区画14a1、14a2の周期スタックにより提供されるDBRの組の間に設置される。ここでは、簡略化のため、クラッド層区画の2つの周期スタックのみが示されていることが留意される。ここでは量子井戸層構造16”である、フォトニック導波層16”、ここでは交互GaNおよびInGaN層(GaN/InGaN)のスタックは、下側のDBRクラッド区画14a1の上に連続的にエピタキシャル成長される。ここではGaNおよびAlScN(GaN/AlScN)層の交互層のスタックである、上部クラッドDBR14a2は、GaN/InGaN層のフォトニック導波層16”スタック上に、連続的にエピタキシャル成長される。これは、図9においてより詳しく示されている。従って、ピラー状構造52は、クラッド層区画14a1、14a2の組の間に挟まれた量子井戸構造16”のGaN/InGaN層のスタックを有する、フォトニック導波層16”を有することが留意される。クラッド層区画14a1、14a2の各々は、GaN/AlScN層のスタックを有し、それぞれ、上側および下側DBR14a1、14a2が提供される。
【0065】
次に、上部DBRクラッド区画14a2上に、上部AlScNクラッド層区画34がエピタキシャル成長される。後続のイオン注入、ドーピング、リソグラフィ、エッチングおよび金属のステップでは、モジュレータまたはレーザ構造が定められる。ピラー状構造52は、垂直モジュレータであり、垂直放射レーザの形成にも使用されることが留意される(両者は同様の一般構造を有する)。3次元構造は、通常、ピラー状構造52の形状を有する。ピラー状構造52の上部には、透明電極60があり(従って、ピラー状構造52の層に対して垂直な方向の光は、中に入り、ピラー状構造52から出ることができる)、他の電極62は、ピラー状構造52の側部にある。より具体的には、AlGaN核発生層/GaNバッファ層12の一部は、ピラー状構造52の外にある。これらの電極60、62は、電源82(図8)からの電圧の受信に使用され、量子井戸構造、フォトニック導波層16”がポンプ化されてもよい。これにより、レーザとして使用された際に、フォトニック導波層16”の内部に光子が発生し、電圧を用いて、導波層16”がポンプ化される。ソース82からの制御信号を変調することにより、フォトニック導波層16”において発生した光子が変調され、その後、発生した光子がフォトニック導波層16”を介して伝播する。ここで、図に示すように、光子は、DBR14a1、14a2に対して垂直な方向に沿って伝播する。GaN/InGaN量子井戸フォトニック導波層52は、GaN/AlScNのDBR14a1と142a2の間に挟まれ、これによりフォトニック導波装置50用のクラッド層が提供されることが留意される。
【0066】
前述のように、クラッド層14は、AlScNまたはGaNであってもよいことが留意される。また、上部DBR16a2の直上の上部クラッド層34は、GaNまたはAlScNであってもよい。製作の多様化のため、プロセスは、SiCまたはサファイア基板上の市販のGaNテンプレートから開始される。次に、GaNに近く格子整合する、Al1-xScxN(適切なx組成を有する)が成長される。次に、前述のように、DBR16a1および量子層16”が成長される。AlScN上部クラッド層34は、任意であることが留意される。リソグラフィおよびエッチングが使用され、ピラー状構造32が定められる。また、製作プロセスは、電極40、42用の、イオン注入、ドーピング、金属化のステップを有し、図8Aおよび図9における最終構造が定められる。
【0067】
次に、本開示による構造は、以下を含むことを理解する必要がある:共通の単結晶構造上のフォトニック装置および電子装置;そのような単結晶構造は、III族-窒素化合物、およびアルミニウムスカンジウム窒化物の層を有する。アルミニウムスカンジウム窒化物の層は、フォトニック装置および電子装置に共通である。構造は、1または2以上の以下の特徴を、個々にまたは組み合わせて有してもよい:電子装置は、ヘテロ接合を有し、これを介して、半導体装置に供給される制御信号の制御の下、チャネルを介して、領域組の間をキャリアが通過する;電子装置は、HEMTである;フォトニック装置は、電子装置と電気的に接続される;層は、GaNを有する;層は、AlGaNを有する;クラッド層は、AlScNを有する;クラッド層は、Al1-xScxN材料を有し、ここで0<x≦0.45である。
【0068】
次に、本開示による構造は、以下を含むことを理解する必要がある:HEMTおよびフォトニック装置であって、構造は、III-N層を有する;Al1-xScxN層は、III-N層の表面に設置される;HEMTは、Al1-xScxN層の一部を有し、フォトニック装置は、Al1-xScxN層の表面の異なる部分を有する。ここで、0<x≦0.45である。構造は、以下の1または2以上の特徴を、個々にまたは組み合わせて有してもよい:III-N層導波層を有する;AlScN層は、ヘテロ接合を形成するバリア層を提供し、ヘテロ接合は、HEMT用の2DEGチャネルを提供する;または電子装置用の2DEGチャネルを提供する層を有する。
【0069】
本開示による構造は、以下を有することを理解する必要がある:電子装置およびフォトニック装置であって、構造は、III族-N層と、該III族-N層の表面に設置されたAl1-xScxN層とを有し、ここで0<x≦0.45である。
【0070】
本開示による構造は、以下を有することを理解する必要がある:単結晶基板;単結晶基板上の電子装置およびフォトニック装置であって、層は、基板における電子装置用の2DEGチャネルを提供する;フォトニック装置は、2DEG層の上にクラッド層材料を有し、クラッド層は、2DEG提供層と格子整合される。構造は、以下の1または2以上の特徴を、個々にまたは組み合わせて有してもよい:2DEGチャネルを提供する層は、GaNを有する;クラッド層は、AlScNを有する;クラッド層は、Al1-xScxN材料を有し、ここで0<x≦0.45である;フォトニック導波層は、AlyGa1-yNを含む材料であり、ここでAlはアルミニウム、Gaはガリウム、Nは窒素であり、0≦y≦1である;層は、核発生層/バッファ層である;層は、GaNを有する;層は、AlGaNを有する;クラッド層は、AlScNを有する;クラッド層は、Al1-xScxNを有し、ここで0<x≦0.45である;フォトニック導波層は、AlyGa1-yNを有する材料であり、ここでAlはアルミニウム、Gaはガリウム、Nは窒素であり、0≦y≦1である;フォトニック装置は、電子装置と電気的に接続される;またはIII族-N層は、導波層であり、AlScN層は、バリア層を提供し、ヘテロ接合が形成され、ヘテロ接合は、HEMT用の2DEGチャネルを提供する。
【0071】
開示の多くの実施形態について説明した。ただし、本開示の思想および範囲から逸脱しないで、多くの修正がなされ得ることが理解される。例えば、一部の修正は、特定の波長範囲における最適な動作のため、AlxSc1-xNおよびAlyGa1-yNにおけるxおよびyを変更し、ならびに/またはこれらの材料層の厚さを変更することを含む。また、「上に設置される」という表現は、任意の配置を含むことを理解する必要がある。例えば、「導波層は、Al1-xScxNクラッド層上に配置される」という表現は、導波層とAl1-xScxNクラッド層の間の任意の配置を含み、Al1-xScxNクラッド層が導波層の任意の表面、例えば導波層の上部表面、底部表面、または側面にある場合を含む。従って、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲に属する。
図1
図1A
図2
図3A
図3B
図4
【図 】
図5
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図5J2
図6
図7
図8
図8A
図9