(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】キッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A24B 5/16 20060101AFI20221111BHJP
A24C 5/39 20060101ALI20221111BHJP
B07B 7/01 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
A24B5/16
A24C5/39
B07B7/01
(21)【出願番号】P 2022523528
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(86)【国際出願番号】 CN2020120931
(87)【国際公開番号】W WO2022073251
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】202011078569.1
(32)【優先日】2020-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517283640
【氏名又は名称】雲南中煙工業有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】劉沢
(72)【発明者】
【氏名】何邦華
(72)【発明者】
【氏名】祁林
(72)【発明者】
【氏名】邱昌桂
(72)【発明者】
【氏名】李擁政
(72)【発明者】
【氏名】朱勇
(72)【発明者】
【氏名】周▲ゆあん▼▲じぇん▼
(72)【発明者】
【氏名】唐習書
(72)【発明者】
【氏名】唐軍
(72)【発明者】
【氏名】黄崗
(72)【発明者】
【氏名】周氷
(72)【発明者】
【氏名】崔云月
【審査官】武市 匡紘
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206286194(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第110074448(CN,A)
【文献】中国実用新案第206880049(CN,U)
【文献】米国特許第2230195(US,A)
【文献】中国実用新案第208574936(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第110548679(CN,A)
【文献】中国実用新案第201005017(CN,Y)
【文献】中国特許出願公開第103846224(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 1/00-15/42
A24C 1/00-5/60
B07B 1/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置であって、
鉛直に配置された分離室(T)と、前記分離室(T)の内部に配置された中骨刻み案内手段(1)及び中骨刻み分布板(2)とを備え、
前記中骨刻み案内手段(1)は、三角柱状の案内板(11)と、キッカローラ(12)とを備え、前記案内板(11)の一方の矩形面が前記キッカローラ(12)の表面に当接され、前記案内板(11)の他方の矩形面が案内面(112)であり、前記中骨刻み分布板(2)は、弧面状であり、複数の通気孔(21)が等間隔で配置され、
前記中骨刻み案内手段(1)の上部が中骨刻み供給口(T1)であり、前記供給口(T1)から供給された中骨刻みを前記案内面(112)によりキッカローラ(12)の表面に案内するように、前記案内板(11)がキッカローラ(12)の側方上部に配置され、前記中骨刻み分布板(2)の上部が吸気口(T2)であり、前記吸気口(T2)に吸引ファン(T22)が外接され、前記中骨刻み分布板(2)が前記中骨刻み案内手段(1)の側方下部に配置されて凹弧面が前記中骨刻み案内手段(1)に対向することを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記案内板(11)の前記キッカローラ(12)の表面と当接される面が、前記キッカローラ(12)の表面に合致する内凹弧面(111)であり、前記案内面(112)の上端が供給口(T1)の下部に配置され、前記案内面(112)の下端がキッカローラ(12)の表面に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のキッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置。
【請求項3】
前記キッカローラ(12)の表面に複数の均一化手段(121)が設けられ、前記均一化手段(121)は、キッカローラ(12)の表面に軸方向に平行に等間隔で配置され、各均一化手段(121)が中央部で折り曲げられ、キッカローラ(12)の表面で先端(1211)が前向きの翼状をなしていることを特徴とする、請求項1に記載のキッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置。
【請求項4】
前記中骨刻み分布板(2)の開孔率が5.0~20.0%であることを特徴とする、請求項1に記載のキッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置。
【請求項5】
前記分離室(T)の底部にガイド板(3)を有し、前記ガイド板(3)の底部が排出口(T3)であり、前記排出口(T3)が前記中骨刻み分布板(2)の下部に位置することを特徴とする、請求項1に記載のキッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置。
【請求項6】
前記案内面(112)の水平面に対する角度が調整可能であり、前記キッカローラ(12)の回転方向が先端(1211)の前向きの方向に沿い、キッカローラ(12)の回転速度が調整可能であることを特徴とする、請求項2に記載のキッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置。
【請求項7】
前記中骨刻み分布板(2)の凸弧面の接平面の水平面に対する角度が調整可能であることを特徴とする、請求項4に記載のキッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置。
【請求項8】
前記吸引ファン(T22)の吸引速度が調整可能であることを特徴とする、請求項1に記載のキッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置。
【請求項9】
前記分離室(T)が直方体状であることを特徴とする、請求項1に記載のキッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の装置を用いる軽量シート状中骨刻みを分離する方法であって、
吸引ファン(T22)を起動して空気の速度を調整し、供給口(T1)から供給された中骨刻みが案内面(112)を経て前記キッカローラ(12)における均一化手段(121)に落下し、前記キッカローラ(12)が先端(1211)の方向へ回転し、前記均一化手段(121)における中骨刻みを軸方向に沿って分散させて前記中骨刻み分布板(2)の凹弧面に飛ばすステップと、前記吸引ファン(T22)の作用で分離室(T)内に負圧が形成され、空気が前記中骨刻み分布板(2)の下部から等間隔の通気孔(21)を通過して前記中骨刻み分布板(2)の凹弧面に流れ、前記分布板(2)の凹弧面の上部で単層化や離散化された中骨刻み原料を流動分離するステップと、このとき、軽量シート状中骨刻みが吸気口(T2)に吸い込まれ、残りの良品の中骨刻みが重力作用によりガイド板(3)に落下して排出口(T3)から排出されるステップと、を含み、
前記案内面(112)の水平面に対する角度、前記キッカローラ(12)の回転速度、前記中骨刻み分布板(2)の凸弧面の接平面の水平面に対する角度、及び前記吸引ファン(T22)の吸引量を調整することで、任意の割合の良品の中骨刻みを分離して得ることができることを特徴とする、軽量シート状中骨刻みを分離する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ加工技術分野に属し、具体的にはオンラインでキッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中骨刻みは、タバコ原料の主成分であり、充填値が高く、コストが低く、燃焼性が高いなどの特徴を有するため、各タバコ製造メーカで多く使用され、現在の使用率が5.0~20.0wt%である。中骨刻みを用いることにより、タバコの製造コストを効果的に削減し、タバコ品質などを調整することができる。
【0003】
近年、薄く圧展・細かく裁刻、熱間圧展・冷間裁刻などの中骨刻み製造技術の研究が進むにつれて、中骨刻みの刻み状の外観効果が著しく向上し、主に、中骨刻みと葉刻みとの配合均一性が改善され、タバコの物理的品質の安定性が著しく向上するということで示される。薄く圧展・細かく裁刻技術の使用により、裁刻された中骨刻みの不均一性が増加してしまう。厚さが薄すぎる中骨刻みは、膨化・乾燥工程を経た後、軽量シート状中骨刻みとなり、乾燥後の軽量シート状中骨刻みは、色が白く、光が透過し、密度が小さく、シート状物が多いのが一般的である。後続の加工の際に、軽量シート状中骨刻みは、破砕しやすく、耐加工性が低いなどの特徴を有し、特に、葉刻みとの配合において、中骨刻みの配合均一性が低下する。軽量シート状中骨刻みの密度が小さいため、配合された軽量シート状中骨刻みが混合ベルトの両側に分散されることが多く、製品のタバコ刻みの物理的品質の変化が大きくなり、そして、空気輸送や巻装の際に、破砕率が大きく、耐加工性が低く、タバコ刻みの水分の変化などで品質管理が困難となるなどの問題がある。
【0004】
実際の製造に際して、10ロットの統計計算により、軽量シート状中骨刻みが良品の中骨刻みの15~25wt%を占める。後続の加工工程において、軽量シート状中骨刻みのほとんどが粉塵として除去されるので、タバコ製造装置の除塵負荷が増大するとともに、タバコ製品の品質に影響を与えるため、軽量シート状中骨刻みを排除する必要がある。
【0005】
上記の問題点を解決するために、本発明は、キッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置及びこの装置を用いて軽量シート状中骨刻みを分離する方法を設計する。
【発明の内容】
【0006】
本発明は、初めて設計された、オンラインでキッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置を提供する。この装置を用いて軽量シート状中骨刻みを分離して得られた良品の中骨刻みは、良品率が高く、充填値が高く、耐加工性が高く、色が葉刻みに近く、配合効果が優れる等の利点を有する。
【0007】
本発明の目的は、以下の技術的手段によって達成される。
【0008】
キッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置は、鉛直に配置された分離室Tと、分離室Tの内部に配置された中骨刻み案内手段1及び中骨刻み分布板2とを備え、
中骨刻み案内手段1は、三角柱状の案内板11と、キッカローラ12とを備え、案内板11の一方の矩形面がキッカローラ12の表面に当接され、案内板11の他方の矩形面が案内面112であり、中骨刻み分布板2は、弧面状であり、複数の通気孔21が等間隔で配置され、
中骨刻み案内手段1の上部が中骨刻み供給口T1であり、供給口T1から供給された中骨刻みを案内面112によりキッカローラ12の表面に案内するように、案内板11がキッカローラ12の側方上部に配置され、中骨刻み分布板2の上部が吸気口T2であり、吸気口T2に吸引ファンT22が外接され、中骨刻み分布板2が中骨刻み案内手段1の側方下部に配置されて凹弧面が中骨刻み案内手段1に対向する。
【0009】
好ましくは、案内板11のキッカローラ12の表面と当接される面が、キッカローラ12の表面に合致する内凹弧面111であり、案内面112の上端が供給口T1の下部に配置され、案内面112の下端がキッカローラ12の表面に配置される。案内板11の他方の矩形面が案内面112である。案内板11の残りの一方の矩形面の面積が案内面112の面積と同じであっても異なっていてもよい。
【0010】
好ましくは、キッカローラ12の表面に複数の均一化手段121が設けられ、均一化手段121は、キッカローラ12の表面に軸方向に平行に等間隔で配置され、各均一化手段121が中央部で折り曲げられ、キッカローラ12の表面で先端1211が前向きの翼状をなしている。ここで、「前向き」とは、キッカローラの回転方向である。
【0011】
好ましくは、中骨刻み分布板2の開孔率が5.0~20.0%である。
【0012】
好ましくは、分離室Tの底部にガイド板3を有し、ガイド板3の底部が排出口T3であり、排出口T3が中骨刻み分布板2の下部に位置する。
【0013】
好ましくは、案内面112の水平面に対する角度が調整可能であり、キッカローラ12の回転速度が調整可能である。
【0014】
好ましくは、中骨刻み分布板2の凸弧面の接平面の水平面に対する角度が調整可能である。
【0015】
好ましくは、吸引ファンT22の吸引速度が調整可能である。
【0016】
好ましくは、分離室Tが直方体状である。
【0017】
本発明の第2態様は、吸引ファンT22を起動して空気の速度を調整し、供給口T1から供給された中骨刻みが案内面112を経てキッカローラ12における均一化手段121に落下し、キッカローラ12が先端1211の方向へ回転し、均一化手段121における中骨刻みを軸方向に沿って分散させて中骨刻み分布板2の凹弧面に飛ばすステップと、吸引ファンT22の作用で分離室T内に負圧が形成され、空気が中骨刻み分布板2の下部から等間隔の通気孔21を通過して中骨刻み分布板2の凹弧面に流れ、分布板2の凹弧面の上部で、中骨刻みが単層化・離散化・均一化される流動分離空間が形成されるステップと、このとき、軽量シート状中骨刻みが吸気口T2に吸い込まれ、残りの良品の中骨刻みが重力作用によりガイド板3に落下して排出口T3から排出されるステップと、を含む、上述した装置を用いて軽量シート状中骨刻みを分離する方法を開示する。
【0018】
案内面112の水平面に対する角度、キッカローラ12の回転速度、中骨刻み分布板2の凸弧面の接平面の水平面に対する角度、及び吸引ファンT22の吸引速度を調整することで、任意の割合の良品の中骨刻みを分離して得ることができる。
【0019】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。
1、本発明のキッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置は、中骨刻み除塵管の負圧空気を用いて、良品の中骨刻みと軽量シート状中骨刻みとの確実な分離を実現することができる。本発明の装置は、初めて設計されたものであり、製造ラインにおける中骨刻みの空気輸送排出部に直接接続さればよい。装置の占有面積が小さく、工業的生産に有利である。
2、本発明の装置は、案内手段1の案内板11の内凹弧面111がキッカローラ12の表面と当接されて、内凹弧面111がキッカローラ12の表面に合致し、案内面112の上端が供給口T1の下部に配置され、案内面112の下端がキッカローラ12の表面に配置され、案内面112の水平面に対する角度が調整可能であり、キッカローラ12の回転速度が調整可能である。これにより、案内板11の底部の負圧空気による中骨刻みの上方への飛散を防止して、中骨刻みが供給口で詰まったり、堆積したりすることはなく、すべて中骨刻み分布板の凹弧面に供給されることを確保することができる。案内板11の残りの一方の矩形面の面積が案内面112の面積と同じであっても異なっていてもよく、必要に応じて設計することができ、そして、2つの面のなす角が必要に応じて設計することができる。
3、本発明の装置は、キッカローラ12の表面に均一化手段が軸方向に平行に等間隔で配置され、各均一化手段121が中央部で折り曲げられ、キッカローラ12の表面で先端1211が前向きの翼状をなしており、回転方向としては、キッカローラ12が先端1211の方向へ回転するので、均一化手段121における中骨刻みを軸方向に沿って均一に分散させて中骨刻み分布板2の凹弧面に飛ばすことができる。本発明のキッカローラの表面における均一化手段の設計が巧妙である。
4、本発明の装置は、中骨刻み分布板の設計が巧妙であり、その開孔率が5.0~20.0%である。中骨刻み分布板は、凹弧面が案内手段に対向し、空気がその下方から等間隔の通気孔を通過して中骨刻み分布板の凹弧面に流れ、この凹弧面で均一な空気圧が形成されるとともに空気が正圧になるので、キッカローラにより飛ばされた中骨刻みが凹弧面に軟接触し、軽量シート状中骨刻みが反転して上方へ流れ、破砕しにくくなる。
5、本発明の装置は、排出口が中骨刻み分布板の下部に設けられ、排出口が密閉された分離室の唯一の給気口であるため、排出口から供給された空気が中骨刻み分布板から等間隔の通気孔を通過して中骨刻み分布板の凹弧面に流れ、この凹弧面で均一な空気圧が形成されるので、キッカローラにより飛ばされた中骨刻みが凹弧面に軟接触し、破砕しにくくなる。
6、本発明の装置を用いて中骨刻みを分離することにより、製造ラインにおける原料の輸送の円滑性に影響を与えることはなく、処理の際に中骨刻みの水分が損失することはなく、軽量シート状中骨刻みを分離排除した良品の中骨刻みは、良品率が向上し、密度が大きく、耐加工性が向上し、充填値が増加し、色が葉刻みに近く、葉刻みとの配合効果や均一性が高くなる。中骨刻みの使用率が著しく向上する。
7、本発明の装置を用いて中骨刻みを分離することにより、中骨刻み中の軽量シート状中骨刻みを分離するとともに、中骨刻み分布板の開孔率、吸引ファンT22の吸引速度、キッカローラの回転速度などを調整することにより、中骨刻み中の密度が大きい成分、例えば、スティック状中骨刻み、湿潤塊及び他の異物などを除去することもできる。したがって、本発明の装置は様々な機能を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明のキッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置を示す図である。
【
図3】本発明の案内板とキッカローラとを組み合わせた状態を示す図であり、矢印方向がキッカローラの回転方向である。
【
図5】実施例で本発明の装置を用いて分離された軽量シート状中骨刻み(右)及び良品の中骨刻み(左)の写真である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の目的、技術的手段及び有益な効果をより明確にするために、以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、図面及び実施例は、本発明の技術的手段を限定するものではなく、本発明の教示に基づいてなされた如何なる変更又は改良は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0022】
図1に示すように、キッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置は、鉛直に配置された直方体状の分離室Tと、分離室Tの内部に配置された中骨刻み案内手段1及び中骨刻み分布板2とを備え、中骨刻み案内手段1は、案内板11と、キッカローラ12とを備え、キッカローラ12の表面に複数の均一化手段121が設けられ、中骨刻み分布板2は、弧面状であり、複数の通気孔21が等間隔で配置され、中骨刻み案内手段1の上部が中骨刻み供給口T1であり、供給口T1から供給された中骨刻みをキッカローラ12の表面に案内するように、案内板11がキッカローラ12の上部に配置され、中骨刻み分布板2の上部が吸気口T2であり、吸気口T2に吸引ファンT22が外接され、中骨刻み分布板2が中骨刻み案内手段1の側方下部に配置されて凹弧面が中骨刻み案内手段1に対向し、分離室Tの底部にガイド板3を有し、ガイド板3の底部が排出口T3であり、排出口T3が中骨刻み分布板2の直下部に位置し、吸気口T2における吸引ファンT22の吸引速度が調整可能である。
【0023】
図2に示すように、案内板11は、一方の矩形面が内凹弧面111である三角柱状をなし、他方の矩形面が案内面112であり、案内面112の上端が供給口T1の下部に配置され、案内面112の下端がキッカローラ12の表面に配置され、案内板11の内凹弧面111がキッカローラ12の表面に合致する。案内面112の水平面に対する角度が調整可能であり、キッカローラ12の回転速度が調整可能であり、中骨刻みが案内板やキッカローラの表面で詰まったり、堆積したりすることを防止する。案内板11は、面積の異なる2つの長方形板及び凹弧状板が溶接されてなり、材質が307型ステンレス鋼であり、内凹弧面111がキッカローラ12の均一化手段121と可動に密接され、案内板11の底部の負圧空気による中骨刻みの上方への飛散を防止する。案内板11は空気圧により制御可能である。
【0024】
図3に示すように、均一化手段121は、キッカローラ12の表面に軸方向に平行に等間隔で配置され、各均一化手段121が中央部で折り曲げられ、キッカローラ12の表面で先端1211が前向きの翼状をなしており、キッカローラ12が先端1211が前向きの方向へ回転する。キッカローラ12は、鋼製軸体及びステンレス鋼製筒体からなり、均一化手段121は、シリカゲル又はポリエチレンからなり、高さが必要によって2.5mm~50mmであってもよく、この高さにより、キッカローラの表面の均一化手段における中骨刻みが均一に分布して、中骨刻み分布板2の凹弧面の上部の流動分離空間に均一且つ高速で飛ばされることができ、中骨刻みの単層化、離散化及び均一化を実現する。
【0025】
図4に示すように、中骨刻み分布板2の等間隔の通気孔の開孔率が5.0~20.0%であり、空気がその下方から等間隔の通気孔21を通過して中骨刻み分布板の凹弧面に流れ、均一な空気圧が形成されるとともに凹弧面における空気が正圧となることを確保するので、キッカローラ12により飛ばされた中骨刻みが中骨刻み分布板2の凹弧面に軟接触して、反転して上方へ流れ、破砕しにくくなる。中骨刻み分布板2の凸弧面の接平面の水平面に対する角度が調整可能である。中骨刻み分布板2は307型ステンレス鋼から構成されてもよい。
【0026】
分離室Tの壁に複数の点検扉が設けられてもよく、点検扉により中骨刻みの流動状態及び離散状態の監視、駆動・空気輸送手段の点検、部品の日常保守メンテナンスなどを行うことができる。
【0027】
上述した装置を用いて軽量シート状中骨刻みを分離する方法は、吸引ファンT22を起動して空気の速度を調整し、案内面112の水平面に対する角度を60°とし、中骨刻み分布板2の凸弧面の接平面の水平面に対する角度を60°とし、キッカローラ12の回転速度を80rpmとし、吸引ファンT22の開度を25%とするステップと、供給口T1から供給された中骨刻みが、重力及び負圧の作用で案内面112に沿ってキッカローラ12の均一化手段121に落下して、キッカローラの軸方向に均一に分布し、回転するキッカローラ12が先端1211が前向きの方向へ回転し、均一化手段121における中骨刻みを軸方向に沿って分散させて中骨刻み分布板2の凹弧面に飛ばすステップと、吸引ファンT22の作用で分離室T内に負圧が形成され、空気が中骨刻み分布板2の下部から等間隔の通気孔21を通過して中骨刻み分布板2の凹弧面に流れ、分布板2の凹弧面の上部で、中骨刻みが単層化・離散化・均一化される流動分離空間が形成されるステップと、このとき、軽量シート状中骨刻みが負圧空気により吸気口T2に吸い込まれ、残りの良品の中骨刻みは、密度が大きいため重力作用によりガイド板3に落下して排出口T3から排出されるステップと、を含む。排出口T3が従来の製造ラインにおける装置に接続されてもよい。この装置は、排出口が中骨刻み分布板の下部に設けられ、排出口が密閉された分離室の唯一の給気口であるため、排出口から供給された空気が中骨刻み分布板2の下方から等間隔の通気孔を通過して中骨刻み分布板の凹弧面に流れ、均一な空気圧が形成されるので、キッカローラにより飛ばされた中骨刻みが凹弧面に軟接触し、破砕しにくくなる。
【0028】
本発明の装置を用いて軽量シート状中骨刻みを分離した結果は、軽量シート状中骨刻みの分離量が177.8kg/ロットであり、得られた良品の中骨刻みの重量が1543.4kg/ロットであり、軽量シート状中骨刻みの選別率が、軽量シート状中骨刻みの重量と中骨刻み原料の重量との比である177.8/(177.8+1543.4)=10.33%である。分離効果は
図5の写真に示した。
【0029】
以上は、本発明の具体的な実施形態のみであるが、本発明の保護範囲はこれらに限定されるものではなく、当業者が本発明に開示された技術的範囲内で容易に想到できる任意の変更又は置換は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0030】
1:案内手段
11:案内板
111:内凹弧面
112:案内面
12:キッカローラ
121:均一化手段
1211:先端
2:分布板
21:通気孔
3:ガイド板
T:分離室
T1:供給口
T2:吸気口
T22:吸引ファン
T3:排出口
【要約】
本発明は、鉛直に配置された分離室(T)と、分離室(T)の内部に配置された中骨刻み案内手段(1)及び中骨刻み分布板(2)とを備えるキッカローラを用いて軽量シート状中骨刻みを分離する装置を開示する。本発明は、この装置を用いて軽量シート状中骨刻みを分離する方法をさらに開示する。本発明の装置を用いて良品の中骨刻みと軽量シート状中骨刻みとの確実な分離を実現する。本発明の装置は、初めて設計されたものであり、製造ラインにおける中骨刻みの空気輸送排出部に直接接続さればよい。装置の占有面積が小さく、工業的生産に有利である。
【選択図】
図1