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特許7175444防風スクリーンシステム、及び防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】防風スクリーンシステム、及び防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 9/14 20060101AFI20221114BHJP
【FI】
E04H9/14 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021204708
(22)【出願日】2021-12-17
【審査請求日】2022-06-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521552028
【氏名又は名称】株式会社耐風対策
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】横山 愛
(72)【発明者】
【氏名】武田 麗
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06176050(US,B1)
【文献】特公昭56-014826(JP,B2)
【文献】特開2004-353278(JP,A)
【文献】特開2020-051197(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0134414(US,A1)
【文献】米国特許第06325085(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 9/14
E04H 17/00 - 17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防風位置に対面するように設置される防風用のスクリーンと、取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムであって、
前記取り付けユニットは、
前記防風位置の前記スクリーンの上部の支持に用いられる上部支持具と、
前記スクリーンの下部の支持に用いられる下部支持具と、
前記上部支持具または前記下部支持具のいずれか一方の支持具に、他方の支持具から離れる向きの離間力を付与する引張り具と、
を備え、
前記スクリーンは、前記引張り具により前記離間力に基づく張力が生じた状態で設置するように構成し、かつ、前記引張り具は、バックルと、ベルトを備え、
前記ベルトは、前記スクリーンにかかる離間力のレベルを均一化するための調整指標があらかじめ付されていることを特徴とする防風スクリーンシステム。
【請求項2】
複数の前記上部支持具および前記下部支持具を備えることを特徴とする請求項1に記載の防風スクリーンシステム。
【請求項3】
複数の前記スクリーンを備えることを特徴とする請求項1に記載の防風スクリーンシステム。
【請求項4】
前記複数のスクリーンは、防風位置に沿って直列に配置されることを特徴とし、各スクリーンは隣接するスクリーン同士が重なるオーバーラップ領域が存在した状態で設置したことを特徴とする請求項1に記載の防風スクリーンシステム。
【請求項5】
前記引張り具は、前記スクリーンと一体となるよう固着する構成を特徴とする請求項1に記載の防風スクリーンシステム。
【請求項6】
防風位置に対面するように設置される 防風用のスクリーンと、当該スクリーンを防風すべき間口に取り付けるための取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムであって、
前記取り付けユニットは、複数のパーツを備え、
前記間口の大きさ、構造、材質、形状に合わせて前記複数のパーツから選択されるパーツを組み合わせて前記スクリーンの上下方向に所定量の離間力をかける構造を有し、
前記構造は、前記防風位置の前記スクリーンの上部の支持に用いられる上部支持具と、
前記スクリーンの下部の支持に用いられる下部支持具と、
前記上部支持具または前記下部支持具のいずれか一方の支持具に、他方の支持具から離れる向きの離間力を付与する引張り具と、を備え、
前記スクリーンは、前記引張り具により前記離間力に基づく張力が生じた状態で設置するように構成し、かつ、前記引張り具は、バックルと、ベルトを備え、
前記ベルトは、前記スクリーンにかかる離間力のレベルを均一化するための調整指標があらかじめ付されていることを特徴とする防風スクリーンシステム。
【請求項7】
防風位置に対面するように設置される防風用のスクリーンと、取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法であって、
前記取り付けユニットにおいて、
前記防風位置の前記スクリーンの上部の支持に用いられる上部支持具と、
前記スクリーンの下部の支持に用いられる下部支持具とを敷設し、
前記上部支持具または前記下部支持具のいずれか一方の支持具に、引張り具を設けて、前記引張り具に固定されるバックルにベルトを通し、該ベルトにより他方の支持具から離れる向きの離間力を付与するように係止させるように施工し、
前記スクリーンは、前記引張り具により前記離間力に基づく張力が生じた状態で設置するように構成し、前記ベルトは、前記スクリーンにかかる離間力のレベルを均一化するための調整指標があらかじめ付されていることを特徴とする防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法。
【請求項8】
防風位置に対面するように設置される防風用のスクリーンと、取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法であって、
前記取り付けユニットにおいて、
前記防風位置の前記スクリーンの上部の支持に用いられる上部支持具と、前記スクリーンの下部の支持に用いられる下部支持具とを複数ユニット分前記スクリーンの横方向に所定間隔で敷設し、
各上部支持具または各下部支持具のいずれか一方の支持具に、各引張り具を設けて、各引張り具に固定されるバックルにベルトを通し、該ベルトにより他方の支持具から離れる向きの離間力を付与するように係止させるように施工し、前記スクリーンは、前記各引張り具により前記離間力に基づく張力が生じた状態で設置するように構成し、前記ベルトは、前記スクリーンにかかる離間力のレベルを均一化するための調整指標があらかじめ付されていることを特徴とする防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法。
【請求項9】
防風用のスクリーンと、当該スクリーンを防風すべき間口に取り付けるための取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法であって、
前記取り付けユニットは、複数のパーツを備え、
前記間口の大きさ、構造、材質、形状に合わせて前記複数のパーツから選択されるパーツを組み合わせて前記スクリーンの上下方向に所定量の離間力がかかるようにバックルと、ベルトを備える引張り具を用いて、前記スクリーンを設置し、かつ前記ベルトは、前記スクリーンにかかる離間力のレベルを均一化するための調整指標があらかじめ付されていることを特徴とする防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り付けユニットを用いてシート材を敷設して暴風対策を行う防風スクリーンシステム、及び防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化による気象変動は、日本における年間の台風発生率、台風の規模にも多大な影響を与えている。特に、沖縄、九州、四国、山陰地方においては、台風の通り道に該当し、毎年、強風や、雨による自然災害が発生する。
【0003】
特に、台風の気圧が下がると、広範囲に暴風の影響を受け、勢力が十分弱くなる前に、台風が通過する沖縄本土、沖縄近郊の各島々では、何等かの風対策を行う必要がある。
通常、板材を窓枠に固定したり、厚手のテープ材を窓ガラスに張り付けたりする等の補強作業を講じている。
一方、ハリケーンが発生する米国では、強風対策として、下記特許文献1では、住宅の間口や、開閉する窓枠に対して防風シートを敷設して暴風対策を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許公開2002-0134414号明細書
【文献】米国特許第8215072号明細書
【文献】米国特許第6176050号明細書
【文献】米国特許第6325085号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、商品名「ハリケーンファブリック」は、ポリプロピレン製の糸を高密度で編み込んであり、非常に強い耐久性が特徴で台風の風、鉄砲雨、飛来物による強い力をトランポリン原理で吸収・跳ね返し、ハリケーンカトリーナにも耐えたスクリーンとして敷設されることがホームページ上で公開されている。米国において特許文献1が出願されている。
この特許文献1に示される防風シートは、確かに建物の間口に対して上下方向から敷設することで暴風、風雨対策として一定の効果を奏する。
【0006】
また、特許文献2は、特許文献1に開示されるスクリーンを止めるY字型の部材が開示されているが、材料がエチレンの付加重合によって得られる高分子化合物(ポリエチレン)で構成されているため、Y字型の部材を仕様書に従ってスクリーンに施工しても公表された風速70m/Sには耐え得ることができず、国内施工例においてY字型の部材の破損事例が多数報告されている。
また、引用文献3、4には、米国アーマースクリーン社が提供する商品名「アーマースクリーン」が開示されている。
また、アーマースクリーン社が提供するカタログには、バックル&ストラップシステムと称して、台風時のひっかけ式台風養生スクリーンを手掛けている。
同様に、アイビームトラックシステム、ロールアップシステム、ヘムコードシステム、ジェネラルウェザーコントロールシステムを提供している。
このカタログには、台風に対する耐力試験値として、165ポンド/平方フィート(psf)と公表されている。ここで、psfは、1平方フィートの面積に適用される1重量ポンドの力の単位である。
【0007】
(性能の限界からの課題)
自然風(特に台風の風)は動的に不安定現象であるため、上述した風荷重は暴風時の値が非常に高く、従来のスクリーンを用いた防風装置では風速50メートル/秒(m/s)相当が実情である。
【0008】
(振動の発生からの課題)
柔軟性に富むスクリーンは風の動きで大きく揺れて風を逃がす利点はあるものの、同時に振動も発生するため、従来のスクリーンを用いた防風シート装置では設置部品が緩んで防風性能が低くなるという問題が起きている。
【0009】
(飛来物防止の限界からの課題)
暴風により制御範囲を超えた風圧が生じたとき、破壊力が衰えず、本来の目的である風圧から窓ガラス等の構造物を守れないという問題が起きている。
【0010】
(設置の困難さからの課題)
従来のスクリーンを用いた防風装置では工具や脚立を用いて設置しなければならず、設置に時間と手間がかかる。
【0011】
(プラスチック素材からの課題)
従来のスクリーンを用いた防風装置では設置部品の素材がプラスチック製であり、耐候性に乏しい。環境問題を解決するためにも脱プラスチック問題は世界規模で見ても早急に取り組むべき課題である。
【0012】
(コスト高面からの課題)
従来のスクリーンを用いた防風装置は風圧強度をあげるためには、支柱や構造部材を設置する場合が多く、構造部材の材料強度として高強度のものが要求される。そのため防風装置の建設コストが材料費、施工費ともに高価になるという課題があった。
【0013】
一方、台風特有の風は、風向きが不自然に変化する流動性を示すことが多いため、防風シートの受風能力を超えるような強風(例えば最大瞬間風速70m)に到達した場合を想定すると、防風シートの特徴点に風圧が集中して、防風シートの取り付け部材に過度の力がかかり、防風シートの効果が妨げられてしまう場合もあった。
【0014】
具体的には、防風シートおよび防風シート取り付け部材では、公表している仕様では、耐えるはずの風速、最大瞬間風速70m以下の風速によっても、防風シートの取り付け状態が変化し、本来の防風シートの効果が期待できなくなる事象も発生していた。
【0015】
このため、施工業者には納入先や代理店からいわれのない施工不備を指摘される場合があり、台風シーズン到来前には施工先にて取り付け状態を点検する作業が増加したりする等、防風シートに対するメンテナンス負担も指摘されていた。
また、特許文献3,4に示すスクリーンにおいても、設置する環境、例えば建物の間口の大きさ、構造、材質、形状に適応した取り付けユニットを組み合わせて施工しないと、台風に対して十分な耐力を示すことができず、暴風対策として不十分となる場合も想定されていた。
【0016】
そこで、本発明者らは、防風シートに対して、風速と風圧との換算式に基づく強度試験を実施して、防風シートに一定の張力を付することで、防風シートが公表している仕様に記載された受風能力を超えるような暴風にも十分に耐え得る施工を行えることを考察した。
【0017】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、上記考察に従い、防風シートに対して一定方向に張力をかけるように施工することで、スーパー台風規模でも高い防風効果と耐久性能を維持することができ、かつ施工業者によるメンテナンス負担も軽減できる防風シートシステム、防風シート取り付け部材、防風シート補強用テンション材及び防風シートの施工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成する本発明の防風スクリーンシステムは以下に示す構成を備える。
【0019】
防風位置に対面するように設置される防風用のスクリーンと、取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムであって、前記取付けユニットは、前記防風位置の前記スクリーンの上部の支持に用いられる上部支持具と、前記スクリーンの下部の支持に用いられる下部支持具と、前記上部支持具または前記下部支持具のいずれか一方の支持具に、他方の支持具から離れる向きの離間力を付与する引張り具と、を備え、前記スクリーンは、前記引張り具により前記離間力に基づく張力が生じた状態で設置するように構成し、かつ、前記引張り具は、バックルと、ベルトを備え、前記ベルトは、前記スクリーンにかかる離間力のレベルを均一化するための調整指標があらかじめ付されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、簡単に設置可能で優れた防風効果と高い耐久性能を維持できるとともに、スーパー台風規模でも高い防風効果と耐久性能を維持することができ、かつ施工業者によるメンテナンス負担も軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本実施形態を示す防風スクリーンシステムに適用するスクリーンの一例を示す平面図。
図2】本実施形態を示す防風スクリーンシステムの構成を説明する断面図。
図3図2に示した上部支持具のパーツを示す図。
図4図1に示した防風スクリーンの上部施工状態を示す斜視図。
図5図1に示した防風スクリーンの上部施工状態を示す斜視図。
図6図2に示した下部支持具のパーツを示す図。
図7図2に示したバックルの構成を示す斜視図。
図8図1に示した防風スクリーンの下部支持具の施工状態を示す斜視図。
図9】本実施形態を示す防風スクリーンシステムの取り付けユニットにおけるスクリーン連結パーツの構成を説明する図。
図10】本実施形態を示す防風スクリーンシステムの取り付けユニットのスクリーン連結状態を示す図。
図11】本実施形態を示す防風スクリーンシステムの施工例を示す斜視図。
図12】本実施形態を示す防風スクリーンシステムの施工例を示す斜視図。
図13】本実施形態を示す防風スクリーンシステムに適用するスクリーンの強度試験データを示す特性図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
下記の実施の形態は、図1図13に示す防風スクリーンシステムに関し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。また、以下の説明において、防風スクリーンの表と、裏との定義は、便宜的なものであって、表と裏の定義はどちらでもよい。
【0023】
図1は、本実施形態を示す防風スクリーンシステムに適用するスクリーンの一例を示す平面図である。なお、本例は、スクリーンが長方形の場合を示すが施工先の間口や壁の形状に応じて、スクリーンの端側を裁断して縫製することでその平面形状を自在に調整可能に構成されている。
なお、詳細は省略するがスクリーンの端側には後述する2本のベルトを縫い込んでバックルを通してベルトを締め付ける構造としてもよい。
【0024】
図1において、SCは防風用のスクリーン(防風スクリーン)で、独特の網目で織り込まれており、例えばポリプロピレン製で構成されている。防風スクリーンSCは何千もの繊維を高密度、かつ、格子状に編み込まれており、反発性と弾性とを兼ね備えた生地を特徴としている。なお、このようなスクリーンの一例として、ハリケーンファブリックスクリーン(商品名)が市販されているが、本発明は、同様の特性を備えていれば、これに限定されることはない。具体的には、実用化されているアラミド繊維(ケブラーやトワロンなど)や超高分子量ポリエチレン繊維(ダイニーマやスペクトラなど)から構成されていてもよい。
【0025】
この繊維は鋼鉄の5~8倍程度の強さを持っており、しかも金属に比べて非常に軽いことや衝撃エネルギーの吸収性能が優れていることから、防弾服の素材としても注目されている。またこれら高性能な繊維をどのように織って配置するか、単位面積あたりの糸の密度(詰まり具合)をどれくらいにするか、また織物だけでなく不織布(繊維がランダムに絡み合った構造)を効果的に使うことなど、スーパー台風に適応する繊維(布)の構造とすることで上記ハリケーンファブリックスクリーンの代用も可能である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態に適用する防風スクリーンSCは、縦方向の繊維と横方向繊維とが丁度十字状に互い違いに直交(格子状)するように編み込まれていることを特徴としている。
【0027】
なお、ハリケーンファブリックスクリーンの仕様で、カテゴリー5クラスの台風にも耐え得るとあるが、あくまでも実験値であって、当該防風スクリーンSCを施工するために仕様される取り付けユニットの強度によっては、それ以下の台風でも損傷、不具合が生じることは課題でも指摘した通りである。
【0028】
また、防風スクリーンSCは裁断と縫製により、例えば重なり合う2枚のスクリーンとして使用する場合には、一方のスクリーンと他方のスクリーンの形状が異なる場合がある(詳細は後述する)。
【0029】
図2は、本実施形態を示す防風スクリーンシステムの構成を説明する断面図である。本例は、防風位置に対面するように設置される防風スクリーンSCと、複数のパーツを備える取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムとから構成される例である。
なお、図1と同一のものには同一の符号を付してその説明を省略する。また、防風スクリーンSCは、設置する位置、例えば窓枠、家の間口など様々な大きさに合わせて切り出し加工することで住宅、店舗、オフィス、倉庫に至る建物の外壁側に設置することが可能である。
さらに、本実施形態では、詳細は後述するが防風スクリーンを設定する建物の間口の大きさ、構造、材質、形状に合わせて複数のパーツが用意されているため、スクリーンの施工に際して、施工者は、最適なパーツの組合せを選択できるように構成されている。
以下、防風スクリーンSCを、間口の上部にパーツの一例としてレールを施設したカーテン方式の防風スクリーンシステムを例として実施形態を説明する。
【0030】
また、本例の防風スクリーンSCは、後述するように、上記複数のパーツに含まれる上部側がレール1に吊り下げられ、かつ、レール1内を丸鋼2dが移動自在に構成されるため、防風スクリーンSCを使用時以外の時は、防風スクリーンSCを一方向に移動して束ねることで、通常の視界を確保できるように構成されている。このように防風スクリーンSCをカーテン体として横方向に移動させることができる。
【0031】
W1~W3は台風時における防風スクリーンSCが受風する風向きを示し、これらの風向きW1~W3が複合的に組み合わされた複雑な風として防風スクリーンSCを攻撃する。
【0032】
図2において、1はレールで、建物の間口のサイズに合わせて長さが加工され、外壁部材の上部側においてアンカーボルト1e(図5参照)を用いて強固に固着される。2はシャックル(図3参照で、穿孔された孔2c(図3参照)に丸鋼2dが挿通され、レール1から防風スクリーンSCの上部側を吊下げする機構(取り付けユニット)を構成している。
【0033】
上表プレート4と上裏プレート3とは、それぞれが対向する所定位置において、複数のボルトで防風スクリーンSCを両側から挟持するように強固に固着される。なお、上裏プレート3、上表プレート4は、金属製、例えば軽量なアルミダイキャストから加工されたものを採用するが、金属加工可能なものであればアルミに限定されない。このように取り付けユニットのパーツを金属とすることにより、従来の取り付け具(プラスチック製)に比べて風速に対する強度が格段に向上し、部品の一部がスクリーン面から欠損するような不具合を解消することができる。
【0034】
下表プレート6と下裏プレート7とは、それぞれが対向する所定位置において、複数のボルトで防風スクリーンSCを両側から挟持するように強固に固着される。なお、下表プレート6、下裏プレート7は、金属製、例えば軽量なアルミダイキャストから加工されたものを採用するが、金属加工可能なものであればアルミに限定されない。
【0035】
なお、本実施形態において、防風位置の防風スクリーンSCの上部の支持に用いられる取り付けユニットは、上記レール本体1、シャックル2、上表プレート4,上裏プレート3とから構成される例を示すが、これ以外の部品を用いてさらに強固に防風スクリーンSCの上部側を挟持できるように構成してもよい。
【0036】
また、本実施形態において、防風位置の防風スクリーンSCの下部の支持に用いられる下部側の取り付けユニットは、下表プレート6,下裏プレート7と、後述するバックル8から構成される例を示すが、これ以外の部品を用いてさらに強固に防風スクリーンSCの上部側を挟持できるように構成してもよい。
【0037】
なお、下表プレート7のうち、防風スクリーンSCに接しない面には、バックル8が固着されている。これにより、防風スクリーンSCを地面側にテンションをかける張り具の一部が構成されている。
【0038】
9はテンションベルトで、一方端がバックル8に固着され、他方端が後述するフック10に加工されるベルト受け溝を介し巻回されている。バックル8は、防風スクリーンSCに与える張力に合せてテンションベルト9を締め付けるレベルを調整可能に構成されている。具体的には、設計上の建付けにもよるが、テンションベルト9の短手方向を横切る水平の色付繊維を等間隔で、複数ライン包装することで、防風スクリーンSCを地面方向に引く張力をほぼ均等にすることで張力のばらつきをなくし、受風時のばたつきによる騒音を軽減することも可能である。
【0039】
このように本実施形態では、引張り具を構成するバックル8が下表プレート7に対してボルトで固定して一体化されて下部支持具が構成した場合を示したが、上表プレート4に対してバックル8を保持する部材とともにボルトで固定し、レール1に可動可能なフック部材(図示しない)を吊るし、当該フック部材に加工されたスリット10a(図6参照)にテンションベルト9を挿通して防風スクリーンSC全体を上方に引き上げる構成としても同様の効果が得られる。
ただし、施工上、メンテナンス上の理由から、バックル8は図2に示すように防風スクリーンSCの下部側に設けることが好ましい。
【0040】
なお、テンションベルト9は、上述したテンションベルト9に縫製する引っ張りレベルラインを設けることで、防風スクリーンSCに対して施工される全てのバックル8は、同一の張力で上部支持具から離れる向きの離間力を付与する引張り具を構成することができる。
【0041】
フック10は、一方端にテンションベルト9を通すスリット10aが設けられており、一方がバックル8に固定されたテンションベルト9が挿通されて、上方側に折り返し、バックル8の係止部材の間を挿通した後、バックル8の締め付けバーで確実に挟持された状態で係止される。
【0042】
フック10の他方端は、例えばコンクリートを用いて地面よりも下方向に埋め込み施工されたアンカー部として機能するボックス12に設ける係止ボルト(アンカーボルト)5に係合する。
【0043】
これにより、所有者またはメンテナンス業者により、テンションベルト9を引き上げて所定の張力がかかるように調整した後、バックル8で固定することで、防風スクリーンSCは、全体として引張り具により離間力に起因する張力が生じた状態で設置することができる。
なお、例えば円錐型のボックス12は、地面最下部側に複数の固定足が埋め込まれて所定位置で固定される。
【0044】
また、本実施形態では、下部支持具に、上部支持具から離れる向きの離間力を付与することができる引張り具を設ける場合を示すが、上部支持具に、下部支持具から離れる向きの離間力を付与することができる引張り具を設ける構成としても同様の効果が得られる。
【0045】
また、本実施形態を示す防風スクリーンシステムとして安全に施工するため、下部支持具に、上部支持具から離れる向きの離間力を付与することができる引張り具を設ける方が望ましい。
【0046】
〔上部支持具〕
図3は、図2に示した上部支持具のパーツを示す図である。
図3に示すように、上部支持具は、シャックル2と、丸鋼2d、上プレート(上表プレート4,上裏プレート3)、レール1を含んで構成されている。
【0047】
〔上部支持具の施工例〕
図4図5は、図2に示した防風スクリーンSCの上部施工状態を示す斜視図である。
【0048】
図4図5に示すように、上表プレート4,上裏プレート3に先端部が挿通するシャックル2は、上部側に穿孔された孔2cに丸鋼2dが挿通してレール1上を横方向に移動自在に施工されている。これにより、上表プレート4,上裏プレート3にボルト締めされた防風スクリーンSCがレール1に沿って吊下げられた状態となる。また、防風スクリーンSCは、レール1上を移動させることでカーテン体として機能させ、未使用時には、所定の壁側に束ねられる構造となっている。
なお、レール1の上部側は、図5に示すように上面壁にアンカーボルト1eで強固に固着されている。
【0049】
〔下部支持具〕
図6は、図2に示した下部支持具のパーツを示す図である。
【0050】
図6において、6は下表プレートで、図7に示すバックル8を固着するためのバックル受け部6a、6bを備えている。下表プレート6とボックス12により、下部支持具が構成される。
【0051】
〔引張り具〕
一方、引張り具を構成するフック10の一方端は、ボックス12の丸鋼(アンカーボルト)5に係合し、他方側はベルト9を折り返して通すスリット10aが設けられている。バックル8とフック10とベルト9により、上部支持具に、下部支持具から離れる向きの離間力を防風スクリーンSCに対して付与することができる。
【0052】
図7は、図6に示したバックル受け部6a、6bに固着されるバックル8の機構を示す斜視図である。
【0053】
図7において、8-1~8-4は、バックル8を下表プレート6に固着させるための係合孔で、図示しないボルトにより締め付けることでバックル8が下表プレート6に固定される。なお、バックル8の構成は一例であって、図7に示す構造とは異なる簡易なバックルであってもよい。例えば大きさは異なるが、バックパックに使用されるような通しベルト調整部の機構と、ベルト締め付け部材を設ける構成であっても何ら支障は生じない。
【0054】
〔下部支持具の施工例〕
図8は、図2に示した防風スクリーンの下部支持具の施工状態を示す斜視図である。
【0055】
図8に示すように、複数の下部支持具が上部のレールに平行にコンクリート製の側溝100を形成し、上記ボックス12の柱部12A,12Bをコンクリートに埋め込み工法で敷設する。なお、所定間隔で並ぶ各ボックス12は、上部のレール1に吊り下げられる上プレートの位置と対応する位置に敷設するものとする。また、各ボックス12のアンカーボルト5は一端が図2に示すフック10の一端に係合し、該フック10の他端側のスリット10aにテンションベルト9の一端が挿通して上側のバックル8のベルト通しに導かれ、バックル8の留め具により強固に係止される。
【0056】
これにより、防風スクリーンSC使用時において、対応する各テンションベルト9を締め上げてバックル8で係止することで、防風スクリーンSCの上部取り付け部と、下部取り付け部との間に離間力が働き、所定間隔で防風スクリーンSCの縦方向に一定の張力(テンション)がかかるように敷設または調整することができる。
【0057】
なお、側溝100は、防風スクリーンSC未使用時には、各ボックス間を塞ぐ板材(遮蔽板)を使用することで景観を損ねず、かつ、メンテナンス時に側溝100に足がはまることで躓いて怪我をしてしまうことを防止できるように構成されている。
【0058】
このように防風スクリーンSCの上下方向に等間隔でテンションを掛ける構成を備えることで、防風スクリーンSCの受風面の裏面側に見えない支柱が生成されているが如く機能し、全風圧が防風スクリーンSCの一部に集中することなくなるとともに、風加重が分散されることで風速70m/秒(m/s)以上でも取り付け部材が破損することなく防風スクリーンSCを一定の離間力をもって挟持できる。
【0059】
なお、本実施形態が示すように、防風スクリーンSCに対して所定間隔で一定のテンションを掛けることで、非テンション時に比べて防風スクリーンSCの防風効果が向上することについての試験データの詳細については後述する。
【0060】
〔第1実施形態の効果〕
本実施形態によれば、防風スクリーンSCの上下方向に対して一定間隔にテンション(張力)を掛けることにより、等間隔に支柱を設置するのと同様の効果を発揮し、防風スクリーンSC自体の耐久性能と強度特性を得ることができる。
また、スーパー台風規模での暴風対策では、風圧強度の他、瞬間的な力に対しての高い耐久性能及び風圧の効果的な分散を同時に行うことが可能となった。
【0061】
〔第2実施形態〕
図9、本実施形態を示す防風スクリーンシステムの取り付けユニットにおけるスクリーン連結パーツの構成を説明する図で、図10は、本実施形態を示す防風スクリーンシステムの取り付けユニットのスクリーン連結状態を示す図である。
【0062】
図9において、91はオーバーラッププレート係止部で、図10に示すように、オーバーラッププレート93を用いて2枚の防風スクリーンSCの一部を重ね合うように挟持する際に用いる。これにより、2枚の防風スクリーンSCの間を吹き抜ける際に発生するばたつきを抑制し、風切りによる騒音を低減することができる。
なお、図9に示すオーバーラッププレート係止部91の孔92は、図10に示すオーバーラッププレート93の係合孔94と係合する。これにより、2枚の防風スクリーンSCを強固に重ね合わせることができる。
【0063】
図10において、13は上横表プレートで、図示しない上横裏プレートと上横表プレート13とが複数のボルトで防風スクリーンSCを挟持するように強固に固着される。14は下横表プレートで、図示しない下横裏プレートと下横表プレート14とが複数のボルトで防風スクリーンSCを挟持するように強固に固着される。
【0064】
図11図12は、本実施形態を示す防風スクリーンシステムの施工例を示す斜視図である。
【0065】
図11図12に示すように、防風スクリーンSC1の上側に防風スクリーンSC2がオーバーラップする使用態様において、防風スクリーンSC1と、防風スクリーンSC2とが防風スクリーンSC2の下部に取り付ける図9に示すオーバーラッププレート91の穿孔孔92とオーバーラッププレート93の穿孔孔94とが係合するように構成されている。
【0066】
〔第2実施形態の効果〕
本実施形態によれば、2枚の防風スクリーンSC1と、防風スクリーンSC2とが重なり合う接合面において、それぞれの防風スクリーンSC1と、防風スクリーンSC2とが密着性よく接合するように施工することができる。
【0067】
〔第3実施形態〕
図13は、本実施形態を示す防風スクリーンシステムに適用するスクリーンの強度試験データを示す特性図である。なお、縦軸は試験力(N)を示し、横軸はストローク(mm)を示す。
【0068】
図13に示すように、防風スクリーンSCの小片に対して引張試験結果から、防風スクリーンSCに張力がかかると、具体的には、約58mm引っ張った時、試験力4600Nを示している。
【0069】
防風スクリーンSCの繊維方向に平行に張力を加えた結果から、この引張特性データを考察すると、1m当たり、スーパー台風程度の風速にも耐え得ることが証明された。
ここで、下記換算式から風速を風圧に変換してみると、
風圧(Kg重)=0.05×(風速(m/s))
上記式から、1mに風速10m/sの風を受けた時に、受ける風圧は5Kgとなる。
【0070】
そこで、70m/sに耐えるスクリーンとして使用するためには、安全率1.5倍を掛けて、105m/sに耐える強度は、0.05×105×105=551Kgとなる。
【0071】
〔第3実施形態の効果〕
本実施形態によれば、簡単に設置可能で優れた防風効果と高い耐久性能を維持できる防風システムを提供できる。
【0072】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
上記実施形態では、大間口の面に対してカーテン方式でスクリーンを移動できる構造とした例を示したが、スクリーンを移動させずに固定した構造、例えば木造住宅の窓面等にもテンションを掛けてスクリーンを設置する構造としてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、防風位置に対面するように設置される防風用のスクリーンと、取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムにおける取付けユニットを構成する防風位置の前記スクリーンの上部の支持に用いられる上部支持具と、スクリーンの下部の支持に用いられる下部支持具との一例を説明したが、スクリーンが設置される間口の大きさ、形状、構造、材質を含む設置環境に適応して、上部支持具と、下部支持具とのパーツ構成は変更される場合がある。
【0075】
しかしながら、本防風スクリーンシステムは、スクリーンが配置される上部支持具と、下部支持具とを構成するパーツ類に限定されるものではなく、スクリーンを配置する建物の設置環境に適応した種々のパーツ類が想定される。
具体的には、上記各実施形態では開示されていない、例えばクリップやカラビナ等の固定式もパーツ類に含められるものである。
したがって、本実施形態に示したスクリーンを設置する際に、多種多様な施工例に適応した上部支持具と、下部支持具との組合せが用意されているものとする。
【0076】
そして、本実施形態に示す防風スクリーンシステムは、様々な形状のパーツ類から構成される上部支持具と、下部支持具に係止されるスクリーンが引張り具により離間力に基づく張力が生じた状態で設置するという構造を備えることで、従来の課題を解決するものである。
【0077】
また、引張り具についても、バックルと、ベルト以外のパーツから構成されていてもよく。例えば、スクリーンの上端の挟持部材と上部支持具との間にターンバックルを接続して張力を調整したり、スクリーンの下端の挟持部材と下部支持具との間にターンバックルを接続して張力を調整したりする構造も想定される。
【0078】
したがって、本防風スクリーンシステムにおける引張り具についても、多種多様なパーツを組み合わせて、スクリーンの上端または下端の一端、またはスクリーンの上端および下端の両端からスクリーンにテンションをかける構造を採用してもよい。
【0079】
このように本防風スクリーンシステムにおける引張り具、上部支持具と、下部支持具を構成するパーツ構成が本実施形態に開示されたパーツに限定されるものではない。
【0080】
より具体的には、スクリーンの上下方向に離間力が働くように張力を掛けるパーツの組合せが複数存在し、施工者が複数のパーツからスクリーンを設置する間口の大きさ、構造、材質、形状に合わせて選択されるパーツを組み合わせて所定位置に設置することを特徴とする。
【0081】
よって、本実施形態に開示したスクリーンシステムとは異なるパーツの組合せ(本実施形態に開示されていない複数のパーツの組合せ)または、複数のパーツが一体形成されたユニット(本実施形態に開示されていない複数のパーツの組合せが一体化されたユニット)を用いてスクリーンの上下方向にテンションを掛ける構造とするものは本発明の適用範囲に含まれる。
以上の記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0082】
(1)防風位置に対面するように設置される防風用のスクリーンと、取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムであって、前記取付けユニットは、前記防風位置の前記スクリーンの上部の支持に用いられる上部支持具と、前記スクリーンの下部の支持に用いられる下部支持具と、前記上部支持具または前記下部支持具のいずれか一方の支持具に、他方の支持具から離れる向きの離間力を付与する引張り具と、を備え、前記スクリーンは、前記引張り具により前記離間力に基づく張力が生じた状態で設置するように構成し、かつ、前記引張り具は、バックルと、ベルトを備え、前記ベルトは、前記スクリーンにかかる離間力のレベルを均一化するための調整指標があらかじめ付されていることを特徴とする。たことを特徴とする。
上記本発明は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。
【0083】
(2)複数の前記上部支持具および前記下部支持具を備えることを特徴とする。
【0084】
)複数の前記スクリーンを備えることを特徴とする。
【0085】
)前記複数のスクリーンは、防風位置に沿って直列に配置されることを特徴とし、各スクリーンは隣接するスクリーン同士が重なるオーバーラップ領域が存在した状態で設置したことを特徴とする。
【0086】
)前記引張り具は、前記スクリーンと一体となるように固着する構成を特徴とする。
【0088】
(6)防風位置に対面するように設置される防風用のスクリーンと、取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法であって、前記取り付けユニットにおいて、前記防風位置の前記スクリーンの上部の支持に用いられる上部支持具と、前記スクリーンの下部の支持に用いられる下部支持具とを敷設し、前記上部支持具または前記下部支持具のいずれか一方の支持具に、引張り具を設けて、引張り具に固定されるバックルにベルトを通し、該ベルトにより他方の支持具から離れる向きの離間力を付与するように係止させるように施工し、前記スクリーンは、前記引張り具により前記離間力に基づく張力が生じた状態で設置するように構成し、前記ベルトは、前記スクリーンにかかる離間力のレベルを均一化するための調整指標があらかじめ付されていることを特徴とする。
【0089】
(7)防風位置に対面するように設置される防風用のスクリーンと、取り付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムのスクリーン施工方法であって、前記取り付けユニットにおいて、前記防風位置の前記スクリーンの上部の支持に用いられる上部支持具と、前記スクリーンの下部の支持に用いられる下部支持具とを複数ユニット分前記スクリーンの横方向に所定間隔で敷設し、各上部支持具または各下部支持具のいずれか一方の支持具に、各引張り具を設けて、各引張り具に固定されるバックルにベルトを通し、該ベルトにより他方の支持具から離れる向きの離間力を付与するように係止させるように施工し、前記スクリーンは、前記各引張り具により前記離間力に基づく張力が生じた状態で設置するように構成し、前記ベルトは、前記スクリーンにかかる離間力のレベルを均一化するための調整指標があらかじめ付されていることを特徴とする。
【符号の説明】
【0090】
1 レール本体
2 シャックル
3 上裏プレート
4 上表プレート
5 係止ボルト(アンカーボルト)
6 下裏プレート
7 下表プレート
8 バックル
9 ベルト
10 フック
12 ボックス
SC 防風スクリーン
【要約】
【課題】スーパー台風規模でも高い防風効果と耐久性能を維持することができ、かつ施工業者によるメンテナンス負担も軽減すること。
【解決手段】防風用のスクリーンと、当該スクリーンを防風すべき間口に取り付けるための取付けユニットと、を含む防風スクリーンシステムにおいて、取付けユニットは複数のパーツを備え、間口の大きさ、構造、材質、形状に合わせて複数のパーツから選択される所望のパーツを組み合わせて、前記スクリーンの上下方向に離間力が働くように張力を掛けるように設置する構造を特徴とする。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13