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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】医療用器具
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/36 20060101AFI20221114BHJP
   A61L 31/04 20060101ALI20221114BHJP
   A61B 17/02 20060101ALI20221114BHJP
   A61L 31/18 20060101ALI20221114BHJP
   A61L 31/02 20060101ALI20221114BHJP
   A61L 31/12 20060101ALI20221114BHJP
   A61L 31/14 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
A61F13/36
A61L31/04 120
A61B17/02
A61L31/18
A61L31/02
A61L31/04 110
A61L31/12
A61L31/14 400
A61L31/14
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021042223
(22)【出願日】2021-03-16
(65)【公開番号】P2022142170
(43)【公開日】2022-09-30
【審査請求日】2021-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】521111869
【氏名又は名称】高木 剛
(73)【特許権者】
【識別番号】591240685
【氏名又は名称】ハクゾウメディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高木 剛
(72)【発明者】
【氏名】藤本 賢二
(72)【発明者】
【氏名】上本 英次
【審査官】西尾 元宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0030253(US,A1)
【文献】特開2002-078714(JP,A)
【文献】登録実用新案第3173358(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第109310537(CN,A)
【文献】特開2019-076411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/36-13/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トロッカールを経由して体腔内に挿入され、前記体腔内で体腔内臓器等の大きさ、長さを直接的に測定するための、 内視鏡下手術に用いられる医療用器具であって、
本体と、
前記本体の表面に設けられた長さ測定用の目盛りと、
を備え、
前記本体には、前記トロッカールを経由する際に変形させることが可能であるとともに、体液を吸着する材料が用いられる、
医療用器具。
【請求項2】
記本体は、平面視において上底および下底を有する台形形状を有し、
前記本体には、前記上底および前記下底の延びる方向に沿って、前記目盛りが設けられている、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項3】
前記目盛りとして、前記本体に糸が縫製されている、請求項1または請求項2に記載の医療用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡下手術に用いられる医療用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、外科手術において、患者の痛みの低減、入院期間の短縮や傷跡の縮小といったQOL(Quality Of Life)重視の観点から、内視鏡下手術が広く用いられている。内視鏡下手術とは、術者が細い筒(トロッカール)から鉗子を入れ、内視鏡の映像を観察しながら手術を行うものである。この内視鏡下手術は、開腹手術より傷口が小さくて済むことから、患者への負担が少ない。
【0003】
従来、体腔内で体腔内臓器等の大きさ、長さの測定に際しては、手術に使用する縫合糸や体液をふくためのガーゼを測定したい部位にあて、その長さを記録して腹腔外に持ち出し、記録した長さを腹腔外で使用する滅菌メジャーで測定している。また、他の測定方法として、手術で使用する鉗子の先端開口長を利用してその長さを測定している。
【0004】
従来、体腔内で術部の大きさ、長さの測定に用いる器具等に関する先行技術文献は存在しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、体腔内臓器等の大きさ、長さの測定に際しては、腹腔外で間接的に測定することが行なわれ、腹腔外でその都度測定する必要があった。
【0006】
この発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、体腔内で体腔内臓器等の大きさ、長さを直接的に測定することが可能な医療用器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に基づく医療用器具は、内視鏡下手術に用いられる医療用器具であって、本体と、上記本体の表面に設けられた長さ測定用の目盛りとを備える。
【0008】
他の形態における医療用器具は、上記本体は、体液を吸着する材料であり、上記本体は、平面視において上底および下底を有する台形形状を有し、上記本体には、上記上底および上記下底の延びる方向に沿って、上記目盛りが設けられている。
【0009】
他の形態における医療用器具は、上記目盛りとして、上記本体に糸が縫製されている。
【発明の効果】
【0010】
この開示によれば、体腔内臓器等の大きさ、長さを直接的に測定することが可能な医療用器具の提供を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1の医療用器具の正面図である。
図2】実施の形態1の医療用器具の平面図である。
図3】実施の形態1の医療用器具の側面図である。
図4】実施の形態2の医療用器具の正面図である。
図5】実施の形態2の医療用器具の平面図である。
図6】実施の形態2の医療用器具の側面図である。
図7】実施の形態3の医療用器具の正面図である。
図8】実施の形態3の医療用器具の平面図である。
図9】実施の形態3の医療用器具の側面図である。
図10】実施の形態4の医療用器具の正面図である。
図11図10中のXIで囲まれた領域の部分拡大図である。
図12】実施の形態5の医療用器具の正面図である。
図13図12中のXIIIで囲まれた領域の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に基づいた各実施の形態の医療用器具について、以下、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
【0013】
また、図面を用いた説明において、説明の便宜上見える側を表側、隠れる側を裏側と表現しているが、表側はあくまでも一方側であり、裏側は他方側を意味するものであり、表裏の表現に限定して解釈されるものではない。
【0014】
(実施の形態1)
図1から図3を参照して、本実施の形態における医療用器具1Aについて説明する。図1は、実施の形態1の医療用器具1Aの正面図、図2は、平面図、図3は、側面図である。
【0015】
図1から図3を参照して、本実施の形態における医療用器具1Aは、平面視において上底と下底とを有する横長の台形形状を有する本体10を備える。本体10には、例えば、手術中に体液を吸着する部材として、ガーゼが用いられる。ガーゼ以外の吸着材については後述するが、本体10に用いられる材料としては、体液を吸着する機能を有し、トロッカールを通過させるために変形可能な材料であるとよい。
【0016】
本体10は、下底(長辺)側の長さ(W1)は、約20cm、上底(短辺)側の長さ(W2)は、約17cmである。高さ(H1)は、約2cmである。この医療用器具1Aのサイズは一例であり、用途に応じて様々な寸法が用いられる。本体10のガーゼには、綿100%の綿糸を使用した目を粗く織った布状製品が用いられる。
【0017】
本体10の高さ方向の中央位置には、上底および下底の延びる方向(以下、長手方向と称する。)に沿ってX線造影糸14が織り込まれている。X線造影糸14の成分としては、例えば、硫酸バリウム50%(造影剤)、スチレン系エラストマー(固定材)、TET 5MA636 GRN(着色剤:グリーン)が挙げられる。スチレン系エラストマーに代わりポリプロピレンを用いてもよい。色もグリーンに代わり、ブルーを用いてもよい。X線造影糸14の太さも、1mm~6mm程度と用途に適した太さにするとよい。糸種類も、単糸、2本糸、リボン状、撚糸等を用いることができる。
【0018】
さらに、本実施の形態の医療用器具1Aは、本体10の長手方向に沿って、長さ測定用の目盛り12を構成する黒糸が本体10に縫製されている。目盛り12の長さは、15cmである。5mm間隔で、長い目盛りと短い目盛りとが交互に設けられ、目盛りの下端側は、一本の直線により連結されている。目盛りの下端に設けた1本の連結線側が、本体10の下底(長辺)側に位置している。目盛り12を構成する黒糸が本体10に縫製されていることから、本体10の表側および裏側のいずれの側からも同等に視認可能である。
【0019】
本体10が白色であることから、視認視し易くするために目盛り12は黒糸が用いられているが、本体10に対して区別可能な色であれば、目盛り12の色は、他の色であってもよい。目盛り12に用いられる黒糸は、医療用のシルク糸が用いられる。目盛り12に用いられる糸は、生体へ影響が少ない、手術で汎用されているシルク撚糸であればよい。
【0020】
本実施の形態における目盛り12は、5mm単位のメートル法に基づくものであるが、インチ、フィート、ヤード、マイル等の他の長さ単位を用いてもよい。
【0021】
また、目盛り12として糸を縫製した場合を示しているが、印刷により目盛りを施すようにしてもよい。この場合、表側に印刷した場合には、裏側からは視認することはできない。
【0022】
以上、本実施の形態における医療用器具1Aによれば、体腔内臓器等の大きさ、長さを直接的に測定することが可能な医療用器具の提供を可能とする。
【0023】
より具体的には、医療用のガーゼは、どの手術(開腹手術、内視鏡下手術またロボット手術)でも必ず使用する。そのため、体腔内に絶えずガーゼというものが準備されているため、それを有効活用することが可能となる。また、ガーゼならX線確認ができる造影糸が組み込まれているため、体腔内に異物が迷入することがない。
【0024】
ガーゼは血液などの体液吸収のためにも活用できるが、一般的なメジャーでは単なるメジャーにしかならず、その廃棄にあたっても医療廃棄物が増えることに繋がる。他方、本実施の形態における医療用器具1Aによれば、体液吸収とメジャーとの両方の機能を兼ね備えているために、医療廃棄物を増加させることもない。
【0025】
さらに、ガーゼは術者にとって必要不可欠な医療材料であることは一般的に支持され、体腔内臓器を測定するメジャーが必要であることも事実であり、それらを組み合わせることは術者に受入れ易い。
【0026】
また、本実施の形態の医療用器具1Aは、5mmトロッカールから挿入が可能なガーゼであり、トロッカールを経由する際に先端のガーゼの容量を減少させることで物理的にトロッカールへの挿入が容易となる。そのため、本体10を本実施の形態のように台形形状にすることで両端のガーゼ容量を減少させることを可能とする。さらに、医療用器具1Aを用いた体腔内臓器等の測定の際にも、台形形状の底辺(長い方)を下にすれば5mm幅と10mm幅の目盛線が読み易くなる。
【0027】
(実施の形態2)
図4から図6を参照して、本実施の形態における医療用器具1Bについて説明する。図4は、実施の形態2の医療用器具1Bの正面図、図5は、平面図、図6は、側面図である。
【0028】
図4から図6を参照して、本実施の形態における医療用器具1Bの基本的構成は、上記実施の形態1における医療用器具1Aと同じである。相違点は、本実施の形態では、本体10の形態が平行四辺形である。
【0029】
以上、本実施の形態における医療用器具1Bによっても、実施の形態1における医療用器具1Aと同等の作用効果を得ることが可能である。
【0030】
(実施の形態3)
図7から図9を参照して、本実施の形態における医療用器具1Cについて説明する。図7は、実施の形態3の医療用器具1Cの正面図、図8は、平面図、図9は、側面図である。
【0031】
図7から図9を参照して、本実施の形態における医療用器具1Cの基本的構成は、上記実施の形態1における医療用器具1Aと同じである。相違点は、本実施の形態では、本体10の形態が長方形である。
【0032】
以上、本実施の形態における医療用器具1Cによっても、基本的には実施の形態1における医療用器具1Aと同等の作用効果を得ることが可能である。
【0033】
上記実施の形態では、本体10の形態が台形、平行四辺形および長方形について説明しているが、これらの形態に限定されるものではない。その他の形態として、円形、楕円形、三角形、五角形その他の多角形の形態を採用することも可能である。
【0034】
(他の形態に用いられる本体10)
ここで、本体10について説明する。まず、医療ガーゼが挙げられる。この医療ガーゼは、出血の抑制、液の吸収、擦過傷、乾燥又は汚染からの器官の保護のため、外科切開口、他の皮膚創傷又は内部構造に適用することを目的とする器具をいう。たとえば、ハクゾウメディカル株式会社製の製品名「エレファーゼ」等が該当する。
【0035】
X線造影材入りガーゼも挙げられる。このX線造影材入りガーゼは、出血の抑制、液の吸収、又は擦過傷、乾燥、汚染からの器官の保護を目的として、身体内部又は外科切開部に用いる綿又はセルロース製の薬品を含まない吸収材料をいう。X線を検知できる成分を用いている。たとえば、ハクゾウメディカル株式会社製の製品名「オペガーゼG」等が該当する。
【0036】
他の部材として、X線造影材入りスポンジ、開腹術用スポンジ、綿状パッド、医療用不織布、医科用捲綿子、吸収性ガーゼ、および、内視鏡用起子及び剥離子等が挙げられる。
【0037】
X線造影材入りスポンジは、出血の抑制、液の吸収、擦過傷、乾燥又は汚染からの器官の保護のため、外科切開口、他の皮膚創傷又は内部構造に適用することを目的とする。X線で検知可能な成分を含有する器具をいう。たとえば、ハクゾウメディカル株式会社製の製品名「ハクゾウ滅菌ラパットG」等が挙げられる。
【0038】
開腹術用スポンジは、出血の抑制、液の吸収及び器官の擦過傷防止のため開腹術中に身体内部で用いる器具をいう。たとえば、ハクゾウメディカル株式会社製の製品名「滅菌エレファスポンジ」等が挙げられる。
【0039】
綿状パッドは、神経組織の保護、液の吸収、又は止血のために手術中に用いるコットン又は合成繊維等のパッドをいう。たとえば、ハクゾウメディカル株式会社製の製品名「ディオシート」等が挙げられる。
【0040】
医療用不織布は、創傷又は外科切開部を処置するために用いる不織布から成る被覆・保護材をいう。たとえば、ハクゾウメディカル株式会社製の製品名「エレファクロスラグゼ」等が挙げられる。
【0041】
医科用捲綿子は、身体の一部及び体内で薬剤を塗布すること、治療を適用すること、若しくは検査のための試料を採取すること、又は体内に装着した機械器具の清掃を体組織に触れうる方法で行うことを目的とした器具をいう。たとえば、ハクゾウメディカル株式会社製の製品名「ドクターヒュービーポートクリーナー」等が挙げられる。
【0042】
吸収性ガーゼは、手術中に使用して身体に吸収することを目的とする、酸化セルロースから成る軽く織目の粗い滅菌ガーゼをいう。
【0043】
内視鏡用起子及び剥離子は、内視鏡治療で専用の内視鏡と共に用いるもので、シャフト先端部にスワブ(折り畳んだガーゼ又は綿製の吸収性パッド)が付いた器具をいう。たとえば、ハクゾウメディカル株式会社製の製品名「ドクターヒュービーマイクロ」等が挙げられる。
【0044】
(実施の形態4)
次に、図10および図11を参照して、本実施の形態における医療用器具100について説明する。図10は、実施の形態4の医療用器具100の正面図、図11は、図10中のXIで囲まれた領域の部分拡大図である。
【0045】
上記実施の形態1から3に示した医療用器具1A~1Cの本体10は、体液を吸着するものに目盛りを設ける構成について説明しているが、必ずしも体液を吸着するものでなくてもよい。本実施の形態における医療用器具100は、医療用剥離子に目盛りを設けるようにしたものである。
【0046】
図10および図11を参照して、この医療用器具100は、医療用剥離子であり、一方端にハンドルが設けられた軸部110と、この軸部110の他端側に設けられたバルーン120とを有する。この医療用剥離子は、内視鏡下手術時の臓器圧排・癒着剥離に用いられる装置である。先端に設けられるバルーン120は、図示においては、拡張した状態を示している。このような医療用剥離子は、株式会社八光製の製品名「キャットハンド」等が挙げられる。
【0047】
本実施の形態における医療用器具100において、臓器圧排・癒着剥離を行なうバルーン120の表面に、長さ測定用の目盛り112が設けられている。本実施の形態では、目盛り112は、軸部110が延びる方向に対して交差する方向に設けられているが、軸部110が延びる方向に対して並行となる方向に設けてもよい。
【0048】
このように、内視鏡下手術に用いられる医療用剥離子に長さ測定用の目盛り112を設けることによっても体腔内臓器等の大きさ、長さを直接的に測定することが可能となる。
【0049】
(実施の形態5)
次に、図12および図13を参照して、本実施の形態における医療用器具200について説明する。図12は、実施の形態5の医療用器具200の正面図、図13は、図12中のXIIで囲まれた領域の部分拡大図である。
【0050】
本実施の形態の医療用器具200も、上記実施の形態の医療用器具100と同様に、体液を吸着するものでなく、臓器固定器に目盛りを設けるようにしたものである。臓器固定器は、一方の端に紐又はコードの付いた幅広の薄く平坦なパット又はネットをいい、多くは柔軟なプラスチック製である。
【0051】
臓器固定器は、器官を適所に保持するために使用され、一時的に手術部位内に植込まれる場合もある。本品は単回使用である。たとえば、オオサキメディカル株式会社製の製品名「滅菌オオサキ臓器固定器X-A」等が挙げられる。
【0052】
図12および図13を参照して、この医療用器具200は、臓器固定器であり、たとえば、内視鏡下手術において、肝臓を持ち上げて圧排にする際に用いられる。このような臓器固定器については、たとえば、特開2012-228282号公報に開示されていいる。
【0053】
医療用器具200は、シート状本体201に、5本の糸203,204,208,209,212が固定されている。シート状本体201は、下端側に横方向に延びる帯状部202が設けられ、この帯状部202から、二股部207を有する左方向に延びる第1片部206および右方向に延びる第2片部211が設けられている。
【0054】
本実施の形態においては、帯状部202の一端側の表面に長さ測定用の目盛り232が設けられている。目盛り232を設ける位置は、あくまでも一例であり、帯状部202の他端側の表面に目盛り232を設けてもよい。また、第1片部206および第2片部211に設けてもよい。
【0055】
このように、内視鏡下手術に用いられる臓器固定器に長さ測定用の目盛り232を設けることによっても体腔内臓器等の大きさ、長さを直接的に測定することが可能となる。
【0056】
なお、上記医療用剥離子および臓器固定器も、内視鏡下手術に用いられる医療用器具の一例であって、その他の内視鏡下手術に用いられる医療用器具に対して目盛りを設けるようにすることで、体腔内臓器等の大きさ、長さを直接的に測定することを可能とする。
【0057】
以上、各実施の形態において本開示の医療用器具について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1A,1B,1C,100,200 医療用器具、10 本体、12,112,232 目盛、14 X線造影糸、110 軸部、120 バルーン、201 シート状本体、202 帯状部、203,204,208,209,212 糸、207 二股部、206 第1片部、211 第2片部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13