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特許7175483位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置及び方法
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  • 特許-位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/26 20060101AFI20221114BHJP
   G02B 6/32 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
G02B6/26
G02B6/32
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021536137
(86)(22)【出願日】2019-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 CN2019103126
(87)【国際公開番号】W WO2020043142
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】201810997722.7
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513314104
【氏名又は名称】中国科学院上海光学精密机械研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】521085087
【氏名又は名称】上海中科神光光▲電▼▲産▼▲業▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】侯 培培
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 建鋒
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼ 智勇
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲ユ▼
(72)【発明者】
【氏名】汪 逸群
(72)【発明者】
【氏名】王 利娟
(72)【発明者】
【氏名】奚 越力
【審査官】野口 晃一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05062150(US,A)
【文献】特開2015-065492(JP,A)
【文献】特開2004-159032(JP,A)
【文献】TOYOSHIMA, Morio,Maximum fiber coupling efficiency and optimum beam size in the presence of random angular jitter for free-space laser systems and their applications,Journal of Optical Society America A,米国,Optical Society of America,2006年09月,Vol.23, No.9,pp. 2246-2250
【文献】GAO et al.,Coupling Method for Making Space Light into Single-Mode Fiber Based on Laser Nutation,Chinese Journal of Lasers,中国,Chinese Laser Press,2016年08月,Vol. 43, No.8,pp. 0801001-1~0801001-8,doi:10.3788/CJL201643.0801001
【文献】ZHAO et al.,Analysis of detection error for spot position in fiber nutation model,Chinese Optics Letters,中国,Chinese Laser Press,2020年02月08日,Vol. 18, No. 2,pp. 020604-1~020604-5,doi:10.3788/COL202018.020604
【文献】JIN et al.,Research on Nutation Coupling of Single-Mode Fiber Based on Peak Power Feedback,Chinese Journal of Lasers,中国,Chinese Laser Press,2020年11月,vol. 47, No. 11,pp. 1106003-1~1106003-8,doi:10.3788/CJL202047.1106003
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/26-6/27
6/30-6/34
6/42-6/43
26/00-26/08
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
Scopus
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイバーカプラーと2次元高速走査ガルバノメーターとを含む装置に適用される位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング方法であって、少なくとも、
ファイバーカプラーは、増幅された直交正弦信号の作用下で章動され、2次元高速走査ガルバノメーターは、定圧下でx方向とy方向との二つのプリセット位置に偏向され、各位置の出力カップリング光パワーを別々収集し、光パワーに応じて、空間光のスポットの、ファイバーカプラーの章動による章動円周上のx方向及びy方向におけるx軸の軌跡及びy軸の軌跡を獲得するステップS002と、
ファイバーカプラーは、増幅された直交正弦信号の作用下で章動され、プリセット章動サイクルごとに、一つの光パワー信号を収集し、収集された光パワー信号とそれに対応する座標値に従って位置誤差信号を取得するステップS003と、
位置誤差信号に応じて光路を調整し、安定した光軸を獲得するステップS004とを含むことを特徴とする、前記位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング方法。
【請求項2】
前記ステップS002の前に、
カップリングモデルパラメータを取得するステップS001をさらに含み、
前記ステップS001は、少なくとも、
2次元高速走査ガルバノメーターは、y方向で静止状態を保ち、x方向で三角波スキャンを実行して、ファイバーカプラーの光パワー信号を収集し、2次元高速走査ガルバノメーターは、x方向で静止状態を保ち、y方向で三角波スキャンを実行して、ファイバーカプラーの光パワー信号を収集するステップS001aと、
ステップS001aで2回収集された光パワー信号と各信号点に対応する2次元高速走査ガルバノメーターの位置信号とを方程式に代入して、カップリングモデルパラメータを求めるステップS001bとを含むことを特徴とする
請求項1に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング方法。
【請求項3】
前記ステップS001の後とステップS002の前との間は、
信号送信モジュールを制御して直交される二つの正弦信号を送信するステップS002aと、
駆動信号制御ボードは、入力された信号を四つの2行2列の増幅された直交正弦信号に分割するステップS002bと、
駆動信号制御ボードは、電線を通じてファイバーカプラーに信号をロードし、ファイバーカプラーは、増幅された直交正弦信号の作用下で章動されるステップS002cとを含むことを特徴とする
請求項2に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング方法。
【請求項4】
前記ステップS002aにおいて、信号送信モジュールによって送信される正弦信号は、振幅の値が1V~2.5Vの範囲内であり、周波数が1kHz~5kHzの範囲内であることを特徴とする
請求項3に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング方法。
【請求項5】
前記ステップS002cにおいて、駆動信号制御ボードは、電圧を100V~200Vに増幅することを特徴とする
請求項3に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング方法。
【請求項6】
前記ステップS003は、
信号送信モジュールを制御して、二つの直交正弦信号を送信するステップS003aと、
駆動信号制御ボードは、入力された信号を四つの2行2列の増幅された直交正弦信号に分割するステップS003bと、
駆動信号制御ボードは、電線を通じてファイバーカプラーに信号をロードし、ファイバーカプラーは、増幅された直交正弦信号の作用下で章動されるステップS003cと、
章動サイクルの四分の一ごとに、一つの光パワー信号を収集するステップS003dと、
収集された光パワー信号及びそれに対応する座標値を方程式に代入して、位置誤差信号を得るステップS003eとのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする
請求項1に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング方法。
【請求項7】
解いて得られるx軸の軌跡は、
【数1】

であり、y軸の軌跡は、
【数2】

であり、ここで、x、xは、x方向の二つのプリセット位置のx座標であり、y、yは、y方向の二つのプリセット位置のy座標であり、ωは、カップリングモデルパラメータであり、Poutxは、x位置に対応する出力光パワーであり、Poutxは、x位置に対応する出力光パワーであり、Poutyは、y位置に対応する出力光パワーであり、Poutyは、y位置に対応する出力光パワーであることを特徴とする
請求項1に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング方法。
【請求項8】
誤差位置は、
【数3】

であり、ここで、Rxは、軌跡上のx方向のx座標であり、Ryは、軌跡上のy方向の座標であり、ωは、カップリングモデルパラメータであり、Poutxは、Rx位置に対応する出力光パワーであり、Poutxは、Rx位置に対応する出力光パワーであり、Poutyは、y位置に対応する出力光パワーであり、Poutyは、Ry位置に対応する出力光パワーであることを特徴とする
請求項1に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング方法。
【請求項9】
ステップS003またはステップS002の前に、
2次元高速走査ガルバノメーターの遅延を較正するステップS000をさらに含み、
前記ステップS000は、具体的には、
高速ミラーのX方向とY方向とにそれぞれ正弦信号K=sin(θ)をロードするステップS000aと、
ファイバーが章動されない場合、高速ミラーのスキャンでファイバーニューテーターによって出力される正弦光パワーG=sin(θ)を計算するステップS000bと、
KとGとの間の位相差Δ=θ-θを計算することによって、高速ミラーの遅延時間を得ることができるステップS000cとを含むことを特徴とする
請求項1に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング方法。
【請求項10】
位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置であって、
レーザー(01)と、ビームコリメータ(02)と、2次元高速走査ガルバノメーター(03)と、収束レンズグループ(04)と、ファイバーカプラー(05)と、駆動信号制御ボード(06)と、信号送信モジュール(07)と、ブリッジ(08)と、探知機(09)と、データ収集ボード(10)とを含み、
前記レーザー(01)は、ファイバーを介して、ビームコリメータ(02)のポートに接続され、ビームコリメータ(02)の出力光は、45度の角度で2次元高速走査ガルバノメーター(03)に入射し、2次元高速走査ガルバノメーター(03)によって反射されるビームは、収束レンズグループの光学中心に平行して、収束レンズグループ(04)に入射され、収束レンズグループ(04)の出力ビームの焦点は、ファイバーカプラー(05)の端面に入射され、信号送信モジュール(07)によって送信される信号は、同軸ケーブルを介して、駆動信号制御ボード(06)に伝達され、駆動信号制御ボード(06)は、電線を通じてファイバーカプラー(05)に信号をロードし、ファイバーカプラー(05)によってカップリングされる光パワーは、ファイバーを通じてブリッジ(08)に入り、ブリッジ(08)の光信号は、ファイバーを通じて探知機(09)に入り、探知機(09)の電気信号は、同軸線を通じてデータ収集ボード(10)に入ることを特徴とする、前記位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置。
【請求項11】
前記ファイバーカプラー(05)は、ファイバー(11)と、圧電セラミックチューブ(12)とを含むことを特徴とする
請求項10に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置。
【請求項12】
前記ファイバー(11)は、圧電セラミックチューブ(12)内を通過して、圧電セラミックチューブ(12)に固定されることを特徴とする
請求項11に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置。
【請求項13】
前記圧電セラミックチューブ(12)は、四つの電極領域(13)を含み、四つの電極領域(13)には、それぞれ電線(14)が溶接されていることを特徴とする
請求項12に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置。
【請求項14】
前記信号送信モジュール(07)は、信号発生器であることを特徴とする
請求項10に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置。
【請求項15】
前記駆動信号制御ボード(06)は、電圧増幅器であることを特徴とする
請求項10に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置。
【請求項16】
請求項1乃至8のいずれか1つに記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング方法を実行するように構成されていることを特徴とする、位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置。
【請求項17】
前記ファイバーカプラーは、ファイバーと、圧電セラミックチューブと、カップリングベースと、電線とを含み、
前記ファイバーの構造は、キャピラリーフェルール構造であり、
前記圧電セラミックチューブの外側部分は、複数のストリップ電極領域に分割され、領域の間は、絶縁され、
前記カップリングベースは、穴を有し、
前記ファイバーは、圧電セラミックチューブに埋め込まれ、圧電セラミックチューブのボトムは、カップリングベースに固定され、ベース部分に近い圧電セラミックチューブの各電極領域は、一本の電線を引き出し、電線の他端は、ベースの穴を通過することを特徴とする
請求項10に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置。
【請求項18】
前記ファイバーの一端の端面は、エンドキャップを有し、高透過率のフィルムでコーティングされることを特徴とする
請求項17に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置。
【請求項19】
前記ストリップ電極領域の数は、四つであることを特徴とする
請求項17に記載の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動追跡機能を備えた空間光とファイバー光との常により高いカップリング效率を実現することができ、高速化、小型化、軽量化、及び低電力の長距離スペースコヒーレントレーザー通信の一つの重要な技術である、位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光との高効率カップリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報キャリアとして、レーザービームの自由スペースレーザー通信の高周波数と、良好なスペースと時間のコヒーレンスと、狭い発射ビームとは、マイクロ波通信の難題を解決し、宇宙ベースのブロードバンドネットワークを構築し、グローバルな高速とリアルタイム通信とを実現する効果的な手段であり、大きな民間及び軍事用途の可能性を有する。
【0003】
スペースコヒーレントレーザー通信は、自由スペースの長距離通信でGbit/sを超えるデータ伝送速度を実現する唯一の技術的手段である。セルフダインとヘテロダインの探知方式に基づくコヒーレントレーザーは、より高い探知感度を有し、高速化、小型化、軽量化、及び低電力の長距離レーザー通信端末を実現する重要なシステムである。コヒーレントレーザー通信のセルフダイン探知方式は、スペースレーザーをシングルモードファイバーにカップリングする必要がある。従って、スペースレーザーとシングルモードファイバーとのカップリング、及びスペースレーザーとスペースレーザーとのカップリングは、常により高いカップリング效率を有し、高速化、小型化、軽量化、及び低電力の長距離スペースコヒーレントレーザー通信を重要な技術である。
【0004】
コヒーレントレーザー通信DPSKリンクのスペースレーザーとファイバー光とは、位置探知機なしで光軸安定化される方法は、スペースレーザーのカップリング效率を効果的に向上させ、高速スペースレーザーコヒーレント通信技術の新たな探索であり、中国の衛星対地上通信端末の開発にとって非常に重要である。先行の解決策は、次の文献のとおりである。(1)、豊嶋守生「Maximum fiber coupling efficiency and optimum beam size in the presence of random angular jitter for free-space laser systems and their applications,」J.Opt.Soc.Am.A,2006,23(9)、(2)Jianqiu Gao、Jianfeng Sun、Jiawei Li、Ren Zhu、Peipei Hou、Weibiao Chen、「レーザー章動に基づく空間光とシングルモードファイバーのカップリング方法」、「中国レーザー」2016,43(8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、システムの自動追跡機能を実現することができる、位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光との高効率カップリング装置及び方法を提供することである。基本的な精神は、まず、モードフィールドのマッチングとフィッティングとを介して、カップリング效率モデルパラメータを計算し、次に、ファイバー章動の原理に従って、4点追跡アルゴリズムを使用してファイバー章動軌跡を計算し、最後に、章動軌跡を使用して中心点の位置偏差を計算し、位置偏差を補正することにより、光軸安定化を保証し、常により高いカップリング效率を有することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術的解決策は、次のとおりである。
【0007】
ファイバーカプラーと2次元高速走査ガルバノメーターとを含む装置に適用される、位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング方法は、少なくとも、
ファイバーカプラーは、増幅された直交正弦信号の作用下で章動され、2次元高速走査ガルバノメーターは、定圧下でx方向とy方向との二つのプリセット位置に偏向され、各位置の出力カップリング光パワーを別々収集し、光パワーに応じて、章動円周上のx軸とy軸との軌跡を獲得するステップS002と、
ファイバーカプラーは、増幅された直交正弦信号の作用下で章動され、プリセット章動サイクルごとに、一つの光パワー信号を収集し、収集された光パワー信号とそれに対応する座標値に従って位置誤差信号を取得するステップS003と、
位置誤差信号に応じて光路を調整し、安定した光軸を獲得するステップS004とを含むことを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記ステップS002の前に、
カップリングモデルパラメータを取得するステップS001をさらに含み、
前記ステップS001は、少なくとも、
2次元高速走査ガルバノメーターは、y方向で静止状態を保ち、x方向で三角波スキャンを実行して、ファイバーカプラーの光パワー信号を収集し、2次元高速走査ガルバノメーターは、x方向で静止状態を保ち、y方向で三角波スキャンを実行して、ファイバーカプラーの光パワー信号を収集するステップS001aと、
S001aで2回収集された光パワー信号と各信号点に対応する2次元高速走査ガルバノメーターの位置信号とを方程式に代入して、カップリングモデルパラメータを求めるステップS001bとを含む。
【0009】
好ましくは、前記ステップS001の後とステップS002の前との間は、
信号送信モジュールを制御して直交される二つの正弦信号を送信するステップS002aと、
駆動信号制御ボードは、入力された信号を四つの2行2列の増幅された直交正弦信号に分割するステップS002bと、
駆動信号制御ボードは、電線を通じてファイバーカプラーに信号をロードし、ファイバーカプラーは、増幅された直交正弦信号の作用下で章動されるステップS002cとを含む。
【0010】
好ましくは、前記ステップS003は、
信号送信モジュールを制御して、二つの直交正弦信号を送信するステップS003aと、
駆動信号制御ボードは、入力された信号を四つの2行2列の増幅された直交正弦信号に分割するステップS003bと、
駆動信号制御ボードは、電線を通じてファイバーカプラーに信号をロードし、ファイバーカプラーは、増幅された直交正弦信号の作用下で章動されるステップS003cと、
章動サイクルの四分の一ごとに、一つの光パワー信号を収集するステップS003dと、
収集された光パワー信号及びそれに対応する座標値を方程式に代入して、位置誤差信号を得るステップS003eとのうちの少なくとも一つを含む。
【0011】
好ましくは、ステップS002aにおいて、信号発生器を駆動して送信される正弦信号は、振幅の値が1V~2.5Vの範囲内であり、周波数が1kHz~5kHzの範囲内である。
【0012】
好ましくは、ステップS002cにおいて、電圧増幅器は、電圧を100V~200Vに増幅する。
【0013】
好ましくは、解いて得られるx軸の軌跡は、
【0014】
【数1】
【0015】
であり、y軸の軌跡は、
【0016】
【数2】
【0017】
であり、ここで、x、xは、x方向の二つのプリセット位置のx座標であり、y、yは、y方向の二つのプリセット位置のy座標であり、ωは、カップリングモデルパラメータであり、Poutxは、x位置に対応する出力光パワーであり、Poutxは、x位置に対応する出力光パワーであり、Poutyは、y位置に対応する出力光パワーであり、Poutyは、y位置に対応する出力光パワーである。
【0018】
好ましくは、誤差位置は、
【0019】
【数3】
【0020】
であり、ここで、Rxは、軌跡上のx方向のx座標であり、Ryは、軌跡上のy方向の座標であり、ωは、カップリングモデルパラメータであり、Poutxは、Rx位置に対応する出力光パワーであり、Poutxは、Rx位置に対応する出力光パワーであり、Poutyは、y位置に対応する出力光パワーであり、Poutyは、Ry位置に対応する出力光パワーである。
【0021】
好ましくは、ステップS003またはステップS002の前に、
2次元高速走査ガルバノメーターの遅延を較正するステップS000をさらに含み、
ステップS000は、具体的には、
高速ミラーのX方向とY方向とにそれぞれ正弦信号K=sin(θ)をロードするステップS000aと、
ファイバーが章動されない場合、高速ミラーのスキャンでファイバーニューテーターによって出力される正弦光パワーG=sin(θ)を計算するステップS000bと、
KとGとの間の位相差Δ=θ-θを計算することによって、高速ミラーの遅延時間を得ることができるステップS000cとを含む。
【0022】
本発明は、上記位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング方法を含む、位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置をさらに提供する。
【0023】
本発明は、レーザー(01)と、ビームコリメータ(02)と、2次元高速走査ミラー(03)と、収束レンズグループ(04)と、ファイバーカプラー(05)と、駆動信号制御ボード(06)と、信号送信モジュール(07)と、ブリッジ(08)と、探知機(09)と、データ収集ボード(10)とを含む、位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置を提供し、
前記レーザー(01)は、ファイバーを介して、ビームコリメータ(02)のポートに接続され、ビームコリメータ(02)の出力光は、45度の角度で2次元高速走査ガルバノメーター(03)に入射し、2次元高速走査ガルバノメーター(03)によって反射されるビームは、収束レンズグループの光学中心に平行して、収束レンズグループ(04)に入射され、収束レンズグループ(04)の出力ビームの焦点は、ファイバーカプラー(05)の端面に入射され、信号送信モジュール(07)によって送信される信号は、同軸ケーブルを介して、駆動信号制御ボード(06)に伝達され、駆動信号制御ボード(06)は、電線を通じてファイバーカプラー(05)に信号をロードし、ファイバーカプラー(05)によってカップリングされる光パワーは、ファイバーを通じてブリッジ(08)に入り、ブリッジ(08)の光信号は、ファイバーを通じて探知機(09)に入り、探知機(09)の電気信号は、同軸線を通じてデータ収集ボード(10)に入る。
【0024】
好ましくは、ファイバーカプラー(05)は、ファイバー(11)と、圧電セラミックチューブ(12)とを含む。
【0025】
好ましくは、ファイバー(11)は、圧電セラミックチューブ(12)内を通過して、圧電セラミックチューブ(12)に固定される。
【0026】
好ましくは、圧電セラミックチューブ(12)は、四つの電極領域(13)を含み、四つの電極領域(13)には、それぞれ電線(14)が溶接されている。
【0027】
好ましくは、信号送信モジュール(07)は、信号発生器である。
【0028】
好ましくは、駆動信号制御ボード(06)は、電圧増幅器である。
【0029】
本発明は、ファイバーカプラーをさらに提供し、
ファイバーと、圧電セラミックチューブと、カップリングベースと、電線とを含み、
前記ファイバーの構造は、キャピラリーフェルール構造であり、
前記圧電セラミックチューブの外側部分は、いくつかのストリップ電極領域に分割され、領域の間は、絶縁され、
前記カップリングベースは、穴を有し、
前記ファイバーは、圧電セラミックチューブに埋め込まれ、圧電セラミックチューブのボトムは、カップリングベースに固定され、ベース部分に近い圧電セラミックチューブの各電極領域は、一本の電線を引き出し、電線の他端は、ベースの穴を通過することを特徴とする。
【0030】
好ましくは、ファイバーの一端の端面は、エンドキャップを有し、高透過率のフィルムでコーティングされる。
【0031】
好ましくは、圧電セラミックチューブの外部のストリップ電極領域の数は、四つである。
【0032】
具体的に、上記方程式及びその導出プロセスは、次のとおりである。
【0033】
1)カップリングモデルパラメータの解:
ファイバーカップリング效率モデルに基づくと、
【0034】
【数4】
【0035】
スポットの位置が(x、y11)、(x、y22)、(x、y33)、(x、y44)である場合、ファイバーカップリングモデルの方程式は、
【0036】
【数5】
【0037】
に記述することができ、方程式(2)から方程式(3)を引き、方程式(4)から方程式(5)を引き、
モデルの解は、
【0038】
【数6】
【0039】
であり、方程式(6)は、方程式(7)と連立される。
【0040】
【数7】
【0041】
【数8】
【0042】
【数9】
【0043】
のため、方程式(8)を方程式(9)に代入して、カップリングモデルパラメータを獲得することができる。
【0044】
2)軌跡の解
高速ミラーを使用して、二つの独立した位置(x、y)と(x、y)とで入射スポットのx軸を制御し、同時に、二つの状態のそれぞれ出力光パワー値を記録する。
【0045】
【数10】
【0046】
対数を取って、減算する。
【0047】
【数11】
【0048】
【数12】
【0049】
同様に、y軸の軌跡を得ることができる。
【0050】
【数13】
【0051】
3)誤差の解:
図5に示されたように、章動軌跡Rx、Rx、Ry、及びRyでの受信光の強度値Px、Px、Py、及びPyを記録する。
【0052】
【数14】
【0053】
方程式(14)から方程式(15)を引き、方程式(16)から方程式(17)を引く。
【0054】
【数15】
【発明の効果】
【0055】
上記のように、本発明によって提供される位置探知機なしで光軸が安定化が実現される空間光とファイバー光との高効率カップリング装置及び方法は、次のような有益な効果を有す。
【0056】
(1)本発明は、位置探知機なしで、光軸が安定化される空間光とファイバー光との高效率カップリングを実現する。
【0057】
(2)本発明は、外部からの提供なしで、カップリングモデルパラメータを独立して求めることができる。
【0058】
(3)本発明は、構造が簡単し、性能が安定して信頼でき、容易に統合する。
【0059】
(4)本発明は、高いカップリング效率を獲得することができ、背景光をフィルタリングする強力な能力を有し、干渉防止能力をさらに向上することができ、比較的に優秀な空間光通信伝送チャネルを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】本発明によって提供される位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光との高効率カップリング方法のステップ模式図である。
図2】本発明によって提供される位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光との高効率カップリング装置の模式図である。
図3】本発明で使用されるファイバーカプラーとカップリングレンズとの接続構造の模式図である。ファイバーカプラーのシャーシと収束レンズグループとは、一つのレンズバレルに固定され、ファイバーの端面は、レンズグループの焦点に位置される。
図4】本発明で使用されるファイバーカプラーの構造模式図である。ファイバーは、キャピラリーフェルール構造でセラミックチューブに入る。セラミックチューブのボトムは、シャーシに固定され、カンチレバー構造を形成し、セラミックチューブの周囲は、四つの電極領域に分割され、ベースに近い電極領域の位置には、四本の電線が引き出され、電線は、ベースを通過して外部の駆動信号制御ボードに接続される。
図5】ファイバーカップリングモデルを示す。図面において、01:レーザー02:ビームコリメータ03:2次元高速走査ミラー04:収束レンズグループ05:ファイバーカプラー06:駆動信号制御ボード07:信号送信モジュール08:ブリッジ09:探知機10:データ収集ボード11:ファイバーカプラー12:収束レンズグループ13:レンズバレル14:レンズバレル支座15:圧電セラミックチューブ16:カップリングベース17:電線18:ファイバー
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下の特定の具体的な実施例は、本発明の実施形態を説明し、当業者は、本明細書に開示される内容から、本発明の他の利点及び効果を容易に理解することができる。
【0062】
本明細書の添付の図面に示される構造、比率、サイズ等は、本技術に精通している人々が理解及び読むように本明細書に開示される内容と一致するためにのみ使用され、本発明の実施可能な制限条件を制限しないため、技術的な実質意味がないことに留意されたいし、任意の構造の変更、比率関係の変更またはサイズの調整は、本発明によって生成することができる効果及び目的に影響を与えることがない場合、本発明に開示される記述的内容の範囲内に依然として含まれるべきである。同時に、本明細書で使用される「上」、「下」、「左」、「右」、「中間」及び「一つ」等の用語は、説明の便宜上のものであり、本発明の実施可能な範囲、その相対関係の変更または調整は、技術的内容を実質的に変更することがない場合、本発明の実施可能な範囲と見なされるものとする。以下では、図面と併せて、本発明の位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光との高効率カップリングの方法をさらに説明するが、本発明の保護範囲は、これによって制限されるべきではない。
【0063】
実施例1
本発明は、位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光との高効率カップリング方法を提供し、その具体的なステップの詳細は、図1に示されたようである。具体的に、次のような四つのステップを含む。
【0064】
ステップS001:カップリングモデルパラメータを取得する。
【0065】
レーザー(01)によって発射される1550nmのレーザー光は、ファイバーを通じて、ビームコリメータ(02)に入り、ビームコリメータ(02)の出力光は、45度の角度で2次元高速走査ガルバノメーター(03)に入射し、2次元高速走査ガルバノメーター(03)によって反射されるビームは、収束レンズグループ(04)に平行に入射し、収束レンズグループ(04)の出力ビームの焦点は、ファイバーカプラー(05)の端面に入射し、ファイバーカプラー(05)に信号を追加しない場合、2次元高速走査ガルバノメーター(03)は、y方向で静止状態を保ち、x方向で振幅が300mvで周波数が2Hzである三角波スキャンを行い、ファイバーカプラー(03)の光パワー信号を収集し、収集されるデータの長さは、10^6であり、同様に、2次元高速走査ガルバノメーター(03)は、x方向で静止状態を保つ場合、y方向で振幅が300mvで周波数が2Hzである三角波スキャンを行い、ファイバーカプラー(05)の光パワー信号を収集する。2次元高速走査ガルバノメーター(03)の正弦信号は、つまり、スポットの位置座標に対応し、2回に収集された光パワー信号の各点に対応する2次元高速走査ガルバノメーター(03)の位置信号を方程式(1)と(2)とに代入し、
【0066】
【数16】
【0067】
方程式(3)を得る。
【0068】
【数17】
【0069】
【数18】
【0070】
のため、方程式(3)を方程式(4)に代入して、カップリングモデルパラメータωを獲得することができる。
【0071】
ステップS000:2次元高速走査ガルバノメーターの遅延を較正する。
【0072】
2次元高速走査ガルバノメーター(03)自体に時間遅延が存在する可能性があるため、位置誤差を計算する前に、まず2次元高速走査ガルバノメーターの遅延を較正する必要がある。
【0073】
高速ミラーのX方向とY方向とに、それぞれ正弦信号をロードする。
K=sin(θ
【0074】
ファイバーニューテーターが章動されない場合、ファイバーニューテーターは、高速ミラーのスキャンにより正弦光パワーを出力する。
G=sin(θ
【0075】
KとGとの間の位相差△=θ-θを計算することによって、高速ミラーの遅延時間を得ることができる。
【0076】
例えば、高速ミラーのX方向には、周波数が20Hzであり、振幅が50mvである正弦信号がロードされる。
K=sin(θ
【0077】
ファイバーニューテーターが章動されない場合、ファイバーニューテーターは、高速ミラーのスキャンにより正弦光パワーを出力する。
G=sin(θ
【0078】
採用率が2.5e^5であるオシロスコープを介してKとGとの信号を収集し、時間ドメインのKとGとの信号を周波数ドメインに転換し、ゼロを追加し、つまり、
K1=fft(K、10^7)
G1=fft(G、10^7)
【0079】
周波数ドメインの信号K1とG1との最大周波数をそれぞれ計算し、最大周波数に対応する角度が位相である。
K2=angle(K1(max))
G2=angle(G1(max))
【0080】
周波数ドメインの位相差は、時間ドメインの時間差であるため、高速ミラーの遅延時間は、次のようになる。
T=K2-G2
【0081】
ステップS002:座標軸の軌跡を取得する。
【0082】
レーザー(01)によって発射される1550nmのレーザー光は、ファイバーを通じて、ビームコリメータ(02)に入り、ビームコリメータ(02)の出力光は、45度の角度で2次元高速走査ガルバノメーター(03)に入射し、2次元高速走査ガルバノメーター(03)によって反射されるビームは、収束レンズグループ(04)に平行に入射し、収束レンズグループ(04)の出力ビームの焦点は、ファイバーカプラー(05)の端面に入射し、信号送信モジュール(07)は、信号振幅の値が2.1Vで周波数が2kHzである直交正弦信号を送信し、信号送信モジュール(07)によって送信される信号は、同軸ケーブルを介して、駆動信号制御ボード(06)に伝達され、駆動信号制御ボード(06)は、信号を四つの2行2列の直交正弦信号に分割し、同時に、電圧を100Vに増幅し、電線を通じてファイバーカプラー(05)に信号をロードし、ファイバーカプラー(05)は、増幅された直交正弦信号の作用下で章動される。定圧下で、2次元高速走査ガルバノメーター(03)は、x方向で+10mvと-10mvとに偏向され、それぞれ二つの位置の出力カップリング光パワーを収集し、つまり、x軸の二つの独立位置(x、y)と(x、y)とで二つの状態の入射スポットの出力光パワー値を記録し、方程式(5)と(6)とに代入する。
【0083】
【数19】
【0084】
対数を取り、減算する。
【0085】
【数20】
【0086】
x軸の軌跡を得る。
【0087】
【数21】
【0088】
同様に、y軸の軌跡を得ることができる。
【0089】
【数22】
【0090】
ステップS003:位置誤差を取得する。
【0091】
レーザー(01)によって発射される1550nmのレーザー光は、ファイバーを通じて、ビームコリメータ(02)に入り、ビームコリメータ(02)の出力光は、45度の角度で2次元高速走査ガルバノメーター(03)に入射し、2次元高速走査ガルバノメーター(03)によって反射されるビームは、収束レンズグループ(04)に平行に入射し、収束レンズグループ(04)の出力ビームの焦点は、ファイバーカプラー(05)の端面に入射し、信号送信モジュール(07)は、信号振幅の値が2.1Vで周波数が2kHzである二つの直交正弦信号を送信し、信号送信モジュール(07)によって送信される信号は、同軸ケーブルを介して、駆動信号制御ボード(06)に伝達され、駆動信号制御ボード(06)は、二つの信号を四つの2行2列の直交正弦信号に分割し、同時に、電圧を100Vに増幅した後、電線を通じてファイバーカプラー(05)に信号をロードし、ファイバーカプラー(05)は、増幅された直交正弦信号の作用下で章動される。ファイバーカプラー(05)によってカップリングされる出力光パワーは、ファイバーを通じて、ブリッジ(08)に入り、ブリッジ(08)の光信号は、ファイバーを通じて、探知機(09)に入り、探知機(09)の電気信号は、同軸線を通じて、データ収集ボード(10)に入力される。
【0092】
章動周波数が2kHzである場合、章動サイクルは、500usであり、125usごとに一つの収集された光パワー信号を取り、つまり、章動軌跡Rx、Rx、Ry、及びRyでの受信光の強度値Px1、Px2、Py1、及びPy2を記録する。
【0093】
図5に示されたように、ファイバーカップリングモデルによって得る。
【0094】
【数23】

【0095】
方程式(14)から方程式(15)を引き、方程式(16)から方程式(17)を引く。
【0096】
【数24】
【0097】
つまり、スポットの位置は、
【0098】
【数25】
【0099】
である。高速ミラーの位置は、この時点での高速ミラーの実際の位置であり、(k、k)に設定する。
【0100】
【数26】
【0101】
最後に、位置誤差は、
【0102】
【数27】
【0103】
である。ファイバー章動により、-Rx=Rxと-Ry=Ryとが存在するため、実際の応用では、△xと△yとは、正の値または負の値であることもできる。
【0104】
ステップS004:位置誤差に応じて光路を調整し、スポットが最大のカップリング効率の位置になるようにする。
【0105】
ステップS001は、ωをフィッティングして計算したため、この値は、光学システムとファイバーモードフィールド分布のみに関連し、他とは関連がないし、原則的に変わることがないし、RxとRyとは、ステップS002の章動軌跡によって得られるファイバー章動のx方向とy方向との章動半径であり、従って、ステップS003を介して位置誤差△xと△yとの信号を得ることができ、位置誤差信号は、同軸ケーブルを介して2次元高速走査ガルバノメーター(03)にフィードバックされ、2次元高速走査ガルバノメーター(03)は、対応する誤差をすぐに補正して、スポットが常にファイバー章動の中心にあり、システムが安定される光軸を有するようにする。
【0106】
本発明は、安定で信頼性の高い性能を有し、高いカップリング效率を獲得することができ、背景光をフィルタリングする強力な能力を有し、干渉防止能力をさらに向上することができ、比較的に優秀な空間光通信伝送チャネルを実現することができる。
【0107】
実施例2
本発明は、位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光との高効率カップリング装置を提供し、図2に示されたように、前記装置は、以下のような構成要素を含む。
【0108】
本発明は、位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置をさらに含み、レーザー(01)と、ビームコリメータ(02)と、2次元高速走査ミラー(03)と、収束レンズグループ(04)と、ファイバーカプラー(05)と、駆動信号制御ボード(06)と、信号送信モジュール(07)と、ブリッジ(08)と、探知機(09)と、データ収集ボード(10)とを含むことを特徴とする。
【0109】
具体的に、各部分の光路接続方法は、次のとおりである。レーザー(01)は、ファイバーを介して、ビームコリメータ(02)のポートに接続され、ビームコリメータ(02)の出力光は、45度の角度で2次元高速走査ガルバノメーター(03)に入射し、2次元高速走査ガルバノメーター(03)によって反射されるビームは、収束レンズグループの光学中心に平行して、収束レンズグループ(04)に入射され、収束レンズグループ(04)の出力ビームの焦点は、ファイバーカプラー(05)の端面に入射され、信号送信モジュール(07)によって送信される信号は、同軸ケーブルを介して、駆動信号制御ボード(06)に伝達され、駆動信号制御ボード(06)は、電線を通じてファイバーカプラー(05)に信号をロードし、ファイバーカプラー(05)によってカップリングされる光パワーは、ファイバーを通じてブリッジ(08)に入り、ブリッジ(08)の光信号は、ファイバーを通じて探知機(09)に入り、探知機(09)の電気信号は、同軸線を通じてデータ収集ボード(10)に入る。
【0110】
本発明の装置を使用して、光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリングを行う場合、まず、レーザー(01)によって発射される1550nmのレーザー光は、ファイバーを通じて、ビームコリメータ(02)に入り、ビームコリメータ(02)の出力光は、45度の角度で2次元高速走査ガルバノメーター(03)に入射し、2次元高速走査ガルバノメーター(03)によって反射されるビームは、収束レンズグループ(04)に平行に入射し、収束レンズグループ(04)の出力ビームの焦点は、ファイバーカプラー(05)の端面に入射し、ファイバーカプラー(05)に信号を追加しない場合、2次元高速走査ガルバノメーター(03)は、y方向で静止状態を保ち、x方向で振幅が300mvで周波数が2Hzである三角波スキャンを行い、ファイバーカプラー(03)の光パワー信号を収集し、収集されるデータの長さは、10^6であり、同様に、2次元高速走査ガルバノメーター(03)は、x方向で静止状態を保つ場合、y方向で振幅が300mvで周波数が2Hzである三角波スキャンを行い、ファイバーカプラー(05)の光パワー信号を収集する。2次元高速走査ガルバノメーター(03)の正弦信号は、つまり、スポットの位置座標に対応し、2回に収集された光パワー信号の各点に対応する2次元高速走査ガルバノメーター(03)の位置信号を方程式(1)と(2)とに代入し、
【0111】
【数28】
【0112】
方程式(3)を得る。
【0113】
【数29】
【0114】
【数30】
【0115】
のため、方程式(3)を方程式(4)に代入して、カップリングモデルパラメータωを獲得することができる。
【0116】
次に、信号送信モジュール(07)は、信号振幅の値が2.1Vで周波数が2kHzである直交正弦信号を送信し、信号送信モジュール(07)によって送信される信号は、同軸ケーブルを介して、駆動信号制御ボード(06)に伝達され、駆動信号制御ボード(06)は、電圧を100Vに増幅し、電線を通じてファイバーカプラー(05)に信号をロードし、ファイバーカプラー(05)は、増幅された直交正弦信号の作用下で章動される。定圧下で、2次元高速走査ガルバノメーター(03)は、x方向で+10mvと-10mvとに偏向され、それぞれ二つの位置の出力カップリング光パワーを収集し、つまり、x軸の二つの独立位置(x、y)と(x、y)とでの二つの状態の入射スポットの出力光パワー値を記録し、方程式(5)と(6)とに代入する。
【0117】
【数31】

【0118】
対数を取り、減算する。
【0119】
【数32】
【0120】
x軸の軌跡を得る。
【0121】
【数33】
【0122】
同様に、y軸の軌跡を得ることができる。
【0123】
【数34】
【0124】
次に、ファイバーカプラー(05)によってカップリングされる出力光パワーは、ファイバーを通じてブリッジ(08)に入り、ブリッジ(08)の光信号は、ファイバーを通じて探知機(09)に入り、探知機(09)の電気信号は、同軸線を通じてデータ収集ボード(10)に入る。
【0125】
章動周波数が2kHzである場合、章動サイクルは、500usであり、125usごとに一つの収集された光パワー信号を取り、つまり、章動軌跡Rx、Rx、Ry、及びRyでの受信光の強度値Px1、Px2、Py1、及びPy2を記録する。
【0126】
図5に示されたように、ファイバーカップリングモデルによって得る。
【0127】
【数35】
【0128】
方程式(14)から方程式(15)を引き、方程式(16)から方程式(17)を引く。
【0129】
【数36】
【0130】
位置誤差信号は、同軸ケーブルを介して2次元高速走査ガルバノメーター(03)にフィードバックされ、2次元高速走査ガルバノメーター(03)は、対応する誤差をすぐに補正して、スポットが常にファイバー章動の中心にあり、システムが安定される光軸を有するようにする。
【0131】
本発明は、安定で信頼性の高い性能を有し、高いカップリング效率を獲得することができ、背景光をフィルタリングする強力な能力を有し、干渉防止能力をさらに向上することができ、比較的に優秀な空間光通信伝送チャネルを実現することができる。
【0132】
実施例3
本発明は、ファイバーと、圧電セラミックチューブと、カップリングベースと、電線とを含むファイバーカプラーをさらに提供する。
【0133】
図3に示されたように、ファイバーは、キャピラリーフェルール構造に作られ、ファイバー端面は、エンドキャップにつくられ、高透過率のフィルムをコーティングする。圧電セラミックチューブの外側部分は、四つのストリップ電極領域に分割され、領域の間は、絶縁される。ファイバーは、圧電セラミックチューブに埋め込まれ、圧電セラミックチューブのボトムは、カップリングベースに固定され、ベース部分に近い圧電セラミックチューブの各電極領域は、一本の電線を引き出し、電線の別の一端は、ベースの穴を通過し、ベースで通過する電線の穴に対して固定処理を行う。
【0134】
本発明によって提供されるファイバーカプラーが本発明によって提供される位置探知機なしで光軸が安定化される空間光とファイバー光とのカップリング装置に適用される場合、圧電セラミックチューブに接続された電線は、駆動信号制御ボードの信号出力ポートに接続され、駆動信号制御ボードによって出力される電気信号は、電線を介してセラミックチューブにロードされる。外部からある一つの電極領域に特定の電圧を印加する場合、セラミックチューブは、垂直方向に収縮されて、セラミックチューブの最上部が比較的に大きく傾き、同時に、電圧を印加すると、セラミックが軸方向に膨張及び収縮されて、従って、圧電セラミックチューブを制御して章動運動を実現する。
図1
図2
図3
図4
図5