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特許7175485ゲーム装置、ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び、ゲームシステム
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  • 特許-ゲーム装置、ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び、ゲームシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】ゲーム装置、ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び、ゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/49 20140101AFI20221114BHJP
   A63F 13/42 20140101ALI20221114BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20221114BHJP
【FI】
A63F13/49
A63F13/42
G06F3/0484
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022087278
(22)【出願日】2022-05-27
【審査請求日】2022-05-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515070583
【氏名又は名称】株式会社瑞起
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 嵩明
(72)【発明者】
【氏名】石川 直生
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第99/008231(WO,A1)
【文献】特開2002-366432(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0119286(US,A1)
【文献】特開2010-231281(JP,A)
【文献】特開2017-084255(JP,A)
【文献】特開2022-062520(JP,A)
【文献】特開2012-125451(JP,A)
【文献】『DQH2』大改造&ゲームハック最新情報レポート ゲーム改造大全,ゲームラボ,株式会社三才ブックス,2016年07月01日,第251号,第38-41頁
【文献】ポケモン ソード シールド、隠しコマンドでセーブデータを少し戻せる,ポケモンメモ [online],2019年12月12日,URL:<https://pk-mn.com/n/pokemon-sword-shield-kakusi-command-save-data-modosu/>,[令和4年7月25日検索日]
【文献】タイトルメニュー,HORIZON ZERO DAWN オンラインマニュアル [online],2017年05月04日,URL:<https://web.archive.org/web/20170504235349/http://playstation-doc.net/j/horizon/title.html>,[令和4年7月25日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
G06F 3/0484
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチスレッドで ゲーム実行処理をうゲーム装置であって、
前記ゲーム装置は、実行部、取得部及び、記憶部を備え、
第一スレッドが実行されることで、 前記実行部は、ゲームのコンテンツを実行処理し、
前記コンテンツの実行処理中にセーブに係る操作入力を受け付けることによって生成される第二スレッドが実行されることによって、 前記取得部は、実行処理中のコンテンツの状態を示す状態情報を取得し、取得順を特定可能に記憶部に格納して、
前記実行部は、前記コンテンツの実行処理中にロードに係る操作入力を受け付けると、前記記憶部に格納された複数の前記状態情報のうち、直前に取得された前記状態情報に基づいて、前記コンテンツを実行処理するゲーム装置。
【請求項2】
前記記憶部は、揮発性である第一記憶部及び、不揮発性である第二記憶部を含み、
前記取得部は、取得した前記状態情報を前記第一記憶部及び、第二記憶部に格納し、
前記実行部は、前記ロードに係る操作入力を受け付けると、前記第二記憶部に格納された前記状態情報に基づいて、前記コンテンツを実行処理する請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲーム装置は、入力部を更に備え、
前記入力部は、ボタンを有し、
前記実行部は、前記ロードに係る操作入力として、前記ボタンの長押し入力を受け付けることで前記実行処理をし、
更に前記ボタンの長押し入力が継続している場合には、前記第一記憶部に格納された前記状態情報であって、前記コンテンツの実行処理の為に直前に用いた前記状態情報より以前に格納された前記状態情報に基づいて、前記コンテンツを実行処理する請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記実行部は、前記ロードに係る操作入力として、前記ボタンの長押し入力を所定時間受け付けて、前記コンテンツを実行処理し、
前記所定時間は、前記第二記憶部から前記状態情報を前記第一記憶部に取り出す時間よりも長い時間である請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲーム装置は、入力部を更に備え、
前記入力部は、ボタンを有し、
前記取得部は、前記セーブに係る操作入力として、前記ボタンの押下入力を受け付けて、
前記実行部は、前記ロードに係る操作入力として、前記ボタンの長押し入力を受け付ける請求項1又は請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記ゲーム装置は、複数の前記コンテンツを有し、
前記取得部は、取得した前記状態情報をコンテンツに対応付けて前記記憶部に格納し、
前記実行部は、前記ロードに係る操作入力を受け付けると、実行処理中のコンテンツに対応する複数の前記状態情報のうち、直前に格納された前記状態情報を取得する請求項1又は請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項7】
マルチスレッドで実行される ゲームプログラムであって、
ンピュータに、
第一スレッドにおいてゲームのコンテンツを実行処理するステップと
記コンテンツの実行処理中にセーブに係る操作入力を受け付けることによって生成される第二スレッドにおいて、実行処理中のコンテンツの状態を示す状態情報を取得し、取得順を特定可能に格納するステップと
記コンテンツの実行処理中にロードに係る操作入力を受け付けると、格納された複数の前記状態情報のうち、直前に取得された前記状態情報に基づいて、前記コンテンツを実行処理するステップと、を実行させるゲームプログラム。
【請求項8】
マルチスレッドで ゲーム実行処理を行うことを可能にするゲーム処理方法であって、
コンピュータが、
第一スレッドが実行されることで、 ゲームのコンテンツを実行処理する実行処理ステップと、
前記コンテンツの実行処理中にセーブに係る操作入力を受け付けることによって生成される第二スレッドが実行されることによって実行処理中のコンテンツの状態を示す状態情報を取得し、取得順を特定可能に記憶部に格納する格納ステップと、を実行し、
前記実行処理ステップにおいて、前記コンテンツの実行処理中にロードに係る操作入力を受け付けると、前記記憶部に格納された複数の前記状態情報のうち、直前に格納された前記状態情報に基づいて、前記コンテンツを実行処理することを含むゲーム処理方法。
【請求項9】
マルチスレッドで ゲーム実行処理を行うことを可能にするゲームシステムであって、
前記ゲームシステムは、実行部、取得部及び、記憶部を備え、
第一スレッドが実行されることで、 前記実行部は、ゲームのコンテンツを実行処理し、
前記コンテンツの実行処理中にセーブに係る操作入力を受け付けることによって生成される第二スレッドが実行されることによって、 前記取得部は、実行処理中のコンテンツの状態を示す状態情報を取得し、取得順を特定可能に記憶部に格納して、
前記実行部は、前記コンテンツの実行処理中にロードに係る操作入力を受け付けると、前記記憶部に格納された複数の前記状態情報のうち、直前に格納された前記状態情報に基づいて、前記コンテンツを実行処理するゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び、ゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゲームシステムにおいて、どのタイミングでもセーブを行うことができる技術が、例えば、特許文献1及び、非特許文献1において提案されている。
【0003】
特許文献1には、サーバ12は、1または複数のゲーム装置20の各々からアップロード(投稿)される画像ファイルおよび状態情報データを記憶(管理)するとともに、各ゲーム装置20からの要求に応じて、投稿された画像ファイルおよび状態情報データを配信するサービスを提供する技術が記載されている。
【0004】
非特許文献1には、プレイ中は、いつでもセーブして中断することを可能にする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-029509号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】「Nintendo Switchで、どこでもスーパーファミコン! 加入者限定サービスとして無料配信!」令和元年9月5日[令和4年4月26日検索]、インターネット<URL:https://topics.nintendo.co.jp/article/631e8bcf-c9f4-11e9-b641-063b7ac45a6d>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記文献では、任意のタイミングにおいてセーブを行うことができるが、ロードを希望するセーブタイミングの選択を受け付ける為に、一度出力している画面を停止しなければならず、ユーザのプレイ意欲を削いでしまうという問題があった。
【0008】
上記に鑑み、本発明は、セーブ及びロードを効率的に行うことを可能にする技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、ゲーム実行処理と並行して、ゲームのセーブ・ロードを行うことを可能にするゲーム装置であって、前記ゲーム装置は、実行部、取得部及び、記憶部を備え、前記実行部は、ゲームのコンテンツを実行処理し、前記取得部は、前記コンテンツの実行処理中にセーブに係る操作入力を受け付けると、実行処理中のコンテンツの状態を示す状態情報を取得し、取得順を特定可能に記憶部に格納して、前記実行部は、前記コンテンツの実行処理中にロードに係る操作入力を受け付けると、前記記憶部に格納された複数の前記状態情報のうち、直前に取得された前記状態情報に基づいて、前記コンテンツを実行処理する。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、ゲーム実行処理と並行して、ゲームのセーブ・ロードを行うことを可能にするコンピュータを用いたゲームプログラムであって、前記コンピュータを、実行部及び、取得部として機能させ、前記実行部は、ゲームのコンテンツを実行処理し、前記取得部は、前記コンテンツの実行処理中にセーブに係る操作入力を受け付けると、実行処理中のコンテンツの状態を示す状態情報を取得し、取得順を特定可能に格納して、前記実行部は、前記コンテンツの実行処理中にロードに係る操作入力を受け付けると、格納された複数の前記状態情報のうち、直前に取得された前記状態情報に基づいて、前記コンテンツを実行処理する。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、ゲーム実行処理と並行して、ゲームのセーブ・ロードを行うことを可能にするゲーム処理方法であって、コンピュータが、ゲームのコンテンツを実行処理する実行処理ステップと、前記コンテンツの実行処理中にセーブに係る操作入力を受け付けると、実行処理中のコンテンツの状態を示す状態情報を取得し、取得順を特定可能に記憶部に格納する格納ステップと、を実行し、前記実行処理ステップにおいて、前記コンテンツの実行処理中にロードに係る操作入力を受け付けると、前記記憶部に格納された複数の前記状態情報のうち、直前に格納された前記状態情報に基づいて、前記コンテンツを実行処理する。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は、ゲーム実行処理と並行して、ゲームのセーブ・ロードを行うことを可能にするゲームシステムであって、前記ゲームシステムは、実行部、取得部及び、記憶部を備え、前記実行部は、ゲームのコンテンツを実行処理し、前記取得部は、前記コンテンツの実行処理中にセーブに係る操作入力を受け付けると、実行処理中のコンテンツの状態を示す状態情報を取得し、取得順を特定可能に記憶部に格納して、前記実行部は、前記コンテンツの実行処理中にロードに係る操作入力を受け付けると、前記記憶部に格納された複数の前記状態情報のうち、直前に格納された前記状態情報に基づいて、前記コンテンツを実行処理する。
このような構成とすることで、ゲームの実行処理を行いながら、セーブとロードを行うことができる。これにより、セーブやロードを行う為に、わざわざ画面を停止する必要がなくなり、プレイヤーのモチベーションを維持することができる。
【0013】
より好ましい形態では、前記記憶部は、揮発性である第一記憶部及び、不揮発性である第二記憶部を含み、前記取得部は、取得した前記状態情報を前記第一記憶部及び、第二記憶部に格納し、前記実行部は、前記ロードに係る操作入力を受け付けると、前記第二記憶部に格納された前記状態情報に基づいて、前記コンテンツを実行処理する。
このような構成とすることで、直前にされたセーブを別の記憶部に格納することができる。これにより、電源が消された場合でも、直前のセーブポイントからロードを行うことができる。
【0014】
より好ましい形態では、前記ゲーム装置は、入力部を更に備え、前記入力部は、ボタンを有し、前記実行部は、前記ロードに係る操作入力として、前記ボタンの長押し入力を受け付けることで前記実行処理をし、更に前記ボタンの長押し入力が継続している場合には、前記第一記憶部に格納された前記状態情報であって、前記コンテンツの実行処理の為に直前に用いた前記状態情報より以前に格納された前記状態情報に基づいて、前記コンテンツを実行処理する。
このような構成とすることで、ゲーム実行処理中であっても、ゲーム実行中にセーブされた複数のセーブデータをロードすることができる。これにより、プレイヤーは自身の希望するセーブポイントからロードを行うことができる。
【0015】
より好ましい形態では、前記実行部は、前記ロードに係る操作入力として、所定時間前記ボタンの長押し入力を受け付けて、前記コンテンツを実行処理し、前記所定時間は、前記第二記憶部から前記状態情報を前記第一記憶部に取り出す時間よりも長い時間である。
このような構成とすることで、補助記憶装置からセーブデータを読み出す際に発生する時間よりも長くボタンを長押し入力することで、セーブデータのロードを行うことができる。これにより、プレイヤーにボタンの長押しをさせることによって、補助記憶装置からセーブデータを読み出す時間を感じさせることなくロードを行うことができる。
【0016】
より好ましい形態では、前記ゲーム装置は、入力部を更に備え、前記入力部は、ボタンを有し、前記取得部は、前記セーブに係る操作入力として、前記ボタンの押下入力を受け付けて、前記実行部は、前記ロードに係る操作入力として、前記ボタンの長押し入力を受け付ける。
このような構成とすることで、ひとつのボタンでセーブとロードを行うことができる。これにより、容易にセーブとロードを行うことができる。
【0017】
より好ましい形態では、前記ゲーム装置は、マルチスレッドによる処理を実行し、第一スレッドが実行されることで、前記実行部は、前記コンテンツを実行処理し、セーブに係る操作入力を受け付けることによって生成される第二スレッドが実行されることによって、前記取得部は、前記状態情報を前記記憶部に格納する。
このような構成とすることで、ゲームの実行処理と並行して、セーブ又はロードを行うことができる。これにより、ゲームを実行しながら、シームレスにセーブ又はロードを行うことができる。
【0018】
より好ましい形態では、前記ゲーム装置は、複数の前記コンテンツを有し、前記取得部は、取得した前記状態情報をコンテンツに対応付けて前記記憶部に格納し、前記実行部は、前記ロードに係る操作入力を受け付けると、実行処理中のコンテンツに対応する前記複数の状態情報のうち、直前に格納された前記状態情報を取得する。
このような構成とすることで、複数のゲームコンテンツそれぞれにおいて、ゲームの実行処理を行いながら、セーブ又はロードを行うことができる。これにより、プレイヤーは、様々なゲームコンテンツに対してモチベーションを維持しながらプレイすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、セーブ及びロードを効率的に行うことを可能にする技術を提供する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態におけるシステムの構成を示すハードウェア構成図である。
図2】一実施形態におけるシステムの構成を示す機能ブロック図である。
図3】一実施形態におけるシステムの処理フローチャートである。
図4】一実施形態におけるシステムの処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0022】
例えば、本実施形態ではゲーム装置の構成、動作等について説明するが、実行される方法、システム、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態におけるゲームプログラム(以下、ゲームプログラムと呼ぶ)は、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよい。ゲームプログラムは、外部からダウンロード可能に提供され、コンピュータに起動させてもよい。本実施形態において、ゲームプログラムは、ゲーム装置の補助記憶装置に予め格納された状態で提供され、コンピュータに起動させることによってゲームのコンテンツ(以下、単にコンテンツと呼ぶ)が実行処理され、プレイヤーから受け付けた入力に応じて、セーブ又はロードが行われる。
【0023】
本発明においてコンテンツは、本発明におけるゲームプログラム自身が直接起動できないゲームソフトプログラムを、エミュレータを介して起動することによって実行処理される。ここで、エミュレータとは、第一プログラムと異なるアーキテクチャを持つ第二プログラムのアーキテクチャを、第一プログラムのアーキテクチャに変換するソフトウェア又はハードウェアのことである。以下では、ソフトウェアのエミュレータとしてエミュレータプログラムを用いる。
【0024】
なお本実施形態において、コンテンツは、本発明におけるゲームプログラムと異なるアーキテクチャで設計されるゲームソフトプログラムによって実行処理されるが、本発明におけるゲームプログラムと同じアーキテクチャで設計されるゲームソフトプログラムによって実行処理されてもよい。即ち、エミュレータプログラムを介さずにコンテンツは実行処理されてもよい。
【0025】
なお、本実施形態では、ひとつのゲーム装置によって構成され、以下の処理が実行されるが、ゲーム装置及び、サーバ装置等の一般的なコンピュータ装置が有線又は通信ネットワークなどの無線を介して通信可能に構成され、ゲーム装置が行う処理の一部をコンピュータ装置が実行してもよい(ゲームシステム)。
【0026】
<システム構成>
図1は、本実施形態におけるハードウェア構成である。図1は、ゲーム装置1のハードウェア構成の一例を示す図であり、ゲーム装置本体100及び、入力装置9を含む。
【0027】
ゲーム装置本体100は、ハードウェアの構成要素として、処理部101、記憶部102、入力制御部109及び、各構成要素をそれぞれ接続するバス110を備える。記憶部102は、揮発性である主記憶装置(以下、第一記憶部と呼ぶ)103及び、不揮発性である補助記憶装置(以下、第二記憶部と呼ぶ)104を有する。入力装置9は、入力部91及び、送信部92を備える。なお、本実施形態においてゲーム装置1はひとつの入力装置を有するが、その数に限定されない。
【0028】
処理部101は、CPU(Central Processing Unit)等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係るゲームプログラム、OS(Operation System)、エミュレータプログラム、ゲームソフトプログラム、その他のアプリケーションを実行することで、後述の機能構成を制御する。
【0029】
本実施形態において処理部101は、マルチスレッドにより処理を実行する。具体的に処理部101は、第一スレッド上で、ゲームプログラムと、エミュレータプログラムを介してゲームソフトプログラムと、を実行することによって後述の実行部を制御する。また、処理部101は、ポーリング制御を行い、入力制御部109を介してセーブに係る操作入力を受け付けると、第二スレッドを生成し、当該第二スレッドを実行することによって、後述の取得部を制御する。
【0030】
第一記憶部103は、RAM(Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等であって、OSによって第二記憶部104から読み出されるゲームプログラム、ゲームソフトプログラム及び、エミュレータプログラムを、処理部101が実行可能に格納する。
【0031】
また、第一記憶部103は、実行処理中のコンテンツの状態を示す状態情報を格納する。本実施形態では、第一記憶部103は、後述の取得部によって取得された順序を特定可能に、複数の状態情報を格納する。
【0032】
本実施形態において状態情報は、CPU内のレジスタ又は、第一記憶部103のメモリ情報等の数値情報示すスナップショット(ステートセーブ)である。より詳細には状態情報は、画面を表示する為の出力情報と、コンテンツのBGM、コンテンツのBGM等の再生時間及び、効果音等のサウンド情報と、コンテンツ内の特定の対象物がどのようなステータスをどの程度持っているかを示すフラグや数値情報と、状態情報が格納されている第一記憶部103そのもののアドレス情報及び、第一記憶部103に格納されたエミュレータが実行されるアドレス情報等と、を含んでいる。
【0033】
なお、本実施形態において、取得された複数の状態情報は、第一記憶部103においてコンテンツ毎にスタック管理される。一方、異なるコンテンツの状態情報が、第一記憶部103において共通したスタックにより管理されてもよい。
【0034】
第二記憶部104は、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Drive Disk)、SSD(Solid State Drive)等であって、OS105と、エミュレータプログラム106と、OS105を協働してその機能を発揮するゲームプログラム107と、OS105及びエミュレータプログラム106を協働してその機能を発揮するゲームソフトプログラム108と、ゲーム装置本体100を動作させる為の各種情報(状態情報等を含む情報)を格納する。
【0035】
また第二記憶部104は、コンテンツ毎にゲームソフトプログラム108を格納し、ゲームソフトプログラム108毎に1又は複数の状態情報を格納する。本実施形態において第二記憶部104は、ゲームソフトプログラム108毎にひとつの状態情報を格納する。
【0036】
なお本実施形態において、ゲームプログラム107は、図示しない出力部を制御することでコンテンツの選択画面(コンテンツ選択画面)を表示する選択画面表示プログラムと、実行部及び取得部を制御するコンテンツ実行プログラムを含んでいるが、コンテンツ実行プログラムのみを含み、選択画面表示プログラムは別のプログラムであってもよい。
【0037】
また、本実施形態では第二記憶部104は、ゲームプログラム107とは別のプログラムとして、エミュレータプログラム106及び、ゲームソフトプログラム108を格納するが、ゲームプログラム107、ゲームソフトプログラム108及び、エミュレータプログラム106の一部又は全部を含むプログラムを格納してもよい。
【0038】
入力制御部109はそれぞれ、入力装置9との通信制御を実行して、ゲーム装置本体100を動作させる為に必要な操作入力を受け付け、処理部101に当該操作入力を受け渡す。なお、本実施形態においては、ゲーム装置本体100は、ひとつの入力制御部109を有するが、複数の制御部109を有してもよい。この場合、各入力制御部109は、対応する入力装置9から操作入力を受け付ける。
【0039】
入力部91は、ボタン等であって、ユーザによるセーブ又はロードに係る操作入力を、送信部92に入力する。送信部92は、入力部91から受け付けたセーブ又はロードに係る操作入力を入力制御部109に送信する。なお本実施形態において、セーブ及びロードに係る操作入力は、同一のボタンを介して行われるが、異なるボタンを介して行われてもよい。
【0040】
なお、本実施形態において送信部92は、受け付けたセーブ又はロードに係る操作入力としてON/OFF情報を示す信号を入力制御部109に送信するが、ON/OFF情報を示す信号を、セーブ又はロードに係る操作入力であることを示す情報に変換して入力制御部109に送信してもよい。
【0041】
なお、本実施形態において、ゲーム装置本体100は入力制御部109のみを備える。即ち、ゲーム装置本体100が入力装置9と別体で有線又は無線で接続されている。一方入力制御部109に加えて、入力部91を備えていてもよい。即ち、ゲーム装置本体100が入力部91を備えていてもよい。
【0042】
<ゲーム装置1>
図2に示すように、ゲーム装置本体100は、機能構成要素として、取得部11、実行部12及び、音出力部13を備える。
【0043】
取得部11は、セーブに係る操作入力を受け付けると、状態情報を取得し、取得順を特定可能に記憶部102に状態情報を格納する。本実施形態では、セーブに係る操作入力として、ボタンの押下入力を受け付けると、取得部11は、当該押下入力を受け付けた時点の状態情報を取得し、取得順を特定可能に、複数の状態情報を第一記憶部103に格納する。具体的には取得部11は、直前に格納した状態情報に基づいて実行部12がコンテンツの実行処理を行うように、状態情報を取得した順に第一記憶部103に状態情報を格納する(いわゆる、後入れ先出し法又はLIFO(Last In First Out))。なお本実施形態において取得部11は、状態情報の取得順が特定可能に第一記憶部103に状態情報を格納すればよく、状態情報の取得方法や格納順序については特に限定されない。
【0044】
また取得部11は、ボタンの押下入力を受け付けると、第一記憶部103に状態情報を格納するとともに、当該状態情報を第二記憶部104に格納する。具体的な処理は後述する。
【0045】
実行部12は、コンテンツを実行処理する。本実施形態において実行部12は、複数のコンテンツのうち、コンテンツ選択画面において選択されたコンテンツを実行処理する。
【0046】
また、実行部12は、コンテンツの実行処理中にロードに係る操作入力を受け付けると、記憶部102に格納された複数の状態情報のうち、記憶部102に直前に格納された状態情報に基づいて、コンテンツを実行処理する。本実施形態において、実行部12は、コンテンツの実行処理中にロードに係る操作入力として、ボタンの長押し入力を受け付けると、第二記憶部104に格納された状態情報に基づいて、コンテンツを実行処理する。
【0047】
また更に実行部12は、長押し入力が継続している場合には、第一記憶部103に格納された状態情報であって、コンテンツの実行処理の為に直前に用いた状態情報より以前に格納された状態情報に基づいて、コンテンツを実行処理する。具体的な処理は後述する。
【0048】
音出力部13は、セーブ又はロードに係る音を出力する。本実施形態において、音出力部13は、取得部11によって第二記憶部104に状態情報が格納されると、セーブに係る音を出力する。また、音出力部13は、実行部12が第一記憶部103及び、第二記憶部104に格納された状態情報に基づいて、コンテンツの実行処理をすると、ロードに係る音を出力する。
【0049】
<処理フローチャート>
次に、ゲーム装置1を用いたゲーム処理方法の説明及び、各機能構成による処理内容について図3図4を用いて説明する。なお、図3、4ではコンテンツの実行処理に関するフローチャートが省略されている部分もあるが、ゲーム装置1が起動されると、処理部101によって常に第一スレッド上で、ゲームプログラム107及び、ゲームソフトプログラム108が実行される。そして、当該ゲームソフトプログラム108に対応するコンテンツが実行部12によって常に実行処理される。
【0050】
<セーブ処理に係るフローチャート>
図3は、セーブ処理の概要を示すフローチャートである。まずステップS101(以下、「ステップSXXX」を「SXXX」と省略する)において、処理部101は、ポーリング制御を行い、入力制御部109を介してセーブに係る操作入力としてボタンの押下入力を受け付けたか否かを判断する。処理部101が押下入力を受け付けていない場合(S101でNo)には、処理部101は押下入力を受け付けるまで待機する。そして、処理部101が押下入力を受け付けた場合(S102でYes)には、S102に進む。
【0051】
S102に進んで、処理部101は、実行部12を制御する為の第一スレッドとは異なるスレッドであり、取得部11を制御する為の第二スレッドを生成する。そして、S103において、実行部12は継続してコンテンツを実行処理する。
【0052】
一方、S104においては、処理部101が当該押下入力を取得部11に受け渡す。そして、当該押下入力を受け取った取得部11は、S101において入力制御部109が押下入力を受け付けた時点における状態情報を第一記憶部103に格納する。具体的には、取得部11は、押下入力を受け付けると、第一記憶部103に読み出されたゲームソフトプログラム108の情報であって、当該押下入力を受け付けた時点における数値情報を、コンテンツの状態を示す状態情報として取得する。そして、取得部11は、第一記憶部103に格納する。
【0053】
次いで、S105において取得部11は、S104において第一記憶部103において格納した状態情報を第二記憶部104に格納する。具体的には、取得部11は、直前に第一記憶部103に格納した状態情報を第二記憶部104に格納する。そして更に、取得部11は、新たな状態情報を第一記憶部103に格納するとともに、当該新たな状態情報を第二記憶部104に格納する際、既に過去の状態情報が第二記憶部104に格納されている場合には、第二記憶部104に格納された過去の状態情報に代えて当該新たな状態情報を第二記憶部104に格納する。
【0054】
なお、本実施形態において、第二記憶部104は、ひとつの状態情報を格納するが、複数の状態情報を格納してもよい。この場合、第二記憶部104は、取得部11が取得した順序が特定可能に状態情報を格納する。
【0055】
そして、S106において音出力部13は、セーブに係る音を出力する。なお、本実施形態において、取得部11は、第一記憶部103に状態情報をスナップショットすると同時に、当該状態情報を第二記憶部104に格納するが、格納する順序やタイミングはこれに限定されない。
【0056】
以上S101~S106を繰り返すことによって、第一記憶部103には複数の状態情報が、第二記憶部には直前に第一記憶部103に格納した状態情報のみが格納される。
これにより、状態情報を短時間で保存することが可能になり、ゲームを継続的に実行しながら、状態情報の履歴を行うことができる。
【0057】
なお、本実施形態において音出力部13は、第二記憶部104に状態情報が格納されると、セーブに係る音を出力するが、第一記憶部103に状態情報が格納されると、セーブに係る音を出力してもよい。また、音出力部13は、第二記憶部104に状態情報が格納されると、セーブに係る音を出力するが、状態情報が格納される直前にセーブに係る音を出力してもよい。
【0058】
<ロード処理に係るフローチャート>
図4は、ロード処理の概要を示すフローチャートである。まずS201において、処理部101は、ポーリング制御を行い、入力制御部109を介してロードに係る操作入力としてボタンの長押し入力を受け付けているか否かを判断する。処理部101が長押し入力を受け付けていない場合(S201でNo)には、処理部101は長押し入力を受け付けるまで待機する。そして、処理部101が長押し入力を受け付けた場合(S201でYes)には、S202に進む。
【0059】
S202に進んで、S201において受け付けた長押し入力を処理部101から受け付けた実行部12は、第二記憶部104に記憶された状態情報を読み出し(S202)、当該状態情報に基づいて、コンテンツを実行処理する。また、音出力部13は、ロードに係る音を出力する(S203)。具体的には、実行部12は、長押し入力を受け付けると、第二記憶部104に格納された状態情報を第一記憶部103に読み出すことによって、当該状態情報に基づいてコンテンツを実行処理する。
【0060】
ここで、本実施形態において長押し入力とは、ボタンの入力が所定時間されていることを指し、所定時間とは、第二記憶部104から状態情報を第一記憶部103に読み出す時間よりも長い時間である。具体的に所定時間とは、例えば、第二記憶部104から状態情報を第一記憶部103に読み出す時間と、操作入力がロードに係る操作入力であるか否かを実行部12が判断する為の閾値となる時間と、を合計した時間である。
これにより、補助記憶装置から状態情報を読み出す時間を感じさせることなく、コンテンツの実行処理を行うことができる。
【0061】
次いでS204において、処理部101は、更にポーリング制御を行い、長押し入力を受け付けているか否かを判断する。そして処理部101が長押し入力を継続して受け付けていない場合(S204でNo)には、実行部12は、S203において実行処理したコンテンツを継続して実行処理し、S201に戻る。
【0062】
処理部101が継続して長押し入力を受け付けている場合(S204でYes)には、S205において実行部12は、第一記憶部103に状態情報が格納されているか否かを判断する。第一記憶部103に状態情報が格納されていない場合(S205でNo)には、実行部12は、S203において実行処理したコンテンツを継続して実行処理し、S201に戻る。
【0063】
第一記憶部103に状態情報が格納されている場合(S205でYes)には、S206において実行部12は、第一記憶部103に格納された状態情報のうち、取得部11による取得順序が、S203においてコンテンツの実行処理に用いた状態情報の直前である状態情報を読み出し(S206)、当該状態情報に基づいて、コンテンツを実行処理する。また、音出力部13は、ロードに係る音を出力する(S207)。
【0064】
以上S204~S207を繰り返すことによって、継続して長押し入力を受け付けた場合、実行部12は、第一記憶部103に格納された状態情報及び、状態情報の取得順に基づいて、取得順が新しい順に連続的にコンテンツを実行処理する。
これにより、ゲーム実行継続を感じさせながら連続的な状態情報の読み出しを行うことができる。従来技術では、オープニング動画等の長時間の表示処理を行うことで、状態情報を不揮発性メモリから読み出す時間を隠蔽していたが、揮発性メモリにセーブデータを格納することで、状態情報の読出し時間を気にすることなく、画面遷移なしに状態情報の読出しを行うことができる。
【0065】
なお本実施形態においては、ゲーム装置1が再起動されると、実行部12は、取得部11が第二記憶部104に格納した状態情報を、S104において最新の状態情報を格納する第一記憶部103のアドレスと同じ第一記憶部103のアドレスに読み出すことで、上述のコンテンツの実行処理を行う。一方、実行部12は、ゲーム装置1が再起動されても、第一記憶部103には状態情報が読み出されず、新しく取得部11によって第一記憶部103に格納された状態情報に基づいて上述のコンテンツの実行処理を行ってもよい。
【0066】
また、複数の状態情報が第二記憶部104に格納される場合には、ゲーム装置1が再起動されると、実行部12は、当該複数の状態情報を第一記憶部103に読み出し、上述のコンテンツの実行処理を行ってもよい。一方、実行部12は、第一記憶部103には状態情報が読み出されず、新しく取得部11によって第一記憶部103に格納された状態情報に基づいて上述のコンテンツの実行処理を行ってもよい。
【0067】
また、本実施形態において実行部12は、長押し入力が継続している場合には、状態情報に基づいて、状態情報報取得順が新しい順にコンテンツを実行処理するが、長押し入力の時間と、ロードの対象となる状態情報の格納された順序を示す番号と、が対応付いた対応表に基づいて、長押し入力の時間に応じた状態情報に基づいて、コンテンツを実行処理してもよい。
【0068】
また、音出力部13は、実行部12によって第一記憶部103又は、第二記憶部104に格納された状態情報に基づいてコンテンツが実行処理される直前に、ロードに係る音を出力するが、コンテンツが実行処理された後にロードに係る音を出力してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 :ゲーム装置
100 :ゲーム装置本体
101 :処理部
102 :記憶部
103 :第一記憶部
104 :第二記憶部
105 :OS
106 :エミュレータプログラム
107 :ゲームプログラム
108 :ゲームソフトプログラム
109 :入力制御部
110 :バス
11 :取得部
12 :実行部
13 :音出力部
9 :入力装置
91 :入力部
92 :送信部
【要約】
【課題】
モチベーションを維持しつつ、ロードを行うことを可能にする技術を提供すること。
【解決手段】
ゲーム実行処理と並行して、ゲームのセーブ・ロードを行うことを可能にするゲーム装置であって、前記ゲーム装置は、実行部、取得部及び、記憶部を備え、前記実行部は、ゲームのコンテンツを実行処理し、前記取得部は、前記コンテンツの実行処理中にセーブに係る操作入力を受け付けると、実行処理中のコンテンツの状態を示す状態情報を取得し、取得順を特定可能に記憶部に格納して、前記実行部は、前記コンテンツの実行処理中にロードに係る操作入力を受け付けると、前記記憶部に格納された複数の前記状態情報のうち、直前に取得された前記状態情報に基づいて、前記コンテンツを実行処理する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4