(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】荷台具付き幌並びにそれに用いられる荷台具及び連結具
(51)【国際特許分類】
B60J 7/10 20060101AFI20221114BHJP
B60R 9/048 20060101ALI20221114BHJP
E04H 15/06 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
B60J7/10 D
B60R9/048
E04H15/06
(21)【出願番号】P 2021001342
(22)【出願日】2021-01-07
【審査請求日】2021-05-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)掲載日 令和2年12月25日、令和3年1月5日 ウェブサイトのアドレス https://www.daihatsu.co.jp/learning/event/tokyo_as2021/ https://youtu.be/BrFUuzDyBEw https://youtu.be/z2d4NMpSNe8 公開者 ダイハツ工業株式会社 (2)掲載日 令和2年12月31日 ウェブサイトのアドレス https://youtu.be/gcqidY-MJEc 公開者 ウナ丼_STRUT_エンスーCARガイド (3)発行日ないし掲載日 令和3年1月6日 刊行物名 日刊自動車新聞第1面及び電子版https://www.netdenjd.com/articles/-/243219 公開者 日刊自動車新聞社
(73)【特許権者】
【識別番号】598025555
【氏名又は名称】株式会社岡田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100136847
【氏名又は名称】▲高▼山 嘉成
(72)【発明者】
【氏名】奥田 圭一
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0189403(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0168879(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0017303(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0186923(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0123422(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0020799(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 7/00- 7/22
B60R 9/00- 9/12
B60P 1/00- 3/42
E04H 15/00-15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両
(3)の幌
(2)の上に荷台具
(1,9)を有する荷台具付き幌であって、
前記幌
(2)の内部の骨組
(4)に取付けられており、前記幌
(2)に開けられた穴から屋外に露出する連結具と、
前記連結具に取付けられる荷台具(1,9)とを備え
、
前記連結具は、
前記骨組(4)の上部に設けられたフレーム(5)と、
前記フレーム(5)に取付けられたジョイントベース(6)と、
前記ジョイントベース(6)に取付けられたジョイントアッパー(7)とを含み、
前記荷台具(1,9)は、前記ジョイントアッパー(7)に、取付けられ、
前記連結具は、前記ジョイントベース(6)と前記ジョイントアッパー(7)との間に密閉部材(8)を含み、
前記ジョイントベース(6)は、前記フレーム(5)に取り付けられる第1部分と、そこから立脚する第2部分とを有しており、
前記フレーム(5)に取り付けられる第1部分は、屋内側に位置しており、
前記穴は、前記立脚する第2部分に対応する箇所に、開けられており、
前記穴から、前記立脚する第2部分が屋外に出ており、
前記ジョイントアッパー(7)は、屋外側にあり、下部の第3部分と、前記下部の第3部分から立脚する第4部分とを有しており、
前記ジョイントベース(6)の前記立脚する第2部分が、前記ジョイントアッパー(7)の前記第4部分の中に、挿入されており、
前記密閉部材(8)は、前記ジョイントベース(6)の前記第1部分と前記幌との間に設けられていることを特徴とする、荷台具付き幌。
【請求項2】
車両
(3)の幌
(2)の骨組
(4)に取付けられており、前記幌
(2)に開けられた穴から屋外に露出して、荷台具
(1,9)に連結される連結具
であって、
前記骨組(4)の上部に設けられたフレーム(5)と、
前記フレーム(5)に取付けられたジョイントベース(6)と、
前記ジョイントベース(6)に取付けられたジョイントアッパー(7)とを含み、
前記ジョイントアッパー(7)に、前記荷台具(1,9)が取付けられ、
前記ジョイントベース(6)と前記ジョイントアッパー(7)との間に密閉部材(8)を含み、
前記ジョイントベース(6)は、前記フレーム(5)に取り付けられる第1部分と、そこから立脚する第2部分とを有しており、
前記フレーム(5)に取り付けられる第1部分は、屋内側に位置しており、
前記穴は、前記立脚する第2部分に対応する箇所に、開けられており、
前記穴から、前記立脚する第2部分が屋外に出ており、
前記ジョイントアッパー(7)は、屋外側にあり、下部の第3部分と、前記下部の第3部分から立脚する第4部分とを有しており、
前記ジョイントベース(6)の前記立脚する第2部分が、前記ジョイントアッパー(7)の前記第4部分の中に、挿入されており、
前記密閉部材(8)は、前記ジョイントベース(6)の前記第1部分と前記幌との間に設けられていることを特徴とする、連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のルーフキャリアやルーフレールなどの荷台具に関し、より特定的には、貨物車などの幌の上に設けられる荷台具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラックや軽トラなどの貨物車の荷台の幌の上に設けられたルーフキャリアやルーフレールなどの荷台具として、特許文献1及び非特許文献1に記載のようなものが知られていた。
【0003】
特許文献1では、蛇腹幌(12)の上に、キャリヤー(4)を設けることが記載されているのみであり、具体的に、どのような構造によって、キャリアー(4)を蛇腹幌(12)の上に設けるのかについては、開示されていない。
【0004】
非特許文献1では、幌を取付けるためのキャリィ本体(骨組)の上に、左右に、ルーフレールが設けられて、荷台具を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】楽天市場、エフクラス ハードカーゴ カバー ハイゼットジャンボ用 HARD CARGO 軽トラ アタッチメント、[Online]、令和2年12月2日検索、インターネット、<URL:https://item.rakuten.co.jp/honda-walk/hardcargo-06/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1の構造では、幌の骨組(枠体)を含めた上で、荷台具が構成されている。非特許文献1のように、実用化された製品は存在するものの、幌の上に、荷台具を構成することは、一般的ではない。
【0008】
幌の上の荷台具を普及させるには、出来る限り、既存の幌の骨組を流用して、オプションとして、荷台具を取付けるという考えに基づいた方がよい。
【0009】
また、非特許文献1に記載の骨組の場合、幌の外側に骨組が出てくることとなるので、幌の端辺に穴を設けて、幌をロープで骨組に取付ける必要がある。そのため、ロープのメンテナンスなども必要になるばかりか、美感もよくない。
【0010】
以上を踏まえて、本発明は、出来る限り既存の骨組を活用した幌の上の荷台具を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。
本発明は、車両の幌の上に荷台具を有する荷台具付き幌であって、幌の内部の骨組に取付けられており、幌に開けられた穴から屋外に露出する連結具と、連結具に取付けられる荷台具とを備える。
【0012】
また、本発明は、車両の幌の骨組に取付けられており、幌に開けられた穴から屋外に露出する連結具に取付けられる荷台具である。
【0013】
また、本発明は、車両の幌の骨組に取付けられており、幌に開けられた穴から屋外に露出して、荷台具に連結される連結具である。
【0014】
好ましくは、連結具は、骨組の上部に設けられたフレームと、フレームに取付けられたジョイントベースと、ジョイントベースに取付けられたジョイントアッパーとを含むとよい。荷台具は、ジョイントアッパーに、取付けられるとよい。
【0015】
好ましくは、連結具は、ジョイントベースとジョイントアッパーとの間に密閉部材を含
むとよい。
好ましくは、ジョイントベース(6)は、フレーム(5)に取り付けられる第1部分と、そこから立脚する第2部分とを有しており、フレーム(5)に取り付けられる第1部分は、屋内側に位置しており、穴は、立脚する第2部分に対応する箇所に、開けられており、穴から、立脚する第2部分が屋外に出ており、ジョイントアッパー(7)は、屋外側にあり、下部の第3部分と、下部の第3部分から立脚する第4部分とを有しており、ジョイントベース(6)の立脚する第2部分が、ジョイントアッパー(7)の第4部分の中に、挿入されており、密閉部材(8)は、ジョイントベース(6)の第1部分と幌との間に設けられているとよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、幌の骨組に連結具が取付けられて、幌に開けられた穴から屋外に連結具を露出させて、連結具に荷台具が取付けられる構造となるので、既存の幌の骨組を活用して、オプションとして、荷台具を設けることが可能となる。また、骨組は、幌の中に入ったままであるので、本発明の荷台具付き幌は、美感上も優れている。
【0017】
ジョイントベースとジョイントアッパーを使用すれば、簡易な構造での連結具が提供可能となる。
【0018】
ジョイントベースとジョイントアッパーとの間に密閉部材を設ければ、雨などの水分が幌の屋内に侵入するのを防止することができる。
【0019】
本発明のこれら、及び他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る荷台具付き幌を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る骨組を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、幌の骨組の上に荷台具1を取付ける部分の断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る荷台具付き幌を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、第2の実施形態に係る骨組を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
図1ないし
図3を参照しながら、第1の実施形態に係る荷台具付き幌について説明する。
図1に示したように、荷台具1は、車両3の荷台に設けられた幌2の上に取付けられている。
【0022】
図2に示すように、幌2の内部は、骨組4によって構成されている。骨組4は、たとえば、荷台の四隅に立脚する4本の支柱と、上部の前後左右の4本の支柱とからなる。上部の支柱には、フレーム5が左右に渡るように、骨組4に取付けられている。骨組4は、既存の幌の支柱として、通常、設けられているものである。フレーム5も、適宜、補強のために、骨組4に取付けられている場合がある。ただし、既存の幌の骨組が如何なる構造であるかは、本発明を限定するものではない。
【0023】
図3に示すように、フレーム5に、ジョイントベース6が取付けられている。そして、幌2の一部がジョイントベース6の立脚部分に合わせて、切り取られている。フレーム5とジョイントベース6との取付には、ビス留めなど、適宜、適切な手段が用いられる。
【0024】
ジョイントベース6と幌2との間には、環状のスポンジゴム等の密閉部材8が設けられる。なお、ここでは、素材として、スポンジゴムを用いることとしているが、ジョイントベース6と幌2との間を密閉することができる密閉部材8であれば、他の素材であってもよいし、その形状も限定されない。
【0025】
そして、幌2を挟んで、ジョイントベース6の上に、ジョイントアッパー7が取付けられている。ジョイントベース6とジョイントアッパー7との取付には、円筒部分をビス留めしたり、円板部分をビス留めしたりするなどして、適宜、適切な手段が用いられる。
【0026】
ジョイントアッパー7の上に、荷台具1(ここでは、「ルーフキャリア」が図示されている。)が取付けられる。
【0027】
(第2の実施形態)
図4及び
図5を参照しながら、第2の実施形態に係る荷台具付き幌について説明する。
図4に示したように、荷台具9は、車両3の荷台に設けられた幌2の上に取付けられている。
【0028】
荷台具9は、左右に設けられたルーフレールである。荷台具9は、第1実施形態の
図3と同様、フレーム5、ジョイントベース6、密閉部材8、及びジョイントアッパー7を介して、幌2の内部の骨組4の上に、荷台具1が取付けられることとなる。
【0029】
このように、第1及び第2の実施形態では、幌2の内部の骨組4の上に、フレーム5、ジョイントベース6、密閉部材8、及びジョイントアッパー7を介して、荷台具1及び9が取付けられることとなる。したがって、出来る限り、幌2の既存の骨組を活用して、幌2の必要な箇所に穴を空けるだけで、荷台具1及び9を設けることができることになる。
【0030】
なお、骨組4やフレーム5は、ここでは、円柱状に図示しているが、円柱状以外であってもよいことは、言うまでもない。また、ここでは、ジョイントベース6及びジョイントアッパー7を円盤状及び円柱状としているが、円盤状及び円柱状以外であってもよい。
【0031】
また、骨組4と荷台具1及び9とを連結するために、ここでは、フレーム5を用いているが、骨組4に、ジョイントベース6及びジョイントアッパー7を取付けて、荷台具1及び9を連結するようにしてもよい。
【0032】
すなわち、本発明は、幌2内部の骨組4に、何らかの連結具を設けて、幌2に穴を空け、当該連結具を、当該穴から、屋外に露出して、当該連結具に、ルーフキャリアやルーフレールなどの荷台具1及び9を取付けることとしたものである。連結具の構造としては、種々考えられるが、一例として、上記したように、骨組4の上部に左右に渡したフレーム5に、ジョイントベース6を取付け、ジョイントベース6とジョイントアッパー7とを連結させて、ジョイントアッパー7に荷台具1及び9を連結させるというものである。そして、好ましくは、ジョイントベース6とジョイントアッパー7との間に、密閉部材8を設けることで、幌2の上部からの水が内部に侵入することを防止することができ、防水効果を発揮する。
【0033】
なお、密閉部材2は、幌の内側または外側のどちら側にあってもよい。
【0034】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本明細書に開示されている発明の構成要件は、それぞれ独立に単独した発明として成立するものとする。各構成要件をあらゆる組み合わせ方法で組み合わせた発明も、本発明に含まれることとする。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、幌の上の荷台具であり、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0036】
1,9 荷台具
2 幌
3 車両
4 骨組
5 フレーム
6 ジョイントベース
7 ジョイントアッパー
8 密閉部材