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特許7175541段ボール箱を再利用するためのカッター用定規
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】段ボール箱を再利用するためのカッター用定規
(51)【国際特許分類】
   B26B 29/06 20060101AFI20221114BHJP
   B26D 7/01 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
B26B29/06
B26D7/01 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022005482
(22)【出願日】2022-01-18
【審査請求日】2022-01-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596024792
【氏名又は名称】堀機械商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000073
【氏名又は名称】特許業務法人プロテック
(74)【代理人】
【識別番号】100167070
【弁理士】
【氏名又は名称】狹武 哲詩
(74)【代理人】
【識別番号】100108051
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 生央
(72)【発明者】
【氏名】堀 憲史
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-060701(JP,A)
【文献】特開平09-028948(JP,A)
【文献】実開昭64-050777(JP,U)
【文献】実開昭59-188073(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 29/06
B26D 7/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部に持ち手を有する長方形の天板と、
前記天板の長手方向の縁の一つに前記天板と直角に固定され、下方に延びる、透明または半透明の板材からなる定規部と
からなり、段ボール箱の側面をカットしてサイズ変更することにより、段ボール箱を再利用するためのカッター用定規であって、
前記定規部は、複数のカッター用ガイド溝がそれぞれ平行になるとともに、前記天板の長手方向に対しても平行となるように、前記下方に間隔を空けて複数の当該カッター用ガイド溝を有し、
前記カッター用ガイド溝は、当該溝の中にカッターの刃が入り、ガイドするものであり、
前記天板の長手方向の長さ及び前記カッター用ガイド溝の長さは、前記サイズを変更して再利用しようとする直方体の段ボール箱を閉じて箱の状態で安定した場所に置いたときに上面を構成する長辺の長さよりも長いものである
ことを特徴とするカッター用定規。
【請求項2】
前記定規部を構成する透明または半透明の板材は、ポリカーボネート、アクリル又は塩化ビニールのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載したカッター定規。
【請求項3】
前記天板は木材からなり、
前記定規部は、前記天板の長手方向の縁の一つに接着及びビス止めにて固定される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したカッター用定規。
【請求項4】
前記カッター用ガイド溝は、前記天板の最下部の位置から一定間隔に複数設けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載したカッター用定規。
【請求項5】
前記カッター用ガイド溝の太さは、1.0ミリメートル以上3.0ミリメートル以下である
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載したカッター用定規。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール箱を再利用するためのカッター用定規に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基準側縁を有する第一板体の基部に、カッターガイド縁を有する第二板体の基部を枢着して第一板体の基準側縁に対して第二板体のカッターガイド縁の傾斜角度が可変自在となるように構成し、この第一板体の基準側縁に位置決め当接用の垂下辺を連設形成し、第二板体のカッターガイド縁にカッターガイド用の立ち上げ辺を連設形成し、第一板体の基準側縁に対して第二板体のカッターガイド縁の傾斜角度を決定する角度目盛部や分度器部などの角度指標部を設けたことを特徴とするカッター用定規。そして、前記第一板体並びに第二板体に夫々連結体を枢着し、この各連結体の先端部同志を枢着して連結リンク体を設け、この連結リンク体に押さえ用ハンドルを立設したことを特徴とするカッター用定規が記載されている。
【0003】
特許文献2には、電気丸のこやジグソー、カッターナイフ等の切断用工具を用いて切断作業を行う場合に使用し、前記切断用工具を案内する切断用定規であって,定規本体の下面に、被切断部材端面に引掛ける爪部を備えた引掛け手段を設けたことを特徴とする切断用定規が開示されている。
また、前記引掛け手段を着脱自在としたことを特徴とする切断用定規が開示されている。
さらに、前記爪部が被切断部材の厚さ方向に移動可能としたことを特徴とする切断用定規が開示されている。
さらにまた、前記定規本体に長孔を設け、該長孔に嵌合する取付手段とビスを介して、電気丸のこのベース部が摺動する補助板を、該定規本体の下面に幅方向に平行移動可能に設けたことを特徴とする切断用定規が記載されている。
【0004】
特許文献3には、平板上の平面のいずれかの辺に平行して1もしくは1以上の溝状の穴または穴を設けて、単位の異なる複数個の等間隔目盛を指示することを特徴とする等間隔測定スケールが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平7-60701号公報
【文献】特開2001-341102号公報
【文献】特開昭50-106659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の発明者は、段ボール箱を再利用して荷造りに用いる場合、大きすぎる箱を小さくして用いることが運賃のコスト削減のために望ましいと考えた。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、段ボール箱を手軽にサイズ変更するためのカッター用定規を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るカッター用定規は、
中央部に持ち手を有する長方形の天板と、
前記天板の長手方向の縁の一つに固定され、下方に延びる、透明または半透明の板材からなる定規部と
からなる段ボール箱を再利用するためのカッター用定規であって、
前記定規部は、前記天板の長手方向の縁に平行に設けられた複数のカッター用ガイド溝を有する
ことを特徴とする。
これにより、既成の段ボール箱を閉じた状態で安定した場所に置き、その上にこのカッター用定規の天板の裏側(持ち手のついている面の反対側)を段ボール箱の上面に接するように置き、カッター用定規の定規部が段ボール箱の側面に接するようにして、カッター用ガイド溝にカッターを通して段ボール箱の側面をカットして、サイズ変更することを可能にする。
【0009】
前記定規部を構成する透明または半透明の板材は、ポリカーボネート、アクリル又は塩化ビニールのうちのいずれかであることを特徴とする。
これにより、定規部の向こう側にある段ボール箱を視認しつつ、カッターを用いることを可能とする。
【0010】
前記天板は木材からなり、
前記定規部は、前記天板の長手方向の縁の一つに接着及びビス止めにて固定される
ことを特徴とする。
これにより、木材の重みにより、重心が天板の側にシフトするので、カッター用定規を段ボール箱の上に置いた状態でカッター用定規を安定させることができ、カッターを用いる作業に集中することを可能にする。
【0011】
前記カッター用ガイド溝は、天板の最下部の位置から一定間隔に複数設けられる
ことを特徴とする。
これにより、必要に応じ、適切な寸法のカットが可能になる。
【0012】
前記カッター用ガイド溝の太さは、1.0ミリメートル以上3.0ミリメートル以下である
ことを特徴とする。
これにより、市販されているカッターの刃がはいりやすく、動かしやすいカッター用ガイド溝の太さとすることができ、カット作業の効率をよくする。
【0013】
また、プラスチック又は金属からなり、直線の縁を有する直線定規二つと、
それらの直線の縁同士を1.0ミリメートル以上3.0ミリメートル以下の所定の間隔を保つように、前記二つの定規の両端を固定する定間隔保持具と
からなるカッター用定規を提案する。
これにより、カッター用ガイド溝を形成するのに、加工により溝を形成するのではなく、二つの定規を定間隔で保持する保持具によってカッター用ガイド溝を形成できる。
【0014】
前記定間隔保持具は、ボルトとナットによる固定をするものであり、前記直線定規と前記定間隔保持具とにボルト通し穴をあらかじめ設けることにより、前記二つの直線定規が所定の間隔を保つように構成されていることを特徴とする。
これにより、ボルト通し穴を正確に設けることにより、二つの直線定規を所定間隔で保持することができ、適切なカッター用ガイド溝を形成できる。
【0015】
前記直線定規二つに設けられたボルト通し穴は、第一のボルト通し穴セットと第二のボルト通し穴セットとの二組のボルト通し穴セットを有していて、
第一のボルト通し穴セットを用いて前記直線定規二つを固定することと、第二のボルト通し穴セットを用いて前記直線定規二つを固定することとが可能であって、それぞれいずれも所定の間隔が1.0ミリメートル以上3.0ミリメートル以下であって、それら二つが異なる間隔であることを特徴とするカッター用定規。
これにより、カッター用ガイド溝として適した溝の太さを二つ、あらかじめ用意しておいて、必要な場合に切換えて用いることを可能とする。
なお、二組のボルト通し穴セットを設けるのは、直線定規二つ、定間隔保持具の三つの部材のうちの一つに設けることでこの目的を達することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上、説明したように、本発明のカッター用定規は、既成の段ボール箱を閉じた状態で安定した場所に置き、その上にこのカッター用定規の天板の裏側(持ち手のついている面の反対側)を段ボール箱の上面に接するように置き、カッター用定規の定規部が段ボール箱の側面に接するようにして、カッター用ガイド溝にカッターを通して段ボール箱の側面をカットして、サイズ変更することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るカッター用定規を既成の段ボール箱に載せた状態を正面から見た図である。
図2】本発明に係るカッター用定規を既成の段ボール箱に載せた状態を横から見た図である。
図3】本発明に係るカッター用定規を既成の段ボール箱に載せた状態を上方から見た図である。
図4】本発明に係るカッター用定規の天板に備える持ち手部分を示す図である。
図5】本発明に係るカッター用定規のカッター用ガイド溝を通して段ボール箱を見た図である。
図6】直線定規二つを定間隔保持具を用いてボルトとナットにより固定をしてカッター用ガイド溝を形成することを示す図である。
図7】直線定規にあけたボルト通し穴を示す図である。
図8】直線定規二つを定間隔保持具を用いてボルトとナットにより固定をした状態をナットの側から見た図である。
図9】直線定規二つを定間隔保持具を用いてボルトとナットにより固定をした状態をボルトの側から見た図である。。
図10】ボルトの部分の拡大図である。
図11】直線定規にあけたボルト通し穴を裏側から見た図である。
図12】段ボール箱のカットしたい面を上にして、カッター用定規の定規部を当該段ボール箱のカットし対面にあてた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら、本発明のを実施するための最良の形態を詳細に説明する。図1から図3までは、本発明の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成及び動作は同様であるものとする。
【0019】
図1は、本発明に係るカッター用定規10を既成の段ボール箱20に載せた状態を正面から見た図である。
天板13は、長方形の木材の板により構成可能である。天板13の上部中央には、持ち手11を取り付ける。持ち手11は、たとえば家具の引き出しに取り付ける持ち手を流用可能である。持ち手11は、天板13の上部中央にビス止めにより取り付けることができる。
定規部15は、透明または半透明の板材からなる。材質としてはポリカーボネート、アクリル又は塩化ビニールのうちのいずれかとすることができる。定規部15は、天板13の長手方向の縁の一つに接着及びビス止めで固定され、下方に延びる長方形の板材からなり、天板13の長手方向の縁に対して平行なカッター用ガイド溝17を複数有する。
カッター用ガイド溝17は、天板15の最下部の位置から一定間隔、たとえば3センチ間隔又は5センチ間隔で、複数設けられる。カッター用ガイド溝17の太さは、1.0ミリメートル以上、3.0ミリメートル以下とするのが適切である。1.0ミリメートル未満では、カッターの刃をその溝に入れることができても、動かすことが難しくなる。多くの場合、カッターの刃を傾けて用いると考えられるので、2.0ミリメートル程度が作業しやすい。3.0ミリメートルよりも広い溝になると、ガイド溝としての意味がうすくなってしまう。
【0020】
図2は、本発明に係るカッター用定規10を既成の段ボール箱20に載せた状態を横から見た図である。
既成の段ボール箱20は、直方体の形状をした段ボール箱であり、それを組み立てた状態でその上に本発明に係るカッター用定規10を載せる。カッター用定規10の天板13は、十分に重さを有するものであって、定規部15が天板13の長手方向の縁に接着及びビス止めで固定されていても、その定規部15の重さによって傾くことのないようになっており、カッター用定規10の重心は、天板13の重心に近いところにあるように構成される。
【0021】
図3は、本発明に係るカッター用定規を既成の段ボール箱に載せた状態を上方から見た図である。
天板13の部分の重さが十分にあるので、持ち手11から手を離した状態でも、カッター用定規10は、安定して段ボール箱10の上に置かれた状態にある。その状態で、定規部15が段ボール箱20の側面に密着させると、カッター用ガイド溝17が段ボール箱20の側面にぴたりとつくので、カッターを用いてカッター用ガイド溝17に沿って切ることが可能である。
【0022】
図4は、本発明に係るカッター用定規の天板に備える持ち手部分を示す図である。持ち手11は、図4に示すように、たとえば家具の引き出しに取り付けるような既製品をもちいてビス止めすることができる。
【0023】
図5は、本発明に係るカッター用定規のカッター用ガイド溝を通して段ボール箱を見た図である。カッター用ガイド溝17は、カッターの刃を通して滑らすことができるように所定の幅を有している。所定の幅は、上述のように1.0ミリメートルから3.0ミリメートルの間の所定の数値にすることが望ましい。
【0024】
図6は、直線定規二つを定間隔保持具を用いてボルトとナットにより固定をしてカッター用ガイド溝を形成することを示す図である。
カッター用ガイド溝17を形成するには、第一に、板に穴あけをする。第二に、型を用いてプラスチック成型などの成型をする。第三に、二つの直線定規を所定の間隔をもって固定できるような定間隔保持具40を用いるというやりかたが可能である。定間隔保持具40を用いるメリットとしては、二つの直線定規を所定間隔に保持するその間隔を、たとえば、1.5ミリメートルと、2.5ミリメートルの二種類にできるということである。ボルト通し穴を二セット準備しておくことにより、それが可能となる。カッターを用いる人の個人差や癖などにより、カッター用ガイド溝の間隔は適切な数値が異なるものと考えられる。二種類の間隔に対応できるようにしておくことで使いやすいカッター用定規になる。
【0025】
図7は、直線定規にあけたボルト通し穴を示す図である。
【0026】
図8は、直線定規二つを定間隔保持具を用いてボルトとナットにより固定をした状態をナットの側から見た図である。
【0027】
図9は、直線定規二つを定間隔保持具を用いてボルトとナットにより固定をした状態をボルトの側から見た図である。。
【0028】
図10は、ボルトの部分の拡大図である。
【0029】
図11は、直線定規にあけたボルト通し穴を裏側から見た図である。
【0030】
図12は、段ボール箱のカットしたい面を上にして、カッター用定規の定規部を当該段ボール箱のカットし対面にあてた状態を示す図である。
【0031】
≪補正、または分割に役立つと思われる技術事項のメモ≫
天板に対して、定規部を接着及びビス止めで固定することとしたが、天板と定規部とを一体的に形成するための型を準備して、プラスチック成型をすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明にかかるカッター用定規は、家庭や事業所などにおいて、利用可能である。
【符号の説明】
【0033】
10 カッター用定規
11 持ち手
13 天板
15 定規部
17 カッター用ガイド溝
20 段ボール箱
30、35 直線定規
40 定間隔保持具
【要約】
【課題】段ボール箱を手軽にサイズ変更するためのカッター用定規を提供する。
【解決手段】中央部に持ち手を有する長方形の天板と、天板の長手方向の縁の一つに固定され、下方に延びる、透明または半透明の板材からなる定規部とからなる段ボール箱を再利用するためのカッター用定規であって、定規部は、天板の長手方向の縁に平行に設けられた複数のカッター用ガイド溝を有する。定規部を構成する透明または半透明の板材は、ポリカーボネート、アクリル又は塩化ビニールのうちのいずれかである。プラスチック又は金属からなり、直線の縁を有する直線定規二つと、それらの直線の縁同士を1.0ミリメートル以上3.0ミリメートル以下の所定の間隔を保つように、前記二つの定規の両端を固定する定間隔保持具とからなるカッター用定規。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12