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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】車両用充電コネクタ保持装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20221114BHJP
   B60L 53/16 20190101ALI20221114BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
B60L53/16
H02J7/00 P
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018176593
(22)【出願日】2018-09-20
(65)【公開番号】P2020048368
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 匠
(72)【発明者】
【氏名】野口 智大
(72)【発明者】
【氏名】南井 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】栗田 篤志
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-117010(JP,A)
【文献】特開2012-069293(JP,A)
【文献】特開2013-055787(JP,A)
【文献】特開2013-085345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 50/40
H01R 13/73-74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に接続されることで電力を供給する充電コネクタを収納するコネクタ収納部を備えた車両用充電コネクタ保持装置であって、
コネクタ収納部は、充電コネクタを保持する保持部と、保持部軸支るケース部を備え、
少なくとも上下方向に回転可能な保持部は、充電コネクタを接続した際に開口部側が下方に移動するよう回転可能であって、
充電コネクタが保持部に接続されていない状態よりも、充電コネクタが保持部に接続されて保持部が移動した後の方が、ケース部の内面に設けた規制部と保持部の外面に設けた規制部の左右方向の隙間が狭くなり、保持部の左右方向への移動が規制される車両用充電コネクタ保持装置。
【請求項2】
保持部が軸部を備え、ケース部が軸受けを備え、充電コネクタが保持部に接続されていない状態よりも、充電コネクタが保持部に接続されて保持部が移動した後の方が、ケース部の軸受けに設けた規制部と保持部の軸部に設けた規制部の隙間が狭くなる請求項1に記載の車両用充電コネクタ保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用充電コネクタ保持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用充電コネクタを保持する保持装置が知られている。特許文献1には、充電コネクタを保持する保持コネクタが、上下方向に回転する旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-263665号公報
【0004】
ところで、充電コネクタ保持装置は、屋外で使用されることが多いため、砂や埃などの異物にさらされる。異物がケース部の軸受け内に進入することによって、軸受けとそれに挿入された保持部の軸部との間に異物が挟まってしまい、軸部の回転を阻害してしまう虞があった。そこで、軸受けと軸部との間に隙間を設けるとともに、軸受けの下方に開口を設け、軸受け内に異物が進入した場合でも、異物を開口から排出する構造としていた。しかし、軸受けと軸部との間に隙間を設けたことによって、保持部にガタつきが生じ、保持部が揺れることによって、ケースと保持部との接触音が生じてしまうことが問題であった。また、保持部に充電コネクタを挿入した状態での接触音はさらに大きなものとなっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明の課題は、保持部に充電コネクタを挿入していない状態よりも保持部に充電コネクタを挿入し、保持部が回転した状態の方が、保持部のガタツキを抑制できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、車両に接続されることで電力を供給する充電コネクタを収納するコネクタ収納部を備えた車両用充電コネクタ保持装置であって、コネクタ収納部は、充電コネクタを保持する保持部と、保持部に軸支されるケース部を備え、少なくとも上下方向に回転可能な保持部は、充電コネクタを接続した際に開口部側が下方に移動するよう回転可能であって、充電コネクタが保持部に接続されていない状態よりも、充電コネクタが保持部に接続されて保持部が移動した後の方が、ケース部に設けた規制部と保持部に設けた規制部の隙間が狭くなる車両用充電コネクタ保持装置とする。
【0007】
また、充電コネクタが保持部に接続されていない状態よりも、充電コネクタが保持部に接続されて保持部が移動した後の方が、ケース部の内面に設けた規制部と保持部の外面に設けた規制部の隙間が狭くなる構成とすることが好ましい。
【0008】
また、保持部が軸部を備え、ケース部が軸受けを備え、充電コネクタが保持部に接続されていない状態よりも、充電コネクタが保持部に接続されて保持部が移動した後の方が、ケース部の軸受けに設けた規制部と保持部の軸部に設けた規制部の隙間が狭くなる構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、保持部に充電コネクタを挿入していない状態よりも保持部に充電コネクタを挿入し、保持部が回転した状態の方が、保持部のガタツキを抑制できるようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態における車両用充電コネクタ保持装置の斜視図である。
図2】実施形態における車両用充電コネクタ保持装置のコネクタ収納部が横方向に回転する状態を示した図である。
図3】実施形態におけるコネクタ収納部に充電コネクタが接続された状態を示した図である。但し、保持部の開口部が正面側に位置している。また、保持部の開口部は下方に向いている。
図4】実施形態におけるコネクタ収納部に充電コネクタが接続された状態を示した図である。但し、保持部の開口部が左側に位置している。また、保持部の開口部は下方に向いている。
図5】実施形態における車両用充電コネクタ保持装置の分解斜視図である。
図6】実施形態における取付部の分解斜視図である。
図7】実施形態における車両用充電コネクタ保持装置が支柱に取り付けられている状態の図である。
図8】実施形態におけるケース部の分解斜視図である。
図9】実施形態におけるケース部の正面図である。
図10】保持部が第1規制部に当接している状態を、図9のA-A断面となる位置で断面を切って表した図である。
図11】保持部が第2規制部に当接している状態を、図9のB-B断面となる位置で断面を切って表した図である。
図12】コネクタ収納部の正面図である。
図13図12に破線を付した箇所を部分的に断面状としたコネクタ収納部の底面図である。但し、ケース部に設けた規制部と保持部に設けた規制部の隙間が十分にある状態である。
図14図12に破線を付した箇所を部分的に断面状としたコネクタ収納部の底面図である。但し、ケース部に設けた規制部と保持部に設けた規制部の隙間が減少し、保持部の左右方向への移動が規制された状態である。
図15】ケース部の縦断面図である。
図16図15のA-A断面図である。
図17】ケース部が回転した場合に取付部に当接して回転が規制される状態を示す図である。但し、底面側から見た図であり、一部を断面で表している。
図18】保持部の斜視図である。但し、開口部が見えるように表している。
図19】保持部の斜視図である。但し、背面側が見えるように表している。
図20】保持部の正面側を斜め上から見た図である。
図21】コネクタ収納部の正面図である。
図22図21に破線を付した箇所を切ったコネクタ収納部を斜め上から見た図である。但し、ケース部に設けた規制部と保持部に設けた規制部の隙間が十分にある状態である。
図23図21に破線を付した箇所を切ったコネクタ収納部を斜め上から見た図である。但し、ケース部に設けた規制部と保持部に設けた規制部の隙間が減少し、保持部の左右方向などへの移動が規制された状態である。
図24】ケース部と保持部からなる車両用充電コネクタ保持装置を屋根に直接支持させた状態を示す図である。
図25】規制孔を備えた取付部の分解斜視図である。
図26】規制ピンを備えたケース部の分解斜視図である。
図27】規制ピンを備えたケース部の正面図である。
図28】保持部が第2規制部に当接している状態を、図19のB-B断面となる位置で断面を切って表した図である。
図29】保持部が第1規制部に当接している状態を、図19のA-A断面となる位置で断面を切って表した図である。
図30】保持部が第2規制部に当接している状態を、図19のA-A断面となる位置で断面を切って表した図である。
図31】ケース部が左側を向いた状態で回転規制されている状態を示す図である。
図32】ケース部が正面側を向いた状態で回転規制されている状態を示す図である。
図33】ケース部が右側を向いた状態で回転規制されている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に発明を実施するための形態を示す。図1乃至図4に示されていることから理解されるように、本実施形態の車両用充電コネクタ保持装置1は、車両に接続されることで電力を供給する充電コネクタ91を収納するコネクタ収納部2を備えている。また、図12乃至図16に示されるように、この車両用充電コネクタ保持装置1のコネクタ収納部2は、充電コネクタ91を保持する保持部10と、保持部10に軸支されるケース部20を備えている。より具体的には、保持部10が軸部11を備えており、更には、この軸部11が挿入される軸受け21を備えたケース部20を備えている。また、少なくとも上下方向に回転可能な保持部10は、充電コネクタ91を接続した際に充電コネクタ91の自重によって、開口部12側が下方に移動するよう回転可能であって、充電コネクタ91が保持部10に接続されていない状態よりも、充電コネクタ91が保持部10に接続されて保持部10が移動した後の方が、ケース部20に設けた規制部28と保持部10に設けた規制部18の隙間が狭くなることで、充電コネクタ接続後の保持部10のガタツキが抑制されるよう構成されている。このため、保持部10に充電コネクタ91を挿入していない状態よりも保持部10に充電コネクタ91を挿入し、保持部10が回転した状態の方が、保持部10のガタツキを抑制できる。
【0012】
図1から図5に示されることから理解されるように、実施形態における車両用充電コネクタ保持装置1のコネクタ収納部2は、コネクタを保持する保持部10と、保持部10を支持するケース部20を備えている。また、保持部10は、上下方向に回転可能であり、ケース部20は、左右方向に回転可能である。このため、収納部の移動範囲に面状の広がりがある。
【0013】
実施形態の車両用充電コネクタ保持装置1は、充電コネクタ91を保持する機能を発揮させることができるものであり、施工面などに取り付けられる取付部40を備えている。ここでいう、施工面には、家屋の外壁、家屋の庇98やカーポート等の支柱99などや、キャビネットの内部などが含まれる。なお、車両用充電コネクタ保持装置1が取り付けられるキャビネットとしては、充電機能を備えた車両用充電器であっても良いし、充電機能を備えない、防水や防犯目的のものであってもよい。
【0014】
図6に示されることから理解されるように、実施形態の取付部40は、施工面に取り付けられる取付部材41と、ケース部20や保持部10を支持する支持部材42と、それらをカバーするカバー部材43で構成され、それぞれがネジなどで固定されている。実施形態の取付部材41は平面視略コ字状であって、背面に取付穴44を備え、ネジなどで施工面などに取付けられる。取付部材41の側面部には、略長方形状の取付穴45を備え、その長方形状の取付穴に紐やバンドなどを通すことで、支柱99などにも固定することができる(図7参照)。
【0015】
図6に示す例の支持部材42は前方へ延びる片46を有し、その片46には、ケース部20を回動可能に支持するために用いられる支持部81として機能するボルトが挿通される支持孔47を有する。このように、コネクタ収納部2の上面側に支持部81を有し、支持部81で吊り下げ支持されるようにすることが好ましい。
【0016】
実施形態のカバー部材43は、組み合わされた取付部材41と支持部材42を覆うために、側面視略L字状となっており、背面側には、取付部材41に通した紐やバンドを回避するための切欠き48が設けられている。また、図6に示す例のカバー部材43の前面側には、ケース部20の左右方向への回転を規制するためにケース部20と当接する凸部49が形成されている。
【0017】
実施形態のケース部20は、左側の外形を形成する左側ケース201と右側の外形を形成する右側ケース202を備え、左側ケース201と右側ケース202は上側2点、下側1点の計3点でネジ固定されている。
【0018】
また、図8から図10に示すことから理解されるように、左側ケース201と右側ケース202は、その上部側に回転部材82を挟持する。この回転部材82は、円盤部83と軸部84で構成され、円盤部83の上面や、軸部84の周囲には、回転部材82を回転しやすくするための樹脂などが付されている。なお、支持部81となるボルトを軸部84に対して下側から挿入し、ボルトを取付部40の支持部材42の支持孔47に固定することで、回転部材82を支持し、更には、回転部材82を挟持するケース部20を支持する。
【0019】
左側ケース201と右側ケース202の内側には、保持部10の軸部11を受ける軸受け21が設けられる。また、左側ケース201と右側ケース202の内側には、保持部10の回転を規制する複数の規制部が設けられている。図10に示すことから理解されるように、ケース部20の下部に設けられる第1規制部22は、充電コネクタ91が保持されていない状態で、保持部10の開口部12側が上方向に向けて回転することを規制する。また、図11に示すことから理解されるように、ケース部20の上部に設けられる第2規制部23は、充電コネクタ91が保持された状態で、保持部10の開口部12側が下方向に向けて回転することを規制する。
【0020】
ところで、保持部10の上下方向への回転をスムーズに行うために、ケース部20の軸受け21とそれに挿入される保持部10の軸部11との間には隙間が設けられている。しかし、その隙間が存在することにより、保持部10へ充電コネクタ91を挿入する際に、保持部10が固定されない状態となり、充電コネクタ91を挿入しづらいという問題が生じ得る。そこで、実施形態では、充電コネクタ91を挿入するときに、保持部10の背面が当接し保持部10の回転を抑制することができる凸部24をケース部20の内側に設けた。この凸部24を設けることで、保持部10へ充電コネクタ91を挿入しやすくすることができる。なお、この凸部24は、ケース内側の左側ケース201と右側ケース202の合わせ面付近に設けている。
【0021】
また、図12から図16に示すことから理解されるように、軸部11には凸形状の規制部18を設け、軸受け21には凸形状の規制部28を設けている。ケース部20に設けた規制部28と保持部10に設けた規制部18の隙間は、充電コネクタ91が保持部10に接続されていない状態よりも、充電コネクタ91が保持部10に接続されて保持部10が移動した後の方が狭くなるように構成している。このため、保持部10に充電コネクタ91を挿入していない状態よりも保持部10に充電コネクタ91を挿入し、保持部10が回転した状態の方が、保持部10のガタツキを抑制している。
【0022】
実施形態の規制部28は、回転前位置から回転後位置まで回転するにつれて徐々に隙間を小さくする斜面を有した形状のものであるが、回転後位置にのみ突出するものであってもよい。また、この例とは逆に、回転前位置から回転後位置まで回転するにつれて徐々に隙間が小さくなるように、規制部18に斜面を有した形状としても良い。
【0023】
また、左側ケース201及び右側ケース202の外側には、凸部25が設けられている。図17に示すように、このケースの外側に設けた凸部25が、左右方向への回転時に取付部40の内側の凸部49と当接することで、左右方向へのそれ以上の回転を規制する。なお、取付部40の内側の凸部49を乗り越えることで、逆方向への回転を規制するものであっても良い。
【0024】
図18に示すことから理解されるように、実施形態の保持部10は、前面側に充電コネクタ91を挿入するための開口部12を備え、左右両側には、ケース部20の軸受け21に挿入される軸部11を有する。また、開口部12の上方には、充電コネクタ91の上方に設けられた爪部と嵌合し、充電コネクタ91の脱落を防止するための嵌合部13を有する。
【0025】
図18から図20に示すことから理解されるように、開口部12の後部には、スリット14が設けられ、背面側から異物を排出することができる。また、スリット14の上部には、挿入された充電コネクタ91の端子部などに、水が浸入することを防ぐために、前方へ突出するリブ15が設けられる。
【0026】
図19に示すことから理解されるように、保持部10は背面側に突出部16を有している。実施形態の突出部16は上下反転した略T字状である。この突出部16の下方の左右に延びる辺の上側の面は、ケース部20の第2規制部23と当接することで、充電コネクタ91が保持された状態での保持部10の下方向への回転を規制するものである。また、突出部16の下方の左右に延びる辺の下側の面は、ケース部20の第1規制部22と当接することで、充電コネクタ91が保持されていない状態での保持部10の上方向への回転を規制するものである。
【0027】
また、図21から図23に示されることから理解されるように、規制部として保持部10の外面に設けた突出部16と、ケース部20の内面に設けた第2規制部23との間の隙間は、充電コネクタ91が保持部10に接続されていない状態よりも、充電コネクタ91が保持部10に接続されて保持部10が移動した後の方が狭くなる。このため、保持部10に充電コネクタ91を挿入していない状態よりも保持部10に充電コネクタ91を挿入し、保持部10が回転した状態の方が、保持部10のガタツキを抑制できる。
【0028】
より具体的には、実施形態における保持部10の背面に設けた突出部16の上下にのびる辺は、先端に向かうほど幅が細くなる先細り形状となっている。一方で、ケース部20の後部に設けられる第2規制部23が、左側ケース201と右側ケース202の対応する位置にそれぞれに設けられている。回転前位置では、突出部16は第2規制部23から離れた位置にあり、回転するにしたがって、互いの距離が近くなる。移動の中盤から、突出部16は第2規制部23に挟まれるようになるが、先細り形状である突出部16と第2規制部23の隙間が小さくなっていき、回転後位置での隙間がもっとも小さくなる。なお、突出部16の形状は、先細り形状に限定されるものでは無く、回転後位置での隙間がもっとも小さくなる形状であれば、如何なる形状でもよい。
【0029】
上記の例では、車両用充電コネクタ保持装置1は、取付部40とケース部20と保持部10を備えたものとしているが、少なくとも充電コネクタ91を保持する保持部10を備えたものであればよく、ケース部20がなく、取付部40に保持部10が支持された構成のものであってもよい。また、取付部40がなく、ケース部20と保持部10のみで構成されたものを、家屋の庇98や、カーポートの屋根、天井に直接支持されるように取付ける構造としてもよい(図24参照)。
【0030】
ところで、コネクタ収納部2の左右方向の回転の規制と前記規制の解除の双方が可能な回転規制機構を備えたものとしても良い。このようにすれば、左右方向への回転の規制をしたい場合と、その規制を解除したい場合に対応できる。例えば、コネクタ収納部2の左右方向の回転の規制をするには、コネクタ収納部2を保持し、回転を防止若しくは規制するようにすれば良い。図25から図33に示す例では、支持部材42に規制孔88を設けた構造としている。この規制孔88に、ケース部20側に設けた規制ピン89を嵌めることで、ケース部20の回動を規制するものである。
【0031】
実施形態では、ケース部20には上下移動可能な規制ピン89が備えられている。実施形態では、保持部10に充電コネクタ91を挿し込むことで、保持部10の後側が上方に移動した際に、保持部10が規制ピン89を押し上げることができるように構成されている。この規制ピン89が規制孔88に嵌る状態となれば、ケース部20の回動が規制される。つまりは、コネクタ収納部2の左右方向の回転が規制される。なお、規制ピン89が上方に持ち上げられても規制孔88に嵌らない場合もあるが、その状態でケース部20を回転させれば、規制ピン89が規制孔88に嵌る状態とすることができる。
【0032】
また、実施形態においては、保持部10の軸部11の後かつ下方に保持部10の重心が位置するようにしている。このため、充電コネクタ91を保持部10から外せば、保持部10の後側が下方に移動する。その結果、規制ピン89を押し上げる力が解除されるため、規制ピン89が規制孔88から抜け、自動的にケース部20の左右方向への回動の規制が解除される。このように、充電コネクタ91が保持部10から取り外されることにより、コネクタ収納部2の左右方向の回転の規制を解除するようにすれば、利便性を高めることができる。
【0033】
実施形態では、規制孔88は支持孔47を中心に90度ずつずれるように三つ設けているため、ケース部20は90度ずつずれた箇所で回転を規制することができる(図31から図33参照)。なお、規制孔88の個数はさらに増やしても良いし減らしても良い。
【0034】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、車両用充電コネクタ保持装置は、ケース部が左右方向、保持部が上下方向に回転するものを例に挙げているが、ケース部が上下方向、保持部が左右方向に回転するものであってもよい。
【0035】
また、ケース部と保持部の一方が(例えば、保持部のみが)、左右方向及び上下方向に回転するものであってもよい。このようにするためには、例えば、ケース部の回転部材を球体状として、左側ケースと右側ケースが挟持する構造とすればよい。これにより、取付部に対して、ケース部がさまざまな方向に回転できるようになる。
【0036】
コネクタ収納部は、左右方向に回転した後に、ケース部の回転部材に規制部材を当接若しくは嵌合することで、回転部材が回転し辛い若しくは逆方向へ回転できないようにしても良い。規制部材をケース部の上方に設けられた開口から挿入することで、回転部材と当接等するものであってもよい。
【0037】
また、規制部材を保持部に設けることもできる。保持部に充電コネクタを保持させると、保持部の開口部が下方向に回転するが、背面側は上方向に回転する。そこで、背面側の上方に規制部材を設け、保持部に充電コネクタが保持された状態で、回転部材の下面に規制部材が当接等するようにすることで、回転部材を回転し辛くすることも可能である。
【0038】
充電コネクタが保持部に接続される前後における規制部間の隙間を調整する構成は、「ケース部の内面側部と、保持部の左右側部」や、「ケース部の内面下部と保持部の下部」など、ケース部の内面と、保持部の外面に設けられ、回転前位置よりも回転後位置の方が、規制部間の隙間が小さくなる構造であれば、如何なる箇所、如何なる形状に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 車両用充電コネクタ保持装置
2 コネクタ収納部
10 保持部
11 軸部
12 開口部
20 ケース部
21 軸受け
91 充電コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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