(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】バッテリパックおよびバッテリ盤
(51)【国際特許分類】
H01M 50/20 20210101AFI20221114BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20221114BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20221114BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20221114BHJP
H01M 10/6557 20140101ALI20221114BHJP
H01M 10/6561 20140101ALI20221114BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221114BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
H01M50/20
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/6554
H01M10/6557
H01M10/6561
H02J7/00 301
H05K7/20 G
(21)【出願番号】P 2017101001
(22)【出願日】2017-05-22
【審査請求日】2020-01-17
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中濱 敬文
(72)【発明者】
【氏名】豊崎 智広
(72)【発明者】
【氏名】川本 真也
(72)【発明者】
【氏名】丹野 勉
(72)【発明者】
【氏名】梅原 達士
(72)【発明者】
【氏名】小山 泰平
【合議体】
【審判長】粟野 正明
【審判官】土屋 知久
【審判官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-38589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/20
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/6554
H01M10/6557
H01M10/6561
H01J7/00
H05K7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いの間に隙間を空けて配置された複数のバッテリと、
当該複数のバッテリを収容して前記隙間に面する第1開口部が設けられた
モジュールケースとを有した第1
バッテリモジュールと、
互いの間に隙間を空けて配置された複数のバッテリと、当該複数のバッテリを収容して前記隙間に面する第2開口部が設けられたモジュールケースとを有し、前記第2開口部が前記第1開口部に向かい合う第2バッテリモジュールと、
前記第1開口部と前記第2開口部とを連通させる第1連通口を有し、前記第1
バッテリモジュールと前記
第2バッテリモジュールとの間に配置され、前記第1開口部から前記第1連通口に流入する空気が前記第2開口部に向けて通過して前記第2開口部から前記
第2バッテリモジュールの内部に流入するシートと、
を備えた
バッテリパック。
【請求項2】
前記第1開口部は、前記第1
バッテリモジュールにおいて前記複数のバッテリの間の隙間に沿うスロットであり、
前記第2開口部は、前記第2
バッテリモジュールにおいて前記複数のバッテリの間の隙間に沿うスロットである、
請求項
1に記載の
バッテリパック。
【請求項3】
前記第1
バッテリモジュールは、複数の前記第1開口部を有し、
前記第2
バッテリモジュールは、複数の前記第2開口部を有し、
前記シートは、複数の前記第1開口部と複数の前記第2開口部とをそれぞれ個別に連通させる複数の前記第1連通口を有した、
請求項
2に記載の
バッテリパック。
【請求項4】
互いの間に隙間を空けて配置された複数のバッテリと、前記複数のバッテリを収容して前記隙間に面する第1開口部が設けられたモジュールケースとを有した第1バッテリモジュールと、
前記第1開口部に向かい合う第2開口部を有した構造体と、
前記第1開口部と前記第2開口部とを連通させる第1連通口を有し、前記第1バッテリモジュールと前記構造体との間に配置され、前記第1開口部から前記第1連通口に流入する空気が前記第2開口部に向けて通過して前記第2開口部から前記構造体の内部に流入するシートと、
を備え、
前記第1連通口の数と前記第1開口部の数は同じであり、
前記第1連通口の外形は、前記第1開口部の外形よりも大きい、
バッテリパック。
【請求項5】
互いの間に隙間を空けて配置された複数のバッテリと、前記複数のバッテリを収容して前記隙間に面する第1開口部が設けられた
バッテリパックケースとを有した第1
バッテリパックと、
前記第1開口部に向かい合う第2開口部を有した構造体と、
前記第1開口部と前記第2開口部とを連通させる第1連通口を有し、前記第1
バッテリパックと前記構造体との間に配置され、前記第1開口部から前記第1連通口に流入する空気が前記第2開口部に向けて通過するシートと、
前記第1
バッテリパックを含むとともに鉛直方向に多段に配置される複数の
バッテリパックを収容し、内部に排気流路が形成された筐体と、
を備え、
前記構造体は、前記第1
バッテリパックが載せられる棚板と、前記第1
バッテリパックと前記排気流路との間に起立して前記第2開口部が設けられた板部材とを含み、
前記シートは、前記第1
バッテリパックと前記板部材との間に配置された、
バッテリ盤。
【請求項6】
前記
バッテリパックケースは、複数のバッテリモジュールを収容し、
前記複数のバッテリモジュールは、前記複数のバッテリと、前記複数のバッテリを収容するモジュールケースとをそれぞれ有し、
前記第1開口部は、前記モジュールケースに設けられた開口部を通じて前記複数のバッテリの間の隙間に面する、
請求項
5に記載の
バッテリ盤。
【請求項7】
前記
バッテリパックケースは、当該
バッテリパックケースの内部で前記複数のバッテリモジュールを外れた位置に空気流路が形成されるとともに、前記空気流路に面した第3開口部を有し、
前記第2開口部は、前記第1開口部および前記第3開口部に向かい合い、
前記第1
バッテリパックと前記板部材との間に配置された前記シートは、前記第3開口部と前記第2開口部とを連通させる第2連通口を有した、
請求項
6に記載の
バッテリ盤。
【請求項8】
前記
バッテリパックケースは、当該
バッテリパックケースの内部で前記複数のバッテリモジュールを外れた位置に空気流路が形成されるとともに、前記空気流路に面した第3開口部を有し、
前記板部材は、前記第3開口部に向かい合う第4開口部を有し、
前記第1
バッテリパックと前記板部材との間に配置された前記シートは、前記第3開口部と前記第4開口部とを連通させる第2連通口を有した、
請求項
6に記載の
バッテリ盤。
【請求項9】
前記第1
バッテリパックは、前記棚板に面する壁と、前記壁に設けられた複数の吸気口とを有し、
前記棚板は、複数の空気供給口を有し、
前記複数の空気供給口は、前記複数のバッテリモジュールが並ぶ方向に並べられた、
請求項
6から請求項
8のうちいずれか一項に記載の
バッテリ盤。
【請求項10】
前記複数の空気供給口は、第1空気供給口と、前記第1空気供給口と比べて前記排気流路の近くに位置した第2空気供給口とを含み、
前記第1空気供給口の開口率は、前記第2空気供給口の開口率よりも大きい、
請求項
9に記載の
バッテリ盤。
【請求項11】
互いの間に隙間を空けて配置された複数のバッテリと、前記複数のバッテリを収容して前記隙間に面する第1開口部が設けられた
モジュールケースとを有した第1
バッテリモジュールと、
前記第1開口部に向かい合う第2開口部を有した構造体と、
前記第1開口部と前記第2開口部とを連通させる第1連通口を有し、前記第1
バッテリモジュールと前記構造体との間に配置され、前記第1開口部から前記第1連通口に流入する空気が前記第2開口部に向けて通過するシートと、
少なくとも一部が多孔体で形成されたダミーモジュールと、
互いの間に隙間を空けて配置された複数のバッテリと、前記複数のバッテリを収容して前記隙間に面する第5開口部が設けられた
モジュールケースとを有した第3
バッテリモジュールと、
前記第5開口部に連通する連通口を有し、前記ダミーモジュールと前記第3
バッテリモジュールとの間に配置された別のシートと、
を備えた
バッテリ盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バッテリパックおよびバッテリ盤に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のバッテリと、複数のバッテリを収容したケースとを有するバッテリ装置が知られている。このようなバッテリ装置は、冷却性能の向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、冷却性能の向上を図ることができるバッテリパックおよびバッテリ盤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のバッテリパックは、第1バッテリモジュールと、第2バッテリモジュールと、シートとを持つ。前記第1バッテリモジュールは、互いの間に隙間を空けて配置された複数のバッテリと、前記複数のバッテリを収容して前記隙間に面する第1開口部が設けられたモジュールケースとを有する。第2バッテリモジュールは、互いの間に隙間を空けて配置された複数のバッテリと、前記複数のバッテリを収容して前記隙間に面する第2開口部が設けられたモジュールケースとを有し、前記第2開口部が前記第1開口部に向かい合う。前記シートは、前記第1開口部と前記第2開口部とを連通させる第1連通口を有し、前記第1バッテリモジュールと前記第2バッテリモジュールとの間に配置され、前記第1開口部から前記第1連通口に流入する空気が前記第2開口部に向けて通過して前記第2開口部から前記第2バッテリモジュールの内部に流入する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】第1の実施形態のバッテリモジュールを示す図。
【
図5】
図1中に示された一点鎖線F5で囲まれた領域を拡大して示す断面図。
【
図8】
図6中に示されたバッテリ盤のF8-F8線に沿う断面図。
【
図11】第3の実施形態の変形例のバッテリ盤を示す断面図。
【
図12】第4の実施形態のバッテリ盤を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態のバッテリ装置を、図面を参照して説明する。なお以下の説明では、略同じまたは類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0008】
ここで、+X方向、-X方向、+Y方向、-Y方向、+Z方向、および-Z方向について先に定義する。+X方向および-X方向は、後述するバッテリモジュール10のなかで複数のバッテリ11が並ぶ方向である。-X方向は、+X方向の反対方向である。+X方向と-X方向とを区別しない場合は、単に「X方向」と称する。+Y方向および-Y方向は、X方向とは交差する(例えば略直交する)方向である。+Y方向および-Y方向は、複数のバッテリモジュール10が並ぶ方向である。-Y方向は、+Y方向の反対方向である。+Y方向と-Y方向とを区別しない場合は、単に「Y方向」と称する。+Zおよび-Z方向は、X方向およびY方向とは交差する(例えば略直交する)方向である。-Z方向は、+Z方向の反対方向である。+Z方向と-Z方向とを区別しない場合は、単に「Z方向」と称する。
【0009】
(第1の実施形態)
まず、
図1から
図5を参照して、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態のバッテリパック100を示す図である。バッテリパック100は、種々の装置や、機械、設備などに電力を供給する電源装置である。本実施形態では、バッテリパック100は、「バッテリ装置」の一例である。バッテリパック100に含まれるバッテリモジュール10は、「バッテリユニット」の一例である。バッテリモジュール10のモジュールケース13は、「ケース」の一例である。
【0010】
図1に示すように、バッテリパック100は、例えば、複数のバッテリモジュール10と、複数のシート20と、これら複数のバッテリモジュール10および複数のシート20を一体に収容するバッテリパックケース30(
図6参照)とを有する。ここではまず、バッテリモジュール10について説明し、続いてシート20について説明する。
【0011】
図2は、本実施形態のバッテリモジュール10を示す図である。
図2に示すように、バッテリモジュール10は、例えば、複数のバッテリ11と、複数のバスバー12と、モジュールケース13とを有する。
【0012】
バッテリ11は、例えば扁平な直方体状の外形を有する。バッテリ11は、例えば、リチウムイオン二次電池である。バッテリ11の一例は、正極材にマンガン、負極材に酸化物系材料(例えばチタン酸リチウム)を用いたSCiB(登録商標)であるが、これに限定されない。バッテリ11は、正極材や負極材に別の材料が用いられたリチウムイオン二次電池や、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池など、他の二次電池であってもよい。
【0013】
図3は、本実施形態のバッテリ11を示す斜視図である。
図3に示すように、バッテリ11は、例えば、バッテリ本体11aと、正極端子11bと、負極端子11cとを有する。バッテリ本体11aは、バッテリ11の外郭を形成する金属缶cを有する。金属缶cの内部には、バッテリ11の構成要素である正極材、負極材、絶縁フィルム、および電解質などが収容されている。
【0014】
詳しく述べると、バッテリ本体11aは、上面11aa、下面11ab、一対の主面11ac、および一対の側面11adを有する。上面11aaには、正極端子11bおよび負極端子11cが設けられている。下面11abは、上面11aaとは反対側に位置する。一対の主面11acおよび一対の側面11adは、上面11aaおよび下面11abとは略直交する方向に延びており、上面11aaの縁と下面11abの縁とを繋いでいる。一対の主面11acは、互いに略平行である。一対の主面11acの各々は、バッテリ11の表面のなかで面積が最も広い面である。一方で、一対の側面11adは、主面11acとは略直交する方向に延びており、一対の主面11acの縁同士を繋いでいる。一対の側面11adは、互いに略平行である。側面11adは、主面11acよりも面積が狭い。正極端子11bは、金属缶c内の正極材に電気的に接続されている。負極端子11cは、金属缶c内の負極材に電気的に接続されている。
【0015】
図2に戻り、バッテリモジュール10の構成について説明する。
図2に示すように、複数のバッテリ11は、例えば、正極端子11bおよび負極端子11cを同じ方向(+Z方向)に向けるとともに、主面11ac同士を向かい合わせにして、互いに略平行に並べられている。複数のバッテリ11は、主面11ac同士の間に冷却用の空気が流れる隙間gを空けて、X方向に並べられている。これらバッテリ11を収容するモジュールケース13の内面には、複数のバッテリ11の間に挿入される突起部などが設けられている。複数のバッテリ11は、モジュールケース13の内面に設けられた突起部などによって、互いの間に隙間gを空けた状態で保持されている。隙間gは、Y方向およびZ方向に沿って広がっている。以下では、説明の便宜上、複数のバッテリ11の間に形成された隙間gを「通風隙間g」と称する。
【0016】
複数のバスバー12は、複数のバッテリ11の端子同士を電気的に接続する。例えば、バスバー12は、あるバッテリ11の正極端子11bと、別のバッテリ11の負極端子11cとを電気的に接続する。これにより、複数のバッテリ11は、電気的に直列に接続されている。なお、バスバー12は、複数のバッテリ11を電気的に並列に接続してもよい。バスバー12は、弾性変形することでバスバー12の伸び縮みを吸収可能なU形ベンド部12aを含む。
【0017】
モジュールケース13は、複数のバッテリ11を一体に収容する。本実施形態では、モジュールケース13は、バッテリケース13mと、端子部ケース13nとに分かれている。バッテリケース13mは、+Z方向が開放された箱状に形成され、複数のバッテリ11を収容している。バッテリケース13mは、下壁13a、第1側壁13b、第2側壁13c、第3側壁13d,および第4側壁13eを有する。
【0018】
下壁13aは、X方向およびY方向に沿う壁部である。下壁13aは、複数のバッテリ11の下面11abに面する。4つの側壁13b,13c,13d,13eは、下壁13aの縁から+Z方向に起立している。第1側壁13bおよび第2側壁13cは、互いに略平行にX方向に延びている。第1側壁13bおよび第2側壁13cは、Y方向においてバッテリ11の両側に分かれて位置し、それぞれバッテリ11の側面11adに面している。第3側壁13dおよび第4側壁13eは、互いに略平行にY方向に延びている。第3側壁13dおよび第4側壁13eは、X方向においてバッテリ11の両側に分かれて位置し、それぞれバッテリ11の主面11acに面している。
【0019】
バッテリケース13mの下壁13aは、通風隙間gに面する吸気口14を有する。吸気口14は、通風隙間gに沿う(すなわちY方向に沿う)細長いスロットである。吸気口14は、1つの通風隙間gに対して1つ設けられている。吸気口14は、モジュールケース13の外部の空気をモジュールケース13の内部(通風隙間g)に流入させる吸気口として機能する。吸気口14は、バッテリケース13mの下壁13aにおいてバッテリ11に面する位置には設けられていない。
【0020】
バッテリケース13mの第1側壁13bは、通風隙間gに面する第1通風口15を有する。第1通風口15は、通風隙間gに沿う(すなわちZ方向に沿う)細長いスロットである。第1通風口15のX方向の幅は、例えば1mmである。第1通風口15は、1つの通風隙間gに対して1つ設けられている。第1通風口15は、例えば、モジュールケース13内(通風隙間g内)の空気をモジュールケース13の外部に流出させる排気口、または、モジュールケース13の外部の空気をモジュールケース13の内部(通風隙間g)に流入させる吸気口のいずれかとして機能する。第1通風口15は、バッテリケース13mの第1側壁13bにおいてバッテリ11に面する位置には設けられていない。
【0021】
バッテリケース13mの第2側壁13cは、通風隙間gに面する第2通風口16を有する。第2通風口16は、通風隙間gに沿う(すなわちZ方向に沿う)細長いスロットである。第2通風口16のX方向の幅は、例えば1mmである。第2通風口16は、第1通風口15と略同じ形状を有する。第2通風口16は、1つの通風隙間gに対して1つ設けられている。第2通風口16は、例えば、モジュールケース13内(通風隙間g内)の空気をモジュールケース13の外部に流出させる排気口、または、モジュールケース13の外部の空気をモジュールケース13の内部(通風隙間g)に流入させる吸気口のいずれかとして機能する。第2通風口16は、バッテリケース13mの第2側壁13cにおいてバッテリ11に面する位置には設けられていない。
【0022】
次に、端子部ケース13nについて説明する。端子部ケース13nは、バッテリケース13mに組み合わされ、バッテリケース13mの内部空間の+Z方向側を塞いでいる。例えば、端子部ケース13nは、Z方向に薄い扁平な箱状に形成されている。端子部ケース13nは、バッテリケース13mの下壁13aとは反対側からバッテリケース13mに取り付けられ、バッテリケース13mの内部空間を覆っている。端子部ケース13nは、複数のバッテリ11の正極端子11bおよび負極端子11c、並びに複数のバスバー12を収容している。端子部ケースには、吸気口14または通風口15,16のような開口部は設けられていない。
【0023】
以上のような構成のバッテリモジュール10は、例えば、モジュールケース13の下壁13aの吸気口14からモジュールケース13内の通風隙間gに空気が流入する。通風隙間gを流れる空気は、通風隙間gを流れる過程でバッテリ11から熱を奪い、バッテリ11の冷却を促進する。通風隙間gを流れた空気は、モジュールケース13の第1側壁13bの第1通風口15および第2側壁13cの第2通風口16の少なくとも一方からモジュールケース13の外部に流出する。
【0024】
次に、
図1に戻り、バッテリパック100の残りの構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態では、複数のバッテリモジュール10は、第1バッテリモジュール10A、第2バッテリモジュール10B、および第3バッテリモジュール10Cを含む。第1から第3のバッテリモジュール10A,10B,10Cは、Y方向に並べて配置されている。
【0025】
複数のバスバー12は、第1バッテリモジュール10Aの1つのバッテリ11と、第2バッテリモジュール10Bの1つのバッテリ11とを電気的に接続するバスバー12Aと、第1バッテリモジュール10Aの1つのバッテリ11と、第3バッテリモジュール10Cの1つのバッテリ11とを電気的に接続するバスバー12Bとを含む。複数のバッテリモジュール10は、複数のバッテリモジュール10を接続するバスバー12の配置構造のため(例えば、複数のバッテリモジュール10の間にU形ベンド部12aを配置するため)、および、振動発生時に複数のバッテリモジュール10が接触しないように、Y方向で互いに離して配置されている。
【0026】
本実施形態では、第1バッテリモジュール10Aは、3つのバッテリモジュール10のなかで、中央に配置されている。第2バッテリモジュール10Bは、第1バッテリモジュール10Aの+Y方向側に配置されている。第2バッテリモジュール10Bの複数の第2通風口16は、第1バッテリモジュール10Aの複数の第1通風口15と1対1で向かい合う。本実施形態では、第2バッテリモジュール10Bは、「構造体」の一例である。第3バッテリモジュール10Cは、第1バッテリモジュール10Aの-Y方向側に配置されている。第3バッテリモジュール10Cの複数の第1通風口15は、第1バッテリモジュール10Aの複数の第2通風口16と1対1で向かい合う。
【0027】
次に、シート20について説明する。シート20は、複数のバッテリモジュール10の間に配置される。シート20は、X方向において、バッテリモジュール10の全長に亘る大きさを有する。また、シート20は、Z方向において、バッテリケース13mの全高に亘る大きさを有する。ただし、シート20は、Z方向において、複数のバッテリモジュール10に亘るバスバー12と接触しない大きさに形成されている。
【0028】
図4は、本実施形態のシート20を示す正面図である。シート20は、板状に形成されている。シート20は、例えば、合成樹脂製であり、可撓性を有する。シート20の一例は、ゴム製であり、弾性を有する。ただし、シート20の材質は、上記例に限定されない。例えば、シート20は、硬質性の合成樹脂製でもよい。シート20の厚さ(Y方向の厚さ)は、例えば、1mm程度または数mm程度であるが、これに限定されない。
【0029】
本実施形態のシート20は、複数の連通口21を有する。複数の連通口21は、バッテリモジュール10の第1通風口15(または第2通風口16)に沿う細長いスロットである。複数の連通口21は、バッテリモジュール10の第1通風口15(または第2通風口16)の位置に対応するように、Y方向に並べられている。
【0030】
本実施形態では、連通口21の外形は、第1通風口15(または第2通風口16)の外形よりも僅かに大きい。例えば、連通口21のX方向の幅は、第1通風口15(または第2通風口16)のX方向の幅よりも僅かに大きい。本実施形態では、連通口21のX方向の幅は、第1通風口15(または第2通風口16)のX方向の幅の1.1~1.2倍の大きさである。ただし、連通口21の大きさは、上記例に限定されない。例えば、連通口21の外形は、第1通風口15(または第2通風口16)の外形と略同じでもよい。
【0031】
図1に戻り説明すると、複数のシート20は、第1シート20Aと、第2シート20Bとを含む。第1シート20Aは、第1バッテリモジュール10Aと、第2バッテリモジュール10Bとの間に配置され、第1バッテリモジュール10Aのモジュールケース13と、第2バッテリモジュール10Bのモジュールケース13との間に挟まれる。第1シート20Aは、第1バッテリモジュール10Aのモジュールケース13の第1側壁13bと、第2バッテリモジュール10Bのモジュールケース13の第2側壁13cとに面する。
【0032】
図5は、
図1中に示された一点鎖線F5で囲まれた領域を拡大して示す断面図である。第1シート20Aの連通口21は、第1バッテリモジュール10Aの第1通風口15と、第2バッテリモジュール10Bの第2通風口16とを連通させる。本実施形態では、第1シート20Aの複数の連通口21は、第1バッテリモジュール10Aの複数の第1通風口15と、第2バッテリモジュール10Bの複数の第2通風口16とを、それぞれ個別に(すなわち1対1の関係で)連通させる。
【0033】
第1シート20Aは、例えば接着剤や固定部材(ねじなど)によって、第1バッテリモジュール10Aのモジュールケース13または第2バッテリモジュール10Bのモジュールケース13に貼り付けられている。第1シート20Aが第1バッテリモジュール10Aのモジュールケース13または第2バッテリモジュール10Bのモジュールケース13に貼り付けられると、連通口21と第1通風口15との位置合わせや、連通口21と第2通風口16との位置合わせの精度をより向上させることができる。なお上記に代えて、第1シート20Aは、第1バッテリモジュール10Aと第2バッテリモジュール10Bとの間に単に挟まれているだけでもよい。
【0034】
図1に示すように、第2シート20Bは、第1バッテリモジュール10Aと、第3バッテリモジュール10Cとの間に配置され、第1バッテリモジュール10Aのモジュールケース13と、第3バッテリモジュール10Cのモジュールケース13との間に挟まれる。第2シート20Bは、第1バッテリモジュール10Aのモジュールケース13の第2側壁13cと、第3バッテリモジュール10Cのモジュールケース13の第1側壁13bとに面する。
【0035】
第2シート20Bの連通口21は、第1バッテリモジュール10Aの第2通風口16と、第3バッテリモジュール10Cの第1通風口15とを連通させる。本実施形態では、第2シート20Bの複数の連通口21は、第1バッテリモジュール10Aの複数の第2通風口16と、第3バッテリモジュール10Cの複数の第1通風口15とを、それぞれ個別に(すなわち1対1の関係で)連通させる。
【0036】
第2シート20Bは、例えば接着剤や固定部材(ねじなど)によって、第1バッテリモジュール10Aのモジュールケース13または第3バッテリモジュール10Cのモジュールケース13に貼り付けられている。第2シート20Bが第1バッテリモジュール10Aのモジュールケース13または第3バッテリモジュール10Cのモジュールケース13に貼り付けられると、連通口21と第1通風口15との位置合わせや、連通口21と第2通風口16との位置合わせの精度をより向上させることができる。なお上記に代えて、第2シート20Bは、第1バッテリモジュール10Aと第3バッテリモジュール10Cとの間に単に挟まれているだけでもよい。
【0037】
次に、本実施形態のバッテリパック100の作用について説明する。本実施形態では、3つのバッテリモジュール10は、外部から冷却用の空気が供給される吸気流路P1の上方に配置される。3つのバッテリモジュール10の吸気口14は、それぞれ、吸気流路P1に面する。
【0038】
第1バッテリモジュール10Aでは、吸気口14から第1バッテリモジュール10Aの通風隙間gに空気が流入する。第1バッテリモジュール10Aの通風隙間gを通過した空気は、第1バッテリモジュール10Aの第1通風口15および第2通風口16から第1バッテリモジュール10Aの外部に流出する。
【0039】
第1バッテリモジュール10Aの第1通風口15から第1バッテリモジュール10Aの外部に流出する空気は、第1シート20Aの連通口21を通り、第2バッテリモジュール10Bの第2通風口16から第2バッテリモジュール10Bの通風隙間gに流入する。また、第2バッテリモジュール10Bの通風隙間gには、第2バッテリモジュール10Bの吸気口14からも空気が流入する。第2バッテリモジュール10Bの通風隙間gを通過した空気は、第2バッテリモジュール10Bの第1通風口15から第2バッテリモジュール10Bの外部に流出する。
【0040】
一方で、第1バッテリモジュール10Aの第2通風口16から第1バッテリモジュール10Aの外部に流出する空気は、第2シート20Bの連通口21を通り、第3バッテリモジュール10Cの第1通風口15から第3バッテリモジュール10Cの通風隙間gに流入する。また、第3バッテリモジュール10Cの通風隙間gには、第3バッテリモジュール10Cの吸気口14からも空気が流入する。第3バッテリモジュール10Cの通風隙間gを通過した空気は、第3バッテリモジュール10Cの第2通風口16から第3バッテリモジュール10Cの外部に流出する。
【0041】
以上のような構成のバッテリパック100によれば、冷却性能の向上を図ることができる。ここで比較例として、シート20を有しないバッテリパックについて考える。この比較例のバッテリパックでは、複数のバッテリモジュールを接続するバスバーの配置構造やその他の理由で複数のバッテリモジュールの間に隙間が存在する。この場合、あるバッテリモジュールの通風口と別のバッテリモジュールの通風口との間の空気流路は、複数のバッテリモジュールの間で上記隙間によって大きく拡大されている。このため、あるバッテリモジュールの通風口から流出した空気の一部が上記隙間に流入して渦流れ(循環流れ)や漏れ流れとなり、圧損が生じる場合がある。
【0042】
一方で、本実施形態では、バッテリパック100(バッテリ装置)は、第1通風口15(第1開口部)を有した第1バッテリモジュール10A(第1バッテリユニット)と、第2通風口16(第2開口部)を有した第2バッテリモジュール10B(構造体、第2バッテリユニット)と、第1通風口15と第2通風口16とを連通させる連通口21を有し、第1バッテリモジュール10Aと第2バッテリモジュール10Bとの間に配置されたシート20とを備える。このような構成によれば、第1バッテリモジュール10Aと第2バッテリモジュール10Bとの間において空気流路が大きく拡大することが抑制され、第1バッテリモジュール10Aから第2バッテリモジュール10Bに向かう空気の流れに渦流れや漏れ流れが生じることを抑制することができる。これにより、第1バッテリモジュール10Aと第2バッテリモジュール10Bとの間における圧損を低減することができ、比較的簡単な構成で冷却性能の向上を図ることができる。また、シート20が弾性を有する場合、振動発生時などに複数のバッテリモジュール10が互いに衝突することをより確実に抑制することもできる。
【0043】
本実施形態では、第1通風口15は、第1バッテリモジュール10Aにおいて複数のバッテリ11の間の通風隙間gに沿うスロットである。第2通風口16は、第2バッテリモジュール10Bにおいて複数のバッテリ11の間の通風隙間gに沿うスロットである。そして、シート20の連通口21は、上記のような第1通風口15と第2通風口16とを連通させる。このような構成によれば、第1バッテリモジュール10Aと第2バッテリモジュール10Bとの間において空気流路が大きく拡大しやすいスロット状の通風口15,16をシート20の連通口21によって繋げることができる。これにより、第1バッテリモジュール10Aから第2バッテリモジュール10Bに向かう空気の流れに渦流れや漏れ流れが生じることをさらに抑制することができ、冷却性能のさらなる向上を図ることができる。
【0044】
本実施形態では、第1バッテリモジュール10Aは、複数の第1通風口15を有する。第2バッテリモジュール10Bは、複数の第2通風口16を有する。シート20は、複数の第1通風口15と複数の第2通風口16とをそれぞれ個別に連通させる複数の連通口21を有する。このような構成によれば、複数の第1通風口15と複数の第2通風口16とをそれぞれ連通させることで、第1バッテリモジュール10Aと第2バッテリモジュール10Bとの間において空気流路が拡大することをさらに効果的に抑制することができる。これにより、冷却性能のさらなる向上を図ることができる。
【0045】
本実施形態では、シート20の連通口21の外形は、第1バッテリモジュール10Aの第1通風口15の外形よりも大きい。このような構成によれば、第1バッテリモジュール10Aの第1通風口15とシート20の連通口21との位置合わせが少しずれた場合であっても、第1通風口15と第2通風口16との間の空気流路が狭くなることを抑制することができる。これにより、組立誤差が生じる場合でも、第1バッテリモジュール10Aから第2バッテリモジュール10Bに向かう空気流れをスムーズにすることができ、冷却性能のさらなる向上を図ることができる。
【0046】
(第2の実施形態)
次に、
図6から
図8を参照し、第2の実施形態について説明する。本実施形態は、複数のバッテリパック100を含むバッテリ盤1000に関する点で第1の実施形態とは異なる。なお、以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。以降の実施形態では、バッテリ盤1000の筐体200に対するバッテリパック100の挿入方向を基準に、手前側を「前」、奥側を「後」と称する場合がある。
【0047】
図6は、本実施形態のバッテリ盤1000を示す断面図である。バッテリ盤1000は、例えば、複数のバッテリパック100と、筐体200と、ラック(支持構造体)300と、取付構造400とを備えている。
【0048】
複数のバッテリパック100は、Z方向に多段に配置されている。各バッテリパック100は、例えば、複数のバッテリモジュール10と、複数のシート20と、バッテリパックケース30とを有する。複数のバッテリモジュール10の各々は、第1の実施形態のバッテリモジュール10と略同じ構成および機能を有する。
【0049】
本実施形態では、複数のバッテリモジュール10は、第1バッテリモジュール10A、第2バッテリモジュール10B、第3バッテリモジュール10C、および第4バッテリモジュール10Dを含む。第1から第4のバッテリモジュール10A,10B,10C,10Dは、Y方向に並べられている。第1および第2のバッテリモジュール10A,10Bは、第3バッテリモジュール10Cと第4バッテリモジュール10Dとの間に位置する。言い換えると、第3バッテリモジュール10Cおよび第4バッテリモジュール10Dは、複数のバッテリモジュール10のなかで両端部に分かれて位置する。また、複数のシート20の各々は、第1の実施形態のシート20と略同じ構成および機能を有し、複数のバッテリモジュール10の間に配置されている。
【0050】
バッテリパックケース30は、複数のバッテリモジュール10および複数のシート20を一体に収容している。言い換えると、バッテリパックケース30は、複数のバッテリモジュール10を収容することで、各バッテリモジュール10に含まれる複数のバッテリ11を収容している。バッテリパックケース30は、例えば、上壁30a、下壁30b、第1壁(後壁)30c、第2壁(前壁)30d、および一対の側壁30e,30f(
図8参照)を含む。
【0051】
上壁30aおよび下壁30bは、X方向およびY方向に沿って延びている。本実施形態では、上壁30aおよび下壁30bは、略水平方向に沿っている。上壁30aには、空気が通る開口部は設けられていない。下壁30bは、ラック300の後述する棚板310に面する。下壁30bは、各バッテリモジュール10の吸気口14に向かう合う複数の吸気口31(見易さを優先して図中では実線で示す)を有する。例えば、吸気口31は、バッテリモジュール10の吸気口14と略同じ形状の細長いスロットである。本実施形態では、吸気口31は、バッテリモジュール10の1つの吸気口14に対して1つ設けられている。なお、吸気口31は、上記例に代えて、バッテリモジュール10の複数の吸気口14に亘る大きさを有してもよい。吸気口31は、棚板310の後述する空気供給口311に面する。吸気口31は、後述する吸気流路P1を流れる空気をバッテリパックケース30の内部に流入させる。
【0052】
第1壁30cおよび第2壁30dは、Z方向に起立している。第1壁30cは、筐体200の奥側に位置し、ラック300の後述する背面板320に面する。一方で、第2壁30dは、第1壁30cとは反対側に位置する。
【0053】
第1壁30cは、4つのバッテリモジュール10のなかで端に位置した第3バッテリモジュール10Cの第1通風口15に向かう合う複数の通風口32(見易さを優先して図中では実線で示す)を有する。通風口32は、第3バッテリモジュール10Cの第1通風口15と略同じ形状の細長いスロットである。例えば、通風口32は、第3バッテリモジュール10Cの1つの第1通風口15に対して1つ設けられている。なお、通風口32は、上記例に代えて、第3バッテリモジュール10Cの複数の第1通風口15に亘る大きさを有してもよい。通風口32は、第3バッテリモジュール10Cの第1通風口15を通じて、第3バッテリモジュール10C内の通風隙間gに面している。通風口32は、例えば、バッテリパックケース30内の空気をバッテリパックケース30の外部に流出させる排気口として機能する。
【0054】
本実施形態では、バッテリパックケース30の内部には、板ばねのような押圧部材33が設けられている。押圧部材33は、複数のバッテリモジュール10を第1壁30cに向けて押圧する。これにより、複数のバッテリモジュール10とシート20とが密着する。また、押圧部材33により押圧されることで、複数のバッテリモジュール10は、バッテリパックケース30の内部の中央部よりも第1壁30cの近くに偏って位置する。複数のバッテリモジュール10と第2壁30dとの間には、第1空気流路34が形成されている。なお、バッテリパックケース30の内部には、押圧部材33に代えて、複数のバッテリモジュール10の位置を固定する固定構造(例えば、バッテリパックケース30の内面に設けられた突起部など)が設けられてもよい。
【0055】
また、バッテリパックケース30の内部において、複数のバッテリモジュール10の上方には、第2空気流路35が形成されている。複数のバッテリモジュール10の上方は、「バッテリパックケース30の内部において複数のバッテリモジュール10を外れた位置」の一例である。第2空気流路35は、第1壁30cと第2壁30dとの間に亘り延びている。第2空気流路35は、第1空気流路34と繋がっている。また、第1壁30cは、第2空気流路35内の空気がバッテリパックケース30の外部に流出可能な上部通風口36を有する。上部通風口36は、Y方向において、第2空気流路35に向かい合う。
【0056】
筐体200は、複数のバッテリパック100、ラック300、および取付構造400を一体に収容している。筐体200は、例えば、上壁201、下壁202、後壁203、および側壁(不図示)を含む。後壁203は、筐体200の端部において、Z方向に起立している。
【0057】
ラック300は、筐体200の内部に配置されている。本実施形態では、ラック300は、筐体200内に設けられた内部構造体であり、「構造体」の一例である。ラック300は、複数の棚板310と、背面板320とを有する。複数の棚板310は、互いに異なる高さに配置されるとともに、互いに略平行に延びている。複数のバッテリパック100は、それぞれ棚板310の上に載せられる。
【0058】
筐体200の内部において棚板310の下方には、外部から冷却用の空気が供給される吸気流路P1が形成されている。吸気流路P1は、棚板310の下面と当該棚板310の下方に位置するバッテリパック100との間、または、棚板310の下面と筐体200の下壁202との間に形成されている。吸気流路P1は、Y方向に延びている。
【0059】
図7は、棚板310を示す下面図である。
図7に示すように、棚板310は、複数の空気供給口311を有する。複数の空気供給口311は、X方向に沿う細長い矩形状に形成されている。複数の空気供給口311は、Y方向に並んでいる。言い換えると、複数の空気供給口311は、複数のバッテリモジュール10が並ぶ方向に並べられている。空気供給口311は、吸気流路P1を通る空気の一部を、バッテリパック100の吸気口31に向けて通す。
【0060】
次に、背面板320について説明する。
図6に示すように、背面板320は、バッテリパック100と筐体200の後壁203との間で、Z方向に起立している。背面板320は、「板部材」の一例である。筐体200の内部において背面板320と筐体200の後壁203との間には、排気流路P2が形成されている。言い換えると、背面板320は、排気流路P2の一面を規定している。排気流路P2は、Z方向に沿って延びている。筐体200の上壁201は、排気流路P2の空気を筐体200の外部に流出させる排気口201aを有する。
【0061】
背面板320は、複数の空気排出口321を有する。各空気排出口321は、バッテリパック100の通風口32および上部通風口36に面する。空気排出口321は、バッテリパック100の内部から通風口32および上部通風口36を通じてバッテリパック100の外部に流出する空気を、排気流路P2に向けて通す。
【0062】
次に、取付構造400について説明する。
図8は、
図6中に示されたバッテリ盤1000のF8-F8線に沿う断面図である。
図8に示すように、ラック300は、-Y方向の端部に、取付部330を有する。取付部330は、X方向に沿うように折れ曲がっている。なお、取付部330は、ラック300に代えて、筐体200に設けられてもよい。
【0063】
取付構造400は、押さえ部材401と、固定部材402とを有する。押さえ部材401は、バッテリパック100に対して-Y方向側に位置する。押さえ部材401は、ボルトのような固定部材402によって取付部330に固定される。押さえ部材401は、取付部330に固定されることで、Y方向においてバッテリパック100に向かい合う。これにより、バッテリパック100が筐体200から外れなくなる。
【0064】
次に、本実施形態のバッテリ盤1000の作用について説明する。本実施形態では、吸気流路P1に対して外部から冷却用の空気が供給される。吸気流路P1に供給された空気は、吸気流路P1の内部を+Y方向に沿って流れる。吸気流路P1を流れる空気は、棚板310の空気供給口311およびバッテリパックケース30の吸気口31を通じて、第1から第4のバッテリモジュール10A,10B,10C,10Dの吸気口14に流入する。
【0065】
第1バッテリモジュール10Aでは、吸気口14から第1バッテリモジュール10Aの通風隙間gに空気が流入する。第1バッテリモジュール10Aの通風隙間gを通過した空気は、第1バッテリモジュール10Aの第1通風口15から第1バッテリモジュール10Aの外部に流出する。第1バッテリモジュール10Aの第1通風口15から第1バッテリモジュール10Aの外部に流出する空気は、シート20の連通口21を通り、第3バッテリモジュール10Cの第2通風口16から第3バッテリモジュール10Cの通風隙間gに流入する。また、第3バッテリモジュール10Cの通風隙間gには、第3バッテリモジュール10Cの吸気口14からも空気が流入する。第3バッテリモジュール10Cの通風隙間gを通過した空気は、第3バッテリモジュール10Cの第1通風口15から第3バッテリモジュール10Cの外部に流出する。第3バッテリモジュール10Cの外部に流出する空気は、バッテリパックケース30の通風口32および背面板320の空気排出口321を通じて、排気流路P2に排気される。
【0066】
一方で、第2バッテリモジュール10Bでは、吸気口14から第2バッテリモジュール10Bの通風隙間gに空気が流入する。第2バッテリモジュール10Bの通風隙間gを通過した空気は、第2バッテリモジュール10Bの第2通風口16から第2バッテリモジュール10Bの外部に流出する。第2バッテリモジュール10Bの第2通風口16から第2バッテリモジュール10Bの外部に流出する空気は、シート20の連通口21を通り、第4バッテリモジュール10Dの第1通風口15から第4バッテリモジュール10Dの通風隙間gに流入する。また、第4バッテリモジュール10Dの通風隙間gには、第4バッテリモジュール10Dの吸気口14からも空気が流入する。第4バッテリモジュール10Dの通風隙間gを通過した空気は、第4バッテリモジュール10Dの第2通風口16から第4バッテリモジュール10Dの外部に流出する。第4バッテリモジュール10Dの外部に流出する空気は、バッテリパックケース30の第1空気流路34、第2空気流路35、上部通風口36、および背面板320の空気排出口321を通じて、排気流路P2に排気される。
【0067】
このような構成によれば、第1の実施形態と同様に、複数のバッテリモジュール10の間で渦流流れが生じることを抑制することができる。これにより、冷却性能の向上を図ることができるバッテリ盤1000を提供することができる。
【0068】
(第3の実施形態)
次に、
図9および
図10を参照し、第3の実施形態について説明する。本実施形態は、バッテリパック100と背面板320との間にもシート500が設けられた点で第2の実施形態とは異なる。なお、以下に説明する以外の構成は、第2の実施形態の構成と同様である。本実施形態では、1つの観点によれば、バッテリ盤1000は、「バッテリ装置」の一例である。バッテリパック100は、「バッテリユニット」の一例である。バッテリパック100のバッテリパックケース30は、「ケース」の一例である。
【0069】
図9は、本実施形態のバッテリ盤1000を示す断面図である。バッテリ盤1000は、例えば、複数のバッテリパック100と、筐体200と、ラック300と、取付構造400と、複数のシート500とを備えている。
【0070】
シート500は、バッテリパック100と背面板320との間に配置される。シート500は、X方向において、バッテリパック100の全幅に亘る大きさを有する。また、シート500は、Z方向において、バッテリパック100の全高に亘る大きさを有する。
【0071】
図10は、本実施形態のシート500を示す正面図である。シート500は、板状に形成されている。シート500は、例えば、合成樹脂製であり、可撓性を有する。シート500の一例は、ゴム製であり、弾性を有する。ただし、シート500の材質は、上記例に限定されない。例えば、シート500は、硬質性の合成樹脂製でもよい。シート500の厚さ(Y方向の厚さ)は、例えば、1mm程度または数mm程度であるが、これに限定されない。
【0072】
本実施形態のシート500は、複数の第1連通口501と、1つの第2連通口502とを有する。複数の第1連通口501は、バッテリパック100の通風口32に沿う(すなわちZ方向に沿う)細長いスロットである。第1連通口501は、1つの通風口32に対して1つ設けられている。複数の第1連通口501は、バッテリパック100の通風口32の位置に対応するように、X方向に並べられている。
【0073】
本実施形態では、第1連通口501の外形は、通風口32の外形よりも僅かに大きい。例えば、第1連通口501のX方向の幅は、通風口32のX方向の幅よりも僅かに大きい。本実施形態では、第1連通口501のX方向の幅は、通風口32のX方向の幅の1.1~1.2倍の大きさである。ただし、第1連通口501の大きさは、上記例に限定されない。例えば、第1連通口501の外形は、通風口32の外形と略同じでもよい。
【0074】
一方で、第2連通口502は、X方向に延びた細長い矩形状に形成されている。第2連通口502は、X方向において複数の第1連通口501を跨いで延びる大きさを有する。第2連通口502は、バッテリパック100の上部通風口36の位置に対応して設けられている。
【0075】
図9に戻り説明すると、シート500は、バッテリパック100のバッテリパックケース30と、ラック300の背面板320との間に挟まれる。シート500は、バッテリパック100のバッテリパックケース30の第1壁30cに面する。背面板320の空気排出口321は、例えば、シート500の複数の第1連通口501および第2連通口502に向かい合う大きさを有する。
【0076】
シート500の第1連通口501は、Y方向において、バッテリパック100の通風口32に向かい合う。シート500の第1連通口501は、バッテリパック100の通風口32と、背面板320の空気排出口321とを連通させる。バッテリパック100の通風口32からバッテリパック100の外部に流出する空気は、シート500の第1連通口501および背面板320の空気排出口321を通り、排気流路P2に排気される。
【0077】
一方で、シート500の第2連通口502は、Y方向において、バッテリパック100のバッテリパックケース30の上部通風口36に向かい合う。シート500の第2連通口502は、バッテリパック100の上部通風口36と、背面板320の空気排出口321とを連通させる。バッテリパック100の上部通風口36からバッテリパック100の外部に流出する空気は、シート500の第2連通口502および背面板320の空気排出口321を通り、排気流路P2に排気される。
【0078】
シート500は、例えば接着剤や固定部材(ねじなど)によって、バッテリパック100のバッテリパックケース30または背面板320に貼り付けられている。シート500がバッテリパック100のバッテリパックケース30または背面板320に貼り付けられると、第1連通口501と通風口32との位置合わせ、および第2連通口502と上部通風口36との位置合わせの精度をより向上させることができる。なお上記に代えて、シート500は、バッテリパック100と背面板320との間に単に挟まれているだけでもよい。
【0079】
本実施形態では、バッテリパック100は、押さえ部材401が取付部330に固定されることで、押さえ部材401によってシート500に押し付けられる。これにより、バッテリパック100とシート500とが密着するとともに、シート500と背面板320とが密着する。
【0080】
以上のような構成によれば、第1の実施形態と同様に、冷却性能の向上を図ることができる。ここで比較例として、シート500を有しないバッテリ盤について考える。この比較例のバッテリ盤では、バッテリパックと背面板との間に隙間が存在する場合がある。この場合、バッテリパックの通風口および上部通風口と背面板の空気排出口との間の空気流路は、バッテリパックと背面板との間で上記隙間によって大きく拡大される。このため、バッテリパックの通風口から流出した空気の一部が上記隙間に流入して渦流れや漏れ流れとなり、圧損が生じる場合がある。
【0081】
一方で、本実施形態では、バッテリ盤1000(バッテリ装置)は、通風口32(第1開口部)を有したバッテリパック100(第1バッテリユニット)と、空気排出口321(第2開口部)を有した背面板320を含むラック300(構造体)と、バッテリパック100の通風口32と背面板320の空気排出口321とを連通させる第1連通口501を有し、バッテリパック100と背面板320との間に配置されたシート500とを備える。このような構成によれば、バッテリパック100と背面板320との間において空気流路が大きく拡大することが抑制され、バッテリパック100から排気流路P2に向かう空気の流れに渦流れや漏れ流れが生じることを抑制することができる。これにより、バッテリパック100と背面板320との間における圧損を低減することができ、比較的簡単な構成で冷却性能の向上を図ることができる。また、シート500が弾性を有する場合、振動発生時などにバッテリパック100と背面板320とが衝突することをより確実に抑制することもできる。
【0082】
本実施形態では、バッテリパックケース30は、当該バッテリパックケース30の内部に空気流路35が形成されるとともに、空気流路35に面する上部通風口36(第3開口部)を有する。シート500は、バッテリパック100の上部通風口36と背面板320の空気排出口321とを連通させる第2連通口502を有する。このような構成によれば、バッテリパック100から排気流路P2に向かう空気の流れに渦流れや漏れ流れが生じることをさらに抑制することができる。これにより、冷却性能のさらなる向上を図ることができる。
【0083】
本実施形態では、バッテリパック100は、棚板310に面する下壁30bに複数の吸気口31を有する。棚板310は、複数の空気供給口311を有する。複数の空気供給口311は、複数のバッテリモジュール10が並ぶ方向に並べられている。このような構成によれば、複数のバッテリモジュール10に対して冷却用の空気を供給しやすくなる。
【0084】
(第3の実施形態の変形例)
図11は、第3の実施形態の変形例のバッテリ盤1000を示す断面図である。上述した第3の実施形態では、背面板320の空気排出口321は、バッテリパック100の通風口32および上部通風口36の両方に面する形状を有する。一方で、本変形例では、背面板320は、バッテリパック100の通風口32に面する第1空気排出口321Aと、バッテリパック100の上部通風口36に面する第2空気排出口321Bとが別々に設けられている。
【0085】
そして、本変形例では、シート500は、バッテリパック100の通風口32(第1開口部)と、背面板320の第1空気排出口321A(第2開口部)とを連通させる第1連通口501を有する。また、シート500は、バッテリパック100の上部通風口36(第3開口部)と、背面板320の第2空気排出口321B(第4開口部)とを連通させる第2連通口502を有する。このような構成によっても、上述の第3の実施形態と同様に、バッテリパック100から排気流路P2に向かう空気の流れに渦流れや漏れ流れが生じることを抑制することができる。
【0086】
(第4の実施形態)
次に、
図12を参照し、第4の実施形態について説明する。本実施形態は、1つ以上のバッテリモジュール10に代えてダミーモジュール50が設けられた点で第2の実施形態とは異なる。なお、以下に説明する以外の構成は、第2の実施形態の構成と同様である。
【0087】
図12は、本実施形態のバッテリ盤1000を示す断面図である。本実施形態では、バッテリモジュール10の数が少ないバッテリパック100の内部には、ダミーモジュール50が配置されている。ダミーモジュール50は、電力供給機能を持たない。例えば、ダミーモジュール50は、第1バッテリモジュール10Aまたは第2バッテリモジュール10Bに代えて配置される。
【0088】
ダミーモジュール50の外形は、バッテリモジュール10の外形と略同じである。ダミーモジュール50の少なくとも一部は、所望の空隙率を有した多孔体で形成されている。「空隙率」とは、単位体積当たりの空間の割合を意味する。ダミーモジュール50は、バッテリモジュール10の数が少ないバッテリパック100内の通風抵抗を調整するために設けられている。
【0089】
ダミーモジュール50は、例えば、ダミーモジュール本体51と、カバー52とを有する。ダミーモジュール本体51は、多孔体で形成されている。バッテリパックケース30の吸気口31からバッテリパックケース30内に流入する空気の一部は、ダミーモジュール本体51の内部を通って流れることができる。カバー52は、ダミーモジュール本体51の上面に取り付けられている。カバー52は、ダミーモジュール本体51から上方に空気が抜けることを抑制または防止する。
【0090】
本実施形態では、ダミーモジュール50の通風抵抗は、例えば空隙率が所望の値に調整されることで、バッテリモジュール10の通風抵抗と略同じに設定される。例えば、ダミーモジュール50の空隙率は、ダミーモジュール50がシート20に隣接した状態(シート20によって多孔体の一部が塞がれた状態)で、ダミーモジュール50とバッテリモジュール10とが略同じ通風抵抗を持つように設定されている。このようなダミーモジュール50が設けられると、バッテリパック100に含まれるバッテリモジュール10の数によって特定箇所の空気流量が減ったり増えたりすることを抑制することができる。これにより、複数のバッテリモジュール10に対して空気を均一に供給しやすくなる。これは、冷却性能の向上に寄与する。
【0091】
本実施形態では、いくつかのシート20は、ダミーモジュール50とバッテリモジュール10との間に配置される。例えば、1つのシート20は、ダミーモジュール50と第3バッテリモジュール10Cとの間に配置される。シート20の連通口21は、第3バッテリモジュール10Cの第2通風口16に連通している。ダミーモジュール50の内部を通った空気は、シート20の連通口21を通り、第3バッテリモジュール10Cの第2通風口16に流入する。
【0092】
また別のシート20は、ダミーモジュール50と第4バッテリモジュール10Dとの間に配置される。シート20の連通口21は、第4バッテリモジュール10Dの第1通風口15に連通している。ダミーモジュール50の内部を通った空気は、シート20の連通口21を通り、第4バッテリモジュール10Dの第1通風口15に流入する。
【0093】
このような構成によれば、第1の実施形態と同様に、複数のバッテリモジュール10の間で渦流れや漏れ流れが生じることを抑制することができ、冷却性能の向上を図ることができる。また、本実施形態では、バッテリパック100は、少なくとも一部が多孔体で形成されたダミーモジュール50と、第2通風口16(第5開口部)を有した第3バッテリモジュール10C(第3バッテリユニット)と、第3バッテリモジュール10Cの第2通風口16に連通する連通口21を有し、ダミーモジュール50と第3バッテリモジュール10Cとの間に配置されたシート20とを備える。このような構成によれば、ダミーモジュール50と第3バッテリモジュール10Cとの間においても渦流れや漏れ流れが生じることを抑制することができ、冷却性能のさらなる向上を図ることができる。
【0094】
(第5の実施形態)
次に、
図13を参照し、第5の実施形態について説明する。本実施形態は、棚板310に設けられた複数の空気供給口311が互いに異なる開口率を有する点で第2の実施形態とは異なる。なお、以下に説明する以外の構成は、第2の実施形態の構成と同様である。
【0095】
図13は、本実施形態の棚板310を示す下面図である。
図13に示すように、複数の空気供給口311は、複数の第1空気供給口311Aと、複数の第2空気供給口311Bと、複数の第3空気供給口311Cとを含む。
【0096】
複数の第1空気供給口311Aは、棚板310のY方向の中央部に設けられている。1つの第2空気供給口311Bは、第1空気供給口311Aに比べて、バッテリパック100の+Y方向の端部の近くに位置する。すなわち、上記1つの第2空気供給口311Bは、第1空気供給口311Aに比べて、排気流路P2の近くに位置する。他方の第2空気供給口311Bは、第1空気供給口311Aに比べて、バッテリパック100の-Y方向の端部の近くに位置する。
【0097】
1つの第3空気供給口311Cは、第2空気供給口311Bに比べて、バッテリパック100の+Y方向の端部の近くに位置する。すなわち、上記1つの第3空気供給口311Cは、第2空気供給口311Bに比べて、排気流路P2の近くに位置する。他方の第3空気供給口311Cは、第2空気供給口311Bに比べて、バッテリパック100の-Y方向の端部の近くに位置する。
【0098】
そして、第1空気供給口311Aの開口率は、第2空気供給口311Bの開口率よりも大きい。第2空気供給口311Bの開口率は、第3空気供給口311Cの開口率よりも大きい。「開口率」とは、単位面積当たりの空間の大きさ(例えば棚板310における開口面積)を意味する。本実施形態では、第1空気供給口311AのY方向の幅は、第2空気供給口311BのY方向の幅よりも大きい。第2空気供給口311BのY方向の幅は、第3空気供給口311CのY方向の幅よりも大きい。第1から第3の空気供給口311A,311B,311CのX方向の幅は、互いに略同じである。
【0099】
このような構成によれば、第1の実施形態と同様に、複数のバッテリモジュール10の間で渦流れが生じることを抑制することができ、冷却性能の向上を図ることができる。また、本実施形態では、複数のバッテリモジュール10のなかで温度が高くなりやすい中央部のバッテリモジュール10(第1バッテリモジュール10Aおよび第2バッテリモジュール10B)に多くの量の空気を供給することができる。これにより、複数のバッテリモジュール10の温度の均一化を図ることができる。これは、冷却性能の向上に寄与する。
【0100】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、バッテリユニットの第1開口部と構造体の第2開口部とを連通させる連通口を有して前記バッテリユニットと前記構造体との間に配置されたシートを持つことにより、冷却性能の向上を図ることができる。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
10…バッテリモジュール、11…バッテリ、13…モジュールケース、14…吸気口、15…第1通風口、16…第2通風口、20…シート、21…連通口、30…バッテリパックケース、31…吸気口、32…通風口、34…第1空気流路、35…第2空気流路、36…上部通風口、50…ダミーモジュール、100…バッテリパック、200…筐体、300…ラック、310…棚板、320…背面板、311…空気供給口、311A…第1空気供給口、311B…第2空気供給口、311C…第3空気供給口、321…空気排出口、321A…第1空気排出口、321B…第2空気排出口、500…シート、501…第1連通口、502…第2連通口、1000…バッテリ盤、g…通風隙間、P1…吸気流路、P2…排気流路。