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特許7175636スクラバ排水の浄化装置及び方法並びに塩分濃度差発電システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】スクラバ排水の浄化装置及び方法並びに塩分濃度差発電システム
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/44 20060101AFI20221114BHJP
   B01D 61/00 20060101ALI20221114BHJP
   B01D 61/58 20060101ALI20221114BHJP
   B01D 65/02 20060101ALI20221114BHJP
   B01D 65/06 20060101ALI20221114BHJP
   B01D 69/02 20060101ALI20221114BHJP
   B63H 21/32 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
C02F1/44 K
B01D61/00 500
B01D61/58
B01D65/02 520
B01D65/06
B01D69/02
B63H21/32 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018106020
(22)【出願日】2018-06-01
(65)【公開番号】P2019209241
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-02-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】笹島 康宏
(72)【発明者】
【氏名】余田 充
(72)【発明者】
【氏名】金井 修
(72)【発明者】
【氏名】瀧口 佳介
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-051534(JP,A)
【文献】特開2015-080755(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0182905(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105854602(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0009349(KR,A)
【文献】特開2016-055236(JP,A)
【文献】特開2017-025834(JP,A)
【文献】特開2010-027213(JP,A)
【文献】国際公開第2012/002263(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/164541(WO,A1)
【文献】特開2009-214062(JP,A)
【文献】特開2014-222030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/22,61/00-71/82
C02F 1/44
B63B 1/00-85/00
B63J 1/00-99/00
B63H 1/00-25/52
F03G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶のエンジン排ガス処理装置から排水されるスクラバ排水の浄化装置であって、
スクラバ排水をろ過するろ過膜と、
前記スクラバ排水を貯留し、前記ろ過膜が前記スクラバ排水に浸漬されるように前記ろ過膜を収容するろ過膜収容体と、
前記ろ過膜の透過側空間に連通し、前記ろ過膜で生成された前記スクラバ排水のろ過水が排水されるろ過水排水配管と、
前記ろ過水排水配管上に設置された吸引ポンプと、を有し、
前記ろ過膜収容体の内部に複数の中空糸膜が収容され、前記中空糸膜の上端及び下端がそれぞれ支持部材で支持され
前記ろ過膜収容体は前記スクラバ排水の流路の一部を構成し、前記流路は、前記ろ過膜収容体とともに前記スクラバ排水の循環路を形成する循環配管と、前記循環配管から分岐する汚泥排水配管と、前記汚泥排水配管に設けられた弁と、を有し、前記循環路に蓄積された汚染物質は、前記弁が開放されることで前記汚泥排水配管から排出される浄化装置。
【請求項2】
前記ろ過膜は親水性である、請求項1に記載の浄化装置。
【請求項3】
前記循環路はスクラバ排水発生源に接続され、前記循環路の一部が前記ろ過膜の入口側空間を構成する、請求項1または2に記載の浄化装置。
【請求項4】
前記浄化装置の運転中に、濃縮された前記スクラバ排水の一部を前記汚泥排水配管から排出しながら新たなスクラバ排水を前記浄化装置に供給することで、前記循環路の汚染物質の濃縮度が維持される、請求項3に記載の浄化装置。
【請求項5】
前記ろ過膜の下方から気泡を供給する気泡供給手段を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項6】
前記ろ過膜の薬品洗浄手段を有し、前記薬品洗浄手段は薬品を前記ろ過膜収容体に供給して前記ろ過膜を浸漬させ、
前記ろ過膜を浸漬させた状態が一定時間保持された後、前記ろ過膜収容体の内部の前記薬品が排出される、請求項1から5のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項7】
前記ろ過膜の逆洗手段を有し、前記薬品洗浄手段は前記逆洗手段で除去されない汚染物質を前記ろ過膜から除去する、請求項6に記載の浄化装置。
【請求項8】
前記ろ過膜に界面活性剤を供給する界面活性剤供給手段を有し、前記界面活性剤供給手段は界面活性剤を前記ろ過膜収容体に供給して前記ろ過膜を浸漬させ、
前記ろ過膜を浸漬させた状態が一定時間保持された後、前記ろ過膜収容体の内部の前記界面活性剤が排出される、請求項6または7に記載の浄化装置。
【請求項9】
前記スクラバ排水に凝集剤を供給する凝集剤供給手段を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項10】
前記ろ過水の濁度を測定する濁度計と、前記濁度計の下流で前記ろ過水排水配管から分岐して前記ろ過水を前記ろ過膜収容体の上流に戻す戻り配管と、を有し、前記濁度計で測定した濁度が所定の排出基準を満たさない場合、前記ろ過水は前記戻り配管を通って前記ろ過膜収容体に戻され、前記排出基準を満たす場合、前記ろ過水は前記ろ過水排水配管を通って放出される、請求項1から9のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の浄化装置と、塩分濃度差発電装置と、を有し、
前記スクラバ排水は海水であり、
前記塩分濃度差発電装置は、正浸透膜と、前記正浸透膜を介して隣接する第1及び第2の空間と、前記第1の空間を通り、前記浄化装置で生成された前記スクラバ排水のろ過水が流通するろ過水配管と、前記第2の空間を通り、前記ろ過水より塩分濃度の低い水が流通する低塩分濃度水配管と、前記第1の空間の下流で前記ろ過水配管に接続されたタービンと、前記タービンに連結された発電機と、を有する、塩分濃度差発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスクラバ排水の浄化装置及び方法と、スクラバ排水の浄化装置を利用した塩分濃度差発電システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
船舶からの硫黄酸化物(SOx)の排出規制が強化されてきており、その対応策の一つとして、ディーゼルエンジンの排ガスからSOxを除去する排ガススクラバの船舶への設置が検討されている。排ガススクラバにはいくつかの種類があるが、その一つとして水洗浄式が知られている。水洗浄式の排ガススクラバでは、ディーゼルエンジンの排ガスに洗浄水を噴霧し、噴霧された洗浄水を排ガスと気液接触させ、SOxを吸着して除去する。このタイプの排ガススクラバではSOxの他、排ガスに含まれている煤塵などの微細粒状体、油分、芳香族炭化水素等を含むスクラバ排水が発生するため、スクラバ排水の浄化装置が併設される。なお、本明細書では、スクラバ排水に含まれるSOx、微小粒状体、油分、芳香族炭化水素等を総称して汚染物質という。
【0003】
特許文献1,2には遠心分離機を用いたスクラバ排水の浄化装置が開示されている。スクラバ排水に含まれる汚染物質は遠心力の作用によって水と分離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5859463号公報
【文献】特許第6130561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分離された汚染物質は廃棄物質として船内に保管され、浄化された水は排出基準を満たしたことを確認した上で海洋放出される。しかしながら、遠心分離機を用いた浄化装置はその原理上、汚染物質(特に微小粒状体)が微細であるほど除去効率が低下し、排水基準の一つである濁度の基準値を満足できない可能性がある。
【0006】
本発明は、汚染物質の除去効率が高いスクラバ排水の浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の浄化装置は、船舶のエンジン排ガス処理装置から排水されるスクラバ排水の浄化装置である。浄化装置は、スクラバ排水をろ過するろ過膜と、スクラバ排水を貯留し、ろ過膜がスクラバ排水に浸漬されるようにろ過膜を収容するろ過膜収容体と、ろ過膜の透過側空間に連通し、ろ過膜で生成されたスクラバ排水のろ過水が排水されるろ過水排水配管と、ろ過水排水配管上に設置された吸引ポンプと、を有する。ろ過膜収容体の内部に複数の中空糸膜が収容され、中空糸膜の上端及び下端がそれぞれ支持部材で支持されている。ろ過膜収容体はスクラバ排水の流路の一部を構成し、流路は、ろ過膜収容体とともにスクラバ排水の循環路を形成する循環配管と、循環配管から分岐する汚泥排水配管と、汚泥排水配管に設けられた弁と、を有する。循環路に蓄積された汚染物質は、弁が開放されることで汚泥排水配管から排出される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の浄化装置はスクラバ排水をろ過するろ過膜を有するため、ろ過膜の孔径を適切に選択することによって汚染物質の除去効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態に係る浄化装置の概略構成図である。
図2】第1の実施形態の変形例に係る浄化装置の概略構成図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係る浄化装置の概略構成図である。
図4】セラミック膜の概略斜視図である。
図5】第2の実施形態の変形例に係る浄化装置の概略構成図である。
図6】本発明の第3の実施形態に係る塩分濃度差発電システムの概略構成図である。
図7】実施例の試験装置の概略構成図である。
図8】実施例におけるろ過膜の透過流束の経時変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る浄化装置1の概略構成図を示している。浄化装置1は、船舶のエンジン排ガス処理装置でありスクラバ排水発生源でもあるスクラバ2から排水されるスクラバ排水を浄化する。船舶のスクラバ2では通常海水が排ガスに噴霧されるため、スクラバ排水は海水である。しかし、洗浄水として清水を利用することもでき、その場合スクラバ排水は淡水である。
【0011】
浄化装置1は、スクラバ2から排水されるスクラバ排水を受け入れる原水タンク3と、スクラバ排水をろ過するろ過膜4が収容されたろ過膜収容体5と、を有している。ろ過膜4は、スクラバ排水をろ過することができれば特に限定されないが、膜の形状としては中空糸膜や平膜などが挙げられる。また、膜の材質は親水性のろ過膜が好ましい。親水性のろ過膜としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PES(ポリエーテルスルホン)、PAN(ポリアクリロニトリル)、セラミックなどの膜が挙げられる。本実施形態ではろ過膜4は中空糸膜4Aである。原水タンク3はスクラバ排水排出配管L1によってスクラバ2と接続されている。ろ過膜収容体5はスクラバ排水供給配管L2によって原水タンク3と接続され、スクラバ排水供給配管L2上にはスクラバ排水供給ポンプP1が設けられている。処理されるスクラバ排水はスクラバ排水供給ポンプP1により圧送され、原水タンク3からろ過膜収容体5に供給される。原水タンク3はスクラバ排水の発生量の変動を吸収する機能も有している。すなわち、エンジン負荷に応じてスクラバ2の洗浄水を増減させる運用を行う場合、一時的にスクラバ排水の発生量が増加することがあり、原水タンク3はこのような場合でもスクラバ排水を受け入れることができる容量を有している。スクラバ排水供給配管L2はろ過膜収容体5の底面、より好ましくはろ過膜収容体5の底面、且つ中空糸膜4Aの下方位置に接続されている。
【0012】
スクラバ排水供給配管L2には凝集剤供給手段6が接続されている。凝集剤供給手段6は、凝集剤タンク6Aと、凝集剤タンク6Aをスクラバ排水供給配管L2に接続する凝集剤供給配管6Bと、凝集剤給配管6B上に設けられた凝集剤注入ポンプ6Cとを有している。凝集剤にはポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第二鉄や硫酸バンドなどがあり、スクラバ排水に含まれる汚染物質、特に微細粒状体を粗大化し、中空糸膜4Aによる捕捉効果を高める。場合によっては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の高分子系凝集助剤を添加してもよい。
【0013】
ろ過膜収容体5は筒状または直方体の中空糸膜モジュールを構成している。図示は省略するが、複数のモジュールを並列配置し、各モジュールを個別に浄化装置1から隔離することができる。浄化装置1の運転を続けながら一部のモジュールを隔離し、隔離したモジュールの逆洗(後述)及び薬品洗浄(後述)を行うことができる。
【0014】
ろ過膜収容体5の内部にはスクラバ排水が貯留されるとともに、多数の中空糸膜4Aが収容されている。中空糸膜4Aはその上端を上部支持部材7で、その下端を下部支持部材8で支持されている。中空糸膜4Aの材料は特に限定されないが、汚染物質の付着を抑制するため、親水性の材料で形成されることが望ましい。材料として例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PES(ポリエーテルスルホン)、PAN(ポリアクリロニトリル)などが挙げられる。PVDF(ポリフッ化ビニリデン)は比較的疎水性の高い材料であるが、親水化材を混ぜ込むなどの親水化処理をしていれば、主たる素材がPVDFでもよい。中空糸膜4Aの外側面はろ過膜収容体5内部のスクラバ排水と直接接触している。すなわち、中空糸膜4Aはろ過膜収容体5の内部で、スクラバ排水に浸漬されるように収容保持されている。中空糸膜4Aの内側空間は透過側空間9、すなわちろ過水が流通する空間とされ、上部支持部材7に設けられた接続空間10に連通している。これに対し、中空糸膜4Aの下端は下部支持部材8によってシールされている。スクラバ排水に含まれる水分(海水)は中空糸膜4Aの側面から透過側空間9に移動してろ過水となり、汚染物質は中空糸膜4Aの外側の入口側空間11に残留する。
【0015】
上部支持部材7の接続空間10、すなわち中空糸膜4Aの透過側空間9は、中空糸膜4Aを透過したろ過水が排水されるろ過水排水配管L3と接続されている。ろ過水排水配管L3はろ過膜収容体5の上面に接続されている。ろ過水排水配管L3上には吸引ポンプP2が設置されており、吸引ポンプP2によって、中空糸膜4Aの透過側空間9は入口側空間11に対して負圧にされる。ろ過膜収容体5に導入されたスクラバ排水の一部はこの圧力差によって中空糸膜4Aを透過し、透過側空間9に移動し、ろ過水としてろ過水排水配管L3に排水される。膜ろ過は圧力差があれば可能であるため、吸引ポンプを設ける他に、水頭差を利用してもよい。水頭差を利用した場合には、吸引ポンプの動力費を削減することができる。どのようにして圧力差を設けるかは本発明が適用される船舶の構造により適宜決定すればよい。
【0016】
ろ過膜収容体5の上部側面には第1の戻り配管L4が接続されている。第1の戻り配管L4はスクラバ排水供給配管L2に接続され、スクラバ排水のほとんどを原水タンク3を介してスクラバ排水供給配管L2に還流させる。これは、スクラバ排水の全量を中空糸膜4Aに通水すると中空糸膜4Aにおける圧力損失が過大となり、スクラバ排水供給ポンプP1の動力費増加、中空糸膜4Aの閉塞や劣化などが生じやすくなるためである。スクラバ排水供給配管L2と、原水タンク3と、ろ過膜収容体5と、中空糸膜4Aはスクラバ2(スクラバ排水発生源)に接続されたスクラバ排水の循環路12を構成する。また、循環路12の一部は中空糸膜4Aの入口側空間11を構成する。
【0017】
ろ過水排水配管L3上には、ろ過水の濁度が排出基準を満たしているかを確認するための濁度計17が設置されている。第2の戻り配管L5が濁度計17の下流でろ過水排水配管L3から分岐し、原水タンク3に接続されている。ろ過水の濁度が排出基準を満たしていない場合、ろ過水排水配管L3の弁V3が閉じられ、第2の戻り配管L5の弁V4が開けられ、ろ過水は第2の戻り配管L5と原水タンク3とスクラバ排水供給配管L2とを通ってろ過膜収容体5に戻され、再度中空糸膜4Aにより浄化される。ろ過水の濁度が排出基準を満たしている場合、ろ過水は海洋放出される。
【0018】
汚泥排水配管L6がスクラバ排水供給配管L2から分岐している。汚泥排水配管L6はろ過膜収容体5を含む循環路12に蓄積された汚染物質を回収する。循環路12を流れるスクラバ排水における汚染物質の濃縮度は、スクラバ排水がろ過されて中空糸膜4Aの透過側空間9に移動するに従い増加する。このため、汚泥排水配管L6の弁V5を間歇的に開放することで、循環路12に蓄積された汚染物質を汚泥の形態で排出する。換言すれば、濃縮されたスクラバ排水の一部を排出しながら新たなスクラバ排水がスクラバ2から供給されるため、循環路12の汚染物質の濃縮度はほぼ一定の範囲に維持される。なお、弁V5の操作は浄化装置1の運転中に行うことができるため、弁V5の操作のために浄化装置1を停止する必要はない。
【0019】
中空糸膜4Aの外表面には使用に伴い汚染物質が付着する。汚染物質はフラックス及びろ過性能の低下の原因となるため、できる限り中空糸膜4Aの外表面を清浄な状態に維持することが望ましい。この目的で、本実施形態では気泡供給手段13が設けられている。気泡供給手段13はスクラバ排水供給配管L2に接続された気泡供給配管13Aを有している。気泡供給手段13をスクラバ排水供給配管L2に接続することで、汚染物質(汚泥)を回収する際に気泡の汚染物質への巻き込みを抑制することができる。気泡供給手段13はスクラバ排水供給配管L2のろ過膜収容体5の入口と汚泥排水配管L6の分岐部との間に設けられることが望ましい。気泡供給手段13は空気などの不活性ガスをろ過膜収容体5に供給する。気泡は気泡供給配管13A及びスクラバ排水供給配管L2を通ってろ過膜収容体5の底部からろ過膜収容体5に導入され、中空糸膜4Aの側面を擦過しながら上昇する。これによるスクラビング効果によって、中空糸膜4Aの側面に付着している汚染物質が剥離される。気泡供給手段13の気泡供給配管13Aは汚泥排水配管L6の弁V5とろ過膜収容体5の間に設けられているため、弁V5の開閉によらず、気泡は常にろ過膜収容体5に供給される。吸引ポンプP2を間歇的に停止し、スクラバ排水の循環と気泡によるスクラビングを行うこともできる。透過側空間9の負圧が解消されるため、中空糸膜4Aの側面に付着している汚染物質をより効果的に剥離することができる。
【0020】
ろ過水タンク14がろ過水排水配管L3に接続されている。ろ過水タンク14には逆洗水供給配管L7が接続されており、逆洗水供給配管L7はろ過水排水配管L3に合流している。逆洗水供給配管L7上には逆洗水移送ポンプP3が設けられている。ろ過水タンク14には濁度計17で測定された濁度が所定の基準値を満たす海洋放出可能なろ過水の一部が貯留される。ろ過水タンク14に貯留されたろ過水は中空糸膜4Aの逆洗に用いられる。逆洗を定期的に行うことで、中空糸膜4Aの外表面への汚染物質の付着を効果的に抑制することができる。逆洗を行う際はまず弁V3を閉じ(弁V4が開いている場合は弁V4も閉じる)、吸引ポンプP2を停止する。次に逆洗水移送ポンプP3で中空糸膜4Aの透過側空間9に逆洗水を供給する。これによって、逆洗水が透過側空間9から入口側空間11に流れ、中空糸膜4Aの外表面に付着した汚染物質がスクラビングよりもさらに効果的に剥離される。使用した逆洗水は汚泥排水配管L6から排出してもよいし、原水タンク3に戻してもよいし、ろ過膜収容体5に貯留したままとしてもよい。なお、逆洗水として、上述したろ過水に代えて、清水または薬品(後述)の希釈水を用いることもできる。複数のモジュールを並列配置している場合は、隔離弁(図示せず)により対象モジュールのみを隔離し逆洗を行う。この場合吸引ポンプP2は停止せず、他のモジュールのろ過は継続することができる。
【0021】
ろ過水排水配管L3には、中空糸膜4Aの外側面に付着した汚染物質を除去するための薬品洗浄手段15と界面活性剤供給手段16が接続されている。薬品洗浄手段15は、薬品タンク15Aと、薬品タンク15Aをろ過水排水配管L3に接続する薬品供給配管15Bと、薬品給配管15B上に設けられた薬注ポンプ15Cとを有している。界面活性剤供給手段16は、界面活性剤タンク16Aと、界面活性剤タンク16Aをろ過水排水配管L3に接続する界面活性剤供給配管16Bと、界面活性剤給配管16B上に設けられた界面活性剤注入ポンプ16Cとを有している。薬品洗浄は逆洗でも除去できない汚染物質を除去するのに有効であるが、薬品の使用量を抑えるため、及び長時間の停止を避けるために、逆洗より低い頻度で行うことが望ましい。薬品洗浄をおこなうには、弁V1,V2,V3を閉じ(弁V4が開いている場合は弁V4も閉じる)ろ過膜収容体5を浄化装置1から隔離した後、界面活性剤と薬品をろ過膜収容体5に供給し、中空糸膜4Aを浸漬させる。界面活性剤と薬品は同時に投入してもよいし、いずれかを先にして順次投入してもよい。中空糸膜4Aが界面活性剤と薬品に浸漬された状態を一定時間保持することで、中空糸膜4Aの外表面に強固に付着した汚染物質を除去することができる。その後弁V1、V5を開き、使用した界面活性剤と薬品を排出する。薬品としては苛性ソーダなどのアルカリ系薬品を好適に用いることができ、界面活性剤としては陰イオン界面活性剤や両性界面活性剤を好適に用いることができる。苛性ソーダと界面活性剤の組み合わせ以外にも、苛性ソーダと次亜塩素酸ソーダの組み合わせ、硫酸などを用いることができる。排水の性状によっては上記の薬品のほか、塩酸やシュウ酸、クエン酸等の有機酸を用いてよい。
【0022】
図2は本実施形態の変形例の浄化装置101を示す図1と同様の図である。気泡発生手段113は気泡供給配管113Aと、気泡供給配管113Aに接続され、ろ過膜収容体5に内蔵された散気管113Bとを有している。散気管113Bは中空糸膜4Aの下方に設けられている。散気管113Bは気泡供給配管113Aと連通する多数の孔を備える管であり、中空糸膜4Aの下面に満遍なく気泡が当たるように、必要に応じて枝状に分岐していてもよい。一つのろ過膜収容体5に中空糸膜4Aの複数のバンドルを設置した場合、スクラバ排水供給配管L2から気泡を供給する方法では一部のバンドルに気泡が十分に行き渡らない可能性があるが、このような散気管113Bを設けることによって中空糸膜4Aの側面に付着している汚染物質を効果的に剥離することができる。なお、気泡を分散させる手段は散気管113Bに限定されず、例えば、スクラバ排水供給配管L2をろ過膜収容体5の下流側(一例として、図2におけるろ過膜収容体5の底部と弁1との間の区間)で複数の配管に分岐させ、各配管をろ過膜収容体5の底部に設けられた複数のノズルに接続してもよい。
【0023】
このように、本実施形態によればスクラバ排水の浄化に中空糸膜4Aを用いているため、従来の遠心分離機を用いた浄化方法に対して以下の利点を有する。まず、スクラバ排水の濃縮率が高く、濁度の低減も容易である。遠心分離機は遠心力で水と汚染物質を分離するため、微小粒状体が微細であるほど遠心力の作用が小さくなり、濃縮率を高め濁度を低減させることが困難となる。これに対して中空糸膜4Aは孔径を適切に選択することによって、濃縮率を高め濁度を低減させることが容易である。一例では20倍程度の濃縮率が得られている。スクラバ排水の処理能力の増加も容易であり、一例では10m/h程度の処理能力が得られている(特許文献2に記載の遠心分離器の処理流量は200L/h程度とされている)。
【0024】
次に、遠心分離機は廃棄物質の量の低減が困難である。上述のように、遠心分離機は濃縮率を高めることが困難であるため、濁度を基準値内に収めるためにはより多くの水を回収する必要がある。しかし、航行中は廃棄物質を海洋投棄できないため、場合によっては大規模な貯蔵設備を設ける必要が生じる。中空糸膜4Aを用いた場合、廃棄物質はスラリー状の汚泥として得られるため、廃棄物質の量の低減が容易である。さらに、油分は海水より比重が小さく遠心分離機での分離が原理上困難であるため、オイルフィルタなどが別途必要となる場合がある。中空糸膜4Aは微細粒状体も油分も同時に水から分離できるため、設備構成が簡略化される。
【0025】
次に、遠心分離機は積層された多数の分離ディスクを有しているため、分離ディスク間の狭隘な空間に排ガスに含まれる油分等が付着し、流路閉塞に伴う差圧上昇や収量低下などを招く可能性がある。これに対して中空糸膜4Aでは、油分等が外表面に付着し透過側空間9に侵入する可能性が低いため、流路閉塞は発生しにくい。しかも上述の通り、気泡によるスクラビング、逆洗、薬品洗浄などの複数の手段によって中空糸膜の外表面を常に清浄な状態に維持することもできる。遠心分離機は多数の分離ディスクを分解して洗浄する必要があり、メンテナンスに手間が掛かるとともに航行中の作業は困難である場合がある。これに対しスクラビング、逆洗、薬品洗浄などの洗浄方法は航行中にも実施することができる。
【0026】
さらに、遠心分離機は通常金属でできており、腐食防止の観点から海水を導入することが好ましくない場合が多い。海水はスクラバ2で循環濃縮されるため、スクラバ排水の塩分濃度は通常の海水の塩分濃度(3%程度)よりも高い。このような高塩分濃度に対応するためには、極めて耐腐食性能の高い材料を用いる必要があり、コストへの影響が大きい。中空糸膜4Aは耐食性の高い樹脂でできているため、配管や弁に対する腐食対策を講じるだけで十分である。また、分解点検等のために水抜きをすると、析出固化した塩分が分離ディスク上に堆積し流路の閉塞を生じる可能性もある。中空糸膜4Aは水抜きの必要性が小さく、このような問題が生じる可能性は小さい。
【0027】
さらに、遠心分離機は分離性能の安定化のため一定の回転速度で運転されることが多い。一方、スクラバの洗浄水の噴霧量、すなわちスクラバ排水の量はエンジン負荷が大きいほど多いため、遠心分離機の出口水の濁度はエンジン負荷が大きいときに高くなる傾向にある。このため、濁度を基準値以下にするために、エンジン負荷が高いときに発生した大量のスクラバ排水を一時的に貯蔵する原水タンク(バッファータンク)を船舶に設置する必要が生じる可能性がある。また、複数段の遠心分離機を直列配置する場合においては、第1段の遠心分離機の出口水の濁度が高いときには第2段の遠心分離機への供給量を減らす必要が生じる場合がある。このため、この場合も処理できないスクラバ排水を一時的に貯留するための原水タンク(バッファータンク)を設置する必要が生じる。しかし、設置面積の限られた船舶に大容量のタンクを設けることは他の設備への影響を生じる可能性があり好ましくない。中空糸膜4Aはスクラバ排水の流量の変動に対する適応性が高いため、濁度を基準値以下に抑えるのが容易であるだけでなく、原水タンク3の容量も抑制することができる。
【0028】
(第2の実施形態)
図3は本発明の第2の実施形態に係る浄化装置201の概略構成図を示している。本実施形態は、ろ過膜4としてセラミック膜4Bが使用されている点、及び第1の戻り配管L4が設けられていない点で第1の実施形態と異なり、その他の構成、効果等は特記のない限り第1の実施形態と同じである。なお、上述したとおり、セラミック膜4Bは親水性の膜である。
【0029】
図4にセラミック膜4Bの概略構造を示す。セラミック膜4Bはセラミック製の平膜であり、内部にスクラバ排水が流通する複数の流路41が形成されている。流路41の両端はセラミック膜4Bの側面で開口しており、両端には集水管42(図3参照)が接続されている。集水管42はろ過水排水配管L3に接続されている。スクラバ排水は矢印43で示すようにセラミック膜4Bの外表面からセラミックの無数の細孔を通って内部に浸透し、矢印44で示すように流路41に排出される。粒径の大きな汚染物質はセラミック膜4Bの外表面にとどまり、粒径の小さな汚染物質はセラミックの細孔に捕捉され、流路41には汚染物質が十分に除去されたろ過水が集水される。ケーシングの形態のろ過膜収容体5には一つまたは複数のセラミック膜4Bが収容される。複数のセラミック膜4Bが収容される場合、隣接するセラミック膜4Bの間にスクラバ排水が流通可能なギャップが設けられる。
【0030】
第1の戻り配管L4が設けられていないため、スクラバ排水供給配管L2を通るスクラバ排水の全量が圧送され、セラミック膜4Bに供給される。これは、セラミック膜4Bは透水量が多く、全量を圧送しても圧力損失が大きく増加する可能性が低いためである。もちろん、第1の実施形態のように第1の戻り配管L4を設けることもできる。逆に中空糸膜4Aの処理量が少ない場合には(例えば、処理流量に対して十分な量の中空糸膜4Aを設けた場合など)、第1の戻り配管L4を省略することもできる。複数のセラミック膜4Bを上下方向に積層し、重力によってスクラバ排水をセラミック膜4Bに圧送してもよい。すなわち、スクラバ排水供給ポンプP1と、セラミック膜4Bを上下方向に積層する構造は、いずれもセラミック膜4Bにスクラバ排水を圧送する手段の例である。スクラバ排水供給ポンプP1を設ける場合はセラミック膜4Bの向きは限定されない。
【0031】
本実施形態においても第1の実施形態と同様の変形例が可能である。図5は本実施形態の変形例の浄化装置301を示す図3と同様の図である。気泡発生手段113は気泡供給配管113Aと、気泡供給配管113Aに接続され、ろ過膜収容体5に内蔵された散気管113Bとを有している。散気管113Bはセラミック膜4Bの下方に設けられている。散気管113Bは気泡供給配管113Aと連通する多数の孔を備える管であり、セラミック膜4Bの下面に満遍なく気泡が当たるように、必要に応じて枝状に分岐していてもよい。第2の実施形態は平板状のセラミック膜4Bを用いており、ろ過膜収容体5は直方体の形状とするのが好ましい。直方体形状のろ過膜収容体5は筒状のろ過膜収容体5と比べて気泡が均一に分布しにくく、汚染物質が行き渡らない部分が発生しやすい。特に複数の平板状のセラミック膜4Bを並列配置する場合には、この傾向がさらに強まる可能性がある。本変形例によれば散気管113Bの形状、ルート等を最適化することですべてのセラミック膜4Bから汚染物質を効率的に剥離させることができる。
【0032】
(第3の実施形態)
図6は本発明の第3の実施形態に係る塩分濃度差発電システム50の概略構成図を示している。塩分濃度差発電システム50は浄化装置と、浄化装置の下流に位置する塩分濃度差発電装置51と、を有している。浄化装置は例えば第1または第2の実施形態の浄化装置1,101,201,301であってよい。以下、浄化装置1を例に説明する。塩分濃度差発電装置51は、正浸透膜52と、正浸透膜52を介して互いに隣接する第1の空間53及び第2の空間54と、を有している。正浸透膜52と第1の空間53と第2の空間54は共通のハウジング55の内部に設けられている。正浸透膜52は溶質の濃度の低い溶液から溶質の濃度の高い溶液へ溶媒(水)だけを移動させる。
【0033】
浄化装置1の透過側空間9は、ろ過水排水配管L3を介してろ過水配管L11に接続されている。ろ過水配管L11は第1の空間53を通っており、浄化装置1で生成されたスクラバ排水のろ過水が流通する。前述の通り、スクラバ排水のろ過水の塩分濃度は通常の海水の塩分濃度よりも高い。第2の空間54を、ろ過水より塩分濃度の低い低塩分濃度水が流通する低塩分濃度水配管L12が通っている。低塩分濃度水はスクラバ排水より塩分濃度が低ければ限定されないが、好ましくは海水(海から採取した塩分濃度3~4%程度の海水)であり、塩分を含まない清水であってもよい。第1の空間53の下流でろ過水配管L11から配管L13が分岐し、配管L13にタービン57が接続され、タービン57に発電機58が連結されている。第1の空間53に供給されたろ過水は濃縮海水であるため、第2の空間54に供給された低塩分濃度水より浸透圧が高い。このため、矢印59に示すように、低塩分濃度水に含まれる水は正浸透膜52を介して第1の空間53に移動する。この結果、ろ過水配管L11の圧力が第1の空間53の下流側で高くなる。この圧力の増分がタービン57を回転駆動し、タービン57に連結した発電機58によって発電が行われる。換言すれば濃縮海水の高い浸透圧が電気エネルギーに変換される。スクラバ2の循環により塩分濃度3%の海水が、例えば一般的な塩分濃度差発電で利用される塩分濃度6%まで濃縮された場合、このろ過水と塩分濃度3%の海水の浸透圧差は3MPa程度であり、タービン57の駆動源としては極めて効率的である。なお、濃縮海水の塩分濃度はスクラバの仕様や運転状況により異なるが、高濃度であるほどよい。発電機58によって得られた電力は船舶で使用する電力の一部として利用することできる。これによってエンジンの燃料消費が抑えられ、排ガス量が低減し、スクラバ排水が減少し、廃棄物質の量が抑制される。
【0034】
(実施例)
図7に示す装置を用いてろ過膜(中空糸膜)の通水試験を行った。原水として塩分濃度3%の海水にSOx成分、油分、懸濁物質(SS)を混ぜた模擬排水を用いた。試験手順は以下の通りである。
【0035】
(1)原水を原水タンクに入れる。
【0036】
(2)試験中は、SS等の沈殿を防ぐため常時撹拌する。
【0037】
(3)膜表面の洗浄を目的として、常時ブロアで空気の散気を実施する。
【0038】
(4)供給ポンプで原水を膜浸漬槽内に供給し、オーバーフローを原水タンクに戻す。
【0039】
(5)吸引ポンプで膜ろ過濃縮を行う。膜モジュールの公称孔径は0.1μm、膜面積は0.087mとした。
【0040】
(6)弁V101を閉、弁V102を開にしてろ過水を採取する。また、並行して一定時間ごとに膜ろ過流量と原水タンク内の水温を記録する。
【0041】
透過流束の経時変化を図8に示す。原水の濃縮度は20倍であった。透過流束は1.6m/dであった。これは一般的に排水処理分野で使用されている浸漬吸引ろ過処理の透過流束である約0.6m/d以下より大きく、十分な透過流束が得られた。ろ過水の水質分析結果を表1に示す。ろ過水の濁度は1.3NTUであり目安値の25NTUより十分に低かった。SS及び油分は99%以上除去されており、ろ過後の水質は良好であった。膜の懸濁物質分離性能は高く、透明なろ過水が得られた。
【0042】
次に、ろ過終了後の膜モジュールの洗浄試験を実施した。洗浄条件を表2に示す。各条件での洗浄後、膜モジュールの純水ろ過流量を測定した。測定結果を表3に示す。測定結果は新品の膜モジュールの純水ろ過流量に対する比率である。条件4で、透水性能が概ね回復した。これより、界面活性剤と苛性ソーダ(NaOH)の組み合わせで最も高い洗浄効果が得られることが分かった。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【符号の説明】
【0046】
1,101,201,301 スクラバ排水の浄化装置
2 スクラバ(エンジン排ガス処理装置)
3 原水タンク
4 ろ過膜
4A 中空糸膜
4B セラミック膜
5 ろ過膜収容体
9 透過側空間
12 循環路
13,113 気泡供給手段
14 ろ過水タンク
15 薬品洗浄手段
16 界面活性剤供給手段
50 塩分濃度差発電システム
51 塩分濃度差発電装置
52 正浸透膜
53 第1の空間
54 第2の空間
55 ハウジング
57 タービン
58 発電機
L1 スクラバ排水排出配管
L2 スクラバ排水供給配管
L3 ろ過水排水配管
L4 第1の戻り配管
L5 第2の戻り配管
L6 汚泥排水配管
L7 逆洗水供給配管
L11 ろ過水配管
L12 低塩分濃度水配管
P1 スクラバ排水供給ポンプ
P2 吸引ポンプ
P3 逆洗水移送ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8