(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】半導体装置、及び、半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/48 20060101AFI20221114BHJP
H01L 23/34 20060101ALI20221114BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
H01L23/48 L
H01L23/34 A
H01L21/60 321E
H01L23/48 S
(21)【出願番号】P 2018119115
(22)【出願日】2018-06-22
【審査請求日】2021-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 久人
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-089563(JP,A)
【文献】特開平02-121356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/48
H01L 23/34
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
封止部材と、
前記封止部材により封止され、上面に設けられた上部電極と、下面に設けられた下部電極とを有する半導体チップと、
第1の方向に延在するように配置されており、一端部が前記封止部材により封止され、前記一端部の上面に、前記半導体チップが配置される搭載領域を有し、他端部が前記封止部材から露出した第1のフレームと、
前記封止部材内で、前記半導体チップの前記下部電極と前記第1のフレームの上面の搭載領域との間を接合し且つ導電性を有する第1の導電性接合材と、
前記第1の方向に延在するように配置されており、前記封止部材により封止された一端部の上面に接続領域を有し、他端部が前記封止部材から露出した第2のフレームと、
前記封止部材内で前記半導体チップの上方に配置され且つ前記半導体チップの前記上部電極に電気的に接続された第1接合部と、前記第2のフレームの一端部の上面の前記接続領域と電気的に接続された第2接合部と、を有し、金属からなる接続子と、
前記封止部材内で、前記半導体チップの前記上部電極と前記接続子の前記第1接合部との間を接合し且つ導電性を有する第2の導電性接合材と、
前記封止部材内で、前記接続子の前記第2接合部と前記第2のフレームの上面の前記接続領域との間を接合し且つ導電性を有する第3の導電性接合材と、を備え、
前記接続子の前記第1接合部には、前記接続子の前記第1接合部の中央を下方に打ち出すことで形成された下方に突出する突出部が設けられ、前記突出部が前記封止部材内で前記半導体チップの前記上部電極の上面に前記第2の導電性接合材を介して電気的に接続され、
前記接続子の前記第1接合部の面積は、前記半導体チップの前記上部電極の上面の面積より大きい
ものであり、
前記第1の方向に直交する第2の方向における前記接続子の前記第1接合部の幅は、前記第2の方向における前記第1のフレームの前記一端部の前記搭載領域の幅よりも、大きい
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前
記第2の方向における前記接続子の前記第1接合部の幅は、前記第2の方向における前記半導体チップの前記上部電極の幅よりも、大きい
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2の方向における前記接続子の前記第1接合部の幅は、前記第2の方向における前記半導体チップの上面の幅よりも、大きい
ことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記接続子の前記第1接合部には、前記突出部に近接し且つ前記第1接合部を上下方向に貫通する貫通孔が形成されている
ことを特徴とする請求項
1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記接続子の前記第1接合部には、前記突出部の表面に接触し且つ前記第1接合部を上下方向に貫通する貫通孔が形成されている
ことを特徴とする請求項
1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記貫通孔は、前記封止部材をモールドロックすることを特徴とする請求項
4又は5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記接続子の前記第1接合部の上面は、長方形の形状を有し、前記第1接合部には、4つの前記貫通孔が前記第1接合部の4つの角のそれぞれに対応して配置されている
ことを特徴とする請求項
6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記接続子の前記第1接合部の側面には、上下方向に繋がるように凹んだ切り欠き部が形成されている
ことを特徴とする請求項
1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第2の方向における前記接続子の幅は、前記第1接合部から前記第2接合部まで同じ大きさである
ことを特徴とする請求項
1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記封止部材内において、
前記第1のフレームの前記一端部の上面の高さは、前記第2のフレームの前記一端部の上面の高さと同じであり、前記接続子は、前記第1接合部と前記第2接合部との間に位置し且つ前記第1接合部から前記第2接合部に向けて下方に傾斜する傾斜部を含む
ことを特徴とする請求項
9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記接続子の上下方向の厚さは、前記第1及び第2のフレームの上下方向の厚さよりも、薄いことを特徴とする請求項
1に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記接続子は、銅で構成されていることを特徴とする請求項
11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1のフレームの前記一端部に近接した領域には、前記半導体チップの前記下部電極と前記第1のフレームの前記搭載領域との接合時に、前記第1の導電性接合材が前記第1のフレームの前記他端部側に流れるのを防止する溝が形成されている
ことを特徴とする請求項
1に記載の半導体装置。
【請求項14】
封止部材と、前記封止部材により封止され、上面に設けられた上部電極と、下面に設けられた下部電極とを有する半導体チップと、第1の方向に延在するように配置されており、一端部が前記封止部材により封止され、前記一端部の上面に、前記半導体チップが配置される搭載領域を有し、他端部が前記封止部材から露出した第1のフレームと、前記封止部材内で、前記半導体チップの前記下部電極と前記第1のフレームの上面の搭載領域との間を接合し且つ導電性を有する第1の導電性接合材と、前記第1の方向に延在するように配置されており、前記封止部材により封止された一端部の上面に接続領域を有し、他端部が前記封止部材から露出した第2のフレームと、前記封止部材内で前記半導体チップの上方に配置され且つ前記半導体チップの前記上部電極に電気的に接続された第1接合部と、前記第2のフレームの一端部の上面の前記接続領域と電気的に接続された第2接合部と、を有し、金属からなる接続子と、前記封止部材内で、前記半導体チップの前記上部電極と前記接続子の前記第1接合部との間を接合し且つ導電性を有する第2の導電性接合材と、前記封止部材内で、前記接続子の前記第2接合部と前記第2のフレームの上面の前記接続領域との間を接合し且つ導電性を有する第3の導電性接合材と、を備えた半導体装置の製造方法であって、
前記接続子の前記第1接合部に、前記接続子の前記第1接合部の中央を下方に打ち出すことで下方に突出する突出部を形成し、
前記突出部を前記半導体チップの前記上部電極の上面に前記第2の導電性接合材を介して電気的に接続するものであり、
前記接続子の前記第1接合部の面積は、前記半導体チップの前記上部電極の上面の面積より大きい
ものであり、
前記第1の方向に直交する第2の方向における前記接続子の前記第1接合部の幅は、前記第2の方向における前記第1のフレームの前記一端部の前記搭載領域の幅よりも、大きい
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、及び、半導体装置の製造方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、封止部材により封止され、フレームに接続子を介して電気的に接続された電極を有する半導体チップを備えた半導体装置等がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、例えば、従来の半導体装置では、半導体チップの電極に接続される接続子の接合部(テラス)の面積は、半導体チップの当該電極の上面の面積とほぼ同じ大きさとなっている。
【0004】
このように、接続子の接合部の面積が、半導体チップの電極の上面の面積とほぼ同じ大きさである場合、当該接続子から半導体チップから発生する熱を十分に放熱することができない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、接続子の接合部の面積を接続される半導体チップの電極の上面の面積より大きくして、当該半導体チップの放熱性を向上させることが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る実施形態に従った半導体装置は、
封止部材と、
前記封止部材により封止され、上面に設けられた上部電極と、下面に設けられた下部電極とを有する半導体チップと、
第1の方向に延在するように配置されており、一端部が前記封止部材により封止され、前記一端部の上面に、前記半導体チップが配置される搭載領域を有し、他端部が前記封止部材から露出した第1のフレームと、
前記封止部材内で、前記半導体チップの前記下部電極と前記第1のフレームの上面の搭載領域との間を接合し且つ導電性を有する第1の導電性接合材と、
前記第1の方向に延在するように配置されており、前記封止部材により封止された一端部の上面に接続領域を有し、他端部が前記封止部材から露出した第2のフレームと、
前記封止部材内で前記半導体チップの上方に配置され且つ前記半導体チップの前記上部電極に電気的に接続された第1接合部と、前記第2のフレームの一端部の上面の前記接続領域と電気的に接続された第2接合部と、を有し、金属からなる接続子と、
前記封止部材内で、前記半導体チップの前記上部電極と前記接続子の前記第1接合部との間を接合し且つ導電性を有する第2の導電性接合材と、
前記封止部材内で、前記接続子の前記第2接合部と前記第2のフレームの上面の前記接続領域との間を接合し且つ導電性を有する第3の導電性接合材と、を備え、
前記接続子の前記第1接合部には、前記接続子の前記第1接合部の中央を下方に打ち出すことで形成された下方に突出する突出部が設けられ、前記突出部が前記封止部材内で前記半導体チップの前記上部電極の上面に前記第2の導電性接合材を介して電気的に接続され、
前記接続子の前記第1接合部の面積は、前記半導体チップの前記上部電極の上面の面積より大きい
ことを特徴とする。
【0008】
前記半導体装置において、
前記第1の方向に直交する第2の方向における前記接続子の前記第1接合部の幅は、前記第2の方向における前記半導体チップの前記上部電極の幅よりも、大きい
ことを特徴とする。
【0009】
前記半導体装置において、
前記第2の方向における前記接続子の前記第1接合部の幅は、前記第2の方向における前記半導体チップの上面の幅よりも、大きい
ことを特徴とする。
【0010】
前記半導体装置において、
前記第2の方向における前記接続子の前記第1接合部の幅は、前記第2の方向における前記第1のフレームの前記一端部の前記搭載領域の幅よりも、大きい
ことを特徴とする。
【0011】
前記半導体装置において、
前記接続子の前記第1接合部には、前記突出部に近接し且つ前記第1接合部を上下方向に貫通する貫通孔が形成されている
ことを特徴とする。
【0012】
前記半導体装置において、 前記接続子の前記第1接合部には、前記突出部の表面に接触し且つ前記第1接合部を上下方向に貫通する貫通孔が形成されている
ことを特徴とする。
【0013】
前記半導体装置において、
前記貫通孔は、前記封止部材をモールドロックすることを特徴とする。
【0014】
前記半導体装置において、
前記接続子の前記第1接合部の上面は、長方形の形状を有し、前記第1接合部には、4つの前記貫通孔が前記第1接合部の4つの角のそれぞれに対応して配置されている
ことを特徴とする。
【0015】
前記半導体装置において、
前記接続子の前記第1接合部の側面には、上下方向に繋がるように凹んだ切り欠き部が形成されている
ことを特徴とする。
【0016】
前記半導体装置において、
前記第2の方向における前記接続子の幅は、前記第1接合部から前記第2接合部まで同じ大きさである
ことを特徴とする。
【0017】
前記半導体装置において、
前記封止部材内において、
前記第1のフレームの前記一端部の上面の高さは、前記第2のフレームの前記一端部の上面の高さと同じであり、前記接続子は、前記第1接合部と前記第2接合部との間に位置し且つ前記第1接合部から前記第2接合部に向けて下方に傾斜する傾斜部を含む
ことを特徴とする。
【0018】
前記半導体装置において、 前記接続子の上下方向の厚さは、前記第1及び第2のフレームの上下方向の厚さよりも、薄いことを特徴とする。
【0019】
前記半導体装置において、
前記接続子は、銅で構成されていることを特徴とする。
【0020】
前記半導体装置において、
前記第1のフレームの前記一端部に近接した領域には、前記半導体チップの前記下部電極と前記第1のフレームの前記搭載領域との接合時に、前記第1の導電性接合材が前記第1のフレームの前記他端部側に流れるのを防止する溝が形成されている
ことを特徴とする。
【0021】
本発明の一態様に係る実施形態に従った半導体装置の製造方法は、
封止部材と、前記封止部材により封止され、上面に設けられた上部電極と、下面に設けられた下部電極とを有する半導体チップと、第1の方向に延在するように配置されており、一端部が前記封止部材により封止され、前記一端部の上面に、前記半導体チップが配置される搭載領域を有し、他端部が前記封止部材から露出した第1のフレームと、前記封止部材内で、前記半導体チップの前記下部電極と前記第1のフレームの上面の搭載領域との間を接合し且つ導電性を有する第1の導電性接合材と、前記第1の方向に延在するように配置されており、前記封止部材により封止された一端部の上面に接続領域を有し、他端部が前記封止部材から露出した第2のフレームと、前記封止部材内で前記半導体チップの上方に配置され且つ前記半導体チップの前記上部電極に電気的に接続された第1接合部と、前記第2のフレームの一端部の上面の前記接続領域と電気的に接続された第2接合部と、を有し、金属からなる接続子と、前記封止部材内で、前記半導体チップの前記上部電極と前記接続子の前記第1接合部との間を接合し且つ導電性を有する第2の導電性接合材と、前記封止部材内で、前記接続子の前記第2接合部と前記第2のフレームの上面の前記接続領域との間を接合し且つ導電性を有する第3の導電性接合材と、を備えた半導体装置の製造方法であって、
前記接続子の前記第1接合部に、前記接続子の前記第1接合部の中央を下方に打ち出すことで下方に突出する突出部を形成し、
前記突出部を前記半導体チップの前記上部電極の上面に前記第2の導電性接合材を介して電気的に接続するものであり、
前記接続子の前記第1接合部の面積は、前記半導体チップの前記上部電極の上面の面積より大きい
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様に係る半導体装置は、封止部材と、封止部材により封止され、上面に設けられた上部電極と、下面に設けられた下部電極とを有する半導体チップと、第1の方向に延在するように配置されており、一端部が封止部材により封止され、一端部の上面に、半導体チップが配置される搭載領域を有し、他端部が封止部材から露出した第1のフレームと、封止部材内で、半導体チップの下部電極と第1のフレームの上面の搭載領域との間を接合し且つ導電性を有する第1の導電性接合材と、第1の方向に延在するように配置されており、封止部材により封止された一端部の上面に接続領域を有し、他端部が封止部材から露出した第2のフレームと、第1接合部が半導体チップの上方に配置され且つ半導体チップの上部電極に電気的に接続され、第2接合部が封止部材内で第2のフレームの一端部の上面の接続領域と電気的に接続された、金属からなる接続子と、封止部材内で、半導体チップの上部電極と接続子の第1接合部との間を接合し且つ導電性を有する第2の導電性接合材と、封止部材内で、接続子の第2接合部と第2のフレームの上面の接続領域との間を接合し且つ導電性を有する第3の導電性接合材と、を備える。
【0023】
そして、接続子の第1接合部には、接続子の第1接合部の中央を下方に打ち出すことで形成された下方に突出する突出部が設けられ、突出部が封止部材内で半導体チップの上部電極の上面に第2の導電性接合材を介して電気的に接続されている。
【0024】
さらに、接続子の第1接合部の面積は、半導体チップの上部電極の上面の面積より大きくなるように設定されている。
【0025】
これにより、本発明の半導体装置によれば、接続子の接合部の面積を接続される半導体チップの電極の上面の面積より大きくして、当該半導体チップの放熱性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1A】
図1Aは、実施例1に係る半導体装置100の構成の一例を示す上面図である。
【
図1B】
図1Bは、実施例1に係る
図1Aに示す半導体装置100の構成の一例を示す側面図である。
【
図2A】
図2Aは、実施例2に係る半導体装置200の構成の一例を示す上面図である。
【
図2B】
図2Bは、実施例2に係る
図2Aに示す半導体装置200の構成の一例を示す側面図である。
【
図3A】
図3Aは、実施例3に係る半導体装置300の構成の一例を示す上面図である。
【
図3B】
図3Bは、実施例3に係る
図3Aに示す半導体装置300の構成の一例を示す側面図である。
【
図4A】
図4Aは、実施例4に係る半導体装置400の構成の一例を示す上面図である。
【
図4B】
図4Bは、実施例4に係る
図4Aに示す半導体装置400の構成の一例を示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0028】
図1Aは、実施例1に係る半導体装置100の構成の一例を示す上面図である。また、
図1Bは、実施例1に係る
図1Aに示す半導体装置100の構成の一例を示す側面図である。
【0029】
なお、
図1A、
図1Bにおいて、封止部材Mは、透視されるように表記されている。
【0030】
実施例1に係る半導体装置100は、例えば、
図1A、
図1Bに示すように、封止部材Mと、半導体チップXと、第1のフレームF1と、第2のフレームF2と、第1の導電性接合材Z1と、第2の導電性接合材Z2と、第3の導電性接合材Z3と、接続子Sと、を備える。
そして、封止部材Mは、例えば、エポキシ樹脂等の封止樹脂である。
【0031】
この封止部材Mは、例えば、
図1A、
図1Bに示すように、半導体チップX、第1のフレームF1の一端部F1a、第2のフレームF2の一端部F2a、第1の導電性接合材Z1、第2の導電性接合材Z2、第3の導電性接合材Z3、及び、接合部Sを、封止するようになっている。
【0032】
また、半導体チップXは、例えば、
図1A、
図1Bに示すように、封止部材Mにより封止され、上面に設けられた上部電極X2と、下面に設けられた下部電極X1とを有する。
【0033】
この半導体チップXは、例えば、ダイオードである。この場合、例えば、当該ダイオードのアノードが上部電極X2に対応し、当該ダイオードのカソードが下部電極X1に対応するが、逆の関係であってもよい。
【0034】
また、この半導体チップXは、上述のダイオード以外の半導体素子に適用するようにしてもよい。
【0035】
また、第1のフレームF1は、例えば、
図1A、
図1Bに示すように、第1の方向D1に延在するように配置されている。
【0036】
そして、この第1のフレームF1は、その一端部F1aが封止部材Mにより封止され、当該一端部F1aの上面に、半導体チップXが配置される搭載領域を有する。
【0037】
この第1のフレームF1は、その他端部F1bが封止部材Mから露出(突出)している。
【0038】
また、第1の導電性接合材Z1は、封止部材M内で、半導体チップXの下部電極X1と第1のフレームF1の上面の搭載領域との間を接合するようになっている。
【0039】
この第1の導電性接合材Z1は、導電性を有する。この第1の導電性接合材Z1は、例えば、はんだ材である。
【0040】
ここで、例えば、
図1Aに示すように、第1のフレームF1の一端部F1aに近接した領域には、半導体チップXの下部電極X1と第1のフレームF1の搭載領域との接合時に、第1の導電性接合材Z1が第1のフレームF1の他端部F1b側に流れるのを防止する溝F1kが形成されている。
【0041】
また、第2のフレームF2は、第1の方向D1に延在するように配置されており、封止部材Mにより封止された一端部F2aの上面に接続領域を有し、他端部が封止部材Mから露出している。
【0042】
接続子Sは、例えば、
図1A、
図1Bに示すように、封止部材M内で半導体チップXの上方に配置されている。
【0043】
この接続子Sは、半導体チップXの上部電極X2に第2の導電性接合材Z2により電気的に接続された第1接合部S1と、第2のフレームF2の一端部F2aの上面の接続領域と第3の導電性接合材Z3により電気的に接続された第2接合部S2と、を有する。
【0044】
また、第2の導電性接合材Z2は、封止部材M内で、半導体チップXの上部電極X2と接続子Sの第1接合部S1との間を接合するようになっている。
【0045】
この第2の導電性接合材Z2は、導電性を有する。この第2の導電性接合材Z2は、例えば、はんだ材である。
【0046】
また、第3の導電性接合材Z3は、封止部材M内で、接続子Sの第2接合部S2と第2のフレームF2の上面の接続領域との間を接合するようになっている。
【0047】
この第3の導電性接合材Z3は、導電性を有する。この第3の導電性接合材Z3は、例えば、はんだ材である。
【0048】
ここで、接続子Sは、例えば、金属からなる。より具体的には、この接続子Sは、銅で構成されている。
【0049】
なお、この接続子Sの上下方向の厚さは、例えば、第1及び第2のフレームF1、F2の上下方向の厚さよりも、薄くなるように設定されている。
【0050】
なお、第1の方向D1に直交する第2の方向D2における接続子Sの第1接合部S1の幅は、例えば、
図1A、
図1Bに示すように、当該第2の方向D2における半導体チップXの上部電極X2の幅よりも、大きくなるように設定されている。
【0051】
さらに、第2の方向D2における接続子Sの第1接合部S1の幅は、例えば、
図1A、
図1Bに示すように、第2の方向D2における半導体チップXの上面の幅よりも、大きくなるように設定されている。
【0052】
なお、例えば、
図1A、
図1Bに示すように、接続子Sの第1接合部S1には、接続子Sの第1接合部S1の中央を下方に打ち出すことで形成された下方に突出する突出部Saが設けられている。
【0053】
そして、この突出部Saが封止部材M内で半導体チップXの上部電極X2の上面に第2の導電性接合材Z2を介して電気的に接続されている。
さらに、接続子Sの第1接合部S1の面積は、半導体チップXの上部電極X2の上面の面積より大きくなるように設定されている。
【0054】
なお、第2の方向D2における接続子Sの第1接合部S1の幅は、例えば、
図1A、
図1Bに示すように、第2の方向D2における第1のフレームF1の一端部F1aの搭載領域の幅よりも、大きくなるように設定されている。
そして、接続子Sは、第1接合部S1と第2接合部S2との間に位置し且つ第1接合部S1から第2接合部S2に向けて下方に傾斜する傾斜部S3を含んでいる。
【0055】
なお、封止部材M内において、例えば、
図1A、
図1Bに示すように、第1のフレームF1の一端部F1aの上面の高さは、第2のフレームF2の一端部F2aの上面の高さと同じになるように設定されている。
【0056】
ここで、以上のような構成を有する半導体装置100の製造方法の一例について、接続子Sの構成に注目して、簡単に説明する。
【0057】
既述のように、半導体装置100は、封止部材Mと、半導体チップXと、第1のフレームF1と、第2のフレームF2と、第1の導電性接合材Z1と、第2の導電性接合材Z2と、第3の導電性接合材Z3と、接続子Sと、を備える。
例えば、接続子Sの第1接合部S1に、接続子Sの第1接合部S1の中央を下方に打ち出すことで下方に突出する突出部Saを形成する。
【0058】
そして、当該突出部Saを半導体チップXの上部電極X2の上面に第2の導電性接合材Z2を介して電気的に接続する。
なお、既述のように、接続子Sの第1接合部S1の面積は、半導体チップの上部電極の上面の面積より大きくなるように設定されている。
【0059】
以上のように、本実施例1に係る半導体装置は、接続子の第1接合部には、接続子の第1接合部を下方に打ち出すことで形成された下方に突出する突出部が設けられ、突出部が封止部材内で半導体チップの上部電極の上面に第2の導電性接合材を介して電気的に接続されている。
【0060】
さらに、接続子の第1接合部の面積は、半導体チップの上部電極の上面の面積より大きくなるように設定されている。
【0061】
すなわち、本実施例の半導体装置によれば、接続子の接合部の面積を接続される半導体チップの電極の上面の面積より大きくして、当該半導体チップの放熱性を向上させることができる。
【実施例2】
【0062】
既述の実施例1では、半導体装置100の一例について説明した。本実施例2では、半導体装置の他の例について説明する。
【0063】
図2Aは、実施例2に係る半導体装置200の構成の一例を示す上面図である。また、
図2Bは、実施例2に係る
図2Aに示す半導体装置200の構成の一例を示す側面図である。
【0064】
なお、
図2A、
図2Bにおいて、封止部材Mは、透視されるように表記されている。また、
図2A、
図2Bにおいて、既述の
図1A、
図1Bの符号と同じ符号が示す構成は、実施例1と同様の構成を示す。
【0065】
本実施例2に係る半導体装置200は、例えば、
図2A、
図2Bに示すように、実施例1と同様に、封止部材Mと、半導体チップXと、第1のフレームF1と、第2のフレームF2と、第1の導電性接合材Z1と、第2の導電性接合材Z2と、第3の導電性接合材Z3と、接続子Sと、を備える。
【0066】
ここで、例えば、
図2A、
図2Bに示すように、接続子Sの第1接合部S1には、突出部Saに近接し且つ第1接合部S1を上下方向に貫通する貫通孔Hが形成されているようにしてもよい。
【0067】
特に、接続子Sの第1接合部S1には、例えば、
図2A、
図2Bに示すように、突出部の表面に接触し且つ第1接合部S1を上下方向に貫通する貫通孔Hが形成されているようにしてもよい。
【0068】
そして、この接続子Sの第1接合部S1の上面は、例えば、
図2A、
図2Bに示すように、長方形の形状を有する。そして、当該第1接合部S1には、4つの貫通孔Hが第1接合部S1の長方形の4つの角のそれぞれに対応して配置されているようにしてもよい。
【0069】
そして、当該貫通孔Hは、封止部材Mをモールドロックするようになっている。
【0070】
なお、当該接続子Sの第1接合部S1に貫通孔Hを形成した後に、第1接続子Sの第1接合部S1には、接続子Sの第1接合部S1の中央を下方に打ち出すことで形成された下方に突出する突出部Saが形成される。
【0071】
すなわち、このような構成により、封止部材Mである樹脂が封止時に接続子Sの貫通孔Hに入り込むようにすることで、当該封止部材Mの接続子Sに対する密着性を向上することができる。
【0072】
なお、本実施例2に係る半導体装置200のその他の構成は、実施例1と同様である。
【0073】
すなわち、本実施例2に係る半導体装置は、実施例1と同様に、接続子の第1接合部には、接続子の第1接合部の中央を下方に打ち出すことで形成された下方に突出する突出部が設けられ、突出部が封止部材内で半導体チップの上部電極の上面に第2の導電性接合材を介して電気的に接続されている。
【0074】
さらに、本実施例2に係る半導体装置は、実施例1と同様に、接続子の第1接合部の面積は、半導体チップの上部電極の上面の面積より大きくなるように設定されている。
【0075】
すなわち、本実施例2の半導体装置によれば、接続子の接合部の面積を接続される半導体チップの電極の上面の面積より大きくして、当該半導体チップの放熱性を向上させることができる。
【実施例3】
【0076】
既述の実施例1、2では、半導体装置の各例について説明した。本実施例3では、半導体装置のさらに他の例について説明する。
【0077】
図3Aは、実施例3に係る半導体装置300の構成の一例を示す上面図である。また、
図3Bは、実施例3に係る
図3Aに示す半導体装置300の構成の一例を示す側面図である。
【0078】
なお、
図3A、
図3Bにおいて、封止部材Mは、透視されるように表記されている。また、
図3A、
図3Bにおいて、既述の
図1A、
図1Bの符号と同じ符号が示す構成は、実施例1と同様の構成を示す。
【0079】
本実施例3に係る半導体装置300は、例えば、
図3A、
図3Bに示すように、実施例1と同様に、封止部材Mと、半導体チップXと、第1のフレームF1と、第2のフレームF2と、第1の導電性接合材Z1と、第2の導電性接合材Z2と、第3の導電性接合材Z3と、接続子Sと、を備える。
【0080】
ここで、例えば、
図3A、
図3Bに示すように、接続子Sの第1接合部S1の側面には、上下方向に繋がる(貫通する)ように凹んだ切り欠き部Scが形成されているようにしてもよい。
【0081】
そして、この接続子Sの第1接合部S1の上面は、例えば、
図3A、
図3Bに示すように、長方形の形状を有する。そして、当該第1接合部S1には、3つの切り欠き部Scが第1接合部S1の長方形の3辺に形成されているようにしてもよい。
【0082】
このような構成により、封止部材Mである樹脂が封止時に接続子Sの切り欠き部Scに入り込むようにすることで、当該封止部材Mの接続子Sに対する密着性を向上することができる。
【0083】
なお、本実施例3に係る半導体装置300のその他の構成は、実施例1と同様である。
【0084】
すなわち、本実施例3に係る半導体装置は、実施例1と同様に、接続子の第1接合部には、接続子の第1接合部の中央を下方に打ち出すことで形成された下方に突出する突出部が設けられ、突出部が封止部材内で半導体チップの上部電極の上面に第2の導電性接合材を介して電気的に接続されている。
【0085】
さらに、本実施例3に係る半導体装置は、実施例1と同様に、接続子の第1接合部の面積は、半導体チップの上部電極の上面の面積より大きくなるように設定されている。
【0086】
すなわち、本実施例3の半導体装置によれば、接続子の接合部の面積を接続される半導体チップの電極の上面の面積より大きくして、当該半導体チップの放熱性を向上させることができる。
【実施例4】
【0087】
既述の実施例1ないし3では、半導体装置の各例について説明した。本実施例4では、半導体装置のさらに他の例について説明する。
【0088】
図4Aは、実施例4に係る半導体装置400の構成の一例を示す上面図である。また、
図4Bは、実施例4に係る
図4Aに示す半導体装置400の構成の一例を示す側面図である。
【0089】
なお、
図4A、
図4Bにおいて、封止部材Mは、透視されるように表記されている。また、
図4A、
図4Bにおいて、既述の
図1A、
図1Bの符号と同じ符号が示す構成は、実施例1と同様の構成を示す。
【0090】
本実施例4に係る半導体装置400は、例えば、
図4A、
図4Bに示すように、実施例1と同様に、封止部材Mと、半導体チップXと、第1のフレームF1と、第2のフレームF2と、第1の導電性接合材Z1と、第2の導電性接合材Z2と、第3の導電性接合材Z3と、接続子Sと、を備える。
【0091】
ここで、例えば、
図4A、
図4Bに示すように、第2の方向D2における接続子Sの幅は、第1接合部S1から第2接合部S2まで同じ大きさであるようにしてもよい。
【0092】
このような構成により、半導体装置400の放熱性を向上することができる。なお、上記接続子Sの構成と、既述の実施例2、3で説明した接続子Sの貫通孔Hの構成を組み合わせてもよい。
【0093】
なお、本実施例4に係る半導体装置400のその他の構成は、実施例1と同様である。
【0094】
すなわち、本実施例4に係る半導体装置は、実施例1と同様に、接続子の第1接合部には、接続子の第1接合部の中央を下方に打ち出すことで形成された下方に突出する突出部が設けられ、突出部が封止部材内で半導体チップの上部電極の上面に第2の導電性接合材を介して電気的に接続されている。
【0095】
さらに、本実施例4に係る半導体装置は、実施例1と同様に、接続子の第1接合部の面積は、半導体チップの上部電極の上面の面積より大きくなるように設定されている。
【0096】
すなわち、本実施例4の半導体装置によれば、接続子の接合部の面積を接続される半導体チップの電極の上面の面積より大きくして、当該半導体チップの放熱性を向上させることができる。
【0097】
以上のように、本発明の一態様に係る半導体装置は、封止部材Mと、封止部材により封止され、上面に設けられた上部電極と、下面に設けられた下部電極とを有する半導体チップXと、第1の方向D1に延在するように配置されており、一端部が封止部材により封止され、一端部の上面に、半導体チップが配置される搭載領域を有し、他端部が封止部材から露出した第1のフレームF1と、封止部材内で、半導体チップの下部電極と第1のフレームの上面の搭載領域との間を接合し且つ導電性を有する第1の導電性接合材と、第1の方向D1に延在するように配置されており、封止部材により封止された一端部の上面に接続領域を有し、他端部が封止部材から露出した第2のフレームF2と、第1接合部S1が半導体チップの上方に配置され且つ半導体チップの上部電極に電気的に接続され、第2接合部S2が封止部材内で第2のフレームの一端部の上面の接続領域と電気的に接続された、金属からなる接続子Sと、封止部材内で、半導体チップの上部電極と接続子の第1接合部S1との間を接合し且つ導電性を有する第2の導電性接合材と、封止部材内で、接続子の第2接合部S2と第2のフレームの上面の接続領域との間を接合し且つ導電性を有する第3の導電性接合材と、を備える。
【0098】
そして、接続子の第1接合部には、接続子の第1接合部の中央を下方に打ち出すことで形成された下方に突出する突出部が設けられ、突出部が封止部材内で半導体チップの上部電極の上面に第2の導電性接合材を介して電気的に接続されている。
【0099】
さらに、接続子の第1接合部の面積は、半導体チップの上部電極の上面の面積より大きくなるように設定されている。
【0100】
これにより、本発明の半導体装置によれば、接続子の接合部の面積を接続される半導体チップの電極の上面の面積より大きくして、当該半導体チップの放熱性を向上させることができる。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
100、200、300、400 半導体装置
M 封止部材
X 半導体チップ
F1 第1のフレーム
F2 第2のフレーム
Z1 第1の導電性接合材
Z2 第2の導電性接合材
Z3 第3の導電性接合材
S 接続子
Sa 突出部
Sc 切り欠き部
S1 第1接合部
S2 第2接合部
S3 傾斜部
F1k 溝
H 貫通孔