(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】電気炊飯器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20221114BHJP
【FI】
A47J27/00 103E
(21)【出願番号】P 2018142276
(22)【出願日】2018-07-30
【審査請求日】2021-07-19
(31)【優先権主張番号】10-2017-0114591
(32)【優先日】2017-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518096010
【氏名又は名称】クク エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ウォン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ウォン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、スン ユン
(72)【発明者】
【氏名】オ、ジュン ソク
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/077571(WO,A1)
【文献】特開平03-258220(JP,A)
【文献】特開2014-121649(JP,A)
【文献】登録実用新案第3148043(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0019759(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101554288(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-0846863(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1061495(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0008808(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
A47J 27/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理材料をいれる内釜が備えられた本体と、
前記本体の上部に結合されて開閉される蓋部と、
前記内釜内の蒸気の排出のために選択的に開閉状態が維持される圧力排出流路及び前記圧力排出流路の閉鎖時に前記内釜内の圧力の高低により選択的に開閉される圧力制御流路が内部に直列に多段配置されて前記蓋部を貫通するように設けられた圧力転換選択装置とを備える
ことを特徴とする電気炊飯器。
【請求項2】
前記圧力排出流路は所定の流動臨界断面積より大きい断面積を有し、前記圧力制御流路は前記流動臨界断面積より小さい断面積を有する
請求項1記載の電気炊飯器。
【請求項3】
前記蓋部の上面には前記内釜のロックのための内釜ロック手段に連動するハンドルが設けられ、
前記圧力排出流路は前記ハンドルに連動するリンク手段により開閉状態が転換される
請求項1記載の電気炊飯器。
【請求項4】
前記ハンドルの下端に連結されて回動し、一端にロッキングリング連動部が設けられ、他端にレバー連動部が設けられたハンドルベースと、
前記圧力転換選択装置の外周に接して配置され、前記レバー連動部の回転に対応して一側及び他側に直線移動するリフトレバーとを含み、
前記リンク手段は、前記リフトレバーの上面には、直線移動時に前記圧力転換選択装置の外周に接する部分に沿って配置され、前記ハンドルのロック回転時に直線移動方向に行くほど上方に傾斜して突設されたリフト突起からなる
請求項3記載の電気炊飯器。
【請求項5】
前記圧力転換選択装置は、
内部に前記圧力排出流路が形成され、前記蓋部の下面を貫通するように配置されて下端が前記内釜の内部に連通するベースシリンダーと、
内部に前記圧力制御流路が形成され、前記ベースシリンダー上に配置される制御胴部と、
前記ベースシリンダーの外周を囲むように形成されて前記制御胴部の下端に結合し、前記圧力排出流路の開閉状態が転換されるように前記リンク手段により
昇降する昇降シリンダーと、
前記圧力排出流路の開閉状態が維持されるように前記
昇降シリンダーを加圧する加圧手段と、
前記圧力制御流路の端部に形成され、前記内釜内の圧力の高低により前記圧力制御流路を開閉する圧力錘とを含む
請求項3記載の電気炊飯器。
【請求項6】
前記
昇降シリンダーの側壁部には前記制御胴部の上昇時に前記圧力排出流路の上端に選択的に連通する圧力排出孔が形成され、
前記
昇降シリンダーは前記蓋部の上面側の上部貫通部を貫通するように配置され、
前記
昇降シリンダーの外周には、内側の端部が前記圧力排出孔の下部に密着し、半径方向の外側に延びて下方に折れ曲がった外側の端部が前記上部貫通部の縁部に密着するホールパッキングが取り付けられる
請求項5記載の電気炊飯器。
【請求項7】
前記
昇降シリンダーの下部の外周には、前記リンク手段に備えられたリフト突起の傾斜面に沿って加圧されて上昇する
昇降翼部が突設され、
前記
昇降翼部の縁部は前記リフト突起の
移動時にスライドするようにラウンドして形成される
請求項5記載の電気炊飯器。
【請求項8】
前記加圧手段は、前記圧力排出流路が所定の理想圧力以上で強制に開放されるように、前記理想圧力に対応する弾性係数を有するコイルバネからなり、
前記ベースシリンダーの外周には前記コイルバネの上端が支持されるバネ結合段差部が形成され、
前記
昇降シリンダーの下端には、前記ベースシリンダーの外周に嵌合するように半径方向の内側に突出形成されて前記コイルバネの下端が支持される支持翼部が設けられる
請求項5記載の電気炊飯器。
【請求項9】
前記バネ結合段差部の上部にはスライドパッキングが取り付けられ、
前記スライドパッキングの外周には、前記
昇降シリンダーの内周に密着するように半径方向の外側に複数のリング型密閉リブが突設される
請求項8記載の電気炊飯器。
【請求項10】
前記ベースシリンダーの外周にはDカット加工部が形成され、
前記支持翼部の内側の端部は前記Dカット加工部に嵌合されてスライドするようにDカット加工される
請求項8記載の電気炊飯器。
【請求項11】
前記制御胴部の下面には、下降時に前記圧力排出流路の縁部が密閉されるように前記圧力制御流路の縁部に沿って下方に突設して外周に開閉パッキングが取り付けられる開閉突起が形成される
請求項5記載の電気炊飯器。
【請求項12】
前記ベースシリンダーの下端には前記蓋部の下面に設けられた制御板の装着孔にネジ締結される固定締結部が設けられる
請求項5記載の電気炊飯器。
【請求項13】
前記ベースシリンダーの外周にはワッシャー部材が取り付けられ、前記装着孔の上縁端に支持されるように前記固定締結部の上部に沿ってワッシャー段差部が形成される
請求項12記載の電気炊飯器。
【請求項14】
前記ベースシリンダーは、前記制御胴部の下部に設けられる第1ベースシリンダーと、前記第1ベースシリンダーの下部に締結され、前記固定締結部が形成された第2ベースシリンダーとを含み、
前記第2ベースシリンダーには、前記装着孔の上縁端に支持されるように前記固定締結部の上部に沿ってワッシャー翼部が突出して形成される
請求項12記載の電気炊飯器。
【請求項15】
前記制御胴部は、
前記圧力排出流路の外郭郭領域に沿って上下方向に複数の圧力排出孔が貫通形成された安着胴部と、
前記安着胴部の上面に突設して、前記圧力錘が前記圧力排出孔から離隔するように結合された間隔突起とを含む
請求項5記載の電気炊飯器。
【請求項16】
前記制御胴部の外周には、前記
昇降シリンダーの側壁部を貫通するネジ部材の端部が締結されるピス締結溝が形成される
請求項5記載の電気炊飯器。
【請求項17】
前記制御胴部の下部には、前記ベースシリンダーを囲むように下方に延び、前記圧力排出流路の上端に選択的に連動する圧力排出孔が形成された結合隔壁が設けられ、
前記ベースシリンダーの上端には、前記圧力排出流路の縁部を囲んで前記結合隔壁の内面に密着するカバーパッキングが取り付けられる
請求項5記載の電気炊飯器。
【請求項18】
前記カバーパッキングは、前記ベースシリンダーの上端に陥没形成されたカバー結合溝に挿入されるリング胴部と、前記リング胴部の外周から前記ベースシリンダーの上端を囲むように延びたカバー延長部とを含み、
前記制御胴部の下面には、前記リング胴部の上端に嵌合するマッチング溝部が形成され、
前記カバー延長部の内周面には、前記ベースシリンダーのカバー固定溝に係止する固定突起が突設し、前記カバー延長部の外周面には、前記結合隔壁の内面に密着するパッキング突起及び前記制御胴部の下面に密着する補助密閉突起が突設される
請求項17記載の電気炊飯器。
【請求項19】
前記結合隔壁は前記蓋部の上面側の上部貫通部を貫通するように設けられ、
前記結合隔壁の外周には、内側の端部が圧力排出孔の下部に密着し、半径方向の外側に延びて下方に折れ曲がった外側の端部が前記上部貫通部の縁部に密着するホールパッキングが設けられる
請求項17記載の電気炊飯器。
【請求項20】
前記
昇降シリンダーは、
前記結合隔壁の下端を支持し、内周に前記ベースシリンダーの外周に嵌合する支持翼部が備えられた支持胴部と、
前記支持胴部の外周を囲むように結合され、上端が前記結合隔壁の外周に締結され、下端に前記支持胴部の外面側の結合支持段差部を支持する結合支持突起が突設されたクランピング胴部を含み、
前記支持胴部には拘束突起が突設され、前記結合隔壁の下部には前記拘束突起が挿入されて前記制御胴部の回転を拘束する拘束溝が形成される
請求項17記載の電気炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気炊飯器に関し、より詳しくは、内釜内の圧力状態及び非圧力状態において各々調理可能であり、調理の品質及び使用便宜性が向上した電気炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に電気炊飯器とは、営業所及び家庭で炊事時に使用する電気釜、電気圧力炊飯器などを意味し、発熱部が備えられた本体と、該本体の上部を覆う蓋部とからなる。
【0003】
本体には調理材料をいれる内釜が収容され、蓋部は本体の一側にヒンジ結合されて開閉し、下部には内釜の上部開口を密閉するための内釜カバーが備えられる。内釜カバーの一側には内釜に連通する流動孔が形成され、内釜内の蒸気が流動孔を介して蓋部に設けられた圧力調節手段に流動する。
【0004】
詳しくは、圧力調節手段は、内釜の内部と炊飯器の外部を連結する蒸気排出流路が開閉するように電気的に駆動するソレノイドバルブ、内釜内の圧力を一定に維持するための圧力錘バルブなどを備える。即ち、調理が始まると、ソレノイドバルブにより蒸気排出流路が閉鎖されて内釜内の圧力が上昇し、圧力錘バルブにより内釜内の圧力が一定に維持される。
【0005】
しかし、従来の電気炊飯器では、圧力錘の重量圧と蒸気圧の相互作用により内釜内の圧力が所定値に維持されるので、ユーザの好みや料理の種類に合わせた調理方法を適用/選択できず、調理の品質が低下する問題があった。
【0006】
即ち、圧力が不要な調理材料の場合、高圧により食感が脆くなる。またもちもちしっとりとした食感の圧力釜のご飯より柔らかい食感の非圧力釜のご飯の方が好きな人には、非圧力電気釜を別途に購入したり鍋炊きをしたりする必要がある。
【0007】
よって、炊事中にソレノイドバルブを一定時間・周期でさらに開いて火力を下げるか、或いは水に浸しておく時間を長くすることにより柔らかい食感を提供するが、非圧力電気釜の食感には及ばない。
【0008】
一方、調理中に内釜内に圧力が存在する場合、内釜の高圧状態では蓋部の開放を遮断する圧力安全装置があるため、調理状態の確認や材料の追加投入のための蓋部の開閉が不可能であり不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記問題を解決するために、本発明は内釜内の圧力状態及び非圧力状態において各々調理可能であり、調理の品質及び使用便宜性が向上した電気炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題を解決するために、本発明は、調理材料をいれる内釜及び加熱手段が備えられた本体と、本体の上部に結合されて開閉手段により開閉される蓋部と、蓋部を貫通するように配置され、開閉手段に連動して内釜内の蒸気排出のために開閉状態を転換及び維持する圧力転換選択装置と、を含む電気炊飯器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本発明の第1実施形態による電気炊飯器の蓋部を示す分解斜視図
【
図1B】本発明の第1実施形態による電気炊飯器の圧力転換選択装置を示す分解斜視図
【
図2A】本発明の第1実施形態による電気炊飯器において圧力モードの転換過程を示す斜視図
【
図2B】本発明の第1実施形態による電気炊飯器において圧力モードの転換過程を示す斜視図
【
図3A】本発明の第1実施形態による電気炊飯器において圧力排出流路の開閉及び閉鎖状態を示す断面図
【
図3B】本発明の第1実施形態による電気炊飯器において圧力排出流路の開閉及び閉鎖状態を示す断面図
【
図4】本発明の第1実施形態による電気炊飯器においてベースシリンダーの変形例を示す断面図
【
図5】本発明の第2実施形態による電気炊飯器の圧力転換選択装置を示す分解斜視図
【
図6A】本発明の第2実施形態による電気炊飯器において圧力排出流路の開閉及び閉鎖状態を示す断面図
【
図6B】本発明の第2実施形態による電気炊飯器において圧力排出流路の開閉及び閉鎖状態を示す断面図
【
図7】本発明の第3実施形態による電気炊飯器の圧力転換選択装置を示す分解斜視図
【
図8】本発明の第3実施形態による電気炊飯器の圧力転換選択装置を示す斜視図
【
図10A】
図8のB-B´断面において圧力排出流路の開閉及び閉鎖状態を示す断面図
【
図10B】
図8のB-B´断面において圧力排出流路の開閉及び閉鎖状態を示す断面図
【
図11】本発明の第4実施形態による電気炊飯器の圧力転換選択装置を示す分解斜視図
【
図12A】本発明の第4実施形態による電気炊飯器において圧力排出流路の開閉及び閉鎖状態を示す断面図
【
図12B】本発明の第4実施形態による電気炊飯器において圧力排出流路の開閉及び閉鎖状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態による電気炊飯器について詳細に説明する。
【0013】
図1Aは本発明の第1実施形態による電気炊飯器の蓋部を示す分解斜視図であり、
図1Bは本発明の第1実施形態による電気炊飯器の圧力転換選択装置を示す分解斜視図である。
図2A及び
図2Bは本発明の第1実施形態による電気炊飯器において圧力モードの転換過程を示す斜視図であり、
図3A及び
図3Bは本発明の第1実施形態による電気炊飯器において圧力排出流路の開閉及び閉鎖状態を示す断面図である。
図4は本発明の第1実施形態による電気炊飯器においてベースシリンダーの変形例を示す断面図である。
【0014】
図1Aないし
図4に示したように、本発明による電気炊飯器100は、本体(図示せず)と、蓋部10と、圧力転換選択装置50とを含む。
【0015】
ここで、本体(図示せず)内には、熱板ヒータ或いは誘導加熱装置などの加熱手段を備える装着空間が形成され、装着空間内には調理材料をいれる内釜(図示せず)が収容される。この時、内釜(図示せず)の上縁端には半径方向の外側に複数のフランジ部が突出形成される。
【0016】
図1Aないし
図2Aに示したように、蓋部10は、本体(図示せず)上に結合されて開閉され、各種電子部品及び配線が設けられる内部蓋部10bを含む。また蓋部10は、内部蓋部10bをカバーする上面の一側にハンドル11が備えられた外部蓋部10aを含む。ここで、ハンドル11は開閉手段の一例である。即ち、ハンドルはユーザの操作により内釜のロックのための内釜ロック手段に連動する電気式電動モーターなどで代替でき、それを含む概念である。
【0017】
以下、一側は蓋部10の開放端部17を向く方向を、他側は蓋部10のヒンジ連結部16を向く方向を意味する。ハンドル11は内釜のロックのための内釜ロック手段に連動する。以下、内釜ロック手段はロッキングリング20などで形成されるが、これに限定されない。
【0018】
詳しくは、ロッキングリング20は内部蓋部10bの下面に回転自在に結合され、内周には各々のフランジ部に対応して半径方向の内側に複数のロック突起21が突設される。この時、ロッキングリング20がロック解除角度に回転すると、各々のロック突起21がフランジ部の間の空間に配置されて蓋部10と内釜(図示せず)がロック解除され、分離及び開閉が可能になる。また蓋部10が閉じられた状態でロッキングリング20がロック角度に回転すると、各々のロック突起21がフランジ部の下端に拘束されて蓋部10と内釜(図示せず)がロックされる。
【0019】
図1Aないし
図3Aに示したように、ハンドル11の下端にはハンドルベース30が連結される。詳しくは、ハンドルベース30は、ハンドル11の下端に連結される支持部30c、該支持部30cの一端及び他端に突設されたロッキングリング連動部30a及びレバー連動部30bからなる。この時、支持部30cはキー結合などによりハンドル11と一体に回転するように結合され、下端が内部蓋部10bの上面の一側に突設された支持突起14に回転支持される。これにより、ハンドルベース30が捩れなくハンドル11と一体に回転できる。
【0020】
ロッキングリング連動部30aは、ロッキングリング20の回転軌跡と重畳するように延び、ロッキングリング20と重畳配置された一側に連結孔31が形成される。この時、連結孔31にはロッキングリング20の上面に突設された連結突起23が内部蓋部10bの円弧形長孔15を貫通して嵌合され、これによりロッキングリング20がハンドル11と連動して回転できる。
【0021】
なお、内部蓋部10bの下面にはリードプレート80が結合され、リードプレート80の下面には内釜カバー90が設けられる。この時、内釜カバー90の縁部に内釜パッキング94が取り付けられることにより、蓋部10の閉じ及びロック時に内釜の内部が密閉される。勿論、内釜パッキングはリードプレート80の下面に設けられることもできる。
【0022】
内釜カバー90の他側には内釜内の蒸気を排出するための複数の蒸気流動孔92が形成され、リードプレート80には蒸気流動孔92に対面する部分に連通孔81aが形成される。
【0023】
リードプレート80及び内部蓋部10bの間には、連通孔81aをカバーし、連通孔81aに対応する装着孔71aが形成された制御板70が設けられる。この時、連通孔81a及び装着孔71aの間には密閉パッキング82が配置されて、連通孔81aに流入した蒸気が漏れることなく正確に装着孔71aに流動する。勿論、制御板70及びリードプレート80が一体に形成されることもできる。
【0024】
外部蓋部10aの他側には装着孔71aに対応するように上部貫通部13aが形成され、内部蓋部10bには上部貫通部13aに対応する領域に沿って下部貫通部13dが形成される。圧力転換選択装置50は、上部貫通部13a及び下部貫通部13dを介して蓋部10を貫通するように設けられる。即ち、圧力転換選択装置50はこれらの貫通部のうちいずれか一つを貫通するように設けられる。
【0025】
圧力転換選択装置50内には、内釜内の蒸気排出のために選択的に開閉状態が維持される圧力排出流路53aが形成される。圧力排出流路53aの閉鎖時に内釜内の圧力の高低により選択的に開閉される圧力制御流路51aが形成される。即ち、圧力排出流路53aは、調理中に開放及び閉鎖のうちいずれか一方の状態が持続的に維持されるようにする。この時、圧力排出流路53aが閉鎖されると、圧力制御流路51aは調理過程中に内釜内の圧力に対応して開放及び閉鎖を繰り返す。
【0026】
これにより、圧力排出流路53aが開放されると、内釜内の蒸気が持続的に排出される非圧力調理モードで調理が行われる。圧力排出流路53aが閉鎖されると、圧力制御流路51aにより内釜内の圧力が一定水準に維持される圧力調理モードで調理が行われる。よって、一つの装置で非圧力調理モード/圧力調理モードの転換・選択機能及び圧力調理モードにおいて内釜内の圧力を調節する一般的な制御バルブの機能を同時に行うことができる。
【0027】
ここで、圧力排出流路53a及び圧力制御流路51aは直列に多段配置される。直列とは、一方の端部に他方の端部が対向配置されるという意味である。圧力排出流路53a及び圧力制御流路51aは、一方の端部に他方の端部が対向配置されれば、直線型/傾斜型/折曲型などの配列の形態には制限がない。詳しくは、圧力排出流路53aの下端が内釜内の空間に連通するように配置され、圧力排出流路53aの上端と圧力制御流路51aの下端が互いに対向配置される。
【0028】
ここで、圧力排出流路53aの上端と圧力制御流路51aの下端が互いに離隔すると、内釜内の蒸気は圧力排出流路53a及び圧力制御流路51aの間の離隔空間を経て蓋部10の外部空間に排出される。これにより内釜内の蒸気は圧力制御流路51aを経ず離隔空間を通して持続的に排出され、内釜内の圧力が増加しない非圧力調理モードで調理が行われる。
【0029】
また圧力排出流路53aの上端と圧力制御流路51aの下端が密着配置されると、内釜内の蒸気は圧力排出流路53aを経て圧力制御流路51aに流入する。即ち、圧力排出流路53aの閉鎖とは、圧力排出流路53aの上端に圧力制御流路51aの下端が密着配置されることを意味する。
【0030】
ここで、圧力制御流路51aの上端には、圧力錘55など圧力の高低により選択的に開閉する圧力対応作動手段が備えられて内釜内の圧力が一定水準に維持される。即ち、圧力排出流路53aが閉鎖されると、内釜内の蒸気は圧力制御流路51aを経て排出が制御される。これにより、内釜内の圧力が増加して圧力調理モードで調理が行われる。また内釜内の圧力が一定水準以上に増加すると、圧力対応作動手段により内釜内の蒸気が蓋部10の外部空間に排出される。
【0031】
このように圧力排出流路53a及び圧力制御流路51aが直列配置されたことにより、圧力制御流路51aを経由するか否かによって選択的に非圧力調理モード/圧力調理モードの転換・選択機能及び内釜内の圧力調節機能を行うことができる。これにより、圧力転換選択装置50において内釜内に直接連結される部分が圧力排出流路53aのみに制限される。従って、圧力転換選択装置50及び内釜の内部空間の間の連通のための蓋部10、リードプレート80、制御板70などに形成される穿孔構造13a,81a,71aを簡素化できる。即ち、一つの穿孔に、非圧力調理時に蒸気を排出する圧力排出流路53a及び圧力調理時に内釜の内圧を調節する圧力制御流路51aが直列に配置される。よって、蓋部10、リードプレート80、制御板70などに形成された上部貫通部13a、連通孔81a、装着孔71aなどの穿孔の数及び面積を減少できる。
【0032】
これにより、複雑な穿孔構造による外部蓋部10aのデザインの制限、断熱性能の低下及びリードヒーター(図示せず)などの保温用加熱手段の位置制限による保温品質の低下などの問題を解消でき、製品の品質及び満足度が改善される。圧力排出流路53aは所定の流動臨界断面積より大きい断面積を有し、圧力制御流路51aは流動臨界断面積より小さい断面積を有することが好ましい。即ち、圧力排出流路53aは流動臨界断面積より大きい最小断面積を有し、圧力制御流路51aは流動臨界断面積より小さい最大断面積を有するように形成される。
【0033】
流動臨界断面積とは、内釜の加熱時に発生した蒸気の粘性、1時間当たりの生成量などを考慮して内釜内の圧力が実質的な大気圧状態を維持するように経験的/実験的に算出された面積を意味する。即ち、流動臨界断面積より大きい面積に形成された圧力排出流路53aが開放される。これにより内釜の加熱時に発生した蒸気が迅速かつ円滑に排出されて内釜内の圧力が蓋部10の外部空間の圧力と類似した非圧力状態を維持する。
【0034】
また圧力排出流路53aが閉鎖されると、圧力制御流路51aに沿って蒸気が流動して、流動臨界断面積未満に制限された流路面積が蒸気及び蒸気圧の排出を制限する。これにより、圧力制御流路51aは、自体の流路面積と圧力錘55などによる流路の選択的な開閉過程により、内釜内の圧力を圧力炊事、蒸し煮などの圧力調理に適合する水準に維持することができる。
【0035】
なお、外部蓋部10aの上面には上部貫通部13aの縁部に沿って係合溝12が陥没形成されて、圧力転換選択装置50の蒸気排出を案内するスチームキャップ60が着脱される。この時、係合溝12には、ソレノイドバルブ72などの補助圧力制御手段が設けられる補助貫通部13bが形成される。詳しくは、スチームキャップ60は、中央部に排出案内孔63が形成されて圧力転換選択装置50の上部の外周を囲むように取り付けられ、内部に形成された案内空間61にはソレノイドバルブ72の上端が配置される。
【0036】
圧力転換選択装置50の蒸気は、排出案内孔63の内側面に衝突して減速された後に外部に排出される、またソレノイドバルブ72の蒸気は、案内空間61に突設された流速制御リブ(図示せず)に衝突して減速された後に案内空間61の他側の蒸気案内孔64を介して外部に排出される。これにより、高温・高圧の蒸気の急速排出による火傷などの安全事故や蒸気排出騒音を最小化することができる。
【0037】
本体(図示せず)には、蓋部10の開放端部17に突設された係止突起17aをロックする補助ロック手段が備えられる。これにより、ロッキングリング20がロック解除された状態においても、蓋部20の閉じ状態を安定的に維持することができる。よって、調理時に蒸気の圧力による蓋部10の開放或いは揺れ動きなどを防止して内釜(図示せず)と内釜カバーの密着状態を維持し、内釜の蒸気が漏れることなく圧力転換選択装置50及びスチームキャップ60を介して安全に排出される。
【0038】
図1Bないし
図3Aに示したように、圧力転換選択装置50は、ベースシリンダー53と、制御胴部51と、昇降シリンダー52と、圧力錘55とを含む。ベースシリンダー53は中空円筒型に形成され、内部に圧力排出流路53aが形成され、上部の外周には半径方向の外側にバネ結合段差部53cが形成される。この時、バネ結合段差部53cの下端にはコイルバネ形の加圧手段54が取り付けられる。
【0039】
昇降シリンダー52は、ベースシリンダー53の外径より大きい内径を有する中空円筒型であって、ベースシリンダー53の外周を囲むように結合される。この時、昇降シリンダー52の下端にベースシリンダー53の外周に嵌合するように半径方向の内側に支持翼部52cが突出形成される。詳しくは、加圧手段54が取り付けられたベースシリンダー53は、昇降シリンダー52の上部から昇降シリンダー52内の中空に下方に挿入される。この時、加圧手段54の上端がバネ結合段差部53cの下端に支持され、加圧手段54の下端が支持翼部52cの上端に支持される。これにより、昇降シリンダー52が下方に弾発的に支持されるようにベースシリンダー53に結合される。
【0040】
ここで、支持翼部52cの内側の端部はDカット加工され、支持翼部52cが接するベースシリンダー53の外周にはDカット加工部53dが形成される。これにより、支持翼部52cの内側の端部がDカット加工部53dに嵌合してスライドでき、昇降シリンダー52が回転流動することなく正確に昇降する。
【0041】
制御胴部51は、内部に上下方向に圧力制御流路51aが貫通形成された円形断面のブロック部材であって、圧力排出流路53aの断面積より大きく形成される。制御胴部51の上面には間隔突起51cが突出形成され、下面には開閉突起51eが突出形成される。この時、圧力制御流路51aは間隔突起51cの上面から開閉突起51eの下面を貫通するように形成される。
【0042】
制御胴部51の側面の下部には外周に沿ってネジ山が形成され、昇降シリンダー52の内径に対応する外径を有するシリンダー結合部51dが設けられる。また制御胴部51の側面の上部には昇降シリンダー52の内径より大きい外径を有する結合支持段差部51bが設けられる。この時、結合支持段差部51bが昇降シリンダー52の上端に載置されるように、シリンダー結合部51dが昇降シリンダー52の上端の内周側のネジ山に締結される。これにより、制御胴部51及び昇降シリンダー52が正確な間隔で結合される。ここで、制御胴部51は昇降シリンダー52の上端に結合された状態でベースシリンダー53上に配置されて下方に弾発的に加圧される。
【0043】
この時、制御胴部51がベースシリンダー53上に載置されることにより、制御胴部51、ベースシリンダー53、加圧手段54及び昇降シリンダー52が一つのモジュールになる。ここで、ベースシリンダー53は昇降シリンダー52及び制御胴部51が組み立てられた状態で下部貫通部13dを貫通するように配置される。詳しくは、ベースシリンダー53の下部には装着孔71aの内周に締結される固定締結部53gが設けられ、固定締結部53gの外周には装着孔71aの内周側のネジ山に締結される対応ネジ山が形成される。この時、固定締結部53gが装着孔71aの内周に回転締結されることによりベースシリンダー53が固定される。
【0044】
また締結された固定締結部53gの下端が連通孔81aの縁部に密着するように設けられることにより、圧力排出流路53aと内釜の内部が連通する。この時、ベースシリンダー53の上側の外周にはDカット加工されたグリップ部53hが設けられ、固定締結部53gが回転して個別に締結される時に滑りを防止することができる。
【0045】
固定締結部53gの上部にはOリング結合溝53fが陥没形成される。この時、Oリング結合溝53fに密閉Oリング59が取り付けられた状態で固定締結部53gが装着孔71aの内周に結合すると、ベースシリンダー53及び装着孔71aの間が密閉される。
【0046】
制御板70及びリードプレート80の間に介在する密閉パッキング82は、内周が固定締結部53gの下端に対応するサイズを有することが好ましい。装着孔71aに締結されて下降する固定締結部53gの下端及び連通孔81aの縁部の間に密閉パッキング82の内周部が介在されて、固定締結部53g及び連通孔81aの縁部の間が密閉される。これにより連通孔81aに流入した蒸気が漏れることなく圧力排出流路53aに正確に流動する。
【0047】
勿論、ベースシリンダー53は、下端に連通孔81aの下縁端に係止するシリンダーキャップ(図示せず)などの補助締結部材が結合されることにより連通孔81aに固定されることもできる。又はベースシリンダー53は、連通孔81a又は装着孔71aの内周に強制に係合されることもできる。この時、ベースシリンダー53の固定構造によって密閉Oリング59及び密閉パッキング82などの装着位置を変更することができる。
【0048】
Dカット加工部53dの下端とOリング結合溝53fの上部の間には、ワッシャー部材58が取り付けられるワッシャー段差部53eが形成される。ワッシャー段差部53eの下端にワッシャー部材58が取り付けられた状態で固定締結部53gが装着孔71aに締結される。この時、ワッシャー段差部53e及び装着孔71aの上縁端の間がワッシャー部材58により支持される。これにより、ベースシリンダー53の流動による密閉Oリング59、密閉パッキング82などの離隔及びそれによる蒸気漏れを防止できる。
【0049】
図4に示したように、ベースシリンダー53は、第1ベースシリンダー1531と第2ベースシリンダー1532とを含む。詳しくは、第1ベースシリンダー1531及び第2ベースシリンダー1532は中空円筒型であって、両方の結合端部の間に結合Oリング1533が取り付けられた状態でネジ締結されることにより結合する。この時、第1ベースシリンダー1531の内部中空1531aと第2ベースシリンダー1532の内部中空1532aが連結されて圧力排出流路53aを形成する。
【0050】
第1ベースシリンダー1531にはバネ結合段差部1531cが形成され、第2ベースシリンダー1532は下端に形成された固定締結部1532gの上部に沿ってワッシャー部材58を代替するワッシャー翼部1532hが一体に形成される。
【0051】
このようにベースシリンダー53は、バネ結合段差部1531cが形成された第1ベースシリンダー1531と、ワッシャー翼部1532hが一体に形成された第2ベースシリンダー1532とからなる。これにより、支持翼部52cによる結合方向の制限及び別途のワッシャー部材58の結合がなくても、昇降シリンダー52がベースシリンダー53の外周に容易に取り付けられるので、組立性が向上する。また一体に備えられたワッシャー翼部1532hにより装着孔71aの上端の縁部により安定的に支持される。
図2Aないし
図3Aに示したように、ベースシリンダー53は固定締結部53gが装着孔71aに結合された状態で、上端が上部貫通部13aを貫通してスチームキャップ60の排出案内孔63の内に配置される。
【0052】
なお、開閉突起51eは圧力排出流路53aの断面積より小さい断面積を有し、外周に開閉パッキング51fが取り付けられる。この時、開閉パッキング51fは、上縁端側の外径が圧力排出流路53aの内径より大きく、下縁端側の外径が圧力排出流路53aの内径より小さく狭小化するように、側面が下側に行くほど半径方向の内側に傾斜して設けられる。
【0053】
これにより、制御胴部51が下降して圧力排出流路53a及び圧力制御流路51aが互いに密着配置されると、開閉パッキング51fの側面が圧力排出流路53aの上縁端を密閉して圧力排出流路53aに流入した蒸気が圧力制御流路51aに集中的に流動する。この時、間隔突起51cの上端には内釜内の圧力の高低により圧力制御流路51aを開閉する圧力錘55が配置される。詳しくは、圧力錘55は制御胴部51を囲む形態の容器形状であって、下端の内周には制御胴部51の結合支持段差部51bのネジ山に結合する対応ネジ山が形成される。なお、圧力錘55は結合支持段差部51bにネジ締結され、回転締結反対方向に回転することにより分離及び洗浄が可能である。
【0054】
この時、圧力錘55下端の内周側の対応ネジ山が結合支持段差部51bのネジ山に通過するように締結されると、圧力錘55が制御胴部51から完全に分離されず所定の離隔を有して昇降するように結合される。圧力錘55は内部の下面側に備えられた楔形の制御突起55aが自重によって圧力制御流路51aを密閉させる。これにより、圧力錘55は内釜内の圧力によって上昇及び下降を繰り返しながら蒸気排出を調節して、内釜内の圧力を一定水準に維持させる。
【0055】
制御胴部51は昇降シリンダー52に結合された状態で加圧手段54による下方の押圧力により圧力排出流路53aに対する密着状態を維持する。この時、加圧手段54は圧力排出流路53aが所定の理想圧力以上では強制に開放されるように、理想圧力に対応する弾性係数を有する。詳しくは、理想圧力は圧力調理モードにおいて圧力錘55により制御される内釜内の圧力より大きく設定される。即ち、圧力排出流路53aが閉鎖された状態で圧力錘55によって内釜内の圧力が制御されると、加圧手段54による下方の押圧力により昇降シリンダー52及び制御胴部51の下降状態が維持される。
【0056】
この時、圧力錘55の作動ミスや故障などにより内釜内の圧力が増加し過ぎると、制御胴部51の下面に負荷される蒸気圧力が加圧手段54の弾性力を超えることにより制御胴部51が上昇し、圧力排出流路53aが強制に開放される。これにより、内釜内の過渡な圧力上昇による安全事故を予防できる。
【0057】
昇降シリンダー52は、ベースシリンダー53の上端の外周を囲むように結合されて上部貫通部13aを貫通するように設けられ、上部貫通部13aの上部に露出した側壁部に沿って圧力排出孔52aが形成される。詳しくは、昇降シリンダー52が上昇すると、制御胴部51が上昇し、圧力排出流路53aの上縁端及び開閉パッキング51fの間が離隔開放されて圧力排出流路53aと圧力排出孔52aが互いに連通する。これにより、圧力排出流路53a内に流入した蒸気が圧力排出孔52aを介してスチームキャップ60を経て蓋部10の外部に排出される。
【0058】
昇降シリンダー52の外周にはホールパッキング57が取り付けられる。ここで、ホールパッキング57は内側の端部が圧力排出孔52aの下側のホールパッキング係合溝52dに挿入され、半径方向の外側に延びて下方に折れ曲がった外側の端部が上部貫通部13aの縁部に密着する。この時、ホールパッキング57は側壁部が弾性的に変形し、昇降シリンダー52の上昇及び下降の際に上部貫通部13aの縁部に対する密閉状態を安定的に維持する。
【0059】
またベースシリンダー53の外周にはバネ結合段差部53cの上部にパッキング係合溝53bが形成される。パッキング係合溝53bにはベースシリンダー53の外周及び昇降シリンダー52の内周の間が密閉されるようにスライドパッキング56が取り付けられる。この時、スライドパッキング56の外周には複数の密閉リブ56aが突設されて昇降シリンダー52の昇降時にも安定的な密閉状態を維持することができる。これにより、圧力排出流路53aの上端から排出された蒸気が蓋部10の内側の電子部品又は加圧手段54に向かって漏れることなく、圧力排出孔52a及びスチームキャップ60を通して安定的に排出される。
【0060】
なお、昇降シリンダー52の下部の外周には半径方向の外側に昇降翼部52bが突設される。リフトレバー40は昇降翼部52bの下側の昇降シリンダー52の外周に接して配置され、レバー連動部30bの回転に対応して一側及び他側に直線移動する。
【0061】
詳しくは、
図1Aないし
図2Bに示したように、リフトレバー40は、レバー連動部30bの回転軌跡をカバーする面積を有する板型の連結胴部40bを含む。リフトレバー40は、連結胴部40bの他端から昇降シリンダー52の外周に接するように延びたレバー胴部40aを含む。この時、レバー胴部40aは、直線移動時に
昇降翼部52bとの下面重畳状態を維持するように、リフトレバー40の直線移動間隔以上に延びて形成される。
【0062】
レバー胴部40aには連結胴部40bに隣接する一端にガイド長孔44が形成され、ガイド長孔44は蓋部10の一側及び他側方向に拡張して形成される。この時、ガイド長孔44内に内部蓋部10bの上面に突設された案内突起gが挿入されることにより、リフトレバー40が一側及び他側に案内されて直線移動することができる。
【0063】
連結胴部40bには、レバー連動部30bの下端に突設された連動突起32が挿入されるように貫通し、連動突起32の回転軌跡の一端から接線方向に拡張形成されたクランク孔41が形成される。この時、連動突起32の回転軌跡は、ロッキングリング20のロック回転時の連動突起32の位置からロック解除回転時の連動突起32の位置まで連結した曲線を意味する。また回転軌跡の一端は、ロッキングリング20のロック回転時の連動突起32の位置を意味する。即ち、クランク孔41はロッキングリング20のロック回転時の連動突起32の位置からガイド長孔44との垂直方向に形成される。
【0064】
これにより、ハンドルベース30が回転すると、連動突起32が円弧を書きながらクランク孔41の内部に沿って横方向に移動し、クランク孔41の一側の縁部を引いてリフトレバー40が一側に直線移動する。またハンドルベース30が逆回転すると、連動突起32が反対方向に円弧移動し、クランク孔41の他側の縁部を押してリフトレバー40が他側に直線移動する。
【0065】
ここで、レバー胴部40aの下部に対応する下部貫通部13dにはピン安全装置73が備えられ、レバー胴部40aにはピン拘束孔42が形成される。詳しくは、ピン拘束孔42は、ロッキングリング20のロックのためにハンドルベース30が回転してレバー胴部40aが他側に移動した状態でピン安全装置73の安全ピンに対向する部分に形成されることが好ましい。
【0066】
この時、安全ピンは内釜内の圧力が所定の安全圧力より高い状態で上昇し、上昇した安全ピンがピン拘束孔42に挿入されることによりレバー胴部40aの直線移動が拘束されるとともに、連動突起32の移動が制限される。これにより、内釜内の圧力が安全圧力より高い状態では、ハンドルベース30の回転が制限され、ロッキングリング20のロック解除が防止されるので、ハンドル11の誤操作による高圧の蒸気の漏れ及びそれによる火傷などの安全事故を予防できる。
【0067】
なお、圧力排出流路53aはハンドル11に連動するリンク手段により開閉状態が転換される。以下、リンク手段がリフトレバー40に突設されたリフト突起43からなることについて例示する。リンク手段はハンドル11に連動する連動部品であるロッキングリング20、ハンドルベース30などに設けられることもできる。またリンク手段は連動部品の連動形態及び位置によって様々な形状を有する。
【0068】
詳しくは、リフト突起43は、リフトレバー40の直線移動時に昇降シリンダー52の外周に接しかつ昇降翼部52bに対面するレバー胴部40aの上縁部に沿って突設される。またリフト突起43は、ハンドル11のロック回転時に直線移動方向に行くほど上方に傾斜して突出されることが好ましい。即ち、リフト突起43は、ハンドル11のロック回転状態では昇降翼部52bの下面に対面する部分の突出高さが低く、ハンドル11のロック解除回転状態では昇降翼部52bの下面に対面する部分の突出高さが高く形成される。詳しくは、ハンドル11のロック回転時に昇降翼部52bに対向するリフト突起43の一側の最低端43bの高さは、開閉突起51eが下降して圧力排出流路53aが閉鎖されるように設定される。
【0069】
またハンドル11のロック解除回転時に
昇降翼部52bに対向するリフト突起43の他側の最高端43aの高さは、開閉突起51e及び圧力排出流路53aの間に十分な蒸気流動面積が形成されるように設定される。これにより、ハンドル11の回転に連動して圧力転換選択装置50の開放及び閉鎖状態が転換される。即ち、
図2A及び
図3Aに示したように、リフトレバー40が他側に移動した状態でハンドル11がロック解除回転すると、リフトレバー40が一側に引かれる。また
昇降翼部52bがリフト突起43の傾斜面に沿ってスライド加圧されて上昇する。この時、
昇降翼部52bの下縁端52eはリフトレバー40の移動時に接したリフト突起43が柔らかくスライドするようにラウンドして形成されることが好ましい。
【0070】
昇降翼部52bがリフト突起43の最高端43aにより支持されると、圧力排出流路53aが完全に開放され、開放状態が維持される。この時、内釜内の蒸気は、蒸気流動孔92、連通孔81a、圧力排出流路53a、圧力排出孔52a及びスチームキャップ60を経て蓋部10の外部に排出される。また
図2B及び
図3Bに示したように、リフトレバー40が一側に移動した状態でハンドル11がロック回転すると、リフトレバー40が他側に押し出される。この時、
昇降翼部52bがリフト突起43の傾斜面に沿ってスライドして下降する。
【0071】
昇降翼部52bとリフト突起43の最低端43bが対向配置されると、昇降翼部52bに対する上方の加圧が解除されて昇降シリンダー52及び制御胴部51が下降する。これにより、圧力排出流路53aの上端が閉鎖され、圧力排出流路53a及び圧力制御流路51aが一体に連結される。この時、加圧手段54により昇降シリンダー52の下降状態が維持されるので、圧力錘55により内釜内の蒸気が選択的に排出され、内釜内の圧力が一定に維持される。
【0072】
このように圧力排出流路53aの開放及び閉鎖により、圧力が要らない料理のための非圧力調理モードと、圧力炊事などの高圧が必要な料理のための圧力調理モードを容易に転換できる。これにより、一つの装置で多様な調理方法を自由に使用でき、圧力釜のご飯のもちもちしっとりとした食感、非圧力釜のご飯の柔らかい食感など、ユーザの好みによる炊事が可能であり、製品の互換性及び炊事品質が改善される。
【0073】
さらに、非圧力調理モードではピン安全装置73などの圧力安全装置が駆動されないので、蓋部10の自由開閉が可能であり、調理中に追加材料の投入や調理状態の点検が容易になって製品の使用便宜性が改善される。ハンドル11を回転させるだけで昇降シリンダー52及び制御胴部51が昇降し、圧力排出流路53aの開放及び閉鎖状態を転換できるので、非圧力調理モード及び圧力調理モードを容易に選択でき、製品の使用便宜性が顕著に改善される。またハンドル11及び圧力転換選択装置50の連動のためのリフトレバー40が内釜の高圧状態での開放を防止する役割も行うので、部品数が減少して製品の組立性が改善される。
【0074】
ハンドル11をロック解除方向に回転させるだけで圧力排出流路53a内の広い蒸気流動面積を介して内釜内の蒸気が迅速に非出される。これにより、従来、内釜の残留圧の除去のためのタンブラーピンなどの構造を省略でき、非圧力調理モードの調理中に圧力錘バルブの特有の蒸気排出騒音が除去されるので製品の静かさが向上する。
【0075】
図1Aに示したように、ロッキングリング20には、ロック回転方向及びロック解除回転方向に互いに離隔配置されて回転方向を表示する一対の標識者22a,22bが設けられる。標識者22a,22bは永久磁石などからなり、内部蓋部10bには各々の標識者22a,22bの磁力を感知する一対のセンサー18a,18bが備えられる。詳しくは、内部蓋部10bの上面には各々の標識者22a,22bの回転軌跡上に第1センサー18a及び第2センサー18bが設けられる。第1センサー18aはロッキングリング20のロック時のロック回転方向側の第1標識者22aの位置に対応して配置され、第2センサー18bはロッキングリング20のロック解除時のロック解除回転方向側の第2標識者22bの位置に対応して配置される。
【0076】
ここで、ロッキングリング20がロックされると、第1センサー18aが第1標識者22aの磁力を感知して感知信号を送出し、ロッキングリング20がロック解除されると、第2センサー18bが第2標識者22bの磁力を感知して感知信号を送出する。またロッキングリング20がロックされるようにハンドル11が回転操作されると、ハンドル11の回転に連動して圧力排出流路53aが閉鎖され、ロッキングリング20がロック解除されるようにハンドル11が回転操作されると、圧力排出流路53aが開放される。この時、各々のセンサー18a,18bによる感知信号は制御部に伝達され、制御部はセンサー18a,18bのうちのいずれか一方から感知信号が受信されると、本体(図示せず)に対する電源供給が活性化されるように制御する。即ち、本体(図示せず)の電源供給が活性化されると、本体に備えられた操作パネルから入力された調理命令により内釜の加熱のための加熱手段が駆動される。これにより、圧力排出流路53aが閉鎖された圧力調理モードだけではなく、圧力排出流路53aが開放された非圧力調理モードでも内釜内の調理が行われる。
【0077】
制御部は感知信号の未受信時には本体(図示せず)に対する電源供給が非活性化されるように制御する。これにより、ロッキングリング20がロックされて圧力排出流路53aが完全に閉鎖されたか或いはロッキングリング20がロック解除されて圧力排出流路53aが完全に開放された状態でのみ本体(図示せず)に対する電源供給が活性化される。即ち、圧力排出流路53aが部分的に開放又は閉鎖された状態で調理が行われることを防止できるので、調理品質の低下、安全事故の発生などを予防できる。
【0078】
制御部は、ロッキングリング20のロックに対応する感知信号が受信された状態で調理命令が入力されると、所定の圧力調理モードの制御アルゴリズムに基づいて内釜の調理温度を制御する。この時、制御部は圧力釜のご飯などの圧力調理に適合した調理温度が維持されるように加熱手段の加熱量を制御する。
【0079】
また制御部は、ロッキングリング20のロック解除に対応する感知信号が受信された状態で調理命令が入力されると、所定の非圧力調理モードの制御アルゴリズムに基づいて加熱手段の加熱量を制御する。この時、制御部は非圧力釜のご飯などの非圧力調理に適合した調理温度が維持されるように加熱手段の加熱量を制御する。これにより、ハンドル11を回転するだけでロッキングリング20のロック及びロック解除が転換されるとともに、圧力排出流路53aの開閉状態が転換される。この時、転換された圧力調理モード/非圧力調理モードに適合した調理温度の制御アルゴリズムが自動に選択されるので、製品の使用便宜性及び調理品質が顕著に改善される。
【0080】
一方、
図5は本発明の第2実施形態による電気炊飯器の圧力転換選択装置を示す分解斜視図であり、
図6A及び
図6Bは本発明の第2実施形態による電気炊飯器において圧力排出流路の開閉及び閉鎖状態を示す断面図である。この第2実施形態においては、昇降シリンダー52の圧力排出孔52aを代替するように制御胴部251に圧力排出孔251gが形成されたことを除いた基本構成が上述した第1実施形態と同様であるので、具体的な説明は省略する。
【0081】
図5及び
図6Bに示したように、制御胴部251は、安着胴部251bと、間隔突起251cと、開閉突起251eとを含む。安着胴部251bはベースシリンダー253の上端に載置されるように圧力排出流路253aの断面積より大きい断面積を有する。ここで、ベースシリンダー253は、第1ベースシリンダー2531及び第2ベースシリンダー2532の組立体からなる。この時、安着胴部251bは、上側に組み立てられた第1ベースシリンダー2531の中空2531aの断面積より大きい断面積を有する。即ち、圧力排出流路253aは、第1ベースシリンダー2531の中空2531aと第2ベースシリンダー2532の中空2532aを包括する意味である。圧力排出流路253aの上端は第1ベースシリンダー2531の中空2531aの上端であると理解できる。
【0082】
安着胴部251bは外周側に形成されたネジ山が昇降シリンダー252の上端の内周側ネジ山に締結され、圧力排出流路253aの外郭領域に対応する部分に沿って上下方向に複数の圧力排出孔251gが貫通形成される。即ち、圧力排出孔251gは圧力排出流路253aの上縁端に密着又は挿入する開閉突起251e及び開閉パッキング251fの外郭に対応する部分に沿って円周方向に複数個形成される。
【0083】
詳しくは、
図5及び
図6Bに示したように、
昇降シリンダー252の
昇降翼部252bに対する加圧が解除されて加圧手段254の弾性力によって
昇降シリンダー252及び制御胴部251が下降する。これにより、開閉パッキング251fが圧力排出流路253aの上縁端を密閉して圧力排出流路253aと2圧力制御流路251aが一つの流路に連結される。この時、圧力排出孔251gが開閉パッキング251fの外郭に配置されて圧力排出流路253aの上端と連通しない。従って、圧力排出流路253aに流入した蒸気は圧力制御流路251aに流動し、圧力錘255により排出が制御される。
【0084】
また、
図5及び
図6Aに示したように、
昇降翼部252bが上方に加圧されると、
昇降シリンダー252と制御胴部251が上昇し、圧力排出流路253aの上端が開放されて圧力排出孔251gに連通する。これにより、圧力排出流路253aに流入した蒸気が圧力排出孔251gから排出される。この時、間隔突起251cは安着胴部251bの上面の中央部に突設され、圧力錘255が圧力排出孔251gから離隔配置される高さに突設されることが好ましい。これにより、圧力排出孔251gの上部に十分な蒸気流動空間を確保できる。
【0085】
一方、
図7は本発明の第3実施形態による電気炊飯器の圧力転換選択装置を示す分解斜視図であり、
図8は本発明の第3実施形態による電気炊飯器の圧力転換選択装置を示す斜視図である。
図9は
図8のA-A´断面を示す断面図、
図10A及び
図10Bは
図8のB-B´断面において圧力排出流路の開閉及び閉鎖状態を示す断面図である。この第3実施形態においては、制御胴部351及び
昇降シリンダー352がネジ部材pを介して結合されることを除いた基本構成が上述した第1、第2実施形態と同様であるので、具体的な説明は省略する。
【0086】
図7ないし
図10bに示したように、安着胴部351bの縁部には結合嵌合部351mがDカット加工され、
昇降シリンダー352の上端の内周には結合嵌合部351mに対応する結合案内部352mがDカット加工される。
【0087】
また
図8及び
図9に示したように、安着胴部351bの側面にはピス締結溝351kが形成され、
昇降シリンダー352の上端にはピス締結溝351kに対応するピス締結孔352kが形成される。
【0088】
ここで、ピス締結溝351k及びピス締結孔352kは、結合嵌合部351mが結合案内部352mに嵌合された状態で互いに対応する部分に整列形成される。ネジ部材pがピス締結孔352kを貫通してピス締結溝に締結されることにより、安着胴部351b及び昇降シリンダー352が結合される。この時、制御胴部351及び昇降シリンダー352がネジ部材pを介して回転が不要な構造に結合する。従って、制御胴部及び昇降シリンダーが回転締結される場合とは異なって、圧力錘355の分離のための回転時に制御胴部351及び昇降シリンダー352の分離又は離隔の発生を防止できる。これにより、漏れ及び調理品質の低下、安全事故の発生などを予防できる。
【0089】
制御胴部351の回転力が、制御胴部351及び昇降シリンダー352を分離させず、ネジ部材p、昇降シリンダー352、昇降翼部352c及びDカット加工部53dを経てベースシリンダー353に伝達される。従って、制御胴部351及び昇降シリンダー352、ベースシリンダー353などのモジュール化された組立体が一体に容易に結合及び分離される。
【0090】
ピス締結孔352kの側部には、圧力排出流路353aの開放時に蒸気が排出されるように複数の圧力排出孔352aが形成される。ここで、安着胴部351bの側面はピス締結溝351kが形成された部分が昇降シリンダー352の内周に密着するように形成されることが好ましい。この時、圧力排出孔352aに対面する部分に半径方向の内側に陥没した排出誘導溝351hが形成される。これにより、安着胴部351bが昇降シリンダー352に密着した状態でネジ部材pを介して安定的に結合されると共に、排出誘導溝351hを通じて圧力排出流路353aの開放時に十分な蒸気流動面積を提供することができる。
【0091】
詳しくは、
図10Aに示したように、
昇降翼部352bがリンク手段により上方に加圧されることができる。この時、圧力排出流路353aの上縁部に密着した開閉パッキング351fが離隔し、圧力排出流路353aの上端と圧力排出孔352aが互いに連通する。また開閉突起351eの外郭に形成された排出誘導溝351hを通じてベースシリンダー353の上端及び
昇降シリンダー352の上端の内壁側に十分な蒸気流動空間が確保されるので、蒸気の円滑な排出が可能になる。
【0092】
また
図10Bに示したように、
昇降翼部352bに対する加圧が解除されると、開閉突起351eが圧力排出流路353a内に挿入され、開閉パッキング351fが圧力排出流路353aの上縁端を密閉する。これにより、内釜内の蒸気が圧力制御流路351aを経て圧力錘355により排出が制御される。
【0093】
一方、
図11は本発明の第4実施形態による電気炊飯器の圧力転換選択装置を示す分解斜視図であり、
図12A及び
図12Bは本発明の第4実施形態による電気炊飯器において圧力排出流路の開閉及び閉鎖状態を示す断面図である。この第4実施形態においては、ベースシリンダー453bの上端の外周を囲むように延びた制御胴部451の結合隔壁451n、結合隔壁451n及びベースシリンダー453の間を密閉するためにスライドパッキングを代替するカバーパッキング456、上部貫通部の縁部を密閉するホールパッキング457の形成位置、結合隔壁451nに結合する
昇降シリンダー452の結合構造などを除いた基本構成が上述した第1、第2実施形態と同様であるので、具体的な説明は省略する。
【0094】
図11ないし
図12Bに示したように、安着胴部451bはベースシリンダー453の外径より大きい外径を有する円板型部材からなる。この時、下面の縁部に沿ってベースシリンダー453の上端を囲むように下方に延びた結合隔壁451nが形成される。ここで、
昇降シリンダー452は、結合隔壁451nを介して制御胴部451に結合され、支持胴部4521とクランピング胴部4522を含む。詳しくは、支持胴部4521は結合隔壁451nの下端を支持するように結合隔壁451nの下端に対応する断面積のリング形部材からなる。支持胴部4521の上端に拘束突起4521wが上方に突設し、下部の内周に半径方向の内側に支持翼部4521cが突設される。この時、支持翼部4521cの内側の端部はベースシリンダー453のDカット加工部453dに嵌合するようにDカット加工されることが好ましい。
【0095】
クランピング胴部4522は、支持胴部4521の外周を囲む中空円筒型に形成され、下部の内周には支持胴部4521の外側に段差を有して形成された結合支持段差部4521dを支持する結合支持突起4522cが突設される。クランピング胴部4522の側壁は、結合支持突起4522cが結合支持段差部4521dに密着した状態で拘束突起4521wの上端より高く形成され、上部の内周に沿ってネジ山が形成される。
【0096】
ここで、カバーパッキング456、加圧手段454及び支持胴部4521が取り付けられたベースシリンダー453が結合隔壁451n内に挿入され、クランピング胴部4522が支持胴部4521の下端を支持するように結合隔壁451nに結合される。これにより、制御胴部451、ベースシリンダー453、加圧手段454、昇降シリンダー452及びカバーパッキング456がモジュール化して一体に組み立てられる。加圧手段454は、バネ結合段差部453c及び支持翼部4521cの間に昇降シリンダー452及び制御胴部451を下方に弾発支持する。
【0097】
クランピング胴部4522は上部内周側のネジ山が結合隔壁451nの下部外周側のネジ山に回転締結されることにより結合隔壁451nに結合される。この時、支持胴部4521は支持翼部4521c及びDカット加工部453dの嵌合により回転が拘束された状態で拘束突起4521wが結合隔壁451nの下部に形成された拘束溝451wに挿入される。これにより、制御胴部451の回転を拘束することができる。
【0098】
これにより、制御胴部451の回転時の回転力が結合隔壁451nの拘束溝451w、拘束突起4521w、支持翼部4521c及びDカット加工部453dを通じてベースシリンダー453に伝達される。従って、制御胴部451、ベースシリンダー453、昇降シリンダー452及びカバーパッキング456を含むモジュール化された組立体を一体に容易に組み立てることができる。
【0099】
ベースシリンダー453は、Dカット加工部453d及びOリング結合孔453fの間にワッシャー締結溝453eが形成される。ワッシャー部材458は一側が開口された円弧形であり、側方向からワッシャー締結溝453eに挿入される。ワッシャー締結溝453eの内面の上下端に拘束された状態で装着孔(
図1Aにおける71a)の縁部により安定的に支持される。
【0100】
なお、Oリング結合溝453fに密閉Oリング459が挿入されると、固定締結部453gが装着孔の内周に締結されてモジュール化された圧力転換選択装置が設けられる。この時、結合隔壁451nは上部貫通部を貫通するように設けられ、上部貫通部の上側に露出する結合隔壁451nの上部には圧力排出流路453aの上端に選択的に連通する圧力排出孔451pが形成される。リフトレバーはリフト突起がクランピング胴部4522の昇降翼部4522bに対向するように配置される。この時、リフト突起を通じて昇降翼部4522bの上方への加圧により昇降シリンダー452及び制御胴部451が上昇する。
【0101】
図12Aに示したように、制御胴部451が上昇すると、圧力排出流路453aと結合隔壁451nの圧力排出孔451pが互いに連通して内釜内の蒸気が排出される。また
図12Bに示したように、制御胴部451が下降すると、圧力排出流路453aと圧力制御流路451aが連結され、内釜内の蒸気が圧力制御流路451aを経て圧力錘455により制御される。
【0102】
このように制御胴部451に結合隔壁451nが一体に形成されたことにより、蒸気の排出経路上に露出される部品数が減少する。またステンレススチールからなる各々の部品において、低い表面粗度のために酸化クロム膜の形成が難しいネジ加工表面が蒸気排出経路上に位置しないので、製品の耐食性が向上する。
【0103】
結合隔壁451nの外周には圧力排出孔451pの下部に対応する部分に沿ってホールパッキング係合溝451dが形成される。ホールパッキング457は、内側の端部がホールパッキング係合溝451dに係合した状態で、半径方向の外側に延びて下方に折れ曲がった外側の端部が上部貫通部の縁部に密着する。これにより、制御胴部451の上昇及び下降時に上部貫通部の縁部に対する密閉状態が安定的に維持される。
【0104】
ベースシリンダー453の上端には圧力排出流路453aの縁部を囲んで結合隔壁451nの内面に密着するカバーパッキング456が取り付けられる。この時、カバーパッキング456は、ベースシリンダー453の上面及び側面を囲むように形成されるので、制御胴部451の下降時に圧力排出流路453aの縁部を密閉すると同時に、制御胴部451の昇降時に結合隔壁451nの内面及びベースシリンダー453の外周の間を密閉する。これにより、部品数が減少して製品の組立性及び生産性が改善される。
【0105】
ここで、カバーパッキング456は、ベースシリンダー453の上端に陥没形成されたカバー結合溝453kに挿入されるリング胴部456bを含む。カバーパッキング456は、リング胴部456bの外周から半径方向の外側に延びて下方に折れ曲げられることによりベースシリンダー453の上端を囲むカバー延長部456cを含む。この時、リング胴部456bは下端がカバー結合溝453kに挿入された状態で半径方向の流動なしに圧力排出流路453aの縁部を安定的に密閉する。
【0106】
安着胴部451bの下面にはリング胴部456bの上端に嵌合するマッチング溝部451eが形成される。これにより、制御胴部451の下降時にリング胴部456bがカバー結合溝453kの下面及び側面、マッチング溝部451eの上面及び側面に密着して広い接触面積を形成する。これにより、圧力排出流路453aの縁部がより安定的に密閉される。
【0107】
この時、カバー延長部456cには、制御胴部451の下面に対向する上部の外周に沿って補助密閉突起456aが突設される。補助密閉突起456aは、マッチング溝部451e及びリング胴部456bの接触時にリング胴部456bの外郭を囲む追加密閉領域を提供する。これにより、リング胴部456bの弾性力が低下したり制御胴部451が偏心したりしても、圧力排出流路453aの縁部に対する正確な密閉が可能である。
【0108】
また、カバー延長部456cの内周面には、ベースシリンダー453のカバー固定溝453hに係止するように半径方向の内側に固定突起456dが突設される。この時、固定突起456dに対向するカバー延長部456cの外周面には、半径方向の外側に結合隔壁451nの内面に密着するパッキング突起456eが突設されることが好ましい。これにより、固定突起456dがカバー固定溝453hに係止された状態でカバー延長部456cの上下流動が防止され、パッキング突起456e及び結合隔壁451n間の密着状態が安定的に維持される。
【0109】
本発明によれば、以下の効果を提供する。
【0110】
第1に、圧力排出流路の開放及び閉鎖により、圧力が要らない料理のための非圧力調理モードと、高圧が必要な料理のための圧力調理モードを容易に転換できる。よって、一つの装置で多様な調理方法を自由に使用でき、圧力釜のご飯のもちもちしっとりとした食感、非圧力釜のご飯の柔らかい食感など、ユーザの好みによる炊事が可能であり、製品の互換性及び炊事品質が改善される。
【0111】
さらに、非圧力調理モードにおいては、圧力安全装置による制限なく、蓋部の自由開閉が可能であり、調理中に追加材料の投入や調理状態の点検が容易になるので、製品の使用便宜性が改善される。
【0112】
第2に、ハンドルの回転に連動して圧力排出流路の開放及び閉鎖状態が転換されるので、ハンドルを回転するだけで、非圧力調理モード及び圧力調理モードを容易に選択でき、製品の使用便宜性が改善される。
【0113】
第3に、一つの穿孔に、非圧力調理時に蒸気を排出する圧力排出流路及び圧力調理時に内釜内の圧力を調節する圧力制御流路が直列配置されるので、穿孔数及び面積が減少して複雑な穿孔構造によるデザインの制限、保温品質の低下などを解消して製品の満足度を改善することができる。
【0114】
第4に、昇降ピストンの下降状態を維持するための加圧手段が所定の理想圧力に対応する弾性力或いは荷重を有する。従って、圧力調理時に圧力排出流路を安定的に閉鎖でき、圧力対応作動手段のエラーなどにより内釜内の圧力が上昇し過ぎた場合にも、圧力排出流路が強制開放されて製品の安全性が改善される。
【0115】
第5に、制御部がロッキングリングのロック及びロック解除時に標識者の位置によるセンサーの感知信号に基づいて圧力転換選択装置の圧力排出流路の開閉を判別する。即ち、ハンドルの回転により転換された非圧力調理モード及び圧力調理モードに適合した調理温度制御アルゴリズムが自動に選択されるので、製品の使用便宜性及び調理品質が顕著に改善される。
【0116】
以上、本発明は、限定された実施形態と図面により説明されたが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する分野における通常の知識を有した者であればこのような記載から多様な修正及び変形が可能である。従って、本発明の範囲は、説明された実施形態に限定されてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものによって定められる。