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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】エアコンプレッサ
(51)【国際特許分類】
   F04B 41/02 20060101AFI20221114BHJP
   F04B 39/16 20060101ALI20221114BHJP
   F04B 39/12 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
F04B41/02 A
F04B39/16 D
F04B39/12 101E
F04B39/16 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018189880
(22)【出願日】2018-10-05
(65)【公開番号】P2020060106
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蜂須賀 智弘
(72)【発明者】
【氏名】寺本 真輝人
【審査官】田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-127506(JP,A)
【文献】特開平06-159248(JP,A)
【文献】特開2014-070583(JP,A)
【文献】実開平01-049797(JP,U)
【文献】特開平08-247035(JP,A)
【文献】実開昭59-84286(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 41/02
F04B 39/16
F04B 39/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気を圧縮して圧縮エアを生成しタンクに貯留するエアコンプレッサであって、
外気を圧縮する動力機関と、該動力機関を備えたコンプレッサ本体と、前記タンクからドレン水と排出エアを排出可能に開閉操作可能なドレンコックを有しており、
該ドレンコックを開いて排出される排出エアを前記コンプレッサ本体の粉塵堆積部に導く配管が配設されており、
該配管の吹出部から排出エアを吹き出すことで前記粉塵堆積部に堆積した粉塵を吹き飛ばす構成としたエアコンプレッサ。
【請求項2】
請求項1に記載のエアコンプレッサであって、
前記ドレンコックと前記吹出部との間に、ドレン水と排出エアを分離させる中間部を備えたエアコンプレッサ。
【請求項3】
請求項2に記載のエアコンプレッサであって、
前記中間部に、前記ドレンコックを開いて排出エアが排出される場合に発生する音を抑制する消音機構が設けられるエアコンプレッサ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載したエアコンプレッサであって、
前記コンプレッサ本体は、フィルタを介して前記動力機関に外気を取り込む吸気部を備えており、
前記配管は、前記吸気部に排出エアを導くエアコンプレッサ。
【請求項5】
請求項4に記載のエアコンプレッサであって、
前記吹出部は、前記フィルタに対して排出エアが斜めに吹き出すように開口する吹出口を備えたエアコンプレッサ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載したエアコンプレッサであって、
前記配管は、前記動力機関を備える機構ケース周りの粉塵堆積部に排出エアを導くエアコンプレッサ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載したエアコンプレッサであって、
前記吹出部は前記配管の先端に設けられており、該吹出部に複数の吹出口を設けたエアコンプレッサ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載したエアコンプレッサであって、
前記吹出部は、前記粉塵堆積部に沿って延在しており、
該吹出部の延在方向に沿って適宜間隔を置いた複数箇所に吹出口を設けたエアコンプレッサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外気を圧縮して圧縮エアを生成しタンクに貯留するエアコンプレッサであって、例えば圧縮エア駆動式の釘打機やエアタッカ等の工具に圧縮エアを供給するためのエアコンプレッサに関する。
【背景技術】
【0002】
エアコンプレッサは、シリンダ内に外気を取り込み、シリンダ内で往復動するピストンで圧縮することで圧縮エアを生成する。生成した圧縮エアはタンクに貯留される。タンクに貯留された圧縮エアは、例えば釘打機やエアタッカ等の圧縮エア駆動式の工具に供給される。エアコンプレッサは、外気を吸気する過程において、外気中に浮遊している粉塵を集積する。集積された粉塵は、エアコンプレッサ内の例えば吸気部に設けられた吸気フィルタの周りや、電動モータ等の動力機関の周りに堆積する。吸気部の吸気フィルタ周りに粉塵が堆積すると、吸気フィルタに目詰まりが生じて吸気効率が低下する場合がある。動力機関の例えば出力軸の軸受周りに粉塵が堆積すると、動力機関の出力が低下して吸気効率が低下する場合がある。従って、堆積した粉塵を定期的に取り除くことが望ましい。
【0003】
圧縮エアを工具に供給するとき、タンク内に残留している圧縮エアが膨張して冷却する。これにより、タンク内に残留している圧縮エアに含まれている水蒸気が凝結し、タンク内にドレン水として蓄積する。タンク内に蓄積したドレン水によって、タンク内に錆等を発生させる場合や、圧縮エアの貯留量の減少が生じる場合等がある。そのため、ドレン水をタンク外へ排出する構成を備えるエアコンプレッサが一般的に利用されている。特許文献1には、タンクから排出されるドレン水を用いて、吸気に含まれる粉塵を捕集し、粉塵が堆積することを抑制する集塵装置を備えたエアコンプレッサについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-133287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の集塵装置によれば、吸気中の粉塵を低減することはできても、吸気フィルタ周辺や動力機関周辺に堆積した粉塵を取り除く機能を有するものではなかった。この種のエアコンプレッサは、通常多くの粉塵が浮遊する作業環境で用いられることから、コンプレッサ本体内部に粉塵等が堆積しやすい。このため、高い圧縮エア生成能力を維持するためには、頻繁に粉塵除去等のメンテナンスを行う必要があるが、これではメンテナンスフリー化のメリットが阻害されてしまう。
【0006】
本発明は、エアコンプレッサに堆積した粉塵を特段の作業を増やすことなく取り除けるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、外気を圧縮して圧縮エアを生成しタンクに貯留するエアコンプレッサである。第1の発明において、エアコンプレッサは、外気を圧縮する動力機関と、動力機関を備えたコンプレッサ本体と、タンクからドレン水と排出エアを排出可能に開閉操作可能なドレンコックを有している。第1の発明において、ドレンコックを開いて排出される排出エアをコンプレッサ本体の粉塵堆積部に導く配管が配設されている。第1の発明において、配管の吹出部から排出エアを吹き出すことで粉塵堆積部に堆積した粉塵が吹き飛ばされる。
【0008】
第1の発明によれば、ドレンコックを開くことで、タンクからのドレン水と排出エアの排出と同時に粉塵堆積部に堆積した粉塵を取り除くことができる。従って、特段の作業を増やすことなくドレンコックを開く操作のみで、エアコンプレッサの特に粉塵が堆積しやすい粉塵堆積部の粉塵を取り除くことができる。さらに、第1の発明によれば、高圧のタンク内から排出される排出エアによって、粉塵堆積部に堆積した粉塵を勢いよく吹き飛ばすことができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、ドレンコックと吹出部との間に、ドレン水と排出エアを分離させる中間部を備えたエアコンプレッサである。
【0010】
第2の発明によれば、ドレン水が粉塵堆積部に吹きかからないようにし、排出エアのみが粉塵堆積部に吹きかかるようにすることができる。
【0011】
第3の発明は、第2の発明において、中間部に、ドレンコックを開いて排出エアが排出される場合に発生する音を抑制する消音機構が設けられるエアコンプレッサである。
【0012】
第3の発明によれば、ドレンコックと吹出部との間に設けられた消音機構において排出エアが排出されるときの音が抑制されるため、ドレンコックを大きく開くことができる。これにより、排出エアを勢いよく排出することができ、粉塵堆積部に堆積した粉塵をより勢いよく吹き飛ばすことができる。
【0013】
第4の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、コンプレッサ本体が、フィルタを介して動力機関に外気を取り込む吸気部を備えたエアコンプレッサである。第4の発明において、配管は、吸気部に排出エアを導く。
【0014】
第4の発明によれば、外気を取り込むために特に粉塵が堆積しやすい吸気部の粉塵が、排出エアによって吹き飛ばされる。これにより、エアコンプレッサの吸気効率を維持できる。
【0015】
第5の発明は、第4の発明において、吹出部が、フィルタに対して排出エアが斜めに吹き出すように開口する吹出口を備えたエアコンプレッサである。
【0016】
第5の発明によれば、フィルタの面方向と略平行またはフィルタに対して略面直方向に排出エアが吹き出す場合と比べて、粉塵を効率良く吹き飛ばすことができる。例えば、フィルタの面方向と略平行に排出エアが吹き出す場合は、排出エアが粉塵堆積部に直接当たり難く、粉塵を吹き飛ばし難い。また、例えば、フィルタに対して略面直方向に排出エアが吹き出す場合は、粉塵がフィルタのメッシュに入り込みやすく目詰まりを起こしやすい。従って、第5の発明によれば、排出エアによって粉塵を効率良く吹き飛ばすことができ、かつフィルタの目詰まりを抑制できる。
【0017】
第6の発明は、第1~第5のいずれか1つの発明において、配管が、動力機関を備える機構ケース周りの粉塵堆積部に排出エアを導くエアコンプレッサである。
【0018】
第6の発明によれば、機構ケース周りの粉塵堆積部であって、粉塵を取り除くことが特に望ましい箇所に排出エアを導いて、粉塵を取り除くことができる。例えば、動力機関の軸受の周りに排出エアを導いて、粉塵を吹き飛ばすことができる。軸受の周りの粉塵を吹き飛ばすことで、出力軸と軸受との間に粉塵が入り込むことを抑制でき、エアコンプレッサの吸気効率を維持できる。
【0019】
第7の発明は、第1~第6のいずれか1つの発明において、吹出部は配管の先端に設けられており、該吹出部に複数の吹出口を設けたエアコンプレッサである。
【0020】
第7の発明によれば、例えばシャワーヘッド状の吹出部といった複数の吹出口を有する吹出部を備えることにより、排気エアをより広い領域に吹き当てることができ、これにより特に粉塵堆積部が比較的広い領域である場合に、堆積した粉塵を効率良く吹き飛ばすことができる。
【0021】
第8の発明は、第1~第7のいずれか1つの発明において、吹出部が粉塵堆積部に沿って延在しているエアコンプレッサである。第8の発明において、吹出部はその延在方向に沿って適宜間隔を置いた複数箇所に吹出口を備えている。
【0022】
第8の発明によれば、特に粉塵堆積部が比較的広い領域または線状に比較的長い領域である場合に、堆積した粉塵を効率良く吹き飛ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係るエアコンプレッサの機構カバーを備えた全体斜視図である。
図2】本発明に係るエアコンプレッサの一部縦断面を含む全体右側面図である。
図3】本発明に係るエアコンプレッサの全体正面図である。
図4】本発明に係るエアコンプレッサの全体下面図である。
図5】第1実施形態に係るエアコンプレッサの機構カバーを取り外した斜視図である。
図6】第1実施形態に係るエアコンプレッサの機構カバーを取り外した斜視図である。
図7】第1実施形態に係るエアコンプレッサの機構カバーを取り外した斜視図である。
図8】第1実施形態に係るエアコンプレッサの一部縦断面を含む右側面図である。
図9】第1実施形態に係るエアコンプレッサの平面図である。
図10図8のX-X線断面矢視図である。
図11】第2実施形態に係るエアコンプレッサの斜視図である。
図12】第2実施形態に係るエアコンプレッサの一部縦断面を含む右側面図である。
図13図12のXIII-XIII線断面矢視図である。
図14】第3実施形態に係るエアコンプレッサの斜視図である。
図15】第3実施形態に係るエアコンプレッサの一部縦断面を含む右側面図である。
図16】第3実施形態に係るエアコンプレッサの下面図である。
図17】第4実施形態に係るエアコンプレッサの斜視図である。
図18】第4実施形態に係るエアコンプレッサの一部縦断面を含む右側面図である。
図19】第4実施形態に係るエアコンプレッサの下面図である。
図20図18のXX-XX線断面矢視図である。
図21】第5実施形態に係るエアコンプレッサの斜視図である。
図22】第5実施形態に係るエアコンプレッサの一部縦断面を含む右側面図である。
図23】第5実施形態に係るエアコンプレッサの機構カバーを備えた右側面図であって、一部縦断面図である。
図24】第5実施形態に係るエアコンプレッサの平面図である。
図25】第6実施形態に係るエアコンプレッサの斜視図である。
図26】第6実施形態に係るエアコンプレッサの一部縦断面を含む右側面図である。
図27】第6実施形態に係るエアコンプレッサの機構カバーを備えた右側面図であって、一部縦断面図である。
図28】第6実施形態に係るエアコンプレッサの平面図である。
図29】第7実施形態に係るエアコンプレッサの斜視図である。
図30】第7実施形態に係るエアコンプレッサの一部縦断面を含む右側面図である。
図31】第7実施形態に係るエアコンプレッサの平面図である。
図32】第8実施形態に係るエアコンプレッサの斜視図である。
図33】第8実施形態に係るエアコンプレッサの一部縦断面を含む右側面図である。
図34図33のXXXIV-XXXIV線断面矢視図である。
図35】第9実施形態に係るエアコンプレッサの一部縦断面を含む右側面図である。
図36】第9実施形態に係るエアコンプレッサの平面図である。
図37】第9実施形態に係るエアコンプレッサの下面図である。
図38】第10実施形態に係るエアコンプレッサの一部縦断面を含む左側面図である。
図39】第10実施形態に係るエアコンプレッサの平面図である。
図40】第10実施形態に係るエアコンプレッサの下面図である。
図41】第11実施形態に係るエアコンプレッサの斜視図である。
図42】第11実施形態に係るエアコンプレッサの一部縦断面を含む右側面図である。
図43図42のXLIII-XLIII線断面矢視図である。
図44】第12実施形態に係るエアコンプレッサの斜視図である。
図45】第12実施形態に係るエアコンプレッサの一部縦断面を含む右側面図である。
図46図45のXLVI-XLVI線断面矢視図である。
図47】第13実施形態に係るエアコンプレッサの一部縦断面を含む右側面図である。
図48】第13実施形態に係るエアコンプレッサの平面図である。
図49】第13実施形態に係るエアコンプレッサの下面図である。
図50】第14実施形態に係るエアコンプレッサの一部縦断面を含む左側面図である。
図51】第14実施形態に係るエアコンプレッサの平面図である。
図52】第14実施形態に係るエアコンプレッサの下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の第1実施形態を図1~10に基づいて説明する。図1~3に示すようにエアコンプレッサ1は、圧縮エアを貯蔵可能な横長形状のタンク3を2つ備えている。2本のタンク3は、長手方向両端部それぞれでベース2によって連結されており、互いに平行である。タンク3の下面側には、タンク3の長手方向両端部に支持脚部4が設けられている。すなわちエアコンプレッサ1は、支持脚部4を計4つ備えている。エアコンプレッサ1を床や作業台等の設置面Fに設置する場合、エアコンプレッサ1は、4つの支持脚部4で支持される。以下の説明において、支持脚部4を下側にしてエアコンプレッサ1を設置した姿勢で上下方向を規定する。また、後述するドレン排出部30が設けられている側を前側として、前側に位置する使用者から見たときを基準として前後左右方向を規定する。
【0025】
図1,5に示すように、タンク3の上方には、機構カバー5で外装されたコンプレッサ本体10が設けられている。コンプレッサ本体10は、タンク3とベース2によって支持されている。機構カバー5は、タンク3が位置する側(下側)が開口した略箱形に形成されている。図1~3に示すように機構カバー5の前後左右それぞれの面には、メッシュ状に配置された複数の通気孔5aが設けられている。
【0026】
図10に示すようにコンプレッサ本体10は、圧縮エアを生成する圧縮機構20を備えている。圧縮機構20は、電動モータ21と、シリンダ12と、電動モータ21の力を受けてシリンダ12内を往復動するピストン23とを有する。電動モータ21は、いわゆるアウタロータ形のブラシレスモータであり、機構ケース11に支持されている。電動モータ21は、略円筒形の回転子21dを機構ケース11の左方に備えている。回転子21dの内周側には、固定子21bが備えられている。回転子21dの中心から出力軸21aが機構ケース11内に延在している。出力軸21aは、回転子21dと一体に設けられている。出力軸21aは、機構ケース11に保持されている軸受22と軸受27とによって回転可能に支持されている。軸受22は、機構ケース11において回転子21d側(左側)端部に配置されており、軸受27は、モータ機構ケース11において回転子21dと軸方向反対側(右側)端部に配置されている。固定子21bは、機構ケース11に固定されている。固定子21bには、コイル21cが巻き付けられている。
【0027】
図9に示すように、軸受22の周りにおいて、回転子21dと機構ケース11との間は、特に上方が開口した隙間として形成されている。そのため、エアコンプレッサ1において、軸受22の周りは、外気に含まれる粉塵が堆積しやすい粉塵堆積部となっている。
【0028】
図10に示すように、シリンダ12が、機構ケース11の前側と後側にそれぞれに1つずつ設けられている。シリンダ12は、出力軸21aの軸中心に対して径方向に延びた姿勢で配置されている。シリンダ12は、出力軸21aに対して径方向内側の端部が、機構ケース11に気密に取り付けられている。
【0029】
図10に示すように、機構ケース11内において、出力軸21aには、クランク円板23bが取り付けられている。クランク円板23bの中心は、出力軸21aに対して偏心している。クランク円板23bには、クランクロッド23aの基端部が相対回転可能に支持されている。クランクロッド23aの先端部にはピストン23が取り付けられている。ピストン23は、シリンダ12内を気密に往復動可能に支持されている。電動モータ21に電力が供給されると、出力軸21aが回転する。出力軸21aの回転動力がクランク円板23bとクランクロッド23aを介することで、ピストン23は、シリンダ12内を往復動する。
【0030】
図10に示すように、機構ケース11の右側部には、吸気部13が設けられている。吸気部13は、機構ケース11の内外を連通する開口部分を有している。吸気部13の開口部分は、フィルタ13aで覆われている。図8に示すように、フィルタ13aは、右方から見て出力軸21aの軸中心を中心とした略円環形状を有している。図10に示すように、出力軸21aの右端部には、上流側ファン24が取り付けられている。出力軸21aの左端部には、下流側ファン25が取り付けられている。出力軸21aが回転することにより、上流側ファン24と下流側ファン25も出力軸21aと一体になって回転する。上流側ファン24と下流側ファン25が回転することで右側から左側へと送風がなされる。外気が送風されることによって、吸気部13のフィルタ13aを介して機構ケース11内へと吸気がなされる。機構ケース11内に取り込まれた吸気は、圧縮機構20等を冷却する冷却風としても機能する。吸気に含まれる粉塵は、機構ケース11内に侵入しないようにフィルタ13aで捕捉される。フィルタ13aが機構ケース11内への粉塵の侵入を抑制することで、例えばピストン23とシリンダ12との間に介するシール材の摩耗を低減できる。そのため、エアコンプレッサ1において、フィルタ13aは、外気に含まれる粉塵が堆積しやすい粉塵堆積部となっている。
【0031】
図10に示すように、ピストン上室12aは、シリンダ12の内部であって、ピストン23よりも出力軸21aに対して径方向外側の空間である。ピストン23が下死点近傍に位置する場合、ピストン上室12aは、機構ケース11内と連通する。従ってピストン23が下死点近傍に位置する場合、ピストン上室12aには、吸気部13から取り込まれた吸気が流入可能となる。ピストン上室12aの上死点側(出力軸21aに対して径方向外側)は、通気管26と連通している。通気管26は、タンク3内と連通している。吸気部13から取り込まれた吸気は、シリンダ12内を往復動するピストン23によって圧縮され、通気管26を介してタンク3に圧縮エアとして貯留される。
【0032】
図2~4に示すように、前側のベース2には、ドレン排出部30が設けられている。ドレン排出部30は、ドレンコック31と排出管32を備えている。排出管32は、2つのタンク3の下面側へ回り込んで後方へ延びている。2つのタンク3の下面側には、補助板6が取り付けられている。補助板6は、2つのタンク3の間に沿って取り付けられている。補助板6の前部と後部はそれぞれベース2にねじ結合されている。
【0033】
図2に示すように、2つのタンク3の下面側において排出管32が延在する後方には、消音機構35が設けられている。消音機構35は、消音室36と下部カバー37とバッファ38を有している。消音機構35は、本発明における中間部に相当する。補助板6には、前後方向に延びた消音室36が設けられている。消音室36は、下部の略全面が開口した箱形空間である。消音室36の下部には、消音室36の下部全体を覆う下部カバー37が取り付け可能になっている。消音室36は、下部カバー37を取り付けることにより、概ね全体が覆われた箱形空間となる。下部カバー37の上面は、前方に向かってわずかに下向きに傾斜している。消音室36の前端には、排出管32の排出口32aが前方から導入されている。消音室36の後端には、後述する配管41の先端部である導入口41aが後方から導入されている。消音室36の後端の特に導入口41a周りは、ほぼ気密に形成されている。
【0034】
排出管32は、一端がタンク3と連通しており、他端の排出口32aが消音室36内に導入されている。図3,4に示すように、前側のベース2に配設された排出管32の経路途中には、ドレンコック31が設けられている。ドレンコック31は、回動操作することにより排出管32を開閉させることができる。ドレンコック31が閉じている場合、タンク3内の圧縮エアとドレン水は、排出管32から排出されない。ドレンコック31を開くと、その開き量に応じてタンク3内の圧縮エアが排出エアとして排出口32aから排出される。また、排出エアの流れとともにタンク3内のドレン水も排出口32aから排出される。
【0035】
図2に示すように、消音室36には、バッファ38が収容されている。バッファ38は、消音室36の室内を概ね充填するように収容されている。バッファ38は、例えばステンレスを材料として、微細な繊維状部材が絡み合った形状のウール状繊維部材であり、いわゆるスチールウール(ステンレスウール)である。バッファ38は、その内部に微細な隙間が多数形成されており、内部を通る排出エアやドレン水の流れを分散させることができる。従って、バッファ38を通すことで、排出エアやドレン水の流れの勢いを抑制させることができ、かつ排出エアとドレン水を分離させることができる。排出エアの流れの勢いを抑制させることで、排出エアを排出するときに発生する音を抑制することができる。
【0036】
図5~7に示すように、配管41は、一端の導入口41aが消音室36の後端から消音室36内に導入されている。配管41は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。消音室36の後端から延びる配管41は、後側のベース2に沿って上方に延びている。上方へ延びた配管41は、図1に示す機構カバー5の内側に概ね沿って配設されている。具体的には、図8に示すように、配管41は、上下方向についてフィルタ13aの中心と略同じ高さまで上方に延びている。図9に示すように、配管41は、そこから右側のタンク3の右端近傍まで右方へと水平に延びている。配管41は、さらにそこから上流側ファン24の後端近傍まで前方へと水平に延びている。さらにその前方には、配管41の先端部である吹出部41bが設けられている。
【0037】
図9に示すように、吹出部41bは、直線状に延びており、前端に吹出口41cを有している。吹出部41bは、フィルタ13aの面方向に対して斜めに延びている。具体的には、吹出部41bは、右側後方から左側前方へと延びている。吹出部41bは、フィルタ13aの面方向に対して例えば5~40°傾斜している。吹出部41bの前端に設けられた吹出口41cは、フィルタ13aの右方に、フィルタ13aに近接して配置されている。すなわち、吹出口41cは、フィルタ13aに対して、上流側ファン24と下流側ファン25とによって生じる送風の上流側に配置されている。吹出口41cは、フィルタ13a側を向いてフィルタ13aの面方向に対して斜めに開口している。具体的には、吹出口41cは、フィルタ13a側を向いて左方前向きに開口している。
【0038】
図8,9を参照して、タンク3から排出された排出エアの一連の流れを説明する。ドレンコック31を開いて排出口32aから排出された排出エアとドレン水は、消音室36に設けられたバッファ38の微細な隙間を通過する。バッファ38を通過する過程で、排出エアはドレン水と分離され、かつ流れの勢いが比較的抑制される。消音室36の後端に達した排出エアは、導入口41aから配管41内へと流れ込む。配管41を流れる排出エアは、吹出口41cからフィルタ13aに向かって吹き出す。吹出部41bがフィルタ13aの面方向に対して傾斜しているため、吹出口41cから吹き出した排出エアは、フィルタ13aの面方向に対して斜めに吹きかかる。吹出口41cから吹き出した排出エアは、フィルタ13aの近くに設けられた図10に示す軸受27の周り等にも吹きかかる。
【0039】
以上説明したエアコンプレッサ1によれば、ドレンコック31を開く操作のみで、タンク3からドレン水と排出エアの排出と、粉塵堆積部であるフィルタ13aに堆積した粉塵を取り除く清掃とを同時に行うことができる。従って、特段の作業を増やすことなくフィルタ13aに堆積した粉塵を取り除くことができる。さらに、エアコンプレッサ1によれば、高圧のタンク3内から排出される排出エアによって、フィルタ13aに堆積した粉塵を勢いよく吹き飛ばすことができる。
【0040】
また、エアコンプレッサ1によれば、消音機構35においてドレン水と排出エアが分離される。これにより、フィルタ13aにドレン水が吹きかからないようにし、排出エアのみが吹きかかるようにすることができる。特にフィルタ13aは、水に濡れることで目詰まりが生じやすくなる。フィルタ13aに目詰まりが生じることで、吸気部13から機構ケース11内への吸気機能が低下する場合や、フィルタ13aのまだ目詰まりが生じていない箇所に粉塵が集中することで新たな目詰まりが生じる場合等が考えられる。そのため、ドレン水と排出エアとを分離することで、フィルタ13aに堆積した粉塵を取り除く効果をより高めることができる。
【0041】
また、エアコンプレッサ1によれば、排出口32aから排出エアが排出されるときの音が、消音機構35のバッファ38から干渉を受けることにより抑制される。そのため、ドレンコック31を大きく開いて排出口32aから排出エアを勢いよく排出することができる。これにより、導入口41aへと流れ込む排出エアの流速を比較的速くすることができ、吹出口41cから吹き出される排出エアの流速も比較的速くすることができる。従って、フィルタ13aに堆積した粉塵をより勢いよく吹き飛ばすことができる。
【0042】
また、エアコンプレッサ1によれば、機構ケース11の右側部にフィルタ13aを有する吸気部13が設けられている。機構ケース11内への吸気は、フィルタ13aを介して右方から左方へと流れる。排出エアの吹出口41cは、フィルタ13aの右方(上流側)に、フィルタ13aに近接して配置されている。従って、外気を取り込む際に特に粉塵が堆積しやすいフィルタ13aの右側面に堆積した粉塵が、排出エアによって吹き飛ばされる。これにより、エアコンプレッサ1の吸気効率を維持することができる。
【0043】
また、エアコンプレッサ1によれば、吹出口41cは、フィルタ13a側を向いてフィルタ13aの面方向に対して斜めに開口している。これにより、フィルタ13aの面方向と略平行またはフィルタ13aに対して略面直方向に排出エアが吹き出す場合と比べて、粉塵を効率良く吹き飛ばすことができる。例えば、フィルタ13aの面方向と略平行に排出エアが吹き出す場合は、排出エアがフィルタ13aに堆積した粉塵に直接当たり難く、粉塵を吹き飛ばし難い。また、例えば、フィルタ13aに対して略面直方向に排出エアが吹き出す場合は、粉塵がフィルタ13aのメッシュに入り込みやすく目詰まりを起こしやすい。従って、エアコンプレッサ1によれば、吹出口41cから吹き出される排出エアによってフィルタ13aに堆積した粉塵を効率良く吹き飛ばすことができ、かつフィルタ13aの目詰まりを抑制できる。
【0044】
次に、本発明の第2実施形態を図11~13に基づいて説明する。第2実施形態のエアコンプレッサ50は、第1実施形態のエアコンプレッサ1の配管41に代えて、配管51を備えている。以下の説明においては、先に説明した実施形態と異なる構成についてのみ詳細に説明する。
【0045】
図12に示すように、配管51は、一端の導入口51aが消音室36の後端から消音室36内に導入されている。配管51は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。消音室36の後端から延びる配管51は、後側のベース2に沿って上方に延びている。図11に示すように、配管51は、上下方向についてフィルタ13aの中心と略同じ高さまで上方に延びている。図12に示すように、配管51は、そこから吸気部13の右端近傍まで右方へと水平に延びている。配管51は、さらにそこから機構ケース11の後端近傍まで前方へと水平に延びている。配管51のさらにその前方には、吹出部51bが設けられている。
【0046】
図12に示すように、吹出部51bは、フィルタ13aの右端面近傍において、フィルタ13aの外縁の略上半分に沿って円弧状に配設されている。図13に示すように、吹出部51bには、吹出部51bの延在方向に沿って、複数の吹出口51cが略等間隔で開口している。吹出口51cは、フィルタ13aに対して、上流側ファン24と下流側ファン25とによって生じる送風の上流側(右側)に配置されている。吹出口51cは、吹出部51bの延在方向と略直交方向に開口している。また、吹出口51cは、フィルタ13a側を向いてフィルタ13aの面方向に対して斜めに開口している。具体的には、吹出口51cは、フィルタ13aの配置される左方かつ出力軸21aに対して径方向内方に開口している。
【0047】
以上説明したエアコンプレッサ50によれば、第1実施形態のエアコンプレッサ1と同様の作用効果が奏される。すなわち、ドレンコック31を開く操作のみで、タンク3から排出される排出エアが、排出管32と消音機構35と配管51を介して、吹出口51cからフィルタ13aに向かって吹き出される。従って、特段の作業を増やすことなくフィルタ13aに堆積した粉塵を取り除くことができる。さらに、高圧のタンク3内から排出される排出エアによって、フィルタ13aに堆積した粉塵を勢いよく吹き飛ばすことができる。
【0048】
また、エアコンプレッサ50によれば、吹出部51bは、フィルタ13aの右端面近傍において、フィルタ13aの外縁の略上半分に沿って円弧状に配設されている。複数の吹出口51cは、フィルタ13aの周囲において、吹出部51bの延在方向に沿って略等間隔で開口している。吹出口51cは、フィルタ13aの配置される左方かつ出力軸21aに対して径方向内方を向いて斜めに開口している。従って、比較的広い領域を有するフィルタ13aに、適宜間隔を置いて複数箇所に配置された吹出口51cから排出エアが吹きかけられる。さらに、複数の吹出口51cは、フィルタ13aに対する開口方向が互いに異なっている。そのため、フィルタ13aに複数箇所から複数方向で排出エアが吹きかけられ、堆積した粉塵を効率良く吹き飛ばすことができる。
【0049】
次に、本発明の第3実施形態を図14~16に基づいて説明する。第3実施形態のエアコンプレッサ60は、第1実施形態のエアコンプレッサ1の吸気部13と配管41に代えて、吸気部14と配管61を備えている。
【0050】
図14に示すように、機構ケース11の下部には、吸気部14が設けられている。吸気部14は、機構ケース11の下方に張り出した箱形形状を有している。吸気部14の下面には、機構ケース11の内外を連通する開口部分が設けられている。吸気部14の開口部分は、フィルタ14aで覆われている。図16に示すように、フィルタ14aは、下方から見て前後方向を長手方向とする略矩形を有している。吸気部14から機構ケース11内に外気が吸気される。吸気に含まれる粉塵は、機構ケース11内に侵入しないようにフィルタ14aで捕捉される。そのため、エアコンプレッサ60において、フィルタ14aは、外気に含まれる粉塵が堆積しやすい粉塵堆積部となっている。
【0051】
図15に示すように、配管61は、一端の導入口61aが消音室36の後端から消音室36内に導入されている。配管61は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。消音室36の後端から延びる配管61は、後側のベース2に沿って上方に延びている。配管61は、機構ケース11の下端とタンク3の上端との間の高さまで上方に延びている。配管61は、そこから機構ケース11の後端近傍まで前方へと水平に延びている。配管61のさらにその前方には、吹出部61bが設けられている。
【0052】
図15に示すように、吹出部61bは、直線状に延びており、前端に吹出口61cを有している。吹出部61bは、フィルタ14aの面方向に対して斜めに延びている。具体的には、吹出部61bは、後方から前方に向かって上向きに傾斜している。吹出部61bは、フィルタ14aの面方向に対して例えば5~40°傾斜している。吹出部61bの前端に設けられた吹出口61cは、フィルタ14aの下方に、フィルタ14aの後端に近接して配置されている。すなわち、吹出口61cは、フィルタ14aの上流側に配置されている。吹出口61cは、フィルタ14a側を向いてフィルタ14aの面方向に対して斜めに開口している。具体的には、吹出口61cは、フィルタ14a側を向いて上方前向きに開口している。
【0053】
以上説明したエアコンプレッサ60によれば、第1実施形態のエアコンプレッサ1と同様の作用効果が奏される。すなわち、ドレンコック31を開く操作のみで、タンク3から排出される排出エアが、排出管32と消音機構35と配管61を介して、吹出口61cからフィルタ14aに向かって吹き出される。従って、特段の作業を増やすことなくフィルタ14aに堆積した粉塵を取り除くことができる。さらに、高圧のタンク3内から排出される排出エアによって、フィルタ14aに堆積した粉塵を勢いよく吹き飛ばすことができる。
【0054】
また、エアコンプレッサ60によれば、フィルタ14aは、下面側が吸気の上流側である。排出エアは、フィルタ14aの下方からフィルタ14aの面方向に対して上方前向きに斜めに吹きかけられる。従って、フィルタ14aから取り除かれた粉塵は、落下及び排出エアの前向きの流れによってフィルタ14aの周りから速やかに除去される。そのため、フィルタ14aに堆積した粉塵を効率良く取り除くことができる。
【0055】
次に、本発明の第4実施形態を図17~20に基づいて説明する。第4実施形態のエアコンプレッサ70は、第3実施形態のエアコンプレッサ60の配管61に代えて、配管71を備えている。
【0056】
図17,18に示すように、配管71は、一端の導入口71aが消音室36の後端から消音室36内に導入されている。配管71は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。消音室36の後端から延びる配管71は、後側のベース2に沿って上方に延びている。配管71は、機構ケース11の下端とタンク3の上端との間の高さまで上方に延びている。配管71は、そこから機構ケース11の後端近傍まで前方へと水平に延びている。配管71のさらにその前方には、吹出部71bが設けられている。
【0057】
図18,19に示すように、吹出部71bは、フィルタ14aの下端面近傍において、フィルタ14aの外縁の略半周に沿って配設されている。吹出部71bは、下方から見てフィルタ14aを囲む略C字形状を有している。図20に示すように、吹出部71bには、吹出部71bの延在方向に沿って、複数の吹出口71cが略等間隔で開口している。吹出口71cは、吹出部71bの延在方向と略直交方向に開口している。また、吹出口71cは、フィルタ14a側を向いてフィルタ14aの面方向に対して斜めに開口している。具体的には、吹出口71cは、フィルタ14aの配置される上方かつフィルタ14aの内側方向に開口している。
【0058】
以上説明したエアコンプレッサ70によれば、第1実施形態のエアコンプレッサ1と同様の作用効果が奏される。すなわち、ドレンコック31を開く操作のみで、タンク3から排出される排出エアが、排出管32と消音機構35と配管71を介して、吹出口71cからフィルタ14aに向かって吹き出される。従って、特段の作業を増やすことなくフィルタ14aに堆積した粉塵を取り除くことができる。さらに、高圧のタンク3内から排出される排出エアによって、フィルタ14aに堆積した粉塵を勢いよく吹き飛ばすことができる。
【0059】
また、エアコンプレッサ70によれば、吹出部71bは、フィルタ14aの下端面近傍において、フィルタ14aの外縁の略半周に沿って略C字形状に配設されている。複数の吹出口71cは、フィルタ14aの周囲において適宜間隔を置いて複数箇所で開口しており、フィルタ14aに対する開口方向が互いに異なっている。従って、下方を向いたフィルタ14aに複数箇所から複数方向で排出エアが吹きかけられ、堆積した粉塵を効率良く吹き飛ばすことができる。
【0060】
次に、本発明の第5実施形態を図21~24に基づいて説明する。第5実施形態のエアコンプレッサ80は、第3実施形態のエアコンプレッサ60の配管61に代えて、配管81を備えている。
【0061】
図21,22に示すように、配管81は、一端の導入口81aが消音室36の後端から消音室36内に導入されている。配管81は、例えばゴム製のパイプであり、比較的弾性が高い。図23,24に示すように、消音室36の後端から延びる配管81は、後側のベース2及び機構カバー5の内面に沿って上方に延びて配設されている。配管81は、機構カバー5の後側面内側に沿って、左右方向について軸受22が配置されている位置まで左方に延びつつ、機構カバー5の上面内側まで上方へと延びて配設されている。配管81は、そこから機構カバー5の上面内側に沿って前方に延びて配設されている。配管81は、機構カバー5の内面に複数箇所設けられている留め具5bによって保持されている。軸受22の上方まで延びた配管81の先端には、吹出部81bが設けられている。配管81が比較的弾性を有することにより、配管81を留め具5bに保持させた後に、コンプレッサ本体10を覆うように機構カバー5を取り付けることができる。
【0062】
図22に示すように、吹出部81bは、略半球状の球面側に複数の吹出口81cが蓮口状に開口したシャワーヘッド状に形成されている。吹出部81bは、吹出口81cが下向きに開口する姿勢で配設されている。吹出口81cから排出される排出エアは、わずかに放射状に拡がりつつ概ね下方に吹き出される。図22,24に示すように吹出部81bは、軸受22の上方であって、機構ケース11の上端近傍に配設されている。
【0063】
以上説明したエアコンプレッサ80によれば、第1実施形態のエアコンプレッサ1と同様の作用効果が奏される。すなわち、ドレンコック31を開く操作のみで、タンク3から排出される排出エアが、排出管32と消音機構35と配管81を介して、吹出口81cから機構ケース11周りの粉塵堆積部に向かって吹き出される。従って、特段の作業を増やすことなく機構ケース11周りの粉塵堆積部に堆積した粉塵を取り除くことができる。特に軸受22は、粉塵が堆積することで電動モータ21の出力が低下する場合等がある。そのため、軸受22周りの粉塵を除去することで、エアコンプレッサ80の使い勝手を維持することができる。さらに、高圧のタンク3内から排出される排出エアによって、機構ケース11周りの例えば軸受22の周りに堆積した粉塵を勢いよく吹き飛ばすことができる。
【0064】
また、エアコンプレッサ80によれば、シャワーヘッド状の吹出部81bが複数の吹出口81cを備えることにより、排出エアを比較的広い領域を有する機構ケース11周りの粉塵堆積部に当てることができる。これにより、比較的広い領域である例えば軸受22の周りに堆積した粉塵を効率良く吹き飛ばすことができる。
【0065】
次に、本発明の第6実施形態を図25~28に基づいて説明する。第6実施形態のエアコンプレッサ90は、第3実施形態のエアコンプレッサ60の配管61に代えて、配管91を備えている。
【0066】
図25,26に示すように、配管91は、一端の導入口91aが消音室36の後端から消音室36内に導入されている。配管91は、例えばゴム製のパイプであり、比較的弾性が高い。図27,28に示すように、消音室36の後端から延びる配管91は、後側のベース2及び機構カバー5の内面に沿って上方に延びて配設されている。配管91は、機構カバー5の後側面内側に沿って、左右方向について軸受22が配置されている位置まで左方に延びつつ、機構カバー5の上面内側まで上方へと延びて配設されている。配管91は、そこから機構カバー5の上面内側に沿って前方に延びており、吹出部91bとして配設されている。吹出部91bは、機構カバー5の内面に複数箇所設けられている留め具5bによって保持されている。吹出部91bは、前側のベース2の上方近くまで前方に延びて配設されている。吹出部91bは、軸受22の上方において、前後方向についてコンプレッサ本体10をカバーするように配設されている。吹出部91bの前端は、排出エアが流れ出ないように封止されている。
【0067】
図26に示すように、吹出部91bの下側には、吹出部91bの延在方向に沿って、複数の吹出口91cが略等間隔で開口している。吹出口91cは、吹出部91bの延在方向と略直交方向に開口している。吹出口91cは、概ね下向きに開口している。吹出口91cは、軸受22の上方に少なくとも1つ以上形成されている。
【0068】
以上説明したエアコンプレッサ90によれば、第1実施形態のエアコンプレッサ1と同様の作用効果が奏される。すなわち、ドレンコック31を開く操作のみで、タンク3から排出される排出エアが、排出管32と消音機構35と配管91を介して、吹出口91cから軸受22の周りに向かって吹き出される。従って、特段の作業を増やすことなく、機構ケース11周りの粉塵堆積部のうち特に軸受22の周りに堆積した粉塵を取り除くことができる。さらに、高圧のタンク3内から排出される排出エアによって、機構ケース11周りの例えば軸受22の周りに堆積した粉塵を勢いよく吹き飛ばすことができる。
【0069】
また、エアコンプレッサ90によれば、吹出部91bは、前後方向についてコンプレッサ本体10の上方をカバーするように配設されている。吹出部91bの下側には、吹出部91bの延在方向に沿って適宜間隔を置いて複数箇所に吹出口91cが設けられている。従って、コンプレッサ本体10の線状に比較的長い領域を有する粉塵堆積部に堆積した粉塵を効率良く吹き飛ばすことができる。例えば、線状に比較的長い領域である軸受22の周りに堆積した粉塵を効率良く吹き飛ばすことができる。
【0070】
次に、本発明の第7実施形態を図29~31に基づいて説明する。第7実施形態のエアコンプレッサ100は、第1実施形態のエアコンプレッサ1の配管41に代えて、配管101と第1分岐配管102と第2分岐配管103を備えている。
【0071】
図30に示すように、配管101は、一端の導入口101aが消音室36の後端から消音室36内に導入されている。配管101は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。消音室36の後端から延びる配管101は、後側のベース2に沿って上方に延びている。配管101には、上下方向についてフィルタ13aの中心と略同じ高さにおいて、分岐部101bが設けられている。配管101は、分岐部101bにおいて、第1分岐配管102と第2分岐配管103とに分岐されている。第1分岐配管102は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。第2分岐配管103は、例えばゴム製のパイプであり、比較的弾性が高い。
【0072】
図29~31に示すように、第1分岐配管102は、第1実施形態の配管41と同様に配設されており、配管41と同様に、吹出部102aと吹出口102bを有している。すなわち、吹出部102aは、右側後方から左側前方へと延びており、フィルタ13aの面方向に対して斜めに延びている。吹出部102aの前端に設けられた吹出口102bは、フィルタ13aの右方に、フィルタ13aに近接して配置されている。吹出口102bは、フィルタ13a側を向いて左方前向きに開口している。
【0073】
図29~31に示すように、第2分岐配管103は、第5実施形態の配管81と同様に配設されており、配管81と同様に、吹出部103aと吹出口103bを有している。すなわち、吹出部103aは、略半球状の球面側に複数の吹出口103bが蓮口状に開口したシャワーヘッド状に形成されている。吹出部103aは、吹出口103bが下向きに開口する姿勢で配設されている。吹出口103bから排出される排出エアは、わずかに放射状に拡がりつつ概ね下方に吹き出される。吹出部103aは、軸受22の上方であって、機構ケース11の上端近傍に配設されている。
【0074】
以上説明したエアコンプレッサ100によれば、第1実施形態のエアコンプレッサ1と同様の作用効果、及び第5実施形態のエアコンプレッサ80と同様の作用効果が奏される。例えば、ドレンコック31を開く操作のみで、タンク3から排出される排出エアが、フィルタ13aと、機構ケース11周りの粉塵堆積部のうち特に軸受22の周りに向かって吹き出される。従って、特段の作業を増やすことなくフィルタ13aや軸受22の周り等の粉塵堆積部に堆積した粉塵を取り除くことができる。
【0075】
次に、本発明の第8実施形態を図32~34に基づいて説明する。第8実施形態のエアコンプレッサ110は、第1実施形態のエアコンプレッサ1の配管41に代えて、配管111と第1分岐配管112と第2分岐配管113を備えている。
【0076】
図32に示すように、配管111は、一端の導入口111aが消音室36の後端から消音室36内に導入されている。配管111は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。消音室36の後端から延びる配管111は、後側のベース2に沿って上方に延びている。図33に示すように、配管111には、上下方向についてフィルタ13aの中心と略同じ高さにおいて、分岐部111bが設けられている。配管111は、分岐部111bにおいて、第1分岐配管112と第2分岐配管113とに分岐されている。第1分岐配管112は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。第2分岐配管113は、例えばゴム製のパイプであり、比較的弾性が高い。
【0077】
図32~34に示すように、第1分岐配管112は、第2実施形態の配管51と同様に配設されており、配管51と同様に、吹出部112aと吹出口112bを有している。すなわち、吹出部112aは、フィルタ13aの右端面近傍において、フィルタ13aの外縁の略上半分に沿って円弧状に配設されている。吹出部112aには、吹出部112aの延在方向に沿って、複数の吹出口112bが略等間隔で開口している。吹出口112bは、フィルタ13aの配置される左方かつ出力軸21aに対して径方向内方を向いて、フィルタ14aに対して斜めに開口している。
【0078】
図32~34に示すように、第2分岐配管113は、第5実施形態の配管81と同様に配設されており、配管81と同様に、吹出部113aと吹出口113bを有している。すなわち、吹出部113aは、略半球状の球面側に複数の吹出口113bが蓮口状に開口したシャワーヘッド状に形成されている。吹出部113aは、吹出口113bが下向きに開口する姿勢で配設されている。吹出口113bから排出される排出エアは、わずかに放射状に拡がりつつ概ね下方に吹き出される。吹出部113aは、軸受22の上方であって、機構ケース11の上端近傍に配設されている。
【0079】
以上説明したエアコンプレッサ110によれば、第2実施形態のエアコンプレッサ50と同様の作用効果、及び第5実施形態のエアコンプレッサ80と同様の作用効果が奏される。例えば、ドレンコック31を開く操作のみで、タンク3から排出される排出エアが、フィルタ13aと、機構ケース11周りの粉塵堆積部のうち特に軸受22の周りに向かって吹き出される。従って、特段の作業を増やすことなくフィルタ13aや軸受22の周り等の粉塵堆積部に堆積した粉塵を取り除くことができる。
【0080】
次に、本発明の第9実施形態を図35~37に基づいて説明する。第9実施形態のエアコンプレッサ120は、第3実施形態のエアコンプレッサ60の配管61に代えて、配管121と第1分岐配管122と第2分岐配管123を備えている。
【0081】
図35に示すように、配管121は、一端の導入口121aが消音室36の後端から消音室36内に導入されている。配管121は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。消音室36の後端から延びる配管121は、後側のベース2に沿って上方に延びている。配管121には、タンク3の上端と略同じ高さにおいて、分岐部121bが設けられている。配管121は、分岐部121bにおいて、第1分岐配管122と第2分岐配管123とに分岐されている。第1分岐配管122は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。第2分岐配管123は、例えばゴム製のパイプであり、比較的弾性が高い。
【0082】
図35~37に示すように、第1分岐配管122は、第3実施形態の配管61と同様に配設されており、配管61と同様に、吹出部122aと吹出口122bを有している。すなわち、吹出部122aは、後方から前方に向かって上向きに傾斜しており、フィルタ14aの面方向に対して斜めに延びている。吹出部122aの前端に設けられた吹出口122bは、フィルタ14aの下方に、フィルタ14aの後端に近接して配置されている。吹出口122bは、フィルタ14a側を向いて上方前向きに開口している。
【0083】
図35~37に示すように、第2分岐配管123は、第5実施形態の配管81と同様に配設されており、配管81と同様に、吹出部123aと吹出口123bを有している。すなわち、吹出部123aは、略半球状の球面側に複数の吹出口123bが蓮口状に開口したシャワーヘッド状に形成されている。吹出部123aは、吹出口123bが下向きに開口する姿勢で配設されている。吹出口123bから排出される排出エアは、わずかに放射状に拡がりつつ概ね下方に吹き出される。吹出部123aは、軸受22の上方であって、機構ケース11の上端近傍に配設されている。
【0084】
以上説明したエアコンプレッサ120によれば、第3実施形態のエアコンプレッサ60と同様の作用効果、及び第5実施形態のエアコンプレッサ80と同様の作用効果が奏される。例えば、ドレンコック31を開く操作のみで、タンク3から排出される排出エアが、フィルタ14aと、機構ケース11周りの粉塵堆積部のうち特に軸受22の周りに向かって吹き出される。従って、特段の作業を増やすことなくフィルタ14aや軸受22の周り等の粉塵堆積部に堆積した粉塵を取り除くことができる。
【0085】
次に、本発明の第10実施形態を図38~40に基づいて説明する。第10実施形態のエアコンプレッサ130は、第3実施形態のエアコンプレッサ60の配管61に代えて、配管131と第1分岐配管132と第2分岐配管133を備えている。
【0086】
図38に示すように、配管131は、一端の導入口131aが消音室36の後端から消音室36内に導入されている。配管131は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。消音室36の後端から延びる配管131は、後側のベース2に沿って上方に延びている。配管131には、タンク3の上端と略同じ高さにおいて、分岐部131bが設けられている。配管131は、分岐部131bにおいて、第1分岐配管132と第2分岐配管133とに分岐されている。第1分岐配管132は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。第2分岐配管133は、例えばゴム製のパイプであり、比較的弾性が高い。
【0087】
図38~40に示すように、第1分岐配管132は、第4実施形態の配管71と同様に配設されており、配管71と同様に、吹出部132aと吹出口132bを有している。すなわち、吹出部132aは、フィルタ14aの下端面近傍において、フィルタ14aの外縁の略半周に沿って略C字形状に配設されている。吹出部132aには、吹出部132aの延在方向に沿って、複数の吹出口132bが略等間隔で開口している。吹出口132bは、フィルタ14aの配置される上方かつフィルタ14aの内側方向を向いて、フィルタ14aに対して斜めに開口している。
【0088】
図38~40に示すように、第2分岐配管133は、第5実施形態の配管81と同様に配設されており、配管81と同様に、吹出部133aと吹出口133bを有している。すなわち、吹出部133aは、略半球状の球面側に複数の吹出口133bが蓮口状に開口したシャワーヘッド状に形成されている。吹出部133aは、吹出口133bが下向きに開口する姿勢で配設されている。吹出口133bから排出される排出エアは、わずかに放射状に拡がりつつ概ね下方に吹き出される。吹出部133aは、軸受22の上方であって、機構ケース11の上端近傍に配設されている。
【0089】
以上説明したエアコンプレッサ130によれば、第4実施形態のエアコンプレッサ70と同様の作用効果、及び第5実施形態のエアコンプレッサ80と同様の作用効果が奏される。例えば、ドレンコック31を開く操作のみで、タンク3から排出される排出エアが、フィルタ14aと、機構ケース11周りの粉塵堆積部のうち特に軸受22の周りに向かって吹き出される。従って、特段の作業を増やすことなくフィルタ14aや軸受22の周り等の粉塵堆積部に堆積した粉塵を取り除くことができる。
【0090】
次に、本発明の第11実施形態を図41~43に基づいて説明する。第11実施形態のエアコンプレッサ140は、第1実施形態のエアコンプレッサ1の配管41に代えて、配管141と第1分岐配管142と第2分岐配管143を備えている。
【0091】
図42に示すように、配管141は、一端の導入口141aが消音室36の後端から消音室36内に導入されている。配管141は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。消音室36の後端から延びる配管141は、後側のベース2に沿って上方に延びている。配管141には、上下方向についてフィルタ13aの中心と略同じ高さにおいて、分岐部141bが設けられている。配管141は、分岐部141bにおいて、第1分岐配管142と第2分岐配管143とに分岐されている。第1分岐配管142は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。第2分岐配管143は、例えばゴム製のパイプであり、比較的弾性が高い。
【0092】
図41~43に示すように、第1分岐配管142は、第1実施形態の配管41と同様に配設されており、配管41と同様に、吹出部142aと吹出口142bを有している。すなわち、吹出部142aは、右側後方から左側前方へと延びており、フィルタ13aの面方向に対して斜めに延びている。吹出部142aの前端に設けられた吹出口142bは、フィルタ13aの右方に、フィルタ13aに近接して配置されている。吹出口142bは、フィルタ13a側を向いて左方前向きに開口している。
【0093】
図41~43に示すように、第2分岐配管143は、第6実施形態の配管91と同様に配設されており、配管91と同様に、吹出部143aと吹出口143bを有している。すなわち、吹出部143aは、軸受22の上方において、前後方向についてコンプレッサ本体10をカバーするように延びて配設されている。吹出部143aの前端は、排出エアが流れ出ないように封止されている。吹出部143aの下側には、吹出部143aの延在方向に沿って、複数の吹出口143bが略等間隔で開口している。吹出口143bは、概ね下向きに開口している。吹出口143bは、軸受22の上方に少なくとも1つ以上形成されている。
【0094】
以上説明したエアコンプレッサ140によれば、第1実施形態のエアコンプレッサ1と同様の作用効果、及び第6実施形態のエアコンプレッサ90と同様の作用効果が奏される。例えば、ドレンコック31を開く操作のみで、タンク3から排出される排出エアが、フィルタ13aと、機構ケース11周りの粉塵堆積部のうち特に軸受22の周りに向かって吹き出される。従って、特段の作業を増やすことなくフィルタ13aや軸受22の周り等の粉塵堆積部に堆積した粉塵を取り除くことができる。
【0095】
次に、本発明の第12実施形態を図44~46に基づいて説明する。第12実施形態のエアコンプレッサ150は、第1実施形態のエアコンプレッサ1の配管41に代えて、配管151と第1分岐配管152と第2分岐配管153を備えている。
【0096】
図45に示すように、配管151は、一端の導入口151aが消音室36の後端から消音室36内に導入されている。配管151は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。消音室36の後端から延びる配管151は、後側のベース2に沿って上方に延びている。配管151には、上下方向についてフィルタ13aの中心と略同じ高さにおいて、分岐部151bが設けられている。配管151は、分岐部151bにおいて、第1分岐配管152と第2分岐配管153とに分岐されている。第1分岐配管152は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。第2分岐配管153は、例えばゴム製のパイプであり、比較的弾性が高い。
【0097】
図44~46に示すように、第1分岐配管152は、第2実施形態の配管51と同様に配設されており、配管51と同様に、吹出部152aと吹出口152bを有している。すなわち、吹出部152aは、フィルタ13aの右端面近傍において、フィルタ13aの外縁の略上半分に沿って円弧状に配設されている。吹出部152aには、吹出部152aの延在方向に沿って、複数の吹出口152bが略等間隔で開口している。吹出口152bは、フィルタ13aの配置される左方かつ出力軸21aに対して径方向内方を向いて、フィルタ14aに対して斜めに開口している。
【0098】
図44~46に示すように、第2分岐配管153は、第6実施形態の配管91と同様に配設されており、配管91と同様に、吹出部153aと吹出口153bを有している。すなわち、吹出部153aは、軸受22の上方において、前後方向についてコンプレッサ本体10をカバーするように延びて配設されている。吹出部153aの前端は、排出エアが流れ出ないように封止されている。吹出部153aの下側には、吹出部153aの延在方向に沿って、複数の吹出口153bが略等間隔で開口している。吹出口153bは、概ね下向きに開口している。吹出口153bは、軸受22の上方に少なくとも1つ以上形成されている。
【0099】
以上説明したエアコンプレッサ150によれば、第2実施形態のエアコンプレッサ50と同様の作用効果、及び第6実施形態のエアコンプレッサ90と同様の作用効果が奏される。例えば、ドレンコック31を開く操作のみで、タンク3から排出される排出エアが、フィルタ13aと、機構ケース11周りの粉塵堆積部のうち特に軸受22の周りに向かって吹き出される。従って、特段の作業を増やすことなくフィルタ13aや軸受22の周り等の粉塵堆積部に堆積した粉塵を取り除くことができる。
【0100】
次に、本発明の第13実施形態を図47~49に基づいて説明する。第13実施形態のエアコンプレッサ160は、第3実施形態のエアコンプレッサ60の配管61に代えて、配管161と第1分岐配管162と第2分岐配管163を備えている。
【0101】
図47に示すように、配管161は、一端の導入口161aが消音室36の後端から消音室36内に導入されている。配管161は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。消音室36の後端から延びる配管161は、後側のベース2に沿って上方に延びている。配管161には、タンク3の上端と略同じ高さにおいて、分岐部161bが設けられている。配管161は、分岐部161bにおいて、第1分岐配管162と第2分岐配管163とに分岐されている。第1分岐配管162は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。第2分岐配管163は、例えばゴム製のパイプであり、比較的弾性が高い。
【0102】
図47~49に示すように、第1分岐配管162は、第3実施形態の配管61と同様に配設されており、配管61と同様に、吹出部162aと吹出口162bを有している。すなわち、吹出部162aは、後方から前方に向かって上向きに傾斜しており、フィルタ14aの面方向に対して斜めに延びている。吹出部162aの前端に設けられた吹出口162bは、フィルタ14aの下方に、フィルタ14aの後端に近接して配置されている。吹出口162bは、フィルタ14a側を向いて上方前向きに開口している。
【0103】
図47~49に示すように、第2分岐配管163は、第6実施形態の配管91と同様に配設されており、配管91と同様に、吹出部163aと吹出口163bを有している。すなわち、吹出部163aは、軸受22の上方において、前後方向についてコンプレッサ本体10をカバーするように延びて配設されている。吹出部163aの前端は、排出エアが流れ出ないように封止されている。吹出部163aの下側には、吹出部163aの延在方向に沿って、複数の吹出口163bが略等間隔で開口している。吹出口163bは、概ね下向きに開口している。吹出口163bは、軸受22の上方に少なくとも1つ以上形成されている。
【0104】
以上説明したエアコンプレッサ160によれば、第3実施形態のエアコンプレッサ60と同様の作用効果、及び第5実施形態のエアコンプレッサ80と同様の作用効果が奏される。例えば、ドレンコック31を開く操作のみで、タンク3から排出される排出エアが、フィルタ14aと、機構ケース11周りの粉塵堆積部のうち特に軸受22の周りに向かって吹き出される。従って、特段の作業を増やすことなくフィルタ14aや軸受22の周り等の粉塵堆積部に堆積した粉塵を取り除くことができる。
【0105】
次に、本発明の第14実施形態を図50~52に基づいて説明する。第14実施形態のエアコンプレッサ170は、第3実施形態のエアコンプレッサ60の配管61に代えて、配管171と第1分岐配管172と第2分岐配管173を備えている。
【0106】
図50に示すように、配管171は、一端の導入口171aが消音室36の後端から消音室36内に導入されている。配管171は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。消音室36の後端から延びる配管171は、後側のベース2に沿って上方に延びている。配管171には、タンク3の上端と略同じ高さにおいて、分岐部171bが設けられている。配管171は、分岐部171bにおいて、第1分岐配管172と第2分岐配管173とに分岐されている。第1分岐配管172は、例えば金属製のパイプであり、比較的剛性が高い。第2分岐配管173は、例えばゴム製のパイプであり、比較的弾性が高い。
【0107】
図50~52に示すように、第1分岐配管172は、第4実施形態の配管71と同様に配設されており、配管71と同様に、吹出部172aと吹出口172bを有している。すなわち、吹出部172aは、フィルタ14aの下端面近傍において、フィルタ14aの外縁の略半周に沿って略C字形状に配設されている。吹出部172aには、吹出部172aの延在方向に沿って、複数の吹出口172bが略等間隔で開口している。吹出口172bは、フィルタ14aの配置される上方かつフィルタ14aの内側方向を向いて、フィルタ14aに対して斜めに開口している。
【0108】
図50~52に示すように、第2分岐配管173は、第6実施形態の配管91と同様に配設されており、配管91と同様に、吹出部173aと吹出口173bを有している。すなわち、吹出部173aは、軸受22の上方において、前後方向についてコンプレッサ本体10をカバーするように延びて配設されている。吹出部173aの前端は、排出エアが流れ出ないように封止されている。吹出部173aの下側には、吹出部173aの延在方向に沿って、複数の吹出口173bが略等間隔で開口している。吹出口173bは、概ね下向きに開口している。吹出口173bは、軸受22の上方に少なくとも1つ以上形成されている。
【0109】
以上説明したエアコンプレッサ170によれば、第4実施形態のエアコンプレッサ70と同様の作用効果、及び第5実施形態のエアコンプレッサ80と同様の作用効果が奏される。例えば、ドレンコック31を開く操作のみで、タンク3から排出される排出エアが、フィルタ14aと、機構ケース11周りの粉塵堆積部のうち特に軸受22の周りに向かって吹き出される。従って、特段の作業を増やすことなくフィルタ14aや軸受22の周り等の粉塵堆積部に堆積した粉塵を取り除くことができる。
【0110】
以上説明した第1~第14実施形態の各エアコンプレッサには様々な変更を加えることができる。例えば、電動モータ21に代えて、燃料が供給されることで駆動する内燃機関を動力機関として備える構成としてもよい。アウタロータ形のブラシレスモータである電動モータ21を例示したが、例えば電動モータがインナロータ形等の他の形式である場合にも適用することができる。2本のタンク3を有するエアコンプレッサを例示したが、タンクの本数は1本でもよく3本以上でもよい。
【0111】
バッファ38としてステンレス製のウール状繊維部材(スチールウール)を例示したが、例えば、錆びにくい他の金属材料あるいはガラス繊維等の非金属材料を用いたウール状繊維部材であってもよい。あるいは、バッファ38として、例えば複数の小さな金属球を焼結させて形成される微細な隙間の多い部材を採用してもよい。ドレン水と排出エアとを分離する中間部を、バッファ38と消音室36を備えた消音機構35に代えて、配管の導入口前方あるいは配管の途中にいわゆるラビリンス構造を設ける構成としてもよい。あるいは、中間部として、例えば消音機構35とラビリンス構造とを並設してもよい。
【0112】
機構ケース11に対して送風の上流側(右側)に吸気部13を設ける場合と、機構ケース11の下部に吸気部14を設ける場合を例示したが、例えば機構ケース11の前側や後側に吸気部を設け、当該吸気部に配管を延ばして吹出口から排出エアが吹き出る構成であってもよい。第7~第14実施形態では配管が2つに分岐する構成を例示したが、例えば3箇所以上の粉塵堆積部の近くに吹出口を配設するために配管が3つ以上に分岐する構成であってもよい。図5に示す吹出部41bや、図14に示す吹出部61bに代えて、例えば図22に示すシャワーヘッド状の吹出部81bのように複数の吹出口を有する吹出部を備え、フィルタに排出エアを吹きかける構成としてもよい。図23に示す配管81がゴム製のパイプである場合を例示したが、例えば導入口81aが設けられる配管81の下部を金属で設け、留め具5bに保持される配管81の上部をゴムで設け、互いに連結させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0113】
1…エアコンプレッサ(第1実施形態)
2…ベース
3…タンク
4…支持脚部
5…機構カバー、5a…通気孔、5b…留め具
6…補助板
10…コンプレッサ本体
11…機構ケース
12…シリンダ、12a…ピストン上室
13…吸気部(粉塵堆積部)、13a…フィルタ
14…吸気部(粉塵堆積部)、14a…フィルタ
20…圧縮機構
21…電動モータ(動力機関)、21a…出力軸
21b…固定子、21c…コイル、21d…回転子
22…軸受(粉塵堆積部)
23…ピストン
23a…クランクロッド、23b…クランク円板
24…上流側ファン
25…下流側ファン
26…通気管
27…軸受
30…ドレン排出部
31…ドレンコック
32…排出管、32a…排出口
35…消音機構(中間部)
36…消音室
37…下部カバー
38…バッファ
41…配管、41a…導入口、41b…吹出部、41c…吹出口
50…エアコンプレッサ(第2実施形態)
51…配管、51a…導入口、51b…吹出部、51c…吹出口
60…エアコンプレッサ(第3実施形態)
61…配管、61a…導入口、61b…吹出部、61c…吹出口
70…エアコンプレッサ(第4実施形態)
71…配管、71a…導入口、71b…吹出部、71c…吹出口
80…エアコンプレッサ(第5実施形態)
81…配管、81a…導入口、81b…吹出部、81c…吹出口
90…エアコンプレッサ(第6実施形態)
91…配管、91a…導入口、91b…吹出部、91c…吹出口
100…エアコンプレッサ(第7実施形態)
101…配管、101a…導入口、101b…分岐部
102…第1分岐配管、102a…吹出部、102b…吹出口
103…第2分岐配管、103a…吹出部、103b…吹出口
110…エアコンプレッサ(第8実施形態)
111…配管、111a…導入口、111b…分岐部
112…第1分岐配管、112a…吹出部、112b…吹出口
113…第2分岐配管、113a…吹出部、113b…吹出口
120…エアコンプレッサ(第9実施形態)
121…配管、121a…導入口、121b…分岐部
122…第1分岐配管、122a…吹出部、122b…吹出口
123…第2分岐配管、123a…吹出部、123b…吹出口
130…エアコンプレッサ(第10実施形態)
131…配管、131a…導入口、131b…分岐部
132…第1分岐配管、132a…吹出部、132b…吹出口
133…第2分岐配管、133a…吹出部、133b…吹出口
140…エアコンプレッサ(第11実施形態)
141…配管、141a…導入口、141b…分岐部
142…第1分岐配管、142a…吹出部、142b…吹出口
143…第2分岐配管、143a…吹出部、143b…吹出口
150…エアコンプレッサ(第12実施形態)
151…配管、151a…導入口、151b…分岐部
152…第1分岐配管、152a…吹出部、152b…吹出口
153…第2分岐配管、153a…吹出部、153b…吹出口
160…エアコンプレッサ(第13実施形態)
161…配管、161a…導入口、161b…分岐部
162…第1分岐配管、162a…吹出部、162b…吹出口
163…第2分岐配管、163a…吹出部、163b…吹出口
170…エアコンプレッサ(第14実施形態)
171…配管、171a…導入口、171b…分岐部
172…第1分岐配管、172a…吹出部、172b…吹出口
173…第2分岐配管、173a…吹出部、173b…吹出口
F…設置面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図30
図31
図32
図33
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図40
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図50
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図52