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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】薬液合成装置及び薬液合成方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 8/06 20060101AFI20221114BHJP
   B01J 4/00 20060101ALI20221114BHJP
   B01J 4/02 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
B01J8/06
B01J4/00 103
B01J4/02 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018234516
(22)【出願日】2018-12-14
(65)【公開番号】P2020093236
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(72)【発明者】
【氏名】井中 千草
(72)【発明者】
【氏名】津田 雄一郎
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-258737(JP,A)
【文献】特開2004-283083(JP,A)
【文献】特開2005-318834(JP,A)
【文献】国際公開第2009/041579(WO,A1)
【文献】特開平07-035598(JP,A)
【文献】米国特許第04271007(US,A)
【文献】特開2013-202509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 8/00- 8/46、
4/00- 7-02、
10/00-12/02、
14/00-19/32
C12M 1/00- 3/10
B01F 21/00-25/90、
35/00-35/95z
C07B 31/00-61/00、
63/00-63/04
C07C 1/00-409/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填された担体と送液された薬液とを反応させる反応容器と、
前記反応容器に接続され、前記反応容器への薬液供給を主とする第1配管と、
前記反応容器に接続されるとともに前記第1配管から見て送液方向下流側に配置される第2配管と、
前記第1配管を通じて前記反応容器に薬液を送液する順送液手段と、
前記第2配管を通じて前記反応容器にガスを供給することにより、前記反応容器に収容された薬液を前記第1配管側に戻すガス供給手段と、
前記供給された薬液を攪拌させる攪拌制御手段と、
を備え、
前記攪拌制御手段は、前記順送液手段と、前記ガス供給手段とを制御することにより、前記第1配管、前記反応容器、及び、前記第2配管で形成される送液経路内で、
前記薬液の液面位置を複数回変位させることにより前記反応容器内の薬液を攪拌させ
前記攪拌制御手段は、前記薬液の液面位置を前記反応容器内の所定位置で複数回変位させる局所攪拌機能を有しており、この局所攪拌機能は、前記反応容器内で薬液の液面位置を細かく変位させ、前記反応容器内の選択された位置で局所的に集中的に攪拌させること
を特徴とする薬液合成装置。
【請求項2】
前記攪拌制御手段は、前記薬液の液面位置を前記反応容器内の所定位置で複数回変位させる局所攪拌機能を有しており、この局所攪拌機能は、前記反応容器内の異なる位置で複数回実行されることを特徴とする請求項1に記載の薬液合成装置。
【請求項3】
前記攪拌制御手段は、前記薬液の液面位置を複数回変位させる際に、前記薬液の液面位置を前記第1配管又は前記第2配管に位置させることを含む制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の薬液合成装置。
【請求項4】
前記攪拌制御手段は、前記第1配管に設けられる供給側バルブと、前記第2配管に設けられる排液側バルブとを有しており、前記薬液の液面位置の停止には、前記供給側バルブと前記排液側バルブとを同時に閉じる制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の薬液合成装置。
【請求項5】
充填された担体が収容された反応容器に第1配管を通じて薬液を供給することにより前記反応容器内で薬液と担体とを反応させ、反応後の薬液を第2配管を通じて排出させる薬液合成方法であって、
前記第1配管を通じて薬液を供給することにより前記反応容器を経て第2配管側に送液させる順流工程と、
前記順流工程の送液を停止させる順流停止工程と、
前記第2配管を通じてガスを供給することにより前記順流工程とは逆方向に薬液を逆流させる逆流工程と、
前記逆流工程の送液を停止させる逆流停止工程と、
を有しており、
前記順流工程、前記順流停止工程、前記逆流工程、前記逆流停止工程を繰り返す攪拌工程をさらに有しており、
前記攪拌工程は、前記薬液の液面が前記反応容器の所定位置に位置する状態で行う局所攪拌工程を含んでおり、この局所攪拌工程は、前記反応容器内で薬液の液面位置を細かく変位させ、前記反応容器内の選択された位置で局所的に集中的に攪拌させること
を特徴とする薬液合成方法。
【請求項6】
前記攪拌工程は、前記薬液の液面が前記反応容器の所定位置に位置する状態で行う局所攪拌工程を含んでおり、この局所攪拌工程は、前記反応容器内の異なる位置で複数回行われることを特徴とする請求項5に記載の薬液合成方法。
【請求項7】
前記攪拌工程は、前記薬液の液面が前記第1配管又は前記第2配管に位置させて行われることを特徴とする請求項5又は6に記載の薬液合成方法。
【請求項8】
前記第1配管には供給側バルブが設けられており、前記第2配管には排液側バルブが設けられており、前記順流停止工程、及び、前記逆流停止工程では、前記供給側バルブと排液側バルブを同時に閉じることにより、薬液の送液が停止されることを特徴とする請求項5又は6に記載の薬液合成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液を合成させる際に攪拌を伴う薬液合成装置及び薬液合成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タンパク質、ペプチド、ポリマー、核酸等を化学合成する薬液合成装置では、複数の薬液(試薬)を反応容器に供給し化学合成が行われる。例えば、核酸を合成する場合には、反応容器内に担体(多孔質のビーズ。以下、ビーズという)を多数設け、この反応容器に薬液を順次供給しながら、脱トリチル化、カップリング、酸化、キャッピング等の処理を繰り返し行ってビーズに塩基を次々に結合させる。
【0003】
一般的な薬液合成装置としては、例えば、図8に示すように、薬液が供給される反応容器100と、この反応容器100に供給する薬液を貯留する薬液タンク101と、反応容器100から排出された排液を貯留する排液タンク102とを備えており、それぞれ薬液タンク101と反応容器100とが第1配管103で連結され、排液タンク102と反応容器100とが第2配管105で連結されている。そして、薬液タンク101から第1配管103を通じて反応容器100に薬液が供給されることにより反応容器100内で薬液との化学合成が行われ、合成後の薬液は第2配管105を通じて最終的に排液タンク102に排出される。
【0004】
このような薬液合成装置では、反応容器100への薬液の供給、および、反応容器100からの薬液の排出は、薬液タンク101を加圧する送液手段104により行われる。すなわち、送液手段104は、ガスが充填されているガスタンク104aを有しており、薬液タンク101にガスを供給することにより薬液タンク101内が加圧され薬液が反応容器100に供給される。そして、反応容器100に供給された薬液は、反応容器100内のビーズと化学合成が行われ、反応後の薬液、及び、余剰の薬液は、送液手段104により薬液タンク101が加圧されることにより排液タンク102に排出されるようになっている。
【0005】
また、反応容器100には、循環回路が設けられている。すなわち、薬液の一度の供給では、薬液と反応容器内のビーズ全体とが十分に反応しきれない場合があり、また、薬液の中には、ビーズとの反応に多大な時間を要するものが存在しているため、十分な化学合成が行われないまま、薬液が排液タンク102に排液される場合がある。この問題を回避するため、同じ薬液を再度、循環回路を通じて反応容器100に供給し、薬液とビーズとの攪拌効果を生じさせるようになっている。図8の例では、循環回路は、第2配管105から第1配管103に連通するように循環配管106が設けられており、第2配管105のバルブ107と第1配管103のバルブ108を閉じた状態で循環配管のポンプ109を駆動させることにより、反応容器100から排出された薬液が循環配管106を通じて再度反応容器100に供給することができる。
これにより、薬液をビーズ全体に供給させて、薬液の反応時間を確保することにより、ビーズと薬液を十分に反応させることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】WO2010/038613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記薬液合成装置では、反応容器内で攪拌を循環回路を利用して行うために、装置全体が大型化、コストアップしてしまうという問題があった。すなわち、一度第2配管105に排出される薬液を再度、反応容器100に戻す循環配管106が必要となるため、循環回路専用の循環配管106、ポンプ109が別途必要になる。また、循環回路以外にも反応容器100を振動させて攪拌させたり、反応容器100内に攪拌器を設けることも考えられるが、いずれも、別途装置、器具を設ける必要があり、いずれにしても装置構成の複雑化、装置全体の高コスト化を招くという問題があった。
【0008】
また、上記循環回路では、薬液を循環させるために、循環配管内を薬液で満たす必要があるため、ビーズとの反応に必要な薬液量以上の薬液を供給する必要があり、薬液が無駄に必要になるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、装置構成の複雑化、高コスト化を回避しつつ、薬液の反応効率を高めることができる薬液合成装置及び薬液合成方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明の薬液合成装置は、充填された担体と送液された薬液とを反応させる反応容器と、前記反応容器に接続され、前記反応容器への薬液供給を主とする第1配管と、前記反応容器に接続されるとともに前記第1配管から見て送液方向下流側に配置される第2配管と、前記第1配管を通じて前記反応容器に薬液を送液する順送液手段と、前記第2配管を通じて前記反応容器にガスを供給することにより、前記反応容器に収容された薬液を前記第1配管側に戻すガス供給手段と、前記供給された薬液を攪拌させる攪拌制御手段と、を備え、前記攪拌制御手段は、前記順送液手段と、前記ガス供給手段とを制御することにより、前記第1配管、前記反応容器、及び、前記第2配管で形成される送液経路内で、前記薬液の液面位置を複数回変位させることにより前記反応容器内の薬液を攪拌させ、前記攪拌制御手段は、前記薬液の液面位置を前記反応容器内の所定位置で複数回変位させる局所攪拌機能を有しており、この局所攪拌機能は、前記反応容器内で薬液の液面位置を細かく変位させ、前記反応容器内の選択された位置で局所的に集中的に攪拌させることを特徴としている。
【0011】
上記薬液合成装置によれば、攪拌制御手段により、反応容器に供給された薬液の液面位置を第1配管、前記反応容器、及び、前記第2配管で形成される送液経路内で変位させることにより、反応容器の薬液に攪拌効果を発揮させることができ、薬液と反応容器内の担体(ビーズ)との反応効率を向上させることができる。また、薬液の液面は、反応容器に接続される第1配管、第2配管、及び、反応容器内で変位させるため、従来の循環回路を設けるような別途装置、器具を設ける必要がなく、本来の薬液合成装置の薬液経路を利用して薬液を攪拌させることができるため、装置構成の複雑化、装置全体の高コスト化の問題を回避することができる。また、攪拌するために必要以上の薬液も必要なく、化学合成反応に必要な薬液のみを供給し、その液面を変位させるだけでよいため、薬液が無駄に消費される問題も回避することができる。そして、局所攪拌機能により、薬液と反応容器内のビーズとを局所的に集中的に衝突させて攪拌することができるため、攪拌効率を向上させることができる。

【0014】
また、前記攪拌制御手段は、前記薬液の液面位置を前記反応容器内の所定位置で複数回変位させる局所攪拌機能を有しており、この局所攪拌機能は、前記反応容器内の異なる位置で複数回実行される構成にしてもよい。
【0015】
この構成によれば、局所攪拌機能により、薬液と反応容器内のビーズとを集中的に衝突させて攪拌することができるため、攪拌効率を向上させることができる。また、反応容器内の異なる位置で複数回実行させることにより、反応容器内の攪拌効率が悪い部分であっても薬液を行き渡らせて攪拌させることができ、反応容器内のビーズ全体を均一に反応させることができる。
【0016】
また、前記攪拌制御手段は、前記薬液の液面位置を複数回変位させる際に、前記薬液の液面位置を前記第1配管又は前記第2配管に位置させることを含む制御を行う構成にしてもよい。
【0017】
この構成によれば、薬液の液面を大きく変位させるため、供給された薬液全体とビーズとを攪拌させて、薬液全体を反応させることができる。
【0018】
また、前記攪拌制御手段は、前記第1配管に設けられる供給側バルブと、前記第2配管に設けられる排液側バルブとを有しており、前記薬液の液面位置の停止には、前記供給側バルブと前記排液側バルブとを同時に閉じる制御を行う構成にしてもよい。
【0019】
この構成によれば、薬液の液面を瞬時に停止させることができるため、送液から停止、停止から送液という液面位置の変化が急速になり、薬液の液面とビーズとの衝突による攪拌効果を向上させることができる。
【0020】
また、上記課題を解決するために本発明の薬液合成方法は、充填された担体が収容された反応容器に第1配管を通じて薬液を供給することにより前記反応容器内で薬液と担体とを反応させ、反応後の薬液を第2配管を通じて排出させる薬液合成方法であって、前記第1配管を通じて薬液を供給することにより前記反応容器を経て第2配管側に送液させる順流工程と、前記順流工程の送液を停止させる順流停止工程と、前記第2配管を通じてガスを供給することにより前記順流工程とは逆方向に薬液を逆流させる逆流工程と、前記逆流工程の送液を停止させる逆流停止工程と、を有しており、前記順流工程、前記順流停止工程、前記逆流工程、前記逆流停止工程を繰り返す攪拌工程をさらに有しており、前記攪拌工程は、前記薬液の液面が前記反応容器の所定位置に位置する状態で行う局所攪拌工程を含んでおり、この局所攪拌工程は、前記反応容器内で薬液の液面位置を細かく変位させ、前記反応容器内の選択された位置で局所的に集中的に攪拌させることを特徴としている。
【0021】
上記薬液合成方法によれば、前記順流工程、前記順流停止工程、前記逆流工程、前記逆流停止工程を繰り返す攪拌工程を有することにより、送液経路内で薬液の液面を変位させ、反応容器の薬液に攪拌効果を発揮させることができる。したがって、薬液と反応容器内の担体(ビーズ)との反応効率を向上させることができる。そして、供給された薬液の送液を停止し、送液方向を逆転させればよいため、従来の循環回路を設けるような別途装置、器具を設ける必要がなく、本来の薬液合成装置の薬液経路を利用して薬液を攪拌させることができるため、装置構成の複雑化、装置全体の高コスト化の問題を回避することができる。また、攪拌するために必要以上の薬液も必要なく、化学合成反応に必要な薬液のみを供給し、その液面を変位させるだけでよいため、薬液が無駄に消費される問題も回避することができる。そして、局所攪拌工程により、薬液と反応容器内のビーズとを局所的に集中的に衝突させて攪拌することができるため、攪拌効率を向上させることができる。
【0023】
また、前記攪拌工程は、前記薬液の液面が前記反応容器の所定位置に位置する状態で行う局所攪拌工程を含んでおり、この局所攪拌工程は、前記反応容器内の異なる位置で複数回行われる構成にしてもよい。

【0024】
この構成によれば、局所攪拌工程により、薬液と反応容器内のビーズとを集中的に衝突させて攪拌することができるため、攪拌効率を向上させることができる。また、リアクタ内の異なる位置で複数回実行させることにより、反応容器内の攪拌効率が悪い部分であっても薬液を行き渡らせて攪拌させることができ、反応容器内のビーズ全体を均一に反応させることができる。
【0025】
また、前記攪拌工程は、前記薬液の液面が前記第1配管又は前記第2配管に位置させて行われる構成にしてもよい。
【0026】
この構成によれば、薬液の液面を大きく変位させるため、供給された薬液全体とビーズとを攪拌させて、薬液全体を反応させることができる。
【0027】
また、前記第1配管には供給側バルブが設けられており、前記第2配管には排液側バルブが設けられており、前記順流停止工程、及び、前記逆流停止工程では、前記供給側バルブと排液側バルブを同時に閉じることにより、薬液の送液が停止される構成にしてもよい。
【0028】
この構成によれば、薬液の液面を瞬時に停止させることができるため、送液から停止、停止から送液という液面位置の変化にメリハリがつき、薬液の液面とビーズとの衝突による攪拌効果を向上させることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の薬液合成装置及び薬液合成方法によれば、装置構成の複雑化、高コスト化を回避しつつ、薬液の反応効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の薬液合成装置の概略的な配管経路図である。
図2】上記薬液合成装置の反応容器付近の拡大図である。
図3】薬液の液面位置とバルブの開閉状態を示す図であり、(a)は順流工程を示す図であり、(b)は順流停止工程を示す図である。
図4】薬液の液面位置とバルブの開閉状態を示す図であり、(a)は逆流工程を示す図であり、(b)は逆流停止工程を示す図である。
図5】局所攪拌工程における薬液の液面位置とバルブの開閉状態を示す図であり、(a)は順流工程を示す図であり、(b)は順流停止工程を示す図である。
図6】局所攪拌工程における薬液の液面位置とバルブの開閉状態を示す図であり、(a)は逆流工程を示す図であり、(b)は逆流停止工程を示す図である。
図7】局所攪拌工程における反応容器の液面位置の変化を示す図である。
図8】従来の薬液合成装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の薬液合成装置及び薬液合成方法に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態における薬液合成装置を示す配管経路図である。なお、本実施形態では、流体として薬液(試薬)が用いられる例を説明するが、本発明は薬液に限定されるものではなく、薬液以外の液体を化学合成、混合等行う場合にも適用することができる。
【0033】
図1に示すように、薬液合成装置は、薬液が貯留される薬液タンク1と、担体(多孔質のビーズ。以下、ビーズともいう。)を収容した反応容器2と、この反応容器2から排出された廃液を貯留する排液タンク11と、を備えており、それぞれ配管4で連結されている。そして、薬液タンク1から反応容器2に薬液が供給されると反応容器2でビーズと薬液が接触することにより化学合成され、化学合成後の薬液が排液タンク11に排出される。例えば、核酸を合成する場合には、反応容器2内に多孔質のビーズが多数含まれており、この反応容器2に薬液を順次供給しながら、脱トリチル化、カップリング、酸化、キャッピング等の処理を繰り返し行ってビーズに塩基を次々に結合させる。
【0034】
薬液タンク1は、化学合成で用いる試薬を貯留するためのものである。図1の例では、3つの薬液タンク1を図示しているが、実際には複数の薬液タンク1が設けられており、それぞれの薬液タンク1が第1配管44で反応容器2と連結されている。図1の例では、各薬液タンク1には、反応容器2への薬液供給を主とする第1配管44が接続されており、これらが途中で集合され1本の第1配管44となって反応容器2に接続されている。
【0035】
薬液タンク1には、圧力調整手段6が接続されており、この圧力調整手段6により薬液タンク1の薬液が送液されるように構成されている。圧力調整手段6は、ガスが充填されているガスタンク61と、このガスタンク61と薬液タンク1とを連結するガス配管41とを有しており、このガス配管41を通じてガスタンク61のガスを薬液タンク1に供給することができる。すなわち、ガスタンク61のガスが供給されることにより、薬液タンク1の圧力がガスタンク61の圧力に調節され、薬液タンク1内の薬液が反応容器2に送液される。そして、ガスタンク61の圧力を調節することにより、薬液タンク1から送液される薬液の流量を調節することができる。すなわち、薬液タンク1の圧力と反応容器2との差圧を大きくすると、薬液タンク1から送液される薬液の送液速度が大きくなって薬液量を大きくすることができ、薬液タンク1の圧力と反応容器2との差圧を小さくすると、薬液タンク1から送液される薬液の送液速度が小さくなって薬液量を抑えることができる。
【0036】
また、第1配管44、ガス配管41には、バルブ51が設けられている。すなわち、各薬液タンク1に接続される第1配管44、及び、ガス配管41にそれぞれバルブ51が設けられ、1本化された第1配管44には、反応容器2に近い供給側バルブ52と、薬液タンク1に近い上流供給側バルブ53とが設けられている。すなわち、供給対象として選択された薬液タンク1のバルブ51、及び、供給側バルブ52、上流供給側バルブ53を開状態にした状態で、圧力調整手段6のガスタンク61からガスを供給して薬液タンク1を加圧することにより薬液タンク1の圧力が反応容器2の圧力よりも大きくなるように制御され、選択された薬液タンク1の薬液が第1配管44を通じて反応容器2に送液される。また、後述するように、反応容器2から薬液タンク1側に逆流させる場合には、薬液タンク1よりも反応容器2の圧力が大きくなるように制御され、反応容器2に供給された薬液を戻すことができる。このように、圧力調整手段6は、薬液タンク1と反応容器2との差圧を調節することができ、薬液の送液方向を制御することができる。
【0037】
本実施形態では、圧力調節手段6は、ガスタンク61の圧力を調節することにより差圧を調節するが、ガスタンク61と、反応容器2及び薬液タンク1それぞれに接続される配管にレギュレータとバルブを設けることにより、薬液タンク1と反応容器2の圧力を制御し、薬液タンク1と反応容器2との差圧を調整できるように構成してもよい。なお、このガスタンク61のガスは、薬液タンク1の薬液と反応しないガス(例えばアルゴンガス等)が用いられている。
【0038】
また、反応容器2は、反応容器2内に含むビーズと供給された薬液等を接触させて化学合成させる反応場を提供するものである。反応容器2は、一方向に延びるガラス製の円筒管が使用されており、反応容器2内にはビーズが収容されている。また、この反応容器2の両端部には、配管4が接続可能なポート21が設けられており、それぞれのポート21に第1配管44、第2配管45が接続されている。本実施形態では、反応容器2の下方に第1配管44が接続され、上方に第2配管45が接続されている。すなわち、第1配管44、反応容器2、第2配管45により送液経路が形成されており、圧力調整手段6により選択された薬液タンク1が加圧されると、薬液タンク1から薬液が送液され、第1配管44、ポート21を通じて反応容器2内に薬液が導入される。そして、反応容器2内で薬液とビーズとが化学合成し、反応後の薬液は送液方向下流側に配置される第2配管45を通じて排液タンク11に排液されるようになっている。なお、本実施形態では、薬液タンク1から反応容器2、ひいては排液タンク11に送液する方向を順送液方向と呼び、圧力調整手段6が本発明の順送液手段として機能する。
【0039】
そして、本実施形態のように、反応容器2の下側から薬液が導入される方式をとることにより、反応容器2全体に薬液を行きわたらせることができ、薬液を反応容器2内のビーズと無駄なく化学合成させることができる。すなわち、下方の第1配管44から反応容器2に導入された薬液は、重力の影響を受けるため、径方向に広がりつつ反応容器2内に貯留され、反応容器2に収容されたビーズ全体と化学合成が開始される。仮に、上方から導入された場合には、重力の影響により、ポート21直後の薬液がそのまま下方のポート21に進んでしまうため、径方向に広がりにくい。そのため、上方から導入された薬液は、ポート21直下の軸方向に存在するビーズと化学合成が進むものの、径方向に離れたところに位置するビーズとは反応しにくく、局所的に未反応のビーズが残ってしまう場合もある。したがって、本実施形態のように薬液を下方から導入する方式の方が、反応容器2内のビーズと薬液とを無駄なく反応させることができる。
【0040】
また、反応容器2の下流側(流出側)には、反応容器2で反応完了後に排液された薬液等を貯留する排液タンク11が設けられている。排液タンク11は、反応容器2に比べて容量が大きく形成されており、反応容器2から複数回排出された場合でも貯留できる容量に形成されている。
【0041】
また、排液タンク11は、反応容器2と第2配管45で連結されており、反応容器2から排出された排液が上方から連結される第2配管45を通じて排液タンク11に送液されるようになっている。具体的には、第2配管45には、排液側バルブ55と、下流排液側バルブ56とが設けられており、これら排液側バルブ55と下流排液側バルブ56を開状態にして、圧力調整手段6のガスタンク61からガスを供給して加圧することにより、第2配管45を通じて薬液を排液タンク11に排液することができる。すなわち、圧力調整手段6により、反応容器2内の薬液が順送液方向に送液されて排液される。
【0042】
また、第2配管45は、上述のように主に反応容器2の薬液を排液する配管として使用されるが、反応容器2にガスを供給する配管としても使用される。すなわち、第2配管45には、圧力調整手段6のガスタンク61とガス供給配管47と連結されており、ガス供給配管47にはガスバルブ57が設けられている。一方、第1配管44には、第2配管45に対して排液タンク11の付近とバイパスライン48で連結されており、バイパスライン48には、バイパスバルブ58が設けられている。これにより、反応容器2内の薬液をバイパスライン48を通じて素早く排液タンク11に排液させることができる。
【0043】
すなわち、ガスバルブ57、排液側バルブ55が開状態、下流排液側バルブ56が閉状態、かつ、供給側バルブ52,バイパスバルブ58が開状態、上流供給側バルブ53が閉状態で、圧力調整手段6のガスタンク61からガスを供給することにより、ガス供給配管47及び第2配管45を通じて反応容器2にガスが導入される。そして、反応容器2にガスが導入されると、反応容器2の薬液がガスで加圧されることにより薬液が第1配管44側に押し戻され、第1配管44からバイパスライン48を通じて排液タンク11に排出される。このように、反応容器2の重力方向上側からガスが導入されることにより、薬液が自身の自重と加圧される圧力により効率よく反応容器2から押し出される。これにより、反応容器2の薬液を素早く排液させることが可能になっている。なお、本実施形態では、圧力調整手段6は、反応容器2から第1配管44側に薬液を戻すガス供給手段としても機能する。
【0044】
反応容器2及び、その付近の第1配管44及び第2配管45には、薬液の通過を検知するセンサPが設けられている。図2に示すように、第1配管44、反応容器2、及び、第2配管45にそれぞれ、センサP1、センサP2、センサP3設けられている。本実施形態では、気液センサが用いられており、センサ領域が気体から液体、又は、液体から気体というようにセンサ領域の状態が変化することにより反応するようになっている。そのため、反応容器2の上流側の第1配管44に設けられたセンサP1は、薬液タンク1から薬液が送液された場合に、第1配管44のセンサ領域を薬液が通過し第1配管44内が空の状態(気体)から液体に変化することにより反応する。また、反応容器2内の薬液が、バイパスライン48を通じて排液される場合に、薬液の排液が通過する際に気体から液体に変化する際と、排液が完了しセンサ領域が液体からエアに変化する際に反応し、排液の開始と完了を検知できるようになっている。同様に、反応容器2の下流側の第2配管45に設けられたセンサP3は、反応容器2から排液される薬液が通過する際と、排液が完了した際に検知できるようになっている。なお、センサP1~P3については、特に区別する必要がない場合は、単にセンサPと呼ぶ。
【0045】
また、反応容器2内のセンサP2は、図2の例では、6カ所設けられており、小さな間隔を有する2つのセンサが上流側(センサP21、センサP22)、中央付近(センサP23、センサP24)、下流側(センサP25、センサP26)に配置されている。これらのセンサP2も、上記同様に、反応容器2内が、気体から液体、液体から気体に変化した場合に反応するようになっており、反応容器2内の薬液の液面が各センサ位置に位置しているか否かを検知できるようになっている。
【0046】
また、薬液合成装置には、図示しない制御装置が設けられており、予め記憶されたプログラムに従って一連の薬液合成動作を実行すべく、圧力調整手段6、各バルブ51~58等の各駆動装置を駆動制御できるようになっている。
【0047】
この制御装置は、圧力調整手段6及び各バルブ51~58を制御することにより、攪拌制御手段としての機能を有している。攪拌制御手段は、本実施形態では、圧力調整手段6、各バルブ51~58、センサPにより形成されている。この攪拌制御手段は、送液経路内で薬液を攪拌させる機能であり、反応容器2に供給された薬液の液面を送液経路内で変位させることにより、反応容器2内の薬液を攪拌させるものである。
【0048】
例えば、反応容器2に供給された薬液の液面を第2配管45に位置させた後、薬液を順送液方向とは逆方向の逆流方向に押し戻し、薬液の液面を第1配管44に位置させる。これを繰り返すことにより、薬液を攪拌することができる。ここで、図3図4は、薬液の液面位置とバルブの開閉状態を示す図であり、丸印のバルブのうち、黒色が閉状態、白色が開状態を示している。
【0049】
具体的には、図3(a)に示すように、反応容器2に薬液が供給された状態で、制御装置は、排液側バルブ55と下流排液側バルブ56を開き、圧力調整手段6(順送液手段)を作動させて薬液を第2配管45(順送液方向)に送液する(順流工程)。第2配管45には薬液が送液されることによりセンサP3のセンサ領域が気体から液体に変化することにより、薬液の液面がセンサP3の位置に到達したことが検知される。制御装置は、センサP3の信号を受信すると、図3(b)に示すように、排液側バルブ55と供給側バルブ52を閉状態にして、薬液の送液を停止させる(順流停止工程)。
【0050】
次に、制御装置は、図4(a)に示すように、下流排液側バルブ56を閉じ、排液側バルブ55、ガスバルブ57、供給側バルブ52、及び上流供給側バルブを開状態にすることにより、薬液を順送液方向とは逆方向に逆流させる(逆流工程)。具体的には、圧力調整手段6を作動させてエアをガス供給配管から供給し、液面がセンサP3に到達した薬液を逆流方向に押し戻す。そして、薬液を第2配管45から反応容器2、さらには第1配管まで押し戻し、センサP1のセンサ領域が液体から気体に変化することにより、薬液の液面がセンサP1の位置に到達したことが検知される。制御装置は、センサP1の信号を受信すると、図4(b)に示すように、供給側バルブ52及び排液側バルブ55を閉状態にすることにより、逆流する薬液を停止させる(逆流停止工程)。このように、順流工程、順流停止工程、逆流工程、逆流停止工程を行うことにより、薬液が反応容器2を往復するため、反応容器2内のビーズと薬液とが攪拌され、化学合成反応を促進させることができる。そして、これら順流工程、順流停止工程、逆流工程、逆流停止工程を繰り返す攪拌工程が行われることにより、反応容器2内の薬液がさらに攪拌されるとともに、薬液を反応容器2内全体に行き渡らせて攪拌させることができ、反応容器2内のビーズ全体を均一に反応させることができる。
【0051】
また、攪拌制御手段は、局所攪拌機能を有している。この局所攪拌機能は、薬液の液面位置を前記反応容器2内の所定位置で複数回変位させるものであり、薬液と反応容器2内のビーズとを集中的に衝突させて攪拌することができるため、攪拌効率を向上させるものである。
【0052】
例えば、図5図6は、センサP21、センサP22の位置で局所攪拌工程が行われる場合を示す図である。まず、図5(a)に示すように、上記同様、順送液工程が行われ、排液側バルブ55と下流排液側バルブ56を開き、圧力調整手段6を作動させて薬液を送液する。薬液の液面がセンサP22の位置に到達すると、図5(b)に示すように順流停止工程により、その位置で排液側バルブ55と供給側バルブ52を閉状態にして、薬液の送液を停止させる。次に、図6(a)に示すように逆流工程により、下流排液側バルブ56を閉じ、排液側バルブ55、ガスバルブ57、及び、供給側バルブ52を開状態にして、薬液を順送液方向とは逆方向に逆流させる。そして、液面がセンサP21に到達すると、図6(b)に示すように、逆流停止工程により供給側バルブ52及び排液側バルブ55を閉状態にして、逆流する薬液を停止させる。このように、センサP21とセンサP22の位置において、順流工程、順流停止工程、逆流工程、逆流停止工程を繰り返すことにより、薬液の液面位置を細かく変位させ、反応容器2内で薬液とビーズとを局所的に集中的に衝突させて攪拌することができる。
【0053】
そして、制御装置は、この局所攪拌工程を異なる位置で複数回行うこともでき、図7に示すように、例えば、センサP21、センサP22の位置、センサP23、センサP24の位置、センサP25、センサP26の位置の3カ所で行うことができる。これにより、選択されたそれぞれの位置で集中的に攪拌することができる。なお、図7の例では、互いに隣り合う位置のセンサ同士で局所的攪拌工程を行っているが、例えば、センサP21とセンサP23、センサP21とセンサP26というように、センサを自由に選択して局所的攪拌工程を行うように設定してもよい。このように、局所攪拌工程を反応容器2内の異なる位置で複数回実行させることにより、反応容器2内で局所的に集中的に攪拌することができるため、反応容器2内に未反応のビーズが残るのを極力抑えることができる。そして、反応容器2内で未反応のビーズが残留する部分に、局所攪拌工程の対象位置に設定すれば、効率的に未反応のビーズが残る問題を解消することができる。
【0054】
ここで、順流停止工程、逆流停止工程では、供給側バルブ52と排液側バルブ55の両方を同時に閉じて送液又は逆流を停止させている。このように両方のバルブを同時に閉じることにより、送液又は逆流の薬液の流れを瞬時に停止させることができる。すなわち、瞬時に停止させることにより、順流停止工程から逆流工程、又は、逆流停止工程から順流工程の切替時に、薬液の送液方向を急激に反転させることにより、緩やかに停止させて反転させる場合に比べて、攪拌効果を向上させることができる。なお、順流停止工程、逆流停止工程では、排液側バルブ55(逆流停止工程の場合は供給側バルブ52)のみ閉状態にすることで送液を停止させることができる。しかし、例えば、順送液工程では、圧力調整手段6により薬液が加圧されて送液されるが、順流停止工程において、排液側バルブ55のみ閉状態にすると、加圧された薬液の液面から排液側バルブ55までの区間に閉じ込められたエアが加圧され、エアの圧力と薬液の圧力とが釣り合うまで液面位置が停止せず、薬液の液面位置が順送液方向に移動する。このように、液面を瞬時に停止させることが困難になるため、両方のバルブを同時に閉じる方がより攪拌効果を得られる点で好ましい。
【0055】
このように、上記実施形態における薬液合成装置によれば、攪拌制御手段により、反応容器2に供給された薬液の液面位置を第1配管44、反応容器2、及び、第2配管45で形成される送液経路内で変位させることにより、反応容器2の薬液に攪拌効果を発揮させることができ、薬液と反応容器2内の担体(ビーズ)との反応効率を向上させることができる。また、薬液の液面は、反応容器2に接続される第1配管44、第2配管45、及び、反応容器2内で変位させるため、従来の循環回路を設けるような別途装置、器具を設ける必要がなく、本来の薬液合成装置の薬液経路を利用して薬液を攪拌させることができるため、装置構成の複雑化、装置全体の高コスト化の問題を回避することができる。また、攪拌するために必要以上の薬液も必要なく、化学合成反応に必要な薬液のみを供給し、その液面を変位させるだけでよいため、薬液が無駄に消費される問題も回避することができる。
【0056】
また、上記実施形態では、攪拌工程における液面の停止位置を第1配管44、第2配管45に設定する例について説明したが、反応容器2内に停止位置を設定したものであってもよい。すなわち、順流停止工程で第1配管44に液面を停止させた後、逆流停止工程で反応容器2内に停止し、次の順流停止工程で反応容器2内に停止し、その後の逆流停止工程で第2配管に停止させるものであってもよい。すなわち、液面の停止位置は、特に限定されることなく、任意の位置にセンサPを設置して順送液方向、逆流方向を切り替えるものであってもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、順流停止工程、逆流停止工程で、供給側バルブ52と排液側バルブ55の両方を同時に閉じて送液又は逆流を停止させる例について説明したが、液面の急激な停止を必要としない場合には、順流停止工程では排液側バルブ55のみを閉状態にし、逆流停止工程では供給側バルブ52のみを閉状態にして送液又は逆流を停止させてもよく、順流停止工程で供給側バルブ52のみを閉状態にし、逆流停止工程で排液側バルブ55のみを閉状態にして送液又は逆流を停止させるものであってもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、攪拌制御手段の液面位置の検出にセンサP1~P3を用いる例について説明したが、センサPの数をさらに増やすものであってもよい。また、上記実施形態では、攪拌制御手段は、圧力調整手段6、各バルブ51~58、センサPにより形成されている例について説明したが、センサPを用いる代わりにタイマーを用いて液面位置の検知を行うものであってもよい。すなわち、順流工程開始後、所定時間経過した後に順流停止工程を行って、逆流工程を開始し、所定時間経過した後に逆流停止工程を行うというように、順送液方向と逆方向との切替を時間で管理されるものであってもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、圧力調整手段6が順送液手段、ガス供給手段として共用する例について説明したが、それぞれ独立して設けるものであってもよい。
【符号の説明】
【0060】
2 反応容器
4 配管
6 加圧手段
44 第1配管
45 第2配管
47 ガス供給配管
48 バイパスライン
52 供給側バルブ
53 上流供給側バルブ
55 排液側バルブ
56 下流供給側バルブ
57 ガスバルブ
58 バイパスバルブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8