(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】ブラインド
(51)【国際特許分類】
E06B 9/322 20060101AFI20221114BHJP
E06B 9/42 20060101ALI20221114BHJP
E06B 9/56 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
E06B9/322
E06B9/42 Z
E06B9/56 A
(21)【出願番号】P 2018245715
(22)【出願日】2018-12-27
【審査請求日】2021-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】廣門 俊一郎
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】実公昭13-013564(JP,Y1)
【文献】特表2015-508134(JP,A)
【文献】実開昭62-047695(JP,U)
【文献】実公昭02-002491(JP,Y1)
【文献】登録実用新案第042679(JP,Z1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/24-9/388
E06B 9/56-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮蔽材と、
前記遮蔽材を開閉可能とする駆動軸と、
前記駆動軸に駆動力を伝達可能なプーリと、
前記プーリを回転操作可能な操作コードと、
を備え、
前記プーリは、前記操作コードの巻取り量が多い多巻取り部と、前記多巻取り部よりも前記操作コードの巻取り量が少ない少巻取り部とを備え、
前記多巻取り部には、前記操作コードの一端部が連結され、
前記少巻取り部には、前記操作コードの他端部が連結され、
前記多巻取り部と前記少巻取り部は、いずれか一方の巻取り部が操作コードを巻取ると、他方の巻取り部は操作コードを巻解
き、
前記多巻取り部と前記少巻取り部との間には中間ギアが介在され、いずれか一方の巻取り部の回転が前記中間ギアを介して他方の巻取り部に伝達可能であることを特徴とする、ブラインド。
【請求項2】
遮蔽材と、
前記遮蔽材を開閉可能とする駆動軸と、
前記駆動軸に駆動力を伝達可能なプーリと、
前記プーリを回転操作可能な操作コードと、
を備え、
前記プーリは、前記操作コードの巻取り量が多い多巻取り部と、前記多巻取り部よりも前記操作コードの巻取り量が少ない少巻取り部とを備え、
前記多巻取り部には、前記操作コードの一端部が連結され、
前記少巻取り部には、前記操作コードの他端部が連結され、
前記多巻取り部と前記少巻取り部は、いずれか一方の巻取り部が操作コードを巻取ると、他方の巻取り部は操作コードを巻解き、
前記多巻取り部が前記操作コードを巻取る回転方向は、前記駆動軸が前記遮蔽材を開放する回転方向であることを特徴とする
、ブラインド。
【請求項3】
遮蔽材と、
前記遮蔽材を開閉可能とする駆動軸と、
前記駆動軸に駆動力を伝達可能なプーリと、
前記プーリを回転操作可能な操作コードと、
を備え、
前記プーリは、前記操作コードの巻取り量が多い多巻取り部と、前記多巻取り部よりも前記操作コードの巻取り量が少ない少巻取り部とを備え、
前記多巻取り部には、前記操作コードの一端部が連結され、
前記少巻取り部には、前記操作コードの他端部が連結され、
前記多巻取り部と前記少巻取り部は、いずれか一方の巻取り部が操作コードを巻取ると、他方の巻取り部は操作コードを巻解き、
前記多巻取り部が前記操作コードを巻解く回転方向は、前記駆動軸が前記遮蔽材を開放する回転方向であることを特徴とする
、ブラインド。
【請求項4】
前記プーリは、前記多巻取り部を有する大径プーリと、前記少巻取り部を有する小径プーリとが、並設されることを特徴とする、請求項1~
3のいずれかに記載のブラインド。
【請求項5】
前記プーリは、前記多巻取り部から前記少巻取り部が連続的に形成されるテーパー形状としたことを特徴とする、請求項1~
3のいずれかに記載のブラインド。
【請求項6】
前記プーリの外周には螺旋状の溝が設けられたことを特徴とする、請求項
5に記載のブラインド。
【請求項7】
遮蔽材と、
前記遮蔽材を開閉可能とする駆動軸と、
前記駆動軸に駆動力を伝達可能なプーリと、
前記プーリを回転操作可能な操作コードと、
を備え、
前記プーリは、前記操作コードの巻取り量が多い多巻取り部と、前記多巻取り部よりも前記操作コードの巻取り量が少ない少巻取り部とを備え、
前記多巻取り部には、前記操作コードの一端部が連結され、
前記少巻取り部には、前記操作コードの他端部が連結され、
前記多巻取り部と前記少巻取り部は、いずれか一方の巻取り部が操作コードを巻取ると、他方の巻取り部は操作コードを巻解き、
前記多巻取り部は前記少巻取り部よりも前記プーリの径が大きいことを特徴とする
、ブラインド。
【請求項8】
遮蔽材と、
前記遮蔽材を開閉可能とする駆動軸と、
前記駆動軸に駆動力を伝達可能なプーリと、
前記プーリを回転操作可能な操作コードと、
を備え、
前記プーリは、前記操作コードの巻取り量が多い多巻取り部と、前記多巻取り部よりも前記操作コードの巻取り量が少ない少巻取り部とを備え、
前記多巻取り部には、前記操作コードの一端部が連結され、
前記少巻取り部には、前記操作コードの他端部が連結され、
前記多巻取り部と前記少巻取り部は、いずれか一方の巻取り部が操作コードを巻取ると、他方の巻取り部は操作コードを巻解き、
前記多巻取り部と前記少巻取り部は前記操作コードの巻初めの径寸法は同じであり、前記多巻取り部は前記操作コードを径方向に重ねて巻取ることにより径寸法が漸増し、前記少巻取り部は前記操作コードを軸方向に並べて巻取ることにより前記多巻取り部よりも径寸法が小さくなることを特徴とする
、ブラインド。
【請求項9】
前記多巻取り部と前記少巻取り部は、前記操作コードの巻取り方向が逆方向であることを特徴とする、請求項
1~8のいずれかに記載のブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のブラインドとして、特開2006-70449号公報(特許文献1)に示されるものがある。同文献には、ヘッドボックスから日射遮蔽材の操作コードがループ状に垂下する日射遮蔽装置において、操作コードは、交絡性又は接着性を有する紐材であることが開示されている。
【0003】
これによれば、ヘッドボックス又はその近辺の壁面等に鉄片等の吸着用強磁性体を配置し、その強磁性体に操作コードを磁力吸着させることで、操作コードの垂れ下がり量を小さくし、操作コードを幼児の手が届かない高さに保持できるという効果を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示されるような従来のブラインドでは、操作コードの垂れ下がり量を小さくするためには、操作コードを操作した後に操作コードを持ち上げてヘッドボックスに磁力吸着させる作業が必要であり、操作コードの垂れ下がり量を調整するという意味では、確実性に欠如しているという課題があった。
【0006】
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、操作コードの垂れ下がり量を確実に調整することの可能なブラインドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明によれば、遮蔽材と、前記遮蔽材を開閉可能とする駆動軸と、前記駆動軸に駆動力を伝達可能なプーリと、前記プーリを回転操作可能な操作コードと、を備え、前記プーリは、前記操作コードの巻取り量が多い多巻取り部と、前記多巻取り部よりも前記操作コードの巻取り量が少ない少巻取り部とを備え、前記多巻取り部には、前記操作コードの一端部が連結され、前記少巻取り部には、前記操作コードの他端部が連結され、前記多巻取り部と前記少巻取り部は、いずれか一方の巻取り部が操作コードを巻取ると、他方の巻取り部は操作コードを巻解くことを特徴とする、ブラインドが提供される。
【0008】
かかる構成によれば、多巻取り部から垂れ下がる側の操作コードを引くと、操作コードの他端側が少巻取り部に巻取られて垂れ下がる操作コードの長さが長くなり、少巻取り部から垂れ下がる側の操作コードを引くと、操作コードの一端側が多巻取り部に巻取られて垂れ下がる操作コードの長さが短くなる。操作コードを引くだけで操作コードの垂れ下がり量を可変できる。このようにして、操作コードの垂れ下がり量を迅速且つ確実に調整することができる。
【0009】
本発明は様々な応用が可能である。例えば、前記多巻取り部と前記少巻取り部は、前記操作コードの巻取り方向が逆方向であるようにしてもよい。操作コードを巻付ける方向を同じ方向にすることができるため、多巻取り部と少巻取り部からヘッドボックスなどの操作コードの導出口までの操作コードの配回しを同じにすることができる。このため、配回しが容易になる。
【0010】
また、前記多巻取り部と前記少巻取り部との間には中間ギアが介在され、いずれか一方の巻取り部の回転が前記中間ギアを介して他方の巻取り部に伝達可能であるようにしてもよい。中間ギアのギア比を変えることで、多巻取り部と少巻取り部の回転速度を別々の任意の速度に変更することができる。また、多巻取り部と少巻取り部の回転方向を逆方向にすることができる。
【0011】
また、前記多巻取り部が前記操作コードを巻取る回転方向は、前記駆動軸が前記遮蔽材を開放する回転方向であるようにすることができる。多巻取り部が操作コードを巻取る回転方向が、駆動軸が遮蔽材を開放する(上昇する)回転方向であるため、遮蔽材を開放したときに操作コードの垂れ下がり量を小さくできる。よって、ブラインドを設置した開口部の開放量を大きくでき、操作コードが垂れ下がらないことで安全性や美観を向上できる。
【0012】
また、前記多巻取り部が前記操作コードを巻解く回転方向は、前記駆動軸が前記遮蔽材を開放する回転方向であるようにすることができる。多巻取り部が操作コードを巻解く回転方向が、駆動軸が遮蔽材を開放する(上昇する)回転方向であるため、操作荷重を軽減できる。
【0013】
また、前記多巻取り部は前記少巻取り部よりも前記プーリの径を大きくしてもよい。かかる構成によれば、プーリに巻取り径の異なる多巻取り部と少巻取り部を設けることにより、1つのプーリの回転方向を変えるだけで、操作コードの垂れ下がり量を変更することができる。
【0014】
また、前記プーリは、前記多巻取り部を有する大径プーリと、前記少巻取り部を有する小径プーリとが、並設されるようにしてもよい。かかる構成によれば、異なる径からなる大径プーリと小径プーリを並設することで、プーリを簡易な構成とすることができる。
【0015】
また、前記プーリは、前記多巻取り部から前記少巻取り部が連続的に形成されるテーパー形状としてもよい。かかる構成によれば、プーリをテーパー形状としたことで、1つのプーリにて操作コードの垂れ下がり量を調整することができる。
【0016】
さらに、プーリをテーパー形状とした際には、プーリの外周に螺旋状の溝を設けてもよい。かかる構成によれば、操作コードのずれを防止できる。
【0017】
また、前記多巻取り部と前記少巻取り部は前記操作コードの巻初めの径寸法は同じであり、前記多巻取り部は前記操作コードを径方向に重ねて巻取ることにより径寸法が漸増し、前記少巻取り部は前記操作コードを軸方向に並べて巻取ることにより前記多巻取り部よりも径寸法が小さくなるようにしてもよい。かかる構成によれば、径寸法の同じ巻取り部で多巻取り部と少巻取り部を構成することができるため、簡単な構成のプーリで操作コードの垂れ下がり量を調整することができる。
【0018】
なお、駆動軸は、遮蔽材を開閉するための昇降コードの一端が連結される巻取ドラムとしてもよい。本発明をスラットやスクリーンの昇降を行うベネシャンブラインド、バーチカルブラインド、プリーツスクリーン、ハニカムスクリーン又はローマンシェード等に適用できる。また、駆動軸は、遮蔽材の一端が巻取り及び巻解き可能に連結される巻取パイプとしてもよい。本発明をロールスクリーンやローラーシャッター等に適用できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、操作コードの垂れ下がり量を確実に調整することの可能なブラインドを提供することができる。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1の実施形態のブラインド100の概略正面図である。
【
図2】プーリ130の構成を説明するための図であり、同軸にある大径部132と小径部134を左右に配置して示し、小径部134に操作コード140を巻き取った状態である。
【
図3】プーリ130の構成を説明するための図であり、同軸にある大径部132と小径部134を左右に配置して示し、大径部132に操作コード140を巻き取った状態である。
【
図4】ブラインド100の動作を説明するための図である。
【
図5】第2の実施形態のブラインド200が下降した状態を示す概略正面図である。
【
図6】ブラインド200が上昇した状態を示す概略正面図である。
【
図7】第3の実施形態のブラインド300が下降した状態を示す概略正面図である。
【
図8】ブラインド300が上昇した状態を示す概略正面図である。
【
図9】プーリ330に螺旋状の溝330aを設けた例を示す概略図である。
【
図10】第4の実施形態のブラインド400が下降した状態を示す概略正面図である。
【
図11】ブラインド400が上昇した状態を示す概略正面図である。
【
図12】第5の実施形態のブラインド500が下降した状態を示す概略正面図である。
【
図13】ブラインド500が上昇した状態を示す概略正面図である。
【
図14】第6の実施形態のブラインドのプーリ630を示す概略図であり、(a)は、第1巻取部632に操作コード640を巻き取った状態を示し、(b)は、第2巻取部634に操作コード640を巻き取った状態を示す。
【
図15】第7の実施形態のブラインドのプーリ730を示す概略図であり、(a)は分解された状態を示し、(b)は組み立てられた状態を示す。
【
図16】プーリ730の動作を説明するための図であり、(a)は、第1プーリ732に操作コード740を巻き取った状態を示し、(b)は、第2プーリ734に操作コード740を巻き取った状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るブラインド100の構成について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のブラインド100の概略正面図である。
【0023】
ブラインド100は、
図1に示したように、プリーツスクリーン(遮蔽材)110と、プリーツスクリーン110を開閉可能とする昇降ドラム(駆動軸)120と、昇降ドラム120に駆動力を伝達可能なプーリ130と、プーリ130を回転操作可能な操作コード140と、を備えて構成される。以下、本実施形態の各構成について説明する。
【0024】
(プリーツスクリーン110)
プリーツスクリーン110は、開口部を閉鎖するものである。プリーツスクリーン110は、
図1に示したように、上端がヘッドボックス150に連結されている。プリーツスクリーン110は、一定間隔で複数のプリーツが形成されており、プリーツを畳み上げることにより開口部を開放し、プリーツを展開することにより開口部を閉鎖する。プリーツスクリーン110の下端にはボトムレール160が設けられている。
【0025】
(昇降ドラム120)
昇降ドラム120は、プリーツスクリーン110を開閉可能とするものである。昇降ドラム120は、
図1に示したように、ドラム受け122によってヘッドボックス150内に回転可能に配置されている。昇降ドラム120には、ヘッドボックス150内に長手方向ほぼ全長にわたって設けられるシャフト170が一体に回転するように挿通している。シャフト170の一端はプーリ130に一体回転するように連結されている。よって、シャフト170を介してプーリ130の回転が昇降ドラム120に伝達される。
【0026】
昇降ドラム120には、プリーツスクリーン110を昇降する昇降コード180の上端が巻取り及び巻解き可能に連結されている。昇降コード180の下端は、プリーツスクリーン110の各プリーツを挿通してボトムレール160に連結されている。
【0027】
(プーリ130)
プーリ130は、昇降ドラム120を回転操作するものである。プーリ130について、
図2及び
図3をさらに参照しながら説明する。
図2は、プーリ130の構成を説明するための図であり、同軸にある大径部132と小径部134を左右に配置して示し、小径部134に操作コード140を巻き取った状態である。
図3は、プーリ130の構成を説明するための図であり、同軸にある大径部132と小径部134を左右に配置して示し、大径部132に操作コード140を巻き取った状態である。
【0028】
プーリ130は、
図1に示されるように、ヘッドボックス150の一端に配置されており、操作コード140によって回転が操作される。プーリ130は、操作コード140の巻取り量が多い多巻取り部である大径部132と、大径部132よりも径が小さく操作コード140の巻取り量が少ない少巻取り部である小径部134とが並設されて構成される。大径部132と小径部134には、
図2に示したように、シャフト170が一体に回転するように挿通している。なお、以下の各実施形態においても本実施形態と同様に、大径部とは操作コードの巻取り量が多いプーリの部分をいい、小径部とは多巻取り部よりも操作コードの巻取り量が少ないプーリの部分をいう。
【0029】
大径部132には、操作コード140の一端部が連結され、小径部134には、操作コード140の他端部が連結されている。大径部132と小径部134は、操作コード140の巻取り方向が逆方向である。よって、大径部132から操作コード140が巻解かれるときには小径部134に操作コード140が巻き取られ、大径部132に操作コード140が巻き取られるときには、小径部134から操作コード140が巻解かれることになる。一体回転する大径部132と小径部134の円周の長さの相違によって、大径部132と小径部134とでは操作コード140が巻取られる長さが異なることになる。
【0030】
大径部132から操作コード140が巻解かれ小径部134に操作コード140が巻き取られるときは、
図2に示したように、操作コード140のプーリ130からの垂れ下がる長さが長くなる。一方、大径部132に操作コード140が巻き取られ、小径部134から操作コード140が巻解かれるときは、
図3に示したように、操作コード140のプーリ130からの垂れ下がる長さが短くなる。
【0031】
以上、本実施形態のブラインド100の構成について説明した。以下、ブラインド100の動作について、
図4をさらに参照しながら説明する。
図4は、ブラインド100の動作を説明するための図である。
【0032】
プリーツスクリーン110を展開する動作について説明する。操作コード140の大径部132から垂下している部分を引き下ろす。すると、
図1に示したように、シャフト170を介して昇降ドラム120が昇降コード180を巻解き、ボトムレール160が下降する。よって、プリーツスクリーン110が展開する。
【0033】
このとき、大径部132から操作コード140が巻解かれながら、同時に小径部134に操作コード140が巻き取られる。プリーツスクリーン110が最も下降した位置まで展開すると、操作コード140は、
図2に示したように、大径部132から完全に巻解かれ、小径部134には巻き取られた状態になる。大径部132と小径部134の円周の長さの相違により、操作コード140は、
図1に示したように、プーリ130からの垂れ下がり量が大きくなる。
【0034】
プリーツスクリーン110を畳上げる動作について説明する。操作コード140の小径部134から垂下している部分を引き下ろす。すると、シャフト170を介して昇降ドラム120が昇降コード180を巻取り、ボトムレール160が上昇する。よって、
図4に示したように、プリーツスクリーン110が畳上げられる。
【0035】
このとき、
図3に示したように、小径部134から操作コード140が巻解かれながら、同時に大径部132に操作コード140が巻き取られる。プリーツスクリーン110が最も上昇した位置まで畳上げられると、操作コード140は、
図3に示したように、大径部132に完全に巻き取られ、小径部134から巻解かれた状態になる。一体回転する大径部132と小径部134の円周の長さの相違により、操作コード140は、
図4に示したように、プーリ130からの垂れ下がり量が小さくなる。よって、ブラインド100の開放量が大きくなる。
【0036】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、大径部132から垂れ下がる側の操作コード140を引くと、操作コード140の他端側が小径部134に巻取られて垂れ下がる操作コード140の長さが長くなり、小径部134から垂れ下がる側の操作コード140を引くと、操作コード140の一端側が大径部132に巻取られて垂れ下がる操作コード140の長さが短くなり、操作コード140を引くだけで操作コード140の垂れ下がり量を可変できる。よって、操作コード140の垂れ下がり量の可変を迅速且つ確実に調整することができる。
【0037】
大径部132が操作コード140を巻取る回転方向が、昇降ドラム120がプリーツスクリーン110を開放する(上昇する)回転方向であるため、プリーツスクリーン110を開放したときに操作コード140の垂れ下がり量を小さくできる。よって、ブラインド100を設置した開口部の開放量を大きくでき、操作コード140が垂れ下がらないことで安全性や美観を向上できる。
【0038】
(第2の実施形態)
本実施形態に係るブラインド200について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態のブラインド200が下降した状態を示す概略正面図である。
図6は、ブラインド200が上昇した状態を示す概略正面図である。本実施形態は、大径部232と小径部234の操作コード240の巻取り方向が第1の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0039】
本実施形態のプリーツスクリーン210、昇降ドラム220、プーリ230、操作コード240、ヘッドボックス250、ボトムレール260、シャフト270、昇降コード280は、それぞれ上記第1の実施形態のプリーツスクリーン110、昇降ドラム120、プーリ130、操作コード140、ヘッドボックス150、ボトムレール160、シャフト170、昇降コード180に対応するため、説明を省略する。
【0040】
本実施形態のブラインド200について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。プーリ230の大径部232と小径部234は、操作コード240の巻取り及び巻解き方向が、第1の実施形態のプーリ130の大径部132と小径部134の操作コード240の巻取り及び巻解き方向とは逆方向である。
【0041】
よって、
図5に示したように、大径部232に操作コード240が巻き取られ、小径部234から操作コード240が巻解かれたときに、昇降ドラム220が昇降コード280を巻解く方向に回転する。このため、ボトムレール260が下降してプリーツスクリーン210が展開する。一体回転する大径部232と小径部234の円周の長さの相違により、操作コード240は、プーリ230からの垂れ下がり量が小さくなる。
【0042】
一方、
図6に示したように、大径部232から操作コード240が巻解かれ、小径部234に操作コード240が巻き取られたときに、昇降ドラム220が昇降コード280を巻取る方向に回転する。このため、ボトムレール260が上昇してプリーツスクリーン210が畳上げられる。一体回転する大径部232と小径部234の円周の長さの相違により、操作コード240は、プーリ230からの垂れ下がり量が大きくなる。
【0043】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、大径部232が操作コード240を巻解く回転方向が、昇降ドラム220がプリーツスクリーン210を開放する(上昇する)回転方向であるため、操作荷重を軽減できる。
【0044】
(第3の実施形態)
本実施形態に係るブラインド300について、
図7及び
図8を参照しながら説明する。
図7は、本実施形態のブラインド300が下降した状態を示す概略正面図である。
図8は、ブラインド300が上昇した状態を示す概略正面図である。本実施形態は、プーリ330の構成が第1の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0045】
本実施形態のプリーツスクリーン310、昇降ドラム320、プーリ330、操作コード340、ヘッドボックス350、ボトムレール360、シャフト370、昇降コード380は、それぞれ上記第1の実施形態のプリーツスクリーン110、昇降ドラム120、プーリ130、操作コード140、ヘッドボックス150、ボトムレール160、シャフト170、昇降コード180に対応するため、説明を省略する。
【0046】
本実施形態のブラインド300について、
図7及び
図8を参照しながら説明する。プーリ330は、
図7に示したように、大径部332から小径部334が連続的に形成されるテーパー形状である。操作コード340の両端部は、プーリ330の両端部にそれぞれ連結されている。すなわち、操作コード340の一方の端部が大径部332の最も径が大きい部分に連結されており、他方の端部が小径部334の最も径が小さい部分に連結されている。
【0047】
よって、
図7に示したように、小径部334に操作コード340が巻き取られ、大径部332から操作コード240が巻解かれたときに、昇降ドラム320が昇降コード380を巻解く方向に回転する。このため、ボトムレール360が下降してプリーツスクリーン310が展開する。一体回転する大径部332と小径部334の円周の長さの相違により、操作コード340は、プーリ330からの垂れ下がり量が大きくなる。
【0048】
一方、
図8に示したように、小径部334から操作コード340が巻解かれ、大径部332に操作コード340が巻き取られたときに、昇降ドラム320が昇降コード380を巻取る方向に回転する。このため、ボトムレール360が上昇してプリーツスクリーン310が畳上げられる。一体回転する大径部332と小径部334の円周の長さの相違により、操作コード340は、
図8に示したように、プーリ330からの垂れ下がり量が小さくなる。よって、ブラインド300の開放量が大きくなる。
【0049】
また、本実施形態では、プーリ330の外周に、
図9に示したように、螺旋状の溝330aを設けてもよい。
図9は、プーリ330に螺旋状の溝330aを設けた例を示す概略図である。プーリ330の外周に螺旋状の溝330aを設けることにより、プーリ330に巻き取られた操作コード340が溝330aに収容され、テーパーに沿ってずれるように移動してしまうことが防止される。
【0050】
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、プーリ330をテーパー形状としたことで、1つのプーリ330にて操作コード340の垂れ下がり量を調整することができる。
【0051】
さらに、プーリ330の外周に螺旋状の溝330aを設けたことにより、操作コード340のずれを防止できる。
【0052】
(第4の実施形態)
本実施形態に係るブラインド400について、
図10を参照しながら説明する。
図10は、第4の実施形態のブラインド400が下降した状態を示す概略正面図である。本実施形態は、ブラインド400をロールスクリーンとした点が第1の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0053】
本実施形態のプーリ430、操作コード440は、それぞれ上記第1の実施形態のプーリ130、操作コード140に対応するため、説明を省略する。
【0054】
ブラインド400は、
図10に示したように、ロールスクリーンであり、遮蔽材はスクリーン410であり、駆動軸が巻取パイプ420である。
【0055】
スクリーン410は、
図10に示したように、平面のシート状であり、上端が巻取パイプ420に巻取り及び巻解き可能に連結されている。スクリーン410は、巻取パイプ420に巻取られることにより上昇し、巻取パイプ420から巻解かれることにより下降する。スクリーン410の下端にはウエイトバー412が設けられている。
【0056】
巻取パイプ420は、
図10に示したように、ブラインド400を窓枠などに取り付けるセットフレーム450の両端に設けられたサイドプレート452に回転可能に支持されている。巻取パイプ420の一端とサイドプレート452との間には巻取パイプ420を回転駆動するプーリ430が配置される。巻取パイプ420内には、スクリーン410の自重による降下を防止するためのクラッチユニット422が設けられている。
【0057】
以上、本実施形態のブラインド400の構成について説明した。以下、ブラインド400の動作について、
図11をさらに参照しながら説明する。
図11は、ブラインド400が上昇した状態を示す概略正面図である。
【0058】
スクリーン410を下降させる動作について説明する。操作コード440の大径部432から垂下している部分を引き下ろす。すると、クラッチユニット422が巻取パイプ420を回転可能な状態にする。よって、操作コード440を引いた量だけプーリ430が回転し、その回転が巻取パイプ420に伝達され、自重によりスクリーン410及びウエイトバー412が下降する。
【0059】
このとき、第1の実施形態のプーリ130と同様に、大径部432から操作コード440が巻解かれながら、同時に小径部434に操作コード440が巻き取られる。そして、スクリーン410が最も下降すると、操作コード440は、
図10に示したように、大径部432から完全に巻解かれ、小径部434に巻き取られた状態になり、プーリ430からの垂れ下がり量が大きくなる。
【0060】
スクリーン410を上昇させる動作について説明する。操作コード440の小径部434から垂下している部分を引き下ろす。すると、プーリ430から巻取パイプ420に回転が伝達され、巻取パイプ420にスクリーン410が巻き取られる。よって、スクリーン410及びウエイトバー412が上昇する。
【0061】
このとき、
図11に示したように、小径部434から操作コード440が巻解かれながら、同時に大径部432に操作コード440が巻き取られる。そして、スクリーン410が最も上昇すると、操作コード440は、大径部432に完全に巻き取られ、小径部434から巻解かれた状態になり、プーリ430からの垂れ下がり量が小さくなる。よって、ブラインド400の開放量が大きくなる。
【0062】
(第4の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、スクリーン410が最も上昇すると、操作コード440は、大径部432に完全に巻き取られ、小径部434から巻解かれた状態になり、プーリ430からの垂れ下がり量が小さくなる。よって、ブラインド400の開放量が大きくなる。
【0063】
(第5の実施形態)
本実施形態に係るブラインド500について、
図12を参照しながら説明する。
図12は、第5の実施形態のブラインド500が下降した状態を示す概略正面図である。本実施形態は、巻取パイプ520の構成が第4の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0064】
本実施形態のスクリーン510、ウエイトバー512、プーリ530、大径部532、小径部534、操作コード540、セットフレーム550、サイドプレート552は、それぞれ上記第4の実施形態のスクリーン410、ウエイトバー412、プーリ430、大径部432、小径部434、操作コード440、セットフレーム450、サイドプレート452に対応するため、説明を省略する。
【0065】
本実施形態の巻取パイプ520には、
図12に示したように、第4の実施形態の巻取パイプ420に巻取スプリング524とブレーキ526とをさらに設けたものである。巻取スプリング524は、巻取パイプ520内のプーリ530が設けられている端部とは反対側の端部に配置されており、スクリーン510を巻取る方向の力を巻取パイプ520に付勢する。ブレーキ526は、巻取スプリング524に隣接して設けられており、巻取スプリング524による巻取パイプ520の回転速度を減速する。
【0066】
以上、本実施形態のブラインド500の構成について説明した。以下、ブラインド500の動作について、
図13をさらに参照しながら説明する。
図13は、ブラインド500が上昇した状態を示す概略正面図である。
【0067】
スクリーン510を下降させる動作について説明する。
図13に示す状態から操作コード540の小径部534から垂下している部分を引き下ろすと、大径部532に操作コード540が巻き取られ、小径部534から操作コード540が巻解かれる。すると、クラッチユニット522が巻取パイプ520を回転可能な状態にする。よって、操作コード540を引いた量だけプーリ530が回転し、その回転が巻取パイプ520に伝達され、巻取スプリング524の付勢力に抗してスクリーン510及びウエイトバー512が下降する。
【0068】
そして、
図12に示したように、スクリーン510が最も下降すると、操作コード540は、小径部534から完全に巻解かれ、大径部532に巻き取られた状態になり、プーリ530からの垂れ下がり量が小さくなる。
【0069】
スクリーン510を上昇させる動作について説明する。ウエイトバー512を若干引き下げるか、操作コード540の小径部534から垂下している部分を若干引き下ろして、巻取パイプ520をスクリーン510を巻解く方向に少し回転させる。すると、クラッチユニット522が巻取パイプ520を回転可能な状態にする。よって、巻取スプリング524の付勢力により巻取パイプ520が回転してスクリーン510が巻取パイプ520に巻き取られる。
【0070】
このとき、プーリ530は、
図13に示したように、大径部532から操作コード540が巻解かれ、小径部534に操作コード540が巻き取られる。そして、スクリーン510が最も上昇すると、操作コード540は、小径部534に完全に巻き取られ、大径部532から巻解かれた状態になり、プーリ530からの垂れ下がり量が大きくなる。
【0071】
(第6の実施形態)
本実施形態に係るブラインドについて、
図14を参照しながら説明する。
図14は、第6の実施形態のブラインドのプーリ630を示す概略図であり、(a)は、第1巻取部632に操作コード640を巻き取った状態を示し、(b)は、第2巻取部634に操作コード640を巻き取った状態を示す。本実施形態は、プーリ630の構成が第1の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0072】
プーリ630は、
図14に示したように、第1の実施形態のプーリ130の大径部132と小径部134に代えて、同径の第1巻取部632と第2巻取部634とを左右に並設したものである。第1巻取部632と第2巻取部634とは軸方向の幅が異なっている。
【0073】
第1巻取部632は、
図14(a)に示したように、1本分の操作コード640の幅であり、操作コード640が径方向に重なって巻き取られる。このため、操作コード640を巻取るにつれて第1巻取部632の巻径が大きくなっていく。よって、第1巻取部632は、操作コード640の巻取り量が多い多巻取り部であり、第1の実施形態の大径部132と同様の作用を有する。
【0074】
一方、第2巻取部634は、
図14(b)に示したように、操作コード640が軸方向に隣り合って巻き取られる幅であり、巻径は大きくならない。よって、第2巻取部634は、第1巻取部632よりも操作コード640の巻取り量が少ない少巻取り部であり、第1の実施形態の小径部134と同様の作用を有する。
【0075】
よって、操作コード640は、
図14(a)に示したように、第1巻取部632に巻き取られ、第2巻取部634から完全に巻解かれた状態では、プーリ630からの垂れ下がり量が小さくなる。一方、操作コード640は、
図14(b)に示したように、第2巻取部634に巻き取られ、第1巻取部632から完全に巻解かれた状態では、プーリ630からの垂れ下がり量が大きくなる。
【0076】
(第6の実施形態の効果)
第1巻取部632と第2巻取部634は操作コード640の巻初めの径寸法は同じであり、第1巻取部632は操作コード640を径方向に重ねて巻取ることにより径寸法が漸増して多巻取り部を構成し、第2巻取部634は操作コード640を軸方向に並べて巻取ることにより多巻取り部よりも径寸法が小さくなる少巻取り部を構成する。このように、径寸法の同じ第1巻取部632と第2巻取部634によって、多巻取り部と少巻取り部を構成することができるため、簡単な構成のプーリ630で操作コード640の垂れ下がり量を調整することができる。
【0077】
(第7の実施形態)
本実施形態に係るブラインドについて、
図15を参照しながら説明する。
図15は、第7の実施形態のブラインドのプーリ730を示す概略図であり、(a)は分解された状態を示し、(b)は組み立てられた状態を示す。本実施形態は、プーリ730の構成が第1の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0078】
プーリ730は、
図15に示したように、第1の実施形態のプーリ130の大径部132と小径部134に代えて、同径の第1プーリ732と第2プーリ734を左右に並設し、第1プーリ732と第2プーリ734との間に中間ギア790を介在し、いずれか一方のプーリの回転が中間ギア790を介して他方のプーリに伝達可能としたものである。
【0079】
第1プーリ732は、
図15(a)に示したように、操作コード740の巻取り量が多い多巻取り部である。第1プーリ732の第2プーリ734と対向する面から、中間ギア790の太陽歯車792が一体に回転するように突出している。また、第1プーリ732の第2プーリ734と対向する面の反対の面から、シャフト720が一体に回転するように軸心から突出している。
【0080】
第2プーリ734は、
図15(a)に示したように、操作コード740の巻取り量が少ない少巻取り部である。第2プーリ734の操作コード740が巻き付く径寸法は、第1プーリ732と同じである。また、第2プーリ734の内周面には中間ギア790の内歯車794が設けられている。
【0081】
中間ギア790は、第1プーリ732及び第2プーリ734のうちいずれか一方のプーリの回転を他方のプーリに伝達可能としたものである。中間ギア790は、
図15(a)に示したように、第1プーリ732と第2プーリ734との間に介在される。中間ギア790は、太陽歯車792と、内歯車794と、遊星歯車796と、遊星キャリア798と、から構成される。
【0082】
太陽歯車792は、前述のように第1プーリ732の軸心に設けられる。また、内歯車794は、前述のように第2プーリ734の内周面に設けられる。遊星歯車796は、等間隔に3つ配置されており、それぞれが遊星キャリア798に回転可能に支持される。遊星キャリア798は図示していないヘッドボックスの端部や操作ユニットカバー等の固定部に固定される。
【0083】
第1プーリ732及び第2プーリ734は、
図15(b)に示したように、隣接して配置される。また、第1プーリ732、第2プーリ734及び中間ギア790は、3つの遊星歯車796の中心に太陽歯車792が配置されて互いに噛み合い、3つの遊星歯車が内歯車794にそれぞれ噛み合うように組付けられる。よって、中間ギア790によって第1プーリ732と第2プーリ734は逆回転する。さらに、中間ギア790のギア比により、第1プーリ732の回転速度に比べて第2プーリ734の回転速度が小さいため、第1プーリ732は第2プーリ734に比べて操作コード740を多く巻き取ることができる。また、第1プーリ732と第2プーリ734には、巻き付ける方向が同じになるように操作コード740の端部がそれぞれ連結されている。
【0084】
以上、本実施形態のブラインドのプーリ730の構成について説明した。以下、プーリ730の動作について、
図16を参照しながら説明する。
図16は、プーリ730の動作を説明するための図であり、(a)は、第1プーリ732に操作コード740を巻き取った状態を示し、(b)は、第2プーリ734に操作コード740を巻き取った状態を示す。
【0085】
まず、第1プーリ732に操作コード740を巻取り、第2プーリ734から操作コード740を巻解く場合について説明する。
図16(a)に示したように、第2プーリ734に巻取られている操作コード740を引き下ろすと、第2プーリ734が操作コード740を巻解く方向(図中の矢印B方向)に回転し、操作コード740を巻解く。第2プーリ734の回転は、中間ギア790を介して第1プーリ732に逆方向(図中の矢印A方向)の回転として、また、第2プーリ734の回転速度よりも高速の回転として伝達される。よって、第1プーリ732が操作コード740を巻取る量が、第2プーリ734が操作コード740を巻解く量よりも多くなる。このため、操作コード740の垂れ下がり量が短くなる。
【0086】
次に、第1プーリ732から操作コード740を巻解き、第2プーリ734に操作コード740を巻取る場合について説明する。
図16(b)に示したように、第1プーリ732に巻取られている操作コード740を引き下ろすと、第1プーリ732が操作コード740を巻解く方向(図中の矢印B)方向に回転し、操作コード740を巻解く。第1プーリ732の回転は、中間ギア790を介して第2プーリ734に逆方向(図中の矢印A方向)の回転として、また、第1プーリ732の回転速度よりも低速の回転として伝達される。よって、第1プーリ732が操作コード740を巻解く量が、第2プーリ734が操作コード740を巻取る量よりも多くなる。このため、操作コード740の垂れ下がり量が長くなる。
【0087】
(第7の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、中間ギア790のギア比を変えることで、第1プーリ732と第2プーリ734の回転速度を別々の任意の速度に変更することができる。
【0088】
また、中間ギア790によって第1プーリ732と第2プーリ734の回転方向を逆にすることにより、操作コード740を巻付ける方向を同じ方向にすることができる。よって、第1プーリ732と第2プーリ734からヘッドボックスの導出口までの操作コード740の配回しを同じにすることができるため、配回しが容易になる。
【0089】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0090】
例えば、上記第1の実施形態では、1つのプーリ139に大径部132と小径部134とを設けたが、本発明はこの例に限定されない。操作コード140の垂れ下がり量を可変にできれば、プーリは、大径部を有する大径プーリと、小径部を有する小径プーリの2つのプーリを並設して構成してもよい。かかる構成によれば、異なる径からなる大径プーリと小径プーリを並設することで、プーリを簡易な構成とすることができる。なお、第2~第6の実施形態においても同様の構成としてもよい。
【0091】
また、上記第3の実施形態では、プーリ330をテーパー形状としたが、本発明はこの例に限定されず、大径部から小径部が連続的に形成される構成であればよい。例えば、階段形状であってもよい。
【0092】
また、上記第3の実施形態では、プーリ330に螺旋状の溝330aを設けたが、本発明はこの例に限定されず、溝を設けない形状としてもよい。また、操作コードのずれを防止するために、摩擦の大きな素材でプーリを構成してもよい。
【0093】
以上説明した実施形態・応用例・変形例等は、適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0094】
100、200、300、400、500 ブラインド
110、210、310 プリーツスクリーン(遮蔽材)
120、220、320 昇降ドラム(駆動軸)
130、230、330、430、530、630プーリ
132、232、332、432、532 大径部(多巻取り部)
134、234、334、434、534 小径部(少巻取り部)
140、240、340、440、540、640、740 操作コード
150、250、350 ヘッドボックス
160、260、360 ボトムレール
170、270、370、720 シャフト
180、280、380 昇降コード
410、510 スクリーン(遮蔽材)
412、512 ウエイトバー
420、520 巻取パイプ(駆動軸)
422、522 クラッチユニット
524 巻取スプリング
526 ブレーキ
450、550 セットフレーム
452、552 サイドプレート
632 第1巻取部(多巻取り部)
634 第2巻取部(少巻取り部)
732 第1プーリ(多巻取り部)
734 第2プーリ(少巻取り部)
790 中間ギア
792 太陽歯車
794 内歯車
796 遊星歯車
798 遊星キャリア