(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】可搬式ドローンポート
(51)【国際特許分類】
B64F 1/18 20060101AFI20221114BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20221114BHJP
B64F 1/12 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
B64F1/18
B64C39/02
B64F1/12
(21)【出願番号】P 2019010884
(22)【出願日】2019-01-25
【審査請求日】2021-11-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会名 OITAドローンフェスタ2018 展示日 平成30年9月23日~平成30年9月24日 掲載アドレス https://www.youtube.com/watch?v=5bS7c2Ns82Q 掲載年月日 平成30年9月23日 展示会名 ロボット・航空宇宙フェスタふくしま2018 展示日 平成30年11月22日~平成30年11月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】金澤 孝郎
(72)【発明者】
【氏名】小野 右季
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-094881(JP,A)
【文献】特開2017-133343(JP,A)
【文献】国際公開第2020/075249(WO,A1)
【文献】米国特許第05067669(US,A)
【文献】特開2020-201832(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0130008(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106527487(CN,A)
【文献】物流用ドローンポートシステムの実用化に向けた課題と対応策(案),第6階物流用ドローンポート連絡会,日本,ブルーイノベーション株式会社、国立大学法人東京大学,2018年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64F 1/12- 1/18
B64C 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
起伏のある場所で物流用ドローンが離着陸可能な水平面を保持可能な離着陸ポートと、
間隔を隔てて前記離着陸ポートの外側を囲み、かつ高さ調節可能な外側フェンスと、
前記外側フェンスに外縁を固定して水平に展張可能なマーカーシートと、を備え、
前記外側フェンスは、最長部が前記離着陸ポートより短い大きさに折り畳み可能であり、
前記マーカーシートは、その上面に前記物流用ドローンが認識可能な複数のARマーカーを有し、かつ前記離着陸ポートまで人がアクセス可能に構成されている、可搬式ドローンポート。
【請求項2】
前記離着陸ポートは、その上面高さを調整可能なポート支持脚と、上面の水平度を検出可能な水準器と、を有し、
前記外側フェンスは、その上面高さを調整可能なフェンス支持脚と、その上を越える物体を検出する検出センサと、異常を通知するアラーム装置と、を有する、請求項1に記載の可搬式ドローンポート。
【請求項3】
前記離着陸ポートは、前記物流用ドローンが離着陸可能な固定天板と、前記固定天板を支持する矩形枠と、を有する、請求項1に記載の可搬式ドローンポート。
【請求項4】
前記外側フェンスは、4組の四隅部材と、該四隅部材にそれぞれ固定された1対の辺フレームと、を有し、
前記辺フレームは、順に連結された複数の辺セグメントからなり、
複数の前記辺セグメントは、互いに重ねて折り畳まれた格納位置と、直線状に連結された展開位置との保持位置を有する、請求項1に記載の可搬式ドローンポート。
【請求項5】
前記離着陸ポートの四隅に固定され、前記離着陸ポートの内側に収容された収容位置から前記離着陸ポートの対角線方向に引出し可能な4組の対角線フレームを有し、
前記対角線フレームの外端が前記四隅部材に回転可能に固定されている、請求項4に記載の可搬式ドローンポート。
【請求項6】
前記マーカーシートは、前記離着陸ポートの上に位置する矩形の中央シートと、前記離着陸ポートと前記外側フェンスの中間部の下面に位置する矩形リング状の外側シートと、を有し、
前記外側フェンスを乗り越えて前記外側シートの上に人が立つことで、離着陸ポート上の前記物流用ドローンにアクセスする、請求項1に記載の可搬式ドローンポート。
【請求項7】
前記マーカーシートは、前記離着陸ポートの上面から前記外側フェンスまで、外縁を固定して水平に展張される一体シートであり、かつ前記離着陸ポートの外側にスリットを有し、
前記スリットを開いて、前記一体シートの一部を開き、前記外側フェンスを乗り越えて前記一体シートの下に位置する床面に人が立つことで、離着陸ポート上の前記物流用ドローンにアクセスする、請求項1に記載の可搬式ドローンポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流用ドローンが離着陸するためのドローンポートに関する。
【背景技術】
【0002】
「ドローン」とは、小型の無人ヘリコプターの一種であり、3以上のローターを搭載した回転翼機を意味する。
近年、ドローンを用いて、小型の荷物を無人で搬送することが計画されている。かかるドローンを「物流用ドローン」と呼ぶ。
【0003】
物流用ドローンの安全な離着陸を実現するために、物流用ドローンが離着陸するドローンポートが不可欠となる。かかるドローンポートは、例えば非特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】ブルーイノベーション株式会社、“物流用ドローンポートシステム”[online]、[平成30年10月26日検索]、インターネット<URL:https://www.blue-i.co.jp/service/logistic/dps/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1の物流用ドローンポートシステムでは、ドローンポート上の画像を認識することで高精度の着陸が可能である。
しかし、高精度の着陸を実現するために、大小のARマーカーを組み合わせて配置しており、ドローンポートの上面が大型になる。例えば、物流用ドローンの平面寸法が1m×1m以内であっても、ドローンポートの上面寸法は、例えば3m×3m程度が必要になる。
そのため、従来のドローンポートは、大型であり、搬送が困難であった。
【0006】
また、ドローンポートを省略すると、起伏のある場所での物流用ドローンの離着陸が困難であった。
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、使用時に物流用ドローンの高精度の着陸が可能であり、起伏のある場所でも使用でき、かつ分解、組立、及び搬送が容易である可搬式ドローンポートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、起伏のある場所で物流用ドローンが離着陸可能な水平面を保持可能な離着陸ポートと、
間隔を隔てて前記離着陸ポートの外側を囲み、かつ高さ調節可能な外側フェンスと、
前記外側フェンスに外縁を固定して水平に展張可能なマーカーシートと、を備え、
前記外側フェンスは、最長部が前記離着陸ポートより短い大きさに折り畳み可能であり、
前記マーカーシートは、その上面に前記物流用ドローンが認識可能な複数のARマーカーを有し、かつ前記離着陸ポートまで人がアクセス可能に構成されている、可搬式ドローンポートが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の構成によれば、離着陸ポートが、起伏のある場所で物流用ドローンが離着陸可能な水平面を保持可能なので、使用時に物流用ドローンの高精度の着陸が可能である。
また、外側フェンスが間隔を隔てて離着陸ポートの外側を囲み、かつ高さ調節可能なので、マーカーシートを、外側フェンスに外縁を固定して水平に展張可能である。
さらに、マーカーシートが、その上面に物流用ドローンが認識可能な複数のARマーカーを有するので、物流用ドローンの高精度の着陸が可能である。
【0010】
また、マーカーシートは、離着陸ポートまで人がアクセス可能に構成されているので、離着陸ポートの上に位置する物流用ドローン及び荷物に人がアクセスすることができる。
さらに、外側フェンスが、最長部が離着陸ポートより短い大きさに折り畳み可能なので、外側フェンスを折り畳むことで、ドローンポート全体を離着陸ポートの大きさ以下に折り畳んで、容易に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態の可搬式ドローンポートの平面図である。
【
図2】
図1から可撓性シートを外した状態の可搬式ドローンポートの平面図である。
【
図4】可搬式ドローンポートの側面図であり、(A)は離着陸ポートの側面図、(B)は外側フェンスの側面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態の可搬式ドローンポートの平面図であり、
図2と同様に可撓性シートを外した状態を示している。
【
図6】外側フェンスの格納位置における平面図(A)と側面図(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0013】
図1は、本発明の第1実施形態の可搬式ドローンポート100の平面図であり、
図2は、
図1からマーカーシート30を外した状態の可搬式ドローンポート100の平面図である。
【0014】
図1と
図2において、可搬式ドローンポート100は、離着陸ポート10、外側フェンス20、及び、マーカーシート30を備える。
【0015】
図2において、離着陸ポート10は、可搬式ドローンポート100の中央部分に位置し、物流用ドローンが離着陸可能な水平面を有する。
離着陸ポート10は、ドローンが離着陸可能な固定天板12を有する。固定天板12は、上面が平らな1枚板であることが好ましいが、分割可能な複数の板であってもよい。
固定天板12の水平面の勾配は3度以内、平面寸法は例えば1.2m×1.2m、耐荷重はドローンと荷物の重量以上であり、例えば50kg以上に設定されている。
この場合、平面寸法が例えば1m×1m以内、ペイロードが2~10kgの物流用ドローンを離着陸ポート10の上面において離着陸させることができる。
以下、物流用ドローンを単に「ドローン」と呼ぶ。
【0016】
図2の外側フェンス20は、使用状態(後述する展開位置B)を示している。
この図において、外側フェンス20は、離着陸ポート10の外周面から間隔を隔てて離着陸ポート10の外側を囲んで位置する。この間隔は、外側フェンス20の外側から人がドローンに接触するのを防止できる距離に設定されている。この間隔は、例えば1mである。
従って、使用状態における外側フェンス20の平面寸法は、例えば3m×3m以上(この例では、3.2m×3.2m)であり、高精度の着陸を実現するために、大小のARマーカー38を組み合わせて配置することができる。
外側フェンス20の上端高さは、飛行時のドローンとの干渉を避けるために、離着陸ポート10の上面と同一に設定されている。また外側フェンス20の上端高さは、離着陸ポート10まで人がアクセスする際に、容易に乗り越えられる高さに設定されている。この高さは、例えば30~50cmである。
【0017】
図1において、マーカーシート30は、外側フェンス20に外縁を固定して水平に展張可能なシート状部材である。マーカーシート30は、伸縮性が少なく、折り畳み可能であり、かつ軽量であることが好ましい。マーカーシート30は、例えば、キャンバス等の布製又はナイロン製である。
【0018】
マーカーシート30は、その上面にドローンが認識可能な複数のARマーカー38を有する。
ARマーカー38は、画像認識型ARシステムにおいて、付加情報を表示する位置を指定するための標識であり、例えば単純ではっきりした白黒の図形である。
この例で、複数のARマーカー38は、高精度の着陸を実現するために、大小のARマーカー38を組み合わせて配置されている。
この構成により、ドローンに内蔵された画像認識装置により、遠方から近づくにつれて小さいARマーカー38を認識し、離着陸ポート10の中央位置に正確に着陸することができる。
【0019】
図1(A)において、マーカーシート30は、離着陸ポート10に位置する矩形の中央シート32と、離着陸ポート10と外側フェンス20の中間部に位置する矩形リング状の外側シート34と、を有する。
中央シート32と外側シート34の上面には、それぞれ異なる大きさのARマーカー38が表示されている。
【0020】
図1(A)において、中央シート32は、固定天板12の上面に密着して水平に位置決めされ、その上に離着陸するドローン及び荷物を固定天板12で支持するようになっている。
また、矩形リング状の外側シート34は、離着陸ポート10と外側フェンス20の中間部の下面(床面)に密着して水平に位置決めされ、その上に人が立ち入ることができるようになっている。
この構成により、外側フェンス20を乗り越えて外側シート34の上に人が立つことで、外側シート34の位置から離着陸ポート上の物流用ドローンに人がアクセスすることができる。
【0021】
図1(B)において、マーカーシート30は、離着陸ポート10の上面から外側フェンス20まで、外縁を固定して水平に展張された一体シートである。一体のマーカーシート30は、離着陸ポート10の上面から外側フェンス20まで、外縁を固定して水平に展張されている。
マーカーシート30の中央部分(
図1(A)の中央シート32に相当する部分)は、固定天板12の上面に密着して水平に位置決めされ、その上に離着陸するドローン及び荷物を固定天板12で支持するようになっている。
【0022】
マーカーシート30の外側部分(
図1(A)の外側シート34に相当する部分)は、離着陸ポート10と外側フェンス20の間に水平に展開されるが、中間部分は支持されていない。そのため、マーカーシート30の外側部分は、ドローン及び荷物を支持できないようになっている。
しかし、この例では、離着陸ポート10の外側にスリット35を有する。このスリット35は、面ファスナー(例えばマジックテープ(登録商標))、チャック、などで開閉可能に構成されている。
この構成により、スリット35を開いて、一体シートの一部を開き、外側フェンス20を乗り越えて一体シートの下に位置する床面に人が立つことで、離着陸ポート10のドローンまで人がアクセス可能となる。
【0023】
図3は、
図2の部分拡大図である。
図3において、離着陸ポート10は、固定天板12を支持する矩形枠14を有する。
矩形枠14は、この例では、中空矩形の一体部材であるが、軽量パイプの組合せ又は薄板で構成してもよい。
【0024】
図2と
図3において、外側フェンス20は、4組の四隅部材22と、四隅部材22にそれぞれ固定された1対の辺フレーム24と、を有する。
辺フレーム24は、順に連結された複数(この例で3つ)の辺セグメント24aからなる。
複数の辺セグメント24aは、互いに重ねて折り畳まれた格納位置Aと、直線状に連結された展開位置Bとの2つの保持位置を有する。
格納位置Aにおいて、1対の辺フレーム24は、互いに直交して位置し、離着陸ポート10の四隅に密着して格納される。
【0025】
この例で、複数の辺セグメント24aは、その端面同士を蝶番25で連結されている。蝶番25は、格納位置Aと展開位置Bでその位置を保持(ロック)する機能を有することが好ましい。
さらに、1対の辺フレーム24の辺セグメント24aの1つが互いに直交して四隅部材22に固定されている。
この構成により、外側フェンス20を
図3に示す格納位置Aから、展開位置Bまで変化させることができる。また、格納位置Aでは、外側フェンス20の最長部が離着陸ポート10より短い大きさに折り畳み可能である。
【0026】
なお、
図3は、図で右上に位置する外側フェンス20を示しているが、他の部分も同様である。
また、
図3に示す4組の外側フェンス20は、互いに端部を連結具で連結し、全体として平面視で正方形の
図2に示す外側フェンス20を形成する。
【0027】
図2と
図3において、可搬式ドローンポート100は、さらに、4組の対角線フレーム28を有する。
4組の対角線フレーム28は、それぞれ離着陸ポート10(矩形枠14)の四隅に固定され、離着陸ポート10の内側に収容された収容位置から離着陸ポート10の対角線方向に引出し可能に構成されている。
また、対角線フレーム28の外端が四隅部材22に鉛直軸を中心に回転可能に固定されている。
対角線フレーム28は、その収容位置と引出した展開位置とでその位置を保持(ロック)する機能を有することが好ましい。
この構成により、離着陸ポート10と外側フェンス20を一体化することができ、かつ、外側フェンス20の展開時に、離着陸ポート10に対する外側フェンス20の位置を正確に位置決めすることができる。
【0028】
図4は、可搬式ドローンポート100の側面図であり、(A)は離着陸ポート10の側面図、(B)は外側フェンス20の側面図である。
【0029】
図4(A)において、離着陸ポート10は、その上面高さを調整可能なポート支持脚40A、上面の水平度を検出可能な水準器42、及びキャスタ44を有する。
【0030】
ポート支持脚40Aは、起伏のある場所で離着陸ポート10の上面の水平面を保持可能にするための高さ調整範囲を有する。例えば、固定天板12の水平面の勾配を3度以内に調整するための高さ調整範囲を有する。
【0031】
水準器42は、矩形枠14の4辺の中央にそれぞれ設置され、外側フェンス20の折り畳み状態(
図3のA)と展開状態(
図3のB)の両方において、上面の水平度を検出できるようになっている。
キャスタ44は、折り畳み状態(
図3のA)において、離着陸ポート10及び外側フェンス20を水平移動させる際に用いる。
【0032】
図4(B)において、外側フェンス20は、その上面高さを調整可能なフェンス支持脚40Bと、その上を越える物体を検出する検出センサ46と、異常を通知するアラーム装置48と、を有する。
フェンス支持脚40Bは、起伏のある場所で外側フェンス20の上端を固定天板12と一致させるための高さ調整範囲を有する。
【0033】
検出センサ46は、この例では四隅部材22の上部に固定された4つの光電センサであり、それぞれレーザ光47を水平に発光し受光する。レーザ光47は、外側フェンス20に沿ってその上方を水平に延びる。
この構成により、外側フェンス20を越えて進入する異物(人や動物)を検出することができる。
【0034】
アラーム装置48は、この例では検出センサ46の上部に固定されたブザー付きのパトランプであり、検出センサ46の検出信号に応じて光と音で異常を通知する。
【0035】
上述した第1実施形態の可搬式ドローンポート100は、離着陸ポート10と外側フェンス20が対角線フレーム28で連結された一体型である。
【0036】
図5は、本発明の第2実施形態の可搬式ドローンポート100の平面図であり、
図2と同様にマーカーシート30を外した状態を示している。
この例で、離着陸ポート10とマーカーシート30は、第1実施形態と同様である。
外側フェンス20は、この例では、離着陸ポート10の外側に離れて位置する。
すなわち、第2実施形態の可搬式ドローンポート100は、離着陸ポート10と外側フェンス20が分離している分離型である。
【0037】
図6は、外側フェンス20の格納位置における平面図(A)と側面図(B)である。
この例で、外側フェンス20は、4組の四隅部材22と、四隅部材22にそれぞれ固定された1対の辺フレーム24と、を有する。
辺フレーム24は、順に連結された複数の辺セグメント24aからなる。
複数の辺セグメント24aは、互いに重ねて折り畳まれた格納位置(
図6)と、直線状に連結された展開位置(
図5)との保持位置を有する。
以上の構成は、第1実施形態と同様である。
【0038】
図6(A)において、外側フェンス20は、格納位置Aにおいて、1対の辺フレーム24が、互いに平行に位置し、4組の外側フェンス20を重ねて搬送可能になっている。
また、
図6(B)において、外側フェンス20は、その上面高さを調整可能なフェンス支持脚40Bを有する。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0039】
なお、
図5において、外側フェンス20の四隅の直角を強固に保持するために、直角保持部材を追加してもよい。
また、外側フェンス20の展開時に、離着陸ポート10に対する外側フェンス20の位置を正確に位置決めするために、離着陸ポート10と外側フェンス20を連結する連結部材を追加してもよい。
【0040】
上述した本発明の実施形態によれば、離着陸ポート10が、起伏のある場所で物流用ドローンが離着陸可能な水平面を保持可能なので、使用時に物流用ドローンの高精度の着陸が可能である。
また、外側フェンス20が間隔を隔てて離着陸ポート10の外側を囲み、かつ高さ調節可能なので、マーカーシート30を、外側フェンス20に外縁を固定して水平に展張可能である。
さらに、マーカーシート30が、その上面に物流用ドローンが認識可能な複数のARマーカー38を有するので、物流用ドローンの高精度の着陸が可能である。
【0041】
また、マーカーシート30は、離着陸ポート10まで人がアクセス可能に構成されているので、離着陸ポート10の上に位置する物流用ドローン及び荷物に人がアクセスすることができる。
さらに、外側フェンス20が、最長部が離着陸ポート10より短い大きさに折り畳み可能なので、外側フェンス20を折り畳むことで、ドローンポート全体を離着陸ポート10の大きさ以下に折り畳んで、容易に搬送することができる。
【0042】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0043】
10 離着陸ポート、12 固定天板、14 矩形枠、
20 外側フェンス、22 四隅部材、24 辺フレーム、24a 辺セグメント、
28 対角線フレーム、30 マーカーシート、32 中央シート、
34 外側シート、35 スリット、38 ARマーカー、
40A ポート支持脚、40B フェンス支持脚、42 水準器、44 キャスタ、
46 検出センサ、48 アラーム装置、100 可搬式ドローンポート