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特許7175786異常検出装置、シミュレータ、プラント監視システム、異常検出方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】異常検出装置、シミュレータ、プラント監視システム、異常検出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20221114BHJP
【FI】
G05B23/02 R
G05B23/02 302V
G05B23/02 G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019020252
(22)【出願日】2019-02-07
(65)【公開番号】P2020129158
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2022-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100210572
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 太一
(72)【発明者】
【氏名】谷 祐司郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 裕
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-3120(JP,A)
【文献】特開2017-2554(JP,A)
【文献】特開平6-222191(JP,A)
【文献】特開昭64-21510(JP,A)
【文献】特開平6-74874(JP,A)
【文献】特開2016-57650(JP,A)
【文献】特開平5-322604(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0192078(US,A1)
【文献】矢羽田 喜彦,安定・安全操業に向けたプラントシミュレータの適応,計装 Vol.56 No.2 INSTRUMENTATION CONTROL ENGINEERING,日本,(有)工業技術社,2013年,第56巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントの実機から実機計測値を取得し、前記プラントの制御装置から制御指令を取得する取得部と、
前記プラントの実機の状態を示すシミュレータ計算値を前記制御指令に基づいて算出するシミュレーション部と、
算出した前記シミュレータ計算値に対する前記実機計測値の乖離の度合いが所定の判定閾値を上回った場合に、前記実機に異常が発生したと判定する異常判定部と、
前記異常が発生したと判定された場合に、当該判定がなされた時刻までの前記実機計測値の時系列に基づいて前記異常が発生した時刻を推定する推定部と、
を備え、
前記推定部は、前記異常が発生したと判定された場合に、異常が発生したことを示す事故信号を前記シミュレーション部へ通知し、
前記シミュレーション部は、前記事故信号を取得すると、前記制御指令に基づく前記シミュレータ計算値の算出を停止し、前記シミュレータ計算値を、前記異常が発生した時刻における前記シミュレータ計算値の値に遡らせ、当該時刻以降における前記異常を反映させた前記シミュレータ計算値を算出する、
異常検出装置。
【請求項2】
前記推定部は、更に、
前記実機に異常が発生したと判定された時刻における前記実機計測値が満たす条件に基づいて、前記異常の種類を推定する
請求項に記載の異常検出装置。
【請求項3】
前記推定部は、更に、
前記推定した種類の前記異常の発生を前記シミュレーション部に反映させたうえで、当該異常が発生した時刻から現在時刻までの模擬運転より得られたシミュレータ計算値の時系列に基づいて、前記異常の規模を推定する
請求項に記載の異常検出装置。
【請求項4】
前記推定部は、
少なくとも前記異常が発生したと判定された時刻の後、所定時間が経過した時刻までに取得された前記実機計測値の時系列、及び、前記シミュレータ計算値の時系列の類似度に基づいて、前記異常の規模を推定する
請求項に記載の異常検出装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記異常が発生した時刻を、前記実機計測値の時系列の変化率に基づいて推定する、
請求項1から請求項の何れか1項に記載の異常検出装置。
【請求項6】
プラントの実機から実機計測値を取得し、前記プラントの制御装置から制御指令を取得する取得部と、
前記プラントの実機の状態を示すシミュレータ計算値を前記制御指令に基づいて算出するシミュレーション部と、
前記シミュレータ計算値に対する前記実機計測値の乖離の度合いが所定の判定閾値を上回った場合に、前記実機に異常が発生したと判定する異常判定部と、
前記異常が発生したと判定された場合に、当該判定がなされた時刻までの前記実機計測値の時系列に基づいて前記異常が発生した時刻を推定する推定部と、
を備え、
前記推定部は、前記異常が発生したと判定された場合に、異常が発生したことを示す事故信号を前記シミュレーション部へ通知し、
前記シミュレーション部は、前記事故信号を取得すると、前記制御指令に基づく前記シミュレータ計算値の算出を停止し、前記シミュレータ計算値を、前記異常が発生した時刻における前記シミュレータ計算値の値に遡らせ、当該時刻以降における前記異常を反映させた前記シミュレータ計算値を算出する、
シミュレータ。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の異常検出装置と、
前記制御装置と、
を備えるプラント監視システム。
【請求項8】
プラントの実機から実機計測値を取得し、前記プラントの制御装置から制御指令を取得するステップと、
シミュレータが、前記プラントの実機の状態を示すシミュレータ計算値を前記制御指令に基づいて算出するステップと、
算出された前記シミュレータ計算値に対する前記実機計測値の乖離の度合いが所定の判定閾値を上回った場合に、前記実機に異常が発生したと判定するステップと、
前記異常が発生したと判定された場合に、当該判定がなされた時刻までの前記実機計測値の時系列に基づいて前記異常が発生した時刻を推定するステップと、
前記異常が発生したと判定された場合に、異常が発生したことを示す事故信号を前記シミュレータへ通知するステップと、
前記シミュレータが、前記事故信号を取得すると、前記制御指令に基づく前記シミュレータ計算値の算出を停止し、前記シミュレータ計算値を、前記異常が発生した時刻における前記シミュレータ計算値の値に遡らせ、当該時刻以降における前記異常を反映させた前記シミュレータ計算値を算出するステップと、
を有する異常検出方法。
【請求項9】
異常検出装置のコンピュータに、
プラントの実機から計測される実機計測値を取得し、前記プラントの制御装置から制御指令を取得するステップと、
前記プラントの実機の状態を示すシミュレータ計算値を前記制御指令に基づいて算出するステップと、
算出された前記シミュレータ計算値に対する前記実機計測値の乖離の度合いが所定の判定閾値を上回った場合に、前記実機に異常が発生したと判定するステップと、
前記異常が発生したと判定された場合に、当該判定がなされた時刻までの前記実機計測値の時系列に基づいて前記異常が発生した時刻を推定するステップと、
前記異常が発生したと判定された場合に、異常が発生したことを示す事故信号を前記シミュレータ計算値を算出する機能へ通知するステップと、
前記シミュレータ計算値を算出する機能が、前記事故信号を取得すると、前記制御指令に基づく前記シミュレータ計算値の算出を停止し、前記シミュレータ計算値を、前記異常が発生した時刻における前記シミュレータ計算値の値に遡らせ、当該時刻以降における前記異常を反映させた前記シミュレータ計算値を算出するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常検出装置、シミュレータ、プラント監視システム、異常検出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種センサを通じてプラントの実機の動作状態をモニタリングし、現在のプラントの状態を判断したり、将来のプラントの状態を予測したりする場合がある。例えば、実機のモニタリングデータに基づいて将来の運転状況を予測する予測シミュレータを用いた運転支援装置が知られている。
【0003】
また、特許文献1には、異常事象の識別結果に基づいて異常発生時刻推定方式を決定し、適合度および異常発生時刻推定方式に基づいて、識別された異常事象の発生時刻を推定する管路異常検知装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-002554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プラントの実機の動作を、コンピュータ演算により忠実に模擬するシミュレータが知られている。このようなシミュレータを応用して、実機の異常を正確かつ早期に検出することが望まれている。
【0006】
本発明は、プラントの実機のシミュレータを用いて、実機の異常を正確かつ早期に検出することができる異常検出装置、シミュレータ、プラント監視システム、異常検出方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、異常検出装置は、プラントの実機から実機計測値を取得し、前記プラントの制御装置から制御指令を取得する取得部と、前記プラントの実機の状態を示すシミュレータ計算値を前記制御指令に基づいて算出するシミュレーション部と、算出した前記シミュレータ計算値に対する前記実機計測値の乖離の度合いが所定の判定閾値を上回った場合に、前記実機に異常が発生したと判定する異常判定部と、前記異常が発生したと判定された場合に、当該判定がなされた時刻までの前記実機計測値の時系列に基づいて前記異常が発生した時刻を推定する推定部と、を備え、前記推定部は、前記異常が発生したと判定された場合に、異常が発生したことを示す事故信号を前記シミュレーション部へ通知し、前記シミュレーション部は、前記事故信号を取得すると、前記制御指令に基づく前記シミュレータ計算値の算出を停止し、前記シミュレータ計算値を、前記異常が発生した時刻における前記シミュレータ計算値の値に遡らせ、当該時刻以降における前記異常を反映させた前記シミュレータ計算値を算出する。
【0009】
本発明の第の態様によれば、前記推定部は、更に、前記実機に異常が発生したと判定された時刻における前記実機計測値が満たす条件に基づいて、前記異常の種類を推定する。
【0010】
本発明の第の態様によれば、前記推定部は、更に、前記推定した種類の前記異常の発生を前記シミュレーション部に反映させたうえで、当該異常が発生した時刻から現在時刻までの模擬運転より得られたシミュレータ計算値の時系列に基づいて、前記異常の種類と規模を推定する。
【0011】
本発明の第の態様によれば、前記推定部は、少なくとも前記異常が発生したと判定された時刻の後、所定時間が経過した時刻までに取得された前記実機計測値の時系列、及び、前記シミュレータ計算値の時系列の類似度に基づいて、前記異常の種類と規模を推定する。
【0012】
本発明の第の態様によれば、前記推定部は、前記異常が発生した時刻を、前記実機計測値の時系列の変化率に基づいて推定する。
【0013】
本発明の第の態様によれば、シミュレータは、プラントの実機から実機計測値を取得し、前記プラントの制御装置から制御指令を取得する取得部と、前記プラントの実機の状態を示すシミュレータ計算値を前記制御指令に基づいて算出するシミュレーション部と、前記シミュレータ計算値に対する前記実機計測値の乖離の度合いが所定の判定閾値を上回った場合に、前記実機に異常が発生したと判定する異常判定部と、前記異常が発生したと判定された場合に、当該判定がなされた時刻までの前記実機計測値の時系列に基づいて前記異常が発生した時刻を推定する推定部と、を備え、前記推定部は、前記異常が発生したと判定された場合に、異常が発生したことを示す事故信号を前記シミュレーション部へ通知し、前記シミュレーション部は、前記事故信号を取得すると、前記制御指令に基づく前記シミュレータ計算値の算出を停止し、前記シミュレータ計算値を、前記異常が発生した時刻における前記シミュレータ計算値の値に遡らせ、当該時刻以降における前記異常を反映させた前記シミュレータ計算値を算出する
【0014】
本発明の第の態様によれば、プラント監視システムは、上述の制御装置と異常検出装置を備える。
【0015】
本発明の第の態様によれば、異常検出方法は、プラントの実機から実機計測値を取得し、前記プラントの制御装置から制御指令を取得するステップと、シミュレータが前記プラントの実機の状態を示すシミュレータ計算値を前記制御指令に基づいて算出するステップと、算出された前記シミュレータ計算値に対する前記実機計測値の乖離の度合いが所定の判定閾値を上回った場合に、前記実機に異常が発生したと判定するステップと、前記異常が発生したと判定された場合に、当該判定がなされた時刻までの前記実機計測値の時系列に基づいて前記異常が発生した時刻を推定するステップと、前記異常が発生したと判定された場合に、異常が発生したことを示す事故信号を前記シミュレータへ通知するステップと、前記シミュレータは、前記事故信号を取得すると、前記制御指令に基づく前記シミュレータ計算値の算出を停止し、前記シミュレータ計算値を、前記異常が発生した時刻における前記シミュレータ計算値の値に遡らせ、当該時刻以降における前記異常を反映させた前記シミュレータ計算値を算出するステップと、を有する。
【0016】
本発明の第の態様によれば、プログラムは、異常検出装置のコンピュータに、プラントの実機から計測される実機計測値を取得し、前記プラントの制御装置から制御指令を取得するステップと、前記プラントの実機の状態を示すシミュレータ計算値を前記制御指令に基づいて算出するステップと、算出された前記シミュレータ計算値に対する前記実機計測値の乖離の度合いが所定の判定閾値を上回った場合に、前記実機に異常が発生したと判定するステップと、前記異常が発生したと判定された場合に、当該判定がなされた時刻までの前記実機計測値の時系列に基づいて前記異常が発生した時刻を推定するステップと、前記異常が発生したと判定された場合に、異常が発生したことを示す事故信号を前記シミュレータ計算値を算出する機能へ通知するステップと、前記シミュレータ計算値を算出する機能は、前記事故信号を取得すると、前記制御指令に基づく前記シミュレータ計算値の算出を停止し、前記シミュレータ計算値を、前記異常が発生した時刻における前記シミュレータ計算値の値に遡らせ、当該時刻以降における前記異常を反映させた前記シミュレータ計算値を算出するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
上述の異常検出装置、シミュレータ、プラント監視システム、異常検出方法及びプログラムによれば、プラントの実機のシミュレータを用いて、実機の異常を正確かつ早期に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態に係るプラント監視システムの全体構成を示す図である。
図2】第1の実施形態に係るシミュレータの機能構成を示す図である。
図3】第1の実施形態に係るシミュレータの処理フローを示す図である。
図4】第1の実施形態に係るシミュレータの処理を詳細に説明するための図である。
図5】第1の実施形態に係るシミュレータの処理を詳細に説明するための図である。
図6】第1の実施形態に係るシミュレータの処理を詳細に説明するための図である。
図7】第1の実施形態に係るシミュレータの処理を詳細に説明するための図である。
図8】第1の実施形態に係るシミュレータの処理を詳細に説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施形態>
以下、図1図8を参照しながら、第1の実施形態に係るプラント監視システムについて詳細に説明する。
【0020】
(プラント監視システムの全体構成)
プラント監視システム1は、例えば、原子力発電プラントの実機PLRの運転を監視するシステムである。プラント監視システム1は、制御装置10と、シミュレータPLVとを備えている。
【0021】
制御装置10は、プラントの実機PLRの運転を制御するための制御指令を出力する。また、制御装置10は、実機PLRに出力する制御指令と同じ信号を、シミュレータPLVにも出力する。制御装置10は、実機PLRから計測値(以下、「実機計測値」とも記載する。)を取得する。同様に、シミュレータPLVも実機計測値を取得する。シミュレータPLVは、自らが算出する実機PLRの運転状態を示す計算値(以下、「シミュレータ計算値」とも記載する。)を取得する。即ち、シミュレータPLVは、同一の制御指令に基づいてそれぞれ動作した実機PLR及びシミュレータPLVのそれぞれから、実機計測値及びシミュレータ計算値を取得する。シミュレータPLVは、取得した実機計測値及びシミュレータ計算値を対比することで実機PLRの異常を検出する異常検出装置としても機能する。
【0022】
実機PLRは、タービンやボイラー、種々の配管からなる設備である。実機PLRの各所には、種々のセンサが設けられており、制御装置10は、これらのセンサを介して実機計測値を取得する。種々のセンサとは、配管の温度、圧力、流量等を計測可能な各種計器類、タンクの貯水量検出センサ、弁の開閉検知センサなどである。複数のセンサを通じて取得された実機計測値は、逐次、制御装置10及びシミュレータPLVによって取得される。
【0023】
シミュレータPLVは、実機PLRのいわゆるデジタルツインであって、実体としては演算装置(コンピュータ)である。即ち、シミュレータPLVは、実機PLRの運転を模擬する実機シミュレーションモデルである。シミュレータPLVは、運転中の実機PLR内で生じる物理的現象を表す関数群によって構築される。シミュレータPLVは、制御装置10から受け付けた制御指令を組み入れて物理演算を行い、実機PLRの運転状態を模擬する。シミュレータPLVは、例えば、実機PLRの監視や運転訓練用途等で開発されたものであって、実機PLRとの整合性について実績があるシミュレーションモデルで構築されるのが好ましい。
【0024】
実機PLRは、本実施形態においては原子力発電プラントに設置される装置、設備等を想定しているが、他の実施形態においては原子力以外の発電プラント(火力発電プラント等)であってもよいし、発電プラント以外のプラント(例えば、化学プラント、廃棄物処理プラント等)に設置される装置、設備等であってもよい。
【0025】
(シミュレータの機能構成)
図2は、第1の実施形態に係るシミュレータの機能構成を示す図である。
図2に示すように、シミュレータPLVは、CPU100と、メモリ101と、通信インタフェース102と、モニタ103と、入力機器104と、ストレージ105とを備えている。
【0026】
メモリ101は、いわゆる主記憶装置であって、CPU100がプログラムに基づいて動作するための命令及びデータが展開される。
【0027】
通信インタフェース102は、シミュレータPLVの外部(実機PLR、制御装置10等)との通信を行うためのインタフェース機器である。
【0028】
モニタ103は、情報を視認可能に表示する表示デバイスであって、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどであってよい。
【0029】
入力機器104は、シミュレータPLVの使用者の操作を受け付ける入力デバイスであって、例えば、一般的なマウス、キーボード、タッチセンサなどであってよい。
【0030】
ストレージ105は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等であってよい。ストレージ105には、異常推定用テーブルDB(後述)が記録されている。
【0031】
CPU100は、シミュレータPLVの動作全体の制御を司るプロセッサである。本実施形態に係るCPU100は、図2に示すように、取得部1000、異常判定部1001、通知処理部1002、推定部1003及び、シミュレーション部1004としての機能を発揮する。以下、CPU100が有する各機能について説明する。
【0032】
取得部1000は、実機PLRに設けられた各種センサから実機計測値を取得する。また、取得部1000は、シミュレーション部1004からシミュレータ計算値を取得する。また、取得部1000は、制御装置10が実機PLRへ出力した制御指令を取得する。
【0033】
異常判定部1001は、実機PLRの運転の異常の有無を判定する。具体的には、異常判定部1001は、取得部1000によって取得されたシミュレータ計算値に対する実機計測値の乖離の度合いが所定の判定閾値を上回った場合に、実機PLRに異常が発生したと判定する。
【0034】
通知処理部1002は、異常判定部1001によって実機PLRの運転に異常が発生したと判定された場合に、モニタ103等を通じて、オペレータに向けて異常が発生したことを通知する。
【0035】
推定部1003は、異常判定部1001によって実機PLRの運転に異常が発生したと判定された場合に、当該異常に関する種々の情報を推定する。具体的には、推定部1003は、実機PLRの運転に異常が発生したと判定された場合に、当該異常が発生した時刻、異常の種類、及び、異常の規模を推定する。推定部1003がこれら異常に関する情報を推定する処理の具体的態様については後述する。
【0036】
シミュレーション部1004は、取得部1000が取得した実機計測値や制御指令を、プラントにおける物理的現象を表す関数群に反映させて物理演算を行い、シミュレータ計算値を算出する。関数群は、例えば、制御装置10が出力した制御指令の一部を入力すると、同様の制御指令を受けた実機PLRで計測される実機計測値と同じ値を出力する。シミュレーション部1004は、取得部1000を通じて最新の制御指令を取得し、その値を用いたシミュレータ計算値の算出を継続的に行う。シミュレーション部1004は、シミュレータ計算値の算出に実機計測値を用いてもよい。これにより、シミュレータPLVは、リアルタイムに実機PLRの運転状態を模擬するデジタルツインとして機能する。シミュレータ計算値には、実機のセンサが設置されていない箇所における監視対象の温度や圧力などの物理量が含まれる。オペレータは、シミュレータ計算値を参照することで、実機計測値だけからは得られない様々な情報を得ることができ、プラントの監視に役立てることができる。従って、シミュレーション部1004が出力するシミュレータ計算値をプラントの監視に用いる場合、シミュレータ計算値には、高いシミュレーション精度を維持することが求められる。
【0037】
(シミュレータの処理フロー)
図3は、第1の実施形態に係るシミュレータの処理フローを示す図である。
また、図4図8は、第1の実施形態に係るシミュレータの処理を詳細に説明するための図である。
【0038】
図3に示す処理フローは、実機PLRの運転中において、継続して繰り返し実行される。
【0039】
まず、シミュレータPLVの取得部1000は、実機PLRの各種センサを通じて実機計測値を取得し、かつ、シミュレーション部1004からシミュレータ計算値を取得する(ステップS30)。シミュレータ計算値は、シミュレーション部1004が、取得部1000によって取得された制御指令等を用いて算出した物理量αである。この物理量αは、取得部1000が取得する実機計測値にも含まれている。
【0040】
次に、シミュレータPLVの異常判定部1001は、ステップS30で取得した実機計測値とシミュレータ計算値との乖離の度合いを算出し、当該乖離の度合いが所定の判定閾値を上回っているか否かを判定する(ステップS31)。例えば、異常判定部1001は、物理量αの実機計測値と物理量αのシミュレータ計算値とを比較する。乖離の度合いが所定の判定閾値を上回っていない場合(ステップS31;NO)、異常判定部1001は、実機PLRに異常が発生していないと判定する。この場合、CPU100は、ステップS30の処理に戻る。
【0041】
乖離の度合いが所定の判定閾値を上回っていた場合(ステップS31;YES)、実機PLRに異常が発生したと判定する。この場合、シミュレータPLVの通知処理部1002は、モニタ103等を通じてオペレータに異常の発生を通知する(ステップS32)。
【0042】
図4を参照しながら、上述したステップS31~ステップS32の処理について詳しく説明する。
図4に示すグラフは、ある基準時刻t0から現在時刻(時刻ta)までに取得された実機計測値の時系列DR及びシミュレータ計算値の時系列DVを示している。図4においては、実機PLRから取得される一つのパラメータ(例えば、ある配管Aの圧力)についての実機計測値と、同一のパラメータ(配管Aの圧力)についてのシミュレータ計算値との対比を示している。本実施形態においては、実際には、複数種類のパラメータごとに、実機計測値及びシミュレータ計算値の対比がなされる。
【0043】
図4に示すように、ある時刻taに取得された実機計測値DRaとシミュレータ計算値DVaとの乖離の度合いg(g=|DRa-DVa|)が、判定閾値gthを上回ったとする(ステップS31;YES)。この場合、異常判定部1001は、実機PLRに異常が発生したと判定する。これにより、通知処理部1002は、時刻taにおいて、異常の発生を通知する(ステップS32)。つまり、時刻taにおいて、シミュレータPLV(異常検出装置)によって異常の発生が検出される。
【0044】
図3に戻り、続いて、シミュレータPLVの推定部1003は、発生した異常に関する各種情報を推定すべく、以下の処理を実行する。
【0045】
推定部1003は、異常発生時刻を推定する(ステップS33)。異常発生時刻とは、実機PLRにて実際に異常が発生した時刻であって、異常が検出された時刻(図4に示す時刻ta)よりも前の時刻となる。
【0046】
図5を参照しながら、上述したステップS33の処理について詳しく説明する。
図5に示すグラフ5aは、図4と同様、ある基準時刻t0から現在時刻(時刻ta)までに取得された実機計測値の時系列DR及びシミュレータ計算値の時系列DVを示している。また、図5に示すグラフ5bは、実機計測値の時系列DRの時間微分である変化率ΔDRを示している。
【0047】
本実施形態においては、推定部1003は、所定の基準時刻t0から異常ありとの判定がなされた時刻(時刻ta)までの実機計測値の時系列DRに基づいて、実機PLRに異常が発生した時刻を推定する。具体的には、推定部1003は、時刻taまでの実機計測値の時系列DRの変化率ΔDRを算出し、更に、当該変化率ΔDRが所定の判定閾値ΔDRthを上回った時刻(時刻tb)を特定する。ここで、変化率ΔDRが判定閾値ΔDRthを上回った時刻tbは、実機計測値の時系列DRのトレンドの変化点とみなすことができる。したがって、推定部1003は、上記のように特定した時刻tbを、異常が発生した時刻として推定する。推定部1003は、シミュレーション部1004へ異常の発生を示す事故信号を通知する。事故信号を取得すると、シミュレーション部1004は、シミュレータ計算値の算出を一旦停止する。さらに推定部1003は、実機PLRの模擬状態を、時刻tbにおける実機PLRの運転状態に戻すようシミュレーション部1004へ指示する。シミュレーション部1004は、時刻tbにおけるシミュレータ計算値を再現する。例えば、シミュレーション部1004は、時刻ごとのシミュレータ計算値及び実機計測値及び制御指令を、その時刻と対応付けてストレージ105へ記録する。推定部1003から模擬状態を時刻tbへ戻すように指示を受けると、シミュレーション部1004は、ストレージ105から、時刻tbのシミュレータ計算値等を読み出して、時刻tbにおける実機PLRの運転状態を再現する。
【0048】
図3に戻り、次に、推定部1003は、実機PLRで発生した異常の種類を判定する(ステップS34)。異常の種類とは、異常の態様、性質、発生個所等を特定する情報であり、例えば、「配管A破断」、「配管B閉塞」、「電磁弁X故障」等の情報である。
【0049】
図6を参照しながら、上述したステップS34の処理について詳しく説明する。
図6に示す情報テーブルは、事前にストレージ105に格納された異常推定用テーブルDBの例である。図6に示すように、異常推定用テーブルDBは、予め規定した「異常の種類」毎に、複数種類の実機計測値が満たす条件の組み合わせが記録されている。図6に示した各条件T1、T2、・・、P1、P2、・・、F1、F2、・・は、各実機計測値DR_T、DR_P、DR_F、・・の範囲(〇〇以上、××以下)、或いは、各実機計測値DR_T、DR_P、DR_F、・・の変化量の範囲等で規定される。
【0050】
推定部1003は、上述のステップS34において、異常推定用テーブルDBを参照して、現在時刻(時刻ta)までに取得した実機計測値の時系列DRが、各「異常の種類」ごとに規定された条件の組み合わせを満たしているか否かを判定する。例えば、推定部1003は、実機計測値DR_Tが条件T1を満たし、実機計測値DR_Pが条件P1を満たし、かつ、実機計測値DR_Fが条件F1を満たしていた場合には、実機PLRで事故事象X1(配管A破断)が発生したものと推定する。
【0051】
なお、実機計測値の時系列の組み合わせによっては、異常推定用テーブルDBに規定された複数種類の条件の組み合わせが同時に当てはまる場合も想定される。例えば、ある実機計測値の時系列の組み合わせは、事故事象Xaの条件と、事故事象Xbの条件との両方を満たすことも考えられる。この場合、推定部1003は、実機PLRで「事故事象Xa、Xbの何れか一方又は両方が発生した。」と推定する。
【0052】
図3に戻り、次に、推定部1003は、実機PLRで発生した異常の規模を推定するにあたり、以下に説明するステップS35~ステップS37の処理を行う。ステップS35の処理について、図7を参照しながら詳しく説明する。
【0053】
初期状態において、シミュレータPLV(シミュレーション部1004)が物理演算により模擬する実機PLRの運転は、あくまで実機PLRに何らの異常が生じていない状態を前提として演算される。そのため、実機PLRに異常が発生した場合、当該異常が発生した実機PLRと、異常が発生していない前提で演算を行うシミュレータPLVとの間で、各々の運転状態に乖離が生じる。そこで、推定部1003は、当該異常が発生した時刻(ステップS33にて特定された時刻tb)に遡らせたシミュレータPLVに対し、ステップS34で特定された異常の種類を反映(マルファンクション投入)させて、模擬運転を再度やり直す(ステップS35)。
ここで、「異常をシミュレータPLVに反映させる」とは、図7に示すように、シミュレータPLVで実機PLRの模擬運転を行うにあたり、ステップS34で特定された異常の種類(例えば、「配管A破断」)が発生したことで引き起こされる物理的現象をシミュレーション部1004の演算に組み入れることである。これにより、シミュレータPLVは、当該異常(配管A破断)が発生した状態にある実機PLRの模擬運転が可能となる。
なお、最初のステップS35の処理においては、推定部1003は、シミュレータPLVに反映させる「異常の規模」を無作為に決定(例えば、破断面積:1.0cmなどと決定)する。
【0054】
以上のようにして、推定部1003は、ステップS35にて、異常の種類(例えば、配管A破断)及び異常の規模(例えば、破断面積:1.0cm)をシミュレータPLVに反映させたうえで、異常発生時刻(時刻tb)から現時点までの模擬運転を実行する。次に推定部1003は、前回に反映させた異常の規模を変更(例えば、破断面積:1.0cm→2.0cmと変更)したうえで、再度、異常発生時刻(時刻tb)から現時点までの模擬運転を行う。これをあらかじめ設定された異常の規模のバリエーション分繰り返す。
【0055】
次に、推定部1003は、現時点までの実機計測値の時系列と、異常発生時刻(時刻tb)から当該異常の発生を反映させたシミュレータPLVの模擬運転によって得られた全バリエーションのシミュレータ計算値の時系列との類似度を算出する(ステップS36)。
両者の類似度が所定の判定閾値ともっとも整合した異常の規模を、実機PLRで発生している異常の規模として推定する(ステップS37)。
【0056】
図8を参照しながら、上述したステップS36~ステップS37の処理について詳しく説明する。
推定部1003は、ステップS35~ステップS36の処理を実行することで、図8に示すように、異常の規模(例えば、配管の破断面積)の値が変更されて実行された各模擬運転に基づく複数のシミュレータ計算値の時系列を取得する。例えば、図8に示す例では、推定部1003は、破断面積を“1.0cm”として模擬運転した結果のシミュレータ計算値の時系列DV1と、破断面積を“2.0cm”として模擬運転した結果のシミュレータ計算値の時系列DV2と、破断面積を“1.5cm”として模擬運転した結果のシミュレータ計算値の時系列DV3と、を取得する。この場合、推定部1003は、シミュレータ計算値の時系列DV3と、実機計測値の時系列DRとの類似度が高いことをもってステップS36の判定を行う。そして、推定部1003は、ステップS37にて、実機PLRに発生した異常の規模について「破断面積:1.5cm」なる推定結果を取得する。
【0057】
なお、図8に示す例では、推定部1003は、異常が発生したと判定された時刻taの後、所定時間が経過した時刻(時刻tc)までに取得された実機計測値及びシミュレータ計算値を含めて類似度を計算している。このようにすることで、異常が検出された時刻よりも後の運転状態のトレンドも含めて類似判定がなされるので、異常の規模の推定精度を高めることができる。ただし、他の実施形態ではこの態様に限定されず、例えば、推定部1003は、異常検出時刻(時刻ta)までに得られた実機計測値の時系列、及び、シミュレータ計算値の時系列の類似度を計算してもよい。つまり、異常が検出された時刻よりも前の運転状態のトレンドも含めて類似判定を行ってもよい。
【0058】
次に、通知処理部1002が、異常に関する各種情報を通知する(ステップS38)。例えば、通知処理部1002は、モニタ103等を通じてオペレータに、異常の発生時刻、異常の検出時刻、異常の種類、異常の規模等の情報を通知する(ステップS38)。
【0059】
(作用、効果)
以上のように、第1の実施形態に係るシミュレータPLV(異常検出装置)は、プラントの実機PLRから実機計測値を取得し、プラントの実機PLRの運転を模擬するシミュレータPLVからシミュレータ計算値を取得する取得部1000と、取得されたシミュレータ計算値に対する実機計測値の乖離の度合いが所定の判定閾値を上回った場合に、実機PLRに異常が発生したと判定する異常判定部1001と、異常が発生したと判定された場合に、異常が発生したことを通知する通知処理部1002と、を備える。
このようにすることで、異常が発生していない前提で演算されるシミュレータPLVの運転状態から外れたことをもって実機PLRの異常判定がなされるので、迅速かつ正確に異常の発生を検出することができる。
【0060】
また、第1の実施形態に係るシミュレータPLVは、更に、異常の発生が検出された場合に、当該発生した異常に関する情報(異常発生時刻、異常の種類、異常の規模)を推定する推定部1003を備えている。
このようにすることで、オペレータは、発生した異常についての情報を把握することができ、迅速かつ適切な対応をとることができる。これにより、異常の早期収束を図ることができる。
【0061】
また、推定部1003は、異常発生時刻を推定し、シミュレータPLVが模擬する実機PLRの運転状態を、異常発生時刻の時点に遡らせる機能を有している。異常発生時刻は、シミュレータ計算値と実機計測値の乖離が生じる直前であり、異常発生時刻においてシミュレーション部1004が算出したシミュレータ計算値は、実機PLRの運転状態を高精度に再現したものである。推定部1003は、高精度に模擬された運転状態に対してマルファンクション投入を行い、異常の種類及び規模の推定を行うので、実機PLRで発生している異常の種類、規模を精度よく推定することができる。
【0062】
また、シミュレーション部1004は、実機計測値及び制御指令に基づいてシミュレータ計算値の算出を行うが、異常が発生したことを判断する機能が無いため、次々と送られてくる実機計測値及び制御指令に合わせるように実機PLRの運転状態を模擬する。すると、シミュレータ計算値の少なくとも一部が、実際の実機PLRの運転状態から次第に乖離し、シミュレーション精度が低下することになる。例えば、監視の目的でシミュレータPLVを利用する場合には、オペレータは、誤ったシミュレータ計算値を参照して監視することになる。これに対し、推定部1003によれば、模擬した運転状態が実機PLRの運転状態から乖離し始める時刻(異常発生時刻)を特定し、シミュレーション部1004へ事故信号を通知することができる。これにより、シミュレーション部1004による誤ったシミュレーションの継続を停止させることができる。また、異常発生時刻以前を、シミュレータ計算値の値が正しい期間として確定することができる。値が正しいと確定された期間のシミュレータ計算値は、例えば、後に異常発生の解析などに役立てることができる。
【0063】
なお、上述したシミュレータPLV(異常検出装置)における各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0064】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、シミュレータPLV(異常検出装置)は、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。
【0065】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、取得部1000、異常判定部1001、通知処理部1002、推定部1003の機能を制御装置10に設けてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 プラント監視システム
10 制御装置
100 CPU
1000 取得部
1001 異常判定部
1002 通知処理部
1003 推定部
1004 シミュレーション部
101 メモリ
102 通信インタフェース
103 モニタ
104 入力機器
105 ストレージ
PLR 実機
PLV シミュレータ(異常検出装置)
DB 異常推定用テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8