(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】暖房装置
(51)【国際特許分類】
F23K 5/14 20060101AFI20221114BHJP
【FI】
F23K5/14 505
(21)【出願番号】P 2019117080
(22)【出願日】2019-06-25
【審査請求日】2021-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 篤
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 祐哉
(72)【発明者】
【氏名】武田 真純
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】実公平05-039299(JP,Y2)
【文献】特開昭60-221617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23K 5/00 - 5/22
F23D 3/00 - 3/40
F23N 1/02 - 5/24
F24C 5/00 - 5/20
G01F 23/00 - 23/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料を貯留するカートリッジ式タンクと、
前記カートリッジ式タンクが挿入されるタンク収容部を有する暖房装置本体と、
前記タンク収容部の内底部に配置された燃料受皿部と、
前記燃料受皿部に形成されたセンサ設置部に設置されて、前記カートリッジ式タンク内の液体燃料の残量を検出する重量センサと、
を備えた暖房装置であって、
前記センサ設置部には、前記燃料受皿部のセンサ設置面から所定の高さだけ段差状に下がって形成されて、前記重量センサとの間に隙間を形成するための凹部が形成され
、
前記重量センサは、先端部が前記凹部の上方に配置され、基端部がセンサベースに支持された起歪体と、
前記起歪体上に載設されたセンサ本体と、
を備えていること、
を特徴とする暖房装置。
【請求項2】
前記カートリッジ式タンクの下部には、口金部が設けられ、
前記燃料受皿部には、前記口金部が着脱自在に挿入される燃料供給口と、
前記燃料供給口の周縁に形成された前記凹部と、
前記凹部の両側にそれぞれ設けられて、前記口金部に押されて下降する前記起歪体の先端部の曲がる範囲を規制するセンサ規制用ダボと、
が形成されていること、
を特徴とする請求項
1に記載の暖房装置。
【請求項3】
前記燃料受皿部は、前記燃料供給口と、前記凹部と、前記センサ規制用ダボと、前記口金部が当接するタンク支持用ダボと、をプレス成形して形成した上板部材と、
前記上板部材の外周部に連結された下板部材と、
を備えて構成されていること、
を特徴とする請求項
2に記載の暖房装置。
【請求項4】
前記センサ設置面から前記センサ規制用ダボの上端までの高さは、前記センサ設置面から前記重量センサが前記カートリッジ式タンクによって押される押圧面までの高さよりも低く、
前記センサ設置面から前記重量センサの下面までの高さよりも高く形成されていること、
を特徴とする請求項
2または請求項
3に記載の暖房装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ式タンクを備えた暖房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
灯油等の液体燃料を燃焼部で燃焼させることによって暖房する暖房装置(石油ストーブ)では、液体燃料をカートリッジ式タンク内に入れて、タンクを暖房装置本体から分離できるようにしたものがある。
【0003】
このようなカートリッジ式タンクを備えた暖房装置において、暖房装置本体にカートリッジ式タンク内の液体燃料の残量を表示可能にしたものがある。暖房装置本体に液体燃料の残量表示部がある暖房装置では、カートリッジ式タンクの重さを検出するセンサ(抵抗線(18))からの出力信号に基づいて、残量が表示されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載の油表示装置は、カートリッジ式タンク(1)の残量を抵抗線(18)が歪む値に応じた電流値を電流計(25)に表示して、残油量の状況の目安を表示するものである。
【0005】
このような抵抗線(18)を利用してカートリッジ式タンク(1)内の液体燃料の残量を表示する暖房装置以外には、カートリッジ式タンクの重量をロードセル等の重量センサで検出し、その検出値に基づいて表示部に残量を表示することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、重量センサを、カートリッジ式タンクの下側の燃料受皿上に片持ち支持させ、カートリッジ式タンクの荷重で重量センサが下方向に撓むことで、液体燃料の残油量を計測できるように設置する場合、重量センサと燃料受皿との間には、重量センサがカートリッジ式タンクの重さに応じて下方向に変形できるようにするために、重量センサの下側に隙間を形成しなければならない。
【0008】
しかし、そのような暖房装置では、重量センサの下側に隙間が形成されているため、その隙間に塵埃が入り込み易い。このため、そのような暖房装置では、重量センサの下側に塵埃が溜まって、液体燃料の残料が正確に表示されなくなるという問題点がある。
【0009】
また、重量センサの下側の隙間に塵埃が溜まった場合は、隙間が狭いので、塵埃を取り除く作業が行い難く、その作業を行ったときに、重量センサが破損することもある。
【0010】
そこで、本発明は、前記した問題を解決し、重量センサの下側に塵埃等が溜まり難い暖房装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明は、液体燃料を貯留するカートリッジ式タンクと、前記カートリッジ式タンクが挿入されるタンク収容部を有する暖房装置本体と、前記タンク収容部の内底部に配置された燃料受皿部と、前記燃料受皿部に形成されたセンサ設置部に設置されて、前記カートリッジ式タンク内の液体燃料の残量を検出する重量センサと、
を備えた暖房装置であって、前記センサ設置部には、前記燃料受皿部のセンサ設置面から所定の高さだけ段差状に下がって形成されて、前記重量センサとの間に隙間を形成するための凹部が形成され、前記重量センサは、先端部が前記凹部の上方に配置され、基端部がセンサベースに支持された起歪体と、前記起歪体上に載設されたセンサ本体と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、重量センサの下側に塵埃等が溜まり難い暖房装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る暖房装置を示す平面図である。
【
図3】カートリッジ式タンクと重量センサの配置関係を示す要部分解斜視図である。
【
図4】重量センサの設置状態を示す要部分解斜視図である。
【
図5】重量センサの設置状態を示す要部拡大分解斜視図である。
【
図6】口金と燃料受皿部との配置関係を示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1~
図8に基づいて、本発明の実施形態に係る暖房装置の一例を説明する。
便宜上、
図1に示す暖房装置100の操作パネル部15がある方向を「前」、その反対方向を「後」、「鉛直上方側を「上」、鉛直下方側を「下」、蓋体14がある方向を「右」、その反対方向を「左」として説明する。
【0015】
<暖房装置>
図2に示すように、暖房装置100は、カートリッジ式タンク2を有しているものであればよく、例えば、石油ストーブあるいは石油ファンヒータである。暖房装置100は、暖房装置本体1と、液体燃料を貯留するカートリッジ式タンク2と、カートリッジ式タンク2から供給された液体燃料を受ける燃料受皿部3と、液体燃料の残量を検出する重量センサ4と、を備えている。以下、暖房装置100は、燃焼・送気装置部12で灯油等の液体燃料を燃焼させて、そのときに発生する熱で温風を生成して、温風で室内に暖房する石油ファンヒータである場合を例に挙げて説明する。
【0016】
<暖房装置本体>
図1または
図2に示すように、暖房装置本体1は、ベース部材11と、燃焼・送気装置部12と、外装部材13と、タンク収容部1aと、内底部1bと、タンク収容部1aを開閉自在に閉塞する蓋体14と、操作パネル部15と、表示部16と、を備えている。
【0017】
図2に示すように、ベース部材11は、暖房装置本体1の下端部を形成する板状部材から成る。
燃焼・送気装置部12は、ベース部材11の上部に設けられている。
外装部材13は、暖房装置本体1の前後左右の外壁部を形成する部材である。外装部材13は、ベース部材11上に被せるように載設された金属製の箱状部材から成る。外装部材13は、ベース部材11に対して下方に向けて、垂直に折り曲げられた状態にプレス加工して形成されている。
【0018】
タンク収容部1aは、カートリッジ式タンク2を収容する設置個所である。
内底部1bは、タンク収容部1a内の下方に設けられて、カートリッジ式タンク2を支持する燃料受皿部3が設置される箇所である。
【0019】
図1または
図2に示すように、蓋体14は、タンク収容部1aを開閉自在の閉塞する金属製の板状部材から成る。蓋体14は、暖房装置本体1の上面に、基端部を中心として回動自在に軸支されている。
操作パネル部15には、運転切替スイッチや、タイマースイッチ等の複数のスイッチが配置されている。
【0020】
表示部16は、重量センサ4の検出値から算出された液体燃料の残量や、液体燃料の使用量や、タイマー時間等が表示される表示装置である。表示部16は、外装部材13の上面前側に設けられている。
【0021】
<カートリッジ式タンク>
図2に示すカートリッジ式タンク2は、暖房装置本体1から分離して移動させることが可能な燃料タンクである。カートリッジ式タンク2は、金属製のタンクから成る。カートリッジ式タンク2は、当該カートリッジ式タンク2の下部2aに設けられた口金部20と、カートリッジ式タンク2の上面に設けられた上側取手23と、カートリッジ式タンク2の下面に設けられた下側取手24(
図3参照)と、を備えている。
【0022】
図3に示すように、口金部20は、カートリッジ式タンク2内の液体燃料を放出するための部材である。口金部20は、カートリッジ式タンク2の下部2aに回動自在に設けられたキャップ蓋21と、を備えて成る。
【0023】
キャップ蓋21は、基端部に設けたヒンジ部21bを中心にカートリッジ式タンク2に対して回動可能に取り付けられている。キャップ蓋21の先端側には、キャップ蓋21をカートリッジ式タンク2に着脱可能にロックするためのロック部21aが設けられている。キャップ蓋21の中央部には、カートリッジ式タンク2の下面に設けられた開口部(図示省略)に連結される口金(図示省略)が設置されている。
【0024】
図3及び
図4に示すように、オイルフィルタ22は、燃料供給口31dに離脱自在に取り付けられ、液体燃料を浄化する略円筒形状の濾過器である。オイルフィルタ22は、上端部の開口縁部に環状のフランジ形状に形成されたセンサ作動部22aと、センサ作動部22aから下方向に延設された略円筒状の供給口挿入部22bと、を有する樹脂製の部材から成る。
【0025】
図4または
図8に示すように、センサ作動部22aは、供給口挿入部22bを燃料供給口31dに挿入しているときに、起歪体42の先端部側上に載置される箇所である。つまり、センサ作動部22aは、供給口挿入部22bを燃料供給口31dに挿入しているときに、起歪体42を下方向に押し曲げて、カートリッジ式タンク2の荷重を起歪体42に伝達させるための箇所である。
【0026】
図7に示すように、供給口挿入部22bは、燃料供給口31dから下板部材32の内底近傍まで延びた状態で、燃料受皿部3に着脱自在に装着される。
【0027】
図2に示す上側取手23は、略C字形状(略ロ字形状)に折り曲げて形成された金属製棒状部材から成る。上側取手23は、カートリッジ式タンク2の上面中央部に、基端部を中心に回動自在に軸支されている。
【0028】
図3に示す下側取手24は、略U字形状(略コ字形状)に折り曲げて形成された金属製棒状部材から成る。下側取手24は、カートリッジ式タンク2の下面中央部に、基端部を中心に回動自在に軸支されている。
【0029】
<燃料受皿部>
図3または
図7に示すように、燃料受皿部3は、カートリッジ式タンク2から供給された液体燃料を受ける部材である。燃料受皿部3は、オイルフィルタ22が着脱自在に挿入される上板部材31と、上板部材31の外周部に連結された下板部材32と、によって略容器状に形成されている。燃料受皿部3は、タンク収容部1aの内底部1bに配置されている(
図2参照)。
【0030】
図4に示すように、燃料受皿部3の上板部材31は、センサ設置部31aと、燃料供給口31dと、凹部31cと、センサ規制用ダボ31eと、タンク支持用ダボ31fと、鍔部31gと、ネジ孔31h,31iと、位置決め凸部31j,31kと、をプレス成形して有する金属製板部材から成る。
【0031】
図4または
図8に示すように、センサ設置部31aは、重量センサ4のセンサベース44が載設させるセンサ設置面31bに連続する平坦な面から成る箇所である。センサ設置部31aには、燃料受皿部3のセンサ設置面31bから所定の高さH1だけ段差状に下がって形成されて、重量センサ4との間に隙間S1を形成するための凹部31cが形成されている。
【0032】
図8に示すように、凹部31cは、重量センサ4の先端部寄りの位置の下側の所定の大きさの隙間S1を形成するための窪みである。凹部31cのセンサ設置面31bからの深さ(H1)は、例えば、2.3mmである。凹部31cは、燃料供給口31dのセンサ設置部31a側の外周縁から外側(右側)に向かって、センサ設置部31aから一段下がった状態に形成されている。凹部31cが、横幅が重量センサ4の横幅よりも幅広に形成されて、凹部31c内の重量センサ4の先端部側が没入可能な幅に形成されている。
【0033】
図4に示すように、燃料供給口31dは、略円筒状の設置孔で、オイルフィルタ22が着脱自在に挿入され、更にオイルフィルタ22に口金部20が着脱自在に挿入されるものである。燃料供給口31dは、センサ設置部31aの中央部寄りの位置に形成されている。
【0034】
センサ規制用ダボ31e、タンク支持用ダボ31f及び位置決め凸部31j,31kは、センサ設置部31aの燃料供給口31dの外周縁部に、プレス加工で突設された凸部から成る。
【0035】
センサ規制用ダボ31eは、口金部20に押されて下降する重量センサ4の先端部4aの曲げ範囲を規制する凸部である。センサ規制用ダボ31eは、凹部31cの両側にそれぞれ設けられた一対の突起から成る。
図8に示すように、センサ設置面31bからセンサ規制用ダボ31eの上端までの高さH2は、センサ設置面31bから重量センサ4がカートリッジ式タンク2によって押される押圧面42aまでの高さH3よりも低く、センサ設置面31bから重量センサ4の下面までの高さH4よりも高く形成されている。
【0036】
センサ規制用ダボ31eの高さH2は、例えば、1.45mmある。センサ設置面31bから押圧面42aまでの高さH3は、例えば、2.0mmである。センサ設置面31bから重量センサ4までの高さH4は、例えば、0.6mmである。
【0037】
図3または
図4に示すように、タンク支持用ダボ31fは、カートリッジ式タンク2の下側に配置されたセンサ作動部22aを下側から2点支持する一対の支持凸部である。タンク支持用ダボ31fのセンサ設置面31bからの高さは、例えば、2.0mmである。タンク支持用ダボ31fは、燃料供給口31dの周縁の左側寄りの前後にそれぞれ突設されている(
図6参照)。
【0038】
図4に示すように、鍔部31gは、上板部材31の全周に亘って形成されたフランジ形状の外周部である。
図7及び
図8に示すように、鍔部31gは、下板部材32の外周部に載置して、外周縁部の加締部32aを折り曲げてかしめることで、下板部材32上に固定されている。
【0039】
図4に示すように、ネジ孔31hは、起歪体42を、センサベース44を介在して上板部材31に共締め固定するためのセンサ固定ネジ46が螺合される雌ネジ孔である。ネジ孔31hは、上板部材31において、凹部31cの延長線上の外側(右側)に設置されている。
【0040】
ネジ孔31iは、センサベース44を上板部材31に固定するベース固定ネジ47がセンサベース44のネジ挿通孔44bを挿通して螺合される雌ネジ孔である。ネジ孔31iは、後記する位置決め凸部31kの外側(右側)に設置されている。
【0041】
位置決め凸部31j,31kは、上板部材31上に載設されるセンサベース44を位置決めするための凸部である。位置決め凸部31j,31kは、センサ規制用ダボ31e及びタンク支持用ダボ31fと同様に、絞り加工によって突設された凸部から成る。位置決め凸部31j,31kには、センサベース44の前側及び後側の中央部にそれぞれ形成した凸部係合孔44f,44gが係合される。
【0042】
図7に示すように、下板部材32は、上板部材31の下側に固定される略容器形状の金属製板部材である。下板部材32は、中央部側に向かって段差状に窪んで形成されている。
【0043】
<重量センサ4>
図3に示すように、重量センサ4は、カートリッジ式タンク2の重量を検出するセンサである。重量センサ4は、カートリッジ式タンク2の重量に応じて変化する抵抗値に基づいて、制御装置(図示省略)で算出したカートリッジ式タンク2内の液体燃料の残量を表示部16(
図2参照)に表示させるための検出器である。
図4に示すように、重量センサ4は、センサベース44を介在して燃料受皿部3のセンサ設置部31aに、センサ固定ネジ46でねじ止めされる。重量センサ4は、センサ本体41と、センサ本体41を実装した起歪体42と、センサ基板43と、センサベース44と、センサケース45と、センサ固定ネジ46と、ベース固定ネジ47と、を備えている。
【0044】
センサ本体41は、起歪体42上に載設されて、センサ作動部22aに押されて曲がる起歪体42の変形量(歪)を測定するセンサ素子から成る。センサ本体41は、複数のリード線(図示省略)によって、センサ基板43に接続されている。
【0045】
図4に示すように、起歪体42は、先端部が燃料供給口31dの外周縁(凹部31cの上方)に配置され、基端部がセンサベース44に片持ち支持された状態で、所定位置にセンサ固定ネジ46で固定される部材である。起歪体42は、カートリッジ式タンク2の荷重に押されたときの荷重に比例して変形して歪を発生する矩形の板状部材から成る。起歪体42は、例えば、金属製のベース材によって形成されている。起歪体42は、例えば、中央部を中心として左右対称形状に形成され、押圧面42aと、ネジ挿通孔42bと、位置決め溝42cと、を有している。センサ本体41と起歪体42は、例えば、ロードセル(荷重可変器)等の歪ゲージを構成している。
【0046】
図5及び
図8に示すように、押圧面42aは、オイルフィルタ22のセンサ作動部22aに当接して押し下げられる箇所である。押圧面42aは、起歪体42の燃料供給口31d側の先端部分である。
図4に示すように、ネジ挿通孔42bは、燃料受皿部3のネジ孔31hに螺着されるセンサ固定ネジ46が挿通される貫通孔である。
図4または
図5に示すように、位置決め溝42cは、センサベース44に突設された前後一対のセンサ位置決め用の係止突起44cがそれぞれ係合する位置決め溝である。
【0047】
図4に示すように、センサ基板43は、センサベース44上の所定位置に載設される。センサ基板43の外周部には、基板位置決め用の突起44iに係合する切欠溝43aが形成されている。
【0048】
センサベース44は、前記したように、上板部材31の所定位置に位置決めされて、センサ固定ネジ46とベース固定ネジ47とで上板部材31に固定される。センサベース44には、操作パネル部15(
図1参照)及び表示部16(
図2参照)が接続された制御基板(図示省略)に接続するためのハーネス(図示省略)が接続されている。
【0049】
図5に示すように、センサベース44には、前記したネジ挿通孔44a,44b(
図4参照)と、センサ位置決め用の係止突起44cと、センサ設置用切欠溝44dと、ストッパ44eと、凸部係合孔44f,44gと、基板収容部44hと、基板位置決め用の突起44iと、基板係止突起44jと、ケース係止孔44kと、が形成されている。
【0050】
センサ設置用切欠溝44dは、起歪体42をセンサベース44上に載設する際に、起歪体42の前後端部が係合される溝である。
ストッパ44eは、起歪体42をセンサベース44上に載設する際に、起歪体42の基端面(右側端面)が当接して、起歪体42を所定位置に配置されるようにガイドする突起である。
【0051】
凸部係合孔44f,44gは、燃料受皿部3の位置決め凸部31j,31k(
図4参照)が係合する貫通孔である。凸部係合孔44f,44gは、センサベース44の前後端部に形成されている。
基板収容部44hは、センサ基板43が挿設される有底四角筒状に形成されている。
基板位置決め用の突起44iは、センサ基板43を基板収容部44h内の所定位置に設置するためのガイド突起である。基板位置決め用の突起44iは、平面視して長方形の枠状に形成された基板収容部44hの内壁に突出形成されている。
【0052】
基板係止突起44jは、基板収容部44hに収容されたセンサ基板43の左右外周端を保持する弾性係止片である。基板係止突起44jは、基板収容部44hの周壁に沿って配置されている。
ケース係止孔44kは、センサケース45の前後端部の中央部に形成されたケース固定用係止片45aがスナップフィットで係合離脱可能に係合される係合孔である。ケース係止孔44kは、センサベース44に前後端部の中央部に形成されている。
【0053】
センサケース45は、センサベース44を上から覆うようにしてセンサベース44にスナップフィットで固定される上ケースである。センサケース45には、前記ケース固定用係止片45aと、センサカバー部45bと、センサ係合溝45cと、が形成されている。
【0054】
センサカバー部45bは、センサ本体41と、センサ本体41とセンサ基板43とを接続するリード線(図示省略)と、を覆うためのカバー部位である。センサカバー部45bは、センサケース45の外壁の燃料供給口31d側に形成されている。
センサ係合溝45cは、起歪体42が係合する切欠溝である。センサ係合溝45cは、センサベース44を上から被せるように配置するセンサカバー部45bの左側端部の縁に形成されている。
【0055】
≪作用≫
次に、
図1~
図8を参照しながら本発明の実施形態に係る暖房装置100の作用を説明する。
【0056】
まず、
図2に示すように、蓋体14を開放して、液体燃料を補給したカートリッジ式タンク2をタンク収容部1aに収容する。すると、
図3に示すカートリッジ式タンク2の下面のキャップ蓋21が、燃料供給口31d(
図3及び
図4参照)に挿入されているオイルフィルタ22に係合する。
【0057】
図7及び
図8に示すように、オイルフィルタ22のセンサ作動部22aは、起歪体42の先端部の上面上に載置されている。このため、カートリッジ式タンク2(
図3参照)がオイルフィルタ22上に載置されると、カートリッジ式タンク2(
図3参照)の荷重がオイルフィルタ22のセンサ作動部22aを介在して起歪体42にかかる。
【0058】
その起歪体42の先端部は、カートリッジ式タンク2(
図3参照)の荷重の重さに応じた量だけ押し曲げられる。したがって、センサ本体41は、起歪体42が押し曲げられた量に比例して変化する抵抗値を発生するので、カートリッジ式タンク2の重さに応じて変化する液体燃料の残量を検出することができる。
【0059】
このように、本発明は、
図2に示すように、液体燃料を貯留するカートリッジ式タンク2と、カートリッジ式タンク2が挿入されるタンク収容部1aを有する暖房装置本体1と、タンク収容部1aの内底部1bに配置された燃料受皿部3と、燃料受皿部3に形成されたセンサ設置部31aに設置されて、カートリッジ式タンク2内の液体燃料の残量を検出する重量センサ4と、を備えた暖房装置100であって、センサ設置部31aには、燃料受皿部3のセンサ設置面31b(
図3参照)から所定の高さH1(
図8参照)だけ段差状に下がって形成されて、重量センサ4との間に隙間S1(
図8参照)を形成するための凹部31cが形成されている。
【0060】
かかる構成によれば、暖房装置100は、
図4に示すように、センサ設置部31aに、センサ設置面31b(
図3参照)から所定の高さH1(
図8参照)だけ段差状に下がって形成された凹部31cを有している。このため、重量センサ4の先端部4a側の下側と、凹部31cとの間には、
図8に示すように、比較的大きな隙間S1を形成することができるため、塵埃等が溜まり難くすることができると共に、溜まった塵埃を爪楊枝等の部材によって容易に掻き取ることができるようにすることができる。その結果、重量センサ4のメンテナンスをし易くすることができる。
【0061】
また、
図4または
図8に示すように、重量センサ4は、先端部が凹部31cの上方に配置され、基端部がセンサベース44に支持された起歪体42と、起歪体42上に載設されたセンサ本体41と、を備えている。
【0062】
かかる構成によれば、重量センサ4は、基端部がセンサベース44に片持ち支持された起歪体42にセンサ本体41を載設させていることで、起歪体42の先端部がカートリッジ式タンク2の荷重の重さに応じた量だけ押し曲げられる。センサ本体41は、起歪体42が押し曲げられた量に比例して変化する抵抗値を発生するので、カートリッジ式タンク2の重さに応じて変化する液体燃料の残量を検出することができる。
また、重量センサ4は、基端部がセンサベース44に片持ち支持された起歪体42にセンサ本体41を載設させていることで、重量センサ4の構造を小型化でき、その重量センサ4をタンク収容部1aの内底部1bに配置されている燃料受皿部3の上板部材31に配置することができる。
【0063】
また、
図3または
図4に示すように、カートリッジ式タンク2の下部2aには、口金部20が設けられ、燃料受皿部3には、口金部20が着脱自在に挿入される燃料供給口31dと、燃料供給口31dの周縁に形成された凹部31cと、凹部31cの両側にそれぞれ設けられて、口金部20に押されて下降する起歪体42の先端部4aの曲がる範囲を規制するセンサ規制用ダボ31eと、が形成されている。
【0064】
かかる構成によれば、燃料受皿部3は、凹部31cの両側に起歪体42の曲がる範囲を規制するセンサ規制用ダボ31eが形成されていることで、過剰な荷重時にオイルフィルタ22のセンサ作動部22aがセンサ規制用ダボ31eに当接し、起歪体42に所定以上の荷重がかかって、起歪体42が予め設定した所定範囲以上に曲がるのを抑止することができると共に、起歪体42下方の清掃の容易性を確保できる。このため、重量センサ4の強度及び耐久性を向上させることができる。
【0065】
また、
図4に示すように、燃料受皿部3は、燃料供給口31dと、凹部31cと、センサ規制用ダボ31eと、口金部20が当接するタンク支持用ダボ31fと、をプレス成形して形成した上板部材31と、上板部材31の外周部に連結された下板部材32と、を備えて構成されている。
【0066】
かかる構成によれば、上板部材31は、燃料供給口31dと、凹部31cと、センサ規制用ダボ31eと、タンク支持用ダボ31fと、を金属製板部材によって、容易にプレス成形することができる。上板部材31と下板部材32とは、容易にかしめ固定することができる。
【0067】
また、
図8に示すように、センサ設置面31bからセンサ規制用ダボ31eの上端までの高さH2は、センサ設置面31bから重量センサ4がカートリッジ式タンク2(
図3参照)によって押される押圧面42aまでの高さH3よりも低く、センサ設置面31bから重量センサ4の下面までの高さH4よりも高く形成されている。
【0068】
かかる構成によれば、重量センサ4の先端部4aは、
図8に示すように、カートリッジ式タンク2によって下方向に押された際に、センサ規制用ダボ31eにより、オイルフィルタ22のセンサ作動部22aの下方向への移動が規制され、重量センサ4の先端部4aを前記高さH3の位置から前記高さH2までの高さ範囲で弾性変形して曲がるように規制することができる。このため、重量センサ4の先端部が、予め設定した所望範囲以上に曲がるのを抑止することができる。
【0069】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
【0070】
センサ規制用ダボ31e及びタンク支持用ダボ31fの設置例として燃料受皿部3の上板部材31に設置した説明したが、これに限定されるものではない。例えば、センサ規制用ダボ31e及びタンク支持用ダボ31fは、カートリッジ式タンク2の下面や、オイルフィルタ22のセンサ作動部22aの下面に設けてもよい。
【0071】
また、重量センサ4の起歪体42を押し下げる箇所は、オイルフィルタ22のセンサ作動部22aに限定されるものではなく、カートリッジ式タンク2の荷重を起歪体42に伝えることができる部位であれば、適宜変更しても構わない。重量センサ4の起歪体42を押し下げる箇所は、カートリッジ式タンク2の下面部や、キャップ蓋21の下面部であってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 暖房装置本体
1a タンク収容部
1b 内底部
2 カートリッジ式タンク
2a 下部
3 燃料受皿部
4 重量センサ
4a 先端部
20 口金部
31 上板部材
31a センサ設置部
31b センサ設置面
31c 凹部
31d 燃料供給口
31e センサ規制用ダボ
31f タンク支持用ダボ
32 下板部材
41 センサ本体
42 起歪体
42a 押圧面
43 センサ基板
44 センサベース
100 暖房装置
H1 所定の高さ
H2 センサ規制用ダボの高さ
H3 押圧面の高さ
H4 重量センサの下面の高さ
S1 隙間