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7175888選択的HDAC1、2阻害剤としてのピペラジン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】選択的HDAC1、2阻害剤としてのピペラジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 213/81 20060101AFI20221114BHJP
   C07D 213/82 20060101ALI20221114BHJP
   C07D 241/28 20060101ALI20221114BHJP
   C07D 263/48 20060101ALI20221114BHJP
   C07D 277/56 20060101ALI20221114BHJP
   C07D 333/38 20060101ALI20221114BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20221114BHJP
   C07D 409/12 20060101ALI20221114BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20221114BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20221114BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20221114BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20221114BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20221114BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221114BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20221114BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
C07D213/81
C07D213/82 CSP
C07D241/28
C07D263/48
C07D277/56
C07D333/38
C07D405/12
C07D409/12
C07D413/12
C07D417/12
A61K31/496
A61K31/497
A61P7/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 105
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019528443
(86)(22)【出願日】2017-11-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-30
(86)【国際出願番号】 US2017063037
(87)【国際公開番号】W WO2018098296
(87)【国際公開日】2018-05-31
【審査請求日】2020-11-04
(31)【優先権主張番号】62/425,938
(32)【優先日】2016-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/506,344
(32)【優先日】2017-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519184664
【氏名又は名称】リージェナシー・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・エイチ・ヴァン・ドゥーザー
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・マジチェク
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-536615(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0128391(US,A1)
【文献】特表2016-511237(JP,A)
【文献】特表2010-539104(JP,A)
【文献】特表2005-530748(JP,A)
【文献】特表2008-540574(JP,A)
【文献】特表2008-546793(JP,A)
【文献】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2010年,Vol.20,pp.3142-3145
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式II:
【化1】
の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
式中、
は、フランまたはフェニルであり、式中、フェニルはハロゲンで任意選択的に置換されていてもよく、
はHであり、
Bは、ピラジン、オキサゾール、ピリジン、チオフェンまたはチアゾールである、化合物。
【請求項2】
式中、
は、フランであり、
Bは、オキサゾール、チオフェンまたは、チアゾールである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記式IIの化合物は、
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
またはその薬学的に許容される塩
からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
前記式IIの化合物は、
【化10】
【化11】
またはその薬学的に許容される塩
からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
薬学的に許容される担体と共に、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項6】
それを必要とする対象において、HDAC1及び/またはHDAC2の活性を阻害するための、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
それを必要とする対象において、HDAC1及び/またはHDAC2が関与する疾患を治療するための、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記疾患は骨髄異形成症候群である、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記疾患は異常ヘモグロビン症である、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記異常ヘモグロビン症は鎌状赤血球症またはβサラセミアである、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記疾患はがんである、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記がんは、肺癌、結腸癌、乳癌、神経芽細胞腫、白血病またはリンパ腫である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記がんは急性骨髄性白血病または急性巨核球性白血病である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記がんは神経芽細胞腫である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項15】
それを必要とする対象において、鎌状赤血球症、βサラセミア、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、神経芽細胞腫または急性巨核球性白血病を治療するための、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記対象はヒトである、請求項6から15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年11月23日出願の米国仮出願番号62/425,938、及び2017年5月15日出願の米国仮出願番号62/506,344の利益を主張する。これら出願の内容全体は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
現在注目されている生物学的ターゲットはヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)である(例えば、がんの治療におけるヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の使用に関する記述:Marks et al.Nature Reviews Cancer 2001,7,194;Johnstone et al.Nature Reviews Drug Discovery 2002,287を参照のこと)。リジン残基のアセチル化及び脱アセチル化によるタンパク質の翻訳後修飾は、それらの細胞機能を調節する上で重要な役割を果たしている。HDACは、ヒストンタンパク質及びその他の転写制御因子のN-アセチルリジン残基の脱アセチル化により遺伝子発現を調節する亜鉛加水分解酵素である(Hassig et al.Curr.Opin.Chem.Biol.1997,1,300-308)。HDACは細胞の形態及び分化を制御する細胞経路に関与し、HDAC阻害剤は、他の場合であれば不応性であるがんを治療するのに有効であることが示されている(Warrell et al.J.Natl.Cancer Inst.1998,90,1621-1625)。
【0003】
Znを補因子として用いる11種類のヒトHDACが同定されており(Taunton et al.Science 1996,272,408-411;Yang et al.J.Biol.Chem.1997,272,28001-28007.Grozinger et al.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.1999,96,4868-4873;Kao et al.Genes Dev.2000,14,55-66.Hu et al.J.Biol.Chem.2000,275,15254-15264;Zhou et al.Proc.Natl.Acad.Sci U.S.A.2001,98,10572-10577;Venter et al.Science 2001,291,1304-1351)、これらのメンバーは、それらの酵母オルソログに対する配列相同性に基づいて3つのクラス(クラスI、II及びIV)に分類される(O.Witt et al.Cancer Letters,2009,277,8-21)。クラスI HDACは、HDAC1、HDAC2、HDAC3及びHDAC8を含み、「古典的な」HDACと呼ばれ、そのことは、触媒ポケットがZn2+イオンをその基部に有していることを意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】Nature Reviews Cancer 2001,7,194
【文献】Nature Reviews Drug Discovery 2002,287
【文献】Curr.Opin.Chem.Biol.1997,1,300-308
【文献】J.Natl.Cancer Inst.1998,90,1621-1625
【文献】Cancer Letters,2009,277,8-21
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
構造的に多様なHDAC阻害剤、とりわけ、特定クラスのHDAC及び個々のHDACの強力及び/または選択的な阻害剤であるHDAC阻害剤を調製することに対する要望は依然として存在している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
それゆえ、一態様において、本明細書では、式I、
【化1】
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0007】
本明細書ではまた、薬学的に許容される担体と共に、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0008】
別の態様において、本明細書では、式II、
【化2】
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0009】
本明細書ではまた、薬学的に許容される担体と共に、式IIの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0010】
更なる態様において、本明細書では、式III、
【化3】
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0011】
本明細書ではまた、薬学的に許容される担体と共に、式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0012】
更に別の態様において、本明細書では、式IV、
【化4】
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0013】
本明細書ではまた、薬学的に許容される担体と共に、式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0014】
一態様において、本明細書では、HDAC1及び/またはHDAC2の活性を阻害することを必要とする対象においてそれを実施するための方法を提供し、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
【0015】
一態様において、本明細書では、HDAC1及び/またはHDAC2の活性を阻害することを必要とする対象においてそれを実施するための方法を提供し、式II、式III、式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
【0016】
別の態様において、本明細書では、HDAC1及び/またはHDAC2が関与する疾患を治療することを必要とする対象においてそれを実施するための方法を提供し、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
【0017】
別の態様において、本明細書では、HDAC1及び/またはHDAC2が関与する疾患を治療することを必要とする対象においてそれを実施するための方法を提供し、式II、式III、式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
【0018】
更に別の態様において、本明細書では、骨髄異形成症候群を治療することを必要とする対象においてそれを実施するための方法を提供し、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
【0019】
更に別の態様において、本明細書では、骨髄異形成症候群を治療することを必要とする対象においてそれを実施するための方法を提供し、式II、式III、式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
【0020】
別の態様において、本明細書では、異常ヘモグロビン症を治療することを必要とする対象においてそれを実施するための方法を提供し、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。一実施形態では、異常ヘモグロビン症は鎌状赤血球症またはβサラセミアである。
【0021】
別の態様において、本明細書では、異常ヘモグロビン症を治療することを必要とする対象においてそれを実施するための方法を提供し、式II、式III、式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。一実施形態では、異常ヘモグロビン症は鎌状赤血球症またはβサラセミアである。
【0022】
別の態様において、本明細書では、がんを治療することを必要とする対象においてそれを実施するための方法を提供し、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。一実施形態では、がんは、肺癌、結腸癌、乳癌、神経芽細胞腫、白血病またはリンパ腫である。更なる実施形態では、がんは急性骨髄性白血病または急性巨核球性白血病である。更に別の実施形態では、がんは神経芽細胞腫である。
【0023】
別の態様において、本明細書では、がんを治療することを必要とする対象においてそれを実施するための方法を提供し、式II、式III、式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。一実施形態では、がんは、肺癌、結腸癌、乳癌、神経芽細胞腫、白血病またはリンパ腫である。更なる実施形態では、がんは急性骨髄性白血病または急性巨核球性白血病である。更に別の実施形態では、がんは神経芽細胞腫である。
【0024】
更なる態様において、本明細書では、鎌状赤血球症、βサラセミア、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、神経芽細胞腫または急性巨核球性白血病を治療することを必要とする対象においてそれを実施するための方法を提供し、治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
【0025】
更なる態様において、本明細書では、鎌状赤血球症、βサラセミア、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、神経芽細胞腫または急性巨核球性白血病を治療することを必要とする対象においてそれを実施するための方法を提供し、治療有効量の式II、式III、式IVの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書では、対象におけるがん、骨髄異形成症候群または異常ヘモグロビン症を治療するのに有用な化合物、例えば、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0027】
非限定態様では、これらの化合物はヒストン脱アセチル化酵素を阻害することができる。特定の実施形態では、本明細書で提供する化合物はHDAC1阻害剤及び/またはHDAC2阻害剤であると考えられる。それゆえ、一態様では、本明細書で提供する化合物は、HDAC1阻害剤及び/またはHDAC2阻害剤として作用することにより、対象におけるがん、骨髄異形成症候群または異常ヘモグロビン症を治療するのに有用である。
【0028】
定義
本発明を説明するのに用いる様々な用語の定義を以下に記載する。これらの定義は、特定の事例において特に限定しない限り、個別にまたはより大きな集合の一部としてのいずれかで、本明細書及び特許請求の範囲にわたり使用される用語に適用される。
【0029】
特に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語は通常、本発明が属する当業者に一般に理解される同一の意味を有する。一般的に、本明細書で用いる専門用語、ならびに、細胞培養、分子遺伝学、有機化学及びペプチド化学における実験的手法は既知のものであり、当該技術分野において一般に用いられている。
【0030】
本明細書で使用する場合、冠詞「a」及び「an」は、その冠詞の文法上の目的物の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)のことを意味する。例として、「an 要素」とは、1つの要素または2つ以上の要素のことを意味する。更に、用語「含む(including)」に加えて、その他の形態、例えば、「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含む(included)」などの使用は、限定するものではない。
【0031】
本明細書で使用する場合、用語「約」とは当業者が理解するものであり、その用語が用いられる文脈によってある程度変化するものである。量、持続時間などの測定値に言及する際に本明細書で使用する場合、用語「約」とは、偏差が本開示方法を実施するのに適切である場合、記載値からの±5%、±1%及び±0.1%を含む±20%または±10%の偏差を包含することを意味する。
【0032】
用語「治療する」、「治療した」、「治療すること」または「治療」は、治療する状態、障害または疾患に関係するまたはそれらにより引き起こされる少なくとも1種類の症状の抑制または緩和を含む。特定の実施形態では、治療は、がん、異常ヘモグロビン症または骨髄異形成症候群に関係する症状のために、有効量の本発明の化合物をHDAC1及び/またはHDAC2に接触させることを含む。
【0033】
本明細書で使用する場合、用語「予防する」または「予防」とは、発症していない場合に障害もしくは疾患の進行がないこと、または、障害もしくは疾患が既に進行している場合に障害もしくは疾患の更なる進行がないことを意味する。障害または疾患に関係する症状の一部または全てを予防する機能のこともまた考えられる。
【0034】
本明細書で使用する場合、用語「共同で治療的に有効」または「共同治療効果」とは、好ましくは治療する温血動物、特に、ヒトにおいて、治療薬がなおも(好ましくは相乗的な)相互作用(共同治療効果)を示すような時間間隔で、治療薬を別々(時間的にずらした方法、特に、順序を特定した方法)に投与可能であることを意味する。このことが、とりわけ、化合物の血中濃度に続いて測定可能なケースであるかにかかわらず、両方の化合物が少なくとも一定期間の間、治療するヒトの血液中に存在していることを示している。
【0035】
本明細書で使用する場合、がん患者に言及する場合の用語、治療薬に「抵抗性を示す」または「難治性を示す」とは、がんが、治療薬との接触の結果、治療薬の効果に対し自然耐性となるまたは獲得耐性を有することを意味する。代替的に述べると、がんは、特定の治療薬に関係する通常の標準治療に抵抗性を示す。
【0036】
本明細書で使用する場合、用語「患者」、「個体」または「対象」とは、ヒトまたは非ヒト哺乳動物のことを意味する。非ヒト哺乳動物としては、例えば、家畜及びペット、例えば、ヒツジ科、ウシ科、ブタ科、イヌ科、ネコ科及び海洋性の哺乳動物などが挙げられる。患者、対象または個体はヒトであることが好ましい。
【0037】
本明細書で使用する場合、用語「有効量」、「薬学的有効量」及び「治療有効量」とは、所望の生理学的効果をもたらすのに十分な量ではあるが非毒性の薬剤のことを意味する。その効果は、徴候、症状もしくは疾患の原因の抑制もしくは緩和であってもよく、または、生物学的機構における任意のその他所望の変化であってもよい。任意の個々のケースにおける適切な治療量については、当業者が日常的に用いる実験法を利用することにより決定してもよい。
【0038】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される」とは、化合物の生物学的活性または生物学的特性を阻害せずに比較的無毒である担体または賦形剤などの物質のことを意味し、それはすなわち、望ましくない生物学的作用を引き起こさずに、または物質を含む組成物の構成成分のいずれかと有害に相互作用せずに、物質を個体に投与可能であるということである。
【0039】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される塩」とは開示化合物の誘導体のことを意味し、親化合物は、既存の酸または塩基部分をその塩形態に変換することにより改変される。薬学的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の無機酸塩または有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが挙げられるがこれらに限定されない。本発明の薬学的に許容される塩としては、例えば、非毒性の無機酸または有機酸から形成された親化合物の通常の非毒性塩が挙げられる。本発明の薬学的に許容される塩は、通常の化学的方法により塩基性部分または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般的に、このような塩は、これら化合物の遊離酸または塩基形態を、水中もしくは有機溶媒中で、またはこれら2種の混合液中で、化学量論量の好適な塩基または酸と反応させることにより調製することができるが、通常は、エーテル、エチルアセテート、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性媒体が好ましい。用語「薬学的に許容される塩」は、モノ塩または1:1の塩に限定されない。例えば、「薬学的に許容される塩」としてはまた、ビス塩酸塩などのビス塩が挙げられる。好適な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418、及びJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)に記載されており、それぞれの内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
本明細書で使用する場合、用語「組成物」または「医薬組成物」とは、本発明において有用な少なくとも1種の化合物と薬学的に許容される担体の混合物のことを意味する。医薬組成物は、患者または対象への化合物の投与を容易にする。当該技術分野に存在する化合物投与のための多数の技術としては、静脈内投与、経口投与、エアロゾル投与、非経口投与、眼投与、経肺投与及び局所投与が挙げられるがこれらに限定されない。
【0041】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される担体」とは、薬学的に許容される物質、組成物または担体、例えば、液体充填剤もしくは固体充填剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤、賦形剤、添加剤、増粘剤、溶媒、または本発明において有用な化合物をその目的の機能を果たすように患者の体内または患者へ送達または輸送することに関わる被包材のことを意味する。通常このような構造体は、ある器官または体の部位から別の器官または体の部位へと送達または輸送される。それぞれの担体は、本発明において有用な化合物を含み患者に有害ではない、製剤中のその他成分と相溶性があるという意味で「許容される」必要がある。薬学的に許容される担体として機能し得る物質の一部の例としては、糖類、例えば、ラクトース、グルコース及びスクロースなど、デンプン類、例えば、コーンスターチ及びポテトスターチなど、セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなど、粉末状トラガカント、麦芽、ゼラチン、タルク、添加剤類、例えば、カカオバター及び座薬用ワックスなど、油類、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油など、グリコール類、例えば、プロピレングリコールなど、ポリオール類、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなど、エステル類、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなど、寒天、緩衝剤類、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなど、界面活性剤、アルギン酸、発熱物質を含まない水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、リン酸緩衝液、ならびに、医薬品製剤に用いられるその他非毒性の相溶性物質が挙げられる。
【0042】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される担体」としてはまた、本発明において有用な化合物の活性と相性が良く患者にとって生理学的に許容される任意及び全てのコーティング剤、抗菌及び抗カビ剤、ならびに吸収遅延剤などが挙げられる。補助的な活性化合物をまた組成物内に混合してもよい。「薬学的に許容される担体」は更に、本発明において有用な化合物の薬学的に許容される塩を含んでいてもよい。本発明の実施に用いる医薬組成物中に含まれてもよいその他追加成分は、当技術分野において周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Genaro,Ed.,Mack Publishing Co.,1985,Easton,PA)(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0043】
本明細書で使用する場合、用語「組み合わせ」、「治療薬組み合わせ」または「医薬品組み合わせ」とは、1つの投与単位剤形の固定組み合わせ、または、組み合わせ投与用の非固定組み合わせすなわちキットオブパーツ(2種またはそれ以上の治療薬を独立して、同じときにまたは時間間隔内に別々に投与してもよく、特に、これらの時間間隔により、組み合わせパートナーが、協同性、例えば、相乗効果を示すことが可能となるように)のいずれかのことを意味する。
【0044】
用語「組み合わせ治療」とは、本開示に記載の治療症状または障害を治療するための、2種またはそれ以上の治療薬の投与のことを意味する。このような投与は、固定比率の活性成分を有する単一の製剤、または、それぞれの活性成分用の別々の製剤(例えば、カプセル剤及び/または静脈内製剤)などによる、これらの治療薬のほぼ同時の共投与を包含する。加えて、このような投与はまた、ほぼ同じときまたは異なるときのいずれかで、それぞれの種類の治療薬の連続または別々の使用を包含する。活性成分を単一の製剤または別々の製剤で投与するかにかかわらず、同一治療過程の一部として薬物を同一患者に投与する。任意のケースにおいて、治療レジメンは、本明細書に記載の症状または障害の治療における有益な効果を提供する。
【0045】
「経口剤形」は、経口投与を指示されたまたは意図した単位投与剤形を含む。本明細書で提供する医薬品組み合わせの一実施形態では、HDAC6阻害剤(例えば、化合物AまたはB)を経口剤形で投与する。
【0046】
用語「HDAC」とはヒストン脱アセチル化酵素のことを意味し、その酵素は、コアヒストン内のリジン残基からアセチル基を除去することにより、圧縮され転写的にサイレンシングされたクロマチンの形成をもたらす酵素である。現時点で18種類の既知のヒストン脱アセチル化酵素が存在し、4つのグループに分類される。クラスI HDAC(HDAC1、HDAC2、HDAC3及びHDAC8を含む)は酵母RPD3遺伝子に関連している。クラスII HDAC(HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC9及びHDAC10を含む)は酵母Hda1遺伝子に関連している。クラスIII HDAC(サーチュインとしても知られている)はSir2遺伝子に関連しSIRT1~7を含む。クラスIV HDAC(HDAC11のみを含む)はクラスI HDACとクラスII HDACの両方の特徴を有している。用語「HDAC」とは、特に明記しない限り、18種類の既知のヒストン脱アセチル化酵素のうちの任意の1つまたは複数のことを意味する。
【0047】
本明細書で使用する場合、用語「アルキル」自体または別の置換基の一部としての「アルキル」とは、特に明記しない限り、指定の炭素原子数を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素(すなわち、C-Cアルキルとは、1~6個の炭素原子を有するアルキルのことを意味する)のことを意味し、直鎖及び分枝鎖を含む。一実施形態において、本明細書では、C-Cアルキル基を提供する。例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル及びヘキシルが挙げられる。C-Cアルキルのその他の例としては、エチル、メチル、イソプロピル、イソブチル、n-ペンチル及びn-ヘキシルが挙げられる。
【0048】
本明細書で使用する場合、用語「アルコキシ」とは、基-O-アルキルのことを意味し、式中、アルキルは本明細書で定義するとおりである。アルコキシとしては、例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシなどが挙げられる。一実施形態において、本明細書では、C-Cアルコキシ基を提供する。
【0049】
本明細書で使用する場合、用語「ハロ」または「ハロゲン」単独または別の置換基の一部としての「ハロ」または「ハロゲン」とは、特に明記しない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、好ましくは、フッ素原子、塩素原子または臭素原子、より好ましくは、フッ素原子または塩素原子のことを意味する。
【0050】
本明細書で使用する場合、用語「シクロアルキル」とは、1、2または3つの環を有する部分的にまたは完全に飽和した非芳香族炭素環系のことを意味し、このような環は縮合していてもよい。用語「縮合」とは、2個の隣接原子を第1の環と共通に有する(すなわち、共有する)ことで第2の環を存在させる(すなわち、結合するまたは形成する)ことを意味する。シクロアルキルはまた、二環内における3~8個の原子で変化するそれぞれ個別の環と本質的に橋かけまたはスピロ環状であってもよい二環構造を含む。用語「シクロアルキル」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、スピロ[3.3]ヘプタニル、及びビシクロ[1.1.1]ペンチルが挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態において、本明細書では、C-Cシクロアルキル基を提供する。
【0051】
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロシクロアルキル」とは、N、O及びSから独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有し、1、2または3つの環を有する非芳香族炭素環系のことを意味し、このような環は縮合していてもよく、縮合は上で定義したとおりである。ヘテロシクロアルキルはまた、二環内における3~8個の原子で変化するそれぞれ個別の環と本質的に橋かけまたはスピロ環状であってもよく、0、1または2個のN、OまたはS原子を含有する二環構造を含む。用語「ヘテロシクロアルキル」は、環状エステル(すなわち、ラクトン)及び環状アミド(すなわち、ラクタム)を含み、更に具体的には、エポキシジル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル(すなわち、オキサニル)、ピラニル、ジオキサニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロリル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、1,3-オキサジナニル、1,3-チアジナニル、2-アザビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、5-アザビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、6-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、2-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3-オキサ-7-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、3-オキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、6-オキサ-3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、2-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサスピロ[3.5]ノナニル、3-オキサスピロ[5.3]ノナニル、及び8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタニルが挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態において、本明細書では、C-Cヘテロシクロアルキル基を提供する。
【0052】
本発明で使用する場合、用語「芳香族」とは、1つまたは複数の多価不飽和環を有する炭素環または複素環のこと、また芳香族性を有する、すなわち、(4n+2)個(nは整数)の非局在π(パイ)電子を有する炭素環または複素環のことを意味する。
【0053】
本明細書で使用する場合、用語「アリール」とは、1、2または3つの環を含有する芳香族炭素環系のことを意味し、このような環は縮合していてもよく、縮合は上で定義したとおりである。環が縮合している場合、一方の環は完全に不飽和である必要があり、縮合環(複数可)は完全に飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和であってもよい。用語「アリール」としては、フェニル、ナフチル、インダニル、及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニルが挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、アリール基は6個の炭素原子を有している。一部の実施形態では、アリール基は6~10個の炭素原子を有している。一部の実施形態では、アリール基は6~16個の炭素原子を有している。一実施形態において、本明細書では、C-Cアリール基を提供する。
【0054】
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロアリール」とは、N、O及びSから独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有し、1、2または3つの環を有する芳香族炭素環系のことを意味し、このような環は縮合していてもよく、縮合は上で定義したとおりである。用語「ヘテロアリール」としては、フラニル、チオフェニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[c]ピリジニル、1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾリル、2,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾリル、5,6-ジヒドロ-4H-ピロロ[1,2-b]ピラゾリル、6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-b][1,2,4]トリアゾリル、5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾリル、及び4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-インダゾリルが挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態において、本明細書では、C-Cヘテロアリール基を提供する。
【0055】
本明細書で使用する場合、用語「多環式環」とは、2個またはそれ以上の炭素が2つの隣接する環に共通(環は「縮合環」)である2つまたはそれ以上の炭素環式環のことを意味し、環の少なくとも一方は芳香族であり、例えば、もう一方の環式環はシクロアルキル及び/またはアリールであってもよい。用語「多環式環」としては、フルオレン、アントラセン、9,10-ジヒドロアントラセン、フェナントレン、9,10-ジヒドロフェナントレン、フェナレン、及び2,3-ジヒドロフェナレンが挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態において、本明細書では、C-C16多環式環を提供する。
【0056】
本明細書で使用する場合、用語「二環式ヘテロアリール」とは、少なくとも1つの炭素原子含有環内に少なくとも1個のヘテロ原子を有する7~11員環の二環式芳香族基のことを意味する。ヘテロ原子を含有するヘテロアリール基のそれぞれの環は、窒素原子、酸素原子及び/または硫黄原子から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を有していてもよく、窒素ヘテロ原子及び/または硫黄ヘテロ原子は任意選択的に酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は任意選択的に四級化されていてもよい。例示的な二環式ヘテロアリール基としては、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、クロメニル、インドリル、インダゾリル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾフリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、ピロロピリジル、フロピリジニル(例えば、フロ[2,3-c]ピリジニル、フロ[3,2-b]ピリジニル、またはフロ[2,3-b]ピリジニルなど)、トリアジニルアゼピニルなどが挙げられる。一実施形態において、本明細書では、C-C15二環式ヘテロアリール基を提供する。
【0057】
アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル部分が異なる環原子を介して指定部分に結合し得るまたは別の方法で結合し得る(すなわち、具体的な結合点を指定せずに示すまたは記載する)場合、炭素原子、または、例えば、三価の窒素原子を介するかどうかにかかわらず、全ての考えられる点を意図していることを理解すべきである。例えば、用語「ピリジニル」とは、2-、3-または4-ピリジニルのことを意味し、用語「チオフェニル」とは、2-または3-チオフェニルのことを意味する、などである。
【0058】
本明細書で使用する場合、用語「置換」とは、原子の水素、または原子の基の水素が、別の基に結合した置換基に置き換えられていることを意味する。
【0059】
本発明の化合物
一実施形態では、本発明は、式I、
【化5】
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、
式中、
は、H、フラン、ピリジン、フェニルまたはチオフェンであり、式中、フェニルはハロゲンで任意選択的に置換されていてもよく、
はHまたはC1-4アルキルであり、式中、C1-4アルキル基は任意選択的に独立して、ハロ、-CN、-NO、-C-Cアルコキシ、-C-Cアルキル、-C-Cハロアルキル及びC(O)-C-Cアルキルで1回または複数回置換されていてもよく、
Bは、オキサゾール、フェニル、ピリジン、チオフェン、チアゾールまたはキノリンであり、式中、チアゾールはCHで任意選択的に置換されていてもよく、式中、Rがチオフェンである場合、Bは2-(ピペラジン-1-イル)キノリンではない。
【0060】
式Iの別の実施形態では、RはH、フラン、ピリジン、フェニルまたはチオフェンであり、式中、フェニルはハロゲンで任意選択的に置換されていてもよく、
はHまたはCHであり、
Bは、フェニル、ピリジン、チオフェン、チアゾールまたはキノリンであり、式中、チアゾールはCHで任意選択的に置換されていてもよく、式中、Rがチオフェンである場合、Bは2-(ピペラジン-1-イル)キノリンではない。
【0061】
式Iの更なる実施形態では、Rはフラン、ピリジン、フェニルまたはチオフェンであり、式中、フェニルはハロゲンで任意選択的に置換されていてもよい。
【0062】
特定の一実施形態では、その薬学的に許容される塩を含む式Iは、
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
である。
【0063】
一実施形態では、本発明は、式II、
【化10】
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、
式中、
は、フラン、ピリジン、フェニルまたはチオフェンであり、式中、フェニルはハロゲンで任意選択的に置換されていてもよく、
はHまたはC1-4アルキルであり、式中、C1-4アルキル基は任意選択的に独立して、ハロ、-CN、-NO、-C-Cアルコキシ、-C-Cアルキル、-C-CハロアルキルまたはC(O)-C-Cアルキルで1回または複数回置換されていてもよく、
Bは、ピラジン、オキサゾール、ピリジン、チオフェンまたはチアゾールである。
【0064】
式IIの別の実施形態では、Rはフラン、ピリジン、フェニルまたはチオフェンであり、式中、フェニルはハロゲンで任意選択的に置換されていてもよく、
はHまたはCHであり、
Bは、ピラジン、オキサゾール、ピリジン、チオフェンまたはチアゾールである。
【0065】
式IIの別の実施形態では、Rはフラン、ピリジンまたはチオフェンであり、
はHまたはC-Cアルキルであり、
Bは5員環のヘテロアリール環である。
【0066】
式IIの別の実施形態では、Rはフラン、ピリジンまたはチオフェンであり、
はHまたはC-Cアルキルであり、
Bは、オキサゾール、チオフェンまたはチアゾールである。
【0067】
式IIの別の実施形態では、Rはフランまたはチオフェンであり、
はHまたはC-Cアルキルであり、
Bはチオフェンまたはチアゾールである。
【0068】
特定の一実施形態では、その薬学的に許容される塩を含む式IIは、
【化11】
【化12】
である。
【0069】
一実施形態では、本発明は、式III、
【化13】
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、
式中、
(a)XはC(H)であり、YはC(H)であり、ZはNであり、
はHもしくはフェニルであり、
はHである、または、
(b)XはC(H)であり、YはC(H)であり、ZはNであり、
は1-フランであり、
はCアルキルであり、式中、Cアルキル基は任意選択的に独立して、ハロ、-CN、-NO、-C-Cアルコキシ、-C-Cアルキル、-C-Cハロアルキル及びC(O)-C-Cアルキルで1回もしくは複数回置換されていてもよく、または、
(c)XはC(H)であり、YはNであり、ZはC(H)であり、
は、H、1-フラン、2-フラン、ピリジンもしくはチオフェンであり、
はHである、または、
(d)XはNであり、YはC(H)であり、ZはC(H)であり、
は、H、1-フラン、2-フラン、ピリジンもしくはフェニルであり、式中、フェニルはハロゲンで任意選択的に置換されていてもよく、
はHである。
【0070】
式IIIの別の実施形態では、XはC(H)であり、YはC(H)であり、ZはNであり、Rは1-フランであり、RはCHである。
【0071】
式IIIの別の実施形態では、XはC(H)であり、YはC(H)であり、ZはNであり、RはHであり、RはHである。
【0072】
特定の一実施形態では、その薬学的に許容される塩を含む式IIIは、
【化14】
【化15】
である。
【0073】
一実施形態では、本発明は、式IV、
【化16】
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、
式中、
は、H、フラン、ピリジンまたはチオフェンである。
【0074】
特定の一実施形態では、その薬学的に許容される塩を含む式IVは、
【化17】
である。
【0075】
式I、II、IIIもしくはIVまたはその薬学的に許容される塩の特定の実施形態については以下の表1に示す。式I、II、IIIもしくはIVの化合物またはその薬学的に許容される塩及び表1の化合物またはその薬学的に許容される塩について、本明細書では、「本発明の化合物」または「本明細書で提供する化合物」と呼ぶ場合がある。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【0076】
一実施形態では、開示化合物は互変異性体として存在していてもよい。全ての互変異性体は、本明細書で提供する化合物の範囲内に含まれる。
【0077】
本明細書に記載の化合物はまた、1個または複数個の原子が、同一原子番号を有するが通常天然に認められる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数の原子で置換された、同位体標識化合物を含む。本明細書に記載の化合物への組み込みに好適な同位体の例としては、H、H、11C、13C、14C、36Cl、18F、123I、125I、13N、15N、15O、17O、18O、32P及び35Sが挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態では、同位体標識化合物は、薬物または基質の組織分布試験に有用である。別の実施形態では、重水素などのより重い同位体へと置換することにより、より高い代謝安定性(例えば、長いインビボ半減期または低用量条件)がもたらされる。別の実施形態では、本明細書に記載の化合物はH(すなわち、重水素)同位体を含む。
【0078】
更に別の実施形態では、11C、18F、15O及び13Nなどのポジトロン放射同位体への置換は、基質受容体占有率を調べるポジトロン断層法(PET)検査において有用である。同位体標識化合物は、任意の好適な方法により、または、非標識試薬を用いない場合の代わりに適切な同位体標識試薬を用いたプロセスにより調製される。
【0079】
本明細書に記載の特定化合物、及び異なる置換基を有し本明細書に記載の1つまたは複数の式に包含されるその他の化合物は、本明細書に記載の技術及び原料、ならびに、例えば、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1-17(John Wiley and Sons,1991);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1-5 and Supplementals(Elsevier Science Publishers,1989);Organic Reactions,Volumes 1-40(John Wiley and Sons,1991),Larock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989),March,Advanced Organic Chemistry 4th Ed.,(Wiley 1992);Carey and Sundberg,Advanced Organic Chemistry 4th Ed.,Vols.A and B(Plenum 2000,2001),及びGreen and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Ed.,(Wiley 1999)(これら全ては参照により本開示に組み込まれる)に記載の技術及び原料を用いて合成する。本明細書に記載の化合物を調製するための全般的な方法は、本明細書で提供する式内に存在する様々な部分を導入するための適切な試薬及び条件を用いることで変更される。
【0080】
本明細書に記載の化合物は、民間の供給元から入手可能な化合物から始める任意の好適な手順を用いて合成されるか、または本明細書に記載の手順を用いて調製される。
【0081】
治療方法
対象における疾患または症状を治療するための方法に本発明の化合物を使用することができ、上記方法は、本発明の化合物、または本発明の化合物を含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0082】
一態様では、本発明は、その他のHDAC(例えば、HDAC3及びHDAC6)と比較して対象におけるHDAC1及び/またはHDAC2を選択的に阻害するための方法を提供し、式Iの化合物もしくは表1の化合物のいずれかまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
【0083】
別の態様では、本発明は、その他のHDAC(例えば、HDAC3及びHDAC6)と比較して対象におけるHDAC1及び/またはHDAC2を選択的に阻害するための方法を提供し、式II、III、IVの化合物もしくは表1の化合物のいずれかまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
【0084】
一実施形態では、本明細書に記載の式のいずれかの化合物(例えば、式I、II、IIIまたはIV)は、その他のHDACと比較して5~1000倍のHDAC1及び/またはHDAC2への選択性を有している。
【0085】
別の実施形態では、本明細書に記載の式のいずれかの化合物(例えば、式I、II、IIIまたはIV)は、HDAC酵素アッセイで試験した場合、その他のHDACと比較して約5~1000倍のHDAC1及び/またはHDAC2への選択性を有している。
【0086】
特定の実施形態では、本化合物は、その他のHDACと比較して15~40倍のHDAC1及び/またはHDAC2への選択性を有している。
【0087】
別の態様では、本発明は、式Iの化合物または表1の化合物のいずれかを対象に投与することを含む、対象におけるHDAC1及び/またはHDAC2が関与する疾患を治療するための方法を提供する。
【0088】
別の態様では、本発明は、式II、III、IVの化合物または表1の化合物のいずれかを対象に投与することを含む、対象におけるHDAC1及び/またはHDAC2が関与する疾患を治療するための方法を提供する。
【0089】
特定の実施形態では、本化合物は、異常ヘモグロビン症を患うまたはかかりやすい対象を治療することができる。好ましい実施形態では、本化合物は、鎌状赤血球症またはβサラセミアを治療することができる。
【0090】
別の実施形態では、本発明の化合物は骨髄異形成症候群の治療に有用である。
【0091】
特定の実施形態では、疾患はがんである。
【0092】
特定の実施形態では、がんは、肺癌、結腸及び直腸癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、膵臓癌、脳癌、腎臓癌、卵巣癌、胃癌(stomach cancer)、皮膚癌、骨癌、胃癌(gastric cancer)、乳癌、神経膠腫、膠芽腫、神経芽細胞腫、肝細胞癌、乳頭型腎癌、頭頸部扁平上皮細胞癌、白血病、リンパ腫、骨髄腫、網膜芽細胞腫、頸部癌、黒色腫及び/または皮膚癌、膀胱癌、子宮癌、精巣癌、食道癌、及び固形腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、肺癌、結腸癌、乳癌、神経芽細胞腫、白血病またはリンパ腫である。その他の実施形態では、がんは、肺癌、結腸癌、乳癌、神経芽細胞腫、白血病またはリンパ腫である。更なる実施形態では、がんは、非小細胞肺癌(NSCLC)または小細胞肺癌である。
【0093】
特定の実施形態では、がんは神経芽細胞腫である。
【0094】
更なる実施形態では、がんは、血液がん、例えば、白血病またはリンパ腫などである。特定の実施形態では、リンパ腫はホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫である。特定の実施形態では、白血病は、骨髄性(myeloid)、リンパ球性、骨髄性(myelocytic)、リンパ芽球性または巨核球性の白血病である。
【0095】
特定の実施形態では、白血病は急性骨髄性白血病及び巨核球性白血病である。
【0096】
別の態様において、本明細書では、治療有効量の式Iの化合物、表1の化合物またはその薬学的に許容される塩を必要とする対象にそれを投与することを含む、対象における鎌状赤血球症、βサラセミア、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、神経芽細胞腫または巨核球性白血病を治療するための方法を提供する。
【0097】
別の態様において、本明細書では、治療有効量の式II、III、IVの化合物、表1の化合物またはその薬学的に許容される塩を必要とする対象にそれを投与することを含む、対象における鎌状赤血球症、βサラセミア、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、神経芽細胞腫または巨核球性白血病を治療するための方法を提供する。
【0098】
それゆえ、本発明の別の態様では、本明細書に記載の治療有効量の式Iの化合物を必要とする対象にそれを投与することを含む、HDAC1及び/またはHDAC2が関与する疾患を治療するための方法を提供する。特定の実施形態では、対象は、このような治療を必要とすることが確認されている。特定の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物または式Iの化合物を含む医薬組成物を必要とする対象に、所望の効果を得るのに必要となるような量及び時点で、それを投与することを含む、疾患を治療するための方法を提供する。
【0099】
特定の実施形態では、本方法は、治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される誘導体を必要とする対象(ヒトまたは動物を含むがこれらに限定されない)(必要であると確認された対象を含む)にそれを投与することを含む。
【0100】
それゆえ、本発明の更なる態様では、本明細書に記載の治療有効量の式Iの化合物を必要とする対象にそれを投与することを含む、HDAC1及び/またはHDAC2が関与する疾患を治療するための方法を提供する。特定の実施形態では、対象は、このような治療を必要とすることが確認されている。特定の実施形態では、治療有効量の式II、IIIもしくはIVの化合物または式II、IIIもしくはIVの化合物を含む医薬組成物を必要とする対象に、所望の効果を得るのに必要となるような量及び時点で、それを投与することを含む、疾患を治療するための方法を提供する。
【0101】
特定の実施形態では、本方法は、治療有効量の式II、IIIもしくはIVの化合物またはその薬学的に許容される誘導体を必要とする対象(ヒトまたは動物を含むがこれらに限定されない)(必要であると確認された対象を含む)にそれを投与することを含む。
【0102】
投与/用量/製剤
別の態様において、本明細書では、薬学的に許容される担体と共に少なくとも1種の本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0103】
本発明の医薬組成物内における活性成分の実際の用量濃度は、患者に毒性とはならずに、個々の患者、組成物及び投与方法における所望の治療効果を達成可能な活性成分の量を得るために、様々であり得る。
【0104】
特に、選択した用量濃度は、使用する特定の化合物の活性、投与時期、化合物の排出速度、治療期間、本化合物と組み合わせて使用するその他の薬物、化合物または物質、治療する患者の年齢、性別、体重、症状、全身健康及び既往歴、ならびに医学技術分野において周知の類似の因子を含む様々な因子によって決まる。
【0105】
通常の技能を有する医師、例えば、内科医または獣医は、必要とされる有効量の医薬組成物を容易に決定し処方することができる。例えば、内科医または獣医は、所望の治療効果を得るために必要な濃度未満の濃度で開示化合物を投薬するのに医薬組成物の投与を開始して、所望の効果が得られるまで用量を徐々に増加させることができる。
【0106】
特定の実施形態では、投与し易くかつ用量が均一な投与単位剤形に本化合物を製剤化することは極めて有利である。本明細書で使用する場合、投与単位剤形とは、治療する患者用の単一用量に適した物理的に不連続な単位のことを意味し、それぞれの単位は、所定の医薬賦形剤と共同して所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の開示化合物を含有している。本発明の投与単位剤形は、(a)開示化合物固有の特性及び得られる特定の治療効果、ならびに(b)患者における疼痛、抑うつ性疾患または薬物中毒を治療するためのこのような開示化合物を調合/製剤化する技術分野に固有の制約に規定され、またそれらに直接的に依存する。
【0107】
一実施形態では、本発明の化合物は、1種または複数種の薬学的に許容される添加剤または担体を使用して製剤化される。一実施形態では、本発明の医薬組成物は治療有効量の開示化合物及び薬学的に許容される担体を含む。
【0108】
本発明の組成物のいずれかの投与経路としては、経口、経鼻、経直腸、膣内、非経口、口内、舌下または局所が挙げられる。本発明において使用する化合物を、任意の好適な経路、例えば、経口または非経口、例えば、経皮、経粘膜(例えば、舌下、舌側、(経)頬、(経)尿道、膣(例えば、経膣及び膣周囲で)、(経)鼻及び(経)直腸)、膀胱内、肺内、十二指腸内、胃内、硬膜内、皮下、筋肉内、皮膚内、動脈内、静脈内、気管支内、吸入及び局所投与による投与用に製剤化してもよい。一実施形態では、好ましい投与経路は経口である。
【0109】
好適な組成物及び投与剤形としては、例えば、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤、ゲルキャップ剤、トローチ剤、分散液剤、懸濁剤、液剤、シロップ剤、顆粒剤、ビーズ剤、経皮貼付剤、ゲル剤、散剤、ペレット剤、泥膏剤、ロゼンジ剤、クリーム剤、パスタ剤、硬膏剤、ローション剤、ディスク剤、坐剤、経鼻または経口投与用の液体噴霧剤、吸入用のドライパウダー製剤またはエアロゾル製剤、膀胱内投与用の組成物及び製剤などが挙げられる。本発明において有用な製剤及び組成物は本明細書に記載する特定の製剤及び組成物に限定されないということを理解すべきである。
【0110】
経口投与用としては、錠剤、糖衣錠、液剤、ドロップ剤、坐剤、または、カプセル剤、カプレット剤及びゲルキャップ剤が特に適している。経口使用を目的とした組成物は当該技術分野において周知の任意の方法に従い調製してもよく、このような組成物は、錠剤の製造に適した不活性で非毒性の医薬品添加剤からなる群から選択される1種または複数種の薬剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、ラクトースなどの不活性賦形剤、コーンスターチなどの造粒剤及び崩壊剤、デンプンなどの結合剤、及びステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤が挙げられる。錠剤はコーティングされていなくてもよく、または、上品にするために、もしくは活性成分の放出を遅延させるために、周知の技術を用いてコーティングされていてもよい。経口使用用製剤はまた、活性成分が不活性賦形剤と混合された硬ゼラチンカプセル剤として提供されてもよい。
【0111】
非経口投与用としては、開示化合物を、注射もしくは注入用、例えば、静脈内、筋肉内もしくは皮下の注射もしくは注入用に、または、ボーラス用量もしくは持続注入の投与用に製剤化してもよい。懸濁化剤、安定化剤または分散剤などのその他の配合剤を任意選択的に含有していてもよい懸濁剤、液剤、または油性溶媒もしくは水性溶媒中のエマルション剤を使用してもよい。
【0112】
本明細書に記載の具体的な手順、実施形態、請求項及び実施例に対する多くの均等物について、当業者は理解し、または、通常の実験を行うだけで確認することが可能である。このような均等物は、本発明の範囲内であるとみなされ、本書に添付する特許請求の範囲により包含される。例えば、反応時間、反応サイズ/容量、実験試薬、例えば、溶媒、触媒など、圧力、雰囲気条件、例えば、窒素雰囲気、及び還元剤/酸化剤、当業者に周知の代替条件、及び単に定型的な実験法を用いることを含むがこれらに限定されない反応条件における調整は本願の範囲内であると理解すべきである。
【0113】
本明細書において数値及び範囲を提供する場合、これらの数値及び範囲を包含する全ての数値及び範囲は、本発明の範囲内に包含されることを意味すると理解すべきである。更に、これらの範囲に含まれる全ての数値に加えて、数値範囲の上限または下限もまた本願とみなされる。
【0114】
以下の実施例において、本発明の態様について更に説明する。しかしながら、それらは、記載する本発明の教示または開示を限定するものではない。
【実施例
【0115】
以下の実施例により本発明を更に説明するが、更に限定を行うと解釈されるべきではない。本発明の実施においては、特に明記しない限り、有機合成、細胞生物学、細胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学及び免疫学における通常の手法を用いるが、それらは当業者の知るところである。
略語
Ac アセチル
℃ セルシウス度
dba ジベンジリデンアセトン
DCM ジクロロメタン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
dppf 1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EDCI 1-エチル-3-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド塩酸塩
EA 酢酸エチル
HATU O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HOAt 1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
m-CPBA m-クロロペルオキシ安息香酸
PE 石油エーテル
Ph フェニル
Py ピリジン
Ruphos 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル
S-Phos 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
Tol トルエンまたはトリル
Xantphos 4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン
【0116】
合成手順
実施例1-化合物001の合成:
【化18】
【0117】
工程1:
DCM(60mL)中のメチルキノリン-6-カルボン酸(3.6g、20mmol)の溶液にm-CPBA(9.0g、40mmol)を室温でゆっくりと加え、その混合液を室温で一晩攪拌した。完了後、NaHCO飽和水溶液で混合液の反応を停止させ、続いて、水で洗浄し、濃縮して残液を得て、EtOHからの再結晶により精製し、DCM(200mL)を加え、pH>7になるまでNaHCO飽和水溶液を0℃で加えた。有機層を分離してから乾燥、濾過して、黄色固体として化合物2(4.6g、77%)を得た。
【0118】
工程2:
AcO(50mL)中の6-(メトキシカルボニル)キノリン 1-オキシド(2.0g、10mmol)の溶液に、その混合液を135℃で一晩加熱した。完了後、混合液を水で希釈し、EAで抽出し、飽和NaHCOで洗浄し、カラム(DCM/MeOH/NH3-H2O=250:50:1)で精製して粗生成物を得た。EAからの再結晶により混合液を精製し、淡色固体として化合物3(1.4g、70%)を得た。
【0119】
工程3:
DCM(100mL)中の化合物メチル 2-ヒドロキシキノリン-6-カルボン酸(10g、0.049mol)とDMF(20mL)の溶液にSOCl(20mL)を0℃でゆっくりと加え、その混合液を室温で5時間攪拌した。TLCにより完了をモニタリングしてから、混合液を濃縮して残液を得て、DCM(200mL)を加え、PH>7になるまでNaHCO飽和水溶液を0℃で加えた。有機層を分離してから乾燥、濾過(フラッシュシリカゲル)及び濃縮して、黄色固体として化合物4(10g、92%)を得た。
【0120】
工程4:
化合物メチル 2-クロロキノリン-6-カルボン酸(10g、0.045mol)と、CuI(10g、0.53mol)と、N-boc-ピペラジン(25g、0.135mol)とKCO(18.6g、0.135mol)の混合液を100℃で一晩攪拌した。TLCにより完了をモニタリングした。混合液にEA(300mL)を加え、濾過(フラッシュシリカゲル)、濃縮し、残液を得て、水(300mL)及びクエン酸飽和水溶液(30mL)を加え、室温で30分間攪拌してから濾過し、更なる精製を行うことなく黄色固体として化合物5(18g、粗生成物)を得た。
【0121】
工程5:
EtOH(100mL)とTHF(100mL)中の、化合物メチル 2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)キノリン-6-カルボン酸(18g、粗生成物)と2MのNaOH(50mL)の混合液を70℃で4時間攪拌した。TLCにより完了をモニタリングした。混合液を濃縮して残液を得て、水(300mL)及びクエン酸飽和水溶液(40mL)を加え、濾過し、黄色固体として化合物6(14.5g、91%、2工程)を得た。
【0122】
工程6:
ピリジン(10mL)中の、化合物6(357mg、1mmol)と、ベンゼン-1,2-ジアミン(100mg、0.9mmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(380mg、2mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。完了後、混合液を濃縮し、水(100mL)中に注ぎ、濾過し、黄色固体として化合物7(350mg、粗生成物)を得た。
【0123】
工程7:
DCM(3mL)中の化合物7(350mg、粗生成物)とTFA(3mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を分取HPLCで精製し、黄色固体として化合物001(119mg、34%、2工程)を得た。LCMS:m/z=348(M+H)H NMR (500 MHz, DMSO) δ 9.94 (s, 1H), 8.18 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 16.5, 1.5 Hz, 2H), 7.41 (m, 2H), 7.28-6.94 m, 4H), 4.00 (m, 4H), 3.27 (s, 4H).
【0124】
実施例2-化合物002の合成:
【化19】
【0125】
工程1:
ピリジン(12mL)中の、化合物1(357mg、1mmol)と、tert-ブチル (4-アミノ-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)カルバメート(260mg、0.9mmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(380mg、2mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。完了後、混合液を濃縮し、水(80mL)中に注ぎ、濾過し、黄色固体として化合物2(415mg、粗生成物)を得た。
【0126】
工程2:
DCM(4mL)中の化合物2(415mg、粗生成物)とTFA(4mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を分取HPLCで精製し、黄色固体として化合物002(139mg、33%、2工程)を得た。LCMS:m/z=424(M+H)H NMR (500 MHz, DMSO) δ 9.94 (s, 1H), 8.99 (brs, 2H), 8.49 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 8.18 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 16.5, 1.5 Hz, 2H), 7.41 (m, 2H), 7.28-6.94 (m, 5H), 4.00 (m, 4H), 3.27 (s, 4H).
【0127】
実施例3-化合物003の合成:
【化20】
【0128】
工程1:
下、tert-ブチル 4-ブロモ-2-ニトロフェニルカルバメート(1.00g、3.15mmol)及びフラン-2-イルボロン酸(494mg、4.41mmol)と、ジオキサン(40mL)と水(8mL)中の1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン錯体(200mg、0.24mmol)及び炭酸カリウム(872mg、6.31mmol)の混合液を90℃で18時間加熱した。その後、その混合液を室温まで冷まし、ジオキサンを減圧下で除去した。残液をEAで抽出し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(PE、PE/EA=50/1)で残液を精製し、黄色固体として化合物2(723mg、76%)を得た。
【0129】
工程2:
EtOH(30mL)中の、tert-ブチル 4-(フラン-2-イル)-2-ニトロフェニルカルバメート(673mg、2.21mmol)と、FeCl(219mg、5.21mmol)と活性炭(200mg)の混合液にN(4mL)を加えた。その混合液を60℃で2時間攪拌した。その後、濾過し、減圧下で濃縮した。残液をEA及び水で分画した。混合EA層を減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=5/1、DCM)で残液を精製し、白色固体として化合物3(576mg、95%)を得た。LCMS:m/z=219.0(M-56+H)
【0130】
工程3:
DMF(10mL)中の、2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)キノリン-6-カルボン酸(140mg、0.39mmol)とHATU(140mg、0.43mmol)の混合液を室温で15分間攪拌した。それから、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニルカルバメート(108mg、0.43mmol)を加えた。その混合液を50℃で18時間攪拌し、次に、水中に注いでから、その混合液をEAで抽出した。混合EA層を減圧下で濃縮し、分取TLCで残液を精製し、化合物4(261mg)を得た。LCMS:m/z=614.2(M+H)
【0131】
工程4:
MeOH(2mL)中のtert-ブチル 3-(5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピコリンアミド)ビフェニル-4-イルカルバメート(261mg)の混合液にHCl/ジオキサン(4mL)を0℃で加えた。その混合液を0℃から室温に18時間攪拌した。その混合液を減圧下で濃縮し、分取HPLCで残液を精製し、白色固体として化合物003(56mg、ロットSP-0017146-043)を得た。LCMS:m/z=414.2(M+H)H NMR (500 MHz, DMSO) δ 9.94 (s, 1H), 8.99 (brs, 2H), 8.49 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 8.18 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 16.5, 1.5 Hz, 2H), 7.41 (m, 2H), 6.94 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.53 (m, 1H), 4.00 (m, 4H), 3.27 (s, 4H).
【0132】
実施例4-化合物004の合成:
【化21】
【0133】
工程1:
ジオキサン(20mL)中の化合物1(3.16g、10mmol)の溶液に、フラン-3-イルボロン酸(1.45g、13mmol)、KPO(4.23g、20mmol)及びPd[P(C(700mg、0.7mmol)を加えた。その混合液を90℃で一晩攪拌した。完了後、水を加え、その混合液をEA(2×150mL)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィー(PE/EA 2/1)で有機層を精製し、黄色油状物として化合物2(2.2g、72%)を得た。
【0134】
工程2:
EA(10mL)中の化合物2(200mg、0.65mmol)の溶液にPd/C(20mg)を加えた。反応混合液を、H下、室温で5時間攪拌した。完了後、混合液を濾過し、EA(2×50mL)で抽出し、黄色固体として化合物3(180mg、100%)を得た。
【0135】
工程3:
ピリジン(5mL)中の、化合物3(180mg、0.66mmol)と、2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)キノリン-6-カルボン酸(260mg、0.73mmol)とEDCI(835mg、4.4mmol)の混合液を室温で一晩攪拌し、TLCによるモニタリングを実施した。水中に注ぎ、EA(2×100mL)で抽出し、有機層を分離、乾燥し、分取TLC(PE/EA 2/1)で精製し、オフホワイト固体として化合物4(250mg、62%)を得た。
【0136】
工程4:
DCM(5mL)中の化合物4(250mg、0.4mmol)の溶液にTFA(2mL)を加え、混合液を室温で2時間攪拌した。完了後、得られた混合液を濃縮し、pH=8になるまで(水溶液)NaHCOでアルカリ化した。沈殿物を回収し、水で洗浄し、白色粉末として化合物004(100mg、59%)を得た。LCMS:m/z=414(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.77 (s, 1H), 8.41 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 8.11 (dd, J = 11.3, 5.4 Hz, 2H), 7.97 (s, 1H), 7.67 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.42 (d, J =1.8 Hz, 1H), 7.33-7.22 (m, 2H), 6.81 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 5.01 (s, 2H), 3.74-3.63 (m, 4H), 2.88-2.73 (m, 4H).
【0137】
実施例5-化合物005の合成:
【化22】
【0138】
工程1:
2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)キノリン-6-カルボン酸(108mg、0.3mmol)、tert-ブチル 2-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)フェニルカルバメート(86mg、0.3mmol)及びEDCI(173mg、0.9mmol)をピリジン(3ml)中に加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。反応が終了すると、その混合液をEAで抽出し、NaHCO及び飽和食塩水で洗浄した。それから、EA層を濃縮し、化合物2(200mg、粗生成物)を得た。
【0139】
工程2:
tert-ブチル 4-(6-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)フェニルカルバモイル)キノリン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(260mg、粗生成物)をDCM(2ml)中に加えた。それから、TFA(2ml)を加えた。その混合液を室温で1時間攪拌した。分取HPLC(塩基法)で精製し、白色固体として化合物005(90mg、収率51%、ロットSP-0017467-057)を得た。LCMS:m/z=425.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.79 (s, 1H), 8.52 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 8.41 (s, 1H), 8.18-8.05 (m, 2H), 7.72 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 7.52 (dd, J = 8.4,2.1 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.41 (s, 2H), 3.68 (d, J = 4.7 Hz, 4H), 2.88-2.74 (m, 4H).
【0140】
実施例6-化合物006の合成:
【化23】
【0141】
工程1:
1,4-ジオキサン(30mL)中の、メチル 6-クロロニコチネート(1.7g、10mmol)と、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(5.58g、30mmol)とDIPEA(6.45g、50mmol)の混合液をN雰囲気下95℃で一晩攪拌した。その混合液を冷まし、EA(100mL)及び水(100mL)を加え、30分間攪拌し、有機層を分離、乾燥、濃縮し、残液を得て、その残液をPE(100mL)で洗浄し、淡黄色固体として化合物2(2.9g、91%)を得た。
【0142】
工程2:
THF(50ml)とEtOH(50mL)中の、化合物2(3.2g、10mmol)と2MのNaOH(50mL)の混合液を60℃で3時間攪拌した。その混合液を濃縮し、残液を得て、HCl(2M)を加えてpH7に調節し、濾過し、白色固体として化合物3(3.0g、97%)を得た。
【0143】
工程3:
ピリジン(15mL)中の、化合物3(307mg、1mmol)と、tert-ブチル 3-アミノビフェニル-4-イルカルバメート(256mg、0.9mmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(573mg、3mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(100mL)中に注ぎ、濾過し、黄色固体として化合物4(470mg、82%)を得た。
【0144】
工程4:
DCM(3mL)中の化合物4(286mg、0.5mmol)とTFA(3mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を分取HPLCで精製し、黄色固体として化合物006(84mg、45%)を得た。LCMS:m/z=374(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.62 (s, 1H), 8.85 (s, 2H), 8.81 (s, 1H), 8.20 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.50 (s, 1H), 7.39 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.33 (dd, J = 8.3, 1.9 Hz, 1H), 7.24 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.11 (s, 2H), 3.90-3.78 (m, 4H), 3.22 (d, J = 4.9 Hz, 4H).
【0145】
実施例7-化合物007の合成:
【化24】
【0146】
工程1:
ピリジン(15mL)中の、化合物3(307mg、1mmol)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)フェニル-カルバメート(261mg、0.9mmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(573mg、3mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(100mL)中に注ぎ、濾過し、黄色固体として化合物4(463mg、80%)を得た。
【0147】
工程2:
DCM(3mL)中の化合物4(290mg、0.5mmol)とTFA(3mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を分取HPLCで精製し、黄色固体として化合物007(95mg、50%)を得た。LCMS:m/z=380(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.62 (s, 1H), 8.90 (s, 2H), 8.81 (s, 1H), 8.19 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.36 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 7.09-6.98 (m, 2H), 6.81 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.20 (s, 2H), 3.86 (s, 4H), 3.22 (s, 4H).
【0148】
実施例8-化合物008の合成:
【化25】
【0149】
工程1:
ピリジン(4ml)中の化合物1(175mg、0.57mmol)の溶液にtert-ブチル (2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニル)カルバメート(156mg、0.57mmol)及びEDCI(218mg)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。溶液を蒸発させ、HCl(1N)で洗浄し、EA(20ml×3)で抽出し、水、食塩水で洗浄し、分取TLC(PE/EA=1/1)で精製し、白色固体として化合物3(128mg、40%)を得た。
【0150】
工程2:
DCM(3ml)中の化合物3(124mg、0.22mmol)の溶液にTFA(1ml)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。溶液を濃縮し、>7にpHを調節し、濾過し、水で洗浄し、黄色固体として化合物008(77mg、97.4%)を得た。H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.50 (s, 1H), 8.75 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.08 (dd, J = 9.0, 2.4 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 6.50 (dd, J = 3.2, 1.8 Hz, 1H), 5.14 (s, 2H), 3.58-3.50 (m, 4H), 2.81-2.72 (m, 4H).LCMS:m/z=364.2(M+H)
【0151】
実施例9-化合物009の合成:
【化26】
【0152】
工程1:
6-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ニコチン酸(92mg、0.3mmol)、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-3-イル)フェニルカルバメート(82mg、0.3mmol)及びEDCI(173mg、0.9mmol)をピリジン(3ml)中に加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。次工程用に粗化合物2(200mg、粗生成物)を調製した。
【0153】
工程2:
tert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-3-イル)フェニルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(180mg、粗生成物)をDCM(2ml)中に加えた。それから、TFA(2ml)を加えた。その混合液を室温で6時間攪拌した。反応が終了すると、固体を濾過し、EtOで洗浄した。白色固体として化合物009(76mg、収率66%、ロットSP-0017467-083)を得た。LCMS:m/z=364.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.52 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.08 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.23 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.04-6.67 (m, 3H), 4.97 (s, 2H), 3.56 (s, 4H), 2.79 (s, 4H).
【0154】
実施例10-化合物010の合成:
【化27】
【0155】
工程1:
6-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ニコチン酸(92mg、0.3mmol)、tert-ブチル 2-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)フェニルカルバメート(86mg、0.3mmol)及びEDCI(173mg、0.9mmol)をピリジン(3ml)中に加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。反応が終了すると、その混合液をEAで抽出し、クエン酸、NaHCO及び飽和食塩水で洗浄した。それから、EA層を濃縮し、灰色固体として化合物2(150mg、収率85%)を得た。
【0156】
工程2:
tert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)フェニルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(150mg、粗生成物)をDCM(2ml)中に加えた。それから、TFA(2ml)を加えた。その混合液を室温で1時間攪拌した。分取HPLC(塩基法)で精製し、淡黄色固体として化合物010(60mg、収率61%、ロットSP-0017467-049)を得た。LCMS:m/z=375.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.52 (s, 1H), 8.76 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.51 (dd, J = 4.6, 1.5 Hz, 2H), 8.09 (dd, J = 9.0, 2.4 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 4.7, 1.6 Hz, 2H), 7.50 (dd, J = 8.4, 2.2 Hz, 1H), 6.88 (dd, J = 8.8, 2.5 Hz, 2H), 5.36 (s, 2H), 3.62-.48 (m, 4H), 2.84-.73 (m, 4H).
【0157】
実施例11-化合物011の合成:
【化28】
【0158】
工程1:
トルエン(30mL)中の、メチル 4-ブロモベンゾエート(2.15g、10mmol)と、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(5.58g、30mmol)と、Pd(dba)(915mg、1mmol)と、Xantphos(478mg、1mmol)とCsCO(9.75g、30mmol、3当量)の混合液をN2雰囲気下95℃で一晩攪拌した。その混合液を冷まし、EA(100mL)を加え、濾過、濃縮し、残液を得て、その残液をPE(100mL)で洗浄して、淡黄色固体として化合物2(2.88g、90%)を得た。
【0159】
工程2:
THF(50ml)とEtOH(50mL)中の、化合物2(3.2g、10mmol)と2MのNaOH(50mL)の混合液を60℃で3時間攪拌した。その混合液を濃縮し、残液を得て、HCl(2M)を加えてpH7に調節し、濾過し、白色固体として化合物3(3.0g、100%)を得た。
【0160】
工程3:
ピリジン(15mL)中の、化合物3(306mg、1mmol)と、tert-ブチル 3-アミノビフェニル-4-イルカルバメート(256mg、0.9mmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(573mg、3mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(100mL)中に注ぎ、次に濾過し、黄色固体として化合物4(438mg、85%)を得た。
【0161】
工程4:
DCM(3mL)中の化合物4(286mg、0.5mmol)とTFA(3mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を分取HPLCで精製し、黄色固体として化合物011(112mg、60%)を得た。LCMS:m/z=373(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.54 (s, 1H), 7.91 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.54 (dd, J = 17.4, 4.6 Hz, 3H), 7.40 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.32 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1H), 7.25 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.87 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.06 (s, 2H), 3.25-3.13 (m, 4H), 2.92-2.78 (m, 4H).
【0162】
実施例12-化合物012の合成:
【化29】
【0163】
工程1:
ピリジン(15mL)中の、化合物3(306mg、1mmol)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)フェニル-カルバメート(260mg、0.9mmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(573mg、3mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(100mL)中に注ぎ、濾過し、黄色固体として化合物4(442mg、85%)を得た。
【0164】
工程2:
DCM(3mL)中の化合物4(289mg、0.5mmol)とTFA(3mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を分取HPLCで精製し、黄色固体として化合物012(113mg、60%)を得た。LCMS:m/z=379(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.51 (s, 1H), 7.89 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.36 (dd, J = 5.1, 0.8 Hz, 1H), 7.32-7.20 (m, 2H), 7.05 (dd, J = 5.0, 3.6 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.81 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 3.24-3.15 (m, 4H), 2.89-2.77 (m, 4H).
【0165】
実施例13-化合物013の合成:
【化30】
【0166】
工程1:
ピリジン(15mL)中の、化合物3(306mg、1mmol)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニル-カルバメート(247mg、0.9mmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(573mg、3mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(100mL)中に注ぎ、濾過し、黄色固体として化合物4(410mg、81%)を得た。
【0167】
工程2:
DCM(3mL)中の化合物4(281mg、0.5mmol)とTFA(3mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を分取HPLCで精製し、黄色固体として化合物013(107mg、59%)を得た。LCMS:m/z=363(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.49 (s, 1H), 7.89 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.61 (s, 1H), 7.51 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.81 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.51 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 3.20 (s, 4H), 2.84 (s, 4H).
【0168】
実施例14-化合物014の合成:
【化31】
【0169】
工程1:
ピリジン(15mL)中の、化合物3(306mg、1mmol)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-3-イル)-フェニルカルバメート(246mg、0.9mmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(573mg、3mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(100mL)中に注ぎ、濾過し、黄色固体として化合物4(420mg、83%)を得た。
【0170】
工程2:
DCM(3mL)中の化合物4(281mg、0.5mmol)とTFA(3mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を分取HPLCで精製し、黄色固体として化合物014(100mg、55%)を得た。LCMS:m/z=363(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.50 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.89 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.66 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.23 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.86-6.73 (m, 2H), 4.92 (s, 2H), 3.19 (d, J = 4.8 Hz, 4H), 2.84 (d, J = 4.6 Hz, 4H).
【0171】
実施例15-化合物015の合成:
【化32】
【0172】
工程1:
トルエン(20ml)中の化合物1(500mg、2.32mmol)の溶液に、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(1.3g、3.0当量)、Pd(dba)(213mg、0.1当量)、Ruphos(108mg、0.1当量)及びCsCO(2.273g、3.0当量)を一晩、N雰囲気下95℃で加えた。その混合液をセライトに通して濾過し、濃縮し、EA(2×80ml)で抽出し、次に、EtOで洗浄した。黄色固体として化合物2(623mg、84%)を得た。
【0173】
工程2:
THF(8ml)中の化合物2(623mg、1.94mmol)の溶液に2NのNaOH(5ml)及びEtOH(2ml)を一晩、60℃で加えた。その混合液を濃縮し、希HClで中和した。濾過後、白色固体の化合物3(550mg、92%)を得た。
【0174】
工程3:
ジオキサン(30ml)とHO(6ml)中の、化合物4(3.17g、10mmol)の溶液に、ピリジン-4-イルボロン酸(1.6g、1.3当量)、KCO(2.763g、2.0当量)、Pd[PPh(808mg、0.07当量)を一晩、N雰囲気下90℃で加えた。その混合液をシリカゲルで濾過し、EA(2×150ml)で抽出し、カラムクロマトグラフィー(PE:EA=4:1)で精製し、黄色固体の化合物5(2.127g、67%)を得た。
【0175】
工程4:
EtOH(15ml)中の化合物5(1.5g、4.76mmol)の溶液にFeCl(154mg、0.2当量)、C(1.5g)を60℃で加えた。NO(2.77ml、12.0当量)をゆっくりと滴加し、3時間反応させた。その混合液をセライトに通して濾過し、濃縮し、HOで洗浄し、茶色固体の化合物6(895mg、66%)を得た。
【0176】
工程5:
ピリジン(5ml)中の、化合物3(100mg、0.33mmol)と、化合物6(131mg、1.4当量)とEDCI(250mg、4.0当量)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を濃縮し、EA(2×70ml)で抽出し、食塩水(2×60ml)で洗浄し、分取TLC(PE:EA=1:2)で精製し、白色固体として化合物7(126mg、収率67%)を得た。
【0177】
工程6:
DCM(3ml)中の化合物7(126mg、0.22mmol)の溶液にTFA(0.5ml)を室温で加えた。反応液を2時間攪拌してから、濃縮し、分取HPLCで精製し、白色固体として化合物015(26mg、32%)を得た。LCMS:m/z=374(M+H)H NMR (500 MHz, DMSO) δ 10.10 (s, 1H), 9.34 (s, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.89 (s, 2H), 8.06 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.69 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 7.65 (dd, J = 9.3, 2.2 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.40 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.84 (s, 1H), 3.70-3.66 (m, 4H), 3.32 (s, 4H).
【0178】
実施例16-化合物016の合成:
【化33】
【0179】
工程1:
下、トルエン(20mL)中の、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(1.04g、5.55mmol)及びメチル 5-ブロモピコリネート(1.00g、4.63mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(212mg、0.23mmol)と、S-Phos(384mg、0.94mmol)及びリン酸カリウム(1.38g、6.48mmol)の混合液を100℃で3日間加熱した。その後、その混合液を室温まで冷まして濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーで残液を精製し、黄色固体として化合物3(837mg、56%)を得た。
【0180】
工程2:
THF(12mL)中のt-ブチル 4-(6-(メトキシカルボニル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(837mg、2.60mmol)及びLiOH(219mg、5.21mmol)と、水(6mL)及びMeOH(3mL)の混合液を、完了するまで0℃から室温に攪拌した。それからその混合液を減圧下で濃縮し、化合物4の粗Li塩を得た。LCMS:m/z=308.1(M+H)
【0181】
工程3:
DMF(4mL)中の、リチウム 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピコリネート(1.30mmol)とHATU(545mg、1.43mmol)の混合液を室温で30分間攪拌した。それから、tert-ブチル 3-アミノビフェニル-4-イルカルバメート(407mg、1.43mmol)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。その後、その混合液を水中に注ぎ、得られた固体を濾過で回収し、減圧下で乾燥させ、粗化合物5を得た。LCMS:m/z=574.2(M+H)
【0182】
工程4:
MeOH(4mL)中のtert-ブチル 3-(5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピコリンアミド)ビフェニル-4-イルカルバメート(1.30mmol)の混合液にHCl/ジオキサン(8mL)を0℃で加えた。その混合液を0℃から室温に18時間攪拌した。その混合液を減圧下で濃縮し、分取HPLCで残液を精製し、白色固体として化合物016(73mg、収率15%、ロットSP-0017146-033)を得た。LCMS:m/z=374.1(M+H)H NMR (500 MHz, DMSO) δ 9.88 (s, 1H), 8.37 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.45 (dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.40 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.28-7.24 (m, 2H), 6.91 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.03 (s, 2H), 3.28 (m, 4H), 2.85 (m, 4H).
【0183】
実施例17-化合物017の合成:
【化34】
【0184】
工程1:
DMF(4mL)中の、リチウム 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピコリネート(1.30mmol)とHATU(545mg、1.43mmol)の混合液を室温で30分間攪拌した。それから、tert-ブチル 2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバメート(416mg、1.43mmol)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。その後、その混合液を水中に注ぎ、得られた固体を濾過で回収し、減圧下で乾燥させ、粗化合物5を得た。LCMS:m/z=580.2(M+H)
【0185】
工程2:
MeOH(4mL)中のtert-ブチル 3-(5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピコリンアミド)ビフェニル-4-イルカルバメート(1.30mmol)の混合液にHCl/ジオキサン(8mL)を0℃で加えた。その混合液を0℃から室温に18時間攪拌した。その混合液を減圧下で濃縮し、分取HPLCで残液を精製し、白色固体として化合物017(75mg、収率15%、ロットSP-0017146-032)を得た。LCMS:m/z=380.1(M+H)H NMR (500 MHz, DMSO) δ 9.86 (s, 1H), 8.37 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.45 (dd, J = 8.5, 3.0 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.25 (m, 2H), 7.06 (dd, J = 5.0, 4.0 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.08 (s, 2H), 3.28 (m, 4H), 2.85 (m, 4H).
【0186】
実施例18-化合物018の合成:
【化35】
【0187】
工程1:
DMF(2mL)中の、リチウム 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピコリネート(200mg、0.56mmol)とHATU(214mg、0.56mmol)の混合液を室温で15分間攪拌した。tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニルカルバメート(86mg、0.31mmol)を加えた。その混合液を室温で18時間攪拌した。水を加え、得られた固体を濾過で回収し、減圧下で乾燥させ、オフホワイト固体として粗化合物3(170mg、97%)を得た。
【0188】
工程2:
0℃で、DCM(2mL)中のtert-ブチル 4-(6-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-2-イル)フェニルカルバモイル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(170mg、0.30mmol)の溶液にTFA(1mL)を加えた。その混合液を0℃で2時間攪拌し、その後、減圧下で濃縮した。分取HPLCで残液を精製し、黄色固体として化合物018(53mg、47%、2工程、ロットSP-0017146-122)を得た。LCMS:m/z=364.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.83 (s, 1H), 8.37 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.45 (dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.52 (m, 1H), 5.09 (s, 2H), 3.28 (m, 4H), 2.85 (m, 4H).
【0189】
実施例19-化合物019の合成:
【化36】
【0190】
工程1:
DMF(3mL)中の、リチウム 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピコリネート(200mg、0.56mmol)とHATU(214mg、0.56mmol)の混合液を室温で15分間攪拌した。tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-3-イル)フェニルカルバメート(86mg、0.31mmol)を加えた。その混合液を室温で18時間攪拌した。水を加え、得られた固体を濾過で回収し、減圧下で乾燥させ、オフホワイト固体として粗化合物3(170mg、97%)を得た。
【0191】
工程2:
0℃で、DCM(1.5mL)中のtert-ブチル 4-(6-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-3-イル)フェニルカルバモイル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(170mg、0.30mmol)の溶液にTFA(1mL)を加えた。その混合液を0℃で2時間攪拌した。その後、その混合液を減圧下で濃縮し、分取HPLCで残液を精製し、黄色固体として化合物019(67mg、収率59%、2工程、ロットSP-0017146-120)を得た。LCMS:m/z=364.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.83 (s, 1H), 8.36 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.95 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.67 (m, 1H), 7.44 (dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.19 (dd, J = 8.0, 2.0 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 4.93 (s, 2H), 3.28 (m, 4H), 2.85 (m, 4H).
【0192】
実施例20-化合物020の合成:
【化37】
【0193】
工程1:
DMF(5mL)中の、化合物4(224mg、0.63mmol)とHATU(240mg、0.63mmol)の混合液を室温で15分間攪拌した。それから、化合物5(100mg、0.35mmol)を加えた。その混合液を室温で18時間攪拌した。その後、その混合液を水中に注ぎ、混合液を濾過で回収し、減圧下で乾燥させ、化合物6を得た。LCMS:m/z=575.3(M+H)
【0194】
工程2:
MeOH(1mL)中の化合物6(0.36mmol)の混合液にHCl/ジオキサン(2.5mL)を0℃で加えた。その混合液を0℃から室温に18時間攪拌した。その後、その混合液を減圧下で濃縮し、分取HPLCで残液を精製し、淡黄色固体として化合物020(79mg、遊離アミン、収率33%、2工程、ロットSP-0017146-109)を得た。LCMS:m/z=375.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.87 (s, 1H), 8.52 (m, 2H), 8.37 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.58 (m, 2H), 7.45 (m, 2H), 6.92 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.30 (s, 2H), 3.28 (m, 4H), 2.85 (m, 4H).
【0195】
実施例21-化合物021の合成:
【化38】
【0196】
工程1:
エタノール(1L)中の2-アミノ-3-(4-ブロモフェニル)プロパン酸(50g、0.2mol)にSOCl(30ml)を0℃で滴加した。滴加完了後、混合液を一晩還流させた。反応を停止させ、混合液を蒸発乾固させ、残分にEA(500ml)及びNaHCO飽和水溶液(500ml)を加えた。有機層を分離し、EA(200ml)で水を抽出し、混合有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発乾固させ、更なる精製を行うことなく残分を次工程に使用した。黄色固体として45gの化合物2(収率81%)を得た。LCMS:99% UV-214、[M+H]:272。
【0197】
工程2:
CHCN(500ml)中のエチル 2-アミノ-3-(4-ブロモフェニル)プロパノエート(45g、166mmol)を含有するフラスコにHCOONH(95g、1.5mol)を室温で加え、続いて、90℃で一晩攪拌した。溶媒が蒸発した後、残液に水(1L)を加え、それからEA(300ml×3)で抽出した。混合有機層を食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残液をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出:PE/EA=4:1~3:1から)で精製し、赤色固体としてエチル 3-(4-ブロモフェニル)-2-ホルムアミドプロパノエート(39g、収率80%)を得た。LCMS:92% UV-214、[M+H]:300。
【0198】
工程3:
DCM(500mL)中のエチル-3-(4-ブロモフェニル)-2-ホルムアミドプロパノエート(39g、130mmol)の混合液に(COCl)(18g、143mmol)を加えた。反応混合液を室温で30分間攪拌した。その後、反応溶液を0℃まで冷却し、FeCl(26g、163mmol)をその溶液中に加え、続いて、室温で一晩攪拌した。溶液をCHCIで抽出した後、混合有機層を減圧下で濃縮し、黒色油状物を得た。油状物をEtOH(300ml)中に溶解し、濃HSOをその溶液中に加え、80℃で一晩還流させた。溶液を飽和NaHCO中に注ぎ、EAで抽出した。無水NaSOで乾燥させた後、溶液を減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=8:1~5:1)で残液を精製し、黄色固体としてエチル 7-ブロモイソキノリン-3-カルボキシレート(5.2g、収率15%)を得た。LCMS:95% UV-214、[M+H]:280。
【0199】
工程4:
ジオキサン(150mL)中の、化合物4(5.2g、18.6mmol)と、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(4.2g、22.4mmol)と、Pd(dba)(920mg、1mmol)と、RuPhos(950mg、2mmol)とCsCO(12g、37mmol)の混合液をN雰囲気下100℃で4時間攪拌した。その混合液を冷まし、濾過及び濃縮し、残液を得て、その残液をcombiflash(溶出、PE:EA=40%)で精製し、黄色固体として化合物5(4.5g、63%)を得た。LCMS:98% UV-214、[M+H]:386。
【0200】
工程5:
MeOH(50mL)とTHF(50ml)中の、化合物5(4.5g、11.7mmol)の溶液に、水(30ml)中のNaOH(2.4g、58.5mmol)の水溶液を加え、60℃で3時間攪拌した。混合液を濃縮して残液を得て、その残液に水(100mL)を加え、次に、HCl(0.5N)を慎重に用いてpHを約6に調節して黄色固体を分離し、その混合液を濾過し、固体を水(50ml)で洗浄し、乾燥させて、黄色固体として化合物6(3.5g、収率83%)を得た。LCMS:98.9% UV-214、[M+H]:358。
【0201】
工程6:
ピリジン(10mL)中の、化合物6(357mg、1mmol)と、ベンゼン-1,2-ジアミン(100mg、0.9mmol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(380mg、2mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。完了後、混合液を濃縮し、水(100mL)中に注ぎ、濾過し、黄色固体として化合物7(328mg、粗生成物)を得た。
【0202】
工程7:
DCM(3mL)中の化合物7(328mg、粗生成物)とTFA(3mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を分取HPLCで精製し、黄色固体として化合物021(101mg、29%、2工程)を得た。LCMS:m/z=348(M+H)H NMR (500MHz, DMSO): 3.501(t, 4H), 3.88(t, 4H), 7.45(t, 1H), 7.53(t, 2H), 7.61(d, 1H), 8.146 (dd, 1H), 8.34 (d, 1H), 9.17 (s, 1H), 9.57 (s, 1H).
【0203】
実施例22-化合物022の合成:
【化39】
【0204】
工程1:
DCM(100ml)中の、化合物1(1.5g、4.2mmol)と、tert-ブチル 3-アミノビフェニル-4-イルカルバメート(1.43g、5mmol)と、HATU(2.4g、6.3mmol)と、DIPEA(1.1g、8.4mmol)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を蒸発乾固させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=20:1)で残分を精製し、黄色固体として化合物2(1.6g、収率62%)を得た。LCMS:97% UV-214、[M+H]:624。
【0205】
工程2:
DCM(100ml)中の化合物2(1.6g、2.57mmol)の溶液にジオキサン(30ml)中の4NのHClを加え、その混合液を室温で2時間攪拌し、反応を停止させてから、混合液を濾過し、固体をエーテル(20ml)で洗浄し、乾燥させて、黄色固体として化合物022(1.29g、HCl塩、収率83%)を得た。LCMS:100% UV-214、[M+H]:424。H NMR (500MHz, MeOD): 3.506(t, 4H), 3.881(t, 4H), 7.453(t, 1H), 7.527(t, 2H), 7.671(d, 1H), 7.737(d, 2H), 7.811 (dd, 1H), 7.924 (m, 2H), 8.146 (dd, 1H), 8.343 (d, 1H), 9.171 (s, 1H), 9.574 (s, 1H).
【0206】
実施例23-化合物023の合成:
【化40】
【0207】
工程1:
EtOH(500mL)中の、化合物1(20g、0.087mol)とエチル 3,3-ジエトキシプロピオネート(33g、0.17mol)の溶液に、SnCl-2H2O(87g、0.39mol)を加え、混合液を90℃で12時間攪拌した。TLCにより完了をモニタリングした。冷ました後、蒸発させて、粗生成物を得た。次に、EA(600mL)、HO(300mL)、NaCO(32g)中に投入し、1時間攪拌した。有機層を分離し、乾燥、濾過及び濃縮し、黄色固体として化合物2(15g、92%)を得た。
【0208】
工程2:
トルエン(20mL)中の、化合物2(560mg、2mmol)と、N-boc-ピペラジン(1.3g、7mmol)と、Pd(dba)(200mg、0.2mmol)と、Ruphos(200mg、0.4mmol)とCsCO(1.4g、7.3mmol)の混合液に、マイクロ波(80℃で10分間、110℃で30分間、145℃で60分間)を使用した。TLCにより完了をモニタリングした。混合液にEA(30mL)及びHO(30mL)を加えた。珪藻土に通して濾過した。有機層を分離し、洗浄、乾燥、濾過及び濃縮し、化合物3を得た。PEで洗浄し、黄色固体として精製化合物3(620mg、約100%)を得た。
【0209】
工程3:
MeOH(10ml)とTHF(10ml)中の、化合物3(600mg、1.56mol)と2MのNaOH(5ml)の混合液を70℃で4時間攪拌した。TLCにより完了をモニタリングした。混合液を濃縮して残液を得て、水(30mL)及びクエン酸を加えて、pH=4~5に調節し、EAで抽出した。有機層を分離し、洗浄、乾燥、濾過及び濃縮し、化合物4(500mg、89.2%)を得た。
【0210】
工程4:
DMF(10ml)中の、化合物4(107mg、0.30mmol)とtert-ブチル (2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)フェニル)カルバメート(70mg、0.3mmol)の溶液に、HOAT(81.6mg、0.6mmol)、EDCI(114.6mg、0.6mmol)、DIPEA(193.5mg、1.5mmol)を加えた。その混合液を60℃で一晩攪拌した。LCMSによるモニタリングを完了させ、水(10ml)を加え、EAで抽出した。有機層を分離し、洗浄、乾燥、濾過及び濃縮し、粗生成物を得た。分取TLCで精製し、化合物5(95mg、56%)を得た。
【0211】
工程5:
DCM(5ml)中の化合物5(95mg、0.16mmol)とTFA(2ml)の混合液を室温で2時間攪拌し、LCMSによるモニタリングを完了させた。蒸発させて粗生成物を得て、分取HPLCで精製し、化合物023(20mg、34.2%)を得た。LCMS:m/z=430(M+H)H NMR (400 MHz, MeOD) δ 9.29 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 7.99 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.62-7.59 (m, 2H), 7.47-7.44 (m, 2H), 7.40 (s, 1H), 7.28 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.09 (m, 1H), 3.72 (m, 4H), 3.45 (m, 4H).
【0212】
実施例24-化合物024の合成:
【化41】
【0213】
工程1:
ピリジン(6mL)中の、7-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)キノリン-3-カルボン酸(139mg、0.39mmol)とEDCI(151mg、0.79mmol)の混合液を室温で20分間攪拌した。それから、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニルカルバメート(107mg、0.39mmol)を加えた。その混合液を室温で16時間攪拌した。その後、その混合液を減圧下で濃縮した。残液を分取TLCで精製し、油状物として化合物3(143mg、48%)を得た。LCMS:m/z=614.3(M+H)+。
【0214】
工程2:
DCM(1mL)中のt-ブチル 4-(3-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-2-イル)フェニル-カルバモイル)キノリン-7-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(143mg、0.23mmol)の混合液にTFA(1mL)を0℃で加えた。その混合液を0℃から室温に18時間攪拌した。その混合液を減圧下で濃縮し、分取HPLCで残液を精製し、灰色固体として化合物024(37mg、TFA塩、ロットSP-0017146-056)を得た。LCMS:m/z=414.2(M+H)H NMR (400 MHz, MeOD) δ 9.29 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 7.99 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.62-7.59 (m, 2H), 7.47-7.44 (m, 2H), 7.40 (s, 1H), 6.96 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.56 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.47 (m, 1H), 3.72 (m, 4H), 3.45 (m, 4H).
【0215】
実施例25-化合物025の合成:
【化42】
【0216】
工程1:
ピリジン(5mL)中の、化合物3(178mg、0.5mmol)と、tert-ブチル (2-アミノ-4-(フラン-3-イル)フェニル)カルバメート(123mg、0.45mmol)とEDCI(573mg、3mmol)の混合液を室温で一晩攪拌し、TLCによるモニタリングを実施した。水中に注いでEA(2×100mL)で抽出した後、有機層を分離、乾燥し、分取TLC(PE/EA 1/1)で精製し、オフホワイト固体として化合物4(140mg、51%)を得た。
【0217】
工程2:
DCM(5mL)中の化合物4(140mg、0.23mmol)の溶液にTFA(2mL)を加え、混合液を室温で2時間攪拌した。完了後、得られた混合液を濃縮し、pH=8になるまで(水溶液)NaHCOでアルカリ化した。沈殿物を回収し、水で洗浄し、オフホワイト固体として化合物025(19mg、14%)を得た。LCMS:m/z=364.2(M+H)H NMR (500 MHz, DMSO) δ 10.10 (s, 1H), 9.34 (s, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.89 (s, 2H), 8.06 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.69 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 7.65 (dd, J = 9.3, 2.2 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.40 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.84 (s, 1H), 3.70 -3.66 (m, 4H), 3.32 (s, 4H).
【0218】
実施例26-化合物026の合成:
【化43】
【0219】
工程1:
ピリジン(5mL)中の、化合物3(357mg、1mmol)と、tert-ブチル (2-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)フェニル)カルバメート(260mg、0.9mmol)とEDCI(381mg、2mmol)の混合液を室温で一晩攪拌し、TLCによるモニタリングを実施した。水中に注ぎ、EA(2×100mL)で抽出し、有機層を分離、乾燥し、分取TLC(PE/EA 1/1)で精製し、オフホワイト固体として化合物4(240mg、39%)を得た。
【0220】
工程2:
DCM(5mL)中の化合物4(240mg、0.23mmol)の溶液にTFA(2mL)を加え、混合液を室温で2時間攪拌した。完了後、得られた混合液を濃縮し、pH=8になるまで(水溶液)NaHCOでアルカリ化した。沈殿物を回収し、水で洗浄し、オフホワイト固体として化合物026(100mg、62%)を得た。LCMS:m/z=425(M+H)H NMR (500 MHz, DMSO) δ 9.909 (s, 1H), 9.28 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 7.92-7.90 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.61-7.53 (m, 4H), 7.26 (s, 1H), 6.92-6.90 (d, J = 8 Hz, 1H), 5.48 (s, 2H), 2.90 (m, 4H), 2.51 (s, 4H).
【0221】
実施例27-化合物027の合成:
【化44】
【0222】
工程1:
6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ニコチン酸(132mg、0.6mmol)、tert-ブチル 2-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)フェニルカルバメート(172mg、0.6mmol)及びEDCI(346mg、1.8mmol)をピリジン(5mL)中に加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。反応が終了すると、その混合液をEAで抽出し、クエン酸、NaHCO及び飽和食塩水で洗浄した。それから、有機層を濃縮し、化合物2(300mg、粗生成物)を得た。
【0223】
工程2:
tert-ブチル 2-(6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ニコチンアミド)-4-(ピリジン-4-イル)フェニルカルバメート(300mg、粗生成物)をDCM(2ml)中に加えた。それから、TFA(2ml)を加えた。その混合液を室温で1時間攪拌した。分取HPLC(塩基法)で精製し、黄色固体として化合物027(40mg、収率13%、ロットSP-0017467-055)を得た。LCMS:m/z=389.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.53 (s, 1H), 8.76 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.53-8.45 (m, 2H), 8.10 (dd, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 7.50 (dd, J = 8.4, 2.2 Hz, 1H), 6.90 (dd, J = 13.9, 8.7 Hz, 2H), 5.36 (s, 2H), 3.67-3.58 (m, 4H), 2.43-2.35 (m, 4H), 2.22 (s, 3H).
【0224】
実施例28-化合物028の合成:
【化45】
【0225】
工程1:
下、トルエン(20mL)中の、1-メチルピペラジン(232mg、2.31mmol)及びメチル 5-ブロモピコリネート(500mg、2.31mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(53mg、0.058mmol)と、Ru-Phos(108mg、0.23mmol)及び炭酸セシウム(2.26g、6.94mmol)の混合液を100℃で18時間加熱した。その後、その混合液を室温まで冷まして濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。残液をPE-EAで洗浄し、白色固体として化合物3(528mg、100%)を得た。
【0226】
工程2:
0℃で、THF(6mL)とMeOH(1mL)と水(3mL)中の、メチル 5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピコリネート(528mg、2.24mmol)とLiOH(188mg、4.49mmol)の混合液に。その混合液を0℃から室温に18時間攪拌した。それからその混合液を減圧下で濃縮し、Li塩として粗化合物4(294mg)を得た。LCMS:m/z=222.1(M+H)
【0227】
工程3:
DMF(10mL)中の、化合物4(143mg、0.63mmol)とHATU(240mg、0.63mmol)の混合液を室温で10分間攪拌した。それから、化合物5(100mg、0.35mmol)を加えた。その混合液を室温で18時間攪拌した。その後、その混合液を水中に注ぎ、得られた固体を濾過で回収し、減圧下で乾燥させ、粗化合物6(150mg)を得た。LCMS:m/z=489.3(M+H)
【0228】
工程4:
MeOH(1mL)中の化合物6(0.36mmol)の混合液にHCl/ジオキサン(4M、2mL)を0℃で加えた。その混合液を0℃から室温に18時間攪拌した。その後、その混合液を減圧下で濃縮し、分取HPLCで残液を精製し、黄色固体として化合物028(59mg、遊離アミン、収率24%、2工程、ロットSP-0017146-108)を得た。LCMS:m/z=389.3(M+H)。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.88 (s, 1H), 8.52 (m, 2H), 8.39 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.58 (m, 2H), 7.47 (m, 2H), 6.92 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.30 (s, 2H), 3.38 (m, 4H), 2.47 (m, 4H).
【0229】
実施例29-化合物029の合成:
【化46】
【0230】
工程1:
ピリジン(5ml)中の、化合物1(100mg、0.37mmol)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニル-カルバメート(151mg、1.5当量)とEDCI(550mg、7.0当量)の混合液を25℃で一晩攪拌した。その混合液を濃縮し、EA(2×50ml)で抽出し、食塩水(2×60ml)で洗浄した。分取TLC(PE:EA=1:3)で精製し、黄色油状物として化合物2(150mg、収率39%)を得た。
【0231】
工程2:
DCM(2ml)中の化合物2(150mg、0.28mmol)の溶液にTFA(0.5ml)を室温で加えた。反応液を2時間攪拌した。その後、その反応液を濃縮し、黄色固体として化合物029(33mg、27%)を得た。LCMS:m/z=428(M+H)。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 9.17 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 7.99 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.75-7.68 (m, 1H), 7.49 (s, 2H), 7.43 (dd, J = 8.3, 1.9 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.59 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 6.48 (dd, J = 3.2, 1.8 Hz, 1H), 3.62 (s, 4H), 3.19 (s, 4H), 2.78 (s, 3H).
【0232】
実施例30-化合物030の合成:
【化47】
【0233】
工程1:
DMF(20ml)中の、化合物1(432mg、4.6mmol)及びエチル 2-ブロモチアゾール-5-カルボキシレート(1g、4.2mmol)とEtN(1.27g、12.6mmol)の溶液に、90℃で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、EA(20ml×2)で抽出し、水、食塩水で洗浄し、減圧下で濃縮し、黄色固体として化合物2(1.2g、粗生成物)を得た。
【0234】
工程2:
EtOH(10ml)中の化合物2(1.2g、4.7mmol)とNaOH(2.5ml、2M)の溶液に、60℃で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、pH<7に調節し、濃縮し、化合物3(2.0g、若干のNaClを含有する)を得た。
【0235】
工程3:
ピリジン(10ml)中の、化合物3(454mg、2mmol)と、tert-ブチル (2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)フェニル)カルバメート(290mg、1mmol)とEDCI(382mg、2mmol)の溶液に。その混合液を室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、EA(15ml×2)で抽出し、水で洗浄し、白色固体として化合物4(210mg、粗生成物)を得た。
【0236】
工程4:
DCM(5ml)中の化合物4(210mg、0.42mmol)の溶液にTFA(2ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、pH<7に調節し、濾過し、白色固体として化合物030(58mg、34%)を得た。LCMS:m/z=500(M+H)H NMR (500 MHz, DMSO) δ 9.53 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.32-7.23 (m, 4H), 6.80 (s, 1H), 6.79-6.76(d, J = 8 Hz, 1H), 5.13 (s, 2H), 3.505-3.485 (s, 4H), 2.42-2.41 (s, 4H), 2.227 (s, 3H).
【0237】
実施例31-化合物031の合成:
【化48】
【0238】
工程1:
1,4-ジオキサン(30mL)中の、メチル 2-ブロモ-4-メチルチアゾール-5-カルボキシレート(472mg、2mmol)と、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(1.12g、6mmol)とDIPEA(1.29g、10mmol)の混合液をN雰囲気下95℃で一晩攪拌した。その混合液を冷まし、EA(100mL)及び水(100mL)を加え、30分間攪拌し、有機層を分離、乾燥、濃縮し、残液を得て、その残液をPE(100mL)で洗浄し、淡黄色固体として化合物2(477g、70%)を得た。
【0239】
工程2:
THF(5ml)とEtOH(5mL)中の、化合物2(341mg、1mmol)と2MのNaOH(5mL)の混合液を60℃で3時間攪拌した。その混合液を濃縮し、残液を得て、HCl(2M)を加えてpH7に調節し、濾過し、白色固体として化合物3(298mg、91%)を得た。
【0240】
工程3:
DMF(5mL)中の、化合物3(307mg、1mmоl)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)フェニル-カルバメート(290mg、1mmol)と、HOAT(136mg、1mmol)と、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(573mg、3mmol)とDMAP(244mg、2mmol)の混合液を55℃で一晩攪拌した。その混合液を水(100mL)中に注ぎ、濾過し、残液を得て、その残液を分取TLCで精製し、黄色固体として化合物4(90mg、15%)を得た。
【0241】
工程4:
DCM(3mL)中の化合物4(90mg、0.15mmol)とTFA(3mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を分取HPLCで精製し、黄色固体として化合物031(34mg、57%)を得た。LCMS:m/z=400(M+H)H NMR (500 MHz, DMSO) δ 8.95 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.37 (m, 1H), 7.27 (m, 2H), 7.06 (m, 1H), 6.80 (m, 1H), 5.06 (s, 2H), 3.43 (s, 4H), 2.85 (s, 4H).
【0242】
実施例32-化合物032の合成:
【化49】
【0243】
工程1:
DMF(20ml)中の、化合物1(860mg、4.6mmol)及びエチル 2-ブロモチアゾール-5-カルボキシレート(1g、4.2mmol)とEtN(1.27g、12.6mmol)の溶液に、90℃で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、EA(20ml×2)で抽出し、水、食塩水で洗浄し、減圧下で濃縮し、黄色固体として化合物2(1.8g、粗生成物)を得た。
【0244】
工程2:
EtOH(10ml)中の化合物2(500mg、1.46mmol)とNaOH(2ml、2M)の溶液に、60℃で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、pH<7に調節し、濾過し、水で洗浄し、白色固体として化合物3(394mg、86.1%)を得た。
【0245】
工程3:
ピリジン(4ml)中の、化合物3(95mg、0.3mmol)と、tert-ブチル (2-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)フェニル)カルバメート(86mg、0.3mmol)とEDCI(172mg、0.9mmol)の溶液に。その混合液を室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、EA(15ml×2)で抽出し、水で洗浄し、白色固体として化合物4(220mg、粗生成物)を得た。
【0246】
工程4:
DCM(2ml)中の化合物4(200mg、0.37mmol)の溶液にTFA(1ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、pH<7に調節し、濾過し、白色固体として化合物032(68mg、34%)を得た。H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.54 (s, 1H), 8.50 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 8.06 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.58 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.36 (s, 2H), 3.45-3.38 (m, 4H), 2.79 (s, 4H).LCMS:m/z=382(M+H)
【0247】
実施例33-化合物033の合成:
【化50】
【0248】
工程1:
メチル 5-ブロモチオフェン-2-カルボキシレート(663mg、3mmol)、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(1.674g、9mmol)、Pd(dba)(275mg、0.3mmol)、RuPhos(140mg、0.3mg)及びCsCO(2.934g、9mmol)をトルエン(15ml)中に加えた。その混合液を95℃で一晩攪拌した。カラムクロマトグラフィーで精製し、緑色固体として化合物2(660mg、収率56%)を得た。
【0249】
工程2:
tert-ブチル 4-(5-(メトキシカルボニル)チオフェン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(640mg、1.96mmol)及びNaOH(2mol/L、4ml)を、EtOH(4ml)とTHF(4ml)中に加えた。その混合液を60℃で3時間攪拌した。pHを6~7に調節し、濾過し、EtOで洗浄し、緑色固体として化合物3(600mg、収率87%)を得た。
【0250】
工程3:
5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チオフェン-2-カルボン酸(94mg、0.3mmol)、tert-ブチル 2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバメート(87mg、0.3mmol)及びEDCI(173mg、0.9mmol)をピリジン(3ml)中に加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。次工程用に粗化合物4(200mg)を使用した。
【0251】
工程4:
tert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバモイル)チオフェン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(180mg、0.32mmol)をDCM(2ml)中に加えた。それから、TFA(2ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。反応が終了すると、pHを8~9に調節した。EAで抽出し、食塩水、HClで洗浄し、HCl塩として化合物033(49mg、収率42%、ロットSP-0017467-087)を得た。LCMS:m/z=385.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.23 (s, 1H), 9.40 (s, 2H), 8.04 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.51 (dd, J = 22.9, 10.9 Hz, 3H), 7.29 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.38 (d, J = 3.9 Hz, 1H).1H NMR (400 MHz, D2O) δ 7.55 (dd, J = 11.5, 6.6 Hz, 2H), 7.45 (s, 1H), 7.39-7.31 (m, 2H), 7.28 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.04 (s, 1H), 6.24 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 3.46 (d, J = 5.3 Hz, 4H), 3.35-3.20 (m, 4H).
【0252】
実施例34-化合物034の合成:
【化51】
【0253】
工程1:
ピリジン(2ml)中の、化合物1(130mg、0.41mmol)とtert-ブチル (2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニル)カルバメート(118mg、0.41mmol)の溶液に、EDCI(237mg、1.23mmol)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。完了後、溶媒を蒸発させ、EA(20ml×2)で抽出し、水、食塩水で洗浄し、分取TLC(PE/EA=1/1)で精製し、白色固体として化合物2(135mg、56%)を得た。
【0254】
工程2:
DCM(2ml)中の化合物2(120mg、0.2mmol)の溶液にTFA(1ml)を加え、混合液を室温で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、pH7~8に調節し、分取HPLCで精製し、白色固体として化合物034(28mg、31.8%)を得た。H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.53 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.45 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 6.52 - 6.48 (m, 1H), 5.14 (s, 2H), 3.43 (s, 4H), 2.82 (s, 4H).LCMS:m/z=370(M+H)
【0255】
実施例35-化合物035の合成:
【化52】
【0256】
工程1:
ジオキサン(6ml)とHO(3ml)中の、tert-ブチル 2-ニトロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニルカルバメート(1.0g、2.75mmol)と1-ブロモ-4-フルオロベンゼン(480mg、2.750mmol)の溶液に、KCO(560mg、5.50mmol)及びPd(PPh(160mg、0.14mmol)を加えた。その混合液をN下100℃で一晩攪拌した。混合液をカラム(PE/EA=20/1)上で直接精製し、黄色固体として化合物2(820mg、90%)を得た。
【0257】
工程2:
EtOH(12ml)中の、tert-ブチル 4’-フルオロ-3-ニトロビフェニル-4-イルカルバメート(800mg、2.41mmol)とFeCl(80mg、0.48mmol)の溶液に、C(800mg、63.41mmol)を加え、NO(5ml)を滴加した。その混合液を60℃で2時間攪拌した。その混合液をHO(3×100ml)で抽出した。混合有機層を食塩水(50ml)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、白色固体として化合物3(600mg、80%)を得た。
【0258】
工程3:
ピリジン(2.5ml)中の、tert-ブチル 3-アミノ-4’-フルオロビフェニル-4-イルカルバメート(115mg、0.38mmol)と2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)キノリン-6-カルボン酸(151mg、0.38mmol)の溶液に、EDCI(226mg、1.08mmol)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。水層をHO(3×100ml)で抽出した。混合有機層を食塩水(50ml)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、白色固体として化合物4(200mg、100%)を得た。
【0259】
工程4:
DCM(2ml)中のtert-ブチル 4-(6-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4’-フルオロビフェニル-3-イルカルバモイル)キノリン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(200mg、0.31mmol)の溶液にTFA(2ml)を0℃で滴加した。得られた混合液を室温で2時間攪拌した。残液を分取HPLC(0.1% NHHCO/水-アセトニトリル)で精製し、白色固体として化合物035(64mg、47%)を得た。H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.77 (s, 1H), 8.40 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.11 (dd, J = 13.3, 5.6 Hz, 2H), 7.62-7.55 (m, 3H), 7.53 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.34-7.26 (m, 2H), 7.22 (t, J = 8.9 Hz, 2H), 6.87 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.13 (s, 2H), 3.81-3.53 (m, 4H), 2.78 (dd, J = 33.1, 28.1 Hz, 4H).LCMS:m/z=442.3(M+H)
【0260】
実施例36-化合物036の合成:
【化53】
【0261】
工程1:
6-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ニコチン酸(144mg、0.47mmol)、tert-ブチル 3-アミノ-4’-フルオロビフェニル-4-イルカルバメート(100mg、0.33mmol)、HATU(357mg、0.94mmol)及びDIPEA(0.25ml、1.41mmol)をTHF(5ml)中に加えた。その混合液を室温で2日間攪拌した。反応が終了すると、その混合液をEAで抽出し、食塩水で洗浄した。カラムクロマトグラフィー(PE/EA=2:1)で精製し、白色固体の化合物2(100mg、収率51%)を得た。
【0262】
工程2:
tert-ブチル 4-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4’-フルオロビフェニル-3-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(100mg、0.17mmol)をDCM(0.5ml)中に溶解させた。それから、TFA(2ml)を加えた。その混合液を2時間攪拌した。反応が終了すると、pHを10に調節した。EAで抽出し、有機層を濃縮し、EtOで洗浄し、白色固体の化合物036(52mg、収率79%、ロットSP-0017467-103)を得た。LCMS:m/z=392.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.51 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.53 (d, J = 36.6 Hz, 3H), 7.25 (d, J = 25.7 Hz, 3H), 6.86 (s, 2H), 5.09 (s, 2H), 3.55 (s, 4H), 2.77 (s, 4H).
【0263】
実施例37-化合物037の合成:
【化54】
【0264】
工程1:
ピリジン(2ml)中の、化合物1(200mg、0.66mmol)と、tert-ブチル (3-アミノ-4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)カルバメート(100mg、0.33mmol)とEDCI(189mg、0.99mmol)の溶液に、室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、EA(20ml×2)で抽出してから、HCl(1N、10ml)、水及び食塩水で洗浄し、減圧下で濃縮し、黄色固体として化合物2(165mg、83.7%)を得た。
【0265】
工程2:
DCM(1ml)中の化合物2(165mg、0.27mmol)の溶液にTFA(1ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、pH7~8に調節し、EtO(10ml)で洗浄し、黄色固体として化合物037(101mg、92.6%)を得た。H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.99 (s, 1H), 7.60-7.54 (m, 2H), 7.41 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 8.3, 2.2 Hz, 1H), 7.12 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 6.98-6.94 (m, 1H), 3.59-3.53 (m, 4H), 2.99-2.93 (m, 4H).LCMS:m/z=398(M+H)
【0266】
実施例38-化合物038の合成:
【化55】
【0267】
工程1:
下、トルエン(20ml)中の、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(448mg、2.41mmol)と、メチル 5-ブロモピコリネート(520mg、2.41mmol)と、Ruphos(109mg、0.24mmol)と、Pd(dba)(55mg、0.06mmol)とCsCO(2.35g、7.23mmol)の混合液を100℃で一晩加熱した。その後、その混合液を室温まで冷まし、濾過した。残液を減圧下で濃縮し、黄色固体(750mg、96%)を得た。
【0268】
工程2:
MeOH(1ml)とTHF(6ml)と水(3ml)中の、tert-ブチル 4-(6-(メトキシカルボニル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(750mg、4.67mmol)とLiOH(200mg、4.67mmol)の混合液を0℃で一晩攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮した。次にEAで洗浄し、減圧下で濃縮し、黄色固体(800mg、100%)を得た。
【0269】
工程3:
ジオキサン(10ml)とHO(5ml)中の、tert-ブチル 2-ニトロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニルカルバメート(1.5g、4.12mmol)と1-ブロモ-4-フルオロベンゼン(717mg、4.12mmol)の溶液に、KCO(824mg、8.24mmol)及びPd(PPh(238mg、0.21mmol)を加えた。その混合液をN下100℃で一晩攪拌した。混合液をカラム(PE/EA=20/1)上で直接精製し、黄色固体(1.26g、91%)を得た。
【0270】
工程4:
EtOH(10ml)中の、tert-ブチル 4’-フルオロ-3-ニトロビフェニル-4-イルカルバメート(1.1g、3.31mmol)とFeCl(98mg、0.60mmol)の溶液に、活性炭(1.1g、87.05mmol)を加え、N-HO(5ml)を滴加した。その混合液を60℃で2時間攪拌した。その混合液をHO(3×100ml)で抽出した。混合有機層を食塩水(50ml)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、白色固体(1g、100%)を得た。
【0271】
工程5:
DMF(10ml)中の、リチウム 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピコリネート(800mg、2.61mmol)とHATU(992mg、2.61mmol)の溶液に、室温で15分間攪拌した。tert-ブチル 3-アミノ-4’-フルオロビフェニル-4-イルカルバメート(438mg、1.45mmol)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。水層をHO(3×200ml)で抽出した。混合有機層を食塩水(50ml)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。石油エーテル/EtOAc(2:1)の分取TLC(シリカゲル、GF254 10-40u、25×25cm)で残液を精製し、白色固体(120mg、14%)を得た。
【0272】
工程6:
DCM(1.5ml)中のtert-ブチル 4-(6-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4’-フルオロビフェニル-3-イルカルバモイル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(120mg、0.20mmol)の溶液に0℃でTFA(1.5ml)を滴加した。得られた混合液を室温で2時間攪拌した。残混合液を減圧下で濃縮し、残液を分取HPLCで精製した。水から白色固体を再結晶化し、凍結乾燥で乾燥させ、白色固体として化合物038(47mg、59%)を得た。LCMS:m/z=392.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.87 (s, 1H), 8.38 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.96 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.55 (dt, J = 22.5, 12.9 Hz, 2H), 7.47 (dd, J = 8.9, 2.8 Hz, 1H), 7.31-7.14 (m, 3H), 6.88 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.02 (s, 2H), 3.41-3.35 (m, 4H), 3.02-2.95 (m, 4H).
【0273】
実施例39-化合物039の合成:
【化56】
【0274】
工程1:
DCM(20ml)中の5-ブロモチアゾール-2-カルボン酸(957mg、4.58mmol)の溶液に、触媒量のDMF(0.11ml)を含有する塩化オキサリル(0.49ml)を室温で加え、得られた反応用混合液を室温で0.5時間攪拌した。次にその溶液にMeOH(8ml)を加え、反応混合液を更に2時間攪拌した。反応混合液はNaHCOの飽和水溶液(50ml)であり、DCM(2×50ml)で抽出し、混合有機層を水及び食塩水(50ml)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、白色固体(900mg、90%)を得た。
【0275】
工程2:
下、トルエン(20ml)中の、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(750mg、4.04mmol)と、メチル 5-ブロモチアゾール-2-カルボキシレート(900mg、4.04mmol)と、Brettphos(215mg、0.40mmol)と、Pd(dba)(370mg、0.40mmol)とCsCO(3.95g、12.1mmol)の混合液を100℃で一晩加熱した。石油エーテル/EtOAc(5:6)の分取TLC(シリカゲル、GF254 10-40u、25×25cm)で残液を精製し、黄色固体(210mg、15.9%)を得た。
【0276】
工程3:
MeOH(1ml)とTHF(3ml)とHO(1.5ml)中の、メチル 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-2-カルボキシレート(210mg、0.64mmol)とLiOH(81mg、1.92mmol)の溶液に、0℃で5時間攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、黄色固体(200mg、100%)を得た。
【0277】
工程4:
DMF(1.5ml)中の、リチウム 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-2-カルボキシレート(60mg、0.19mmol)とHATU(73mg、0.19mmol)の溶液に、室温で15分間攪拌した。tert-ブチル 2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバメート(31mg、0.11mmol)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。石油エーテル/EtOAc(2:1)の分取TLC(シリカゲル、GF254 10-40u、25×25cm)で残液を精製し、黄色固体(50mg、45%)を得た。
【0278】
工程5:
DCM(1ml)中のtert-ブチル 4-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバモイル)チアゾール-5-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(50mg、0.09mmol)の溶液にTFA(1ml)を0℃で滴加した。得られた混合液を室温で2時間攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮した。NaOH(5ml)を継続的に加えることによりpHを約7に調節した。混合液を濾過し、黄色固体として化合物039(31mg、94%)を得た。LCMS:m/z=386.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.70 (s, 1H), 7.61 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.25 (dd, J = 10.1, 7.1 Hz, 3H), 7.09-7.01 (m, 1H), 6.82 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.14 (s, 2H), 3.21-3.12 (m, 4H), 2.90-2.80 (m, 4H), 1.24 (s, 1H).
【0279】
実施例40-化合物040の合成:
【化57】
【0280】
工程1:
tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(3.72g、20mmol)、メチル 5-クロロピラジン-2-カルボキシレート(1.72g、10mmol)及びDIPEA(2.02g、20mmol)を1,4-ジオキサン(15ml)中に加えた。その混合液を100℃で一晩攪拌した。反応が終了すると、その混合液をEAで抽出し、食塩水で洗浄した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(EA、100%)で精製し、生成物として黄色固体(6g、粗生成物)を得た。
【0281】
工程2:
メチル 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキシレート(2g、粗生成物)を、EtOH(5ml)とTHF(5ml)とNaOH(2N、5ml)の溶液中に加えた。その混合液を60℃で2時間攪拌した。反応が終了すると、pHを1に調節し、EAで抽出し、濃縮し、桃色固体(300mg、収率15%、2工程)を得た。
【0282】
工程3:
5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピラジン-2-カルボン酸(200mg、0.65mmol)、tert-ブチル 2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバメート(157mg、0.54mmol)及びEDCI(311mg、1.62mmol)をPy(5ml)中に加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。反応が終了すると、その混合液を濃縮し、Et2Oで洗浄した。生成物として黄色固体(310mg、収率65%)を回収した。
【0283】
工程4:
tert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバモイル)ピラジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(300mg、0.52mmol)をDCM(2ml)中に溶解させた。それから、TFA(2ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。反応が終了すると、その混合液をpH=10に調節し、EAで抽出した。その混合液を濃縮し、EtOで洗浄し、黄色固体生成物として化合物040(140mg、収率69%、ロットSP-0017467-141)を得た。LCMS:m/z=381.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.68 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.37 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.06 (s, 1H), 6.84 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 3.68 (s, 4H), 2.83 (s, 4H).
【0284】
実施例41-化合物041の合成:
【化58】
【0285】
工程1:
DCM(200ml)中の、ベンジル 2-アミノプロパノエート(10g、46.52mmol)と、メチル 2-クロロ-2-オキソアセテート(6.4g、51.16mmol)とTEA(14g、139.56mmol)の溶液に、室温で2時間攪拌した。シリカゲル(200~300メッシュ、石油エーテル/EtOAc=4:1で溶出)のカラムクロマトグラフで混合液を直接精製し、黄色油状物(8.7g、70.7%)を得た。
【0286】
工程2:
下、ベンジル 2-(2-メトキシ-2-オキソアセトアミド)プロパノエート(8.7g、32.8mmol)とPd/C(400mg、3.8mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。残混合液を減圧下で濃縮し、無色油状物(5.5g、96%)を得た。
【0287】
工程3:
Py(100ml)中のtert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(6.5g、34.57mmol)と2-(2-メトキシ-2-オキソアセトアミド)プロパン酸(5.5g、31.43mmol)の溶液にEDCI(12g、62.86mmol)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。シリカゲル(200~300メッシュ、石油/DCM/EtOAc=10:10:1で溶出)のカラムクロマトグラフで混合液を直接精製し、黄色固体(5.1g、48%)を得た。
【0288】
工程4:
窒素雰囲気下、トルエン(15mL)中のtert-ブチル 4-(2-(2-メトキシ-2-オキソアセトアミド)プロパノイル)ピペラジン-1-カルボキシレート(750mg、2.19mmol)とLR(750mg、2.62mmol)の混合液を100℃で3時間攪拌した。石油エーテル/EtOAc(1:1)の分取TLC(シリカゲル、GF254 10-40u、25×25cm)で残液を精製し、黄色固体(300mg、40%)を得た。
【0289】
工程5:
MeOH(1ml)とTHF(3ml)とHO(1.5ml)中の、メチル 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-4-メチルチアゾール-2-カルボキシレート(300mg、0.88mmol)とLiOH(55mg、1.32mmol)の溶液に、0℃で5時間攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、黄色固体(290mg、100%)を得た。
【0290】
工程6:
DMF(5ml)中の、5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-4-メチルチアゾール-2-カルボン酸(200mg、0.62mmol)とHATU(233mg、0.62mmol)の溶液に、室温で15分間攪拌した。tert-ブチル 2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバメート(99mg、0.35mmol)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。石油エーテル/EtOAc(3:1)の分取TLC(シリカゲル、GF254 10-40u、25×25cm)で残液を精製し、黄色固体(183mg、87%)を得た。
【0291】
工程7:
DCM(1.5ml)中のtert-ブチル 4-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバモイル)-4-メチルチアゾール-5-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(183mg、0.31mmol)の溶液にTFA(1.5ml)を0℃で滴加した。得られた混合液を室温で2時間攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮した。NaHCO(約5ml)を継続的に加えることによりpHを約7に調節した。混合液を濾過し、濾液を濃縮し、黄色固体の化合物041(114mg、92%)を得た。LCMS:m/z=400.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.89 (s, 1H), 7.55 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 8.3, 1.9 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.10-7.01 (m, 1H), 6.82 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.16 (s, 2H), 3.19 (d, J = 4.6 Hz, 4H), 3.06 (s, 4H), 2.37 (s, 3H).
【0292】
実施例42-化合物042の合成:
【化59】
【0293】
工程1:
DMF(4ml)中の、リチウム 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-4-メチルチアゾール-2-カルボキシレート(100mg、0.31mmol)とHATU(116mg、0.31mmol)の溶液に、室温で15分間攪拌した。tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニルカルバメート(47mg、0.17mmol)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。残液に水(約5mL)を加え、黄色固体として沈殿物(113mg、100%)を得た。
【0294】
工程2:
DCM(2ml)中のtert-ブチル 4-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-2-イル)フェニルカルバモイル)-4-メチルチアゾール-5-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(113mg、0.19mmol)の溶液にTFA(2ml)を0℃で滴加した。その混合液を室温で2時間攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮した。残液を分取HPLCで精製し、黄色固体の化合物042(52mg、71.5%)を得た。LCMS:m/z=384.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.61 (s, 2H), 7.32 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.60 (s, 1H), 6.51 (s, 1H), 5.15 (s, 2H), 2.85 (s, 7H), 2.35 (s, 4H).
【0295】
実施例43-化合物043の合成:
【化60】
【0296】
工程1:
DMF(4ml)中の、リチウム 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-4-メチルチアゾール-2-カルボキシレート(100mg、0.31mmol)とHATU(116mg、0.31mmol)の溶液に、室温で15分間攪拌した。tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-3-イル)フェニルカルバメート(47mg、0.17mmol)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。残液に水(約5mL)を加え、黄色固体として沈殿物(73mg、73%)を得た。
【0297】
工程2:
DCM(2ml)中のtert-ブチル 4-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-3-イル)フェニルカルバモイル)-4-メチルチアゾール-5-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(73mg、0.13mmol)の溶液にTFA(2ml)を0℃で滴加した。その混合液を室温で2時間攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮した。残液を分取HPLCで精製し、黄色固体(45mg、93.8%)を得た。LCMS:m/z=384.3(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.85 (s, 1H), 8.15 (d, J = 19.5 Hz, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.24 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 5.4 Hz, 2H), 5.00 (s, 2H), 3.13 (s, 4H), 3.02 (s, 4H), 2.37 (s, 3H).
【0298】
実施例44-化合物044の合成:
【化61】
【0299】
工程1:
1,4-ジオキサン(20mL)中の、メチル 2-ブロモチアゾール-5-カルボキシレート(2.22g、10mmol)と、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(3.72g、20mmol)とDIPEA(3.87g、30mmol)の混合液を100℃で一晩攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液をシリカゲルで精製し、所望の化合物(2.94g、90%)を得た。
【0300】
工程2:
MeOH(20mL)中のメチル 2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-5-カルボキシレート(327mg、1mmol)とLiOH(126mg、3mmol)の混合液を60℃で3時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液に、tert-ブチル 2-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)フェニルカルバメート(285mg、1mmol)、EDCI(573mg、3mmol)及びPy(10mL)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(50mL)中に注ぎ、濾過し、所望の化合物(435mg、75%)を得た。
【0301】
工程3:
DCM(5mL)中のtert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(ピリジン-2-イル)フェニルカルバモイル)チアゾール-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(290mg、0.5mmol)の溶液にTFA(2.5mL)を加え、1時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液を分取HPLCで精製し、化合物044(124mg、65%)を得た。LCMS:m/z=381.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.63 (s, 1H), 8.54 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.80-7.69 (m, 3H), 7.18 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.28 (s, 2H), 3.44-3.38 (m, 4H), 2.82-2.75 (m, 4H).
【0302】
実施例45-化合物045の合成:
【化62】
【0303】
工程1:
MeOH(20mL)中のメチル 2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-5-カルボキシレート(327mg、1mmol)とLiOH(126mg、3mmol)の混合液を60℃で3時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液に、tert-ブチル 2-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)フェニルカルバメート(285mg、1mmol)、EDCI(573mg、3mmol)及びPy(10mL)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(50mL)中に注ぎ、濾過し、所望の化合物(435mg、75%)を得た。
【0304】
工程2:
DCM(5mL)中のtert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(ピリジン-3-イル)フェニルカルバモイル)チアゾール-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(290mg、0.5mmol)の溶液にTFA(2.5mL)を加え、1時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液を分取HPLCで精製し、化合物045(124mg、65%)を得た。LCMS:m/z=381.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.53 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.44 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.94 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.39 (td, J = 8.3, 3.4 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.19 (s, 2H), 3.45-3.37 (m, 4H), 2.79 (s, 4H).
【0305】
実施例46-化合物046の合成:
【化63】
【0306】
工程1:
MeOH(20mL)中のメチル 2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-5-カルボキシレート(327mg、1mmol)とLiOH(126mg、3mmol)の混合液を60℃で3時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液に、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-3-イル)フェニルカルバメート(274mg、1mmol)、EDCI(573mg、3mmol)及びPy(10mL)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(50mL)中に注ぎ、濾過し、所望の化合物(398mg、70%)を得た。
【0307】
工程2:
DCM(5mL)中のtert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-3-イル)フェニルカルバモイル)チアゾール-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(285mg、0.5mmol)の溶液にTFA(2.5mL)を加え、1時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液を分取HPLCで精製し、化合物046(120mg、65%)を得た。LCMS:m/z=370.4(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.57 (s, 2H), 8.05 (s, 2H), 7.97 (s, 2H), 7.66 (s, 2H), 7.32 (s, 2H), 7.22 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 6.81 (s, 2H), 6.77 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 3.44 (s, 4H), 2.89 (s, 4H).
【0308】
実施例47-化合物047の合成:
【化64】
【0309】
工程1:
MeOH(20mL)中のメチル 2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-5-カルボキシレート(327mg、1mmol)とLiOH(126mg、3mmol)の混合液を60℃で3時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液に、tert-ブチル 3-アミノビフェニル-4-イルカルバメート(284mg、1mmol)、EDCI(573mg、3mmol)及びPy(10mL)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(50mL)中に注ぎ、濾過し、所望の化合物(405mg、70%)を得た。
【0310】
工程2:
DCM(5mL)中のtert-ブチル 4-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ビフェニル-3-イルカルバモイル)チアゾール-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(290mg、0.5mmol)の溶液にTFA(2.5mL)を加え、1時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液を分取HPLCで精製し、化合物047(133mg、70%)を得た。LCMS:m/z=380.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.53 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.44 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.34 (m, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.94 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.39 (td, J = 8.3, 3.4 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.19 (s, 2H), 3.45-3.37 (m, 4H), 2.79 (s, 4H).
【0311】
実施例48-化合物048の合成:
【化65】
【0312】
工程1:
1,4-ジオキサン(20mL)中の、メチル 2-ブロモチアゾール-5-カルボキシレート(2.22g、10mmol)と、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(2.00g、20mmol)とDIPEA(3.87g、30mmol)の混合液を100℃で一晩攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液をシリカゲルで精製し、所望の化合物(2.17g、90%)を得た。
【0313】
工程2:
MeOH(20mL)中のメチル 2-(4-メチルピペラジン-1-イル)チアゾール-5-カルボキシレート(241mg、1mmol)とLiOH(126mg、3mmol)の混合液を60℃で3時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液に、tert-ブチル 3-アミノビフェニル-4-イルカルバメート(284mg、1mmol)、EDCI(573mg、3mmol)及びPy(10mL)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(50mL)中に注ぎ、濾過し、所望の化合物(371mg、75%)を得た。
【0314】
工程3:
DCM(5mL)中のtert-ブチル 3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)チアゾール-5-カルボキシアミド)ビフェニル-4-イルカルバメート(247mg、0.5mmol)の溶液にTFA(2.5mL)を加え、1時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液を分取HPLCで精製し、化合物048(138mg、70%)を得た。LCMS:m/z=394.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.53 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.44 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.34 (m, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.94 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.39 (td, J = 8.3, 3.4 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.19 (s, 2H), 3.45-3.37 (m, 4H), 2.79 (s, 4H), 2.32(s, 3H).
【0315】
実施例49-化合物049の合成:
【化66】
【0316】
工程1:
0℃で、DCM(100mL)中の、ベンジル 2-アミノアセテート塩酸塩(5.00g、24.80mmol)とピリジン(6.0mL、74.39mmol)の混合液に、メチル 2-クロロ-2-オキソアセテート(2.51mL、27.28mmol)を加えた。その混合液を0℃から室温に18時間攪拌した。その後、水で洗浄し、減圧下で濃縮した。残液をEA-PEで洗浄し、粗化合物(4.73g)を得た。
【0317】
工程2:
下、MeOH(150mL)中の、メチル 2-(2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエチルアミノ)-2-オキソアセテート(8.55g、34.03mmol)とPd/C(10%、700mg)の混合液を室温で18時間攪拌した。攪拌後、濾液を減圧下で濃縮し、白色固体として化合物(5.54g、収率100%)を得た。
【0318】
工程3:
DMF(100mL)中の、tert-2-(2-メトキシ-2-オキソアセトアミド)酢酸(4.38g、27.19mmol)と、EDCI(5.73g、29.91mmol)とHOBT(4.04g、29.91mmol)の混合液を室温で15分間攪拌した。次に、DIEA(18mL、108.76mmol)及びtert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(5.57g、29.91mmol)を加えた。その混合液を室温で18時間攪拌した。得られた沈殿物を濾過し、白色固体として化合物(1.80g、収率20%)を得た。
【0319】
工程4:
N2下、ピリジン(10mL)中の、tert-ブチル 4-(2-(2-メトキシ-2-オキソアセトアミド)アセチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(100mg、0.30mmol)と五硫化リン(100mg、0.23mmol)の混合液を100℃で4時間攪拌した。その混合液を室温まで冷まし、減圧下で濃縮した。残液を分取TLCで精製し、淡黄色固体として化合物(47mg、収率47%)を得た。
【0320】
工程5:
0℃で、THF(6ml)とMeOH(1mL)と水(2mL)中の、メチル 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-2-カルボキシレート(128mg、0.39mmol)とLiOH(33mg、0.78mmol)の混合液を0℃から室温に2時間攪拌した。その混合液を減圧下で濃縮し、Li塩として粗化合物を得た。
【0321】
工程6:
DMF(4mL)中の、上記Li塩(0.39mmol)とHATU(164mg、0.43mol)の混合液を室温で15分間攪拌した。tert-ブチル 3-アミノビフェニル-4-イルカルバメート(122mg、0.43mmol)を加えた。その混合液を室温で18時間攪拌した。水を加え、沈殿物を濾過で回収し、茶色固体として粗化合物を得た。
【0322】
工程7:
0℃で、DCM(2mL)中の、上記tert-ブチル 4-(2-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ビフェニル-3-イルカルバモイル)チアゾール-5-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.39mmol)の溶液にTFA(2mL)を加えた。その混合液を0℃で2時間攪拌し、その後、減圧下で濃縮した。分取HPLCで残液を精製し、黄色固体として化合物049(51.3mg、収率36%、3工程)を得た。LCMS:m/z=380.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.73 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.54 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.39 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.28 (dd, J = 15.2, 6.8 Hz, 3H), 6.87 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.09 (s, 2H), 3.15 (s, 4H), 2.84 (s, 4H).
【0323】
実施例50-化合物050の合成:
【化67】
【0324】
工程1:
DMF(4mL)中の、上記Li塩(0.39mmol)とHATU(164mg、0.43mol)の混合液を室温で15分間攪拌した。tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニルカルバメート(118mg、0.43mmol)を加えた。その混合液を室温で18時間攪拌した。水を加え、沈殿物を濾過で回収し、茶色固体として粗化合物を得た。
【0325】
工程2:
0℃で、DCM(2mL)中の、上記tert-ブチル 4-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-2-イル)フェニルカルバモイル)チアゾール-5-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.39mmol)の溶液にTFA(2mL)を加えた。その混合液を0℃で2時間攪拌し、その後、減圧下で濃縮した。分取HPLCで残液を精製し、黄色固体として化合物050(51.3mg、収率36%、3工程)を得た。LCMS:m/z=370.0(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.67 (s, 1H), 7.65 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.30 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H), 6.81 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.51 (m, 1H), 5.14 (s, 2H), 3.16 (m, 4H), 2.84 (m, 4H).
【0326】
実施例51-化合物051の合成:
【化68】
【0327】
工程1:
DMF(4mL)中の、上記Li塩(0.42mmol)とHATU(175mg、0.46mol)の混合液を室温で15分間攪拌した。tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-3-イル)フェニルカルバメート(126mg、0.46mmol)を加えた。その混合液を室温で4時間攪拌した。水を加え、沈殿物を濾過で回収した。分取TLCで精製し、淡黄色固体として化合物(158mg、収率64%)を得た。
【0328】
工程2:
0℃で、DCM(2mL)中のtert-ブチル 4-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-3-イル)フェニルカルバモイル)チアゾール-5-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(153mg、0.27mmol)の溶液にTFA(2mL)を加えた。その混合液を0℃で2時間攪拌し、その後、減圧下で濃縮した。NaHCO飽和水溶液で残液をpH8に中和した。得られた固体を回収し、減圧下で乾燥させ、淡黄色固体として化合物051(31.7mg、収率32%)を得た。LCMS:m/z=369.9(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.67 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.67 (m, 1H), 7.51 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.22 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 6.80 (m, 2H), 4.97 (s, 2H), 3.16 (m, 4H), 2.84 (m, 4H).
【0329】
実施例52-化合物052の合成:
【化69】
【0330】
工程1:
ピリジン(6mL)中の、5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-2-カルボン酸(120mg、0.38mmol)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)フェニルカルバメート(120mg、0.42mmol)とEDCI(147mg、0.77mmol)の混合液を室温で18時間攪拌した。その後、その混合液を減圧下で濃縮し、残液を水で洗浄し、分取TLCで精製し、黄色固体として化合物(140mg、63%)を得た。
【0331】
工程2:
0℃で、DCM(2mL)中のtert-ブチル 4-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)フェニルカルバモイル)チアゾール-5-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(140mg、0.24mmol)の溶液にTFA(2mL)を加えた。その混合液を0℃で2時間攪拌し、その後、減圧下で濃縮した。NaHCO飽和水溶液で残液をpH8に中和した。得られた固体を回収し、減圧下で乾燥させ、淡黄色固体として化合物052(77.1mg、収率84%)を得た。LCMS:m/z=381.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.76 (s, 1H), 8.51 (dd, J = 4.6, 1.5 Hz, 2H), 7.77 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.57 (dd, J = 4.7, 1.6 Hz, 2H), 7.48 (dd, J = 8.4, 2.2 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H), 6.89 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.36 (s, 2H), 3.18-3.12 (m, 4H), 2.89-2.79 (m, 4H).
【0332】
実施例53-化合物053の合成:
【化70】
【0333】
工程1:
ピリジン(6mL)中の、5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-2-カルボン酸(60mg、0.19mmol)と、tert-ブチル 3-アミノ-4’-フルオロビフェニル-4-イルカルバメート(64mg、0.21mmol)とEDCI(73mg、0.38mmol)の混合液を室温で18時間攪拌した。その後、その混合液を減圧下で濃縮し、残液を水で洗浄し、分取TLCで精製し、白色固体として化合物(140mg、63%)を得た。
【0334】
工程2:
0℃で、DCM(2mL)中のtert-ブチル 4-(2-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4’-フルオロビフェニル-3-イルカルバモイル)チアゾール-5-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(140mg、0.23mmol)の溶液にTFA(2mL)を加えた。その混合液を0℃で4時間攪拌し、その後、減圧下で濃縮した。NaHCO飽和水溶液で残液をpH8に中和した。得られた固体を回収し、減圧下で乾燥させ、淡黄色固体として化合物53(17.0mg、収率18%)を得た。LCMS:m/z=398.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.72 (s, 1H), 7.69-7.50 (m, 3H), 7.34-7.16 (m, 4H), 6.86 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.09 (s, 2H), 3.21-3.09 (m, 4H), 2.90-2.77 (m, 4H).
【0335】
実施例54-化合物054の合成:
【化71】
【0336】
工程1:
DMF(2mL)中の、5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-2-カルボン酸(153mg、0.49mmol)とHATU(204mg、0.54mmol)の混合液を室温で15分間攪拌した。それから、DIEA(188mg、1.46mmol)及びtert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニルカルバメート(147mg、0.54mmol)を加えた。その混合液を室温で1時間攪拌した。次に水を加え、得られた固体を濾過で回収し、減圧下で乾燥させ、化合物を得た。
【0337】
工程2:
DCM(2mL)中の上記tert-ブチル 4-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-2-イル)フェニルカルバモイル)チアゾール-5-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの混合液にTFA(2mL)を0℃で加えた。その混合液を0℃から室温に2時間攪拌した。その混合液を減圧下で濃縮し、残液をNaHCO飽和水溶液で洗浄し、白色固体として生成物(160mg)を得た。
【0338】
工程3:
その生成物を0℃で攪拌し、完全な反応液を得た。その反応液を減圧下で濃縮し、分取HPLCで残液を精製し、黄色固体として化合物054を得た。LCMS:m/z=384.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.67 (s, 1H), 7.63 (d, J = 17.9 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.26 (s, 1H), 6.82 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 6.51 (s, 1H), 5.13 (s, 2H), 3.28-3.23 (m, 4H), 2.46 (d, J = 5.1 Hz, 4H), 2.23 (s, 3H).
【0339】
実施例55-化合物055の合成:
【化72】
【0340】
工程1:
Py(3ml)中の、4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-2-カルボン酸(48mg、0.15mmol)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニルカルバメート(42mg、0.15mmol)とEDCI(88mg、0.46mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。カラムクロマトグラフィー(DCM:EA=5:1)で精製し、淡黄色固体(50mg、収率57%)を得た。
【0341】
工程2:
DCM(3ml)中のtert-ブチル 4-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-2-イル)フェニルカルバモイル)チアゾール-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(50mg、0.09mmol)の溶液にHCl/1,4-ジオキサン(1ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。その混合液を濃縮し、EtOで洗浄し、黄色固体の化合物055(16mg、HCl塩、ロットSP-0017550-050)を得た。LCMS:m/z=370.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.23 (s, 1H), 9.24 (s, 2H), 7.70 (t, J = 13.0 Hz, 2H), 7.50 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.88 (d, J = 14.2 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 28.9 Hz, 1H), 6.57 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.63 (s, 4H), 3.24 (s, 4H).
【0342】
実施例56-化合物056の合成:
【化73】
【0343】
工程1:
Py(3ml)中の、4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-2-カルボン酸(59mg、0.19mmol)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-3-イル)フェニルカルバメート(52mg、0.19mmol)とEDCI(109mg、0.57mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。カラムクロマトグラフィー(DCM:EA=5:1)で精製し、淡黄色固体(25mg、収率23%)を得た。
【0344】
工程2:
DCM(2ml)中のtert-ブチル 4-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-3-イル)フェニルカルバモイル)チアゾール-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(25mg、0.04mmol)の溶液にTFA(1ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。その混合液を濃縮し、EtOで洗浄し、黄色固体の化合物056(20mg、TFA塩、ロットSP-0018270-093)を得た。LCMS:m/z=370.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.64 (s, 1H), 9.37 (s, 2H), 8.28 (s, 1H), 7.87-7.76 (m, 2H), 7.60 (dd, J = 8.4, 1.7 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.87-6.78 (m, 1H), 4.39 (s, 2H), 3.93 (d, J = 57.2 Hz, 4H), 3.58 (s, 1H), 3.27 (s, 3H).
【0345】
実施例57-化合物057の合成:
【化74】
【0346】
工程1:
Py(3ml)中の、4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-2-カルボン酸(45mg、0.14mmol)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)フェニルカルバメート(83mg、0.14mmol)とEDCI(83mg、0.43mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。カラムクロマトグラフィー(DCM:EA=1:1)で精製し、緑色固体(40mg、収率48%)を得た。
【0347】
工程2:
DCM(2ml)中のtert-ブチル 4-(2-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)フェニルカルバモイル)チアゾール-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(40mg、0.07mmol)の溶液にHCl/1,4-ジオキサン(1ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。その混合液を濃縮し、EtOで洗浄し、黄色固体の化合物057(20mg、HCl塩、ロットSP-0017550-067)を得た。LCMS:m/z=381.0(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.02 (s, 1H), 9.48 (s, 2H), 8.71 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 8.19 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 7.97 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.87-7.79 (m, 1H), 6.94 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.88 (s, 1H), 3.63 (s, 4H), 3.23 (s, 4H).
【0348】
実施例58-化合物058の合成:
【化75】
【0349】
工程1:
Py(3ml)中の、4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-2-カルボン酸(45mg、0.14mmol)と、tert-ブチル 3-アミノ-4’-フルオロビフェニル-4-イルカルバメート(86mg、0.14mmol)とEDCI(83mg、0.43mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液をEAで抽出し、カラムクロマトグラフィー(DCM:EA=5:1)で精製し、黄色固体(30mg、収率35%)を得た。
【0350】
工程2:
DCM(2ml)中のtert-ブチル 4-(2-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4’-フルオロビフェニル-3-イルカルバモイル)チアゾール-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(30mg、0.05mmol)の溶液にHCl/1,4-ジオキサン(1ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。その混合液を濃縮し、EtOで洗浄し、黄色固体の化合物058(22mg、HCl塩、ロットSP-0017550-058)を得た。LCMS:m/z=398.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.37 (s, 1H), 9.30 (s, 2H), 7.71 (d, J = 31.3 Hz, 3H), 7.51 (s, 1H), 7.29 (t, J = 8.8 Hz, 3H), 6.91 (s, 1H), 3.60 (d, J = 30.0 Hz, 4H), 3.24 (s, 4H).
【0351】
実施例59-化合物059の合成:
【化76】
【0352】
工程1:
tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(1.8g、10mmol)、エチル 2-ブロモチアゾール-4-カルボキシレート(2.36g、10mmol)及びDIPEA(2.02g、20mmol)を1,4-ジオキサン(15ml)中に加えた。その混合液を100℃で一晩攪拌した。反応が終了すると、その混合液をEAで抽出し、食塩水で洗浄した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA=5:1~3:1)で精製し、生成物として黄色固体(3.0g、88%)を得た。
【0353】
工程2:
エチル 2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-4-カルボキシレート(2.0g)を、EtOH(10ml)とTHF(10ml)とNaOH(2N、5ml)の溶液中に加えた。その混合液を60℃で2時間攪拌した。反応が終了すると、1NのHClでpHを1に調節し、沈殿物を回収し、乾燥させ、淡色固体(1.7g、収率94)を得た。
【0354】
工程3:
2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-4-カルボン酸(156mg、0.5mmol)、tert-ブチル 2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバメート(130mg、0.45mmol)及びEDCI(191mg、1mmol)をPy(5ml)中に加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。反応が終了すると、その混合液を濃縮し、水を加えた。生成物として黄色固体(210mg、収率80%)を回収した。
【0355】
工程4:
tert-ブチル 4-(4-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバモイル)チアゾール-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(210mg、0.36mmol)をDCM(5ml)中に溶解させた。それから、TFA(1ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。反応が終了すると、その混合液を濃縮し、エーテルを加え、黄色固体生成物として化合物059(150mg、TFA塩、ロットSP-008851-024)を得た。LCMS:m/z=386.5(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.72 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 7.70 (J = 8.0 Hz, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz,1H), 7.13 (m, 3H), 6.99 (dd, J = 8.8 Hz,1H), 6.67 (d, J = 8.8 Hz,1H), 3.43 (m, 4H), 2.81 (m, 4H).
【0356】
実施例60-化合物060の合成:
【化77】
【0357】
工程1:
tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(744mg、4mmol)、エチル 2-クロロオキサゾール-5-カルボキシレート(700mg、4mmol)及びDIPEA(1032mg、8mmol)を1,4-ジオキサン(15ml)中に加えた。その混合液を100℃で2時間攪拌した。反応が終了すると、その混合液を冷まし、水を加えた。沈殿物を回収し、生成物として黄色固体(1.45g、粗生成物)を得た。
【0358】
工程2:
エチル 2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)オキサゾール-5-カルボキシレート(1.45g、粗生成物)を、EtOH(5ml)とTHF(5ml)とNaOH(2N、5ml)の溶液中に加えた。その混合液を60℃で2時間攪拌した。反応が終了すると、pHを1に調節した。固体を回収し、淡色固体(1.3g、収率91%、2工程)を得た。
【0359】
工程3:
2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)オキサゾール-5-カルボン酸(300mg、1mmol)、tert-ブチル 2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバメート(261mg、0.9mmol)及びEDCI(382mg、2mmol)をPy(8ml)中に加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。反応が終了すると、その混合液を濃縮し、水で洗浄した。生成物として淡黄色固体(600mg、収率100%)を回収した。
【0360】
工程4:
tert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバモイル)オキサゾール-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(362mg、粗生成物)をDCM(5ml)中に溶解させた。それから、TFA(2ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。反応が終了すると、その混合液をpH=10に調節し、EAで抽出した。その混合液を濃縮し、5mlのEAで洗浄し、白色固体として純粋な化合物060(78mg、収率38%、ロットSP-0017054-174)を得た。LCMS:m/z=369.4(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.42 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.44-7.33 (m, 2H), 7.27 (dd, J = 19.5, 5.6 Hz, 2H), 7.12-6.98 (m, 1H), 6.80 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.14 (s, 2H), 5.14 (s, 2H), 3.48 (s, 4H), 3.48 (s, 4H), 2.78 (s, 4H).
【0361】
実施例61-化合物061の合成:
【化78】
【0362】
工程1:
2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)オキサゾール-5-カルボン酸(205mg、0.69mmol)、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニルカルバメート(170mg、0.621mmol)及びEDCI(267mg、1.4mmol)をPy(8ml)中に加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。反応が終了すると、その混合液を濃縮し、水で洗浄した。生成物として淡黄色固体(360mg、収率100%)を回収した。
【0363】
工程2:
tert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-2-イル)フェニルカルバモイル)オキサゾール-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(360mg、粗生成物)をDCM(5ml)中に溶解させた。それから、TFA(2ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。反応が終了すると、その混合液をpH=10に調節し、EAで抽出した。その混合液を濃縮し、5mlのEAで洗浄し、白色固体として純粋な化合物061(109mg、収率53%、ロットSP-0017054-180)を得た。LCMS:m/z=354.4(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.45 (s, 1H), 7.74-7.54 (m, 2H), 7.45 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.32 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 6.49 (dt, J = 22.4, 11.2 Hz, 1H), 5.11 (d, J = 30.3 Hz, 2H), 3.55-3.43 (m, 4H), 2.87-2.71 (m, 4H).
【0364】
実施例62-化合物062の合成:
【化79】
【0365】
工程1:
2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)オキサゾール-5-カルボン酸(205mg、0.69mmol)、tert-ブチル 3-アミノビフェニル-4-イルカルバメート(176mg、0.62mmol)とEDCI(267mg、1.4mmol)をPy(8ml)中に加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。反応が終了すると、その混合液を濃縮し、水で洗浄した。生成物として淡黄色固体(893mg、粗生成物)を回収した。
【0366】
工程2:
tert-ブチル 4-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ビフェニル-3-イルカルバモイル)オキサゾール-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(362mg、粗生成物)をDCM(5ml)中に溶解させた。それから、TFA(2ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。反応が終了すると、その混合液をpH=10に調節し、EAで抽出した。その混合液を濃縮し、5mlのEAで洗浄し、白色固体として純粋な化合物062(170mg、収率68%、ロットSP-0017054-177)を得た。LCMS:m/z=364.4(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.45 (s, 1H), 7.70-7.16 (m, 9H), 6.86 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.09 (s, 2H), 3.46 (d, J = 28.8 Hz, 4H), 2.79 (s, 4H).
【0367】
実施例63-化合物063の合成:
【化80】
【0368】
工程1:
2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)オキサゾール-5-カルボン酸(155mg、0.52mmol)、tert-ブチル 3-アミノ-4’-フルオロビフェニル-4-イルカルバメート(141mg、0.47mmol)及びHATU(300mg、0.78mmol)、DIPEA(134mg、1.04mmol)を、THF(8ml)中に加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。反応が終了すると、その混合液をシリカゲルカラム上で精製し、生成物(202mg、96%)を得た。
【0369】
工程2:
tert-ブチル 4-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4’-フルオロビフェニル-3-イルカルバモイル)オキサゾール-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(202mg、0.35mmol)をDCM(5ml)中に溶解させた。それから、TFA(2ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。反応が終了すると、その混合液をpH=10に調節し、EAで抽出し、白色固体生成物として純粋な化合物063(123mg、収率92%、ロットSP-0017054-188)を得た。LCMS:m/z=382.4(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.45 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.57 (dd, J = 8.6, 5.5 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 7.21 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 6.85 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.09 (s, 2H), 3.53-3.43 (m, 4H), 2.86-2.73 (m, 4H).
【0370】
実施例64-化合物064の合成:
【化81】
【0371】
工程1:
Py(3ml)中の、5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チオフェン-2-カルボン酸(94mg、0.3mmol)と、tert-ブチル 3-アミノビフェニル-4-イルカルバメート(85mg、0.3mmol)とEDCI(173mg、0.9mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液をEAで抽出し、カラムクロマトグラフィー(PE:EA=2:1)で精製し、緑色固体(140mg、61%)を得た。
【0372】
工程2:
DCM(2ml)中のtert-ブチル 4-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ビフェニル-3-イルカルバモイル)チオフェン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(120mg、0.21mmol)の溶液にTFA(2ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。その混合液を濃縮し、EtOで洗浄し、黄色固体の化合物064(130mg、TFA塩、ロットSP-0017550-024)を得た。LCMS:m/z=379.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.64 (s, 1H), 8.91 (s, 2H), 7.80 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.44-7.33 (m, 3H), 7.27 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.36 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 3.42 (d, J = 5.7 Hz, 4H), 3.28 (s, 4H).
【0373】
実施例65-化合物065の合成:
【化82】
【0374】
工程1:
Py(2ml)中の、5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チオフェン-2-カルボン酸(66mg、0.2mmol)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニルカルバメート(58mg、0.2mmol)とEDCI(121mg、0.6mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液をEAで抽出し、カラムクロマトグラフィー(PE:EA=2:1)で精製し、白色固体(50mg、42%)を得た。
【0375】
工程2:
DCM(2ml)中のtert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-2-イル)フェニルカルバモイル)チオフェン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(50mg、0.09mmol)の溶液にTFA(1ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。その混合液を濃縮し、EtOで洗浄し、白色固体の化合物065(60mg、TFA塩、ロットSP-0017550-034)を得た。LCMS:m/z=369.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.51 (s, 1H), 8.94 (s, 2H), 7.77 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.47 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.32 (dd, J = 8.3, 1.9 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.51 (dd, J = 3.2, 1.8 Hz, 1H), 6.35 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 3.42 (d, J = 5.4 Hz, 4H), 3.27 (s, 4H).
【0376】
実施例66-化合物066の合成:
【化83】
【0377】
工程1:
Py(2ml)中の、5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チオフェン-2-カルボン酸(78mg、0.25mmol)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-3-イル)フェニルカルバメート(69mg、0.25mmol)とEDCI(144mg、0.75mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液をEAで抽出し、カラムクロマトグラフィー(PE:EA=2:1)で精製し、白色固体(110mg、77%)を得た。
【0378】
工程2:
DCM(2ml)中のtert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-3-イル)フェニルカルバモイル)チオフェン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(110mg、0.19mmol)の溶液にTFA(1ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。その混合液を濃縮し、EtOで洗浄し、白色固体の化合物066(110mg、TFA塩、ロットSP-0017550-031)を得た。LCMS:m/z=369.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.63 (s, 1H), 8.89 (s, 2H), 8.00 (s, 1H), 7.78 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 7.68 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.92-6.78 (m, 2H), 6.35 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 3.41 (d, J = 5.2 Hz, 4H), 3.28 (s, 4H).
【0379】
実施例67-化合物067の合成:
【化84】
【0380】
工程1:
Py(3ml)中の、5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チオフェン-2-カルボン酸(66mg、0.21mmol)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)フェニルカルバメート(60mg、0.21mmol)とEDCI(121mg、0.63mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液をEAで抽出し、次工程用に濃縮した(100mg、粗生成物)。
【0381】
工程2:
DCM(2ml)中のtert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)フェニルカルバモイル)チオフェン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(100mg、0.17mmol)の溶液にTFA(1ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。その混合液を濃縮し、分取HPLC(塩基法)で精製し、白色固体の化合物067(30mg、収率65%、ロットSP-0017550-039)を得た。LCMS:m/z=380.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.40 (s, 1H), 8.50 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 7.75 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 7.48 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.19 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 5.32 (s, 2H), 3.15-3.07 (m, 4H), 2.87-2.77 (m, 4H).
【0382】
実施例68-化合物068の合成:
【化85】
【0383】
工程1:
Py(3ml)中の、5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チオフェン-2-カルボン酸(70mg、0.22mmol)と、tert-ブチル 3-アミノ-4’-フルオロビフェニル-4-イルカルバメート(68mg、0.22mmol)とEDCI(129mg、0.67mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液をEAで抽出し、カラムクロマトグラフィー(PE:EA=2:1)で精製し、白色固体(120mg、収率87%)を得た。
【0384】
工程2:
DCM(4ml)中のtert-ブチル 4-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4’-フルオロビフェニル-3-イルカルバモイル)チオフェン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(120mg、0.2mmol)の溶液にTFA(2ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。その混合液を濃縮し、EtOで洗浄し、白色固体の化合物068(84mg、TFA塩、ロットSP-0017550-044)を得た。LCMS:m/z=397.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.58 (s, 1H), 9.06 (s, 2H), 7.79 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 8.4, 5.5 Hz, 2H), 7.45 (s, 1H), 7.30 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.22 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.35 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 3.42 (d, J = 4.9 Hz, 4H), 3.27 (s, 4H).
【0385】
実施例69-化合物069の合成:
【化86】
【0386】
工程1:
PhMe(10ml)中の、メチル 4-ブロモチオフェン-2-カルボキシレート(220mg、1mmol)と、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(372mg、2mmol)と、Pd(dba)(92mg、0.1mmol)と、RuPhos(47mg、0.1mmol)とCsCO(652mg、2mmol)の混合液をN雰囲気下95℃で一晩攪拌した。その混合液をEAで抽出し、カラムクロマトグラフィー(PE:EA=5:1)で精製し、黄色固体(360mg、92%)を得た。
【0387】
工程2:
tert-ブチル 4-(5-(メトキシカルボニル)チオフェン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(60mg、0.18mmol)とLiOH・HO(16mg、0.37mmol)の溶液に、MeOH(5ml)中に加えた。その混合液を60℃で一晩攪拌した。その混合液を次工程用に濃縮した(60mg、粗生成物)。
【0388】
工程3:
Py(3ml)中の、4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チオフェン-2-カルボン酸(60mg、0.19mmol)と、tert-ブチル 3-アミノビフェニル-4-イルカルバメート(55mg、0.19mmol)とEDCI(110mg、0.58mmol)の混合液。その混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液をEAで抽出し、カラムクロマトグラフィー(PE:EA=2:1)で精製し、黄色固体(90mg、81%)を得た。
【0389】
工程4:
DCM(2ml)中のtert-ブチル 4-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ビフェニル-3-イルカルバモイル)チオフェン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(90mg、0.16mmol)の溶液にTFA(1ml)を滴加した。その混合液を室温で2時間攪拌した。その混合液を濃縮し、EtOで洗浄し、灰色固体の化合物069(67mg、TFA塩、ロットSP-0017550-084)を得た。LCMS:m/z=379.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.78 (s, 1H), 8.84 (s, 2H), 7.91 (s, 1H), 7.56 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.50 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.45-7.33 (m, 3H), 7.26 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.29 (s, 8H).
【0390】
実施例70-化合物070の合成:
【化87】
【0391】
工程1:
1,4-ジオキサン(15mL)中の、メチル 6-クロロニコチネート(500mg、2.92mmol)と、1-メチルピペラジン(900mg、9mmol)とDIPEA(774mg、6mmol)の混合液をN雰囲気下100℃で一晩攪拌した。その混合液を冷まし、EA(50mL)及び水(40mL)を加え、30分間攪拌し、有機層を分離、乾燥、濃縮し、残液を得て、その残液をPE(30mL)で洗浄し、黄色固体(650mg、88%)を得た。
【0392】
工程2:
THF(10ml)とEtOH(10mL)中の、メチル 6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ニコチネート(650mg、2.76mmol)の溶液に2MのNaOH(1.5mL、3.04mmol、1.1当量)を加えた。その混合液を60℃で3時間攪拌した。反応が終了すると、その混合液を濃縮して溶媒を除去し、HCl(2M)を加えてpH5~7に調節し、濃縮し、白色固体として粗化合物(1.0g、粗生成物、若干のNaClを含有する)を得た。
【0393】
工程3:
ピリジン(10mL)中の、6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ニコチン酸(150mg、粗生成物)と、tert-ブチル 3-アミノビフェニル-4-イルカルバメート(173mg、0.6mmol)とEDCI(260mg、1.35mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(20mL)中に注ぎ、濾過し、黄色固体として所望の化合物(300mg、89%)を得た。
【0394】
工程4:
DCM(5mL)中の、tert-ブチル 3-(6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ニコチンアミド)ビフェニル-4-イルカルバメート(300mg、0.616mmol)とTFA(2mL)の混合液を室温で2時間攪拌した。混合液を分取HPLCで精製し、白色固体として化合物070(70mg、27%、ロットSP-0016945-112)を得た。LCMS:m/z=388.5(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.53 (s, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.10 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.59-7.48 (m, 3H), 7.32 (ddd, J = 35.3, 14.6, 7.2 Hz, 4H), 6.89 (dd, J = 21.5, 8.6 Hz, 2H), 5.09 (s, 2H), 3.63 (s, 4H), 2.40 (s, 4H).
【0395】
実施例71-化合物071の合成:
【化88】
【0396】
工程1:
ピリジン(10mL)中の、6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ニコチン酸(150mg、粗生成物)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバメート(174mg、0.6mmol)とEDCI(260mg、1.35mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(20mL)中に注ぎ、濾過し、黄色固体として所望の化合物(280mg、84%)を得た。
【0397】
工程2:
DCM(3mL)中の化合物4(280mg、0.5mmol)とTFA(3mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を分取HPLCで精製し、黄色固体として化合物071(170mg、65%、ロットSP-0016945-116)を得た。LCMS:m/z=394.5(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.72 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 8.81 (t, J = 3.6 Hz, 1H), 8.20 (dd, J = 9.0, 2.2 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 7.35 (ddd, J = 24.5, 18.3, 4.2 Hz, 4H), 7.07 (dd, J = 8.8, 4.9 Hz, 2H), 6.91 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.58 (d, J = 13.3 Hz, 2H), 3.54 (d, J = 11.4 Hz, 2H), 3.20 (dd, J = 40.8, 28.4 Hz, 5H), 2.86 (s, 3H).
【0398】
実施例72-化合物072の合成:
【化89】
【0399】
工程1:
Py(2.5ml)中の、6-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ニコチン酸(123.7mg、0.40mmol)とtert-ブチル 2-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)フェニルカルバメート(1,3,2-ジオキサボロラン)(114.5mg、0.40mmol)の溶液にEDCI(230mg、1.20mmol)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。PE/EA(2:1)の分取TLC(シリカゲル、GF254 10-40u、25×25cm)で残液を精製し、黄色固体(165mg、72%)を得た。
【0400】
工程2:
DCM(5ml)中のtert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(ピリジン-3-イル)フェニルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(165mg、0.29mmol)の溶液にTFA(2ml)を0℃で滴加した。得られた混合液を室温で2時間攪拌した。得られた混合液に氷水を加え、飽和NaOH(3ml)溶液で中和した。混合液をセライトパッドに通して濾過し、濾液を濃縮し、赤色固体として化合物072(40mg、39%)を得た。LCMS:m/z=375.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.53 (s, 1H), 8.82-8.70 (m, 2H), 8.43 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.39 (dd, J = 10.1, 6.6 Hz, 2H), 6.87 (dd, J = 8.6, 5.7 Hz, 2H), 5.19 (s, 2H), 3.54 (s, 4H), 2.76 (s, 4H).
【0401】
実施例73-化合物073の合成:
【化90】
【0402】
工程1:
Py(2.5ml)中の、tert-ブチル 2-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)フェニルカルバメート(148.5mg、0.52mmol)と6-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ニコチン酸(160.7mg、0.52mmol)の溶液にEDCI(299mg、1.56mmol)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。水層をEA(2×100ml)で抽出した。混合有機層を食塩水(50ml)で洗浄し、NaSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、白色固体(240mg、100%)を得た。
【0403】
工程2:
DCM(5ml)中のtert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(ピリジン-2-イル)フェニルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(240mg、0.42mmol)の溶液にTFA(2ml)を0℃で滴加した。得られた混合液を室温で2時間攪拌した。残液を分取HPLCで精製し、白色固体として化合物073(97mg、62%)を得た。LCMS:m/z=375.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.54 (s, 1H), 8.76 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.54 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 8.09 (dd, J = 9.0, 2.4 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.85- 7.63 (m, 3H), 7.28-7.10 (m, 1H), 6.92-6.75 (m, 2H), 5.26 (s, 2H), 3.65-3.46 (m, 4H), 2.75 (dd, J = 27.3, 22.3 Hz, 4H).
【0404】
実施例74-化合物074の合成:
【化91】
【0405】
工程1:
ピリジン(5mL)中の、6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ニコチン酸(100mg、0.45mmol)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニルカルバメート(124mg、0.45mmol)とEDCI(191mg、1mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(20mL)中に注ぎ、EAで抽出し、粗生成物(270mg、粗生成物)を得た。
【0406】
工程2:
DCM(3mL)中の、化合物tert-ブチル 4-(フラン-2-イル)-2-(6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ニコチンアミド)フェニルカルバメート(270mg、粗生成物)とTFA(3mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を分取HPLCで精製し、黄色固体として化合物074(92mg、45%、ロットSP-0018110-104)を得た。LCMS:m/z=378.5(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.51 (s, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.09 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 21.9 Hz, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.32 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.84 (dt, J = 30.4, 15.5 Hz, 2H), 6.55 (dd, J = 49.8, 11.4 Hz, 2H), 5.15 (s, 2H), 3.63 (s, 4H), 2.44-2.34 (m, 4H), 2.22 (s, 3H).
【0407】
実施例75-化合物075の合成:
【化92】
【0408】
工程1:
ピリジン(5mL)中の、6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ニコチン酸(50mg、0.226mmol)と、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-3-イル)フェニルカルバメート(62mg、0.226mmol)とEDCI(95mg、0.5mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(20mL)中に注ぎ、EAで抽出し、粗生成物(170mg、粗生成物)を得た。
【0409】
工程2:
DCM(3mL)中の、tert-ブチル 4-(フラン-3-イル)-2-(6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ニコチンアミド)フェニルカルバメート(170mg、粗生成物)とTFA(3mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を分取HPLCで精製し、黄色固体として化合物075(63mg、61.7%、ロットSP-0018110-108)を得た。LCMS:m/z=378.5(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.53 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.10 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.23 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.97-6.71 (m, 3H), 4.97 (s, 2H), 3.62 (s, 4H), 2.43-2.35 (m, 4H), 2.22 (s, 3H).
【0410】
実施例76-化合物076の合成:
【化93】
【0411】
工程1:
ピリジン(10mL)中の、6-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ニコチン酸(184mg、0.6mmol)と、tert-ブチル 3-アミノ-2’-フルオロビフェニル-4-イルカルバメート(180mg、0.54mmol)とEDCI(229mg、1.2mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(20mL)中に注ぎ、EAで抽出してから分取TLC(PE/EA=2:1)で精製し、淡色固体として所望の化合物(210mg、66%)を得た。
【0412】
工程2:
DCM(5mL)中の、tert-ブチル 4-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2’-フルオロビフェニル-3-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(200mg、0.33mmol)とTFA(2mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を濃縮し、エーテルを加え、飽和NaHCOで塩基性にし、固体を回収し、黄色固体として化合物076(54mg、88%、ロットSP-0018110-116)を得た。LCMS:m/z=392.4(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.52 (s, 1H), 8.75 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.54-7.12 (m, 7H), 6.96- 6.71 (m, 2H), 5.16 (s, 2H), 3.57 (dd, J = 20.8, 16.4 Hz, 4H), 2.87-2.70 (m, 4H).
【0413】
実施例77-化合物077の合成:
【化94】
【0414】
工程1:
実施例3に記載の同一手順に従い、表題化合物tert-ブチル 3’-フルオロ-3-ニトロビフェニル-4-イルカルバメートを合成した。
【0415】
工程2:
ピリジン(8mL)中の、6-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ニコチン酸(100mg、0.3mmol)と、tert-ブチル 3’-フルオロ-3-ニトロビフェニル-4-イルカルバメート(90mg、0.27mmol)とEDCI(115mg、0.6mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(20mL)中に注ぎ、EAで抽出してから分取TLC(PE/EA=2:1)で精製し、淡色固体として所望の化合物(98mg、50%)を得た。
【0416】
工程3:
DCM(5mL)中の、tert-ブチル 4-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3’-フルオロビフェニル-3-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(98mg、0.166mmol)とTFA(2mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を濃縮し、エーテルを加え、飽和NaHCOで塩基性にし、固体を回収し、淡黄色固体として化合物077(110mg、83%、ロットSP-0017467-135)を得た。LCMS:m/z=392.4(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.57 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.39 (dd, J = 24.0, 7.5 Hz, 5H), 7.05 (s, 1H), 6.93-6.80 (m, 3H), 5.20 (s, 3H), 3.55 (s, 4H), 2.77 (s, 4H).
【0417】
実施例78-化合物078
【化95】
【0418】
工程1:
実施例3に記載の同一手順に従い、表題化合物tert-ブチル 3-アミノ-3’,5’-ジフルオロビフェニル-4-イルカルバメートを合成した。
【0419】
工程2:
ピリジン(10mL)中の、6-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ニコチン酸(307mg、1mmol)と、tert-ブチル 3-アミノ-3’,5’-ジフルオロビフェニル-4-イルカルバメート(288mg、0.9mmol)とEDCI(382mg、2mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(20mL)中に注ぎ、EAで抽出してから分取TLC(PE/EA=2:1)で精製し、淡色固体として所望の化合物(360mg、59%)を得た。
【0420】
工程3:
DCM(10mL)中の、tert-ブチル 4-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3’,5’-ジフルオロビフェニル-3-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(360mg、0.59mmol)とTFA(3mL)の混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を濃縮し、飽和NaHCOで塩基性にしてからEAで抽出し、濃縮して粗生成物を得て、5mlのEAで洗浄し、黄色固体として化合物078(50mg、21%、ロットSP-0018270-024)を得た。LCMS:m/z=410.5(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.51 (s, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.09 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.72-6.67 (m, 7H), 5.28 (s, 2H), 3.55 (s, 4H), 2.77 (s, 4H).
【0421】
実施例79-化合物079の合成:
【化96】
【0422】
工程1:
実施例28に記載の同一手順に従い、表題化合物5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピコリン酸(リチウム塩)を合成した。
【0423】
工程2:
DMF(6mL)中の、リチウム 5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピコリネート(0.60mmol)とHATU(252mg、0.66mmol)の混合液を室温で20分間攪拌した。それから、tert-ブチル 3-アミノビフェニル-4-イルカルバメート(180mg、0.63mmol)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。その後、その混合液を水中に注ぎ、得られた固体を濾過で回収し、減圧下で乾燥させ、所望の化合物を得た。
【0424】
工程3:
MeOH(2mL)中のtert-ブチル 3-(5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピコリンアミド)ビフェニル-4-イルカルバメート(0.60mmol)の混合液にHCl/ジオキサン(4mL)を0℃で加えた。その混合液を0℃から周囲温度に18時間攪拌した。その混合液を減圧下で濃縮し、残液を分取HPLCで精製し、白色固体として生成物、化合物079(117mg、収率50%、3工程、ロットSP-0017146-021)を得た。LCMS:m/z=388.2(M+H)H NMR (500 MHz, DMSO) δ 9.89 (s, 1H), 8.40 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.48 (dd, J = 8.9, 2.9 Hz, 1H), 7.40 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.30-7.21 (m, 2H), 6.91 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.04 (s, 2H), 3.40-3.36 (m, 4H), 2.49-2.45 (m, 4H), 2.24 (s, 3H).
【0425】
実施例80-化合物080の合成:
【化97】
【0426】
工程1:
DMF(4mL)中の、リチウム 5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピコリネート(0.60mmol)とHATU(252mg、0.66mmol)の混合液を室温で15分間攪拌した。それから、tert-ブチル 2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバメート(192mg、0.66mmol)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。その後、その混合液を水中に注ぎ、得られた固体を濾過で回収し、減圧下で乾燥させ、粗化合物を得た。
【0427】
工程2:
MeOH(4mL)中のtert-ブチル 3-(5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピコリンアミド)ビフェニル-4-イルカルバメート(0.60mmol)の混合液にHCl/ジオキサン(4mL)を0℃で加えた。その混合液を0℃から周囲温度に18時間攪拌した。その混合液を減圧下で濃縮し、分取HPLCで残液を精製し、白色固体として化合物080(87mg、収率29%、3工程、ロットSP-0017146-020)を得た。LCMS:m/z=394.2(M+H)H NMR (500 MHz, DMSO) δ 9.87 (s, 1H), 8.39 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.47 (dd, J = 8.9, 2.8 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.31-7.19 (m, 2H), 7.06 (dd, J = 5.0, 3.6 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.08 (s, 2H), 3.40-3.35 (m, 4H), 2.49-2.45 (m, 4H), 2.24 (s, 3H).
【0428】
実施例81-化合物081の合成:
【化98】
【0429】
工程1:
1,4-ジオキサン(50ml)中の、tert-ブチル 4-ブロモ-2-ニトロフェニルカルバメート(8.0g、25.2mmol)及び4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(7.7g、30.3mmol)と、KOAc(5.0g、51.0mmol)とPdCl(dppf-DCM)(922mg、1.3mmol)の溶液に、N保護下。その混合液を80℃で一晩攪拌した。混合液をカラム(PE/EA=50/1)上で直接精製し、黄色固体(7.8g、80%)を得た。
【0430】
工程2:
1,4-ジオキサン(15ml)とHO(8ml)中の、tert-ブチル 2-ニトロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニルカルバメート(3.0g、8.24mmol)と2-ブロモピリジン(1.3g、8.24mmol)の溶液に、KCO(1.7g、16.48mmol)及びPd(PPh3)4(476mg、0.41mmol)を加えた。その混合液を100℃で一晩攪拌した。混合液をカラム(PE/EA=20/1)上で直接精製し、黄色固体(1g、38%)を得た。
【0431】
工程3:
EtOH(15ml)中の、tert-ブチル 2-ニトロ-4-(ピリジン-2-イル)フェニルカルバメート(1.5g、4.76mmol)とFeCl(155mg、0.95mmol)の溶液に炭素(1.5g、125mmol)を加え、N・H2O(8ml)を滴加した。その混合液を60℃で2時間攪拌した。水層をEA(100ml)で抽出した。混合有機層を食塩水(50ml)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、灰色固体(1.1g、76%)を得た。
【0432】
工程4:
室温で15分間攪拌したDMF(7ml)中の5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピコリン酸(216mg、0.62mmol)とHATU(232mg、0.62mmol)の溶液に、tert-ブチル 2-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)フェニルカルバメート(100mg、0.35mmol)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。水を0℃で加え、得られた沈殿物を濾過で回収し、減圧下で乾燥させ、白色固体(200mg、100%)を得た。
【0433】
工程5:
DCM(2ml)中のtert-ブチル 4-(6-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(ピリジン-2-イル)フェニルカルバモイル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(200mg、0.35mmol)の溶液にTFA(2ml)を0℃で滴加した。得られた溶液を室温で2時間攪拌した。粗生成物を分取HPLCで精製し、白色固体の化合物081(53mg、収率41%、ロットSP-0018108-028)を得た。LCMS:m/z=375.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.83 (s, 1H), 8.55 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 8.37 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 3.4 Hz, 2H), 7.72-7.65 (m, 1H), 7.45 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.20 (dd, J = 8.6, 4.6 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.21 (s, 2H), 3.30-3.26 (m, 4H), 2.87-2.81 (m, 4H).
【0434】
実施例82-化合物082の合成:
【化99】
【0435】
工程1:
DMF(5mL)中の、リチウム 5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピコリネート(176mg、0.63mmol)とHATU(240mg、0.63mmol)の混合液を室温で15分間攪拌した。それから、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニルカルバメート(96mg、0.35mmol)を加えた。その混合液を室温で18時間攪拌した。水を加え、得られた固体を濾過で回収し、減圧下で乾燥させ、粗化合物を得た。
【0436】
工程2:
DCM(2mL)中の上記tert-ブチル 4-(フラン-2-イル)-2-(5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピコリンアミド)フェニルカルバメート(0.35mmol)の混合液にTFA(2mL)を0℃で加えた。反応が完了するまで、その混合液を0℃、次いで室温で攪拌した。その混合液を減圧下で濃縮し、分取HPLCで残液を精製し、白色固体として化合物082(57.0mg、遊離アミン、収率43%、2工程、ロットSP-0017146-145)を得た。LCMS:m/z=378.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.84 (s, 1H), 8.39 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.93 (dd, J = 17.9, 5.2 Hz, 2H), 7.62 (s, 1H), 7.47 (dd, J = 8.8, 2.7 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 8.3, 1.9 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.51 (dd, J = 3.2, 1.8 Hz, 1H), 5.08 (s, 2H), 3.42-3.35 (m, 4H), 2.49-2.42 (m, 4H), 2.24 (s, 3H).
【0437】
実施例83-化合物083の合成:
【化100】
【0438】
工程1:
室温で15分間攪拌したDMF(5ml)中の5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピコリン酸(170mg、0.77mmol)とHATU(292mg、0.77mmol)の溶液に、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-3-イル)フェニルカルバメート(117mg、0.43mmol)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水に加えると、白色固体を形成した。その混合液をセライトパッドに通して濾過し、濾液を濃縮し、黄色固体(154mg、収率92.2%)を得た。
【0439】
工程2:
DCM(2ml)中のtert-ブチル 4-(フラン-3-イル)-2-(5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピコリンアミド)フェニルカルバメート(154mg、0.32mmol)の溶液にTFA(2ml)を0℃で滴加した。得られた混合液を室温で2時間攪拌した。残混合液を減圧下で濃縮し、残液を分取HPLCで精製した。水から白色固体を再結晶化し、凍結乾燥で乾燥させ、白色固体の化合物083(62mg、収率51.7%、ロットSP-0018108-083)を得た。LCMS:m/z=378.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.83 (s, 1H), 8.39 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.00-7.89 (m, 2H), 7.74 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.48 (dd, J = 8.9, 2.8 Hz, 1H), 7.20 (dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H), 6.88-6.76 (m, 2H), 4.93 (s, 2H), 3.42-3.35 (m, 4H), 2.49-2.45 (m, 4H).
【0440】
実施例84-化合物084の合成:
【化101】
【0441】
工程1:
Py(3ml)中の、5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピコリン酸(100mg、0.33mmol)と、tert-ブチル 3-アミノ-3’,5’-ジフルオロビフェニル-4-イルカルバメート(106mg、0.33mmol)とEDCI(190mg、0.99mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液をEAで抽出し、カラムクロマトグラフィー(PE:EA=2:1)で精製し、白色固体(175mg、収率69%)を得た。
【0442】
工程2:
DCM(4ml)中のtert-ブチル 4-(6-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3’,5’-ジフルオロビフェニル-3-イルカルバモイル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(175mg、0.29mmol)の溶液にTFA(2ml)を加えた。その混合液を室温で2時間攪拌した。その混合液を濃縮し、NaOH水溶液(2mol/L)で中和した。白色固体の化合物084(85mg、収率72%、ロットSP-0018421-087)を濾過した。LCMS:m/z=410.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.87 (s, 1H), 8.38 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.46 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.38 (dd, J = 8.4, 2.2 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.08 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.22 (s, 2H), 2.94-2.84 (m, 4H), 2.58 (m, 4H).
【0443】
実施例85-化合物085の合成:
【化102】
【0444】
工程1:
1,4-ジオキサン(20mL)中の、メチル 5-クロロピラジン-2-カルボキシレート(1.72g、10mmol)と、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(3.72g、20mmol)とDIPEA(3.87g、30mmol)の混合液を100℃で一晩攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液をシリカゲルで精製し、化合物(3.06g、95%)を得た。
【0445】
工程2:
MeOH(20mL)中のメチル メチル 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキシレート(322mg、1mmol)とLiOH(126mg、3mmol)の混合液を60℃で3時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液に、tert-ブチル 3-アミノビフェニル-4-イルカルバメート(284mg、1mmol)、EDCI(573mg、3mmol)及びPy(10mL)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(50mL)中に注ぎ、濾過し、化合物(459mg、80%)を得た。
【0446】
工程3:
DCM(5mL)中のtert-ブチル 4-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ビフェニル-3-イルカルバモイル)ピラジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(287mg、0.5mmol)の溶液にTFA(2.5mL)を加え、1時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液を分取HPLCで精製し、化合物085(131mg、70%)を得た。LCMS:m/z=375.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.70 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.56 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.40 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.32-7.20 (m, 2H), 6.90 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.06 (s, 2H), 3.72-3.59 (m, 4H), 2.85-2.74 (m, 4H).
【0447】
実施例86-化合物086の合成:
【化103】
【0448】
工程1:
1,4-ジオキサン(20mL)中の、メチル 5-クロロピラジン-2-カルボキシレート(1.72g、10mmol)と、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(2.0g、20mmol)とDIPEA(3.87g、30mmol)の混合液を100℃で一晩攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液をシリカゲルで精製し、化合物(1.65g、70%)を得た。
【0449】
工程2:
MeOH(20mL)中のメチル 5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキシレート(236mg、1mmol)とLiOH(126mg、3mmol)の混合液を60℃で3時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液に、tert-ブチル 2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバメート(290mg、1mmol)、EDCI(573mg、3mmol)及びPy(10mL)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(50mL)中に注ぎ、濾過し、化合物(420mg、85%)を得た。
【0450】
工程3:
DCM(5mL)中のtert-ブチル 2-(5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキシアミド)-4-(チオフェン-2-イル)フェニルカルバメート(247mg、0.5mmol)の溶液にTFA(2.5mL)を加え、1時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液を分取HPLCで精製し、化合物086(138mg、70%)を得た。LCMS:m/z=395.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.69 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.78 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.26 (dd, J = 11.4, 2.8 Hz, 2H), 7.09-6.97 (m, 1H), 6.84 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 3.80-3.66 (m, 4H), 2.46-2.37 (m, 4H), 2.23 (s, 3H).
【0451】
実施例87-化合物087の合成:
【化104】
【0452】
工程1:
MeOH(20mL)中のメチル 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキシレート(236mg、1mmol)とLiOH(126mg、3mmol)の混合液を60℃で3時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液に、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-2-イル)フェニルカルバメート(274mg、1mmol)、EDCI(573mg、3mmol)及びPy(10mL)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(50mL)中に注ぎ、濾過し、化合物(451mg、80%)を得た。
【0453】
工程2:
DCM(5mL)中のtert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-2-イル)フェニルカルバモイル)ピラジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(282mg、0.5mmol)の溶液にTFA(2.5mL)を加え、1時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液を分取HPLCで精製し、化合物087(146mg、80%)を得た。LCMS:m/z=365.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.65 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.30 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.51 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 3.66 (s, 4H), 2.80 (s, 4H).
【0454】
実施例88-化合物088の合成:
【化105】
【0455】
工程1:
MeOH(20mL)中のメチル 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキシレート(236mg、1mmol)とLiOH(126mg、3mmol)の混合液を60℃で3時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液に、tert-ブチル 2-アミノ-4-(フラン-3-イル)フェニルカルバメート(274mg、1mmol)、EDCI(573mg、3mmol)及びPy(10mL)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(50mL)中に注ぎ、濾過し、化合物3(451mg、80%)を得た。
【0456】
工程2:
DCM(5mL)中のtert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(フラン-3-イル)フェニルカルバモイル)ピラジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(282mg、0.5mmol)の溶液にTFA(2.5mL)を加え、1時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液を分取HPLCで精製し、化合物088(146mg、80%)を得た。LCMS:m/z=365.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.66 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.67 (s, 2H), 7.21 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.87-6.77 (m, 2H), 4.95 (s, 2H), 3.66 (s, 4H), 2.80 (s, 4H).
【0457】
実施例89-化合物089の合成:
【化106】
【0458】
工程1:
MeOH(20mL)中のメチル 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキシレート(236mg、1mmol)とLiOH(126mg、3mmol)の混合液を60℃で3時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液に、tert-ブチル 2-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)フェニルカルバメート(285mg、1mmol)、EDCI(573mg、3mmol)及びPy(10mL)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(50mL)中に注ぎ、濾過し、化合物(401mg、70%)を得た。
【0459】
工程2:
DCM(5mL)中のtert-ブチル 4-(5-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-(ピリジン-4-イル)フェニルカルバモイル)ピラジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(288mg、0.5mmol)の溶液にTFA(2.5mL)を加え、1時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液を分取HPLCで精製し、化合物089(150mg、80%)を得た。LCMS:m/z=376.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.70 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.52 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 8.34 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.58 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 7.48 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.32 (s, 2H), 3.66 (s, 4H), 2.80 (s, 4H).
【0460】
実施例90-化合物090の合成:
【化107】
【0461】
工程1:
MeOH(20mL)中のメチル 5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピラジン-2-カルボキシレート(236mg、1mmol)とLiOH(126mg、3mmol)の混合液を60℃で3時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液に、tert-ブチル 3-アミノ-4’-フルオロビフェニル-4-イルカルバメート(302mg、1mmol)、EDCI(573mg、3mmol)及びPy(10mL)を加えた。その混合液を室温で一晩攪拌した。その混合液を水(50mL)中に注ぎ、濾過し、化合物(444mg、75%)を得た。
【0462】
工程2:
DCM(5mL)中のtert-ブチル 4-(5-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4’-フルオロビフェニル-3-イルカルバモイル)ピラジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(296mg、0.5mmol)の溶液にTFA(2.5mL)を加え、1時間攪拌した。混合液を濃縮し、残液を得て、その残液を分取HPLCで精製し、化合物090(157mg、80%)を得た。LCMS:m/z=393.2(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.94 (s, 1H), 9.04 (s, 2H), 8.79 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 8.46 (s, 1H), 7.79 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.61 (dd, J = 8.8, 5.5 Hz, 2H), 7.35 (dd, J = 8.3, 2.1 Hz, 1H), 7.25 (t, J = 8.9 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 4.02-3.92 (m, 4H), 3.26 (s, 4H).
【0463】
実施例91-薬物動態
雄SDラットを一晩空腹にした。本発明の化合物を終濃度の10倍でジメチルアセトアミド中に溶解し、次いで、Solutol HS 15(BASF)を10%の終濃度になるように加えた。最後に80%食塩水を加えてボルテックスし、透明溶液を得た。IV投与では、足背静脈を介して3匹の動物に1mg/kgの化合物を注射した。PO投与では、5mg/kgの化合物を経口摂食で導入した。投与の5分後、15分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後、8時間後及び24時間後に、尾静脈を介してK2EDTAチューブに血液を採取した。血液を4℃、2000gの遠心分離に5分間かけ、血漿を得た。血漿をアセトニトリルで抽出し、LC/MS/MSで化合物の濃度を解析した。ラット血漿の標準曲線から化合物の血漿中濃度を算出した。WinNonLinソフトウェアを使用して、IVクリアランス(L/時間/kg)及び曲線下面積(時間*ng/mL)を算出した。IV投与及び経口投与の曲線下面積に調節した用量を用いて経口生物学的利用能を算出した。
【0464】
ラットカセットドージング試験で薬物動態特性を評価した。IVクリアランス(IV Clr.)はL/時間/kgの単位で示す。経口最大血漿中濃度(PO Cmax)はng/mlの単位で示す。経口血漿中半減期(PO T1/2)は時間の単位で示す。経口曲線下面積(PO AUC)は時間*ng/mlの単位で示す。経口経路により吸収された画分(F%)は、IV曲線下面積に対する経口曲線下面積のパーセンテージであり、用量を調節している。結果の要約を以下の表2に示す。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【0465】
実施例92-hERG 阻害及びCyp阻害:
hERG阻害アッセイに使用した細胞は、hERGに安定的にトランスフェクションしたHEK293細胞(Cytocentrics Inc.3463 Magic Drive San Antonio,TX 78229から入手した細胞株)であった。外部溶液の組成:NaCl 137mM;KCl 4mM;MgCl 1.0mM;CaCl 1.8mM;HEPES 10mM;ブドウ糖 11mM(NaOHで7.4のpHに調節)。内部溶液の組成:KCl 130.0mM;MgCl 1.0mM;HEPES 5.0mM;EGTA 5.0mM;NaCl 7.0mM(KOHを用いて7.2のpHに調節)。試験濃度:0.1、1、10、100μM。溶媒:DMSO。34+/-1℃で実験を実施した。Cytopatch automated platform上で全細胞パッチクランプ法を使用して電流を記録した。以下の電圧プロトコルでhERG電流を誘導した。-50mVのピーク電流(末尾電流)としてhERG電流振幅を測定した。薬物を導入する前の電流振幅(対照)と比較して薬物の存在下で定常効果に達した後における電流低下としてhERGの遮断率を測定した。それぞれの細胞はその同一対照としての役割を果たした。非線形回帰分析で算出したIC50としてデータを示した。
【0466】
Cyp阻害用に、以下のインキュベーション時間(CYP1A2、2C9、2D6:10分間、37℃;CYP2C19:45分間、37℃;CYP3A4:5分間、37℃)で、BD Gentest製のヒト肝臓ミクロソームを化合物028または化合物032(10、3.33、1.11、0.37、0.12、0.04、0.01μM)及び基質(CYP1A2:30μMのフェナセチン;CYP2C9:10μMのジクロフェナク;CYP2C19:35μMのS-メフェニトイン;CYP3A4:5μMのミダゾラム及び80μMのテストステロン;CYP2D6:10μMのブフラロール)でインキュベートした。液体クロマトグラフィー/質量分析/質量分析(LC/MS/MS)で基質変換率を測定した。Graph Pad Prismのカーブフィッティングで阻害率を算出した。
【0467】
結果の要約を以下の表3に示す。--は本化合物を試験しなかったことを示す。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【0468】
実施例93-HDAC酵素アッセイ
試験用化合物をDMSO中に終濃度の50倍に希釈し、10点の3倍希釈系列を作製した。化合物をアッセイバッファー(50mM HEPES、pH7.4、100mM KCl、0.001% Tween-20、0.05% BSA、20μM TCEP)中に終濃度の6倍に希釈した。HDAC酵素(BPS Biosciencesから購入)をアッセイバッファー中に終濃度の1.5倍に希釈した。トリペプチド基質及び0.05μM終濃度のトリプシンをアッセイバッファー中に終濃度の6倍に希釈した。これらのアッセイに使用した最終酵素濃度は、3.3ng/ml(HDAC1)、0.2ng/ml(HDAC2)及び0.08ng/ml(HDAC3)であった。使用した最終基質濃度は、16μM(HDAC1)、10μM(HDAC2)及び17μM(HDAC3)であった。
【0469】
5μlの化合物及び20μlの酵素を、黒色不透明384ウェルプレートのウェルに2連で加えた。酵素及び化合物を室温で10分間共にインキュベートした。それぞれのウェルに5μlの基質を加え、プレートを60秒間振盪し、Victor 2マイクロタイタープレートリーダー内に置いた。蛍光の発現を60分間モニターして反応の直線速度を計算した。Graph Pad Prismを使用し、4パラメータカーブフィッティングによりIC50を求めた。以下の表4における文字表記は以下のように定義する。A=<10nMのIC50値、B=10~500nMのIC50値、C=>500nMのIC50値。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表4-5】
【表4-6】
【表4-7】
【表4-8】
【表4-9】
【表4-10】
【表4-11】