(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】L1分割アーキテクチャにおいてハイブリッドビームフォーミングを用いる複数サイトMIMO通信システム
(51)【国際特許分類】
H04B 7/024 20170101AFI20221114BHJP
H04B 7/0456 20170101ALI20221114BHJP
H04B 7/0452 20170101ALI20221114BHJP
【FI】
H04B7/024
H04B7/0456 100
H04B7/0452
(21)【出願番号】P 2019542415
(86)(22)【出願日】2018-02-06
(86)【国際出願番号】 US2018016988
(87)【国際公開番号】W WO2018145062
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2021-02-02
(32)【優先日】2017-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512299576
【氏名又は名称】アルティオスター ネットワークス, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Altiostar Networks, Inc.
【住所又は居所原語表記】200 Ames Pond Drive, Tewksbury, MA 01876, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】チョンア・リー
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/076004(WO,A2)
【文献】特開2014-090346(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0044517(US,A1)
【文献】特表2011-530238(JP,A)
【文献】国際公開第2013/084058(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/115545(WO,A2)
【文献】国際公開第2015/115776(WO,A1)
【文献】柴田 直剛(他3名),2013年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会講演論文集2,2013年09月20日,p.180
【文献】MCC Support,Final Report of 3GPP TSG RAN WG1 #86bis v1.0.0 (Lisbon, Portugal, 10th-14th October 2016)[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #87 R1-1611081,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86b/Report/Final_Minutes_report_RAN1#86b_v100.zip>,2016年11月18日
【文献】CMCC,Evaluation criteria of CU&DU Functional Split[online],3GPP TSG RAN WG3 #92 R3-161271,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_92/Docs/R3-161271.zip>,2016年03月27日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/024
H04B 7/0456
H04B 7/0452
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装の方法であって、
基地局の第1の部分に位置する物理レイヤの第1の部分において、信号の第1の部分を処理するステップと、
前記信号の前記処理された第1の部分に、統計多重化を用いる周波数領域圧縮を適用するステップと、
前記信号の圧縮された第1の部分を生成するステップと、
前記信号の前記圧縮された第1の部分と、前記信号の第2の部分とを、前記基地局の第2の部分に位置する前記物理レイヤの第2の部分に送信するステップとを含み、
前記送信するステップは、
前記信号の前記圧縮された第1の部分及び前記信号の前記第2の部分を、複数入力複数出力処理を用いて送信するステップと、
前記信号のハイブリッドビームフォーミングを実行するステップとをさらに含み
、
前記ハイブリッドビームフォーミングは、
1つ以上の信号の前記第1の部分を変調するステップと、
前記1つ以上の信号の前記変調された第1の部分を、前記物理レイヤの少なくとも1つの部分にマッピングするステップと、
前記1つ以上の信号のマッピングされた変調された第1の部分を、少なくとも1つのサブバンドプリコード化マトリクス指示子を用いてプリコード化するステップであって、前記少なくとも1つのサブバンドプリコード化マトリクス指示子は、前記1つ以上の信号の送信のための各ビームに対して選択される、プリコード化するステップと、
前記1つ以上の信号のプリコード化された第1の部分に、1つ以上のリソースを割り当てるステップと、
前記割り当てられたリソースに基づいて、前記1つ以上の信号の前記プリコード化された第1の部分に対応する1つ以上の信号デジタルビームのデジタルビームフォーミングを実行するステップと、
前記1つ以上の信号のデジタル化されたプリコード化された第1の部分のアナログビームフォーミングを実行して、少なくとも1つのアンテナによる送信のための1つ以上のアナログ信号ビームを生成するステップとをさらに含む、
前記少なくとも1つのアンテナは1つ以上のアンテナサブアレイを含み、各アンテナサブアレイは、前記1つ以上のアンテナサブアレイの間のビームフォーミングマトリクスを用いて、前記1つ以上の信号の送信のために1つ以上のビームを生成する、
方法。
【請求項2】
前記基地局の前記第1の部分はリモートユニットを備え、前記基地局の前記第2の部分はデジタルユニットを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記
基地局の第1の部分及び前記
基地局の第2の部分は、フロントホールリンクを用いて通信可能に結合される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数入力複数出力処理は、単一サイトの複数入力複数出力処理と、複数サイトの複数入力複数出力処理と、分散型複数入力複数出力処理とのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1-3のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記ハイブリッドビームフォーミングは、
前記基地局の前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの少なくとも1つを用いて、1つ以上の信号をデジタル的に結合するステップと、
前記デジタル的に結合された信号に基づいて、前記基地局に通信可能に結合された1つ以上のアンテナによる送信のための、1つ以上のビームフォーミングされたアナログ信号を生成するステップとをさらに含む、
請求項1-4のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記デジタルビームフォーミングの実行は、前記1つ以上の信号の前記第1の部分の広帯域プリコード化を実行するステップを含む、
請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記デジタルビームフォーミングの実行は、前記1つ以上のデジタルビームを生成するステップと、前記1つ以上のデジタルビームを組み合わせて1つ以上の組み合わせられたデジタルビームを生成するステップとを含む、
請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
前記基地局は、eNodeB基地局、gNodeB基地局、及びそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1-
7のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記基地局の前記第1の部分及び第2の部分のうちの少なくとも1つは、無線送信機及び無線受信機のうちの少なくとも1つを含む、
請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記基地局は、ロングタームエボリューション通信システム及び新しい無線通信システムのうちの少なくとも1つにおいて動作する、
請求項
8に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのプログラマブルプロセッサと、
命令を格納する非一時的な機械可読媒体であって、前記命令は、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサにおいて実行されるとき、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに請求項1-
10のうちいずれか1つに記載の動作を実行させる、
システム。
【請求項12】
命令を格納する非一時的な機械可読媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、
前記命令は、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサにより実行されるとき、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに請求項1-
10のうちいずれか1つに記載の動作を実行させる、
コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照.
本出願は、2017年2月6日に提出されかつ、「L1分割アーキテクチャにおいてハイブリッドビームフォーミングを用いる複数サイトMIMO通信システム」と題されたLeeへの米国特許仮出願第62/455315号に基づいて優先権を主張し、当該仮出願の開示内容は参照により全体を通して本明細書に組み込まれる。
【0002】
いくつかの実施形態において、現在の主題は遠隔通信システムに関し、より詳細には、レイヤ1分割アーキテクチャにおけるハイブリッドビームフォーミングを用いる複数入力複数出力(「MIMO」)の通信システムに関する。ここで、通信システムは5Gの新しい無線(「NR」)通信システムを含み得る。
【背景技術】
【0003】
今日の世界において、セルラーネットワークは、個人及び事業体にオンデマンドな通信能力を提供する。典型的には、セルラーネットワークはセルと呼ばれる地上エリア中に分散され得る無線ネットワークである。そういったセルの各々には、セルサイト又は基地局と呼ばれる少なくとも1つの定点送受信機によりサービス提供がされる。各セルは、近隣のセルと異なる周波数のセットを用いることで、各セル内において互いの干渉を避け、改善されたサービスを提供することができる。複数のセルが互いに接続されるとき、それらは広い地理的エリアに無線到達範囲を提供し、多数の携帯電話機及び/又は他の無線デバイス若しくはポータブル送受信機が、ネットワーク中のどこにあっても、互いに通信したり、固定された送受信機及び電話機と通信したりすることを可能にする。そういった通信は基地局を介して行われ、たとえ携帯送受信機が送信の間に複数のセルを通って移動する場合であっても達成される。主たる無線通信プロバイダは、全世界にわたってそのようなセルサイトを配備しており、それゆえ、この通信は、複数の電話機及び複数の携帯計算デバイスが、公衆交換電話ネットワーク及び公衆インターネットに接続されることを可能にしている。
【0004】
携帯電話機は、携帯電話機への信号及び携帯電話機からの信号を伝送する無線波を用いることにより、セルサイト又は送信塔を介して、電話及び/又はデータの呼び出しを受信及び/又は作成することが可能な、ポータブル電話機である。多数の携帯電話機ユーザの視点から見ると、現在の携帯電話ネットワークは、限定されかつ共有されたリソースを提供する。その点に関して、複数のセルサイト及びハンドセットは、周波数を変更し、低出力の送信機を用いることで、多数の発呼者によるネットワークの同時使用を、より小さい干渉で可能にする。セルサイトによる到達範囲は、特定の地理的位置及び/又はネットワークを使用する可能性のあるユーザの数に依存し得る。例えば、都市内では、セルサイトは最大で約半マイルの範囲を有する一方で、田舎の地域では、範囲は5マイル程度にもなり得る。またある地域では、ユーザは25マイル離れたセルサイトからの信号を受信し得る。
【0005】
以下は、通信プロバイダにより現在用いられているデジタルセルラー技術のいくつかの例である。すなわち、モバイル通信のためのグローバルシステム(「GSM」)(登録商標)、汎用パケット無線システム(「GPRS」)、cdmaOne、CDMA2000、エボリューションデータ最適化(「EV-DO」)、GSMエボリューションのための強化されたデータレート(「EDGE」)、ユニバーサルモバイル通信システム(「UMTS」)、デジタル強化コードレス遠隔通信(「DECT」)、デジタルAMPS(「IS-136/TDMA」)、そして統合デジタル拡張ネットワーク(「iDEN」)等である。ロングタームエボリューション、又は4G LTEは、携帯電話機及びデータ端末のための、高速な無線データ通信のための規格である。5G LTE規格が現在開発されている。LTEはGSM/EDGE及びUMTS/HSPAデジタルセルラー技術に基づいており、コアネットワークの改善とともに、異なる無線インタフェースを用いることにより、容量及びスピードの増加を可能にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
携帯デバイスは、例えば音声データ(例えば電話呼)、電子メール、テキストメッセージ、インターネットブラウジング、映像データ(例えばビデオ、ビデオ通話、拡張現実/仮想現実等)、オーディオデータ(例えば歌のストリーミング)等、様々な種類のデータを受信及び送信するために用いられている。異なる種類のデータは、異なる送信帯域幅を必要とし得る。例えば、高い品質を有する携帯デバイス上で高画質の映像を再現するためには、携帯デバイスへの電子メール又はテキストメッセージの送信と比較してより広い帯域幅が必要とされ得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態では、現在の主題は、レイヤ1分割アーキテクチャにおけるハイブリッドビームフォーミングを用いる複数入力複数出力の通信システムを用いたデータ送信のためのコンピュータ実装の方法に関する。方法は、基地局の第1の部分に位置する物理レイヤの第1の部分において信号の第1の部分を処理するステップと、前記処理された信号の第1の部分に、統計多重化を用いて周波数領域圧縮を適用するステップと、圧縮された信号の第1の部分を生成するステップと、上記圧縮された信号の第1の部分及び信号の第2の部分を、上記基地局の第2の部分に位置する物理レイヤの第2の部分に送信するステップとを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、現在の主題は、以下のオプションの要素のうちの1つ以上を含み得る。基地局の第1の部分はリモートユニットを含み、基地局の第2の部分はデジタルユニットを含み得る。第1及び第2の部分はフロントホールリンクを用いて通信可能に結合され得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、送信は、複数入力複数出力の処理を用いて圧縮された信号の第1の部分と、信号の第2の部分とを送信するステップを含み得る。複数入力複数出力の処理は、以下のうちの少なくとも1つを含む。すなわち、単一サイトの複数入力複数出力の処理、複数サイトの複数入力複数出力の処理、及び、分散された複数入力複数出力の処理である。
【0010】
いくつかの実施形態では、送信は、基地局の第1の部分から基地局の第2の部分への送信の間に、信号のハイブリッドビームフォーミングを実行するステップをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、ハイブリッドビームフォーミングは、基地局の第1の部分及び第2の部分のうちの少なくとも1つを用いて1つ以上の信号をデジタル合成するステップと、上記デジタル合成された信号に基づいて、基地局に通信可能に結合された1つ以上のアンテナによる送信のための、1つ以上のビームフォーミングされたアナログ信号を生成するステップとを含み得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、ハイブリッドビームフォーミングは、信号の第1の部分を変調するステップと、変調された信号の第1の部分を物理レイヤの少なくとも1つの部分にマッピングするステップと、少なくとも1つのサブバンドプリコード化マトリクス指示子を用いて上記マッピングされた変調された信号の第1の部分をプリコードするステップであって、上記サブバンドプリコード化マトリクス指示子は信号の送信のための各ビームに対して選択され得る、ステップと、1つ以上のリソースを上記プリコード化された信号の第1の部分に割り当てるステップと、1つ以上の信号のデジタルビームフォーミングを実行するステップであって、デジタルビームは、割り当てられたリソースに基づいて上記プリコード化された信号の第1の部分に対応する、ステップと、デジタル化されたプリコード化された信号の第1の部分のアナログビームフォーミングを実行して、少なくとも1つのアンテナにより送信のため1つ以上のアナログ信号ビームを生成するステップとをさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、デジタルビームフォーミングを実行するステップは、信号の第1の部分の広帯域プリコード化を実行するステップを含み得る。さらに、デジタルビームフォーミングを実行するステップは、複数のデジタルビームを生成するステップと、複数のビームを合成して1つ以上の合成デジタルビームを生成するステップとを含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアンテナは、1つ以上のアンテナサブアレイを含み得る。各アンテナサブアレイは、1つ以上のアンテナサブアレイの間のビームフォーミングマトリクスを用いて信号の送信のための1つ以上のビームを生成し得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、基地局は以下のうちの少なくとも1つを含み得る。すなわち、eNodeB基地局、gNodeB基地局、それらの任意の組み合わせである。基地局の第1の部分及び第2の部分のうちの少なくとも1つは、以下のうちの少なくとも1つを含み得る。すなわち、無線送信機及び無線受信機である。基地局は、以下の通信システムのうちの少なくとも1つにおいて実行される基地局であり得る。すなわち、ロングタームエボリューション通信システム及び新しい無線通信システムである。
【0015】
1つ以上の計算システムの1つ以上のデータプロセッサにより実行されると当該1つ以上のデータプロセッサに本明細書の記載の動作を実行させる命令を格納する非一時的なコンピュータプログラム製品(すなわち物理的に実装されたコンピュータプログラム製品)も説明される。同様に、1つ以上のデータプロセッサ及び当該1つ以上のデータプロセッサに結合されたメモリを含むコンピュータシステムも説明される。メモリは、本明細書に記載の動作のうちの1つ以上を少なくとも1つのプロセッサに実行させる命令を、一時的に又は永久的に格納し得る。加えて、単一の計算システム内の、又は2つ以上の計算システム内に分散された1つ以上のデータプロセッサにより、方法が実現され得る。このような計算システムは、
(1)ネットワーク(例えばインターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワークなど)上の接続を含むがそれらに限定されない1つ以上の接続を通じて、又は
(2)複数の計算システムのうちの1つ以上の間の直接接続を通じて
接続され、データ及び/又はコマンド若しくは他の命令等を交換することができる。
【0016】
本明細書に説明される主題の1つ以上の変形例の詳細が、添付の図面及び以下の説明の中に記載される。本明細書に説明される主題の他の特徴及び利点は、説明及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになる。
【0017】
本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は、説明とともに本明細書に開示される主題の特定の態様を示し、開示された実施形態に関係づけられた概念のいくつかの説明を補助する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1a】従来のロングタームエボリューション(「LTE」)通信システムの例を示す図
【
図1b】
図1aに示すLTEシステムの例のさらなる詳細を示す図
【
図1c】
図1aに示すLTEシステムの例の進化したパケットコアの追加の詳細を示す図
【
図1d】
図1aに示すLTEシステムの例の進化したNodeBの例を示す図
【
図2】
図1a~
図1dに示す進化したNodeBのさらなる詳細を示す図
【
図3】現在の主題のいくつかの実施形態に係る仮想無線アクセスネットワークの例を示す図
【
図5a】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、アーキテクチャの減少したトランスポート帯域幅要件を示す比較グラフと、L1分割アーキテクチャの例を示す図
【
図5b】より低いレイヤの分割アーキテクチャの例を示す図
【
図5c】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、アップリンクのためのL1分割アーキテクチャの例を示す図
【
図5d】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、より低いレイヤの分割アーキテクチャの例におけるアップリンク通信の間に実行される機能の例を示す図
【
図6a】無線通信システムのためのビームフォーミングアーキテクチャの別の例を示す図
【
図6b】新しい無線ハイブリッドビームフォーミングアーキテクチャの例を示す図
【
図6c】
図6bに示すビームフォーミング成分についての追加の詳細を示す図
【
図6d】サブアレイビームフォーミングアレイアーキテクチャの例を示す図
【
図6e】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、MU-MIMO環境における新しい無線ハイブリッドビームフォーミングのためのアーキテクチャの例を示す図
【
図6f】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、MU-MIMO環境における新しい無線ハイブリッドビームフォーミングのためのアーキテクチャの例を示す図
【
図7】プリコーダを実装するための様々なオプションの比較を示すチャート
【
図8】IMTアドバンスト(4G)システム及びIMT-2020(5G)システムの間のキーキャパシティの比較を示す図
【
図9】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、複数サイトMIMO通信システムの例を示す図
【
図10】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、分散MIMO(D-MIMO)複数接続性アーキテクチャの例を示す図
【
図11】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、能動的アンテナシステムアーキテクチャの例を示す図
【
図12】現在の主題のいくつかの実施形態に係るシステムの例を示す図
【
図13】現在の主題のいくつかの実施形態に係る方法の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
現在の主題は、無線通信システムのためのレイヤ1分割アーキテクチャにおいて実施可能なシステム及び方法を提供できる。そのようなシステムは、ロングタームエボリューション無線通信システム及び/又は新しい無線通信システムが含まれ得る。現在の主題には、レイヤ1分割アーキテクチャにおけるハイブリッドアナログ/デジタルビームフォーミングとともに、複数入力複数出力(「MIMO」)の技術の使用が組み込まれる。集中化上位物理(「PHY」)レイヤ処理も実施され得る。レイヤ1が分割され、(例えば、帯域幅の削減のため等に)周波数領域圧縮が実施され得る。ユーザ機器からの信号は、複数のサイトから受信され得る。
【0020】
現在の主題の1つ以上の態様は、そういった通信システムにおける基地局の送信機及び/又は受信機のコンポーネントに組み込まれ得る。ロングタームエボリューション通信システムの例が以下で説明される。
【0021】
I.ロングタームエボリューション通信システム.
図1a~1c,
図2は、従来のロングタームエボリューション(「LTE」)通信システム100の例を、その様々なコンポーネントとともに示す図である。LTEシステム又は4G LTEは、商業的に知られているように、携帯電話機及びデータ端末のための高速データの無線通信の規格により管理されている。この規格は、UMTS/HSPA(「ユニバーサル携帯遠隔通信システム」/「高速パケットアクセス」)ネットワーク技術に加えてGSM/EDGE(「モバイル通信のためのグローバルシステム」/「GSMエボリューションのための強化データレート」)に基づく。この規格は、3GPP(「第3世代パートナーシッププロジェクト」)により開発された。
【0022】
図1Aに示すように、システム100は、進化したユニバーサル地上無線アクセスネットワーク102(「EUTRAN」)、進化したパケットコア108(「EPC」)、及びパケットデータネットワーク101(「PDN」)を含み得る。EUTRAN102及びEPC108は、ユーザ機器104及びPDN101の間の通信を提供する。EUTRAN102は、(
図1bに示すように)複数のユーザ機器104a~104cに通信機能を提供する複数の「進化したNodeB」(「eNodeB」、「ENODEB」、「enodeb」又は「eNB」)又は基地局106a~106cを含み得る。ユーザ機器104は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(「PDA」)、サーバ、データ端末、及び/又は任意の種類のユーザ機器、及び/又はそれらの任意の組み合わせであり得る。ユーザ機器104は、任意のeNoteB106を介して、EPC108に接続し、その後PDN101に接続できる。典型的には、ユーザ機器104は距離に関して最も近いeNoteB106に接続し得る。LTEシステム100において、EUTRAN102及びEPC108は、接続可能性、モビリティ及びサービスをユーザ機器104に提供するために協働する。
【0023】
図1bは、
図1aのネットワーク100のさらなる詳細を示す図である。上述のように、EUTRAN102は、セルサイトとしても知られる複数のeNodeB106を含む。eNodeB106は無線機能を提供し、エアリンクリソースのスケジューリング若しくは無線リソース管理と、アクティブモードのモビリティ若しくはハンドオーバーと、並びにサービスのアドミッション制御とを含む、主要な制御機能を実行する。eNodeB106は、ユーザ機器104にサービスを提供するモビリティ管理エンティティ(
図1cに示すMME等)を選択することと、ヘッダ圧縮及び暗号化等のプロトコル機能とを担当する。EUTRAN102を構成するeNodeB106は、無線リソース管理及びハンドオーバーのために、互いに協働する。
【0024】
ユーザ機器104とeNodeB106との間の通信は、エアインタフェース122(「LTE-Uu」インタフェースとしても知られる)を介して発生する。
図1bに示すように、エアインタフェース122は、ユーザ機器104bとeNodeB106との間の通信を提供する。エアインタフェース122は、直交周波数分割多元接続(「OFDMA」)及びOFDMAの変形である単一キャリア周波数分割多元接続(「SC-FDMA」)をそれぞれダウンリンク及びアップリンクで使用する。OFDMAは、例えば複数入力複数出力(「MIMO」)等の、複数の既知のアンテナ技術の使用を可能にする。
【0025】
エアインタフェース122は、ユーザ機器104とeNodeB106との間の信号通信のための無線リソース制御(「RRC」)と、(
図1cに示すような)ユーザ機器104及びMMEの間の信号通信のための非アクセス層(「NAS」)とを含む様々なプロトコルを使用する。信号通信に加えて、ユーザ機器104及びeNodeB106の間で、ユーザトラヒックが伝送される。システム100内の信号通信及びトラフィックはいずれも、物理レイヤ(「PHY」)チャネルにより運ばれる。
【0026】
複数のeNodeB106は、X2インタフェース130a~130cを用いて互いに相互接続することができる。
図1aに示すように、X2インタフェース130aはeNodeB106aとeNodeB106bとの間の相互接続を提供し、X2インタフェース130bはeNodeB106aとeNodeB106bとの間の相互接続を提供し、X2インタフェース130cはeNodeB106bとeNodeB106cとの間の相互接続を提供する。X2インタフェースは、2つのeNodeB106の間で確立され、信号の交換を提供し得る。信号の交換は、負荷関連情報、干渉関連情報、及びハンドオーバー関連情報を含み得る。eNodeB106はS1インタフェース124a~124cを介して進化したパケットコア108と通信する。S1インタフェース124は、2つのインタフェースに分割できる。すなわち、制御プレーン(
図1cでは制御プレーンインタフェース(S1-MMEインタフェース)128で示す)と、ユーザプレーン(
図1cではユーザプレーンインタフェース(S1-Uインタフェース)125で示す)とである。
【0027】
EPC108は、ユーザサービスのサービス品質(「QoS」)を確立及び実効化し、移動中にユーザ機器104が一定のインターネットプロトコル(「IP」)アドレスを維持できるようにする。ネットワーク100内の各ノードはそれぞれのIPアドレスを有することは注意されるべきである。EPC108は、レガシー無線ネットワークと連動するように設計される。EPC108は、コアネットワークアーキテクチャにおいて制御プレーン(すなわち信号通信)と及びユーザプレーン(すなわちトラフィック)とを分離するようにも設計されている。これは実装の柔軟性を高め、制御機能及びユーザデータ機能の独立した拡張性をもたらす。
【0028】
EPC108アーキテクチャは、パケットデータに専用であり、
図1cで詳細に示される。EPC108は、サービングゲートウェイ(S-GW)110と、PDNゲートウェイ(P-GW)112と、モビリティ管理エンティティ(「MME」)114と、ホーム加入者サーバ(「HSS」)116(EPC108の加入者のデータベース)と、並びに、ポリシー制御及び課金ルール機能(「PCRF」)118とを含む。これらの一部(S-GW、P-GW、MME、HSS等)は、多くの場合、メーカ実装に従って複数のノードに組み合わされ得る。
【0029】
S-GW110は、IPパケットデータルータとして機能し、EPC108におけるユーザ機器のベアラパスアンカーである。従って、モビリティ動作中にユーザ機器があるeNodeB106から別のeNodeB106に移動するに際し、S-GW110は同一のままであり、ユーザ機器104にサービスを提供する新たなeNodeB106と通信するために、EUTRAN102へのベアラパスが切り替えられる。ユーザ機器104が別のS-GW110の領域に移動する場合、MME114はユーザ機器のベアラパスの全てを新たなS-GWに転送する。S-GW110は、ユーザ機器に対して1つ以上のP-GW112へのベアラパスを確立する。待機状態のユーザ機器に対するダウンストリームデータが受信された場合、S-GW110はダウンストリームパケットをバッファリングし、MME114に、EUTRAN102への、及びEUTRAN102を通るベアラパスを見つけて再確立するように要求する。
【0030】
P-GW112は、EPC108(及びユーザ機器104及びEUTRAN102)とPDN101(
図1aに示す)との間のゲートウェイである。P-GW112は、ユーザトラフィックのためのルータとして機能するとともに、ユーザ機器に代わって機能を実行する。この機能には、ユーザ機器へのIPアドレスの割り当て、それが適切なベアラパスに配置されていることを保証するための、ダウンストリームユーザトラフィックのパケットフィルタリング、データレートを含むダウンストリームQoSの実行等が含まれる。加入者が使用しているサービスに応じて、ユーザ機器104及びP-GW112の間には複数のユーザデータベアラパスが存在し得る。加入者は、異なるP-GWにより提供されるPDN上でサービスを使用できる。この場合、ユーザ機器は、各P-GW112に対して確立された少なくとも1つのベアラパスを有する。あるeNodeBから別のeNodeBへのユーザ機器のハンドオーバー中に、S-GW110も変化している場合、P-GWからのベアラパスは新たなS-GWに切り替えられる。
【0031】
MME114は、EPC108内のユーザ機器104を管理する。管理は、認証を管理することと、認証されたユーザ機器104のコンテキストを維持することと、ユーザトラフィック用のネットワークにおけるデータベアラパスを確立することと、及び、ネットワークから切り離されていないアイドル状態の携帯電話機の場所を追跡することとを含む。ダウンストリームデータを受信するためにアクセスネットワークに再接続する必要があるユーザ機器104の場合、MME114は、ページングを開始してユーザ機器の位置を特定し、EUTRAN102への、及びEUTRAN102を通るベアラパスを見つけて再確立するように要求する。特定のユーザ機器104のMME114は、ユーザ機器104がシステムアクセスを開始するeNodeB106によって選択される。MMEは、典型的には、負荷共有及び冗長性の目的のために、EPC108内のMMEの集合の一部である。ユーザのデータベアラパスの確立において、MME114は、P-GW112とS-GW110との選択を担当し、EPC108を通るデータパスの終了端を構成する。
【0032】
PCRF118は、P-GW110に存在するポリシー制御実施機能(「PCEF」)におけるフローベースの課金機能を制御するだけでなく、ポリシー制御の意思決定を担当する。PCRF118は、特定のデータフローがPCEFでどのように処理されるかを決定し、これがユーザの加入プロファイルに従っていることを保証するQoS認証(QoSクラス識別子(「QCI」)及びビットレート)を提供する。
【0033】
上述のように、IPサービス119は、(
図1aに示すように)PDN101により提供される。
【0034】
II.eNodeB.
図1dは、eNodeB106の構成例を示す。eNodeB106は、少なくとも1つのリモート無線ヘッド(「RRH」)132(通常、3つのRRH132が存在し得る)と、1つのベースバンドユニット(「BBU」)134とを含み得る。RRH132は、アンテナ136に接続することができる。RRH132及びBBU134は、共通の公衆無線インタフェース(「CPRI」)142標準仕様に準拠する光インタフェースを用いて接続することができる。eNodeB106の動作は、次の標準パラメータ(及び仕様)を用いて特徴付けることができる。
・無線周波数帯域(Band4、Band9、Band17)
・帯域幅(5MHz、10MHz、15MHz、20MHz)
・アクセス方式(ダウンリンク:OFDMA、アップリンク:SC-OFDMA)
・アンテナ技術(ダウンリンク:2×2MIMO、アップリンク:1×2単一入力複数出力(「SIMO」))
・セクタ数(最大6個)
・最大送信電力(60W)
・最大送信速度(ダウンリンク:150Mb/s、アップリンク:50Mb/s)
・S1/X2インタフェース(1000Base-SX、1000Base-T)
・モバイル環境(350km/h)
BBU134は、デジタルベースバンド信号処理、S1回線の終了、X2回線の終了、呼び出し処理及び監視制御処理を担当することができる。EPC108(
図1dには示されていない)から受信されたIPパケットは、デジタルベースバンド信号に変調され、RRH132に送信され得る。逆に、RRH132から受信されたデジタルベースバンド信号は、EPC108への送信のためにIPパケットに復調することができる。
【0035】
RRH132は、アンテナ136を用いて無線信号を送受信することができる。RRH132は、(コンバータ(「CONV」)140を用いて)BBU134からのデジタルベースバンド信号を無線周波(「RF」)信号に変換することができ、ユーザ機器104(
図1dには示されない)への送信のために(増幅器(「AMP」)138を用いて)電力増幅する。逆に、ユーザ機器104から受信したRF信号は(AMP138を用いて)増幅され、BBU134に送信するためにデジタルベースバンド信号に(CONV140を用いて)変換される。
【0036】
図2は、eNodeB106の例の追加の詳細を示す。eNodeB106は、複数のレイヤを含む。すなわち、LTEレイヤ1(202)と、LTEレイヤ2(204)と、LTEレイヤ3(206)とを含む。LTEレイヤ1は、物理レイヤ(「PHY」)を含む。LTEレイヤ2は、媒体アクセス制御(「MAC」)と、無線リンク制御(「RLC」)と、パケットデータ収束プロトコル(「PDCP」)とを含む。LTEレイヤ3は、無線リソース制御(「RRC」)と、動的リソース割り当てと、eNodeB測定の構成及び提供、無線アドミッション制御と、接続モビリティ制御と、並びに、無線リソース管理(「RRM」)とを含む様々な機能及びプロトコルを含む。RLCプロトコルは、セルラー無線インタフェースで仕様される自動再送要求(「ARQ」)フラグメンテーションプロトコルである。RRCプロトコルは、ユーザ機器とEUTRANの間のLTEレイヤ3の制御プレーンシグナリング(信号通信)を処理する。RRCには、接続の確立及び開放、システム情報のブロードキャスト、無線ベアラの確立/再構成及びリリース、RRC接続モビリティ手続き、ページング通知及びリリース、並びに、外部ループ電力制御のための機能が含まれる。PDCPは、IPヘッダの圧縮及び解凍、ユーザデータの転送、並びに、無線ベアラのシーケンス番号のメンテナンスを実行する。
図1dに示すBBU134は、LTEレイヤL1~L3を含み得る。
【0037】
eNodeB106の主たる機能の1つは、無線リソース管理であり、これは、ユーザ機器104のためのアップリンク及びダウンリンクの両方のエアインタフェースリソースのスケジューリングと、ベアラリソースの制御と、並びに、アドミッション制御とを含む。eNodeB106は、EPC108のエージェントとして、携帯電話機がアイドル状態の時に携帯電話機の位置を特定するために用いられるページングメッセージの転送を担当する。eNodeB106はまた、共通制御チャネル情報を無線で通信し、無線で送信されたユーザデータのヘッダ圧縮、暗号化及び復号化、並びに、ハンドオーバー報告及びトリガ基準を確立する。上述のように、eNodeB106は、ハンドオーバー及び干渉管理の目的で、X2インタフェースを介して他のeNodeB106と協力することができる。eNodeB106は、輻輳を回避するために、複数のMMEにより負荷を共有できるように、MMEのグループからMMEを選択する。
【0038】
III.レイヤ1分割アーキテクチャ無線通信ネットワーク.
いくつかの実施形態では、現在の主題は、5Gの新しい無線(「NR」)通信システムに関する。5GNRは、現在の4G/IMT-アドバンストの規格を超えて提案されている次の遠隔通信規格である。5Gネットワークは、現在の4Gよりも大容量で提供され、エリアユニットあたりのモバイルブロードバンドユーザの数を増やし、並びに、月及びユーザ毎にギガバイト単位の、より高く、及び/又は無制限のデータ量の消費を可能にするように計画されている。これにより、ユーザは、Wi-Fiネットワークでない間にも、携帯デバイスを用いて1日に何時間も高解像度のメディアをストリーミングすることができる。5Gネットワークは、2つのデバイスの間の通信のサポートの改善、低コスト、4G設備よりも低遅延、かつ低バッテリ消費等を有するように計画されている。このようなネットワークは、多数のユーザに対して数十Mbpsのデータレートを有し、大都市圏に対して100Mbpsのデータレートを有し、(オフィスフロア等の)限られたエリア内のユーザに対しては同時に1Gbpsを有し、ワイヤレスセンサネットワークに対しては多数の同時接続を有し、改善されたスペクトル効率、改善されたカバレッジ、改善されたシグナリング効率、1~10msの遅延、既存のシステムと比較して短縮された遅延を有するように計画されている。
【0039】
いくつかの実施形態では、現在の主題は、3.5GHzソリューション及びmmWaveの新しい無線通信システムのための統合アーキテクチャを提供することができる。現在の主題は、NRネットワーク及びサービス分析(「NSA」)オペレーションの送信のためのLTEアップリンクの再利用をさらに可能にし、LTEとNRコンポーネント/システムとの間の綿密な相互作用をサポートできる。現在の主題は、フロントホール通信において周波数領域シンボル転送を用いるPHYレイヤ分割アーキテクチャと、統計的多重化ゲインによる周波数領域圧縮と、セル/セクタと、ロード(物理リソースブロック(「PRB」)の使用)と、MIMOレイヤと、変調コーディング方式(「MCS」)とを提供できる。さらに、現在の主題は、ハイブリッドアナログビームフォーミング(「BF」)及びデジタルプリコード化、カバレッジ拡張のためのアクティブアンテナシステム(「AAS」)、並びに、MIMO(セルエッジスループット改善のための分散MIMOを含む)を可能にする。
【0040】
図3は、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、仮想無線アクセスネットワーク300の例を示す。ネットワーク300は、基地局(例えばeNodeB)301、無線設備307、集中化ユニット302、デジタルユニット304、並びに無線デバイス306を提供することができる。システム300内のコンポーネントは、バックホールリンク305を用いて、進化したパケットコアに通信可能に結合し得る。集中化ユニット(「CU」)302又はvBBU-highは、ミッドホール接続308を用いてデジタルユニット(「DU」)304又はvBBU-lowに通信可能に結合することができる。無線周波(「RF」)コンポーネント306は、フロントホール接続310を用いてDU304に通信可能に結合することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、vBBU高ユニット302は、1つ以上のvBBU低ユニット308にインテリジェント通信機能を提供することができる。ユニット302,304は、1つ以上の基地局、マクロ基地局、マイクロ基地局、遠隔無線ヘッド等、及び/又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0042】
図4は、3GPP分割アーキテクチャ400の例を示す。このアーキテクチャによれば、NRのためのCPRI帯域幅要件は100Gbpsとなり得る。CPRI圧縮は、(
図3に示すように)DU及びRUで実施することができる。さらに、様々なアルゴリズムを実施して、複数ベンダの操作を防ぐことができる。以下で説明されるように、アーキテクチャ400は、より高いレイヤの分割(例えば、オプション2又はオプション3-1(より高い/より低いRLC分割アーキテクチャ))及びL1分割アーキテクチャ(オプション7)を含み得るフロントホール/ミッドホールの標準化を可能にし得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、現在の主題のL1分割アーキテクチャ(すなわち、
図4のオプション7)は、アップリンクの高度な受信機と、DL/ULの両方の複数の送信ポイント(TP)にわたる共同処理と、並びに、導入を容易にするための合理的なトランスポート帯域幅と遅延要件とを含み得る。さらに、現在の主題のL1分割アーキテクチャは、セルレベル及びユーザレベルの処理の分割を含み得る。当該処理の分割は、リモートユニット(「RU」)のセルレベル処理とDUのユーザレベル処理が含まれます。さらに、現在の主題のL1分割アーキテクチャを用いて、周波数領域サンプルをイーサネット(登録商標)フロントホール経由でトランスポートできる。ここで、周波数領域サンプルは、フロントホール帯域幅を軽減するために圧縮され得る。
【0044】
図5aは、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、アーキテクチャ502の低減されたトランスポート帯域幅要件を示す比較プロット504と、L1分割アーキテクチャ502の例を示す。アーキテクチャ502は、イーサネットフロントホール505を介してリモートユニット(「RU」)503に通信可能に結合されたデジタルユニット(「DU」)501を含み得る。DUユニットは、前方誤り訂正(「FEC」)コンポーネント、変調(「Mod」)コンポーネント、MIMOプリコード化コンポーネント及びリソースエレメント(「RE」)マッピングコンポーネントを含み得る。RUユニット503は、逆高速フーリエ変換(「IFFT」)コンポーネント、並びに、サイクリックプレフィックス(「CP」)付加コンポーネントを含み得る。アーキテクチャ502は、セル(キャリア及びセクタ)、ローディング(PRB使用)、並びに/又はMIMOレイヤ及びMCS(QPSK/64QAM/256QAM)の統計的多重化により、フロントホール帯域幅の大幅な低減を達成できる。
【0045】
図5bは、低レイヤ分割アーキテクチャ500の例を示す。アーキテクチャ500は、オプション7-1を実装し得る。ここで、より低いPHYレイヤの一部の機能(例えば、FFT/iFFT及びCP付加/削除)は、デジタルユニット509によって実行され、PHYレイヤの残りの機能は集中化ユニット507により実行される。さらに、オプション7-2は、デジタルユニット509でのプリコード化とビームフォーミングの目的で実装できる。
【0046】
図5bに示すように、集中化ユニット507は、ビット処理510を実行することができ、その後に変調514及びレイヤマッピング516が続き得る。オプション7-2を利用でき、デジタルユニット509は、プリコード化520及びリソースマッピング522を実行することができる。アナログビームフォーミング530を実行する前に、デジタルユニット509は、IFFT/CP除去526を提供し、デジタル/アナログコンバータ528を用いて、ビームフォーミングの目的でデジタル信号をアナログに変換することができる。オプション7-1は、高いフロントホール帯域幅を有しながら提供されることができ、デジタルユニットの複雑さの低減と、サブミリ秒単位のフロントホール遅延要件とを提供でき、並びに、CoMP/複数サイトMIMOパラメータは、デジタルユニットで受信したチャネル状態情報フィードバックに基づいて決定できる。
【0047】
逆経路において、アナログ信号は、デジタルユニット509内のアナログデジタルコンバータ532を用いて変換され得る。デジタルユニット509は、FFT/CP付加534を実行でき、リソースデマッピング及びプリフィルタリング540が続く。マッピング解除538に続いて、集中化ユニット507は、音響基準信号(SRS)プロセス544を実行することができる。プリフィルタリングされたデータをプリフィルタリングコンポーネント540から受信した後、カバレッジ強化(CE)及び等化プロセス542を実行し得る。次に、集中化ユニット507は、復調550を実行し、その後にビット処理552を実行し得る。加えて、集中化ユニット507は、デジタルユニット509の物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)フィルタコンポーネント536から受信する任意の信号を相関もさせ得る。集中化ユニット507はさらに、そのピーク検出コンポーネント548を用いてピークを決定することができる。
【0048】
図5cは、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、(L1分割565としての)アップリンクのためのL1分割アーキテクチャ551の例を示す。
図5cに示すように、リモートユニット553は、接続565を介してデジタルユニット555に通信可能に結合することができる。リモートユニット553及びデジタルユニット555は、接続565上でレイヤL1に関連する様々な機能を分割するように構成され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、リモートユニット553は、(例えばユーザ機器、他のRU、及び/又は他のデバイスからの)RF/IF信号を受信するように構成し得る。RF/IF信号を受信すると、リモートユニット553は、FFT/CP(高速フーリエ変換/巡回プレフィックス)除去コンポーネント557を用いて信号を処理し、そのRB選択コンポーネント559を用いてリソースブロックの選択/割り当てを実行するように構成され得る。
【0050】
デジタルユニット555は、チャネル推定及びMIMO等化コンポーネント567と、レイヤデマッピングコンポーネント569と、復調コンポーネント571と、及び、前方誤り訂正(FEC)デコーダコンポーネント573とを含み得る。アーキテクチャ551は、デジタルユニット内のアドバンスト受信機(例えばSIC、ターボエコライザ等)の使用を可能にする。集中化デジタルユニットの実施形態では、eNB間のデータ共有なしに、デジタルユニット555を用いた複数サイトの共同受信が実現できる。さらに、フロントホール帯域幅をさらに減少させるために、リモートユニット553において圧縮が適用され得る。
【0051】
図5dは、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、より低いレイヤ分割アーキテクチャ560の例におけるアップリンク通信中に実行される機能の例を示す。アーキテクチャ560は、集中化ユニット563に通信可能に結合されたデジタルユニット561を含み得る。オプション7-1(564)、オプション7-2(568)、及びオプション7-3(578)は、アーキテクチャ560において実装され得る。オプション7-1及び7-2は、集中化ユニット563で高度な受信機機能(SIC、ターボイコライザ等)を提供し得る。さらに、これらのオプションを用いることで、nodeB間のデータ共有なしに、集中化ユニット563で複数サイト共同受信が可能となる。さらに、レイヤ圧縮を備えるオプション7-1は、フロントホール帯域幅をさらに減少させ得る一方で、オプション7-3は低遅延及び高帯域幅のフロントホールを要求する。
【0052】
図5cと同様に、アップリンク通信中に、
図5に示すアーキテクチャ560のデジタルユニット561は、自身のFFT/CP除去コンポーネント562を用いてFFT/CP除去を行うことができる。その後、(
図5bに示すものと同様に)コンポーネント566内のリソースブロックデマッピング機能及びプリフィルタリング機能が続き得る。集中化ユニット563は、チャネル推定及びMIMO等化(自身のコンポーネント570を用いる)と、レイヤデマッピング(自身のコンポーネント572を用いる)と、復調(コンポーネント574を用いる)と、及び、ビットレベル処理(コンポーネント576を用いる)とを実行できる。
【0053】
図6aは、ダウンリンク送信のための無線通信システムの基地局におけるハイブリッドビームフォーミングアーキテクチャのオプション600A~600Cを示す。ビームフォーミングとは、指向性信号の送信又は受信のための信号処理を指す。これは、特定の角度の信号が構造的干渉を受け、他の角度は破壊的干渉を受けるような手法でアンテナの要素を組み合わせることで実現され得る。空間選択性を実現するために、ビームフォーミングが送受信に用いられ得る。無線通信では、ビームフォーミングの2つのクラスが存在する。すなわち、到達方向ビームフォーミング(例えば、受信アンテナ方向又は送信アンテナ方向の調整)と、固有ビームフォーミング(例えば、様々な基準に基づく受信アンテナにおける信号強度の最大化)である。複数レイヤアンテナシステムのスループットを最大化するために、複数レイヤビームフォーミングのためにプリコード化が用いられる。ここで、プリコード化は、MIMOシステムにおける複数レイヤ送信をサポートするためのビームフォーミングスキームであり得る。プリコード化を用いることで、アンテナ毎に独立した重みを用いて単一のアンテナから複数のストリームを送信し、受信機出力のスループットを最大化できる。
【0054】
図6aは、無線通信システム用のビーム形成アーキテクチャ601の別の例を示す。アーキテクチャ601は、3GPP規格、LTEリリース10-11で参照されている。アーキテクチャ601は、符号602のスクランブリング604を実行することができ、スクランブリングされた符号は変調マッパ606に渡され、次いでレイヤマッパ608に渡される。その後、レイヤ612は、プリコード化コンポーネント612により処理される。プリコード化に続いて、リソースエレメントマッパコンポーネント614を用いてリソースエレメントがマッピングされ得る。次に、コンポーネント616を用いて、アンテナポート618への送信のためのOFDM信号を生成することができる。
【0055】
デュアルコードブック構造は、次式を用いて表される。
【0056】
W=W1・W2 (1)
【0057】
ここで、W1はロングタームチャネル統計を表す広帯域プリコード化マトリクスインジケータ(PMI)であり、W2は各偏波のビーム選択のためのサブバンドPMIである。
【0058】
図6bは、無線ハイブリッドビームフォーミングアーキテクチャ620の例を示す。アーキテクチャ620は、変調コンポーネント622と、レイヤマッピングコンポーネント624と、サブバンドプリコード化コンポーネント626と、リソースマッピングコンポーネント628と、IFFT/CPコンポーネント630と、デジタルビームフォーミングコンポーネント632と、IF/RFコンポーネント634と、及び、アナログビームフォーミングコンポーネント636とを含み得る。コンポーネント632,634,636は、ハイブリッドビームフォーミングを実行するように構成され得る。変調コンポーネント622は、集中化ユニットによって受信され得る処理されたビットの変調を行うことができる。変調されたデータのレイヤマッピングは、コンポーネント624により実行され得る。サブバンドプリコード化は、コンポーネント626のパラメータW2を用いて適用され得る。リソースマッピングコンポーネント628は、後にデジタルビームフォーマ632へと渡される1つ以上のレイヤに従ってリソースのマッピングを実行し得る。デジタルビームフォーマ632(
図6cにさらに示す)は、IF/RF及びアナログビームフォーミングコンポーネント634,636とともに広帯域プリコード化を実行することができる。ワイドバンドプリコード化パラメータW1は、次式を用いて定義され得る。
【0059】
W1=WD・T・WA (2)
【0060】
ここで、式(2)のWDはサブアレイのデジタルビームフォーミングのマトリクスパラメータに対応し、WAはアンテナサブアレイのアナログビームフォーミングパラメータに対応し、TはD/A及び/又はIF/RFパラメータを示す。
【0061】
図6cは、
図6bのビームフォーミングコンポーネント632に関する追加の詳細を示す。複数のレイヤ1,…,Lに対応するIFFT/CP除去コンポーネント630からのデータをデジタルビームフォーミングコンポーネント632に提供して、1つ以上の対応するビーム(ビーム1,…,ビームL)を生成することができる。次いで、1つ以上のビームを結合するために、コンバイナ644に供給される。例えば、バトラーマトリクスは、ビーム結合/ビームフォーミングの目的で使用され得る。理解され得るように、ビーム結合/ビームフォーミングの他の手法を用いることができる。次に、合成ビームはIF/RFコンポーネント634に送信され、アンテナポートを介してアナログミーブフォーミングコンポーネント636に送信され、送信用のビームが生成される。
【0062】
図6dは、サブアレイビームフォーミングアーキテクチャ650の例を示す。
図6dに示すように、アンテナパネル652は、複数の素子(例えば、8×8個の素子)を含み得る。さらに、アンテナパネル652は、1つ以上のサブアレイ654をさらに含み得る。
図6dに示すように、アンテナパネルは4つのサブアレイ654を含み得る。
図6bに関して上述したように、デジタルプリコード化は、以下を用いて2つのステップで実行できる。すなわち、ビームフォーミングのためには(3)式、MU-MIMOのためには(4)式を用いる。
【0063】
【0064】
【0065】
ここで、WDBFは、サブアレイ654のデジタルビームフォーミングを表し、Pはサブアレイ間の水平ビームフォーミング行列であり、Φはサブアレイ間の垂直ビームフォーミング行列である。
【0066】
図6eは、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、MU-MIMO環境における新しい無線ハイブリッドビームフォーミングのためのアーキテクチャ660の例を示す。アーキテクチャ660は、複数サイト/複数ユーザMIMOに対応するように構成し得る。ここで、信号は複数のユーザ機器(UE1~UEN)662から信号を受信し得る。UE662からの(変調シンボルの形式の)信号は、レイヤマッピングに(コンポーネント664を用いて)提供され、サブバンドプリコード化は(上述のような)コンポーネント666を用いて実行され、リソースはユーザビームマッピングコンポーネント670への送信のために、リソースマッピングコンポーネント668を用いて割り当てられ得る。デジタルビームフォーマ/コンバイナコンポーネント674は、IFFT/CPがコンポーネント672により除去されると、ハイブリッドビームフォーミングを(
図6b~
図6cに関連して上述したように)開始することができる。次に、形成されたビームはアンテナポートのIF/RFコンポーネント676に渡され、アナログビームフォーマ678が送信を生成できるようになる。
【0067】
図6fは、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、MU-MIMO環境における新しい無線ハイブリッドビームフォーミングのためのアーキテクチャ680の例を示す。アーキテクチャ680は、上述のオプション7-2に従って低レイヤ分割を実装することができる。複数の(変調シンボル形式の)ユーザ機器(UE1~UEN)682からの信号をレイヤマッピングに(コンポーネント684を用いて)提供でき、オプション7-2に従ってユーザ毎に2つのレイヤを割り当てることができる。次に、コンポーネント686を用いてサブバンドプリコード化を実行し、リソースマッピングコンポーネント688を用いてリソースを割り当て、ユーザビームマッピングコンポーネント690に送信することができる。非限定的な例として、ユーザビームマッピングコンポーネント690は、ユーザごとに合計8つのレイヤ、4つの同時ビーム、及び、2×2のMIMO構成を生成できる。IFFT/CPは、コンポーネント692により除去でき、デジタルビームフォーマ/コンバイナコンポーネント694は、ハイブリッドビームフォーミングを(
図6b~
図6cに関連して上述したように)実行することができる。次に、ビームはアンテナポートのIF/RFコンポーネント696に渡されるため、アナログビームフォーマ698は送信を生成できる。非限定的な例として、アーキテクチャ680で用いられるアンテナは16個のポートを含むことができ、それによりアンテナの設置面積を大幅に減少させることができる。
【0068】
図7は、様々なプリコード化オプションの比較を示すチャート700である。いくつかの場合では、DU及びRUにおけるプリコーディングは等価であり得る。高度なビームフォーミング/CoMP及び複数サイトMIMOの実施形態の場合、DUにおけるプリコード化が推奨アプローチとなり得る。
図7に示すように、プリコード化ベクトルの計算は、デジタルユニット内で局所的に実行され得る。ただし、リモートユニットにおけるプリコード化ベクトルの計算のために、チャネル状態情報(CSI)がデジタルユニットからリモートユニットに送信される必要があり得る。(これは、動的送信時間間隔(TTI)レベルのプリコード化のトランスポート遅延要件の影響を受ける可能性がある。)プリコード化ベクトルは、送信時間間隔毎にデジタルユニットで動的に更新され得る。ただし、リモートユニットにおいて、プリコード化ベクトルの更新はトランスポート遅延に依存する。デジタルユニットのMIMOパラメータの分散を決定するために、チャネル状態情報が用いられ得る。しかしながら、リモートユニットにおけるこのようなパラメータを決定するには、プリコード化ベクトル及び様々なユーザレベルのデータをリモートユニットに送信する必要がある。従って、デジタルユニットにおけるプリコード化ベクトルの決定が好ましくあり得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、現在の主題は、新しい無線(NR)並びにミリ波ビームフォーミング分割アーキテクチャのための改善されたアクティブアンテナシステム(AAS)ビームフォーミング能力を提供することができる。これにより、統合された展開シナリオと、2つのレイヤ間の柔軟な相互作用が可能となる。アクティブアンテナは、アクティブな電子部品を含み得る。アンテナ統合無線においては、ケーブル損失を減少させるためにパッシブアンテナに隣接してRFモジュールが配置される。アクティブアンテナは、従来のアンテナを、基地局の効率に貢献するように転換させることができる。これにより、事業者は、ネットワークのキャパシティ及びカバレッジターゲットを増やすことができる。ただし、AASにより、異なるアンテナエレメントを持つ単一のデバイスに独自の統合RF送受信機を有することができる。そのため、AASは、アンテナ内の各サブエレメントのビームフォーミング重みのより詳細なデジタル制御を提供することができる。さらに、MIMOテクノロジーが使用されると、無線リソースはミクロ空間領域及びマクロ空間領域の両方に用いることができる。
【0070】
また、AASは、例えばユーザ機器が異なる標高点に位置し得る場合等において、多次元ビームフォーミングに対する様々な利点を提供し得る。例えば、特定の高さ(例えば超高層ビルの最上階等)にあるユーザ機器は上向きのビームを要し得るが、一方で地上のユーザ機器は下向きのビームを要し得る。AAS及び様々なMIMO技術の使用により、干渉又は任意の他の問題を回避するための、これらのユーザ機器のスケジューリングが可能となる。AASは、複数のアンテナ、RF、送信機及び受信機回線を単一のデバイスにおいて組み合わせを提供し得るため、5GシステムでAASを用いることも利点となり、配線及びネットワークのコスト等が削減される。さらに、AAS及びMIMOテクノロジーは、個々の小規模セルのユーザ分散環境に適応することも有益であり得る。
【0071】
図8は、IMTアドバンスト(4G)のキー能力(
図8では薄い網掛け)と、IMT-2020(5G)システムのキー能力(
図8では濃い網掛け)との比較800を示す図である。比較800は、ピークデータレート、ユーザが経験するデータレート、スペクトル効率、モビリティ、遅延、接続密度、ネットワークエネルギー効率、エリアトラヒック容量等の主なパラメータに基づいている。
【0072】
しかしながら、
図8に示すように、5Gシステムは、ユーザが経験する改善されたデータレート(すなわち、最大100Mbit/s)と、改善されたスペクトラム効率(すなわち、最大3倍)と、改善されたモビリティ(最大500km/h)と、減少された遅延(最低1ms)と、改善された接続密度と、改善されたネットワークエネルギー効率(すなわち、最大100倍)と、増加されたエリアトラヒック容量(すなわち、最大10Mbit/s/m
2)と、及び、増加されたピークデータレート(すなわち、最大20Gbit/s)とを提供し得る。
【0073】
図9は、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、複数サイトMIMOの通信システム902の例を示す。
図9は、現在の主題の複数サイトMIMOシステム902によるピークスループットの改善を示す比較プロット904も示す。
【0074】
システム902は、所定のカバレッジエリア906と、カバレッジエリア906内に配置された新しい無線(NR)基地局(例えばgNodeB)903,905,907とを有する基地局(例えばeNodeB)901を含み得る。カバレッジエリア906内には1つ以上のユーザ機器909を配置することもできる。1つ又は複数のユーザ機器909は、NR基地局903,905,907と通信可能に結合されるように構成され得る。基地局903,905,907は、新しい無線ランク2基地局であり得る。しかしながら、理解され得るように、LTE基地局(例えばeNodeB)901及び基地局903,905,907は、任意の他の種類の基地局であり得る。NR基地局903,905,907は、
図6に関して上述したように、ハイブリッドビームフォーミングを可能とし得る。これには、複数サイトMIMOのための動的デジタルMIMOプリコード化と、ユーザ機器に固有のビームフォーミングのためのAASとが含まれ得る。
【0075】
プロット904は、単一サイトMIMOシステムよりも複数サイトMIMOシステム(例えば902)を用いる利点をさらに示す。単一サイト又は単一ユーザのMIMO(SU-MIMO)システムは、空間時間/空間周波数コード(送信/受信ダイバーシティ)を、空間多重化技術とともに用いてチャネル容量及び信頼性を向上させる2点間のシステムを指し得る。SU-MIMOシステムは、全ての送信機又は受信機の間で処理を調整する。対照的に、複数サイト又は複数ユーザのMIMO(MU-MIMO)システムでは、通常は、ユーザ間の調整は行われないと想定されている。従って、アップリンクとダウンリンクとのMU-MIMOチャネルは異なる場合がある。アップリンクでは、ユーザは同じチャネルを介して基地局に送信する。基地局は、アレイ処理または複数ユーザ検出方法を用いて、送信される信号を分離する必要がある。ダウンリンクにおいて、基地局は複数のユーザに同時に送信するために同じチャネルを用いるため、ユーザに対してユーザ間干渉を引き起こす可能性がある。ただし、SU-MIMOシステム及びMU-MIMOシステムの両方でS/N比(SNR)のパラメータが増加する場合があるが、
図9に示すように、SU-MIMOシステムの容量は、通常はMU-MIMOシステムよりも小さくなる。曲線916(ランク2基地局を使用)及び曲線917(ランク1基地局を使用)で示されるように、SU-MIMOシステムの最大ピークスループットは、SU-MIMO916システムでは(最高SNRでは)約7Gbps未満であり、SU-MIMO917では(最高SNRでは)約5Gbps未満である。対照的に、MU-MIMOシステムは、曲線914(ランク8の基地局を使用)及び曲線915(ランク4の基地局を使用)で示されるように、より高いスループットを有する。例えば、ランク8の基地局(
図9の曲線914)の最高スループットは25Gbpsよりも大きく、ランク4の場合(曲線915)は12Gbpsよりも大きい。
【0076】
図10は、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、分散MIMO(D-MIMO)複数接続アーキテクチャ1000の例を示す。分散MIMOシステムは、モバイルフェーディングチャネルの空間領域を実装し、ワイヤレス通信システムのパフォーマンスを向上させることができる。特に、このようなシステムは、無線通信ネットワークの容量、セルエッジスループット、カバレッジ、グループモビリティ等を効果的に改善することができる。このような改善は、マイクロダイバーシティに加えてマクロダイバーシティを用いる一方で、MIMOサブチャネルの相関を解除することで容量を増加させることが可能な分散アンテナシステムを用いることで、実現できる。分散アンテナシステムとは、地理的エリア(すなわちセル)又は物理的な場所/建物(例えば屋内カバレッジ)内でワイヤレスサービスを提供するトランスポートメディアを用いて、共通のソースに接続された、空間的に分離されたアンテナのネットワークを指す。
【0077】
アーキテクチャ1000は、eNodeB1002と、gNodeB1004と、及びgNodeB1006とを含み得る。gNodeB1004,1006は、ユーザ機器1008とともに(他の複数のユーザ機器とともに)、eNodeB1002のカバレッジエリア1009内に位置することができる。システム1000は、本明細書で説明するNR MIMO技術を実装しながら、LTE技術及びNR技術の使用を可能にする複数テクノロジーアグリゲーション通信システムであり得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、eNodeB1002はユーザ機器1008に、ダウンリンク上のダウンリンク情報(例えば、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)等)を送信し、かつ、アップリンク上のアップリンク情報(例えば、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)等)を受信することができる。gNodeB1004,1006は、それぞれのダウンリンク情報を(例えばNR-PDCCH、NR-PDSCH等の)ユーザ機器1008に送信することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、
図10に示すNR分散MIMOアーキテクチャ1000は、既存のeNodeB10002の配備にオーバレイし得る。アップリンク制御情報(UCI)は、gNodeB1004,1006の両方から、eNodeB1002へと送信され得る。gNodeBによる新しい無線UCI(NR UCI)送信は、アップリンクでの送信のために、eNodeB1002で用いられているアップリンク周波数と同じアップリンク周波数(例えばPUCCH)を用いることができる。さらに、eNodeB1002は、gNodeB1004,1006により送信されたNR UCI情報をデコードし、デコードされたNR CUI情報をgNodeB1004,1006と共有することができる。
【0080】
図11は、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、アクティブアンテナシステムアーキテクチャ1100の例を示す。アーキテクチャ1100は、複数のアクティブアンテナシステムクラスタ1102を含み得る。クラスタ1102は、IP/イーサネット接続1104を用いて処理ユニット1106に通信可能に結合され得る。例えば、各接続1104と関連付けられた遅延は、AASクラスタ1102あたり4Gbpsのオーダーであり得る。処理ユニット1106は、IP/イーサネットデバイス1112に通信可能に結合され得る(これにより、遅延はAASクラスタ1102あたり2.4Gbpsまで減少され得る)。デバイス1112は、IP/イーサネット接続1118を介してvBBU1114(及びEPC)に通信可能にさらに結合され得る。vBBU1114では、様々なオペレーションサポートシステム/ビジネスサポートシステム(OSS/BSS)サービス1116が提供され得る。加えて、デバイス1112は、IP/イーサネット接続1110を介して、別の処理ユニット1108と通信可能にさらに結合され得る。デバイス1106,1108は、レイヤ1及び/又はレイヤ2の機能を提供するように構成され得る。
【0081】
いくつかの実施形態では
図12に示すように、現在の主題は、システム1200において実装され得るように構成され得る。システム1200は、1つ以上のプロセッサ1210、メモリ1220、ストレージデバイス1230、及び入出力デバイス1240のうちの1つ以上を含み得る。コンポーネント1210,1220,1230,1240のうちの各々は、システムバス1250を用いて相互接続され得る。プロセッサ1210は、システム600内の実行のための命令を処理するように構成することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ1210は、単一スレッドのプロセッサであり得る。代替の実施形態では、プロセッサ1210は複数スレッドのプロセッサであり得る。プロセッサ1210は、入出力デバイス1240を介した情報の受信又は送信を含む、メモリ1220又はストレージデバイス1230上に格納された命令を処理するようにさらに構成され得る。メモリ1220は、システム1200内の情報を格納し得る。いくつかの実施形態では、メモリ1220はコンピュータ可読媒体であり得る。代替の実施形態では、メモリ1220は揮発性メモリユニットであり得る。さらにいくつかの実施形態では、メモリ1220は不揮発性メモリユニットであり得る。ストレージデバイス1230は、システム1200のための大容量記憶を提供する能力を持ち得る。代替の実施形態では、ストレージデバイス1230は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、テープデバイス、不揮発ソリッドステートメモリ、又は任意の他の種類のストレージデバイスであり得る。入出力デバイス1240は、システム1200に入出力動作を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、入出力デバイス1240は、グラフィカルユーザインターフェースを表示するための表示ユニットを含み得る。
【0082】
図13は、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、方法1300の例を示す。1302では、信号の第1の部分は、基地局の第1の部分(例えばリモートユニット(RU)内)に位置する物理レイヤの第1の部分において処理され得る。1304では、信号の処理された第1の部分に、統計多重化を用いる周波数領域圧縮を適用して、信号の圧縮された第1の部分を処理する。1306では、基地局の第2の部分(例えばデジタルユニット(DU)内)に位置する物理レイヤの第2の部分に、信号の圧縮された第1の部分と、信号の第2の部分とを送信する。データは、レイヤ1分割アーキテクチャにおけるハイブリッドアナログ/デジタルビームフォーミングを伴うMIMO技術を用いて送信され得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、現在の主題は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。基地局の第1の部分はリモートユニットを含み、かつ、基地局の第2の部分はデジタルユニットを含み得る。第1の部分及び第2の部分は、フロントホールリンクを用いて通信可能に結合され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、送信は、信号の圧縮された第1の部分及び信号の第2の部分を、複数入力複数出力処理を用いて送信することをさらに含み得る。複数入力複数出力処理は、以下のうちの少なくとも1つを含み得る。すなわち、単一サイトの複数入力複数出力処理と、複数サイトの複数入力複数出力処理と、及び、分散型複数入力複数出力処理とである。
【0085】
いくつかの実施形態では、送信は、基地局の第1の部分から基地局の第2の部分への送信の間に信号のハイブリッドビームフォーミングを行うことをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、ハイブリッドビームフォーミングは、基地局の第1の部分及び第2の部分のうちの少なくとも1つを用いて、1つ以上の信号をデジタル的に結合することと、デジタル的に結合された信号に基づいて、基地局に通信可能に結合された1つ以上のアンテナにより送信のために、1つ以上のビームフォーミングされたアナログ信号を生成することとを含み得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、ハイブリッドビームフォーミングは、信号の第1の部分を変調することと、信号の変調された第1の部分を物理レイヤの少なくとも1つの部分にマッピングすることと、少なくとも1つのプリコード化マトリクス指示子を用いて、信号のマッピングされた変調された第1の部分をプリコード化することと、信号のプリコード化された第1の部分に1つ以上のリソースを割り当てることと、割り当てられたリソースに基づいて、信号のプリコード化された第1の部分に対応する1つ以上の信号デジタルビームのデジタルビームフォーミングを実行することと、並びに、信号のデジタル化されたプリコード化された第1の部分のアナログビームフォーミングを実行して、少なくとも1つのアンテナによる送信のための1つ以上のアナログ信号ビームを生成することとをさらに含み得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、デジタルビームフォーミングの実行は、信号の第1の部分の広帯域プリコード化の実行を含み得る。さらに、デジタルビームフォーミングの実行は、デジタルビームの生成と、及び、デジタルビームを組み合わせて1つ以上の組み合わせられたデジタルビームの生成とを含み得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアンテナは、1つ以上のアンテナサブアレイを含み得る。各アンテナサブアレイは、1つ以上のアンテナサブアレイの間のビームフォーミングマトリクスを用いて、信号の送信のための1つ以上のビームを生成し得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、基地局は、eNodeB基地局、gNodeB基地局、及びそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。基地局の第1の部分及び第2の部分のうちの少なくとも1つは、無線送信機及び無線受信機のうちの少なくとも1つを含み得る。基地局は、以下の通信システムのうちの少なくとも1つで動作し得る。すなわち、ロングタームエボリューション通信システム及び新しい無線通信システムである。
【0090】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、例えば、データベース、デジタル電子回路、ファームウェア、ソフトウェアも含むコンピュータ等のデータプロセッサ等を含む、様々な形で実装され得る。さらに、本開示の実施例の上で触れた特徴及び他の態様並びに概念は、様々な環境において実施され得る。これらの環境及び関連するアプリケーションは、開示された実施形態に係る様々な処理及び動作を十国するために特別に構築されてもよいし、又はそれらは、必須の機能を提供するために、コードにより選択的に有効化または再構成された汎用コンピュータ若しくは計算プラットフォームを含み得る。本明細書に開示されたプロセスは、いかなる特定のコンピュータ、ネットワーク、アーキテクチャ、環境または他の装置に本質的に関連したものではなく、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの適切な組み合わせにより実施され得る。例えば、様々な汎用マシンが、開示された実施形態の教示に係って書かれたプログラムとともに用いられ得る。また、要求された方法及び技術を実行するための特化された装置若しくはシステムを構築するのが便利であり得る。
【0091】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、コンピュータプログラム製品、すなわち、例えばプログラマブルプロセッサ、コンピュータ又は複数のコンピュータ等のデータ処理装置による実行のために、又はそれらのデータ処理装置の動作を制御するために、例えば機械可読ストレージ媒体又は伝播される信号等の情報キャリアとして明白に実装されたコンピュータプログラムとして実施され得る。コンピュータプログラムは、コンパイル又は翻訳された言語を含む任意の形式のプログラミング言語で書かれてよく、スタンドアロンなプログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン若しくは計算環境における利用に適した他の単位としての形を含む任意の形で配備され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ、1地点の複数のコンピュータ、複数の地点に分散されて通信ネットワークにより相互接続された複数のコンピュータの上に配備され得る。
【0092】
本明細書で用いられるに際し、「ユーザ」の用語は、人物又はコンピュータを含む任意のエンティティを指し得る。
【0093】
いくつかの場合には、「第1の」「第2の」等の順序の番号はある順序と関連し得るが、本明細書で用いられるに際し、順序の番号はある順序を必ずしも示唆するものではない。例えば、順序の番号はある物体を別の物体と区別するためだけに用いられ得る。例えば、第1のイベントを第2のイベントと区別するためであって、時系列的順序又は固定の参照システムを必ずしも示唆するものではない(例えば、明細書の1段落における第1のイベントは、明細書の別の段落における第1のイベントとは異なるものであり得る)。
【0094】
上述の説明は、続く特許請求の範囲で画定された本発明の保護範囲を例示するためのものであって、それを限定するためのものではない。他の実施形態が、以下の特許請求の範囲の保護範囲に含まれる。
【0095】
これらのコンピュータプログラムは、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、又はコードとも呼ばれ、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含み、高級手続きプログラミング言語及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語により実装され得る。本明細書で用いられるに際し、「機械可読媒体」とは、機械命令を機械可読信号として受け取る機械可読媒体を含み、例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル論理デバイス(PLD)等の任意のプログラム製品、装置及び/又はデバイスを指す。「機械可読信号」の用語は、プログラマブルプロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するために用いられる任意の信号を指す。機械可読媒体は、例えば非一時的ソリッドステートメモリ又は磁気ハードドライブ、又はこれらと等価な任意のストレージ媒体がするように、これらの機械命令を非一時的に格納できる。機械可読媒体は、代替的に又は追加で、例えばプロセッサキャッシュか、又は1つ以上の物理プロセッサコアと関係づけられた他のランダムアクセスメモリがするように、それらの機械命令を一時的なやり方で格納してもよい。
【0096】
ユーザとのインタラクションを提供するために、本明細書に説明された主題は、ユーザに情報を表示するための例えばブラウン管(CRT)モニタ又は液晶ディスプレイ(LCD)モニタ等のディスプレイデバイスと、ユーザがコンピュータに入力を提供することが可能な、キーボード並びに例えばマウス若しくはトラックボール等のポインティングデバイスとを有するコンピュータ上で実装され得る。ユーザとのインタラクションを提供するために他の種類のデバイスが用いられてもよい。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック等、任意の形の感覚フィードバックであってよく、また、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、又は触覚入力を含むがそれらに限定されない任意の形で受け取られ得る。
【0097】
本明細書に説明された主題は、
(1)例えば1つ以上のデータサーバ等のバックエンドコンポーネントを含むか、又は
(2)例えば1つ以上のアプリケーションサーバ等のミドルウェアコンポーネントを含むか、又は
(3)例えばユーザが本明細書に説明された主題の実施形態と相互作用できるグラフィカルユーザインターフェース若しくはウェブブラウザを有する1つ以上のクライアント計算機等のフロントエンドコンポーネントを含むか、又は
(4)これらのバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、若しくはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含む
計算システム上で実施され得る。システムのコンポーネントは、例えば通信ネットワーク等の、デジタルデータ通信のいかなる形態又は媒介によっても相互接続され得る。通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、広域ネットワーク(「WAN」)、インターネット等を含むが、これらに限定されない。
【0098】
計算システムはクライアント及びサーバを含み得る。一般に、ただし非排他的に、クライアント及びサーバは、互いに遠隔で、典型的には通信ネットワークを介して相互作用する。クライアント及びサーバの関係は、それぞれの計算機において実行されて互いにクライアント-サーバ関係を持つコンピュータプログラムにより発生する。
【0099】
上述の説明に記載された実施形態は、本明細書に説明される主題に係る全ての実施形態を示すものではない。むしろ、それらの実施形態は説明された主題に関する態様に係るいくつかの例に過ぎない。上ではいくつかの変形例が説明されたが、他の変更又は追加も可能である。特に、本明細書に記載された特徴及び/又は変形に加えて、さらなる特徴及び/又は変形が提供され得る。例えば、開示された特徴の様々な組み合わせ及び部分的組み合わせ、及び/又は、上で開示されるいくつかのさらなる特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせであり得る。加えて、添付の図に示され、及び/又は本明細書に説明されたロジックフローは、好ましい結果を得るために必ずしも示された特定の順序を必要とするものではない。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の保護範囲に含まれ得る。