(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】金属シート修理装置、同装置の操作方法、および金属シートの修理方法
(51)【国際特許分類】
B23P 23/04 20060101AFI20221114BHJP
B23K 9/00 20060101ALI20221114BHJP
B23P 6/00 20060101ALI20221114BHJP
B23B 45/00 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
B23P23/04
B23K9/00 501D
B23P6/00 Z
B23B45/00 Z
(21)【出願番号】P 2019560215
(86)(22)【出願日】2018-04-27
(86)【国際出願番号】 EP2018060860
(87)【国際公開番号】W WO2018202575
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-04-20
(32)【優先日】2017-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518175843
【氏名又は名称】イーペーセーオー スウェーデン アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ノイマイル, コニー-クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】コイイェル, ラーシュ アンデシュ
【審査官】小川 真
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-100032(JP,A)
【文献】米国特許第06352194(US,B1)
【文献】特開昭54-002239(JP,A)
【文献】実開昭58-143101(JP,U)
【文献】米国特許第3417979(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 23/04
B23K 9/00
B23P 6/00、 6/04
B23B 41/00、45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属シート修理装置において、
ベースユニットであって、
フレームと、
前記フレームの底面に取り付けられた複数の取り付け機能部と、
前記フレームに取り付けられた複数のガイドピンと、
を含むベースユニットと、
金属シートの損傷部分を切り取るように構成された切断ユニットであって、
軸バーと、
前記切断ユニットに回転切断力を提供するための
切断モータと、
前記
切断モータと前記軸バーの下に位置し、少なくとも1つの切断刃を含む切断アームと、
前記軸バー上に位置し、前記切断ユニットを前記ベースユニットに取り外し可能に取り付けるための、前記複数のガイドピンにそれぞれ対応する複数の切断ユニットガイド孔と、
を含む切断ユニットと、
溶接ユニットであって、
溶接ユニットを前記ベースユニットに取り外し可能に取り付けるための、前記複数のガイドピンにそれぞれ対応する複数の溶接ユニットガイド孔、を含む固定プラットフォームと、
前記固定プラットフォーム上のギヤリングと、
前記ギヤリングの上方の回転プラットフォームを回転するための溶接回転モータと、
前記ギヤリングに接触するように構成されたドライブギヤであって、前記ギヤリング上方の前記回転プラットフォームを回転させるために前記溶接回転モータによって回転するようにさらに構成されているドライブギヤと、
交換金属片を前記金属シートに自動的に溶接するように構成され、溶接を行うように構成されたトーチを含む溶接アセンブリと、
を含む溶接ユニットと、
を備えた金属シート修理装置。
【請求項2】
前記複数の取り付け機能部は、真空カップを含み、
前記ベースユニットは、さらに、前記真空カップを前記金属シートに取り付けるための真空圧力を受けるために前記真空カップに接続された真空コネクタを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記溶接アセンブリは、さらに、前記トーチと溶接ワイヤとの位置を調節するための少なくとも1つの手動調節制御部を含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記溶接アセンブリに前記溶接ワイヤを提供するように構成されたワイヤフィードをさらに備え、
前記ワイヤフィードは、
前記溶接ワイヤのスプールを保持するように構成されたスプールホルダと、
前記スプールホルダをサポートするように構成されたスプールアームと、を含む、請求項
3に記載の装置。
【請求項5】
前記溶接ユニットは溶接制御ユニットをさらに含み、
前記溶接制御ユニットは、
ハウジングと、
電力ユニットに電気的に接続された非常停止制御部と、
ワイヤ速度制御部と、
溶接アセンブリ回転速度制御部と、
前記溶接ワイヤの供給と方向を制御する第1のスイッチと、
前記溶接アセンブリの回転方向を制御する第2のスイッチと、を含む、請求項
3に記載の装置。
【請求項6】
前記フレームは、さらに、
複数の層と、
内側リングと、を含み、前記内側リングは、前記複数のガイドピンが当該内側リングと前記複数の層のうち1つの層との間に位置するように、前記複数の層のうちの前記1つの層の円周の内側に配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記真空コネクタは、角度カップリング上のニップルを含む、請求項
2に記載の装置。
【請求項8】
前記ベースユニットは、さらに、前記フレームの上面上に1つ以上のハンドルを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記切断ユニットは、さらに、
前記切断モータの下方のハンドルと、
切断動作を保護するために前記フレームの内側の円周を実質的にカバーするように構成された保護カバーと、
前記切断アームを保持するように構成されたカッターホルダと、を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記切断ユニットは、さらに、
前記切断モー
タを保持するように構成されたモータシャフトと、
前記切断アームの高さを調節するように構成された高さ調節リングと、
スプリットリングと、
前記軸バーが伸びるハブと、
上方離間ベアリングと、
軸ベアリングと、
下方離間ベアリングと、を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記切断アームは、さらに、
切断バーアームと、
前記切断バーアーム内の少なくとも1つの切断刃孔であって、前記少なくとも1つの切断刃に対応し、該少なくとも1つの切断刃を保持する少なくとも1つの切断刃孔と、を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記溶接ユニットは、さらに、
前記溶接回転モータを前記回転プラットフォームに取り付けるために構成された第1のヒンジと、
前記溶接回転モータを前記回転プラットフォームに取り付けるために構成されたトレイと、
前記溶接回転モータを前記回転プラットフォームに取り付けるために構成された第2のヒンジと、
前記溶接回転モータを保持するように構成されたモータマウントと、
前記モータマウントに取り付けられたロックブラケットと、
前記モータマウントに取り付けられたサイドブラケットと、を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の装置を操作する方法であって、該方法は、
金属シートの損傷領域のサイズに基づいて修理直径を決定することと、
前記損傷領域にわたって、前記金属シートの第1の表面に直接ベースユニットを取り付けることと、
前記ベースユニットに切断ユニットを取り付けることと、
前記切断ユニットによって、前記金属シートの前記損傷領域を切り取ることと、
前記金属シートから前記ベースユニットを取り外すことなく、前記ベースユニットから前記切断ユニットを取り外すことと、
前記ベースユニットが前記金属シートに取り付けられたままで、前記金属シートの損傷領域を取り除くことと、
前記ベースユニットが取り付けられた前記金属シートの前記第1の表面とは反対側の、前記金属シートの第2の表面に、バッキングサポートを取り付けることと、
交換ディスクの上面が前記金属シートの前記第1の表面と同一レベルとなるように、前記交換ディスクが前記バッキングサポートによってサポートされた状態で、前記交換ディスクを、前記損傷領域を取り外した後に前記金属シートに残る修理穴に配置することと、
溶接ユニットを前記ベースユニットに取り付けることと、
前記溶接ユニットによって、自動的に前記金属シートに前記交換ディスクを溶接することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記金属シートの損傷領域を取り除いた後であって、前記バッキングサポートを取り付ける前に、前記修理穴の内面を洗浄することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記修理穴の内面を洗浄することは、
バリを取り除くことと、
交換ディスクを受け取るための前記修理穴の内面をなめらかにすることと、を含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記交換ディスクを洗浄することをさらに含む、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記交換ディスクは、修理直径に対応するブランク直径にプリカットされている、請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記交換ディスクは、前記金属シートと同一材料を含む、請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記金属シートはスチール材を含む、請求項13から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記金属シートはスチールベルトである、請求項13から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記溶接することは、前記溶接ユニットの1回転で行われる、請求項13から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記溶接ユニットを取り外すことと、
前記金属シートから前記ベースユニットを取り外すことと、
前記バッキングサポートを取り外すことと、
前記金属シート上に平らな修理面を生成するために、溶接部の任意の隆起部分を研磨することと、をさらに含み、
前記バッキングサポートを取り外すことは、前記溶接ユニットを取り外すことおよび前記前記ベースユニットを取り外すことの前に、または、後に行われ、
前記溶接ユニットは、単独で、または、前記ベースユニットにまだ取り付けられた状態で取り外される、請求項13から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
溶接部をアニールすることをさらに含む、請求項13から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記ベースユニットは、該ベースユニット上の真空カップによって前記金属シートに取り付けられる、請求項13から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
請求項1から12のいずれか一項に記載の装置を操作する方法であって、
前記金属シートの損傷部分にわたって、前記金属シートの第1の表面に直接、前記ベースユニットを取り付けることと、
前記ベースユニットに前記切断ユニットを取り付けることと、
前記切断ユニットによって、前記金属シートの損傷部分を切り取ることと、
前記金属シートから前記ベースユニットを取り外すことなく、前記ベースユニットから前記切断ユニットを取り外すことと、
前記ベースユニットが前記金属シートに取り付けられたままで、前記金属シートの損傷部分を取り除くことと、
前記ベースユニットが取り付けられた前記金属シートの前記第1の表面とは反対側の、前記金属シートの第2の表面に、バッキングサポートを取り付けることと、
交換ディスクの上面が前記金属シートの前記第1の表面と同一レベルとなるように、前記交換ディスクがバッキングサポートでサポートされた状態で、前記交換ディスクを、損傷領域を取り外した後に前記金属シートに残る修理穴に配置することと、
前記溶接ユニットを前記ベースユニットに取り付けることと、
前記溶接ユニットによって、自動的に前記金属シートに前記交換ディスクを溶接することと、
前記ベースユニットから前記溶接ユニットを取り外すことと、
前記金属シートから前記ベースユニットを取り外すことと、
を含む、方法。
【請求項26】
請求項1から12のいずれか一項に記載の装置を操作する方法であって、該方法は、
損傷領域にわたって、金属シートの表面に直接ベースユニットを取り付けることと、
前記ベースユニットに切断ユニットを取り付けることと、
前記切断ユニットによって、前記金属シートの前記損傷領域を切り取ることと、
前記金属シートから前記ベースユニットを取り外すことなく、前記ベースユニットから前記切断ユニットを取り外すことと、
前記ベースユニットが前記金属シートに取り付けられたままで、前記金属シートの損傷領域を取り除くことと、
溶接ユニットを前記ベースユニットに取り付けることと、
前記溶接ユニットによって、自動的に前記金属シートに交換ディスクを溶接することと、
を含む、方法。
【請求項27】
前記切り取ること、前記取り外すこと、および溶接することは、前記金属シートの表面から前記ベースユニットを取り外すことなく完了する、請求項
26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、金属シートを修理する装置、および、金属シート、例えばスチールベルト内の金属シートを修理する装置を操作する方法に関する。また、本開示は、金属シートを修理する方法に関する。より詳細には、本開示は、金属、例えば、スチール、ベルトの損傷領域を取り除き、また、エッジ研磨を必要とせずに損傷領域を新しい金属片に置き換えることに関する。本開示は、さらに、新しい金属片の自動溶接操作に関する。損傷領域の除去、新しい金属片との交換、および溶接は、装置を移動または再配置することなく行われる。
【背景技術】
【0002】
次の説明では、特定の構造および/または方法が参照される。しかしながら、以下の参照は、これらの構造および/または方法が先行技術を構成することを認めるものとして解釈されるべきではない。出願人は、そのような構造および/または方法が本発明に対して従来技術として適格でないことを証明する権利を明示的に留保する。
【0003】
図1は、従来のスチールベルトの側面図である。
図1は、スチールベルト100を示し、これは、2つのエンドドラム120、130の周りにベルト形状に包まれたスチールシート110を含む。エンドドラム120、130は、エンドドラム120、130の周りにスチールシートを連続的に供給するために同期して回転し、コンベアベルトを提供する。このタイプのベルトは「エンドレスベルト」とも呼ばれる。スチールベルト100は、様々な製造プロセスで使用され、例えば、数メートル幅と数十メートルの長さに、非常に大きくすることができる。
【0004】
使用中に、スチールシート110に欠陥が生じ得る。例えば、ひび割れ、破損、または摩耗は、エンドドラム120、130の周りのスチールシート110の曲げを含む使用のストレスによって引き起こされ得る。これらの欠陥は、多くの場合、スチールシート110全体を取り外さずに修理する必要がある。スチールシート110の大きなサイズのため、それは非常に重く、取り外すのが面倒である。
【0005】
欠陥を修理する1つの方法は、欠陥の周りに穴を開け、その後、所定の場所に溶接された新しいスチール片に交換することである。従来、これは欠陥を含む特定のサイズの領域を切り取り、その後、切り取り領域を同じサイズの新しいスチール片に置き換えることによって行うことができる。
【0006】
しかしながら、従来の修理方法では、切り取りの大きさは一般に限られており、すなわち、約75cm2に制限されており、そのため、より大きな欠陥は、単一の切り取りでは修理できない。また、従来の修理方法では、損傷した領域の切断時にブレース(bracing)構造が使用され、溶接サポート構造を配置し、新しいピースを配置する前に、除去される必要がある。このことは、プロセスを複雑にし、欠陥や望ましくない結果をもたらす。その結果、従来の方法は、トーチランプを用いた手動溶接を必要とし、時間がかかる可能性がある。さらに、手動溶接は、スチールベルト100の上面からと、次いで下からの2度行わなければならない。
【発明の概要】
【0007】
従って、本開示は、従来の制限および欠点に起因する1つ以上の課題を実質的に排除する金属シート修理装置、および同装置の操作方法に向けられる。
【0008】
本開示の目的は、金属シートを支えるベースユニットが、金属シートを修理するための切断および溶接操作の全体を通じて、金属シートに連続的に接触したまま、および/または、連続的に取り付けられたままの状態とする手段を含む金属シート修理装置を提供することである。
【0009】
本開示の別の目的は、切り取る面積が従来の方法よりも大きい金属シート修理装置を提供することにある。
【0010】
本開示の別の目的は、交換金属ディスクを切り取り場所に自動的に溶接する金属シート修理装置を提供することにあり、その代替として、金属シート上の修理位置に関しての装置のいかなる移動または再配置なしに、交換金属ディスクを切り取り場所に自動的に溶接する金属シート修理装置を提供することにある。
【0011】
本開示の別の目的は、他方からの溶接を必要とせずに金属シートの片側のみから溶接を行う金属シート修理装置を提供することにある。
【0012】
追加の特徴および利点は、以下の説明に記載され、部分的には説明から明らかにされ、または、発明の実践によって知られてもよい。開示の目的およびその他の利点は、特に、書面による説明、および特許請求の範囲、および添付図面において指摘された構造によって、実現され、達成されるであろう。
【0013】
これらおよびその他の利点を達成するために、および、本開示の目的に従って、具現化され、広く説明されているように、ここでは以下の金属シート修理装置が提供される。その装置は、フレームと、フレームの底面に取り付けられた複数の取り付け機能部(attachment feature)と、フレームに取り付けられた複数のガイドピンと、を含むベースユニットと、金属シートの損傷部分を切り取るように構成された切断ユニットであって、軸バーと、切断ユニットに回転切断力を提供するためのモータと、モータと軸バーの下に位置し、少なくとも1つの切断刃を含む切断アームと、軸バー上に位置し、切断ユニットをベースユニットに取り外し可能に取り付けるための、複数のガイドピンにそれぞれ対応する複数の切断ユニットガイド孔と、を含む切断ユニットと、溶接ユニットをベースユニットに取り外し可能に取り付けるための、複数のガイドピンにそれぞれ対応する複数の溶接ユニットガイド孔、を含む固定プラットフォームと、固定プラットフォーム上のギヤリングと、ギヤリング上方の回転プラットフォームを回転するための溶接回転モータと、ギヤリングに接触するように構成されたドライブギヤであって、ギヤリング上方の回転プラットフォームを回転させるために溶接回転モータによって回転するようにさらに構成されているドライブギヤと、交換金属片を金属シートに自動的に溶接するように構成され、溶接を行うように構成されたトーチを含む溶接アセンブリと、を含む溶接ユニットと、を備える。
【0014】
別の態様では、金属シート修理装置の操作方法が提供され、その方法は、金属シートの損傷領域のサイズに基づいて修理直径を決定することと、損傷領域にわたって、金属シートの第1の表面に直接ベースユニットを取り付けることと、ベースユニットに切断ユニットを取り付けることと、切断ユニットによって、金属シートの損傷領域を切り取ることと、金属シートからベースユニットを取り外すことなく、ベースユニットから切断ユニットを取り外すことと、ベースユニットが金属シートに取り付けられたままで、金属シートの損傷領域を取り除くことと、ベースユニットが取り付けられた金属シートの第1の表面とは反対側の、金属シートの第2の表面に、バッキングサポートを取り付けることと、交換ディスクの上面が金属シートの第1の表面と同一レベルとなるように、交換ディスクがバッキングサポートによってサポートされた状態で、交換ディスクを、損傷領域を取り外した後に金属シートに残る修理穴に配置することと、溶接ユニットをベースユニットに取り付けることと、溶接ユニットによって、自動的に金属シートに交換ディスクを溶接することと、を含む。
【0015】
別の側面では、金属シート修理装置が提供され、その装置は、フレームと、フレームに取り付けられた少なくとも1つの取り付け機能部と、フレームに取り付けられた複数のガイドピンと、を含むベースユニットと、金属シートの損傷部分を切り取るように構成され、ベースユニットに取り外し可能な切断ユニットであって、少なくとも1つの切断刃を含む切断アームと、切断アームを操作するためのモータと、を含む切断ユニットと、ベースユニットに取り外し可能な溶接ユニットであって、固定プラットフォームと、固定プラットフォーム上で可動プラットフォームを移動するための溶接移動モータと、交換金属片を金属シートに自動的に溶接するように構成され、可動プラットフォームに取り付けられている溶接アセンブリと、を含む溶接ユニットと、を備える。
【0016】
別の態様では、金属シート修理装置の操作方法が提供され、その方法は、損傷領域にわたって、金属シートの表面に直接ベースユニットを取り付けることと、ベースユニットに切断ユニットを取り付けることと、切断ユニットによって、金属シートの損傷領域を切り取ることと、金属シートからベースユニットを取り外すことなく、ベースユニットから切断ユニットを取り外すことと、ベースユニットが金属シートに取り付けられたままで、金属シートの損傷領域を取り除くことと、溶接ユニットをベースユニットに取り付けることと、溶接ユニットによって、自動的に金属シートに交換ディスクを溶接することと、を含む。
【0017】
その他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図面および詳細な説明の検討の際に、当業者には明白であるか、または明白となるであろう。全てのそのような追加のシステム、方法、特徴、および利点は、本説明内、本開示の範囲内であり、以下の特許請求の範囲によって保護されることが、意図される。このセクションのいかなるものも、これらの特許請求の範囲の制限として考慮されるべきではない。さらなる側面および利点は、本開示の実施形態と共に以下で議論される。本開示の上記の一般的な説明、および、以下の詳細な説明の両方が、例と説明であり、特許請求の範囲の記載のように、開示のさらなる説明を提供することを意図したものであることが理解されるべきである。
【0018】
本発明のさらなる理解を提供するために含まれており、また、明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施を例示し、記述とともに、開示の本質の説明に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2A】本開示の実施例に係る金属シート修理装置のベースユニットの側面図である。
【
図3A】本開示の実施例に係る金属シート修理装置の切断ユニットの斜視図である。
【
図3C】切断ユニットの、
図3BのラインA-A’に沿った断面図である。
【
図3D】本開示の実施例に係る、
図2Aのベースユニットおよび
図3Aの切断ユニットを含む切断構成における、金属シート修理装置の断面図である。
【
図3F】
図3Bの切断ユニットに含まれる切断アームの側面図である。
【
図4A】本開示の実施例に係る金属シート修理装置の溶接ユニットの側面図である。
【
図4B】本開示の実施例に係る、
図2Aのベースユニットおよび
図4Aの溶接ユニットを含む溶接構成における、金属シート修理装置の側面図である。
【
図5】
図4Aの溶接ユニットに含まれる溶接アセンブリの斜視図を示す。
【
図6】
図5の溶接トーチアセンブリの動作を制御する溶接制御ユニットの側面図である。
【
図8】本開示の実施形態に係る金属シート修理装置例を操作する方法例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面と詳細な説明を通じて、特に記載されない限り、同一の図面参照番号は、同一の要素、特徴、および構造を参照することを理解されたい。これらの要素の相対的な大きさと描写は、明確さ、説明、および利便性のために誇張されることがある。
【0021】
以下の詳細な説明では、添付の図面が参照され、図面は、詳細な説明の一部を形成する。図面において、異なる図面における類似または同一の符号の使用は、文脈上他の指示がない限り、通常、類似または同一の物を示す。
【0022】
詳細な説明、図面、および特許請求の範囲において説明された例示的な実施形態は、限定することを意味していない。他の実施形態も利用され得、また、ここで提示される主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の変更が行われ得る。説明されているプロセスステップおよび/または工程の進行状況は、一例である。しかしながら、ステップおよび/または工程の順序は、本明細書に定めるものに限定されず、当該技術分野で知られているように、特定の順序で起こるステップおよび/または工程を除いて、変更され得る。
【0023】
当業者は、本明細書において説明されている構成要素(例えば、操作)、デバイス、対象物、および、それらに付随する議論が概念的な明確さのために例として使用され、様々な構成の変更が意図されることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用される場合、特定の例示および付随する議論は、より一般的なクラスの代表であることが意図されている。一般に、任意の特定の例示の使用は、そのクラスの代表であることが意図され、特定の構成要素(例えば、操作)、デバイス、および対象物を含まないことは、制限として取られるべきではない。
【0024】
本出願は、提示を明確にするために、形式的なアウトライン見出しを使用する。しかしながら、アウトラインの見出しは提示を目的としていること、および、本出願全体において様々な種類の主題について議論され得ること(例えば、デバイス/構造は、プロセス/工程の見出しの下で説明され得、および/または、プロセス/工程は、構造/プロセスの見出しの下で議論され得、および/または、単一のトピックの説明は、2つ以上のトピックの見出しに及び得る)が理解されるべきである。したがって、形式的なアウトラインの見出しの使用は、決して限定を意図しない。
【0025】
<装置の説明>
【0026】
図2Aは、本開示の実施例に係る金属シート修理装置のベースユニットの側面図である。
図2Bは、
図2Aのベースユニットの斜視図である。
図2Aおよび2Bを参照すると、ベースユニット200はフレーム210を含む。フレーム210は、例えば、円形状または環形状であってもよく、実施形態はこれらに限定されない。円形状または環形状は、他の機能部との干渉を最小限に抑えて装置の機能部を回転させることができる。円形状または環形状は、複数のオーバーレイパス(overlaying pass)によって、例えば、デカルト寸法よりも単純な半径寸法によって、切断の場所を決定および/または追跡するために使用され、操作することもできる。別の例として、円形状または環形状は、他の形状に必要な場合よりも簡単なエンジニアリング設計として回転モータを使用することを可能にする。円形状または環形状は、応力集中コーナーがないため、スチールベルトのより良い安定化を可能にする可能性があるため、結果は他の形状よりも改善される可能性がある。フレーム210の直径は、フレーム210内にあるべき修理領域の最大直径を定義する。実施形態では、最大修理直径は480mmであり得るが、より大きな最大修理直径が考えられる。修理直径は、例えば、損傷領域の大きさに基づいて、利用可能な修理材料などに基づいて、修理領域を最小化または縮小するために選択され得る。なお、最大径内では、より小さい直径の修理が行われ得る。たとえば、一部の修理直径は、210mm、300mm、400mm、480mmなどである。いくつかの実施形態では、フレーム210は、複数の層、例えば、層(211-216)を含み得る。層は、例えば、アルミニウム、およびユーザによる持ち運びを容易にするために、固体ワンピース(solid one-piece)構造のフレームよりも軽量であってもよい。層数は、図示の例に限定されない。フレーム210は、さらに、内側リング、例えばリング217を、1つ以上の層の円周の内側に含んでもよい。ベースユニット200は、使用のために、切断ユニット(例えば、以下の
図3Aの切断ユニット300)と溶接ユニット(例えば、以下の
図4Aの溶接ユニット400)とを、ベースユニット210の上方の位置に導くための複数のガイドピン220を含んでいてもよい。ガイドピン220は、いずれかの層(211-216)と内側リング217との間に配置されてもよい。層は、また、本明細書に記載されている装置の様々な他の機能部、例えば、取り付け機能部を収容するための切り抜き、様々な相互接続ファスナー、および/または、電源、真空、および制御機能部のためのコンジット、並びに、重量を考慮するための領域の削除、に適応させるために、サイズ化され、および/または、形成されてもよい。
【0027】
なお、本明細書で説明する実施形態の例では円形の修理領域について議論するが、正方形、長方形、三角形、八角形、正多角形、不規則な多角形、自由形状等の他の形状を使用することが可能であることに留意すべきである。修理領域、修理領域の形状、切断形状、溶接パターンに他の形状を使用する場合、当業者には理解されるように、例えば、装置および/または修理領域の形状に対して、適切に調節される。
【0028】
ベースユニット200は、複数の取り付け機能部を含む。取り付け機能部は、スチールベルト110にベースユニットを固定する。取り付け機能部の例としては、真空カップ230が挙げられる。
図2Bに示される例では、8個の真空カップ230が示されている。しかしながら、実施形態はこれらに限定されない。例えば、磁気または接着剤を用いた取り付け機能部などの異なるタイプの取り付け機能部を利用したり、そのような機能部を組み合わせることができる。さらに、取り付け機能部の数は、本明細書で議論される方法で装置を安全に配置するために、例えば、金属シートを修理するための切断および溶接工程を通じて連続的に、反りを低減または最小化するために、金属シートが安定したフラットな構成となり、さらに、修理が完了したときに装置を取り外すことができるように、必要に応じて変化し得る。言い換えれば、操作中において、ベースユニットのフレームが、損傷部の切断および交換部の溶接の間において金属シートに連続的に取り付けられ、それは、安定かつ繰り返し可能な、装置の操作のための基準フレーム(frame of reference)を提供する。関連技術では、溶接用の設置のために切断後にベースを取り外すと、下に位置する金属シートの一部の動きが原因で交換片のフィット性が悪くなり、最終的な修理表面は、実施形態による修理表面よりも平面性が低くなる場合がある。さらに、繰り返し可能な基準フレームによって、溶接位置を切断位置に基づいて自動的に決定できるため、自動溶接を、ずれなしで行うことができる。
【0029】
取り付け機能部が真空カップを含む例では、真空カップ230は、真空圧(または吸引)によって金属シートに貼り付けられ、金属シートを修理するための切断および溶接工程を通して連続的に所定の場所に残る。真空カップ230をベースユニット200の周囲にリング形状に使用することは、金属シートの反りを低減または最小化するために、金属シートを安定した平坦な構成で維持する。真空ユニット(図示せず)は、角度カップリング(angular coupling)245上のニップル240によってベースユニット200に取り付けられてもよい。また、真空ユニットは、例えば空気を圧縮することによって真空圧を提供してもよい。真空圧は、最小値6バールまたは600リットル/分であってもよいが、実施形態はこれらに限定されない。例えば、真空カップ230は、異なる真空圧、例えば、より少ない真空圧を必要としてもよい。ベースユニット200は、装置の操作前後にベースユニット200を位置決め、および移動するための1つまたは複数のハンドル250をさらに含んでもよい。金属シートは、例えば、スチールであってもよく、また上述したスチールベルトの一部であってもよい。しかしながら、実施形態はこれらに限定されない。
【0030】
図3A~3Fは、切断ユニット300の実施形態例の概略図である。
図3Aは、本開示の実施形態に係る金属シート修理装置の切断ユニットの斜視図である。
図3Bは、
図3Aの切断ユニットの側面図である。
図3Cは、
図3BのラインA-A’に沿った切断ユニットの断面図である。
図3Dは、本開示の実施形態による、
図2Aのベースユニットおよび
図3Aの切断ユニットを含む切断構成における、金属シート修理装置の断面図である。
図3Eは、
図3Dの切断構成における装置の斜視図である。
図3Fは、
図3Bの切断ユニットに含まれる切断アームの側面図である。
【0031】
図3Aから
図3Fを参照すると、図示された切断ユニット300は、ユーザが切断ユニット300を移動または回転するためのハンドル305、切断ユニット300に対する回転切断力を提供するための、ハンドル305の上方の切断モータユニット310、軸バー320、保護カバー325、カッターホルダ330、および、カッターホルダ330によって保持される切断アーム350を含む。軸バー320は、少なくとも2本の腕を含む。
図3Aの例には4本の腕が示されているが、実施形態はこれらに限定されない。軸バー320の各腕は、それぞれの切断ユニットガイド孔321を含んでいてもよい。切断ユニットガイド孔321は、
図3Dに示すように、使用のためにベースユニット200の上方に切断ユニット300を安定かつ安全に配置するために、ガイドピン(例えば、上記
図2Bのガイドピン220)に対応し、配置されてもよい。例えば、各切断ユニットガイド孔321は、切断ユニットがベースユニット200の上方に配置される場合に、切断ユニット200に横方向の安定性を提供するために、それぞれのガイドピン220の上方をスライドしてガイドピン220を囲むようにしてもよい。
図3Dに示すように、切断ユニット300がベースユニット200の上方に固定された場合、切断アーム350はフレーム210の円周内に配置される。
【0032】
切断ユニット300がベースユニット200の上方に固定されると、保護カバー325は、実質的に開口部を覆う、例えば、開口部の少なくとも90%を覆い、開口部を完全に覆わない場合であっても、例えば開口部の100%を覆わない場合であっても、例えば、切断工程を保護し、および、フレーム210の外に出る、金属シートからの、例えば金属削り出し片の量を減らすために、フレーム210の内周を覆う。保護カバー325は、例えば、通気または可視性のためのスロットまたは穴を含み得る。保護カバー325は、切断ユニットガイド孔321によって定義される円周の内側に収まってもよい。しかしながら、保護カバー325が切断ユニットガイド孔321によって定義された円周の内側に収まらない場合は、保護カバー325はフレーム210の上面上に配置される。切断ユニット300がベースユニット200の上方に固定されている場合、保護カバー325は、フレーム210の上端の下に、全体的または部分的に凹んでいるか、又は、フレーム210の上端に、もしくは上端よりも上に位置していてもよい。しかしながら、保護カバー325は切断工程を妨げてはならない。
【0033】
切断ユニット300は、さらに、切断モータユニット310を保持するためのモータシャフト340、切断アーム350の高さを調節するための高さ調節リング341、スプリットリング342、および、軸バー320が延びるハブ343、上方離間(upper distance)ベアリング344、軸(axial)ベアリング345、および下方離間(lower distance)ベアリング346を含んでもよい。金属シートを切断するために、1つ以上の切断刃351が切断アーム350に取り付けられてもよい。
【0034】
図3Fの例に示すように、切断アーム350は、1つ以上の切断刃351を含んでいてもよい。2枚の切断刃が
図3Fに例示されているが、実施形態はこれらに限定されない。切断刃351は、例えば、カーバイドカッターであってもよく、実施形態はこれらに限定されない。ディスク355を切断するために各切断刃351が配置された各切断刃孔353を含む切断バーアーム352に、切断刃351が配置されてもよい。
図3Fにおいて、その中に配置された切断刃351を有する切断刃孔354が、シェーディングされている。切断バーアーム352は、カッターホルダ330から様々な距離において複数の切断刃孔353を含んでいてもよい。カッターホルダ330からの切断刃351の距離は、金属シートから切断され、交換されるディスク355の修理直径を定義する。切断刃351は、切断する所望の直径に応じて異なる切断刃孔353に配置することができる。切断アーム350は取り外し可能であってもよく、異なる切断アーム350は、異なる修理直径に対して異なる距離に孔を有し得る。切断モータ310は、例えば圧縮空気によって駆動され得、切断刃351が金属シートを切断するように切断アーム350を回転させて、金属シートから取り外すことができるディスク355を作成することができる。金属シートを切断するために、切断アームは、切断刃351の各回転を下げて、複数回回転させてもよい。一実施形態では、切断刃351は、切断アーム350の両端に配置されてもよく、それによって、一様な下向きの圧力が、一様な円形の切断を提供でき、切り抜き穴の内面の反りを防止し得る。
【0035】
図4Aは、本開示の実施形態に係る金属シート修理装置の溶接ユニットの側面図である。
図4Bは、本開示の実施形態に係る、
図2Aのベースユニットおよび
図4Aの溶接ユニットを含む溶接構成における、金属シート修理装置の側面図である。
図4Cは、
図4Bの溶接構成における装置の上面図である。
図4Dは、
図4Aの溶接ユニットの斜視図である。
【0036】
図4A-4Dを参照すると、図示された溶接ユニット400は、回転プラットフォーム410を回転させる溶接回転モータ405を含み、回転プラットフォーム410はギヤリング415上に配置されてもよい。溶接ユニット400は、さらに、ヒンジ420、トレイ425、固定ヒンジ430、ギヤリング415に接触するドライブギヤ435、溶接回転モータ405を保持するモータマウント440、ロックブラケット445、およびサイドブラケット450を含んでもよい。溶接回転モータ405は、ギヤ歯を有するドライブギヤ435を回転させてもよい。そのギヤ歯は、ギヤリング415上で回転プラットフォーム410を回転させるために、ギヤリング415上の対応するギヤ歯と組み合う。
【0037】
溶接アセンブリ500は、回転プラットフォーム410に取り付けられてもよいし、また、実施形態はこれらに限定されないが、例えば、溶接回転モータ405の真正面に配置されてもよい。溶接アセンブリ500は、ワイヤフィード460から溶接ワイヤを受け取ってもよい。ワイヤフィード460は、溶接ワイヤのスプール(図示せず)を保持するスプールホルダ461、および、スプールホルダ461を支持するスプールアーム462を含んでもよい。溶接アセンブリは、溶接制御ユニット600によって制御されてもよい。なお、溶接制御ユニット600の位置および向きは、図面中の構成に限定されない。ワイヤフィードおよび溶接速度は、溶接制御ユニット600によって自動的に制御されてもよい。トーチ510の位置、およびワイヤの位置は手動で調節されてもよい。
【0038】
溶接回転モータ405および溶接アセンブリ500は、電力ユニット470から電力を受け取ってもよい。電力ユニット470は、例えば、壁コンセント、ポータブル発電機、電池等のエネルギー源から、例えば、0~220V交流(AC)の電気を受け取ってもよく、また、溶接回転モータ405および溶接アセンブリ500に電力を供給するために、例えば直流(DC)の電流駆動を提供する。一例では、DC電源は36Vであってもよい。実施形態は、これらの例の電気値に限定されない。
【0039】
溶接ユニット400は、ギヤリング415が取り付けられている固定プラットフォーム475を含んでもよい。固定プラットフォーム475は、溶接ユニットガイド孔480を含んでもよい。溶接ユニットガイド孔480は、使用されるベースユニット400の上方に溶接ユニット400を安定かつ安全に配置するために、
図4Cに示されるように、ガイドピンに対応して、ガイドピン(例えば、上記
図2Bのガイドピン220)に配置されてもよい。例えば、各溶接ユニットガイド孔480は、溶接ユニット400がベースユニット200の上方に配置される場合に、溶接ユニット400に横方向の安定性を提供するために、それぞれのガイドピン220の上方をスライドしてガイドピン220を囲むようにしてもよい。
【0040】
図5は、
図4Aの溶接ユニットに含まれる溶接アセンブリの斜視図を示す。
図5を参照すると、部分(a)、(b)、および(c)は、溶接アセンブリ500の異なる斜視図を示す。図示された溶接アセンブリ500は、トーチ510(
図4A参照)およびワイヤ位置の手動調節のための調節ノブ520、530を含む。
図5において、円形矢印は、調節ノブ520、530の動作に対する時計回りの回転を示すが、実施形態はこれらに限定されない。
図5の直線矢印は、それぞれの調節ノブ520、530の調節に基づいて生じる、トーチ510に対して利用可能な移動方向を示す。部分(c)は、ブロック550に関連するクランピングを調節するためのロックレバー540を示す。
【0041】
図6は、
図5の溶接トーチアセンブリの動作を制御する溶接制御ユニットの側面図である。
図6を参照すると、図示された溶接制御ユニット600は、ハウジング610、非常停止制御部620、ワイヤ速度制御部630、溶接アセンブリ回転速度制御部640、溶接ワイヤの供給および方向(例えば、イン、停止、およびアウト)を制御するための第1のスイッチ650、および、溶接アセンブリ500の移動の方向(例えば、時計回り、停止、および反時計回り)を制御するための第2のスイッチ660を含む。第1のスイッチ650および第2のスイッチ660は、それぞれ3方向スイッチであってもよい。溶接制御ユニット600は、接続部670を介して溶接アセンブリ500に電気的に接続されてもよい。溶接制御ユニット600の実施形態は、これらの制御機能部に限定されない。
【0042】
図7は、
図6の溶接制御ユニット用の配線図である。
図7を参照すると、非常停止部620は、電源からの電力が溶接アセンブリ500に到達するのを直ちに停止するために電源710に電気的に接続されていてもよい。電源710は、
図4Aの電力ユニット470であってもよく、別個のユニットであってもよい。速度制御部630は、例えば、溶接アセンブリ500に対して速度制御を提供するためのポテンショメータであってもよい。第2のスイッチ660は、溶接アセンブリ500の電源オフ、溶接アセンブリ500の前方スタート移動(例えば、時計回り)、および逆方向移動(例えば、反時計回り)を切り替える3方向スイッチであってもよい。溶接アセンブリ500は、電源710から電力(例えば、DC36V)が供給される溶接モータ720を含んでもよい。溶接モータ720は、接触部730を介して電源710に電気的に接続されてもよい。接触部730は、接続パネル750に対応する、ケーブル740を介した電気的接続部を有していてもよい。いくつかの例の接続は、
図7の凡例に示されている。溶接制御ユニット600の配線の実施形態は、例示された構成に限定されない。
【0043】
<操作の説明>
【0044】
図8は、本開示の実施形態に係る金属シート修理装置を操作する方法を示すフローチャートである。
図8を参照すると、方法800は、金属シートに対する、例えば、スチールベルト上に対する損傷を発見すること、および、損傷が起きた領域と少なくとも同じ大きさの修理直径を決定する(または選択する)こと(工程810)を含む。ベースユニット、例えば、
図2Aのベースユニット200が、例えば1つ以上の取り付け機能部、例えば、
図2Aの真空カップ230によって金属シートに取り付けてられてもよい(工程815)。ベースユニットは、金属シートの片側の損傷領域に取り付けられてもよい。切断ユニット、例えば、
図3Aの切断ユニット300が、ベースユニットに取り付けてられてもよい。選択された直径に対応するディスクが、損傷領域が切り取り内にあるように金属シートから切り取られてもよい(工程825)。その後、切断ユニットは、ベースユニットから取り外されてもよい(工程830)。
【0045】
切断ユニットをベースユニットから取り外した後、真空カップによってベースユニットが金属シートに取り付けられたままの状態で、損傷したディスクを取り外してもよい(工程835)。交換ディスクを受け取るために、切断工程によって形成される金属シートの穴の表面を洗浄してもよく、例えば、バリを除去してもよいし、穴の内面をなめらかにしてもよい(工程840)。
【0046】
交換ディスクは、以前になされていない場合はクリーニングすることもできる。交換ディスクは、修理直径に対応する特定の直径に、例えばプリカットブランク(precut blank)として、プリカットされてもよいし、または、修理時に作製されてもよい。交換ディスクは、金属シートと同じ材料であってもよい。
【0047】
次に、バッキングサポート(図示せず)を、ベースユニットと反対側の金属シートの表面(例えば底面)に取り付けてもよいし(工程845)、また、交換ディスクの上面が金属シートの表面と同一レベルとなるように、交換ディスクが穴に入れられ、バッキングサポートによって支持されるようにしてもよい(工程850)。
【0048】
続いて、溶接ユニット、例えば、
図4Aの溶接ユニット400を、ベースユニットに取り付けてもよい(工程855)。溶接ユニットは、その後、自動的に金属シートに交換ディスクを溶接することができる(工程860)。一実施形態では、溶接は、1回転で行うことができる。溶接工程は、各側面から1回ずつの2回行われた従来の技術とは対照的に、金属シートの片側から1回だけ行う必要がある。加えて、本開示の自動溶接は、従来技術の手動溶接よりも時間がかからない。
【0049】
溶接が完了した後、溶接ユニットをベースユニットから取り外してもよい(工程865)。この段階で、ベースユニットおよびバッキングサポートも取り外されてもよい。溶接ユニットがベースユニットに取り付けられている間に、ベースユニットを取り外してもよい。任意には、溶接部を強化するためにアニーリング処理を行ってもよい(工程870)。最後に、修理された金属シート上に平坦な表面を形成するために、溶接部の任意の隆起部分の研磨を行ってもよい(工程875)。
【0050】
本発明は、その実施形態に関連して記載されているが、特に説明されていない追加、削除、修正、および置換が、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく行われ得ることは、当業者によって理解されよう。
【0051】
本明細書において実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切となるように、複数形から単数形、および/または、単数形から複数形に言い換えることができる。本明細書において、様々な単数形/複数形の置換は、明確化のために明示的に記載されていない。
【0052】
本明細書で説明されている主題は、異なる他の構成要素(component)内に含まれる、または、異なる他の構成要素に接続される、異なる構成要素を示す場合がある。このように示されたアーキテクチャは単なる例示であり、実際には、同じ機能性を実現する他の多くのアーキテクチャが実装され得ることが理解されるべきである。概念的な意味では、同じ機能性を実現するための構成要素の任意の配置は、所望の機能性が達成されるように効果的に「関連付けされている」。したがって、特定の機能性を達成するために、本明細書において組み合わされた任意の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは中間の構成要素に関係なく、所望の機能性が達成されるように互いに「関連付けられる」と見なすことができる。同様に、関連付けられた任意の2つの構成要素は、所望の機能性を実現するために互いに「操作可能に接続されている」、または「操作可能に結合されている」と見なすこともでき、また、そのように関連付けることができる2つの任意の構成要素は、所望の機能性を実現するために互いに「操作可能に結合可能である」と見なすことができる。操作可能な結合可能である特定の例は、限定されないが、物理的に接合可能な、および/または、物理的に相互作用する構成要素、ならびに/もしくは、ワイヤレスで相互作用可能な、および/または、ワイヤレスで相互作用する構成要素、ならびに/もしくは、論理的に相互作用する、および/または、論理的に相互作用する構成要素を、含む。
【0053】
場合によっては、1つ以上の構成要素は、「何々するように構成される」、「によって構成されている」、「何々するように操作可能な/動作する」、「に適合されている/に適合可能である」、「何々することができる」、「何々するように一致可能である/一致させられている」と、言及され得る。そのような用語(例えば、「何々するように構成される」)は、文脈上他の指示がない限り、一般的に、アクティブ状態の構成要素、および/または、非アクティブ状態の構成要素、および/または、スタンバイ状態の構成要素を含むことが可能であるということを、当業者は認識するであろう。
【0054】
本明細書で説明されている本主題の特定の側面が示され説明されたが、本明細書の教示に基づいて、本明細書で説明されている主題およびそのより広範な側面から逸脱することなく、変形および修正が行われ得、したがって、添付の特許請求の範囲は、全てそのような変形および修正を、本明細書で説明されている主題の真の趣旨および範囲の中にあるものとして、その範囲内に包含すべきであることは、当業者には明らかであろう。一般に、本明細書で使用される用語、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の主要部)において使用されている用語は、一般的に「オープン」な用語として意図されている(例えば、用語「含んでいる(including)」は「含むがそれに限定されない」と解釈されるべきであり、用語「有する」は「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は「含むがそれに限定されない」と解釈されるべきである、等)ということは、当業者によって理解されよう。
特定の数が導入される請求項記載(claim recitation)が意図されている場合、そのような意図は、請求項の中において明示的に記載され、そのような記載がない場合には、そのような意図が存在しないということは、当業者によってさらに理解されよう。例えば、理解を助ける一例を挙げると、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項記載を導入するために、導入句「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」の使用を含んでもよい。しかしながら、そのような句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項記載の導入が、そのような導入された請求項記載を含む任意の特定の請求項を、1つのそのような記載だけを含む請求項に限定することを暗示するものではない。たとえ、同じ請求項に導入句「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」、および、「a」または「an」のような不定冠詞(例えば、「a」および/または「an」は、典型的には、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合でも、そのように解釈されるべきではない。請求項記載を導入するために使用される定冠詞の使用に関しても、同じことが当てはまる。それに加えて、導入された請求項記載の特定の数が明示的に記載されていたとしても、そのような記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するように解釈されるべきである(例えば、他の修飾子なしで「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、典型的には、「少なくとも2つ」の記載、または「2つ以上」の記載を意味する)ということを当業者は認識するであろう。さらに、「A、B、およびC等のうちの少なくとも1つ」に類似した従来用法が使用される場合には、一般的に、そのような構造は、当業者がその用法を理解する意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aだけを有するシステム、Bだけを有するシステム、Cだけを有するシステム、AおよびBを共に有するシステム、AおよびCを共に有するシステム、BおよびCを共に有するシステム、並びに/または、A、B、およびCを共に有するシステム等を含むことになるが、それに限定されない)。「A、B、またはC等のうちの少なくとも1つ」に類似した従来用法が使用される場合には、一般的に、そのような構造は、当業者がその用法を理解する意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aだけを有するシステム、Bだけを有するシステム、Cだけを有するシステム、AおよびBを共に有するシステム、AおよびCを共に有するシステム、BおよびCを共に有するシステム、並びに/または、A、B、およびCを共に有するシステム等を含むことになるが、それに限定されない)。典型的には、2つ以上の代替的な用語を提示する離接語および/または離接句は、明細書、特許請求の範囲、または図面のいずれの中において、文脈上他の指示がない限り、この用語のうちの1つを含む可能性、この用語のうちのいずれかを含む可能性、両方の用語を含む可能性、を意図することを理解されるべきであるということを、当業者によってさらに理解されよう。例えば、「AまたはB」という語句は、典型的には、「A」である可能性、または、「B」である可能性、または「AおよびB」である可能性を含むことが理解されよう。
【0055】
添付の特許請求の範囲に関しては、当業者は、その中で記載された工程が一般的に任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な工程のフローが所定の順番に提示されているが、様々な工程は、例示されているもの以外の順序で実施されてもよく、または、同時に実施されてもよいことを理解すべきである。このような代替な順序の例としては、文脈上他の指示がない限り、重複する、交互的な、割り込んだ、再順序の、漸次的な、準備的な、付加的な、同時的な、逆の、または、その他の変形の、順序が挙げられる。さらに、「に応答して」、「に関連して」等の用語、または、他の過去形容詞は、文脈上他の指示がない限り、一般的に、そのような変形を除外することは意図されていない。
【0056】
上述の特定の例示的なプロセスおよび/またはデバイスおよび/または技術が、本明細書のどこかで、例えば、本明細書ともに出願された特許請求の範囲で、および/または、本出願のどこか等で教示されている、より一般的なプロセスおよび/またはデバイスおよび/または技術を代表していることを、当業者は理解するであろう。
【0057】
本明細書において種々な態様および実施形態が開示されているが、他の態様および実施形態が、当業者には明らかであろう。本明細書に開示される種々な態様および実施形態は、例示の目的のものであり、限定することを意図せず、真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲において示されている。