(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/289 20210101AFI20221114BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20221114BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01M50/291
(21)【出願番号】P 2020518509
(86)(22)【出願日】2020-03-16
(86)【国際出願番号】 CN2020079532
(87)【国際公開番号】W WO2021056983
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2020-09-16
(31)【優先権主張番号】201910933711.7
(32)【優先日】2019-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921648504.9
(32)【優先日】2019-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514257398
【氏名又は名称】東莞新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】DONGGUAN AMPEREX TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】No.1 Industrial West Road,Songshan Lake High-tech Industrial Development Zone, Dongguan City, Guangdong Province, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】邵 ▲長▼健
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲錦▼兵
【審査官】渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/142645(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/145917(WO,A1)
【文献】中国実用新案第207925540(CN,U)
【文献】中国実用新案第208690361(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層設置されている複数のコア(1)と、
少なくとも2つの前記コア(1)の間に設置され、弾性変形可能で
ある少なくとも1つの緩衝材(2)と、を含
み、
前記緩衝材(2)の両側は、それぞれ第一の数の前記コア(1)及び第二の数の前記コア(1)を有し、第一の数は、第二の数以上であり、第一の数は、Nであり、前記緩衝材(2)の厚さは、前記コア(1)の厚さのN*(0.12~0.18)倍であり、
前記コア(1)と前記緩衝材(2)は、何れも平板状構造を有し、前記緩衝材(2)の長さは、前記コア(1)の長さの0.9~1.05倍であり、
前記緩衝材(2)の幅は、前記コア(1)の幅の0.9~1.05倍であり、
前記緩衝材(2)の厚さ、長さ及び幅を上記範囲に設定することにより、前記緩衝材(2)は、0%~85%のひずみ区間範囲内において変形する際に前記コア(1)に0~1Mpaの作用力を提供することを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
前記緩衝材(2)は、10%~70%のひずみ区間範囲内において変形する際に、0~0.5Mpaの作用力を提供することを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記緩衝材は、70%~80%のひずみ区間範囲内において変形する際に、0.5~0.8Mpaの作用力を提供することを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記緩衝材(2)の厚さは、前記コア(1)の厚さのN*(0.14~0.16)倍であることを特徴とする請求項
1に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記複数のコア(1)の中のそれぞれの隣り合うコア(1)の間には、何れも前記緩衝材(2)が設置されており、前記緩衝材(2)の厚さは、前記コア(1)の厚さの0.14~0.16倍であることを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記緩衝材(2)の厚さは、前記コア(1)の厚さの0.15倍であることを特徴とする請求項
1に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記緩衝材(2)の長さは、前記コア(1)の長さの0.95~1.0倍であることを特徴とする請求項
1に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記緩衝材(2)の幅は、前記コア(1)の幅の0.95~1.0倍であることを特徴とする請求項
1に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記コア(1)が膨張する際に、前記緩衝材(2)は、膨張空間を提供し、前記コア(1)が収縮する際に、前記緩衝材(2)は、復元することを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、エネルギー貯蔵装置に関し、特に、充電可能な電池モジュールを有する電池に関し、例えば、電動自転車、電動自動車等の電動交通手段に用いられる電池モジュールである。
【背景技術】
【0002】
省エネルギーと環境保護におけるニーズが益々増加することに従って、電動自転車、電動自動車等のような電動交通手段が益々広く使われている。このような電動交通手段にとっては、電池は、動力源として全局面を左右する作用及び意義を有し、この種類の電動交通の製造コスト、使用寿命等に直接に関係する。従来技術においては、電池は、寿命が十分に長くなく、容量が充電する回数の増加に伴って急激に降下する等の問題がある。
【0003】
具体的には、現在の電動交通手段(例えば、電動二輪車、三輪車、電動自動車等)は、通常、ソフトパッケージリチウム電池を用いている。しかしながら、従来技術におけるソフトパッケージリチウム電池は、幾つかの不備がある。例えば、充放電サイクルの過程においては、負極材料のリチウム嵌め込み(リチウム挿入)により、コアが膨張し、又は、コア板が変形し、コアの厚さが厚くなることを招いてしまうので、電池の容量が迅速に減衰し、電池全体のサイクル寿命が短縮されてしまう。コアが膨張することにより、厚さが厚くなるという問題を解決するために、現在は、一般的には、コアとコアの間に隙間を予め残すような配置方法が用いられている。しかし、このような構造では、他の問題が生じてしまう。例えば、コアとコアの間に圧力がないので、電池モジュール全体の構造が比較的に緩んでおり、使用過程においては、コアが自在に膨張できることで、同様にコアのサイクル寿命が短縮されてしまうことを招いてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の目的は、従来技術における上述した技術問題の少なくとも1つを解決する。よって、本願は、充電されていない際には、コアが既に一定の圧力を受けるようにさせられるので、電池モジュール全体の構造がコンパクトであり、圧着状態になっているが、充電されている際には、コアのある程度の膨張が許され、さらに放電が進行することに伴ってコアが絶えずに収縮する過程においては、コアが相変わらず一定の圧力を受けるようにさせられることによって、圧着状態がそのまま保てることができる電池モジュールを提供する。このような方法により、電池モジュール全体のサイクル寿命が顕著に長くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の幾つかの実施例は、順に積層設置されている複数のコアと、複数の前記コアの中の少なくとも2つの間に設置されている少なくとも1つの緩衝材とを含む電池モジュールを提供する。前記緩衝材は、弾性変形ができ、前記コアが膨張する際に、前記緩衝材は、膨張空間を提供し、前記コアが収縮する際に、前記緩衝材は、復元する。当然ながら、復元は、必ずしも100%の復元ではなく、即ち、初期状態に完全に復元していない可能性がある。復元過程においては、前記緩衝材は、一般的には、隣り合う前記コアとぴったり密着する。なお、前記緩衝材の厚さ、長さ及び幅の中の少なくとも1つは、前記コアの厚さ、長さ又は幅の中の対応する1つと関連する。前記緩衝材は、0%~85%のひずみ区間範囲内において変形する際、(例えば、隣り合う前記コアに対して)0~1Mpaの作用力を提供する。これは、前記緩衝材の性能パラメータにより決められても良く、前記緩衝材の性能パラメータ及び前記緩衝材のサイズ(例えば、厚さ)により共同で決められても良い。
【0006】
具体的には、前記緩衝材の厚さ、長さ及び幅の中の少なくとも1つは、前記コアの厚さ、長さ又は幅の中の対応する1つと関連する。前記緩衝材は、10%~70%のひずみ区間範囲内において変形する際、(例えば、隣り合う前記コアに対して)0~0.5Mpaの作用力を提供する。前記緩衝材は、70%~80%のひずみ区間範囲内において変形する際、(例えば、隣り合う前記コアに対して)0.5~0.8Mpaの作用力を提供する。
【0007】
本願の1つの実施形態により、前記緩衝材の両側は、それぞれ第一の数の前記コア及び第二の数の前記コアを有し、なお、第一の数は、第二の数以上であり、第一の数は、Nであり、前記緩衝材の厚さは、前記コアの厚さのN*(0.12~0.18)倍である。前記緩衝材の厚さは、前記コアの厚さのN*(0.14~0.16)倍であることが好ましい。
【0008】
幾つかの実施形態においては、前記複数のコアの中のそれぞれの隣り合うコアの間には、何れも前記緩衝材が設置されており、前記緩衝材の厚さは、前記コアの厚さの0.14~0.16倍である。例えば、前記緩衝材の厚さは、約前記コアの厚さの0.15倍である。
【0009】
本願のもう1つの実施形態においては、前記複数のコアの中のそれぞれの2つのコアと隣り合う2つのコアの間には、前記緩衝材が設置されており、前記緩衝材の厚さは、前記コアの厚さの0.28~0.32倍である。例えば、前記緩衝材の厚さは、約前記コアの厚さの0.3倍である。
【0010】
通常、前記緩衝材は、ポリプロピレン、ポリエチレン又はEVA発泡プラスチックを含む。
【0011】
本願の1つの実施形態により、前記コアと前記緩衝材は、何れも平板状構造を有し、前記緩衝材の長さは、前記コアの長さの0.9~1.05倍である。前記緩衝材の長さは、前記コアの長さの0.95~1.0倍であることが好ましい。
【0012】
本願の1つの実施形態により、前記コアと前記緩衝材は、何れも平板状構造を有し、前記緩衝材の幅は、前記コアの幅の0.9~1.05倍である。前記緩衝材の幅は、前記コアの幅の0.95~1.0倍であることが好ましい。
【0013】
本願の幾つかの実施形態により、当該電池モジュールは、前記コアを支持するために用いられるコアブラケットを更に含み、前記コアブラケットは、前記コアの周辺を覆うことでコアが露出することを防ぐように、枠構造を有する。
【0014】
本願の幾つかの実施形態により、当該電池モジュールは、対向して設置する第一の端板及び第二の端板を更に含み、なお、各前記コア、前記緩衝材及び前記コアブラケットは、前記第一の端板と前記第二の端板の間に位置し、両者に挟まれている。
【0015】
本願の幾つかの実施形態により、当該電池モジュールは、前記コア、前記緩衝材及び前記コアブラケットを前記第一の端板と前記第二の端板の間に固定するために用いられる固定材を更に含む。例えば、前記固定材は、リング状の束ね材であっても良く、スチールベルトにより作られても良い。
【0016】
本願の幾つかの実施形態により、当該電池モジュールは、前記第一の端板と隣り合う前記コアブラケットの間に設置されている、弾性変形可能な間層を含む。
【0017】
本願の幾つかの実施形態により、当該電池モジュールは、前記第二の端板と隣り合う前記コアブラケットの間に設置されている、弾性変形可能な間層を含む。
【0018】
本願の電池モジュールにより、コアとコアの間には、弾性変形可能な緩衝材(通常、発泡プラスチックである)が設置されており、緩衝材のサイズは、コアのサイズ(即ち、厚さ、長さ及び幅の中の少なくとも1つ)と関連し、即ち、緩衝材のサイズは、コアのサイズととても良い比例関係を有するので、電池モジュールが充電され、コアが膨張する過程においては、緩衝材は、一定のひずみ区間範囲内(例えば、0%~85%)において変形するが、当該期間中、コアに一定(例えば、0~1Mpa)の作用力を絶え間なく提供する。よって、緩衝材は、コアに緩衝を有効的に提供するだけではなく、同時に当該コアに適切な圧力を提供する。放電過程においては、コアの収縮に伴い、緩衝材は、弾力性により復元し、依然としてコアに一定の圧力を提供することができるので、コアが圧着された状態をそのまま保つことができる。このような方法により、コア乃至電池モジュール全体のサイクル寿命が顕著に延びるようにさせる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本願の具体的な実施形態及び優れた技術効果を分かりやすく説明するために、以下、図面を参照しながら、本願の実施例を詳しく記述する。
【
図1】本願による電池モジュールの1つの実施例の全体構造の模式図である。
【
図2】本願による、
図1に示される電池モジュールの分解模式図である。
【
図3】本願による電池モジュールの一種類のサブモジュールの実施例の分解模式図である。
【
図4】本願による電池モジュールのもう一種類のサブモジュールの実施例の分解模式図である。
【
図5】本願による電池モジュールの更にもう一種類のサブモジュールの実施例の分解模式図である。
【
図6】本願による電池モジュールの中の緩衝材のひずみ範囲と生じた圧力(即ち、(例えば)隣り合うコアに印加する作用力)の関係の模式図である。
【
図7A】本願による好ましい実施例の電池モジュールの容量維持率の模式図である。
【
図7B】本願による比較実施例1の電池モジュールの容量維持率の模式図である。
【
図7C】本願による比較実施例2の電池モジュールの容量維持率の模式図である。
【
図8A】本願による好ましい実施例の電池モジュールの圧力変化の模式図である。
【
図8B】本願による比較実施例1の電池モジュールの圧力変化の模式図である。
【
図8C】本願による比較実施例2の電池モジュールの圧力変化の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本願の実施例を具体的に説明する。図面を参照して閲読する際に、以下の具体的な実施形態から本願の各局面をより容易に理解できる。なお、これらの実施例は、例示するものに過ぎず、本願の技術案を解釈し、説明するために用いられ、本願を制限しない。当業者は、これらの実施例を元に、様々な変形及び変換を行うことができ、等価方式の変換により獲得された全ての技術案は、何れも本願の保護範囲に属する。
【0021】
図1は、本願による電池モジュールの全体構造の模式図である。
【0022】
図1に示すように、本願の実施例による電池モジュール100は、コア1、コアブラケット3、端板41、42及び固定材5を含んでも良い。電池モジュール100は、緩衝材(
図1に示されていない)を更に含んでも良い。幾つかの実施例においては、電池モジュール100は、複数のコア1、複数のコアブラケット3、端板41、42及び複数の固定材5を含んでも良い。電池モジュール100は、複数の緩衝材(
図1に示されていない)を更に含んでも良い。
【0023】
コア1は、平板状構造を含んでも良い。コア1は、例えば、多角形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。コア1は、例えば、四角形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。コア1は、例えば、矩形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。コア1は、例えば、正方形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。コア1は、エネルギーを貯蔵するために用いられることができる。通常、1つの電池モジュール100においては、各コア1は、ほぼ同じサイズ(長さ、幅及び厚さ)を有するので、製造しやすく、取り付けやすい。
【0024】
コアブラケット3は、前記コア1の周辺を覆うことでコア1が露出することを防ぐように、枠構造を有しても良い。例えば、コア1は、コアブラケット3の枠内に設置しても良い。通常、1つの電池モジュール内においては、コアブラケット3とコア1は、数が同じである。即ち、1つのコアブラケット3は、1つのコア1に対応する。当然ながら、2つの隣り合うコア1は、1つのコアブラケット3を共用しても良い。コアブラケット3は、例えば、多角形の枠構造を含んでも良いが、これに限らない。コアブラケット3は、例えば、四角形の枠構造を含んでも良いが、これに限らない。コアブラケット3は、例えば、矩形の枠構造を含んでも良いが、これに限らない。コアブラケット3は、例えば、正方形の枠構造を含んでも良いが、これに限らない。コアブラケット3の構造は、コア1の構造とマッチングすることができる。コアブラケット3は、コア1の下方に位置しても良い。コアブラケット3は、コア1を配置するために用いられても良い。コアブラケット3は、コア1を支持するために用いられても良い。コアブラケット3は、コア1を固定するために用いられても良い。コアブラケット3は、コア1と連結しても良い。コアブラケット3は、コア1と直接に連結しても良い。コアブラケット3は、例えば、ほぞ継ぎ方法によりコア1と直接に連結しても良いが、これに限らない。コアブラケット3は、例えば、連結材(
図1に示されていない)によりコア1と間接に連結しても良いが、これに限らない。連結材は、例えば、粘着剤等を含んでも良いが、これに限らない。
【0025】
端板41は、大体平板状の構造を含んでも良い。端板41は、例えば、多角形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。端板41は、例えば、四角形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。端板41は、例えば、矩形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。端板41は、例えば、正方形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。端板41の構造は、隣り合うコアブラケット3の構造とマッチングすることができる。例えば、端板41は、当該コアブラケット3の下方/外側(
図1、2の左側)に位置しても良い。端板41は、コアブラケット3を固定するために用いられることができる。端板41は、コアブラケット3と連結しても良い。
【0026】
端板42も、大体平板状の構造を含んでも良い。端板42は、例えば、多角形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。端板42は、例えば、四角形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。端板42は、例えば、矩形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。端板42は、例えば、正方形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。端板42の構造は、隣り合うコアブラケット3の構造とマッチングすることができる。例えば、端板42は、当該コアブラケット3の上方/外側(
図1、2の右側)に位置しても良い。端板42は、コアブラケット3を固定するために用いられることができる。端板42は、コアブラケット3と連結しても良い。
【0027】
端板41と端板42は、対向して設置しても良い。コア1は、端板41と端板42の間に位置しても良い。コアブラケット3は、端板41と端板42の間に位置しても良い。端板41と端板42は、それぞれ対向して両端の最も外側に設置している。端板41と端板42は、コアブラケット3とコア1を挟むことができる。
【0028】
固定材5は、端板41と端板42の上に嵌合(外嵌)されても良い。固定材5は、リング状の構造であっても良い。固定材5は、リング状の束ね材であっても良い。固定材5は、コア1とコアブラケット3を端板41と端板42の間に固定することができる。固定材5は、弾力性を有しても良い。固定材5は、例えば、鋼、ゴム又は他の適切な材料を含んでも良いが、これに限らない。
【0029】
図2は、
図1に示される電池モジュールの分解模式図である。
図2に示すように、本願の実施例による電池モジュール100は、コア1、少なくとも1つの緩衝材2、コアブラケット3、端板41、42及び固定材5を含んでも良い。幾つかの実施例においては、電池モジュール100は、複数のコア1、複数の緩衝材2、複数のコアブラケット3、端板41、42及び複数の固定材5を含んでも良い。通常、それぞれのコア1、それぞれの緩衝材2及びそれぞれのコアブラケット3は、それぞれほぼ同じサイズ(長さ、幅及び厚さ)を有する。複数のコア1は、順に積層設置しても良く、緩衝材2は、複数の前記コア1の中の少なくとも2つの間に設置している。緩衝材2は、弾性変形ができ、コア1が膨張する際には、緩衝材2は、その膨張を吸収し、前記コア1が収縮する際には、前記緩衝材2は、復元して隣り合うコア1とぴったり密着する。前記緩衝材2の厚さ、長さ及び幅の中の少なくとも1つは、前記コア1の厚さ、長さ又は幅の中の対応する1つと関連するので、前記緩衝材2は、0%~85%のひずみ区間範囲内において変形する(例えば、厚さがその元の厚さの0%~15%になる)際に、隣り合う前記コア1に0~1Mpaの作用力を提供する。よって、充電される際に、コアが膨張する過程においては、緩衝材は、絶えずにコアに0~1Mpaの作用力を提供する。従って、緩衝材2は、コア1に緩衝を有効的に提供するだけではなく、同時に当該コア1に適切な圧力を与えることができる。放電する過程においては、コア1の収縮に伴い、緩衝材2は、弾性力により復元し、相変わらずコア1に一定の圧力を与えるので、コア1が圧着される状態をそのまま保てる。このような方式により、電池モジュール全体のサイクル寿命が顕著に延びるようにさせる。
【0030】
幾つかの実施例においては、電池モジュール100は、前記第一の端板41と隣り合う前記コアブラケット3の間に設置されている間層(間隔層)2′を更に含み、前記第二の端板42と隣り合う前記コアブラケット3の間に設置されている間層2′(
図2参照)も更に含んでも良い。即ち、当該実施例においては、電池モジュール100は、複数のコア1、複数のコアブラケット3、複数の緩衝材2、複数の間層2′、端板41、42及び複数の固定材5を含んでも良い。当該間層2′は、緩衝材2と同じ材料を用いることができるので、弾性変形ができ、コア1の膨張に緩衝を提供することもできる。
【0031】
緩衝材2は、平板状の構造を含んでも良い。緩衝材2は、例えば、多角形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。緩衝材2は、例えば、四角形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。緩衝材2は、例えば、矩形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。緩衝材2は、例えば、正方形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。緩衝材2は、コア1とコア1の間に位置しても良い。緩衝材2は、コア1に緩衝の作用を提供するために用いられても良い。緩衝材2は、コアブラケット3に緩衝の作用を提供するために用いられても良い。緩衝材2は、端板41に緩衝の作用を提供するために用いられても良い。緩衝材2は、端板42に緩衝の作用を提供するために用いられても良い。
【0032】
緩衝材2は、例えば、発泡プラスチックを含んでも良いが、これに限らない。緩衝材2は、例えば、ミクロ孔発泡ポリオレフィン類の材料により作られた発泡プラスチックを含んでも良いが、これに限らない。緩衝材2は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン又はEVA発泡プラスチックを含んでも良いが、これに限らない。緩衝材2の密度は、10~500kg/m3内にあっても良い。緩衝材2の密度は、10~300kg/m3内にあることが好ましい。緩衝材2の密度は、20~60kg/m3内にあることが最も好ましい。緩衝材2の硬度は、20~80度(HC)内にあっても良い。緩衝材2の硬度は、30~70度(HC)内にあることが好ましい。緩衝材2の硬度は、50~70度(HC)内にあることが最も好ましい。緩衝材2は、気孔を有しても良い。緩衝材2の気孔の孔径は、10~300ミクロン内にあっても良い。緩衝材2の気孔の孔径は、10~150ミクロン内にあることが好ましい。緩衝材2の気孔の孔径は、10~80ミクロン内にあることが最も好ましい。
【0033】
緩衝材2のサイズは、コア1のサイズと関連しても良い。言い換えれば、緩衝材2のサイズは、コア1のサイズに基づいて決められても良い。上述したように、通常、同じ電池モジュール100の中の各コアは、ほぼ同じサイズを有する。コア1のサイズは、厚さを含んでも良い。コア1のサイズは、長さを含んでも良い。コア1のサイズは、幅を含んでも良い。緩衝材2のサイズは、厚さを含んでも良い。緩衝材2のサイズは、長さを含んでも良い。緩衝材2のサイズは、幅を含んでも良い。緩衝材2は、一定の弾力性を有しても良い。緩衝材2は、押付力の作用で変化することができる。幾つかの実施例においては、コア1が膨張により厚くなる(充電過程)と、緩衝材2が押し付けられて薄くなり、緩衝材2は、コア1に一定の緩衝を提供することができる。幾つかの実施例においては、コア1が収縮により薄くなる(放電過程)と、緩衝材2は、弾性力の作用で最初の厚さに再び戻る(又は、最初の厚さに近付く)ので、緩衝材2は、コア1とコアブラケット3の間が緩むことを防ぐことができる。
【0034】
間層2′は、平板状の構造を含んでも良い。間層2′は、例えば、多角形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。間層2′は、例えば、四角形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。間層2′は、例えば、矩形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。間層2′は、例えば、正方形の平板状の構造を含んでも良いが、これに限らない。間層2′は、コアブラケット3の下方に位置しても良い。間層2′は、コアブラケット3と端板41、42の間に位置しても良い。間層2′は、コア1に緩衝の作用を提供するために用いられても良い。間層2′は、コアブラケット3に緩衝の作用を提供するために用いられても良い。間層2′は、端板41に緩衝の作用を提供するために用いられても良い。間層2′は、端板42に緩衝の作用を提供するために用いられても良い。
【0035】
間層2′は、例えば、発泡プラスチックを含んでも良いが、これに限らない。間層2′は、例えば、ミクロ孔発泡ポリオレフィン類の材料による作られた発泡プラスチックを含んでも良いが、これに限らない。間層2′は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン又はEVA発泡プラスチックを含んでも良いが、これに限らない。間層2′の密度は、10~500kg/m3内にあっても良い。間層2′の密度は、10~300kg/m3内にあることが好ましい。間層2′の密度は、20~60kg/m3内にあることが最も好ましい。間層2′の硬度は、20~80度(HC)内にあっても良い。間層2′の硬度は、30~70度(HC)内にあることが好ましい。間層2′の硬度は、50~70度(HC)内にあることが最も好ましい。間層2′は、気孔を有しても良い。間層2′の気孔の孔径は、10~300ミクロン内にあっても良い。間層2′の気孔の孔径は、10~150ミクロン内にあることが好ましい。間層2′の気孔の孔径は、10~80ミクロン内にあることが最も好ましい。
【0036】
間層2′のサイズは、コア1のサイズと関連しても良い。言い換えれば、間層2′のサイズは、コア1のサイズに基づいて決められても良い。コア1のサイズは、厚さを含んでも良い。コア1のサイズは、長さを含んでも良い。コア1のサイズは、幅を含んでも良い。間層2′のサイズは、厚さを含んでも良い。間層2′のサイズは、長さを含んでも良い。間層2′のサイズは、幅を含んでも良い。間層2′は、一定の弾力性を有しても良い。間層2′は、押付力の作用で変化することができる。幾つかの実施例においては、コア1が膨張により厚くなると、間層2′が押し付けられて薄くなり、間層2′は、コア1に一定の緩衝を提供することができる。幾つかの実施例においては、コア1が収縮により薄くなると、間層2′は、弾性力の作用で最初の厚さに再び戻る(又は、最初の厚さに近付く)ので、間層2′は、コアブラケット3と端板41の間が緩むことを防ぐことができる。幾つかの実施例においては、コア1が収縮により薄くなると、間層2′は、弾性力の作用で最初の厚さに再び戻る(又は、最初の厚さに近付く)ので、間層2′は、コアブラケット3と端板42の間が緩むことを防ぐことができる。
【0037】
図3は、本願による電池モジュールの中のサブモジュールの1つの実施例の分解模式図である。
図3に示すように、サブモジュール300は、1つのユニットAを含んでも良い。幾つかの実施例においては、サブモジュール300は、複数のユニットAを含んでも良い。1つの電池モジュールは、複数のサブモジュール300を含んでも良い。サブモジュール300においては、1つのユニットAは、1つのコア1、1つの緩衝材2及び1つのコアブラケット3を含んでも良い。上述したように、コアブラケット3内は、枠構造であっても良く、コア1は、コアブラケット3の枠内に取り付けている。緩衝材2は、コア1の1つの側に位置するので、コア1と隣り合う(即ち、もう1つのユニットAの)コア1と隔てる。このような方式により構成された電池モジュールは、含まれる複数のコア1の中のそれぞれの隣り合うコア1の間に何れも緩衝材2が設置されている(即ち、「緩衝材/コア/緩衝材/コア/緩衝材……コア/緩衝材」の構造を形成する)。
【0038】
ユニットAにおいては、緩衝材2のサイズは、コア1のサイズにより決められても良い。コア1のサイズは、厚さを含んでも良い。コア1のサイズは、長さを含んでも良い。コア1のサイズは、幅を含んでも良い。緩衝材2のサイズは、厚さを含んでも良い。緩衝材2のサイズは、長さを含んでも良い。緩衝材2のサイズは、幅を含んでも良い。電池モジュールにとっては、緩衝材2のサイズとコア1のサイズの比は、非常に重要である。例えば、コア1に比べ、緩衝材2が薄すぎると、コア1に緩衝を有効的に提供することができなくなる可能性がある。なぜならば、緩衝材2の変形は、非常に限りがあるので、コア1が膨張するための十分な空間を提供することができないからである。例えば、コア1に比べ、緩衝材2が厚すぎると、コア1の空間を無駄に占用してしまうので、電池モジュール全体の容量、効果が下がり、電池モジュール全体の体積が大きくなってしまう。
【0039】
ユニットAにおいては、緩衝材2の厚さT1は、コア1の厚さT0と関連しても良い。ユニットAにおいては、緩衝材2の厚さT1は、コア1の厚さT0により決められても良い。ユニットAにおいては、緩衝材2の厚さは、コア1の厚さの0.12倍~0.18倍(即ち、0.12T0≦T1≦0.18T0)であることが好ましい。緩衝材2の厚さは、コア1の厚さの0.14倍~0.16倍(即ち、0.14T0≦T1≦0.16T0)であることがより好ましい。ユニットAにおいては、緩衝材2の厚さは、コア1の厚さの約0.15倍であることが最も好ましい。
【0040】
ユニットAにおいては、緩衝材2の長さL1は、コア1の長さL0と関連しても良く、又は、コア1の長さL0により決められても良い。具体的には、例えば、緩衝材2の長さL1は、コア1の長さL0の0.8倍以上であっても良く、コア1の長さL0の0.9倍以上であることがより好ましい。本願の好ましい実施例においては、ユニットAにおいては、緩衝材2の長さL1は、コア1の長さの0.9倍~1.05倍(即ち、0.9L0≦L1≦1.05L0)であり、コア1の長さの0.95倍~1.0倍(即ち、0.95L0≦L1≦L0)であることがより好ましく、緩衝材2の長さは、コア1の長さの約0.95倍であることが最も好ましい。
【0041】
ユニットAにおいては、緩衝材2の幅W1は、コア1の幅W0と関連しても良く、又は、コア1の幅W0により決められても良い。ユニットAにおいては、緩衝材2の幅W1は、コア1の幅W0の0.8倍以上であっても良く、コア1の幅W0の0.9倍以上であることがより好ましい。本願の好ましい実施例においては、ユニットAにおいては、緩衝材2の幅W1は、コア1の長さの0.9倍~1.05倍(即ち、0.9W0≦W1≦1.05W0)であり、コア1の長さの0.95倍~1.0倍(即ち、0.95W0≦W1≦1.0W0)であることがより好ましく、緩衝材2の幅は、コア1の幅の約0.95倍であることが最も好ましい。
【0042】
上述したように、ユニットAにおいては、緩衝材2の厚さは、コア1の厚さの約0.15倍であっても良い。当該厚さを有する緩衝材2は、優れた技術効果を齎している。即ち、コア1に緩衝を有効的に提供するだけではなく、コア1の空間を不合理に占用することをせず、電池モジュール全体の容量を高めるのに有利である。ユニットAにおいては、緩衝材2の適切な長さにマッチングする場合、例えば、緩衝材2の長さは、コア1の長さの約0.95倍であっても良いが、これに限らず、これにより、電池モジュールは、一定の充電周期(例えば、充電4500回)以内において電池の容量を一定のレベル以上に維持することもできる。ユニットAにおいては、緩衝材2の適切な幅にマッチングする場合、例えば、緩衝材2の幅は、コア1の幅の約0.95倍であっても良いが、これに限らず、これにより、電池モジュールは、一定の充電周期(例えば、充電4500回)以内において電池の容量を一定のレベル以上に維持することもできる。
【0043】
図4は、本願による電池モジュールの中のサブモジュールの1つの実施例の分解模式図である。
図4に示すように、サブモジュール400は、1つのユニットBを含んでも良い。幾つかの実施例においては、サブモジュール400は、複数のユニットBを含んでも良い。幾つかの実施例においては、サブモジュール400は、周期的に配列する複数のユニットBを含んでも良い。サブモジュール400においては、1つのユニットBは、1つのコア1、1つのコア1′、1つのコアブラケット3及び1つの緩衝材2を含んでも良い。上述したように、コアブラケット3内は、枠構造であっても良く、コア1、1′は、それぞれコアブラケット3の枠内に取り付けられている。コア1′は、コア1の1つの側に位置し、両者が積層されており、緩衝材2は、コア1のもう1つの側に位置することで隣り合う(即ち、もう1つのユニットBの)コア1′、1から隔てる。このような方式により構成された電池モジュールは、ユニットAにより構成された電池モジュールと違い、含まれる複数のコア1の中のそれぞれの2つの隣り合うコア1の間に緩衝材2が設置されている(即ち、「緩衝材/コア/コア/緩衝材/コア/コア/緩衝材……コア/コア/緩衝材」の構造を形成する)。
【0044】
ユニットBにおいては、緩衝材2のサイズは、コア1のサイズにより決められても良い。コア1のサイズは、厚さを含んでも良い。コア1のサイズは、長さを含んでも良い。コア1のサイズは、幅を含んでも良い。緩衝材2のサイズは、厚さを含んでも良い。緩衝材2のサイズは、長さを含んでも良い。緩衝材2のサイズは、幅を含んでも良い。電池モジュールにとっては、緩衝材2のサイズとコア1のサイズの比は、非常に重要である。例えば、コア1に比べ、緩衝材2が薄すぎると、コア1に緩衝を有効的に提供することができなくなる可能性がある。なぜならば、緩衝材2の変形は、非常に限りがあるので、コア1が膨張するための十分な空間を提供することができないからである。例えば、コア1に比べ、緩衝材2が厚すぎると、コア1の空間を無駄に占用してしまうので、電池モジュール全体の容量、効果が下がり、電池モジュール全体の体積が大きくなってしまう。
【0045】
ユニットBにおいては、緩衝材2の厚さT1は、コア1の厚さT0と関連しても良い。ユニットBにおいては、緩衝材2の厚さT1は、コア1の厚さT0により決められても良い。ユニットBにおいては、緩衝材2の厚さは、コア1の厚さの0.24倍~0.36倍(即ち、0.24T0≦T1≦0.36T0)であることが好ましい。緩衝材2の厚さは、コア1の厚さの0.28倍~0.32倍(即ち、0.28T0≦T1≦0.32T0)であることがより好ましい。ユニットBにおいては、緩衝材2の厚さは、コア1の厚さの約0.3倍であることが最も好ましい。
【0046】
ユニットBにおける、緩衝材2の長さ、幅とコア1の長さ、幅の関係は、ユニットAにおける、緩衝材2の長さ、幅とコア1の長さ、幅の関係と同じであり、上述した内容を参照してここで繰り返して説明しない。
【0047】
ユニットAに類似するように、最も良い厚さの比(即ち、緩衝材2の厚さは、コア1の厚さの0.3倍)の緩衝材2を用いることで、優れた技術効果を齎すことができる。即ち、コア1、1′に緩衝を有効的に提供するだけではなく、コア1、1′の空間を不合理に占用することをせず、電池モジュール全体の容量を高めるのに有利である。ユニットBにおいては、緩衝材2の適切な長さにマッチングする場合、例えば、緩衝材2の長さは、コア1、1′の長さの約0.95倍であっても良いが、これに限らず、これにより、電池モジュールは、一定の充電周期(例えば、充電4500回)以内において電池の容量を一定のレベル以上に維持することもできる。ユニットBにおいては、緩衝材2の適切な幅にマッチングする場合、例えば、緩衝材2の幅は、コア1の幅の約0.95倍であっても良いが、これに限らず、これにより、電池モジュールは、一定の充電周期(例えば、充電4500回)以内において電池の容量を一定のレベル以上に維持することもできる。
【0048】
1つの置換実施例としては、同じ電池モジュールにおいては、複数のユニットA及びBを同時に含んでも良い。具体的には、
図5を参照し、
図5は、
図3及び
図4に類似するように、本願による電池モジュールのサブモジュール500の1つの実施例の分解模式図である。
図5に示すように、ユニットA及びユニットBは、周期的に配列する。ユニットAは、1つのコア1、1つの緩衝材2及び1つのコアブラケット3を含む。コア1は、コアブラケット3内に取り付けられており、緩衝材2は、コア1の1つの側に位置するので、コア1とユニットBにおけるコア1、1′を隔てる。このような配列方式により、緩衝材2の両側には、異なる数のコア(図において、左側には、2つのコア(ユニットBの中の2つのコア)を有し、右側には、1つのコア(ユニットAの中のコアを有する)を有するので、「コア/コア/緩衝材/コア/緩衝材/コア/コア……/緩衝材」の構造を形成する。
【0049】
このような実施形態においては、緩衝材2の厚さT1は、相変わらずコア1、1′の厚さT0と関連する。具体的には、緩衝材2のコアの数が比較的多い1つの側のコアの数に基づいて緩衝材2の厚さを決める。仮に、コアの数が比較的多い1つの側のコアの数は、Nとすれば、緩衝材2の厚さは、コア1の厚さのN
*(0.12~0.18)倍であることが比較的好ましい。緩衝材2の厚さは、コア1の厚さのN
*(0.14~0.16)倍であることがより好ましい。例えば、
図5の実施例においては、N=2である。よって、緩衝材2の厚さは、コア1の厚さの0.24~0.36倍であることが比較的好ましい。緩衝材2の厚さは、コア1の厚さの0.28~0.32倍であることがより好ましい。緩衝材2の厚さは、コア1の厚さの約0.3倍であることが最も好ましい。
【0050】
上述した各実施例においては、第一の端板41、第二の端板42と隣り合うコアブラケット3の間に設置されている間層2′のサイズは、緩衝材2のサイズを参考してデザインすることができる。例えば、間層2′の厚さは、コア1の厚さのN*(0.14~0.16)倍であり、なお、Nは、隣り合うコア1の数である。間層2′の厚さは、コア1の厚さのN*0.15倍であることが最も好ましい。間層2′の長さ及び幅は、それぞれコア1の長さ及び幅の0.9~1.05倍であり、間層2′の長さ及び幅は、それぞれコア1の長さ及び幅の0.95倍であることが最も好ましい。
【0051】
図6に示すように、本願による電池モジュールにおいては、緩衝材2の厚さ、長さ及び幅は、前記コア1の厚さ、長さ又は幅の中の対応する1つと関連するので、緩衝材2は、0%~85%のひずみ区間範囲内に変形する際に、(例えば、隣り合うコア1に対して)0~1Mpaの作用力を提供し、10%~70%のひずみ区間範囲内に変形する際に、(例えば、隣り合うコア1に対して)0~0.5Mpaの作用力を提供し、70%~80%のひずみ区間範囲内に変形する際に、(例えば、隣り合うコア1に対して)0.5~0.8Mpaの作用力を提供する。このような作用力の範囲は、電池モジュールの容量を保ち、電池モジュールの使用寿命を延ばすことに非常に寄与することができる。
【0052】
本願の上述した実施例による優れた技術効果をより分かりやすく説明するために、以下、図面7A~7C、8A~8Cを参照しながら、好ましい実施例及び比較実施例の実験データの表を提供する。なお、T0、L0及びW0は、それぞれコアの厚さ、長さ及び幅を表している。
【0053】
【表1】
図7Aに示すように、図における実験データは、このような実験条件に基づくものである。即ち、電池モジュールは、前記ユニットAにより構成された小さいモジュールを用いる。つまり、隣り合うコアの間には、1つの緩衝材が介在し、緩衝材/コア/緩衝材/コア/緩衝材……コア/緩衝材のような積み上げ方式が用いられ、バンディングテープ/端板固定モジュールが使用される。緩衝材2は、厚さがコア1の厚さの0.15倍であり、長さ及び幅がそれぞれコアの0.95倍であり、緩衝材2は、材質が発泡ポリプロピレンであり、密度が35~40kg/m
3であり、硬度が55~65度(HC)であり、孔径が10~80umの範囲内に分布しており、30~50umの区間に集中分布している。この時、図から分かるように、その容量保持率(SOH%)がゆっくりと下がる。電池モジュールに対して4500回充電する際に、その容量保持率が依然として80.93%に達することができ、上述した表に示されている。
【0054】
比較実施例1としては、他の実験条件が変わらない場合、緩衝材2の厚さをコア1の厚さの0.1倍に調整すれば、容量保持率は、
図7Bに示す実験結果を得ることができる。図に示すように、電池モジュールに対して4500回充電する際に、その容量保持率が依然として66.62%に達することができ、上述した表に示されている。
【0055】
比較実施例2としては、他の実験条件が変わらない場合、緩衝材2の長さ及び幅をそれぞれコアの長さ及び幅の0.8倍に調整すれば、容量保持率は、
図7Cに示す実験結果を得ることができる。図に示すように、電池モジュールに対して4500回充電する際に、その容量保持率が63.86%である。
【0056】
上述の通り、
図7A~7Cを比較して分かるように、ユニットAのような電池モジュールの構造にとっては、緩衝材2は、厚さがコアの厚さの0.15倍であり、長さ及び幅がそれぞれコアの0.95倍である場合、電池モジュールは、最も高い容量保持率に達することができる。
【0057】
図8A~8Cは、異なる実験条件での圧力のテストレベルを表している。上述した
図7Aの実施例と同じ実験条件に基づくものであり、即ち、電池モジュールは、前記ユニットAにより構成された小さいモジュールを用いる。つまり、隣り合うコアの間には、1つの緩衝材が介在し、緩衝材/コア/緩衝材/コア/緩衝材……コア/緩衝材のような積み上げ方式が用いられ、バンディングテープ/端板固定モジュールが使用される。緩衝材2は、厚さがコア1の厚さの0.15倍であり、長さ及び幅がそれぞれコアの0.95倍であり、緩衝材2は、材質が発泡ポリプロピレンであり、密度が35~40kg/m
3であり、硬度が55~65度(HC)であり、孔径が10~80umの範囲内に分布し、30~50umの区間に集中分布している。この時、
図8Aから分かるように、圧力及び充電回数は、ほぼ線形関係を呈し、圧力は、充電回数の増加に伴って大きくなる。電池モジュールが4500回充電される際に、その圧力は、286KG/Fに達し、上述した表に示されている。
【0058】
比較実施例1としては、他の実験条件が変わらない場合、緩衝材2の厚さをコア1の厚さの0.1倍に調整すれば、その圧力と充電回数の関係は、
図8Bに示されている。図に示すように、約3400回までは、圧力及び充電回数は、線形関係を呈し、圧力は、充電回数の増加に伴って段段と大きくなる。3500回を超えると、圧力が迅速に増える。電池モジュールが4500回充電される際、その圧力が1545KG/Fであり、上述した表に示されている。
【0059】
比較実施例2としては、他の実験条件が変わらない場合、緩衝材2の長さ及び幅をそれぞれコア1の長さ及び幅の0.8倍に調整すれば、その圧力と充電回数の関係は、
図8Cに示されている実験結果を得る。当該図の曲線は、
図8Aに類似しているが、圧力値は、同じ充電回数における、
図8Aに示されている圧力値より低い。例えば、電池モジュールが4500回充電される際に、その圧力値は、232KG/Fである。
【0060】
上述の通り、
図8A~8Cを比較して分かるように、ユニットAのような電池モジュールの構造にとっては、緩衝材2は、厚さがコアの厚さの0.15倍であり、長さ及び幅がそれぞれコアの0.95倍である場合、電池モジュールが4500回充電される際に、その圧力は、最も良い値が保てる。
【0061】
より具体的には、
図8Bに示されている実施例においては、緩衝材(発泡プラスチック)は、厚さが比較的小さく、サイクル回数が比較的多い時、提供できる緩衝の空間がとても小さいので、コアの膨張が非常に大きく、電池の寿命が短縮されることを招いてしまう。
図8Cに示されている実施例においては、緩衝材は、面積が小さく、コアの面積を十分に覆うことができず、提供できる緩衝の空間がとても小さいので、コアの膨張が非常に大きく、電池の寿命が短縮されることも招いてしまう。
【0062】
記載しやすくするために、「下」、「下方」、「下部」、「上」、「上方」、「上部」、「左側」、「右側」等のような、本願に用いられている空間の相対的な用語は、図において説明された1つの部材又は特徴と他の1つの部材又は特徴の関係を表現する。図において説明された指向を除き、空間の相対的な用語は、使用又は操作における装置の異なる指向をカバーすることを意味する。デバイスは、他の方式で方向を定めることができ(90度回転する又は他の一定の方向に向く)、本願に用いられる空間の相対的な用語は、同じく相応的に解釈することができる。1つのアセンブリは、もう1つのアセンブリに「連結されている」、又は、「カップリングされている」と称される場合、前記もう1つのアセンブリに直接に連結され、又は、カップリングされても良く、又は、間に中間アセンブリが存在しても良いことが理解されたい。
【0063】
本願においては、用語「約」は、通常、所定値又は範囲の±10%、±5%、±1%又は±0.5%内にあることを意味する。範囲は、本願において1つのエンドポイントからもう1つのエンドポイントまでの間を表しても良く、又は、2つのエンドポイントの間を表しても良い。別に指定した場合を除き、本願において開示された全ての範囲は、エンドポイントを含む。
【0064】
上述した文章においては、本願の若干の実施例及び細かい面の特徴を纏めた。当業者は、本願の精神及び範囲から逸脱しない限り、様々な変化、置換及び変更を行うことができるが、これらの全ての等価構造は、何れも本願の保護範囲に属する。