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特許7175998既存のシステムにより部分的に占有される無線周波数チャネルの利用向上
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】既存のシステムにより部分的に占有される無線周波数チャネルの利用向上
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20221114BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20221114BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20221114BHJP
   H04B 7/0452 20170101ALI20221114BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
H04W72/04 132
H04W84/12
H04W16/28 130
H04W16/28 110
H04B7/0452 100
H04L27/26 113
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2020551548
(86)(22)【出願日】2018-06-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 US2018037419
(87)【国際公開番号】W WO2019240792
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】カリュー,ローラン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シヤオガーン
(72)【発明者】
【氏名】リー,チーンホア
(72)【発明者】
【氏名】ステイシー,ロバート ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ニウ,ホアニーン
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-506893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/0452
H04B 7/24- 7/26
H04L 27/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、前記メモリに結合された処理回路とを含む無線通信デバイスであって、
前記処理回路は、
結合チャネル上で送信される物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)データユニット(PPDU)を符号化するステップであり、前記結合チャネルは、パンクチャされたサブチャネルを含む複数のサブチャネルを含み、
前記PPDUは、信号フィールド及びデータフィールドを含み、前記信号フィールドは、前記PPDUによりアドレス指定された少なくとも1つの無線ステーション(STA)のためのリソース割り当てに関する情報を搬送する信号フィールド部分を含み、前記リソース割り当ては、前記少なくとも1つのSTAについて前記データフィールド内で使用されるリソースユニット(RU)を示し、前記信号フィールド部分は、前記複数のサブチャネルのうちパンクチャされていないサブチャネル上で符号化され、
前記データフィールドは、前記パンクチャされていないサブチャネル上の第1のデータフィールド部分と、前記パンクチャされたサブチャネルの一部の上の少なくとも1つの第2のデータフィールド部分とを含み、
前記信号フィールド部分のうち或る信号フィールド部分は、前記パンクチャされたサブチャネル内の前記少なくとも1つの第2のデータフィールド部分内で使用される少なくとも1つのRUを示す、前記少なくとも1つのSTAのためのリソース割り当てを含む、ステップと、
前記結合チャネル上での前記PPDUの送信を引き起こす信号を生成するステップと
を実行する、デバイス。
【請求項2】
前記PPDUは、マルチユーザ・マルチプルインプット・マルチプルアウトプット(MU-MIMO)PPDUであり、前記少なくとも1つのSTAは、複数のSTAを含み、前記信号フィールドは、高効率信号Bフィールド(HE-SIG-B)を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記PPDUは、レガシーショートトレーニングフィールド(L-STF)と、時間領域において前記L-STFに続くレガシーロングトレーニングフィールド(L-LTF)と、前記時間領域において前記L-LTFに続くレガシー信号フィールド(L-SIG)と、前記時間領域において前記L-SIGに続きHE-SIG-Bに先行する高効率信号Aフィールド(HE-SIG-A)とを含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記L-STF、L-LTF、L-SIG、HE-SIG-A及びHE-SIG-Bは、前記PPDUのプリアンブル部分の一部であり、前記プリアンブル部分は、高効率ショートトレーニングフィールド(HE-STF)と、前記時間領域において前記HE-STFに続き前記データフィールドに先行する高効率ロングトレーニングフィールド(HE-LTF)とを更に含み、前記HE-STFは、HE-STF下位部分を含み、前記HE-LTFは、HE-LTF下位部分を含み、前記HE-SIG-Bは、前記信号フィールド部分に対応するHE-SIG-B下位部分を含み、
前記第1のデータフィールド部分及び前記少なくとも1つの第2のデータフィールド部分は、データ下位部分をそれぞれ含み、
前記HE-STF下位部分、前記HE-LTF下位部分及び前記データ下位部分のそれぞれは、前記HE-SIG-B下位部分のうち1つにより占有される帯域幅よりも小さい帯域幅を占有する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記結合チャネルは、80MHz又は160MHzのうち1つの帯域幅を有し、
前記サブチャネルは、20MHzの帯域幅をそれぞれ有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記結合チャネルが80MHzの帯域幅を有するとき、前記信号フィールド部分のうち前記或る信号フィールド部分は、前記パンクチャされていないサブチャネル上で複製されず、或いは、
前記結合チャネルが160MHzの帯域幅を有するとき、前記信号フィールド部分のうち前記或る信号フィールド部分は、前記パンクチャされていないサブチャネル上で複製される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記結合チャネルの中心周波数は6GHzである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記処理回路は、
前記パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを識別し、
前記少なくとも1つのSTAのうち第1のSTAに対する、前記パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在する前記エネルギーレベルに関する情報を含む信号を生成し、前記パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを前記第1のSTAが決定することを可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記処理回路は、前記少なくとも1つのSTAのうち第1のSTAに送信される前記パンクチャされたサブチャネルの第1の部分の識別を引き起こす信号を生成し、前記パンクチャされたサブチャネルの前記第1の部分の前記識別に基づいて、前記パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを前記第1のSTAが決定することを可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記処理回路に結合された無線集積回路と、前記無線集積回路に結合されたフロントエンドモジュールとを更に含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記フロントエンドモジュールに結合された複数のアンテナを更に含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
メモリと、前記メモリに結合された処理回路とを含む無線通信デバイスにおいて実行される方法であって、
前記処理回路により、結合チャネル上で送信される物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)データユニット(PPDU)を符号化するステップであり、前記結合チャネルは、パンクチャされたサブチャネルを含む複数のサブチャネルを含み、
前記PPDUは、信号フィールド及びデータフィールドを含み、前記信号フィールドは、前記PPDUによりアドレス指定された少なくとも1つの無線ステーション(STA)のためのリソース割り当てに関する情報を搬送する信号フィールド部分を含み、前記リソース割り当ては、前記少なくとも1つのSTAについて前記データフィールド内で使用されるリソースユニット(RU)を示し、前記信号フィールド部分は、前記複数のサブチャネルのうちパンクチャされていないサブチャネル上で符号化され、
前記データフィールドは、前記パンクチャされていないサブチャネル上の第1のデータフィールド部分と、前記パンクチャされたサブチャネルの一部の上の少なくとも1つの第2のデータフィールド部分とを含み、
前記信号フィールド部分のうち或る信号フィールド部分は、前記パンクチャされたサブチャネル内の前記少なくとも1つの第2のデータフィールド部分内で使用される少なくとも1つのRUを示す、前記少なくとも1つのSTAのためのリソース割り当てを含む、ステップと、
前記処理回路により、前記結合チャネル上での前記PPDUの送信を引き起こす信号を生成するステップと
を含む方法。
【請求項13】
前記PPDUは、マルチユーザ・マルチプルインプット・マルチプルアウトプット(MU-MIMO)PPDUであり、前記少なくとも1つのSTAは、複数のSTAを含み、前記信号フィールドは、高効率信号Bフィールド(HE-SIG-B)を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記PPDUは、レガシーショートトレーニングフィールド(L-STF)と、時間領域において前記L-STFに続くレガシーロングトレーニングフィールド(L-LTF)と、前記時間領域において前記L-LTFに続くレガシー信号フィールド(L-SIG)と、前記時間領域において前記L-SIGに続きHE-SIG-Bに先行する高効率信号Aフィールド(HE-SIG-A)とを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記L-STF、L-LTF、L-SIG、HE-SIG-A及びHE-SIG-Bは、前記PPDUのプリアンブル部分の一部であり、前記プリアンブル部分は、高効率ショートトレーニングフィールド(HE-STF)と、前記時間領域において前記HE-STFに続き前記データフィールドに先行する高効率ロングトレーニングフィールド(HE-LTF)とを更に含み、前記HE-STFは、HE-STF下位部分を含み、前記HE-LTFは、HE-LTF下位部分を含み、前記HE-SIG-Bは、前記信号フィールド部分に対応するHE-SIG-B下位部分を含み、
前記第1のデータフィールド部分及び前記少なくとも1つの第2のデータフィールド部分は、データ下位部分をそれぞれ含み、
前記HE-STF下位部分、前記HE-LTF下位部分及び前記データ下位部分のそれぞれは、前記HE-SIG-B下位部分のうち1つにより占有される帯域幅よりも小さい帯域幅を占有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記結合チャネルは、80MHz又は160MHzのうち1つの帯域幅を有し、
前記サブチャネルは、20MHzの帯域幅をそれぞれ有する、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記結合チャネルが80MHzの帯域幅を有するとき、前記信号フィールド部分のうち前記或る信号フィールド部分は、前記パンクチャされていないサブチャネル上で複製されず、或いは、
前記結合チャネルが160MHzの帯域幅を有するとき、前記信号フィールド部分のうち前記或る信号フィールド部分は、前記パンクチャされていないサブチャネル上で複製される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを識別するステップと、
前記少なくとも1つのSTAのうち第1のSTAに対する、前記パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在する前記エネルギーレベルに関する情報を含む信号を生成し、前記パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを前記第1のSTAが決定することを可能にするステップと
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記処理回路は、前記少なくとも1つのSTAのうち第1のSTAに送信される前記パンクチャされたサブチャネルの第1の部分の識別を引き起こす信号を生成し、前記パンクチャされたサブチャネルの前記第1の部分の前記識別に基づいて、前記パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを前記第1のSTAが決定することを可能にする、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
メモリと、前記メモリに結合された処理回路とを含む無線通信デバイスであって、
当該デバイスは、
結合チャネル上で送信される物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)データユニット(PPDU)を符号化する手段であり、前記結合チャネルは、パンクチャされたサブチャネルを含む複数のサブチャネルを含み、
前記PPDUは、信号フィールド及びデータフィールドを含み、前記信号フィールドは、前記PPDUによりアドレス指定された少なくとも1つの無線ステーション(STA)のためのリソース割り当てに関する情報を搬送する信号フィールド部分を含み、前記リソース割り当ては、前記少なくとも1つのSTAについて前記データフィールド内で使用されるリソースユニット(RU)を示し、前記信号フィールド部分は、前記複数のサブチャネルのうちパンクチャされていないサブチャネル上で符号化され、
前記データフィールドは、前記パンクチャされていないサブチャネル上の第1のデータフィールド部分と、前記パンクチャされたサブチャネルの一部の上の少なくとも1つの第2のデータフィールド部分とを含み、
前記信号フィールド部分のうち或る信号フィールド部分は、前記パンクチャされたサブチャネル内の前記少なくとも1つの第2のデータフィールド部分内で使用される少なくとも1つのRUを示す、前記少なくとも1つのSTAのためのリソース割り当てを含む、手段と、
前記結合チャネル上での前記PPDUの送信を引き起こす信号を生成する手段と
を含むデバイス。
【請求項21】
前記PPDUは、マルチユーザ・マルチプルインプット・マルチプルアウトプット(MU-MIMO)PPDUであり、前記少なくとも1つのSTAは、複数のSTAを含み、前記信号フィールドは、高効率信号Bフィールド(HE-SIG-B)を含む、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記PPDUは、レガシーショートトレーニングフィールド(L-STF)と、時間領域において前記L-STFに続くレガシーロングトレーニングフィールド(L-LTF)と、前記時間領域において前記L-LTFに続くレガシー信号フィールド(L-SIG)と、前記時間領域において前記L-SIGに続きHE-SIG-Bに先行する高効率信号Aフィールド(HE-SIG-A)とを含む、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを識別する手段と、
前記少なくとも1つのSTAのうち第1のSTAに対する、前記パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在する前記エネルギーレベルに関する情報を含む信号を生成し、前記パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを前記第1のSTAが決定することを可能にする手段と、
を更に含む、請求項20に記載のデバイス。
【請求項24】
前記少なくとも1つのSTAのうち第1のSTAに送信される前記パンクチャされたサブチャネルの第1の部分の識別を引き起こす信号を生成し、前記パンクチャされたサブチャネルの前記第1の部分の前記識別に基づいて、前記パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを前記第1のSTAが決定することを可能にする手段を更に含む、請求項20に記載のデバイス。
【請求項25】
コンピュータに請求項12乃至19のうちいずれか1項に記載の方法を実行させるプログラム。
【請求項26】
請求項25に記載のプログラムを記憶した機械読み取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11ファミリーの標準に従って動作するネットワークのような無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network, WLAN)及びWi-Fiネットワークを含む無線ネットワーク及び無線通信に関する。本開示の側面は、IEEE802.11axに関する。
【背景技術】
【0002】
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)のリソースの効率的な使用は、帯域幅及び許容可能な応答時間をWLANのユーザに提供するために重要である。しかし、しばしば、同じリソースを共有することを試みる多くのデバイスが存在し、いくつかのデバイスは、これらが使用する通信プロトコル又はこれらのハードウェア帯域幅により制限される可能性がある。いくつかの状況では、既存のシステム(例えば、衛星又は固定無線バックホールデバイス)は、WLANにより使用される周波数チャネルの帯域幅の一部を使用する可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本開示は、限定ではなく例として添付の図面の図に示されており、添付の図面において、同様の参照符号が同様の要素を示す。
図1】いくつかの実施形態によるWLANを示す。
図2】いくつかの実施形態に従って、図1のAPにより送信される高効率(high efficiency, HE)マルチユーザ(multi user, MU)物理層プロトコルデータユニット(physical layer protocol data unit, PPDU)を示す。
図3】いくつかの実施形態によるアップリンクデータフローにおける、図1のAPとHE STAとの間の通信を示す。
図4】いくつかの実施形態によるパンクチャされたサブチャネル及びバンドパスフィルタの周波数応答を示す。
図5】いくつかの実施形態を実装するための例示的な無線アーキテクチャを示す。
図6】いくつかの実施形態に従ってAPにおいて実行される方法を示す。
図7】いくつかの実施形態に従ってSTAにおいて実行される方法を示す。
図8】いくつかの実施形態の技術(例えば、方法論)のうちいずれか1つ以上を実行し得る例示的な機械のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
以下の説明及び図面は、当業者が実施することができるように、特定の実施形態を十分に示している。他の実施形態は、構造的、論理的、電気的、プロセス的及び他の変更を組み込んでもよい。いくつかの実施形態の部分及び特徴は、他の実施形態の部分及び特徴に含まれてもよく、或いは、置き換えられてもよい。特許請求の範囲に示す実施形態は、これらの特許請求の範囲の全ての利用可能な均等物を包含する。
【0005】
図1は、いくつかの実施形態によるWLAN100を示す。WLANは、アクセスポイント(access point, AP)102と、複数の高効率(high-efficiency, HE)(例えば、IEEE802.11ax)ステーション(station, STA)104と、複数のレガシー(例えば、IEEE802.11n/ac)STA106とを含んでもよい基本サービスセット(basic service set, BSS)を含んでもよい。ここで使用されるIEEE802.11axは、IEEE P802.11ax/D2.2、以前の802.11ax仕様又は後の802.11ax仕様のうち1つ以上を示してもよい。
【0006】
AP102は、送信及び受信のためにIEEE802.11プロトコルのうち1つを使用してもよい。AP102はまた、基地局を含んでもよい。AP102は、IEEE802.11プロトコルと共に他の通信プロトコルを使用してもよい。IEEE802.11プロトコルは、IEEE802.11axでもよい。IEEE802.11プロトコルの使用には、直交周波数分割多元接続(orthogonal frequency division multiple-access, OFDMA)及びマルチユーザ・マルチプルインプット・マルチプルアウトプット(multi-user multiple-input multiple-output, MU-MIMO)の使用を含んでもよい。AP102及び/又はHE STA104は、MU-MIMO及びOFDMAの一方又は双方を使用してもよい。1つより多くのAP102は、拡張サービスセット(extended service set, ESS)の一部を形成してもよい。コントローラ(図示せず)は、1つより多くのAP102に共通する情報を記憶してもよい。コントローラは、インターネットのような外部ネットワークにアクセスしてもよい。
【0007】
レガシーSTA106は、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ad/af/ah/aj又は他のレガシー無線通信標準のうち1つ以上に従って動作してもよい。HE STA104は、携帯電話、スマートフォン、ハンドヘルド無線通信デバイス、無線メガネ、無線時計、無線パーソナルデバイス、タブレット、又は無線データを送信及び受信し得る他のデバイスのような無線送信及び受信デバイスでもよい。いくつかの実施形態では、HE STAは、IEEE802.11axのようなIEEE802.11プロトコルを使用してデータを送信及び受信してもよい。図1において、例として、HE STA104のうち1つはスマートフォン124として示されており、他の1つはタブレット126として示されており、他の1つはラップトップコンピュータ128として示されている。図1における3つのHE STA104はまた、ここではSTA124、126又は128と呼ばれてもよい。1つ以上の例示的なHE STA104は、1人以上のユーザにより操作可能でもよい。HE STA104(例えば、124、126又は128)は、デスクトップSTA、ラップトップSTA、サーバ、ルータ、スイッチ、アクセスポイント、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル無線デバイス(例えば、ブレスレット、時計、メガネ、リング等)等を含むがこれらに限定されない、いずれか適切なプロセッサ駆動STAを含んでもよい。いくつかの実施形態では、HE STA104、AP102及び/又はレガシーSTA106は、無線通信システムと呼ばれてもよい。いくつかの実施形態では、HE STA104は、HE STA104がAP102のいくつかの動作を実行し得るピアツーピア動作モードについての「グループ所有者」(group owner, GO)でもよい。
【0008】
AP102は、レガシーIEEE802.11通信技術に従って、レガシーSTA106と通信してもよい。例示的な実施形態では、AP102はまた、従来のIEEE802.11通信技術に従ってHE STA104と通信するように構成されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、HEフレームは、チャネルと同じ帯域幅を有するように構成可能でもよい。チャネルの帯域幅は、20MHz、40MHz、80MHz、160MHz若しくは320MHzの連続帯域幅、又は80+80MHz(160MHz)の不連続帯域幅でもよい。いくつかの実施形態では、チャネルの帯域幅は、1MHz、1.25MHz、2.03MHz、2.5MHz、5MHz及び10MHz又はこれらの組み合わせでもよく、或いは、利用可能な帯域幅以下の他の帯域幅もまた使用されてもよい。いくつかの実施形態では、チャネルの帯域幅は、周波数領域におけるアクティブなサブキャリアの数に基づいてもよい。例えば、チャネルの帯域幅は、20MHzの帯域幅内で間隔を置いた26の倍数(例えば、26、52、104、242等)個のアクティブなサブキャリア又はトーンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、チャネルの帯域幅は、20MHz内の256個のトーンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、20MHzチャネルは、256ポイントの高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform, FFT)についての256個のトーンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、異なる数のトーンが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、OFDMA構造は、26サブキャリアのリソースユニット(resource unit, RU)、52サブキャリアのRU、106サブキャリアのRU、242サブキャリアのRU、484サブキャリアのRU若しくは996サブキャリアのRU又は上記の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、単一ユーザ(single user, SU)のためのリソース割り当ては、242サブキャリアのRU、484サブキャリアのRU、996サブキャリアのRU又は2×996サブキャリアのRUを含んでもよい。
【0010】
RUは、送信のために割り当てられ得る、周波数領域において定義される多数のサブキャリア(すなわち、トーン)を含む帯域幅割り当てに対応する。いくつかの実施形態では、RUは、特定の送信のために特定のSTAに割り当てられ得る最小のサブチャネルに対応してもよい。HE STA104は、APによりRUを割り当てられてもよく、或いは、ランダムに動作チャネルにアクセスしてもよい。RUに関しては、例えば、20MHzの周波数帯を有するチャネルにおいて、合計9個のRUが存在してもよく、それぞれは、特定の数のトーン(例えば、26、52、106等)を有する。RUは、APとSTAとの間で送信されるプリアンブルデータ及びペイロードデータを含むように変調されてもよい。
【0011】
HEフレームは、MU-MIMO技術に従ってもよい多数の空間ストリームを含んでもよい。いくつかの実施形態では、HEフレームは、OFDMA及びMU-MIMOの一方又は双方に従って構成されてもよい。いくつかの実施形態では、AP102、HE STA104及び/又はレガシーSTA106はまた、符号分割多元接続(code division multiple access, CDMA)2000、CDMA 2000 1X、CDMA 2000 EV-DO(Evolution-Data Optimized)、IS-2000(Interim Standard 2000)、IS-95(Interim Standard 95)、IS-856(Interim Standard 856)、LTE(Long Term Evolution)、GSM(Global System for Mobile communications)、EDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)、GERAN(GSM EDGE)、IEEE802.16(すなわち、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access))、BlueTooth(登録商標)、WiMAX、WiGig又は他の技術のような異なる技術を実装してもよい。
【0012】
いくつかの実施形態は、HE通信に関する。いくつかのIEEE802.11axの実施形態によれば、AP102は、送信機会(transmission opportunity, TXOP)について媒体の排他的制御を受けるために、(例えば、競合期間中に)無線媒体を競合するように構成されてもよい。AP102は、TXOPの開始時にHEトリガフレームを送信してもよい。AP102は、トリガフレーム内でTXOPの持続時間及びチャネル情報を送信してもよい。TXOPの間に、HE STA104は、OFDMA及び/又はMU-MIMOのような非競合ベースの多元接続技術に従ってAP102と通信してもよい。これは、デバイスが多元接続技術ではなく、競合ベースの通信技術に従って通信する従来のWLAN通信とは異なる。TXOPの間に、AP102は、1つ以上のHEフレームを使用してHE STA104と通信してもよい。TXOPの間、HE STA104は、AP102の動作範囲よりも小さいチャネル上で動作してもよいが、レガシーステーションは、APとの通信を抑制し、それに従ってこれらのネットワーク割り当てベクトル(Network Allocation Vector, NAV)を設定してもよい。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、トリガフレームの送信中に、HE STA104は、無線媒体を競合してもよく、レガシーSTA106は、無線媒体を競合することから除外される。いくつかの実施形態では、トリガフレームは、アップリンク(uplink, UL)UL-MU-MIMO及び/又はUL OFDMA制御周期を示してもよい。いくつかの実施形態では、トリガフレームは、いくつかのHE STA104のための競合に基づくTXOPの1つ以上の部分と、競合に基づかないTXOPの1つ以上の部分とを示してもよい。
【0014】
例示的な実施形態では、HE STA104及び/又はAP102は、図1図8に関してここに記載する方法及び動作を実行するように構成される。Wi-Fiという用語は、IEEE802.11通信標準のうち1つ以上を示してもよい。AP及びSTAは、HEアクセスポイント102及び/又はHE STA104並びにレガシーSTA106を示してもよい。いくつかの実施形態では、HE STA104及びAP102は、図5及び図8の例示的な機械/システムのものと同様の1つ以上のコンピュータシステムを含むことができる。
【0015】
図2は、いくつかの実施形態に従って、図1のAPにより送信される高効率(High Efficiency, HE)マルチユーザ(Multi User, MU)物理層コンバージェンスプロトコル(Physical Layer Convergence Protocol)データユニット(Physical Layer Convergence Protocol Data Unit, PPDU)を示す。HE MU PPDUは、802.11ax仕様に記載のいずれか適切な特性を有してもよい。
【0016】
無線通信方式では、通信は、特定の帯域幅をそれぞれ有する1つ以上の周波数チャネル内で生じてもよい。例えば、IEEE802.11通信標準は、それぞれが20MHz帯域の連続する周波数にわたるチャネルを利用してもよい(例えば、802.11axでは、レガシーデバイスにより使用される以前の802.11標準との互換性を維持するために、チャネルが20MHzを占有してもよい)。いくつかの実施形態では、APは、STA104と通信するために、複数の20MHzチャネル(連続してよく或いは連続していなくてもよい)を同時に利用してもよい。例えば、結合チャネル202は、複数のサブチャネル204A-204Dから形成されてもよい。
【0017】
図2のPPDU200は、時間208にわたって80MHzの帯域幅を有する結合チャネル202を利用することにより通信される。結合チャネル202は、4つの20MHzサブチャネル204(すなわち、204A-204D)を含む。各サブチャネル204は、1つ以上のRU206を含んでもよい。図示の実施形態では、サブチャネル204A、204C及び204Dは、4つのRU206をそれぞれ含み、各RUは52個のサブキャリアを含む。他の実施形態は、異なる数のサブチャネルを有する結合チャネル及び異なる数のRUを有するサブチャネルを利用してもよい。図示の実施形態では、サブチャネル204Bは、既存の無線通信システム(例えば、WLAN100の一部ではないデバイス)によるサブチャネル204Bの一部の使用のため、2つのRUのみを含む。
【0018】
WLAN100が、免許不要の動作を可能にする周波数帯(例えば、6GHzと7GHzとの間)で動作するとき、既存の無線通信システム(例えば、衛星、固定無線バックホールデバイス又は他のデバイス)は、既にその帯域で動作している可能性がある。これらの既存のシステムは、帯域内の様々なチャネルを占有する可能性があり、例えば、数MHzから100MHzまでの範囲の送信帯域幅を有する可能性がある。一般的に、WLAN100は、これらのデバイスからの干渉のため、既存のシステムにより利用される周波数帯域を使用(すなわち、変調)できない。
【0019】
802.11axは、プリアンブルパンクチャ(preamble puncture)と呼ばれるモードを定義しており、複数のチャネルが一緒に結合されるが(例えば、80MHzチャネルは4つの20MHzサブチャネルを含んでもよく、或いは、160MHzチャネルは8つの20MHzサブチャネルを含んでもよい)、セカンダリ20MHzサブチャネルのうち1つ(すなわち、パンクチャされたサブチャネル)は、そのチャネルが(例えば、そのサブチャネルの帯域幅の一部を使用する既存のシステムのため)ビジーであることが検知されたときには変調されない。このパンクチャされたサブチャネルは、そのトーンをヌルにさせてもよく、パンクチャされたサブチャネルのRUはSTAに割り当てられない。
【0020】
図示の例では、サブチャネル204Bはパンクチャされたサブチャネルである。サブチャネル204Bの一部は既存のシステムにより占有され、サブチャネルのこのビジー部分は、AP102とSTA104との間でプリアンブルデータ又はペイロードデータを通信するためにWLAN100により使用されない。しかし、典型的なプリアンブルパンクチャモードで生じるように、全体の20MHzサブチャネルがPPDUで使用されないように許容するのではなく、本開示の様々な実施形態は、WLAN100が、既存のシステムにより使用される周波数と重複しないパンクチャされたサブチャネル204Bの帯域幅の少なくとも一部を利用することを可能にする。特定の実施形態では、パンクチャされたチャネルのこの部分についてのスケジューリング情報(例えば、パンクチャされたサブチャネルの1つ以上のRUを1つ以上のSTAに割り当てるデータ)は、パンクチャされていない1つ以上のサブチャネルのプリアンブルで送信されてもよい。この実施形態について、以下により詳細に説明する。
【0021】
PPDU200は、制御情報を含むプリアンブルフィールド(時間210A-Gで送信される)と、ペイロードデータを含むデータフィールド(時間210Hで送信される)とを含む。図示の実施形態では、PPDU200のプリアンブルフィールドは、レガシーショートトレーニングフィールド(Legacy Short Training field, L-STF)と、レガシーロングトレーニングフィールド(Legacy Long Training field, L-LTF)と、レガシー信号フィールド(Legacy Signal field, L-SIG)と、高効率信号Aフィールド(High Efficiency Signal A field, HE-SIG-A)と、高効率信号Bフィールド(High Efficiency Signal B field, HE-SIG-B)と、高効率ショートトレーニングフィールド(High Efficiency Short Training field, HE-STF)と、高効率ロングトレーニングフィールド(High Efficiency Long Training field HE-LTF)とを含む。L-SIG、HE-SIG-A及びHE-SIG-Bは、信号フィールドとそれぞれ呼ばれてもよい。L-STF、L-LTF、L-SIG、HE-SIG-A、HE-SIG-B、HE-STF及びHE-LTFフィールドは、それぞれ時間210A、210B、210C、210D、210E、210F及び210Gにわたって送信される。これらのフィールドのそれぞれは、チャネル202の一部を使用して送信される下位部分を含んでもよい。例えば、L-STFは、サブチャネル204Aのサブキャリアを変調することにより送信される第1のL-STF下位部分と、サブチャネル204Cのサブキャリアを変調することにより送信される第2のL-STF下位部分と、サブチャネル204Dのサブキャリアを変調することにより送信される第3のL-STF下位部分とを含む。他の例として、HE-STFは、単一のRU206のサブキャリアを変調することによりそれぞれ送信される様々なHE-STF下位部分を含む。
【0022】
サブチャネル204A、204C及び204Dについて、それぞれのチャネル内でのL-STF下位部分、L-LTF下位部分、L-SIG下位部分、HE-SIG-A下位部分及びHE-SIG-B下位部分の送信は、それぞれのサブチャネルのRUのそれぞれを利用する。例えば、サブチャネル204Aについては、RU206A-Dは、L-STF下位部分、L-LTF下位部分、L-SIG下位部分、HE-SIG-A下位部分及びHE-SIG-B下位部分を送信するために使用され、サブチャネル204Cについては、RU206G-Jは、これらのフィールドの他の下位部分を送信するために使用され、サブチャネル204Dについては、RU206K-Nは、これらのフィールドの更に他の下位部分を送信するために使用される。しかし、サブチャネル204Bの帯域幅の一部は既存のシステムにより使用されるので、RU206E及び206FのみがWLANによる使用に利用可能である。したがって、サブチャネル204Bはパンクチャされ、その結果、L-STF、L-LTF、L-SIG、HE-SIG-A及びHE-SIG-B下位部分は、サブチャネル204Bにより送信されない。
【0023】
HE-STF、HE-LTF及びデータフィールドは、それぞれ時間210F、210G及び210Hにわたって送信される。チャネル202内で使用される各RU206は、これらのフィールドについてのそれぞれの下位部分のセットを送信するために使用される。
【0024】
PPDU200のプリアンブルの一部は、L-STF、L-LTF及びL-SIGを含むレガシープリアンブルを含んでもよい。レガシープリアンブルは、レガシーSTA106により使用されてもよい。L-STFは、粗い同期のために使用される情報を含んでもよい。L-LTFは、細かい同期及びチャネル推定のために使用される情報を含んでもよい。L-SIGは、データフィールドに関連するレート及び長さ情報を含んでもよい。様々な実施形態では、レガシープリアンブルのフィールドの下位部分は、パンクチャされていない各サブチャネル上で複製される。特定の実施形態では、L-STF、L-LTF又はL-SIG下位部分は、単一のOFDMシンボルで送信されてもよい。
【0025】
HE-SIG-Aは、PPDU200を受信するHE STAに共通の制御情報を含む。この情報は、HE STAによりHE PPDUを解釈するために使用されてもよい。HE MU PPDUのHE-SIG-A下位部分は、PPDUがULであるかDLであるかの指示、対応するHE-SIG-B下位部分の変調及び符号化方式(modulation and coding scheme, MCS)、基本サービスセット(basic service set, BSS)の識別子、PPDUについての空間再利用情報、PPDUが送信される帯域幅(例えば、20MHz、40MHz、80MHz又は160MHz)、プリアンブルのパンクチャが使用されるか否かの指示、パンクチャされたサブチャネルの指示、HE-SIG-BのOFDMシンボルの数、HE-LTFの長さ、HE-SIG-Aの少なくとも一部についての周期冗長検査(cyclic reduncancy check, CRC)情報又は他の適切な情報のうち1つ以上を含んでもよい。
【0026】
HE-SIG-Bは、1つ以上のデータフィールド下位部分を解釈するために使用される情報(例えば、OFDMA及びDL MU-MIMOリソース割り当て情報)を含む。HE-SIG-B下位部分は、共通フィールドとユーザ固有フィールドとを含んでもよい(いくつかの状況では、共通フィールドは省略されてもよい)。共通フィールドは、対応する帯域幅でPPDUを受信するために、全ての指定のSTAにより使用される情報を含んでもよい。例えば、共通フィールドは、周波数領域におけるRU割り当て、MU-MIMOのために割り当てられたRU、及びMU-MIMO割り当てにおけるユーザの数のうち1つ以上を指定し得るRU割り当てを含んでもよい。ユーザ固有フィールドは、特定のSTAを対象とする情報を含んでもよい。一例として、ユーザ固有フィールドは、0個以上のユーザブロックフィールドを含んでもよく、各ユーザブロックフィールドは、2つのSTAがこれらのペイロードを復号するための情報を含んでもよい(最後のユーザブロックフィールドは、1つ又は2つのSTAのための情報を含んでもよい)。ユーザ固有フィールドは、(STA-IDを介して)特定のSTAと、特定のPPDUについて各STAに割り当てられたRUとを識別してもよい。様々な実施形態では、ユーザ固有フィールドは、変調及び符号化方式(modulation and coding scheme)、空間ストリームの数、空間構成情報、送信ビームフォーミングが使用されるか否か、又はSTAのための他の適切な情報のような、各STAのためのいずれかの他の適切な情報を含んでもよい。様々な実施形態では、HE-SIG-B下位部分は、対応するデータフィールド下位部分の長さを含んでもよい。
【0027】
HE-STF下位部分は、それぞれのRUにスケジュールされたHE STAのための粗い同期に使用される情報と、自動利得制御(automatic gain control, AGC)を実行するためにHE STAにより使用される情報とを含んでもよい。HE-LTF下位部分は、それぞれのRUにスケジュールされたHE STAのための細かい同期及びチャネル推定に使用される情報を含んでもよい。HE-LTF下位部分は、異なる数の可能な空間ストリームのため、時間領域において可変のシンボル長を有してもよい。HE-STF及びHE-LTF下位部分は、対応するHE-SIG-A下位部分及びHE-SIG-B下位部分において定義されるトポロジに基づいてチャネル推定が実行されることを可能にする情報を含んでもよい。
【0028】
データフィールド下位部分は、ユーザペイロード(例えば、物理層サービスデータユニット(Physical Layer Service Data Unit, PSDU))を含む。データフィールド下位部分はまた、媒体アクセス制御(medium access control, MAC)フィールド及びCRC情報のような、上位層ヘッダを含んでもよい。
【0029】
本開示の様々な実施形態では、パンクチャされたサブチャネル204B内の1つ以上のRU(例えば、206E及び206F)は、パンクチャプリアンブルモードのもとで動作するサブチャネルにもかかわらず、WLAN100により利用されてもよい。パンクチャされたサブチャネル内でRUに割り当てられたHE STAは、パンクチャされたチャネルのRU内のデータフィールド下位部分を復号するために、他のサブチャネルを介して受信された情報を利用してもよい。例えば、HE STAは、パンクチャされていないサブチャネルのうち1つ以上からHE-SIG-B下位部分を解釈するためにHE-SIG-A下位部分(他のサブチャネル204A、204C及び204D内で複製されてもよい)を利用してもよく、次いで、パンクチャされたサブチャネル内のデータフィールド下位部分を解釈するためにHE-SIG-B下位部分からの情報を使用してもよい。
【0030】
様々な状況で、HE-SIG-B下位部分の情報は、2つ以上のチャネルにわたって複製されてもよい。例えば、パンクチャプリアンブルモードで動作していない80MHz結合チャネルにおいて、サブチャネル204A及び204Cのデータフィールドサブ部分についてのスケジューリング情報が集約され、この情報のインスタンスがサブチャネル204A上の第1のHE-SIG-B下位部分と、サブチャネルCを介して送信される第2のHE-SIG-B下位部分とを介して送信されてもよく、一方で、サブチャネル204B及び204Dのデータフィールド下位部分についてのスケジューリング情報が集約され、この情報のインスタンスがサブチャネル204B上の第3のHE-SIG-B下位部分と、サブチャネル204Dを介して送信される第4のHE-SIG-B下位部分とを介して送信されてもよい。同様の手法は、パンクチャプリアンブルモードで動作する結合チャネルの場合に行われてもよいが、HE-SIG-B下位部分は、パンクチャされたサブチャネル上で送信されない。したがって、サブチャネル204B及び204Dのデータフィールド下位部分についてのスケジューリング情報のインスタンスは、サブチャネル204Dを介してのみ送信される。しかし、HE STAは、パンクチャされたサブチャネル204BのRU(例えば、RU206E又は206F)内で送信された1つ以上のデータフィールド下位部分を解釈するために、サブチャネル204Dを介して受信したHE-SIG-B下位部分の情報を使用してもよい。
【0031】
同様に、プリアンブルパンクチャモードで動作していない160MHz結合チャネルでは、4つの異なるサブチャネルについてのスケジューリング情報が集約され、この情報の別個のインスタンスが4つのチャネルのそれぞれにおいてHE-SIG-B下位部分を介して複製され、一方で、他の4つのサブチャネルのスケジューリング情報が集約され、この情報の別個のインスタンスが他の4つのチャネルのそれぞれにおいてHE-SIG-B下位部分を介して複製される。プリアンブルパンクチャモードでは、パンクチャされたサブチャネルは、HE-SIG-B下位部分を送信しないが、この情報は、パンクチャされたサブチャネルのデータフィールド下位部分についてのスケジューリング情報を含む他の3つのサブチャネルのうち1つ以上から回復されてもよい。
【0032】
したがって、1つ以上のパンクチャされていないサブチャネルからのHE-SIG-A下位部分及びHE-SIG-B下位部分を利用することにより、HE STAは、パンクチャされたサブチャネル内のRUを介して送信されるダウンリンクパケットのデータフィールド下位部分を解釈してもよい。様々な実施形態はまた、アップリンク方向においてパンクチャされたサブチャネル内のRUを介した通信を可能にしてもよい。
【0033】
図3は、いくつかの実施形態によるアップリンクデータフローにおける、図1のAP102とHE STA124、126及び128との間の通信を示す。IEEE802.11axはアップリンク通信についてトリガベースのフローを記載している。302において、APは、トリガフレーム302をHE STA124、126及び128にブロードキャストする。トリガフレームにおいて指定されたSTAは、AP102へのアップリンク方向においてHEトリガベース(Trigger Based, TB)PPDU304(すなわち、PPDU304A-C)を送信することによりそれぞれ応答する。次いで、AP102は、送達確認フレーム306で応答する。
【0034】
トリガフレーム302は、アップリンクMU-MIMO又はアップリンクOFDMA送信を連携するために全てのHE STAに送信されてもよい。トリガフレーム302は、トリガフレーム302が送信された後の特定量の時間(例えば、ショートフレーム間間隔(Short Interframe Space, SIFS)に生じるUL MU送信のためのリソースを要請して割り当ててもよい。トリガフレーム302は、各HE STAにより、そのそれぞれのHE TB PPDU304を送信するために利用される情報を含んでもよい。特定の実施形態では、トリガフレーム302は、AP102からHE STAに送信されるHE TB PPDU304のデータフィールド内にある。
【0035】
トリガフレーム302は、受信側HE STAのアドレス、又はトリガフレーム302が複数のHE STAを対象とする場合のグループアドレスのような、いずれか適切な情報を含んでもよい。トリガフレーム302はまた、送信AP102のアドレスを含んでもよい。
【0036】
トリガフレーム302は、全ての応答するHE STAについて同じである情報を提供する共通情報フィールドを含んでもよい。例えば、トリガフレーム302は、HE TB PPDUの帯域幅、HE TB PPDUの長さ、HE TB PPDUのLTFを記述する情報、MU-MIMO LTFモード、各チャネルの送信電力、空間再利用情報又は他の適切な情報のような、HE TB PPDUのための構成パラメータを含んでもよい。
【0037】
トリガフレーム302はまた、トリガフレームが対象とする各HE STAのためのユーザ情報フィールドを含んでもよい。ユーザ情報フィールドは、HE STAのID、HE TB PPDU内でHE STAに割り当てられたRUを示すRU割り当てフィールド、HE STAがHE TB PPDU内で使用すべきMCS、HE TB PPDUのターゲット受信信号電力又は他の適切な情報を含んでもよい。
【0038】
上記のように、トリガフレーム302は、HE TB PPDUについてHE STAのためのスケジューリング情報を含んでもよい。特定の実施形態では、トリガフレームは、パンクチャされたサブチャネルの指示と共に、HE TB PPDUの帯域幅(例えば、80MHz又は160MHz)を示してもよい。トリガフレームはまた、パンクチャされたサブチャネルに位置するRU割り当てによってHE STA(又はパンクチャされたサブチャネルに位置する複数のRU割り当てによって複数のHE STA)をスケジュールするユーザ情報フィールドを含んでもよい。
【0039】
トリガフレーム302内で識別されるHE STAは、HE STAのためのペイロードデータ(例えば、1つ以上のPHYサービスデータユニット(PHY service data unit, PSDU))を搬送可能なHE TB PPDUでトリガフレームにそれぞれ応答してもよい。パンクチャされていないサブチャネル内で1つ以上のRUを割り当てられたHE STAは、全体のサブチャネル上で送信されるフィールド下位部分と、HE STAに割り当てられた単一のRUを使用してそれぞれ送信されるフィールド下位部分とを含むHE TB PPDUで応答してもよい。例えば、上記のHE MU PPDUフォーマットと同様に、HE TB PPDU304は、全体のサブチャネルを使用して送信される(時間領域における順序で)L-STF、L-LTF、L-SIG及びHE-SIG-A下位部分と、単一のRUを使用して送信される(同様に時間領域における順序で)HE-STF、HE-LTF及びデータフィールド下位部分とを含んでもよい。これらのフィールドは、ダウンリンクHE MU PPDUに関して上記した対応するフィールドのいずれか適切な特性を有してもよい。
【0040】
しかし、様々な実施形態では、パンクチャされたサブチャネルは、既存のシステムにより使用される周波数を含むので、サブチャネル上で通常HE STAにより送信されるHE TB PPDUの下位部分(例えば、L-STF、L-LTF、L-SIG及びHE-SIG-A下位部分)は、HE TB PPDUのパンクチャされたサブチャネルでは省略されてもよく、パンクチャされたサブチャネル内で割り当てられたRU上で送信されるフィールド下位部分(例えば、HE-STF、HE-LTF及びデータフィールド下位部分)のみが、HE STAにより送信される。AP102は、対応するRUで送信されたHE-STF及びHE-LTFに少なくとも部分的に基づいて、HE STAにより送信されたデータフィールド下位部分を解釈できる。特定量の時間(例えば、HE TB PPDUの送信の後のSIFS)を待機した後に、HE TB PPDUの受信を示す送達確認フレーム306がHE STAに送信される。
【0041】
図4は、いくつかの実施形態によるパンクチャされたサブチャネル204B及びバンドパスフィルタの周波数応答406を示す。パンクチャされたサブチャネル204Bは、WLAN100の信号(WLAN信号402)により占有される第1の周波数帯域と、既存のシステムの信号(既存の信号404)により占有される第2の周波数帯域とを含む。
【0042】
チャネル(例えば、パンクチャされたサブチャネル204B)上で送信する前に、STAは、チャネルの状態(例えば、現在のフレームについて、チャネルが現在ビジーであるかアイドルであるか)を決定するためにチャネル評価を実行してもよい。一般的に、チャネルの状態は、STAにより様々な方法で決定されてもよい。例えば、クリアチャネルアセスメント(Clear Channel Assessment, CCA)キャリアセンス(Carrier Sense, CS)メカニズムは、AP102により送信される有効な802.11シンボルの信号強度を測定することを含んでもよい。しかし、既存のシステムがチャネルの一部を利用しているパンクチャされたチャネルでは、既存のシステムから寄与する干渉のため、この選択肢は一般的に実行不可能であり、この干渉は、予測不可能な電力レベル及び帯域幅のため、非常に高い可能性がある。
【0043】
代替として、STAは、CCAエネルギー検出(Energy Detection, ED)メカニズムを利用してもよい。このメカニズムは、有効な802.11シンボルが受信されたか否かにかかわらず、ステーションがチャネル上で受信する総エネルギーを測定してもよい。次いで、検出されたエネルギーは、閾値(例えば、802.11axにより定義された閾値)に対して比較される。検出されたエネルギーが閾値を超える場合、チャネルはビジーであるとみなされ、そうでない場合、チャネルはアイドルであるとみなされる。エネルギーは、いずれか適切な方式で測定されてもよい。単なる一例として、一連のエネルギー測定が異なる時間に行われてもよく、検出エネルギーを決定するために測定値が平均化されてもよい。検出エネルギー(及び関連する閾値)は、ミリワット(mW)、デシベル・ミリワット(dBm)又は任意の単位のようないずれか適切な単位で表されてもよい。
【0044】
いくつかの状況では、既存のシステムにより使用されるパンクチャされたサブチャネルの一部の上での既存のシステムの送信からのエネルギーは、チャネルがビジーであるか否かを決定するための閾値を超えてもよい。したがって、WLANによる使用に利用可能なサブチャネルのRUがアイドルであっても、STAがパンクチャされたサブチャネルがビジーであると決定する可能性があるので、標準的なCCA-EDメカニズムの使用は、誤った状態検出を生じる可能性がある。本開示の様々な実施形態は、WLANにより使用可能な部分がビジーであるか否かを正確に決定するために、既存のシステムにより使用されているチャネルの部分の上での送信のエネルギーを考慮するようにCCA-EDメカニズムを調整する。
【0045】
様々な実施形態では、CCA-ED手順の間に、HE STAは、WLAN100により使用可能なチャネル(例えば、HE PPDUにおいてパンクチャされたサブチャネルとして使用されるチャネル)の周波数(例えば、既存のシステムにより使用されていない周波数)についてのエネルギーレベルを決定する。特定の実施形態では、この決定は、WLAN100により使用可能なチャネルの周波数についてのエネルギーレベルのSTAによる測定を含んでもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、既存のシステムにより占有されるチャネルの周波数(又は、代替としてWLAN100により使用されるチャネルの周波数)は、エネルギー測定の実行の前に、WLAN100のSTAに通信されてもよい。例えば、AP102は、1つ以上のチャネル内で既存のシステムにより使用される(或いはWLANにより使用される)周波数帯域をHE STA104に通信してもよい。AP102は、いずれかの適切な時間又はいずれかの適切な周期間隔で、この情報を通信してもよい。一例として、AP102は、ビーコンフレーム内でこの情報をAPによりサービス提供されるBSSにブロードキャストしてもよい。AP102は、いずれか適切な方式で、既存のシステムにより使用される周波数帯域を発見してもよい。一例として、既存のシステムにより使用される周波数帯域の指示は、帯域外の様式で(例えば、管理デバイスによりAPに結合された有線ネットワークを介して)APに通信されてもよい。これらの指示は、周波数帯域における変化に応じて或いは周期間隔でAP102にプッシュされてもよく、或いは、APは、指示を求めて遠隔データベースに周期的に問い合わせてもよい。他の例として、APは、どの周波数が既存のシステムにより使用されるかを決定するために、チャネルの周波数をサンプリングしてもよい。
【0047】
チャネル内で既存システムにより使用される周波数帯域の指示(又はチャネル内で使用される周波数帯域の指示)を受信したことに応じて、HE STA104は、エネルギー測定の前に、チャネルの不要な周波数成分をフィルタリング除去するためのバンドパスデジタルフィルタを構成してもよい。バンドパスデジタルフィルタは、図5のFEM501、無線IC502又はベースバンドプロセッサ509の一部のようなFEMの一部、無線ICの一部又はベースバンドプロセッサの一部でもよい。例えば、バンドパスデジタルフィルタは、既存のシステムにより使用されるチャネルの周波数をフィルタリング除去してもよい。他の例として、バンドパスデジタルフィルタは、WLANにより使用できないチャネルの全ての周波数(既存のシステムにより使用されるチャネルの周波数を含んでもよい)をフィルタリング除去してもよい。図示の実施形態では、例示的なバンドパスフィルタの周波数応答406が示されている。一般的に、既存のシステムにより使用されておらず、(例えば、RU内で使用できない帯域内に入るので)WLANによっても使用できないチャネルのいずれかの周波数は、無視できる程度のエネルギーレベルを有している可能性が高い。
【0048】
様々な実施形態では、STAは、既存のシステムにより占有される周波数にわたる、STAにより測定された各チャネル(すなわち、パンクチャされたサブチャネルとして動作され得るチャネル)について、別個のバンドパスデジタルフィルタを利用してもよい。STAにより使用されるチャネルが動作中に変化する場合、STAは、現在使用されているチャネル及びこれらの新たなチャネル上の既存システムの存在に基づいて、そのフィルタのうち1つ以上を更新してもよい。様々な実施形態では、STAは、既存のシステムにより使用されている周波数の指示を記憶してもよく、それにより、STAは、STAにより使用されているチャネルが変化した場合、記憶された指示に基づいて1つ以上のフィルタを再構成してもよい。
【0049】
既存のシステムにより使用される周波数が変化したとき、AP102は、既存のシステムにより使用される周波数の新たな帯域を示す通信をSTAに(既存のシステムにより使用される周波数の指示を通じて明示的に、或いは、WLAN100により使用可能な周波数の指示を通じて暗黙的に)送信してもよい。AP102は、変化の検出時に、或いは、APが通常通り周波数をSTAに送信する次の周期的な更新中に、この通信を直ちに送信してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、HE STAは、全体のチャネル上でエネルギーを測定し(例えば、レガシーのCCA-EDメカニズムを使用することにより)、次いで、既存のシステムが通信している周波数に起因し得るエネルギーの量を差し引くことにより、WLAN100により使用可能なチャネルの周波数(例えば、既存のシステムにより使用されていない周波数)のエネルギーレベルを決定する。
【0051】
既存のシステムにより使用される周波数に起因し得るエネルギーの量は、いずれか適切な方式でSTAにより決定されてもよい。例えば、HE STA104は、既存のシステムにより使用される周波数に起因し得るエネルギーの量を決定するために、チャネルの周波数に対する長期の測定を実行してもよい。他の例として、AP102は、(例えば、チャネルの周波数に対して長期の測定を実行した後、或いは、いずれか適切な方式でエネルギーの量を決定した後に)既存のシステムにより使用される周波数に起因し得るエネルギーの量をHE STA104に(例えば、ビーコンフレームにおいて)通信してもよい。AP及びSTAは、既存のシステムがAP及びSTAから比較的遠く離れているので、既存のシステムについて同じエネルギーレベルを検出し、それにより、測定は、APにおいて実行されてもHE STAにおいて実行されても、あまり変わらないはずであると仮定することは一般的に安全である。
【0052】
他の例では、APは、いずれか適切なソースから、既存のシステムにより使用される周波数に起因し得るエネルギーの量に関する情報を取得し、この情報を1つ以上のSTAに送信してもよく、或いは、情報をSTAにより使用可能なフォーマットに処理し、次いで、情報をSTAに通信してもよい。例えば、APは、既存のシステムにより使用される1つ以上の周波数帯域及び1つ以上の送信電力を示す情報を受信してもよく、特定のチャネルと、既存のシステムによりそのチャネルで使用される周波数についてのエネルギーとにそれぞれ関連する情報のセグメントを生成してもよい。APにより受信された情報は、1つ以上の周波数帯域又は送信電力の変化に応じて或いは周期的にAPにプッシュされてもよく、或いは、APは、指示を求めて遠隔データベースに周期的に問い合わせてもよい。
【0053】
特定の実施形態では、AP102は、既存のシステムにより使用される周波数に起因するエネルギーの量(又はHE STAがエネルギーの量を計算することを可能にする他の情報)を、(例えば、ビーコンフレーム内のエネルギーを量子化することにより)BSS内の全てのSTAにブロードキャストしてもよい。他の実施形態では、APは、STAがAPに関連付ける(associate)時に、この情報をSTAに送信してもよい。
【0054】
様々な実施形態では、STAは、CCA-EDを実行するときに異なるチャネルについて異なる閾値を使用してもよい。例えば、既存のシステムにより使用されていないチャネルについて、STAは、全体のチャネルにわたってエネルギーを決定し、このエネルギーを第1の閾値と比較してもよい。既存のシステムにより使用されているチャネルについて、STAは、チャネルの一部(例えば、既存のシステムにより使用されていない部分)にわたってエネルギーを決定し、このエネルギーを、第1の閾値未満である第2の閾値と比較してもよい。様々な実施形態では、第2の閾値は、WLAN100により使用可能なチャネルの量に基づいて動的に調節可能である。例えば、既存のシステムがチャネルの比較的大きい部分を利用する場合、第2の閾値はより小さくなり、既存のシステムがチャネルの比較的小さい部分を利用する場合、第2の閾値はより大きくなる。いずれかの数の異なる閾値が、HE STA104により測定されるいずれかの数のチャネルに使用されてもよい。
【0055】
上記の例は、単一の20MHzチャネルについてのエネルギー検出に焦点を当てているが、当該技術は、異なるサイズのチャネル又は結合チャネル(すなわち、複数の集約されたチャネル)に適用されてもよい。したがって、STAは、チャネル評価の間に(既存のシステムにより生成されるエネルギーとは対照的に)WLANにより生成されるエネルギーを決定するために、80MHz帯域にわたってエネルギーを測定し、1つ以上のフィルタを利用してもよく、或いは、既知のエネルギーの量を差し引いてもよい。
【0056】
図5は、いくつかの実施形態を実装するための例示的な無線アーキテクチャを示す。図5は、様々な実施形態による、図1のHE STA104又はAP102のいずれかのようなSTA500又はAP500(以下、STA/AP500)のような無線通信システムのブロック図を含む。無線通信システムは、いくつかの例示的な実施形態による無線通信無線アーキテクチャを含んでもよい。図示の無線アーキテクチャは、無線フロントエンドモジュール(front-end module, FEM)回路510と、無線集積回路(integrated circuit, IC)回路502と、ベースバンドプロセッサ509とを含む。図5において、単一のアンテナの表現は、1つ以上のアンテナを含むように解釈されてもよい。図5は、単一の無線IC回路ブロック502と、単一のFEM回路ブロック510と、単一のベースバンドプロセッサブロック509を示しているが、これらのブロックは、1つ以上の回路ブロックの可能性を表すものと考えられるべきであり、潜在的に1つのセットの別個の回路ブロック、例えば、別個のFEM回路及び/又は別個の無線IC回路が、ここに記載の関連機能を提供するように機能する。ここで使用される「処理回路」又は「プロセッサ」は、1つ以上の明確に識別可能なプロセッサブロックを含んでもよい。ここで使用される「処理」は、完全に処理すること又は部分的に処理することを含んでもよく、「復号」は、完全に復号すること又は部分的に復号することを含んでもよい。
【0057】
FEM回路510は、1つ以上のアンテナ501から受信した無線周波数(Radio Frequency, RF)信号で動作し、受信信号を増幅し、更なる処理のために受信信号の増幅されたバージョンを無線IC回路502に提供するように構成された回路を含む受信信号経路を含んでもよい。FEM回路510はまた、アンテナ501のうち1つ以上による無線送信のために、無線IC回路502により提供された信号を増幅するように構成された回路を含んでもよい送信信号経路を含んでもよい。FEM回路510の受信信号経路は、受信RF信号を増幅し、増幅された受信RF信号を出力として(例えば、無線IC回路502に)提供するための低雑音増幅器(low-noise amplifier, LNA)を含んでもよい。FEM回路510の送信信号経路は、(例えば、アンテナ501のうち1つ以上による)以降の送信のための信号を生成するために、無線IC回路502により提供される入力信号を増幅するための電力増幅器(power amplifier, PA)と、バンドパスフィルタ(band-pass filter, BPF)、ローパスフィルタ(low-pass filter, LPF)又は他のタイプのフィルタのような1つ以上のフィルタとを含んでもよい。
【0058】
Wi-Fi通信についてのいくつかのデュアルモードの実施形態では、FEM回路510は、2.4GHz周波数スペクトル又は5GHz周波数スペクトルのいずれかで動作するように構成されてもよい。これらの実施形態(又は、FEM回路510が1つ以上の他の周波数スペクトルで動作する他の実施形態)では、FEM回路の受信信号経路は、各スペクトルからの信号を分離するとともに、各スペクトルについて別個の低雑音増幅器(LNA)を提供するための受信信号経路デュプレクサ(又は他の回路)を含んでもよい。これらの実施形態では、FEM回路の送信信号経路はまた、電力増幅器と、各周波数スペクトルについてのBPF、LPF又は他のタイプのフィルタのようなフィルタと、アンテナ501のうち1つ以上による以降の送信のために異なるスペクトルのうち1つの信号を単一の送信経路に提供する送信信号経路デュプレクサ(又は他の回路)とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ブルートゥース(登録商標)(BT)通信は、2.4GHZ信号経路を利用してもよく、WLAN通信に使用されるものと同じFEM回路510を利用してもよい。
【0059】
アンテナ501は、例えば、ダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、マイクロストリップアンテナ又はRF信号の送信に適した他のタイプのアンテナを含む、指向性アンテナ又は全指向性アンテナを含んでもよい。いくつかのマルチプルインプット・マルチプルアウトプット(multiple-input multiple-output, MIMO)の実施形態では、アンテナは、空間ダイバーシチ及び結果として生じ得る異なるチャネル特性を利用するために、効果的に分離されてもよい。
【0060】
図示の無線IC回路502は、受信信号経路及び送信信号経路を含んでもよい。無線IC回路502の受信信号経路は、例えば、ダウンコンバージョンミキサ回路、増幅器回路及びフィルタ回路のようなミキサ回路を少なくとも含んでもよい。無線IC回路502の送信信号経路は、例えば、アップコンバージョンミキサ回路のようなフィルタ回路及びミキサ回路を少なくとも含んでもよい。無線IC回路502はまた、それぞれの受信及び送信信号経路のミキサ回路により使用される周波数を合成するためのシンセサイザ回路を含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、受信及び送信信号経路のそれぞれのミキサ回路は、直接変換機能を提供するようにそれぞれ構成されてもよい。後者のタイプの回路は、標準的なスーパーヘテロダイン(super-heterodyne)ミキサ回路と比較して、かなり簡単なアーキテクチャを提示し、これによりもたらされるいずれかのフリッカ雑音は、例えば、OFDM変調の使用を通じて緩和されてもよい。各ミキサ回路は、1つ以上のミキサを含んでもよく、フィルタ回路は、アプリケーションのニーズに従って1つ以上のBPF及び/又はLPFのような1つ以上のフィルタをそれぞれ含んでもよい。例えば、ミキサ回路が直接変換タイプであるとき、これらは、2つ以上のミキサをそれぞれ含んでもよい。
【0061】
ベースバンド処理回路509は、Wi-Fi機能を提供する処理回路514を含んでもよい。この説明では、ベースバンドプロセッサ509は、例えば、ベースバンドプロセッサ509の高速フーリエ変換又は逆高速フーリエ変換ブロック(図示せず)内のRAMアレイのセットのようなメモリ512を含んでもよく、そこから、処理回路514は、例えば、バタフライ(butterfly)動作に関するデータのようなデータを読み書きしてもよい。メモリ512は、制御ロジックを更に記憶してもよい。処理回路514は、無線IC回路502の受信信号経路から受信した信号を処理するために、メモリ内に制御ロジックを実装してもよい。ベースバンドプロセッサ509は、無線IC回路502の送信信号経路のための対応するベースバンド信号を生成するようにも更に構成され、物理層(physical layer, PHY)及び媒体アクセス制御層(medium access control layer, MAC)回路を更に含んでもよく、ベースバンド信号の生成及び処理のため、また、無線IC回路502の動作を制御するために、アプリケーションプロセッサ506と更にインタフェース接続してもよい。
【0062】
いくつかの例示的な実施形態では、フロントエンドモジュール回路510、無線IC回路502及びベースバンドプロセッサ509は、単一の無線カード上に提供されてもよい。いくつかの他の実施形態では、1つ以上のアンテナ501、FEM回路510及び無線IC回路502は、単一の無線カード上に提供されてもよい。いくつかの他の実施形態では、無線IC回路502及びベースバンドプロセッサ509は、単一のチップ又は集積回路(IC)上に提供されてもよい。
【0063】
いくつかの他の実施形態では、STA/AP500の無線アーキテクチャは、スペクトル拡散変調(例えば、直接シーケンス符号分割多元接続(direct sequence code division multiple access, DS-CDMA)及び/又は周波数ホッピング符号分割多元接続(frequency hopping code division multiple access, FH-CDMA))、時分割多重(time-division multiplexing, TDM)変調及び/又は周波数分割多重(frequency-division multiplexing, FDM)変調及びオンオフキーイング(On-Off KeyingOOK)のような、OFDM又はOFDMA以外の1つ以上の変調技術を使用して送信される信号を送信及び受信するように構成されてもよいが、実施形態の範囲はこの点に限定されない。
【0064】
いくつかの例示的実施形態では、STA/AP500の無線アーキテクチャは、WiGig無線カード又はセルラー(例えば、LTE、LTE-Advanced又は5G通信のような3GPP)用に構成されたセルラー無線カードのような他の無線カードを含んでもよい。
【0065】
いくつかのIEEE802.11の実施形態では、STA/AP500の無線アーキテクチャは、900MHz、2.4GHz、5GHzの中心周波数を有する帯域幅と、5MHz未満又は約1MHz、2MHz、2.5MHz、4MHz、5MHz、8MHz、10MHz、16MHz、20MHz、40MHz、80MHz(連続する帯域幅を有する)若しくは80+80MHz(160MHz)(連続しない帯域幅を有する)の帯域幅、又は上記の周波数若しくは帯域幅のいずれかの組み合わせ、又は上記に明示的に記載されたものの間のいずれかの周波数若しくは帯域幅を含む様々なチャネル帯域幅上での通信のために構成されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、320MHzチャネル帯域幅が使用されてもよい。更なる実施形態では、STA/AP500の無線アーキテクチャは、45GHzを超える中心周波数で動作するように構成されてもよい。しかし、実施形態の範囲は、上記の周波数に関して限定されない。例えば、STA/AP500の無線アーキテクチャは、6GHz又はそれに近い中心周波数で動作するように構成されてもよい。
【0066】
さらに図5を参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、STA/AP500は、入力ユニット518と、出力ユニット519と、メモリユニット508とを更に含んでもよい。STA/AP500は、他の適切なハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアコンポーネントを任意選択で含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、STA/AP500のコンポーネントの一部又は全部は、共通のハウジング又はパッケージング内に封入されてもよく、1つ以上の有線又は無線リンクを使用して相互接続されてもよく或いは動作可能に関連付けられてもよい。他の実施形態では、STA/AP500のコンポーネントは、複数のデバイス又は別個のデバイスの間に分散されてもよい。
【0067】
いくつかの例示的な実施形態では、アプリケーションプロセッサ506は、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit, CPU)、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor, DSP)、1つ以上のプロセッサコア、シングルコアプロセッサ、デュアルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、マイクロプロセッサ、ホストプロセッサ、コントローラ、複数のプロセッサ若しくはコントローラ、チップ、マイクロチップ、1つ以上の回路、回路、論理ユニット、集積回路(Integrated Circuit, IC)、特定用途向けIC(Application-Specific IC, ASIC)又はいずれかの他の適切な多目的又は特定のプロセッサ若しくはコントローラを含んでもよい。アプリケーションプロセッサ506は、例えば、STA/AP500のオペレーティングシステム(Operating System, OS)及び/又は1つ以上の適切なアプリケーションの命令を実行してもよい。
【0068】
いくつかの例示的な実施形態では、入力ユニット518は、例えば、回路基板上の1つ以上の入力ピン、キーボード、キーパッド、マウス、タッチスクリーン、タッチパッド、トラックボール、スタイラス、マイクロホン又は他の適切なポインティングデバイス若しくは入力デバイスを含んでもよい。出力ユニット519は、例えば、回路基板上の1つ以上の出力ピン、モニタ、スクリーン、タッチスクリーン、フラットパネルディスプレイ、発光ダイオード(Light Emitting Diode, LED)ディスプレイユニット、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display, LCD)ディスプレイユニット、プラズマディスプレイユニット、1つ以上のオーディオスピーカ若しくはイヤホン又は他の適切な出力デバイスを含んでもよい。
【0069】
いくつかの例示的な実施形態では、メモリユニット508は、例えば、ランダムアクセスメモリ(Random-Access Memory, RAM)、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory, ROM)、ダイナミックRAM(Dynamic RAM, DRAM)、シンクロナスDRAM(Synchronous DRAM, SD-RAM)、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、キャッシュメモリ、バッファ、短期メモリユニット、長期メモリユニット又は他の適切なメモリユニットを含んでもよい。様々な実施形態では、STA/AP500は、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、コンパクトディスク(Compact Disk, CD)ドライブ、CD-ROMドライブ、DVDドライブ又は他の適切な取り外し可能又は取り外し不可能記憶ユニットを含んでもよい記憶ユニットを含んでもよく、或いは、それに結合されてもよい。メモリユニット508及び/又は記憶ユニットは、例えば、STA/AP500により処理されたデータを記憶してもよい。
【0070】
いくつかの例示的な実施形態は、メモリ512のようなメモリと、メモリに結合された処理回路514のような処理回路とを含む、図5のベースバンドプロセッサ509のような無線通信デバイスを含む。処理回路は、結合チャネル上で受信したPPDUの信号フィールドの少なくとも1つの信号フィールド部分を復号し、結合チャネルは、パンクチャされたサブチャネルを含む複数のサブチャネルを含み、信号フィールド部分は、複数のサブチャネルのうち少なくとも1つのパンクチャされていないサブチャネル上にあり、少なくとも1つの信号フィールド部分から、当該デバイスのためのリソース割り当てに関する情報を決定し、リソース割り当ては、当該デバイスについてPPDUのデータフィールド内で使用される少なくとも1つのRUを示し、PPDUのデータフィールドのデータフィールド部分を復号し、データフィールド部分は、リソース割り当てに基づいてパンクチャされたサブチャネルの一部で受信される。
【0071】
他の例示的な実施形態は、メモリ512のようなメモリと、メモリに結合された処理回路514のような処理回路とを含む、図5のベースバンドプロセッサ509のような無線通信デバイスを含む。処理回路は、結合チャネル上で受信したPPDUの信号フィールドの少なくとも1つの信号フィールド部分を復号し、結合チャネルは、パンクチャされたサブチャネルを含む複数のサブチャネルを含み、信号フィールド部分は、複数のサブチャネルのうち少なくとも1つのパンクチャされていないサブチャネル上にあり、少なくとも1つの信号フィールド部分から、当該デバイスのためのリソース割り当てに関する情報を決定し、リソース割り当ては、当該デバイスについてPPDUのデータフィールド内で使用される少なくとも1つのリソースユニット(RU)を示し、PPDUのデータフィールドのデータフィールド部分をデコードし、データフィールド部分は、リソース割り当てに基づいてパンクチャされたサブチャネルの一部で受信される。
【0072】
図6は、図5のAP500のような無線通信デバイスにおいて実装される方法の第1の実施形態を示す。図6における方法600は、動作602において、結合チャネル上で送信される物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)データユニット(PPDU)を符号化するステップを含み、結合チャネルは、パンクチャされたサブチャネルを含む複数のサブチャネルを含み、PPDUは、信号フィールド及びデータフィールドを含み、信号フィールドは、PPDUによりアドレス指定された少なくとも1つの無線ステーション(STA)のためのリソース割り当てに関する情報を搬送する信号フィールド部分を含み、リソース割り当ては、少なくとも1つのSTAについてデータフィールド内で使用されるリソースユニット(RU)を示し、信号フィールド部分は、複数のサブチャネルのうちパンクチャされていないサブチャネル上で符号化され、データフィールドは、パンクチャされていないサブチャネル上の第1のデータフィールド部分と、パンクチャされたサブチャネルの一部の上の少なくとも1つの第2のデータフィールド部分とを含み、信号フィールド部分のうち或る信号フィールド部分は、パンクチャされたサブチャネル内の少なくとも1つの第2のデータフィールド部分内で使用される少なくとも1つのRUを示す、少なくとも1つのSTAのためのリソース割り当てを含む。方法600は、動作604において、結合チャネル上でのPPDUの送信を引き起こす信号を生成するステップを更に含む。
【0073】
図7は、図5のSTA500のような無線通信デバイスにおいて実装される方法の第1の実施形態を示す。図7における方法700は、動作702において、結合チャネル上で受信した物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)データユニット(PPDU)の信号フィールドの少なくとも1つの信号フィールド部分を復号するステップを含み、結合チャネルは、パンクチャされたサブチャネルを含む複数のサブチャネルを含み、少なくとも1つの信号フィールド部分は、複数のサブチャネルのうち少なくとも1つのパンクチャされていないサブチャネル上にある。当該方法700は、動作704において、少なくとも1つの信号フィールド部分から、当該デバイスのためのリソース割り当てに関する情報を決定するステップを更に含み、リソース割り当ては、当該デバイスについてPPDUのデータフィールド部分に使用される少なくとも1つのリソースユニット(RU)を示す。方法700は、動作706において、PPDUのデータフィールド部分を復号するステップを更に含み、データフィールド部分は、リソース割り当てに基づいて、パンクチャされたサブチャネルの一部で受信される。
【0074】
図8は、ここで議論される技術(例えば、方法論)のうちいずれか1つ以上が実行され得る例示的な機械800のブロック図を示す。他の実施形態では、機械800は、スタンドアロンデバイスとして動作してもよく、或いは、他の機械に接続(例えば、ネットワーク接続)されてもよい。ネットワーク接続された配置において、機械800は、サーバクライアント型ネットワーク環境においてサーバ機、クライアント機又はこれらの双方の能力で動作してもよい。一例では、機械800は、ピアツーピア(peer-to-peer, P2P)(又は他の分散)ネットワーク環境においてピアマシンとして動作してもよい。機械800は、AP102、HE STA104、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタン(PDA)、携帯電話、スマートフォン、ウェブ機器、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又はその機械により取られるべき動作を指定する命令(順次又は他の命令)を実行できるいずれかの機械でもよい。さらに、単一の機械のみが示されているが、「機械」という用語はまた、クラウドコンピューティング、サービスとしてのソフトウェア(software as a service, Saas)、他のコンピュータクラスタ構成のように、ここに議論される方法論のうちいずれか1つ以上を実行するための命令のセット(又は複数のセット)を個別に又は共同で実行する機械のいずれかの集合も含むと解釈されるものとする。
【0075】
ここに記載の例は、ロジック又は多数のコンポーネント、モジュール又はメカニズムを含んでもよく、或いは、これらで動作してもよい。モジュールは、指定の動作を実行できる有形のエンティティ(例えば、ハードウェア)であり、特定の方式で構成又は配置されてもよい。一例では、回路は、指定の方式でモジュールとして(例えば、内部的に或いは他の回路のような外部エンティティに対して)配置されてもよい。一例では、1つ以上のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロン、クライアント又はサーバコンピュータシステム)又は1つ以上のハードウェアプロセッサの全体又は一部は、指定の動作を実行するように動作するモジュールとして、ファームウェア又はソフトウェア(例えば、命令、アプリケーション部分又はアプリケーション)により構成されてもよい。一例では、ソフトウェアは、機械読み取り可能媒体上に存在してもよい。一例では、ソフトウェアは、モジュールの基礎となるハードウェアにより実行されたとき、ハードウェアに対して指定の動作を実行させる。
【0076】
したがって、「モジュール」という用語は、指定の方式で動作するように或いはここに記載のいずれかの動作の一部又は全部を実行するように、物理的に構築されるか、具体的に構成される(例えば、配線される)か、或いは一時的に(例えば、過渡的に)構成される(例えば、プログラムされる)エンティティのような有形のエンティティを包含するものと理解される。モジュールが一時的に構成される例を考慮すると、モジュールのそれぞれは、いずれか1つの時点にインスタンス化される必要はない。例えば、モジュールがソフトウェアを使用して構成された汎用ハードウェアプロセッサを含む場合、汎用ハードウェアプロセッサは、異なる時間にそれぞれ異なるモジュールとして構成されてもよい。したがって、ソフトウェアは、ハードウェアプロセッサを、例えば、1つの時点に特定のモジュールを構成し、異なる時点に異なるモジュールを構成するように構成してもよい。
【0077】
機械(例えば、コンピュータシステム)800は、ハードウェアプロセッサ802(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、ハードウェアプロセッサコア又はこれらのいずれかの組み合わせ)と、メインメモリ804と、スタティックメモリ806とを含んでもよく、これらの一部又は全部は、インターリンク(例えば、バス)808を介して互いに通信してもよい。機械800は、ディスプレイデバイス810と、入力デバイス812(例えば、キーボード)と、ユーザインタフェース(UI)ナビゲーションデバイス814(例えば、マウス)とを更に含んでもよい。一例では、ディスプレイデバイス810、入力デバイス812及びUIナビゲーションデバイス814は、タッチスクリーンディスプレイでもよい。機械800は、大容量ストレージ(例えば、駆動ユニット)816と、信号生成デバイス818(例えば、スピーカ)と、ネットワークインタフェースデバイス820と、全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計又は他のセンサのような1つ以上のセンサ821とを更に含んでもよい。機械800は、1つ以上の周辺デバイス(例えば、プリンタ、カードリーダ等)と通信又は制御するために、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB))、パラレル又は他の有線若しくは無線(例えば、赤外線(IR)、近距離通信(NFC)等)接続のような出力コントローラ828を含んでもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ802及び/又は命令824は、処理回路及び/又はトランシーバ回路を含んでもよい。
【0078】
記憶デバイス816は、ここに記載の技術又は機能のいずれか1つ以上を具現するか或いはこれらにより利用される、データ構造又は命令824(例えば、ソフトウェア)の1つ以上のセットが記憶される機械読み取り可能媒体822を含んでもよい。命令824はまた、機械800によるその実行中に、メインメモリ804内、スタティックメモリ806内或いはハードウェアプロセッサ802内に、完全に或いは少なくとも部分的に存在してもよい。一例では、ハードウェアプロセッサ802、メインメモリ804、スタティックメモリ806又は記憶デバイス816のうち1つ又はいずれかの組み合わせが、機械読み取り可能媒体を構成してもよい。
【0079】
機械読み取り可能媒体822は単一の媒体として示されているが、「機械読み取り可能媒体」という用語は、1つ以上の命令824を記憶するように構成された単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型若しくは分散型データベース及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含んでもよい。
【0080】
機械800の装置は、ハードウェアプロセッサ802(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、ハードウェアプロセッサコア又はこれらのいずれかの組み合わせ)、メインメモリ804及びスタティックメモリ806のうち1つ以上でもよく、これらの一部又は全部は、インターリンク(例えば、バス)808を介して互いに通信してもよい。
【0081】
「機械読み取り可能媒体」という用語は、機械800による実行のための命令を記憶、符号化又は搬送でき、機械800に対して本開示の技術のうちいずれか1つ以上を実行させるいずれかの媒体、又はこのような命令により使用されるか或いは関連するデータ構造を記憶、符号化又は搬送できるいずれかの媒体を含んでもよい。非限定的な機械読み取り可能媒体の例は、ソリッドステートメモリ、光媒体及び磁気媒体を含んでもよい。機械読み取り可能媒体の具体的な例は、半導体メモリデバイス(例えば、電気的プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM))及びフラッシュメモリデバイスのような不揮発性メモリと、内部ハードディスク及び取り外し可能ディスクのような磁気ディスクと、光磁気ディスクと、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、CD-ROM及びDVD-ROMディスクとを含んでもよい。いくつかの例では、機械読み取り可能媒体は、非一時的な機械読み取り可能媒体を含んでもよい。いくつかの例では、機械読み取り可能媒体は、一時的な伝搬信号ではない機械読み取り可能媒体を含んでもよい。
【0082】
命令824は、多数の転送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、送信制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)等)のうちいずれか1つを利用して、ネットワークインタフェースデバイス820を介して伝送媒体を使用して通信ネットワーク826上で送信又は受信されてもよい。例示的な通信ネットワークは、とりわけ、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、移動電話ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)、電話サービス(POTS)ネットワーク及び無線データネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)として知られるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11ファミリーの標準、WiMAX(登録商標)として知られるIEEE802.16ファミリーの標準)、IEEE802.15.4ファミリーの標準、LTE(Long Term Evolution)ファミリーの標準、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ファミリーの標準、ピアツーピア(P2P)ネットワーク等を含んでもよい。
【0083】
一例では、ネットワークインタフェースデバイス820は、通信ネットワーク826に接続するために、1つ以上の物理ジャック(例えば、イーサネット、同軸又は電話ジャック)又は1つ以上のアンテナを含んでもよい。一例では、ネットワークインタフェースデバイス820は、シングルインプット・マルチプルアウトプット(SIMO)、マルチプルインプット・マルチプルアウトプット(MIMO)又はマルチプルインプット・シングルアウトプット(MISO)技術のうち少なくとも1つを使用して無線通信するための1つ以上のアンテナ860を含んでもよい。いくつかの例では、ネットワークインタフェースデバイス820は、マルチプルユーザMIMO技術を使用して無線通信してもよい。「伝送媒体」という用語は、機械800による実行のための命令を記憶、符号化又は搬送できるいずれかの無形の媒体を含むものとして解釈されるものとし、このようなソフトウェアの通信を容易にするためのデジタル又はアナログ通信信号又は他の無形の媒体を含む。
【0084】
様々な実施形態は、ソフトウェア及び/又はファームウェアにおいて、全体的或いは部分的に実装されてもよい。このソフトウェア及び/又はファームウェアは、非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体内に或いはその上に含まれる命令の形式を取ってもよい。次いで、これらの命令は、ここに記載の動作の実行を可能にするために、1つ以上のプロセッサにより読み取られて実行されてもよい。命令は、ソースコード、コンパイル済コード、インタープリタ型コード、実行可能コード、スタティックコード、ダイナミックコード等のような、いずれかの適切な形式でもよいが、これらに限定されない。このようなコンピュータ読み取り可能媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリ等のような、1つ以上のコンピュータにより読み取り可能な形式で情報を記憶するためのいずれかの有形の非一時的な媒体を含んでもよい。
【0085】
[例]
以下の例は、更なる実施形態に関する。
【0086】
例1は、メモリと、メモリに結合された処理回路とを含む無線通信デバイスを含み、処理回路は、結合チャネル上で送信される物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)データユニット(PPDU)を符号化するステップであり、結合チャネルは、パンクチャされたサブチャネルを含む複数のサブチャネルを含み、PPDUは、信号フィールド及びデータフィールドを含み、信号フィールドは、PPDUによりアドレス指定された少なくとも1つの無線ステーション(STA)のためのリソース割り当てに関する情報を搬送する信号フィールド部分を含み、リソース割り当ては、少なくとも1つのSTAについてデータフィールド内で使用されるリソースユニット(RU)を示し、信号フィールド部分は、複数のサブチャネルのうちパンクチャされていないサブチャネル上で符号化され、データフィールドは、パンクチャされていないサブチャネル上の第1のデータフィールド部分と、パンクチャされたサブチャネルの一部の上の少なくとも1つの第2のデータフィールド部分とを含み、信号フィールド部分のうち或る信号フィールド部分は、パンクチャされたサブチャネル内の少なくとも1つの第2のデータフィールド部分内で使用される少なくとも1つのRUを示す、少なくとも1つのSTAのためのリソース割り当てを含む、ステップと、結合チャネル上でのPPDUの送信を引き起こす信号を生成するステップとを実行する。
【0087】
例2は例1の対象物を含み、任意選択で、PPDUは、マルチユーザ・マルチプルインプット・マルチプルアウトプット(MU-MIMO)PPDUであり、少なくとも1つのSTAは、複数のSTAを含み、信号フィールドは、高効率信号Bフィールド(HE-SIG-B)を含む。
【0088】
例3は例2の対象物を含み、任意選択で、PPDUは、レガシーショートトレーニングフィールド(L-STF)と、時間領域においてL-STFに続くレガシーロングトレーニングフィールド(L-LTF)と、時間領域においてL-LTFに続くレガシー信号フィールド(L-SIG)と、時間領域においてL-SIGに続きHE-SIG-Bに先行する高効率信号Aフィールド(HE-SIG-A)とを含む。
【0089】
例4は例3の対象物を含み、任意選択で、L-STF、L-LTF、L-SIG、HE-SIG-A及びHE-SIG-Bは、PPDUのプリアンブル部分の一部であり、プリアンブル部分は、高効率ショートトレーニングフィールド(HE-STF)と、時間領域においてHE-STFに続きデータフィールドに先行する高効率ロングトレーニングフィールド(HE-LTF)とを更に含み、HE-STFは、HE-STF下位部分を含み、HE-LTFは、HE-LTF下位部分を含み、HE-SIG-Bは、信号フィールド部分に対応するHE-SIG-B下位部分を含み、第1のデータフィールド部分及び少なくとも1つの第2のデータフィールド部分は、データ下位部分をそれぞれ含み、HE-STF下位部分、HE-LTF下位部分及びデータ下位部分のそれぞれは、HE-SIG-B下位部分のうち1つにより占有される帯域幅よりも小さい帯域幅を占有する。
【0090】
例5は例1の対象物を含み、任意選択で、結合チャネルは、80MHz又は160MHzのうち1つの帯域幅を有し、サブチャネルは、20MHzの帯域幅をそれぞれ有する。
【0091】
例6は例1の対象物を含み、任意選択で、結合チャネルが80MHzの帯域幅を有するとき、信号フィールド部分のうち或る信号フィールド部分は、パンクチャされていないサブチャネル上で複製されず、或いは、結合チャネルが160MHzの帯域幅を有するとき、信号フィールド部分のうち或る信号フィールド部分は、パンクチャされていないサブチャネル上で複製される。
【0092】
例7は例1の対象物を含み、任意選択で、結合チャネルの中心周波数は約6GHzである。
【0093】
例8は例1の対象物を含み、任意選択で、処理回路は、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを識別し、少なくとも1つのSTAのうち第1のSTAに対する、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルに関する情報を含む信号を生成し、パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを第1のSTAが決定することを可能にする。
【0094】
例9は例1の対象物を含み、任意選択で、処理回路は、少なくとも1つのSTAのうち第1のSTAに送信されるパンクチャされたサブチャネルの第1の部分の識別を引き起こす信号を生成し、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分の識別に基づいて、パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルをSTAが決定することを可能にする。
【0095】
例10は例1の対象物を含み、任意選択で、処理回路に結合された無線集積回路と、無線集積回路に結合されたフロントエンドモジュールとを更に含む。
【0096】
例11は例10の対象物を含み、任意選択で、フロントエンドモジュールに結合された複数のアンテナを更に含む。
【0097】
例12は、メモリと、メモリに結合された処理回路とを含む無線通信デバイスにおいて実行される方法を含み、当該方法は、処理回路により、結合チャネル上で送信される物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)データユニット(PPDU)を符号化するステップであり、結合チャネルは、パンクチャされたサブチャネルを含む複数のサブチャネルを含み、PPDUは、信号フィールド及びデータフィールドを含み、信号フィールドは、PPDUによりアドレス指定された少なくとも1つの無線ステーション(STA)のためのリソース割り当てに関する情報を搬送する信号フィールド部分を含み、リソース割り当ては、少なくとも1つのSTAについてデータフィールド内で使用されるリソースユニット(RU)を示し、信号フィールド部分は、複数のサブチャネルのうちパンクチャされていないサブチャネル上で符号化され、データフィールドは、パンクチャされていないサブチャネル上の第1のデータフィールド部分と、パンクチャされたサブチャネルの一部の上の少なくとも1つの第2のデータフィールド部分とを含み、信号フィールド部分のうち或る信号フィールド部分は、パンクチャされたサブチャネル内の少なくとも1つの第2のデータフィールド部分内で使用される少なくとも1つのRUを示す、少なくとも1つのSTAのためのリソース割り当てを含む、ステップと、処理回路により、結合チャネル上でのPPDUの送信を引き起こす信号を生成するステップとを含む。
【0098】
例13は例12の対象物を含み、任意選択で、PPDUは、マルチユーザ・マルチプルインプット・マルチプルアウトプット(MU-MIMO)PPDUであり、少なくとも1つのSTAは、複数のSTAを含み、信号フィールドは、高効率信号Bフィールド(HE-SIG-B)を含む。
【0099】
例14は例13の対象物を含み、任意選択で、PPDUは、レガシーショートトレーニングフィールド(L-STF)と、時間領域においてL-STFに続くレガシーロングトレーニングフィールド(L-LTF)と、時間領域においてL-LTFに続くレガシー信号フィールド(L-SIG)と、時間領域においてL-SIGに続きHE-SIG-Bに先行する高効率信号Aフィールド(HE-SIG-A)とを含む。
【0100】
例15は例14の対象物を含み、任意選択で、L-STF、L-LTF、L-SIG、HE-SIG-A及びHE-SIG-Bは、PPDUのプリアンブル部分の一部であり、プリアンブル部分は、高効率ショートトレーニングフィールド(HE-STF)と、時間領域においてHE-STFに続きデータフィールドに先行する高効率ロングトレーニングフィールド(HE-LTF)とを更に含み、HE-STFは、HE-STF下位部分を含み、HE-LTFは、HE-LTF下位部分を含み、HE-SIG-Bは、信号フィールド部分に対応するHE-SIG-B下位部分を含み、第1のデータフィールド部分及び少なくとも1つの第2のデータフィールド部分は、データ下位部分をそれぞれ含み、HE-STF下位部分、HE-LTF下位部分及びデータ下位部分のそれぞれは、HE-SIG-B下位部分のうち1つにより占有される帯域幅よりも小さい帯域幅を占有する。
【0101】
例16は例12の対象物を含み、任意選択で、結合チャネルは、80MHz又は160MHzのうち1つの帯域幅を有し、サブチャネルは、20MHzの帯域幅をそれぞれ有する。
【0102】
例17は例12の対象物を含み、任意選択で、結合チャネルが80MHzの帯域幅を有するとき、信号フィールド部分のうち或る信号フィールド部分は、パンクチャされていないサブチャネル上で複製されず、或いは、結合チャネルが160MHzの帯域幅を有するとき、信号フィールド部分のうち或る信号フィールド部分は、パンクチャされていないサブチャネル上で複製される。
【0103】
例18は例12の対象物を含み、任意選択で、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを識別するステップと、少なくとも1つのSTAのうち第1のSTAに対する、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルに関する情報を含む信号を生成し、パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを第1のSTAが決定することを可能にするステップとを更に含む。
【0104】
例19は例12の対象物を含み、任意選択で、処理回路は、少なくとも1つのSTAのうち第1のSTAに送信されるパンクチャされたサブチャネルの第1の部分の識別を引き起こす信号を生成し、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分の識別に基づいて、パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを第1のSTAが決定することを可能にする。
【0105】
例20は、メモリと、メモリに結合された処理回路とを含む無線通信デバイスを含み、当該デバイスは、結合チャネル上で送信される物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)データユニット(PPDU)を符号化する手段(例えば、アクセスポイント102又はそのいずれかのコンポーネント、例えば、ベースバンドプロセッサ509)であり、結合チャネルは、パンクチャされたサブチャネルを含む複数のサブチャネルを含み、PPDUは、信号フィールド及びデータフィールドを含み、信号フィールドは、PPDUによりアドレス指定された少なくとも1つの無線ステーション(STA)のためのリソース割り当てに関する情報を搬送する信号フィールド部分を含み、リソース割り当ては、少なくとも1つのSTAについてデータフィールド内で使用されるリソースユニット(RU)を示し、信号フィールド部分は、複数のサブチャネルのうちパンクチャされていないサブチャネル上で符号化され、データフィールドは、パンクチャされていないサブチャネル上の第1のデータフィールド部分と、パンクチャされたサブチャネルの一部の上の少なくとも1つの第2のデータフィールド部分とを含み、信号フィールド部分のうち或る信号フィールド部分は、パンクチャされたサブチャネル内の少なくとも1つの第2のデータフィールド部分内で使用される少なくとも1つのRUを示す、少なくとも1つのSTAのためのリソース割り当てを含む、手段と、結合チャネル上でのPPDUの送信を引き起こす信号を生成する手段(例えば、アクセスポイント102又はそのいずれかのコンポーネント、例えば、ベースバンドプロセッサ509)とを含む。
【0106】
例21は例20の対象物を含み、任意選択で、PPDUは、マルチユーザ・マルチプルインプット・マルチプルアウトプット(MU-MIMO)PPDUであり、少なくとも1つのSTAは、複数のSTAを含み、信号フィールドは、高効率信号Bフィールド(HE-SIG-B)を含む。
【0107】
例22は例21の対象物を含み、任意選択で、PPDUは、レガシーショートトレーニングフィールド(L-STF)と、時間領域においてL-STFに続くレガシーロングトレーニングフィールド(L-LTF)と、時間領域においてL-LTFに続くレガシー信号フィールド(L-SIG)と、時間領域においてL-SIGに続きHE-SIG-Bに先行する高効率信号Aフィールド(HE-SIG-A)とを含む。
【0108】
例23は例20の対象物を含み、任意選択で、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを識別する手段(例えば、アクセスポイント102又はそのいずれかのコンポーネント、例えば、ベースバンドプロセッサ509、無線IC回路502及び/又はFEモジュール510)と、少なくとも1つのSTAのうち第1のSTAに対する、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルに関する情報を含む信号を生成し、パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを第1のSTAが決定することを可能にする手段(例えば、アクセスポイント102又はそのいずれかのコンポーネント、例えば、ベースバンドプロセッサ509、無線IC回路502及び/又はFEモジュール510)とを更に含む。
【0109】
例24は例20の対象物を含み、任意選択で、少なくとも1つのSTAのうち第1のSTAに送信されるパンクチャされたサブチャネルの第1の部分の識別を引き起こす信号を生成し、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分の識別に基づいて、パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを第1のSTAが決定することを可能にする手段(例えば、アクセスポイント102又はそのいずれかのコンポーネント、例えば、ベースバンドプロセッサ509、無線IC回路502及び/又はFEモジュール510)を更に含む。
【0110】
例25は、実行されると、上記の例のうちいずれかに記載のように方法を実装するか或いはデバイスを実現するための機械読み取り可能命令を含む機械読み取り可能ストレージを含む。
【0111】
例26は、メモリと、メモリに結合された処理回路とを含む無線通信デバイスを含み、処理回路は、結合チャネル上で受信した物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)データユニット(PPDU)の信号フィールドの少なくとも1つの信号フィールド部分を復号するステップであり、結合チャネルは、パンクチャされたサブチャネルを含む複数のサブチャネルを含み、少なくとも1つの信号フィールド部分は、複数のサブチャネルのうち少なくとも1つのパンクチャされていないサブチャネル上にある、ステップと、少なくとも1つの信号フィールド部分から、当該デバイスのためのリソース割り当てに関する情報を決定するステップであり、リソース割り当ては、当該デバイスについてPPDUのデータフィールド部分に使用される少なくとも1つのリソースユニット(RU)を示す、ステップと、PPDUのデータフィールド部分を復号するステップであり、データフィールド部分は、リソース割り当てに基づいて、パンクチャされたサブチャネルの一部で受信される、ステップとを実行する。
【0112】
例27は例26の対象物を含み、任意選択で、PPDUは、マルチユーザ・マルチプルインプット・マルチプルアウトプット(MU-MIMO)PPDUであり、少なくとも1つのSTAは、複数のSTAを含み、信号フィールドは、高効率信号Bフィールド(HE-SIG-B)を含む。
【0113】
例28は例27の対象物を含み、任意選択で、PPDUは、レガシーショートトレーニングフィールド(L-STF)と、時間領域においてL-STFに続くレガシーロングトレーニングフィールド(L-LTF)と、時間領域においてL-LTFに続くレガシー信号フィールド(L-SIG)と、時間領域においてL-SIGに続きHE-SIG-Bに先行する高効率信号Aフィールド(HE-SIG-A)とを含み、処理回路は、L-STF、L-LTF、L-SIG及びHE-SIG-Aを復号する。
【0114】
例29は例28の対象物を含み、任意選択で、L-STF、L-LTF、L-SIG、HE-SIG-A及びHE-SIG-Bは、PPDUのプリアンブル部分の一部であり、プリアンブル部分は、高効率ショートトレーニングフィールド(HE-STF)と、時間領域においてHE-STFに続きデータフィールドに先行する高効率ロングトレーニングフィールド(HE-LTF)とを更に含み、HE-STFは、HE-STF下位部分を含み、HE-LTFは、HE-LTF下位部分を含み、HE-SIG-Bは、信号フィールド部分に対応するHE-SIG-B下位部分を含み、データフィールド部分は、データ下位部分を含み、HE-STF下位部分、HE-LTF下位部分及びデータ下位部分のそれぞれは、HE-SIG-B下位部分のうち1つにより占有される帯域幅よりも小さい帯域幅を占有し、処理回路は、パンクチャされたサブチャネルの一部を占有するHE-STF下位部分、HE-LTF下位部分及びデータ下位部分を復号する。
【0115】
例30は例26の対象物を含み、任意選択で、結合チャネルは、80MHz又は160MHzのうち1つの帯域幅を有し、サブチャネルは、20MHzの帯域幅をそれぞれ有する。
【0116】
例31は例26の対象物を含み、任意選択で、信号フィールド部分は、パンクチャされていないサブチャネル上で複製されない。
【0117】
例32は例26の対象物を含み、任意選択で、結合チャネルの中心周波数は約6GHzである。
【0118】
例33は例26の対象物を含み、任意選択で、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを決定し、決定されたエネルギーレベルに基づいて、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲がビジーであるかアイドルであるかを決定する回路を更に含む。
【0119】
例34は例33の対象物を含み、任意選択で、エネルギーレベルを決定する回路は、全体のパンクチャされたサブチャネルに対応する周波数範囲上のエネルギーレベルから、パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを除算することにより、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを決定する。
【0120】
例35は例26の対象物を含み、任意選択で、エネルギーレベルを決定する回路は、パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルをフィルタリング除去し、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを決定するバンドパスフィルタを含む。
【0121】
例36は例26の対象物を含み、任意選択で、処理回路に結合された無線集積回路と、無線集積回路に結合されたフロントエンドモジュールとを更に含む。
【0122】
例37は例36の対象物を含み、任意選択で、フロントエンドモジュールに結合された複数のアンテナを更に含む。
【0123】
例38は、メモリと、メモリに結合された処理回路とを含む無線通信デバイスにおいて実行される方法を含み、当該方法は、処理回路により、結合チャネル上で受信した物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)データユニット(PPDU)の信号フィールドの少なくとも1つの信号フィールド部分を復号するステップであり、結合チャネルは、パンクチャされたサブチャネルを含む複数のサブチャネルを含み、少なくとも1つの信号フィールド部分は、複数のサブチャネルのうち少なくとも1つのパンクチャされていないサブチャネル上にある、ステップと、少なくとも1つの信号フィールド部分から、当該デバイスのためのリソース割り当てに関する情報を決定するステップであり、リソース割り当ては、当該デバイスについてPPDUのデータフィールド部分に使用される少なくとも1つのリソースユニット(RU)を示す、ステップと、PPDUのデータフィールド部分を復号するステップであり、データフィールド部分は、リソース割り当てに基づいて、パンクチャされたサブチャネルの一部で受信される、ステップとを含む。
【0124】
例39は例38の対象物を含み、任意選択で、PPDUは、マルチユーザ・マルチプルインプット・マルチプルアウトプット(MU-MIMO)PPDUであり、少なくとも1つのSTAは、複数のSTAを含み、信号フィールドは、高効率信号Bフィールド(HE-SIG-B)を含む。
【0125】
例40は例39の対象物を含み、任意選択で、PPDUは、レガシーショートトレーニングフィールド(L-STF)と、時間領域においてL-STFに続くレガシーロングトレーニングフィールド(L-LTF)と、時間領域においてL-LTFに続くレガシー信号フィールド(L-SIG)と、時間領域においてL-SIGに続きHE-SIG-Bに先行する高効率信号Aフィールド(HE-SIG-A)とを含み、処理回路は、L-STF、L-LTF、L-SIG及びHE-SIG-Aを復号する。
【0126】
例41は例40の対象物を含み、任意選択で、L-STF、L-LTF、L-SIG、HE-SIG-A及びHE-SIG-Bは、PPDUのプリアンブル部分の一部であり、プリアンブル部分は、高効率ショートトレーニングフィールド(HE-STF)と、時間領域においてHE-STFに続きデータフィールドに先行する高効率ロングトレーニングフィールド(HE-LTF)とを更に含み、HE-STFは、HE-STF下位部分を含み、HE-LTFは、HE-LTF下位部分を含み、HE-SIG-Bは、信号フィールド部分に対応するHE-SIG-B下位部分を含み、データフィールド部分は、データ下位部分を含み、HE-STF下位部分、HE-LTF下位部分及びデータ下位部分のそれぞれは、HE-SIG-B下位部分のうち1つにより占有される帯域幅よりも小さい帯域幅を占有し、処理回路は、パンクチャされたサブチャネルの一部を占有するHE-STF下位部分、HE-LTF下位部分及びデータ下位部分を復号する。
【0127】
例42は例38の対象物を含み、任意選択で、結合チャネルは、80MHz又は160MHzのうち1つの帯域幅を有し、サブチャネルは、20MHzの帯域幅をそれぞれ有する。
【0128】
例43は例38の対象物を含み、任意選択で、信号フィールド部分は、パンクチャされていないサブチャネル上で複製されない。
【0129】
例44は例38の対象物を含み、任意選択で、結合チャネルの中心周波数は約6GHzである。
【0130】
例45は例38の対象物を含み、任意選択で、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを決定し、決定されたエネルギーレベルに基づいて、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲がビジーであるかアイドルであるかを決定するステップを更に含む。
【0131】
例46は例45の対象物を含み、任意選択で、全体のパンクチャされたサブチャネルに対応する周波数範囲上のエネルギーレベルから、パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを除算することにより、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを決定するステップを更に含む。
【0132】
例47は例45の対象物を含み、任意選択で、パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルをフィルタリング除去し、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを決定するステップを更に含む。
【0133】
例48は、メモリと、メモリに結合された処理回路とを含む無線通信デバイスを含み、当該デバイスは、結合チャネル上で受信した物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)データユニット(PPDU)の信号フィールドの少なくとも1つの信号フィールド部分を復号する手段(例えば、STA104又はそのいずれかのコンポーネント、例えば、ベースバンドプロセッサ509、無線IC回路502及び/又はFEモジュール510)であり、結合チャネルは、パンクチャされたサブチャネルを含む複数のサブチャネルを含み、少なくとも1つの信号フィールド部分は、複数のサブチャネルのうち少なくとも1つのパンクチャされていないサブチャネル上にある、手段と、少なくとも1つの信号フィールド部分から、当該デバイスのためのリソース割り当てに関する情報を決定する手段であり、リソース割り当ては、当該デバイスについてPPDUのデータフィールド部分に使用される少なくとも1つのリソースユニット(RU)を示す、手段と、PPDUのデータフィールド部分を復号する手段(例えば、STA104又はそのいずれかのコンポーネント、例えば、ベースバンドプロセッサ509、無線IC回路502及び/又はFEモジュール510)であり、データフィールド部分は、リソース割り当てに基づいて、パンクチャされたサブチャネルの一部で受信される、手段とを含む。
【0134】
例49は例48の対象物を含み、任意選択で、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを決定する手段(例えば、STA104又はそのいずれかのコンポーネント、例えば、ベースバンドプロセッサ509、無線IC回路502及び/又はFEモジュール510)と、決定されたエネルギーレベルに基づいて、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲がビジーであるかアイドルであるかを決定する手段とを更に含む。
【0135】
例50は例48の対象物を含み、任意選択で、全体のパンクチャされたサブチャネルに対応する周波数範囲上のエネルギーレベルから、パンクチャされたサブチャネルの第2の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを除算することにより、パンクチャされたサブチャネルの第1の部分に対応する周波数範囲上に存在するエネルギーレベルを決定する手段(例えば、STA104又はそのいずれかのコンポーネント、例えば、ベースバンドプロセッサ509、無線IC回路502及び/又はFEモジュール510)を更に含む。
【0136】
例51は、実行されると、上記の例のうちいずれかに記載のように方法を実装するか或いはデバイスを実現するための機械読み取り可能命令を含む機械読み取り可能ストレージを含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8