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▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】洗浄製品
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/04 20060101AFI20221114BHJP
   C11D 1/52 20060101ALI20221114BHJP
   C11D 1/65 20060101ALI20221114BHJP
   C11D 1/14 20060101ALI20221114BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20221114BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20221114BHJP
   C11D 3/43 20060101ALI20221114BHJP
   B08B 3/08 20060101ALI20221114BHJP
   B08B 9/087 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
C11D17/04
C11D1/52
C11D1/65
C11D1/14
C11D1/29
C11D1/72
C11D3/43
B08B3/08 Z
B08B9/087
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021005582
(22)【出願日】2021-01-18
(65)【公開番号】P2021116420
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2021-01-20
(31)【優先権主張番号】20154058.0
(32)【優先日】2020-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20192540.1
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-リュク・フィリップ・ベトワル
(72)【発明者】
【氏名】ロクサーヌ・ロスマニーノ
【審査官】上條 のぶよ
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-543302(JP,A)
【文献】特表2004-502832(JP,A)
【文献】特表平09-508121(JP,A)
【文献】特開2001-131579(JP,A)
【文献】特表平06-502198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00-19/00
B08B 1/00-17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレーディスペンサーと洗浄組成物とを含む食器手洗い用洗浄製品であって、該洗浄組成物は該スプレーディスペンサーに収容されており、該洗浄組成物は、該洗浄組成物の5重量%~25重量%の界面活性剤系を含み、該界面活性剤系は、
a.アニオン性界面活性剤と、
b.アルキルグルカミド界面活性剤とを含み、該アルキルグルカミド界面活性剤が、以下の式:
【化1】
を有し、式(I)中、
R1は、8~18個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖の飽和又は不飽和アルキル鎖であり、かつ
R2は、1~4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
前記洗浄組成物が、該洗浄組成物の2.0重量%~10重量%の濃度の前記アニオン性界面活性剤を含み、
前記洗浄組成物が、該洗浄組成物の0.5重量%~5.0重量%の濃度の前記アルキルグルカミド界面活性剤を含み、
該アニオン性界面活性剤とアルキルグルカミド界面活性剤が、1.5:1~5:1の重量比で存在し、
前記洗浄組成物が酵素を含まない、洗浄製品。
【請求項2】
前記洗浄組成物が、該洗浄組成物の7重量%~20重量%の前記界面活性剤系を含む、請求項1に記載の洗浄製品。
【請求項3】
前記洗浄組成物が、該洗浄組成物の5.0重量%~7.5重量%の濃度の前記アニオン性界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載の洗浄製品。
【請求項4】
前記洗浄組成物の前記界面活性剤系において、前記アニオン性界面活性剤が、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤からなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項5】
前記アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が、5.0以下の平均アルコキシル化度を有する、請求項4に記載の洗浄製品。
【請求項6】
前記洗浄組成物が、該洗浄組成物の1.0重量%~4.0重量%の濃度の前記アルキルグルカミド界面活性剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項7】
前記アルキルグルカミド界面活性剤において、R1がC8~C14のアルキル鎖である、請求項1~6のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項8】
前記アニオン性界面活性剤及びアルキルグルカミド界面活性剤が、2:1~3:1の重量比で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項9】
前記界面活性剤系が、前洗浄組成物の1.0重量%~10重量%の濃度の更なる非イオン性界面活性剤を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項10】
前記更なる非イオン性界面活性剤が、アルキルエトキシレート界面活性剤である、請求項9に記載の洗浄製品。
【請求項11】
前記界面活性剤系が、前記洗浄組成物の0.5重量%未満の両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項12】
前記洗浄組成物が、該洗浄組成物の0.1重量%~10重量%の濃度の有機溶媒を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項13】
前記有機溶媒が、グリコールエーテル溶媒、アルコール溶媒、エステル溶媒、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の洗浄製品
【請求項14】
前記洗浄組成物が、該洗浄組成物の10重量%~15重量%の前記界面活性剤系を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の洗浄製品を使用して食器を洗浄する方法であって、
a)任意的に、該食器を予め濡らす工程と、
b)前記洗浄組成物を該食器に噴霧する工程と、
c)任意的に、該食器を擦り洗いする工程と、
d)該食器をすすぐ工程と、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合したグリースの改善された洗浄及び良好な泡の持続性(mileage)を提供する、スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の食器手洗いは、シンクに水を溜め、食器洗浄洗剤を添加して石鹸溶液を作製し、汚れた物品を溶液に浸漬し、物品をこすり洗いし、すすぎ洗いにより、洗浄された物品から残りの汚れを除去しかつ石鹸溶液から生じた泡を除去することによって実施されていた。従来では、大抵の場合、汚れた食器をまとめて一度に洗浄していた。現在、一部のユーザは、食器がたまるまで待つのではなく、使い終わったらできるだけ早く物品を洗浄することを好む。したがって、この場合一度に洗う物品は1つ又は少量となる。洗浄は、通常、満杯のシンクではなく流水下で実施される。洗浄は、速やかに行わなければならず、ユーザの労力を最小限にするものでなければならない。水道蛇口の下でのこのような洗浄では、ユーザは典型的には、洗剤をスポンジに付ける。これには、特に、洗浄される物品の数が少ない場合に、実際に必要とされるよりも多くの洗剤を分配することが多いという欠点がある。更に、過剰な量の洗剤は、すすぐのにより多くの水とより長い時間を必要とする。
【0003】
スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品の使用は、このような問題を軽減する。しかしながら、グリース状の汚れ、特に重合したグリースを強力に除去する洗浄力をもつスプレー製品用洗浄組成物を配合することは依然として困難である。
【0004】
重合したグリースとは、典型的には、室温で液体のグリースが、ベーキング条件又はロースト条件などの高温に曝露されて重合し、より粘稠又は固体のグリースになったものである。このような重合したグリースは、典型的には、ヒマワリ油、ピーナッツ油、コーン油、オリーブ油などの植物油又は種子油から誘導され、オーブン又はフライパン内で調理した後に重合する。典型的には、このような重合したグリースの良好な除去は、より長い持続時間にわたって、典型的にはアルカリ性の洗剤組成物をより高濃度で適用されることを必要とし、例えば、重合したグリースを浮き上がらせ乳化させるために、食器を洗剤に浸漬して、強く擦り洗いする必要がある。しかしながら、そのような浸漬時間が必要になると、食器を洗浄するのに必要な時間が長くなり、ユーザの満足度が低くなる。更に、このような重合したグリースは、典型的には、グリースが乳化される際に泡立ちを抑制し、泡の持続性(suds mileage)が低くなる。泡の持続性が低いことは典型的には、十分な洗浄力が依然として存在する可能性があるにもかかわらず、消費者に洗浄組成物を再投与するよう伝える合図となり、製品消費量が増え、認識される製品価値が低下する。
【0005】
したがって、重合したグリースの改善された洗浄及び泡の持続性を提供し、これにより食器を洗浄する時間を短縮する、スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品が依然として必要とされている。
【0006】
欧州登録特許第3118301B1号は、洗浄製品に関し、具体的には、食器洗浄をより容易かつ迅速になすためのスプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品に関する。特開2016198765号は、食卓用食器類の高起泡洗浄方法に関し、特に、手が届きにくい又は手が届かない食器の部分から油を除去するための、高起泡洗浄方法に関する。国際公開第2017204149A1号は、食卓用食器を含む硬質表面に付着した、固体脂肪を含有する油汚れに対する優れた洗浄性を示す洗剤組成物に関し、この洗剤組成物は、スプレーを介して硬質表面に適用され得る。国際公開第2017204148A1号は、機械的力を適用することなく食卓用食器を洗浄するための方法に関するものであり、この方法は、1質量%以上の界面活性剤、1質量%以上のキレート剤、及び水を含有する液体洗剤組成物を、固体脂肪汚れなどの油汚れを有する食卓用食器に接触させることにより行われ、この界面活性剤とキレート剤の質量比は0.25以上であり、この液体洗剤組成物は25℃で0.70S/m以上の導電率を有する。特開2017210577A号は、優れた低温安定性を有し、分枝鎖アニオン界面活性剤、2~12個の炭素原子を有するグリコール溶媒、及び水を含有する液体洗剤組成物を、スポンジなどの可撓性材料で擦ることなく、また例えば、スプレーを介して適用することによって、機械的力を適用せずとも食卓用食器類の表面に付着した固体脂肪を含む油汚れを十分に洗浄することができる食卓用食器用液体洗剤組成物に関する。特開2017210576A号は、プラスチック硬質表面に付着した固体脂肪を含む油汚れに対する優れた洗浄性を有する、食卓用食器を含む硬質表面用液体洗剤組成物と、その組成物を使用して硬質表面を洗浄するための方法に関し、この組成物は、スルホコハク酸エステル又はその塩、炭素原子が8個以上21個以下の炭化水素基と、硫酸エステル基又はスルホン酸基とを含むアニオン性界面活性剤、特定の非イオン性界面活性剤、及び水を含む。国際公開第2017110773号は、油汚れに対する優れた洗浄性を有する、食卓用食器類を含む食器手洗い用液体洗剤組成物に関し、この組成物は、スルホコハク酸エステル又はその塩、8~21個の炭素原子を有する炭化水素基と、硫酸エステル基又はスルホン酸基とを有する更なるアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び水とを含む。国際公開第2016110827A1号は、乳又は液体乳由来製品のための容器を洗浄するための、スプレーとして適用することができる洗剤溶液に関し、この洗剤溶液は、水、1種以上の界面活性剤、及び臭気吸着化合物を含み、界面活性剤は、乳由来のグリース状の残留物を容器から溶解し、臭気吸着化合物は、界面活性剤によって除去されずに残存している乳由来の残留物から生じる臭気を中和する。国際公開第2017011191A1号は、スプレーディスペンサーと、スプレーディスペンサーに収容された洗浄組成物とを含む洗浄製品に関し、この組成物は、組成物の5重量%~15重量%の界面活性剤系を含み、この界面活性剤組成物は、ii.界面活性剤系の40重量%~90重量%の非イオン性界面活性剤と、界面活性剤系の10~60重量%のアニオン性、両性、双性イオン性、及びこれらの混合物から選択される補助界面活性剤と、グリコールエーテル溶媒と、を含む。米国特許第5888957A号は、より環境に優しいと位置付けられ、油及びカオリン汚れの混合物の除去に特に効果的であり、かつ、アナレフォトロピン酸(analephotropic)負電荷錯体、炭化水素成分、補助界面活性剤、及び水を含有する、多目的洗浄又はマイクロエマルション組成物に関する。国際公開第2019235424A号は、食卓用食器類及び/又は台所硬質物品用液体洗剤組成物に関し、この液体洗剤組成物は、(a)10.5以下のHLBを有する非イオン性界面活性剤((b)を除く)、(b)C8~18炭化水素基と、0.5~3の平均縮合度を有するグリコシド基とを有するグリコシド、及び(c)0~1.5のlogPowを有する有機溶媒、を含み、(a)の量は全界面活性剤の合計の30~95質量%であり、(a)の量に対する成分(c)の質量比(c)/(a)は2~8であり、20℃におけるこの液体洗剤組成物の粘度は20mPa・s以下である。国際公開第2019235425A号は、食卓用食器類及び/又は硬質の台所物品用の液体洗剤組成物に関し、この液体洗剤組成物は、(a)10.5以下のHLBを有する非イオン性界面活性剤、(b)アミンオキシド界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤から選択され、11以上のHLBを有する界面活性剤、並びに(c)0~1.5のlogPowを有する有機溶媒を含み、全界面活性剤の合計に対する(a)の成分分率は30~85質量%であり、質量比(c)/(a)は1~10であり、20℃におけるこの液体洗剤組成物の粘度は20mPa・s以下である。特開2019182911A号は、改善された酵素及び組成物安定性を有する、食卓用食器類などに付着した固形脂肪を含有する汚れを洗浄するための食卓用食器及び/又は台所用品に関し、この液体洗剤組成物は、(a)0.01重量%~5.0重量%の、アルキル基中に5~18個の炭素原子を有するスルホコハク酸アルキルエステル又はその塩、(b)0.01重量%~5.0重量%の、半極性界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される1種以上の界面活性剤、並びに(c)酵素を含み、この組成物は水を更に含み、かつ(b)に対する(a)の質量比が0.01~100である。特開2019182912A号は、食卓用食器に付着したタンパク質含有汚れ及び固体脂肪含有汚れの両方を洗浄するための、食卓用食器類及び/又は台所周りの硬質物品用の液体洗浄組成物に関し、この組成物は、(a)0.01重量%~5.0重量%のアニオン性界面活性剤、(b)0.01重量%~5.0重量%の半極性界面活性剤又は両性界面活性剤、及び(c)酵素を含み、(b)に対する(a)の質量比は1以上99未満であり、粘度は10mPas以下である。特開2019182913A号は、食卓用食器類等に付着した脂肪及び油汚れ並びに澱粉汚れを洗浄するための、改善された酵素及び組成物安定性を有する、食卓用食器及び/又は台所周りの硬質物品用の液体洗剤に関し、この組成物は、(a)0.01質量%~5.0質量%のアニオン性界面活性剤、(b)0.01質量%~5.0質量%の半極性界面活性剤又は両性界面活性剤、(c)0.1ppm以上1000ppm以下の酵素、及び水を含み、(b)に対する(a)の質量比は0.01~1である。特開2019182914A号は、食卓用食器類に付着した液体油を含有する汚れを洗浄するための、台所周りの硬質物品用の食卓用食器用及び/又は液体洗浄組成物に関し、この組成物は、(a)0.01質量%~5.0質量%のアニオン性界面活性剤、(b)0.01質量%~5.0質量%の半極性界面活性剤又は両性界面活性剤、(c)0.1ppm以上1000ppm以下の酵素、及び(d)ヒドロトロープから選択される1種以上の粘度調整剤を含み、(b)に対する(a)の質量比は0.25~4である。特開2019104852A号は、食卓用食器類及び台所周りの硬質物品に付着した固形脂肪を含む油汚れを洗浄するための洗浄方法に関し、これは、改善された洗浄中の起泡とすすぎ中の消泡を提供し、この組成物は、(a)アルキル基中に5~18個の炭素原子を有するスルホコハク酸アルキルエステル又はその塩から選択される1種以上の界面活性剤、(b)半極性界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される1種以上の界面活性剤、(c)グリセリン、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、アルキルセロソルブ(アルキル基中に1~9個の炭素原子を有する)、アルキルカルビトール(アルキル基中に1~9個の炭素原子を有する)、アルキルグリセリルエーテル(アルキル基中に1~9個の炭素原子を有する)から選択される1つ以上の溶媒、並びに(d)カルシウム、亜鉛、銅、及びホウ素から選択される原子を含有する化合物[成分(a)を除く]を含み、(b)に対する(a)の質量比は1.5~99である。特開2019104853A号は、固体脂肪を含む油汚れの改善された洗浄と、改善された発泡及び発泡特性を有する、食卓用食器類及び/又は台所周りの硬質物品を洗浄するための方法に関し、この液体洗剤組成物は、(a)アニオン性界面活性剤から選択される1種以上の界面活性剤、(b)半極性界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される1種以上の界面活性剤、(c)1~9個の炭素原子を有するアルキル基を有する、2価又は3価のアルコール及び2価又は3価のアルコールのエーテルから選択される1種以上の溶媒、(d)カルシウム、マグネシウム、銅及びホウ素から選択される原子を含有する化合物、(成分(a)を除く)、並びに水を含み、(a)と(b)の合計含有量が、全界面活性剤の合計の20%以上であり、かつこの組成物の(b)に対する(a)の質量比は1.5~99である。特開2019104854号は、食卓用食器及び/又は台所周りの硬質物品、特に、食卓用食器及び硬質物品に付着した固体脂肪を含有する油性汚れを洗浄するための方法に関し、この液体洗剤組成物は、(a)アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、アルカンスルホン酸型界面活性剤、オレフィンスルホン酸型界面活性剤、及びスルホ脂肪酸エステル型界面活性剤から選択される1種以上のアニオン性界面活性剤、(b)半極性界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される1種以上の界面活性剤、(c)1~9個の炭素原子を有するアルキル基を有する、2価又は3価のアルコール及び2価又は3価のアルコールのエーテルから選択される1種以上の溶媒、(d)カルシウム、マグネシウム、銅、及びホウ素から選択される原子を含有する化合物(成分(a)を除く)、並びに水を含み、成分(a)と成分(b)の合計含有量が、全界面活性剤の合計の20質量%以上であり、かつ(b)に対する(a)の質量比は0.6~1.5である。特開2019104855A号は、機械的力を伴わずとも、台所における食卓用食器又は硬質物品に付着した固体脂肪を含有する油汚染物質を洗浄するための洗浄方法、洗剤組成物及び洗剤物品に関し、これは良好な泡安定性及びより少ない皮膚刺激性を有し、(a)アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、アルカンスルホン酸型界面活性剤、オレフィンスルホン酸型界面活性剤、及びスルホ脂肪酸エステル型界面活性剤から選択される1種以上のアニオン界面活性剤、(b)半極性界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される1種以上の界面活性剤を含み、かつ(b)に対する(a)の質量比は0.01~0.6である、液体洗剤組成物を使用する。国際公開第2019188140A号は、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を含有する液体洗剤組成物に関し、(A)はアニオン性界面活性剤であり、(B)は特定の有機溶媒化合物であり、(C)は両性界面活性剤及びアミンオキシド界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つの界面活性剤であり、(B)に対する(A)の質量比は、0.06~45である。米国特許公開第20020037824A号は、洗濯、食器洗浄、及び/又は硬質表面の洗浄組成物を含む洗剤組成物に関し、この組成物は、マルトース生成α-アミラーゼ酵素と、非イオン性界面活性剤、プロテアーゼ、漂白剤、及び/又はこれらの混合物からなる群から選択される洗剤成分とを含み、好適な非イオン性界面活性剤は、C16~C18アルキルN-メチルグルカミドなどのポリヒドロキシ脂肪酸アミドを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】欧州登録特許第3118301B1号
【文献】特開2016198765号
【文献】国際公開第2017204149A1号
【文献】国際公開第2017204148A1号
【文献】特開2017210577A号
【文献】特開2017210576A号
【文献】国際公開第2017110773号
【文献】国際公開第2016110827A1号
【文献】国際公開第2017011191A1号
【文献】米国特許第5888957A号
【文献】国際公開第2019235424A号
【文献】国際公開第2019235425A号
【文献】特開2019182911A号
【文献】特開2019182912A号
【文献】特開2019182913A号
【文献】特開2019182914A号
【文献】特開2019104852A号
【文献】特開2019104853A号
【文献】特開2019104854号
【文献】特開2019104855A号
【文献】国際公開第2019188140A号
【文献】米国特許公開第20020037824A号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、スプレーディスペンサーと洗浄組成物とを含む洗浄製品に関し、この洗浄組成物はスプレーディスペンサーに収容され、この洗浄組成物は、5重量%~25重量%の界面活性剤系を含み、この界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤と、アルキルグルカミド界面活性剤とを含み、このアルキルグルカミド界面活性剤は、次式:
【0009】
【化1】
を有し、式(I)中、R1は、8~18個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖の飽和又は不飽和アルキル鎖であり、R2は、1~4個の炭素原子を有するアルキル基であり、このアニオン性界面活性剤とアルキルグルカミド界面活性剤は1:1を超える重量比で存在する。
【0010】
本発明は更に、汚れた食器を、本発明による製品を用いて洗浄する方法に関し、この方法は、任意に、汚れた食器を予め濡らす工程と、洗浄組成物を汚れた食器に噴霧する工程と、任意に、食器を擦り洗いする工程と、食器をすすぐ工程と、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
重合したグリースの改善された洗浄及び改善された泡の持続性を提供する、スプレーディスペンサーと洗浄組成物とを含む洗浄製品の必要性は、洗浄組成物にアニオン性界面活性剤及びアルキルグルカミド界面活性剤を含む界面活性剤系を配合することにより、満たされる。このような洗浄組成物は、含まれる全界面活性剤の濃度が比較的低い場合であっても、重合したグリースの乳化を改善することが判明している。この洗浄組成物はまた、重合したグリースの存在下でも長時間持続性の泡を提供することが判明しており、これにより製品の再投与が少なくなり、認識される製品価値が向上する。更に、この洗剤組成物はスプレー容器に含まれているため、主洗浄工程前の前処理工程の一部として、重合したグリースを更に緩めるために、組成物を物品の表面に均一に適用し、一定時間放置することができる。
【0012】
本発明は、食器手洗い用洗浄製品である洗浄製品に関し、この製品は、スプレーディスペンサーと洗浄組成物とを含む。この洗浄組成物は、スプレーディスペンサーに収容されている。
【0013】
本発明の目的のために、「食器」は、調理するために用いられるか又は食品を給仕し、食すために用いられる物品をすべて包含する。
【0014】
「スプレーディスペンサー」とは、本明細書では、組成物を収容するための筐体とその組成物を噴霧するための手段とを含む容器を意味する。好ましい噴霧手段は、トリガースプレーである。本発明で使用する組成物は、処理される表面上に噴霧されるときに泡立つ。
【0015】
洗浄組成物:
洗浄組成物は、好ましくは、食器手洗い用洗浄組成物であり、好ましくは液体形態である。この洗浄組成物は噴霧に好適である。
【0016】
この組成物のpHは、20℃で未希釈で測定した場合、好ましくは8超であり、より好ましくは10~12であり、最も好ましくは10.5~11.5である。この組成物は、本明細書に記述されるように測定した場合、好ましくは予備アルカリ度(reserve alkalinity)が0.1~1であり、より好ましくは0.1~0.5である。このpH及び予備アルカリ度は、更に、特に重合したグリースを含む頑固な食品汚れの洗浄に寄与する。
【0017】
本発明による洗浄製品は、本明細書で定義される方法を使用して測定した場合、20℃で、例えば1mPa・s~50mPa・s、好ましくは1mPa・s~20mPa・s、より好ましくは1mPa・s~10mPa・sのニュートン粘度を有する組成物を含み得る。
【0018】
あるいは、本発明による洗浄製品は、ずり減粘レオロジープロファイルを有する組成物を含むことができ、例えば、20℃で1000s-1の剪断速度で測定したとき、1mPa・s~50mPa・s、好ましくは1mPa・s~20mPa・s、より好ましくは5mPa・s~15mPa・sの高剪断粘度を有することができ、更に、本明細書に定義される方法を使用して、20℃で0.1s-1で測定したとき、100mPa・s~1,000mPa・s、好ましくは200mPa・s~500mPa・sの低剪断粘度を有する。
【0019】
好ましくは、本発明で使用する洗浄組成物は、あるニュートン粘度を有する。
【0020】
この液体洗浄組成物は典型的には、他のすべての活性成分が溶解又は最終的に分散される水性担体を含む。その際、水は、組成物の60重量%~90重量%、好ましくは75重量%~85重量%の量で存在し得る。
【0021】
界面活性剤系:
この組成物は、5重量%~25重量%、好ましくは7重量%~20重量%、より好ましくは10重量%~15重量%の界面活性剤系を含む。この界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤とアルキルグルカミド界面活性剤とを含む。このアニオン性界面活性剤とアルキルグルカミド界面活性剤は、1:1より大、好ましくは1:1~10:1、好ましくは1.5:1~5:1、より好ましくは2:1~3:1の重量比で存在する。
【0022】
アニオン性界面活性剤:
この界面活性剤系は、この組成物の2.0重量%~12重量%、好ましくは3.0重量%~10重量%、最も好ましくは5.0重量%~7.5重量%の濃度の、アニオン性界面活性剤を含み得る。特にアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含む界面活性剤系を有する組成物は、洗浄性及び発泡性の面で非常に良好であることが判明している。また、それらの組成物は、噴霧パターンの観点から非常に良好であることも判明している。本発明で使用される組成物の界面活性剤系がそのようなアニオン性界面活性剤を含むとき、小滴の存在(ひいては、吸入のリスク)が最小限に抑えられる。このように、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤、特にアルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが好ましい。より好ましくは、このアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤からなる。アルキルアルコキシサルフェートが存在する場合、アルキルエトキシサルフェートが好ましい。
【0023】
このアルキルエトキシル化サルフェートは、5以下、好ましくは1.0~5.0、より好ましくは2~4、最も好ましくは2.5~3.5の平均エトキシル化度を有する。このような平均エトキシル化度を有するアルキルエトキシル化サルフェートは、より低い又はより高いエトキシル化度を有する他のエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤に比べ、改善された洗浄、特に洗浄速度、及び泡立ち、並びに特により低い温度でのより堅牢な物理的安定性の、良好なバランスを提供することが判明している。しかしながら、0~1.0のより低いレベルのエトキシル化の場合は、特に低温でのより堅牢な物理的安定性の問題にもかかわらず、改善された泡の持続性及びグリースの乳化をもたらす。平均アルコキシル化度は、すべてのアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のアルコキシル化度のモル平均(すなわち、モル平均アルコキシル化度)である。したがって、モル平均アルコキシル化度を計算するとき、非アルコキシル化サルフェートアニオン性界面活性剤のモルが含まれる。
モル平均アルコキシル化度=(x1界面活性剤1のアルコキシル化度+x2界面活性剤2のアルコキシル化度+....)/(x1+x2+....)
(式中、x1、x2...は、混合物の各アルキル(又はアルコキシ)サルフェートアニオン性界面活性剤のモル数であり、アルコキシル化度は、各アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤中のアルコキシ基の数である)。
【0024】
アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、好ましくは本質的に直鎖である。したがって、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のアルキル鎖は、好ましくは、完全に直鎖のアルキル鎖を含み、又はアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤中のアルキル鎖の平均20重量%以下のアルキル分枝を含み、典型的には、アルキル分枝は、主にC2位置(非アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤についてはサルフェート基からの炭素原子を数え、アルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤についてはサルフェート基から最も遠いアルコキシ基から数える)であり、特にC1~C4アルキル分枝基であり、より具体的にはメチルである。最も好ましくは、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤中のアルキル鎖は、完全に直鎖である。完全に直鎖のアルキル鎖は、典型的には、パーム油、ココヤシ油などの天然資源から誘導される。軽度に分枝したアルキルサルフェートは、チーグラー(Ziegler)法及びオキソ法を使用して調製されるような、合成により誘導されたアルコールから形成することができる。
【0025】
単一の界面活性剤の場合、分枝の割合は、界面活性剤が誘導される元のアルコールにおいて分枝しているヒドロカルビル鎖の重量割合を指す。界面活性剤混合物の場合、分枝率は重量平均であり、以下の式に従って定義される。
重量平均分枝度(%)=(x1アルコール1中の分枝アルコールの重量%+x2アルコール2中の分枝アルコールの重量%+....)/(x1+x2+....)
式中、x1、x2、...は、本発明の洗剤のアニオン性界面活性剤用の出発原料として使用したアルコールの全アルコール混合物中の各アルコールのグラム単位の重量である。重量平均分枝度の計算には、分枝基を有しないアニオン性界面活性剤成分の重量も含めるべきである。
【0026】
アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、好ましくは8~18個、好ましくは10~14個、より好ましくは12~14個、最も好ましくは12~13個の炭素原子の平均アルキル鎖長を有する。
【0027】
好適な対イオンとしては、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、アルカノールアンモニウム、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウムが挙げられるが、好ましくはナトリウムである。
【0028】
さまざまな鎖長、エトキシル化度、及び分枝度の好適なアルキルアルコキシサルフェートが市販されている。市販されているサルフェートとしては、Shell社製のNeodolアルコール、Sasol社製のLial-Isalcheml及びSafol、Procter&Gamble Chemicals社製の天然アルコールをベースにしたものが挙げられる。好ましくは、このアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、ネオドールアルコール又は天然アルコール、最も好ましくは天然アルコールから誘導される。
【0029】
泡立ちを更に改善するために、この界面活性剤系は、界面活性剤系の重量に対して30重量%未満、好ましくは15重量%未満、より好ましくは10重量%未満の更なるアニオン性界面活性剤を含み得、最も好ましくは、この界面活性剤系は、更なるアニオン性界面活性剤を含まない。
【0030】
アルキルグルカミド界面活性剤:
この組成物は、式(I)による1種以上のアルキルグルカミド界面活性剤を含む:
【0031】
【化2】
式(I)中:
R1は、8~18個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和のアルキル鎖である。好ましくは、R1はC8~C18、好ましくはC8~C14、より好ましくはC12~C14のアルキル鎖である。ココヤシ油はアルキル鎖内に主に12~14個の炭素原子を含むので、R1は好ましくはココヤシ油から誘導される。アルキル鎖の長さがより短い方が、グリース洗浄及び泡の持続性を更に改善するため、好ましい。これは、アニオン性界面活性剤と組み合わせたときの界面活性剤の充填が改善されることによるものであると考えられる。
R2は、1~4個の炭素原子を有するアルキル基である。好ましくは、R2は、1~2個の炭素原子を有するアルキル基である。より好ましくは、R2はメチルである。
【0032】
この洗浄組成物は、この組成物の0.5重量%~5.0重量%、好ましくは1.0重量%~4.0重量%、最も好ましくは2.0重量%~3.0重量%の濃度の、アルキルグルカミド界面活性剤を含み得る。
【0033】
式(I)のアルキルグルカミドの調製は、例えば欧州特許第0633244号、同第1110944号、国際公開第2016075080号、欧州特許出願第0550603A号、同第0550632A号、及び同第0550651A号にすでに詳しく記載されており、当業者には既知である。これは、例えば、カルボン酸エステルを二級N-アルキルグルカミンと縮合させることによって達成され、この縮合物は、D-グルコースなどの糖による還元的アミノ化を受け得る。
【0034】
好適なアルキルグルカミドとしては、n-オクチル-n-メチルグルカミド、n-デシル-n-メチルグルカミド、n-ドデシル(又はラウリル)-n-メチルグルカミド、n-ミリスチル-n-メチルグルカミド、n-パルミチル-n-メチルグルカミド、及びn-オレイル-n-メチルグルカミド、及びこれらの混合物が挙げられ、好ましくはn-ドデシル-n-メチルグルカミド、n-ミリスチル-n-メチルグルカミド、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明による最も好ましいアルキルグルカミドは、n-C12~14アルキル-n-メチルグルカミドであり、好ましくはココヤシ油から誘導される。
【0035】
グルコース及び天然油から誘導される場合、かかるアルキルグルカミド界面活性剤は、ISO 16128で94%~96%のRenewable Carbon Index(RCI)を有し、「ナチュラル」という謳い文句で販売される洗剤組成物への使用に特に好適である。
【0036】
アルキルグルカミド界面活性剤は、ClariantからGlucoPureの商標名で市販されている。最も好ましい材料は、ココヤシ油及びグルコースから誘導されるGlucoPure Foamである。
【0037】
更なる非イオン性界面活性剤:
この界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤を更に含み得る。非イオン性界面活性剤が存在する場合、この界面活性剤系は、組成物の0.5重量%~10重量%、好ましくは1.0重量%~8.0重量%、より好ましくは2.0重量%~6.0重量%の、更なる非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0038】
好適な更なる非イオン性界面活性剤としては、アルキルアルコキシル化非イオン性界面活性剤、より好ましくはエトキシル化非イオン性界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤としては、脂肪族アルコールと1~25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。この脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換のいずれであってもよく、好ましくは直鎖である。
【0039】
この更なる非イオン性界面活性剤は、ローカットアルキルエトキシレート界面活性剤であり得る。ローカットアルコールエトキシレート界面活性剤としては、平均アルキル炭素鎖長がC10以下であるアルコールエトキシレート界面活性剤が挙げられる。より好ましくは、このアルキルエトキシレート界面活性剤は、C5~C8、好ましくはC5~C7の平均アルキル鎖長、及び1~10、好ましくは3~8、より好ましくは4~6の数平均エトキシル化度を有する。好適な非イオン性アルコールエトキシレート界面活性剤としては、Emulan(登録商標)HE50又はLutensol(登録商標)CS6250(BASFから入手可能)などの市販の材料が挙げられる。
【0040】
最も好ましくは、この界面活性剤系は前述のように、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤、アルキルグルカミド界面活性剤、及びアルキルエトキシレート界面活性剤、特にローカットアルコールエトキシレート界面活性剤からなる。
【0041】
最も好ましくは、この界面活性剤系は、i)5.0~7.5%のアルキルエトキシサルフェートアニオン性界面活性剤、好ましくはC12~14 AE3Sアニオン性界面活性剤、ii)2.0~3.0%のアルキルグルカミド界面活性剤、好ましくはn-C12C14アルキル-n-メチルグルカミド界面活性剤、及びiii)好ましくはC5~C7の平均アルキル鎖長及び4~6の数平均エトキシル化度を有する、4.0%~6.0%のローカットアルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤からなる。
【0042】
他の界面活性剤:
この界面活性剤系は、洗浄組成物の0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%未満の両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物を含む。より好ましい実施形態では、この洗浄組成物は、両性及び双性イオン性界面活性剤を含まない。
【0043】
双性イオン性及び両性界面活性剤は、同じ分子にカチオン性の核及びアニオン性の核の両方が付着している。カチオン性部分は典型的には、一級、二級、又は三級アミン又は四級アンモニウムカチオンに基づく。アニオン性部分は、例えばスルタインを形成するためのスルホネートを含み得る。コカミドプロピルベタインなどのベタインは、アンモニウム基を有するカルボキシレートを有する。両性界面活性剤としては、アミンオキシド界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。
【0044】
本発明で使用する組成物は、好ましくはカチオン性界面活性剤を含まず、特に抗菌性カチオン性界面活性剤を含まない。その理由は、そのような界面活性剤は典型的に、グリース洗浄及び表面光沢に有害であるためである。このような抗菌性カチオン性界面活性剤としては、ドデシルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物などの、第四級アンモニウム化合物が挙げられる。
【0045】
有機溶媒:
重合したグリース並びに結晶質グリースの浸透及び除去を改善するために、この組成物は更に有機溶媒を含むことができる。この組成物は、組成物全体の0.1重量%~10重量%、好ましくは1.0重量%~8.0重量%、より好ましくは3.0重量%~7.0重量%の有機溶媒を含み得る。
【0046】
好適な有機溶媒は、グリコールエーテル溶媒、アルコール溶媒、エステル溶媒、及びこれらの混合物からなる群から選択することができ、グリコールエーテル溶媒は、重合したグリース及び結晶質グリースを除去するためにアルキルグルカミド界面活性剤と組み合わせて使用されるときに特に有効であり、起泡性も改善することができるため、好ましい。
【0047】
この界面活性剤系と有機溶媒は、好ましくは5:1~1:5、好ましくは4:1~1:2、最も好ましくは3:1~1:1の重量比である。界面活性剤系と有機溶媒とのこのような重量比を有する、本発明において使用する組成物は、過剰噴霧(空気中に分散されたまま残存する残留噴霧液滴)を最小限に抑えつつ、改善された食器被覆を提供することが判明している。したがって、このような噴霧組成物は、無駄を低減し、吸入され得る噴霧液滴の量を最小限にする。界面活性剤:溶媒の重量比が1:5未満である組成物は、泡立ちが少なく、かつ/又は経時的に相分離する傾向がより大きいことが判明している。界面活性剤:溶媒の重量比が5:1よりも高い組成物は、典型的には噴霧がより難しく、汚れが最初に濡らされていない場合、グリース状の汚れに噴霧するとよりゲル化しやすい。このようなゲル形成は、グリース状表面への組成物の拡散を阻害し、したがって、洗浄が不十分になる。
【0048】
好適なグリコールエーテル溶媒は、以下からなる群から選択することができる:
a)式I:R1O(R2O)nR3
R1は直鎖若しくは分枝鎖のC4、C5、若しくはC6アルキル、又は置換若しくは非置換フェニルであり、R2はエチル又はイソプロピルであり、R3は水素又はメチルであり、nは1、2、又は3である。
b)式II:R4O(R5O)nR6
R4はn-プロピル又はイソプロピルであり、R5はイソプロピルであり、R6は水素又はメチルであり、nは、1、2、又は3である。
c)これらの混合物。
【0049】
好適なアルコール溶媒は、C4~C6直鎖モノアルコール、1つ以上のC1~C4分枝基を有する分枝鎖C4~C10モノアルコール、アルキルモノグリセロール、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0050】
好適なエステル溶媒は、以下のグリコールエーテルからなる群から選択することができる:
a)式R1C=OOR2を有するモノエステル
式中、R1は直鎖又は分枝鎖のC1~C4アルキルであり、R2は直鎖又は分枝鎖のC2~C8アルキルである。
b)式R1(C=OOR2)nを有するジ-又はトリ-エステル
R1は飽和又は不飽和のC2~C4アルキルであり、R2は、直鎖又は分枝鎖のC2~C8アルキルから独立に選択され、nは2又は3である。
c)安息香酸ベンジル。並びに
d)これらの混合物。
【0051】
この界面活性剤系と有機溶媒は、5:1~1:5、好ましくは4:1~1:2、最も好ましくは3:1~1:1の重量比であり得る。
【0052】
好適なグリコールエーテル溶媒は、式I、式II、及びこれらの混合物のグリコールエーテルから選択することができる。
a)式I=R1O(R2O)nR3
式中、
R1は直鎖又は分枝鎖のC4、C5又はC6アルキル、置換又は非置換フェニルであり、好ましくはn-ブチルである。ベンジルは、本明細書に用いるための置換フェニルのうちの1つである。
R2はエチル又はイソプロピル、好ましくはイソプロピルであり、
R3は、水素又はメチル、好ましくは水素であり、
nは1、2、又は3、好ましくは1又は2である。
b)式II=R4O(R5O)nR6
式中、
R4はn-プロピル又はイソプロピル、好ましくはn-プロピルであり、
R5はイソプロピルであり、
R6は水素又はメチル、好ましくは水素であり、
nは1、2、又は3、好ましくは1又は2である。
【0053】
式Iに係る好適なグリコールエーテル溶媒としては、エチレングリコールn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールn-ブチルエーテル、トリエチレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、エチレングリコールn-ペンチルエーテル、ジエチレングリコールn-ペンチルエーテル、トリエチレングリコールn-ペンチルエーテル、プロピレングリコールn-ペンチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ペンチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ペンチルエーテル、エチレングリコールn-ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールn-ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールn-ヘキシルエーテル、プロピレングリコールn-ヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールn-ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールn-ヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテル、トリエチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールフェニルエーテル、トリプロピレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、ジエチレングリコールベンジルエーテル、トリエチレングリコールベンジルエーテル、プロピレングリコールベンジルエーテル、ジプロピレングリコールベンジルエーテル、トリプロピレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソブチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、トリエチレングリコールイソブチルエーテル、プロピレングリコールイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールイソブチルエーテル、エチレングリコールイソペンチルエーテル、ジエチレングリコールイソペンチルエーテル、トリエチレングリコールイソペンチルエーテル、プロピレングリコールイソペンチルエーテル、ジプロピレングリコールイソペンチルエーテル、トリプロピレングリコールイソペンチルエーテル、エチレングリコールイソヘキシルエーテル、ジエチレングリコールイソヘキシルエーテル、トリエチレングリコールイソヘキシルエーテル、プロピレングリコールイソヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールイソヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールイソヘキシルエーテル、エチレングリコールn-ブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールn-ブチルメチルエーテルトリエチレングリコールn-ブチルメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルメチルエーテル、エチレングリコールn-ペンチルメチルエーテル、ジエチレングリコールn-ペンチルメチルエーテル、トリエチレングリコールn-ペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールn-ペンチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ペンチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ペンチルメチルエーテル、エチレングリコールn-ヘキシルメチルエーテル、ジエチレングリコールn-ヘキシルメチルエーテル、トリエチレングリコールn-ヘキシルメチルエーテル、プロピレングリコールn-ヘキシルメチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ヘキシルメチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ヘキシルメチルエーテル、エチレングリコールフェニルメチルエーテル、ジエチレングリコールフェニルメチルエーテル、トリエチレングリコールフェニルメチルエーテル、プロピレングリコールフェニルメチルエーテル、ジプロピレングリコールフェニルメチルエーテル、トリプロピレングリコールフェニルメチルエーテル、エチレングリコールベンジルメチルエーテル、ジエチレングリコールベンジルメチルエーテル、トリエチレングリコールベンジルメチルエーテル、プロピレングリコールベンジルメチルエーテル、ジプロピレングリコールベンジルメチルエーテル、トリプロピレングリコールベンジルメチルエーテル、エチレングリコールイソブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールイソブチルメチルエーテル、プロピレングリコールイソブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールイソブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールイソブチルメチルエーテル、エチレングリコールイソペンチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソペンチルメチルエーテル、トリエチレングリコールイソペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールイソペンチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールイソペンチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールイソペンチルメチルエーテル、エチレングリコールイソヘキシルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソヘキシルメチルエーテル、トリエチレングリコールイソヘキシルメチルエーテル、プロピレングリコールイソヘキシルメチルエーテル、ジプロピレングリコールイソヘキシルメチルエーテル、トリプロピレングリコールイソヘキシルメチルエーテル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0054】
式Iに係る好ましいグリコールエーテル溶媒は、エチレングリコールn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールn-ブチルエーテル、トリエチレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、及びこれらの混合物である。
【0055】
式Iに係る最も好ましいグリコールエーテル溶媒は、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、及びこれらの混合物である。
【0056】
式IIに係る好適なグリコールエーテル溶媒としては、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル、トリプロピレングリコールn-プロピルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルメチルエーテル、トリプロピレングリコールn-プロピルメチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルメチルエーテル、トリプロピレングリコールイソプロピルメチルエーテル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
式IIに係る好ましいグリコールエーテル溶媒は、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル、及びこれらの混合物である。
【0058】
最も好ましいグリコールエーテル溶媒は、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、及びこれらの混合物、特に、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテルである。
【0059】
好適なグリコールエーテル溶媒は、Dow Chemical Companyより購入することができ、詳細には、Eシリーズ(エチレングリコール系)のグリコールエーテル及びPシリーズ(プロピレングリコール系)のグリコールエーテルのラインナップから購入することができる。好適なグリコールエーテル溶媒としては、ブチルカルビトール、ヘキシルカルビトール、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、ブトキシトリグリコール、Dowanol Eph、Dowanol PnP、Dowanol DPnP、Dowanol PnB、Dowanol DPnB、Dowanol TPnB、Dowanol PPh、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0060】
好適なアルコールは、C4~C6直鎖モノアルコール、1つ以上のC1~C4分枝基を有する分枝鎖C4~C10モノアルコール、アルキルモノグリセロール、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0061】
好ましいC4~C6直鎖モノアルコールは、ペンタノール、ヘキサノール、及びこれらの混合物、好ましくは、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、及びこれらの混合物から選択される。
【0062】
本明細書に用いるのに好ましい、1つ以上のC1~C4分枝基を有する分枝鎖C4~C10モノアルコールは、1つ以上のC1~C4分枝基を有するC4~C8一級モノアルコール及びこれらの混合物である。本明細書に用いるのに特に好ましい、1つ以上のC1~C4分枝基を有する分枝鎖C4~C10モノアルコールとしては、メチルブタノール、エチルブタノール、メチルペンタノール、エチルペンタノール、メチルヘキサノール、エチルヘキサノール、プロピルヘキサノール、ジメチルヘキサノールトリメチルヘキサノール、メチルへパノール、エチルヘプタノール、プロピルヘプタノール、ジメチルヘプタノール、トリメチルヘプタノール、メチルオクタノール、エチルオクタノール、プロピルオクタノール、ブチルオクタノール、ジメチルオクタノール、トリメチルオクタノール、メチルノナノール、エチルノナノール、プロピルノナノール、ブチルノナノール、ジメチルノナノール、及びトリメチルノナノール、並びにこれらの混合物が挙げられる。本明細書に用いるのにより好ましいのは、1つ以上のC1~C4分枝基を有する分枝鎖C4~C10モノアルコールの一級1-アルコールメンバーであり、特に好ましいのは、メチルブタノール、エチルブタノール、メチルペンタノール、エチルペンタノール、メチルヘキサノール、エチルヘキサノール、プロピルヘキサノール、ジメチルヘキサノールトリメチルヘキサノール、メチルへパノール、エチルヘプタノール、プロピルヘプタノール、ジメチルヘプタノール、トリメチルヘプタノール、メチルオクタノール、エチルオクタノール、プロピルオクタノール、ブチルオクタノール、ジメチルオクタノール、トリメチルオクタノール、メチルノナノール、エチルノナノール、プロピルノナノール、ブチルノナノール、ジメチルノナノール、トリメチルノナノール、及びこれらの混合物の一級1-アルコールファミリーメンバーである。
【0063】
より好ましいアルコールは、ブチルオクタノール、トリメチルヘキサノール、エチルヘキサノール、プロピルヘプタノール、メチルブタノール、及びこれらの混合物、具体的には、一級1-アルコールファミリーメンバー、より具体的には、エチルヘキサノール、ブチルオクタノール、トリメチルヘキサノール、及びこれらの混合物、特に、2-エチル-1-ヘキサノール、2-ブチル-1-オクタノール、3,5,5トリメチル-1-ヘキサノール、及びこれらの混合物である。
【0064】
好ましいアルキルモノグリセロールは、分枝鎖アルキルモノグリセロール及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、1つ以上のC1~C4アルキル分枝基を有する分枝鎖C4~C8アルキルモノグリセロール、より好ましくは、エチルヘキシルグリセロール、プロピルヘプチルグリセロール、及びこれらの混合物からなる群から選択され、最も好ましくは、2-エチルヘキシルグリセロールである。
【0065】
このようなアルコールはまた、起泡を改善することができる。
【0066】
本明細書に用いるのに特に好ましいのは、モノアルコールの混合物、具体的には、分枝鎖C4~C10モノアルコールを含む混合物、より具体的には、C4~C8、より好ましくは、C6~C7分枝鎖一級アルコールを含む群から選択されるアルコールを含む混合物である。用いるのに好ましいのは、C4~C8分枝鎖一級アルコールを含む群から選択されるアルコールを含むアルコールと、C4~C6直鎖モノアルコール及びアルキルグリセロールの群から選択されるアルコールとの混合物である。このような混合物は、発泡を強化し、さまざまな油性汚れの洗浄を改善することができる。
【0067】
好適なエステル溶媒は、式IIIのモノエステル溶媒、式IVのジ-又はトリエステル溶媒、安息香酸ベンジル、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
a)式(III):R1C=OOR2のモノエステル溶媒で、式中、
R1は直鎖又は分枝鎖のC1~C4アルキルであり、好ましくは直鎖又は分枝鎖のC2~C3アルキルである。
R2は、直鎖又は分枝鎖のC2~C8アルキル、好ましくは直鎖又は分枝鎖のC2~C6アルキル、最も好ましくは直鎖又は分枝鎖のC3~C4アルキルである。
b)式IV:R1(C=OOR2)nのジ-又はトリエステル溶媒で、式中、
R1は、飽和又は不飽和のC2~C4アルキルであり、
R2は、独立に、直鎖又は分枝鎖のC2~C8アルキル、好ましくは、直鎖又は分枝鎖のC2~C6アルキル、最も好ましくは、直鎖又は分枝鎖のC3~C4アルキルから選択される。
nは、2又は3であり、好ましくは2である。
【0068】
式IIIの好適なモノエステル溶媒としては、エチルアセテート、プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、アミルアセテート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、イソヘキシルアセテート、ヘプチルアセテート、イソヘプチルアセテート、オクチルアセテート、イソオクチルアセテート、2-エチルヘキシルアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、イソプロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、イソブチルプロピオネート、アミルプロピオネート、イソアミルプロピオネート、ヘキシルプロピオネート、イソヘキシルプロピオネート、ヘプチルプロピオネート、イソヘプチルプロピオネート、オクチルプロピオネート、イソオクチルプロピオネート、2-エチルヘキシルプロピオネート、エチルブチレート、プロピルブチレート、イソプロピルブチレート、ブチルブチレート、イソブチルブチレート、アミルブチレート、イソアミルブチレート、ヘキシルブチレート、イソヘキシルブチレート、ヘプチルブチレート、イソヘプチルブチレート、オクチルブチレート、イソオクチルブチレート、2-エチルヘキシルブチレート、エチルイソブチレート、プロピルイソブチレート、イソプロピルイソブチレート、ブチルイソブチレート、イソブチルイソブチレート、アミルイソブチレート、イソアミルイソブチレート、ヘキシルイソブチレート、イソヘキシルイソブチレート、ヘプチルイソブチレート、イソヘプチルイソブチレート、オクチルイソブチレート、イソオクチルイソブチレート、2-エチルヘキシルイソブチレート、エチルペンタノエート、プロピルペンタノエート、イソプロピルペンタノエート、ブチルペンタノエート、イソブチルペンタノエート、アミルペンタノエート、イソアミルペンタノエート、ヘキシルペンタノエート、イソヘキシルペンタノエート、ヘプチルペンタノエート、イソヘプチルペンタノエート、オクチルペンタノエート、イソオクチルペンタノエート、2-エチルヘキシルペンタノエート、エチルイソペンタノエート、プロピルイソペンタノエート、イソプロピルイソペンタノエート、ブチルイソペンタノエート、イソブチルイソペンタノエート、アミルイソペンタノエート、イソアミルイソペンタノエート、ヘキシルイソペンタノエート、イソヘキシルイソペンタノエート、ヘプチルイソペンタノエート、イソヘプチルイソペンタノエート、オクチルイソペンタノエート、イソオクチルイソペンタノエート、2-エチルヘキシルイソペンタノエート、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
式IIIの好ましいモノエステル溶媒は、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、イソプロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、イソブチルプロピオネート、アミルプロピオネート、イソアミルプロピオネート、ヘキシルプロピオネート、イソヘキシルプロピオネート、エチルブチレート、プロピルブチレート、イソプロピルブチレート、ブチルブチレート、イソブチルブチレート、アミルブチレート、イソアミルブチレート、ヘキシルブチレート、イソヘキシルブチレート、エチルイソブチレート、プロピルイソブチレート、イソプロピルイソブチレート、ブチルイソブチレート、イソブチルイソブチレート、アミルイソブチレート、イソアミルイソブチレート、ヘキシルイソブチレート、イソヘキシルイソブチレート、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0070】
最も好ましくは、このモノエステル溶媒は、プロピルプロピオネート、イソプロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、イソブチルプロピオネート、プロピルブチレート、イソプロピルブチレート、ブチルブチレート、イソブチルブチレート、プロピルイソブチレート、イソプロピルイソブチレート、ブチルイソブチレート、イソブチルイソブチレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0071】
式IVの好適なジ-又はトリ-エステル溶媒は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、クエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、及びこれらの混合物のエチル-、プロピル-、イソプロピル-、ブチル-、イソブチル-、アミル-、イソアミル-、ヘキシル-、イソヘキシル-、ヘプチル-、イソヘプチル、オクチル-、イソオクチル-、2-エチルヘキシル-ジ-又はトリ-エステルから選択することができる。
【0072】
好ましいジ-又はトリ-エステル溶媒は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、クエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、及びこれらの混合物のエチル-、プロピル-、イソプロピル-、ブチル-、イソブチル-、アミル-、イソアミル-、ヘキシル-、イソヘキシル-ジ-又はトリ-エステルからなる群から選択される。
【0073】
より好ましくは、ジ-又はトリ-エステル溶媒は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、クエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、及びこれらの混合物のエチル-、プロピル-、イソプロピル-、ブチル-、イソブチル-ジ-又はトリ-エステルからなる群から選択される。
【0074】
更なる任意成分:
キレート剤:
本明細書の組成物は、任意に、組成物の0.1重量%~10重量%、好ましくは0.2重量%~5重量%、より好ましくは0.2重量%~3重量%、最も好ましくは0.5重量%~1.5重量%の濃度でキレート剤を更に含んでもよい。
【0075】
好適なキレート剤は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換された芳香族キレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0076】
アミノカルボキシレートとしては、エチレンジアミン四酢酸、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、及びエタノールジグリシン、アルカリ金属、アンモニウム、及びその置換アンモニウム塩、並びにその混合物に加えて、MGDA(メチル-グリシン-二酢酸)、並びにその塩及び誘導体、並びにGLDA(グルタミン酸-N,N-二酢酸)、並びにその塩及び誘導体が挙げられる。GLDA(その塩及び誘導体)は、本発明によれば特に好ましく、その四ナトリウム塩が特に好ましい。
【0077】
ビルダー:
本明細書における組成物は、ビルダー、好ましくは、カルボキシレートビルダーを含み得る。本明細書で有用なカルボン酸の塩としては、C1~6の直鎖状の塩、又は少なくとも3個の炭素を含有する環状の酸の塩が挙げられる。カルボン酸又はその塩の直鎖又は環状炭素含有鎖は、ヒドロキシル、エステル、エーテル、1~6個、より好ましくは1~4個の炭素原子を有する脂肪族基、及びこれらの混合からなる群から選択される置換基で置換されてよい。
【0078】
好ましいカルボン酸の塩は、サリチル酸、マレイン酸、アセチルサリチル酸、3メチルサリチル酸、4ヒドロキシイソフタル酸、ジヒドロキシフマル酸、1,2,4ベンゼントリカルボン酸、ペンタン酸、クエン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される塩から選択されるものであり、好ましくはクエン酸である。
【0079】
本発明の組成物に用いるのに好適な別のカルボキシレートビルダーとしては、パーム核由来の脂肪酸若しくはココヤシ由来の脂肪酸などの脂肪酸の塩、又はポリカルボン酸の塩が挙げられる。
【0080】
塩のカチオンは、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、又はトリエタノールアミン、及びこれらの混合物から選択され、好ましくは、ナトリウムである。
【0081】
カルボン酸又はその塩は、存在する場合、好ましくは全組成物の0.05重量%~5重量%、より好ましくは0.1重量%~1重量%の濃度で存在する。
【0082】
ヒドロトロープ
本発明による組成物は、ヒドロトロープを更に含んでもよい。好ましくは、ヒドロトロープは、クメンスルホネート、キシレンスルホネート、トルエンスルホネート、最も好ましくはナトリウム中和クメンスルホネートから選択される。存在する場合、このヒドロトロープは、洗剤組成物の0.1重量%~5重量%、好ましくは0.25重量%~3重量%、最も好ましくは0.5重量%~2重量%配合される。
【0083】
剪断減粘レオロジー変性剤:
本発明に係る組成物は、レオロジー変性剤を更に含み、製品に剪断減粘レオロジープロファイルを提供し得る。レオロジー変性ポリマーを配合することにより、得られるスプレーの粒径分布を改善することができ、並びにスプレー液滴の刺痛感も軽減することができる。好ましくは、レオロジー変性剤は、非結晶質ポリマーレオロジー変性剤である。このポリマーレオロジー変性剤は、合成又は天然由来のポリマーであってよい。
【0084】
本発明において使用される天然由来のポリマー構造化剤の例としては、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖類誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。多糖誘導体としては、ペクチン、アルギン酸塩、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、カラヤゴム、トラガカントガム、ジェランガム、キサンタンガム、及びグアーガムが挙げられるが、これらに限定されない。本発明において使用される合成ポリマー構造化剤の例としては、ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ポリオール、並びにこれらの誘導体及び混合物を含むポリマー及びコポリマーが挙げられる。あるいは、本発明で使用する組成物は、ポリエチレンオキシド(PEO)ポリマーを含み得る。
【0085】
好ましくは、本発明による組成物は、天然由来のレオロジー変性ポリマー、最も好ましくはキサンタンガム、ポリエチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択されるレオロジー変性ポリマーを含む。
【0086】
一般的に、レオロジー変性ポリマーは、組成物の0.001重量%~1重量%、あるいは0.01重量%~0.5重量%、更にあるいは0.05重量%~0.25重量%の濃度で含まれる。
【0087】
他の成分:
本明細書の組成物は、無機塩(好ましくは塩化ナトリウム)、C2~C4アルコール、C2~C4ポリオール、ポリアルキレングリコール(及び特に1500~4000の重量平均分子量を有するポリプロピレングリコール)、及びこれらの混合物から選択されるレオロジー調整剤などの、多くの任意成分を含んでもよい。
【0088】
本発明の組成物は、環状洗浄アミンなどの洗浄アミンを含み得る。用語「環状ジアミン」は、本明細書において、単一の洗浄アミン及びその混合物を包含する。本アミンは、それが使用される洗浄媒体のpHに応じてプロトン化をされ得る。本明細書に用いるのに特に好ましいのは、1,3-ビス(メチルアミン)-シクロヘキサン、2-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される環状ジアミンである。1,3-ビス(メチルアミン)-シクロヘキサンが、本明細書に用いるのに特に好ましい。2-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミンの混合物も、本明細書に用いるのに好ましい。
【0089】
また、組成物は、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミンを含むアルカノールアミン、及び重炭酸塩無機塩などのpH調整剤及び/又は緩衝剤も含み得る。組成物は、防腐剤、UV安定剤、酸化防止剤、香料、着色剤、及びこれらの混合物から選択される微量成分を更に含み得る。
【0090】
酵素を含む組成物を噴霧することは望ましくないため、この組成物は好ましくは酵素を含まず、特にこのような酵素に対して反応性が高い可能性があるアミラーゼは含まない。
【0091】
スプレーディスペンサー:
スプレーディスペンサーは、本発明の組成物を収容するためのリザーバと、噴霧手段とを含む。好適なスプレーディスペンサーとしては、ハンドポンプ(時に「トリガー」とも称される)装置、加圧缶装置、静電スプレー装置などが挙げられる。好ましくは、スプレーディスペンサーは非加圧であり、噴射手段はトリガー分注型である。リザーバは、典型的にはボトルなどの容器、より典型的にはプラスチックボトルである。
【0092】
本発明の洗浄製品は、洗浄組成物を含む。この洗浄組成物は典型的には、処理される食器表面にスプレーディスペンサーから噴霧(「直接適用」)するのに好適である。この組成物は、好ましくは、任意の追加の物理的(例えば、手で擦る)介入を必要とせずに、適用直後に表面上に泡を形成する。
【0093】
スプレーディスペンサーは、典型的にはトリガーレバーを備え、このトリガーレバーは、押下されると、小さなポンプを作動させる。ポンプの主駆動部品は、典型的にはピストンであり、ピストンがバネに押し付けられた状態でシリンダー内に収容されている。トリガーを押下することによって、ピストンがシリンダー内に押され、バネに押し付けられ、バネを圧縮し、ポンプ内に収容された組成物をノズルから押し出す。トリガーレバーが解放されると、バネはピストンを押し戻し、シリンダー領域を拡張させ、典型的には一方向弁を通してリザーバから組成物を吸い込み、ポンプを再充填する。このポンプは、典型的には、リザーバからポンプに組成物を引き込むチューブに取り付けられる。スプレーディスペンサーは、ポンプとノズルとの間に位置する更なる一方向弁を備え得る。
【0094】
このノズルは、組成物が分配されるオリフィスを備える。このノズルは、組成物の運動エネルギーを利用して、組成物がオリフィスを通過する際にこの組成物を液滴へと分割させる。好適なノズルは、単純なものであっても、又は成形されてもよく、又はオリフィスの直前にスワールチャンバを含んでもよい。そのようなスワールチャンバは、組成物の回転流体運動を引き起こし、スワールチャンバ内の組成物を旋回させる。オリフィスの外周から膜が放出され、典型的には、より微細な液滴として組成物がオリフィスから分配される。
【0095】
このようなトリガー作動式スプレーディスペンサーはポンプを含むので、組成物は好ましくはリザーバ内で加圧されず、好ましくは噴射剤を含まない。
【0096】
このスプレーディスペンサーは、組成物の加圧緩衝液と、緩衝液とスプレーノズルとの間の圧力作動一方向弁とを含む予圧縮噴霧器であり得る。このような予圧縮噴霧器は、組成物がより均一な圧力で噴霧されるため、より均一なスプレー分布及びより均一なスプレー液滴サイズを提供する。そのような予圧縮噴霧器としては、Afa Dispensing Group(Netherlands)により製造販売されるFlairosol(登録商標)スプレーディスペンサー、及び米国特許出願公開第2013/0112766号及び同第2012/0048959号に記載される予圧縮トリガー噴霧器が挙げられる。
【0097】
使用方法:
本明細書に記載される洗浄製品は、食器を洗浄する方法に特に好適であり、この方法は、任意に、食器を予め濡らす工程と、洗浄組成物を食器に噴霧する工程と、任意に、食器を擦り洗いする工程と、食器をすすぐ工程と、を含む。
【0098】
本明細書に記載される洗浄製品は、汚れ、特にグリース状の汚れにおいて特に有効である。したがって、特に軽い汚れに関しては、擦り洗いは任意であり、特に食器が、スプレー工程の後に少なくとも15秒間、好ましくは少なくとも30秒間放置された後に、すすぎ工程が行われる場合には、擦り洗いは任意である。
【0099】
食器を擦り洗いする工程と食器をすすぐ工程は、例えば、食器を流水下で擦ることによって、又は食器が水に浸されたときに、少なくとも部分的に同時に行うことができる。擦り洗い工程は、1秒間~30秒間であり得る。
【0100】
本方法は、食器が軽く汚れているとき、食器の洗浄をより迅速かつ容易にすることができる。調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れなどの頑固な食品汚れで食器がひどく汚れている場合、本発明の方法は、未希釈の形態であるか又は水で希釈された本発明の製品に、汚れた食器を好ましくは1秒間~30秒間、又はそれ以上の時間浸漬したとき、洗浄を容易にする。
【0101】
方法
A)予備アルカリ度(reserve alkalinity):
予備アルカリ度は、pH10の試験組成物を試験組成物のpHになるように滴定するのに必要なグラム(NaOH)/100mL(組成物)として定義される。溶液の予備アルカリ度は以下のようにして測定される。
【0102】
Ag/AgCl電極(例えば、OrionSure-Flow電極モデル9172BN)付きのpH計(例えば、Orionモデル720A)を、標準化されたpH7及びpH10のpH緩衝剤を用いて較正する。試験する組成物の20℃での10%蒸留水溶液100gを調製する。10%溶液のpHを測定し、0.1NのHClの標準溶液を用いて、100gの溶液をpH10に滴定する。必要な0.1N HClの体積をmLで記録する。予備アルカリ度は以下のように計算される。
予備アルカリ度=mL(0.1N HCl)×0.1(当量/リットル)×当量NaOH(g/当量)×10
【0103】
B)粘度:
レオロジープロファイルは、コーンとプレートの構成(フラットスチールペルチェプレート及び直径60mmで2.026°のコーン)を用いる「TA instruments DHR1」レオメーター(TA instruments、シリアル番号:SN960912)を使用して測定する。粘度測定手順は、20℃でのコンディショニング工程及びスイープ工程を含む。コンディショニング工程は、20℃でゼロ剪断で10秒、続いて20℃で10s-1で10秒間予剪断し、続いて20℃でゼロ剪断で30秒間、試料を平衡化させることからなる。スイープ工程は、20℃で0.01s-1から3,000s-1まで剪断速度を対数的に増大させ、サンプル時間15sで10当たり10点の取得速度、最大平衡化時間200秒で行う(公差3%に基づいて、レオメーターによって決定)。ずり流動化する製品組成物を測定する場合、高剪断粘度は1,000s-1の剪断速度で定義され、低剪断粘度は0.1s-1の剪断速度で定義される。ニュートン流体の製品組成物は、1000s-1での剪断速度が記録される。
【0104】
C)初期泡体積及び泡の持続性:
さまざまな試験配合物の初期泡体積生成及び泡の持続(mileage)能力を交差比較できるように、これらの試験配合物は、同じトリガー噴霧器内に順番に配置され、トリガー噴霧器は、開放された500mLの目盛り付きコニカルビーカー(Kartell(登録商標)Art 1424、コニカルビーカー)の上部中央にスプレーノズルを45°の角度で固定して配置されている。次に噴霧器ボトルは10回噴霧され、生成された泡体積の量(mL)、並びに噴霧された製品の総重量を測定する。泡体積を、噴霧された試料の重量で割った値を計算し、各製品-スプレーボトルの組み合わせについて3回の反復試験を平均する。泡体積は、5分毎に、合計で少なくとも25分間再測定される。
【0105】
D)重合したグリースの除去率(%):
さまざまな試験配合物の、重合したグリースの除去効果を交差比較するために、以下の手順を使用した。
【0106】
タイルの調製:
消費者の代表的なグリース汚れは、ピーナッツ油、コーン及びヒマワリ油のそれぞれ33.17gを均質に混合し染料を添加したものとし、0.5gのLumogen染料を添加して汚れをより視認しやすくした。
【0107】
直径11cmのローラーを使用して、0.65±0.05グラムの汚れをエナメル質タイルに塗布した。次いで、汚れたタイルを3時間及び10分間オーブン(140℃)内で焼き、次いで室温まで冷却した。次いで、タイルを一定の湿度(70%)及び25℃の温度で少なくとも24時間保管した。
【0108】
試験実施:
試験配合物を、重合したグリース汚れを含む汚れたタイルに噴霧し(好ましくは、AFAにより供給されるFlairosol(登録商標)噴霧器を使用して)、これにより約1.4gの組成物が、汚れたタイルに適用された。室温で1.2mmol/L CaCO3の硬度を有する10gの水を、皿用スポンジ(4.3×8.8cm)上に均一に分配し、このスポンジに、汚れたタイル上で一定の適用圧力(スポンジに200gの重量を適用)をかけて前後の反復ストロークを適用し、重合したグリースの50%、70%及び90%を除去するのに必要なストローク数を記録した。
【実施例
【0109】
本発明による界面活性剤系(実施例1)及び本発明の範囲外の比較組成物(実施例A)を含む液体洗剤スプレー配合物について、重合したグリースの除去効果及び泡の持続性を評価した。
【0110】
本発明の実施例1は、主要な界面活性剤としてC12~14アルキルエトキシル化(3.0)サルフェート、及び補助界面活性剤としてn-C12~C14アルキル-n-メチルグルカミドを含む。
【0111】
比較実施例Aは、補助界面活性剤として、n-C12~C14アルキル-n-メチルグルカミドの代わりにアミンオキシド界面活性剤を含む点が、本発明の実施例1と異なっている。
【0112】
【表1】
比較
Lutensol CS6250、BASFから入手
【0113】
AFA社からFlairosol(登録商標)商標名で入手可能な同じスプレーディスペンサーを使用して、すべての組成物を試験した。
【0114】
以下のデータから分かるように、アニオン性界面活性剤を主要な界面活性剤として含み、n-C12~C14-n-メチルグルカミドを補助界面活性剤として使用した実施例1は、補助界面活性剤としてn-C12~C14-n-メチルグルカミドの代わりにアミンオキシド界面活性剤を含む比較組成物Aと比較して、改善された泡の持続性、並びに重合したグリースの除去をもたらした。
【0115】
【表2】
【0116】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。