(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
A01F 17/02 20060101AFI20221114BHJP
A01F 12/00 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
A01F17/02
A01F12/00 310Z
(21)【出願番号】P 2021015716
(22)【出願日】2021-02-03
(62)【分割の表示】P 2017112041の分割
【原出願日】2017-06-06
【審査請求日】2021-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】梅林 竜司
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特許第6833624(JP,B2)
【文献】特開平04-084826(JP,A)
【文献】特開平06-022630(JP,A)
【文献】実開平06-007433(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0000032(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 17/02
A01F 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取穀稈を挟持搬送するフィードチェーンと、
前記フィードチェーンによって搬送される刈取穀稈を扱胴によって脱穀処理する脱穀装置と、
前記脱穀装置の後側に連設されると共に前記フィードチェーンから脱穀処理後の排藁を受け取って後方へ挟持搬送する排藁搬送装置と、が備えられたコンバインであって、
前記排藁搬送装置を支持すると共に揺動軸心周りで上下揺動可能な排藁フレームと、
前記排藁搬送装置の入力軸に動力を伝達するベルト伝動機構と、が備えられ、
前記ベルト伝動機構は、前記揺動軸心上に配置される駆動プーリと、前記入力軸に設けられる従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻き付けられる伝動ベルトと、を有しているコンバイン。
【請求項2】
前記ベルト伝動機構は、前記伝動ベルトに張力を付与するテンションプーリを有し、
前記テンションプーリは、前記排藁フレームに支持されている請求項1に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刈取穀稈を挟持搬送するフィードチェーンと、フィードチェーンによって搬送される刈取穀稈を扱胴によって脱穀処理する脱穀装置と、脱穀装置の後側に連設されると共にフィードチェーンから脱穀処理後の排藁を受け取って後方へ挟持搬送する排藁搬送装置と、が備えられたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなコンバインとして、例えば、特許文献1に記載のコンバインが既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴は、
刈取穀稈を挟持搬送するフィードチェーンと、
前記フィードチェーンによって搬送される刈取穀稈を扱胴によって脱穀処理する脱穀装置と、
前記脱穀装置の後側に連設されると共に前記フィードチェーンから脱穀処理後の排藁を受け取って後方へ挟持搬送する排藁搬送装置と、が備えられたコンバインであって、
前記排藁搬送装置を支持すると共に揺動軸心周りで上下揺動可能な排藁フレームと、
前記排藁搬送装置の入力軸に動力を伝達するベルト伝動機構と、が備えられ、
前記ベルト伝動機構は、前記揺動軸心上に配置される駆動プーリと、前記入力軸に設けられる従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻き付けられる伝動ベルトと、を有していることにある。
さらに、本発明において、
前記ベルト伝動機構は、前記伝動ベルトに張力を付与するテンションプーリを有し、
前記テンションプーリは、前記排藁フレームに支持されていると好適である。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図4】扱胴フレームを下降させた状態の脱穀装置を示す背面図である。
【
図5】扱胴フレームを上昇させた状態の脱穀装置を示す背面図である。
【
図6】脱穀装置の後部及び排藁搬送装置を示す平面図である。
【
図7】扱胴フレーム及び排藁フレームを下降させた状態における脱穀装置の後部及び排藁搬送装置を示す左側面図である。
【
図8】扱胴フレーム及び排藁フレームを下降させた状態における脱穀装置を示す背面図である。
【
図9】排藁フレームが下降位置に位置する状態で、扱胴フレームを上昇させた状態における脱穀装置を示す背面図である。
【
図10】排藁フレームが下降位置に位置する状態の排藁搬送装置を示す背面図である。
【
図11】排藁フレームを上昇させた状態の排藁搬送装置を示す背面図である。
【
図12】排藁フレームの基端側の構造を示す分解斜視図である。
【
図13】排藁フレームの基端側の構造を示す左側面図である。
【
図14】扱胴フレーム、排藁フレーム及び後部フレームを示す分解斜視図である。
【
図15】係合状態における第一外側ロック機構及び第二外側ロック機構を示す背面断面図である。
【
図16】係合解除状態における第一外側ロック機構及び第二外側ロック機構を示す背面断面図である。
【
図17】係合解除状態の第三外側ロック機構を示す背面断面図である。
【
図18】係合解除状態の第三外側ロック機構を示す右側面図である。
【
図19】排藁フレームが下降位置に位置する状態で、扱胴フレームを上昇させた状態における脱穀装置の後部及び排藁搬送装置を示す左側面図である。
【
図20】扱胴フレームを上昇させた状態で、排藁フレームを上昇させた状態における脱穀装置の後部及び排藁搬送装置を示す左側面図である。
【
図23】別実施形態において、排藁フレームを上下揺動可能に支持する構造を示す背面図である。
【
図24】別実施形態に係る切り替え板を示す斜視図である。
【
図25】別実施形態に係る蓋部材を示す平面図である。
【
図26】別実施形態に係る蓋部材を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔コンバインの全体構成〕
図1及び
図2には、自脱型コンバインを示している。本コンバインは、機体フレーム1と、機体フレーム1を支持する走行装置2と、を備えている。機体の前部における右側には、運転キャビン3が設けられている。運転キャビン3は、運転者が搭乗する運転部4と、運転部4を覆うキャビン5と、を備えている。運転部4の下方には、エンジン(図示省略)が設けられている。
【0020】
運転キャビン3の前方には、圃場の作物を収穫する収穫部6が設けられている。運転キャビン3の後方には、穀粒を貯留する穀粒貯留タンク7が設けられている。穀粒貯留タンク7内の穀粒を排出する穀粒排出装置8が設けられている。機体の左側部には、刈取穀稈を挟持搬送するフィードチェーン9が設けられている。穀粒貯留タンク7の左隣には、脱穀装置10が設けられている。脱穀装置10は、フィードチェーン9によって搬送される刈取穀稈を扱胴11によって脱穀処理する。脱穀装置10の後側には、排藁搬送装置12が連設されている。排藁搬送装置12は、フィードチェーン9から脱穀処理後の排藁を受け取って後方へ挟持搬送する。
【0021】
〔収穫部〕
収穫部6は、複数刈り仕様(例えば、六条刈り仕様)に構成されている。収穫部6は、複数(例えば、七個)の分草具13と、複数(例えば、六個)の引起装置14と、切断装置15と、搬送装置16と、を備えている。分草具13は、圃場の作物を分草する。引起装置14は、分草された作物を引き起こす。切断装置15は、引き起こされた作物を切断する。搬送装置16は、刈り取られた作物を脱穀装置10に向けて後方へ搬送する。
【0022】
〔脱穀装置等〕
図3に示すように、脱穀装置10の上部には、扱室17が形成されている。扱室17には、扱胴11が設けられている。扱胴11は、機体前後方向に延びる回転軸心Y1周りで回転可能である。扱胴11の下方には、受網18が設けられている。扱室17の後方には、塵埃を外部に排出する排塵ファン19が設けられている。
【0023】
脱穀装置10の下部には、選別対象物を機体後方に移送しながら篩い選別する揺動選別装置20、揺動選別装置20に選別風を送風する唐箕21、一番物の穀粒(単粒化穀粒等)を回収する一番回収部22、二番物の穀粒(枝梗付き穀粒等)を回収する二番回収部23等が設けられている。
【0024】
一番回収部22には、一番物の穀粒を右方へ搬送する一番スクリュ24が設けられている。一番スクリュ24の右端部には、一番物の穀粒を穀粒貯留タンク7に揚穀搬送する揚穀装置25が連動連結されている。
【0025】
二番回収部23には、二番物の穀粒を右方へ搬送する二番スクリュ26が設けられている。二番スクリュ26の右端部には、二番物の穀粒を揺動選別装置20に還元する二番還元装置27が連動連結されている。
【0026】
排藁搬送装置12の搬送終端側部位の下方には、排藁搬送装置12によって搬送された排藁を切断処理する排藁切断装置28が設けられている。排藁切断装置28は、右端部側で上下方向に延びる揺動軸心Z1周りにおいて、排藁搬送装置12の搬送終端側部位の下方に位置する作業位置と、排藁搬送装置12の搬送終端側部位の下方から離れて位置する非作業位置とに亘って揺動可能である(
図2参照)。排藁切断装置28は、排藁を切断するカッタ29と、カッタ29を覆うカバー30と、切り替え板31と、を備えている。カバー30のうちカッタ29の上方に位置する部分には、排藁が投入される投入口30aが形成されている。カバー30における左側壁と右側壁とに亘って、機体左右方向に延びる横フレーム32が設けられている。
【0027】
切り替え板31は、投入口30aを開く切断位置と投入口30aを閉じる非切断位置とに切り替え可能である。切り替え板31は、機体左右方向に延びる揺動軸心周りで上昇側の切断位置と下降側の非切断位置とに亘って揺動開閉可能である。切り替え板31は、支軸33を介してカバー30に揺動可能に支持されている。切り替え板31が開いた状態(切断位置の状態)で、排藁搬送装置12によって搬送された排藁が、投入口30aに投入されて、カッタ29によって切断される。切り替え板31が閉じた状態(非切断位置の状態)で、排藁搬送装置12によって搬送された排藁が、切り替え板31の上面を滑って地面に落下する。
【0028】
図3から
図7に示すように、扱室17における前端部及び後端部には、夫々、壁部34が設けられている。前側の壁部34は、扱室17の前壁部を構成している。後側の壁部34は、扱室17の後壁部を構成している。壁部34は、可動壁35と、固定壁36と、を備えている。可動壁35には、扱胴11が扱胴軸11aを介して回転可能に支持されている。可動壁35と固定壁36とに亘って、これらを連結する連結アーム37が設けられている。可動壁35は、連結アーム37を介して機体前後方向に延びる揺動軸心Y2周りで上下揺動可能に固定壁36に支持されている。前側の固定壁36と後側の固定壁36とに亘って、前記エンジンの動力が伝達される伝動軸38が設けられている。
【0029】
脱穀装置10に右側部は、右側壁39によって構成されている。右側壁39は、機体後端まで延びている。右側壁39は、傾斜部39aを備えている。傾斜部39aは、後側の壁部34よりも後側において、後側ほど右側に位置するように傾斜している。
【0030】
脱穀装置10の左右両側部には、夫々、機体前後方向に延びる前後向きフレーム40L・40Rが設けられている。左側の前後向きフレーム40L(本発明に係る「側部フレーム」に相当)は、扱胴11の後端よりも後側まで延びている。左側の前後向きフレーム40Lは、断面形状が略正方形状の角パイプによって構成されている。右側の前後向きフレーム40Rは、扱胴11の後端よりも後側まで延びている。右側の前後向きフレーム40Rは、前側の固定壁36、後側の固定壁36及び右側壁39を支持している。右側の前後向きフレーム40Rは、断面形状が略長方形状(横長の略長方形状)の角パイプによって構成されている。
【0031】
〔後部フレーム〕
脱穀装置10のうち機体左右方向における機体外側の側部(左側部)における機体後上部には、後部フレーム41(本発明に係る「側部フレーム」に相当)が設けられている。後部フレーム41は、側面視において、脱穀装置10の後部から後方に突出する略U字形状に形成されている。後部フレーム41は、丸パイプによって構成されている。
【0032】
〔扱胴カバー〕
扱胴11を上方から覆う扱胴カバー42が設けられている。扱胴カバー42は、扱胴11の後端よりも後側において、排藁搬送装置12の後部の上方まで延びている。扱胴カバー42の右隣には、右上部カバー43が設けられている。右上部カバー43は、扱胴11の後端よりも後側において、排藁搬送装置12の後部の上方まで延びている。右上部カバー43は、機体前後方向に延びる揺動軸心周りで上下揺動可能に右側の前後向きフレーム40Rに支持されている。
【0033】
〔扱胴フレーム〕
扱胴カバー42は、扱胴フレーム44に支持されている。扱胴フレーム44は、機体前後方向に延びる伝動軸38を中心として上下揺動可能である。扱胴フレーム44は、伝動軸38を介して揺動軸心Y2周りで上下揺動可能に前側の壁部34及び後側の壁部34に支持されている。扱胴フレーム44は、前後一対の可動壁35と、左側の前後向きフレーム40Lと、を備えている。左側の前後向きフレーム40Lは、扱胴フレーム44のうち機体左右方向で機体外側に位置している。
【0034】
扱胴フレーム44を上方に揺動させる油圧シリンダ45が設けられている。油圧シリンダ45は、後側の可動壁35と後側の固定壁36とに亘って設けられている。油圧シリンダ45は、例えば、複動式の油圧シリンダによって構成されている。ただし、油圧シリンダ45が単動式の油圧シリンダによって構成されていてもよい。
【0035】
〔扱胴ロック機構〕
扱胴フレーム44と共に扱胴11が油圧シリンダ45によって上方に揺動可能である。扱胴11を、脱穀処理を行う脱穀処理位置に位置保持する扱胴ロック機構46が設けられている。扱胴ロック機構46は、前後一対のフックプレート47と、前後一対の扱胴フックピン48と、を備えている。前側の壁部34及び後側の壁部34の夫々に、フックプレート47が機体前後方向に延びる揺動軸心Y3周りで揺動可能に支持されている。フックプレート47の先端部には、扱胴フックピン48に係合可能なフック部47aが設けられている。フック部47aが扱胴フックピン48に係合することにより、扱胴11が脱穀処理位置に位置保持される。扱胴フックピン48に対するフック部47aの係合が解除されることにより、扱胴フレーム44と共に扱胴11が油圧シリンダ45によって上方に揺動する。前後一対のフックプレート47を揺動駆動するモータMが、後側の壁部34の後面に支持されている。モータMによって、前後一対のフックプレート47が係合側及び係合解除側に揺動される。
【0036】
〔排藁搬送装置〕
図6及び
図7に示すように、排藁搬送装置12は、平面視で排藁搬送装置12の搬送終端側ほど機体左右方向の一方側(右側)に位置するように傾斜する状態で設けられている。排藁搬送装置12は、排藁の株元側を挟持搬送する株元搬送装置49と、排藁の穂先側を係止搬送する穂先搬送装置50と、を備えている。株元搬送装置49は、突起51a付きの排藁チェーン51と、排藁レール52と、を備えている。排藁レール52は、排藁チェーン51の下方において、排藁チェーン51の下側経路に対向する状態で配置されている。株元搬送装置49の搬送終端部には、排藁チェーン51を案内する一対のガイド板53が設けられている。穂先搬送装置50は、タイン54a付きの排藁穂先チェーン54を備えている。
【0037】
排藁搬送装置12は、排藁フレーム55に支持されている。排藁搬送装置12は、排藁フレーム55から取り外し可能である。排藁搬送装置12は、前ステー56及び後ステー57を介して排藁フレーム55に吊り下げ支持されている。排藁搬送装置12は、前ステー56に取り外し可能にボルト固定されている。排藁搬送装置12は、後ステー57に取り外し可能にボルト固定されている。
【0038】
排藁搬送装置12の排藁搬送空間Sが、後側の壁部34の後方に形成されている。排藁搬送空間Sは、機体前後方向において、排藁フレーム55を跨ぐように形成されている。排藁搬送空間Sは、平面視において、排藁搬送空間Sの前後中途部(傾斜部39aの前端に対応する箇所)で搬送方向下流側ほど右側に位置するように広がっている。
【0039】
〔ベルト伝動機構〕
図6、
図8及び
図9に示すように、伝動軸38と排藁搬送装置12の入力軸(図示省略)とに亘って、伝動軸38の動力を排藁搬送装置12の前記入力軸に伝達するベルト伝動機構58が設けられている。ベルト伝動機構58は、駆動プーリ59と、従動プーリ60と、伝動ベルト61と、テンションアーム62と、揺動側テンションプーリ63と、固定側テンションプーリ64
(本発明に係る「テンションプーリ」に相当)と、を備えている。駆動プーリ59は、伝動軸38のうち後側の固定壁36から後方に突出する部分に設けられている。従動プーリ60は、排藁搬送装置12の前記入力軸に設けられている。伝動ベルト61は、駆動プーリ59及び従動プーリ60に巻き付けられている。
【0040】
テンションアーム62は、伝動軸38に揺動可能に支持されている。テンションアーム62の先端部には、揺動側テンションプーリ63が回転可能に支持されている。揺動側テンションプーリ63は、伝動ベルト61に張力を付与するべく、伝動ベルト61のうち上側経路部分に対して上方から接触している。揺動側テンションプーリ63は、伝動ベルト61のうち固定側テンションプーリ64と駆動プーリ59とに亘る部分に作用している。テンションアーム62には、テンションスプリング65が取り付けられる取り付け部66が設けられている。
【0041】
固定側テンションプーリ64は、伝動ベルト61に張力を付与するべく、伝動ベルト61のうち上側経路部分に対して下方から接触している。固定側テンションプーリ64は、伝動ベルト61のうち駆動プーリ59と従動プーリ60との間における駆動プーリ59側寄りの部分に作用している。固定側テンションプーリ64は、支持板67を介して排藁フレーム55に支持されている。支持板67は、排藁フレーム55の前縁部(前フレーム72)から垂れ下がる状態で設けられている。固定側テンションプーリ64を支持する支軸68が支持板67から前方に突出している。
【0042】
テンションスプリング65は、テンションアーム62を揺動軸心Y2周りでテンション付与方向に揺動するように付勢している。テンションスプリング65のうち取り付け部66とは反対側の端部は、ロッド69に取り付けられている。ロッド69は、ステー70に位置調整可能に支持されている。ステー70は、支持板67に固定されている。ステー70に対するロッド69の位置調整することにより、テンションスプリング65の付勢力が変化する。
【0043】
〔排藁フレーム〕
図6から
図11に示すように、排藁フレーム55は、前ステー56及び後ステー57を介して、排藁搬送装置12における前部及び後部を支持している。排藁フレーム55は、枠状に形成されている。排藁フレーム55は、基端フレーム71と、前フレーム72と、後フレーム73と、遊端フレーム74と、を備えている。一本の丸パイプが折り曲げられて、前フレーム72、後フレーム73及び遊端フレーム74が形成されている。排藁搬送装置12の前部が、前ステー56を介して遊端フレーム74に支持されている。排藁搬送装置12の後部が、後ステー57を介して後フレーム73のうち基端側の部分に支持されている。前フレーム72の長手方向略中央部と後フレーム73の長手方向略中央部とに亘って、これらを連結する連結フレーム75が設けられている。連結フレーム75は、断面形状が略L字形状の部材によって構成されている。
【0044】
排藁フレーム55は、排藁搬送装置12が排藁の搬送を行う下降位置と排藁搬送装置12が排藁の搬送を行わない上昇位置とに亘って、揺動軸心Y2周りで上下揺動可能である。排藁フレーム55は、機体前後方向に延びる支軸76を中心として上下揺動可能である。排藁フレーム55を上方に揺動させるガスダンパ77が設けられている。ガスダンパ77は、排藁フレーム55(前フレーム72)と下ステー78とに亘って設けられている。前フレーム72には、ガスダンパ77が連結される上ステー79が固定されている。
【0045】
図12から
図14に示すように、基端フレーム71は、排藁フレーム55の基端側に設けられていると共に機体前後方向に延びている。基端フレーム71は、前部側を構成する前部側フレーム部80と、後部側を構成する後部側フレーム部81と、前部側フレーム部80と後部側フレーム部81とに亘る連結フレーム部82と、を備えている。基端フレーム71における前部側の部分(前部側フレーム部80)が、ステー83を介して支軸76に支持されている。
【0046】
基端フレーム71のうち連結フレーム部82に対応する箇所には、下方に落ち込む段差部71aが形成されている。連結フレーム部82は、下方に開口する溝形板84と、連結板85と、を備えている。溝形板84は、前部側フレーム部80の下面と後部側フレーム部81の下面とに亘って設けられている。溝形板84の内部には、溝形板84における左側壁と右側壁とに亘って、これらを連結する連結板85が設けられている。
【0047】
前フレーム72は、基端フレーム71の前端部に連結されていると共に機体左右方向で支軸76側から機体外側に向けて延びている。後フレーム73は、基端フレーム71の後端部に連結されていると共に機体左右方向で支軸76側から機体外側に向けて延びている。
【0048】
遊端フレーム74は、排藁フレーム55の遊端側に設けられていると共に機体前後方向に延びている。遊端フレーム74は、前フレーム72のうち機体左右方向における機体外側の端部及び後フレーム73のうち機体左右方向における機体外側の端部に連結されている。遊端フレーム74は、排藁フレーム55が下降位置に位置する状態で、左側の前後向きフレーム40Lの右隣に位置し、かつ、左側の前後向きフレーム40Lに沿って延びている。
【0049】
支軸76は、伝動軸38とは別の軸であり、かつ、伝動軸38を支持する右側の前後向きフレーム40Rに支持されている。伝動軸38と支軸76とは、同一の軸心(揺動軸心Y2)上に配置されている。すなわち、排藁フレーム55の揺動軸心Y2と扱胴フレーム44の揺動軸心Y2とは、同一の揺動軸心である。支軸76は、排藁搬送空間Sの前後中途部(傾斜部39aの前端に対応する箇所)よりも前側に配置されている。右側の前後向きフレーム40Rは、支軸76よりも後側まで延びている。支軸76は、下ステー78及びステー86を介してブラケット87に支持されている。ブラケット87は、右側の前後向きフレーム40Rの下面に垂設されている。下ステー78は、ブラケット87にボルト固定されている。ステー86は、ブラケット87にボルト固定されている。
【0050】
排藁フレーム55の後部には、排藁フレーム55を昇降操作するハンドル88が設けられている。ハンドル88は、排藁フレーム55の基端側から機体左右方向で機体外側に向けて延びている。
【0051】
〔ストッパ〕
排藁フレーム55を上昇した状態で位置保持するストッパ89が設けられている。ストッパ89は、ステー90に揺動可能かつスライド可能に支持されている。ストッパ89の基端部には、ストッパ89がステー90から抜け落ちないように、抜け止め具91が設けられている。ステー90は、遊端フレーム74の後部に固定されている。遊端フレーム74の前部には、ストッパ89を収納位置に保持する保持部92が設けられている。後部フレーム41には、ストッパ89の先端部が差し込まれる孔41aが形成されている。
【0052】
〔内側ロック機構〕
図10から
図14に示すように、排藁フレーム55が下降位置に位置する状態で、排藁フレーム55の基端側部位(基端フレーム71)を、右側の前後向きフレーム40Rに位置保持する内側ロック機構93が設けられている。内側ロック機構93は、内側フック94と、内側フックピン95と、を備えている。
【0053】
排藁フレーム55が下降位置側に揺動するのに追従して、内側フック94が内側フックピン95に係合する(
図10参照)。そして、排藁フレーム55が上昇位置側に揺動するのに追従して、内側フックピン95に対する内側フック94の係合が解除される(
図11参照)。
【0054】
〔第一外側ロック機構〕
図14から
図16に示すように、扱胴フレーム44が下降位置に位置する状態で、左側の前後向きフレーム40Lを後部フレーム41に位置保持する第一外側ロック機構96が設けられている。第一外側ロック機構96は、第一外側フック97と、第一外側フックピン98と、を備えている。第一外側フック97は、基部97aと、フック部97bと、を備えている。フック部97bは、基部97aにボルト99によって取り外し可能に固定されている。
【0055】
第一外側フックピン98は、後部フレーム41の左隣において、後部フレーム41から若干離れた位置に配置されている。第一外側フックピン98は、第一ステー100及び第二ステー101を介して、後部フレーム41に支持されている。
【0056】
〔第二外側ロック機構〕
排藁フレーム55が下降位置に位置する状態で、排藁フレーム55の遊端側部位を左側の前後向きフレーム40Lに位置保持する第二外側ロック機構102(本発明に係る「ロック機構」に相当)が設けられている。言い換えると、第二外側ロック機構102は、扱胴フレーム44が下降位置に位置する状態で、左側の前後向きフレーム40Lを排藁フレーム55の遊端側部位に位置保持する。第二外側ロック機構102は、排藁フレーム55の遊端側部位のうち前部に設けられている。第二外側ロック機構102は、第二外側フック103と、第二外側フックピン104と、を備えている。第二外側フック103は、基部103aと、フック部103bと、を備えている。フック部103bは、基部103aにボルト105によって取り外し可能に固定されている。
【0057】
排藁フレーム55のうち遊端フレーム74と前フレーム72との角部における下面には、平板状の取り付け部106が設けられている。取り付け部106には、ステー107がボルト固定されている。第二外側フックピン104は、遊端フレーム74の左下方に位置する状態でステー107に支持されている。
【0058】
左側の前後向きフレーム40Lの下面には、第二外側フックピン104を受ける前後一対の受け部材108が設けられている。第二外側フックピン104の前端部が前側の受け部材108に受けられ、かつ、第二外側フックピン104の後端部が後側の受け部材108に受けられた状態で、第二外側フック103が第二外側フックピン104の前後中央部に係合する。
【0059】
〔リンク機構〕
図6から
図9に示すように、扱胴ロック機構46(後側のフックプレート47)と、第一外側ロック機構96(第一外側フック97)及び第二外側ロック機構102(第二外側フック103)とを連動連結するリンク機構109が設けられている。リンク機構109は、第一リンクアーム110と、第二リンクアーム111と、リンクロッド112と、を備えている。第一リンクアーム110は、後側のフックプレート47の基端部に相対揺動可能に連結されている。第一リンクアーム110と第二リンクアーム111とは、相対揺動可能に連結されている。
【0060】
リンクロッド112は、前ステー113及び後ステー114を介して、左側の前後向きフレーム40Lに支持されている。リンクロッド112は、前ステー113及び後ステー114に回動可能に支持されている。リンクロッド112の前端部には、第二リンクアーム111が相対揺動不能に連結されている。リンクロッド112の前部には、第二外側フック103が相対揺動不能に連結されている。リンクロッド112の後端部には、第一外側フック97が相対揺動不能に連結されている。
【0061】
〔第三外側ロック機構〕
図14、
図17及び
図18に示すように、排藁フレーム55が下降位置に位置する状態で、排藁フレーム55の遊端側部位を後部フレーム41に位置保持する第三外側ロック機構115(本発明に係る「ロック機構」に相当)が設けられている。第三外側ロック機構115は、排藁フレーム55の遊端側部位のうち後部に設けられている。第三外側ロック機構115は、第三外側フック116(本発明に係る「フック」に相当)と、第三外側フックピン117(本発明に係る「軸部材」に相当)と、ステー118(本発明に係る「受け部材」に相当)と、レバー119と、スプリング120と、を備えている。
【0062】
第三外側フック116は、第三外側フックピン117がステー118のうち受け部118aに受けられた状態で第三外側フックピン117に係合する。第三外側フック116は、後部フレーム41に対して右側に位置する状態で、ステー118を介して後部フレーム41に支持されている。第三外側フック116は、支軸121を介してステー118に揺動可能に支持されている。第三外側フック116には、レバー119が連結されている。レバー119は、人為操作によって第三外側フック116を第三外側フックピン117に係合する係合位置と第三外側フックピン117に係合しない非係合位置とに切り替える。
【0063】
第三外側ロック機構115は、排藁フレーム55の遊端側部位を後部フレーム41に位置保持した状態で、排藁フレーム55の枠内に位置している。第三外側ロック機構115は、後部フレーム41の下端よりも下側に出っ張っていない。具体的には、第三外側ロック機構115が排藁フレーム55の遊端側部位を後部フレーム41に位置保持した状態で、第三外側フック116及びレバー119が後部フレーム41の下端よりも下側に出っ張っていない。
【0064】
第三外側フックピン117は、排藁フレーム55に設けられている。第三外側フックピン117は、排藁フレーム55の枠内に位置する状態で、ステー122を介して遊端フレーム74に支持されている。第三外側フックピン117は、ステー122にボルト123によって取り外し可能に固定されている。
【0065】
ステー118は、後部フレーム41の右隣に位置する状態で、後部フレーム41に固定されている。ステー118には、排藁フレーム55が下降位置に位置する状態で第三外側フックピン117を受ける受け部118aが形成されている。
【0066】
スプリング120は、ステー118と第三外側フック116とに亘って設けられている。スプリング120は、第三外側フック116を係合側に揺動付勢する。
【0067】
〔扱胴フレーム及び排藁フレームの昇降動作〕
図8及び
図9に示すように、作業者が昇降操作部(図示省略)によって上昇操作を行うと、モータMによって前後一対のフックプレート47が係合解除側に揺動される。これにより、扱胴フックピン48に対するフックプレート47(フック部47a)の係合が解除される。そして、後側フックプレート47の係合解除側への揺動がリンク機構109を介して第一外側フック97及び第二外側フック103に伝達される。これにより、後側フックプレート47の係合解除側への揺動に連動して、第一外側フック97及び第二外側フック103が係合解除側に揺動される。こうして、第一外側フック97及び第二外側フック103が係合解除状態になる。
【0068】
そして、第一外側ロック機構96及び第二外側ロック機構102が係合解除状態になると、
図9及び
図19に示すように、扱胴フレーム44が油圧シリンダ45の伸長動作によって上方に揺動される。すなわち、排藁フレーム55が下降位置(排藁搬送装置12が排藁の搬送を行う位置)に位置する状態で、扱胴フレーム44を上昇することができる。
【0069】
そして、扱胴フレーム44が上昇した状態で、作業者がレバー119を人為操作して第三外側フック116を係合位置から非係合位置に切り替えると、
図11及び
図20に示すように、排藁フレーム55がガスダンパ77によって上方に揺動される。すなわち、扱胴フレーム44が上昇した状態で、排藁フレーム55を上昇することができる。
【0070】
そして、排藁フレーム55が上昇した状態で、ストッパ89を保持部92から外して下方に揺動させて、ストッパ89の先端部を孔41aに差し込むと、ストッパ89が排藁フレーム55と後部フレーム41との間で突っ張り棒の機能を果たすことになる。これにより、排藁フレーム55を上昇した状態で位置保持することができる。
【0071】
次に、扱胴フレーム44及び排藁フレーム55が上昇した状態で、作業者が前記昇降操作部によって下降操作を行うと、扱胴フレーム44が油圧シリンダ45の縮長動作によって下方に揺動される。そして、扱胴フレーム44が排藁フレーム55に対して上方から接触する位置まで下降すると、扱胴フレーム44の下降に伴って排藁フレーム55が扱胴フレーム44に上方から押されて、排藁フレーム55が扱胴フレーム44と共に下降する。これにより、排藁フレーム55を扱胴フレーム44と一体的に下降させることができる。
【0072】
一方、扱胴フレーム44及び排藁フレーム55が上昇した状態で、作業者がハンドル88を使って排藁フレーム55を押し下げることにより、排藁フレーム55を扱胴フレーム44とは別に単独で下降させることができる。すなわち、扱胴フレーム44及び排藁フレーム55が上昇した状態で、排藁フレーム55を扱胴フレーム44と一体的に下降させるか、排藁フレーム55を扱胴フレーム44とは別に単独で下降させるかを選択可能である。
【0073】
そして、排藁フレーム55の下降動作に伴って、第三外側フックピン117が第三外側フック116に対して上方から第三外側フック116のうち傾斜部116aに接触すると、第三外側フック116がスプリング120の付勢力に抗して係合解除側に揺動される。そして、第三外側フックピン117がステー118のうち受け部118aに受けられた状態で、第三外側フック116がスプリング120の付勢力によって係合側に揺動されて、第三外側フックピン117に係合する。こうして、第三外側ロック機構115が係合状態になる。
【0074】
そして、扱胴フレーム44及び排藁フレーム55が下降した状態で、モータMによって前後一対のフックプレート47が係合側に揺動される。これにより、フックプレート47(フック部47a)が扱胴フックピン48に係合される。そして、後側フックプレート47の係合側への揺動がリンク機構109を介して第一外側フック97及び第二外側フック103に伝達される。これにより、後側フックプレート47の係合側への揺動に連動して、第一外側フック97及び第二外側フック103が係合側に揺動される。こうして、第一外側フック97及び第二外側フック103が係合状態になる。
【0075】
ここで、排藁フレーム55の上昇角度β(
図11参照)は、扱胴フレーム44の上昇角度α(
図5参照)よりも小さい。具体的には、排藁フレーム55の上昇角度βは、排藁フレーム55が上昇した状態で、排藁切断装置28が作業位置と非作業位置とに亘って揺動される際に、横フレーム32が排藁搬送装置12の搬送終端側部位(ガイド板53)と干渉しないように設定されている。詳述すると、
図20において、排藁切断装置28が作業位置と非作業位置とに亘って揺動される際における横フレーム32の上端の移動軌跡をTで示している。そして、ガイド板53の下端53aが横フレーム32の上端の移動軌跡Tよりも上側に位置している。これにより、排藁フレーム55が上昇した状態で、排藁切断装置28が作業位置と非作業位置とに亘って揺動される際に、横フレーム32がガイド板53と干渉して、排藁切断装置28の揺動が阻害される事態を回避することができる。
【0076】
〔切り替え板〕
図20から
図22に示すように、切り替え板31には、排藁フレーム55が上昇した状態で切り替え板31を切断位置と非切断位置とに切り替える際に排藁搬送装置12の搬送終端側部位(ガイド板53)と干渉しないように、切り欠き部31aが形成されている。切り欠き部31aは、切り替え板31のうち右側の部分に形成されている。切り欠き部31aは、支軸33とは反対側に開口している。
【0077】
切り欠き部31aを覆う蓋部材124が設けられている。蓋部材124は、ガイド板53が切り欠き部31aに入り込むのを許容する。蓋部材124の周縁部は、切り替え板31のうち切り欠き部31aの周縁部にボルト125によって固定されている。蓋部材124は、弾性変形可能な部材によって構成されている。本実施形態では、蓋部材124は、例えば、ゴム状弾性体(ポリウレタンエラストマー)によって構成されている。蓋部材124には、ガイド板53が入り込むスリット124aが形成されている。スリット124aは、支軸33と直交する方向(切り替え板31の短手方向)に延びている。蓋部材124のうちスリット124a側の両縁部は、スリット124a側ほど低くなるように撓んでいる。これにより、切り替え板31が閉じた状態(非切断位置の状態)において、切り替え板31の上面を滑る排藁がスリット124aに引っ掛かり難い。
【0078】
ここで、
図20に示すように、排藁フレーム55が上方に揺動されるのに伴って、ガイド板53の位置が下がってしまうことになる。本実施形態では、排藁フレーム55が上昇した状態で、切り替え板31が切断位置と非切断位置とに切り替えられる際、ガイド板53がスリット124aを介して切り欠き部31aに入り込むことになる。その際、ガイド板53が蓋部材124と接触すると、蓋部材124が弾性変形してガイド板53の切り欠き部31aへの入り込みを許容することになる。その後、ガイド板53が蓋部材124から離れると、蓋部材124が元の形状に戻ることになる。
【0079】
〔別実施形態〕
(1)排藁フレーム55を上昇角度βに対応する位置よりも上昇側の位置まで上昇可能に構成してもよい。これについて、
図23を用いて説明する。
【0080】
図23に示すように、排藁フレーム55と支軸76とに亘って、アーム126が設けられている。アーム126は、支軸76に揺動可能に支持されている。すなわち、排藁フレーム55の揺動軸心Y2とアーム126の揺動軸心Y2と扱胴フレーム44の揺動軸心Y2とは、同一の揺動軸心である。
【0081】
アーム126のうち排藁フレーム55側の端部(先端部)には、排藁フレーム55(前フレーム72)がアーム126に対して上方に離間可能に載置されている。ガスダンパ77のうち排藁フレーム55側の端部(先端部)は、アーム126の先端部に連結されている。ガスダンパ77及びアーム126は、扱胴11のうち胴部分11bの下端よりも上側(具体的には、扱胴軸11aよりも上側)に配置されている。
【0082】
このような構成によれば、排藁フレーム55が上昇角度βに対応する位置(ガスダンパ77の最大伸長長さに対応する位置)まで上昇した状態において、作業者がハンドル88を使って排藁フレーム55を持ち上げると、排藁フレーム55がアーム126に対して上方に離間して、排藁フレーム55が上昇角度βに対応する位置よりも上昇側の位置まで上昇することになる。この場合、排藁フレーム55が上昇角度βに対応する位置よりも上昇側の位置まで上昇される際の上昇角度は、扱胴フレーム44の上昇限界角度(上昇角度α)以下(ここでは、扱胴フレーム44の上昇限界角度(上昇角度α)と同一)に設定されている。なお、排藁フレーム55が扱胴フレーム44の上昇角度αを超えて上昇しようとすると、排藁フレーム55が扱胴フレーム44に対して下方から接触して、排藁フレーム55の上昇が扱胴フレーム44によって阻止されることになる。
【0083】
また、排藁フレーム55を上昇角度βに対応する位置よりも上昇側の位置まで上昇可能な構成において、排藁フレーム55と扱胴フレーム44とを連結解除可能に連結(例えば、遊端フレーム74と左側の前後向きフレーム40Lとを連結解除可能に連結)する連結機構(図示省略)が設けられていてもよい。遊端フレーム74と左側の前後向きフレーム40Lとが前記連結機構によって連結された状態で、排藁フレーム55と扱胴フレーム44とが油圧シリンダ45によって一体的に上昇可能である。
【0084】
(2)上記実施形態に係る蓋部材124に代えて、
図24から
図26に示す蓋部材224が設けられていてもよい。蓋部材224は、一対のヒンジ127を介して切り替え板31に揺動可能に支持されている。ヒンジ127は、蓋部材224の裏面と切り替え板31の裏面とに亘って設けられている。
【0085】
蓋部材224を切り欠き部31aを覆う位置に位置保持する板バネ128が設けられている。板バネ128は、蓋部材224の裏面と切り替え板31の裏面とに亘って設けられている。切り替え板31の裏側には、板バネ128をスライド可能に支持するステー129が設けられている。
【0086】
このような構成によれば、ガイド板53が蓋部材224に対して裏側から接触すると、蓋部材224が一対のヒンジ127を介して揺動してガイド板53の切り欠き部31aへの入り込みを許容することになる。その後、ガイド板53が蓋部材224から離れると、蓋部材224が板バネ128のバネ力によって切り欠き部31aを覆う位置に戻されて位置保持されることになる。
【0087】
(3)上記実施形態において、排藁フレーム55の下降位置は、排藁搬送装置12が排藁の搬送を行う位置である。しかし、排藁フレーム55の下降位置は、排藁搬送装置12が排藁の搬送を行う位置よりも高い位置(若干高い位置)であってもよい。
【0088】
(4)上記実施形態では、扱胴フレーム44及び排藁フレーム55が上昇した状態で、排藁フレーム55を扱胴フレーム44と一体的に下降させるか、排藁フレーム55を扱胴フレーム44とは別に単独で下降させるかを選択可能である。しかし、扱胴フレーム44及び排藁フレーム55が上昇した状態で、排藁フレーム55を扱胴フレーム44と一体的に下降させることしかできなくてもよいし、あるいは、排藁フレーム55を扱胴フレーム44とは別に単独で下降させることしかできなくてもよい。
【0089】
(5)上記実施形態では、排藁切断装置28は、右端部側で上下方向に延びる揺動軸心Z1周りにおいて、作業位置と非作業位置とに亘って揺動可能である。しかし、排藁切断装置28は、左端部側で上下方向に延びる揺動軸心周りにおいて、作業位置と非作業位置とに亘って揺動可能であってもよい。
【0090】
(6)上記実施形態では、排藁フレーム55が下降位置に位置する状態で、排藁フレーム55の遊端側部位を左側の前後向きフレーム40Lに位置保持する第二外側ロック機構102、及び排藁フレーム55が下降位置に位置する状態で、排藁フレーム55の遊端側部位を後部フレーム41に位置保持する第三外側ロック機構115が設けられている。しかし、第二外側ロック機構102及び第三外側ロック機構115に加えて、排藁フレーム55が下降位置に位置する状態で、排藁フレーム55の遊端側部位を左側の前後向きフレーム40L又は後部フレーム41に位置保持するロック機構が一つ以上設けられていてもよい。
【0091】
(7)上記実施形態では、第二外側ロック機構102が排藁フレーム55の遊端側部位のうち前部に設けられ、かつ、第三外側ロック機構115が排藁フレーム55の遊端側部位のうち後部に設けられている。しかし、第二外側ロック機構102及び第三外側ロック機構115を設ける位置は、上述した位置に限定されるものではない。例えば、第二外側ロック機構102又は第三外側ロック機構115が排藁フレーム55の遊端側部位のうち前後中央部に設けられていてもよい。
【0092】
(8)上記実施形態では、第三外側ロック機構115が係合状態で排藁フレーム55の枠内に位置している。しかし、これに代えて或いはこれと共に、第二外側ロック機構102が係合状態で排藁フレーム55の枠内に位置していてもよい。
【0093】
(9)上記実施形態では、第三外側ロック機構115において、第三外側フック116、ステー118及びレバー119が後部フレーム41に設けられ、かつ、第三外側フックピン117が排藁フレーム55に設けられている。しかし、第三外側ロック機構115において、第三外側フック116、ステー118及びレバー119が排藁フレーム55に設けられ、かつ、第三外側フックピン117が後部フレーム41に設けられていてもよい。
【0094】
(10)上記実施形態では、第二外側ロック機構102において、第二外側フック103及び前後一対の受け部材108が左側の前後向きフレーム40Lに設けられ、かつ、第二外側フックピン104が排藁フレーム55に設けられている。しかし、第二外側ロック機構102において、第二外側フック103及び前後一対の受け部材108が排藁フレーム55に設けられ、かつ、第二外側フックピン104が左側の前後向きフレーム40Lに設けられていてもよい。
【0095】
(11)上記実施形態では、第三外側フック116がレバー119の人為操作によって係合位置と非係合位置とに切り替えられる。しかし、第三外側フック116がアクチュエータ(例えば、モータ)によって係合位置と非係合位置とに切り替えられてもよい。
【0096】
(12)上記実施形態では、第二外側フック103がモータMによって係合位置と非係合位置とに切り替えられる。しかし、第二外側フック103がレバー(図示省略)の人為操作によって係合位置と非係合位置とに切り替えられてもよい。
【0097】
(13)上記実施形態では、第三外側ロック機構115が後部フレーム41の下端よりも下側に出っ張っていない。しかし、これに代えて或いはこれと共に、第二外側ロック機構102が左側の前後向きフレーム40Lの下端よりも下側に出っ張っていなくてもよい。又は、第三外側ロック機構115が後部フレーム41の下端よりも下側に出っ張っていてもよい。
【0098】
(14)上記実施形態では、固定側テンションプーリ64及び揺動側テンションプーリ63が伝動ベルト61のうち上側経路部分に対して接触している。しかし、固定側テンションプーリ64及び揺動側テンションプーリ63が伝動ベルト61のうち下側経路部分に対して接触していてもよい。
【0099】
(15)上記実施形態では、揺動側テンションプーリ63が伝動ベルト61のうち固定側テンションプーリ64と駆動プーリ59とに亘る部分に作用している。しかし、揺動側テンションプーリ63が伝動ベルト61のうち固定側テンションプーリ64と従動プーリ60とに亘る部分に作用していてもよい。
【0100】
(16)上記実施形態では、固定側テンションプーリ64は、伝動ベルト61のうち駆動プーリ59と従動プーリ60との間における駆動プーリ59側寄りの部分に作用している。しかし、固定側テンションプーリ64は、伝動ベルト61のうち駆動プーリ59と従動プーリ60との間における従動プーリ60側寄りの部分に作用していてもよい。又は、固定側テンションプーリ64は、伝動ベルト61のうち駆動プーリ59と従動プーリ60との間における中央部分に作用していてもよい。
【0101】
(17)上記実施形態では、排藁フレーム55の揺動軸心Y2と扱胴フレーム44の揺動軸心Y2とが同一の揺動軸心である。しかし、排藁フレーム55の揺動軸心と扱胴フレーム44の揺動軸心とが異なる揺動軸心であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、コンバイン(例えば、自脱型コンバイン)に利用可能である。
【符号の説明】
【0103】
9 フィードチェーン
10 脱穀装置
11 扱胴
12 排藁搬送装置
55 排藁フレーム
58 ベルト伝動機構
59 駆動プーリ
60 従動プーリ
61 伝動ベルト
64 固定側テンションプーリ(テンションプーリ)
Y2 揺動軸心