(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】袋。
(51)【国際特許分類】
B65D 30/02 20060101AFI20221114BHJP
B65F 1/00 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
B65D30/02
B65F1/00 Z
(21)【出願番号】P 2021101201
(22)【出願日】2021-05-07
【審査請求日】2021-06-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521264718
【氏名又は名称】小寺 涼子
(72)【発明者】
【氏名】小寺 涼子
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-525912(JP,A)
【文献】特開平08-059981(JP,A)
【文献】特開2003-261718(JP,A)
【文献】特開2000-246841(JP,A)
【文献】特開2004-352334(JP,A)
【文献】特開2006-160277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/02
B65F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容易に使用することができ、また袋の中の内容物を定着・収縮させ、袋の中の無駄な空間を省き、かさを減少させ、かさばらない、変形可能なプラスチック製容器包装を収納可能なストレッチフィルムで作成された袋。
【請求項2】
容易に使用することができ、また袋の中の内容物を定着・収縮させ、袋の中の無駄な空間を省き、かさを減少させ、かさばらない、変形可能な衣類、または寝具を収納可能なストレッチフィルムで作成された袋。
【請求項3】
使用前または伸縮前のストレッチフィルム製の袋を扱いやすくするため、その袋の
製作時に、ストレッチフィルムの強い密着性を緩和するための加工が施された請求項1または請求項2に記載の袋。
【請求項4】
前記加工が、パウダーを用いて施される請求項1または請求項2に記載の袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレッチフィルムを袋または袋状にして使用する方法とその方法で作製した袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来ストレッチフィルムは、梱包用、包装用として平面で使用されている。
平面で使用する場合はかぶせたり、巻き付けたりする使用方法に限られる。
内容物を順次入れ足したり、収納に用いる場合などの使い易さの面で平面では不都合である。
【発明の概要】
【0003】
プラスチック製容器包装(プラごみ)は容器包装リサイクル法で記されているように、家庭から出るごみの6割を占める。2022年度の施行を目指す「プラスチック資源循環促進法」でますますプラスチック製容器包装(プラごみ)のリサイクルが強化され、家庭、企業など社会全体から出されるプラスチック製容器包装(プラごみ)の量が増えることが予想される。
プラスチック製容器包装(プラごみ)はとても軽く、従来のごみ袋を使用した場合、袋の中で動きまわり、押し込んでもふくれあがる習性があるため、とてもかさ高くなる(かさばる)。
家庭内でもかさばり、さらには地域のごみステーションでもかさばっているのが現状である。
課題は、袋の中の内容物を定着させ、無駄な空間を省き、かさを減少させ、かさばらない袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、ストレッチフィルムの伸縮性、密着性を活用し、ストレッチフィルムを袋または袋状にして使用する。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、伸縮性、密着性が特徴であるストレッチフィルムを袋、または袋状にして使用することにより一度入れた内容物がしっかりとつかまえられ、動きまわらず、逆戻りせず定着し、袋の中の無駄な空間を無くし、かさを減らすことができる。
プラスチック製容器包装(プラごみ)などを家庭で保管しておくスペース、さらには地域のごみステーションのスペースも減らすことができるという効果もある。
【0006】
また、衣類などさまざまな物を収納する場合、ストレッチフィルムの特徴である伸縮性、密着性を活かし、ストレッチフィルムを袋または袋状にして収納袋として使用することで内容物を安定させ、かさを減らすことができるという効果がある。
【0007】
さらに、旅行用、トラベル用、出張用などの衣類他の収納袋としても内容物を定着させ、よれにくくなりかさも減らすことができるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明の実施態様の一例として説明する。
ただし、本発明は以下に説明する実施態様に限定されるものではない。
【0009】
使用前、または伸縮前のストレッチフィルム製の袋を扱い易くするため、ストレッチフィルム製の袋の作製時に、ストレッチフィルムの強い密着性を緩和するための加工(吹き付け、パウダー使用等)をする。
必要なサイズの一枚、または重なった二枚以上のストレッチフィルムを半分に折り、折り目以外の二辺を貼り合わせ、または貼り付け、または熱処理等により袋、または袋状に作製する。
本発明のストレッチフィルムで作製された袋のことを以下ストレッチフィルム製袋という。
【0010】
実施例1
プラスチック製容器包装分別(プラごみ)ごみ袋としての実施例
▲1▼ 400mm×500mm前後の同じ大きさの従来のごみ袋と、上記のストレッチフィルム製袋を用意する。
▲2▼ 先にプラスチック製容器包装(プラごみ)を従来のごみ袋に全体の約8分目まで詰める。
▲3▼ 次に▲2▼で詰めたのプラスチック製容器包装(プラごみ)をストレッチフィルム製袋に入れ替える。
▲4▼ 袋全体の約5分目になった。
▲5▼ 従来のごみ袋に比べ内容物が動かず定着し、かさが明らかに減少した。
【0011】
実施例2
衣類の収納袋としての実施例
▲1▼ 250mm×350mm前後の同じ大きさの従来のポリ袋とストレッチフィルム製袋を用意する。
▲2▼ 女性用トレーナーを一枚用意する。
▲3▼ それぞれの袋に入れ替えてみる。
▲4▼ 入れた時は同じようにどちらもいっぱいになり、袋の口は閉じることができない。
▲5▼ 空気を抜いてみる。
▲6▼ 従来のポリ袋に詰めたトレーナーのかさは、空気を抜いてもすぐに元に戻り口を閉じることはできない。
▲7▼ ストレッチフィルム製袋は、空気を抜いていくとトレーナーのかさは全体の約8分目になり袋の口を折り返すことができ、ストレッチフィルムの密着性を利用して袋の口を閉じることができた。そのままにしていてもかさはほとんど変わらず、閉じたままの状態が持続できた。
【産業上の利用可能性】
【0012】
プラスチック製容器包装(プラごみ)のリサイクルがますます強化されていき、プラスチック製容器包装(プラごみ)の量が増えることが予想される現在、このストレッチフィルム製袋は、家庭はもちろん社会全体のプラスチック製容器包装(プラごみ)のかさを減らすことのできるごみ袋として利用できる。
また、かさを減らすことができる収納袋としてもコストも低く使い捨て用などとしても利用できる。
【要約】
【課題】プラスチック製容器包装(プラごみ)のごみ袋の中は、無駄な空間がとても多く、かさばる。脱炭素社会に向けてますますプラスチック製容器包装(プラごみ)の分別が進み、その量が増える現在、ごみ袋の中の無駄な空間を省き、かさを減少させることのできる袋を提供する。
【解決手段】ストレッチフィルムを袋または袋状にして使用することにより、ストレッチフィルムの特徴である伸縮性、密着性を活かし、プラスチック製容器包装(プラごみ)などの軽い内容物でも袋自体が密着しプラスチック製容器包装(プラごみ)をつかみとり定着させ、袋内の無駄な空間を省く。結果的に家庭内、さらには地域のごみステーションでの無駄なスペースを減らすことができる。