(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】糸巻取機
(51)【国際特許分類】
B65H 54/54 20060101AFI20221114BHJP
B65H 54/553 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
B65H54/54 Z
B65H54/553 B
(21)【出願番号】P 2021113601
(22)【出願日】2021-07-08
(62)【分割の表示】P 2017121462の分割
【原出願日】2017-06-21
【審査請求日】2021-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】502455511
【氏名又は名称】TMTマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】杉山 研志
(72)【発明者】
【氏名】橋本 欣三
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-290821(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10314293(DE,A1)
【文献】特開2012-158436(JP,A)
【文献】特開2012-158402(JP,A)
【文献】特開2013-234047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 54/00-54/553
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の長手方向に延び、複数の糸がそれぞれ巻き取られる複数のボビンが前記長手方向に並べて装着されるボビンホルダと、
前記複数の糸をそれぞれ綾振りするトラバース装置と、
前記長手方向に延びており、且つ、前記トラバース装置によって綾振りされた前記複数の糸が前記複数のボビンにそれぞれ巻き取られて形成される複数のパッケージに接圧を付与するコンタクトローラと、
前記コンタクトローラを回転自在に支持するローラ支持部材と、を備え、
前記ローラ支持部材は、
前記コンタクトローラの前記長手方向の少なくとも両端部を回転自在に支持し、且つ、前記コンタクトローラの径方向の中心部から少なくとも前記径方向の外側に延びる支持部と、
前記長手方向に延びた形状を有し、前記支持部が固定され、且つ、前記長手方向から見たときに、前記ボビンホルダ及び前記トラバース装置と重ならない領域に設けられた剛性向上部を有し、
前記長手方向に延び、前記ローラ支持部材を支持する枠体を備え、
前記剛性向上部の前記長手方向における少なくとも一部の、前記長手方向に直交する断面が、前記枠体の前記長手方向に直交する断面
の全周の少なくとも4分の3を囲む形状を有していることを特徴とする糸巻取機。
【請求項2】
前記剛性向上部は、前記長手方向から見たときに、少なくとも一部が、前記支持部と重ならない領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の糸巻取機。
【請求項3】
前記支持部は、前記径方向に棒状又は板状に延びた形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の糸巻取機。
【請求項4】
前記剛性向上部の前記長手方向における少なくとも一部の、前記長手方向に直交する断面が、前記枠体の前記長手方向に直交する断面を完全に囲む形状を有していることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の糸巻取機。
【請求項5】
前記剛性向上部は、前記長手方向に延びた筒形状を有していることを特徴とする請求項4に記載の糸巻取機。
【請求項6】
前記ローラ支持部材は、前記長手方向に沿って延びる揺動軸を中心として前記枠体に揺動可能に支持されていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の糸巻取機。
【請求項7】
前記枠体は、前記長手方向から見て多角形状であり、
前記揺動軸は、
前記長手方向から見たときに、前記枠体の外周面を形成する面のうち前記コンタクトローラに最も近い面以外の面に固定された、固定部に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の糸巻取機。
【請求項8】
前記枠体は、上面を有しており、
前記揺動軸は、前記上面に固定された固定部に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の糸巻取機。
【請求項9】
前記枠体は、前記長手方向から見て矩形状であることを特徴とする請求項6~8のいずれかに記載の糸巻取機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージに接圧を付与するコンタクトローラを備えた糸巻取機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、糸を巻き取る糸巻取機が開示されている。詳細には、糸巻取機は、前後方向に沿って延び、複数のボビンが並んで装着されるボビンホルダと、ボビンホルダの上方に配置され、複数の糸をそれぞれ綾振りするトラバース装置と、ボビンホルダとトラバース装置との間に配置され、複数のボビンに糸が巻き取られて形成されるパッケージに接圧を付与するコンタクトローラと、を備える。コンタクトローラは、前後方向に延びており、ローラ支持部材によって回転自在に支持されている。ローラ支持部材は、コンタクトローラの前後方向の両端部を回転自在に支持し、且つ、コンタクトローラの径方向中心部から径方向外側に向かって延びる2つのアーム状の部分(以下、支持部とする)を有している。2つの支持部は、前後方向に延びた板状の部分(以下、板状部とする)によって連結されている。前後方向から見たときに、板状部は、支持部と重なっており、且つ、ボビンホルダとトラバース装置の間に挟まれる位置に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ボビンホルダに装着可能なボビンの数を増やすためにボビンホルダを前後方向に長くすると、それに伴いコンタクトローラ及びローラ支持部材も前後方向に長くなる。これにより、前後方向におけるローラ支持部材の曲げ剛性が小さくなり、糸巻取機の動作によって振動しやすくなる等の問題が生じる。そこで、ローラ支持部材の剛性を大きくするために、上記板状部の前後方向に直交する断面の面積を大きくすることが考えられる。しかしながら、上述のように、板状部はボビンホルダとトラバース装置の間に配置されている。このため、板状部の上記断面の面積を大きくしようとすると、スペース確保のためにボビンホルダやトラバース装置を動かさなければならず、糸巻取機が大型化してしまうという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、装置の大型化を抑えつつ、ローラ支持部材の剛性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の糸巻取機は、所定の長手方向に延び、複数の糸がそれぞれ巻き取られる複数のボビンが前記長手方向に並べて装着されるボビンホルダと、前記複数の糸をそれぞれ綾振りするトラバース装置と、前記長手方向に延びており、且つ、前記トラバース装置によって綾振りされた前記複数の糸が前記複数のボビンにそれぞれ巻き取られて形成される複数のパッケージに接圧を付与するコンタクトローラと、前記コンタクトローラを回転自在に支持するローラ支持部材と、を備え、前記ローラ支持部材は、前記コンタクトローラの前記長手方向の少なくとも両端部を回転自在に支持し、且つ、前記コンタクトローラの径方向の中心部から少なくとも前記径方向の外側に延びる支持部と、前記長手方向に延びた形状を有し、前記支持部が固定され、且つ、前記長手方向から見たときに、前記ボビンホルダ及び前記トラバース装置と重ならない領域に設けられた剛性向上部を有し、前記剛性向上部は、前記長手方向から見たときに、前記支持部が延びる方向に直交する方向に関する大きさが前記支持部よりも大きい部分を有することを特徴とするものである。
【0007】
コンタクトローラは、綾振りされた糸がボビンに巻き取られて形成されるパッケージに接圧を付与するものであり、ボビンホルダ及びトラバース装置の近傍に配置される。つまり、コンタクトローラの長手方向の両端部を支持する支持部も、ボビンホルダ及びトラバース装置の近傍に配置される。本発明では、支持部が固定されており、且つ、長手方向から見たときにボビンホルダ及びトラバース装置と重ならない領域に、剛性向上部が設けられている。また、剛性向上部は、長手方向から見たときに、支持部が延びる方向と直交する方向に関する大きさが、支持部よりも大きい部分を有する。このような剛性向上部によって、長手方向におけるローラ支持部材の曲げ剛性が向上する。このため、ボビンホルダ及びトラバース装置との干渉を避けつつ、ローラ支持部材の曲げ剛性等を向上させることができる。したがって、装置の大型化を抑えつつ、ローラ支持部材の剛性を向上させることができる。
【0008】
第2の発明の糸巻取機は、前記第1の発明において、前記剛性向上部は、前記長手方向から見たときに、少なくとも一部が、前記支持部と重ならない領域に設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
長手方向から見て、支持部と重なる領域に剛性向上部が配置されている場合、その部分は、コンタクトローラとトラバース装置との間に挟まれる位置に配置されるため、長手方向に直交する断面積を大きくしにくい。本発明では、剛性向上部の、長手方向から見たときに支持部と重ならない部分において、上記断面積を大きくすることができ、ローラ支持部材の剛性をより向上させることができる。
【0010】
第3の発明の糸巻取機は、前記第1又は第2の発明において、前記支持部は、前記径方向に棒状又は板状に延びた形状を有することを特徴とするものである。
【0011】
本発明では、コンタクトローラと支持部と剛性向上部に囲まれた領域に空間が形成されている。支持部が径方向に棒状又は板状に延びた形状を有していても、剛性向上部によってローラ支持部材の剛性を向上させることができるため、ローラ支持部材の剛性を向上させつつ、上記空間に他の部材等を配置することができ、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0012】
第4の発明の糸巻取機は、前記第1~第3のいずれかの発明において、前記長手方向に延び、前記ローラ支持部材を支持する枠体を備え、前記剛性向上部の前記長手方向における少なくとも一部の、前記長手方向に直交する断面が、前記枠体の前記長手方向に直交する断面を少なくとも部分的に囲む形状を有していることを特徴とするものである。
【0013】
剛性向上部の長手方向に直交する断面の面積を大きくすればするほど、ローラ支持部材の剛性は向上する。但し、単純に上記断面の面積を大きくしたのでは、剛性向上部と他の部材等が干渉するおそれが生じ、装置を大型化せざるを得なくなるおそれがある。本発明では、剛性向上部の少なくとも一部において、長手方向に直交する断面が、枠体を少なくとも部分的に囲む形状を有している。言い換えると、剛性向上部は、枠体が配置されている空間の一部を枠体と共有している。これにより、装置の大型化を抑えつつ、上記断面の面積を大きくすることができる。
【0014】
第5の発明の糸巻取機は、前記第4の発明において、前記剛性向上部の前記長手方向における少なくとも一部の、前記長手方向に直交する断面が、前記枠体の前記長手方向に直交する断面を完全に囲む形状を有していることを特徴とするものである。
【0015】
本発明では、剛性向上部の少なくとも一部において、長手方向に直交する断面が、枠体を完全に囲む形状を有していることで、剛性向上部の剛性が大幅に大きくなる。したがって、装置の大型化を抑えつつ、ローラ支持部材の剛性を飛躍的に向上させることができる。
【0016】
第6の発明の糸巻取機は、前記第5の発明において、前記剛性向上部は、前記長手方向に延びた筒形状を有していることを特徴とするものである。
【0017】
本発明では、剛性向上部が長手方向に延びる筒形状を有しており、剛性向上部全体において、長手方向に直交する断面が枠体を完全に囲んでいる。したがって、ローラ支持部材の剛性をさらに向上させることができる。
【0018】
第7の発明の糸巻取機は、前記第4~第6のいずれかの発明において、前記ローラ支持部材は、前記長手方向に沿って延びる揺動軸を中心として前記枠体に揺動可能に支持されていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明では、ローラ支持部材は、揺動可能に支持されている。すなわち、ローラ支持部材及びコンタクトローラ全体が移動する構成ではない。したがって、ローラ支持部材等を移動させるためのスペースを確保する必要や、ローラ支持部材をガイドするためのガイド部材等を設ける必要がなく、装置の大型化を抑制できる。
【0020】
第8の発明の糸巻取機は、前記第7の発明において、前記枠体は、前記長手方向から見て多角形状であり、前記揺動軸は、前記長手方向から見たときに、前記枠体の外周面を形成する面のうち前記コンタクトローラに最も近い面以外の面に固定された、固定部に設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
剛性向上部の少なくとも一部が枠体を少なくとも部分的に囲み、且つ、ローラ支持部材が枠体に揺動可能に支持されている構成において、ローラ支持部材の揺動角度が大きいと、剛性向上部と枠体が干渉しやすくなるおそれがある。本発明では、揺動軸が、枠体の面のうちコンタクトローラに最も近い面以外の面に固定された固定部に設けられている。このため、揺動軸とコンタクトローラの回転軸との距離が大きくなるように揺動軸を配置することができるので、ローラ支持部材の揺動角度が小さくてもコンタクトローラの揺動幅を大きく保つことができる。また、コンタクトローラが揺動した際のローラ支持部材の揺動角度が小さくなるので、剛性向上部と枠体との干渉を回避することができる。
【0022】
第9の発明の糸巻取機は、前記第7の発明において、前記枠体は、上面を有しており、前記揺動軸は、前記上面に固定された固定部に設けられていることを特徴とするものである。
【0023】
本発明では、揺動軸が、枠体の上面に固定された固定部に設けられている。つまり、ローラ支持部材の重みによって枠体に作用する下方への力が、上面によって受け止められるので、安定的な構造とすることができる。
【0024】
第10の発明の糸巻取機は、前記第7~第9のいずれかの発明において、前記枠体は、前記長手方向から見て矩形状であることを特徴とするものである。
【0025】
本発明によれば、枠体が四角柱状であるため、製造時の加工を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本実施形態に係る糸巻取機を有する引取装置の側面図である。
【
図3】ローラ支持部材の前側部分及びその周辺の斜視図である。
【
図4】ローラ支持部材及びその周辺の平面図である。
【
図5】(a)は、
図4のV(a)-V(a)断面図であり、(b)は、
図4のV(b)-V(b)断面図である。
【
図6】コンタクトローラの揺動を示す説明図である。
【
図7】変形例に係るローラ支持部材の前側部分及びその周辺の斜視図である。
【
図8】別の変形例に係るローラ支持部材の前側部分及びその周辺の斜視図である。
【
図9】さらに別の変形例に係るローラ支持部材及びその周辺の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本発明の実施の形態について、
図1~
図6を参照しながら説明する。
【0028】
(引取装置の概略構成)
図1は、本実施形態に係る糸巻取機4(詳細は後述)を有する引取装置1の側面図である。以下、
図1の紙面左右方向を前後方向(本発明の長手方向)とする。また、重力が作用する方向を上下方向とし、前後方向及び上下方向と直交する方向(紙面垂直方向)を左右方向とする。
【0029】
引取装置1は、紡糸装置3から紡出されてくる糸Yを引き取るための第1ゴデットローラ11、第2ゴデットローラ12、糸規制ガイド16と、引き取られた糸Yを複数のボビンBに巻き取ってパッケージPを形成するための糸巻取機4と、を備える。
【0030】
第1ゴデットローラ11は、軸方向が左右方向と略平行なローラであり、糸巻取機4の前端部の上方に配置されている。第1ゴデットローラ11は、不図示のモータによって回転駆動される。第2ゴデットローラ12は、軸方向が左右方向と略平行なローラであり、第1ゴデットローラ11よりも上方且つ後方に配置されている。第2ゴデットローラ12は、不図示のモータによって回転駆動される。
【0031】
第2ゴデットローラ12は、ガイドレール14に移動可能に支持されている。ガイドレール14は、上方且つ後方に向かって斜めに延びている。第2ゴデットローラ12は、不図示のプーリ対、ベルト、駆動モータ等によって、ガイドレール14に沿って移動可能に構成されている。これにより、第2ゴデットローラ12は、糸Yの巻取りを行うときの位置と、第1ゴデットローラ11に近接して配置される、糸掛け作業を行うときの位置との間で移動可能となっている。
図1において、糸Yの巻取りを行うときの第2ゴデットローラ12の位置は実線で表されており、糸掛け作業を行うときの第2ゴデットローラ12の位置は一点鎖線で表されている。
【0032】
糸規制ガイド16は、第1ゴデットローラ11の上方に配置されている。糸規制ガイド16は、例えば、公知の櫛歯状の糸ガイドであって、複数の糸Yが掛けられたときに、隣接する糸Y同士の間隔を所定の値に規定するためのものである。
【0033】
(糸巻取機)
次に、糸巻取機4について、
図1及び
図2を用いて説明する。
図2は、糸巻取機4の正面図である。糸巻取機4は、機台20と、複数の振支点ガイド21と、トラバース装置22と、ターレット23と、2つのボビンホルダ24と、コンタクトローラ25と、ローラ支持部材26と、枠体27等を有する。
【0034】
機台20は、糸巻取機4の後部に立設配置された部材である。機台20には、ターレット23及び枠体27等が支持されている。
【0035】
複数の振支点ガイド21は、複数の糸Yに対して個別に設けられ、前後方向に配列されている。複数の振支点ガイド21は、複数の糸Yがそれぞれ掛けられることで、複数の糸Yのそれぞれが綾振りされる際の支点となる。
【0036】
トラバース装置22は、複数の糸Yをそれぞれ綾振りするためのものである。トラバース装置22は、後述するリブ41に取り付けられており、コンタクトローラ25の上方に配置されている。トラバース装置22は、複数のトラバースガイド28を有する。複数のトラバースガイド28は、複数の糸Yに対して個別に設けられ、前後方向に配列されている。各トラバースガイド28は、トラバースモータ(不図示)によって駆動されて前後方向に往復移動する。各糸Yは、各トラバースガイド28によって、各振支点ガイド21を支点にして綾振りされる。
【0037】
ターレット23は、軸方向が前後方向と略平行な円板状の部材であり、機台20に回転可能に支持されている。ターレット23は、不図示のターレットモータによって回転駆動される。ターレット23は、2つのボビンホルダ24を片持ち支持するとともに、前後方向と略平行な回動軸を中心に回動することで、2つのボビンホルダ24を移動させる。これにより、糸巻取機4においては、2つのボビンホルダ24の位置を入れ換えることが可能になっており、一方のボビンホルダ24に装着されたボビンBに糸Yの巻取が行われている間に、他方のボビンホルダ24に対してボビンBの交換を行うことが可能になっている。また、ターレット23は、ボビンBへの糸巻取時に、巻き取られた糸Yの量の増加に伴って回動可能に構成されている(
図2の実線矢印参照)。
【0038】
2つのボビンホルダ24は、それぞれに複数のボビンBを装着するためのものである。2つのボビンホルダ24は、それぞれが、機台20に支持されたターレット23の上端部及び下端部に回転自在に支持され、ターレット23から前方に延びている。言い換えると、2つのボビンホルダ24は、後方側に配置された機台20によって、片持ち支持されている。2つのボビンホルダ24の軸方向は、前後方向と略平行である。
【0039】
各ボビンホルダ24には、複数の糸Yに対して個別に設けられた複数のボビンBが、前後方向に並んで装着されている。1つのボビンホルダ24に装着されるボビンBの数は、例えば16個である。また、2つのボビンホルダ24は、それぞれ、個別の巻取モータ(不図示)によって回転駆動される。
【0040】
コンタクトローラ25は、その軸方向が前後方向と略平行なローラであり、上側のボビンホルダ24の上方、且つ、トラバース装置22の下方に配置されている。コンタクトローラ25は、上側のボビンホルダ24に支持された複数のパッケージPの表面に接触することで、巻取中の複数のパッケージPの表面に接圧を付与して、各パッケージPの形状を整える。本実施形態において、コンタクトローラ25は、後述するように、ローラ支持部材26を介して枠体27に揺動可能に支持されている、いわゆるスイングアーム式のコンタクトローラである。
【0041】
ローラ支持部材26は、コンタクトローラ25を回転可能に支持するための部材である。ローラ支持部材26は、前後方向に延びている。ローラ支持部材26の詳細については後述する。
【0042】
枠体27は、前後方向に延びた柱状部材であり、機台20の上部に固定されている。枠体27には、ローラ支持部材26が揺動可能に支持されている。枠体27の詳細については後述する。
【0043】
以上のような構成を有する糸巻取機4において、上側のボビンホルダ24が回転駆動されると、トラバースガイド28によって綾振りされた糸YがボビンBに巻き取られて、パッケージPが形成される。パッケージPが形成されている間、コンタクトローラ25がパッケージPの表面に接触して接圧を付与することで、パッケージPの形状が整えられる。なお、ターレット23は、ボビンBに糸Yが巻き取られることでパッケージPの径が大きくなる(パッケージPが巻き太る)につれて、
図2の実線矢印の方向に回動していく。これにより、糸Yが巻き取られているボビンBが装着されたボビンホルダ24とコンタクトローラ25との距離が大きくなる。コンタクトローラ25は、枠体27に揺動可能に支持されているため、ボビンホルダ24及びパッケージPの動きに追従して揺動する(
図2の破線矢印参照)。これにより、コンタクトローラ25とパッケージPとの接触が保たれる。
【0044】
ここで、近年、生産効率の観点から、ボビンホルダ24に一度に装着可能なボビンBの数を増やすため、ボビンホルダ24は、前後方向においてますます長尺化される傾向にある。これに合わせて、コンタクトローラ25及びローラ支持部材26も前後方向に長尺化される。すると、ローラ支持部材26の曲げ剛性が小さくなり、糸巻取機4の動作によってローラ支持部材26が振動しやすくなる等の問題が生じる。このため、ローラ支持部材26の曲げ剛性等を大きくするために、ローラ支持部材26の前後方向に直交する断面の面積を大きくすることが考えられる。しかし、上記断面の面積をそのまま大きくしようとすると、スペース確保のためにボビンホルダ24やトラバース装置22を動かさなければならず、糸巻取機4が大型化してしまうという問題がある。そこで、本実施形態では、ローラ支持部材26及び枠体27が以下のような構成を有する。
【0045】
(ローラ支持部材及び枠体の詳細構成)
ローラ支持部材26及び枠体27の詳細構成について、
図3~
図6を用いて説明する。
図3は、ローラ支持部材26の前側部分及びその周辺の斜視図である。
図4は、ローラ支持部材26及びその周辺の平面図である。
図5(a)は、
図4のV(a)-V(a)断面図である。
図5(b)は、
図4のV(b)-V(b)断面図である。
図6は、コンタクトローラ25の揺動を示す説明図である。
【0046】
まず、枠体27について説明する。枠体27は、前後方向から見て略矩形状を有し、前後方向に延びた中空の四角柱状部材である。前後方向から見たときに、枠体27の外周部分のサイズは、例えば、約150mm四方である。枠体27は、上面43(
図5参照)を有しており、上面43の前後方向における両端部近傍には、後述する揺動軸45が設けられる固定部44が固定されている。
【0047】
次に、ローラ支持部材26について説明する。ローラ支持部材26は、上述したように、コンタクトローラ25を回転自在に支持するためのものである。
図3~
図5に示すように、ローラ支持部材26は、アーム部31(本発明の支持部)と、剛性向上部32とを有する。
【0048】
アーム部31(アーム部31F、31R)は、コンタクトローラ25の前後方向の両端部を支持する部材である。アーム部31F、31Rは、コンタクトローラ25の径方向における中心部から左斜め上方(上記径方向の外側)に延びた形状を有する板状部材である。アーム部31Fは、コンタクトローラ25の前端部を、アーム部31Rは、コンタクトローラ25の後端部を、それぞれ回転自在に支持している。これにより、コンタクトローラ25が、回転軸46(
図5参照)を中心に回転可能になっている。アーム部31F、31Rは、前後方向から見て、コンタクトローラ25の径方向における中心部から上記径方向外側に向かうにつれて幅が大きくなっている(
図5参照)。アーム部31F、31Rは、後述するように、剛性向上部32に固定されている。
【0049】
剛性向上部32は、ローラ支持部材26の曲げ剛性を向上させるためのものである。剛性向上部32は、前後方向に延びた略筒形状(
図3参照)を有する部材である。本実施形態では、剛性向上部32は、2つのアーム部31とは別の部材からなる。
図5に示すように、前後方向から見たときに、剛性向上部32は、中空の略矩形状であり、その外周部分のサイズは、例えば、約230mm四方である。また、剛性向上部32の外周部分は、例えば、約20mmの厚みを有する。すなわち、剛性向上部32の中空領域のサイズは、約190mm四方であり、上述した枠体27のサイズ(約150mm四方)よりも大きい。このように、剛性向上部32は、その全体において、前後方向に直交する断面が、枠体27の前後方向に直交する断面を完全に囲む形状を有している。
【0050】
剛性向上部32の右側面部の下側部分には、剛性向上部32の前後方向の全長に亘って、右斜め下方に向かって突出したリブ41が形成されている。リブ41は、トラバース装置22を載置するためのものである。
【0051】
剛性向上部32の右側面部の前端部には、複数の止着具42によって、アーム部31Fの径方向外側部分が固定されている(
図3及び
図5(a)参照)。同様に、剛性向上部32の右側面部の後端部には、アーム部31Rの径方向外側部分が固定されている。このように、剛性向上部32の前後方向における両端部に、2つのアーム部31F、31Rがそれぞれ固定されている。
【0052】
剛性向上部32は、前後方向から見たときに、枠体27を囲む位置に配置されている。言い換えると、枠体27が、前後方向から見て剛性向上部32の内側に収容されている。剛性向上部32と枠体27との隙間は、約20mmである。また、剛性向上部32は、ボビンホルダ24の左斜め上方、且つ、トラバース装置22の左方に配置されている(
図5(a)参照)。このように、剛性向上部32は、前後方向から見たときに、ボビンホルダ24及びトラバース装置22と重ならない領域に設けられている。つまり、剛性向上部32は、ボビンホルダ24とトラバース装置22との間に挟まれた領域外に配置されている。剛性向上部32は、前後方向から見たときに、アーム部31が延びる方向(
図5(b)の延在方向)と直交する方向(
図5(b)の直交方向)に関する大きさが、アーム部31よりも大きい。また、前後方向から見たときに、剛性向上部32とアーム部31F及びアーム部31Rは、互いに固定された部分以外は重なり合っていない。言い換えると、前後方向から見たときに、剛性向上部32の少なくとも一部は、アーム部31F、31Rと重なっていない。
【0053】
剛性向上部32は、
図3~
図5に示すように、枠体27に揺動可能に支持されている。枠体27の固定部44には、前後方向に沿って延びる揺動軸45が設けられており、この揺動軸45を中心として、剛性向上部32が(すなわち、ローラ支持部材26全体が)、枠体27に揺動可能に支持されている。これにより、コンタクトローラ25が、ローラ支持部材26を介して揺動可能に支持されている。なお、揺動軸45は、2本の軸が剛性向上部32の前後両端部をそれぞれ支持していても良く、1本の軸が剛性向上部32の前後方向の全長に亘って延びていても良い。
【0054】
以上の構成を有するローラ支持部材26において、剛性向上部32が、前後方向から見たときにボビンホルダ24及びトラバース装置22と重ならない領域に設けられている。このため、ローラ支持部材26は、ボビンホルダ24及びトラバース装置22との干渉を避けつつ、剛性向上部32によって、曲げ剛性等を向上させることが可能になっている。また、剛性向上部32は、上述したように枠体27を完全に囲む断面形状を有するので、枠体27が配置された空間の一部を枠体27と共有しており、且つ、高い剛性を有する。
【0055】
また、剛性向上部32の前後両端部にアーム部31F、31Rがそれぞれ固定されていることで、コンタクトローラ25とアーム部31F、31Rと剛性向上部32に囲まれた領域に、空間が形成されている。この空間の一部を利用して、トラバース装置22が、リブ41上に取り付けられている(
図3及び
図5(a)参照)。
【0056】
また、揺動軸45が設けられた固定部44が、上面43に固定されている。このため、ローラ支持部材26の重みによって枠体27に作用する下方への力が、上面43によって安定的に受け止められる。また、以下に述べるように、コンタクトローラ25の揺動幅が大きくなり、且つ、ローラ支持部材26と枠体27の干渉が起こりにくくなる。すなわち、仮に、
図6(a)に示すように、枠体27の外周面を形成する面のうち、コンタクトローラ25に最も近い右側面に固定部44が固定されている構成だと、前後方向から見て、揺動軸45とコンタクトローラ25の回転軸46との距離が小さくなる。このため、コンタクトローラ25が揺動したときのローラ支持部材26の揺動角度が大きくなり、枠体27を囲んでいる剛性向上部32と枠体27が干渉しやすくなるおそれがある(
図6(a)の二点鎖線参照)。この点、本実施形態では、
図6(b)に示すように、固定部44が右側面以外の面、すなわち上面43に固定されているので、上記距離が比較的大きい。したがって、ローラ支持部材26の揺動角度に対するコンタクトローラ25の揺動幅は大きくなる(
図6(b)の二点鎖線参照)。また、コンタクトローラ25が揺動した際のローラ支持部材26の揺動角度は小さくなるので、剛性向上部32と枠体27が干渉しにくい。
【0057】
以上のように、剛性向上部32が、アーム部31の径方向外側部分と固定されており、且つ、前後方向から見たときにボビンホルダ24及びトラバース装置22と重ならない領域に設けられている。また、剛性向上部32は、前後方向から見たときに、アーム部31が延びる方向と直交する方向に関する大きさが、アーム部31よりも大きい部分を有する。このような剛性向上部32によって、前後方向におけるローラ支持部材26の曲げ剛性が向上する。このため、ボビンホルダ24及びトラバース装置22との干渉を避けつつ、ローラ支持部材26の曲げ剛性等を向上させることができる。したがって、糸巻取機4の大型化を抑えつつ、ローラ支持部材26の剛性を向上させることができる。
【0058】
また、前後方向から見たときに、剛性向上部32の少なくとも一部が、アーム部31F、31Rと重なっていない領域に設けられている。上記領域に設けられた部分において、剛性向上部32の前後方向に直交する断面積を大きくすることができ、ローラ支持部材26の剛性をより向上させることができる。
【0059】
また、コンタクトローラ25とアーム部31F、31Rと剛性向上部32に囲まれた領域に空間が形成されている。アーム部31F、31Rが上記径方向に板状に延びた形状を有していても、剛性向上部32によってローラ支持部材26の剛性を向上させることができるため、ローラ支持部材26の剛性を向上させつつ、上記空間にトラバース装置22等の他の部材を配置することができ、糸巻取機4のコンパクト化を図ることができる。
【0060】
また、剛性向上部32が前後方向に延びる筒形状を有しており、剛性向上部32全体において、前後方向に直交する断面が枠体を完全に囲んでいる。このように、剛性向上部32は、枠体27が配置されている空間の一部を枠体27と共有しており、且つ、高い剛性を有する。したがって、装置の大型化を抑えつつ、ローラ支持部材26の剛性を飛躍的に向上させることができる。
【0061】
また、ローラ支持部材26は、揺動可能に支持されている。すなわち、ローラ支持部材26及びコンタクトローラ25全体が移動する構成ではない。したがって、ローラ支持部材26等を移動させるためのスペースを確保する必要や、ローラ支持部材26をガイドするためのガイド部材等を設ける必要がなく、装置の大型化を抑制できる。
【0062】
また、揺動軸45が、枠体27の面のうちコンタクトローラ25に最も近い面以外の面(本実施形態においては、上面43)に固定された固定部44に設けられている。このため、揺動軸45とコンタクトローラ25の回転軸46との距離が大きくなるように揺動軸45を配置することができるので、ローラ支持部材26の揺動角度が小さくてもコンタクトローラ25の揺動幅を大きく保つことができる。また、コンタクトローラ25が揺動した際のローラ支持部材26の揺動角度が小さくなるので、剛性向上部32と枠体27との干渉を回避することができる。
【0063】
また、揺動軸45が、枠体27の上面43に固定された固定部44に設けられている。つまり、ローラ支持部材26の重みによって枠体27に作用する下方への力が、上面43によって受け止められるので、安定的な構造とすることができる。
【0064】
また、枠体27は四角柱状であるため、製造時の加工を容易にすることができる。
【0065】
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0066】
(1)前記実施形態においては、剛性向上部32全体において、前後方向に直交する断面が枠体27を完全に囲んでいるものとしたが、これには限られない。例えば、
図7に示すように、ローラ支持部材26aの剛性向上部32aの上面部に開口47が形成されていることで、剛性向上部32aの一部のみにおいて、上記断面が枠体27を完全に囲んでいる構成になっていても良い。このように、剛性向上部32aの少なくとも一部(例えば、
図6においては、前端部等)の上記断面が、枠体27を完全に囲む形状を有していることで、剛性向上部32aの剛性が大幅に大きくなる。したがって、ローラ支持部材26aの剛性を飛躍的に向上させることができる。
【0067】
また、開口47を適切に形成することで、ローラ支持部材26aの剛性を高く保ちつつ軽量化を図ることができ、ローラ支持部材26aの共振周波数を高くして、ローラ支持部材26aを振動しにくくすることができる。
【0068】
(2)また、例えば、
図8に示すように、ローラ支持部材26bの剛性向上部32bが、下面部を有していない(すなわち、上記断面が逆U字状である)など、枠体27を部分的にのみ囲んでいるような構成でも良い。さらには、剛性向上部32bの前後方向における一部のみが、枠体27を部分的に囲む形状を有していても良い。言い換えると、剛性向上部32の前後方向における少なくとも一部の上記断面が、枠体27を少なくとも部分的に囲む形状を有していても良い。このような場合でも、剛性向上部32bは、枠体27が配置されている空間の一部を枠体27と共有するため、装置の大型化を抑えつつ、上記断面の面積を大きくすることができる。なお、この変形例では、剛性向上部32bが下面部を有していないものとしたが、例えば左側面部を有していない構成等でも良い。
【0069】
(3)剛性向上部の形状は、上述したものに限られない。例えば、
図9(a)に示すように、ローラ支持部材26cの剛性向上部32cの上記断面が、リング形状等であっても良い。或いは、例えば、
図9(b)に示すように、ローラ支持部材26dの剛性向上部32dの上記断面が、中実の矩形状であり、枠体27を囲んでいなくても良い。すなわち、剛性向上部が、前後方向から見て、トラバース装置22及びボビンホルダ24と重ならない位置に配置されていれば良い。なお、このとき、
図9(b)に示すように、固定部44が枠体27の右側面、すなわち、前後方向から見たときにコンタクトローラ25に最も近い面に固定されていても良い。また、剛性向上部32c、32dが、リブ41を有していなくても良い。
【0070】
(4)固定部44の位置は、上述したものに限られない。すなわち、固定部44は、枠体27の下面や左側面等に固定されていても良い。
【0071】
(5)前記までの実施形態においては、コンタクトローラ25の径方向において板状に延びた2つのアーム部31が、コンタクトローラ25を回転自在に支持する支持部であるものとしたが、これには限られない。2つのアーム部は、例えば、径方向に棒状に延びていても良い。或いは、例えば、2つのアーム部31が前後方向に延びた板状部(不図示)によって連結されていても良い。この場合、2つのアーム部31と板状部を合わせたものが、本発明の支持部に相当する。つまり、支持部がコンタクトローラ25の径方向以外の方向に延びていても良い。なお、2つのアーム部31と板状部とは別々の部材でも良く、一体的に形成された部材でも良い。
【0072】
前記までの実施形態においては、コンタクトローラ25の前後方向の両端部をアーム部31が回転自在に支持していているものとしたが、これに限られない。両端部だけでなく、コンタクトローラの中央部を支えるアーム部を備えていても良い。
【0073】
(6)前記までの実施形態においては、剛性向上部32とアーム部31が別々の部材であるものとしたが、これらが一体的に形成されていても良い。
【0074】
(7)枠体27は、前後方向から見たときに、必ずしも中空の略矩形状でなくても良く、中空の多角形状であっても良い。また、例えば、中実の円形状等であっても良い。すなわち、枠体が必ずしも上面を有していなくても良い。
【0075】
(8)前記までの実施形態においては、コンタクトローラ25が、ボビンホルダ24の上方、且つ、トラバース装置22の下方に配置されているものとしたが、これには限られない。例えば、コンタクトローラ25が、ボビンホルダ24の側方に配置されている等、他の位置関係を有していても良い。
【0076】
(9)前記までの実施形態においては、剛性向上部32は、ボビンホルダ24の左斜め上方、且つ、トラバース装置22の左方に配置されているものとしたが、これに限られない。例えば、上述した糸巻取機4と左右対称に構成された糸巻取機に本発明を適用しても良い。すなわち、剛性向上部32が、ボビンホルダ24の右斜め上方、且つ、トラバース装置22の右方に配置されていても良い。
【0077】
(10)上記(9)の変形例に関連して、互いに左右対称に構成されて左右方向に並べられた2つの糸巻取機に本発明を適用しても良い。或いは、例えば、特開2003-238031号公報に開示されているような、互いに左右対称に構成された2つのターレットと、2組のボビンホルダと、2つのコンタクトローラ等を備える一体型の糸巻取機に本発明を適用しても良い。
【0078】
(11)前記までの実施形態においては、コンタクトローラ25が枠体27に揺動自在に支持されているものとしたが、これには限られない。例えば、コンタクトローラ25を支持する支持部材が、その姿勢を保ったまま上下に移動する、いわゆる直動式の移動機構を備える糸巻取機(例えば、特開2012-158436号公報等参照)に本発明を適用しても良い。或いは、ローラ支持部材26は、必ずしも枠体27に支持されていなくても良く、例えば、機台20に直接取り付けられているような構成等でも良い。
【符号の説明】
【0079】
4 糸巻取機
20 機台
22 トラバース装置
24 ボビンホルダ
25 コンタクトローラ
26 ローラ支持部材
27 枠体
31 アーム部(支持部)
32 剛性向上部
43 上面
44 固定部
45 揺動軸
46 回転軸
B ボビン
P パッケージ
Y 糸