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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20221114BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20221114BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20221114BHJP
   G06F 3/038 20130101ALI20221114BHJP
   G06F 3/04812 20220101ALI20221114BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20221114BHJP
   G09G 5/38 20060101ALI20221114BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/0488
G06F3/14 350A
G06F3/038 350Z
G06F3/04812
G09G5/00 510V
G09G5/38 A
G09G5/00 510H
G09G5/00 550C
G09G5/00 510A
G09G5/00 530D
G09G5/36 520B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021132682
(22)【出願日】2021-08-17
【審査請求日】2021-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】森 英俊
(72)【発明者】
【氏名】工藤 奈々
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-260784(JP,A)
【文献】特開2005-049475(JP,A)
【文献】特開2013-190463(JP,A)
【文献】特開2010-033375(JP,A)
【文献】特開2016-053798(JP,A)
【文献】特開2000-132276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
G06F 3/14
G06F 3/033
G09G 5/00
G09G 5/38
G09G 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの筐体の対向する2つの主面に、表示画面が互いに反対側、且つ前記筐体の外側を向くように配置された第1の表示部、及び第2の表示部と、
前記第1の表示部の表示画面である第1画面を拡張して、前記第2の表示部の表示画面である第2画面と連続した拡張画面を形成する拡張画面機能を有し、OS(オペレーティングシステム)に基づく処理を実行するメイン制御部と、
前記拡張画面機能を用いて、利用者側である前記第1画面と反対側である前記第2画面に、予め指定した指定画像を表示させる指定画像表示モードにおいて、前記第2画面に表示されるユーザインターフェース用の表示対象物を、前記第1画面に移動させて表示させる表示移動処理部と
少なくとも前記第2画面上に配置され、前記第2画面上における物体との接触を検出するタッチセンサ部と
を備え
前記表示移動処理部は、
前記指定画像表示モードである場合に、前記タッチセンサ部による前記第2画面上における検出を無効にする
報処理装置。
【請求項2】
前記表示対象物には、マウスポインタが含まれ、
前記表示移動処理部は、
前記マウスポインタが、前記第1画面から前記第2画面に移動する場合に、前記マウスポインタを前記第1画面に戻して表示させる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示対象物には、アプリケーションウインドウ、ポップアップウインドウ、及びアイコンが含まれ、
前記表示移動処理部は、
前記アプリケーションウインドウ、前記ポップアップウインドウ、及び前記アイコンのうちのいずれかが、前記第2画面に表示される場合に、前記第1画面に移動させて表示させる
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示移動処理部は、
前記ポップアップウインドウ、及び前記アイコンのうちのいずれかを、前記第2画面から前記第1画面に移動させて表示させる場合に、前記ポップアップウインドウ、及び前記アイコンのうちのいずれかを前記第2画面に表示する位置に対応する前記第1画面の位置に移動させる
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示移動処理部は、
前記ポップアップウインドウ、及び前記アイコンのうちのいずれかを、前記第2画面から前記第1画面に移動させて表示させる場合に、前記ポップアップウインドウ、及び前記アイコンのうちのいずれかを、前記第1画面の予め指定された所定の位置に移動させる
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示移動処理部は、
前記アプリケーションウインドウ、前記ポップアップウインドウ、及び前記アイコンのうちのいずれかが、前記第1画面から前記第2画面に移動する場合に、前記第1画面に戻して表示させる
請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記指定画像には、広告用の表示画像が含まれる
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記指定画像には、前記第2画面を全面黒表示する表示画像が含まれる
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
1つの筐体の対向する2つの主面に、表示画面が互いに反対側、且つ前記筐体の外側を向くように配置された第1の表示部、及び第2の表示部と、
プログラムを一時的に記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された前記プログラムを実行するプロセッサと
少なくとも前記第2の表示部の表示画面である第2画面上に配置され、前記第2画面上における物体との接触を検出するタッチセンサ部と
を備え、
前記プロセッサは、
前記メモリに記憶された前記プログラムを実行することにより、
前記第1の表示部の表示画面である第1画面を拡張して、前記2画面と連続した拡張画面を形成する拡張画面機能を有するOS(オペレーティングシステム)に基づく処理と、
前記拡張画面機能を用いて、利用者側である前記第1画面と反対側である前記第2画面に、予め指定した指定画像を表示させる指定画像表示モードにおいて、前記第2画面に表示されるユーザインターフェース用の表示対象物を、前記第1画面に移動させて表示させる表示移動処理であって、前記指定画像表示モードである場合に、前記タッチセンサ部による前記第2画面上における検出を無効にする表示移動処理と
を行う情報処理装置。
【請求項10】
1つの筐体の対向する2つの主面に、表示画面が互いに反対側、且つ前記筐体の外側を向くように配置された第1の表示部、及び第2の表示部と、前記第1の表示部の表示画面である第1画面を拡張して、前記第2の表示部の表示画面である第2画面と連続した拡張画面を形成する拡張画面機能を有し、OS(オペレーティングシステム)に基づく処理を実行するメイン制御部と、少なくとも前記第2画面上に配置され、前記第2画面上における物体との接触を検出するタッチセンサ部と、を備える情報処理装置の制御方法であって、
表示移動処理部が、前記拡張画面機能を用いて、利用者側である前記第1画面と反対側である前記第2画面に、予め指定した指定画像を表示させる指定画像表示モードにおいて、前記第2画面に表示されるユーザインターフェース用の表示対象物を、前記第1画面に移動させて表示させる表示移動処理ステップであって、前記指定画像表示モードである場合に、前記タッチセンサ部による前記第2画面上における検出を無効にする移動処理ステップを含む
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置において、2つの表示部を使用して表示画面を拡張する技術(以下、拡張デスクトップという)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。このような拡張デスクトップの機能では、表示画面をプライマリモニタの画面の他にセカンダリモニタの画面に拡張し、マウスポインタなどのユーザインターフェース用の表示対象物を、両方の画面間で移動可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-59251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、2つの表示部を外側にして1つの筐体に背中合わせに配置した構成の情報処理装置において、上述したような拡張デスクトップの機能を使用する場合がある。このような場合に、従来の情報処理装置では、マウスなどの操作により、マウスポインタなどのユーザインターフェース用の表示対象物が、利用者が見ている表側の画面から意図せず背面側の画面に移動してしまうことがあった。このように、従来の情報処理装置では、利用者がユーザインターフェース用の表示対象物を視認できない場合があり、操作性が損なわれる場合があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、操作性を向上させることができるとする情報処理装置、及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、1つの筐体の対応する2つの主面に、表示画面が互いに反対側、且つ前記筐体の外側を向くように配置された第1の表示部、及び第2の表示部と、前記第1の表示部の表示画面である第1画面を拡張して、前記第2の表示部の表示画面である第2画面と連続した拡張画面を形成する拡張画面機能を有し、OS(オペレーティングシステム)に基づく処理を実行するメイン制御部と、前記拡張画面機能を用いて、利用者側である前記第1画面と反対側である前記第2画面に、予め指定した指定画像を表示させる指定画像表示モードにおいて、前記第2画面に表示されるユーザインターフェース用の表示対象物を、前記第1画面に移動させて表示させる表示移動処理部と、少なくとも前記第2画面上に配置され、前記第2画面上における物体との接触を検出するタッチセンサ部とを備え、前記表示移動処理部は、前記指定画像表示モードである場合に、前記タッチセンサ部による前記第2画面上における検出を無効にする情報処理装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記表示対象物には、マウスポインタが含まれ、前記表示移動処理部は、前記マウスポインタが、前記第1画面から前記第2画面に移動する場合に、前記マウスポインタを前記第1画面に戻して表示させるようにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記表示対象物には、アプリケーションウインドウ、ポップアップウインドウ、及びアイコンが含まれ、前記表示移動処理部は、前記アプリケーションウインドウ、前記ポップアップウインドウ、及び前記アイコンのうちのいずれかが、前記第2画面に表示される場合に、前記第1画面に移動させて表示させるようにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記表示移動処理部は、前記ポップアップウインドウ、及び前記アイコンのうちのいずれかを、前記第2画面から前記第1画面に移動させて表示させる場合に、前記ポップアップウインドウ、及び前記アイコンのうちのいずれかを前記第2画面に表示する位置に対応する前記第1画面の位置に移動させるようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記表示移動処理部は、前記ポップアップウインドウ、及び前記アイコンのうちのいずれかを、前記第2画面から前記第1画面に移動させて表示させる場合に、前記ポップアップウインドウ、及び前記アイコンのうちのいずれかを、前記第1画面の予め指定された所定の位置に移動させるようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記表示移動処理部は、前記アプリケーションウインドウ、前記ポップアップウインドウ、及び前記アイコンのうちのいずれかが、前記第1画面から前記第2画面に移動する場合に、前記第1画面に戻して表示させるようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記指定画像には、広告用の表示画像が含まれるようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記指定画像には、前記第2画面を全面黒表示する表示画像が含まれるようにしてもよい。
【0015】
また、本発明の一態様は、1つの筐体の対向する2つの主面に、表示画面が互いに反対側、且つ前記筐体の外側を向くように配置された第1の表示部、及び第2の表示部と、プログラムを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記プログラムを実行するプロセッサと、少なくとも前記第2の表示部の表示画面である第2画面上に配置され、前記第2画面上における物体との接触を検出するタッチセンサ部とを備え、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された前記プログラムを実行することにより、前記第1の表示部の表示画面である第1画面を拡張して、前記2画面と連続した拡張画面を形成する拡張画面機能を有するOS(オペレーティングシステム)に基づく処理と、前記拡張画面機能を用いて、利用者側である前記第1画面と反対側である前記第2画面に、予め指定した指定画像を表示させる指定画像表示モードにおいて、前記第2画面に表示されるユーザインターフェース用の表示対象物を、前記第1画面に移動させて表示させる表示移動処理であって、前記指定画像表示モードである場合に、前記タッチセンサ部による前記第2画面上における検出を無効にする表示移動処理とを行う情報処理装置である。
【0016】
また、本発明の一態様は、1つの筐体の対向する2つの主面に、表示画面が互いに反対側、且つ前記筐体の外側を向くように配置された第1の表示部、及び第2の表示部と、前記第1の表示部の表示画面である第1画面を拡張して、前記第2の表示部の表示画面である第2画面と連続した拡張画面を形成する拡張画面機能を有し、OS(オペレーティングシステム)に基づく処理を実行するメイン制御部と、少なくとも前記第2画面上に配置され、前記第2画面上における物体との接触を検出するタッチセンサ部と、を備える情報処理装置の制御方法であって、表示移動処理部が、前記拡張画面機能を用いて、利用者側である前記第1画面と反対側である前記第2画面に、予め指定した指定画像を表示させる指定画像表示モードにおいて、前記第2画面に表示されるユーザインターフェース用の表示対象物を、前記第1画面に移動させて表示させる表示移動処理ステップであって、前記指定画像表示モードである場合に、前記タッチセンサ部による前記第2画面上における検出を無効にする移動処理ステップを含む制御方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の上記態様によれば、操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態によるノートPCの外観例を示す第1の図である。
図2】第1の実施形態によるノートPCの外観例を示す第2の図である。
図3】第1の実施形態によるノートPCの主要なハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態によるノートPCの機能構成の一例を示すブロック図である。
図5】第1の実施形態におけるマウスポインタの移動表示の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態によるノートPCのサイネージモードの動作の一例を示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態によるノートPCの表示移動処理の一例を示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態におけるアプリケーションウインドウの移動表示の一例を示す図である。
図9】第2の実施形態におけるアプリケーションウインドウの移動表示の別の一例を示す図である。
図10】第2の実施形態によるノートPCの表示移動処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態による情報処理装置、及び制御方法について、図面を参照して説明する。
【0020】
[第1の実施形態]
図1及び図2は、第1の実施形態によるノートPC1(ノートブック型パーソナルコンピュータ)の一例の外観図を示している。
図1及び図2に示すように、ノートPC1は、第1筐体110と、第2筐体120とヒンジ機構130とを備える。
【0021】
第1筐体110は、表示部141と表示部142との2つの表示部を備える筐体であり、ヒンジ機構130により、第2筐体120と接続されている。なお、第1筐体110の表示部142が視認できる側(主面F2の側)のカバーをAカバーといい、第1筐体110の表示部142が視認できる側(主面F1の側)のカバーをBカバーという。
【0022】
第2筐体120は、キー入力部32及びポインティングデバイス33を備える筐体であり、ヒンジ機構130により、第1筐体110と接続されている。第2筐体120の内部には、ノートPC1の主要なハードウェアが搭載されたマザーボードが格納されている。なお、第2筐体120のキー入力部32及びポインティングデバイス33が配置されている側のカバーをCカバーといい、第2筐体120のキー入力部32及びポインティングデバイス33が配置されていない側のカバーをDカバーという。
【0023】
表示部141と表示部142とは、1つの筐体(第1筐体110)の対向する2つの主面(F1、F2)に、表示画面が互いに反対側、且つ筐体の外側を向くように配置されている。なお、表示部141と表示部142とは、ノートPC1が備える任意の表示部を示す場合、又は特に指定されない場合に、表示部14として説明する。
【0024】
表示部141(第1の表示部の一例)は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであり、Bカバー(主面F1)に配置されている。表示部141は、ノートPC1のメイン画面GF1(第1画面)として、ビデオサブシステム13から出力された描画データ(表示データ)に基づく表示画面を表示する。なお、表示部141は、タッチスクリーン201の一部であり、タッチスクリーン201の詳細については後述する。
【0025】
表示部142(第2の表示部の一例)は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであり、Aカバー(主面F2)に配置されている。表示部142は、ノートPC1のサブ画面GF2(第2画面)として、ビデオサブシステム13から出力された描画データ(表示データ)に基づく表示画面を表示する。なお、表示部142は、タッチスクリーン202の一部であり、タッチスクリーン202の詳細については後述する。
【0026】
次に、図3を参照して、本実施形態によるノートPC1のハードウェア構成について説明する。
図3は、第1の実施形態によるノートPC1の主要なハードウェア構成の一例を示す図である。なお、本実施形態において、情報処理装置の一例として、ノートPC1について説明する。
【0027】
図3に示すように、ノートPC1は、CPU11と、メインメモリ12と、ビデオサブシステム13と、2つの表示部14(141、142)と、チップセット21と、BIOSメモリ22と、HDD23と、USBコネクタ24と、オーディオシステム25と、WLANカード26と、エンベデッドコントローラ31と、キー入力部32と、ポインティングデバイス33と、電源回路34と、2つのタッチセンサ部35(351、352)とを備える。
【0028】
CPU(Central Processing Unit)11は、プログラム制御により種々の演算処理を実行し、ノートPC1全体を制御する。
メインメモリ12は、CPU11の実行プログラムの読み込み領域として、又は、実行プログラムの処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能メモリである。メインメモリ12は、例えば、複数個のDRAM(Dynamic Random Access Memory)チップで構成される。この実行プログラムには、OS(Operating System:オペレーティングシステム)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム等が含まれる。
【0029】
ビデオサブシステム13は、画像表示に関連する機能を実現するためのサブシステムであり、ビデオコントローラを含んでいる。このビデオコントローラは、CPU11からの描画命令を処理し、処理した描画情報をビデオメモリに書き込むとともに、ビデオメモリからこの描画情報を読み出して、上述した2つの表示部14(141、142)に描画データ(表示データ)として出力する。
【0030】
チップセット21は、USB(Universal Serial Bus)、シリアルATA(AT Attachment)、SPI(Serial Peripheral Interface)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、PCI-Expressバス、及びLPC(Low Pin Count)バスなどのコントローラを備えており複数のデバイスが接続される。図1では、デバイスの例示として、BIOSメモリ22と、HDD23と、USBコネクタ24と、オーディオシステム25と、WLANカード26と、エンベデッドコントローラ31とが、チップセット21に接続されている。
【0031】
BIOS(Basic Input Output System)メモリ22は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュROMなどの電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成される。BIOSメモリ22は、BIOS、及びエンベデッドコントローラ31などを制御するためのシステムファームウェアなどを記憶する。
【0032】
HDD(Hard Disk Drive)23(不揮発性記憶装置の一例)は、OS、各種ドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム、及び各種データを記憶する。
USBコネクタ24は、USBを利用した周辺機器類を接続するためのコネクタである。
【0033】
オーディオシステム25は、音データの記録、再生、出力を行う。
WLAN(Wireless Local Area Network)カード26は、ワイヤレス(無線)LANにより、ネットワークに接続して、データ通信を行う。
【0034】
エンベデッドコントローラ31(組込み制御部の一例)は、ノートPC1のシステム状態に関わらず、各種デバイス(周辺装置やセンサ等)を監視し制御するワンチップマイコン(One-Chip Microcomputer)である。また、エンベデッドコントローラ31は、電源回路34を制御する電源管理機能を有している。なお、エンベデッドコントローラ31は、不図示のCPU、ROM、RAMなどで構成されるとともに、複数チャネルのA/D入力端子、D/A出力端子、タイマ、及びデジタル入出力端子を備えている。エンベデッドコントローラ31には、それらの入出力端子を介して、例えば、キー入力部32、ポインティングデバイス33、電源回路34、及び2つのタッチセンサ部35(351、352)などが接続されており、エンベデッドコントローラ31は、これらの動作を制御する。
【0035】
キー入力部32は、例えば、キーボードやタッチパネルなどの入力デバイスであり、利用者からのキー入力を受け付ける。
ポインティングデバイス33は、マウスやタッチパッドなどの入力デバイスであり、主に表示画面上の位置の指定や、操作ボタンなどの操作対象(オブジェクト)の指定又は選択などを受け付ける。
【0036】
なお、本実施形態において、上述したCPU11及びチップセット21は、メイン制御部10に対応する。メイン制御部10は、OS(例えば、Windows(登録商標))に基づく処理を実行する。
【0037】
また、表示部141と、タッチセンサ部351とは、タッチスクリーン201に対応する。
タッチセンサ部351は、例えば、タッチパネルなどの入力デバイスであり、表示部141と重ねて配置されている。タッチセンサ部351は、表示部141の画面上(メイン画面GF1上)に配置され、表示部141の画面上における物体との接触を検出する。タッチセンサ部351は、例えば、ペンや利用者の指などの操作媒体が画面上に接触することで、表示部141の画面上の位置を示す検出位置データと、操作媒体が画面上に接触した接触圧力を検出する。
【0038】
また、表示部142と、タッチセンサ部352とは、タッチスクリーン202に対応する。
タッチセンサ部352は、例えば、タッチパネルなどの入力デバイスであり、表示部142と重ねて配置されている。タッチセンサ部352は、表示部142の画面上(サブ画面GF2上)に配置され、表示部142の画面上における物体との接触を検出する。タッチセンサ部352は、例えば、ペンや利用者の指などの操作媒体が画面上に接触することで、表示部142の画面上の位置を示す検出位置データと、操作媒体が画面上に接触した接触圧力を検出する。
【0039】
次に、図4を参照して、本実施形態によるノートPC1の機能構成について説明する。
図4は、本実施形態によるノートPC1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、ノートPC1は、メイン制御部10と、タッチスクリーン201及びタッチスクリーン202と、エンベデッドコントローラ(EC)31と、メイン記憶部40とを備える。なお、図4において、ノートPC1の構成として、本実施形態の発明に関する主要な機能構成のみを記載している。
【0040】
メイン記憶部40は、メインメモリ12、又はHDD23などにより実現される記憶部であり、ノートPC1が利用する各種情報を記憶する。メイン記憶部40は、例えば、後述するサイネージ処理部101、表示移動処理部102、及びアプリケーション103による処理に用いるワークデータ、及びサイネージモードの設定情報などを記憶する。
メイン記憶部40は、モード情報記憶部41を備える。
【0041】
モード情報記憶部41は、例えば、メインメモリ12により実現される記憶部である。モード情報記憶部41は、後述するサイネージモードの有効・無効を示す設定情報を記憶する。
【0042】
エンベデッドコントローラ31は、メイン制御部10とは異なる組込み制御部である。エンベデッドコントローラ31は、タッチセンサ部351及びタッチセンサ部352が検出した検出位置データを取得し、メイン制御部10の要求に応じて、メイン制御部10に出力する。
【0043】
メイン制御部10は、CPU11及びチップセット21が、メインメモリ12が記憶するプログラムを実行することで実現される機能部であり、OSに基づく各種処理を実行する。ここで、OS(例えば、Windows(登録商標))には、表示部141の表示画面であるメイン画面GF1(第1画面)を拡張して、表示部142の表示画面であるサブ画面GF2(第2画面)と連続した拡張画面を形成する拡張画面機能を有している。この拡張画面機能は、例えば、拡張デスクトップやマルチディスプレイと呼ばれる機能である。
メイン制御部10は、例えば、サイネージ処理部101と、表示移動処理部102と、アプリケーション103とを備える。
【0044】
サイネージ処理部101は、拡張デスクトップ(拡張画面機能)を用いて、利用者側であるメイン画面GF1と反対側であるサブ画面GF2に、予め指定した指定画像を表示させるサイネージモード(指定画像表示モードの一例)による処理を実行する。ここで、サイネージモードで表示部142のサブ画面GF2に表示させる指定画像は、例えば、宣伝及び広告用の表示画像や動画、個人プロファイルを示す画像などである。
【0045】
サイネージ処理部101は、CPU11とチップセット21とにより、例えば、所定のアプリケーションプログラムが実行されることにより実現される機能部であり、当該アプリケーションプログラムが実行されると、サイネージモードであることを示す情報(サイネージモードが有効であることを示す情報)を、モード情報記憶部41に記憶させる。そして、サイネージ処理部101は、拡張デスクトップを用いて、例えば、図2に示すように、表示部142のサブ画面GF2に、広告用の表示画像などの指定画像を表示させる。
【0046】
また、サイネージモードにおいて、サイネージ処理部101は、表示部141のメイン画面GF1を、通常のアプリケーションの作業画面として使用可能にし、後述するアプリケーション103などのアプリケーションウインドウなどを表示可能にする。サイネージ処理部101は、例えば、図1に示すように、表示部141のメイン画面GF1に、通常のデスクトップ画面を表示させる。
【0047】
また、表示移動処理部102は、サイネージモードである場合に、タッチセンサ部352(表示部142用のタッチセンサ部352)によるサブ画面GF2上(第2画面上)における検出を無効にする。
また、サイネージ処理部101は、利用者によって、サイネージモードの終了を要求された場合に、サイネージモードを解除し、サイネージモードが無効であることを示す情報を、モード情報記憶部41に記憶させる。
【0048】
表示移動処理部102は、CPU11とチップセット21とにより、例えば、所定の常駐プログラムを実行させることにより実現される機能部である。表示移動処理部102は、サイネージモードにおいて、サブ画面GF2に表示されるユーザインターフェース用の表示対象物を、メイン画面GF1に移動させて表示させる。ここで、ユーザインターフェース用の表示対象物とは、例えば、マウスポインタ、アプリケーションウインドウ、アイコンなどの移動可能な表示対象物である。
【0049】
表示移動処理部102は、例えば、マウスポインタが、メイン画面GF1からサブ画面GF2に移動する場合に、マウスポインタをメイン画面GF1に戻して表示させる。ここで、図5を参照して、マウスポインタの表示移動処理の具体例について説明する。
【0050】
図5は、本実施形態におけるマウスポインタの移動表示の一例を示す図である。
図5に示すように、サイネージモードにおいて、例えば、表示部141のメイン画面GF1のマウスポインタMP1を、表示部142のサブ画面GF2に移動させようとした場合、表示移動処理部102は、メイン画面GF1とサブ画面GF2との境界線L1を跨がない(超えない)ように、境界線L1の直前の位置に戻して、マウスポインタMP2を表示させる。このように、サイネージモードにおいて、表示移動処理部102は、サブ画面GF2にマウスポインタが表示されることを禁止し、メイン画面GF1内にマウスポインタを表示させる。
【0051】
図4の説明に戻り、アプリケーション103は、CPU11とチップセット21とにより、アプリケーションプログラムが実行されることで実現される機能部である。アプリケーション103は、OS上で実行されるアプリケーションである。
【0052】
次に、図面を参照して、本実施形態によるノートPC1の動作について説明する。
図6は、本実施形態によるノートPC1のサイネージモードの動作の一例を示すフローチャートである。
【0053】
図6に示すように、ノートPC1は、サイネージモードにする要求に応じて、まず、モード情報を、サイネージモードに設定する(ステップS101)。ノートPC1のサイネージ処理部101は、サイネージモードが有効であることを示すモード情報を、モード情報記憶部41に記憶させる。
【0054】
次に、サイネージ処理部101は、拡張デスクトップを用いて、指定画像をサブ画面GF2に表示させる(ステップS102)。サイネージ処理部101は、OSの拡張デスクトップを用いて、メイン画面GF1を拡張して、表示部142の表示画面であるサブ画面GF2と連続した拡張画面を形成するとともに、予め指定されている指定画像を、例えば、メイン記憶部40から取得し、当該指定画像をサブ画面GF2に表示させる。
【0055】
次に、ノートPC1は、サブ画面GF2のタッチセンサ部352を無効にする(ステップS103)。例えば、ノートPC1の表示移動処理部102は、サイネージモードにおいて、サブ画面GF2のタッチセンサ部352による物体の接触の検出を無効にする。
【0056】
次に、サイネージ処理部101は、サイネージモードを終了するか否かを判定する(ステップS104)。サイネージ処理部101は、キー入力部32又はポインティングデバイス33の操作により、サイネージモードを終了する要求が受け付けられた場合にサイネージモードを終了すると判定する。サイネージ処理部101は、サイネージモードを終了する場合(ステップS104:YES)に、処理をステップS105に進める。また、サイネージ処理部101は、サイネージモードを終了しない場合(ステップS104:NO)に、処理をステップS104に戻す。
【0057】
ステップS105において、サイネージ処理部101は、モード情報をサイネージモードから解除する。すなわち、サイネージ処理部101は、モード情報記憶部41に、サイネージモードが無効であることを示すモード情報を記憶させて、サイネージモードを解除する。
【0058】
次に、ノートPC1は、サブ画面GF2のタッチセンサ部352を有効にする(ステップS106)。例えば、ノートPC1の表示移動処理部102は、サイネージモードが解除されることにより、サブ画面GF2のタッチセンサ部352による物体の接触の検出を有効にする、又は、サイネージモードになる前の状態に戻す。ステップS106の処理後に、ノートPC1は、サイネージモードの処理を終了する。
【0059】
次に、図7を参照して、本実施形態によるノートPC1の表示移動処理について説明する。
図7は、本実施形態によるノートPC1の表示移動処理の一例を示すフローチャートである。
【0060】
図7に示すように、ノートPC1は、まず、サイネージモードであるか否かを判定する(ステップS201)。ノートPC1の表示移動処理部102は、モード情報記憶部41が記憶するモード情報を参照して、ノートPC1がサイネージモードであるか否かを判定する。表示移動処理部102は、ノートPC1がサイネージモードである場合(ステップS201:YES)に、処理をステップS202に進める。また、表示移動処理部102は、ノートPC1がサイネージモードでない場合(ステップS201:NO)に、処理をステップS201に戻す。
【0061】
ステップS202において、表示移動処理部102は、マウスポインタがサブ画面GF2に移動するか否かを判定する。表示移動処理部102は、例えば、ポインティングデバイス33によるマウスポインタの移動を監視し、マウスポインタがサブ画面GF2に移動するか否かを判定する。表示移動処理部102は、マウスポインタがサブ画面GF2に移動する場合(ステップS202:YES)に、処理をステップS203に進める。また、表示移動処理部102は、マウスポインタがサブ画面GF2に移動しない場合(ステップS202:NO)に、処理をステップS201に戻す。
【0062】
ステップS203において、表示移動処理部102は、マウスポインタをメイン画面GF1に戻して表示させる。表示移動処理部102は、例えば、図5に示すマウスポインタMP2のように、サブ画面GF2の境界線L1の手前の位置に戻して表示させる。ステップS203の処理後に、表示移動処理部102は、処理をステップS201に戻す。
【0063】
なお、上述した例では、指定画像表示モードが、サイネージモードである例を説明したが、サブ画面GF2のオン/オフを素早く行うことを目的として、サブ画面GF2を使用しない場合に、サブ画面GF2を全面黒表示する表示画像を表示させる疑似表示オフモードに適用してもよい。すなわち、指定画像には、サブ画面GF2を全面黒表示する表示画像が含まれるようにしてもよい。この疑似表示オフモードでは、サブ画面GF2をオフにせずに全面黒表示する表示画像を表示して、サブ画面GF2がオフになっているかのように見せかけることで、サブ画面GF2のオン/オフを素早く切り替えることができる。
【0064】
以上説明したように、本実施形態によるノートPC1(情報処理装置)は、表示部141(第1の表示部)、及び表示部142(第2の表示部)と、メイン制御部10と、表示移動処理部102とを備える。表示部141(第1の表示部)、及び表示部142(第2の表示部)は、1つの筐体(第1筐体110)の対向する2つの主面(主面F1及び主面F2)に、表示画面が互いに反対側、且つ筐体の外側を向くように配置されている。メイン制御部10は、拡張画面機能(例えば、拡張デスクトップの機能)を有し、OSに基づく処理を実行する。ここで、拡張画面機能(例えば、拡張デスクトップの機能)とは、表示部141の表示画面であるメイン画面GF1(第1画面)を拡張して、表示部142の表示画面であるサブ画面GF2(第2画面)と連続した拡張画面を形成する機能のことである。表示移動処理部102は、拡張画面機能(例えば、拡張デスクトップの機能)を用いて、利用者側であるメイン画面GF1と反対側であるサブ画面GF2に、予め指定した指定画像を表示させる指定画像表示モード(例えば、サイネージモード)において、サブ画面GF2に表示されるユーザインターフェース用の表示対象物(例えば、マウスポインタ)を、メイン画面GF1に移動させて表示させる。
【0065】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、指定画像表示モード(例えば、サイネージモード)において、サブ画面GF2にユーザインターフェース用の表示対象物(例えば、マウスポインタ)を表示しないようにするため、表示対象物(例えば、マウスポインタ)がサブ画面GF2に表示されて利用者が見失うこと(視認できなくなること)を低減できるとともに、サブ画面GF2に意図しない表示対象物(例えば、マウスポインタ)が表示されることを防止することができる。よって、本実施形態によるノートPC1は、表示対象物(例えば、マウスポインタ)を常に視認できるようになり、操作性を向上させることができる。
【0066】
また、本実施形態では、ユーザインターフェース用の表示対象物には、マウスポインタが含まれる。表示移動処理部102は、マウスポインタが、メイン画面GF1からサブ画面GF2に移動する場合に、マウスポインタをメイン画面GF1に戻して表示させる。
【0067】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、指定画像表示モード(例えば、サイネージモード)において、マウスポインタが、メイン画面GF1からサブ画面GF2に移動する場合に、メイン画面GF1に戻されるため、マウスポインタを視認できなくなることを低減することができる。
【0068】
また、本実施形態によるノートPC1は、少なくともサブ画面GF2上(第2画面上)に配置され、サブ画面GF2上(第2画面上)における物体との接触を検出するタッチセンサ部352を備える。表示移動処理部102は、指定画像表示モード(例えば、サイネージモード)である場合に、タッチセンサ部352によるサブ画面GF2上における検出を無効にする。
【0069】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、利用者が誤ってサブ画面GF2に触れてしまって誤操作することを防止することができる。本実施形態によるノートPC1は、例えば、利用者がメイン画面GF1での作業中に、パネル(第1筐体110)の角度を変える際に、誤ってサブ画面GF2に触れてしまっても、マウスポインタがサブ画面GF2に移動するのを防ぐことができる。
【0070】
また、本実施形態では、指定画像には、広告用の表示画像が含まれる。
これにより、本実施形態によるノートPC1は、サイネージモードにおいて、マウスポインタなどの表示対象物に遮られることなく、効率よく広告用の表示画像を表示することができる。
【0071】
また、本実施形態では、指定画像には、サブ画面GF2を全面黒表示する表示画像が含まれてもよい。
これにより、本実施形態によるノートPC1は、サブ画面GF2のオン/オフを素早く行うことを目的として、サブ画面GF2を使用しない場合に、サブ画面GF2をオフにせずに全面黒表示する表示画像を表示して、サブ画面GF2がオフになっているかのように見せかける手法(例えば、疑似表示オフモード)において、マウスポインタなどの表示対象物が誤って表示されることを防止することができる。
【0072】
また、本実施形態による制御方法は、1つの筐体(第1筐体110)の対向する2つの主面(主面F1及び主面F2)に、表示画面が互いに反対側、且つ筐体の外側を向くように配置された表示部141、及び表示部142と、メイン制御部10と、を備えるノートPC1の制御方法であって、表示移動処理ステップを含む。メイン制御部10は、表示部141の表示画面であるメイン画面GF1を拡張して、表示部142の表示画面であるサブ画面GF2と連続した拡張画面を形成する拡張画面機能(拡張デスクトップの機能)を有し、OSに基づく処理を実行する。表示移動処理ステップにおいて、表示移動処理部102が、拡張画面機能を用いて、利用者側であるメイン画面GF1と反対側であるサブ画面GF2に、予め指定した指定画像を表示させる指定画像表示モードにおいて、サブ画面GF2に表示されるユーザインターフェース用の表示対象物(例えば、マウスポインタ)を、メイン画面GF1に移動させて表示させる。
【0073】
これにより、本実施形態による制御方法は、上述したノートPC1と同様の効果を奏し、表示対象物(例えば、マウスポインタ)を視認できなくなることを低減して、操作性を向上させることができる。
【0074】
なお、本実施形態によるノートPC1(情報処理装置)は、以下の形態であってもよい。本実施形態によるノートPC1(情報処理装置)は、1つの筐体(第1筐体110)の対向する2つの主面(主面F1及び主面F2)に、表示画面が互いに反対側、且つ筐体の外側を向くように配置された表示部141、及び表示部142と、プログラムを一時的に記憶するメモリ(例えば、メインメモリ12)と、メモリ(例えば、メインメモリ12)に記憶されたプログラムを実行するプロセッサ(例えば、CPU11及びチップセット21)とを備える。このプロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより、OSに基づく処理と、表示移動処理とを行う。なお、OSは、表示部141の表示画面であるメイン画面GF1を拡張して、表示部142の表示画面であるサブ画面GF2と連続した拡張画面を形成する拡張画面機能(拡張デスクトップの機能)を有する。表示移動処理は、拡張画面機能を用いて、利用者側であるメイン画面GF1と反対側であるサブ画面GF2に、予め指定した指定画像を表示させる指定画像表示モードにおいて、サブ画面GF2に表示されるユーザインターフェース用の表示対象物(例えば、マウスポインタ)を、メイン画面GF1に移動させて表示させる処理である。
これにより、本実施形態によるノートPC1は、表示対象物(例えば、マウスポインタ)を視認できなくなることを低減して、操作性を向上させることができる。
【0075】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態によるノートPC1について説明する。
第2の実施形態では、ユーザインターフェース用の表示対象物として、アプリケーションウインドウ、ポップアップウインドウ、及びアイコンを適用した場合の変形例について説明する。
【0076】
本実施形態によるノートPC1の外観例、主要なハード構成、及び機能構成は、図1図4に示す第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
本実施形態では、表示移動処理部102の処理の一部が異なる。ここでは、本実施形態における表示移動処理部102の処理について説明する。
【0077】
本実施形態において、ユーザインターフェース用の表示対象物には、アプリケーションウインドウ、ポップアップウインドウ、及びアイコンが含まれる。そして、本実施形態における表示移動処理部102は、アプリケーションウインドウ、ポップアップウインドウ、及びアイコンのうちのいずれかが、サブ画面GF2に表示される場合に、メイン画面GF1に移動させて表示させる。ここで、図8及び図9を参照して、アプリケーションウインドウの表示移動処理の具体例について説明する。
【0078】
図8は、本実施形態におけるアプリケーションウインドウの移動表示の一例を示す図である。
図8に示すように、表示移動処理部102は、サイネージモードにおいて、サブ画面GF2に、新規のアプリケーションウインドウが表示される場合に、新規のアプリケーションウインドウをサブ画面GF2に表示する位置に対応するメイン画面GF1の位置に移動させる。
【0079】
図8に示す例では、表示移動処理部102は、サブ画面GF2に表示される(表示されそうになっている)新規のアプリケーションウインドウWN1を、サブ画面GF2に表示させずに、アプリケーションウインドウWN1のサブ画面GF2上の位置に対応するメイン画面GF1の位置に、アプリケーションウインドウWN2を表示させる。
【0080】
このように、本実施形態では、表示移動処理部102は、ポップアップウインドウ、及びアイコンのうちのいずれかを、サブ画面GF2からメイン画面GF1に移動させて表示させる場合に、ポップアップウインドウ、及びアイコンのうちのいずれかをサブ画面GF2に表示する位置に対応するメイン画面GF1の位置に移動させる。
【0081】
また、図9は、本実施形態におけるアプリケーションウインドウの移動表示の変形例を示す図である。
図9に示すように、表示移動処理部102は、サイネージモードにおいて、サブ画面GF2に、新規のアプリケーションウインドウが表示される場合に、新規のアプリケーションウインドウをメイン画面GF1の中央の位置(所定の位置の一例)に移動させる。
【0082】
図9に示す例では、表示移動処理部102は、サブ画面GF2に表示される(表示されそうになっている)新規のアプリケーションウインドウWN3を、サブ画面GF2に表示させずに、メイン画面GF1の中央の位置に、アプリケーションウインドウWN4を表示させる。
【0083】
このように、本実施形態では、表示移動処理部102は、ポップアップウインドウ、及びアイコンのうちのいずれかを、サブ画面GF2からメイン画面GF1に移動させて表示させる場合に、ポップアップウインドウ、及びアイコンのうちのいずれかを、メイン画面GF1の予め指定された所定の位置(例えば、中央の位置)に移動させる。なお、予め指定された所定の位置は、メイン画面GF1の中央の位置の代わりに、メイン画面GF1の左上の位置、右上の位置、左下の位置、右下の位置などであってもよい。
【0084】
また、表示移動処理部102は、上述した第1の実施形態におけるマウスウインドウと同様に、アプリケーションウインドウ、ポップアップウインドウ、及びアイコンのうちのいずれかが、メイン画面GF1からサブ画面GF2に移動する場合に、メイン画面GF1に戻して表示させるようにしてもよい。
【0085】
次に、図面を参照して、本実施形態によるノートPC1の動作について説明する。
なお、本実施形態によるノートPC1のサイネージモードの動作は、上述した図6に示す第1の実施形態の動作と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0086】
ここでは、図10を参照して、本実施形態によるノートPC1の表示移動処理について説明する。
図10は、本実施形態によるノートPC1の表示移動処理の一例を示すフローチャートである。
【0087】
図10に示すように、ノートPC1は、まず、サイネージモードであるか否かを判定する(ステップS301)。ノートPC1の表示移動処理部102は、モード情報記憶部41が記憶するモード情報を参照して、ノートPC1がサイネージモードであるか否かを判定する。表示移動処理部102は、ノートPC1がサイネージモードである場合(ステップS301:YES)に、処理をステップS302に進める。また、表示移動処理部102は、ノートPC1がサイネージモードでない場合(ステップS301:NO)に、処理をステップS301に戻す。
【0088】
ステップS302において、表示移動処理部102は、新しい表示対象物がサブ画面GF2に表示されるか否かを判定する。表示移動処理部102は、例えば、表示部142への表示を監視し、新しい表示対象物がサブ画面GF2に表示されるか否かを判定する。ここで、表示対象物には、例えば、アプリケーションウインドウ、ポップアップウインドウ、及びアイコンが含まれる。表示移動処理部102は、新しい表示対象物がサブ画面GF2に表示される場合(ステップS302:YES)に、処理をステップS303に進める。また、表示移動処理部102は、新しい表示対象物がサブ画面GF2に表示されない場合(ステップS302:NO)に、処理をステップS301に戻す。
【0089】
ステップS303において、表示移動処理部102は、新しい表示対象物をメイン画面GF1の所定の位置に移動して表示させる。ここで、表示移動処理部102は、例えば、図8に示すマウスポインタMP2のように、アプリケーションウインドウWN1のサブ画面GF2上の位置に対応するメイン画面GF1の位置に、アプリケーションウインドウWN2を表示させ。ステップS303の処理後に、表示移動処理部102は、処理をステップS301に戻す。
【0090】
なお、上述した例では、表示対象物が、アプリケーションウインドウである例を説明したが、これに限定されるものではなく、表示対象物は、アプリケーションウインドウの代わりに、ポップアップウインドウ、及びアイコンなどであってもよい。
【0091】
以上説明したように、本実施形態によるノートPC1(情報処理装置)は、1つの筐体(第1筐体110)の対向する2つの主面(主面F1及び主面F2)に、表示画面が互いに反対側、且つ筐体の外側を向くように配置された表示部141、及び表示部142と、メイン制御部10と、表示移動処理部102とを備える。そして、表示対象物には、アプリケーションウインドウ、ポップアップウインドウ、及びアイコンが含まれる。表示移動処理部102は、アプリケーションウインドウ、ポップアップウインドウ、及びアイコンのうちのいずれかが、サブ画面GF2に表示される場合に、メイン画面GF1に移動させて表示させる。
【0092】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、指定画像表示モード(例えば、サイネージモード)において、アプリケーションウインドウ、ポップアップウインドウ、及びアイコンのうちのいずれをサブ画面GF2に表示されずに、メイン画面GF1に表示させるため、意図せず表示対象物がサブ画面GF2に表示れることを防止することができる。
【0093】
また、本実施形態では、表示移動処理部102は、ポップアップウインドウ、及びアイコンのうちのいずれかを、サブ画面GF2からメイン画面GF1に移動させて表示させる場合に、ポップアップウインドウ、及びアイコンのうちのいずれかをサブ画面GF2に表示する位置に対応するメイン画面GF1の位置に移動させる。
【0094】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、指定画像表示モード(例えば、サイネージモード)において、新規の表示対象物をサブ画面GF2に表示する位置に対応するメイン画面GF1の位置に移動させて、意図せず表示対象物がサブ画面GF2に表示れることを防止することができる。
【0095】
また、本実施形態では、表示移動処理部102は、ポップアップウインドウ、及びアイコンのうちのいずれかを、サブ画面GF2からメイン画面GF1に移動させて表示させる場合に、ポップアップウインドウ、及びアイコンのうちのいずれかを、メイン画面GF1の予め指定された所定の位置(例えば、中央の位置、等)に移動させる。
【0096】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、指定画像表示モード(例えば、サイネージモード)において、新規の表示対象物をサブ画面GF2からメイン画面GF1の予め指定された所定の位置(例えば、中央の位置、等)に移動させて、意図せず表示対象物がサブ画面GF2に表示れることを防止することができる。
【0097】
また、本実施形態では、表示移動処理部102は、アプリケーションウインドウ、ポップアップウインドウ、及びアイコンのうちのいずれかが、メイン画面GF1からサブ画面GF2に移動する場合に、メイン画面GF1に戻して表示させるようにしてもよい。
【0098】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、アプリケーションウインドウ、ポップアップウインドウ、及びアイコンのうちのいずれかが、誤ってメイン画面GF1からサブ画面GF2に移動することを防止することができる。
【0099】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、情報処理装置がノートPC1である例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、タブレット端末装置やスマートフォンなど、1つの筐体の対向する2つの主面に、表示画面が互いに反対側、且つ筐体の外側を向くように配置された第1の表示部及び第2の表示部を備える情報処理装置であれば、他の情報処理装置であってもよい。
【0100】
また、上記の各実施形態は、それぞれ単独で実施される例を説明したが、これに限定されるものではなく、第1の実施形態と第2の実施形態との一部、又は全部を組み合わせて実施する形態であってもよい。
【0101】
なお、上述したノートPC1が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したノートPC1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したノートPC1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0102】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後にノートPC1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0103】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 ノートPC
10 メイン制御部
201、202 タッチスクリーン
11 CPU
12 メインメモリ
13 ビデオサブシステム
14、141、142 表示部
21 チップセット
22 BIOSメモリ
23 HDD
24 USBコネクタ
25 オーディオシステム
26 WLANカード
31 エンベデッドコントローラ
32 キー入力部
33 ポインティングデバイス
34 電源回路
35、351、352 タッチセンサ部
40 メイン記憶部
41 モード情報記憶部
101 サイネージ処理部
102 表示移動処理部
103 アプリケーション
110 第1筐体
120 第2筐体
130 ヒンジ機構
【要約】
【課題】操作性を向上させる。
【解決手段】情報処理装置は、1つの筐体の対向する2つの主面に、表示画面が互いに反対側、且つ前記筐体の外側を向くように配置された第1の表示部、及び第2の表示部と、前記第1の表示部の表示画面である第1画面を拡張して、前記第2の表示部の表示画面である第2画面と連続した拡張画面を形成する拡張画面機能を有し、OS(オペレーティングシステム)に基づく処理を実行するメイン制御部と、前記拡張画面機能を用いて、利用者側である前記第1画面と反対側である前記第2画面に、予め指定した指定画像を表示させる指定画像表示モードにおいて、前記第2画面に表示されるユーザインターフェース用の表示対象物を、前記第1画面に移動させて表示させる表示移動処理部とを備える。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10