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特許7176109部品実装管理装置、部品実装管理方法、部品実装管理プログラム、記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】部品実装管理装置、部品実装管理方法、部品実装管理プログラム、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20221114BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021521688
(86)(22)【出願日】2019-05-30
(86)【国際出願番号】 JP2019021538
(87)【国際公開番号】W WO2020240773
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】横山 泰幸
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-015738(JP,A)
【文献】特開2006-133093(JP,A)
【文献】特開2012-033070(JP,A)
【文献】特開平07-251356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
部品が実装された基板を生産する部品実装システムに関するOEEの構成要素の時間的な変化を示す構成要素時間変化を前記ディスプレイに表示する制御部と、
前記構成要素時間変化が前記ディスプレイに表示された前記構成要素に対する管理者の入力操作を受け付ける操作部と
を備え、
前記制御部は、前記OEEの時間稼働率、性能稼働率および良品率の少なくとも1つを前記構成要素として前記ディスプレイに表示し、前記入力操作の対象となった前記構成要素に相関を有する、前記部品実装システムで発生する事象の発生状況を前記ディスプレイに表示し、
前記時間稼働率の時間的変化を示す時間稼働率変化が前記構成要素時間変化として前記ディスプレイに表示され、
前記制御部は、前記部品実装システムが有する複数の装置それぞれの停止を前記時間稼働率に相関を有する前記事象として扱い、前記装置が停止した時間である装置停止時間を前記事象の発生状況として前記装置毎に前記ディスプレイに表示し、
前記操作部は、前記装置停止時間が前記ディスプレイに表示された前記複数の装置から一の装置を選択する操作を前記入力操作として受け付け、
前記制御部は、前記一の装置で生じた複数のエラーそれぞれを前記時間稼働率に相関を有する前記事象として扱い、前記エラーが前記一の装置を停止させた時間であるエラー停止時間を前記事象の発生状況として前記エラー毎に前記ディスプレイに表示する部品実装管理装置。
【請求項2】
ディスプレイと、
部品が実装された基板を生産する部品実装システムに関するOEEの構成要素の時間的な変化を示す構成要素時間変化を前記ディスプレイに表示する制御部と、
前記構成要素時間変化が前記ディスプレイに表示された前記構成要素に対する管理者の入力操作を受け付ける操作部と
を備え、
前記制御部は、前記OEEの時間稼働率、性能稼働率および良品率の少なくとも1つを前記構成要素として前記ディスプレイに表示し、前記入力操作の対象となった前記構成要素に相関を有する、前記部品実装システムで発生する事象の発生状況を前記ディスプレイに表示し、
前記時間稼働率の時間的変化を示す時間稼働率変化が前記構成要素時間変化として前記ディスプレイに表示され、
前記制御部は、前記部品実装システムが有する複数の装置それぞれへの段取作業を前記時間稼働率に相関を有する前記事象として扱い、前記装置の前記段取作業に要した時間である段取時間を前記事象の発生状況として前記装置毎に前記ディスプレイに表示する部品実装管理装置。
【請求項3】
前記操作部は、前記段取時間が前記ディスプレイに表示された前記複数の装置から一の装置を選択する操作を前記入力操作として受け付け、
前記制御部は、前記一の装置で生産する複数の基板品種のそれぞれについて、前記基板品種の生産のために要した前記段取時間を、前記事象の発生状況として前記ディスプレイに表示する請求項に記載の部品実装管理装置。
【請求項4】
前記操作部は、前記段取時間が前記ディスプレイに表示された前記複数の基板品種のうちから一の基板品種を選択する操作を前記入力操作として受け付け、
前記制御部は、前記一の基板品種の生産のための前記段取作業の実行タイミングを時系列で前記ディスプレイに表示する請求項に記載の部品実装管理装置。
【請求項5】
ディスプレイと、
部品が実装された基板を生産する部品実装システムに関するOEEの構成要素の時間的な変化を示す構成要素時間変化を前記ディスプレイに表示する制御部と、
前記構成要素時間変化が前記ディスプレイに表示された前記構成要素に対する管理者の入力操作を受け付ける操作部と
を備え、
前記制御部は、前記OEEの時間稼働率、性能稼働率および良品率の少なくとも1つを前記構成要素として前記ディスプレイに表示し、前記入力操作の対象となった前記構成要素に相関を有する、前記部品実装システムで発生する事象の発生状況を前記ディスプレイに表示し、
前記性能稼働率の時間的変化を示す性能稼働率変化が前記構成要素時間変化として前記ディスプレイに表示され、
前記制御部は、前記部品実装システムが有する複数の装置それぞれの停止を前記性能稼働率に相関を有する前記事象として扱い、前記装置が停止した時間である装置停止時間を前記事象の発生状況として前記装置毎に前記ディスプレイに表示し、
前記操作部は、前記装置停止時間が前記ディスプレイに表示された前記複数の装置から一の装置を選択する操作を前記入力操作として受け付け、
前記制御部は、前記一の装置で生じた複数のエラーそれぞれを前記性能稼働率に相関を有する前記事象として扱い、前記エラーが前記一の装置を停止させた時間であるエラー停止時間を前記事象の発生状況として前記エラー毎に前記ディスプレイに表示する部品実装管理装置。
【請求項6】
ディスプレイと、
部品が実装された基板を生産する部品実装システムに関するOEEの構成要素の時間的な変化を示す構成要素時間変化を前記ディスプレイに表示する制御部と、
前記構成要素時間変化が前記ディスプレイに表示された前記構成要素に対する管理者の入力操作を受け付ける操作部と
を備え、
前記制御部は、前記OEEの時間稼働率、性能稼働率および良品率の少なくとも1つを前記構成要素として前記ディスプレイに表示し、前記入力操作の対象となった前記構成要素に相関を有する、前記部品実装システムで発生する事象の発生状況を前記ディスプレイに表示する
前記性能稼働率の時間的変化を示す性能稼働率変化が前記構成要素時間変化として前記ディスプレイに表示され、
前記制御部は、前記部品実装システムが有する複数の装置それぞれで生じた部品の吸着ミスを前記性能稼働率に相関を有する前記事象として扱い、吸着ミスの発生状況を示す値を前記事象の発生状況として前記装置毎に前記ディスプレイに表示する部品実装管理装置。
【請求項7】
前記操作部は、吸着ミスの発生状況を示す値が前記ディスプレイに表示された前記複数の装置から一の装置を選択する操作を前記入力操作として受け付け、
前記一の装置は、複数の異なる吸着条件下で部品の吸着を実行し、
前記制御部は、前記一の装置における吸着ミスの発生回数を前記事象の発生状況として前記吸着条件毎に前記ディスプレイに表示する請求項に記載の部品実装管理装置。
【請求項8】
前記一の装置は、フィーダにより供給された部品を、実装ヘッドに装着されたノズルにより吸着し、
前記吸着条件は、部品を識別するための部品ID、フィーダ、実装ヘッドおよびノズルのうちのいずれかである請求項に記載の部品実装管理装置。
【請求項9】
前記操作部は、前記エラー停止時間が前記ディスプレイに表示された前記複数のエラーのうちから一のエラーを選択する操作を前記入力操作として受け付け、
前記制御部は、前記一のエラーに関与した複数の作業者それぞれについて、前記作業者の関与により前記一のエラーが発生した回数を前記ディスプレイに表示する請求項またはに記載の部品実装管理装置。
【請求項10】
前記操作部は、前記エラー停止時間が前記ディスプレイに表示された前記複数のエラーのうちから一のエラーを選択する操作を前記入力操作として受け付け、
前記制御部は、前記一のエラーの発生頻度を時系列で前記ディスプレイに表示する請求項またはに記載の部品実装管理装置。
【請求項11】
ディスプレイと、
部品が実装された基板を生産する部品実装システムに関するOEEの構成要素の時間的な変化を示す構成要素時間変化を前記ディスプレイに表示する制御部と、
前記構成要素時間変化が前記ディスプレイに表示された前記構成要素に対する管理者の入力操作を受け付ける操作部と
を備え、
前記制御部は、前記OEEの時間稼働率、性能稼働率および良品率の少なくとも1つを前記構成要素として前記ディスプレイに表示し、前記入力操作の対象となった前記構成要素に相関を有する、前記部品実装システムで発生する事象の発生状況を前記ディスプレイに表示し、
前記良品率の時間的変化を示す良品率変化が前記構成要素時間変化として前記ディスプレイに表示され、
前記制御部は、部品の実装の不良を前記良品率に相関を有する前記事象として扱い、不良の発生回数を前記事象の発生状況として前記ディスプレイに表示する部品実装管理装置。
【請求項12】
前記制御部は、不良の発生回数を、部品の属性の違いを示す複数の区分のそれぞれについて前記ディスプレイに表示する請求項11に記載の部品実装管理装置。
【請求項13】
前記制御部は、不良の発生回数を、不良の要因の違いを示す複数の区分のそれぞれについて前記ディスプレイに表示する請求項11に記載の部品実装管理装置。
【請求項14】
前記操作部は、前記複数の区分から一の区分を選択する操作を前記入力操作として受け付け、
前記制御部は、前記一の区分について発生した複数の不良それぞれを前記良品率に相関を有する前記事象として扱い、前記複数の不良の内容をリスト形式で前記ディスプレイに表示する請求項12または13に記載の部品実装管理装置。
【請求項15】
前記操作部は、前記リストから一の不良を選択する操作を前記入力操作として受け付け、
前記制御部は、前記部品実装システムにおいて前記一の不良が生じた箇所をそれぞれ異なるタイミングで撮像した複数の画像を前記ディスプレイに表示する請求項14に記載の部品実装管理装置。
【請求項16】
前記部品実装システムは、複数の異なる吸着条件下で部品の吸着を実行し、
前記制御部は、前記一の不良が発生した際の前記吸着条件を前記ディスプレイに表示する請求項15に記載の部品実装管理装置。
【請求項17】
前記部品実装システムは、フィーダにより供給された部品を、実装ヘッドに装着されたノズルにより吸着し、 前記吸着条件は、部品を識別するための部品ID、フィーダ、実装ヘッドおよびノズルのいずれかである請求項16に記載の部品実装管理装置。
【請求項18】
前記制御部は、部品ID、フィーダ、実装ヘッドおよびノズルそれぞれと、部品の吸着ミスの発生回数との関係を前記ディスプレイに表示する請求項および17のいずれか一項に記載の部品実装管理装置。
【請求項19】
前記操作部は、複数の部品IDのうちから一の部品IDを選択する操作を前記入力操作として受け付け、
前記制御部は、フィーダ、実装ヘッドおよびノズルのうちの少なくとも一の部材が関与した前記一の部品IDの部品の吸着ミスの発生回数を、前記ディスプレイに表示する請求項18に記載の部品実装管理装置。
【請求項20】
前記ディスプレイは、前記一の部材の固体別に前記吸着ミスの発生回数を表示し、
前記操作部は、前記ディスプレイに表示された前記一の部材の複数の固体のうち、一の固体を選択する操作を前記入力操作として受け付け、
前記制御部は、前記一の部材の前記一の固体が関与した前記一の部品IDの部品の吸着ミスの発生要因を前記ディスプレイに表示する請求項19に記載の部品実装管理装置。
【請求項21】
前記ディスプレイは、前記一の部材の固体別に前記吸着ミスの発生回数を表示し、
前記操作部は、前記ディスプレイに表示された前記一の部材の複数の固体のうち、一の固体を選択する操作を前記入力操作として受け付け、
前記制御部は、前記一の部材の前記一の固体が関与した前記一の部品IDの部品の吸着ミスの発生頻度を時系列で前記ディスプレイに表示する請求項19に記載の部品実装管理装置。
【請求項22】
前記ディスプレイは、前記一の部材の固体別に前記吸着ミスの発生回数を表示し、
前記操作部は、前記ディスプレイに表示された前記一の部材の複数の固体のうち、一の固体を選択する操作を前記入力操作として受け付け、
前記制御部は、前記一の部材の前記一の固体が関与した前記一の部品IDと異なる部品IDの部品の吸着ミスの発生回数を、前記ディスプレイに表示する請求項20に記載の部品実装管理装置。
【請求項23】
前記制御部は、吸着ミスの発生頻度と、吸着ミス以外の事項の発生頻度とを時系列で前記ディスプレイに表示する請求項18ないし22のいずれか一項に記載の部品実装管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品が実装された基板を生産する部品実装システムをOEEに基づき管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
部品が実装された基板を生産する部品実装システムが一般に用いられている。また、特許文献1では、OEE(Overall Equipment Effectiveness)を用いて部品実装システムの管理する実装管理装置が記載されている。この実装管理装置によれば、OEEの構成要素である時間稼働率、性能稼働率および良品率を確認しつつ、基板の生産を管理することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】WO2016/203533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ただし、上記の方法では、OEEの構成要素の低下を確認することはできるものの、低下の要因となった事象の発生状況までを把握することはできなかった。そのため、管理者がOEEの構成要素の低下に対して有効な対策を採ることが難しい場合があった。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、部品が実装された基板を生産する部品実装システムをOEEに基づき管理するにあたり、管理者がOEEの構成要素の低下に対して有効な対策を容易に採ることを可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る部品実装管理装置は、ディスプレイと、部品が実装された基板を生産する部品実装システムに関するOEEの構成要素の時間的な変化を示す構成要素時間変化をディスプレイに表示する制御部とを備え、制御部は、部品実装システムで発生する、構成要素に相関を有する事象の発生状況をディスプレイに表示する。
【0007】
本発明に係る部品実装管理方法は、部品が実装された基板を生産する部品実装システムに関するOEEの構成要素の時間的な変化を示す構成要素時間変化をディスプレイに表示する工程と、部品実装システムで発生する、構成要素に相関を有する事象の発生状況をディスプレイに表示する工程とを備える。
【0008】
本発明に係る部品実装管理プログラムは、部品が実装された基板を生産する部品実装システムに関するOEEの構成要素の時間的な変化を示す構成要素時間変化をディスプレイに表示する工程と、部品実装システムで発生する、構成要素に相関を有する事象の発生状況をディスプレイに表示する工程とをコンピュータに実行させる。
【0009】
本発明に係る記録媒体は、上記の部品実装管理プログラムをコンピュータにより読み出し可能に記録する。
【0010】
このように構成された本発明(部品実装管理装置、部品実装管理方法、部品実装管理プログラムおよび記録媒体)では、OEEの構成要素の時間的な変化を示す構成要素時間変化とともに、部品実装システムにおける構成要素に相関を有する事象の発生状況がディスプレイに表示される。したがって、管理者は、この事象の発生状況に基づき、OEEの構成要素の低下の要因となった事象を特定することができる。その結果、管理者がOEEの構成要素の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となっている。
【0011】
また、構成要素時間変化がディスプレイに表示された構成要素に対する管理者の入力操作を受け付ける操作部をさらに備え、制御部は、OEEの時間稼働率、性能稼働率および良品率の少なくとも1つを構成要素としてディスプレイに表示し、入力操作の対象となった構成要素に相関を有する事象の発生状況をディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、注目する構成要素に対して入力操作を実行することで、この構成要素に相関を有する事象の発生状況を確認することができる。
【0012】
また、時間稼働率の時間的変化を示す時間稼働率変化が構成要素時間変化としてディスプレイに表示され、制御部は、部品実装システムが有する複数の装置それぞれの停止を時間稼働率に相関を有する事象として扱い、装置が停止した時間である装置停止時間を事象の発生状況として装置毎にディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、時間稼働率に相関を有する事象の発生状況を確認して、時間稼働率の低下の要因となる事象を特定することができる。その結果、管理者が時間稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0013】
また、操作部は、装置停止時間がディスプレイに表示された複数の装置から一の装置を選択する操作を入力操作として受け付け、制御部は、一の装置で生じた複数のエラーそれぞれを時間稼働率に相関を有する事象として扱い、エラーが一の装置を停止させた時間であるエラー停止時間を事象の発生状況としてエラー毎にディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、注目する装置でのエラーの発生状況を確認して、時間稼働率の低下の要因となるエラーを特定することができる。その結果、管理者が時間稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0014】
また、時間稼働率の時間的変化を示す時間稼働率変化が構成要素時間変化としてディスプレイに表示され、制御部は、部品実装システムが有する複数の装置それぞれへの段取作業を時間稼働率に相関を有する事象として扱い、装置の段取作業に要した時間である段取時間を事象の発生状況として装置毎にディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、部品実装システムが有する装置に対する段取作業の発生状況を確認して、時間稼働率の低下の要因となる段取作業を特定することができる。その結果、管理者が時間稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0015】
また、操作部は、段取時間がディスプレイに表示された複数の装置から一の装置を選択する操作を入力操作として受け付け、制御部は、一の装置で生産する複数の基板品種のそれぞれについて、基板品種の生産のために要した段取時間を、事象の発生状況としてディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、注目する装置に対する段取作業の発生状況を、複数の基板品種のそれぞれについて確認して、時間稼働率の低下の要因となる段取作業を特定することができる。その結果、管理者が時間稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0016】
また、操作部は、段取時間がディスプレイに表示された複数の基板品種のうちから一の基板品種を選択する操作を入力操作として受け付け、制御部は、一の基板品種の生産のための段取作業の実行タイミングを時系列でディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、注目する基板品種のための段取作業の実行タイミングを時系列で確認して、時間稼働率の低下の要因となる段取作業を特定することができる。その結果、管理者が時間稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0017】
また、性能稼働率の時間的変化を示す性能稼働率変化が構成要素時間変化としてディスプレイに表示され、制御部は、部品実装システムが有する複数の装置それぞれの停止を性能稼働率に相関を有する事象として扱い、装置が停止した時間である装置停止時間を事象の発生状況として装置毎にディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、性能稼働率に相関を有する事象の発生状況を確認して、性能稼働率の低下の要因となる事象を特定することができる。その結果、管理者が性能稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0018】
また、操作部は、装置停止時間がディスプレイに表示された複数の装置から一の装置を選択する操作を入力操作として受け付け、制御部は、一の装置で生じた複数のエラーそれぞれを性能稼働率に相関を有する事象として扱い、エラーが一の装置を停止させた時間であるエラー停止時間を事象の発生状況としてエラー毎にディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、注目する装置でのエラーの発生状況を確認して、性能稼働率の低下の要因となるエラーを特定することができる。その結果、管理者が性能稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0019】
また、性能稼働率の時間的変化を示す性能稼働率変化が構成要素時間変化としてディスプレイに表示され、制御部は、部品実装システムが有する複数の装置それぞれで生じた部品の吸着ミスを性能稼働率に相関を有する事象として扱い、吸着ミスの発生状況を示す値を事象の発生状況として装置毎にディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、各装置における吸着ミスの発生状況を確認して、吸着ミスが頻発する装置を特定することができる。その結果、管理者が性能稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0020】
また、操作部は、吸着ミスの発生状況を示す値がディスプレイに表示された複数の装置から一の装置を選択する操作を入力操作として受け付け、一の装置は、複数の異なる吸着条件下で部品の吸着を実行し、制御部は、一の装置における吸着ミスの発生回数を事象の発生状況として吸着条件毎にディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、注目する装置における吸着ミスの発生状況を吸着条件毎に確認して、吸着ミスが頻発する吸着条件を特定することができる。その結果、管理者が性能稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0021】
また、一の装置は、フィーダにより供給された部品を、実装ヘッドに装着されたノズルにより吸着し、吸着条件は、部品を識別するための部品ID、フィーダ、実装ヘッドおよびノズルのいずれかであるように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、部品、フィーダ、実装ヘッドあるいはノズルの違いが吸着ミスに与える影響を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0022】
また、操作部は、エラー停止時間がディスプレイに表示された複数のエラーのうちから一のエラーを選択する操作を入力操作として受け付け、制御部は、一のエラーに関与した複数の作業者それぞれについて、作業者の関与により一のエラーが発生した回数をディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は注目するエラーに関与した複数の作業者のそれぞれについてエラーの発生回数を確認して、エラーを頻発させている作業者を特定することができる。その結果、管理者が時間稼働率あるいは性能稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0023】
また、操作部は、エラー停止時間がディスプレイに表示された複数のエラーのうちから一のエラーを選択する操作を入力操作として受け付け、制御部は、一のエラーの発生頻度を時系列でディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、注目するエラーの発生頻度に基づき、このエラーが装置の停止に与える影響を確認することができる。その結果、管理者が時間稼働率あるいは性能稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0024】
また、良品率の時間的変化を示す良品率変化が構成要素時間変化としてディスプレイに表示され、制御部は、部品の実装の不良を良品率に相関を有する事象として扱い、不良の発生回数を事象の発生状況としてディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、良品率に相関を有する部品の実装不良の発生回数を確認することができる。その結果、管理者が良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0025】
また、制御部は、不良の発生回数を、部品の属性の違いを示す複数の区分のそれぞれについてディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、良品率に相関を有する部品の実装不良の発生回数を、部品の属性に応じて確認して、実装不良が頻発する部品を特定することができる。その結果、管理者が良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0026】
また、制御部は、不良の発生回数を、不良の要因の違いを示す複数の区分のそれぞれについてディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、良品率に相関を有する部品の実装不良の発生回数を、当該実装不良の要因に応じて確認して、実装不良が頻発させる要因を特定することができる。その結果、管理者が良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0027】
また、操作部は、複数の区分から一の区分を選択する操作を入力操作として受け付け、制御部は、一の区分について発生した複数の不良それぞれを良品率に相関を有する事象として扱い、複数の不良の内容をリスト形式でディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、注目する部品属性あるいは不良要因について発生した複数の不良の内容を確認することができる。その結果、管理者が良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0028】
また、操作部は、リストから一の不良を選択する操作を入力操作として受け付け、制御部は、部品実装システムにおいて一の不良が生じた箇所をそれぞれ異なるタイミングで撮像した複数の画像をディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、注目する不良が生じた箇所を撮像した複数の画像に基づき、不良の発生状況を確認することができる。その結果、管理者が良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0029】
また、部品実装システムは、複数の異なる吸着条件下で部品の吸着を実行し、制御部は、一の不良が発生した際の吸着条件をディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、注目する不良が発生した際の吸着条件を確認することができる。その結果、管理者が良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0030】
また、部品実装システムは、フィーダにより供給された部品を、実装ヘッドに装着されたノズルにより吸着し、吸着条件は、部品を識別するための部品ID、フィーダ、実装ヘッドおよびノズルのうちのいずれかであるように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、部品、フィーダ、実装ヘッドあるいはノズルの違いが不良の発生に与える影響を確認することができる。その結果、管理者が良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0031】
また、制御部は、部品ID、フィーダ、実装ヘッドおよびノズルそれぞれと、部品の吸着ミスの発生回数との関係をディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、部品ID、フィーダ、実装ヘッドおよびノズルのそれぞれが吸着ミスの発生に与える影響を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0032】
また、操作部は、複数の部品IDのうちから一の部品IDを選択する操作を入力操作として受け付け、制御部は、フィーダ、実装ヘッドおよびノズルのうちの少なくとも一の部材が関与した一の部品IDの部品の吸着ミスの発生回数を、ディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、注目する部品と、この部品の吸着に関与した部材(フィーダ、実装ヘッドあるいはノズル)との組み合わせが吸着ミスの発生に与える影響を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0033】
また、ディスプレイは、一の部材の固体別に吸着ミスの発生回数を表示し、操作部は、ディスプレイに表示された一の部材の複数の固体のうち、一の固体を選択する操作を入力操作として受け付け、制御部は、一の部材の一の固体が関与した一の部品IDの部品の吸着ミスの発生要因をディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、注目する一の部材の固体が吸着ミスを生じた要因を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0034】
また、ディスプレイは、一の部材の固体別に吸着ミスの発生回数を表示し、操作部は、ディスプレイに表示された一の部材の複数の固体のうち、一の固体を選択する操作を入力操作として受け付け、制御部は、一の部材の一の固体が関与した一の部品IDの部品の吸着ミスの発生頻度を時系列でディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、注目する一の部材の固体が吸着ミスを生じた発生頻度を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0035】
また、ディスプレイは、一の部材の固体別に吸着ミスの発生回数を表示し、操作部は、ディスプレイに表示された一の部材の複数の固体のうち、一の固体を選択する操作を入力操作として受け付け、制御部は、一の部材の一の固体が関与した一の部品IDと異なる部品IDの部品の吸着ミスの発生回数を、ディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、注目する一の部材の固体が、一の部品IDと異なる他の部品IDの部品について吸着ミスを生じた発生回数を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0036】
また、制御部は、吸着ミスの発生頻度と、吸着ミス以外の事項の発生頻度とを時系列でディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、吸着ミスの発生に影響する、吸着ミス以外の事項を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、部品が実装された基板を生産する部品実装システムをOEEに基づき管理するにあたり、管理者がOEEの構成要素の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は本発明に係る部品実装システムの一例に相当する生産ラインを備えた基板生産設備を模式的に示すブロック図。
図2図1の基板生産設備の各生産ラインが備える部品実装機を模式的に示す部分平面図。
図3】管理装置のディスプレイに表示される生産管理画面の一例を模式的に示す図。
図4】時間稼働率が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図。
図5】装置別の停止時間のグラフから一の部品実装機が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図。
図6】装置別の段取時間のグラフから一の部品実装機が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図。
図7】性能稼働率が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図。
図8】装置別の停止時間のグラフから一の部品実装機が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図。
図9】装置別の吸着ミス回数のグラフから一の部品実装機が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図。
図10】良品率が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図。
図11】不良発生回数のグラフから一の部品IDが選択された場合における生産管理画面の一例を示す図。
図12】不良ステップリストから一の不良が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図。
図13】生産管理画面の一態様である停止分析画面の一例を模式的に示す図。
図14】生産管理画面の一態様である吸着分析画面の一例を模式的に示す図。
図15】生産管理画面の一態様である吸着分析画面の一例を模式的に示す図。
図16】生産管理画面の一態様である吸着分析画面の一例を模式的に示す図。
図17】生産管理画面の一態様である吸着分析画面の一例を模式的に示す図。
図18】生産管理画面の一態様である段取分析画面の一例を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は本発明に係る部品実装システムの一例に相当する生産ラインを備えた基板生産設備を模式的に示すブロック図である。図1および以下の図では、Z方向を鉛直方向とし、X方向およびY方向のそれぞれを水平方向とするXYZ直交座標を示す。図1に示すように、基板生産設備1は、3本の生産ラインLa~Lcを備える。これら生産ラインLa~Lcは概ね同様の構成を備えるため、生産ラインLaについて主に説明して、生産ラインLb、Lcについては相当符号を付して説明を適宜省略する。この生産ラインLaでは、印刷機2、検査機3a、複数(3台)の部品実装機4a~4c、検査機3b、リフロー炉5および検査機3cが、基板搬送方向であるX方向に直列に並ぶ。
【0040】
印刷機2は、スクリーン印刷によって塗布材料(半田)を基板に印刷する。部品実装機4a~4cは図2を用いて後述する構成を具備し、印刷機2よって半田が印刷された基板に部品を実装する。リフロー5は、部品実装機4a~4cによって部品が実装された基板を加熱することで部品と基板を接合する半田を溶かす。検査機3a~3cはいずれも対象物の外観を検査する装置であり、対象物の二次元あるいは三次元の画像に基づき検査を行う。これらのうち、検査機3aは、印刷機2により基板に印刷された半田の良否を、当該基板の部品実装機4aへの搬入前に検査し、検査機3bは部品実装機4a~4cによる基板への部品実装の良否を、当該基板のリフロー炉5の搬入前に検査し、検査機3cはリフロー炉5による加熱を受けた半田の良否を検査する。こうして、生産ラインLaは、基板をX方向に搬送しつつ半田印刷、部品実装およびリフローを当該基板に実行することで、部品が実装された基板(部品実装基板)を生産する。
【0041】
また、基板生産設備1は、生産ラインLa~Lcを管理する管理装置6を備える。この管理装置6は、制御部61、記憶部62、通信部63、ディスプレイ64および入力機器65を備える。制御部61は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、生産ラインLa、Lb、Lcの管理に要する演算を実行する。
【0042】
記憶部62はHDD(Hard Disk Drive)等で構成され、生産ラインLa、Lb、Lcの管理に要するデータやプログラムを記憶する。特に、記憶部62には、生産管理プログラム621が記憶されており、制御部61が生産管理プログラム621を実行することで、後述する基板生産管理を実行する。この生産管理プログラム621はコンピュータにより読み出し可能に記録媒体69に記録された状態で提供される。記録媒体69は、例えば外部コンピュータに装備されたHDDであり、外部コンピュータのHDD(記録媒体69)から管理装置6にダウンロードされて、記憶部62に保存される。なお、記録媒体69は、HDDに限られず、例えばUSBフラッシュドライブや光ディスク等でもよい。
【0043】
通信部63は、生産ラインLa~Lcに設けられた各装置2、3a~3c、4a~4c、5と有線あるいは無線により通信を実行する。この通信部63は、例えば制御部61の指令に応じて、各装置2、3a~3c、4a~4c、5の動作履歴を示すログ622を収集して、記憶部62に保存する。
【0044】
ディスプレイ64は後述する情報を管理者に表示し、入力機器65は管理者による入力操作を受け付ける。管理装置6は、パーソナルコンピュータあるいはタブレットにより構成される。前者の場合、入力機器65はマウスあるいはキーボードであり、後者の場合、ディスプレイ64と入力機器65とはタッチパネルディスプレイによって一体的に構成される。さらに、管理者は、前者の場合、ディスプレイに表示される対象箇所をマウスによりクリックあるいはホバー等することで後述する選択あるいは指定等の各種の入力操作を実行でき、後者の場合、ディスプレイに表示される対象箇所に指あるいは器具を接触させることで後述する選択あるいは指定等の各種の入力操作を実行できる。
【0045】
図2図1の基板生産設備の各生産ラインが備える部品実装機を模式的に示す部分平面図である。同図では、部品実装機4a~4cを区別せずに部品実装機4と表している。部品実装機4は、X方向に並列に配置された一対のコンベア41を備え、これらコンベア41によって基板10の搬送を実行する。つまり、部品実装機4は、コンベア41によりX方向の上流側から実装作業位置(図2の基板10の位置)に搬入した基板10に対して部品を実装し、部品実装を完了した基板10をコンベア41により実装作業位置からX方向の下流側へ搬出する。なお、基板10に部品を実装するとは、基板10に印刷された半田に部品を載置する動作を示す。
【0046】
一対のコンベア41のY方向の両側それぞれでは2つの部品供給部42がX方向に並んでおり、各部品供給部42では、複数のフィーダFがX方向に並ぶ。各フィーダFに対しては、集積回路、トランジスタ、コンデンサ等の小片状の部品を所定間隔おきに収容した部品供給テープが巻き付けられた部品供給リールが配置されており、各フィーダFは部品供給リールから引き出された部品供給テープを間欠的に送り出すことで、その先端部に部品を供給する。
【0047】
なお、フィーダFには、当該フィーダFを識別するためのフィーダIDが付されている。このフィーダIDは各フィーダFに固有の情報であり、フィーダFの固体が異なればフィーダIDは異なる。さらに、部品供給リールには、当該部品供給リールに収容された部品を識別するための部品IDが付されている。この部品IDは、各部品供給リールに固有の情報である。
【0048】
部品実装機4では、Y方向に延びる一対のY軸レール431と、Y方向に延びるY軸ボールネジ432と、Y軸ボールネジ432を回転駆動するY軸モータ433とが設けられている。一対のY軸レール431は、X方向に延びるX軸ビーム434をY方向に移動可能に支持し、このX軸ビーム434はY軸ボールネジ432のナットに固定されている。X軸ビーム434には、X方向に延びるX軸ボールネジ435と、X軸ボールネジ435を回転駆動するX軸モータ436とが取り付けられている。X軸ビーム434は、ヘッドユニット44をX方向に移動可能に支持し、このヘッドユニット44はX軸ボールネジ435のナットに固定されている。したがって、Y軸モータ433によりY軸ボールネジ432を回転させることでヘッドユニット44をY方向に移動させ、X軸モータ436によりX軸ボールネジ435を回転させることでヘッドユニット44をX方向に移動させることができる。
【0049】
ヘッドユニット44は、X方向に並ぶ複数(6本)の実装ヘッド45を有する。各ヘッドユニット44はZ方向に延びた長尺形状を有し、ヘッドユニット44の下端には、部品を吸着するためのノズルが着脱可能に装着されている。このヘッドユニット44は、ノズルによって部品をフィーダFから基板10へ移載することで、部品実装を実行する。
【0050】
つまり、実装ヘッド45は、フィーダFの先端部に対してノズルを上方から対向させる。次に、実装ヘッド45が下降して、フィーダFの先端部に供給された部品にノズルを接触させる。続いて、実装ヘッド45は、ノズルにより部品を吸着しつつ上昇する。実装ヘッド45は、こうしてフィーダFからの部品のピックアップを完了すると、基板10の上方に移動する。そして、実装ヘッド45は、ノズルによる部品の吸着を解除することで、基板10に部品を実装する。
【0051】
ちなみに、X方向に並ぶ2個の部品供給部42の間には、上方を向く部品認識カメラ46が配置されており、部品認識カメラ46は、撮像した画像に基づき吸着ミスの有無を確認する。つまり、部品実装のためにフィーダFから基板10へ移動するノズルは、部品認識カメラ46の視野を経由し、部品認識カメラ46はノズルが視野に到達するタイミングで撮像を行う。そして、部品認識カメラ46は、ノズルに吸着された部品の有無や、部品の傾き等に基づき、吸着ミスの発生を検知する。また、吸着ミスの発生が確認されると、実装ヘッド45は、フィーダFの先端部の上方にノズルを戻して、ノズルによる部品の吸着を再試行する。
【0052】
さらに、ヘッドユニット44には、基板認識カメラ47が下方を向いて取り付けられており、基板認識カメラ47は、ヘッドユニット44に伴ってX方向およびY方向へ移動する。基板認識カメラ47は、実装作業位置に搬入された基板10に付されたフィデューシャルマークを上方から撮像した画像に基づき、基板10の位置を認識する。そして、この認識結果に基づき、実装ヘッド45により実装される部品のX方向およびY方向への位置が調整される。また、この部品実装機4は、基板に実装された部品の撮像にも利用される。
【0053】
続いては、図1の基板生産設備1において管理装置6が実行する基板生産管理について説明する。図3は管理装置のディスプレイに表示される生産管理画面の一例を模式的に示す図である。この生産管理画面Sは、設定部Sa、選択部Sbおよび詳細部Scを有する。
【0054】
設定部Saは、生産管理画面Sでの表示対象の設定に用いられる。つまり、管理者は入力機器65を操作することで、対象期間(開始日時~終了日時)の設定や、生産ラインLa~Lcのうちの対象生産ライン(ライン名)の設定を設定部Saに対して実行できる。なお、図3の例では、生産ラインLaが対象生産ラインに設定されている。
【0055】
選択部Sbでは、対象期間における対象生産ラインLaでのOEE(設備総合効率)、時間稼働率、性能稼働率および良品率の時間的変化をそれぞれ示すグラフB1、B2、B3、B4を表示する。これらのグラフB1、B2、B3、B4は、対象生産ラインLaから収集したログ622に基づき制御部61により算出される。各グラフB1、B2、B3、B4は、対象期間より短い単位期間(1日)で対象期間を均等分割して各単位期間における値を示す。例えば、OEEの時間的変化を示すグラフB1は、1日毎のOEEを対象期間の毎日について示す。同様に、時間稼働率、性能稼働率および良品率の時間的変化を示すグラフB2、B3、B4は、それぞれ1日毎の時間稼働率、性能稼働率および良品率を対象期間の毎日について示す。なお、単位期間は、1日に限られず、例えば1時間あるいは半時間でもよい。
【0056】
管理者は、選択部Sbに表示された時間稼働率、性能稼働率および良品率といったOEEの各構成要素のグラフB2、B3、B4のうちから1つを指定することで、一の構成要素を選択する入力操作を入力機器65に実行できる。そして、制御部61は、対象期間において対象生産ラインLaで発生した、当該一の構成要素と相関を有する事象の発生状況をログ622に基づき算出して、これを詳細部Scに表示する。この際、管理者は、対象期間のうちから指定日(指定単位期間)を指定することができ、詳細部Scには、指定日における当該事象の発生状況が表示される。続いては、この点について具体的に説明する。
【0057】
図4は時間稼働率が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図である。つまり、時間稼働率のグラフB2から指定日(例えば、4月7日)が指定されると、制御部61は、対象生産ラインLaが有する各部品実装機4a、4b、4cの停止を、時間稼働率に相関を有する事象として扱う。そして、制御部61は、指定日における各部品実装機4a、4b、4cの停止時間(装置停止時間)を示すグラフC1を詳細部Scに表示する。
【0058】
図4のグラフC1に示される装置別の停止時間は、部品実装機4a、4b、4cのそれぞれが長期間停止に要した累積時間である。すなわち、部品実装機4で発生した長期間停止の累積時間が部品実装機4a、4b、4cのそれぞれについて表示されている。この長期間停止は、部品実装機4a、4b、4cで発生しうる比較的長期の第1種停止(いわゆる「ドカ停」)と、第1種停止と異なる種類の比較的短期の第2種停止(いわゆる「チョコ停」)のうち、第1種停止である。管理者は、このグラフC1に基づき、部品実装機4a、4b、4cそれぞれにおける長期間停止の発生状況を確認することができる。
【0059】
ちなみに、発生した停止が第1種停止および第2種停止のいずれであるかを区別する方法は種々考えられる。一の例は、所定の基準時間以上の停止を第1種停止に分類するとともに、当該基準時間未満の停止を第2種停止に分類する方法である。別の例は、管理者が停止の要因によって、第1種停止および第2種停止のいずれかに各停止を予め分類しておく方法である。
【0060】
さらに、時間稼働率のグラフB2から指定日が指定されたのに応じて、制御部61は、対象生産ラインLaの各部品実装機4a、4b、4cに対する段取作業を、時間稼働率に相関を有する事象として扱う。そして、制御部61は、指定日における各部品実装機4a、4b、4cの段取時間を示すグラフC2を詳細部Scに表示する。図4のグラフC2に示される装置別の段取時間は、部品実装機4a、4b、4cそれぞれに対するフィーダFの装着といった部品実装の準備を行う段取作業に要した累積時間である。すなわち、部品実装機4で発生した段取作業の累積時間が部品実装機4a、4b、4cのそれぞれについて表示されている。管理者は、このグラフC2に基づき、部品実装機4a、4b、4cそれぞれに対する段取作業の発生状況を確認することができる。
【0061】
また、管理者は、詳細部Scに表示されたグラフC1に示される部品実装機4a、4b、4cのうちから1つを指定することで、一の部品実装機4を選択する入力操作を入力機器65に実行できる。そして、制御部61は、指定日において、当該一の部品実装機4の長期間停止の要因となったエラーを表示する。
【0062】
図5は装置別の停止時間のグラフから一の部品実装機が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図である。例えば、グラフC1から、一の部品実装機4aが選択されると、制御部61は、指定日において一の部品実装機4aの長期間停止を引き起こした複数のエラーE11、E12、E13、E14のそれぞれを、時間稼働率に相関を有する事象として扱う。そして、制御部61は、指定日において複数のエラーE11、E12、E13、E14のそれぞれが一の部品実装機4aを停止させた累積時間(エラー停止時間)を当該エラー停止時間の長い順に示すグラフC3を詳細部Scに表示する。管理者は、このグラフC3に基づき、一の部品実装機4aにおけるエラーE11、E12、E13、E14の発生状況を確認することができる。
【0063】
さらに、管理者は、詳細部Scに表示されたグラフC2に示される部品実装機4a、4b、4cのうちから1つを指定することで、一の部品実装機4を選択する入力操作を入力機器65に実行できる。そして、制御部61は、指定日において、当該一の部品実装機4で生産された基板品種毎に段取時間を表示する。ここで、基板品種とは、生産される部品実装基板の種類を示し、部品が実装される前の基板の構成あるいは当該基板に実装される部品の構成が異なると、異なる基板品種として取り扱われる。
【0064】
図6は装置別の段取時間のグラフから一の部品実装機が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図である。例えば、グラフC2から、一の部品実装機4aが選択されると、制御部61は、指定日において一の部品実装機4aで生産した複数の基板品種K1、K2、K3のそれぞれについて、当該基板品種K1、K2、K3の生産のために要した段取時間を示すグラフC4を詳細部Scに表示する。この際、段取時間の予定と実績とが並んで表示され、予定の段取時間にと実績の段取時間(すなわち、実際に要した段取時間)とを比較することができる。管理者は、このグラフC4に基づき、一の部品実装機4aにおける段取作業の発生状況を確認することができる。
【0065】
図7は性能稼働率が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図である。つまり、性能稼働率のグラフB3から指定日(例えば、4月7日)が指定されると、制御部61は、対象生産ラインLaが有する各部品実装機4a、4b、4cの停止を、性能稼働率に相関を有する事象として扱う。そして、制御部61は、指定日における各部品実装機4a、4b、4cの停止時間(装置停止時間)を示すグラフC5を詳細部Scに表示する。
【0066】
図7のグラフC5に示される装置別の停止時間は、部品実装機4a、4b、4cのそれぞれが短期間停止に要した累積時間である。すなわち、部品実装機4で発生した短期間停止の累積時間が部品実装機4a、4b、4cのそれぞれについて表示されている。この短期間停止は、上述した第1種停止および第2種停止のうち、第2種停止である。管理者は、このグラフC5に基づき、部品実装機4a、4b、4cそれぞれにおける短期間停止の発生状況を確認することができる。
【0067】
さらに、性能稼働率のグラフから指定日が指定されたのに応じて、制御部61は、生産ラインLaの各部品実装機4a、4b、4cにおける吸着ミスを性能稼働率に相関を有する事象として扱う。そして、制御部61は、指定日における各部品実装機4a、4b、4cでの吸着ミスの発生状況を示すグラフC6を詳細部Scに表示する。すなわち、部品実装機4における吸着ミスの発生状況が部品実装機4a、4b、4cのそれぞれについて表示されている。この際、管理者は、吸着ミス回数および吸着成功率のいずれかを選択する入力操作を入力機器65に対して行って、選択した一方を吸着ミスの発生状況としてグラフC6に表示させる。管理者は、このグラフC6に基づき、部品実装機4a、4b、4cそれぞれにおける吸着ミスの発生状況を確認することができる。
【0068】
また、管理者は、詳細部Scに表示されたグラフC5に示される部品実装機4a、4b、4cのうちから1つを指定することで、一の部品実装機4を選択する入力操作を入力機器65に実行できる。そして、制御部61は、指定日において、当該一の部品実装機4の短期間停止の要因となったエラーを表示する。
【0069】
図8は装置別の停止時間のグラフから一の部品実装機が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図である。例えば、グラフC5から、一の部品実装機4aが選択されると、制御部61は、指定日において一の部品実装機4aの短期間停止を引き起こした複数のエラーE21、E22、E23、E24のそれぞれを、性能稼働率に相関を有する事象として扱う。そして、制御部61は、指定日において複数のエラーE21、E22、E23、E24のそれぞれが一の部品実装機4aを停止させた累積時間(エラー停止時間)を当該エラー停止時間の長い順に示すグラフC7を詳細部Scに表示する。管理者は、このグラフC7に基づき、一の部品実装機4aにおけるエラーE21、E22、E23、E24の発生状況を確認することができる。
【0070】
さらに、管理者は、詳細部Scに表示されたグラフC6に示される部品実装機4a、4b、4cのうちから1つを指定することで、一の部品実装機4を選択する入力操作を入力機器65に実行できる。そして、制御部61は、指定日において、当該一の部品実装機4で発生した吸着ミスの回数を表示する。
【0071】
図9は装置別の吸着ミス回数のグラフから一の部品実装機が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図である。例えば、グラフC6から、一の部品実装機4aが選択されると、制御部61は、指定日において一の部品実装機4aで発生した吸着ミスの回数を吸着条件毎に示すグラフC8を詳細部Scに表示する。管理者は、部品ID、フィーダID、実装ヘッドおよびノズルのうちから、吸着条件を選択する入力操作を入力機器65に対して実行できる。図9に例示するように、部品IDが選択された場合には、それぞれ異なる複数の部品ID(ID1~ID4)のそれぞれについて、当該部品IDの部品の吸着を試行した際に生じた吸着ミスの回数が、グラフC8に表示される。フィーダID、ヘッド(実装ヘッド)あるいはノズルが選択された場合も同様である。管理者は、このグラフC8に基づき、一の部品実装機4aにおける吸着ミスの発生状況を確認することができる。
【0072】
図10は良品率が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図である。つまり、良品率B4のグラフから指定日(例えば、4月7日)が指定されると、制御部61は、対象生産ラインLaで発生した不良を、良品率に相関を有する事象として扱う。そして、制御部61は、指定日における生産ラインLaでの不良の発生回数を示すグラフC9を詳細部Scに表示する。
【0073】
図10のグラフC9に示すように、不良の発生回数を表示するにあたって、管理者は、不良要因や、それぞれ部品の属性を示す部品ID、部品種およびリファレンス(基板10における部品の実装位置を示すシンボル)といった各項目から一の項目を指定する入力操作を入力機器65に対して実行できる。例えば、グラフC9に示すように部品IDが指定された場合には、制御部61は、部品IDの違いを示す複数の区分ID1、ID2、ID3のそれぞれについて(すなわち、部品ID毎に)、不良の発生回数を表示する。グラフC9の例では、部品ID1の部品について実装不良が生じた回数は4件であり、部品ID2の部品について実装不良が生じた回数は3件であり、部品ID3の部品について実装不良が生じた回数は1件である。同様に、部品種が指定された場合には、部品種の違いを示す複数の区分それぞれについて(すなわち、部品種毎に)、不良の発生回数が表示され、不良要因が指定された場合には、不良要因の違いを示す複数の区分それぞれについて(すなわち、不良要因ごとに)、不良の発生回数が表示される。
【0074】
また、管理者は、詳細部Scに表示されたグラフC9に示される複数の区分(ここの例では、部品ID1、ID2、ID3)のうちから1つを指定することで、一の区分を選択する入力操作を入力機器65に実行できる。そして、制御部61は、一の区分について発生した不良のリスト(不良ステップリスト)を表示する。
【0075】
図11は不良発生回数のグラフから一の部品IDが選択された場合における生産管理画面の一例を示す図である。例えば、グラフC9に示される複数の部品ID1、ID2、ID3(複数の区分)のうちから、一の部品ID1(区分)が選択されると、制御部61は、部品ID1について発生した複数の不良(グラフC9に示す4回の不良)を良品率に相関を有する事象として扱う。そして、制御部61は、当該複数の不良それぞれの詳細をリスト形式で表した不良ステップリストC10を詳細部Scに表示する。具体的には、不良の発生日時や、不良の発生した基板の品種、ロットおよび基板IDが詳細として表示される。なお、基板IDは、個々の基板を識別する情報である。管理者は、このグラフC10に基づき、選択した部品ID1について発生した不良の発生状況を確認することができる。なお、グラフC9に示す部品種および不良要因についても、図11のグラフC10と同様の表示が実行できる。
【0076】
さらに、管理者は、詳細部Scに表示された不良ステップリストに含まれる複数(4個)の不良のうちから一の不良を指定することで、当該一の不良を選択する入力操作を入力機器65に実行できる。そして、制御部61は、当該一の不良が生じた該当箇所(部品実装の対象箇所)をそれぞれ異なるタイミングで撮像した複数の画像I1~I5を示す一覧表C11を詳細部Scに表示する(図12)。さらに、制御部61は、当該一の不良が生じた該当箇所に実装される部品の吸着条件(部品ID、フィーダ、実装ヘッドおよびノズル)を、一覧表C11に併せて表示する(図12)。ここで、図12は不良ステップリストから一の不良が選択された場合における生産管理画面の一例を示す図である。
【0077】
なお、画像I1は、半田が印刷される前の該当箇所を印刷機2で撮像することで取得された印刷前画像であり、画像I2は印刷機2により半田が印刷された後の該当箇所を検査機3aで撮像することで取得された印刷後検査であり、画像I3は、部品実装機4a~4cのいずれかの部品実装機により部品が実装された後の該当箇所を当該部品実装機で撮像することで取得された部品実装後画像であり、画像I4は、リフロー炉5によるリフローの前の該当箇所を検査機3bで撮像することで取得されたリフロー前画像であり、画像I5は、リフロー炉5によるリフローの後の該当箇所を撮像することで取得されたリフロー後画像である。管理者は、一の不良が生じた箇所を撮像したこれらの画像I1~I5に基づき、不良の発生状況を確認することができる。
【0078】
以上のように構成された実施形態では、OEEの構成要素(時間稼働率、性能稼働率、良品率)の時間的な変化を示すグラフB2、B3、B4(構成要素時間変化)とともに、生産ラインLa、Lb、Lcにおける構成要素に相関を有する事象(長期間停止、短期間停止、段取作業、エラー、吸着ミスおよび実装不良等)の発生状況がディスプレイ64に表示される(図4図12)。したがって、管理者は、この事象の発生状況に基づき、OEEの構成要素の低下の要因となった事象を特定することができる。その結果、管理者がOEEの構成要素の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となっている。
【0079】
ちなみに、この実施形態では、OEEの個々の構成要素(時間稼働率、性能稼働率、良品率)からそれに関連する事象の分析を実行することが可能となっている。つまり、管理者は、OEEの構成要素を示すグラフB2、B3、B4をクリック等で選択する入力操作を実行することで、選択されたグラフB2、B3、B4に示される構成要素に相関を有する事象の発生状況を示す個々の分析画面(例えば、上記の画面C1等)を表示させる(表示を遷移させる)ことができる。単に各事象の発生状況を示すだけであれば、OEEの構成要素とは別に、各事象の発生状況を独立に示す態様も想定される。しかしながら、このようにOEEの構成要素から独立して別に表示する態様では、管理者にしてみると、OEEの構成要素と事象との関係性(すなわち、これらが相関を有するのか否か)を把握することが難しい。一方、OEEの構成要素の選択によって当該構成要素に相関を有する事象の発生状況を示すこの実施形態によれば、管理者は、OEEの構成要素と事象との関係性を容易に把握でき、さらに言えば、注目する構成要素に相関を有する事象の発生状況を簡単な入力操作で迅速に把握できる。その結果、管理者は、OEEの構成要素の低下の要因を効率的に特定して、有効な対策を容易に採ることができる。
【0080】
また、それぞれの時間変化を示すグラフB2、B3、B4(構成要素時間変化)がディスプレイ64に表示された時間稼働率、性能稼働率および良品率といったOEEの各構成要素に対する管理者の入力操作を受け付ける入力機器65(操作部)が具備されている。そして、制御部61は、これら時間稼働率、性能稼働率および良品率のうち、入力操作の対象となった構成要素に相関を有する事象の発生状況をディスプレイ64に表示する(図4図12)。かかる構成では、管理者は、注目する構成要素に対して入力操作を実行することで、この構成要素に相関を有する事象の発生状況を確認することができる。
【0081】
また、時間稼働率の時間的変化を示すグラフB2(時間稼働率変化)がディスプレイ64に表示される。また、制御部61は、生産ラインLa、Lb、Lcが有する複数の部品実装機4a、4b、4c(複数の装置)それぞれの長期間停止を時間稼働率に相関を有する事象として扱う。そして、部品実装機4a、4b、4cが長期間停止した時間である装置停止時間を長期間停止の発生状況として部品実装機4a、4b、4c毎にディスプレイ64に表示する(図4のグラフC1)。かかる構成では、管理者は、時間稼働率に相関を有する長期間停止の発生状況をグラフC1により確認して、時間稼働率の低下の要因となる長期間停止を特定することができる。その結果、管理者が時間稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0082】
また、入力機器65は、装置停止時間がディスプレイ64のグラフC1に表示された複数の部品実装機4a、4b、4cから一の部品実装機を選択する操作を入力操作として受け付ける。また、制御部61は、一の部品実装機で生じた複数のエラーE11、E12、E13、E14それぞれを時間稼働率に相関を有する事象として扱う。そして、エラーE11、E12、E13、E14が一の部品実装機を長期間停止させた時間であるエラー停止時間を長期間停止の発生状況としてエラーE11、E12、E13、E14毎にディスプレイ64に表示する(図5のグラフC3)。かかる構成では、管理者は、注目する部品実装機でのエラーE11、E12、E13、E14の発生状況を確認して、時間稼働率の低下の要因となるエラーE11、E12、E13、E14を特定することができる。その結果、管理者が時間稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0083】
また、時間稼働率の時間的変化を示すグラフB2(時間稼働率変化)がディスプレイ64に表示される。また、制御部61は、生産ラインLa、Lb、Lcが有する複数の部品実装機4a、4b、4cそれぞれへの段取作業を時間稼働率に相関を有する事象として扱う。そして、部品実装機4a、4b、4cの段取時間を段取作業の発生状況として部品実装機4a、4b、4c毎にディスプレイ64に表示する(図4のグラフC2)。かかる構成では、管理者は、生産ラインLa、Lb、Lcが有する部品実装機4a、4b、4cに対する段取作業の発生状況をグラフC2により確認して、時間稼働率の低下の要因となる段取作業を特定することができる。その結果、管理者が時間稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0084】
また、入力機器65は、段取時間がディスプレイ64のグラフC2に表示された複数の部品実装機4a、4b、4cから一の部品実装機を選択する操作を入力操作として受け付ける。また、制御部61は、一の部品実装機で生産した複数の基板品種K1、K2、K3のそれぞれについて、基板品種K1、K2、K3の生産のために要した段取時間を、段取作業の発生状況としてディスプレイ64に表示する(図6のグラフC4)。かかる構成では、管理者は、注目する部品実装機に対する段取作業の発生状況を、複数の基板品種K1、K2、K3のそれぞれについてグラフC4により確認して、時間稼働率の低下の要因となる段取作業を特定することができる。その結果、管理者が時間稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0085】
また、性能稼働率の時間的変化を示すグラフB3(性能稼働率変化)がディスプレイ64に表示される。また、制御部61は、生産ラインLa、Lb、Lcが有する複数の部品実装機4a、4b、4cそれぞれの短期間停止を性能稼働率に相関を有する事象として扱う。そして、制御部61は、部品実装機4a、4b、4cが短期間停止した時間である装置停止時間を短期間停止の発生状況として部品実装機4a、4b、4c毎にディスプレイ64に表示する(図7のグラフC5)。かかる構成では、管理者は、性能稼働率に相関を有する短期間停止の発生状況をグラフC5により確認して、性能稼働率の低下の要因となる短期間停止を特定することができる。その結果、管理者が性能稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0086】
また、入力機器65は、装置停止時間がディスプレイ64のグラフC5に表示された複数の部品実装機4a、4b、4cから一の部品実装機4を選択する操作を入力操作として受け付ける。また、制御部61は、一の部品実装機で生じた複数のエラーE21、E22、E23、E24それぞれを性能稼働率に相関を有する事象として扱う。そして、制御部61は、エラーE21、E22、E23、E24が一の部品実装機を短期間停止させた時間であるエラー停止時間を短期間停止の発生状況としてエラーE21、E22、E23、E24毎にディスプレイ64に表示する(図8のグラフC7)。かかる構成では、管理者は、注目する部品実装機でのエラーE21、E22、E23、E24の発生状況をグラフC7により確認して、性能稼働率の低下の要因となるエラーE21、E22、E23、E24を特定することができる。その結果、管理者が性能稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0087】
また、性能稼働率の時間的変化を示すグラフB3(性能稼働率変化)がディスプレイ64に表示される。また、制御部61は、生産ラインLa、Lb、Lcが有する複数の部品実装機4a、4b、4cそれぞれで生じた部品の吸着ミスを性能稼働率に相関を有する事象として扱う。そして、制御部61は、吸着ミスの発生状況を示す値(吸着ミスの発生回数あるいは吸着成功率)を吸着ミスの発生状況として部品実装機4a、4b、4c毎にディスプレイ64に表示する(図7のグラフC6)。かかる構成では、管理者は、各部品実装機4a、4b、4cにおける吸着ミスの発生状況をグラフC6により確認して、吸着ミスが頻発する部品実装機4a、4b、4cを特定することができる。その結果、管理者が性能稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0088】
また、入力機器65は、吸着ミスの発生状況を示す値がディスプレイ64に表示された複数の部品実装機4a、4b、4cから一の部品実装機を選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、部品実装機4a、4b、4cが複数の異なる吸着条件下で部品の吸着を実行するのに対して、制御部61は、これらから選択された一の部品実装機4における吸着ミスの発生回数を吸着条件毎にディスプレイ64に表示する(図9のグラフC9)。かかる構成では、管理者は、注目する部品実装機における吸着ミスの発生状況を吸着条件毎に確認して、吸着ミスが頻発する吸着条件を特定することができる。その結果、管理者が性能稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0089】
この際、吸着条件は、部品を識別するための部品ID、フィーダF、実装ヘッド45およびノズルのいずれかである。かかる構成では、管理者は、部品、フィーダF、実装ヘッド45あるいはノズルの違いが吸着ミスに与える影響を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0090】
また、良品率の時間的変化を示すグラフB4(良品率変化)がディスプレイ64に表示される。また、制御部61は、部品の実装不良を良品率に相関を有する事象として扱う。そして、実装不良の発生回数を実装不良の発生状況としてディスプレイ64に表示する(図10のグラフC9)。かかる構成では、管理者は、良品率に相関を有する部品の実装不良の発生回数をグラフC9により確認することができる。その結果、管理者が良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0091】
また、制御部61は、不良の発生回数を、部品の属性(部品IDあるいは部品種)の違いを示す複数の区分(上の例では、部品ID1、ID2、ID3)のそれぞれについてディスプレイに表示する(図10のグラフC9)。かかる構成では、管理者は、良品率に相関を有する部品の実装不良の発生回数を、部品の属性に応じてグラフC9により確認して、実装不良が頻発する部品を特定することができる。その結果、管理者が良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0092】
また、制御部61は、不良の発生回数を、不良要因の違いを示す複数の区分のそれぞれについてディスプレイ64に表示する(図10のグラフC9)。かかる構成では、管理者は、良品率に相関を有する部品の実装不良の発生回数を、当該実装不良の要因に応じてグラフC9により確認して、実装不良が頻発させる要因を特定することができる。その結果、管理者が良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0093】
また、入力機器65は、複数の区分から一の区分を選択する操作を入力操作として受け付ける。また、制御部61は、一の区分について発生した複数の不良それぞれを良品率に相関を有する事象として扱う。そして、制御部61は、複数の不良の内容をリスト形式でディスプレイ64に表示する(図11の不良ステップリストC10)。かかる構成では、管理者は、注目する部品属性あるいは不良要因について発生した複数の不良の内容を不良ステップリストC10により確認することができる。その結果、管理者が良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0094】
また、入力機器65は、不良ステップリストC10に表示された複数の不良のうちから一の不良を選択する操作を入力操作として受け付ける。また、制御部61は、生産ラインLa、Lb、Lcにおいて一の不良が生じた箇所(基板10における部品実装の対象箇所)をそれぞれ異なるタイミングで撮像した複数の画像I1~I5をディスプレイ64に表示する(図12の一覧表C11)。かかる構成では、管理者は、注目する不良が生じた箇所を撮像した複数の画像I1~I5に基づき、不良の発生状況を確認することができる。その結果、管理者が良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0095】
また、制御部61は、一の不良が発生した際の吸着条件をディスプレイ64に表示する(図12の一覧表C11)。かかる構成では、管理者は、注目する不良が発生した際の吸着条件をディスプレイ64により確認することができる。その結果、管理者が良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0096】
また、吸着条件は、部品を識別するための部品ID、フィーダF、実装ヘッド45およびノズルのうちのいずれかである。かかる構成では、管理者は、部品、フィーダ、実装ヘッドあるいはノズルの違いが不良の発生に与える影響を確認することができる。その結果、管理者が良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0097】
ところで、この実施形態では、エラーによって部品実装機に長期間停止が生じた時間を、複数のエラーE11、E12、E13、E14のそれぞれについて示すグラフC3がディスプレイ64に表示される(図5)。これに対して、管理者は、グラフC3に示される複数のエラーE11、E12、E13、E14のうちから1つを指定することで、一のエラーを選択する入力操作を入力機器65に実行できる。そして、制御部61は、この入力操作に応じて、部品実装機の停止を分析するための停止分析画面をディスプレイ64に表示する。なお、かかる停止分析画面は、長期間停止のみならず、短期間停止についても同様に表示される。ただし、これらの内容は共通するため、ここでは長期間停止を例示して説明を行う。
【0098】
図13は生産管理画面の一態様である停止分析画面の一例を模式的に示す図である。図13の設定部Saでは、部品実装機4a、4b、4cのうち対象となる一の部品実装機の装置名が設定可能となっている。ただし、グラフC3からこの停止分析画面に遷移した時点では、この停止分析画面に遷移するまでの経緯において選択された部品実装機4a(すなわち、グラフC1で選択された)が設定部Saに初期設定される。さらに、設定部Saでは、生産管理画面Sが停止分析画面であることに対応して、分析タイプとしてエラー停止が設定されている。
【0099】
詳細部Scでは、設定された一の部品実装機4aがエラーにより停止した回数が複数のエラーE11~E19のそれぞれについて示すグラフC12が表示される。管理者は、このグラフC12に基づき、一の部品実装機4aにおけるエラーE11~D19の発生状況を確認することができる。
【0100】
さらに、詳細部Scでは、図5のグラフC3のうちから選択された一のエラーに関与した複数の作業者(段取作業の実行者)のそれぞれについて、作業者の関与により一のエラーが発生した回数を示すグラフC13が表示される。ここで、エラーに関与した作業者とは、エラーの直前の段取作業を実行した作業者であり、換言すれば、当該エラーが生じた部品実装の準備である段取作業を実行した作業者である。こうして、複数の作業者O1、O2、O3、O4それぞれが関与したエラーの発生回数(すなわち、当該エラーによる部品実装機の停止回数)が示される。管理者は、このグラフC13に基づき、複数の作業者O1、O2、O3、O4それぞれについてエラーの発生状況を確認することができる。
【0101】
また、詳細部Scでは、図5のグラフC3のうちから選択された一のエラーの発生頻度を時系列で示したグラフC14が表示される。つまり、このグラフC14では、一定の時間間隔毎に一のエラーが生じた回数が示される。管理者は、このグラフC14に基づき、時系列におけるエラーの発生状況を確認することができる。
【0102】
なお、グラフC13およびグラフC14は、図13の停止分析画面に最初に遷移した時点では、図5のグラフC3のうちから選択された一のエラーについて表示する。ただし、グラフC12に表示された複数のエラーE11~E19のうちから別のエラーが入力機器65に対する入力操作により選択されると、グラフC13は別のエラーの発生回数(すなわち、別のエラーによる部品実装機の停止回数)を作業者O1~O4のそれぞれについて示すとともに、グラフC14は別のエラーの発生頻度を時系列で示す。
【0103】
かかる停止分析によれば、入力機器65は、エラー停止時間がディスプレイ64のグラフC3に表示された複数のエラーE11、E12、E13、E14のうちから一のエラーを選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、一のエラーに関与した複数の作業者O1、O2、O3、O4それぞれについて、作業者の関与により一のエラーが発生した回数をディスプレイ64に表示する(図13のグラフC13)。かかる構成では、管理者は注目するエラーに関与した複数の作業者O1、O2、O3、O4のそれぞれについてエラーの発生回数をグラフC13により確認して、エラーを頻発させている作業者O1を特定することができる。その結果、管理者が時間稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0104】
また、入力機器65は、エラー停止時間がディスプレイ64のグラフC3に表示された複数のエラーE11、E12、E13、E14のうちから一のエラーを選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、一のエラーの発生頻度を時系列でディスプレイ64に表示する(図13のグラフC14)。かかる構成では、管理者は、注目するエラーの発生頻度に基づき、このエラーが部品実装機4の停止に与える影響を確認することができる。その結果、管理者が時間稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0105】
なお、かかる停止分析画面による分析は、長期間停止のみならず短期間停止にも適応される。短期間停止に適応した場合には、性能稼働率についても同様の効果を得ることができる。
【0106】
ところで、この実施形態では、部品ID、フィーダF、実装ヘッド45およびノズルといった吸着条件と吸着ミスの発生状況との関係をグラフC8や一覧表C11に示す。これに対して、管理者がグラフC8あるいは一覧表C11に所定の操作(例えば、クリックやタッチ)を入力機器65に対して実行すると、制御部61は部品実装機における吸着を分析するための吸着分析画面をディスプレイ64に表示する。
【0107】
図14は生産管理画面の一態様である吸着分析画面の一例を模式的に示す図である。図14の設定部Saでは、部品実装機4a、4b、4cのうち対象となる一の部品実装機の装置名が設定可能となっておりここの例では、部品実装機4aが対象の一の部品実装機に設定されている。さらに、設定部Saでは、生産管理画面Sが吸着分析画面であることに対応して、分析タイプとして吸着ミス発生回数が設定されている。
【0108】
詳細部Scでは、設定された一の部品実装機4aにおける吸着ミスの発生回数と、部品ID、フィーダ、実装ヘッドおよびノズルといった各吸着条件との関係を示すグラフC15、C16、C17、C18が表示されている。
【0109】
グラフC15は、部品ID(吸着条件)と吸着ミスの発生回数との関係を示す。つまり、グラフC15では、複数の部品ID1~ID6のそれぞれの部品の吸着ミスの発生回数が示されている。管理者は、このグラフC15に基づき、部品IDの違いに応じた吸着ミスの発生回数の差を吸着ミスの発生状況として確認することができる。
【0110】
グラフC16は、フィーダ(吸着条件)と吸着ミスの発生回数との関係を示す。つまり、グラフC16では、複数のフィーダID1~ID6のそれぞれのフィーダFが供給した部品の吸着ミスの発生回数が示されている。管理者は、このグラフC16に基づき、部品を供給するフィーダFのフィーダID(すなわち、フィーダFの固体)の違いに応じた吸着ミスの発生回数の差を吸着ミスの発生状況として確認することができる。
【0111】
グラフC17は、実装ヘッド45(吸着条件)と吸着ミスの発生回数との関係を示す。つまり、グラフC17では、複数の実装ヘッド45a~45fのそれぞれによる部品の吸着ミスの発生回数が示されている。管理者は、このグラフC17に基づき、実装ヘッド45(すなわち、実装ヘッド45の固体)の違いに応じた吸着ミスの発生回数の差を吸着ミスの発生状況として確認することができる。
【0112】
グラフC18は、ノズルN(吸着条件)と吸着ミスの発生回数との関係を示す。つまり、グラフC18では、複数のノズルN1~N6のそれぞれによる部品の吸着ミスの発生回数が示されている。管理者は、このグラフC18に基づき、ノズルN(すなわち、ノズルNの固体)の違いに応じた吸着ミスの発生回数の差を吸着ミスの発生状況として確認することができる。
【0113】
このように、制御部61は、部品ID、フィーダF(すなわち、フィーダID)、実装ヘッド45およびノズルNそれぞれと、部品の吸着ミスの発生回数との関係をディスプレイ64に表示する(図14のグラフC14、C15、C16、C17)。かかる構成では、管理者は、部品ID、フィーダ、実装ヘッド45およびノズルNのそれぞれが吸着ミスの発生に与える影響を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0114】
さらに、入力機器65は、グラフC15に表示された複数の部品ID1~ID6のうちから、一の部品IDを選択する操作を入力操作として受け付ける。制御部61は、かかる入力操作に応じて、図15の内容をディスプレイ64に表示する。ここで、図15は生産管理画面の一態様である吸着分析画面の一例を模式的に示す図である。
【0115】
図15に示すように、詳細部Scには、グラフC19、C20、C21が表示される。グラフC19は、複数のフィーダID1、ID2、ID3、ID4それぞれのフィーダFが供給した当該一の部品IDの部品について発生した吸着ミスの回数を、各フィーダIDについて示す。グラフC20は、複数の実装ヘッド45a、45b、45c、45dのそれぞれによる当該一の部品IDの部品の吸着ミスの発生回数を、各実装ヘッド45について示す。グラフC21は、複数のノズルN1、N2、N3、N4のそれぞれによる当該一の部品IDの部品の吸着ミスの発生回数を、各ノズルNについて示す。なお、ここで示す一の部品IDとは、グラフC15で選択された部品IDである。この点は、以後の吸着分析画面の説明でも同様である。
【0116】
つまり、入力機器65がグラフC15の複数の部品IDのうちから一の部品IDを選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、フィーダF、実装ヘッド45およびノズルNのうちの少なくとも一の部材が関与した一の部品IDの部品の吸着ミスの発生回数を、当該一の部材と対応付けてディスプレイ64に表示する(グラフC19、C20、C21)。かかる構成では、管理者は、注目する部品IDと、この部品IDの部品の吸着に関与した部材(フィーダF、実装ヘッド45あるいはノズルN)との組み合わせが吸着ミスの発生に与える影響を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0117】
なお、図15では、ディスプレイ64の各グラフC19、C20、C21はそれぞれ対応する部材(フィーダF、実装ヘッド45、ノズルN)の固体別に吸着ミスの発生回数を表示する。すなわち、グラフC19は、フィーダID1、ID2、ID3、ID4で識別される互いに異なる個体である複数のフィーダFのそれぞれについて、吸着ミスの発生回数を表示する。グラフC20は、互いに異なる個体である複数の実装ヘッド45a、45b、45c、45dのそれぞれについて、吸着ミスの発生回数を表示する。グラフC21は、互いに異なる個体である複数のノズルN1、N2、N3、N4のそれぞれについて、吸着ミスの発生回数を表示する。
【0118】
これに対して、入力機器65は、ディスプレイ64のグラフC19、C20、C21に表示された各部材(フィーダF、実装ヘッド45、ノズルN)の複数の固体のうち、一の固体を選択する入力操作を受け付ける。そして、制御部61は、この入力操作に応じて、図16の内容をディスプレイ64に表示する。ここで、図16は生産管理画面の一態様である吸着分析画面の一例を模式的に示す図である。
【0119】
図16に示すように、詳細部Scには、グラフC19、C20、C21に併せて、グラフC22、C23、C24が表示される。これらグラフC22、C23、C24は、例えばフィーダID1、ID2、ID3、ID4で識別される互いに異なる個体である複数のフィーダFのうち、一のフィーダID1のフィーダFが選択された場合に、表示される。
【0120】
グラフC22は、入力機器65により選択されたフィーダID1のフィーダFが供給した一の部品IDの部品の吸着ミスの発生要因R1、R2、R3を示す。かかる要因R1、R2、R3としては、例えば、フィーダFからピックアップした部品が脱落したケースや、スプライシングされた部品供給テープの繋ぎ目の検出に失敗して空のポケットから部品をピックアップしようとしたケースが該当する。なお、ここの例では、グラフC19からフィーダID1で識別されるフィーダFの一の固体が選択された場合を示す。ただし、グラフC20から実装ヘッド45の一の固体が選択された場合や、グラフC21からノズルNの一の固体が選択された場合も、同様の表示が行われる。
【0121】
このように、制御部61は、一の部材(フィーダF、実装ヘッド45あるいはノズルN)の一の固体が関与した一の部品IDの部品の吸着ミスの発生要因R1、R2、R3をディスプレイ64に表示する(グラフC22)。かかる構成では、管理者は、注目する一の部材の固体が吸着ミスを生じた要因を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0122】
ここで、吸着ミスに関与した固体とは、上述のとおり固体がフィーダFである場合には、吸着ミスが生じた部品を供給したフィーダFであり、固体が実装ヘッド45である場合には、吸着ミスが生じた部品を吸着しようとした実装ヘッド45であり、固体がノズルNである倍には、吸着ミスが生じた部品を吸着しようとしたノズルNである。
【0123】
グラフC23は、入力機器65により選択されたフィーダID1のフィーダFが供給した一の部品IDの部品の吸着ミスの発生頻度を時系列で示す。なお、ここの例では、グラフC19からフィーダID1で識別されるフィーダFの一の固体が選択された場合を示す。ただし、グラフC20から実装ヘッド45の一の固体が選択された場合や、グラフC21からノズルNの一の固体が選択された場合も、同様の表示が行われる。
【0124】
このように、制御部61は、一の部材(フィーダF、実装ヘッド45あるいはノズルN)の一の固体が関与した一の部品IDの部品の吸着ミスの発生頻度を時系列でディスプレイ64に表示する(グラフC23)。かかる構成では、管理者は、注目する一の部材の固体が吸着ミスを生じた発生頻度を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0125】
グラフC24は、入力機器65により選択されたフィーダID1のフィーダFが供給した、一の部品IDと異なる部品IDの部品の吸着ミスの発生頻度を時系列で示す。なお、ここの例では、グラフC19からフィーダID1で識別されるフィーダFの一の固体が選択された場合を示す。ただし、グラフC20から実装ヘッド45の一の固体が選択された場合や、グラフC21からノズルNの一の固体が選択された場合も、同様の表示が行われる。
【0126】
このように、制御部61は、一の部材(フィーダF、実装ヘッド45あるいはノズルN)の一の固体が関与した一の部品IDと異なる部品IDの部品の吸着ミスの発生回数を、ディスプレイ64に表示する(グラフC24)。かかる構成では、管理者は、注目する一の部材の固体が、一の部品IDと異なる他の部品IDの部品について吸着ミスを生じた発生回数を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0127】
なお、上記の例では、グラフC15の複数の部品IDから一の部品IDを選択して、グラフC19~C24を表示する分析を行った。ただし、次に説明するように、グラフC16、C17、C18に対して同様の分析を実行可能である。
【0128】
つまり、入力機器65は、グラフC16の複数のフィーダIDのうちから一のフィーダIDを選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、部品、実装ヘッド45およびノズルNのうちの少なくとも一の部材が関与した一のフィーダF(すなわち、一のフィーダIDで識別されるフィーダF)が供給した部品の吸着ミスの発生回数を、当該一の部材と対応付けてディスプレイ64に表示する。かかる構成では、管理者は、注目するフィーダFと、このフィーダFにより供給された部品の吸着に関与した部材(部品、実装ヘッド45あるいはノズルN)との組み合わせが吸着ミスの発生に与える影響を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0129】
また、ディスプレイ64は、一の部材(部品、実装ヘッド45あるいはノズルN)の固体別(一の部材が部品の場合は、部品ID毎)に、各固体(あるいは部品ID)が関与した吸着ミス(一のフィーダFが供給した部品の吸着ミス)の発生回数を表示する。また、入力機器65は、ディスプレイ64に表示された一の部材(部品、実装ヘッド45あるいはノズルN)の複数の固体(あるいは部品ID)のうち、一の固体(あるいは部品ID)を選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、一の部材(部品、実装ヘッド45あるいはノズルN)の一の固体(あるいは部品ID)が関与した一のフィーダFが供給した部品の吸着ミスの発生要因をディスプレイ64に表示する。かかる構成では、管理者は、注目する一の部材(部品、実装ヘッド45あるいはノズルN)の固体(あるいは部品ID)について生じた吸着ミスの発生要因を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0130】
ここで、部品IDが関与した吸着ミスとは、当該部品IDの部品について発生した吸着ミスを意味する。この点は、以下も同様である。
【0131】
また、ディスプレイ64は、一の部材(部品、実装ヘッド45あるいはノズルN)の固体別(一の部材が部品の場合は、部品ID毎)に、各個体(あるいは部品ID)が関与した吸着ミス(一のフィーダFが供給した部品の吸着ミス)の発生回数を表示する。また、入力機器65は、ディスプレイ64に表示された一の部材(部品、実装ヘッド45あるいはノズルN)の複数の固体(あるいは部品ID)のうち、一の固体(あるいは部品ID)を選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、一の部材(部品、実装ヘッド45あるいはノズルN)の一の固体(あるいは部品ID)が関与した一のフィーダFが供給した部品の吸着ミスの発生頻度を時系列でディスプレイ64に表示する。かかる構成では、管理者は、注目する一の部材(部品、実装ヘッド45あるいはノズルN)の固体(あるいは部品ID)について生じた吸着ミスの発生頻度を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0132】
また、ディスプレイ64は、一の部材(部品、実装ヘッド45あるいはノズルN)の固体別(一の部材が部品の場合は、部品ID毎)に、各個体(あるいは部品ID)が関与した吸着ミス(一のフィーダFが供給した部品の吸着ミス)の発生回数を表示する。また、入力機器65は、ディスプレイ64に表示された一の部材(部品、実装ヘッド45あるいはノズルN)の複数の固体(あるいは部品ID)のうち、一の固体(あるいは部品ID)を選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、一の部材(部品、実装ヘッド45あるいはノズルN)の一の固体(あるいは部品ID)が関与した一のフィーダFと異なるフィーダFが供給した部品の吸着ミスの発生回数を、ディスプレイ64に表示する。かかる構成では、管理者は、注目する一の部材(部品、実装ヘッド45あるいはノズルN)の固体(あるいは部品ID)について生じた、一のフィーダFと異なる他のフィーダFにより供給された部品の吸着ミスの発生回数を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0133】
つまり、入力機器65は、グラフC17の複数の実装ヘッド45のうちから一の実装ヘッド45を選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、部品、フィーダFおよびノズルNのうちの少なくとも一の部材が関与した一の実装ヘッド45による部品の吸着ミスの発生回数を、当該一の部材と対応付けてディスプレイ64に表示する。かかる構成では、管理者は、注目する実装ヘッド45と、この実装ヘッド45による部品の吸着に関与する部材(部品、フィーダFあるいはノズルN)との組み合わせが吸着ミスの発生に与える影響を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0134】
また、ディスプレイ64は、一の部材(部品、フィーダFあるいはノズルN)の固体別(一の部材が部品の場合は、部品ID毎)に、各固体(あるいは部品ID)が関与した吸着ミス(一の実装ヘッド45による部品の吸着ミス)の発生回数を表示する。また、入力機器65は、ディスプレイ64に表示された一の部材(部品、フィーダFあるいはノズルN)の複数の固体(あるいは部品ID)のうち、一の固体(あるいは部品ID)を選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、一の部材(部品、フィーダFあるいはノズルN)の一の固体(あるいは部品ID)が関与した一の実装ヘッド45による部品の吸着ミスの発生要因をディスプレイ64に表示する。かかる構成では、管理者は、注目する一の部材(部品、実装ヘッド45あるいはノズルN)の固体(あるいは部品ID)について生じた吸着ミスの発生要因を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0135】
また、ディスプレイ64は、一の部材(部品、フィーダFあるいはノズルN)の固体別(一の部材が部品の場合は、部品ID毎)に、各個体(あるいは部品ID)が関与した吸着ミス(一の実装ヘッド45による部品の吸着ミス)の発生回数を表示する。また、入力機器65は、ディスプレイ64に表示された一の部材(部品、フィーダFあるいはノズルN)の複数の固体(あるいは部品ID)のうち、一の固体(あるいは部品ID)を選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、一の部材(部品、フィーダFあるいはノズルN)の一の固体(あるいは部品ID)が関与した一の実装ヘッド45による部品の吸着ミスの発生頻度を時系列でディスプレイ64に表示する。かかる構成では、管理者は、注目する一の部材(部品、フィーダFあるいはノズルN)の固体(あるいは部品ID)について生じた吸着ミスの発生頻度を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0136】
また、ディスプレイ64は、一の部材(部品、フィーダFあるいはノズルN)の固体別(一の部材が部品の場合は、部品ID毎)に、各個体(あるいは部品ID)が関与した吸着ミス(一の実装ヘッド45による部品の吸着ミス)の発生回数を表示する。また、入力機器65は、ディスプレイ64に表示された一の部材(部品、フィーダFあるいはノズルN)の複数の固体(あるいは部品ID)のうち、一の固体(あるいは部品ID)を選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、一の部材(部品、フィーダFあるいはノズルN)の一の固体(あるいは部品ID)が関与した一の実装ヘッド45と異なる実装ヘッド45による部品の吸着ミスの発生回数を、ディスプレイ64に表示する。かかる構成では、管理者は、注目する一の部材(部品、フィーダFあるいはノズルN)の固体(あるいは部品ID)について生じた、一の実装ヘッド45と異なる他の実装ヘッド45による部品の吸着ミスの発生回数を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0137】
つまり、入力機器65は、グラフC18の複数のノズルNのうちから一のノズルNを選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、部品、フィーダFおよび実装ヘッド45のうちの少なくとも一の部材が関与した一のノズルNによる部品の吸着ミスの発生回数を、当該一の部材と対応付けてディスプレイ64に表示する。かかる構成では、管理者は、注目するノズルNと、このノズルNによる部品の吸着に関与する部材(部品、フィーダFあるいは実装ヘッド45)との組み合わせが吸着ミスの発生に与える影響を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0138】
また、ディスプレイ64は、一の部材(部品、フィーダFあるいは実装ヘッド45)の固体別(一の部材が部品の場合は、部品ID毎)に、各固体(あるいは部品ID)が関与した吸着ミス(一のノズルNによる部品の吸着ミス)の発生回数を表示する。また、入力機器65は、ディスプレイ64に表示された一の部材(部品、フィーダFあるいは実装ヘッド45)の複数の固体(あるいは部品ID)のうち、一の固体(あるいは部品ID)を選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、一の部材(部品、フィーダFあるいは実装ヘッド45)の一の固体(あるいは部品ID)が関与した一のノズルNによる部品の吸着ミスの発生要因をディスプレイ64に表示する。かかる構成では、管理者は、注目する一の部材(部品、フィーダFあるいは実装ヘッド45)の固体(あるいは部品ID)について生じた吸着ミスの発生要因を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0139】
また、ディスプレイ64は、一の部材(部品、フィーダFあるいは実装ヘッド45)の固体別(一の部材が部品の場合は、部品ID毎)に、各個体(あるいは部品ID)が関与した吸着ミス(一のノズルNによる部品の吸着ミス)の発生回数を表示する。また、入力機器65は、ディスプレイ64に表示された一の部材(部品、フィーダFあるいは実装ヘッド45)の複数の固体(あるいは部品ID)のうち、一の固体(あるいは部品ID)を選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、一の部材(部品、フィーダFあるいは実装ヘッド45)の一の固体(あるいは部品ID)が関与した一のノズルNによる部品の吸着ミスの発生頻度を時系列でディスプレイ64に表示する。かかる構成では、管理者は、注目する一の部材(部品、フィーダFあるいは実装ヘッド45)の固体(あるいは部品ID)について生じた吸着ミスの発生頻度を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0140】
また、ディスプレイ64は、一の部材(部品、フィーダFあるいは実装ヘッド45)の固体別(一の部材が部品の場合は、部品ID毎)に、各個体(あるいは部品ID)が関与した吸着ミス(一のノズルNによる部品の吸着ミス)の発生回数を表示する。また、入力機器65は、ディスプレイ64に表示された一の部材(部品、フィーダFあるいは実装ヘッド45)の複数の固体(あるいは部品ID)のうち、一の固体(あるいは部品ID)を選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、一の部材(部品、フィーダFあるいは実装ヘッド45)の一の固体(あるいは部品ID)が関与した一のノズルNと異なるノズルNによる部品の吸着ミスの発生回数を、ディスプレイ64に表示する。かかる構成では、管理者は、注目する一の部材(部品、フィーダFあるいは実装ヘッド45)の固体(あるいは部品ID)について生じた、一のノズルNと異なる他のノズルNによる部品の吸着ミスの発生回数を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0141】
ところで、部品IDと一の部材(フィーダF、実装ヘッド45あるいはノズルN)との組み合わせについて生じた吸着ミスの発生頻度が時系列で示すグラフC23がディスプレイ64に表示される。また、先に説明したように、部品ID、フィーダF、実装ヘッド45およびノズルNのうちの2つの他の組み合わせについて生じた吸着ミスについても同様に、その発生頻度を時系列で示したグラフがディスプレイ64に表示される。
【0142】
これに対して、入力機器65は、部品ID、フィーダF、実装ヘッド45およびノズルNのうちの2つの組み合わせについて生じた吸着ミスの発生頻度を選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、この入力操作に応じて、図17の内容をディスプレイ64に表示する。ここで、図17は生産管理画面の一態様である吸着分析画面の一例を模式的に示す図である。
【0143】
図17に示すように、設定部Saでは、部品ID、フィーダF(フィーダID)、実装ヘッド45およびノズルNといった吸着条件を設定することが可能となっている。また、設定部Saでは、次に説明するグラフC26に表示する事項のタイプを設定可能となっている。
【0144】
詳細部Scに表示されるグラフC25は、吸着ミスの発生頻度を時系列で示すものであり、図16のグラフ23と同じである。一方、詳細部Scに表示されるグラフC26は、吸着ミス以外の事項の発生頻度を時系列で示す。この吸着ミス以外の事項には、段取作業を行う作業者が実行する事項と、部品実装機4が実行する事項との2つのタイプがあり、上記のように設定部Saにおいていずれかのタイプを設定可能である。
【0145】
詳細部Scに表示されるグラフC27は、グラフC27で示される吸着ミスの詳細を表示し、具体的には、吸着ミスの発生日時、吸着ミスが生じた部品を供給したフィーダFのフィーダID、吸着ミスの名称および吸着ミスの発生要因を、吸着ミス毎に表示する。また、詳細部Scに表示されるグラフC28は、グラフC27で示される事項の詳細を表示し、当該事項の発生日時、名称および作業者が表示される。
【0146】
このように、制御部61は、吸着ミスの発生頻度と、吸着ミス以外の事項の発生頻度とを時系列でディスプレイ64に表示する。かかる構成では、管理者は、吸着ミスの発生に影響する、吸着ミス以外の事項を確認することができる。その結果、管理者が性能稼働率あるいは良品率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0147】
ところで、図6に示したように、この実施形態では、指定日において一の部品実装機4aで生産した複数の基板品種K1、K2、K3のそれぞれについて、当該基板品種K1、K2、K3の生産のために要した段取時間を示すグラフC4が詳細部Scに表示される。管理者は、グラフC4に対して、段取時間がディスプレイ64に表示された複数の基板品種K1、K2、K3のうちから、一の基板品種を選択する操作を入力操作として入力機器65に実行できる。そして、制御部61は、この入力操作に応じて、図18の内容をディスプレイ64に表示する。ここで、図18は生産管理画面の一態様である段取分析画面の一例を模式的に示す図である。
【0148】
設定部Saでは、生産ラインLa、Lb、Lcのうちから2本のライン名を指定できる。つまり、生産現場では、例えば2本の生産ラインLa、Lbの間に配置された作業者が、これらに対して段取作業を実行する場合がある。かかる場合、作業者は、生産ラインLaについては後側(Y方向の一方側)の部品供給部42に段取作業を行うとともに、生産ラインLbについては前側(Y方向の他方側)の部品供給部42に段取作業を行う。さらに、設定部Saでは、段取作業を実行した作業者を設定できる。そして、図18の例では、図6のグラフC4の複数の基板品種K1、K2、K3から選択された例えば一の基板品種K1の生産のために、作業者O1が生産ラインLaの後側と生産ラインLbの前側に実行した段取作業のタイミングが詳細部Scに表示される。
【0149】
つまり、詳細部Scに表示されるグラフC29は、生産ラインLaが有する複数の部品実装機4a、4b、4cそれぞれの後側に対する、基板品種K1の生産ための段取作業の実行タイミングを時系列で表示する。また、詳細部Scに表示されるグラフC30は、生産ラインLbが有する複数の部品実装機4a、4b、4cそれぞれの前側に対する、基板品種K1の生産ための段取作業の実行タイミングを時系列で表示する。
【0150】
さらに、詳細部Scでは、リストC31、C32が表示される。リストC31は、グラフC29、C30に示す段取作業の詳細、具体的には、段取作業の日時、段取作業の内容、段取作業の対象となったライン名、段取作業の対象となった装置名(部品実装機名)、段取作業に要した時間および段取作業を実行した作業者を表示する。また、リストC31は、グラフC29、C30に示す段取作業が必要となったエラーの詳細、具体的には、エラーの発生日時、エラー名、エラーが生じたライン名およびエラーが生じた装置名(部品実装機名)を表示する。
【0151】
このように、入力機器65は、段取時間がディスプレイ64に表示された複数の基板品種K1、K2、K3のうちから一の基板品種を選択する操作を入力操作として受け付ける。そして、制御部61は、一の基板品種の生産のための段取作業の実行タイミングを時系列でディスプレイ64に表示する(グラフC29、C30)。かかる構成では、管理者は、注目する基板品種のための段取作業の実行タイミングを時系列で確認して、時間稼働率の低下の要因となる段取作業を特定することができる。その結果、管理者が時間稼働率の低下に対して有効な対策を容易に採ることが可能となる。
【0152】
このように本実施形態では、管理装置6が本発明の「部品実装管理装置」の一例に相当し、制御部61が本発明の「制御部」の一例に相当し、ディスプレイ64が本発明の「ディスプレイ」の一例に相当し、入力機器65が本発明の「操作部」の一例に相当し、生産管理プログラム621が本発明の「部品実装管理プログラム」の一例に相当し、記録媒体69が本発明の「記録媒体」の一例に相当し、生産ラインLa、Lb、Lcが本発明の「部品実装システム」の一例を構成し、グラフB2、B3、B4のそれぞれが本発明の「構成要素時間変化」の一例に相当し、時間稼働率、性能稼働率および良品率のそれぞれが本発明の「OEEの構成要素」の一例に相当する。
【0153】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、基板生産設備1が備える生産ラインLの本数は、上記の例に限られず、例えば1本でもよい。 また、生産ラインLを構成する部品実装機4の個数も適宜変更できる。
【0154】
また、図3において、OEEの構成要素として、時間稼働率、性能稼働率および良品率の全てを表示することは必須ではない。したがって、これらのうちの1つを表示するように構成してもよい。
【0155】
また、詳細部Scにおける各種表示C1~C32の全てを表示する機能を管理装置6が備えることは必須ではない。したがって、これらの表示C1~C32のうちの一部を表示し、他を表示しないように管理装置6を構成してもよい。
【0156】
また、グラフC3で示したエラーE11、E12、E13、E14およびグラフC7で示したエラーE21、E22、E23、E24の具体的な内容は種々考えられる。例えば、フィーダFからの部品吸着のエラー、部品認識カメラ46による部品認識のエラー、コンベア41による基板10の搬送のエラーあるいは基板10のデータエラー等が具体例として挙げられる。
【0157】
さらに、これらのエラーのうち、いずれが第1種停止(ドカ停)の要因であり、いずれが第2種停止(チョコ停)の要因であるかを判断する基準も上述の通り、種々想定できる。つまり、基準時間(例えば、5分)以上の停止か否かで類別してもよいし、管理者が予め分類しておいてもよい。
【符号の説明】
【0158】
1…基板生産設備
6…管理装置(部品実装管理装置)
61…制御部
64…ディスプレイ
65…入力機器(操作部)
621…生産管理プログラム(部品実装管理プログラム)
69…記録媒体
La、Lb、Lc…生産ライン(部品実装システム)
B2、B3、B4…グラフ(構成要素時間変化)
図1
図2
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図5
図6
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