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特許7176203端末装置のためのコンピュータプログラムと端末装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】端末装置のためのコンピュータプログラムと端末装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20221115BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20221115BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20221115BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20221115BHJP
【FI】
H04W76/10
H04N1/00 127B
H04W88/06
H04W84/10 110
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018037899
(22)【出願日】2018-03-02
(65)【公開番号】P2019153929
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-02-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阮 竜竜
【審査官】吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-129998(JP,A)
【文献】特開2004-304732(JP,A)
【文献】国際公開第2016/013119(WO,A1)
【文献】特開2013-214804(JP,A)
【文献】特開2016-168708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、
機能実行装置が実行可能な特定の機能の利用指示が入力される場合に、前記特定の機能の実行のための設定情報を入力するための設定画面を前記端末装置の表示部に表示させる第1の表示制御部と、
前記設定画面において前記設定情報が入力される場合に、前記設定情報の確認画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御部と、
前記設定画面において前記設定情報が入力されてから所定時間が経過した後に、前記端末装置の第1の無線インターフェースを介した通信の実行を指示する通信実行指示を前記端末装置のOS(Operating Systemの略)プログラムに供給する第1の供給部であって、
前記設定画面において前記設定情報が入力される前に、前記通信実行指示は前記OSプログラムに供給されず、
前記OSプログラムは、前記通信実行指示を取得することに応じて、前記第1の無線インターフェースを介した通信を実行可能であることを示す所定画面を、前記確認画面よりも優先的に前記表示部に表示させ、
前記OSプログラムは、前記通信実行指示を取得することに応じて信号送信指示を前記第1の無線インターフェースに供給し、
前記第1の無線インターフェースは、前記信号送信指示を取得することに応じてポーリング信号の送信を開始し、前記ポーリング信号を前記機能実行装置に送信することに応じて前記機能実行装置と第1の無線接続を確立し、前記第1の無線接続を利用した接続情報の通信を前記機能実行装置と実行し、
前記OSプログラムは、前記接続情報を利用して、前記端末装置の前記第1の無線インターフェースとは異なる第2の無線インターフェースを介した第2の無線接続であって、前記機能実行装置との通信を実行するための前記第2の無線接続を確立する、前記第1の供給部と、
前記第2の無線接続が確立される場合に、前記第2の無線接続を利用して、前記第2の無線インターフェースを介して、前記設定情報に従った前記特定の機能を前記機能実行装置に実行させるための機能実行要求を前記機能実行装置に送信する第1の要求送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記OSプログラムは、前記接続情報を利用して、前記第2の無線インターフェースを介した前記第2の無線接続を前記機能実行装置と確立する、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記第1の無線インターフェースは、NFC(Near Field Communicationの略)方式に従った無線通信を実行するためのインターフェースであり、
前記第2の無線インターフェースは、Wi-Fi方式に従った無線通信を実行するためのインターフェースである、請求項1又は2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
端末装置であって、
表示部と、
第1の無線インターフェースと、
前記第1の無線インターフェースとは異なる第2の無線インターフェースと、
機能実行装置が実行可能な特定の機能の利用指示が入力される場合に、前記特定の機能の実行のための設定情報を入力するための設定画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御部と、
前記設定画面において前記設定情報が入力される場合に、前記設定情報の確認画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御部と、
前記設定画面において前記設定情報が入力されてから所定時間が経過した後に、前記第1の無線インターフェースを介した通信の実行を指示する通信実行指示を前記端末装置のOS(Operating Systemの略)プログラムに供給する第1の供給部であって、
前記設定画面において前記設定情報が入力される前に、前記通信実行指示は前記OSプログラムに供給されず、
前記OSプログラムは、前記通信実行指示を取得することに応じて、前記第1の無線インターフェースを介した通信を実行可能であることを示す所定画面を、前記確認画面よりも優先的に前記表示部に表示させ、
前記OSプログラムは、前記通信実行指示を取得することに応じて信号送信指示を前記第1の無線インターフェースに供給し、
前記第1の無線インターフェースは、前記信号送信指示を取得することに応じてポーリング信号の送信を開始し、前記ポーリング信号を前記機能実行装置に送信することに応じて前記機能実行装置と第1の無線接続を確立し、前記第1の無線接続を利用した接続情報の通信を前記機能実行装置と実行し、
前記OSプログラムは、前記接続情報を利用して、前記第2の無線インターフェースを介した第2の無線接続であって、前記機能実行装置との通信を実行するための前記第2の無線接続を確立する、前記第1の供給部と、
前記第2の無線接続が確立される場合に、前記第2の無線接続を利用して、前記第2の無線インターフェースを介して、前記設定情報に従った前記特定の機能を前記機能実行装置に実行させるための機能実行要求を前記機能実行装置に送信する第1の要求送信部と、
を備える、端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、機能実行要求を機能実行装置に送信するための技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印刷データを携帯端末からMFP(Multifunction Peripheralの略)に送信するための技術が開示されている。ユーザは、携帯端末を操作して、印刷指示を生成するためのアプリケーションプログラムを起動し、携帯端末をMFPに近づける。この場合、携帯端末とMFPとの間にNFC(Near Field Communicationの略)接続が確立される。携帯端末は、NFC接続を利用して印刷指示をMFPに送信し、MFPからSSID(Service Set IDentifierの略)等を受信し、受信済みのSSID等を利用してWFD(Wi-Fi Direct(登録商標)の略)接続をMFPと確立する。これにより、携帯端末は、WFD接続を利用して、印刷データをMFPに送信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-214804号公報
【文献】特開2001-111760号公報
【文献】特開2016-139917号公報
【文献】特開2017-034379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の文献には、ユーザが印刷のための設定情報(例えば、用紙サイズ、色数等)を入力することについて、何ら開示されていない。仮に、ユーザによって設定情報が入力される前にWFD接続が確立されると、例えばデフォルトの設定情報を利用して印刷データがMFPに送信され得るので、ユーザの意図とは異なる設定情報に従った印刷が実行され得る。
【0005】
本明細書では、ユーザによって入力された設定情報に従った特定の機能を機能実行装置に実行させるための技術を提供する。
【0006】
本明細書では、端末装置のためのコンピュータプログラムを開示する。コンピュータプログラムは、前記端末装置のコンピュータを、機能実行装置が実行可能な特定の機能の利用指示が入力される場合に、前記特定の機能の実行のための設定情報を入力するための設定画面を前記端末装置の表示部に表示させる第1の表示制御部と、前記設定画面において前記設定情報が入力された後に、前記端末装置の第1の無線インターフェースを介した通信の実行を指示する通信実行指示を前記端末装置のOS(Operating Systemの略)プログラムに供給する第1の供給部であって、前記設定画面において前記設定情報が入力される前に、前記通信実行指示は前記OSプログラムに供給されず、前記OSプログラムは、前記通信実行指示を取得することに応じて信号送信指示を前記第1の無線インターフェースに供給し、前記第1の無線インターフェースは、前記信号送信指示を取得することに応じてポーリング信号の送信を開始し、前記ポーリング信号を前記機能実行装置に送信することに応じて前記機能実行装置と第1の無線接続を確立し、前記第1の無線接続を利用した接続情報の通信を前記機能実行装置と実行し、前記OSプログラムは、前記接続情報を利用して、前記端末装置の前記第1の無線インターフェースとは異なる第2の無線インターフェースを介した第2の無線接続であって、前記機能実行装置との通信を実行するための前記第2の無線接続を確立する、前記第1の供給部と、前記第2の無線接続が確立される場合に、前記第2の無線接続を利用して、前記第2の無線インターフェースを介して、前記設定情報に従った前記特定の機能を前記機能実行装置に実行させるための機能実行要求を前記機能実行装置に送信する第1の要求送信部と、として機能させる。
【0007】
このような構成によれば、端末装置は、設定画面において設定情報が入力される前に、通信実行指示をOSプログラムに供給しない。従って、ユーザによって設定情報が入力される前に、第2の無線接続が確立されて、例えばデフォルトの設定情報を利用して機能実行要求が機能実行装置に送信されることを抑制することができる。そして、端末装置は、設定画面において設定情報が入力された後に、通信実行指示をOSプログラムに供給する。これにより、OSプログラムから第1の無線インターフェースに信号送信指示が供給され、第1の無線インターフェースと機能実行装置との間で接続情報の通信が実行され、第2の無線インターフェースを介した第2の無線接続が確立される。この結果、端末装置は、第2の無線接続を利用して、ユーザによって入力された設定情報に従った特定の機能を機能実行装置に実行させるための機能実行要求を機能実行装置に送信することができる。
【0008】
上記のコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記憶媒体も新規で有用である。また、上記の端末装置そのもの及び端末装置によって実行される方法も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】印刷処理のシーケンス図を示す。
図3】携帯端末が表示する各画面を示す。
図4】第2実施例の携帯端末の処理のフローチャートを示す。
図5】Wi-Fi接続が確立されていないケースAにおけるシーケンス図を示す。
図6】Wi-Fi接続が確立されているケースBにおけるシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;図1
図1に示されるように、通信システム2は、携帯端末10と多機能機100とを備える。各装置10、100は、NFC(Near Field Communicationの略)方式に従った無線通信(即ちいわゆる近距離無線通信の一種)と、Wi-Fi方式に従った無線通信と、を相互に実行可能である。
【0011】
(多機能機100の構成)
多機能機100は、印刷機能及びスキャン機能を含む多機能を実行可能な周辺装置(即ち携帯端末10の周辺装置)である。多機能機100は、NFCインターフェース114と、Wi-Fiインターフェース116と、を備える。なお、以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する場合がある。
【0012】
Wi-FiI/F116は、Wi-Fi方式に従った無線通信を実行するためのI/Fである。Wi-Fi方式は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば、802.11a,11b,11g,11n等)に従って、無線通信を実行するための無線通信方式である。Wi-FiI/F116は、特に、Wi-Fi Allianceによって策定されたWFD(Wi-Fi Direct(登録商標)の略)方式をサポートしている。WFD方式は、Wi-Fi Allianceによって作成された規格書「Wi-Fi Peer-to-Peer (P2P) Technical Specification Version1.1」に記述されている無線通信方式である。
【0013】
多機能機100は、WFD方式のG/O(Group Ownerの略)状態、CL(Clientの略)状態、及び、デバイス状態のいずれかの状態で動作することができる。多機能機100は、WFD方式のG/Oとして動作して、多機能機100及び外部装置(例えば携帯端末10)が所属するWi-Fiネットワークを形成可能である。この場合、多機能機100は、外部装置を子局としてWi-Fiネットワークに参加させることができる。なお、変形例では、多機能機100は、SoftAPとして動作して、多機能機100と外部装置が所属するネットワークを形成してもよい。
【0014】
NFCI/F114は、NFC方式に従った無線通信を実行するための無線I/Fである。NFC方式は、例えば、ISO/IEC21481又は18092の国際標準規格に基づく無線通信方式である。NFCI/F114は、NFCフォーラムタグである。NFCフォーラムタグは、NFC方式に従ったIC(Integrated Circuitの略)タグとして機能するインターフェースである。NFCI/F114は、外部装置(例えば携帯端末10)からポーリング信号を受信する場合に、ポーリング信号に対する応答信号を外部装置に送信して、外部装置とのNFC接続を確立する。
【0015】
NFCI/F114は、接続情報CIを記憶する。接続情報CIは、多機能機100が親局として動作するWi-Fiネットワークに外部装置を参加させるための情報であり、Wi-Fiネットワークを識別するためのSSID(Service Set IDentifierの略)「xxx」と、パスワード「1234」と、を含む。SSID「xxx」及びパスワード「1234」は、多機能機100によって生成されてNFCI/F114に記憶される。
【0016】
ここで、Wi-FiI/FとNFCI/Fとの間の相違点を説明しておく。Wi-FiI/Fを介した無線通信の通信速度(例えば最大の通信速度が11~600Mbps)は、NFCI/Fを介した無線通信の通信速度(例えば最大の通信速度が100~424Kbps)よりも速い。また、Wi-FiI/Fを介した無線通信に利用される周波数(例えば2.4GHz帯又は5.0GHz帯)は、NFCI/Fを介した無線通信に利用される周波数(例えば13.56MHz帯)とは異なる。また、Wi-FiI/Fを介した無線通信を実行可能な最大の距離(例えば最大で約100m)は、NFCI/Fを介した無線通信を実行可能な最大の距離(例えば最大で約10cm)よりも大きい。
【0017】
(携帯端末10の構成)
携帯端末10は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC等の可搬型の端末である。携帯端末10は、表示部12と、NFCI/F14と、Wi-FiI/F16と、制御部20と、を備える。各部12~20はバス線(符号省略)に接続されている。
【0018】
表示部12は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部12は、いわゆるタッチパネルとして機能する。即ち、表示部12は、ユーザによって操作される操作部としても機能する。
【0019】
NFCI/F14は、NFC方式に従ったNFC通信を実行するための無線I/Fであり、NFCフォーラムデバイスである。NFCフォーラムデバイスは、P2P(Peer to Peerの略)モードと、R/W(Reader/Writerの略)モードと、CE(Card Emulationの略)モードと、のいずれかのモードで選択的に動作可能なI/Fである。NFCI/F14は、少なくともR/Wモードで動作可能である。NFCI/F14は、Readerモードで動作する場合に、多機能機100のNFCI/F114からのデータの読み出し、即ち、NFCI/F114からのデータの受信を実行することができる。また、NFCI/F114は、Writerモードで動作する場合に、NFCI/F114へのデータの書き込み、即ち、NFCI/F114へのデータの送信を実行することができる。
【0020】
Wi-FiI/F16は、多機能機100のWi-FiI/F116と同様である。ただし、Wi-FiI/F16は、WFD方式をサポートしていない。Wi-FiI/F16は、多機能機100のWi-FiI/F116との無線接続を確立して、多機能機100が親局として動作するWi-Fiネットワークに子局(いわゆるレガシー)として参加することができる。
【0021】
制御部20は、CPU22とメモリ24とを備える。CPU22は、メモリ24に記憶されているプログラム26、28に従って、様々な処理を実行する。メモリ24は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ24は、基本的な処理を実現するためのOSプログラム(Operating Systemの略)26と、印刷スキャンアプリケーションプログラム(以下では「印刷スキャンアプリ」と呼ぶ)28と、複数個の画像を表わす複数個の画像情報(即ち複数個の画像ファイル)IM1~IM3と、を記憶する。なお、本実施例では、OSプログラム26がiOS(登録商標)である状況を想定している。
【0022】
印刷スキャンアプリ28は、多機能機100のベンダによって提供されるプログラムであり、印刷又はスキャンを多機能機100に実行させるための実行要求を多機能機100に送信するためのプログラムである。印刷スキャンアプリ28は、例えば、ベンダによって提供されるインターネット上のサーバ(図示省略)から携帯端末10にインストールされてもよいし、多機能機100と共に出荷されるメディアから携帯端末10にインストールされてもよい。
【0023】
(印刷処理;図2及び図3
図2及び図3を参照して、携帯端末10が多機能機100に印刷を実行させるための処理を説明する。なお、以下では、理解の容易さの観点から、携帯端末10のCPU22がOSプログラム26に従って実行する処理を、CPU22を主体として説明せず、OSプログラム26を主体として説明する。また、同様に、CPU22が印刷スキャンアプリ28に従って実行する処理を、CPU22を主体として説明せず、印刷スキャンアプリ28を主体として説明する。
【0024】
T10では、印刷スキャンアプリ28(以下、「アプリ28」と省略して呼ぶ)を起動する操作がユーザによって携帯端末10に実行され、この結果、アプリ28が起動する。T12では、アプリ28は、メニュー画面SC1を表示部12に表示させる。図3に示すように、メニュー画面SC1は、多機能機100の印刷機能を利用する指示を受け付けるための印刷ボタンB1と、多機能機100のスキャン機能を利用する指示を受け付けるためのスキャンボタンB2と、を含む。T14では、アプリ28は、印刷ボタンB1の選択を受け付ける。
【0025】
T16では、アプリ28は、画像選択画面SC2を表示部12に表示させる。画像選択画面SC2は、多機能機100によって印刷されるべき画像を表わす画像情報を選択するための画面である。図3に示すように、画像選択画面SC2は、メモリ24内の複数個の画像情報IM1~IM3によって表わされる複数個のサムネイル画像SI1~SI3を含む。T18では、アプリ28は、複数個のサムネイル画像SI1~SI3の中から、画像情報IM1によって表わされるサムネイル画像SI1の選択をユーザから受け付ける。
【0026】
T20では、アプリ28は、設定画面SC3を表示部12に表示させる。設定画面SC3は、印刷機能の実行のための設定情報を入力するための画面である。図3に示すように。設定画面SC3は、入力欄IF3と、OKボタンB3と、を含む。入力欄IF3は、印刷機能を実行するための複数個の設定項目(例えば、用紙サイズ、色数)に対応する複数個の設定値(例えば、用紙サイズ「A4」、色数「カラー」)を入力するための欄である。OKボタンB3は、設定情報の入力が完了した場合に、ユーザによって選択されるボタンである。T22では、アプリ28は、設定情報(即ち複数個の設定値)の入力とOKボタンB3の選択とをユーザから受け付ける。
【0027】
T24では、アプリ28は、プレビュー画像PI1を含むプレビュー画面SC4(図3参照)を表示部12に表示させる。具体的には、アプリ28は、設定画面SC3において入力された設定情報に従って、T18で選択されたサムネイル画像SI1に対応する画像情報IM1を変換して、多機能機100で印刷されるべき画像を表わすプレビュー画像情報を生成する。そして、アプリ28は、生成済みのプレビュー画像情報によって表わされるプレビュー画像PI1を含むプレビュー画面SC4を表示部12に表示させる。また、プレビュー画面SC4は、キャンセルボタンB4を含む。キャンセルボタンB4は、設定情報の再入力の指示をユーザから受け付けるためのボタンである。キャンセルボタンB4が選択されると、設定画面SC3が再び表示される。また、プレビュー画面SC4は、プレビュー画像PI1の拡大及び縮小のための拡大縮小操作を受け付けることが可能である。
【0028】
また、T26では、アプリ28は、設定画面SC3においてOKボタンB3が選択されることをトリガとして、通信実行指示をOSプログラム26に供給する。別言すれば、アプリ28は、アプリ28の起動時から設定画面SC3においてOKボタンB3が選択されるまでの間、通信実行指示をOSプログラム26に供給しない。通信実行指示は、NFCI/F14を介したポーリング信号の送信を指示するためのコマンドである。ここで、アプリ28は、プレビュー画面SC4を表示部12に表示してから(即ち設定画面SC3においてOKボタンB3が選択されてから)所定時間(例えば5秒)が経過した後に、通信実行指示をOSプログラム26に供給する。所定時間は、多機能機100のベンダによって予め決定された時間である。また、所定時間は、アプリ28が多機能機100にインストールされた後に、アプリ28の更新等によって変更されてもよい。また、アプリ28は、プレビュー画面SC4において拡大縮小操作を受け付けている間、所定時間のカウントを中断してもよいし、拡大縮小操作を受け付けた場合に所定時間のカウントを消去して、拡大縮小操作が終了したタイミングから再び所定時間のカウントを開始してもよい。また、拡大縮小操作を受け付けた場合には、所定時間のカウントの終了によって所定時間が経過したと判断されても、通信実行指示をOSプログラム26に供給しない構成であってもよい。即ち、一般的には、プレビュー画面SC4を介してユーザから操作を受け付ける場合に、所定時間のカウントを中断する、所定時間のカウントを消去する、又は、所定時間のカウントの終了によって所定時間が経過したと判断されても通信実行指示をOSプログラム26に供給しない構成であってもよい。
【0029】
OSプログラム26は、T26において、アプリ28から通信実行指示を取得すると、T28において、信号送信指示をNFCI/F14に供給する。信号送信指示は、ポーリング信号の送信をNFCI/F14に開始させるためのコマンドである。
【0030】
また、OSプログラム26は、T26において、アプリ28から信号送信指示を取得すると、T30において、NFC画面SC5(図3参照)を表示部12に表示させる。NFC画面SC5は、NFCI/F14を介した通信を実行可能であることを示す画面であり、具体的には、携帯端末10を多機能機100に近づけることを促すメッセージを含む。図3に示すように、NFC画面SC5は、プレビュー画面SC4よりも前面に表示される。NFC画面SC5は、プレビュー画面SC4の一部(即ち、図3の例ではプレビュー画像PI1の下部及びキャンセルボタンB4)と重なっている。このため、NFC画面SC5が表示されると、プレビュー画面SC4の一部が見えなくなる。即ち、NFC画面SC5は、プレビュー画面SC4よりも優先的に表示される。また、NFC画面SC5よりも後面に表示される画面は操作を受け付けることができない。このため、仮に、NFC画面SC5がプレビュー画面SC4のキャンセルボタンB4と重なっていなくても、ユーザはキャンセルボタンB4を選択することができない。なお、NFC画面SC5の表示はOSプログラム26によって実行され、アプリ28は、NFC画面SC5を表示しないことをOSプログラム26に指示することができない。
【0031】
例えば、プレビュー画面SC4の表示の直後に通信実行指示がOSプログラム26に供給される比較例が想定される。この場合、プレビュー画面SC4の表示の直後にOSプログラム26によってNFC画面SC5が表示されるので、ユーザがプレビュー画面SC4の一部を見ることができない。本実施例では、プレビュー画面SC4の表示から所定時間経過した後に通信実行指示がOSプログラム26に供給される。このため、プレビュー画面SC4の表示から所定時間経過するまでNFC画面SC5が表示されず、この結果、ユーザは、プレビュー画面SC4の全体を確認することができる。なお、変形例では、上記の比較例の構成を採用してもよい。
【0032】
NFCI/F14は、T28において、OSプログラム26から信号送信指示を取得すると、T32Aにおいて、ポーリング信号の送信を開始する。ユーザは、携帯端末10に表示されたNFC画面SC5を見て、携帯端末10を多機能機100に近づける。これにより、T32Bでは、NFCI/F14と多機能機100のNFCI/F114との間の距離が所定の距離(例えば10cm)以下となり、ポーリング信号が多機能機100によって受信される。
【0033】
T50では、NFCI/F14は、多機能機100のNFCI/F114からポーリング信号に対する応答信号を受信して、多機能機100とのNFC接続を確立する。T52では、NFCI/F14は、Readerモードで動作して、多機能機100のNFCI/F114から接続情報CIを読み出す(即ち受信する)。そして、T54では、NFCI/F14は、接続情報CIをOSプログラム26に供給する。
【0034】
OSプログラム26は、T54において、NFCI/F14から接続情報CIを取得すると、T56において、取得済みの接続情報CIをアプリ28に供給する。これにより、アプリ28は、T58において、OSプログラム26から取得された接続情報CIをメモリ24に記憶する。なお、変形例では、T58の処理は、OSプログラム26によって実行されてもよい。
【0035】
T60では、アプリ28は、通知画面SC6(図3参照)を表示部12に表示させる。通知画面SC6は、後述の問合せ画面SC7においてOKを選択すべきことをユーザに通知するための画面である。これにより、ユーザに適切な操作を促すことができる。
【0036】
T62では、アプリ28は、通知画面SC6に含まれるCloseボタンB6が選択される場合に、通知画面SC6を閉じて、接続指示をOSプログラム26に供給する。接続指示は、Wi-FiI/F16を介した無線接続(以下、「Wi-Fi接続」と呼ぶ)の確立を指示するためのコマンドである。
【0037】
OSプログラム26は、T62において、アプリ28から接続指示を取得すると、T64において、問合せ画面SC7(図3参照)を表示部12に表示させる。問合せ画面SC7は、SSID「xxx」によって識別されるWi-Fiネットワークに接続すべきか否かをユーザに問い合わせるメッセージと、OKボタンB7と、を含む。
【0038】
OSプログラム26は、T64において、OKボタンB7の選択を受け付けると、T66において、Wi-Fi指示をWi-FiI/F16に供給する。Wi-Fi指示は、Wi-Fi接続を確立するための様々な信号(例えば、Authentication信号、Association信号、4-way handshake等)の通信をWi-FiI/F16に実行させるためのコマンドである。Wi-Fi指示は、T54で受信されてメモリ24に記憶された接続情報CIを含む。上記の様々な信号の通信の過程で、接続情報CI内のパスワードが多機能機100に送信され、パスワードの認証が多機能機100によって実行される。これにより、OSプログラム26は、T68において、多機能機100とのWi-Fi接続を確立する。この結果、携帯端末10は、多機能機100が親局として動作するWi-Fiネットワークに子局(即ちレガシー)として参加する。
【0039】
アプリ28は、Wi-Fi接続が確立されると、T70において、T22で入力された設定情報に従って画像情報IM1を変換して印刷データを生成する。印刷データは、多機能機100が解釈可能なデータ形式を有する変換済み画像情報と、T22で入力された設定情報と、を含む。T72では、アプリ28は、T68で確立されたWi-Fi接続を利用して、Wi-FiI/F16を介して、生成済みの印刷データを含む印刷実行要求を多機能機100に送信する。印刷実行要求は、印刷データに従った画像の印刷を多機能機100に実行させるための要求である。
【0040】
多機能機100は、T72において、携帯端末10から印刷実行要求を受信すると、T74において、印刷実行要求内の印刷データに含まれる設定情報に従って、印刷データに含まれる変換済み画像情報によって表わされる画像の印刷を実行する。
【0041】
図2の処理によれば、携帯端末10は、設定画面SC3において設定情報が入力される前に、通信実行指示をOSプログラム26に供給しない。従って、ユーザによって設定情報が入力される前にWi-Fi接続が確立されて、例えばデフォルトの設定情報を利用して印刷実行要求が多機能機100に送信されることを抑制することができる。そして、携帯端末10は、設定画面SC3において設定情報が入力された後にOKボタンB3が選択される場合に、通信実行指示をOSプログラム26に供給する(図2のT26)。これにより、OSプログラム26からNFCI/F14に信号送信指示が供給され(T28)、NFCI/F14を介して、多機能機100から接続情報CIが受信され(T56)、Wi-FiI/F16を介したWi-Fi接続が確立される(T68)。この結果、携帯端末10は、Wi-Fi接続を利用して、ユーザによって入力された設定情報に従った印刷を多機能機100に実行させるための印刷実行要求を多機能機100に送信することができる(T72)。
【0042】
(スキャン処理)
続いて、図2及び図3を参照して、携帯端末10が多機能機100にスキャンを実行させるための処理を説明する。アプリ28は、図2のT10及びT12と同様の処理を実行して、メニュー画面SC1(図3参照)を表示させる。アプリ28は、図2のT14に代えて、メニュー画面SC1内のスキャンボタンB2の選択を受け付ける。この場合、アプリ28は、T16~T20に代えて、設定画面SC13(図3参照)を表示部12に表示させる。設定画面SC13は、入力欄IF13と、OKボタンB13と、を含む。入力欄IF13は、スキャン機能を実行するための複数個の項目(例えば、原稿サイズ、解像度、データ形式)に対応する複数個の設定値(例えば、原稿サイズ「A4」、解像度「300dpi」、データ形式「PDF」)を入力するための欄である。アプリ28は、T22において、設定画面SC13内のOKボタンB13の選択を受け付けると、T24に代えて、設定確認画面SC14(図3参照)を表示部12に表示させる。設定確認画面SC14は、設定画面SC13に入力された設定情報(即ち複数個の設定値)の内容を示す画面である。
【0043】
アプリ28は、設定画面SC13内のOKボタンB13が選択されると、設定確認画面SC14が表示されてから所定時間が経過した後に、T26において、通信実行指示をOSプログラム26に供給する。これにより、T28~T30と同様の処理が実行されて、NFC画面SC5が設定確認画面SC14よりも優先的に表示される。NFC画面SC5が表示された後の処理は、図2のT50~T68と同様である。
【0044】
アプリ28は、T68において、Wi-Fi接続が確立されると、T70及びT72に代えて、Wi-Fi接続を利用して、Wi-FiI/F16を介して、スキャン実行要求を多機能機100に送信する。スキャン実行要求は、原稿のスキャンを多機能機100に実行させるための要求であり、設定画面SC13に入力された設定情報を含む。
【0045】
多機能機100は、携帯端末10からスキャン実行要求を受信すると、スキャン実行要求内の設定情報に従って原稿のスキャンを実行し、Wi-Fi接続を利用して、スキャン画像を表わすスキャンデータを携帯端末10に送信する。
【0046】
上記のスキャン処理でも、携帯端末10は、設定画面SC13において設定情報が入力される前に、通信実行指示をOSプログラム26に供給しない。従って、ユーザによって設定情報が入力される前にWi-Fi接続が確立されて、例えばデフォルトの設定情報を含むスキャン実行要求が多機能機100に送信されて、デフォルトの設定情報に従って生成されたスキャンデータが多機能機100から受信されることを抑制することができる。
【0047】
(対応関係)
携帯端末10、印刷スキャンアプリ28、多機能機100、印刷機能又はスキャン機能が、それぞれ、「端末装置」、「コンピュータプログラム」、「機能実行装置」、「特定の機能」の一例である。図3のメニュー画面SC1内の印刷ボタンB1又はスキャンボタンB2を選択することが、「利用指示」の一例である。NFCI/F14、Wi-FiI/F16が、それぞれ、「第1の無線インターフェース」、「第2の無線インターフェース」の一例である。接続情報CIが、「接続情報」の一例である。図2のT50のNFC接続、T68のWi-Fi接続が、それぞれ、「第1の無線接続」、「第2の無線接続」の一例である。印刷実行要求又はスキャン実行要求が、「機能実行要求」の一例である。図3のプレビュー画面SC4又は設定確認画面SC14が、「確認画面」の一例である。NFC画面SC5が、「所定画面」の一例である。図2のT20、T26、T72が、それぞれ、「第1の表示制御部」、「第1の供給部」、「第1の要求送信部」によって実現される処理の一例である。
【0048】
(第2実施例)
本実施例では、携帯端末10のCPU22がアプリ28に従って実行する処理の一部が第1実施例と異なる。
【0049】
(携帯端末10の処理;図4
図4を参照して、携帯端末10のCPU22がアプリ28に従って実行する処理を説明する。図4の処理は、アプリ28の起動をトリガとして開始される。なお、以下でも、CPU22がアプリ28に従って実行する処理を、CPU22を主体として説明せず、アプリ28を主体として説明する。
【0050】
S8では、図2のT12~T24と同様に、アプリ28は、各画面SC1~SC4を表示させる。アプリ28は、設定画面SC3内のOKボタンB3(図3参照)が選択されると、S10において、多機能機(例えば100)とのWi-Fi接続が現在確立されているのか否かを判断する。具体的には、アプリ28は、Wi-Fi接続が現在確立されていることを問合わせる問合せコマンドをWi-FiI/F16に供給する。Wi-FiI/F16は、Wi-Fi接続が現在確立されている場合には、Wi-FiI/F16内のメモリ(不図示)から携帯端末10が参加しているWi-FiネットワークのSSIDを読み出し、問合せコマンドに対する応答として当該SSIDをアプリ28に供給する。アプリ28は、Wi-FiI/F16からSSIDを含む応答を取得する場合に、多機能機とのWi-Fi接続が現在確立されていると判断する。一方、アプリ28は、Wi-FiI/F16からSSIDを含む応答を取得しない場合に、多機能機とのWi-Fi接続が現在確立されていないと判断する。
【0051】
アプリ28は、多機能機とのWi-Fi接続が現在確立されていると判断する場合(S10でYES)に、S30において、問合せ画面を表示部12に表示させる。問合せ画面は、Wi-Fi接続の確立先の多機能機(以下、「対象多機能機」と呼ぶ)を利用するのか否かを問い合わせるための画面である。問合せ画面は、対象多機能機を利用する選択を受け付けるOKボタンと、対象多機能機を利用しない選択を受け付けるキャンセルボタンと、を含む。
【0052】
S32では、アプリ28は、問合せ画面内のOKボタンが選択されたのか否かを判断する。アプリ28は、問合せ画面内のOKボタンが選択される場合(S32でYES)に、S34において、S8で表示されたプレビュー画面SC4に代えて、プレビュー画面SC8を表示部12に表示させる。プレビュー画面SC8は、印刷の実行の指示を受け付ける実行ボタンB8を含む点を除いて、プレビュー画面SC4と同様である。一方、アプリ28は、問合せ画面内のキャンセルボタンが選択される場合(S32でNO)に、S14に進む。
【0053】
S36では、アプリ28は、プレビュー画面SC8内の実行ボタンB8が選択されたのか否かを判断する。アプリ28は、プレビュー画面SC8内の実行ボタンB8が選択される場合(S36でYES)に、S40において、Wi-Fi接続を利用して、Wi-FiI/F16を介して、印刷実行要求を対象多機能機に送信する。S40の処理が終了すると、図4の処理が終了する。一方、アプリ28は、プレビュー画面SC8内のキャンセルボタンB4が選択される場合(S36でNO)に、S8に戻る。
【0054】
また、アプリ28は、多機能機とのWi-Fi接続が現在確立されていないと判断する場合(S10でNO)に、S12において、多機能機とのWi-Fi接続を確立するために過去に利用された接続情報(即ち、SSID、パスワード等)がメモリ24に記憶されているのか否かを判断する。例えば、図4の処理が初めて実行される場合には、メモリ24に接続情報は記憶されていない。一方、図4の処理が実行されるのが2回目以降である場合であって、1回目の図4の処理において後述するS14の処理が実行されている場合には、1回目の図4の処理において図2のT58の処理が実行された結果、メモリ24に多機能機100から受信した接続情報が記憶されている。この場合、過去に利用された接続情報がメモリ24に記憶されている。アプリ28は、接続情報がメモリ24に記憶されている場合(S12でYES)に、多機能機(以下では「特定多機能機」と呼ぶ)とのWi-Fi接続が確立された実績があると判断して、S20に進む。
【0055】
S20では、アプリ28は、接続選択画面を表示部12に表示させる。接続選択画面は、特定多機能機とのWi-Fi接続を確立するのか否かをユーザに選択させるための画面である。接続選択画面は、Wi-Fi接続を確立する選択を受け付けるOKボタンと、Wi-Fi接続を確立しない選択を受け付けるキャンセルボタンと、を含む。なお、メモリ24内に複数個の多機能機に対応する複数個の接続情報が記憶されている場合には、接続選択画面は、複数個の多機能機の中から1個の多機能機を選択するための選択欄を含んでもよい。
【0056】
S22では、アプリ28は、接続選択画面内のOKボタンが選択されたのか否かを判断する。アプリ28は、接続選択画面内のOKボタンが選択される場合(S22でYES)に、S24に進む。S24、S26は、S34、S36と同様である。一方、アプリ28は、接続選択画面内のキャンセルボタンが選択される場合(S22でYES)に、S14に進む。
【0057】
アプリ28は、プレビュー画面SC8内の実行ボタンB8が選択される場合(S26でYES)に、S28において、メモリ24内の接続情報を含む接続指示をOSプログラム26に供給する。これにより、OSプログラムは、Wi-Fi指示をWi-FiI/F16に供給し、Wi-FiI/F16は、Wi-Fi接続を確立するための様々な信号の通信を特定多機能機と実行する。
【0058】
続いて、アプリ28は、S16において、Wi-Fi接続が特定多機能機と確立されたのか否かを監視する。アプリ28は、Wi-Fi接続が特定多機能機と確立される場合(S16でYES)に、S40において、確立済みのWi-Fi接続を利用して、印刷実行要求を特定多機能機に送信する。これにより、図4の処理が終了する。
【0059】
また、アプリ28は、多機能機とのWi-Fi接続が現在確立されていないと判断し(S10でNO)、かつ、接続情報がメモリ24に記憶されていないと判断する場合(S12でNO)に、S14に進む。S14では、アプリ28は、通信実行指示をOSプログラム26に供給する。これにより、図2のT28~T68と同様の処理が実行され、Wi-Fi接続が確立される。この場合、アプリ28は、S40において、確立済みのWi-Fi接続を利用して、印刷実行要求を多機能機に送信する。これにより、図4の処理が終了する。
【0060】
(具体的なケースA及びB;図5及び図6
図4の処理によって実現される具体的なケースを説明する。図5のケースAでは、図4のS8~S16及びS40の処理によって図2のT12~T72と同様の処理が実行された後に、多機能機100の電源オフ等によって図2のT68で確立されたWi-Fi接続が切断される。多機能機100とのWi-Fi接続が確立された実績があるので、図2のT58において、メモリ24は、接続情報CIを記憶している。
【0061】
T110では、アプリ28を起動する操作がユーザによって再び実行される。これにより、図2のT12~T24と同様の処理が実行される(図4のS8)。
【0062】
T130では、アプリ28は、問合せコマンドをWi-FiI/F16に供給する。本ケースでは、Wi-Fi接続が現在確立されていないので、アプリ28は、SSIDを含む応答をWi-FiI/F16から取得せず、この結果、多機能機100とのi-Fi接続が現在確立されていないと判断する(S10でNO)。
【0063】
次いで、アプリ28は、T134において、接続情報CIがメモリ24に記憶されていると判断する(S12でYES)。T136では、アプリ28は、接続選択画面SC9を表示部12に表示させる(S20)。ここで、メモリ24は、接続情報CIを記憶する際に、さらに、多機能機100のモデル名「mfp1」を記憶しておく。アプリ28は、多機能機100のモデル名「mfp1」を含む接続選択画面SC9を表示させる。そして、アプリ28は、接続選択画面SC9内のOKボタンB9が選択されると(S22でYES)、プレビュー画面SC8を表示部12に表示させる(S24)。
【0064】
T140では、アプリ28は、プレビュー画面SC8内の実行ボタンB8の選択を受け付ける(S26でYES)。これにより、アプリ28は、T162において、接続情報CIを含む接続指示をOSプログラム26に供給する(S28)。T166~T174は、図2のT66~T74と同様である。なお、本ケースでも、T140の処理の後に、図2のT60及びT64と同様の処理が実行されるが、図5ではその図示が省略されている。
【0065】
本ケースでは、携帯端末10は、Wi-Fi接続が多機能機100と確立された実績があることに起因して、メモリ24内に接続情報CIが記憶されている場合(T134)に、記憶済みの接続情報CIを利用して、Wi-Fi接続を確立する(T168)。即ち、携帯端末10は、NFC接続を確立するための通信実行指示をOSプログラム26に供給することなく、Wi-Fi接続を確立することができる。これにより、ユーザが携帯端末10を多機能機100に近づける必要がないので、ユーザの利便性が向上する。また、NFCI/F14を介した通信を実行する必要がないので、多機能機100とのWi-Fi接続を迅速に確立することができる。本ケースでは、図5のT168のWi-Fi接続、接続情報CIが、それぞれ、「第4の無線接続」、「実績情報」の一例である。
【0066】
(ケースB;図6
図6のケースBでは、図2と同様の処理が実行された後に、図2のT68で確立されたWi-Fi接続が切断されずに維持されている。
【0067】
T210は、図5のT110と同様である。これにより、図2のT12~T24と同様の処理が実行される。T230は、図5のT130と同様である。本ケースでは、Wi-Fi接続が現在確立されているので、アプリ28は、Wi-FiI/F16からSSID「xxx」を含む応答を取得し、多機能機100とのWi-Fi接続が現在確立されていると判断する(S10でYES)。
【0068】
T236では、アプリ28は、問合せ画面SC10を表示部12に表示させる(図4のS30)。そして、アプリ28は、問合せ画面SC10内のOKボタンB10が選択されると(S32でYES)、プレビュー画面SC8を表示部12に表示させる(S34)。T240~T274は、図2の処理で確立されていたWi-Fi接続を利用する点を除いて、図5のT140~T174と同様である。
【0069】
本ケースでは、携帯端末10は、携帯端末10と多機能機100との間にWi-Fi接続が現在確立されている場合(T232)に、当該Wi-Fi接続を利用して、印刷実行要求を多機能機100に送信する。即ち、携帯端末10は、NFC接続を確立するための通信実行指示をOSプログラム26に供給することなく、さらに、Wi-Fi接続を確立するための処理を実行することなく、印刷実行要求を多機能機100に送信することができる。これにより、ユーザが携帯端末10を多機能機100に近づける必要がないので、ユーザの利便性が向上する。また、NFCI/F14を介した通信と、Wi-Fi接続を確立するための通信と、を実行する必要がないので、印刷実行要求を多機能機100に迅速に送信することができる。本ケースでは、図6の初期状態で確立されているWi-Fi接続が、「第3の無線接続」の一例である。
【0070】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0071】
(変形例1)携帯端末10のWi-FiI/F16は、WFD方式をサポートしていてもよい。この場合、携帯端末10は、図2のT68において、WFD方式のCL状態として動作して、多機能機100との間にWFD方式に従った無線接続を確立してもよい。本変形例では、WFD方式に従った無線接続が、「第2の無線接続」の一例である。
【0072】
(変形例2)上記の各実施例では、図2のT52において、携帯端末10は、多機能機100からWi-Fiネットワークを識別するためのSSIDを受信する。これに代えて、携帯端末10は、多機能機100から、AP(Access Pointの略)が親局として参加するとともに多機能機100が子局として参加するAPネットワークを識別するためのSSIDを受信してもよい。そして、携帯端末10は、図2のT68において、APネットワークのSSIDを利用して、APとの間に無線接続を確立してもよい。携帯端末10は、T72において、APと確立された無線接続を利用して、APを介して、印刷実行要求を多機能機100に送信してもよい。本変形例では、APと確立された無線接続が、「第2の無線接続」の一例である。
【0073】
(変形例3)上記の各実施例では、携帯端末10は、NFC接続を利用して、多機能機100から接続情報CIを受信する(図2のT52)。これに代えて、携帯端末10は、NFC接続を利用して、携帯端末10が親局として動作するWi-Fiネットワークに多機能機100を子局として参加させるためのSSID及びパスワードを多機能機100に送信してもよい。そして、携帯端末10は、図2のT68において、当該SSID及びパスワードを利用して、多機能機100との間にWi-Fi接続を確立して、多機能機100をWi-Fiネットワークに子局として参加させてもよい。本変形例では、携帯端末10から多機能機100に送信されるSSID及びパスワードが、「接続情報」の一例である。
【0074】
(変形例4)上記の各実施例では、NFC画面SC5は、プレビュー画面SC4より前面に表示される。これに代えて、NFC画面SC5は、プレビュー画面SC4を閉じた後に表示されてもよい。本変形例では、プレビュー画面SC4を閉じた後にNFC画面SC5を表示させることが、「所定画面を確認画面よりも優先的に表示部に表示させる」ことの一例である。
【0075】
(変形例5)図3のプレビュー画面SC4は、表示されなくてもよい。本変形例では、「第2の表示制御部」を省略可能である。
【0076】
(変形例6)携帯端末10は、図2のT26において、プレビュー画面SC4の表示から所定時間が経過することを待つことなく、プレビュー画面SC4を表示した直後に通信実行指示をOSプログラム26に供給してもよい。
【0077】
(変形例7)図3のNFC画面SC5は、表示されなくてもよい。本変形例では、OSプログラムは、所定画面を表示部に表示させなくてもよい。
【0078】
(変形例8)「第1の無線インターフェース」は、NFC通信を実行するためのI/Fでなくてもよく、例えば、BlueTooth(登録商標)、赤外線、トランスファージェット等の他の通信方式に従った無線通信を実行するためのI/Fであってもよい。また、「第2の無線インターフェース」は、Wi-Fi方式に従った無線通信を実行するためのI/Fでなくてもよく、例えば、BlueTooth等の他の通信方式に従った無線通信を実行するためのI/Fであってもよい。
【0079】
(変形例9)上記の各実施例では、携帯端末10のCPU22が印刷スキャンアプリ28等(即ちソフトウェア)を実行することによって、図2図6の各処理が実現される。これに代えて、いずれかの処理は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
以下に、本明細書で開示する技術の特徴を列挙する。
(項目1)
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、
機能実行装置が実行可能な特定の機能の利用指示が入力される場合に、前記特定の機能の実行のための設定情報を入力するための設定画面を前記端末装置の表示部に表示させる第1の表示制御部と、
前記設定画面において前記設定情報が入力された後に、前記端末装置の第1の無線インターフェースを介した通信の実行を指示する通信実行指示を前記端末装置のOS(Operating Systemの略)プログラムに供給する第1の供給部であって、
前記設定画面において前記設定情報が入力される前に、前記通信実行指示は前記OSプログラムに供給されず、
前記OSプログラムは、前記通信実行指示を取得することに応じて信号送信指示を前記第1の無線インターフェースに供給し、
前記第1の無線インターフェースは、前記信号送信指示を取得することに応じてポーリング信号の送信を開始し、前記ポーリング信号を前記機能実行装置に送信することに応じて前記機能実行装置と第1の無線接続を確立し、前記第1の無線接続を利用した接続情報の通信を前記機能実行装置と実行し、
前記OSプログラムは、前記接続情報を利用して、前記端末装置の前記第1の無線インターフェースとは異なる第2の無線インターフェースを介した第2の無線接続であって、前記機能実行装置との通信を実行するための前記第2の無線接続を確立する、前記第1の供給部と、
前記第2の無線接続が確立される場合に、前記第2の無線接続を利用して、前記第2の無線インターフェースを介して、前記設定情報に従った前記特定の機能を前記機能実行装置に実行させるための機能実行要求を前記機能実行装置に送信する第1の要求送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目2)
前記OSプログラムは、前記接続情報を利用して、前記第2の無線インターフェースを介した前記第2の無線接続を前記機能実行装置と確立する、項目1に記載のコンピュータプログラム。
(項目3)
前記コンピュータプログラムは、さらに、前記コンピュータを、
前記設定画面において前記設定情報が入力される場合に、前記設定情報の確認画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御部として機能させ、
前記第1の供給部は、前記確認画面が表示されてから所定時間が経過した後に、前記通信実行指示を前記OSプログラムに供給する、項目1又は2に記載のコンピュータプログラム。
(項目4)
前記OSプログラムは、前記通信実行指示を取得することに応じて、前記第1の無線インターフェースを介した通信を実行可能であることを示す所定画面を、前記確認画面よりも優先的に前記表示部に表示させる、項目3に記載のコンピュータプログラム。
(項目5)
前記コンピュータプログラムは、さらに、前記コンピュータを、
前記設定画面において前記設定情報が入力された後に、前記第2の無線インターフェースを介した第3の無線接続であって、前記機能実行装置との通信を実行するための前記第3の無線接続が現在確立されているのか否かを判断する第1の判断部と、
前記第3の無線接続が現在確立されていると判断される場合に、前記通信実行指示を前記OSプログラムに供給することなく、前記第3の無線接続を利用して、前記第2の無線インターフェースを介して、前記機能実行要求を前記機能実行装置に送信する第2の要求送信部と、として機能させ、
前記第3の無線接続が現在確立されていないと判断される場合に、
前記第1の供給部は、前記通信実行指示を前記OSプログラムに供給し、
前記第1の要求送信部は、前記第2の無線接続を利用して、前記第2の無線インターフェースを介して、前記機能実行要求を前記機能実行装置に送信する、項目1から4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目6)
前記コンピュータプログラムは、さらに、前記コンピュータを、
前記設定画面において前記設定情報が入力された後に、前記第2の無線インターフェースを介した第4の無線接続であって、前記機能実行装置との通信を実行するための前記第4の無線接続が確立された実績があることを示す実績情報が前記端末装置のメモリに記憶されているのか否かを判断する第2の判断部と、
前記実績情報が前記メモリに記憶されていると判断される場合に、接続指示を前記OSプログラムに供給する第2の供給部であって、前記OSプログラムは、前記接続指示を取得することに応じて、前記実績情報を利用して、前記第2の無線インターフェースを介した前記第4の無線接続を確立する、前記第2の供給部と、
前記第4の無線接続が確立される場合に、前記第4の無線接続を利用して、前記第2の無線インターフェースを介して、前記機能実行要求を前記機能実行装置に送信する第3の要求送信部と、として機能させ、
前記実績情報が前記メモリに記憶されていないと判断される場合に、
前記第1の供給部は、前記通信実行指示を前記OSプログラムに供給し、
前記第1の要求送信部は、前記第2の無線接続を利用して、前記第2の無線インターフェースを介して、前記機能実行要求を前記機能実行装置に送信する、項目1から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目7)
前記第1の無線インターフェースは、NFC(Near Field Communicationの略)方式に従った無線通信を実行するためのインターフェースであり、
前記第2の無線インターフェースは、Wi-Fi方式に従った無線通信を実行するためのインターフェースである、項目1から6のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目8)
端末装置であって、
表示部と、
第1の無線インターフェースと、
前記第1の無線インターフェースとは異なる第2の無線インターフェースと、
機能実行装置が実行可能な特定の機能の利用指示が入力される場合に、前記特定の機能の実行のための設定情報を入力するための設定画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御部と、
前記設定画面において前記設定情報が入力された後に、前記第1の無線インターフェースを介した通信の実行を指示する通信実行指示を前記端末装置のOS(Operating Systemの略)プログラムに供給する第1の供給部であって、
前記設定画面において前記設定情報が入力される前に、前記通信実行指示は前記OSプログラムに供給されず、
前記OSプログラムは、前記通信実行指示を取得することに応じて信号送信指示を前記第1の無線インターフェースに供給し、
前記第1の無線インターフェースは、前記信号送信指示を取得することに応じてポーリング信号の送信を開始し、前記ポーリング信号を前記機能実行装置に送信することに応じて前記機能実行装置と第1の無線接続を確立し、前記第1の無線接続を利用した接続情報の通信を前記機能実行装置と実行し、
前記OSプログラムは、前記接続情報を利用して、前記第2の無線インターフェースを介した第2の無線接続であって、前記機能実行装置との通信を実行するための前記第2の無線接続を確立する、前記第1の供給部と、
前記第2の無線接続が確立される場合に、前記第2の無線接続を利用して、前記第2の無線インターフェースを介して、前記設定情報に従った前記特定の機能を前記機能実行装置に実行させるための機能実行要求を前記機能実行装置に送信する第1の要求送信部と、
を備える、端末装置。
【符号の説明】
【0080】
2:通信システム、10:携帯端末、12:表示部、14:NFCI/F、16:Wi-FiI/F、20:制御部、22:CPU、24:メモリ、26:OSプログラム、28:印刷スキャンアプリ、100:多機能機、114:NFCI/F、116:Wi-FiI/F、CI:接続情報、SC1:メニュー画面、SC2:画像選択画面、SC3:設定画面、SC4:プレビュー画面、SC5:NFC画面、SC6:通知画面、SC7:問合せ画面、SC8:プレビュー画面、SC9:接続選択画面、SC10:問合せ画面、SC13:設定画面、SC14:設定確認画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6