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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】パウチの製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
   B31B 70/16 20170101AFI20221115BHJP
   B65D 33/38 20060101ALI20221115BHJP
   B29C 65/48 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
B31B70/16
B65D33/38
B29C65/48
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018073100
(22)【出願日】2018-04-05
(65)【公開番号】P2019181745
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大久保 陽祐
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-070599(JP,A)
【文献】特開2009-057092(JP,A)
【文献】特開2004-256154(JP,A)
【文献】特開2002-067194(JP,A)
【文献】特開2006-142445(JP,A)
【文献】特開2006-335479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 70/16
B65D 33/38
B29C 65/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックフィルムを基材として、少なくともシーラント層を備える積層体を用いて構成するパウチの製造方法であって、
該パウチは表側胴部、表側胴部から張り出した分岐、および裏側胴部からなり、
該表側胴部、裏側胴部は長尺の積層体をシーラント層同士を対向させてパウチの製造装置に供給し、パウチとなる部分の周縁部をシールして製袋し、
該分岐は、分岐の高さ位置の折り返し線で、表側胴部の上下いずれかに折り返し可能に、表側胴部上方から連続する積層体と、表側胴部下方から連続する積層体とを重ねて、側端部および先端部をシールして注出口を形成し、表側胴部から該注出口を有して張り出した分岐とし、
該分岐は、注出口を前記表側胴部側に残して手指によって切り取り可能に、打ち抜きによる切断線を設けてあり、
該切断線は、打ち抜きが貫通してなる切断部分と、一部に打ち抜きが貫通していない非切断部分を設けてあり、
該注出口のパウチ内側になる部分には、開封予定線を設けてあり、
該打ち抜きは、該分岐の切断線を、抜型に固定設置された打ち抜き刃と、打ち抜き刃を受ける受け台とを用いて、分岐のみを対象に打ち抜くものであって、
該打ち抜きは、搬送中のパウチの分岐部が、打ち抜き刃と受け台との間に到達したときに、パウチの搬送を停止し、分岐と表側胴部との間に受け板を差し込み、パウチの分岐のみを打ち抜き刃と受け板との間で、受け台を支えとして押圧することによって、分岐に切断線を形成し、
さらに、カッターを用いて個々のパウチを切り離して、枚葉のパウチとするパウチの製造方法において、
前記受け板は、厚さが0.8mm~1.5mmであり、材質はポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム、のいずれかであることを特徴とするパウチの製造方法。
【請求項2】
前記分岐の切断線の打ち抜きは、抜型に打ち抜き刃を固定設置したトムソン刃によるものであることを特徴する請求項1に記載のパウチの製造方法。
【請求項3】
前記パウチの胴部の下部において、表側胴部と裏側胴部の間に底テープをシールして、拡張可能に密封された底部を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
パウチの製造方法。
【請求項4】
前記開封予定線が、易開封機構を備えていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載のパウチの製造方法。
【請求項5】
前記分岐部の切断線が、開封予定線に接続していることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載のパウチの製造方法。
【請求項6】
プラスチックフィルムを基材として、少なくともシーラント層を備える積層体を用いて構成される、表側胴部、表側胴部から張り出した分岐、および裏側胴部からなるパウチの製造装置であって、
該表側胴部、裏側胴部、および分岐は長尺の積層体をシーラント層同士を対向させて重ねて供給し、パウチとなる部分の周縁部をシールして製袋する機構を備え、
該分岐は、分岐の高さ位置の折り返し線で、表側胴部の上下いずれかに折り返し可能に、表側胴部上方から連続する積層体と、表側胴部下方から連続する積層体とを重ねて、側端部および先端部をシールして注出口とし、表側胴部から、開封予定線を備えた注出口を有して張り出した分岐とされており、
該分岐を、注出口を残して、手指によって切り取り可能な切断線を、抜型に固定設置された打ち抜き刃と、打ち抜き刃を受ける受け台とを用いて、切断部分と非切断部分からなる切断線を打ち抜く機構を備え、
該打ち抜きは、搬送中のパウチの分岐部が、打ち抜き刃と受け台との間に到達したときに、パウチの搬送を停止し、分岐と表側胴部との間に受け板を差し込み、パウチの分岐を打ち抜き刃と受け板との間で、受け台を支えとして押圧することによって、分岐のみに切断線を形成する機構を備え、
さらに、カッターを用いて個々のパウチを切り離して、枚葉のパウチとする機構を備えるパウチの製造装置において、
前記受け板は、厚さが0.8mm~1.5mmであり、材質はポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム、のいずれかであることを特徴とするパウチの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に液体を収納することが可能な、パウチの製造方法および製造装置に関するものである。特に表側胴部から張り出した、分岐を有する液体用パウチに関して、注出口を形成するために、分岐の注出口部分のみを部分的に打ち抜く、パウチの製造方法および製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、プラスチックフィルムを基材として、シーラント層を有する積層体からなるパウチは、シーラント層以外がプラスチックフィルム単層で構成される場合のみならず、他のフィルムや樹脂層、金属箔などとの積層体として、内容物による要求品質に応じた層構成や材料設計が可能であることが特徴のひとつであって、様々な用途に広く用いられている。
【0003】
特に注出口を有するパウチは、流体の内容物を収納して、必要に応じて注ぎ出す用途に優れている。たとえば、飲料や食品用途にも広く用いられており、液体のほかペースト状の食品にも好適に用いられている。ほかにも味噌などの調味料に用いられる例もあり、性能面でもコスト面などでも、ガラス瓶や缶などに比べて有利な面が多い。
【0004】
また食品に限らず、たとえば液体洗剤、柔軟剤等のトイレタリー用品や、エンジンオイルなどの工業製品など、液体やペースト状の内容物であればパウチへの充填・収納・注ぎ出しが容易に可能であり、また用途に応じて保存性などにも優れたものを実現することが可能である。
【0005】
そのほか、最近ではプラスチックやガラスのボトルを使い捨てにすることをやめ、環境保護の観点から、詰め替え用の容器を用いることで廃棄物を削減する動きも見られ、プラスチックフィルムを基材として、シーラント層を有する積層体からなるパウチに対しては、特にその需要が高まっている。
【0006】
一般にパウチは、内容物の情報を外側から可視である面に表示して、内容物をパウチ内部に収納し、外部環境や物理的な外力から内容物を保護し、また保存することができる機能を有するものであり、内容物を取り出すに当っては、取り出しやすさ、特に液体であれば注ぎ出し易さが重要であって、内容物やその用途、目的によって形態や材料構成は様々である。
【0007】
特に内容物の注ぎ出し易さについては、パウチの開封後、開口部から取り出すに際して、注ぎ出しが安定して容易であるのはもちろんのこと、外部にこぼれ出たり、手や服が汚れたりすることがあっては不都合であり、開口部が安定してその形状を保っていることが望ましい。これはたとえば、詰め替え用容器などにおいては、特に求められることでもある。
【0008】
あるいはプラスチックフィルムの有する剛性、復元性によって、流路や開口部が内容物の減少などによって閉じやすく、安定かつ容易な注ぎ出しが得られない場合も見られるという問題が指摘されている。
【0009】
安定した形状を保つことができない場合には、注ぎ出しの作業そのものが不安定で、内容物がこぼれ出たりする問題を引きおこすおそれがある。あるいは内容物の注ぎ出しの最中に開口部が閉じてしまう場合には、開口部を再び開けなくてはならず、その手指による
作業は新たに開封する作業よりも困難を伴い、内容物がこぼれ出るおそれのみならず、手指や服が汚れるおそれもあり使用者、消費者を悩ませてきた。
【0010】
注ぎだしやすさに関しては、内容物が液体であっても、ペースト状であっても、共通の課題として改善が求められるところである。従来にはたとえばパウチに口栓をとりつけて、取り出しやすさを改善することも行なわれてきた。
【0011】
しかしながら、口栓を取り付けるには、口栓は一般に別部材で構成されるために、材料コストがかかり、また製造工程も増えるなど、課題も存在している。
【0012】
加えて、洗剤やシャンプーなどにおいて実用化されている、詰め替え用の容器としてパウチが用いられる場合には、その詰め替えの目的が省資源であり、また廃棄物の減少であることから、口栓は逆行した動きとして、歓迎されるものではない。
【0013】
しかしながら、プラスチックフィルムを基材としてシーラント層を有するパウチは、多くの場合に、パウチの3方または4方の周縁部、および開口部の両側端はシーラント層によってシールされており、プラスチックフィルムが有する弾性や柔軟性によって、安定した形状を保つことができない場合があり、安定かつ容易な注ぎ出しに支障をきたす場合がある。
【0014】
一般にパウチは、パウチを構成する積層体のシーラント層同士を対向させパウチの周縁部をシールして製袋されているものであり、簡単な構造ゆえに、製造工程も簡素で、コスト面でも有利ではあるが、上述の注ぎ出しの安定性、容易性を追及しようとする場合には、十分なものではなかった。
【0015】
一方、この点に注目して、内容物の液体を注ぎ出すに際して、注出口および開口部の形状を保持しようとして、パウチ胴部に分岐を設けて、胴部の上部を折り返して、その目的を達成しようとする形状が考案されている。
【0016】
このパウチは、胴部、および底部、および分岐から構成されており、この胴部は、表側胴部および裏側胴部から構成されて、側端部、および上端部をヒートシールされているものである。
【0017】
また胴部の下部において、表側胴部と裏側胴部の間に底板がヒートシールされて、拡張可能に密封された底部を形成しており、表側胴部には、表側胴部から先端部を有して張り出した分岐が形成されているものである。
【0018】
この分岐は、分岐の高さ位置の折り返し線で、表側胴部の上下いずれかに折り返し可能に、表側胴部上方から連続する積層体と、表側胴部下方から連続する積層体とが重なって、側端部および先端部をヒートシールされてなる。
【0019】
また、分岐の先端部は、分岐から除去可能に設けられて、パウチを開封して注出口を形成することができることを特徴とする。すなわち、分岐の部分に注出口、および開口部を有するパウチである。
【0020】
しかしながら、この形状のパウチは、分岐によって注ぎ出し時のパウチの形状保持性の向上によって、注ぎ出しの安定性と容易性は得られるものの、分岐の部分は積層体が対向してシールされて、それが2重に重なり合って分岐を構成している。
【0021】
したがって、たとえば打ち抜きによって、注出口を残して分岐を切り取るための切断線
を、一定の生産性を前提に設けようとすると、分岐と胴部は一緒に貫通して打ち抜かれてしまい、分岐の部分のみを打ち抜くことは至難の業であり、その製造方法において困難を抱えていた。
【0022】
特許文献1には、折込部を有する密封袋およびその製造方法が提案されているが、少なくとも内層がチューブ状のインフレーションフィルムから構成され、インフレーションフィルムが周方向に無端状態のままで折り込み部が形成され、かつパウチ内部が密閉された状態でヒートシール部を形成した折込部を有するパウチであり、筒状のシートの側面の一部を押し込むことにより、折込部(分岐室)を有するパウチである点で一致する。
【0023】
しかしながら、この折込部(分岐室)には注出部を形成するための切断線の加工、および注出口の形成については記載がなく、考慮されていない。
【0024】
また、特許文献2には、搬送ベルトで移送される被断裁シートの移送方向にトムソン刃を移動させるとともに、トムソン刃を受け台の裁断面に接近するように降下させて、裁断面に移送される被裁断シートをトムソン刃で裁断する裁断装置の提案がある。
【0025】
しかしながら、一定の生産性を前提に打ち抜き加工を行なうことは可能であっても、注出口の先細りの形状に切断線を、分岐の部分のみを対象に打ち抜くことは考慮されておらず、困難な状況であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【文献】特開平11-130091号公報
【文献】特開2007-283440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、液体の内容物を収納可能な、プラスチックフィルムを基材として、少なくともシーラント層を有する積層体からなり、表側胴部分に分岐を有してなる、注ぎ出しが容易、かつ安定的なパウチの、分岐部分に注出口を形成するための切断線を、分岐のみを部分的に打ち抜いて形成可能な、パウチの製造方法および製造装置を供給することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
プラスチックフィルムを基材として、少なくともシーラント層を備える積層体を用いて構成するパウチの製造方法であって、
該パウチは表側胴部、表側胴部から張り出した分岐、および裏側胴部からなり、
該表側胴部、裏側胴部は長尺の積層体をシーラント層同士を対向させてパウチの製造装置に供給し、パウチとなる部分の周縁部をシールして製袋し、
該分岐は、分岐の高さ位置の折り返し線で、表側胴部の上下いずれかに折り返し可能に、表側胴部上方から連続する積層体と、表側胴部下方から連続する積層体とを重ねて、側端部および先端部をシールして注出口を形成し、表側胴部から該注出口を有して張り出した分岐とし、
該分岐は、注出口を前記表側胴部側に残して手指によって切り取り可能に、打ち抜きによる切断線を設けてあり、
該切断線は、打ち抜きが貫通してなる切断部分と、一部に打ち抜きが貫通していない非切断部分を設けてあり、
該注出口のパウチ内側になる部分には、開封予定線を設けてあり、
該打ち抜きは、該分岐の切断線を、抜型に固定設置された打ち抜き刃と、打ち抜き刃を受ける受け台とを用いて、分岐のみを対象に打ち抜くものであって、
該打ち抜きは、搬送中のパウチの分岐部が、打ち抜き刃と受け台との間に到達したときに、パウチの搬送を停止し、分岐と表側胴部との間に受け板を差し込み、パウチの分岐のみを打ち抜き刃と受け板との間で、受け台を支えとして押圧することによって、分岐に切断線を形成し、
さらに、カッターを用いて個々のパウチを切り離して、枚葉のパウチとするパウチの製造方法において、
前記受け板は、厚さが0.8mm~1.5mmであり、材質はポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム、のいずれかであることを特徴とするパウチの製造方法である。
【0029】
また、請求項2に記載の発明は、
前記分岐の切断線の打ち抜きは、抜型に打ち抜き刃を固定設置したトムソン刃によるものであることを特徴する請求項1に記載のパウチの製造方法である。
【0031】
また、請求項3に記載の発明は、
前記パウチの胴部の下部において、表側胴部と裏側胴部の間に底テープをシールして、拡張可能に密封された底部を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパウチの製造方法である。
【0032】
また請求項4に記載の発明は、
前記開封予定線が、易開封機構を備えていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載のパウチの製造方法である。
【0033】
また請求項5に記載の発明は、
前記分岐部の切断線が、開封予定線に接続していることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載のパウチの製造方法である。
【0034】
また、請求項6に記載の発明は、
プラスチックフィルムを基材として、少なくともシーラント層を備える積層体を用いて
構成される、表側胴部、表側胴部から張り出した分岐、および裏側胴部からなるパウチの製造装置であって、
該表側胴部、裏側胴部、および分岐は長尺の積層体をシーラント層同士を対向させて重ねて供給し、パウチとなる部分の周縁部をシールして製袋する機構を備え、
該分岐は、分岐の高さ位置の折り返し線で、表側胴部の上下いずれかに折り返し可能に、表側胴部上方から連続する積層体と、表側胴部下方から連続する積層体とを重ねて、側端部および先端部をシールして注出口とし、表側胴部から、開封予定線を備えた注出口を有して張り出した分岐とされており、
該分岐を、注出口を残して、手指によって切り取り可能な切断線を、抜型に固定設置された打ち抜き刃と、打ち抜き刃を受ける受け台とを用いて、切断部分と非切断部分からなる切断線を打ち抜く機構を備え、
該打ち抜きは、搬送中のパウチの分岐部が、打ち抜き刃と受け台との間に到達したときに、パウチの搬送を停止し、分岐と表側胴部との間に受け板を差し込み、パウチの分岐を打ち抜き刃と受け板との間で、受け台を支えとして押圧することによって、分岐のみに切断線を形成する機構を備え、
さらに、カッターを用いて個々のパウチを切り離して、枚葉のパウチとする機構を備えるパウチの製造装置において、
前記受け板は、厚さが0.8mm~1.5mmであり、材質はポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム、のいずれかであることを特徴とするパウチの製造装置である。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、液体の内容物を収納可能な、プラスチックフィルムを基材として、少なくともシーラント層を有する積層体からなり、表側胴部分に分岐を有してなる、注ぎ出しが容易、かつ安定的なパウチの、分岐部分に注出口を形成するための切断線を、分岐のみを部分的に打ち抜いて形成可能な、パウチの製造方法および製造装置を供給することが可能である。
【0036】
特に請求項2に記載の発明によれば、分岐部分に注出口を形成するための切断線を、分岐のみを部分的に打ち抜いて形成するに際して、トムソン刃を用いることにより、より精度よく、また生産性に優れる打ち抜きとすることが可能である。
【0037】
特に請求項3に記載の発明によれば、分岐部分に注出口を形成するための切断線を、分岐のみを部分的に打ち抜いて形成するに際して、受け板を分岐と表側胴部の間に差し込んで用いることによって、分岐のみ打ち抜きを、確実なものにすることができる。
【0038】
加えて、受け板の厚さ、材質を請求項3に記載の範囲にすることによって、より精度のよい、また生産性に優れる打ち抜きとすることが可能である。
【0039】
また、特に請求項4に記載の発明によれば、内容物の液体を充填した後、パウチに自立性を付与し、またパウチの容量を効率よく増すことが可能である。
【0040】
また、特に請求項5に記載の発明によれば、開封予定線が、易開封機構を備えていることによって、分岐を注出口を残して切り取ったあと、手指によるパウチの開封をより容易なものとすることができる。
【0041】
また、特に請求項6に記載の発明によれば、分岐部の切断線が、開封予定線に接続していることによって、分岐の注出口を残しての切り取りと、注出口内側に設けられた開封線に沿っての開封とを、連続して行なうことができ、パウチの開封をより容易なものとすることができる。
【0042】
また、特に請求項7に記載の発明によれば、プラスチックフィルムを基材として、少なくともシーラント層を有する積層体からなり、表側胴部分に分岐を有してなる、注ぎ出しが容易、かつ安定的なパウチの、分岐部分に注出口を形成するための切断線を、分岐のみを部分的に打ち抜いて形成可能な、パウチの製造装置を供給することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は、本発明に係るパウチの製造方法および製造装置において製造された、パウチの一実施態様を説明するための斜視模式図である。
図2図2は、本発明に係るパウチの製造方法および製造装置の一実施態様を説明するための模式図である。
図3図3は、本発明に係るパウチの製造方法および製造装置の一実施態様の、特に打ち抜き部を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明を図1図3を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
【0045】
図1は、本発明に係る製造方法および製造装置において製造された、パウチの一実施態
様を説明するための斜視模式図である。
【0046】
本発明に係る製造方法、および製造装置において製造されたパウチ(100)は、胴部(1)、および分岐(40)から構成されており、この胴部(1)は、表側胴部(20)、および裏側胴部(10)から構成されて、側端部(6)、上端部(7)、および下端部(12)をシール、密封して形成されている。
【0047】
また、図1に示す例においては、パウチ下部(2)において、折り返し線(9)で山折にされた底テープ(50)が、表側胴部(20)、および裏側胴部(10)の間に挟み込まれてシールされた例であって、内容物を充填した際には、底テープ(50)が拡張して底部に面を形成して、パウチ(100)に自立性を与えることができる。
【0048】
加えて、底テープ(50)が拡張可能であることにより、パウチ(100)の内容量の増大を無理なく実現することが可能である。
【0049】
分岐(40)は、分岐の高さ位置(A)の折り返し線(22)で、表側胴部(20)の上下いずれかに折り返し可能に、表側胴部上方(30)から連続する積層体と、表側胴部(20)下方から連続する積層体とを重ねて、側端部および先端部をシールして注出口(13)を形成する。すなわち、表側胴部(20)から注出口(13)を有して張り出した分岐(40)を形成する。
【0050】
また分岐(40)には、注出口(13)を残して、たとえば手指を用いて切り取り可能な切断線(8)を設けてあり、これは分岐(40)のみを対象にした打ち抜きで形成されている。この切断線(8)は、手指を用いて切り取り可能に設けるが、たとえば刃物や、はさみなどの道具を用いて切り取ることもできる。
【0051】
ただし、切断線(8)は一部に打ち抜きされていない部分、すなわち非切断部(19)を有している。すなわち切断線(8)は切断部(18)、および非切断部(19)とからなる。図1に示す例においては、分岐(40)は、切断線(8)による切り取り前の状態である。
【0052】
パウチ(100)として、切り取り前の状態を保持することは、パウチ(100)の開封において、切断線(8)に沿った分岐(40)の切り取りによって、注出口(13)がその外形を現わし、さらに注出口(13)の先端に設けられた、開封予定線(11)に沿って切り裂いて開口部(14)を作るなどの手順が必要なため、不慮の開封などを避けるために有効である。
【0053】
切断線(8)の打ち抜きされていない部分、すなわち非切断部(19)は、開封を行おうとする以前においては、安易に切り離されることがなく、かつ手指による切り離しが可能な範囲で、その位置、箇所、形状は任意である。たとえば破線状であっても良く、注出口(13)の左右に2箇所程度設けるのでもよい。
【0054】
また、注出口(13)のパウチ内側の部分には、開封予定線(11)が設けられている。内容物の注ぎ出しなどの場合において、開封予定線(11)が開封された際には、その部分が開口部(14)となる。
【0055】
すなわち、開封予定線(11)を、手指または刃物、はさみ等を用いて切り裂くことによって、開口部(14)を形成することができる。特に手指で切り裂く際には、開封予定線(11)に易開封機構を設けることによって、開封作業ははより容易に、かつ正確に行なうことができる。
【0056】
さらに、図1に示す例とは異なるが、切断線(8)と易開封機構を設けた開封予定線(11)とを接続してある場合には、分岐(40)の注出口(13)以外の部分の切り取りと開封予定線(11)に沿った開封を、連続して一度に行うことが可能であり、パウチ(100)の開封はより一層容易になる。
【0057】
実際の開封においては、まず表側胴部上方(30)の部分を矢印(16)の方向、すなわちパウチ(100)後方に引き倒す。続いて分岐(40)を矢印(17)の方向に引き起こして、分岐(40)をパウチ(100)上方に位置させた後、切断線(8)をたとえば手指にて切り取り、さらに開封予定線(11)を切り裂いて開封口(14)を形成、露出させることによって、内容物の液体の注ぎ出しが可能になる。
【0058】
前述のように、開封予定線(11)に易開封機構が備わっている場合には、手指での容易、かつ正確な開封が可能であり、ノッチ(15)を設けてある場合には、ノッチ(15)をきっかけにして、さらに容易な開封が可能になる。
【0059】
開封予定線(11)の易開封機構は、たとえばレーザー光や刃物によるハーフカット線などで形成することができ、あるいはプラスチックフィルムの配向性による裂け易さを応用することもできる。
【0060】
またパウチ(100)後方に引き倒した、表側胴部上方(30)の両端部を押さえて、注ぎ出しを行なうことによって、注出口(13)は漏斗状に膨らみ、内容物の液体の流路が確保ざれ、注ぎ出しを容易、かつ安定したものにすることが可能である。
【0061】
図2は、本発明に係るパウチの製造方法および製造装置の一実施態様を説明するための模式図である。
【0062】
本発明によるパウチの製造装置(60)は、プラスチックフィルムを基材として、少なくともシーラント層を備える積層体を用いて構成される、表側胴部(20)、表側胴部(20)から張り出した分岐(40)、および裏側胴部(10)からなるパウチ(100)の製造装置である。
【0063】
本発明によるパウチの製造装置(60)は、表側胴部、裏側胴部、分岐に用いる長尺の積層体を重ねて、シーラント層同士を対向させて製造装置に供給し、周縁部をシールして製袋する機構を備える。
【0064】
すなわち、巻き出し部(52)において、長尺の積層体(51)は、図中2段に配置されており、それぞれシーラント層を外表にして、巻き取られた状態のものである。それらシーラント層同士は対向するように重ねられて製造装置に供給される。
【0065】
続いて、重ねられて搬送された長尺の積層体は、図2に示す例において、縦シール部(53)、および横シール部(54)で表側胴部(20)、および裏側胴部(10)の周縁部をシールされ、製袋される。
【0066】
本発明によるパウチの製造装置(60)は、分岐(40)を形成する機構を備える。すなわち分岐(40)は、分岐の高さ位置(A)の折り返し線(22)で、表側胴部の上下いずれかに折り返し可能に、表側胴部上方(30)から連続する積層体と、表側胴部(20)下方から連続する積層体とを重ねて、注出口(13)以外の、側端部および先端部をシールして注出口を形成し、表側胴部から開封予定線を備えた注出口を有して張り出した分岐を形成する機構を備える。
【0067】
すなわち、分岐(40)はこれら縦シール部(53)、および横シール部(54)において、表側胴部上方(30)から連続する積層体と、表側胴部(20)下方から連続する積層体とを重ねて、注出口(13)以外の、分岐(40)の側端部および先端部をシールされて形成される。
【0068】
また、本発明によるパウチの製造装置(60)は、分岐(40)を打ち抜く機構を備える。すなわち分岐(40)を、注出口(13)を残して切り取り可能な切断線(8)を、抜型に打ち抜き刃が固定設置された抜型と、切断刃を受ける受け台とを用いて、分岐のみに切断線(8)を形成する機構を備える。この機構については図3を用いた説明で後述する。
【0069】
打ち抜きは、搬送中のパウチの分岐部が、切断刃と受け台との間に到達したときに、パウチとなる部分の搬送を停止し、分岐と表側胴部との間に受け板を差し込み、パウチの分岐のみを切断刃と受け板との間で、受け台を支えとして押圧することによって、分岐に切断線を形成する機構を備える。この機構については図3を用いた説明で後述する。
【0070】
打ち抜き部(55)においての、打ち抜き刃(56)を用いた打ち抜きの方法については、限定を設けるものではないが、一般に用いられている、たとえばトムソン型の打ち抜き機構を用いることができる。これは、トムソン刃を用いてトムソン刃とトムソン受けの間に供給された、パウチをトムソン刃の上下運動で、間歇的に打ち抜く機構であって、この部分は図3を用いた説明において詳細に述べる。
【0071】
本発明によるパウチの製造装置(60)は、切断線(8)を打ち抜きで形成するに際して、切断部分(18)のほか、一部に打ち抜きされていない部分、すなわち非切断部分(19)を残して打ち抜く機構を備える。
【0072】
本発明によるパウチの製造装置(60)はさらに、たとえばシャーカッター等を用いて個々のパウチを切り離して、枚葉のパウチ(58)とする機構を備える。カッター部(57)で枚葉に切り離された枚葉のパウチ(58)は、たとえばスタッカー(59)に重ねて収納することができる。
【0073】
図3は、本発明に係るパウチの製造方法および製造装置の一実施態様の、特に打ち抜き部を説明するための模式図である。
【0074】
打ち抜き部(55)は、図3に示す例においては、トムソン型の打ち抜き機構の例である。また図3に示す例においては、打ち抜き部(55)は、横シール部(54)のユニットに、シールバーに代えて、打ち抜き刃(56)を固定したトムソン刃(64)を取り付けて抜型(67)としている例である。
【0075】
したがって打ち抜き部(55)の上部は、ヒーターブロック(62)に抜型(67)として、トムソン刃(64)が取り付けられて構成されている。また、打ち抜き部(55)の下部は受け台(63)であって、たとえばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂等を用いてなる。
【0076】
打ち抜き部(55)に供給されるパウチは、縦シール部(53)、および横シール部(54)を経て、すでに製袋された半加工状態のものである。図3に示す例においては分岐(40)が折り返されており、分岐(40)は包装袋上側に向けて折り返されている状態である。また、胴部(1)の表側胴部(20)が上に向けられて搬送され打ち抜き部(55)に供給されている状態である。
【0077】
トムソン刃(64)は打ち抜き刃(56)を固定設置して、一部に打ち抜きされていない部分、すなわち非切断部分(19)を残して、打ち抜く機構と成っている。すなわち、切断線(8)は、切断部(18)と、一部に打ち抜きがされていない非切断部(19)とを有しているため、分岐(40)を注出口(13)を残して切り取る前の状態を保持可能である。
【0078】
本発明は、分岐(40)を、注出口(13)を残して、切り取り可能な切断線(8)を、抜型(67)に固定設置された打ち抜き刃(64)と、打ち抜き刃(64)を受ける受け台(63)とを用いて、打ち抜きは、搬送中のパウチ(100)の分岐(40)が、抜型(67)と受け台(63)との間に到達したときに、パウチ(100)の搬送を停止する。
【0079】
同時に、分岐(40)と表側胴部(20)との間に受け板(61)を矢印(65)方向に差し込み、パウチの分岐(40)を、抜型(67)と受け板(61)との間で、受け台(63)を支えとして、矢印(66)方向に押圧することによって、分岐(40)のみを打ち抜いて、切断線(8)を形成する機構を備える。
【0080】
我々は本発明を鋭意検討した結果、受け板(61)は、厚さが0.8mm~1.5mmであり、材質はポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム、のいずれかであることが最適であることを見出した。
【0081】
すなわち、受け板(61)の厚さ、材質を上述の範囲にすることによって、より精度のよい、また生産性に優れる打ち抜きとすることが可能である
この打ち抜きが終わったパウチは、この段階では個々のパウチに分離していないので、次のカッター部に(57)搬送され、たとえばシャーカッターなどで枚葉のパウチにカットされ、本発明による製造方法、および製造装置を用いたパウチ(100)の製造は、完了する。
【0082】
このように本発明によれば、液体の内容物を収納可能な、プラスチックフィルムを基材として、少なくともシーラント層を有する積層体からなり、表側胴部分に分岐を有してなる、注ぎ出しが容易、かつ安定的なパウチの、分岐部分に注出口を形成するための切断線を、分岐のみを部分的に打ち抜いて形成可能な、パウチの製造方法および製造装置を供給することが可能である。
【0083】
また本発明は、液体の内容物を収納可能な、プラスチックフィルムを基材として、少なくともシーラント層を有する積層体からなる。すなわちパウチの用途、内容物、要求品質によって、層構成材料を選択し、また層構成を設計することが可能である。
【0084】
ここで、基材とするプラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。
【0085】
特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。また、積層体中にポリアミドフィルムを用いる場合には、耐突き刺し性や、耐衝撃性、機械強度に優れる。
【0086】
また、シーラント層は、2枚の積層体をシーラント層同士が対向するように重ねて、た
とえば、加熱、加圧してヒートシールすることによって互いを接着させ、パウチに製袋することを可能にする。
【0087】
シーラント層の材質としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂を用いることができる。
【0088】
あるいは、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
【0089】
シーラント層の形成には、押出機などを用いて溶融した樹脂を製膜して、積層体上に層形成することができる。あるいは、あらかじめフィルムの状態に製膜してある材料を、ラミネートによって積層することによって、積層体の表面にシーラント層を形成することも可能である。
【0090】
また、この積層体は、たとえば内容物の保存性を向上させることなどを目的として、必要な場合には、積層体中に、着色フィルムなど紫外線等を遮蔽する不透明層を設けることができる。あるいは、プラスチックフィルムを基材とする積層体中に、ガスバリア層を設けることができる。
【0091】
ガスバリア層として、金属箔などを用いることも可能であるが、たとえばガスバリア層として積層体中に無機化合物からなるガスバリア層を蒸着したガスバリアフィルムを設けることができる。いずれの場合においても内容物の保存性向上に有効である。
【0092】
ガスバリアフィルムの場合には、用いられるプラスチックフィルムは、特段の限定を加えるものではないが、たとえばポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートをプラスチックフィルム基材とする場合は、フィルム強度と価格、また低吸着性の点においてより好ましい。
【0093】
ガスバリアフィルムの場合、ガスバリア層はたとえば、無機化合物の蒸着層、およびコーティング層で構成することができ、プラスチックフィルムにアンカーコートを設けた後、無機化合物の蒸着層、コーティング層を順次設ける。
【0094】
無機化合物の蒸着層を形成する方法としては,SiOやAlOなどの無機化合物を真空蒸着法を用いて、アンカーコート層を設けたプラスチックフィルム上に付着させ、真空蒸着法による無機化合物層を形成することができる。
【0095】
また、コーティング層を形成する方法としては、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコーティング層とすることができる。
【0096】
このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってアンカーコート層との密着性の向上を図ることができる。
【0097】
無機化合物層は真空蒸着法による膜のみでもガスバリア性を有するが、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を真空蒸着法による無機化合物層である蒸着層に重ねて形成し、ガスバリア層とすることができる。
【0098】
したがって、ガスバリアフィルムとしてより高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、外力による変形に耐えられる可撓性を有するため、パウチとしての適性も具備することができる。
【0099】
またガスバリア層として、たとえばSiOを用いる場合には、その被膜は透明であるために、内容物を包装材料の外側から目で見ることが可能である。
【0100】
必要に応じて、商品としてのイメージアップや、内容物についての必要な情報表示や意匠性の向上を目的として、プラスチックフィルムを基材とする積層体中の、パウチ外側から見える層に印刷層を設けることができる。印刷層はパウチの最外層に設けるのでも構わない。
【0101】
また印刷層は、パウチの一部に設けるのでもよく、またパウチの全面に渡って設けるのでもよい。あるいは、印刷層を用いずに表示部を設ける方法としては、たとえばパウチの表面に印刷されたシールを貼着することも可能である。
【0102】
ここで、印刷方法、および印刷インキには、とくに制約を設けるものではないが、既知の印刷方法の中からプラスチックフィルムへの印刷適性、色調などの意匠性、密着性、あるいは、食品容器としての安全性などを考慮すれば適宜選択してよい。
【0103】
たとえば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、シルクスクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの既知の印刷方法から選択して用いることができる。中でもグラビア印刷法は、生産性、プラスチックフィルムへの印刷適性、および絵柄の高精細度において好ましく用いることができる。
【0104】
このように本発明によれば、液体の内容物を収納可能な、プラスチックフィルムを基材として、少なくともシーラント層を有する積層体からなり、表側胴部分に分岐を有してなる、注ぎ出しが容易、かつ安定的なパウチの、分岐部分に注出口を形成するための切断線を、分岐のみを部分的に打ち抜いて形成可能な、パウチの製造方法および製造装置を供給することが可能である。
【符号の説明】
【0105】
1・・・胴部
2・・・パウチ下部
6・・・側端部
7・・・上端部
8・・・切断線
9・・・折り返し線
10・・・裏側胴部
11・・・開封予定線
12・・・下端部
13・・・注出口
14・・・開口部
15・・・ノッチ
16・・・矢印
17・・・矢印
18・・・切断部
19・・・非切断部
20・・・表側胴部
22・・・折り返し線
30・・・表側胴部上方
40・・・分岐
50・・・底テープ
51・・・長尺の積層体
52・・・巻き出し部
53・・・縦シール部
54・・・横シール部
55・・・打ち抜き部
56・・・打ち抜き刃
57・・・カッター部
58・・・枚葉のパウチ
59・・・スタッカー
60・・・製造装置
61・・・受け板
62・・・ヒーターブロック
63・・・受け台
64・・・トムソン刃
65・・・矢印
66・・・矢印
67・・・抜型
100・・・パウチ
A・・・分岐高さ位置
図1
図2
図3