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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】トナー容器及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
G03G15/08 340
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018114361
(22)【出願日】2018-06-15
(65)【公開番号】P2019219437
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100161953
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 敬直
(72)【発明者】
【氏名】石井 晃
(72)【発明者】
【氏名】冨森 香吏郎
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-350869(JP,A)
【文献】特開平05-053443(JP,A)
【文献】特開2006-208433(JP,A)
【文献】特開平04-278971(JP,A)
【文献】特開2009-198559(JP,A)
【文献】特開2014-211563(JP,A)
【文献】特開2004-317592(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0310277(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/08
13/095
15/08
15/095
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容する容器本体と、
回転可能に設けられ、前記容器本体内のトナーを撹拌する第1、第2撹拌部材と、
前記第1、第2撹拌部材に回転を伝達する伝達機構と、を備え、
前記伝達機構は、
前記第1撹拌部材と一体に回転可能な第1伝達部材と、
前記第2撹拌部材と一体に回転可能な第2伝達部材と、
前記第1伝達部材と前記第2伝達部材を接続する第1接続部材と、を備え、
前記第1接続部材は、
第1トルクリミッターと、
前記第1伝達部材に接続される第1駆動片と、
前記第2伝達部材に接続される第1従動片と、を備え、
前記第1トルクリミッターは、前記第1駆動片と前記第1従動片の間に設けられ、
前記第1駆動片の外周に第1駆動ギアが設けられ、前記第1従動片の外周に第1従動ギアが設けられ、該第1従動ギアは前記第2伝達部材の伝達ギアと噛み合っており、
前記伝達機構は、前記第2撹拌部材の駆動トルクが第1設定値以上になると、前記第1攪拌部材への回転の伝達を継続しつつ、前記第1トルクリミッターが作動して、前記第1駆動片が前記第1従動片に対して空転し、前記第1伝達部材から前記第2伝達部材への回転の伝達が遮断され、前記第2撹拌部材への回転の伝達を停止することを特徴とするトナー容器。
【請求項2】
回転可能に設けられ、前記容器本体内のトナーを撹拌する第3撹拌部材を更に備え、
前記伝達機構は、
前記第3撹拌部材と一体に回転可能な第3伝達部材と、
前記第2伝達部材と前記第3伝達部材を接続する第2接続部材と、を更に備え、
前記第2接続部材は、
第2トルクリミッターと、
前記第2伝達部材に接続される第2駆動片と、
前記第3伝達部材に接続される第2従動片と、を備え、
前記第2トルクリミッターは、前記第2駆動片と前記第2従動片の間に設けられ、
前記第2駆動片の外周に第2駆動ギアが設けられ、前記第2従動片の外周に第2従動ギアが設けられ、該第2従動ギアは前記第3伝達部材の伝達ギアと噛み合っており、
前記第3撹拌部材の駆動トルクが第2設定値以上になると、前記第2トルクリミッターが作動して、前記第2駆動片が前記第2従動片に対して空転し、前記第2伝達部材から前記第3伝達部材への回転の伝達が遮断され、前記第3撹拌部材への回転の伝達が停止されることを特徴とする請求項1に記載のトナー容器。
【請求項3】
前記第2トルクリミッターが作動する前記第2設定値は、前記第1トルクリミッターが作動する前記第1設定値以下に設定されていることを特徴とする請求項2に記載のトナー容器。
【請求項4】
前記容器本体は、
トナーを収容する収容空間と、
前記収容空間と連通し、トナーを排出する排出空間と、を備え、
前記第1、第2撹拌部材は、前記収容空間内のトナーを撹拌しつつ前記排出空間に向かって搬送し、
前記第1撹拌部材は、前記収容空間から前記排出空間に向かうトナー搬送方向において、前記第2撹拌部材よりも下流側に配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のトナー容器。
【請求項5】
前記容器本体の底壁は、
前記第1撹拌部材の下方に設けられる第1壁部と、
前記第2撹拌部材の下方に設けられる第2壁部と、を備え、
前記第1壁部は、前記第2壁部よりも上方に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のトナー容器。
【請求項6】
前記容器本体の底壁は、前記トナー搬送方向における下流側から上流側に向かって、下方に傾斜していることを特徴とする請求項4に記載のトナー容器。
【請求項7】
前記排出空間は、前記収容空間よりも上方に設けられ、
前記第1撹拌部材は、前記収容空間内のトナーを前記排出空間に向かって持ち上げることを特徴とする請求項4~6のいずれか1項に記載のトナー容器。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のトナー容器を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー容器及びこのトナー容器を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、現像装置にトナーを補給するためのトナー容器を備えている。例えば、特許文献1には、トナーを収容する容器本体と、回転可能に設けられ、容器本体内のトナーを撹拌する第1、第2撹拌部材と、を備えたトナー容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-186102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トナー容器の運搬時にトナー容器に対して振動が加えられたり、トナー容器が長期間保管されたりすると、容器本体内においてトナーが凝集することがある。このように容器本体内においてトナーが凝集すると、第1、第2撹拌部材の駆動トルクが非常に大きくなり、第1、第2撹拌部材の駆動部に大きな負荷が掛かる恐れがある。
【0005】
そこで、本発明は、容器本体内においてトナーが凝集した場合であっても、第1、第2撹拌部材の駆動部に大きな負荷が掛かるのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るトナー容器は、トナーを収容する容器本体と、回転可能に設けられ、前記容器本体内のトナーを撹拌する第1、第2撹拌部材と、前記第1、第2撹拌部材に回転を伝達する伝達機構と、を備え、前記伝達機構は、前記第2撹拌部材の駆動トルクが第1設定値以上になると、前記第1撹拌部材への回転の伝達を継続しつつ、前記第2撹拌部材への回転の伝達を停止することを特徴とする。
【0007】
前記伝達機構は、前記第1撹拌部材と一体に回転可能な第1伝達部材と、前記第2撹拌部材と一体に回転可能な第2伝達部材と、前記第1伝達部材と前記第2伝達部材を接続する第1接続部材と、を備え、前記第1接続部材は、第1トルクリミッターを備え、前記第2撹拌部材の駆動トルクが前記第1設定値以上になると、前記第1トルクリミッターが作動して前記第1伝達部材から前記第2伝達部材への回転の伝達が遮断され、前記第2撹拌部材への回転の伝達が停止されても良い。
【0008】
前記トナー容器は、回転可能に設けられ、前記容器本体内のトナーを撹拌する第3撹拌部材を更に備え、前記伝達機構は、前記第3撹拌部材と一体に回転可能な第3伝達部材と、前記第2伝達部材と前記第3伝達部材を接続する第2接続部材と、を更に備え、前記第2接続部材は、第2トルクリミッターを備え、前記第3撹拌部材の駆動トルクが第2設定値以上になると、前記第2トルクリミッターが作動して前記第2伝達部材から前記第3伝達部材への回転の伝達が遮断され、前記第3撹拌部材への回転の伝達が停止されても良い。
【0009】
前記第2トルクリミッターが作動する前記第2設定値は、前記第1トルクリミッターが作動する前記第1設定値以下に設定されていても良い。
【0010】
前記第1接続部材は、前記第1伝達部材に接続される駆動片と、前記第2伝達部材に接続される従動片と、を更に備え、前記第1トルクリミッターは、前記駆動片と前記従動片の間に設けられ、前記第1トルクリミッターが作動すると、前記駆動片が前記従動片に対して空転して、前記第1伝達部材から前記第2伝達部材への回転の伝達が遮断されても良い。
【0011】
前記容器本体は、トナーを収容する収容空間と、前記収容空間と連通し、トナーを排出する排出空間と、を備え、前記第1、第2撹拌部材は、前記収容空間内のトナーを撹拌しつつ前記排出空間に向かって搬送し、前記第1撹拌部材は、前記収容空間から前記排出空間に向かうトナー搬送方向において、前記第2撹拌部材よりも下流側に配置されていても良い。
【0012】
前記容器本体の底壁は、前記第1撹拌部材の下方に設けられる第1壁部と、前記第2撹拌部材の下方に設けられる第2壁部と、を備え、前記第1壁部は、前記第2壁部よりも上方に設けられていても良い。
【0013】
前記容器本体の底壁は、前記トナー搬送方向における下流側から上流側に向かって、下方に傾斜していても良い。
【0014】
前記排出空間は、前記収容空間よりも上方に設けられ、前記第1撹拌部材は、前記収容空間内のトナーを前記排出空間に向かって持ち上げても良い。
【0015】
本発明に係る画像形成装置は、前記トナー容器を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、容器本体内においてトナーが凝集した場合であっても、第1、第2撹拌部材の駆動部に大きな負荷が掛かるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係るトナーコンテナを示す断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係るトナーコンテナを示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係るトナーコンテナを示す背面図である。
図5】本発明の一実施形態に係るトナーコンテナの後部及び装着部の後部を示す断面図である。
図6】本発明の他の異なる実施形態に係るトナーコンテナを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1について説明する。各図に適宜付される矢印Fr、Rr、L、R、U、Loは、それぞれ、画像形成装置1の前側、後側、左側、右側、上側、下側を示している。
【0019】
まず、画像形成装置1の全体の構成について説明する。画像形成装置1は、例えば、プリント機能、コピー機能及びファックス機能などを複合的に備えた複合機である。
【0020】
図1を参照して、画像形成装置1は、箱型の装置本体2を備えている。装置本体2の上端部には、原稿画像を読み取るための画像読取装置3が設けられている。装置本体2の上部には、排紙トレイ4が設けられている。装置本体2の上下方向中央部には、排紙トレイ4の下方に露光装置5が設けられている。装置本体2の上下方向中央部には、露光装置5の下方にトナーコンテナ6(トナー容器の一例)が収容されている。トナーコンテナ6は、装着部7に着脱可能に装着されている。装置本体2の下端部には、用紙S(記録媒体の一例)を収納する給紙カセット8が収容されている。
【0021】
装置本体2の右側部には、用紙Sの搬送路Pが上下方向に沿って設けられている。搬送路Pの上流端部には、給紙部9が設けられている。搬送路Pの中流部には、画像形成部10が設けられている。画像形成部10は、感光体ドラム11(像担持体の一例)と現像装置12とを有する。搬送路Pの下流部には、定着装置13が設けられている。
【0022】
次に、このような構成を備えた画像形成装置1の動作について説明する。
【0023】
まず、感光体ドラム11の表面が一様に帯電した状態で、露光装置5が感光体ドラム11の表面に光(図1の点線矢印参照)を照射し、感光体ドラム11の表面に静電潜像を形成する。次に、この静電潜像を現像装置12がトナー像に現像する。これにより、画像形成動作が完了する。
【0024】
一方、給紙部9によって給紙カセット8から取り出された用紙Sは、搬送路Pを下流側へと搬送されて画像形成部10に進入し、画像形成部10においてトナー像が感光体ドラム11の表面から用紙Sに転写される。トナー像を転写された用紙Sは、搬送路Pを下流側へと搬送されて定着装置13に進入し、定着装置13において用紙Sにトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙Sは、搬送路Pの下流端部から排紙トレイ4に排出される。
【0025】
次に、トナーコンテナ6について更に説明する。なお、各図に適宜付される矢印Iは、トナーコンテナ6の前後方向内側(トナーコンテナ6の前後方向中央部に接近する側)を示しており、各図に適宜付される矢印Oは、トナーコンテナ6の前後方向外側(トナーコンテナ6の前後方向中央部から離間する側)を示している。
【0026】
図2図3を参照して、トナーコンテナ6は、容器本体20と、容器本体20に収容される第1~第3撹拌部材21~23及び搬送部材24と、容器本体20の後側(前後方向外側)に設けられる伝達機構25と、を備えている。
【0027】
図2を参照して、トナーコンテナ6の容器本体20の内部には、互いに連通する収容空間S1と排出空間S2とが設けられている。収容空間S1は、トナー(現像剤)を収容している。排出空間S2は、収容空間S1の右上側に位置しており、収容空間S1よりも上方に設けられている。なお、各図に適宜付される矢印Aは、収容空間S1から排出空間S2に向かうトナー搬送方向(以下、「トナー搬送方向A」と称する)を示している。
【0028】
容器本体20は、上方に向かって開放された箱型を成している収容体31と、収容体31の上方を覆う蓋体32と、を備えている。
【0029】
容器本体20の収容体31の底壁31aには、第1撹拌部材21の下方に第1壁部33が設けられ、第2撹拌部材22の下方に第2壁部34が設けられ、第3撹拌部材23の下方に第3壁部35が設けられている。第1~第3壁部33~35は、トナー搬送方向Aにおける下流側から上流側に向かって、第1壁部33、第2壁部34、第3壁部35の順番で並んでいる。第1壁部33は第2壁部34よりも上方に設けられ、第2壁部34は第3壁部35よりも上方に設けられている。第1壁部33と第2壁部34の間と第2壁部34と第3壁部35の間には、それぞれ、上方に向かって凹んでいる凹部36が設けられている。
【0030】
容器本体20の収容体31の上端外周には、下側フランジ37が設けられている。下側フランジ37の右側部には、排出口38が設けられている。排出口38は、容器本体20の排出空間S2の直下に設けられており、容器本体20の排出空間S2と連通している。排出口38は、シャッター(図示せず)によって開閉される。
【0031】
図4図5を参照して、容器本体20の収容体31の後端壁31b(前後方向一端壁)には、左右方向に間隔をおいて、3個のボス39が設けられている。収容体31の後端壁31bには、3個のボス39の配置間隔に、一対のボス40が設けられている。各ボス39、40は、円筒状を成しており、後端壁31bの後面(外面)から後方に向かって突出している。
【0032】
図2図3を参照して、容器本体20の蓋体32の外周には、上側フランジ41が設けられている。上側フランジ41は、収容体31の下側フランジ37に固定されている。これにより、蓋体32が収容体31と一体化されている。
【0033】
図2を参照して、トナーコンテナ6の第1~第3撹拌部材21~23は、容器本体20の収容空間S1に収容されている。第1~第3撹拌部材21~23は、左右方向(前後方向と直交する方向)に間隔をおいて設けられている。第1撹拌部材21は、トナー搬送方向Aにおいて第2撹拌部材22よりも下流側に配置されており、第2撹拌部材22は、トナー搬送方向Aにおいて第3撹拌部材23よりも下流側に配置されている。つまり、第1~第3撹拌部材21~23は、トナー搬送方向Aにおける下流側から上流側に向かって、第1撹拌部材21、第2撹拌部材22、第3撹拌部材23の順番で並んでいる。
【0034】
第1撹拌部材21は、前後方向に沿って延びている回転軸X1の周りを回転可能に設けられている。第2撹拌部材22は、前後方向に沿って延びている回転軸X2の周りを回転可能に設けられている。第3撹拌部材23は、前後方向に沿って延びている回転軸X3の周りを回転可能に設けられている。つまり、本実施形態では、前後方向が第1~第3撹拌部材21~23の回転軸方向である。
【0035】
各撹拌部材21~23は、撹拌軸42と、撹拌軸42の外周に設けられる撹拌羽根43と、を備えている。撹拌軸42は、前後方向に沿って延びている。撹拌羽根43は、樹脂製のフィルムによって形成されており、可撓性を有している。撹拌羽根43の基端部(幅方向一端部)は、撹拌軸42に固定されている。撹拌羽根43の先端部(幅方向他端部)は、各撹拌部材21~23の回転に伴って、容器本体20の内面に対して接離する。
【0036】
トナーコンテナ6の搬送部材24は、容器本体20の排出空間S2に収容されている。搬送部材24は、前後方向に沿って延びている回転軸X4の周りを回転可能に設けられている。つまり、本実施形態では、前後方向が搬送部材24の回転軸方向である。搬送部材24は、前後方向に沿って延びている搬送軸44と、搬送軸44の外周に設けられる螺旋状の搬送羽根45と、を備えている。
【0037】
図3図5を参照して、トナーコンテナ6の伝達機構25は、第1~第3伝達部材51~53と、第1~第3伝達部材51~53の配置間隔に設けられる第1接続部材54及び第2接続部材55と、を備えている。
【0038】
伝達機構25の第1~第3伝達部材51~53は、左右方向に間隔をおいて設けられている。第1~第3伝達部材51~53は、トナー搬送方向Aにおける下流側から上流側に向かって、第1伝達部材51、第2伝達部材52、第3伝達部材53の順番で並んでいる。
【0039】
各伝達部材51~53は、伝達片57と、伝達片57の内周部から前側(前後方向内側)に向かって突出している連結片58と、を備えている。
【0040】
各伝達部材51~53の伝達片57は、容器本体20の外部に配置されている。伝達片57の外周には、伝達ギア59が設けられている。第1伝達部材51の伝達片57の後面(外面)には、伝達カップリング60が設けられている。
【0041】
各伝達部材51~53の連結片58は、前後方向に沿って延びている。連結片58は、容器本体20の各ボス39を貫通し、容器本体20の収容空間S1に挿入されている。これにより、各伝達部材51~53が容器本体20に回転可能に支持されている。
【0042】
第1伝達部材51の連結片58は、第1撹拌部材21の撹拌軸42に固定されている。これにより、第1伝達部材51が第1撹拌部材21と一体に回転可能となっている。第2伝達部材52の連結片58は、第2撹拌部材22の撹拌軸42に固定されている。これにより、第2伝達部材52が第2撹拌部材22と一体に回転可能となっている。第3伝達部材53の連結片58は、第3撹拌部材23の撹拌軸42に固定されている。これにより、第3伝達部材53が第3撹拌部材23と一体に回転可能となっている。
【0043】
伝達機構25の第1、第2接続部材54、55は、左右方向に間隔をおいて設けられている。第1、第2接続部材54、55は、トナー搬送方向Aにおける下流側から上流側に向かって、第1接続部材54、第2接続部材55の順番で並んでいる。
【0044】
第1接続部材54は、第1駆動片61と、第1駆動片61の前側(前後方向内側)に設けられる第1従動片62と、第1駆動片61と第1従動片62の間に設けられる第1トルクリミッター63と、を備えている。
【0045】
第1接続部材54の第1駆動片61は、容器本体20の右側のボス40の外周に回転可能に装着されている。これにより、第1接続部材54が容器本体20に回転可能に支持されている。
【0046】
第1接続部材54の第1駆動片61の外周には、第1駆動ギア64が設けられている。第1駆動ギア64は、第1伝達部材51の伝達片57の伝達ギア59と噛み合っている。第1接続部材54の第1従動片62の外周には、第1従動ギア65が設けられている。第1従動ギア65は、第2伝達部材52の伝達片57の伝達ギア59と噛み合っている。このように、第1接続部材54は、第1伝達部材51と第2伝達部材52を接続している。
【0047】
第1接続部材54の第1トルクリミッター63は、例えば、マグネット式又はバネ式のトルクリミッターである。第1トルクリミッター63は、第2撹拌部材22の駆動トルク(第2撹拌部材22を回転させるために必要なトルク)が第1設定値未満の場合には作動せず、第1駆動片61と第1従動片62を一体に回転させる。一方で、第1トルクリミッター63は、第2撹拌部材22の駆動トルクが第1設定値以上になると作動し、第1駆動片61を第1従動片62に対して空転させる。
【0048】
第2接続部材55は、第2駆動片71と、第2駆動片71の前側(前後方向内側)に設けられる第2従動片72と、第2駆動片71と第2従動片72の間に設けられる第2トルクリミッター73と、を備えている。
【0049】
第2接続部材55の第2駆動片71は、容器本体20の左側のボス40の外周に回転可能に装着されている。これにより、第2接続部材55が容器本体20に回転可能に支持されている。
【0050】
第2接続部材55の第2駆動片71の外周には、第2駆動ギア74が設けられている。第2駆動ギア74は、第2伝達部材52の伝達片57の伝達ギア59と噛み合っている。第2接続部材55の第2従動片72の外周には、第2従動ギア75が設けられている。第2従動ギア75は、第3伝達部材53の伝達片57の伝達ギア59と噛み合っている。このように、第2接続部材55は、第2伝達部材52と第3伝達部材53を接続している。
【0051】
第2接続部材55の第2トルクリミッター73は、例えば、マグネット式又はバネ式のトルクリミッターである。第2トルクリミッター73は、第3撹拌部材23の駆動トルク(第3撹拌部材23を回転させるために必要なトルク)が第2設定値未満の場合には作動せず、第2駆動片71と第2従動片72を一体に回転させる。一方で、第2トルクリミッター73は、第3撹拌部材23の駆動トルクが第2設定値以上になると作動し、第2駆動片71を第2従動片72に対して空転させる。第2トルクリミッター73が作動する第2設定値は、第1トルクリミッター63が作動する第1設定値以下に設定されている。
【0052】
次に、装着部7について更に説明する。
【0053】
図5を参照して、装着部7の後部には、駆動カップリング81が設けられている。駆動カップリング81は、トナーコンテナ6が装着部7に装着された状態で、第1伝達部材51の伝達片57の伝達カップリング60に連結されている。駆動カップリング81は、モーターによって構成される駆動源82に接続されており、駆動源82からの回転駆動力によって回転する。
【0054】
次に、上記のように構成された画像形成装置1において、トナーコンテナ6から現像装置12へのトナー補給動作の一例について説明する。
【0055】
図2図5を参照して、トナーコンテナ6から現像装置12にトナーを補給する際には、トナーコンテナ6が装着部7に装着された状態で、駆動源82を駆動させる。このように駆動源82を駆動させると、駆動源82からの回転駆動力によって駆動カップリング81が回転する。このように駆動カップリング81が回転すると、駆動カップリング81に伝達カップリング60を連結させる第1伝達部材51が駆動カップリング81と一体に回転する。このように第1伝達部材51が回転すると、第1伝達部材51に固定された第1撹拌部材21が第1伝達部材51と一体に回転する(図2の矢印R1参照)。
【0056】
また、上記のように第1伝達部材51が回転すると、第1伝達部材51の回転が第1接続部材54を介して第2伝達部材52に伝達され、第2伝達部材52が回転する。このように第2伝達部材52が回転すると、第2伝達部材52に固定された第2撹拌部材22が第2伝達部材52と一体に回転する(図2の矢印R2参照)。
【0057】
更に、上記のように第2伝達部材52が回転すると、第2伝達部材52の回転が第2接続部材55を介して第3伝達部材53に伝達され、第3伝達部材53が回転する。このように第3伝達部材53が回転すると、第3伝達部材53に固定された第3撹拌部材23が第3伝達部材53と一体に回転する(図2の矢印R3参照)。
【0058】
以上のように、伝達機構25が第1~第3撹拌部材21~23に回転を伝達することで、第1~第3撹拌部材21~23が回転する。このように第1~第3撹拌部材21~23が回転すると、収容空間S1内のトナーが第1~第3撹拌部材21~23によって撹拌されつつ排出空間S2に向かって搬送される。その際に、収容空間S1内のトナーは、第1撹拌部材21によって排出空間S2に向かって持ち上げられる。
【0059】
また、上記のように駆動源82を駆動させると、駆動源82からの回転駆動力によって搬送部材24が回転する。このように搬送部材24が回転すると、第1撹拌部材21によって排出空間S2へと持ち上げられたトナーが搬送部材24によって排出口38へと搬送される。このように排出口38へと搬送されたトナーは、排出口38を介して排出空間S2から排出されて、現像装置12に導入される。このようにして、トナーコンテナ6から現像装置12にトナーが補給される。
【0060】
ところで、トナーコンテナ6の運搬時にトナーコンテナ6に対して振動が加えられたり、トナーコンテナ6が長期間保管されたりすると、容器本体20内においてトナーが凝集することがある。このように容器本体20内においてトナーが凝集すると、第1~第3撹拌部材21~23の駆動トルクが非常に大きくなり、第1~第3撹拌部材21~23の駆動部(本実施形態では、伝達機構25や駆動カップリング81や駆動源82)に大きな負荷が掛かる恐れがある。そこで、本実施形態では以下のようにして、第1~第3撹拌部材21~23の駆動部に大きな負荷が掛かるのを抑制している。
【0061】
トナーコンテナ6の使用開始時に容器本体20内においてトナーが凝集している場合には、第2撹拌部材22の駆動トルクが第1設定値以上になっており、第3撹拌部材23の駆動トルクが第2設定値以上になっている。
【0062】
上記のように第2撹拌部材22の駆動トルクが第1設定値以上になっている状態で、駆動源82からの回転駆動力が駆動カップリング81及び第1伝達部材51を介して第1接続部材54に伝達されると、第1トルクリミッター63が作動する。このように第1トルクリミッター63が作動すると、第1駆動片61が第1従動片62に対して空転して、第1伝達部材51から第2伝達部材52への回転の伝達が遮断される。そのため、第1撹拌部材21への回転の伝達が継続されつつ、第2、第3撹拌部材22、23への回転の伝達が停止される。これに伴って、第2、第3撹拌部材22、23の回転が停止した状態で、第1撹拌部材21が回転する。
【0063】
このように第1撹拌部材21が回転すると、第1撹拌部材21によって収容空間S1内のトナーが排出空間S2に向かって搬送される。このように排出空間S2に向かって搬送されたトナーは、搬送部材24によって排出口38へと搬送され、排出口38を介して排出空間S2から排出される。
【0064】
上記のように第1撹拌部材21によって収容空間S1内のトナーが排出空間S2に向かって搬送されると、第1撹拌部材21の周辺のトナーが減少していき、第2撹拌部材22の周辺のトナーが第1撹拌部材21の周辺へと移動する。これに伴って、第2撹拌部材22の駆動トルクが減少していく。そして、第2撹拌部材22の駆動トルクが第1設定値未満になると、駆動源82からの回転駆動力が第1接続部材54に伝達されても、第1トルクリミッター63が作動しなくなる。そのため、第1駆動片61と第1従動片62が一体に回転して、第1伝達部材51から第2伝達部材52へと回転が伝達される。なお、上記のように第2撹拌部材22の駆動トルクが第1設定値未満になっても、第3撹拌部材23の駆動トルクは依然として第2設定値以上である。
【0065】
上記のように第3撹拌部材23の駆動トルクが第2設定値以上になっている状態で、駆動源82からの回転駆動力が駆動カップリング81、第1伝達部材51、第1接続部材54及び第2伝達部材52を介して第2接続部材55に伝達されると、第2トルクリミッター73が作動する。このように第2トルクリミッター73が作動すると、第2駆動片71が第2従動片72に対して空転して、第2伝達部材52から第3伝達部材53への回転の伝達が遮断される。そのため、第1、第2撹拌部材21、22への回転の伝達が継続されつつ、第3撹拌部材23への回転の伝達が停止される。これに伴って、第3撹拌部材23の回転が停止した状態で、第1、第2撹拌部材21、22が回転する。
【0066】
このように第1、第2撹拌部材21、22が回転すると、第1、第2撹拌部材21、22によって収容空間S1内のトナーが排出空間S2に向かって搬送される。このように排出空間S2に向かって搬送されたトナーは、搬送部材24によって排出口38へと搬送され、排出口38を介して排出空間S2から排出される。
【0067】
上記のように第1、第2撹拌部材21、22によって収容空間S1内のトナーが排出空間S2に向かって搬送されると、第1、第2撹拌部材21、22の周辺のトナーが減少していき、第3撹拌部材23の周辺のトナーが第1、第2撹拌部材21、22の周辺へと移動する。これに伴って、第3撹拌部材23の駆動トルクが減少していく。そして、第3撹拌部材23の駆動トルクが第2設定値未満になると、駆動源82からの回転駆動力が第2接続部材55に伝達されても、第2トルクリミッター73が作動しなくなる。そのため、第2駆動片71と第2従動片72が一体に回転して、第2伝達部材52から第3伝達部材53へと回転が伝達される。そのため、第1~第3撹拌部材21~23に回転が伝達され、第1~第3撹拌部材21~23が回転する。
【0068】
このように第1~第3撹拌部材21~23が回転すると、第1~第3撹拌部材21~23によって収容空間S1内のトナーが排出空間S2に向かって搬送される。このように排出空間S2に向かって搬送されたトナーは、搬送部材24によって排出口38へと搬送され、排出口38を介して排出空間S2から排出される。
【0069】
前述のように、伝達機構25は、第2撹拌部材22の駆動トルクが第1設定値以上になると、第1撹拌部材21への回転の伝達を継続しつつ、第2、第3撹拌部材22、23への回転の伝達を停止する。このような構成を採用することで、収容空間S1内においてトナーが凝集した場合に、第2、第3撹拌部材22、23の回転を停止させた状態で、第1撹拌部材21を回転させることができる。これに伴って、第1~第3撹拌部材21~23の駆動部に第2、第3撹拌部材22、23の駆動トルクが掛からなくなり、上記の駆動部に掛かるトルクを軽減させることができる。そのため、収容空間S1内においてトナーが凝集した場合であっても、上記の駆動部に大きな負荷が掛かるのを抑制することができる。また、上記のように第2、第3撹拌部材22、23の回転を停止させた状態で第1撹拌部材21を回転させることができるため、第1~第3撹拌部材21~23が常に同時に回転する場合よりも、第1~第3撹拌部材21~23の回転に伴う騒音を低減させることができる。
【0070】
また、第2撹拌部材22の駆動トルクが第1設定値以上になると、第1トルクリミッター63が作動して第1伝達部材51から第2伝達部材52への回転の伝達が遮断され、第2撹拌部材22への回転の伝達が停止される。このような構成を採用することで、簡易な構成によって、第2撹拌部材22への回転の伝達を停止させることができる。
【0071】
また、第3撹拌部材23の駆動トルクが第2設定値以上になると、第2トルクリミッター73が作動して第2伝達部材52から第3伝達部材53への回転の伝達が遮断され、第3撹拌部材23への回転の伝達が停止される。このような構成を採用することで、簡易な構成によって、第3撹拌部材23への回転の伝達を停止させることができる。
【0072】
また、第2トルクリミッター73が作動する第2設定値は、第1トルクリミッター63が作動する第1設定値以下に設定されている。このような構成を採用することで、第1撹拌部材21→第2撹拌部材22→第3撹拌部材23の順番で各撹拌部材21~23を回転させ始めることができ、収容空間S1内のトナーを解しやすくなる。
【0073】
また、第1トルクリミッター63が作動すると、第1駆動片61が第1従動片62に対して空転して、第1伝達部材51から第2伝達部材52への回転の伝達が遮断される。このような構成を採用することで、簡易な構成によって、第1伝達部材51から第2伝達部材52への回転の伝達を遮断することができる。
【0074】
また、第1~第3撹拌部材21~23の中で最も早く回転し始める第1撹拌部材21は、トナー搬送方向Aにおいて、第2、第3撹拌部材22、23よりも下流側に配置されている。このような構成を採用することで、第2、第3撹拌部材22、23の回転が停止した状態でも、第1撹拌部材21によって収容空間S1内のトナーを確実に搬送することができる。
【0075】
また、第1撹拌部材21の下方に設けられる第1壁部33は、第2撹拌部材22の下方に設けられる第2壁部34よりも上方に設けられている。このような構成を採用することで、トナーコンテナ6の運搬時にトナーコンテナ6が傾けられたとしても、第2壁部34側から第1壁部33側にトナーが移動しにくくなる。これに伴って、第1撹拌部材21の周辺におけるトナーの凝集を抑制することが可能となり、第1撹拌部材21を回転させやすくなる。
【0076】
また、第1撹拌部材21は、収容空間S1内のトナーを排出空間S2に向かって持ち上げる。このような構成を採用する場合、第1撹拌部材21の駆動トルクが特に大きくなりやすいため、上記のような構成を採用することで、第1撹拌部材21を確実に回転させるメリットが大きい。
【0077】
また、画像形成装置1は、上記のようなトナーコンテナ6を備えている。このような構成を採用することで、第1~第3撹拌部材21~23の駆動部に大きな負荷が掛かるのを抑制することが可能な画像形成装置1を提供することができる。
【0078】
本実施形態では、図2に示されるように、容器本体20の収容体31の底壁31aの一部が水平に設けられている。一方で、他の異なる実施形態では、図6に示されるように、容器本体20の収容体31の底壁31aがトナー搬送方向Aにおける下流側から上流側に向かって下方に傾斜していても良い。このような構成を採用することで、トナーコンテナ6の運搬時にトナーコンテナ6が傾けられたとしても、トナー搬送方向Aにおける上流側から下流側にトナーが移動しにくくなる。これに伴って、第1撹拌部材21の周辺におけるトナーの凝集を抑制することが可能となり、第1撹拌部材21を回転させやすくなる。
【0079】
本実施形態では、トナーコンテナ6が3個の撹拌部材を備えている。一方で、他の異なる実施形態では、トナーコンテナ6が2個又は4個以上の撹拌部材を備えていても良い。
【0080】
本実施形態では、トナーコンテナ6が2個のトルクリミッターを備えている。一方で、他の異なる実施形態では、トナーコンテナ6が1個又は3個以上のトルクリミッターを備えていても良い。
【0081】
本実施形態では、第1トルクリミッター63によって第1伝達部材51から第2伝達部材52への回転の伝達を遮断している。一方で、他の異なる実施形態では、クラッチ機構等のトルクリミッター以外の機構によって第1伝達部材51から第2伝達部材52への回転の伝達を遮断しても良い。これは、第2伝達部材52から第3伝達部材53への回転の伝達についても同様である。
【0082】
本実施形態では、画像形成装置1が複合機である。一方で、他の異なる実施形態では、画像形成装置1がプリンター、コピー機、ファクシミリ等であっても良い。
【符号の説明】
【0083】
1 画像形成装置
6 トナーコンテナ(トナー容器の一例)
20 容器本体
21 第1撹拌部材
22 第2撹拌部材
23 第3撹拌部材
25 伝達機構
31 収容体
31a (収容体の)底壁
33 第1壁部
34 第2壁部
51 第1伝達部材
52 第2伝達部材
53 第3伝達部材
54 第1接続部材
55 第2接続部材
61 第1駆動片
62 第1従動片
63 第1トルクリミッター
73 第2トルクリミッター
S1 収容空間
S2 排出空間
A トナー搬送方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6