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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】空気調和機の室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
F24F1/0007 401D
F24F1/0007 401E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018142314
(22)【出願日】2018-07-30
(65)【公開番号】P2020020485
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】藤井 裕史
(72)【発明者】
【氏名】大林 寛明
(72)【発明者】
【氏名】久保田 孝佑
(72)【発明者】
【氏名】和田 悠史
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-043960(JP,A)
【文献】特開2004-171424(JP,A)
【文献】特開2015-031480(JP,A)
【文献】特開2015-124976(JP,A)
【文献】実開平06-028519(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0007
F24F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風ファンを収容する筐体の前側に備えられた壁部の前面パネルによって覆われた領域の一部に、前記筐体の内部に形成されたネットワーク中継器が収納される空間に通じる開口部が形成された空気調和機の室内機であって、
前記筐体の壁部に、前記開口部を開閉するカバー部材を取り付け、
前記筐体の壁部には、後方に凹み前方が開口するネットワーク中継器収容凹部が形成され、前記開口部は前記ネットワーク中継器収容凹部の左端壁に形成されて、前記開口部を介して前記空間と前記ネットワーク中継器収容凹部とが連通し、
前記ネットワーク中継器は、前記ネットワーク中継器収容凹部に収容され、前記ネットワーク中継器の前端部が前記開口部を介して前記空間内に挿入されるとともに前記空間内に配置されたコネクタに接続されるものであり、
前記カバー部材は、前記ネットワーク中継器収容凹部の開口部側の端部を回動軸として回動可能に支持され、前記ネットワーク中継器収容凹部の前側を閉塞することで前記開口部と前記ネットワーク中継器の中継器本体との間の隙間が前記筐体の外部に露出することを回避するものであり、
前記カバー部材の右端部に形成された切欠きには、下方に凸の形で湾曲する弾性部を有する係止片が設けられ、該係止片には、前記カバー部材がネットワーク中継器収容凹部の前側を閉塞するときにネットワーク中継器収容凹部に形成された係止孔に入り込み、前記カバー部材を係止する係止爪が設けられていることを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記ネットワーク中継器収容凹部の前側を閉塞する回動途中で前記ネットワーク中継器を前記空間への挿入方向に押圧可能な押圧部を備えることを特徴とする請求項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項3】
前記カバー部材は、透明の部材で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HEMS(Home Energy Management System)、スマートグリッド等の普及に伴い、空気調和機のエネルギー管理に対する需要が高まっている。また、空気調和機を他の機器と共に管理する集中管理制御、空気調和機を宅外等の遠隔地から操作する遠隔操作等に対する需要が高まっている。
そして、それらの需要に応えるべく、ネットワークと無線で通信するネットワーク中継器を備えた空気調和機の室内機が提案されている。ネットワーク中継器は、空気調和機の室内機に内蔵された制御基板に接続され、空気調和機のエネルギー管理、遠隔操作等に用いられる信号が、ネットワーク中継器を介してネットワークに送受信される。
【0003】
ここで、ネットワーク中継器を空気調和機の室内機に内蔵させてインテリア性を向上させること、当該室内機に内蔵されたネットワーク中継器を必要に応じて室内機から取り出して、視認、操作等を行うことを可能とすることを目的として、従来、例えば、特許文献1に示す空気調和機の室内機が提案されている。
特許文献1に示す空気調和機の室内機は、左右方向に延びる壁部を有する筐体と、壁部の少なくとも一部の領域の前側を覆う前面パネルとを備え、壁部の前面パネルによって覆われた領域に、ネットワークと無線で通信するネットワーク中継器が収納される空間の前端に通じる開口部が形成され、この開口部は、前面パネルの全て又は一部が外された又は開かれた状態において、露出するものである。
【0004】
特許文献1に示す空気調和機の室内機によれば、壁部の前面パネルによって覆われた領域に、ネットワークと無線で通信するネットワーク中継器が収納される空間の前端に通じる開口部が形成されているので、当該開口部からネットワーク中継器を室内機に内蔵させてインテリア性を向上させることができる。また、この空気調和機の室内機によれば、開口部は、前面パネルの全て又は一部が外された又は開かれた状態において、露出するので、空気調和機の室内機に内蔵されたネットワーク中継器を、必要に応じて室内機の開口部から取り出して、視認、操作等を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6270658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この従来の特許文献1に示した空気調和機の室内機にあっては、以下の問題点があった。
即ち、壁部の前面パネルによって覆われた領域に形成され、ネットワーク中継器が収納される空間に通じる開口部は、前面パネルが閉じられている状態であっても、筐体内に対して露出している。このため、ネットワーク中継器が室内機に内蔵された後に、当該開口部から埃等の異物が室内機の内部に入り込むことがあり、その埃等の異物が室内機の内部に設けられた制御基板とネットワーク中継器との接続部分の近傍等に堆積すると室内機に内蔵されたネットワーク中継器の接続不良等の原因となる。
【0007】
従って、本発明はこの従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、筐体の壁部の前面パネルによって覆われた領域の一部に形成された、ネットワーク中継器が収納される空間に通じる開口部から埃等の異物が内部に侵入するのを阻止できる空気調和機の室内機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る空気調和機の室内機は、送風ファンが収容される筐体の前側に備えられた壁部の前面パネルによって覆われた領域の一部に、前記筐体の内部に形成されたネットワーク中継器が収納される空間に通じる開口部が形成された空気調和機の室内機であって、前記筐体の壁部に、前記開口部を開閉するカバー部材を取り付けたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る空気調和機の室内機によれば、筐体の壁部の前面パネルによって覆われた領域の一部に形成された、ネットワーク中継器が収納される空間に通じる開口部から埃等の異物が内部に侵入するのを阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る空気調和機の室内機の正面図である。
図2図1におけるA-A線に沿う断面図である。
図3図1に示す室内機から前面パネルを取り除いた状態の正面図である。
図4図3に示す状態からネットワーク中継器及びカバー部材を取り除いた状態の室内機を正面斜め下方から見た部分斜視図である。
図5図3に示す状態からネットワーク中継器及びカバー部材を取り除いた状態の室内機を図4とは異なる方向ら見た部分斜視図である。
図6】ネットワーク中継器の斜視図である。
図7】カバー部材の斜視図である。
図8】カバー部材の正面図である。
図9】カバー部材の右側面図である。
図10】カバー部材の平面図である。
図11】前面パネルを取り外した状態で、ネットワーク中継器を、ネットワーク中継器収容凹部に収容し、コネクタに接続した状態の断面図である。
図12図11に示す状態からカバー部材を取り付け、カバー部材を回転させている途中の断面図である。
図13図12に示す状態からカバー部材の回転が終了して壁部に係止され、ネットワーク中継器収容凹部の前側を閉塞した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0012】
図1及び図2に示すように、空気調和機の室内機1は、ベース2と、送風ファン3と、熱交換器4と、ドレパン組立体5と、筐体6と、前面パネル7とを備えている。ドレパン組立体5には吹出口5aが形成され、この吹出口5aには、上下風向調整板5bが設けられる。
ベース2に、送風ファン3と、熱交換器4と、ドレパン組立体5とが取り付けられている。また、ベース2には、送風ファン3、熱交換器4及びドレパン組立体5を収容する筐体6が取り付けられている。筐体6の前側(図2における左側)には、左右方向(図1における左右方向)に延びる壁部51が備えられている。壁部51は筐体6から取り外すことができる。また、前面パネル7は、壁部51の上端(図2おける上端)近傍に回動可能に取り付けられ、壁部51の前側を覆う。ユーザーは、前面パネル7を着脱することができる。
【0013】
このように構成された空気調和機の室内機1において、送風ファン3が回転すると、室内の空気が図示しないフィルターを介して室内機1内に吸い込まれ、熱交換器4において冷媒と熱交換されて冷気、暖気等になり、その冷気、暖気等が吹出口5aを通過して室内へ噴出される。
ここで、空気調和機の室内機1には、図6に示すようなネットワーク中継器70が搭載される。このネットワーク中継器70は、後述する制御基板56にコネクタ57(図11乃至図13参照)を介して接続され、LAN、WAN等のネットワークに接続された無線ルータ等の通信機器と無線で通信するものである。ネットワーク中継器70は、例えば、LAN、WAN等のネットワークに接続された無線ルータ等の通信機器とWi-Fi通信する。ネットワーク中継器70は、図6に示すように、四角柱状の中継器本体71の前端部(図6における左端部)にコネクタ部72を備えている。また、中継器本体71の上面の後縁及び左右両側縁にコ字形のリブ73が中継器本体71から突出するように形成されている。中継器本体71の表面には、図示はしないが、通信状態、エラー状態等を表示するための複数の表示灯が設けられるとともに、ID等が記載されたラベルが貼付されている。
【0014】
次に、このネットワーク中継器70の室内機1への搭載について、図3乃至図13を参照して説明する。
図3には、図1に示す室内機1から前面パネル7を取り除いた状態の正面が示され、図4には、図3に示す状態からネットワーク中継器70及びカバー部材60を取り除いた状態の室内機1を正面斜め下方から見た状態が示され、図5には、図3に示す状態からネットワーク中継器70及びカバー部材60を取り除いた状態の室内機を図4とは異なる方向ら見た状態が示されている。また、図7にはカバー部材60の斜視図、図8にはカバー部材60の正面図、図9にはカバー部材60の右側面図、図10はカバー部材60の平面図が示されている。更に、図11には、前面パネル7を取り外した状態で、ネットワーク中継器70を、コネクタ57に接続した状態の断面が示されている。図12には、図11に示す状態からカバー部材60を取り付け、カバー部材60を回転させている途中の断面が示されている。図13には、図12に示す状態からカバー部材60の回転が終了して壁部に係止され、ネットワーク中継器収容凹部54の前側が閉塞された状態の断面が示されている。
【0015】
図3乃至図5に示すように、壁部51の前面パネル7によって覆われた領域R(図3における斜線を引いた領域)の一部、具体的には壁部51の右端下方部の近傍には、後方に凹み前方が開口するネットワーク中継器収容凹部54が形成されている。ネットワーク中継器収容凹部54は、ネットワーク中継器70を収容するものであり、ネットワーク中継器70を収容可能な上下方向の幅を有するとともに、ネットワーク中継器70の高さよりも大きい前後方向の深さを有する。また、ネットワーク中継器収容凹部54は、図11に示すように、ネットワーク中継器70が左右方向にスライド可能な左右方向の長さを有する。
【0016】
そして、ネットワーク中継器収容凹部54の左端壁54cには、図4及び図11に示すように、筐体6の内部に形成されたネットワーク中継器70が収納される空間52に通じる開口部53が形成され、開口部53を介して空間52とネットワーク中継器収容凹部54とが連通している。開口部53は、ネットワーク中継器70の中継器本体71の先端側(前端側)が左右方向に通過可能なように、中継器本体71を左右方向(図6における上下方向)に沿って切断した断面形状よりもやや大きな矩形状に形成されている。また、ネットワーク中継器収容凹部54の上壁54e及び下壁54fの開口部53側(左側)端部には、図4及び図12に示すように、後述するカバー部材60の支軸部64が入り込む一対の凹部54a(上壁54e側の凹部54aのみ図示)が形成されている。また、ネットワーク中継器収容凹部54の右端壁54dには、後述するカバー部材60の係止爪66aが入り込む係止孔54bが形成されている。
【0017】
また、ネットワーク中継器70が収納される空間52には、図11に示すように、制御基板収納ケース55が設けられ、この制御基板収納ケース55内には、コネクタ57が接続される制御基板56が収納されている。
そして、ネットワーク中継器70を室内機1に搭載するに際し、先ず、図11に示すように、前面パネル7を取り外した状態、あるいは前面パネル7に対して開いた状態で、ネットワーク中継器70をコネクタ部72を開口部53側(左側)に向けてネットワーク中継器収容凹部54に収容する。
【0018】
次いで、ネットワーク中継器70を空間52に向けて(左方に向けて)押圧してスライドさせ、ネットワーク中継器70の中継器本体71の先端側を開口部53を通過させて空間52内に挿入し、コネクタ部72をコネクタ57に接続する。これにより、ネットワーク中継器70が制御基板56に接続される。
ここで、ネットワーク中継器70が収納される空間52に通じる開口部53において、ネットワーク中継器70の中継器本体71との間に隙間が生じる。そして、前面パネル7が取り外された状態であるので、当該隙間が筐体6の外部に露出した状態となっている。このため、当該隙間から埃等の異物が室内機1の内部に入り込むことがあり、その埃等の異物がコネクタ57とネットワーク中継器70のコネクタ部72との接続部分や制御基板56の近傍に堆積して室内機1に内蔵された制御基板56等の接続不良等の原因となることがある。
【0019】
このため、本実施形態に係る室内機1にあっては、図12に示すように、筐体6の壁部51に、開口部53を開閉するカバー部材60が取り付けられる。
カバー部材60は、図7乃至図10に示すように、前後方向(図7における左右方向)及び左右方向(図7における上下方向)に延びる矩形状の平板部61と、平板部61の左側縁及び右側縁のそれぞれから下方に延びる一対の側板部62とを備えている。
カバー部材60の平板部61は、ネットワーク中継器収容凹部54の前側(図13において上側)を閉塞する形状を有する。
【0020】
また、カバー部材60の平板部61の左側縁及び右側縁の側板部62よりも前側(図7における左側)の位置からは一対の支持板部63が下方に延び、各支持板部63には左右方向外方に突出する支軸部64が設けられている。各支軸部64は、ネットワーク中継器収容凹部54に形成された各凹部54aに入り込み、これにより、カバー部材60は、図12に示すように、ネットワーク中継器収容凹部54の開口部53側の左端部を回動軸として回動可能に支持される。カバー部材60は、図12に示すように、ネットワーク中継器収容凹部54に対して開いている状態と、図13に示すように、ネットワーク中継器収容凹部54に対して閉じている状態との間を回動する。
【0021】
また、カバー部材60の平板部61の後端部(図7における右端部)61bの左右方向中央部には、矩形状の切欠き61aが形成され、切欠き61aの前縁には、下方に凸の形で湾曲する弾性部65を有する係止片66が設けられている。また、係止片66の後面66bには、係止爪66aが突出するように形成されている。係止爪66aは、カバー部材60が回動してネットワーク中継器収容凹部54の前側を閉塞するときに、ネットワーク中継器収容凹部54に形成された係止孔54bに入り込み、カバー部材60を係止する。そして、カバー部材60がネットワーク中継器収容凹部54の前側を閉塞することで、開口部53と中継器本体71との間の隙間が筐体6の外部に露出することを回避する。
【0022】
また、カバー部材60の平板部61の下面には、ネットワーク中継器収容凹部54の前側を閉塞する回動途中でネットワーク中継器70を空間52への挿入方向に押圧可能な一対の押圧部67が設けられている。各押圧部67は、矩形の平板状に形成され、一方の押圧部67は平板部61の左側の側板部62の内側に配置され、他方の押圧部67は平板部61の右側の側板部62の内側に配置される。ネットワーク中継器70がコネクタ57に対し不完全な嵌合状態で接続されているときに、各押圧部67は、回動途中でネットワーク中継器70の後端部に接触してネットワーク中継器70を空間52への挿入方向に押圧し、ネットワーク中継器70のコネクタ57に対する不完全な嵌合状態を解消する。これにより、ネットワーク中継器70とコネクタ57との接続不良を解消することができる。一方、ネットワーク中継器70がコネクタ57に対し完全な嵌合の状態で接続されているときには、各押圧部67は、回動途中でネットワーク中継器70の後端部に接触することのない形状、寸法に設定されている。
【0023】
また、カバー部材60は、透明の樹脂材料を成形することにより形成されている。カバー部材60が有色である場合には、カバー部材60がネットワーク中継器収容凹部54の前側を閉塞すると、外部からネットワーク中継器70を視認することができない。これに対して、カバー部材60が透明の場合には、カバー部材60がネットワーク中継器収容凹部54の前側を閉塞しても、外部からネットワーク中継器70を視認することができ、中継器本体71の表面に設けられた表示灯及びID等が記載されたラベルを視認することができる。
【0024】
図11に示すように、ネットワーク中継器70をコネクタ57に接続した後、図12に示すように、カバー部材60の支軸部64をネットワーク中継器収容凹部54に形成された各凹部54aに挿入する。これにより、カバー部材60は、図12に示すように、ネットワーク中継器収容凹部54の開口部53側の左端部を回動軸として回動可能に支持される。
次いで、カバー部材60を図12における矢印方向に回動させ、図13に示すように、カバー部材60の係止爪66aをネットワーク中継器収容凹部54に形成された係止孔54bに入れ込む。この際に、係止片66は、弾性部65を有するから、ネットワーク中継器収容凹部54の右端壁54dに接触して一旦左方に変位し、係止爪66aが係止孔54bに入り込んだ時に元の位置に復帰する。これにより、カバー部材60が係止され、カバー部材60がネットワーク中継器収容凹部54の前側を閉塞し、開口部53と中継器本体71との間の隙間が筐体6の外部に露出することを回避する。
【0025】
開口部53が閉塞されることにより、前面パネル7が取り外された状態であっても、開口部53とネットワーク中継器70の中継器本体71との間の隙間が筐体6の外部に露出することが回避され、当該隙間から埃等の異物が室内機1の内部に侵入し、その埃等の異物がコネクタ57とネットワーク中継器70のコネクタ部72との接続部分や制御基板56の近傍に堆積して室内機1に内蔵された制御基板56等の接続不良を回避することができる。
一方、ネットワーク中継器70を取り出す場合には、カバー部材60の係止片66を左方に変位させて係止爪66aを係止孔54bから取り外し、その状態でカバー部材60を図12における矢印方向と反対方向に回動させる。そして、カバー部材60の支軸部64をネットワーク中継器収容凹部54に形成された各凹部54aから外してカバー部材60を壁部51から取り外す。その後、ネットワーク中継器70を空間52への挿入方向とは反対方向にスライドさせて引き出し、コネクタ部72をコネクタ57から取り外せばよい。このネットワーク中継器70の引き出しに際し、作業者はリブ73に指を掛けて引き出すことができる。
【0026】
なお、ネットワーク中継器70を室内機1に搭載するに際し、ネットワーク中継器70をネットワーク中継器収容凹部54に収容し、ネットワーク中継器70をスライドさせてコネクタ57に接続する前に、カバー部材60を壁部51に取り付けておき、係止爪66aの係止状態を解除してカバー部材60を開き、その後、ネットワーク中継器70をネットワーク中継器収容凹部54に収容し、ネットワーク中継器70をスライドさせてコネクタ57に接続する。その後、カバー部材60を回動させて係止爪66aを係止孔54bに係止し、カバー部材60によってネットワーク中継器収容凹部54の前側を閉塞し、開口部53と中継器本体71との間の隙間が筐体6の外部に露出することを回避するようにしてもよい。
【0027】
この際に、カバー部材60は、ネットワーク中継器収容凹部54の開口部53側の左端部を回動軸として回動可能に支持され、ネットワーク中継器70の挿入方向に沿ってカバー部材60が開閉するようになっているので、カバー部材60を取り付けた状態でネットワーク中継器70を容易にスライドさせコネクタ57に接続することができる。
また、ネットワーク中継器70を取り出す場合には、カバー部材60の係止片66を左方に変位させて係止爪66aを係止孔54bから取り外し、その状態でカバー部材60を図12における矢印方向と反対方向に回動させてカバー部材70を開く。この状態で、カバー部材60を壁部51から取り外さずに、ネットワーク中継器70を空間52への挿入方向とは反対方向にスライドさせて引き出し、コネクタ部72をコネクタ57から取り外すようにしてもよい。
【0028】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、 カバー部材60は、開口部53を開閉する構造であれば、必ずしもネットワーク中継器収容凹部54の開口部53側の左端部を回動軸として回動可能に支持されていなくてもよい。
また、カバー部材60は、必ずしも押圧部67を備えていなくても良い。
また、カバー部材60は、透明の部材で形成されている必要は必ずしもない。
【符号の説明】
【0029】
1 空気調和機の室内機
2 基台
3 送風ファン
4 熱交換器
5 ドレパン組立体
5a 吹出口
5b 上下風向調整板
6 筐体
7 前面パネル
51 壁部
52 空間
53 開口部
54 ネットワーク中継器収容凹部
54a 凹部
54b 係止孔
54c 左端壁
54d 右端壁
54e 上壁
54f 下壁
55 制御基板収納ケース
56 制御基板
57 コネクタ
60 カバー部材
61 平板部
61a 切欠き
61b 後端部
62 側板部
63 支持板部
64 支軸部
65 弾性部
66 係止片
66a 係止爪
66b 後面
67 押圧部
70 ネットワーク中継器
71 中継器本体
72 コネクタ部
73 リブ
R 壁部の前面パネルによって覆われた領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13