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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】記録材収容装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/00 20060101AFI20221115BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
B65H1/00 501A
G03G15/00 401
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018174108
(22)【出願日】2018-09-18
(65)【公開番号】P2020045208
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】由井 肇
(72)【発明者】
【氏名】池 洋培
(72)【発明者】
【氏名】鄭 煥禹
(72)【発明者】
【氏名】李 鍾善
(72)【発明者】
【氏名】任 正勲
(72)【発明者】
【氏名】李 吉勲
(72)【発明者】
【氏名】鄭 東憲
(72)【発明者】
【氏名】呉 明珍
(72)【発明者】
【氏名】李 俊傑
(72)【発明者】
【氏名】金 民知
(72)【発明者】
【氏名】卞 教熏
【審査官】前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-013978(JP,A)
【文献】特開2002-145459(JP,A)
【文献】特開2006-188357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00 - 3/68
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
その位置を検知される被検知部と、
積載される記録材の側辺に接近する方向および離れる方向へ移動可能に設けられ、当該側辺に押し当てられる押し当て部と、
前記押し当て部に付随して当該押し当て部の移動方向へ移動するように設けられるとともに、当該押し当て部の移動に伴い、当該押し当て部に対し相対移動して、前記被検知部を移動させる移動部と、
を備える記録材収容装置。
【請求項2】
前記移動部は、前記押し当て部に対する移動を行う際、当該押し当て部の移動方向と交差する方向へ移動する請求項1に記載の記録材収容装置。
【請求項3】
前記押し当て部に対して操作者が加える操作荷重が利用されて、当該押し当て部に対する前記移動部の相対移動が行われる請求項1に記載の記録材収容装置。
【請求項4】
前記移動部は、前記押し当て部とともに移動しながら予め定められた箇所を中心とした軌跡を描いて移動し、前記被検知部を移動させる請求項1に記載の記録材収容装置。
【請求項5】
その位置を検知される被検知部と、
積載される記録材の側辺に接近する方向および離れる方向へ移動可能に設けられ、当該側辺に押し当てられる押し当て部と、
前記押し当て部の移動に伴い、当該押し当て部に対し相対移動して、前記被検知部を移動させる移動部と、
予め定められた回転中心を中心に回転する回転部と、
を備え
前記被検知部は、前記回転部に設けられ、
前記移動部は、前記回転部を回転させて前記被検知部を移動させる記録材収容装置。
【請求項6】
前記回転部は、前記回転中心から離れた側に端部を有し、
前記被検知部は、前記回転部の前記端部に設けられている請求項5に記載の記録材収容装置。
【請求項7】
前記移動部は、前記回転部のうちの、前記端部と前記回転中心との間に位置する中点よりも当該端部側に位置する部分に接触して、当該回転部を回転させる請求項6に記載の記録材収容装置。
【請求項8】
その位置を検知される被検知部と、
積載される記録材の側辺に接近する方向および離れる方向へ移動可能に設けられ、当該側辺に押し当てられる押し当て部と、
前記押し当て部の移動に伴い、当該押し当て部に対し相対移動して、前記被検知部を移動させる移動部と、
前記被検知部に連動する連動部と、
を備え
前記移動部は、前記連動部を移動させて前記被検知部の移動を行い、
前記連動部のうちの前記移動部が接触する部分には、前記押し当て部の移動方向に対して傾斜した傾斜部が設けられている記録材収容装置。
【請求項9】
前記押し当て部に対する前記移動部の前記相対移動が行われる際に、前記傾斜部に当該移動部が接触する請求項8に記載の記録材収容装置。
【請求項10】
その位置を検知される被検知部と、
積載される記録材の側辺に接近する方向および離れる方向へ移動可能に設けられ、当該側辺に押し当てられる押し当て部と、
前記押し当て部の移動に伴い、当該押し当て部に対し相対移動して、前記被検知部を移動させる移動部と、
前記押し当て部の移動に伴い移動し且つ前記移動部の前記相対移動が行われないときに前記被検知部を移動させる第2の移動部と、
を備える記録材収容装置。
【請求項11】
前記被検知部に連動する連動部が設けられ、
前記第2の移動部は、前記連動部を移動させて前記被検知部の移動を行い、
前記移動部の前記相対移動が行われ当該移動部による前記被検知部の移動が行われる際、前記第2の移動部と前記連動部とが非接触の状態となっている請求項10に記載の記録材収容装置。
【請求項12】
記録材に画像を形成する画像形成手段と、当該記録材を収容する記録材収容装置とを備え、当該記録材収容装置が請求項1乃至11の何れかに記載の記録材収容装置により構成された画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材収容装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、用紙サイズに応じて変位可能に取り付けられたサイズ検出用レバーを備えた給紙装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-79120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録材収容装置では、記録材の側辺に押し当てられる押し当て部の移動に応じて、被検知部を移動させ、この被検知部の位置を検知することで、記録材の大きさの検知を行うことがある。
被検知部の移動については、例えば、被検知部とともに移動する可動部に、押し当て部の移動方向に対して傾斜した傾斜部を設け、この傾斜部に対して、押し当て部に連動する部分を押し当てることで、被検知部を移動させることができる。ところで、押し当て部に連動する部分を傾斜部に押し当てる場合、この傾斜部の傾斜角度が大きいと、押し当て部が円滑に移動しにくくなるなどの不具合が生じやすくなる。
本発明の目的は、被検知部とともに移動する可動部が有する傾斜部が無くても被検知部を移動させることができるようにすること、又は、押し当て部に連動する部分を傾斜部へ押し当てる構成のみで被検知部を移動させる場合に比べ、被検知部とともに移動する可動部が有する傾斜部の傾斜角度を小さくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、その位置を検知される被検知部と、積載される記録材の側辺に接近する方向および離れる方向へ移動可能に設けられ、当該側辺に押し当てられる押し当て部と、前記押し当て部に付随して当該押し当て部の移動方向へ移動するように設けられるとともに、当該押し当て部の移動に伴い、当該押し当て部に対し相対移動して、前記被検知部を移動させる移動部と、を備える記録材収容装置である。
請求項2に記載の発明は、前記移動部は、前記押し当て部に対する移動を行う際、当該押し当て部の移動方向と交差する方向へ移動する請求項1に記載の記録材収容装置である。
請求項3に記載の発明は、前記押し当て部に対して操作者が加える操作荷重が利用されて、当該押し当て部に対する前記移動部の相対移動が行われる請求項1に記載の記録材収容装置である。
請求項4に記載の発明は、前記移動部は、前記押し当て部とともに移動しながら予め定められた箇所を中心とした軌跡を描いて移動し、前記被検知部を移動させる請求項1に記載の記録材収容装置である。
請求項に記載の発明は、その位置を検知される被検知部と、積載される記録材の側辺に接近する方向および離れる方向へ移動可能に設けられ、当該側辺に押し当てられる押し当て部と、前記押し当て部の移動に伴い、当該押し当て部に対し相対移動して、前記被検知部を移動させる移動部と、予め定められた回転中心を中心に回転する回転部と、を備え、前記被検知部は、前記回転部に設けられ、前記移動部は、前記回転部を回転させて前記被検知部を移動させる記録材収容装置である。
請求項6に記載の発明は、前記回転部は、前記回転中心から離れた側に端部を有し、前記被検知部は、前記回転部の前記端部に設けられている請求項5に記載の記録材収容装置である。
請求項7に記載の発明は、前記移動部は、前記回転部のうちの、前記端部と前記回転中心との間に位置する中点よりも当該端部側に位置する部分に接触して、当該回転部を回転させる請求項6に記載の記録材収容装置である。
請求項に記載の発明は、その位置を検知される被検知部と、積載される記録材の側辺に接近する方向および離れる方向へ移動可能に設けられ、当該側辺に押し当てられる押し当て部と、前記押し当て部の移動に伴い、当該押し当て部に対し相対移動して、前記被検知部を移動させる移動部と、前記被検知部に連動する連動部と、を備え、前記移動部は、前記連動部を移動させて前記被検知部の移動を行い、前記連動部のうちの前記移動部が接触する部分には、前記押し当て部の移動方向に対して傾斜した傾斜部が設けられている記録材収容装置である。
請求項9に記載の発明は、前記押し当て部に対する前記移動部の前記相対移動が行われる際に、前記傾斜部に当該移動部が接触する請求項8に記載の記録材収容装置である。
請求項10に記載の発明は、その位置を検知される被検知部と、積載される記録材の側辺に接近する方向および離れる方向へ移動可能に設けられ、当該側辺に押し当てられる押し当て部と、前記押し当て部の移動に伴い、当該押し当て部に対し相対移動して、前記被検知部を移動させる移動部と、前記押し当て部の移動に伴い移動し且つ前記移動部の前記相対移動が行われないときに前記被検知部を移動させる第2の移動部と、を備える記録材収容装置である。
請求項11に記載の発明は、前記被検知部に連動する連動部が設けられ、前記第2の移動部は、前記連動部を移動させて前記被検知部の移動を行い、前記移動部の前記相対移動が行われ当該移動部による前記被検知部の移動が行われる際、前記第2の移動部と前記連動部とが非接触の状態となっている請求項10に記載の記録材収容装置である。
請求項12に記載の発明は、記録材に画像を形成する画像形成手段と、当該記録材を収容する記録材収容装置とを備え、当該記録材収容装置が請求項1乃至11の何れかに記載の記録材収容装置により構成された画像形成装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、被検知部とともに移動する可動部が有する傾斜部が無くても被検知部を移動させることができる、又は、押し当て部に連動する部分を傾斜部へ押し当てる構成のみで被検知部を移動させる場合に比べ、被検知部とともに移動する可動部が有する傾斜部の傾斜角度を小さくすることができる。
請求項2の発明によれば、押し当て部の移動方向に移動部が移動する場合に比べ、押し当て部の移動方向と交差する方向へ移動するように設けられた被検知部の移動を行いやすくなる。
請求項3の発明によれば、移動部を移動させるための専用の駆動源を設けないでも、移動部を移動させることができる。
請求項4の発明によれば、押し当て部の移動方向に移動部が移動する場合に比べ、押し当て部の移動方向と交差する方向へ移動するように設けられた被検知部の移動を行いやすくなる。
請求項5の発明によれば、スライド移動する部材を移動させて被検知部を移動させる場合に比べ、被検知部の移動量を増すことができる。
請求項6の発明によれば、回転部の端部よりも回転部の回転中心に近い側に被検知部が設けられる場合に比べ、被検知部の移動量を増すことができる。
請求項7の発明によれば、回転部のうち、中点よりも回転中心に近い側に、移動部が接触する場合に比べ、回転部の回転に要する力を低減できる。
請求項8の発明によれば、連動部のうちの移動部が接触する部分に傾斜部が設けられない場合に比べ、被検知部の移動量を増すことができる。
請求項9の発明によれば、押し当て部に対する移動部の相対移動が行われるときと、傾斜部に移動部が接触するときとが異なる場合に比べ、押し当て部に対する移動部の相対移動が行われるときの被検知部の移動量を増すことができる。
請求項10の発明によれば、移動部の相対移動が行われないときでも被検知部を移動させることができる。
請求項11の発明によれば、移動部の相対移動が行われ移動部による被検知部の移動が行われる際に、第2の移動部と連動部とが接触する場合に比べ、押し当て部の移動に要する操作荷重を低減できる。
請求項12の発明によれば、被検知部とともに移動する可動部が有する傾斜部が無くても被検知部を移動させることができ、又は、押し当て部に連動する部分を傾斜部へ押し当てる構成のみで被検知部を移動させる場合に比べ、被検知部とともに移動する可動部が有する傾斜部の傾斜角度を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成装置を示した図である。
図2】用紙収容装置をリア側から眺めた場合の斜視図である。
図3】用紙収容装置の上面図であって、第1押し当て部、第2押し当て部が設けられている部分を示した図である。
図4】用紙収容装置の上面図であって、用紙収容装置のリア側の一部を示した図である。
図5】サイズの大きい用紙がセットされる際の各部の動きを説明する図である。
図6】接触部、突出部が、それぞれ、底部溝の第2底部溝、第2溝の第2部位に達した際の状態を示した図である。
図7】(A)、(B)は、各部の動きを説明する図である。
図8図7(B)にて示した状態を上方から眺めた場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1を示した図である。
画像形成装置1には、原稿の画像を読み取る画像読取装置100が設けられている。
また、画像形成装置1には、記録材の一例である用紙への画像形成を行う画像形成部150が設けられている。
また、画像形成装置1には、記録材収容装置の一例としての用紙収容装置300が複数設けられている。この用紙収容装置300には、画像形成部150へ供給される用紙が収容される。
【0009】
画像形成手段の一例としての画像形成部150は、いわゆる電子写真方式を用いて、用紙への画像形成を行う。なお、画像形成の方式は、電子写真方式に限らず、インクジェット方式などの他の方式を用いてもよい。
画像形成部150による画像形成にあたっては、複数設けられた用紙収容装置300の何れかから用紙の送り出しが行われ、矢印1Aで示すように、この用紙が画像形成部150に供給される。
そして、画像形成部150により用紙への画像形成が行われた後、用紙積載部71上に、画像形成後の用紙が積載される。
【0010】
ここで、用紙収容装置300の各々には、取手301が設けられ、用紙の補充などの際には、この取手301が操作者により把持されたうえで、図中矢印1Bで示す一方向へ引き出される。
付言すると、用紙収容装置300の各々は、画像形成装置1の奥行方向に沿って移動可能に設けられ、用紙の補充などの際には、図中手前側方向(画像形成装置1のフロント側方向)へ引き出される。
そして、用紙収容装置300への用紙の補充などが終わると、用紙収容装置300は、一方向とは反対方向に向けて押圧され(画像形成装置1のリア側に向けて押圧され)、元の位置に戻される。
【0011】
図2は、用紙収容装置300をリア側から眺めた場合の斜視図である。
用紙収容装置300には、用紙Pを収容する箱状の装置本体部321が設けられている。
さらに、図2に示すように、装置本体部321の内部には、積載される用紙Pを下方から支持する板状の支持部320が設けられている。
【0012】
さらに、本実施形態では、積載される用紙Pの側辺に押し当てられる第1押し当て部41、第2押し当て部42が設けられている。
ここで、第1押し当て部41および第2押し当て部42の各々は、図中矢印2Xで示す方向における位置が互いに異なるように配置されている。
付言すると、第1押し当て部41および第2押し当て部42の各々は、用紙収容装置300の引き出し方向(図1にて矢印1Bで示す方向、図2にて矢印2Bで示す方向)における位置が互いに異なるように配置されている。
【0013】
図2に示すように、第2押し当て部42は、用紙収容装置300の引き出し方向において、第1押し当て部41よりも下流側に配置されている。
付言すると、本実施形態では、第1押し当て部41がリア側に位置し、第2押し当て部42がフロント側に位置している。
【0014】
さらに、第1押し当て部41、第2押し当て部42の各々は、支持部320上に積載される用紙Pの側辺60に接近する方向および離れる方向へ移動可能に設けられている。
用紙Pは、矩形状に形成され、互いに対向する関係の第1側辺61、第2側辺62、同じく、互いに対向する関係の第3側辺63、第4側辺64を有する。
第1押し当て部41は、用紙Pの第1側辺61に接近する方向および離れる方向へ移動可能となっている。また、第2押し当て部42は、第1側辺61とは反対側に位置する第2側辺62に接近する方向および離れる方向へ移動可能となっている。
【0015】
付言すると、第1押し当て部41および第2押し当て部42は、用紙収容装置300の奥行方向に沿って移動可能となっている。
さらに、本実施形態では、用紙Pの第3側辺63に対して押し当てられる第3押し当て部43が設けられている。この第3押し当て部43は、用紙収容装置300の幅方向(用紙収容装置300の奥行方向と交差(直交)する方向)に沿って移動可能となっている。
【0016】
支持部320には、切り欠きや貫通孔などが形成され、第1押し当て部41、第2押し当て部42は、この切り欠き内や、貫通孔内に配置されている。
これにより、本実施形態では、第1押し当て部41、第2押し当て部42と、支持部320との干渉が避けられる。
【0017】
本実施形態では、操作者により、第1押し当て部41、第2押し当て部42の操作が行われて、第1側辺61に第1押し当て部41が押し当てられ、第2側辺62に第2押し当て部42が押し当てられる。
また、操作者により、第3押し当て部43の操作が行われて、第3側辺63に、第3押し当て部43が押し当てられる。
これにより、本実施形態では、用紙Pの位置決めが行われる。
【0018】
図3は、用紙収容装置300の上面図であって、第1押し当て部41、第2押し当て部42が設けられている部分を示した図である。
本実施形態では、第1押し当て部41、第2押し当て部42を連動させる連動機構80が設けられ、本実施形態では、操作者が第2押し当て部42を操作して移動させると、これに応じて、第1押し当て部41が移動する。
【0019】
具体的には、本実施形態では、第2押し当て部42が、用紙収容装置300のフロント側に位置し、この第2押し当て部42が、操作者により触れられて操作される押し当て部となっている(操作者による操作の対象となっている)。
そして、本実施形態では、第2押し当て部42が、操作者により操作されて用紙P側へ移動すると、第2押し当て部42のこの移動に連動して、第1押し当て部41が移動し、第1押し当て部41も用紙P側へ移動する。
【0020】
また、逆に、第2押し当て部42が、操作者により操作され用紙Pから離れる方向へ移動すると、第1押し当て部41は、第2押し当て部42のこの移動に連動して移動し、第1押し当て部41も、用紙Pから離れる方向へ移動する。
【0021】
連動機構80には、第1押し当て部41に接続され第2押し当て部42側に向かって延びる第1ラックギア81、第2押し当て部42に接続され第1押し当て部41側に向かって延びる第2ラックギア82が設けられている。
さらに、連動機構80には、この第1ラックギア81および第2ラックギア82の両者に噛み合うギア83が設けられている。
本実施形態では、操作者が、第2押し当て部42を移動させると、第2ラックギア82の移動、ギア83の回転、第1ラックギア81の移動が行われるようになり、これにより、第1押し当て部41が移動する。
【0022】
なお、第2押し当て部42には、操作者により操作される操作部42Aが設けられている。第2押し当て部42の移動が行われる際には、この操作部42Aが操作者により操作されたうえで、第2押し当て部42の移動が行われる。
より具体的には、第2押し当て部42は、装置本体部321の底部322に対して固定されるようになっており、第2押し当て部42の移動が行われる際には、操作部42Aに対する操作が行われて、第2押し当て部42のこの固定が解除される。その後、第2押し当て部42の移動が行われる。
【0023】
図4は、用紙収容装置300の上面図であって、用紙収容装置300のリア側の一部を示した図である。なお、この図4では、支持部320(図2参照)の図示を省略している。
図4に示すように、本実施形態では、第1押し当て部41と一体で構成され、且つ、装置本体部321の底部322に対向する対向部325が設けられている。
対向部325は、用紙収容装置300の幅方向に延びるように配置されている。また、対向部325は、第1押し当て部41に連動し、第1押し当て部41とともに移動する。
【0024】
対向部325の図中右端部には、被検知部340(詳細は後述)を移動させるための移動用部材351が設けられている。
移動用部材351は、回転軸351Aを中心に回転可能に設けられている。また、移動用部材351は、対向部325に取り付けられ、対向部325とともに移動する。
【0025】
また、対向部325の右端部であって、移動用部材351よりも図中右側には、上方に向かって突出した円柱状の突出部353が設けられている。この突出部353も、対向部325に取り付けられ、対向部325とともに移動する。
また、突出部353の突出方向における先端には、突出部353よりも径が大きく、その一部が回転部材360に対向配置される対向部359が設けられている。
【0026】
移動用部材351は、移動部351Bおよび接触部351Cを備える。
本実施形態では、移動部351Bおよび接触部351Cの一方は、回転軸351Aを挟んで相対する2つの領域のうちの一方の領域側に配置され、また、他方は、この2つの領域のうちの他方の領域側に配置されている。
また、本実施形態では、移動部351Bおよび接触部351Cの各々と回転軸351Aとの距離を比べた場合に、移動部351Bと回転軸351Aとの距離の方が、接触部351Cと回転軸351Aとの距離よりも大きくなっている。
【0027】
移動部351Bは、上方に向かって突出する円柱状の突起により構成されている。移動部351Bは、第1押し当て部41、第2押し当て部42の移動に伴い、第1押し当て部41に対する相対移動を行って、被検知部340を移動させる(詳細は後述)。
ここで、「相対移動」とは、移動部351Bが、第1押し当て部41に対して相対的に移動することを意味する。
【0028】
本実施形態では、後述するように、移動部351Bが第1押し当て部41に付随して移動するが、この際、移動部351Bは、この付随しての移動を行いながら、第1押し当て部41に対する相対移動を行う(詳細は後述)。
接触部351Cは、下方に向かって突出する円柱状の突起により構成されている。この接触部351Cは、装置本体部321の底部322に接触しこの底部322からの力を受ける(詳細は後述)。
【0029】
さらに、本実施形態では、装置本体部321の底部322に、用紙収容装置300の奥行方向に沿って延びる底部溝355が設けられている。本実施形態では、この底部溝355内に、移動用部材351に設けられた接触部351Cが配置される。
底部溝355には、用紙収容装置300の奥行方向に沿って直線状に延びる第1底部溝355Aが設けられている。また、用紙収容装置300の奥行方向および幅方向の両者に対して傾斜した状態で配置された第2底部溝355Bが設けられている。さらに、用紙収容装置300の奥行方向に沿って直線状に延びる第3底部溝355Cが設けられている。
【0030】
本実施形態では、用紙収容装置300のフロント側からリア側に向かって、第1底部溝355A、第2底部溝355B、第3底部溝355Cの順で配置されている。
第1底部溝355Aおよび第3底部溝355Cは、用紙収容装置300の奥行方向および幅方向における位置が互いに異なるように配置されている。
第2底部溝355Bは、第1底部溝355Aと第3底部溝355Cとを接続する。
【0031】
さらに、本実施形態では、移動用部材351よりも図中右側に、予め定められた回転中心360Aを中心に回転する回転部の一例としての回転部材360が設けられている。
付言すると、用紙収容装置300の幅方向において、移動用部材351に隣接する箇所に、用紙収容装置300の奥行方向に延びる回転部材360が配置されている。
【0032】
本実施形態では、回転部材360のうちの、フロント側に位置するフロント側端部360Fに、回転中心360Aが位置する。回転部材360は、このフロント側端部360Fを中心に回転する。
また、本実施形態では、回転部材360のうちの、リア側に位置するリア側端部360Rに、被検知部340が設けられている。
【0033】
さらに、回転部材360には、用紙収容装置300の奥行方向に沿って延びる第1溝370、第2溝380が形成されている。第1溝370は、第2溝380よりも移動用部材351側に設けられている。
第1溝370は、回転部材360のうちの、リア側端部360Rと回転中心360Aとの間に位置する中点360CTよりもこのリア側端部360R側に位置する。
【0034】
また、第1溝370には、用紙収容装置300の奥行方向に沿って延びる第1部位371と、第1部位371に接続されリア側へ且つ斜め方向へ延びる第2部位372と、第2部位372に接続され奥行方向に沿って延びる第3部位373とが設けられている。
本実施形態では、第1溝370のうち、用紙収容装置300のフロント側に位置する端部が開放されており、本実施形態では、移動用部材351に設けられた移動部351Bが、第1溝370に入る構成となっている。
また、本実施形態では、移動部351Bが第1溝370に入ることで、移動部351Bが、回転部材360に接触することになるが、この接触は、回転部材360の中点360CTよりもリア側端部360R側にて生じる。
【0035】
また、第2溝380にも、用紙収容装置300の奥行方向に沿って延びる第1部位381、第1部位381に接続されリア側へ且つ斜め方向へ延びる第2部位382、第2部位382に接続され奥行方向に沿って延びる第3部位383が設けられている。
本実施形態では、対向部325に設けられた突出部353が、この第2溝380内に位置する構成となっている。
また、本実施形態では、第2溝380の第1部位381は、用紙収容装置300のリア側に向かうに従い、図中右側へ次第に向かうように形成されている。
【0036】
回転部材360のリア側端部360Rには、その位置を検知される被検知部340が設けられている。
本実施形態の回転部材360は、回転中心360Aから離れた側にリア側端部360Rを有する。言い換えると、回転部材360は、自由端側に、リア側端部360Rを有する。
被検知部340は、回転部材360のこのリア側端部360Rに設けられている。
【0037】
さらに、本実施形態では、画像形成装置1の本体1E(図1参照)側に、被検知部340(図4参照)の位置を検知する検知部(不図示)が設けられている。
本実施形態では、用紙収容装置300に収容される用紙Pの大きさに応じて被検知部340が移動し(詳細は後述)、本実施形態の画像形成装置1は、被検知部340の位置を検知することで、用紙Pの大きさを把握する。
【0038】
回転部材360等の動きを説明する。
図5は、サイズの大きい用紙Pがセットされる際の各部の動きを説明する図である。なお、図5では、対向部325、移動用部材351、第1溝370等の図示を省略している。
サイズが大きい用紙Pがセットされる際には、操作者が、第2押し当て部42(図2参照)をフロント側へ移動させ、これに伴い、第1押し当て部41がリア側へ移動する。
第1押し当て部41がリア側へ移動する場合、図5に示すように、底部溝355内に位置する接触部351Cが、リア側へ移動する。また、第2溝380内に位置する突出部353も、リア側へ移動する。
【0039】
突出部353がリア側へ移動すると、この突出部353が、回転部材360を押圧する。
具体的には、突出部353は、回転部材360のうち、第2溝380の第1部位381の左側に位置する部分(符号5Aで示す部分)を押圧する。
これにより、回転部材360が、図中矢印5Dで示す方向へ回転し、これに伴い、被検知部340が移動する。
【0040】
図6は、接触部351C、突出部353が、それぞれ、底部溝355の第2底部溝355B、第2溝380の第2部位382に達した際の状態を示した図である。
本実施形態では、第1押し当て部41が、リア側へ移動し、予め定められた箇所へ達すると、図6に示すように、接触部351Cが、第2底部溝355Bに達する。また、このとき、突出部353が、第2部位382に達する。
【0041】
第2溝380では、第1部位381の溝幅よりも第2部位382の溝幅の方が大きくなっている。これにより、本実施形態では、第2部位382に、突出部353が達すると、突出部353と回転部材360とが非接触となる。
一方、底部溝355では、第1底部溝355Aの溝幅よりも第2底部溝355Bの溝幅の方が小さくなっている。そして、本実施形態では、第2底部溝355Bに、接触部351Cが達すると、この接触部351Cが、装置本体部321の底部322に接触する。
【0042】
より具体的には、底部322のうち、第2底部溝355Bの左側に位置する傾斜部322Aに接触する。
ここで、本明細書において、「傾斜部」とは、第1押し当て部41の移動方向(図6では、破線6Aで示す方向)に対して傾斜して配置された部分をいう。付言すると、「傾斜部」とは、用紙収容装置300の奥行方向に対して角度を有して配置された部分をいう。
本実施形態では、傾斜部322Aの傾斜角度は、45°未満となっている。本明細書において、「傾斜角度」とは、第1押し当て部41の移動方向(図6では、破線6Aで示す方向)を基準とした場合の角度をいう。
【0043】
図7(A)、(B)は、各部の動きを説明する図である。
本実施形態では、図7(A)に示すように、接触部351Cが、底部溝355の第2底部溝355B(図6参照)に達する直前では、移動部351Bが、第1溝370内に入り込み、また、移動部351Bが、第1溝370の第2部位372の直前に達した状態となる。
【0044】
その後、本実施形態では、図7(B)に示すように、接触部351Cは、底部322に設けられた傾斜部322Aに接触しながら移動する。
付言すると、接触部351Cは、底部溝355の第2底部溝355Bの左側に位置する傾斜部322Aに接触しながら移動する。
【0045】
これにより、本実施形態では、移動用部材351が、図7(B)における矢印7Aで示す方向へ回転し、これに応じて、移動部351Bが回転部材360を押圧する。そして、この押圧により、回転部材360が矢印7Bで示す方向へ回転する。
さらに、本実施形態では、接触部351C(図7(B)参照)が傾斜部322Aに接触する際に、移動部351Bも、図7(B)にて示す傾斜部360Xに接触する。
付言すると、回転部材360のうち、第1溝370の第2部位372の左側に位置する傾斜部360Xに接触する。これにより、回転部材360が図中矢印7Bで示す方向へさらに回転する。
なお、傾斜部322Aの傾斜角度と同様、傾斜部360Xの傾斜角度(第1押し当て部41の移動方向を基準とした場合の角度)も45°未満となっている。
【0046】
ここで、本実施形態の回転部材360は、被検知部340に連動する連動部として捉えることができ、移動部351B(図7(B)参照)は、この連動部を移動させて被検知部340の移動を行う。
さらに、本実施形態では、この連動部のうちの移動部351Bが接触する部分には、上記の通り、傾斜部360Xが設けられている。
【0047】
本実施形態では、移動部351B自体が上記の相対移動をすることに加え、移動部351Bが、この傾斜部360Xに接触することでも、回転部材360の回転が行われる。
付言すると、本実施形態では、第1押し当て部41、第2押し当て部42の移動が行われる際、第1押し当て部41に対して移動部351Bが相対移動するが、この相対移動の際に、この相対移動に加え、傾斜部360Xへの移動部351Bの接触が生じるようになっている。
【0048】
図8は、図7(B)にて示した状態を上方から眺めた場合の図である。
本実施形態では、移動用部材351が矢印8Aで示す方向へ回転し、これに伴い、移動部351Bが、矢印8Bで示すように移動する。
言い換えると、移動部351Bは、回転軸351A(回転中心)を中心とした軌跡R8を描いて移動する。付言すると、移動部351Bは、第1押し当て部41とともに用紙収容装置300のリア側へ移動しながら、回転軸351A(回転中心)を中心とした軌跡R8を描いて移動する。
【0049】
また、本実施形態では、移動部351Bは、上記のとおり、第1押し当て部41に対する相対移動を行うが、この相対移動を行う際、第1押し当て部41の移動方向と交差する方向へ移動する。
付言すると、図8では、矢印8Eで示す方向が、第1押し当て部41の移動方向を示しているが、移動部351Bは、この矢印8Eで示す方向と交差する方向へ移動する。
【0050】
さらに、本実施形態では、移動部351Bは、第1押し当て部41の移動に伴い、上記の相対移動を行う。そして、この相対移動が行われると、回転部材360が回転し、これに伴い、被検知部340が移動する。
また、本実施形態では、第1押し当て部41、第2押し当て部42に対して操作者が加える操作荷重が利用されて、第1押し当て部41に対する、移動部351Bの上記相対移動が行われる。
なお、移動部351Bの上記相対移動は、操作者が加える操作荷重を利用するのに限らず、例えば、モータなどの駆動源にて発生する駆動力を用いて行ってもよい。
【0051】
本実施形態では、上記のように、移動部351Bが第1溝370に達した後、この移動部351Bにより、回転部材360の回転が行われる。
また、移動部351Bが第1溝370に達する前は、第2の移動部の一例としての突出部353(図5参照)により回転部材360の回転が行われる。
【0052】
付言すると、本実施形態では、移動部351Bの上記の相対移動が行われないときに被検知部340を移動させる突出部353が設けられた構成となっている。
突出部353は、移動部351B(図5では不図示)が第1溝370(図5では不図示)に達するまで、回転部材360に接触して、回転部材360を回転させる。
付言すると、突出部353は、第1押し当て部41の移動に伴い移動するように設けられ、第1押し当て部41がリア側の予め定められた箇所まで移動するまで、回転部材360を押圧して回転部材360を回転させる。
【0053】
さらに、本実施形態では、上記の通り、回転部材360を、被検知部340に連動する連動部として捉えることができ、第2の移動部の一例としての突出部353は、この連動部を移動させて被検知部340を移動させる。
また、本実施形態では、移動部351Bの上記相対移動が行われ、移動部351Bによる被検知部340の移動が行われる際、図6の符号6Xで示すように、突出部353と連動部(回転部材360)とが非接触の状態となる。
【0054】
付言すると、本実施形態では、移動部351Bの上記相対移動が開始されるまでは、突出部353が、回転部材360の回転を行う。
そして、本実施形態では、移動部351Bの上記相対移動が開始される際に、回転部材360を回転させる機能部が、突出部353からこの移動部351Bに切り替わる。
【0055】
ここで、被検知部340の移動は、上記のような移動部351Bを設けず、例えば、第1押し当て部41、第2押し当て部42に連動して移動する連動部分を、被検知部340側に設けられた傾斜部に押し当てるだけでも行える。
ところで、このように、連動部分を傾斜部に押し当てるだけの構成では、傾斜部の傾斜角度が大きい場合に、連動部分に作用する反力が大きくなり、第1押し当て部41、第2押し当て部42が円滑に移動しにくくなる。
【0056】
具体的には、例えば、A3サイズに対応した位置から12インチサイズ(>A3サイズ)に対応した位置に、第1押し当て部41、第2押し当て部42を移動させる場合などには、傾斜部の傾斜角度を大きくせざるを得ない事態が生じる。この場合、第1押し当て部41、第2押し当て部42が円滑に移動しにくくなる。
【0057】
具体的には、A3サイズと12インチサイズとの間では、サイズの差が小さく、この場合、第1押し当て部41、第2押し当て部42の移動量は小さくなる。
第1押し当て部41、第2押し当て部42の移動量が小さくても、被検知部340の移動量を確保するには、傾斜部の傾斜角度を大きくせざるを得ない。付言すると、用紙Pのサイズの誤検知を防止するため、被検知部340の移動量をある程度確保する必要があり、この場合、傾斜部の傾斜角度を大きくせざるを得ない。
そして、この場合、上記の通り、反力が大きくなり、第1押し当て部41、第2押し当て部42が円滑に移動しにくくなる。
【0058】
これに対し、本実施形態の構成では、上記のとおり、移動部351Bが、第1押し当て部41に対して相対移動する。
これにより、本実施形態では、この相対移動の分だけ、被検知部340側に設けられる傾斜部の傾斜角度が小さくなる。
なお、図示は省略するが、本実施形態のように、移動部351Bが相対移動する構成であり、また、被検知部340の移動量が小さくてもよい場合には、被検知部340側に傾斜部を設けないでも、被検知部340の移動を行えるようになる。
【符号の説明】
【0059】
1…画像形成装置、41…第1押し当て部、61…第1側辺、150…画像形成部、300…用紙収容装置、340…被検知部、351B…移動部、353…突出部、360…回転部材、360A…回転中心、360CT…中点、360R…リア側端部、360X…傾斜部、P…用紙、R8…軌跡
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8