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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20221115BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20221115BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20221115BHJP
   G03G 15/36 20060101ALI20221115BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20221115BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20221115BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
B41J29/38 202
G03G21/00 376
G03G15/01 Y
G03G15/36
G03G15/01 R
B41J29/42 F
B41J5/30 Z
H04N1/00 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018210737
(22)【出願日】2018-11-08
(65)【公開番号】P2020075423
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187562
【弁理士】
【氏名又は名称】沼田 義成
(72)【発明者】
【氏名】翠 一人
【審査官】井出 元晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-208279(JP,A)
【文献】特開2001-249774(JP,A)
【文献】特開平10-147021(JP,A)
【文献】特開2018-049210(JP,A)
【文献】特開2018-049065(JP,A)
【文献】特開2010-191805(JP,A)
【文献】特開2003-271335(JP,A)
【文献】特開2013-009237(JP,A)
【文献】特開2018-129861(JP,A)
【文献】特開2018-049147(JP,A)
【文献】特開平05-058007(JP,A)
【文献】特開平02-270579(JP,A)
【文献】特開平06-032037(JP,A)
【文献】特開平11-105370(JP,A)
【文献】特開平03-254971(JP,A)
【文献】特開平04-033872(JP,A)
【文献】国際公開第2016/121774(WO,A1)
【文献】特開2017-097027(JP,A)
【文献】特開2018-015964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 21/00
G03G 15/01
G03G 15/36
B41J 29/42
B41J 5/30
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに画像処理を行う画像処理部と、
前記画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像データで示されるページが走査方向の上流側端部のみに画像を有し、且つ、前記ページに使用されるトナー消費量が所定の閾値未満である場合、前記画像形成部による前記ページの印字処理を行うか否かの問合せを出力する問合せ出力部と、を備え、
前記閾値は、前ページに対する現ページのトナー消費量の相対値で設定されることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1の印刷装置(画像形成装置)は、外部から符号化された文字又は画像のデータを入力し、そのデータを展開して所定の用紙に印刷する。この印刷装置は、入力データの印刷範囲と用紙のサイズとの相関関係を表示する表示装置を備え、更に、入力データの印刷範囲が用紙サイズを越えた場合に、警告を発生する警告発生装置を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-57964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置は、入力された画像データに基づいて用紙に画像を形成するように構成されるが、画像データに設定されたページの印刷範囲が用紙のサイズを超えることがあり、ユーザーの意図に合わずに画像が分割されて印刷されてしまう。例えば、表の画像データを印刷する際に、表の右端部分が若干用紙の印刷範囲外に出てしまう場合、2枚の用紙に分けて印刷すると、1枚目の用紙には表の略全体が印刷され、2枚目の用紙には表の右枠のみが印刷される。このような印刷物の出力は、ユーザーが意図していないことが多く、また、用紙の無駄になる。例えば、ユーザーは、画像データのページが用紙のサイズを超えるときには、画像データを2枚の用紙に分けて印刷することを望む場合や、画像データを縮小して1枚の用紙に収めて印刷することを望む場合がある。
【0005】
そこで、本発明は上記事情を考慮し、ユーザーが意図しない印刷物の出力を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、画像データに画像処理を行う画像処理部と、前記画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成部と、前記画像データで示されるページが走査方向の上流側端部のみに画像を有し、且つ、前記ページに使用されるトナー消費量が所定の閾値未満である場合、前記画像形成部による前記ページの印字処理を行うか否かの問合せを出力する問合せ出力部と、を備える。
【0007】
上記した画像形成装置は、表示部を更に備え、前記問合せ出力部は、前記問合せを前記表示部に表示させるとよい。
【0008】
上記した画像形成装置は、外部機器から前記画像データを入力する通信部を更に備え、前記問合せ出力部は、前記通信部を介して前記問合せを前記外部機器へ送信するとよい。
【0009】
上記した画像形成装置は、前記ページを分割したサブバンドに対する画像処理において前記サブバンド毎に画像の有無を判断することで、前記ページが走査方向の上流側端部のサブバンドのみに画像を有するか否かを判定するとよい。
【0010】
上記した画像形成装置は、前記画像処理部による前記画像データの色変換で用いられる画素データに基づいて前記トナー消費量を取得するとよい。
【0011】
上記した画像形成装置では、前記閾値は、前ページに対する現ページのトナー消費量の相対値で設定されるとよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザーが意図しない印刷物の出力を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る複合機を示す断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る複合機の電気的な構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る複合機において、ページの端画像の判定及び問合せの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
先ず、本発明の実施形態に係る複合機1(画像形成装置)の全体の構成について図1を参照しながら説明する。以下、説明の便宜上、図1における紙面手前側を複合機1の前側とする。各図に適宜付される矢印L、R、U、Loは、それぞれ複合機1の左側、右側、上側、下側を示している。
【0015】
複合機1は、略箱型形状の装置本体2を備える。装置本体2内の下部には用紙を収納する給紙カセット3が設けられる。装置本体2の上部の胴内空間には、排紙トレイ4が設けられる。
【0016】
装置本体2の上部には、原稿に表示されたものを画像データとして読み取る画像読取部5が設けられる。画像読取部5は、上面にプラテンガラスからなる原稿台を備え、プラテンガラス上に載せられた原稿の画像をスキャナーによって読み取ると共に画像データを生成するように構成される。画像読取部5の上方には、画像読取部5へ原稿を供給する自動原稿搬送装置(Auto Document Feeder:ADF)等の原稿搬送部6が設けられる。また、原稿搬送部6は、画像読取部5のプラテンガラスを覆うカバー部材として開閉可能に取り付けられる。
【0017】
更に、装置本体2の上部には、操作表示部7(表示部)が正面側に取り付けられる。操作表示部7は、例えば、テンキーやスタートキー、システムメニューキー、送信キー、コピーキー、確認キー等の操作キーと、タッチパネル等の表示器とを備え、操作ユーザーからの操作入力を受け付ける。
【0018】
装置本体2の中央部には、像担持体の中間転写ベルト10が複数のローラー間に架設される。中間転写ベルト10の下側には、画像を形成する4つの画像形成部11がトナーの色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色)毎に設けられる。4つの画像形成部11の下方には、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)で構成される露光装置12が設けられる。中間転写ベルト10の右端には、二次転写部13が設けられ、中間転写ベルト10の左端には、中間転写ベルト10を清掃するためのクリーニングユニット14が設けられる。二次転写部13は、中間転写ベルト10の右端側の一部と二次転写ローラーとで構成される。
【0019】
各画像形成部11には、像担持体の感光体ドラムが回転可能に設けられ、感光体ドラムの周囲には、帯電部と、現像部と、一次転写部と、除電部と、クリーニング部とが、電子写真のプロセス順に配置される。現像部の上方には、各画像形成部11と対応するトナーコンテナが、トナーの色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色)毎に設けられ、各トナーコンテナは、各色のトナーを収容する。
【0020】
装置本体2の右部には、用紙の搬送経路15が設けられる。搬送経路15の上流部には、給紙部16が給紙カセット3に対応して設けられる。搬送経路15の中流部には、上記の二次転写部13が設けられる。搬送経路15の下流部には、定着部17が設けられ、搬送経路15の下流端には排紙部18が排紙トレイ4の近傍に設けられる。
【0021】
次に、複合機1の画像形成動作について説明する。複合機1では、通信部23(図2参照)に接続されたコンピューター等の外部機器28(図2参照)や画像読取部5等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、画像形成動作を開始する。画像形成動作では、画像データに対して所定の印刷設定に応じた画像処理が施される。そして、各画像形成部11において、感光体ドラムが、帯電部によって帯電された後、露光装置12によって画像処理済みの画像データに基づいて露光されることで、感光体ドラム上に静電潜像が形成される。感光体ドラム上の静電潜像は、現像部によって各色のトナー像に現像される。感光体ドラム上のトナー像は、一次転写部によって中間転写ベルト10の表面に一次転写される。以上の動作を4つの画像形成部11が順次行うことによって、中間転写ベルト10上にフルカラーのトナー像(カラートナー像)が形成される。カラートナー像は、中間転写ベルト10の回転によって、所定の二次転写タイミングで二次転写部13へ供給される。
【0022】
他方、給紙カセット3に収納された用紙は、給紙部16によって取り出されて搬送経路15上を搬送される。そして、搬送経路15上の用紙は、上記の所定の二次転写タイミングで二次転写部13へ搬送される。二次転写部13では、中間転写ベルト10上のカラートナー像が用紙に二次転写される。カラートナー像を二次転写された用紙は、搬送経路15を下流側へ搬送されて、定着部17によってカラートナー像が用紙に定着された後、排紙部18から排紙トレイ4へ排出される。
【0023】

次に、上記した複合機1の電気的な構成について図2を参照しながら説明する。複合機1は、装置本体2の内部に複合機1の各部を統括制御する制御装置20を備える。制御装置20は、CPU等で構成され、ROMやRAM等の記憶装置21に接続される。
【0024】
制御装置20は、記憶装置21に格納された制御プログラムや制御用データに基づいて、制御装置20に接続された各部を制御する。例えば、制御装置20は、画像読取部5、操作表示部7、各画像形成部11、露光装置12等の複合機1の各部に接続される。また、制御装置20は、通信部23、画像処理部24、端画像判定部25、問合せ出力部26等に接続される。なお、画像処理部24は、ASICやFPGA等で構成されてよく、端画像判定部25及び問合せ出力部26は、記憶装置21に記憶されて制御装置20に実行されるプログラムで構成されてよい。
【0025】
通信部23は、LAN等のネットワークを介して外部機器28と通信可能に接続するインタフェースである。制御装置20は、通信部23を介して外部機器28から画像データを入力し、この画像データを画像処理部24によって画像処理した後、露光装置12へ出力する。なお、制御装置20は、画像読取装置から画像データを入力してもよく、USBメモリ等の外部メモリから画像を入力してもよい。
【0026】
画像処理部24は、分割圧縮部30、伸長回転部31、色変換部32及びビデオコントローラー33を備える。画像処理部24は、記憶装置21に記憶される画像データに対して画像処理を行う。
【0027】
分割圧縮部30は、入力された画像データの各ページを所定のブロックに分割し、また、画像データをブロック毎に圧縮して、記憶装置21に記憶する。ここで、ページは、元の画像データに設定されていたページ、又は画像データを初期の印刷設定に対応させたページである。例えば、分割圧縮部30は、画像データの各ページを副走査方向において所定本数のバンドに分割し、更に各バンドを主走査方向において所定ブロック数のサブバンドに分割する。サブバンドは、所定個数(例えば、128×128個)の画素データで構成される。なお、バンド、サブバンド及び画素データの数は、用紙サイズに対して割り切れるように設定される。
【0028】
各サブバンドにはヘッダー情報が付され、例えば、ヘッダー情報には、そのサブバンドの圧縮サイズが含まれる。また、ヘッダー情報には、そのサブバンドがブランク(画像なし)であるか否か、即ち、サブバンドに含まれる全ての画素データがブランクであるか否かを示すブランクレジスタが含まれる。ブランクレジスタが1の場合、サブバンドがブランクであることを示し、ブランクレジスタが0の場合、サブバンドがブランクでないことを示す。
【0029】
更に、ヘッダー情報には、そのサブバンドがページの内側に配置されているか否か、即ち、サブバンドがページの最縁部(最左縁、最右縁、最上縁、最下縁)以外に配置されているか否かを示すセンターレジスタが含まれる。センターレジスタが1の場合、サブバンドがページの内側に配置されていることを示し、センターレジスタが0の場合、サブバンドがページの何れかの最縁部に配置されていることを示す。
【0030】
伸長回転部31は、記憶装置21に記憶された画像データを読み出して各サブバンドを伸長する。また、伸長回転部31は、印刷の向きや集約等の印刷設定後の(例えば、ユーザーによる印刷設定後の)ページに、伸長した画像データが配置されるように、各サブバンドの回転処理や配置変更を行う。また、伸長回転部31は、各サブバンドの回転処理や配置変更に応じて、各サブバンドのヘッダー情報を書き換えてよい。これにより、伸長回転部31は、印刷設定後のページに対応した各サブバンドを含む画像データを生成し、記憶装置21に記憶する。
【0031】
色変換部32は、伸長回転部31による処理後の画像データを記憶装置21から読み出し、この画像データの各サブバンドが、光の三原色であるRGBの画素データを有する場合に、各画素データを、色の三原色に黒を加えたCMYKの画素データに変換する。なお、各サブバンドのCMYKの画素データに基づいて、各サブバンドの画像を形成するのに必要なCMYKの各トナーの量(各トナー消費量)を算出することができる。そのため、各サブバンドのCMYKの各トナー消費量に基づいて、画像データにおけるCMYKの各トナー消費量を算出することができる。
【0032】
また、色変換部32は、CMYKの画像データにハーフトーン処理を行って、ハーフトーンデータの画像データを生成する。そして、色変換部32は、ハーフトーン処理後の画像データを画像処理済みとして記憶装置21に記憶する。
【0033】
ビデオコントローラー33は、画像処理済みの画像データを記憶装置21から読み出して、この画像データに基づいて印刷(画像形成動作)が行われるように各部を制御し、例えば、この画像データをページ毎に印字処理するために露光装置12へと出力する。
【0034】
端画像判定部25は、画像データを画像処理部24によって画像処理した後(図3のステップS1)、各ページが印字処理される前に、各ページが左端又は上端、即ち、主走査方向又は副走査方向(走査方向)の上流側の端部のみに画像を有し、且つトナー消費量が少量である端画像であるか否かを判定する。
【0035】
先ず、端画像判定部25は、伸長回転部31による処理後の画像データを記憶装置21から読み出す。また、端画像判定部25は、この画像データの各ページを構成する各サブバンドの配列やヘッダー情報のセンターレジスタに基づいて、左端又は上端のサブバンドとそれ以外のサブバンドとを識別する。そして、端画像判定部25は、各サブバンドのヘッダー情報のブランクレジスタに基づいて、左端又は上端のサブバンドのみに画像を有するかを判定する。なお、左端又は上端のサブバンドとは、最左端又は最上端のサブバンドでよく、あるいは、最左端又は最上端から所定数(例えば、2~3)の列又は行を構成するサブバンドでもよい。
【0036】
例えば、左端(又は上端)の何れかのサブバンドのブランクレジスタがブランクでないことを示し、左端(又は上端)以外のサブバンドのブランクレジスタがブランクであることを示す場合、左端(又は上端)のサブバンドのみに画像を有すると判定される。
【0037】
このようにして、端画像判定部25は、各ページが左端のみ又は上端のみに画像を有するか否かを判定する(図3のステップS2)。なお、ページが左端又は上端以外に画像を有する場合には(図3のステップS2:NO)、そのページの印字処理を続行する(図3のステップS6)。
【0038】
更に、端画像判定部25は、左端のみ又は上端のみに画像を有するページについて(図3のステップS2:YES)、トナー消費量が少量であるか否かを判定する(図3のステップS3)。
【0039】
先ず、端画像判定部25は、色変換部32による処理後の画像データを記憶装置21から読み出す。また、端画像判定部25は、この画像データにおいて左端のみ又は上端のみに画像を有するページについて、上記したようにCMYKの各トナー消費量を算出する。そして、端画像判定部25は、このページのトナー消費量が所定の閾値未満であるか否かを判定する。
【0040】
具体的には、端画像判定部25は、画像データにおいて各ページのCMYKの各トナー消費量を算出する。そして、端画像判定部25は、左端のみ又は上端のみに画像を有する現ページのトナー消費量と、その前ページのトナー消費量とを比較し、両者のトナー消費量の相対値(前ページのトナー消費量に対する現ページのトナー消費量の割合)について閾値を設定し、相対値が閾値未満である場合に、現ページのトナー消費量を少量と判定する(図3のステップS3:YES)。
【0041】
あるいは、端画像判定部25は、ページのトナー消費量について閾値を設定し、画像データにおいて左端のみ又は上端のみに画像を有するページのトナー消費量が閾値未満である場合に、そのページのトナー消費量を少量と判定する。
【0042】
そして、端画像判定部25は、トナー消費量を少量と判定したページを端画像と判定する。なお、ページのトナー消費量が少量でないと判定された場合には(図3のステップS3:NO)、そのページの印字処理を続行する(図3のステップS6)。
【0043】
問合せ出力部26は、端画像判定部25によってページが端画像と判定された場合に(図3のステップS3:YES)、この端画像のページが印字処理される前に、端画像のページの印字処理を行うか否かの端画像印刷の問合せをユーザーに対して出力する(図3のステップS4)。なお、問合せ出力部26は、端画像印刷の問合せを行う場合、端画像のページの印字処理の停止を制御装置20に指示してよい。
【0044】
例えば、問合せ出力部26は、端画像印刷の問合せを示す問合せ画面を操作表示部7に表示させる。あるいは、問合せ出力部26は、通信部23を介して端画像印刷の問合せをユーザーのコンピューター等の外部機器28へ送信して、この問合せを示す問合せ画面を外部機器28に表示させる。
【0045】
また、問合せ出力部26は、操作表示部7や外部機器28の問合せ画面の操作による端画像印刷の応答を、操作表示部7や外部機器28から入力する。問合せ出力部26は、この端画像印刷の応答が、端画像のページの印字処理続行を示す場合(図3のステップS5:YES)、端画像のページの印字処理を続行するように制御装置20に指示する(図3のステップS6)。一方、問合せ出力部26は、この端画像印刷の応答が、端画像のページの印字処理中止を示す場合(図3のステップS5:NO)、端画像のページの印字処理を中止する(図3のステップS7)。
【0046】
そして、画像ページが次のページを含む場合(図3のステップS8:YES)、制御装置20は、図3のステップS2に戻って端画像判定部25及び問合せ出力部26によって上記の処理を繰り返す。一方、画像ページが次のページを含まない場合(図3のステップS8:NO)、制御装置20は、画像形成動作を終了する。
【0047】
本実施形態によれば、上述のように、複合機1(画像形成装置)は、画像データに画像処理を行う画像処理部24と、画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成部11と、画像データで示されるページが左端のみ又は上端のみ(走査方向の上流側端部のみ)に画像を有し、且つ、ページに使用されるトナー消費量が所定の閾値未満である場合、画像形成部11によるページの印字処理を行うか否かの問合せを出力する問合せ出力部26と、を備える。
【0048】
これにより、画像データに設定されたページの印刷範囲が用紙のサイズを超えるときに、右端又は下端が切れた画像(例えば、表や図、写真等)を有するページと、残りの右端のみ又は下端のみの画像を左端又は上端に有するページとに分割される場合、右端又は下端の画像の印字処理について問い合わせによってユーザーの意図に合わせることができる。そのため、ユーザーが意図しない印刷物の出力を抑制することができる。
【0049】
なお、他の実施形態では、複合機1は、画像データで示されるページが左端のみ又は上端のみに画像を有すると判定されても、制御装置20等によってその画像が文字と認識される場合には、問合せ出力部26による問合せの出力を行うことなく、印字処理を続行してもよい。これにより、1行だけの文章のように少ない文字を有するページについては、通常通りに印刷することができる。
【0050】
また、他の実施形態では、複合機1は、制御装置20等によって画像データのファイル形式を参照して、表や図、写真に特有のファイル形式の場合には、端画像判定部25及び問合せ出力部26による端画像の判定や端画像印刷の問合せを行う一方、文書に特有のファイル形式の場合には、端画像判定部25及び問合せ出力部26による端画像の判定や端画像印刷の問合せを行わないように構成してもよい。
【0051】
また、複合機1は、操作表示部7(表示部)を更に備え、問合せ出力部26は、問合せを操作表示部7に表示させる。これにより、ユーザーは、複合機1の操作によって意図しない印刷物の出力を抑制することができる。
【0052】
あるいは、複合機1は、外部機器28から画像データを入力する通信部23を更に備え、問合せ出力部26は、通信部23を介して問合せを外部機器28へ送信する。これにより、ユーザーは、複合機1から離れた自身のコンピューター等の外部機器28の操作によって意図しない印刷物の出力を抑制することができる。
【0053】
また、複合機1は、端画像判定部25によって、ページを分割したサブバンドに対する画像処理(伸長回転部31による処理)においてサブバンド毎に画像の有無を判断することで、ページが左端又は上端のサブバンドのみに画像を有するか否かを判定する。これにより、簡易な手法で確実にページの左端又は上端の画像の有無を判定することができる。
【0054】
更に、複合機1は、端画像判定部25によって、画像処理部24(色変換部32)による画像データの色変換で用いられる画素データに基づいてトナー消費量を取得する。これにより、簡易な手法で確実にトナー消費量を取得することができる。
【0055】
また、複合機1では、トナー消費量の判定に用いる閾値は、前ページに対する現ページのトナー消費量の相対値で設定される。これにより、各画像データの個性に合わせてトナー消費量を判定することができる。
【0056】
本実施形態では、複合機1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、モノクロプリンター、カラープリンター、複写機、ファクシミリ等の他の画像形成装置に本発明の構成を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 複合機(画像形成装置)
7 操作表示部
11 画像形成部
12 露光装置
20 制御装置
21 記憶装置
23 通信部
24 画像処理部
25 端画像判定部
26 問合せ出力部
28 外部機器
30 分割圧縮部
31 伸長回転部
32 色変換部
図1
図2
図3