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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20120101AFI20221115BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018215940
(22)【出願日】2018-11-16
(65)【公開番号】P2020086608
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西垣 英則
(72)【発明者】
【氏名】高原 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】山根木 明子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 琢也
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-018418(JP,A)
【文献】特開2010-277382(JP,A)
【文献】国際公開第01/071584(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末から受信した前記ユーザに関する情報、位置に関する情報、及び捕獲した動物である捕獲個体に関する情報、識別情報を少なくとも含む申請情報を受信する受信部と;
前記申請情報を申請した前記ユーザに対して報奨金が支払い済みであるか否かを示す支払い情報の入力を受け付ける受付部と;
前記申請情報前記申請情報に対応した前記支払い情報、前記支払い情報の入力を行った管理者を識別する情報、及び前記支払い情報の入力が行われた日時の一覧を表示させる表示制御部と;
を具備することを特徴とする管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
農作物に被害を及ぼすイノシシやシカ等の害獣を捕獲した場合、害獣を捕獲したことを示す証拠を自治体等へ提出することで報奨金を得る制度がある。従来、証拠の提出方法として、例えば捕獲した捕獲個体の尻尾等の体の一部を切断して、所定の事項を記入した申請書とともに提出する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-148957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の手法には、害獣の捕獲に関する情報の管理を効率的に行うことができないという問題がある。例えば、申請された害獣の捕獲に関する情報をデータベースとして集積し、コンピュータを用いて管理及び分析を行う場合、紙の申請書に記載された内容を手作業でコンピュータに入力する作業が発生する。このため、管理業務の効率が低下する。
【0005】
本発明は、害獣の捕獲に関する情報の管理を効率的に行うための情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の管理システムは、受信部と、受付部と、表示制御部とを具備する。受信部は、ユーザの端末から受信したユーザに関する情報、位置に関する情報、及び捕獲した動物である捕獲個体に関する情報、識別情報を少なくとも含む申請情報を受信する。受付部は、申請情報を申請したユーザに対して報奨金が支払い済みであるか否かを示す支払い情報の入力を受け付ける。表示制御部は、申請情報及び申請情報に対応した支払い情報の一覧を表示させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、害獣の捕獲に関する情報の管理を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る管理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る識別情報の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る申請情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態に係る申請画面の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
図9図9は、実施形態に係る照合画面の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る管理システムの処理の流れを示すシーケンスである。
図11図11は、実施形態に係る管理システムの処理の流れを示すシーケンスである。
図12図12は、実施形態に係る管理システムの処理の流れを示すシーケンスである。
図13図13は、実施形態に係る管理システムの処理の流れを示すシーケンスである。
図14図14は、実施形態に係るコードの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で説明する実施形態に係る情報提供装置10は、申請情報管理部131と、識別情報管理部132と、照合結果管理部133とを具備する。申請情報管理部131は、ユーザに関する情報、位置に関する情報、及び捕獲した動物である捕獲個体に関する情報を少なくとも含む申請情報を管理する。識別情報管理部132は、捕獲個体の一部と、申請情報とを紐づける識別情報を管理する。照合結果管理部133は、捕獲個体の一部と申請情報との照合結果を管理する。
【0010】
また、識別情報管理部132は、ユーザの端末装置20から申請情報を受信すると、第1の識別情報を発行し、発行した第1の識別情報とユーザの端末装置20から受信した申請情報とを対応付けて管理する。
【0011】
また、識別情報管理部132は、あらかじめ第2の識別情報を発行し、発行した第2の識別情報をユーザに提供し、第2の識別情報とユーザの端末装置20から受信した申請情報とを対応付けて管理する。
【0012】
また、識別情報管理部132は、コードで示されあらかじめユーザに配布された第3の識別情報とユーザの端末装置20から受信した申請情報とを対応付けて管理する。
【0013】
また、識別情報管理部132は、端末装置20により発行された第4の識別情報とユーザの端末装置20から受信した申請情報とを対応付けて管理する。
【0014】
また、識別情報管理部132は、ユーザの端末装置20から受信した申請情報に付与された識別情報が、第2又は第3の識別情報と一致する場合、申請情報に付与された識別情報を管理対象と判定する。
【0015】
また、識別情報管理部132は、ユーザの端末装置20から受信した申請情報に付与された第4の識別情報が、あらかじめ設定された識別情報の発行ルールに合致する場合、第4の識別情報を管理対象と判定する。
【0016】
また、照合結果管理部133は、申請情報のそれぞれについて、捕獲個体の一部との照合結果の入力を受け付け、その結果を管理者が使用する管理装置30に、申請情報とともに表示する。
【0017】
また、申請情報管理部131は、申請情報として、ユーザを識別する情報、ユーザが所属する班、捕獲個体が捕獲された日付、捕獲個体が捕獲された位置、捕獲個体を捕獲した方法、捕獲個体の種類及び状態をユーザの端末装置20から取得する。
【0018】
また、申請情報管理部131は、ユーザの端末装置20に備えられたGPS(Global Positioning System)機能によって取得された位置情報を取得し、位置情報をメッシュ番号に変換して管理する。
【0019】
以下、図1図14を用いて、実施形態に係る情報提供装置を含む管理システムについて説明する。実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0020】
[管理システムの構成例]
図1は、実施形態に係る管理システムの構成例を示す図である。管理システム1は、動物を捕獲した猟師等(以降、単にユーザと呼ぶ。)によって申請された情報を管理し、管理している情報を自治体の職員等(以降、単に管理者と呼ぶ。)に提供するためのシステムである。
【0021】
図1に示すように、管理システムは、情報提供装置10、ユーザU001によって使用される端末装置20、及び管理者A001によって使用される管理装置30を有する。また、情報提供装置10及び端末装置20は、ネットワーク2を介して通信可能に接続されている。例えば、ネットワーク2はインターネットである。また、情報提供装置10及び管理装置30は、通信可能に接続されている。なお、管理装置30は、ネットワーク2を介して情報提供装置10に接続されていてもよい。
【0022】
例えば、端末装置20は、スマートフォン、タブレット及びデジタルカメラ等の携帯型の装置である。また、情報提供装置10は、端末装置20から取得した情報の管理を行うサーバである。また、管理装置30は、スマートフォン、タブレット及びパーソナルコンピュータ等の、据え置き型又は携帯型の装置である。
【0023】
ユーザU001は、端末装置20を使って、捕獲した捕獲個体40を撮影する。また、ユーザU001は、捕獲個体40の一部である尻尾41を切り取り、切り取った尻尾41をあらかじめ用意された袋50に入れて自治体に提出する。例えば、袋50は透明のビニール袋である。また、袋50には、ユーザU001がペン等で文字を記入可能な記入領域51が設けられている。
【0024】
ここで、管理者A001は、ユーザU001によって提出された申請情報及び尻尾41が入れられた袋50の照合を行う。ユーザU001は、照合が行われた後に報奨金を受け取ることができる。
【0025】
図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、情報提供装置10は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。
【0026】
通信部11は、無線通信処理や有線通信処理を行うためのネットワークデバイスである。例えば、通信部11は、ネットワーク2を介して端末装置20との間で各種情報を送受信する。また、例えば、通信部11は、管理装置30との間で各種情報を送受信する。
【0027】
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部12は、情報提供装置10で実行される各処理で利用されるデータを記憶する。また、記憶部12は、識別情報記憶部121、ユーザ情報記憶部122及び申請情報記憶部123を有する。
【0028】
図3は、実施形態に係る識別情報の一例を示す図である。図3に示すように、識別情報記憶部121は、申請情報を識別するユニークID及びユーザを識別するユーザIDを対応付けて記憶する。ユニークIDは、ユーザIDと対応付けられていてもよいし、ユーザIDと対応付けられていなくてもよい。図3の例では、ユニークID「1234567」は、ユーザID「U001」と対応付けられている。一方、ユニークID「2468000」は、ユーザIDと対応付けられていない。
【0029】
図4は、実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。図4に示すように、ユーザ情報記憶部122は、ユーザIDと、ユーザの氏名、班及び班における役職とが対応付けて記憶する。図4の例では、ユーザIDが「U001」であるユーザの氏名は「○○××」であり、第2班に所属していることが示されている。
【0030】
図5は、実施形態に係る申請情報の一例を示す図である。図5に示すように、申請情報記憶部123は、ユニークID、ユーザID、位置情報、捕獲個体情報に加え、捕獲個体の一部と照合済みであるか否かを示す情報、及び報奨金が支払い済みであるか否かを示す情報を対応付けて記憶する。図5の例では、ユニークID「1234567」は、ユーザID「U001」、位置情報「34°26'27.0"N 167°39'10.1"E」及び捕獲個体情報「イノシシ、メス、…」と対応付けられている。また、図5の例では、ユニークID「1234567」の申請情報は捕獲個体の尻尾と照合済みであるが、ユーザに報奨金は支払われていないことが示されている。
【0031】
制御部13は、各種の処理手順等を規定したプログラム及び所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部13は、申請情報管理部131、識別情報管理部132及び照合結果管理部133を有する。
【0032】
申請情報管理部131は、ユーザに関する情報、位置に関する情報、及び捕獲した動物である捕獲個体に関する情報を少なくとも含む申請情報を管理する。申請情報管理部131は、端末装置20から申請情報を取得し、取得した申請情報を申請情報記憶部123に格納する。
【0033】
例えば、申請情報管理部131は、申請情報として、ユーザを識別する情報、ユーザが所属する班、捕獲個体が捕獲された日付、捕獲個体が捕獲された位置、捕獲個体を捕獲した方法、捕獲個体の種類及び状態をユーザの端末装置20から取得する。
【0034】
また、申請情報管理部131は、取得した申請情報を変換したり、申請情報に所定の情報を追加したりすることができる。例えば、申請情報管理部131は、ユーザの端末装置20に備えられたGPS機能によって取得された位置情報を、メッシュ番号に変換して管理する。つまり、申請情報管理部131は、緯度経度で表された地点が含まれるメッシュを特定する。ここで、メッシュ番号は、例えば、地域メッシュ統計における基準地域メッシュである(参考URL:https://www.stat.go.jp/data/mesh/m_tuite.html)。
【0035】
これにより、動物が捕獲された区画を、メッシュ単位で管理することが可能になる。また、従来は申請書に手書きで記入されていたメッシュ番号を、自動的に取得することが可能になる。
【0036】
識別情報管理部132は、捕獲個体の一部と、申請情報とを紐づける識別情報を管理する。例えば、識別情報はユニークIDである。また、識別情報管理部132は、識別情報を所定のタイミングで発行することができる。また、識別情報管理部132は、発行したユニークIDを識別情報記憶部121に格納する。
【0037】
また、識別情報管理部132は、ユーザごとに専用の識別情報を発行することができる。この場合、例えば、識別情報管理部132は、発行したユニークIDと当該ユニークIDに対応するユーザIDとを対応付けて識別情報記憶部121に格納する。
【0038】
識別情報管理部132は、端末装置20から送られてきた申請情報及び識別情報をそのまま管理対象とすることができる。一方で、識別情報管理部132は、申請情報に付与された識別情報が有効であるか否かを判定し、有効であると判定した場合は、当該識別情報及び申請情報を管理対象と判定してもよい。ただし、識別情報管理部132が管理対象を判定する処理は必須ではない。
【0039】
なお、識別情報管理部132が管理対象を判定する処理を行う場合、不正な申請や重複申請を防止することができる。例えば、ユニークIDを提供されていないユーザが、不正に報奨金を手に入れる目的でランダムに生成したユニークIDを虚偽の申請情報に付与して送信したとしても、情報提供装置10は、当該申請情報を管理対象から除外し、不正を防止することができる。
【0040】
例えば、識別情報管理部132は、第1の識別情報を発行し、発行した第1の識別情報をユーザに提供し、ユーザの端末装置20から送信された申請情報に付与された第2の識別情報が、第1の識別情報と一致する場合、第2の識別情報を管理対象と判定してもよい。このとき、例えば、識別情報管理部132は、端末装置20から送信された申請情報に付与されたユニークIDが、識別情報記憶部121に記憶されているユニークIDと一致する場合、当該ユニークID及び申請情報を管理対象と判定する。また、識別情報管理部132によって管理対象と判定された申請情報は、申請情報管理部131によって申請情報記憶部123に格納される。
【0041】
また、識別情報管理部132は、端末装置20から送信された申請情報に付与されたユニークID及びユーザIDが、識別情報記憶部121に対応付けられて記憶されているユニークID及びユーザIDと一致する場合、当該申請情報を管理対象と判定してもよい。
【0042】
また、識別情報は、端末装置20によって発行されてもよい。この場合、識別情報管理部132は、ユーザの端末装置20から送信された申請情報に付与された第3の識別情報が、あらかじめ設定された識別情報の発行ルールに合致する場合、第3の識別情報を管理対象と判定してもよい。
【0043】
例えば、識別情報管理部132は、端末装置20によって発行されたユニークIDが、あらかじめ定められた桁数に合致するか否かを判定することができる。例えば、識別情報管理部132は、端末装置20によって発行されたユニークIDに使用されている文字が、あらかじめ定められたものであるか否かを判定することができる。また、例えば、識別情報管理部132は、端末装置20によって発行されたユニークIDが、ユーザID等から計算される所定のハッシュ値であるか否かを判定することができる。
【0044】
照合結果管理部133は、捕獲個体の一部と申請情報との照合結果を管理する。例えば、照合結果管理部133は、管理者によって申請情報と尻尾41の照合が完了したことが示された場合、申請情報記憶部123における、照合済みであることを示すフラグを立てる。なお、ここでは、照合済みであることを示すフラグを立てることは、申請情報記憶部123の「照合」列の値を「未」から「済」に変更することであるものとする。
【0045】
また、照合結果管理部133は、捕獲個体の一部に付与されたコードから読み取られた識別情報と、第2の識別情報とが一致する場合、申請情報を照合済みであるものとして管理するようにしてもよい。例えば、管理装置30に備えられた画像読み取り機能により、袋50の記入領域51に記載された識別情報が読み取られ、かつ、当該読み取られた識別情報が識別情報管理部132によって有効であると判定された場合、照合結果管理部133は、自動的に当該申請情報が照合済みであることを示すフラグを立てる。
【0046】
また、照合結果管理部133は、管理者が使用する管理装置30に、申請情報の一覧を表示させ、申請情報のそれぞれについて、捕獲個体の一部との照合結果の入力を受け付けてもよい。このように、照合結果の入力は、ユーザによって手動で行われてもよいし、前述の通り、コードを読み取った際に自動的に行われてもよい。
【0047】
図6は、実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。図6に示すように、端末装置20は、通信部21、撮像部22、入出力部23、記憶部24及び制御部25を有する。
【0048】
通信部21は、無線通信処理や有線通信処理を行うためのネットワークデバイスである。例えば、通信部21は、ネットワーク2を介して情報提供装置10との間で各種情報を送受信する。撮像部22は、捕獲個体の画像を撮影する。撮像部22は、例えばカメラである。入出力部23は、画面を表示し、また、ユーザからの入力を受け付ける装置である。例えば、入出力部23はタッチパネルディスプレイである。
【0049】
記憶部24は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部24は、端末装置20で実行される各処理で利用されるデータを記憶する。
【0050】
制御部25は、各種の処理手順等を規定したプログラム及び所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部25は、取得部251、表示制御部252及び生成部253を有する。
【0051】
取得部251は、端末装置20の現在地の位置情報を取得する。例えば、取得部251は、GPSを利用して現在地の緯度経度を取得する。また、取得部251は、記憶部24にあらかじめ記憶されたユーザのユーザID、氏名、班、役職等の情報を取得する。
【0052】
表示制御部252は、申請情報を入力するための画面である申請画面を入出力部23に表示させる。例えば、申請画面は、あらかじめ端末装置20にインストールされたアプリケーションの機能であってよい。
【0053】
図7は、実施形態に係る申請画面の一例を示す図である。図7に示すように、申請画面には、撮像部22によって撮像された捕獲個体の画像とともに、申請情報の各項目の入力フォーマットが表示される。申請画面における各項目の入力は、プルダウンリスト、チェックボックス及びラジオボタン等から行われてもよい。また、例えば、表示制御部252は、取得部251によって取得されたユーザ情報を、申請画面に変更不可の既定値として表示させる。また、例えば、表示制御部252は、取得部251によって取得された位置情報を、申請画面の地図上に表示してもよい。
【0054】
生成部253は、情報提供装置10に送信するための申請情報を生成する。生成部253は、申請画面の送信ボタンが押下されると、各項目の入力値を取得し、取得した値を送信可能な所定のデータ形式に変換する。そして、申請情報は、通信部21によって情報提供装置10に送信される。
【0055】
図8は、実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。図8に示すように、管理装置30は、通信部31、撮像部32、入出力部33、記憶部34及び制御部35を有する。
【0056】
通信部31は、無線通信処理や有線通信処理を行うためのネットワークデバイスである。例えば、通信部31は、情報提供装置10との間で各種情報を送受信する。撮像部32は、識別情報の読み取りのため、袋50の記入領域51の画像を撮影する。撮像部32は、例えばカメラである。入出力部33、画面を表示し、また、ユーザからの入力を受け付ける装置である。例えば、入出力部33はディスプレイ及びキーボードである。また、入出力部33はタッチパネルディスプレイであってもよい。
【0057】
記憶部34は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部34は、管理装置30で実行される各処理で利用されるデータを記憶する。
【0058】
制御部35は、各種の処理手順等を規定したプログラム及び所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部35は、表示制御部351及び要求部352を有する。
【0059】
表示制御部351は、申請情報を閲覧し、照合結果を入力するための画面である照合画面を入出力部33に表示させる。例えば、照合画面は、Webブラウザ上に表示される画面であってもよい。
【0060】
図9は、実施形態に係る照合画面の一例を示す図である。図9に示すように、照合画面には、情報提供装置10に記憶されている申請情報の一覧が表示される。また、照合画面には、捕獲個体の一部と照合済みであるか否かを示す情報、及び報奨金が支払い済みであるか否かを示す情報がチェックボックスによって表示される。
【0061】
また、管理者は、袋50の記入領域51に記入されたユニークIDと、照合画面に表示されたユニークIDとを照合する。このとき、管理者は、照合が完了すると、当該照合情報のチェックボックスをチェックし、確定ボタンを押下する。
【0062】
要求部352は、情報提供装置10に、申請情報を更新することを要求する。具体的には、要求部352は、照合画面の確定ボタンが押下されると、当該確定ボタンの行のユニークIDを情報提供装置10に通知する。このとき、情報提供装置10の照合結果管理部133は、要求部352からの通知を受け、申請情報記憶部123の「照合」列の値を「未」から「済」に変更する。
【0063】
また、要求部352は、申請情報の更新の要求と同時に、照合画面への入力を行った管理者を識別する情報及び入力が行われた日時を情報提供装置10に送信してもよい。また、情報提供装置10は、申請情報とともに、照合画面の入力者及び入力日時を記憶するようにしてもよい。
【0064】
[処理手順]
図10を用いて、管理システム1の処理の流れについて説明する。図10は、実施形態に係る管理システムの処理の流れを示すシーケンスである。図10に示すように、端末装置20は、まず、ユーザU001の起動操作(ステップS11)に応じてアプリケーションを起動する(ステップS101)。次に、端末装置20は、ユーザU001の撮像操作(ステップS12)に応じて、捕獲した動物の画像を撮像する(ステップS102)。さらに、端末装置20は、現在位置を取得する(ステップS103)。
【0065】
ここで、端末装置20は、ユーザU001の入力操作(ステップS13)による各情報の入力を受け付ける(ステップS104)。そして、端末装置20は、入力された情報から申請情報を生成する(ステップS105)。さらに、端末装置20は、生成した申請情報を、ユーザU001に送信操作(ステップS14)に応じて、情報提供装置10に送信する(ステップS106)。
【0066】
情報提供装置10は、申請情報を受信すると、発行済みのユニークIDを端末装置20に提供する(ステップS107)。また、情報提供装置10は、端末装置20によって送信された申請情報と提供したユニークIDとを対応付けて申請情報記憶部123に格納する(ステップS108)。そして、情報提供装置10は、申請情報を管理装置30に提供する(ステップS110)。なお、図10におけるユニークIDは、第1の識別情報の一例である。
【0067】
管理装置30は、情報提供装置10から提供された申請情報を照合画面に表示する(ステップS111)。そして、管理装置30は、管理者による照合情報及び支払い情報の入力を受け付ける(ステップS112)。ここで、管理装置30は、入力された情報を基に、情報提供装置10に申請情報の更新を要求する(ステップS113)。情報提供装置10は、管理装置30の要求に応じて申請情報を更新する(ステップS114)。
【0068】
また、端末装置20は、提供されたユニークIDを表示する(ステップS109)。ユーザU001は、表示されたユニークIDを参照し、袋50の記入領域51にユニークIDを記入する(ステップS15)。そして、ユーザU001は、切断した尻尾41を袋50に封入し(ステップS16)、管理者に提出する(ステップS17)。
【0069】
ここで、情報提供装置10によるユニークIDの提供のタイミングは、図10のものに限られない。例えば、情報提供装置10は、端末装置20から申請情報を受け取る前にユニークIDを提供してもよい。図11を用いて、情報提供装置10が申請情報を受け取る前にユニークIDを提供する場合の、管理システム1の処理の流れについて説明する。図11は、実施形態に係る管理システムの処理の流れを示すシーケンスである。
【0070】
図11に示すように、端末装置20は、まず、ユーザU001の起動操作(ステップS11)に応じてアプリケーションを起動する(ステップS201)。次に、端末装置20は、ユーザU001の撮像操作(ステップS12)に応じて、捕獲した動物の画像を撮像する(ステップS202)。さらに、端末装置20は、現在位置を取得する(ステップS203)。
【0071】
ここで、情報提供装置10は、申請情報を受信すると、発行済みのユニークIDを端末装置20に提供する(ステップS204)。そして、端末装置20は、ユニークIDを取得する(ステップS205)。このとき、情報提供装置10は、ステップS201で起動したアプリケーションから送信される所定の信号を受け取った場合にユニークIDを提供するようにしてもよい。なお、図11におけるユニークIDは、第2の識別情報の一例である。
【0072】
ここで、端末装置20は、ユーザU001の入力操作(ステップS13)による各情報の入力を受け付ける(ステップS206)。そして、端末装置20は、入力された情報から申請情報を生成する(ステップS207)。さらに、端末装置20は、生成した申請情報を、ユーザU001に送信操作(ステップS14)に応じて、情報提供装置10に送信する(ステップS208)。
【0073】
また、情報提供装置10は、端末装置20によって送信された申請情報を、ステップS204で提供したユニークIDと対応付けて、申請情報記憶部123に格納する(ステップS209)。以降の処理は、図10のステップS15からステップS17、及びステップS110以降の処理と同様である。
【0074】
また、ユニークIDは、あらかじめ発行され、申請に関する処理が行われる前にユーザU001に提供されていてもよい。図12を用いて、ユニークIDがあらかじめ発行されユーザU001に提供済みである場合の、管理システム1の処理の流れについて説明する。図12は、実施形態に係る管理システムの処理の流れを示すシーケンスである。また、この場合、ユニークIDがコードで示された袋50がユーザU001に配布されていてもよい。なお、図12におけるユニークIDは、第3の識別情報の一例である。
【0075】
図12に示すように、端末装置20は、まず、ユーザU001の起動操作(ステップS11)に応じてアプリケーションを起動する(ステップS301)。次に、端末装置20は、ユーザU001の撮像操作(ステップS12)に応じて、捕獲した動物の画像を撮像する(ステップS302)。さらに、端末装置20は、現在位置を取得する(ステップS303)。
【0076】
ここで、端末装置20は、ユーザU001の入力操作(ステップS13)による、あらかじめ提供されたユニークIDを含む各情報の入力を受け付ける(ステップS304)。ユニークIDは、記入領域51にユーザIDが印字された袋50が配布されることによってユーザU001に提供されてもよい。また、端末装置20は、画像読み取り機能により、袋50の記入領域51に記載された識別情報を読み取り、読み取った識別情報を自動的に入力するようにしてもよい。
【0077】
そして、端末装置20は、入力された情報から申請情報を生成する(ステップS305)。さらに、端末装置20は、生成した申請情報を、ユーザU001に送信操作(ステップS14)に応じて、情報提供装置10に送信する(ステップS306)。
【0078】
また、情報提供装置10は、端末装置20によって送信された申請情報を、ユニークIDと対応付けて、申請情報記憶部123に格納する(ステップS307)。以降の処理は、図10のステップS15からステップS17、及びステップS110以降の処理と同様である。ただし、袋50の記入領域51にユニークIDが印字済みである場合、ユーザU001は、ステップS15を省略することができる。
【0079】
また、ユニークIDは、端末装置20によって発行されてもよい。図13を用いて、端末装置20がユニークIDを発行する場合の、管理システム1の処理の流れについて説明する。図13は、実施形態に係る管理システムの処理の流れを示すシーケンスである。
【0080】
図13に示すように、端末装置20は、まず、ユーザU001の起動操作(ステップS11)に応じてアプリケーションを起動する(ステップS401)。次に、端末装置20は、ユーザU001の撮像操作(ステップS12)に応じて、捕獲した動物の画像を撮像する(ステップS402)。さらに、端末装置20は、現在位置を取得する(ステップS403)。
【0081】
ここで、端末装置20は、ユニークIDを発行する(ステップS404)。そして、端末装置20は、ユーザU001の入力操作(ステップS13)による各情報の入力を受け付ける(ステップS405)。なお、図13におけるユニークIDは、第4の識別情報の一例である。
【0082】
そして、端末装置20は、入力された情報から申請情報を生成する(ステップS406)。このとき、端末装置20は、発行したユニークIDを、申請情報に含めるものとする。さらに、端末装置20は、生成した申請情報を、ユーザU001に送信操作(ステップS14)に応じて、情報提供装置10に送信する(ステップS407)。
【0083】
また、情報提供装置10は、端末装置20によって送信された申請情報を、ユニークIDと対応付けて、申請情報記憶部123に格納する(ステップS408)。以降の処理は、図10のステップS15からステップS17、及びステップS110以降の処理と同様である。
【0084】
ここで、猟が行われる山中では、通信環境が悪く、端末装置20からネットワーク2に接続できない場合が考えられる。このとき、図13の手順によれば、端末装置20は、ネットワーク2に接続できない場合であってもあらかじめユニークIDを発行しておき、通信が可能な環境に移動した際に発行済みのユニークIDを情報提供装置10に送信することができる。また、図12の手順においても、あらかじめユニークIDがユーザU001に提供されているため、図13の手順と同様に、端末装置20が通信が可能な環境に移動した際にユニークIDを情報提供装置10に送信することができる。
【0085】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。また、この実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0086】
例えば、あらかじめユニークIDが提供される場合(例えば、図12の手順)は、図14のように、ユニークIDが袋50の記入領域51aにコードで示されていてもよい。図14は、実施形態に係るコードの一例を示す図である。コードは、例えばバーコード及びQRコード(登録商標)である。この場合、端末装置20及び管理装置30は、カメラを用いたコードの読み取り機能により、袋50から自動的にユニークIDを取得することができる。
【0087】
この場合、例えば、ユーザには、コードが印字された記入領域51aを備え、袋50に貼付可能なシール等が配布される。そして、ユーザは、配布されたシール等を袋50に貼り付けることにより、ユニークIDを記入する作業を省略することができる。なお、ユーザには、コードが印字済みの袋50が配布されてもよい。
【0088】
また、申請情報に含まれる項目は、図5に示すものに限られない。申請情報には、捕獲個体の画像が含まれていてもよい。また、申請者と捕獲者が異なる場合、申請情報には、それぞれのユーザを特定する情報が含まれていてもよい。また、申請情報は、捕獲個体の用途が含まれていてもよい。例えば、捕獲個体の用途は、埋設、焼却、自家消費、食肉処理加工施設等である。
【0089】
また、申請情報の捕獲個体情報には、捕獲個体の年齢、推定体重、実測体重、妊娠の有無、胎児の性別、乳汁の分泌の有無等が含まれていてもよい。また、例えば、捕獲個体がシカ等のツノを有する動物である場合、申請情報の捕獲個体情報には、ツノの状態を示す情報が含まれていてもよい。ツノの状態を示す情報は、なし、袋角、1尖、2尖、3尖、4尖、落角等である。また、複数の捕獲個体について申請情報を送信する場合は、申請情報に各捕獲個体の通し番号が含まれていてもよい。
【0090】
また、管理装置30は、OCR(Optical Character Reader)機能を備えていてもよい。この場合、管理装置30は、袋50に記載されたユニークIDをOCR機能を用いて自動的に読み取り、さらに申請情報との照合を自動的に行ってもよい。
【0091】
また、図9の照合画面には、検索画面が表示されてもよい。検索画面は、例えば、ユニークIDを入力可能なテキストボックスを含む。この場合、管理装置30は、申請情報記憶部123を検索し、検索画面に入力されたユニークIDに合致する申請情報を取得し、照合画面に表示する。そして、管理者は、照合画面に表示された申請情報を参照しながら、照合済みのチェックボックスのチェック等の操作を行うことができる。
【0092】
また、管理装置30は、OCR機能等でユニークIDを読み取った場合、当該読み取ったユニークIDを用いて自動的に申請情報記憶部123を検索し、さらに取得した申請情報を、照合済みのチェックボックスがチェックされた状態で照合画面に表示してもよい。また、このとき、管理装置30は、照合済みのチェックボックスを未チェックの状態で表示し、管理者のチェック操作を受け付けてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 管理システム
2 ネットワーク
10 情報提供装置
11、21、31 通信部
12、24、34 記憶部
13、25、35 制御部
22、32 撮像部
23、33 入出力部
20 端末装置
30 管理装置
40 捕獲個体
41 尻尾
50 袋
51、51a 記入領域
121 識別情報記憶部
122 ユーザ情報記憶部
123 申請情報記憶部
131 申請情報管理部
132 識別情報管理部
133 照合結果管理部
251 取得部
252 表示制御部
253 生成部
351 表示制御部
352 要求部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14