(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】保温材投入装置および保温材投入方法
(51)【国際特許分類】
C21C 7/00 20060101AFI20221115BHJP
B22D 41/00 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
C21C7/00 P
B22D41/00 Z
(21)【出願番号】P 2018223391
(22)【出願日】2018-11-29
【審査請求日】2021-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003713
【氏名又は名称】大同特殊鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志村 祐亮
(72)【発明者】
【氏名】菅原 勝美
【審査官】瀧澤 佳世
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-018429(JP,A)
【文献】実開平04-075663(JP,U)
【文献】実開昭61-133257(JP,U)
【文献】実開平02-078551(JP,U)
【文献】特開昭64-071550(JP,A)
【文献】特開平09-271931(JP,A)
【文献】特開昭48-092214(JP,A)
【文献】特開平03-122211(JP,A)
【文献】特開平05-179337(JP,A)
【文献】実開昭60-099058(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21C 7/00
B22D 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属溶湯が収容された溶湯容器に保温材を投入する保温材投入装置において、
前記溶湯容器の上方から外れた位置に設けられ、前記保温材を貯留可能であるとともに、貯留した前記保温材を放出可能な供給口を底部に有する貯留部と、
粉粒体よりなる前記保温材を、粉粒状のまま収容する収容部と、
前記収容部を、前記溶湯容器の上方の位置と、前記貯留部の下方の位置との間で移動可能な移動部と、を有しており、
前記収容部は、
上端部に開口として、受領口を有しており、前記貯留部の下方に配置された状態で、前記供給口から放出された前記保温材を、前記受領口を介して収容可能であるとともに、
開閉式の底面として設けられ、前記収容部が前記溶湯容器の上方に配置された状態で、開状態とすることができる開閉底
部を有することを特徴とする保温材投入装置。
【請求項2】
前記収容部は、筒形状を有しており、前記開閉底部は、閉状態において、前記筒形状の下端面を閉塞し、開状態において、前記下端面の全体を開放することを特徴とする請求項1に記載の保温材投入装置。
【請求項3】
前記移動部は、基端部を中心として、水平面内で回転運動可能なアームとして構成されており、前記アームの先端に、前記収容部が結合されており、
前記アームの回転運動により、前記収容部を、前記溶湯容器の上方の位置と、前記貯留部の下方の位置との間で、移動させることができることを特徴とする請求項1または2に記載の保温材投入装置。
【請求項4】
前記収容部の前記受領口と、前記貯留部の前記供給口との間に、前記収容部内の各部に収容される前記保温材の量の均一性を高める均一化部材を、さらに有することを特徴とする請求項
1から3のいずれか1項に記載の保温材投入装置。
【請求項5】
前記均一化部材は、前記供給口の中心に近い位置で開孔率が低く、前記供給口の中心から遠い位置で開孔率が高くなったメッシュ部材よりなることを特徴とする請求項4に記載の保温材投入装置。
【請求項6】
前記溶湯容器は、取鍋であり、
前記保温材投入装置は、真空脱ガス装置において、前記取鍋内の前記金属溶湯に浸漬管を浸漬する前に、前記取鍋に前記保温材を投入することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の保温材投入装置。
【請求項7】
前記保温材投入装置は、前記取鍋を前記真空脱ガス装置へと搬送する経路の途上に設けられ、前記取鍋への前記保温材の投入を、前記取鍋の搬送を停止させることなく行えることを特徴とする請求項6に記載の保温材投入装置。
【請求項8】
前記取鍋は、前記真空脱ガス装置への搬送中に、旋回装置によって旋回され、
前記保温材投入装置は、前記旋回装置による旋回中に、前記取鍋に前記保温材を投入可能であることを特徴とする請求項6または7に記載の保温材投入装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の保温材投入装置を用いて、金属溶湯が収容された溶湯容器に、粉粒状の保温材を投入することを特徴とする保温材投入方法。
【請求項10】
請求項6から8のいずれか1項に記載の保温材投入装置を用いて、前記取鍋内の前記金属溶湯に浸漬管を浸漬する前に、前記取鍋に前記保温材を投入するとともに、
前記浸漬管を浸漬した後に、前記浸漬管の周囲に、前記保温材を追加投入することを特徴とする請求項9に記載の保温材投入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保温材投入装置および保温材投入方法に関し、さらに詳しくは、金属溶湯が収容された溶湯容器に、粉粒状の保温材を投入することができる、保温材投入装置および保温材投入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器内に収容した金属溶湯を高温の状態に維持するために、容器内に保温材を投入する場合がある。例えば、真空脱ガス装置に導入される取鍋に、保温材を投入する場合がある。
図6に示すように、真空脱ガス装置100においては、取鍋90に収容された溶鋼Mに、真空槽110に備えられた浸漬管111を浸漬して、脱ガス処理を行うが、溶鋼Mの表面に配置されたスラグSの温度が低下すると、浸漬管111の表面に、スラグS(またはその構成成分)が付着する場合がある。浸漬管111の外周面に付着したスラグSは、浸漬管111の周辺に測温装置やサンプリング装置を導入する作業を困難にしたり、取鍋90の内壁の耐火物と接触して、取鍋90の昇降を妨げたりする場合がある。また、浸漬管111に付着したスラグSが取鍋90の中に落下すると、溶鋼MやスラグSを汚染し、所望の成分組成の鋼材が得られにくくなる。特に、既にスラグが付着した浸漬管111を、その付着したスラグと成分組成の異なるスラグSを配置した溶鋼Mに浸漬する場合に、浸漬管111に付着したスラグの落下が起こると、取鍋90内のスラグSの成分組成を制御できなくなり、溶鋼Mの品質の低下につながりやすい。このような浸漬管111へのスラグSの付着を抑制するために、スラグSの表面に、焼籾殻などよりなる保温材Tが投入され、スラグSの保温が図られる。
【0003】
従来一般には、取鍋内への保温材の投入は、袋に小分けにした保温材を、作業者が取鍋内に投げ込むことによって、行っていた。保温材の投入を自動化するために、保温材投入装置も開発されている。例えば、特許文献1には、先端がラッパ状に広がった投入シュートと、投入シュートの先端内中央部に設けられ取付け傾斜角度が可変の円錐状の分配器と、投入シュートの先端部外側に設けられた集塵フードと、を有する保温材投入装置が、開示されている。また、特許文献2には、保温材を入れた複数の可燃性袋を収容した、底部が開閉自在の容器を備え、容器が、取鍋の上方で、底部を開いて複数の可燃袋を取鍋内に投入する保温材投入装置が、開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平5-179337号公報
【文献】特開2014-31561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
容器内の金属溶湯やスラグの保温を効果的に行うためには、容器内の広い領域に、保温材を分布させることが重要となる。作業者が保温材を容器内に投げ込む場合には、作業者の技量や癖に依存して、保温材の投入量に、場所ごとに不均一な分布が生じやすい。また、手作業による保温材の投入は、重労働となる。
【0006】
特許文献1に開示された保温材投入装置は、浸漬管の位置に応じて環状に保温材を投入することを意図したものであり、浸漬管から離れた位置にまで、保温材を均一性高く散布するものではない。特許文献2に開示された保温材投入装置は、保温材の分布の均一性を比較的高めやすいが、保温材を袋で小分けにして投入するものであることから、保温材投入装置の容器から離れた位置等において、保温材の充填された袋が、十分に行き渡りにくい箇所が生じる可能性がある。また、保温材を袋詰めする必要から、粉粒状のまま保温材を散布する場合と比較して、保温材の準備に要するコストが高くなる。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、金属溶湯が収容された容器内の広い領域に、粉粒状のままの保温材を分布させることができる、保温材投入装置および保温材投入方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明にかかる保温材投入装置は、金属溶湯が収容された溶湯容器に保温材を投入する保温材投入装置において、粉粒体よりなる前記保温材を、粉粒状のまま収容する収容部と、前記収容部の開閉式の底面として設けられ、前記収容部が前記溶湯容器の上方に配置された状態で、開状態とすることができる開閉底部と、を有するものである。
【0009】
ここで、前記収容部は、筒形状を有しており、前記開閉底部は、閉状態において、前記筒形状の下端面を閉塞し、開状態において、前記下端面の全体を開放するものであるとよい。
【0010】
前記保温材投入装置は、さらに、前記溶湯容器の上方から外れた位置に設けられ、前記保温材を貯留可能であるとともに、貯留した前記保温材を放出可能な供給口を底部に有する貯留部と、前記収容部を、前記溶湯容器の上方の位置と、前記貯留部の下方の位置との間で移動可能な移動部と、を有しており、前記収容部は、上端部に設けられた開口として、受領口を有しており、前記貯留部の下方に配置された状態で、前記供給口から放出された前記保温材を、前記受領口を介して収容可能であるとよい。
【0011】
前記保温材投入装置は、前記収容部の前記受領口と、前記貯留部の前記供給口との間に、前記収容部内の各部に収容される前記保温材の量の均一性を高める均一化部材を、さらに有するとよい。
【0012】
この場合に、前記均一化部材は、前記供給口の中心に近い位置で開孔率が低く、前記供給口の中心から遠い位置で開孔率が高くなったメッシュ部材よりなるとよい。
【0013】
前記溶湯容器は、取鍋であり、前記保温材投入装置は、真空脱ガス装置において、前記取鍋内の前記金属溶湯に浸漬管を浸漬する前に、前記取鍋に前記保温材を投入するものであるとよい。
【0014】
この場合に、前記保温材投入装置は、前記取鍋を前記真空脱ガス装置へと搬送する経路の途上に設けられ、前記取鍋への前記保温材の投入を、前記取鍋の搬送を停止させることなく行えるとよい。
【0015】
また、前記取鍋は、前記真空脱ガス装置への搬送中に、旋回装置によって旋回され、前記保温材投入装置は、前記旋回装置による旋回中に、前記取鍋に前記保温材を投入可能であるとよい。
【0016】
本発明にかかる保温材投入方法は、上記のような保温材投入装置を用いて、金属溶湯が収容された溶湯容器に、粉粒状の保温材を投入するものである。
【0017】
ここで、真空脱ガス装置において、取鍋内の金属溶湯に浸漬管を浸漬する前に取鍋に保温材を投入する形態の保温材投入装置を用いて、前記取鍋内の前記金属溶湯に浸漬管を浸漬する前に、前記取鍋に前記保温材を投入するとともに、前記浸漬管を浸漬した後に、前記浸漬管の周囲に、前記保温材を追加投入するとよい。
【発明の効果】
【0018】
上記発明にかかる保温材投入装置においては、開閉底部を閉状態として、粉粒状の保温材を収容した収容部を、溶湯容器の上方に配置して、開閉底部を開状態とすることで、溶湯容器内に保温材を自動的に投入することができる。この際、収容部内に収容された粉粒状の保温材が溶湯容器内に放出されるので、少なくとも、開放された開閉底部の直下の位置には、かなり高い均一性をもって、保温材を分布させることができる。また、保温材が、袋等によってまとめられず、粉粒状のまま投入されるため、保温材を構成する粉粒体の軽さにより、開放された開閉底部から外側に広がるようにして、分散されやすい。そのため、開閉底部からある程度離れた位置にも、保温材を行き渡らせやすく、溶湯容器内の広い領域に、保温材を分布させることができる。さらに、保温材を袋等によって小分けにする必要がないことから、保温材の準備に要するコストを抑えることができる。
【0019】
ここで、収容部が、筒形状を有しており、開閉底部が、閉状態において、筒形状の下端面を閉塞し、開状態において、下端面の全体を開放するものである場合には、開閉底部を開状態とすることで、収容部に収容された保温材を、一度に勢いよく溶湯容器内に投入することができる。そのため、溶湯容器内の広い領域に、保温材を分布させやすい。
【0020】
保温材投入装置が、さらに、溶湯容器の上方から外れた位置に設けられ、保温材を貯留可能であるとともに、貯留した保温材を放出可能な供給口を底部に有する貯留部と、収容部を、溶湯容器の上方の位置と、貯留部の下方の位置との間で移動可能な移動部と、を有しており、収容部が、上端部に設けられた開口として、受領口を有しており、貯留部の下方に配置された状態で、供給口から放出された保温材を、受領口を介して収容可能である場合には、開閉底部を閉状態とした収容部を、貯留部の下方に配置し、供給口から保温材を収容部内に充填する工程と、保温材を充填した収容部を溶湯容器の上方に配置して、開閉底部を開状態とする工程とを繰り返すことで、溶湯容器への保温材の投入を、簡便に何度も繰り返すことができる。
【0021】
保温材投入装置が、収容部の受領口と、貯留部の供給口との間に、収容部内の各部に収容される保温材の量の均一性を高める均一化部材を、さらに有する場合には、貯留部から供給された保温材を、収容部内に均一性高く収容することができるので、収容した保温材を溶湯容器に投入する際の均一性を、さらに高めることができる。
【0022】
この場合に、均一化部材が、供給口の中心に近い位置で開孔率が低く、供給口の中心から遠い位置で開孔率が高くなったメッシュ部材よりなる構成によれば、簡素な構成の均一化部材を用いて、収容部に収容される保温材の均一性を、効果的に高めることができる。
【0023】
溶湯容器が、取鍋であり、保温材投入装置が、真空脱ガス装置において、取鍋内の金属溶湯に浸漬管を浸漬する前に、取鍋に保温材を投入するものである場合には、浸漬管をはじめとする真空脱ガス装置の構成部材に妨げられることなく、溶湯容器内の広い領域に、保温材を分布させやすい。その結果、取鍋内の保温を効果的に行うことができ、例えば、スラグの温度の低下を抑えることで、浸漬管へのスラグの付着を低減することができる。
【0024】
この場合に、保温材投入装置が、取鍋を真空脱ガス装置へと搬送する経路の途上に設けられ、取鍋への保温材の投入を、取鍋の搬送を停止させることなく行える構成によれば、保温材の投入のための時間を、取鍋の搬送に要する時間以外に設定する必要がないため、取鍋の搬送と保温材の投入、さらに脱ガス処理の工程を、連続して、効率よく行うことができる。また、取鍋を搬送するための工程と、保温材を投入するための工程を、一連の流れとして自動化することで、それらの工程の効率を、一層高めることができる。
【0025】
また、取鍋が、真空脱ガス装置への搬送中に、旋回装置によって旋回され、保温材投入装置が、旋回装置による旋回中に、取鍋に保温材を投入可能である構成によれば、取鍋が旋回装置に滞在している時間を利用して、保温材の投入を行うことで、保温材の投入を、安定に行うことができる。
【0026】
上記発明にかかる保温材投入方法は、上記のような保温材投入装置を用いて、金属溶湯が収容された溶湯容器に、粉粒状の保温材を投入するため、溶湯容器内の広い領域に、保温材を分布させることができる。また、保温材の準備に要するコストを抑えることができる。
【0027】
ここで、真空脱ガス装置において、取鍋内の金属溶湯に浸漬管を浸漬する前に取鍋に保温材を投入する形態の保温材投入装置を用いて、取鍋内の金属溶湯に浸漬管を浸漬する前に、取鍋に保温材を投入するとともに、浸漬管を浸漬した後に、浸漬管の周囲に、保温材を追加投入する場合には、保温材投入装置を用いて、取鍋内の広い領域に保温材を分布させることで、高い保温性を得ることができる。さらに、最初に保温材投入装置を用いて投入した保温材の一部が、浸漬管の浸漬によって、浸漬管の周囲から押しのけられることがあっても、再度、浸漬管の周囲に保温材を投入することで、浸漬管の周囲を含め、取鍋内の広い領域を、保温材で覆うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる保温材投入装置の概略を示す側面図である。
【
図2】上記保温材投入装置を、収容部の上方の位置から見た平面図である。収容部が取鍋の上方に配置された状態を実線で示し、収容部が貯留部の下方に配置された状態を点線で示している。
【
図3】貯留部から収容部に保温材を分取している状態を示す側面図である。
【
図4】収容部から取鍋に保温材を投入している状態を示す側面図である。
【
図5】保温材投入装置が取鍋の搬送経路に設けられる形態を示す平面図である。
【
図6】RH装置において、取鍋に浸漬管を浸漬した状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態にかかる保温材投入装置および保温材投入方法について、図面を用いて詳細に説明する。
【0030】
[保温材投入装置の構成]
本発明の一実施形態にかかる保温材投入装置は、金属溶湯が収容された溶湯容器に、保温材を投入するものである。金属溶湯および溶湯容器の種類は、特に限定されるものではないが、ここでは、溶鋼を収容された取鍋に保温材を投入する形態を、例として扱う。取鍋に収容された溶鋼は、取鍋加熱炉(LF装置)において二次精錬を受けた後、本実施形態にかかる保温材投入装置による保温材の投入を経て、RH(Ruhrstahl-Hausen)式真空脱ガス装置に導入される。
【0031】
本実施形態にかかる保温材投入装置によって投入される保温材は、粉粒体よりなり、袋等によってまとめられることなく、粉粒状のまま、保温材投入装置に供給され、保温材投入装置から取鍋へと投入される。保温材の具体的な種類は、特に限定されるものではないが、焼籾殻、コークス粉等を例示することができる。
【0032】
図1~4に、本実施形態にかかる保温材投入装置1の構成を示す。保温材投入装置1は、保温材Tの投入を受ける所定の位置に配置された取鍋90に、保温材Tを投入するものであり、開閉底部11を備えた収容部10と、貯留部20と、移動部30と、制御部(不図示)とを有している。
【0033】
収容部10は、保温材Tを収容し、取鍋90に投入するものである。貯留部20は、保温材Tを貯留し、収容部10に供給する。移動部30は、収容部10を移動させる装置である。
図1に示すように、上下方向(重力方向)には、収容部10が、取鍋90よりも上方に配置され、さらに、貯留部20が、収容部10よりも上方に配置されている。
図2に示すように、水平方向には、貯留部20は、取鍋90から外れた位置に配置されており、収容部10は、水平面内において、取鍋90の上方の位置(図中実線)と、貯留部20の下方の位置(図中点線)との間を、移動部30によって移動可能となっている。なお、
図2は、
図1を上方の位置から見た平面図であり、貯留部20、供給口21、供給弁22が、図中点線の収容部10の上方に存在するが、図中には、供給口21の位置のみ表示している。制御部は、収容部10、貯留部20、移動部30等の構成部材を制御することができる制御装置であり、コンピュータ等よりなっている。
【0034】
収容部10は、中空状の容器よりなっており、開閉底部11が、収容部10の開閉式の底面を構成している。開閉底部11は、開閉可能に収容部10に結合されており、開閉底部11を閉状態(
図4中破線)とすることで、収容部10の中に、保温材Tを収容して保持することができる。一方、開閉底部11を開状態(
図4中実線)とすることで、収容部10の中に収容された保温材Tを、下方に放出することができる。保温材Tを収容した収容部10を取鍋90の上方に配置した状態で、開閉底部11を開状態とすることで、取鍋90の中に保温材Tを投入することができる。収容部10の上端部は、開放されており、上方に開口した受領口12となっている。
【0035】
収容部10および開閉底部11の具体的な形状は特に限定されるものではないが、収容部10は、筒形状を有しているとよい。特に、略円筒状等、直筒の形状を有していることが好ましい。そして、開閉底部11が、閉状態において、収容部10の筒形状の下端面を閉塞する一方、開状態において、その筒形状の下端面の略全域を開放するものであるとよい。例えば、開閉底部11が、収容部10の下端面全域を閉塞する板状部材よりなり、板面の一端において、収容部10の下端部に、ヒンジ部材等を介して、下方に向かって90°以上回動可能な状態で、結合されているとよい。開閉底部11の板面を略水平に配置して、収容部10の下端面を閉塞した閉状態から、
図4に示すように、開閉底部11の板面を下方に向かって回動させることで、収容部10の下端面の全域を開放した開状態とすることができる。
【0036】
制御部によって制御可能なシリンダ13等の駆動部材によって、開閉底部11の回動を駆動するように構成することで、開閉底部11の開状態と閉状態の選択、また開状態および閉状態のそれぞれの維持を、行うことができる。
図3,4に示した構成では、収容部10の中を通るチェーン14の一端が、開閉底部11の上方に設けられたシリンダ13の先端に結合され、そのチェーン14の他端が、開閉底部11の上面(閉状態において収容部10の内側に向く面)に結合されている。シリンダ13を圧縮することで、開閉底部11がチェーンによって引き上げられ、閉状態となる。一方、シリンダ13を伸長することで、開閉底部11が開状態となる。
【0037】
貯留部20は、収容部10よりも多量の保温材Tを貯留可能な容器であり、バンカーとも称される。貯留部20は、下方に、貯留した保温材Tを放出可能な供給口21を有している。供給口21の上流側には、供給口21から保温材Tを放出する開状態と、供給口21からの保温材Tの放出を遮断する閉状態とを切り替え可能な、供給弁22が設けられている。供給弁22は、ロータリーバルブ等よりなり、供給弁22の開閉を制御することで、保温材Tを、所定の量だけ、供給口21から放出することができる。供給弁22の開閉制御は、制御部によって行うことができる。供給口21の内径は、収容部10の受領口12の内径よりも、小さく形成されている。
【0038】
移動部30は、基端部を中心として、水平面内で回転運動可能なアームとして構成されている。アームの先端に、収容部10が結合されており、回転運動により、収容部10を移動させることができる。移動部30の可動範囲は、
図2に示すように、収容部10を、取鍋90の上方の位置(図中実線)と、貯留部20の下方の位置(図中点線)との間で、移動させられるように、設定されている。移動部30の回転運動は、制御部によって制御可能なモータを備えた駆動部31によって、駆動される。
【0039】
図3に示すように、開閉底部11を閉状態とした収容部10を、移動部30によって、貯留部20の供給口21の下方に配置し、供給弁22を開状態とすることで、貯留部20に貯留された保温材Tの一部を、供給口21から、受領口12を介して、収容部10に分取し、収容することができる。収容部10に分取する保温材Tの量は、収容部10の容量や、取鍋90への投入が求められる保温材Tの量等に応じて、供給弁22の開閉によって制御することができる。そして、
図4に示すように、保温材Tを収容した収容部10を、移動部30によって、取鍋90の上方に配置し、開閉底部11を開状態とすることで、取鍋90の開口91に向かって、保温材Tを投入することができる。
【0040】
ここで、収容部10の受領口12と貯留部20の供給口21の間には、均一化部材(不図示)が設けられることが好ましい。均一化部材は、収容部10内の各部に収容される保温材Tの量の均一性、つまり閉状態とした開閉底部11の面の各部に積層される保温材Tの量の均一性を高める部材であり、例えば、受領口12を覆うメッシュ部材を用いることができる。ここで、メッシュの開孔率を、供給口21の中心に近い位置で低くし、供給口21の中心から遠い位置で高くしておくことで、均一化部材として機能させることができる。
【0041】
[保温材投入装置の配置]
上記のように、保温材投入装置1によって保温材Tを投入する溶湯容器および金属溶湯の種類は特に限定されず、それらの種類や構成に応じて、保温材Tの投入の必要があり、投入を効率的に行うことができる場所に、保温材投入装置1を配置すればよい。上記のように、RH式真空脱ガス装置(RH装置)100に導入する取鍋90に、保温材Tを投入する場合の配置の例を、
図5に示す。
【0042】
ここでは、RH装置100へと取鍋90を搬送する経路の途上に、保温材投入装置1が設置されている。そして、RH装置100において、取鍋90の中の溶鋼Mに浸漬管111が浸漬される前に、保温材投入装置1によって、取鍋90に保温材Tを投入する。
【0043】
具体的には、LF装置120とRH装置100の間に、レールが敷設された搬送路130が設けられており、搬送路130に沿って、走行台車95に固定された取鍋90が搬送される。LF装置120の位置から延びた第一の搬送路131の方向と、RF装置に向かう第二の搬送路132の方向とは、相互に異なっており、それら2つの搬送路131,132が交差する位置に、ターンテーブルを備えた旋回装置140が設けられている。旋回装置140は、第一の搬送路131に沿って搬送された取鍋90を旋回させて、第二の搬送路132に移動させることができる。
【0044】
保温材投入装置1は、旋回装置140の近傍に設置されている。具体的には、貯留部20が、旋回装置140の側部上方に設置されており、収容部10が、その貯留部20の下方の位置と、旋回装置140に載置された取鍋90の上方の位置の間を、移動部30によって移動できるようになっている。
【0045】
保温材投入装置1は、取鍋90が旋回装置140に載置されて旋回を受けている間に、保温材Tを収容した収容部10を取鍋90の上方に配置し、開閉底部11を開状態とすることで、旋回中の取鍋90の中に、保温材Tを投入することができる。旋回装置140による旋回を含め、取鍋90の搬送を、保温材Tの投入を目的として、停止または減速させる必要はない。
【0046】
開閉底部11の開閉や移動部30による収容部10の移動、貯留部20の供給弁22の開閉等、保温材投入装置1の構成部材の制御は、LF装置120からRH装置100への取鍋90の搬送における各工程の制御と、連動されており、保温材投入装置1の各部の動作と、取鍋90の搬送に要する動作を、所定の順序で連続的に実行することができる。例えば、取鍋90がLF装置120から旋回装置140に搬送される間に、開閉底部11を閉状態とした収容部10を貯留部20の下方に配置して、供給弁22を開き、保温材Tを収容部10に分取することができる。そして、取鍋90が旋回装置140によって旋回されている間に、収容部10を取鍋90の上方に移動させて、開閉底部11を開状態として、保温材Tを取鍋90の中に投入することができる。保温材投入装置1の構成部材を制御する制御部が、取鍋90の搬送を制御する制御部と、共通のものとして構成されてもよい。
【0047】
[保温材投入方法]
本発明の一実施形態にかかる保温材投入方法は、溶鋼Mが収容された取鍋90に、粉粒状の保温材Tを投入するものであり、上記で説明した保温材投入装置1を用いて実行することができる。
【0048】
取鍋90への保温材Tの投入に先立つ準備として、貯留部20に、保温材Tを貯留しておく。保温材Tは、袋詰め等されず、粉粒状のまま、供給弁22を閉じた貯留部20に貯留される。保温材Tの貯留量は、収容部10から取鍋90への投入を複数回行える量以上としておくことが、好ましい。
【0049】
取鍋90に保温材Tを投入する必要が生じると、保温材投入装置1は、待機工程を実施し、取鍋90への保温材Tの投入が可能な状態に待機する。待機工程においては、開閉底部11を閉状態として、収容部10を、移動部30によって、貯留部20の供給口21の下方に配置する。そして、
図3に示されるように、供給弁22を開いて、取鍋90への1回の投入に必要な量の保温材Tを、供給口21から、受領口12を介して、収容部10に分取する。さらに、収容部10は、移動部30によって、取鍋90が配置されている位置、あるいは配置される予定の位置の上方に移動される。この待機工程は、保温材Tを取鍋90に投入すべき時間までに完了される。
図5のように、LF装置120からRH装置100へと取鍋90が搬送される経路の途上に保温材投入装置1が設置されている場合には、取鍋90が第一の搬送路131を搬送されて、旋回装置140に載置され、旋回を開始するまでの間、あるいは旋回の初期の間に、待機工程が完了される。
【0050】
待機工程が完了し、所定量の保温材Tを収容した収容部10が、取鍋90の上方に配置された状態となると、保温材投入装置1は、投入工程を実施する。投入工程においては、
図4に示されるように、収容部10の開閉底部11が、開状態とされる。それにより、収容部10に収容されていた保温材Tが、取鍋90に向かって放出され、取鍋90の中に投入される。
図5のように、LF装置120からRH装置100へと取鍋90が搬送される途上の旋回装置140の近傍に、保温材投入装置1が設置されている場合には、旋回装置140によって取鍋90が旋回されている間に、投入工程が実施される。LF装置120での精錬を経た取鍋90においては、溶鋼Mの表面にスラグSが配置されていることが多い。投入された保温材Tは、このスラグSの表面を覆うものとなる。
【0051】
投入工程が完了すると、再び開閉底部11を閉状態とし、収容部10を貯留部20の下方に移動させて、待機工程を実行することができる。待機工程と投入工程を交互に行うことで、取鍋90への保温材Tの投入を、何度も繰り返すことができる。
【0052】
保温材投入装置1によって保温材Tを投入した取鍋90がRH装置100に搬送されると、
図6に示すように、取鍋90の中の溶鋼Mに、浸漬管111が浸漬される。浸漬管111は、溶鋼Mの表面に配置されたスラグS、およびスラグSの表面を覆う保温材Tの層を貫通して、溶鋼Mの中に浸漬される。浸漬管111の浸漬後には、浸漬管111の周囲に、保温材Tを追加投入することができる。保温材Tの追加投入には、本実施形態にかかる保温材投入装置1を用いず、例えば、袋等で小分けにした保温材Tを、作業者が、浸漬管111の周囲をめがけて投入すればよい。あるいは、特許文献1に記載されるような別の形態の保温材投入装置を用いて、自動で投入するようにしてもよい。
【0053】
[保温材投入の均一性]
上記で説明した本実施形態にかかる保温材投入装置1を用いて、取鍋90への保温材Tの投入を行うことで、投入した保温材Tを、取鍋90の中の広い領域に、分布させることができる。
【0054】
本実施形態にかかる保温材投入装置1においては、収容部10に開閉底部11が設けられており、開閉底部11を開状態とすることで、収容部10に収容されていた保温材Tが、勢いよく、下方へと放出される。よって、少なくとも、開閉底部11を開放することで収容部10の下端に形成された開口の直下の位置には、その開口から放出された保温材Tが、高い均一性をもって分布する。この際、保温材Tが、袋等によってまとめられておらず、粉粒状のまま放出されることにより、保温材Tの分布量に、空間的なばらつきが生じにくくなる。
【0055】
さらに、保温材Tが袋等によってまとめられているとすれば、収容部10の直下から外れた位置には、保温材Tが行き渡りにくいが、保温材Tが、粉粒状のまま投入されることにより、収容部10の直下から外れた位置にも、保温材Tをよく行き渡らせることができる。開閉底部11を開状態とした際に、収容部10から放出された粉粒状の保温材Tは、粉粒体の軽さのために、重力に従って直下に落下するだけでなく、収容部10から勢いよく放射状に広がるようにして、収容部10の直下からある程度離れた位置にまで、分散されるからである。
【0056】
このように、収容部10の直下から外れた位置を含め、取鍋90の開口91の中の広い領域に、保温材Tが投入され、分布することになる。取鍋90の内容物の表面の広い面積が、十分な量の保温材Tで覆われることにより、取鍋90の中のスラグSや溶鋼Mに対する保温性が高くなり、長時間にわたり、高温の状態を維持しやすくなる。RH装置100に導入される前の取鍋90において、溶鋼Mの表面に配置されたスラグSの上に、保温材Tを投入する場合、スラグSの表面の広い領域を、保温材Tで被覆することで、スラグSの温度が低下しにくくなる。すると、RH装置100において、スラグSを貫通して浸漬管111を浸漬し、脱ガス処理を行った際に、浸漬管111の表面に、スラグS(またはその構成成分)が付着しにくくなる。
【0057】
さらに、保温材Tを袋等によってまとめることなく、粉粒状のまま投入することにより、上記のように、保温材Tを広い範囲に分布させる効果に加え、袋詰め等のために、保温材Tの準備に要するコストの削減にも、効果を有する。収容部10の大きさおよび開閉底部11の面積は、放出した保温材Tが、取鍋90の開口91の中のほぼ全域に広がるように、設定すればよい。
【0058】
さらに、保温材Tの投入における均一性を高める観点から、収容部10が、筒形状、特に直筒形状を有し、その筒形状の下端面を閉塞する開閉底部11を開状態とした時に、筒形状の下端面の全体が開放される形態とすることが好ましい。開閉底部11を開状態とした際に、収容部10に収容されていた保温材Tの全量が、一度に、勢いよく放出されることにより、広い範囲に広がりながら、取鍋90に投入されるからである。収容部10の内部への保温材Tの残存も、起こりにくい。
【0059】
また、収容部10に収容された保温材Tの分布の均一性、つまり閉状態とした開閉底部11の面の各部に積層された保温材Tの量の均一性が高いほど、保温材Tを取鍋90に投入する際の均一性も、高めやすい。収容部10の受領口12よりも内径の小さい供給口21から、収容部10に保温材Tを供給すると、供給口21の直下の位置を頂点とする山状の不均一な保温材Tの分布が、収容部10の中に形成されやすい。そこで、受領口12と供給口21の間に、均一化部材を配置することで、収容部10における保温材Tの分布の不均一性を緩和することができる。上記のような、開孔率に分布を有するメッシュ部材を用いることで、簡便な構成で、均一化部材を設けることができる。メッシュ部材の開孔率が低くなった供給口21の直下の位置で、保温材Tの通過量が大幅に低減される一方、開孔率の高くなった供給口21から離れた位置で、保温材Tの通過量がそれほど低減されず、メッシュ部材を通過して収容部10に入る保温材Tの量が、受領口12の各部において、平均化される。
【0060】
RH装置100において真空脱ガス処理を受ける取鍋90において、浸漬管111を浸漬する前に、保温材投入装置1を用いた保温材Tの投入を行うことで、浸漬管111等、RH装置100の構成部材に妨げられることなく、取鍋90の開口91の中の広い領域に、高い均一性をもって、保温材Tを分布させやすい。この際、真空脱ガス処理に先立ち、RH装置100へと取鍋90を搬送する必要がある場合に、取鍋90を搬送する経路の途中で、取鍋90の搬送を停止または減速させることなく、保温材投入装置1によって、保温材Tを投入できるようにしておけば、保温材Tの投入と取鍋90の搬送、さらにそれらに続く真空脱ガス処理の工程を、一連の流れとして、効率的に進めることができる。
【0061】
特に、開閉底部11の開閉、移動部30による収容部10の移動、供給弁22の開閉等、保温材投入装置1の各構成部材の制御と、取鍋90の搬送の各工程における制御とを連動させて、保温材Tの投入と取鍋90の搬送における各工程を、所定の順序で連続的に実施することで、保温材Tの投入および取鍋90の搬送における効率を、高めることができる。保温材Tの投入と取鍋90の搬送を、全て自動的に行わせることも可能となる。さらに、
図5に示した形態における旋回装置140のように、搬送の途中に、取鍋90の重心の位置を大きく動かすことなく、取鍋90を滞在させる装置が設けられている場合には、取鍋90がその装置に滞在している間に、保温材投入装置1による保温材Tの投入を行うことで、取鍋90の中の広い領域への保温材Tの投入を、取鍋90の搬送を妨げないようにしながら、安定して実行することができる。
【0062】
RH装置100において浸漬管111を溶鋼Mに浸漬する前に、保温材投入装置1を用いて、取鍋90の中のスラグSの表面のほぼ全域を、保温材Tで覆っておくことで、浸漬した浸漬管111の表面へのスラグSの付着を、効果的に抑制することができる。しかし、保温材Tの層を貫通して浸漬管111を溶鋼Mに浸漬する工程において、浸漬管111に押しのけられるようにして、浸漬管111の周囲の保温材Tの分布量が低下しやすい。そこで、浸漬管111を浸漬した後、浸漬管111の周囲に、保温材Tを追加投入して、浸漬管111の周囲の保温材Tの分布量を回復させることが好ましい。それによって、浸漬管111の周囲を含め、スラグSの表面の広い領域を、高い均一性をもって保温材Tで覆い、さらに効果的に、浸漬管111へのスラグSの付着を抑制することができる。浸漬管111を浸漬した後の保温材Tの追加投入を、袋詰めにした保温材Tを作業者が取鍋90に投げ込む形態によって行う場合でも、追加投入する保温材Tの量は、浸漬管111の浸漬前に保温材投入装置1を用いて投入する量よりも少なくて済むので、作業者の労力および保温材Tの袋詰めに要するコストを、抑えることができる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記で説明した形態では、取鍋の上方で収容部を静止させて、開閉底部を開状態とし、保温材を放出しているが、取鍋内のさらに広い領域に保温材を分布させられるように、保温材の放出中に、移動部によって、収容部を水平面内で移動させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 保温材投入装置
10 収容部
11 開閉底部
12 受領口
20 貯留部
21 供給口
22 供給弁
30 移動部
90 取鍋(溶湯容器)
91 開口
95 走行台車
100 RH装置(真空脱ガス装置)
111 浸漬管
120 LF装置
130 搬送路
131 第一の搬送路
132 第二の搬送路
140 旋回装置
M 溶鋼(金属溶湯)
S スラグ
T 保温材