IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社サタケの特許一覧

<>
  • 特許-光学式選別機 図1
  • 特許-光学式選別機 図2
  • 特許-光学式選別機 図3
  • 特許-光学式選別機 図4
  • 特許-光学式選別機 図5
  • 特許-光学式選別機 図6
  • 特許-光学式選別機 図7
  • 特許-光学式選別機 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】光学式選別機
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/342 20060101AFI20221115BHJP
   G01N 21/85 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
B07C5/342
G01N21/85 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018229439
(22)【出願日】2018-12-06
(65)【公開番号】P2020089847
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100158702
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】宮本 知幸
(72)【発明者】
【氏名】西田 卓矢
【審査官】山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-151224(JP,A)
【文献】特開2012-217874(JP,A)
【文献】特開昭61-274782(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105689276(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 5/342
G01N 21/85
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被選別物を良否選別する光学選別部であって、
所定の軌跡に沿って落下する被選別物を検出する光学検出手段と、
該光学検出手段による検出結果に基づいて前記所定の軌跡に沿って落下する被選別物から不良品を排除するエジェクター手段と、
前記所定の軌跡に沿って落下する被選別物の落下位置に設けられる良品排出部及び前記エジェクター手段により排除される被選別物の落下位置に設けられる不良品排出部を有する排出手段と、を有する光学選別部を複数備え、
第1光学選別部で良否選別される被選別物であって、該第1光学選別部における排出手段の不良品排出部から排出される被選別物を第2光学選別部に移送して良否選別し、
第2光学選別部で良否選別される被選別物であって、該第2光学選別部における排出手段の不良品排出部から排出される被選別物を第3光学選別部に移送して良否選別する光学式選別機において、
前記第1光学選別部で良否選別される被選別物であって、前記不良品排出部から排出される被選別物の一部を前記第3光学選別部に移送して良否選別することを可能とする光学式選別機。
【請求項2】
前記第1光学選別部における前記排出手段は、前記不良品排出部がエジェクター手段により排除される被選別物の排除距離に対応して設けられる複数の不良品排出路を有し、
前記エジェクター手段に近い側に設けられる不良品排出路を第2光学選別部用排出路、前記第2光学選別部用排出路よりも前記エジェクター手段から遠い側に設けられる不良品排出路を第3光学選別部用排出路として、前記第2光学選別部用排出路から排出される被選別物を前記第2光学選別部に移送して良否選別し、前記第3光学選別部用排出路から排出される被選別物を前記第3光学選別部に移送して良否選別する請求項1記載の光学式選別機。
【請求項3】
前記第1光学選別部における排出手段の良品排出部に隣接し、前記第2光学選別部用排出路との間に設けられる不良品排出路を第1光学選別部用排出路として、前記第1光学選別部用排出路から排出される被選別物を、再度、前記第1光学選別部に移送して良否選別する請求項2記載の光学式選別機。
【請求項4】
前記第2光学選別部における排出手段は、不良品排出部がエジェクター手段により排除される被選別物の排除距離に対応して設けられる複数の不良品排出路を有し、
前記エジェクター手段に近い側に設けられる不良品排出路を第3光学選別部用排出路、前記第3光学選別部用排出路よりも前記エジェクター手段から遠い側に設けられる不良品排出路を機外用排出路として、前記第3光学選別部用排出路から排出される被選別物を前記第3光学選別部に移送して良否選別し、前記機外用排出路から排出される被選別物を機外へ排出する請求項1乃至3のいずれかに記載の光学式選別機。
【請求項5】
前記第2光学選別部における排出手段の良品排出部に隣接し、前記第3光学選別部用排出路との間に設けられる不良品排出路を第2光学選別部用排出路として、前記第2光学選別部用排出路から排出される被選別物を、再度、前記第2光学選別部に移送して良否選別する請求項4記載の光学式選別機。
【請求項6】
前記第3光学選別部における排出手段は、不良品排出部がエジェクター手段により排除される被選別物の排除距離に対応して設けられる複数の不良品排出路を有し、
前記第3光学選別部における排出手段の良品排出部に隣接して設けられる不良品排出路を第3光学選別部用排出路とし、前記第3光学選別部用排出路よりも前記エジェクター手段から遠い側に設けられる不良品排出路を機外用排出路として、前記第3光学選別部用排出路から排出される被選別物を、再度、前記第3光学選別部に移送して良否選別し、前記機外用排出路から排出される被選別物を機外へ排出する請求項1乃至5のいずれかに記載の光学式選別機。
【請求項7】
前記第3光学選別部における排出手段の不良品排出部から排出される被選別物の全てを機外へ排出する請求項1乃至5のいずれかに記載の光学式選別機。
【請求項8】
前記第1光学選別部における排出手段の良品排出部から排出される被選別物を良品として機外へ排出し、
前記第2光学選別部における排出手段の良品排出部から排出される被選別物を、再度、前記第1光学選別部に移送して良否選別し、
前記第3光学選別部における排出手段の良品排出部から排出される被選別物を、再度、前記第1又は第2光学選別部に移送して良否選別する請求項1乃至7のいずれかに記載の光学式選別機。
【請求項9】
前記第1光学選別部における排出手段の良品排出部から排出される被選別物を良品として機外へ排出し、
前記第2光学選別部における排出手段の良品排出部から排出される被選別物を良品として機外へ排出し、
第3光学選別部における排出手段の良品排出部から排出される被選別物を良品として機外へ排出する請求項1乃至7のいずれかに記載の光学式選別機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒や樹脂ペレット等の粒状物を色彩等に基づいて選別する光学式選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、米・麦類・豆類・ナッツ類等の穀粒、ペレット・ビーズ等の樹脂片、医薬品、鉱石類、シラス等の細かい物品、その他の粒状物からなる原料を色彩等に基づいて良品と不良品に選別したり、原料に混入する異物等を色彩等に基づいて排除したりする光学式選別機が知られている。
【0003】
この種の光学式選別機は、移送路の端部から所定の軌跡に沿って落下する粒状物に光を照射し、該粒状物からの反射光等を受光して前記原料に含まれる不良品や異物等を検出し、当該検出した不良品や異物等をエアの噴風等により排除することで前記粒状物の選別を行うものである。
【0004】
ところで、上記光学式選別機は、良品の回収率を向上させるため、複数組の選別部を並設し、粒状物からなる原料を複数段階で良品と不良品に選別することが知られている(例えば特許文献1,2を参照)。
【0005】
図7は、特許文献1に記載された光学式選別機であって、三組の選別部を並設して粒状物を良否選別する場合の手順の説明図を示す。
図7に示す光学式選別機において、機外から原料として供給される粒状物は、1次選別部において良品と不良品に選別される。前記1次選別部において不良品に選別された粒状物は、2次選別部に移送された後、該2次選別部において良品と不良品に選別される。前記2次選別部において不良品に選別された粒状物は、3次選別部に移動された後、該3次選別部において良品と不良品に選別される。
【0006】
他方、前記2次選別部において良品に選別された粒状物は、再度、前記1次選別部に移送され、該1次選別部において良品と不良品に選別される。前記3次選別部において良品に選別された粒状物は、再度、前記2次選別部に移送され、該2次選別部において良品と不良品に選別される。
そして、前記1次選別部において良品に選別された粒状物は、良品として機外へ排出される。前記3次選別部において不良品に選別された粒状物は、不良品として機外へ排出される。
【0007】
図7に示す光学式選別機によれば、1次選別部において不良品を排除するためのエアに巻き込まれる等して不良品に混入することとなった良品を回収することが可能となり、良品の回収率を向上させることができる。
【0008】
ところが、図7に示す光学式選別機は、1次選別部で多くの粒状物が不良品に選別される場合には、2次選別部に移送される粒状物が過剰となり、該2次選別部に過度の負荷を与えるために選別能力が低下して作業効率が低下する問題がある。
【0009】
図8は、特許文献2に記載された光学式選別機であって、三組の選別部を並設して粒状物を良否選別する場合の手順の説明図を示す。
図8に示す光学式選別機は、図7に示す光学式選別機において、各選別部の良品排出路と不良品排出路の間に中間品排出路を形成し、前記中間品排出路から中間品として排出される粒状物を、再度、同一の選別部に移送して良品と不良品に選別するものである。
【0010】
図8に示す光学式選別機によれば、1次選別部において、良品の混入率が著しく高い中間品を、再度、同一の1次選別部に移送して良品と不良品に選別するため、図7に示す光学式選別機に比べ、良品を効率よく回収することができる。また、2次選別部に移送する粒状物が減少する結果、該2次選別部に与える負荷を軽減できる一方で、1次選別部における原料の供給量を増加させることができるため作業効率が向上する。
【0011】
ところが、図8に示す光学式選別機は、1次選別部に移送する中間品の品質(良品と不良品の比率)を、機外から供給される粒状物と同質なものとする必要があるため、前記中間品排出路の入口側を大きく開口することができず、前記中間品に選別される粒状物の量が限定的であることから、作業効率を向上させるためにはさらなる改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2000-107703号公報
【文献】特開2012-217874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明は、作業効率を向上させることができる光学式選別機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、
被選別物を良否選別する光学選別部であって、
所定の軌跡に沿って落下する被選別物を検出する光学検出手段と、
該光学検出手段による検出結果に基づいて前記所定の軌跡に沿って落下する被選別物から不良品を排除するエジェクター手段と、
前記所定の軌跡に沿って落下する被選別物の落下位置に設けられる良品排出部及び前記エジェクター手段により排除される被選別物の落下位置に設けられる不良品排出部を有する排出手段と、を有する光学選別部を複数備え、
第1光学選別部で良否選別される被選別物であって、該第1光学選別部における排出手段の不良品排出部から排出される被選別物を第2光学選別部に移送して良否選別し、
第2光学選別部で良否選別される被選別物であって、該第2光学選別部における排出手段の不良品排出部から排出される被選別物を第3光学選別部に移送して良否選別する光学式選別機において、
前記第1光学選別部で良否選別される被選別物であって、前記不良品排出部から排出される被選別物の一部を前記第3光学選別部に移送して良否選別することを可能とするものである。
【0015】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、
前記第1光学選別部における前記排出手段が、前記不良品排出部がエジェクター手段により排除される被選別物の排除距離に対応して設けられる複数の不良品排出路を有し、
前記エジェクター手段に近い側に設けられる不良品排出路を第2光学選別部用排出路、前記第2光学選別部用排出路よりも前記エジェクター手段から遠い側に設けられる不良品排出路を第3光学選別部用排出路として、前記第2光学選別部用排出路から排出される被選別物を前記第2光学選別部に移送して良否選別し、前記第3光学選別部用排出路から排出される被選別物を前記第3光学選別部に移送して良否選別するものである。
【0016】
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載された発明において、
前記第1光学選別部における排出手段の良品排出部に隣接し、前記第2光学選別部用排出路との間に設けられる不良品排出路を第1光学選別部用排出路として、前記第1光学選別部用排出路から排出される被選別物を、再度、前記第1光学選別部に移送して良否選別するものである。
【0017】
請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載された発明において、
前記第2光学選別部における排出手段が、不良品排出部がエジェクター手段により排除される被選別物の排除距離に対応して設けられる複数の不良品排出路を有し、
前記エジェクター手段に近い側に設けられる不良品排出路を第3光学選別部用排出路、前記第3光学選別部用排出路よりも前記エジェクター手段から遠い側に設けられる不良品排出路を機外用排出路として、前記第3光学選別部用排出路から排出される被選別物を前記第3光学選別部に移送して良否選別し、前記機外用排出路から排出される被選別物を機外へ排出するものである。
【0018】
請求項5に記載された発明は、請求項4に記載された発明において、
前記第2光学選別部における排出手段の良品排出部に隣接し、前記第3光学選別部用排出路との間に設けられる不良品排出路を第2光学選別部用排出路として、前記第2光学選別部用排出路から排出される被選別物を、再度、前記第2光学選別部に移送して良否選別するものである。
【0019】
請求項6に記載された発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載された発明において、
前記第3光学選別部における排出手段が、不良品排出部がエジェクター手段により排除される被選別物の排除距離に対応して設けられる複数の不良品排出路を有し、
前記第3光学選別部における排出手段の良品排出部に隣接して設けられる不良品排出路を第3光学選別部用排出路とし、前記第3光学選別部用排出路よりも前記エジェクター手段から遠い側に設けられる不良品排出路を機外用排出路として、前記第3光学選別部用排出路から排出される被選別物を、再度、前記第3光学選別部に移送して良否選別し、前記機外用排出路から排出される被選別物を機外へ排出するものである。
【0020】
請求項7に記載された発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載された発明において、
前記第3光学選別部における排出手段の不良品排出部から排出される被選別物の全てを機外へ排出するものである。
【0021】
請求項8に記載された発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載された発明において、
前記第1光学選別部における排出手段の良品排出部から排出される被選別物を良品として機外へ排出し、
前記第2光学選別部における排出手段の良品排出部から排出される被選別物を、再度、前記第1光学選別部に移送して良否選別し、
前記第3光学選別部における排出手段の良品排出部から排出される被選別物を、再度、前記第1又は第2光学選別部に移送して良否選別するものである。
【0022】
請求項9に記載された発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載された発明において、
前記第1光学選別部における排出手段の良品排出部から排出される被選別物を良品として機外へ排出し、
前記第2光学選別部における排出手段の良品排出部から排出される被選別物を良品として機外へ排出し、
第3光学選別部における排出手段の良品排出部から排出される被選別物を良品として機外へ排出するものである。
【0023】
ここで、本発明において、光学選別部における「良否選別」は、原料の良品と不良品の選別に限るものでなく、原料と該原料に混入する異物の選別や、原料の種別の選別などを含むものである。その場合、本発明における原料の「良品」と「不良品」は、原料と該原料に混入する異物の選別に際しては「原料」と「異物」、原料の種別の選別に際しては「特定の原料」と「他の原料」に読み替えることができる。
また、本発明における光学式選別機は、エジェクター手段により良品を排除することもできる。その場合、本発明における原料の「良品」は「不良品」、「不良品」は「良品」に、それぞれ読み替えることができる。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載された発明の光学式選別機は、光学選別部を三組以上備え、第1光学選別部で良否選別される被選別物であって、該第1光学選別部における排出手段の不良品排出部から排出される被選別物を第2光学選別部に移送して良否選別することに加え、前記不良品排出部から排出される被選別物の一部を第3光学選別部に移送して良否選別することを可能とするので、第2光学選別部に移送する被選別物が大幅に減少する結果、該第2光学選別部の負荷を大幅に軽減できる一方で、第1光学選別部における原料の供給量を大幅に増加させることができる。
したがって、請求項1に記載された発明の光学式選別機によれば、作業効率を向上させることができる。
【0025】
請求項2に記載された発明の光学式選別機は、前記不良品排出部がエジェクター手段により排除される被選別物の排除距離に対応して設けられる複数の不良品排出路を有し、前記エジェクター手段に近い側に設けられる不良品排出路を第2光学選別部用排出路、前記第2光学選別部用排出路よりも前記エジェクター手段から遠い側に設けられる不良品排出路を第3光学選別部用排出路とする。
前記エジェクター手段により排除される被選別物は、該エジェクター手段から遠くに排除されるものほど不良品の比率が高く、良品の混入率が低くなる。そのため、請求項2に記載された発明の光学式選別機は、不良品に選別された被選別物の中で良品の混入率が相対的に高い被選別物を第2光学選別部に移送して良否選別し、良品の混入率が相対的に低い被選別物を第3光学選別部に移送して良否選別することとなる。
したがって、請求項2に記載された発明の光学式選別機によれば、作業効率をさらに向上させることができる。
【0026】
請求項3に記載された発明の光学式選別機は、前記第1光学選別部における排出手段の良品排出部に隣接し、前記第2光学選別部用排出路との間に設けられる不良品排出路を第1光学選別部用排出路とするので、不良品に選別された被選別物の中で良品の混入率が著しく高い被選別物を、再度、前記第1光学選別部に移送して良否選別することとなる。
したがって、請求項3に記載された発明の光学式選別機によれば、作業効率をさらに向上させることができる。
【0027】
請求項4に記載された発明の光学式選別機は、第2光学選別部における排出手段の不良品排出部がエジェクター手段により排除される被選別物の排除距離に対応して設けられる複数の不良品排出路を有し、前記エジェクター手段に近い側に設けられる不良品排出路を第3光学選別部用排出路、前記第3光学選別部用排出路よりも前記エジェクター手段から遠い側に設けられる不良品排出路を機外用排出路とするので、不良品に選別された被選別物の中で良品の混入率が相対的に高い被選別物を第3光学選別部に移送して良否選別し、良品の混入率が相対的に低い被選別物を機外へ排出することとなる。
したがって、請求項4に記載された発明の光学式選別機によれば、作業効率をさらに向上させることができる。
【0028】
請求項5に記載された発明の光学式選別機は、前記第2光学選別部における排出手段の良品排出部に隣接し、前記第3光学選別部用排出路との間に設けられる不良品排出路を第2光学選別部用排出路とするので、良品の混入率が相対的に高い被選別物を、再度、前記第2光学選別部に移送して良否選別することとなる。
したがって、請求項5に記載された発明の光学式選別機によれば、作業効率をさらに向上させることができる。
【0029】
請求項6に記載された発明の光学式選別機は、前記第3光学選別部における排出手段の不良品排出部がエジェクター手段により排除される被選別物の排除距離に対応して設けられる複数の不良品排出路を有し、前記第3光学選別部における排出手段の良品排出部に隣接して設けられる不良品排出路を第3光学選別部用排出路、前記第3光学選別部用排出路よりも前記エジェクター手段から遠い側に設けられる不良品排出路を機外用排出路とするので、良品の混入率が相対的に高い被選別物を、再度、前記第3光学選別部に移送して良否選別し、良品の混入率が低い被選別物を機外へ排出することとなる。
したがって、請求項6に記載された発明の光学式選別機は、作業効率をさらに向上させることができる。
【0030】
請求項9に記載された発明の光学式選別機は、前記第1光学選別部における排出手段の良品排出部から排出される被選別物を良品として機外へ排出し、前記第2光学選別部における排出手段の良品排出部から排出される被選別物を良品として機外へ排出し、第3光学選別部における排出手段の良品排出部から排出される被選別物を良品として機外へ排出するので、作業効率をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】光学式選別機の内部構造の側断面図。
図2】本発明の実施形態1における光学式選別機の選別の様子の説明図。
図3】本発明の実施形態1における光学式選別機の選別手順の説明図。
図4】本発明の実施形態2における光学式選別機の選別の様子の説明図。
図5】本発明の実施形態2における光学式選別機の選別手順の説明図。
図6】本発明の実施形態3における光学式選別機の選別手順の説明図。
図7】従来の光学式選別機の選別手順の説明図。
図8】従来の光学式選別機の選別手順の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は光学式選別機の一例であって内部構造を簡略化した側断面図を示す。
図1に示す光学式選別機は、粒状物供給部2と光学選別部3を備える。
前記粒状物供給部2は、原料タンク21と、該原料タンク21に貯留する粒状物を供給する振動フィーダ22と、該振動フィーダ22から供給される粒状物を流下させる所定幅を有する傾斜状シュート23を備える。
【0033】
前記振動フィーダ22は、バイブレータ等を有する振動発生装置に載置され、該振動発生装置における周波数や振動を調整することで、前記傾斜状シュート23への粒状物の供給量を制御することができる。
【0034】
前記光学選別部3は、粒状物の落下軌跡の前後に配設される一対の光学検出装置31a,31bと、該光学検出装置31a,31bの撮像信号に基づいて前記粒状物を良品と不良品に判別する判別装置33と、該判別装置33の判別結果に基づいて前記不良品を排除し、前記粒状物を良品と不良品に選別するエジェクター34と、前記エジェクター34により良品と不良品に選別された粒状物を排出する排出ホッパ35を備える。
【0035】
前記光学検出装置31a,31bは、前記傾斜状シュート23の下端から幅方向に広がる状態で空中に放出される粒状物に対応できるものであって、CCD等のラインセンサやエリアセンサを内蔵し、NIR(近赤外線)、可視光又は紫外線等の波長域の光を受光可能とするCCDカメラ等の撮像手段311a,311bと、前記粒状物の所定の落下軌跡上における検出位置Oを照明する蛍光灯やハロゲンランプ、LED光源等の照明手段312a,312bと、バックグラウンド313a,313bを備える。
そして、当該光学検出装置31a,31bは、前記検出位置Oにおいて前記撮像手段311a,311bにより前記バックグラウンド313a,313bを背景として粒状物を撮像する。
【0036】
前記判別装置33は、粒状物を良品と不良品に区別するしきい値を設定するしきい値設定手段と、前記しきい値に基づいて粒状物を良品と不良品のいずれかに判別する判別手段を備える。ここで、前記しきい値は、前記撮像手段311a,311bにより撮像される粒状物の撮像信号における光量や色成分の信号レベルの値として設定することができる。
そして、当該判別装置33は、前記光学検出装置31a,31bから送られる粒状物の撮像信号に基づいて当該粒状物を良品と不良品のいずれかに判別する。
【0037】
前記エジェクター34は、前記光学検出装置31a,31bと同様に、前記傾斜状シュート23の下端から幅方向に広がる状態で空中に放出される粒状物に対応できるものであって、前記幅方向に形成される複数のノズル孔から選択的にエアを噴射することができるノズル341を備える。
当該エジェクター34は、前記判別装置33から送られる不良品の排除信号に基づいて、所定のノズル孔から所定のタイミングでエアを噴射し、所定の落下軌跡から当該不良品を排除する。
【0038】
前記排出ホッパ35は、前記所定の落下軌跡に沿って落下する良品を排出する良品排出部351と、前記エジェクター34により排除され落下軌跡が変更されて落下する不良品を排出する不良品排出部352を備える。
【0039】
前記エジェクター34により排除される粒状物は、前記排出ホッパ35の不良品排出部352から排出され、前記エジェクター34により排除されない粒状物は、前記排出ホッパ35の良品排出部351から排出されて、良品と不良品に選別される。
【0040】
<実施形態1>
図2は本発明の実施形態1における光学式選別機であって、1次選別部3aにおける良否選別の様子の説明図、図3図2の光学式選別機における選別手順の説明図を示す。
本発明の実施形態1における光学式選別機は、三組の光学選別部3a~3cを備え、原料となる粒状物を三段階で良品と不良品に選別するものである。
【0041】
本発明の実施形態1における光学式選別機は、各光学選別部3a~3cにおける排出ホッパ5の不良品排出部7が、エジェクター4により排除される粒状物の排除距離に対応して設けられる2つの不良品排出路を有する。
1次選別部3aにおける排出ホッパ5は、前記エジェクター4に近い側に設けられる不良品排出路を2次選別部用排出路72、前記2次選別部用排出路72よりも前記エジェクター4から遠い側に設けられる不良品排出路を3次選別部用排出路73とする。
【0042】
2次選別部3bにおける排出ホッパは、前記エジェクターに近い側に設けられる不良品排出路を3次選別部用排出路、前記3次選別部用排出路よりも前記エジェクターから遠い側に設けられる不良品排出路を機外用排出路とする。
【0043】
3次選別部3cにおける排出ホッパは、前記エジェクターに近い側に設けられる不良品排出路及び前記エジェクターから遠い側に設けられる不良品排出路をともに機外用排出路とする。
【0044】
本発明の実施形態1における光学式選別機において、1次選別部3aで良否選別される粒状物であって、前記排出ホッパ5の前記2次選別部用排出路72から排出される粒状物は、移送手段により2次選別部3bに移送された後、該2次選別部3bで良否選別される。また、前記3次選別部用排出路73から排出される粒状物は、移送手段により3次選別部3cに移送された後、該3次選別部3cで良否選別される。前記1次選別部3aで良否選別される粒状物であって、良品排出部6から排出される粒状物は良品として機外へ排出される。
【0045】
前記2次選別部3bで良否選別される粒状物であって、前記排出ホッパの前記3次選別部用排出路から排出される粒状物は、移送手段により前記3次選別部3cに移送された後、該3次選別部3cで良否選別される。また、前記機外用排出路から排出される粒状物は不良品として機外へ排出される。前記2次選別部3bで良否選別される粒状物であって、良品排出部から排出される粒状物は、移送手段により、再度、前記1次選別部3aに移送された後、該1次選別部3aで良否選別される。
【0046】
前記3次選別部3cで良否選別される粒状物であって、前記排出ホッパの前記機外用排出路から排出される粒状物は不良品として機外へ排出される。また、前記3次選別部3cで良否選別される粒状物であって、良品排出部から排出される粒状物は、移送手段により、再度、前記2次選別部3bに移送された後、該2次選別部3bで良否選別される。
ここで、前記各移送手段には、搬送コンベアや昇降機等の周知の移送手段を用いることができる。
【0047】
本発明の実施形態1における光学式選別機は、1次選別部3aにおいて、排出ホッパ5の不良品排出部7が、エジェクター4により排除される粒状物の排除距離に対応して設けられる2つの不良品排出路を有し、前記不良品排出部7から排出される粒状物を、2次選別部3bに加え、3次選別部3cにも移送することができる。
本発明の実施形態1における光学式選別機は、前記不良品排出部7から多くの粒状物を前記3次選別部3cに移送することができるため、前記1次選別部3aから2次選別部3bに移送する粒状物が大幅に減少する結果、前記2次選別部3bの負荷を大幅に軽減できる一方で、機外から前記1次選別部3aへ供給する粒状物を大幅に増加させることができる。
したがって、本発明の実施形態1における光学式選別機によれば、作業効率を向上させることができる。
【0048】
また、本発明の実施形態1における光学式選別機は、前記エジェクター4により遠くに排除される粒状物ほど不良品の比率が高く(良品の混入率が低く)、前記エジェクター4により近くに排除される粒状物ほど不良品の比率が低く(良品の混入率が高く)なるが、1次選別部3aにおける排出ホッパ5が、エジェクター4に近い側に設けられる不良品排出路を2次選別部用排出路72、前記2次選別部用排出路72よりも前記エジェクター4から遠い側に設けられる不良品排出路を3次選別部用排出路73とするので、1次選別部3aで良否選別される粒状物であって、エジェクター4により排除された粒状物の中で良品の混入率が相対的に高い粒状物を2次選別部3bに移送し、良品の混入率が相対的に低い粒状物を3次選別部3cに移送することができる。
したがって、本発明の実施形態1における光学式選別機によれば、作業効率をさらに向上させることができる。
【0049】
さらに、本発明の実施形態1における光学式選別機は、2次選別部3bにおける排出ホッパが、エジェクターに近い側に設けられる不良品排出路を3次選別部用排出路、前記3次選別部用排出路よりも前記エジェクターから遠い側に設けられる不良品排出路を機外用排出路とするので、2次選別部3bで良否選別される粒状物であって、エジェクターにより排除された粒状物の中で良品の混入率が相対的に高い粒状物を3次選別部3cに移送し、良品の混入率が低い被選別物を3次選別部3cへ移送することなく不良品として機外へ排出することができる。
したがって、本発明の実施形態1における光学式選別機によれば、作業効率をさらに向上させることができる。
【0050】
ここで、本発明の実施形態1における光学式選別機は、前記1次選別部3aにおいて、前記排出ホッパ5の不良品排出部7が、エジェクター4により排除される粒状物の排除距離に対応して設けられる2つの不良品排出路を有することとしたが、1つの不良品排出路とすることもできる。
その場合、1次選別部3aで良否選別される粒状物であって前記排出ホッパ5の不良品排出部7から排出される粒状物の移送路を、2次選別部3bと3次選別部3cに切り換え可能な構成、又は前記移送路を2次選別部3bと3次選別部3cに分岐させる構成とすることで、前記不良品排出部7から排出される粒状物を、2次選別部3bに加え、3次選別部3cにも移送可能とすることができる。
【0051】
本発明の実施形態1における光学式選別機は、前記2次選別部3bにおいて、排出ホッパのエジェクターに近い側に設けられる不良品排出路を3次選別部用排出路、前記3次選別部用排出路よりも前記エジェクターから遠い側に設けられる不良品排出路を機外用排出路としたが、前記エジェクターから遠い側に設けられる不良品排出路も3次選別部用排出路とすることもできる。
また、前記2次選別部3bにおいて、前記排出ホッパの不良品排出部が、エジェクターにより排除される粒状物の排除距離に対応して設けられる2つの不良品排出路を有することとしたが、1つの不良品排出路とし、前記不良品排出部から排出される粒状物の全てを前記1つの不良品排出路から3次選別部3cに移送することもできる。
【0052】
本発明の実施形態1における光学式選別機は、前記3次選別部3cにおいて、排出ホッパの不良品排出部が、2つの機外用排出路を有することとしたが、1つの不良品排出路とし、前記不良品排出部から排出される粒状物の全てを前記1つの不良品排出路から機外へ排出することもできる。
【0053】
本発明の実施形態1における光学式選別機は、前記3次選別部3cで良否選別される粒状物であって、良品排出部から排出される粒状物を、再度、前記2次選別部3bに移送して良否選別することとしたが、前記1次選別部3aに移送して良否選別することもできる。
【0054】
本発明の実施形態1における光学式選別機は、前記2次選別部3bで良品排出部から排出される粒状物を、再度、前記1次選別部3aへ移送して良否選別することとしたが、良品として機外へ排出することもできる。また、前記3次選別部3cで良品排出部6から排出される粒状物を、再度、前記2次選別部3bへ移送して良否選別することとしたが、良品として機外へ排出することもできる。前記2次選別部3b及び前記3次選別部3cにおいて、各良品排出部6から排出される粒状物を良品として機外へ排出することとすれば、作業効率をさらに向上させることができる。
【0055】
本発明の実施形態1において、前記排出ホッパ5には、前記良品排出部6と前記不良品排出部7を仕切る仕切り部材の頂部、及び前記不良品排出部7を複数の不良品排出路に仕切る仕切り部材の頂部に、それぞれ手動又は自動で角度を変更できる図示しない調整板を配設することで、各排出路から排出される粒状物の量を調整することができる。
【0056】
なお、本発明の実施形態1における光学式選別機は、一台の光学式選別機に三組の光学選別部を並設することもできるし、独立した三台の光学式選別機を連結することで、原料となる粒状物を三段階で良品と不良品に選別することもできる。
【0057】
また、本発明の実施形態1における光学式選別機は、四組以上の光学選別部を並設し、又は四台以上の独立した光学式選別機を連結することで、原料となる粒状物を四段階以上で良品と不良品に選別することもできる。
【0058】
<実施形態2>
図4は本発明の実施形態2における光学式選別機であって、1次選別部3aにおける良否選別の様子の説明図、図5図4の光学式選別機における選別手順の説明図を示す。
本発明の実施形態2における光学式選別機は、上記実施形態1の光学式選別機における各排出ホッパの不良品排出部が、良品排出部に隣接する位置に3つめの新たな不良品排出路を有するものである。
【0059】
1次選別部3aにおける排出ホッパ5は、上記実施形態1の光学式選別機における1次選別部3aと同様に、前記エジェクター4に近い側に設けられる不良品排出路を2次選別部用排出路72、前記2次選別部用排出路72よりも前記エジェクター4から遠い側に設けられる不良品排出路を3次選別部用排出路73とする。また、良品排出部6に隣接し、該良品排出部6と前記2次選別部用排出路72との間に設けられる新たな不良品排出路を1次選別部用排出路71とする。
【0060】
2次選別部3bにおける排出ホッパは、上記実施形態1の光学式選別機における2次選別部3bと同様に、前記エジェクターに近い側に設けられる不良品排出路を3次選別部用排出路、前記3次選別部用排出路よりも前記エジェクターから遠い側に設けられる不良品排出路を機外用排出路とする。また、良品排出部に隣接し、該良品排出部と前記3次選別部用排出路との間に設けられる新たな不良品排出路を2次選別部用排出路とする。
【0061】
3次選別部3cにおける排出ホッパは、上記実施形態1の光学式選別機における3次選別部3cと同様に、前記エジェクターに近い側に設けられる不良品排出路及び前記エジェクターから遠い側に設けられる不良品排出路をともに機外用排出路とする。また、良品排出部に隣接し、該良品排出部と前記エジェクターに近い側の機外用排出路との間に設けられる新たな不良品排出路を3次選別部用排出路とする。
【0062】
本発明の実施形態2における光学式選別機によっても、上記実施形態1における光学式選別機と同様に、作業効率を向上させることができる。
【0063】
本発明の実施形態2における光学式選別機において、1次選別部3aで良否選別される粒状物であって、前記1次選別部用排出路71から排出される粒状物は、再度、前記1次選別部3aに移送された後、該1次選別部3aで良否選別される。
また、2次選別部3bで良否選別される粒状物であって、前記2次選別部用排出路から排出される粒状物は、再度、前記2次選別部3bに移送された後、該2次選別部3bで良否選別される。
さらに、3次選別部3cで良否選別される粒状物であって、前記3次選別部用排出路から排出される粒状物は、再度、前記3次選別部3cに移送された後、該3次選別部3cで良否選別される。
【0064】
本発明の実施形態2における光学式選別機は、1次選別部3aで良否選別される粒状物であって、1次選別部用排出路71から排出される良品の混入率が著しく高い粒状物を、再度、同一の1次選別部3bに移送して選別することで、良品を効率よく回収することができる。
【0065】
また、本発明の実施形態2における光学式選別機は、1次選別部3aで良否選別される粒状物であって、前記排出ホッパ5の不良品排出部7から排出される粒状物を、上記実施形態1における光学式選別機と同様に、2次選別部3b及び3次選別部3cに移送できるのに加え、さらに1次選別部3aにも移送できるので、前記2次選別部3bの負荷をさらに軽減できる一方で、機外から前記1次選別部3aへ供給する粒状物をさらに増加させることができる。
したがって、本発明の実施形態2における光学式選別機によれば、作業効率をさらに向上させることができる。
【0066】
なお、本発明の実施形態2における光学式選別機において、新たな不良品排出路は、少なくとも1次選別部3aにおける排出ホッパ5の不良品排出部が有するものであればよく、2次選別部3b及び3次選別部3cにおいては任意である。
【0067】
<実施形態3>
図6は本発明の実施形態3の光学式選別機における良否選別の手順の説明図を示す。
本発明の実施形態3における光学式選別機は、2次選別部3b及び3次選別部3cの排出ホッパにおいて、不良品排出部の構成が、上記実施形態2の光学式選別機と異なるものである。
【0068】
1次選別部3aにおける排出ホッパは、上記実施形態2の光学式選別機における1次選別部3aの排出ホッパと同様の構成を有する。
2次選別部3bにおける排出ホッパは、上記実施形態2の光学式選別機における2次選別部3bの排出ホッパにおいて、機外用排出路を省略した構成を有する。
3次選別部3cにおける排出ホッパは、上記実施形態2の光学式選別機における3次選別部3cの排出ホッパにおいて、機外用排出路を1つとした構成を有する。
【0069】
本発明の実施形態3における光学式選別機によっても、上記実施形態1及び実施形態2における光学式選別機と同様に、作業効率を向上させることができる。
【0070】
上記各実施形態における光学式選別機は、エジェクターにより不良品を排除するものとして説明したが、良品を排除することとしてもよい。また、原料となる粒状物を複数段階で良品と不良品に選別する場合、各段階において原料への混入割合が少ない方を排除することとすれば選別効率が向上する。
【0071】
上記各実施形態における光学式選別機は、傾斜状シュート23の下端部から空中に放出される粒状物を、検出位置Oにおいて光学検出装置31a,31bにおける撮像手段311a,311bにより撮像するものであったが、水平配置するコンベア端部から空中に放出される粒状物を撮像するものであってもよい。
【0072】
上記各実施形態における光学式選別機は、エジェクターとしてエアを噴射するノズルを用い、粒状物を所定の落下軌跡から非接触で排除するものであったが、エジェクターとして例えばソレノイド等を駆動手段とする板バネ等の機械的手段を用い、粒状物を排除するものとしてもよい。なお、その場合、板バネの駆動量や駆動速度を調整することで、不良品等を適切に排除することができる。
【0073】
上記各実施形態における光学式選別機は、原料の粒状物を良品と不良品に選別するものであったが、原料に異物が混入する場合には、該原料と異物と選別したり、原料に二種類以上の粒状物が混在する場合には、該粒状物を一の種類とその他の種類に選別したりすることもできる。その場合、「良品」と「不良品」の用語を、「原料」と「異物」、「粒状物の一の種類」と「粒状物のその他の種類」と読み替えることができる。
【0074】
本発明の光学式選別機は、上記実施の形態に限らず、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、その構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の光学式選別機は、作業効率を向上させることができるものであり、極めて有用である。
【符号の説明】
【0076】
1 光学式選別機
2 粒状物供給部
21 原料タンク
22 振動フィーダ
23 シュート
3 光学選別部
31a,31b 光学検出装置
311a,311b 撮像手段
312a,312b 照明手段
313a,313b バックグラウンド
33 判別装置
34 エジェクター
35 排出ホッパ
351 良品排出路
352 不良品排出路
3a 1次選別部(第1光学選別部)
3b 2次選別部(第2光学選別部)
3c 3次選別部(第3光学選別部)
4 エジェクター
5 排出ホッパ
6 良品排出部
7 不良品排出部
71 1次選別部用排出路
72 2次選別部用排出路
73 3次選別部用排出路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8