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特許7176471ヘッドホン用のヘッドバンド及びヘッドホン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】ヘッドホン用のヘッドバンド及びヘッドホン
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
H04R1/10 103
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019087376
(22)【出願日】2019-05-07
(65)【公開番号】P2020184664
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】上村 真史
【審査官】中村 天真
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0146292(US,A1)
【文献】特開2018-207392(JP,A)
【文献】特開2012-147139(JP,A)
【文献】特開2009-290621(JP,A)
【文献】特開2009-088607(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0302708(US,A1)
【文献】浅倉吉行,コスパ重視で「勝つため」のゲーミングヘッドセット、ASUS Cerberus V2を試す,[online],2017年08月21日,[2022年5月20日検索],インターネット <URL: https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/sp/1075993.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手の横断面形状が、短手に対応する幅と前記幅より薄い厚みとで構成され、前記厚みに対応する面の一方側に開口し、前記幅の方向に向かって切り込まれると共に前記長手の方向の全体にわたり形成されたスリット部によって前記横断面形状がU字状とされた、第1の曲げ剛性を有するバンド基部と、
前記第1の曲げ剛性よりも大きい第2の曲げ剛性を有し、前記スリット部の前記幅の方向における奥行長さに対応し前記長手の方向に弧状に形成されて前記スリット部に挿着されたサポータと、
を有し、頭部に装着可能なヘッドホン用のヘッドバンド。
【請求項2】
頭部への装着面を正面とした場合の側端面に開口するスリット部を有して横断面形状がU字状に形成された第1の曲げ剛性を有するバンド基部と、
弧状に形成され前記スリット部に挿着され前記第1の曲げ剛性よりも大きい第2 の曲げ剛性を有するサポータと、
を有し、
前記サポータは、前記バンド基部から突出する指掛かり部を有することを特徴とする頭部に装着可能なヘッドホン用のヘッドバンド。
【請求項3】
前記バンド基部は、前記装着面と対向する外側の面に前記サポータが露出する窓部を有していることを特徴とする請求項記載のヘッドホン用のヘッドバンド。
【請求項4】
前記サポータ及び前記バンド基部の外観は、色及び表面仕上げのいずれかにおいて異なる部材であることを視覚によって判別可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のヘッドホン用のヘッドバンド。
【請求項5】
スピーカユニットを収容した左耳用及び右耳用の一対の本体部と、
前記一対の本体部が両端部に連結された請求項1~4のいずれか1項に記載のヘッドホン用のヘッドバンドと、を備えたヘッドホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドホン用のヘッドバンド及びヘッドホンに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、使用時に頭部に付与される側圧を微調整できるヘッドバンドを備えたヘッドホンが記載されている。このヘッドホンは、ヘッドバンドに、使用者の頭部に対応して湾曲する板ばねと、この板ばねの外側に配置されて板ばねの両端間距離を調整する調整用部材と、調整用部材の位置を調整する位置調整機構とを有する。
【0003】
特許文献1に記載されたヘッドホンは、使用者が位置調整機構によって調整用部材の位置を調整することで、板ばねの両端間距離が変更され側圧を調整できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-098869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの量販店では、顧客がヘッドホンを視聴でき、好みの音質のヘッドホンを選んで購入できるようになっている。一方、ヘッドバンドを備えたいわゆるオーバーヘッドタイプのヘッドホンにおいて、頭部への装着状態で頭側部を付勢するいわゆる側圧は、ヘッドホン毎に、また、顧客の頭部の大きさや形状毎に異なるものとなる。
そのため、顧客は、視聴で音質が気に入ったヘッドホンであっても、側圧が好みでないと購入をあきらめる場合が多く、ヘッドホンの側圧を顧客の好みに合わせられることが望まれている。
その観点で、特許文献1のヘッドホンのヘッドバンドは望ましい構造を有するが、部品点数が多く構造が複雑でコスト高になると共に外観意匠に制約が多い、という点で改善の余地がある。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、側圧調整が可能であってもコスト上昇が抑制され外観意匠の自由度が高い、ヘッドホン用のヘッドバンド及びヘッドホンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は次の構成を有する。
1)長手の横断面形状が、短手に対応する幅と前記幅より薄い厚みとで構成され、前記厚みに対応する面の一方側に開口し、前記幅の方向に向かって切り込まれると共に前記長手の方向の全体にわたり形成されたスリット部によって前記横断面形状がU字状とされた、第1の曲げ剛性を有するバンド基部と、
前記第1の曲げ剛性よりも大きい第2の曲げ剛性を有し、前記スリット部の前記幅の方向における奥行長さに対応し前記長手の方向に弧状に形成されて前記スリット部に挿着されたサポータと、
を有し、頭部に装着可能なヘッドホン用のヘッドバンドである。
2) スピーカユニットを収容した左耳用及び右耳用の一対の本体部と、
前記一対の本体部が両端部に連結された1)に記載のヘッドホン用のヘッドバンドと、を備えたヘッドホンである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、側圧調整が可能であってもコスト上昇が抑制され外観意匠の自由度が高い、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係るヘッドホンの実施例であるヘッドホン91を頭部Hに装着した状態の斜視図である。
図2図2は、ヘッドホン91のバンド部2が備えるサポータ22の図であり(a)は前面図、(b)は下面図、(c)は右側面図である。
図3図3(a)は、図1におけるS3b-S3b位置においてバンド部2のバンド基部21にサポータ22を装着する作業図であり、図3(b)は同じ位置での装着後の断面図である。
図4図4(a)は、図1におけるS4b-S4b位置においてバンド部2のバンド基部21にサポータ22を装着する作業図であり、図4(b)は同じ位置での装着後の断面図である。
図5図5は、図1におけるA部をバンド基部21の内面21eの側から見た部分斜視図である。
図6図6は、サポータ22の種類を説明する模式図である。
図7図7は、バンド基部21のスリット部21aに連絡ケーブル13aを収容した状態を示す断面図である。
図8図8は、バンド基部21に窓部21cを設けた例を示す部分斜視図である。
図9図9は、サポータ22の変形例であるサポータ22Aを示す部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係るヘッドホンを、実施例のヘッドホン91により説明する。
【0011】
(実施例)
図1は、使用者の頭部Hにヘッドホン91を装着した状態を示す斜視図である。以下の説明における前後左右上下の各方向を、図1に示された矢印によって規定する。
【0012】
ヘッドホン91は、右耳用及び左耳用の一対の本体部1と、一対の本体部1を連結するヘッドホン用のヘッドバンドとしてのバンド部2とを有する。図1は斜視図であるため、本体部1は左側の片方のみが示されている。
本体部1は、円形又は上下に長い略椀状に形成されたハウジング11と、ハウジング11に収容されたスピーカユニットSPとを有する。
ハウジング11の頭部Hの側には、柔軟性を有しヘッドホン91を頭部Hに装着したときに頭部Hの側部に当接するパッド部3が取り付けられている。
【0013】
ヘッドホン91を頭部Hに装着した状態で、バンド部2は広がる方向に弾性的に変形している。そのため、バンド部2の変形に対する弾性反発力によってパッド部3を有する本体部1が矢印Faで示されるように頭部Hの側部を押圧する。この本体部1による頭部Hの側部を押しつける圧力を側圧と称する。
【0014】
ハウジング11は、上方に突出するバンド連結部12を有する。バンド連結部12にはバンド部2の端部が連結されている。
ヘッドホン91は、一対の本体部1それぞれの下部からケーブル13が引き出されたいわゆる両出しタイプとされている。図1では、左側のケーブル13のみが示されている。
各ケーブル13の一端側はスピーカユニットSPに接続され、他端側は一本のケーブルに纏められて不図示のステレオプラグに接続されている。このステレオプラグを外部の音楽再生装置などに接続することで、各スピーカユニットSPから音が出力される。
【0015】
次に、ヘッドバンドとして機能するバンド部2を図1図6を参照して詳述する。バンド部2は、バンド基部21とサポータ22とを組み合わせて使用する。
図2は、サポータ22を示す図であり、(a)が前面図、(b)が下面図、(c)が右側面図である。図3及び図4は、それぞれ図2におけるS3b-S3b位置及びS4b―S4b位置における、バンド基部21に対するサポータ22の組み合わせによる装着を示す図であり、いずれも(a)が装着の作業図、(b)が装着後の断面図である。
図5は、図1におけるA部をバンド基部21の内面21eの側から見た部分斜視図であり、図6は、サポータ22の種類を説明するための模式図である。
【0016】
バンド基部21は、シリコーンゴム或いは熱可塑性エラストマなどによって自然状態で概ね湾曲形状となるように形成され、両端部が本体部1のバンド連結部12に連結されている。
バンド基部21は、図3に示されるように、一方の側端面21dに開口し幅方向に向かって切り込まれたスリット部21aを有し、横断面形状が厚さの薄いU字状に形成されている。スリット部21aは、バンド基部21の長手方向の全体にわたり長手方向の両端部を繋ぐように形成されている。
バンド基部21は、長手方向の両端部の近傍の内面21eに、側端面21dから反対側の側端面21d1に向かって切り込まれたリブ受け切り込み部21bを有する。
【0017】
バンド基部21は、単体の自然状態で概ね湾曲形状を維持し湾曲形状を広げる方向に可撓性を有する。ただし、湾曲形状を広げて頭部Hに宛がってもバンド基部21の単体のみでは、本体部1を頭部Hに対し充分に押圧するほどの弾性反発力を発生させない程度の曲げ剛性E21を有するように形成される。
また、この曲げ剛性E21は、後述のように、バンド基部21が、サポータ22が取り付けられた状態でサポータ22の弾性反発力を本体部1に充分に伝達して良好な側圧が得られる大きさとされる。この曲げ剛性E21の大きさは、バンド基部21の断面形状及び形成する材料の特性で適切になるよう調整される。
【0018】
スリット部21aが開口する側端面21dは、この例において、図1に示されるように使用状態で前側とされる。もちろん、後側としてもよい。また、リブ受け切り込み部21bは、内面21eではなく外面21fに形成されていてもよい。
【0019】
サポータ22は、例えば硬質樹脂による板状部材であり、図2(a)に示されるように湾曲した弧状で形成されている。サポータ22は湾曲の曲率が変わる方向に可撓性を有すると共に、外力で曲率が変わる方向に変形した際にある程度の弾性反発力を生じるように、形状及び材質が調整されて形成されている。
【0020】
図2(b)に示されるように、サポータ22は、例えば両端部の内面側に、一方の側端面22cから幅方向に所定の長さDaで延び、内側に突出するリブ22bが形成されている。
サポータ22の厚さt22及び幅D22は、それぞれバンド基部21におけるスリット部21aの開口高さt21及び奥行き長さD21と同じかわずかに小さい。そのため、図3(b)に示されるように、スリット部21aにサポータ22を挿入してほぼ隙間なく収めることができる。
このとき、リブ22bは、図4及び図5に示されるように、バンド基部21におけるリブ受け切り込み部21bに干渉なく進入し、バンド基部21の内面21eから内側に突出した状態となる。
また、バンド基部21の曲げ剛性E21(第1の曲げ剛性)よりもサポータ22の曲げ剛性E22(第2の曲げ剛性)の方が大きいので、バンド基部21に対するサポータ22の組み付け作業は、サポータ22に対し、バンド基部21の湾曲程度をサポータ22に合わせながら、スリット部21aをサポータ22に嵌め込むようにすると作業がより容易になる。
【0021】
図1では、把握容易のため、スリット部21aに組み付けたサポータ22の側端面21dを黒色で示してある。
【0022】
リブ22bは、バンド基部21に装着したサポータ22をスリット部21aから抜き取るときの指或いは工具の掛かりになるので、作業者はサポータ22をバンド基部21から容易に取り外すことができる。
【0023】
バンド部2は、バンド基部21のスリット部21aにサポータ22を挿着することで、サポータ22の曲げ剛性E22とバンド基部21の曲げ剛性E21とを合わせた曲げ剛性Eを有する。
バンド基部21は、その曲げ剛性E21が、バンド部2の曲げ剛性Eにわずかに寄与するか、或いは実質的に寄与しない程度に形成されるので、バンド部2の曲げ剛性Eはサポータ22の曲げ剛性E22に大きく依存する。
すなわち、曲げ剛性E22が異なる複数種類のサポータ22を予め製作しておき、頭部Hに装着したときの側圧が顧客の好みの圧力になる曲げ剛性E22のサポータ22をバンド基部21に挿着することで、顧客それぞれの好みの側圧のヘッドホン91が得られる。
【0024】
異なる曲げ剛性E22を有するサポータ22は、同じ材質で形成した場合、曲率半径Rが異なるように形成することで得られる。
具体的には、図6(a)~(c)に示されるように、両端間の弧に沿う距離Lを同じとして、例えば平均の曲率半径Rを異なる曲率半径R1~R3としてそれぞれサポータ221~223を形成する。曲率半径の大小は、R3<R2<R1とする。いずれの曲率半径も頭部Hの外形の曲率半径よりも小さく設定しておく。
【0025】
これらのサポータ221~223を一つずつバンド基部21のスリット部21aに装着したヘッドホン91を頭部Hに装着すると、曲率半径R1のサポータ221を装着したヘッドホン91の側圧が最も小さく、曲率半径R3のサポータ223を装着したヘッドホン91の側圧が最も大きくなる。
【0026】
サポータ22の曲げ剛性E22は、上記の曲率半径Rによって設定することに限定されない。サポータ22の材質或いは形状を変えるなどの種々の方法で設定してよい。
【0027】
上述のヘッドホン91は、バンド部2が、バンド基部21及びサポータ22で構成され、この2つの部品を組み合わせることのみで好みの側圧を得ることができる。そのため、バンド部2及びそれを備えたヘッドホン91は、側圧調整が可能でありながら、部品点数が少なく構造が簡単でコスト上昇が良好に抑制される。
また、ヘッドホン91のバンド部2は、外観が従来のヘッドバンドとほとんど変わらない。そのため、ヘッドホン91は、外観意匠の自由度が抑制されることはないばかりか、図1に示されるようにサポータ22の端面の色をバンド基部21の色と違う色にできる、などにより、従来のヘッドホンより意匠の自由度が高くなっている。
【0028】
以上詳述した実施例は、上述の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形した変形例としてもよい。
【0029】
ヘッドホン91として、ケーブル13を一対の本体部1それぞれから引き出したいわゆる両出しタイプを説明したが、ヘッドホン91は、ケーブル13を一方の本体部1側からのみ引き出したいわゆる片出しタイプであってもよい。
この場合、一方の本体部1から他方の本体部1に収容されたスピーカユニットSPに接続する連絡ケーブル13aを必要とする。
ヘッドホン91では、図7に示されるように、連絡ケーブル13aを、バンド基部21のスリット部21aの奥に通して収め、サポータ22をスリット部21aの残りの空間に収容させて連絡ケーブル13aを外部から見えなくして外観品位を向上させることができる。この場合、サポータ22の幅方向の寸法は、スリット部21aの奥行き長さD21から連絡ケーブル13aの外径を引いた残りの幅とする。
【0030】
バンド部2は、図8に示されるように、バンド基部21の外側の面である外面21fにサポータ22を露出させる窓部21cを有していてもよい。これにより、サポータ22における色或いは表面仕上げなどの外観をバンド基部21の色或いは表面仕上げなどの外観と異ならせた場合に、サポータ22を視覚によって容易に判別可能であり、意匠性及びサポータ22の装着判別性を向上させることができる。
バンド基部21の曲げ剛性E21はサポータ22の曲げ剛性E22と比べて充分小さく、実質的にサポータ22の収容具として機能する。そのため、バンド基部21に窓部21cを形成してもヘッドホン91の頭部Hへの装着に不具合は生じない。
【0031】
サポータ22の色或いは表面仕上げなどの外観を、曲げ剛性E22の大きさの違いに応じたものとすることで、バンド基部21に装着しているサポータ22の曲げ剛性E22を把握することができる。
これにより、ヘッドホン91を実際に装着しなくても、装着した際の側圧の違いをヘッドホン91の外観のみで把握することができる。この場合、既述の窓部21cを形成しておくと、側圧違いの把握がより容易になるので好ましい。
【0032】
サポータ22の曲げ剛性E22を異ならせる方法として、図9に示されるように、切り込み部22Adを両側部から互い違いに形成して曲げ変形を容易となる方向に調整してもよい。
【0033】
サポータ22の抜き取りのための指掛かり部は、リブ22bに限定されない。例えば、指掛かり部を、バンド基部21の側端面21dから突出し、指或いは工具を引っ掛けてサポータ22をスリット部21aから引き出せる突起として形成してもよい。
【0034】
以上、詳述したヘッドホン91のバンド部2は、バンド基部21にサポータ22を装着して組み合わせることでヘッドバンドとして機能する。
そこで、ヘッドホン91の製造者及び販売者は、次の販売方法でヘッドホン91を販売できる。
【0035】
販売者は、顧客がヘッドホン91を頭部Hに試装着したときに、異なる複数の側圧が得られるよう曲げ剛性E22が異なる複数種類のサポータ22を予め店頭に用意し顧客に選択可能にしておく。
顧客がヘッドホン91を購入する際に、曲げ剛性E22の異なる複数種類のサポータ22を適宜選択してバンド基部21に順番に取り付け、実際に頭部Hに試装着して側圧の感触を比較してもらう。
この試装着により、顧客に好みの側圧となるサポータ22の種類を選定してもらう。そして、販売者は、顧客が選定した種類のサポータ22をバンド基部21のスリット部21aに挿着した完成品のヘッドホンとして、或いは顧客自身が装着可能なように、選定した種類のサポータ22と、サポータ22が挿着されていない半完成品のヘッドホンとを関連づけて販売する。
サポータ22は、単品でも販売し、ヘッドホン91を他の人と共用する場合や、側圧替えを楽しむなど、の利用に供する。
【符号の説明】
【0036】
1 本体部
11 ハウジング
12 バンド連結部
13 ケーブル
13a 連絡ケーブル
2 バンド部
21 バンド基部
21a スリット部
21b リブ受け切り込み部
21c 窓部
21d.21d1 側端面
21e 内面
21f 外面
22,221~22322b
22c 側端面
22Ad 切り込み部
3 パッド部
91 ヘッドホン
Da 長さ
D21 奥行き長さ
D22 幅
E21,E22,E 曲げ剛性
H 頭部
R,R1~R3 曲率半径
SP スピーカユニット
t21 開口高さ
t22 厚さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9