(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】バスバーユニットおよびモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 3/50 20060101AFI20221115BHJP
H02K 3/04 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
H02K3/50 A
H02K3/04 J
(21)【出願番号】P 2019509196
(86)(22)【出願日】2018-03-13
(86)【国際出願番号】 JP2018009639
(87)【国際公開番号】W WO2018180446
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-02-22
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】P 2017191591
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山下 佳明
(72)【発明者】
【氏名】高橋 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】新子 剛央
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-042004(JP,A)
【文献】特開2016-174527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/50
H02K 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータに設けられるバスバーユニットであって、
上下方向に延びる中心軸周りに環状に配置されるステータの軸方向一方側に設けられるバスバーホルダと、
前記バスバーホルダに固定されるU相用バスバー群、V相用バスバー群およびW相用バスバー群と、を有し、
前記U相用バスバー群、前記V相用バスバー群および前記W相用バスバー群は、それぞれ、
前記バスバーホルダの軸方向一方側に位置し、軸方向と直交する面に沿って延びる第1層バスバーと、
前記第1層バスバーの軸方向一方側に位置し、軸方向と直交する面に沿って延びる第2層バスバーと、
前記第1層バスバーおよび前記第2層バスバーに接続され、前記第1層バスバーおよび前記第2層バスバーから軸方向一方側に延びる外部接続端子と、を有し、
前記第1層バスバーおよび前記第2層バスバーは、前記ステータから延びる引出線に接続され、
前記U相用バスバー群、前記V相用バスバー群および前記W相用バスバー群において、それぞれ、前記第1層バスバーおよび前記第2層バスバーは、接続される前記外部接続端子から互いに周方向の反対側に延
び、
前記第1層バスバーは、径方向と直交する方向に延びる第1延伸部を有し、
前記第2層バスバーは、径方向と直交する方向に延びる第2延伸部を有し、
前記第1延伸部と前記第2延伸部とが、前記中心軸を挟んで反対側に位置する、バスバーユニット。
【請求項2】
前記第1延伸部と前記第2延伸部とが、互いに平行に延びる、請求項
1に記載のバスバーユニット。
【請求項3】
軸方向から見て、
前記U相用バスバー群の前記第1層バスバーは、前記V相用バスバー群および前記W相用バスバー群の前記第2層バスバーの下側を通過し、
前記V相用バスバー群の前記第1層バスバーは、前記U相用バスバー群および前記W相用バスバー群の前記第2層バスバーの下側を通過し、
前記W相用バスバー群の前記第1層バスバーは、前記U相用バスバー群および前記V相用バスバー群の前記第2層バスバーの下側を通過する、請求項1
または2に記載のバスバーユニット。
【請求項4】
前記第1層バスバーおよび前記第2層バスバーは、板状であり、軸方向を板厚方向として配置される、請求項1~
3の何れか一項に記載のバスバーユニット。
【請求項5】
前記U相用バスバー群、前記V相用バスバー群および前記W相用バスバー群の前記第1層バスバー同士の軸方向の位置が一致し、
前記U相用バスバー群、前記V相用バスバー群および前記W相用バスバー群の前記第2層バスバー同士の軸方向の位置が一致する、請求項1~
4の何れか一項に記載のバスバーユニット。
【請求項6】
前記U相用バスバー群、前記V相用バスバー群および前記W相用バスバー群の前記第1層バスバー同士が同形状であり、
前記U相用バスバー群、前記V相用バスバー群および前記W相用バスバー群の前記第2層バスバー同士が同形状である、請求項1~
5の何れか一項に記載のバスバーユニット。
【請求項7】
前記U相用バスバー群、前記V相用バスバー群および前記W相用バスバー群は、前記中心軸を中心として、120°毎の回転対称に配置される、請求項
6に記載のバスバーユニット。
【請求項8】
前記バスバーホルダは、前記中心軸を中心として、120°毎の回転対称形状である、請求項
7に記載のバスバーユニット。
【請求項9】
前記バスバーホルダは、前記第1層バスバーおよび前記第2層バスバーを挟み込む複数の挟持部を有し、
前記第1層バスバーおよび前記第2層バスバーのうち少なくとも一方は、前記引出線に接続される複数の引出線接続部を有し、前記引出線接続部同士の間で前記挟持部に保持される、請求項1~
8の何れか一項に記載のバスバーユニット。
【請求項10】
前記第1層バスバーを挟み込む前記挟持部の先端の軸方向位置と、前記第2層バスバーを挟み込む前記挟持部の先端の軸方向位置と、が互いに異なる、請求項
9に記載のバスバーユニット。
【請求項11】
前記外部接続端子と前記第1層バスバーとの接続位置の軸方向位置と、前記外部接続端子と前記第2層バスバーとの接続位置の軸方向位置と、が互いに異なる、請求項1~
10の何れか一項に記載のバスバーユニット。
【請求項12】
請求項1~
11の何れか一項に記載のバスバーユニットを有するモータであって、
コイル線が巻き回される前記ステータと、
前記ステータと隙間を介して径方向に対向するロータと、を備える、モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスバーユニットおよびモータに関する。
【背景技術】
【0002】
バスバーユニットを備えるモータが知られる。バスバーユニットは、モータの各相のコイルの終端が接続されるバスバーを備える。バスバーは、モータの外部から各相のコイルに給電するためのコネクタが接続される。
例えば、特許文献1には、モータの周方向に沿って延びるC字状のバスバー(ターミナル)を備えるバスバーユニットが記載される。このバスバーユニットにおいて、各相のバスバーは、モータの軸方向に積層されて配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなバスバーユニットにおいて、バスバーは、モータの相数に応じた数が積層される。特許文献1に記載されるモータは、3相モータである。したがって、3枚のバスバーがモータの軸方向に積層される。その結果、バスバーユニットは、モータの軸方向のサイズを抑えるのに限りがある。
また、C字状に延びるバスバーに電流が流れることで生じる磁場により、モータの外部に影響を与えることがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、小型化を図るとともに、磁場による外部への影響を抑えることができるバスバーユニットを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のバスバーユニットの一つの態様は、モータに設けられるバスバーユニットであって、上下方向に延びる中心軸周りに環状に配置されるステータの軸方向一方側に設けられるバスバーホルダと、前記バスバーホルダに固定されるU相用バスバー群、V相用バスバー群およびW相用バスバー群と、を有する。前記U相用バスバー群、前記V相用バスバー群および前記W相用バスバー群は、それぞれ、前記バスバーホルダの軸方向一方側に位置し、軸方向と直交する面に沿って延びる第1層バスバーと、前記第1層バスバーの軸方向一方側に位置し、軸方向と直交する面に沿って延びる第2層バスバーと、前記第1層バスバーおよび前記第2層バスバーに接続され、前記第1層バスバーおよび前記第2層バスバーから軸方向一方側に延びる外部接続端子と、を有する。前記第1層バスバーおよび前記第2層バスバーは、前記ステータから延びる引出線に接続される。前記U相用バスバー群、前記V相用バスバー群および前記W相用バスバー群において、それぞれ、前記第1層バスバーおよび前記第2層バスバーは、接続される前記外部接続端子から互いに周方向の反対側に延び、前記第1層バスバーは、径方向と直交する方向に延びる第1延伸部を有し、前記第2層バスバーは、径方向と直交する方向に延びる第2延伸部を有し、前記第1延伸部と前記第2延伸部とが、前記中心軸を挟んで反対側に位置する構成を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、小型化を図るとともに、磁場による外部への影響を抑えることができるバスバーユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態のモータのステータおよびバスバーユニットを示す斜視展開図である。
【
図2】
図2は、一実施形態のステータの構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態のバスバーホルダを斜め上方から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、一実施形態のバスバーホルダを斜め下方から見た斜視図である。
【
図5】
図5は、一実施形態のバスバーホルダにバスバーを組み付けた状態を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、一実施形態のバスバーの第1層バスバーを示す斜視図である。
【
図7】
図7は、一実施形態のバスバーの第2層バスバーを示す斜視図である。
【
図8】
図8は、一実施形態の第1層バスバーをバスバーホルダに組み付けた状態を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、一実施形態の第2層バスバーをバスバーホルダに組み付けた状態を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、一実施形態のバスバーの外部接続端子を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、一実施形態のバスバーの外部接続端子を示す平面図である。
【
図12】
図12は、一実施形態の外部接続端子を製造する際に用いる端子片を示す図である。
【
図13】
図13は、一実施形態のモータを搭載する装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態のモータのステータおよびバスバーユニットを示す斜視展開図である。
図2は、一実施形態のステータの構成を示す斜視図である。なお、
図1および
図2において、コイルの具体的な描画を省略する。
【0010】
図1に示す様に、本実施形態のモータ10は、ロータ30(
図2参照)と、ステータ40と、ハウジング(図示無し)と、バスバーユニット60と、を備える。
【0011】
図1、
図2に示す様に、ロータ30は、シャフト31およびロータコア32を有する。シャフト31は、上下方向に延びる中心軸Jに沿って配置される。
以下の説明においては、中心軸Jと平行な方向を単に「上下方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。また、上下方向のうちの
図1における上側を単に「上側」と呼び、上下方向のうちの
図1における下側を単に「下側」と呼ぶ。なお、上側、下側および上下方向とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等を限定しない。
【0012】
ロータコア32は、筒状の部材である。上下方向から見て、ロータコア32の外形は、多角形である。本実施形態において、ロータコア32の外形は、八角形である。すなわち、本実施形態において、ロータコア32は、中空の略八角形柱である。なお、ロータコア32は、円筒などであってもよい。ロータコア32は、複数の電磁鋼板が上下方向に積層された積層鋼板である。
【0013】
ロータコア32は、その中央にシャフト貫通孔32hを有する。シャフト貫通孔32hには、シャフト31が通される。シャフト31は、ロータコア32に対して、圧入や接着などによって固定されてもよく、樹脂部材などを介して固定されてもよい。すなわち、シャフト31は、ロータコア32と、直接または間接的に固定される。なお、シャフト31は、中空状の部材であってもよく、特に限定されるものではない。
本実施形態では、上下方向におけるロータコア32の寸法は、後述のステータコア41の寸法と同じである。しかしながら、ロータコア32の寸法は、ステータコア41の寸法と異なってもよい。
【0014】
ロータコア32の各外側面には、複数のマグネット33がそれぞれ配置される。マグネット33は、上下方向に延びる板状の部材である。隣り合うマグネット33同士は、周方向に対向する。周方向一方側に位置するマグネット33は、周方向他方側に位置するマグネット33と、周方向に間隙を介して対向する。
【0015】
本実施形態では、上下方向において、マグネット33の寸法は、ロータコア32の寸法の長さと同じである。マグネット33の上面は、ロータコア32の上面と面一である。マグネット33の下面は、ロータコア32の下面と面一である。すなわち、マグネット33の上下方向の寸法は、ステータコア41の上下方向の寸法と同じである。なお、マグネット33の上下方向の寸法は、ステータコア41の上下方向の寸法と異なってもよい。
【0016】
ステータ40は、ロータ30の径方向外側に配置される。
図1、
図2に示す様に、ステータ40は、中心軸J周りに環状に配置される。ステータ40は、円筒状のハウジング(図示無し)に収容される。ステータ40は、環状のステータコア41と、ステータコア41に装着されたインシュレータ42と、インシュレータ42を介してステータコア41に装着されたコイル(コイル線)43と、を有する。
【0017】
ステータコア41は、複数の電磁鋼板が上下方向に積層された積層鋼板である。ステータコア41は、環状のコアバック部41aと、複数のティース41bと、を有する。本実施形態において、ステータコア41は、いわゆる分割コアである。コアバック部41aは、複数の扇状のコアピース46が周方向に接続されることにより構成される。各コアピース46の内周面には、ティース41bが設けられる。ティース41bは、コアピース46の内周面から径方向内側に向かって延びる。ティース41bは、コアバック部41aの内側面において、周方向に等間隔に配置される。ティース41bは、ロータ30のマグネット33と径方向に対向する。ティース41bは、ティース41bの径方向内側の端部にアンブレラ41cを有する。アンブレラ41cは、ティース41bの径方向内側の端部から周方向の両側に延びる。周方向において隣り合うアンブレラ41c同士との間には、間隙が構成される。
なお、ステータコア41は、分割コアだけでなく、いわゆるストレートコアや丸コアなど他の種類のコアであってもよい。
【0018】
図1に示す様に、インシュレータ42の材料は絶縁性を有する。本実施形態では、インシュレータ42の材料は、絶縁性の樹脂である。インシュレータ42は、ティース41bの外周面の少なくとも一部を覆う。
インシュレータ42は、ステータ40の上側に、フランジ部42fを有する。フランジ部42fは、インシュレータ42の径方向外側に位置する。フランジ部42fは、上下方向に所定の高さを有し、周方向に延びる。
なお、インシュレータ42の材料は、絶縁性を有するのであれば、樹脂に限られず、他の材料が用いられてもよい。
【0019】
本実施形態のモータ10は、U相、V相、W相の3つの相を有する、いわゆる3相モータである。コイル43は、U相コイル43U、V相コイル43V、W相コイル43Wを4つずつ有する。本実施形態において、コイル43の結線方式は、いわゆるY結線方式である。U相コイル43U、V相コイル43V、W相コイル43Wは、周方向において、この順に隣り合って配置される。これらU相コイル43U、V相コイル43V、W相コイル43Wを一組とするコイル43の組が、本実施形態では4組存在する。
【0020】
コイル(コイル線)43は、インシュレータ42を介してティース41bに巻き回される。
各コイル43(U相コイル43U、V相コイル43V、W相コイル43W)は、第1引出線44と第2引出線(引出線)45とを有する。第1引出線44、第2引出線45は、上下方向上側に向かって延びる。各コイル43において、第1引出線44は、第2引出線45よりも径方向外側に位置する。また、各コイル43において、第2引出線45は、第1引出線44よりも上下方向の上側に長く延びている。本実施形態において、各コイル43からは、1本の第1引出線44と1本の第2引出線45とが引き出される。本実施形態では、ティース41bの数は12本である。したがって、コイル43の数は12個である。第1引出線44と第2引出線45の数は、それぞれ12本ずつである。
【0021】
各組のU相コイル43U、V相コイル43VおよびW相コイル43Wは、中性点バスバー48によって電気的に接続される。中性点バスバー48は、インシュレータ42のフランジ部42fの径方向内側に位置する。中性点バスバー48は、導電性を有する金属板からなる。各中性点バスバー48は、バスバー本体48aと、コイル線保持部48bと、を有する。バスバー本体48aは、上下方向から見て、周方向に延びる円弧状である。コイル線保持部48bは、バスバー本体48aから径方向内側に向かって延びる。コイル線保持部48bの先端には、略U字形状の保持溝が設けられる。コイル線保持部48bは、バスバー本体48aの周方向に間隔をあけて3個設けられる。
本実施形態では、中性点バスバー48は、周方向に等間隔にあけて4個が配置される。
【0022】
各中性点バスバー48は、各組のU相コイル43U、V相コイル43V、W相コイル43Wの第1引出線44が電気的に接続される。U相コイル43U、V相コイル43V、W相コイル43Wのそれぞれは、第1引出線44の端部がコイル線保持部48bの保持溝に挟み込まれる。このようにして、各組のU相コイル43U、V相コイル43V、W相コイル43Wから引き出された3本の第1引出線44の端部は、1本の中性点バスバー48のコイル線保持部48bに電気的に接続される。コイル線保持部48bと第1引出線44とは、カシメにより固定されるのが望ましい。さらに、コイル線保持部48bと第1引出線44の端部とは、レーザ溶接などによって固定される。これにより、各組において、U相コイル43U、V相コイル43VおよびW相コイル43Wが、中性点バスバー48と電気的に接続される。
【0023】
バスバーユニット60は、全体として径方向に拡がる略円板状である。バスバーユニット60は、バスバー70と、バスバーホルダ61と、を有する。
【0024】
バスバーホルダ61は、ステータ40の上下方向一方側に設けられる。本実施形態では、バスバーホルダ61は、ステータ40の上側に配置される。
バスバーホルダ61は、絶縁性の材料からなる。本実施形態では、バスバーホルダ61の材料は、絶縁性の樹脂である。しかしながら、バスバーホルダ61の材料は、他の絶縁性を有する材料であってもよい。
図3は、一実施形態のバスバーホルダを斜め上方から見た斜視図である。
図3に示す様に、バスバーホルダ61は、略板状の部材である。上下方向から見て、バスバーホルダ61は、略三角形の外形を有する。バスバーホルダ61は、中心軸Jを中心として、120°毎の回転対称形状である。バスバーホルダ61は、中心部に、上下方向に貫通する貫通孔61hを有する。バスバーホルダ61は、ハウジング(図示無し)の径方向内側に嵌め合わされる。
【0025】
バスバーホルダ61は、引出線サポート孔62を有する。引出線サポート孔62は、バスバーホルダ61を上下方向に貫通する。引出線サポート孔62は、周方向に間隔をあけて複数設けられる。本実施形態では、引出線サポート孔62の数は、第2引出線45の数と同じである。すなわち、引出線サポート孔62の数は、12個である。
バスバーホルダ61は、上面に、上下方向下側に向かって窪む凹部63を有する。凹部63は、各引出線サポート孔62の周囲に設けられる。
【0026】
図4は、一実施形態のバスバーホルダを斜め下方から見た斜視図である。
図4に示す様に、バスバーホルダ61は、下面に、引出線ガイド部64を有する。引出線ガイド部64は、周方向に間隔をあけて複数設けられる。引出線ガイド部64の数は、引出線サポート孔62の数と同じである。
各引出線ガイド部64は、筒状で、上下方向下側に向かって延びる。引出線ガイド部64は、バスバーホルダ61の下面において、引出線サポート孔62の外周側を囲う。
【0027】
引出線ガイド部64の上端には、補強ベース部64bが設けられる。補強ベース部64bは、引出線ガイド部64の外側面からバスバーホルダ61に沿って径方向外側に向かって拡がる。この補強ベース部64bにより、バスバーホルダ61は、各引出線ガイド部64の外周側の上下方向の厚さが大きい。これにより、引出線ガイド部64の剛性が高まる。
【0028】
図3に示す様に、バスバーホルダ61は、その上面に、第1挟持部(挟持部)65と、第2挟持部(挟持部)66と、第3挟持部67と、バスバー支持台68と、端子保持部69と、を有する。
第1挟持部65は、バスバーホルダ61の貫通孔61hの径方向外側に設けられる。第1挟持部65は、周方向をあけて複数設けられる。本実施形態において、第1挟持部65は、周方向に等間隔をあけて3個設けられる。各第1挟持部65は、一対の爪部材65aを有する。各爪部材65aは、上下方向上側に向かって延びる。一対の爪部材65aは、径方向に間隔をあけて互いに対向する。一対の爪部材65aの間隔は、後述する第1バスバー延伸部73aの幅よりも狭い。一対の爪部材65aは、弾性変形して第1バスバー延伸部73aを挟み込む。
【0029】
第2挟持部66は、周方向で互いに隣り合う第1挟持部65の間に、それぞれ2つずつ設けられる。第2挟持部66は、一対の爪部材66aを有する。一対の爪部材66aは、径方向に間隔をあけて互いに対向する。第2挟持部66は、バスバーホルダ61の上面から上下方向上側に突出する。第2挟持部66は、軸方向の高さが、第1挟持部65よりも低い。一対の爪部材66aの間隔は、後述する第1バスバー延伸部73aの幅よりも狭い。一対の爪部材66aは、弾性変形して第1バスバー延伸部73aを挟み込む。
【0030】
第3挟持部67は、バスバーホルダ61の外周部に設けられる。第3挟持部67は、周方向に複数設けられる。本実施形態において、第3挟持部67は、周方向に間隔をあけて6個設けられる。各第3挟持部67は、一対の爪部材67aを有する。一対の爪部材67aは、径方向に間隔をあけて互いに対向する。各爪部材67aは、上下方向上側に向かって延びる。第3挟持部67は、軸方向の高さが、第1挟持部65と略同じである。また、第3挟持部67は、軸方向の高さが、第2挟持部よりも高い。
【0031】
後述するように、第2挟持部66は、第1層バスバー71を挟持する。また、第1挟持部65および第3挟持部67は、第1層バスバー71より軸方向の上側を通過する第2層バスバー72を挟持する。本実施形態によれば、第1層バスバー71を挟み込む挟持部(第2挟持部66)の軸方向の高さが、第2層バスバー72を挟み込む挟持部(第1挟持部65および第3挟持部67)の軸方向の高さより、低い。すなわち、第2挟持部66の先端の軸方向位置と、第1挟持部および第3挟持部67の先端の軸方向位置と、が互いに異なる。
【0032】
バスバー支持台68は、バスバーホルダ61の外周部に設けられる。バスバー支持台68は、周方向に複数設けられる。本実施形態において、バスバー支持台68は、周方向に間隔をあけて3個設けられる。各バスバー支持台68は、端子保持部69に対して周方向一方の側に隣接して配置される。バスバー支持台68は、バスバーホルダ61の上面から上下方向上側に突出する。バスバー支持台68は、軸方向の高さが、第3挟持部67よりも低い。
【0033】
端子保持部69は、バスバーホルダ61の外周部に設けられる。端子保持部69は、周方向に複数設けられる。本実施形態において、端子保持部69は、周方向に間隔をあけて3個設けられる。各端子保持部69は、一対の柱状部材69a,69bを有する。一対の柱状部材69a,69bは、径方向に間隔をあけて対向している。柱状部材69a,69bは、それぞれバスバーホルダ61の上面から上下方向上側に延びている。柱状部材69a,69bは、保持溝69m、69nを有する。保持溝69m、69nは、柱状部材69a,69bの上端から上下方向下側に向かって(すなわち、軸方向に沿って)、柱状部材69a,69bの上下方向中間部まで延びている。保持溝69m、69nの上端は、柱状部材69a,69bの上端で上方に向かって開口している。
径方向内側に位置する柱状部材69aは、周方向一方の端部から径方向外側に延びる壁部69wを有する。柱状部材69aの壁部69wと、柱状部材69bとの間には、周方向に隙間が設けられる。
【0034】
バスバーホルダ61は、
図1に示したステータ40の各コイル43から上下方向上側に延びる第1引出線44よりも上側に位置する。第2引出線45は、引出線ガイド部64内を通って引出線サポート孔62を通り、バスバーホルダ61の上面側に突出する。
バスバーホルダ61の下面側において、第2引出線45の周囲は引出線ガイド部64によって囲われる。これにより、第2引出線45は、バスバーホルダ61の下側で、第1引出線44、他の第2引出線45、中性点バスバー48、コイル43などと接触して短絡することが防止される。
【0035】
図5は、一実施形態のバスバーホルダにバスバーを組み付けた状態を示す斜視図である。
図6は、一実施形態のバスバーの第1層バスバーを示す斜視図である。
図7は、一実施形態のバスバーの第2層バスバーを示す斜視図である。
図5に示す様に、バスバー70は、バスバーホルダ61に固定される。バスバー70は、U相用バスバー群70Uと、V相用バスバー群70Vと、W相用バスバー群70Wと、を有する。
U相用バスバー群70Uは、U相第1層バスバー71Uと、U相第2層バスバー72Uと、U相外部接続端子(外部接続端子)80Uと、を有する。
V相用バスバー群70Vは、V相第1層バスバー71Vと、V相第2層バスバー72Vと、V相外部接続端子(外部接続端子)80Vと、を有する。
W相用バスバー群70Wは、W相第1層バスバー71Wと、W相第2層バスバー72Wと、W相外部接続端子(外部接続端子)80Wと、を有する。
U相用バスバー群70U、V相用バスバー群70VおよびW相用バスバー群70Wは、それぞれ、中心軸Jを中心として、120°毎の回転対称に配置される。
【0036】
また、バスバー70は、第1層バスバー(第1バスバー)、71と、第2層バスバー(バスバー)、72と、を有する。
図6に示す様に、第1層バスバー71は、U相第1層バスバー71Uと、V相第1層バスバー71Vと、W相第1層バスバー71Wと、を含む。U相第1層バスバー71Uと、V相第1層バスバー71Vと、W相第1層バスバー71Wとは、軸方向の位置が一致する。
図7に示す様に、第2層バスバー72は、U相第2層バスバー72Uと、V相第2層バスバー72Vと、W相第2層バスバー72Wと、を含む。U相第2層バスバー72Uと、V相第2層バスバー72Vと、W相第2層バスバー72Wとは、軸方向の位置が一致する。
図5に示す様に、U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wは、U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wに対して、上下方向上側(軸方向一方側)に配置される。
【0037】
図8は、一実施形態の第1層バスバーをバスバーホルダに組み付けた状態を示す斜視図である。
図8に示す様に、U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wは、バスバーホルダ61の上側(軸方向一方側)に位置する。U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wは、それぞれ、上下方向と直交する面に沿って延びる。U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wは、それぞれ、板状である。U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wは、軸方向を板厚方向として配置される。
【0038】
図6に示す様に、U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wは、それぞれ、互いに同形状の第1バスバー部材73からなる。第1バスバー部材73は、導電性材料である金属板を打抜き加工することで製造される。U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wは、これらを製造する際に、複数の金型、装置、治具を用意する必要がない。したがって、U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wのバスバーの製造工程を簡略化して、製造コストを抑えることができる。
【0039】
第1バスバー部材73は、第1バスバー延伸部(第1延伸部)73aと、第2バスバー延伸部73bと、第3バスバー延伸部73cと、を有する。第1バスバー延伸部73a、第2バスバー延伸部73b、第3バスバー延伸部73cは、それぞれ、上下方向から見て直線状に延びる。
第1バスバー延伸部73aは、径方向と直交する方向に延びる。
第2バスバー延伸部73bは、長手方向一方側の端部が、第1バスバー延伸部73aの長手方向他方側の端部に接続される。第2バスバー延伸部73bは、第1バスバー延伸部73aに対して異なる角度に屈曲して延びる。
第3バスバー延伸部73cは、長手方向一方側の端部が、第2バスバー延伸部73bの長手方向他方側の端部に、屈曲部73kを介して接続される。屈曲部73kは、第2バスバー延伸部73bの長手方向他方側の端部から径方向外側に屈曲する。
【0040】
第1バスバー部材73は、引出線接続部73d,73eと、端子挿入孔(第1貫通孔)73hと、をさらに有する。
引出線接続部73dは、第1バスバー延伸部73aの長手方向一方側の端部に設けられる。引出線接続部73dは、第1バスバー延伸部73aの長手方向一方側の端部から径方向外側に延びる。引出線接続部73dの径方向外側の先端部には、引出線保持溝78が設けられる。引出線保持溝78は、引出線接続部73dの先端部で、径方向外側に開口する。引出線保持溝78は、径方向外側に開口する切欠部とも表現できる。引出線保持溝78は、導入溝部78aと、保持溝部78bと、を有する。導入溝部78aは、引出線接続部73dの先端部側に設けられる。導入溝部78aは、第2引出線45の外径よりも細い溝幅を有する。保持溝部78bは、導入溝部78aに対して径方向内側に連続して設けられる。保持溝部78bは、第2引出線45の外径よりも僅かに大きい内径を有した円弧状である。
【0041】
引出線接続部73eは、第2バスバー延伸部73bの長手方向一方側の端部に設けられる。引出線接続部73eは、第2バスバー延伸部73bの長手方向一方側の端部から径方向外側に延びる。引出線接続部73eは、引出線接続部73dと同様に、径方向外側の先端部に、引出線保持溝78を有する。引出線保持溝78は、引出線接続部73eの先端部で、径方向外側に開口する。引出線保持溝78は、導入溝部78aと、保持溝部78bと、を有する。
【0042】
端子挿入孔73hは、第3バスバー延伸部73cの長手方向他方側の端部に設けられる。端子挿入孔73hは、第1バスバー部材73を上下方向に貫通する。
【0043】
図8に示す様に、U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wは、バスバーホルダ61上に配置された際には、上下方向から見て三角形を構成するように配置される。
U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wにおいて、それぞれの第1バスバー延伸部73aの長手方向両端部は、バスバーホルダ61の第2挟持部66に挟持される。第1バスバー延伸部73aは、各第2挟持部66において、一対の爪部材66aの間に挟持される。一対の爪部材66aの間隔は、第1バスバー延伸部73aの幅よりも狭い。このため、一対の爪部材66aの間に第1バスバー延伸部73aを挟み込むことで、一対の爪部材66aが弾性変形して、第2挟持部66が第1バスバー延伸部73aを強固に保持する。
このようにして、U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wは、それぞれ、引出線接続部73d,73e同士の間で二つの第2挟持部66に保持される。
【0044】
U相第1層バスバー71Uは、U相コイル43Uの第2引出線45と接続される。V相第1層バスバー71VはV相コイル43Vの第2引出線45と接続される、W相第1層バスバー71Wは、V相コイル43Vの第2引出線45と接続される。
U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wにおいて、それぞれの引出線接続部73d、73eには、第2引出線45が電気的に接続される。引出線接続部73d、73eは、保持溝部78b(
図6参照)に、バスバーホルダ61から上側に突出した第2引出線45の先端部が挿入される。第2引出線45の先端部が挿入された引出線接続部73d、73eは、導入溝部78aの両側を、工具(図示省略)で挟み込んでカシメる。その後、第2引出線45の先端部と引出線接続部73d,73eとをレーザ溶接する。これにより、引出線接続部73d、73eと第2引出線45とが、容易かつ確実に接続される。
【0045】
バスバーホルダ61に保持されたU相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wは、それぞれ、端子挿入孔73hが、端子保持部69の周方向他方の側に位置する。
【0046】
図9は、一実施形態の第2層バスバーをバスバーホルダに組み付けた状態を示す斜視図である。
図9に示す様に、U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wは、U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wの上下方向上側に位置する。U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wは、上下方向と直交する面に沿って延びる。U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wは、それぞれ、板状である。U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wは、軸方向を板厚方向として配置される。
図7に示す様に、U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wは、それぞれ、互いに同形状の第2バスバー部材74からなる。第2バスバー部材74は、導電性材料である金属板を打抜き加工することで製造される。
【0047】
第2バスバー部材74は、第4バスバー延伸部(第2延伸部)74aと、第5バスバー延伸部74bと、第6バスバー延伸部74cと、を有する。第4バスバー延伸部74a、第5バスバー延伸部74b、第6バスバー延伸部74cは、それぞれ、上下方向から見て直線状に延びる。
第4バスバー延伸部74aは、径方向と直交する方向に延びる。
第5バスバー延伸部74bは、長手方向一方側の端部が、第4バスバー延伸部74aの長手方向中間部に接続される。第5バスバー延伸部74bは、第4バスバー延伸部74aに、接続部74jを介して接続される。接続部74jは、第4バスバー延伸部74aから径方向外側に延びる。第5バスバー延伸部74bは、第4バスバー延伸部74aとほぼ平行に延びる。
第6バスバー延伸部74cは、長手方向一方側の端部が、第5バスバー延伸部74bの長手方向他方側の端部に接続される。第6バスバー延伸部74cは、第5バスバー延伸部74bに対して異なる角度に屈曲して延びる。
【0048】
第2バスバー部材74は、引出線接続部74d,74eと、端子挿入孔(第2貫通孔)74hと、をさらに有する。
引出線接続部74dは、第4バスバー延伸部74aの長手方向一方側の端部に設けられる。引出線接続部74dは、第4バスバー延伸部74aの長手方向一方側の端部から径方向外側に延びる。引出線接続部74dは、径方向外側の先端部に、引出線保持溝79を有する。引出線保持溝79は、引出線接続部74dの先端部で、径方向外側に開口する。引出線保持溝79は、導入溝部79aと、保持溝部79bと、を有する。導入溝部79aは、引出線接続部74dの先端部側に設けられる。導入溝部79aは、第2引出線45の外径よりも細い溝幅を有する。保持溝部79bは、導入溝部79aに対して径方向内側に連続して設けられる。保持溝部79bは、第2引出線45の外径よりも僅かに大きい内径を有した円弧状である。
【0049】
引出線接続部74eは、第4バスバー延伸部74aの長手方向他方側の端部に設けられる。引出線接続部74eは、第4バスバー延伸部74aの長手方向他方側の端部から径方向外側に延びる。引出線接続部74eは、引出線接続部74dと同様に、径方向外側の先端部に、引出線保持溝79を有する。引出線保持溝79は、引出線接続部74eの先端部で、径方向外側に開口する。引出線保持溝79は、導入溝部79aと、保持溝部79bと、を有する。
【0050】
端子挿入孔74hは、第6バスバー延伸部74cの長手方向他方側の端部に設けられる。端子挿入孔74hは、第2バスバー部材74を上下方向に貫通する。
【0051】
図9に示す様に、U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wは、バスバーホルダ61上において、上下方向から見て三角形を構成するように配置される。
U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wによって構成される三角形と、U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wとによって構成される三角形とは、頂点の位置が異なって配置される。上下方向から見て、第1層バスバー71によって構成される三角形の頂点の一つは、図中の上側を向く。これに対して、第2層バスバー72によって構成される三角形の頂点の一つは図中の下側を向く。
また、U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wの引出線接続部73d,73eと、U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wの引出線接続部74d,74eとは、周方向の位置が互いに異なる。
【0052】
U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wにおいて、それぞれの第4バスバー延伸部74aは、U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wの第1バスバー延伸部73aと中心軸Jを挟んで反対側に位置する。また、U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wにおいて、それぞれの第4バスバー延伸部74aと第1バスバー延伸部73aとは、互いに平行に延びる。
【0053】
U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wは、それぞれ、第4バスバー延伸部74aの長手方向中間部が、バスバーホルダ61の第1挟持部65に挟持される。第4バスバー延伸部74aは、各第1挟持部65において、一対の爪部材65aの間に挟持される。一対の爪部材65aの間隔は、第4バスバー延伸部74aの幅よりも狭い。このため、一対の爪部材65aの間に第4バスバー延伸部74aを挟み込むことで、一対の爪部材65aが弾性変形して、第1挟持部65が第4バスバー延伸部74aを強固に保持する。
このようにして、U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wは、それぞれ、引出線接続部74d,74e同士の間で第1挟持部65に保持される。
【0054】
また、U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wにおいて、それぞれの第5バスバー延伸部74bの長手方向中間部が、バスバーホルダ61の第3挟持部67に挟持される。第5バスバー延伸部74bは、第3挟持部67において、一対の爪部材67aの間に挟持される。一対の爪部材67aの間隔は、第5バスバー延伸部74bの幅よりも狭い。このため、一対の爪部材67aの間に第5バスバー延伸部74bを挟み込むことで、一対の爪部材67aが弾性変形して、第3挟持部67が第5バスバー延伸部74bを強固に保持する。
このようにして、U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wは、それぞれ、バスバーホルダ61に保持される。
【0055】
また、U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wにおいて、それぞれの第4バスバー延伸部74aの長手方向両端部は、バスバーホルダ61の第2挟持部66上に支持される。U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wは、第2挟持部66上に支持されることで、第2挟持部66に挟持されたU相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wとの間に、上下方向に隙間を確保する。これにより、U相第1層バスバー71U、V相第1層バスバー71VおよびW相第1層バスバー71Wと、U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wとの短絡を回避する。
【0056】
U相第2層バスバー72Uは、U相コイル43Uの第2引出線45と接続される。V相第2層バスバー72VはV相コイル43Vの第2引出線45と接続される、W相第2層バスバー72Wは、V相コイル43Vの第2引出線45と接続される。
【0057】
U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wにおいて、それぞれの引出線接続部74d、74eには、第2引出線45が電気的に接続される。引出線接続部74d、74eは、保持溝部79bに、バスバーホルダ61から上側に突出した第2引出線45の先端部が挿入される。引出線45の先端部が挿入された引出線接続部74d、74eは、導入溝部79aの両側を、工具(図示省略)で挟み込んでカシメる。その後、第2引出線45の先端部と引出線接続部74d、74eとをレーザ溶接する。これにより、引出線接続部74d、74eと第2引出線45とが、容易かつ確実に接続される。
【0058】
U相第2層バスバー72U、V相第2層バスバー72VおよびW相第2層バスバー72Wにおいて、それぞれの第6バスバー延伸部74cは、バスバーホルダ61のバスバー支持台68上に支持される。これにより、第6バスバー延伸部74cに設けられた端子挿入孔74hが、端子保持部69の周方向他方の側に位置する。
【0059】
このようにして、軸方向から見て、U相用バスバー群70Uの第1層バスバー71Uは、V相用バスバー群70VおよびW相用バスバー群70Wの第2層バスバー72V,72Wの下側を通過する。また、V相用バスバー群70Vの第1層バスバー71Vは、U相用バスバー群70UおよびW相用バスバー群70Wの第2層バスバー72U,72Wの下側を通過する。W相用バスバー群70Wの第1層バスバー71Wは、U相用バスバー群70UおよびV相用バスバー群70Vの第2層バスバー72U,72Vの下側を通過する。
【0060】
図5に示す様に、U相外部接続端子80U、V相外部接続端子80V、W相外部接続端子80Wは、それぞれ、バスバーホルダ61の端子保持部69に保持される。U相外部接続端子80Uは、U相第1層バスバー71UおよびU相第2層バスバー72Uに接続される。V相外部接続端子80Vは、V相第1層バスバー71VおよびV相第2層バスバー72Vに接続される。W相外部接続端子80Wは、W相第1層バスバー71WおよびW相第2層バスバー72Wに接続される。
【0061】
U相第1層バスバー71Uと、U相第2層バスバー72Uとは、接続されるU相外部接続端子80Uから互いに周方向の反対側に延びる。V相第1層バスバー71Vと、V相第2層バスバー72Vとは、接続されるV相外部接続端子80Vから互いに周方向の反対側に延びる。W相第1層バスバー71Wと、W相第2層バスバー72Wとは、接続されるW相外部接続端子80Wから互いに周方向の反対側に延びる。
【0062】
U相外部接続端子80U、V相外部接続端子80V、W相外部接続端子80Wは、それぞれ、板状である。U相外部接続端子80U、V相外部接続端子80V、W相外部接続端子80Wは、それぞれ、互いに同形状の端子部材81からなる。端子部材81は、導電性材料である金属板をプレス加工することで製造される。
【0063】
本実施形態によれば、第2層バスバー72U,72V,72Wは、第1層バスバー71U,71V,71Wの上側に配置されているため、U相、V相、W相のバスバー70を、上下2層に重ねて配置できる。これにより、バスバーユニット60を上下方向に小型化することができる。また、バスバー70を重ねずに一層のみに配置しようとすると、バスバー同士の干渉を避けるため、径方向に大型化する。これに対し、上記バスバーユニット60は、径方向に大型化するのを抑えることができる。
【0064】
また、第1層バスバー71U,71V,71Wと第2層バスバー72U,72V,72Wとが、外部接続端子80U,80V,80Wに対し周方向の反対側に延びる。このため、第1層バスバー71U,71V,71Wのそれぞれに流れる電流と、第2層バスバー72U,72V,72Wのそれぞれに流れる電流との向きが、外部接続端子80U,80V,80Wを挟んで互いに反対向きになる。第1層バスバー71U,71V,71Wにより生じる磁場と、径方向の他方の側に位置する第2層バスバー72U,72V,72Wにより生じる磁場は、中心軸Jを挟んで互いに逆向きになる。その結果、第1層バスバー71U,71V,71Wにより生じる磁場と第2層バスバー72U,72V,72Wにより生じる磁場とを互いに相殺させて、外部に影響を与えることを抑制できる。
したがって、バスバーユニット60の小型化を図るとともに、磁場による外部への影響を抑えることが可能となる。
【0065】
本実施形態によれば、第1層バスバー71U,71V,71Wの第1バスバー延伸部73aと、第2層バスバー72U,72V,72Wの第4バスバー延伸部74aとが、中心軸Jを挟んで反対側に位置する。これにより、第1層バスバー71U,71V,71Wにより生じる磁場と第2層バスバー72U,72V,72Wにより生じる磁場とを互いに相殺させる効果が高まり、外部に影響を与えることを有効に抑制できる。
【0066】
本実施形態によれば、第1バスバー延伸部73aと第4バスバー延伸部74aとが、互いに平行に延びる。これにより、第1層バスバー71U,71V,71Wにより生じる磁場と第2層バスバー72U,72V,72Wにより生じる磁場とを互いに相殺させる効果がさらに高まり、外部に影響を与えることをさらに有効に抑制できる。
【0067】
本実施形態によれば、U相用バスバー群70Uの第1層バスバー71Uは、V相用バスバー群70VおよびW相用バスバー群70Wの第2層バスバー72V,72Wの下側を通過する。V相用バスバー群70Vの第1層バスバー71Vは、U相用バスバー群70UおよびW相用バスバー群70Wの第2層バスバー72U,72Wの下側を通過する。W相用バスバー群70Wの第1層バスバー71Wは、U相用バスバー群70UおよびV相用バスバー群70Vの第2層バスバー72U,72Vの下側を通過する。
このようにして、U相、V相、W相のバスバー70を、効率的に配置して、上下2層に重ねて配置できる。これにより、バスバーユニット60を小型化できる。
【0068】
本実施形態によれば、第1層バスバー71U,71V,71Wおよび第2層バスバー72U,72V,72Wは、板状であり、軸方向を厚さ方向として配置される。これにより、バスバーユニット60を、軸方向に小型化することができる。
【0069】
本実施形態によれば、第1層バスバー71U,71V,71W同士の軸方向の位置が一致し、第2層バスバー72U,72V,72W同士の軸方向の位置が一致する。
これにより、U相、V相、W相のバスバー70を、効率的に配置して、上下2層に重ねて配置できる。これにより、バスバーユニット60を小型化できる。
【0070】
本実施形態によれば、第1層バスバー71U,71V,71W同士が同形状であり、第2層バスバー72U,72V,72W同士が同形状である。これにより、第1層バスバー71U,71V,71Wは、同一形状の第1バスバー部材73を用いることができる。第2層バスバー72U,72V,72Wも、同一形状の第2バスバー部材74を用いることができる。これにより、バスバーユニット60を構成する部品の種類の数を削減することができる。その結果、部品コストを低減することができる。また、第1層バスバー71U,71V,71W、第2層バスバー72U,72V,72Wは、同じ種類の部品を取り付ければよく、相ごとに異なる部品を取り付ける必要が無い。したがって、第1層バスバー71U,71V,71W、第2層バスバー72U,72V,72Wの取り付け作業を効率的に行うことができる。
【0071】
本実施形態によれば、U相用バスバー群70U、V相用バスバー群70VおよびW相用バスバー群70Wは、中心軸Jを中心として、120°毎の回転対称に配置される。これにより、第1層バスバー71U,71V,71Wは、第1バスバー部材73の向きを周方向で異ならせるのみで取り付けることができる。第2層バスバー72U,72V,72Wも、第2バスバー部材74の向きを周方向で異ならせるのみで取り付けることができる。したがって、第1層バスバー71U,71V,71W、第2層バスバー72U,72V,72Wの取り付け作業を効率的に行うことができる。
【0072】
本実施形態によれば、バスバーホルダ61は、中心軸Jを中心として、120°毎の回転対称形状である。これにより、バスバーユニット60の状態で、U相、V相、W相の位置が決まっているわけではない。したがって、バスバーユニット60は、120°毎にどの向きでステータ40に組み付けてもよい。その結果、バスバーユニット60製造工程が簡素化されるのみならず、組み付けのミス発生を抑制できる。
【0073】
本実施形態によれば、第1層バスバー71U,71V,71Wは、引出線接続部73d,73e同士の間で第2挟持部66に保持される。また、第2層バスバー72U,72V,72Wは、引出線接続部74d,74e同士の間で第1挟持部65に保持される。これにより、第1層バスバー71U,71V,71W、第2層バスバー72U,72V,72Wの取り付け位置精度を高めることができる。特に、引出線接続部73d,73e、74d,74eは、第2挟持部66、第1挟持部65の両側に位置するので、引出線接続部73d,73e、74d,74eの位置精度を有効に高めることができる。また、第1層バスバー71U,71V,71W、第2層バスバー72U,72V,72Wに振動が付与された場合であっても、引出線接続部73d,73e、74d,74eに負荷が加わることを抑制できる。
【0074】
本実施形態によれば、モータ10は、上記したようなバスバーユニット60を有する。これにより、モータ10において、バスバーユニット60の小型化を図るとともに、磁場による外部への影響を抑えることが可能となる。
【0075】
図10は、一実施形態のバスバーの外部接続端子を示す斜視図である。
図11は、一実施形態のバスバーの外部接続端子を示す平面図である。
図10、
図11に示す様に、各端子部材81は、第1板部80Pと、第2板部80Qと、を有する。第1板部80Pと第2板部80Qとは、軸方向に延びる折り曲げ線Lにおいて互いに繋がる。
【0076】
第1板部80Pは、軸方向に延びる第1端子延伸部82からなる。第1端子延伸部82は、板状の部材であり、上下方向上側に向かって延びる。第1端子延伸部82は、上下方向中間に、突起部88A,88Bを有する。突起部88A,88Bは、幅方向両側に突出する。すなわち、第1板部80Pは、幅方向両側に突出する一対の突起部88A,88Bを有する。
【0077】
突起部88Aは、第2板部80Qの一方の面80d側に位置する。突起部88Bは、第2板部80Qの他方の面80e側に突出する。第1端子延伸部82は、第2板部80Qの一方の面80dから他方の面80eに跨って延びる。したがって、第1板部80Pは、軸方向から見て、第2板部80Qの一方の面80d側から他方の面80e側まで延びる。
【0078】
第2板部80Qは、第1板部80Pの上下方向下側の基端側に位置する。第2板部80Qは、第1板部80Pと異なる方向を向く。第2板部80Qは、第1板部80Pに直交する。第2板部80Qは、第2端子延伸部83と、第3端子延伸部84と、接続部85と、を有する。
【0079】
第2端子延伸部83の幅方向一方の端部83aは、第1端子延伸部82の下部の幅方向一方の端部に接続されている。第2端子延伸部83は、第1端子延伸部82に直交して延びる。第2端子延伸部83の幅方向他方の端部83bは、第1端子延伸部82の他方の面81b側から離間して位置する。第2端子延伸部83の上下方向上側の端部83cは、突起部88Bとの間に上下方向に間隔をあけて位置する。
【0080】
第3端子延伸部84の幅方向一方の側の端部84aは、第2端子延伸部83から上下方向下側に連続して延伸する。第3端子延伸部84は、第1端子延伸部82に直交する。第3端子延伸部84の幅方向他方の側の端部84bは、第1端子延伸部82の一方の面81a側に延びる。第3端子延伸部84の幅方向他方の端部84bは、第1端子延伸部82の一方の面81a側から離間して位置する。第3端子延伸部84の上下方向上側の端部84cは、突起部88Aとの間に上下方向に間隔をあけて位置する。
これにより、第2板部80Qは、軸方向から見て、第1板部80Pの一方の面81a側から他方の面81b側まで延びる。
【0081】
接続部85は、第1接続部85Aと、第2接続部85Bと、を含む。
第1接続部85Aは、第3端子延伸部84の幅方向他方の側に位置する。すなわち、第1接続部85Aは、軸方向から見て、第1板部80Pの一方の面81a側に位置する。第1接続部85Aは、第3端子延伸部84の上下方向下側の端部84fから、上下方向下側に突出する第1凸部86である。
【0082】
第2接続部85Bは、第3端子延伸部84の幅方向一方の側に位置する。すなわち、第2接続部85Bは、軸方向から見て、第1板部80Pの他方の面81b側に位置する。第2接続部85Bは、第3端子延伸部84の上下方向下側の端部84fから、上下方向下側に突出する第2凸部87である。
接続部85の第1接続部85Aは、第2接続部85Bよりも上下方向下側に長く延伸する。
【0083】
図12は、一実施形態の外部接続端子を製造する際に用いる端子片を示す図である。
図12に示す様に、端子部材81は、第1端子延伸部82と、第2端子延伸部83と、第3端子延伸部84と、接続部85とに相当する外形形状を有した端子片90を、折り曲げ線Lで折り曲げることで成形される。すなわち、端子部材81を製造するには、まず、打ち抜き加工によって、金属板から端子片90を打ち抜く。ここで、端子片90は、第1端子延伸部82および突起部88Bと、第2端子延伸部83との間にスリット91を有する。端子片90は、第1端子延伸部82の下端部、第3端子延伸部84との間にスリット92を有する。
【0084】
次いで、端子片90を、折り曲げ線Lで90度折り曲げることにより、端子部材81を得る。このように、端子部材81は、端子片90を成形する打ち抜き加工と、端子片90を折り曲げる折り曲げ加工と、を行うことで、成形される。
【0085】
図5に示す様に、端子部材81は、バスバーホルダ61の端子保持部69に保持される。端子保持部69は、第1板部80Pの一対の突起部88A,88Bを保持する。端子部材81は、第1板部80P(第1端子延伸部82)を、径方向に沿わせた状態で、一対の柱状部材69a,69bの間に挟持される。端子部材81は、突起部88A,88Bを、柱状部材69a,69bの保持溝69m、69nに上下方向上側から下側に向かって挿入する。端子部材81は、保持溝69m、69nに突起部88A,88Bを挿入することで、周方向および径方向に位置決めされる。さらに、突起部88A,88Bは、保持溝69m、69nの下端に突き当たることで、上下方向に位置決めされる。さらに、第1端子延伸部82は、一方の柱状部材69aに設けられた壁部69wに沿うため、周方向に倒れることが抑制される。
このようにして端子保持部69に保持された端子部材81は、第1端子延伸部82が端子保持部69から上下方向上側に突出する。
【0086】
端子保持部69に保持された端子部材81の第1接続部85Aは、U相第1層バスバー71U,V相第1層バスバー71V,W相第1層バスバー71Wの端子挿入孔73hに挿入される。端子部材81の第2接続部85Bは、U相第2層バスバー72U,V相第2層バスバー72V,W相第2層バスバー72Wの端子挿入孔74hに挿入される。その後、端子部材81の第1接続部85A、第2接続部85Bは、U相第1層バスバー71U,V相第1層バスバー71V,W相第1層バスバー71W、U相第2層バスバー72U,V相第2層バスバー72V,W相第2層バスバー72Wにレーザ溶接される。
【0087】
このようにして、端子部材81からなるU相外部接続端子80U、V相外部接続端子80V、W相外部接続端子80Wは、バスバーホルダ61の端子保持部69に保持される。U相外部接続端子80Uは、U相第1層バスバー71UおよびU相第2層バスバー72Uから上側(軸方向一方側)に延びる。V相外部接続端子80Vは、V相第1層バスバー71VおよびV相第2層バスバー72Vから上側(軸方向一方側)に延びる。W相外部接続端子80Wは、W相第1層バスバー71WおよびW相第2層バスバー72Wから上側(軸方向一方側)に延びる。
【0088】
本実施形態によれば、外部接続端子80U,80V,80Wは、第1板部80Pと、第2板部80Qと、を有する。外部接続端子80U,80V,80Wは、平板状の端子片90を折り曲げ線Lにおいて折り曲げることで製造できる。したがって、外部接続端子80U,80V,80Wは、金属板から端子片90を多数個取りして、高い歩留まりで製造することができる。また、外部装置のソケットに挿入される部分である第1板部80Pと、第1板部80Pと折り曲げ線Lにおいて互いに繋がる第2板部80Qと、を有する外部接続端子80U,80V,80Wを、効率良く製造することが可能となる。したがって、外部接続端子80U,80V,80Wの高い歩留まりを確保しつつ、立体的な形状の外部接続端子80U,80V,80Wを容易に製造することが可能となる。
【0089】
本実施形態によれば、第1板部80Pは、軸方向から見て、第2板部80Qの一方の面側から他方の面側まで延びる。これにより、外部接続端子80U,80V,80Wの高い歩留まりを確保しつつ、第1板部80Pを幅広にできる。
【0090】
本実施形態によれば、第1層バスバー71U,71V,71Wに接続される第1接続部85Aは第1板部80Pの一方の面側に位置し、第2層バスバー72U,72V,72Wに接続される第2接続部85Bは第1板部80Pの他方の面側に位置する。
これにより、外部接続端子80U,80V,80Wが複数の第1接続部85A、第2接続部85Bを有する場合においても、外部接続端子80U,80V,80Wの高い歩留まりを確保することができる。また、第1接続部85A、第2接続部85B同士の距離を十分に離して、接続工程の作業性を高めることができる。
【0091】
本実施形態によれば、第1層バスバー71U,71V,71Wと第2層バスバー72U,72V,72Wとは、軸方向の位置が互いに異なる。さらに、第1接続部85Aは、第1層バスバー71U,71V,71Wに設けられた端子挿入孔73hに挿入される。第2接続部85Bは、第2層バスバー72U,72V,72Wに設けられた端子挿入孔74hに挿入される。すなわち、外部接続端子80U,80V,80Wと第1層バスバー71との接続位置の軸方向位置と、外部接続端子80U,80V,80Wと第2層バスバー72との接続位置の軸方向位置と、が互いに異なる。
このようにして、下側に突出する第1接続部85A、第2接続部85Bを、端子挿入孔73h、74hに挿入する。第1接続部85A、第2接続部85Bを、第1層バスバー71U,71V,71W、第2層バスバー72U,72V,72Wに突き当てて接合する場合に比較すると、第1接続部85A、第2接続部85Bの寸法精度を抑えることができる。
【0092】
本実施形態によれば、モータ10は、上記したようなバスバーユニット60を有する。これにより、外部接続端子80U,80V,80Wの高い歩留まりを確保しつつ、立体的な形状の外部接続端子80U,80V,80Wを容易に製造することが可能となる。
【0093】
図13は、一実施形態のモータを搭載する装置を示す図である。
次に、本実施形態のモータ10を搭載する装置の実施形態について説明する。本実施形態においては、モータ10を電動パワーステアリング装置に搭載した例について説明する。
図13に示す電動パワーステアリング装置2は、自動車の車輪の操舵機構に搭載される。電動パワーステアリング装置2は、操舵力を油圧により軽減する装置である。電動パワーステアリング装置2は、モータ10と、操舵軸214と、オイルポンプ216と、コントロールバルブ217と、を備える。
【0094】
操舵軸214は、ステアリング211からの入力を、車輪212を有する車軸213に伝える。オイルポンプ216は、車軸213に油圧による駆動力を伝えるパワーシリンダ215に油圧を発生させる。コントロールバルブ217は、オイルポンプ216のオイルを制御する。電動パワーステアリング装置2において、モータ10は、オイルポンプ216の駆動源として搭載されている。
【0095】
本実施形態の電動パワーステアリング装置2は、本実施形態のモータ10を備えるため、バスバーユニット60の小型化を図るとともに、磁場による外部への影響を抑えることが可能となる。
【0096】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0097】
例えば、上述した実施形態のモータは、電動パワーステアリング装置に限られず、いかなる装置に搭載されてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、第1層バスバー71U,71V,71W、第2層バスバー72U,72V,72Wの各部は直線状に延伸しているが、これを湾曲させながら延伸させてもよい。
【0099】
上記の各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0100】
10…モータ、30…ロータ、40…ステータ、43…コイル(コイル線)、45…第2引出線(引出線)、60…バスバーユニット、61…バスバーホルダ、65…第1挟持部(挟持部)、66…第2挟持部(挟持部)、70…バスバー、70U…U相用バスバー群、70V…V相用バスバー群、70W…W相用バスバー群、71…第1層バスバー(第1バスバー)、71U…U相第1層バスバー、71V…V相第1層バスバー、71W…W相第1層バスバー、72…第2層バスバー(第2バスバー)、72U…U相第2層バスバー、72V…V相第2層バスバー、72W…W相第2層バスバー、73…第1バスバー部材、73a…第1バスバー延伸部(第1延伸部)、73d、73e…引出線接続部、73h…端子挿入孔(第1貫通孔)、74…第2バスバー部材、74a…第4バスバー延伸部(第2延伸部)、74d、74e…引出線接続部、74h…端子挿入孔(第2貫通孔)、80P…第1板部、80Q…第2板部、80U…U相外部接続端子(外部接続端子)、80V…V相外部接続端子(外部接続端子)、80W…W相外部接続端子(外部接続端子)、85…接続部、85A…第1接続部、85B…第2接続部、86…第1凸部、87…第2凸部、J…中心軸、L…折り曲げ線