(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】情報読取装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/04 20060101AFI20221115BHJP
H04N 1/10 20060101ALI20221115BHJP
G03B 27/50 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
H04N1/04 101
H04N1/10
G03B27/50 A
(21)【出願番号】P 2021068520
(22)【出願日】2021-04-14
(62)【分割の表示】P 2019157657の分割
【原出願日】2016-02-29
【審査請求日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】P 2015040202
(32)【優先日】2015-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2015102518
(32)【優先日】2015-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2015218337
(32)【優先日】2015-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】池田 恭佑
(72)【発明者】
【氏名】太田 裕
(72)【発明者】
【氏名】伊東 裕一
(72)【発明者】
【氏名】藤角 岳史
(72)【発明者】
【氏名】荒木 亮祐
(72)【発明者】
【氏名】加藤 貴裕
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-074944(JP,A)
【文献】特開2009-300705(JP,A)
【文献】特開平11-109726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04 - 1/207
H04N 5/222- 5/28
G06T 1/00
G03B 27/50 -27/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースの上面に
矩形状の読取口が形成されて当該読取口を介して表示媒体を撮像手段により撮像することで当該表示媒体に表示された表示情報を読み取る据置型の情報読取装置であって、
前記ケースの内部には、照明光源と前記撮像手段とが少なくとも収容され、
前記読取口は、前記上面に形成された開口部が光透過性の部材により閉塞されて構成され、
前記ケースの上面のうち前記光透過性の部材が設けられる範囲内であって前記読取口
の短縁側に配置される第2の光源と、
前記表示情報の読取結果を報知する
ために、前記第2光源
が前記表示媒体がかざされる方向に対して発光するように制御する光源制御手段と、
を備えることを特徴とする情報読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、情報読取装置に対して読取対象となる表示媒体を撮像可能な位置に載置する技術として、例えば、下記特許文献1に開示される光学的情報読取装置が知られている。この光学的情報読取装置は、情報コードを読み取る読取部と、この読取部が下面に配置されたアーム部と、アーム部を支える基台と、情報コードが付与された読取対象物(表示媒体)が載置される載置部とを備えるように構成されている。そして、載置部に設けられた第1位置規制部材にて読取対象物の載置位置が規制された状態で、読取対象物の上方に位置する読取部により下方に位置する情報コードが読み取られる。これにより、読取対象物を読取部に対して適正な位置に移動させるための位置合わせの時間が不要となり、迅速に情報コードを読み取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1のように読取部(読取口)の下方に読取対象となる表示媒体が載置される載置部を設ける構成では、読取装置そのものが邪魔をしてパスポートのような比較的大きな表示媒体を読取口に対して撮像しやすい位置に載置しにくい場合がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ケースの上面に形成される読取口を介して表示媒体を撮像手段により撮像する構成であっても、表示情報を読み取り容易に撮像可能であって、照明光源及び撮像手段が収容されたケースの内部にケース外からの異物が入り込みにくい情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
ケースの上面に矩形状の読取口が形成されて当該読取口を介して表示媒体を撮像手段により撮像することで当該表示媒体に表示された表示情報を読み取る据置型の情報読取装置であって、
前記ケースの内部には、照明光源と前記撮像手段とが少なくとも収容され、
前記読取口は、前記上面に形成された開口部が光透過性の部材により閉塞されて構成され、
前記ケースの上面のうち前記光透過性の部材が設けられる範囲内であって前記読取口の短縁側に配置される第2の光源と、
前記表示情報の読取結果を報知するために、前記第2光源が前記表示媒体がかざされる方向に対して発光するように制御する光源制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明では、ケースの内部には、照明光源と撮像手段とが少なくとも収容され、読取口は、上面に形成された開口部が光透過性の部材により閉塞されて構成される。これにより、照明光源及び撮像手段が収容されたケースの内部にケース外からの異物が入り込みにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係るアタッチメントが情報読取装置に組み付けられた状態を示す斜視図である。
【
図4】
図3の情報読取装置のA-A断面を概略的に示す断面概略図である。
【
図5】
図4の情報読取装置のB-B断面を概略的に示す断面概略図である。
【
図6】
図4の情報読取装置のC-C断面を概略的に示す断面概略図である。
【
図7】
図4の情報読取装置のD-D断面を概略的に示す断面概略図である。
【
図8】
図4の情報読取装置のE-E断面を概略的に示す断面概略図である。
【
図9】
図1の情報読取装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【
図10】
図1の情報読取装置で構成される高照度領域等を説明する説明図である。
【
図11】
図1のアタッチメントを概略的に示す斜視図である。
【
図14】
図12のアタッチメントのF-F断面を概略的に示す断面概略図である。
【
図15】
図1のアタッチメントの載置部にパスポートを載置した状態を示す斜視図である。
【
図16】
図1のアタッチメントの載置部にパスポートを載置した状態を示す平面図である。
【
図17】第2実施形態に係るアタッチメントが情報読取装置に組み付けられた状態を示す斜視図である。
【
図18】
図17のアタッチメントを概略的に示す斜視図である。
【
図21】
図19のアタッチメントのG-G断面を概略的に示す断面概略図である。
【
図23】
図17のアタッチメントの載置部にパスポートを載置した状態を示す斜視図である。
【
図24】
図17のアタッチメントの載置部にパスポートを載置した状態を示す平面図である。
【
図25】第3実施形態に係るアタッチメントが情報読取装置に組み付けられた状態を示す斜視図である。
【
図26】第4実施形態の要部を示すアタッチメントの平面図である。
【
図27】
図26に示すアタッチメントが組み付けられた状態で撮像された撮像画像を示す説明図である。
【
図28】第4実施形態の変形例の要部を示すアタッチメントの平面図である。
【
図29】第5実施形態の要部を示す撮像画像の説明図である。
【
図30】第5実施形態の変形例の要部を示す撮像画像の説明図である。
【
図31】第6実施形態に係る特定のパターンを示す説明図である。
【
図32】特定のパターンを撮像した際に得られる輝度値の変化を示すグラフである。
【
図33】
図32にて撮像された特定のパターンをコピーしたパターンを撮像した際に得られる輝度値の変化を示すグラフである。
【
図34】第7実施形態に係るアタッチメントが情報読取装置に組み付けられた状態を示す斜視図である。
【
図35】第7実施形態に係るアタッチメントが情報読取装置に組み付けられた状態を示す平面図である。
【
図36】プレート上にパスポートを載置した状態を説明する断面図である。
【
図37】載置部に表示面が柔らかい紙面から形成されるパスポートを載置した状態を説明する断面図である。
【
図38】第8実施形態に係るアタッチメントが情報読取装置に組み付けられた状態を示す斜視図である。
【
図39】第8実施形態の変形例に係るアタッチメントが情報読取装置に組み付けられた状態を示す斜視図である。
【
図40】第9実施形態の要部を示す情報読取装置およびアタッチメントの概略断面図である。
【
図41】
図40の情報読取装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【
図42】載置部に載置されたパスポートを撮像する際の撮像部の視野範囲を示す説明図である。
【
図43】読取口近傍での照度分布と載置部近傍での照度分布との関係を示す説明図である。
【
図44】第10実施形態の要部を示す情報読取装置およびアタッチメントの概略断面図である。
【
図45】照射角度が小さな第2の照明光が直接照射される場合の載置部近傍での照度分布を示す説明図である。
【
図46】照射角度が小さな第2の照明光が第1の照度調整部材を利用して間接的に照射される場合の載置部近傍での照度分布を拡大して示す説明図である。
【
図47】第10実施形態の変形例において第2の照度調整部材を利用した場合の載置部近傍での照度分布を示す説明図である。
【
図48】第11実施形態に係る情報読取装置の制御回路による光源制御処理の流れを例示するフローチャートである。
【
図49】変形例に係るアタッチメントの載置部にパスポートを載置した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る情報読取装置用アタッチメントが組み付けられた据置型の情報読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す据置型の情報読取装置1は、机や棚などの上面を載置面としてこの載置面上に載置される据置型の読取装置であって、読取口を介して表示媒体を撮像することで当該表示媒体に表示された表示情報を読み取る情報読取装置として構成されるものである。表示媒体としては、例えば、パスポートや情報コードが表示された画面等が想定される。このため、情報読取装置1は、撮像した文字情報等を認識する公知の記号認識処理機能(OCR)や撮像した情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能など、撮像した情報を読み取る機能を有するように構成されている。
【0010】
例えば、
図2に示すようなパスポート100が表示媒体となる場合、顔写真が表示された表示面101の下欄に表示される文字情報102が読み取るべき表示情報となる。
図1に示すアタッチメント60は、文字情報102を撮像する際にパスポート100を載置するための載置台として機能する情報読取装置用アタッチメントであり、情報読取装置1に対して着脱可能に形成されている(詳細形状は後述する)。また、表示情報となる情報コードとしては、例えば、バーコード等の一次元コードやQRコード(登録商標)等の二次元コードなど複数種類のセルが配列されて構成される公知のコードを想定することができる。
【0011】
まず、情報読取装置1の構成について詳述する。
情報読取装置1は、例えばABS樹脂等の樹脂材料によって構成されるケース3を備えている。このケース3は、
図3および
図4等に示すように、上ケース4aと下ケース4bと備えており、これら上ケース4aと下ケース4bとが上下に組み付けられた構成で全体として箱状に形成されている。そして、ケース3の内部には、後述する反射部材29、結像部27、撮像部23、導光部材50などの各部品が収容されている。また、
図3等に示すように、ケース3の上面部(読取側壁部3a)には光の出入口となる読取口5が形成されており、読取口5を介してケース外からの光がケース内に入り込み、ケース内からの光がケース外に放出されるようになっている。そして、反射部材29、結像部27、撮像部23によって構成される光学系は、この読取口5を介してケース外の表示媒体を撮像するように機能する。
【0012】
また、箱状に構成されるケース3には、情報読取装置1を載置するときの載置面側(載置面F側)に設けられる底壁部3bと、読取口5が形成された読取側壁部3aとが対向して設けられている。そして、底壁部3bが載置面Fに支持されるように配置され、この底壁部3bと対向する読取側壁部3aが、表示媒体を翳す側の露出壁部として構成されている。なお、本構成では、底壁部3bと読取側壁部3aとの対向方向(即ち、ケース3の厚さ方向であり、
図4に示す載置面Fと直交する方向)を上下方向とし、読取口5が形成された側(読取側壁部3a側)を上方側、それとは反対側(底壁部3b側)を下方側としている。また、この上下方向と直交する平面方向を水平方向としている。なお、プレート7の厚さ方向(即ち、プレート7の板面と直交する方向)も上下方向となっており、後述する第2視野範囲AR2の光軸L2の方向も上下方向となっている。
【0013】
ケース3の上面側には、上ケース4aの上端部に形成された開口部4cを閉じる構成でプレート7が配置されている。このプレート7は、所定の厚さの平坦な板として構成され、ケース3の外部からの光が透過可能となる光透過性の部材(例えば、透明なアクリル樹脂や透明ガラス等)によって構成されている。このプレート7は、防塵プレートとして機能しており、このようなプレート7が上ケース4aに形成された開口部4cを閉塞することで、ケース3を閉塞し、ケース3の内部(特に、反射部材29、結像部27、撮像部23などが収容された収容空間)にケース外からの異物(塵や埃など)が入り込みにくくなっている。また、プレート7の上面部(ケース外に露出する側の板面部)を部分的に覆う構成で光遮光性の塗料などからなる被覆層8が形成されている。この被覆層8は、プレート7の周縁部に沿って環状に形成されており、この被覆層8の内縁部によって構成される開口部が読取口5となっている。
【0014】
次に、情報読取装置1の電気的構成について説明する。
図9に示すように、情報読取装置1は、主に、照明光源21、結像部27、撮像部23等の光学系と、メモリ35、制御回路40等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、図示しない電源部、電源スイッチ等の電源系とを備えている。
【0015】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、照明光を照射可能な光源として機能するものであり、例えば、LEDなどによって構成されている。この照明光源21は、ケース3の長手方向一方側に配置される第1光源21a,21bと、ケース3の長手方向他方側に配置される第2光源21c,21dとを備えており、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dのそれぞれがLEDなどの投光素子として構成され、上下方向に対して横向きに照明光を照射する機能を有している。
【0016】
また、
図3~
図8で示すように、投光光学系は、照明光源21からの光を導く導光部材50を備えている。この導光部材50は、ケース3の内部において照明光源21からの照明光が照射される位置に配置され、照明光源21からの照明光が読取口5の開口領域γ(
図4等参照)を通ってケース3の外部に照射されるように導く構成となっている。なお、導光部材50の詳細は後述する。
【0017】
図9で示すように、受光光学系は、撮像部23、結像部27、反射部材29(
図3、
図4等)などによって構成されている。撮像部23は、例えばCCD素子やCMOS素子等の固体撮像素子(受光素子)が二次元的に配列された受光センサ(エリアセンサ)などによって構成されており、
図4、
図9等に示すように、結像部27に面する側にケース外からの光を受光し得る受光面23aが配置されている。この撮像部23は、反射部材29で反射された光が結像部27を通過して受光面23aに入り込もうとする入射光を受光し得るように基板に実装されている。そして、例えば、
図9のように、文字情報102(表示情報)が示されたパスポート100(表示媒体)が視野範囲内に配置されたとき(例えば、表示媒体における表示情報を表示する側の面が開口領域γ内においてプレート7に近接するように配置されたとき)、この文字情報102等に照射されて反射した反射光Lr(
図9参照)を受光する構成となっている。また、撮像部23は、受光面23aにおいて光を検出しうる領域(固体撮像素子が配置された領域)が「所定の受光領域」として設定されており、
図4等では、撮像部23における受光領域の範囲を符号D1にて概念的に示している。即ち、受光面23aにおいて範囲D1に入射する光が撮像部23に検出されるようになっている。なお、
図4等に示す例では、撮像部23における受光領域の範囲は、例えば受光面23aにおいて光軸L1を中心とする上下方向所定範囲となっており、且つ光軸L1を中心とする左右方向(幅方向:
図3参照)所定範囲となっている。なお、
図4等に示す例では、受光面23aが前後方向(
図3参照)とほぼ直交して配置されている。
【0018】
結像部27は、公知の結像レンズによって構成され、結像光学系として機能している。この結像部27は、撮像部23で撮像可能となる視野範囲を定めると共に、ケース3の外部から読取口5を通過して入り込んだ光(具体的には、当該入射光が反射部材29で反射した光)を撮像部23の受光領域に導く構成となっている。そして、結像部27は、ケース3の外部において視野範囲内に表示情報が配置されたときに当該表示情報の像を撮像部23の受光領域に結像させるように機能する。本構成では、照明光源21から照射され、導光部材50によってケース外に導かれた照明光を表示情報に当てながら当該表示情報を撮像し得るようになっており、結像部27は、表示情報が視野範囲内(撮像エリア内)に配置されたときに、この表示情報からの反射光Lrを集光し、撮像部23の受光面23aに表示情報の像を結像させるように構成されている。なお、結像部27としては、例えば、焦点距離が短く画角の広い広角レンズを好適に用いることができる。
【0019】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路34、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40等によって構成されており、例えば上述した光学系によって撮像された表示情報等の画像信号を信号処理するように構成されている。具体的には、視野範囲内に配置された表示情報等が撮像部23によって撮像されたときの撮像画像のデータをメモリ35に記憶可能に構成されており、制御回路40は、このような表示情報等の画像データを解析し、文字情報等であればOCR技術を用いて認識するように構成されている。また、制御回路40は、視野範囲内に配置された情報コードが撮像手段として機能する撮像部23によって撮像された場合には、この情報コードのコード画像を解析することで光学的に読み取る読取手段として機能するように構成されている。
【0020】
なお、
図9等では図示を省略しているが、情報読取装置1には押圧ボタンなどの操作部が設けられていてもよく、この場合、ユーザが操作部を操作したときにその操作に応じた信号が制御回路に入力されることとなる。また、公知の通信インタフェースが設けられていてもよく、この構成では、情報読取装置1から図示しない外部装置に情報を送信したり、情報読取装置1が外部装置から情報を受信したりすることが可能となる。また、ランプや表示装置などの表示部が設けられていてもよい。
【0021】
次に、情報読取装置1の特徴的構成について詳述する。
本構成では、ケース3の内部に反射部材29、結像部27、撮像部23、照明光源21、導光部材50が収容されている。以下では、これら反射部材29、結像部27、撮像部23、照明光源21、導光部材50等についてより詳細に説明する。
【0022】
図4~
図6等に示すように、本構成では、ケース3の上面部(上壁部)として、板状且つ略矩形状(略長方形状)のプレート7が配置されており、このプレート7が読取側壁部3aに相当している。
図3のように情報読取装置1を平面視したときのプレート7の長手方向中央部及び短手方向中央部には、略矩形状(略長方形状)の読取口5が形成されている。読取口5は、
図3のように平面視したときに、当該読取口5の開口領域γ(
図3に示す境界線P3の内側の領域であり、
図4も参照)に反射部材29の反射領域(反射面の領域)が全て収まるようなサイズ及び位置で形成されている。即ち、
図3に示す幅方向において、読取口5の幅方向一端部5aと幅方向他端部5bとの間に反射部材29の幅方向一端部と他端部が配置され、
図3に示す前後方向において、読取口5の前後方向一端部5cと前後方向他端部5dとの間に反射部材29の前後方向一端部と他端部が配置されている。なお、読取口5の幅方向一端部5aと幅方向他端部5bの縁部は、いずれも前後方向に直線状に延びており、読取口5の前後方向一端部5cと前後方向他端部5dはいずれも幅方向(左右方向)に直線状に延びている。
【0023】
図4~
図6等に示すように、ケース3の底壁部3bは、ケース3の下面部として板状に構成されており、情報読取装置1が載置面Fに載置されるときに、当該底壁部3bの下面側が載置面Fに支持される構成となっている。この底壁部3bは、厚さ方向を上下方向とする構成で外面(下面)の大部分が略平坦面として構成されている。そして、箱状に構成されるケース3の底として機能している。なお、読取側壁部3a(上面部)と底壁部(下面部)との間には、ケース3内の収容空間(反射部材29、結像部27、撮像部23などが収容される空間)の周囲を取り囲むように側壁部3cが設けられている。この側壁部3cは、幅方向両側に配置される一対の側壁(いずれも前後方向に延びる側壁)と、前後方向両側に配置される一対の側壁(いずれも幅方向に延びる側壁)とを備えており、これら四方の側壁が環状に連結して配置されている。このように環状に配置された側壁部3c(周壁部)の上側を部分的に閉塞する構成(具体的には、側壁部3cの上端部によって構成される開口部4cを閉塞する構成)で読取側壁部3a(上面部)に相当するプレート7が配置され、側壁部3cの下側全体を閉塞する構成で底壁部3b(下面部)が配置されている。
【0024】
プレート7は、上ケース4aの上端部に形成された開口部を閉塞する構成で配置され、ケース3の上面部を構成しており、ケース3内部に収容される反射部材29、結像部27、導光部材50の上側を覆う構成で配置されている。そして、
図3のように平面視したときには、プレート7の露出部分(
図3で概念的に示す境界線P3の内側の領域である開口領域γ(
図4)の部分)を介してケース内の反射部材29、結像部27、導光部材50が視認されるようになっている。プレート7は、例えば透明且つ平坦な板材として構成され、その板面(上面7a及び下面7b)と直交する方向が上下方向となるように略水平に配置されている。なお、プレート7は、透明部材の一例に相当し、被覆層8の内周部として構成される読取口5を閉塞するように機能する。つまり、読取口5は、光の出入りを許容する構成であるが、プレート7の閉塞によって水や埃等の侵入を許容しない構成となっている。
【0025】
反射部材29は、例えばミラーとして構成され、ケース3の内部に収容され、ケース3の外部から読取口5を介して入り込む光を反射させるように機能する。この反射部材29は、反射面29a(鏡面)が斜め上側且つ前後方向一方側(反射面29aに対し結像部27側)を向く構成で配置されており、ケース3の上方側から読取口5を通って入り込んだ光を前後方向一方側に反射するように構成されている。より具体的には、反射面29aが平坦に構成され、この反射面29aが、上下方向及び前後方向と平行な仮想平面と直交するように配置されており、例えば上下方向と反射面29aとのなす角度が45°となっており、上下方向と平行に入り込んだ光を水平に反射するように配置されている。
【0026】
また、反射部材29の反射面29a(上方側からの光を反射可能な鏡面領域であり、上方側に露出する面)の上端部29cは、上下方向においてプレート7寄りの位置に配置され、反射面29aの下端部29bは、上下方向において底壁部3b寄りに配置されている。また、反射部材29の反射面29aは、下端部29bの幅が最も狭く、上端部29cの幅が最も広くなるように、上方となるにつれて幅が広くなる構成となっている。
【0027】
結像部27は、上述したように広角レンズとして機能する結像レンズによって構成され、
図4、
図6、
図7等に示すようにプレート7から離れた位置に配置されている。この結像部27は、ケース3の外部から読取口5を通過して入り込み且つ反射部材29で反射した光を集光しつつ撮像部23の受光面23a(受光領域)に導く機能を有し、ケース3の内外において撮像部23で撮像可能となる視野範囲を定める構成となっている。具体的には、
図4に示すように、視野範囲として、当該結像部27と反射部材29との間に構成される第1視野範囲AR1と、当該第1視野範囲AR1に続くように反射部材29から上方側に構成される第2視野範囲AR2とを定めている。つまり、この第1視野範囲AR1及び第2視野範囲AR2を撮像エリアとするように、視野範囲からの光を撮像部23の受光領域に向けて集光し結像させている。なお、第1視野範囲AR1は、結像部27によって集光されて直接撮像部23に撮像される視野範囲であり、第2視野範囲AR2は、反射部材29に映り込んだ画像が撮像部23に撮像される視野範囲である。このように構成される結像部27は、ケース3の外部に設定された第2視野範囲AR2内に表示情報が配置されたときに当該表示情報の像を撮像部23の受光領域に結像させるように機能している。
【0028】
図4に示す第1視野範囲AR1は、結像部27と反射部材29との間の空間において撮像部23によって撮像される範囲であり、反射部材29の反射面29aに近づくにつれて徐々に広くなるように設定されている。また、第1視野範囲AR1の中心となる光軸L1は、水平方向(具体的には、前後方向)となっており、反射面29aとのなす角度が45°となっている。そして、
図4のように、光軸L1を通り上下方向と平行な平面を切断面として情報読取装置1を切断した場合、当該切断面上において第1視野範囲AR1が上下に最も広がるようになっている。そして、
図4に示す切断面(光軸L1を通り上下方向と平行な切断面)では、第1視野範囲AR1の下限の境界は、反射部材29の反射面29aに近づくにつれて低位置(下位置)となり、第1視野範囲AR1の上限の境界は、反射部材29の反射面29aに近づくにつれて高位置(上位置)となるように構成されている。そして、
図4に示す切断面(
図3に示すA-A位置の切断面であり、情報読取装置1を左右方向中心位置において左右方向と直交する方向に切断した切断面)において、第1視野範囲AR1の下限の境界が反射部材29の反射面29aに達した位置(その境界と反射面29aとが交わる位置)が第1視野範囲AR1の下端位置となっている。また、第1視野範囲AR1の上限の境界が反射部材29の反射面29aに達した位置(その境界と反射面29aとが交わる位置)が第1視野範囲AR1の上端位置となっている。
【0029】
図4のように、本構成では、反射部材29の反射領域(反射面29aが露出した領域)が、少なくとも第1視野範囲AR1の下端に位置しており、第1視野範囲AR1の下端から上端まで続いている。つまり、反射部材29は、
図4のような切断面において第1視野範囲AR1の上下方向全領域を網羅するように反射面29aが配置されている。例えば、
図4に示す切断面において、反射領域(反射面29aの領域)の上端部29cは、第1視野範囲AR1の上端位置と同位置又は当該上端位置よりも上位置であり、反射領域(反射面29aの領域)の下端部29bは、第1視野範囲AR1の下端位置と同位置又は当該下端位置よりも下位置となっている。より具体的には、撮像部23の受光領域の全領域に反射面29aが映り込むように配置されている。つまり、第1視野範囲AR1の反射部材29側の境界は、全て反射面29a上の位置となっており、撮像部23は、反射面29aの周囲に隣接する部分(反射面29a以外の部分)を撮像せず、第2視野範囲AR2の全体を撮像し得るようになっている。
【0030】
第2視野範囲AR2は、上述の第1視野範囲AR1に続くように反射部材29にて折り返された視野範囲であり、この第2視野範囲AR2に存在する物体等が反射部材29に映り、撮像部23によって撮像されるようになっている。逆に、第2視野範囲AR2の外側は、第1視野範囲AR1を除き、撮像部23に撮像されない。
【0031】
本構成では、反射面29aが水平方向に対して例えば45度の角度で傾斜した構成となっている。そして、反射部材29に対し、前後方向一方側に結像部27が配置されており、第1視野範囲AR1の光軸L1が前後に延びる構成となっている。従って、第2視野範囲AR2の中心となる光軸L2は上下方向に延びている。そして、第1視野範囲AR1が反射部材29にて折り返された第2視野範囲AR2は、上方となるにつれて範囲が広くなるように設定されており、
図4のような断面(光軸L1、L2を通る断面)では、上方となるにつれて第2視野範囲AR2が前後に広がるようになっている。
【0032】
具体的には、光軸L2を中心として上方となるにつれて前後に範囲が広くなるように第2視野範囲AR2が設定されており、同様に、光軸L2を中心として上方となるにつれて左右に範囲が広くなるように第2視野範囲AR2が設定されている。なお、ケース外において第2視野範囲AR2を水平方向に切断した仮想面上での第2視野範囲AR2の境界形状は、例えば円形であってもよく、長方形、正方形等の矩形形状であってもよい。
【0033】
そして、結像部27は、第2視野範囲AR2から外れた位置に配置されている。具体的には、第2視野範囲AR2の前後方向一方側の境界B1よりも前後方向一方側に外れた位置に結像部27が配置されている。このように結像部27の一部が第2視野範囲AR2に入り込まないように構成されているため、結像部27の一部が反射部材29に映り込んで撮像部23に撮像されてしまうことがなく、このような映り込みに起因する撮像エリアの縮小が抑えられている。また、
図4のように、結像部27のレンズ部分は、反射部材29の反射面29aの領域(反射領域)の下端部29bよりも上位置に配置され、上端部29cよりも下位置に配置されている。更に、結像部27の前後方向の一端部(反射部材29側の端部)は、前後方向において、読取口5の前後方向他端部5dと光軸L2との間に配置されている。このように配置することで、結像部27の映り込みを防ぎつつ、読取口5の下方側の領域を生かすことができる。
【0034】
また、
図4に示すように、第1視野範囲AR1の中心となる光軸L1及び第2視野範囲AR2の中心となる光軸L1を通る平面を切断面とした断面において、第2視野範囲AR2の両境界B1、B2が読取口5の内周部寄りの位置(例えば、端部5d,5cの位置又は端部5d,5cに近い位置)を通る構成となっている。なお、
図4の例では、第2視野範囲AR2の前後方向一方側の境界B1と前後方向他方側の境界B2とがいずれも、読取口5の内周部(端部5d,5c)よりも僅かに内側を通るようになっているが、これら境界B1、B2がいずれも内周部(端部5d,5c)を通る構成となっていてもよい。
【0035】
次に、照明光源21について説明する。
図3、
図4、
図6、
図8に示すように、照明光源21は、上下方向と直交する平面方向において開口領域γ(
図3に示す境界線P3の内側領域)の外側の位置に配置されている。なお、境界線P3は、平面方向における開口領域γの境界を概念的に示すものであり、実際は、読取口5の内縁が開口領域γの境界となる。照明光源21は、ケース3の長手方向一端寄り(幅方向一端寄り)に配置された第1光源21a,21bと、ケース3の長手方向他端寄り(幅方向他端寄り)に配置された第2光源21c,21dとを有している。これら第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dはいずれも、プレート7の板面に形成された被覆層8の下方に配置されており、
図6、
図8のように、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dのいずれも、この被覆層8の下位置に配置される基板の下面側に実装されている。
【0036】
図4、
図6、
図8に示すように、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dはいずれも、上下方向において、プレート7よりも下方位置且つ後述する導光部材50の上端位置付近に配置されており、
図3のように、平面方向において開口領域γ(境界線P3の内側領域)から外側に離れた位置に配置されている。そして、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dのいずれも、上下方向と直交する横方向(水平方向)及び横方向に対して傾斜した斜め横方向に照明光が照射されるように開口領域γに近づく側に照明光を照射する構成となっている。
【0037】
また、上下方向において照明光源21と読取口5の間の位置には、少なくとも照明光源21からの照明光の照射側において照明光源21の位置から平面方向に沿って読取口5側(第2視野範囲AR2側)に延びる構成の遮光部が配置されている。そして、これら遮光部により、各照明光源21から斜め上方側に向かおうとする照明光が遮られる構成となっている。これにより、各照明光源21からの光の多くは、水平方向及び斜め下方向に照射されることになる。このように構成されているため、各照明光源21からの光が直接使用者の目に入り込みにくく、且つ各照明光源21からの光を後述する導光部材50に効率的に当てやすくなる。
【0038】
そして、これらの照明光源21による照明光の照射先には、導光部材50が配置されている。
図10で例示されるように、導光部材50は、読取口5の開口領域γ(
図10に示す境界線P3の内側領域)において、視野範囲の中心部P1を通る照明光の照度よりも、視野範囲内の周縁部寄りに定められた所定の高照度領域βを通る照明光の照度のほうが大きくなるように照明光を導く構成となっている。なお、
図4、
図10の例では、プレート7の上面の位置において読取口5の内縁部によって囲まれる領域(プレート7の上面において読取口5から露出する領域)が開口領域γに相当している。そして、
図10の例では、この開口領域γにおいて視野範囲の周縁部に沿った環状領域が高照度領域βとなっており、この高照度領域βをハッチングで概念的に示している。
【0039】
導光部材50は、照明光源21からの照明光を反射する複数の反射部51,52,53,54を備えている。これら反射部51,52,53,54はいずれも、第2視野範囲AR2側の面が、照明光源21からの照明光を反射する反射面として構成されている。そして、各反射部51,52,53,54の各反射面はいずれも、上下方向と直交する平面方向において、読取口5の開口領域γにおける視野範囲の中心部P1の位置(即ち、プレート7と光軸L2が交わる位置)に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。なお、反射部51,52,53,54は、例えば、遮光性の部材によって構成されており、反射部51,52,53,54のいずれも、第2視野範囲AR2側の外面(即ち照明光を反射する反射面)が所定色(例えば、白色等の明色)であり、いずれも第2視野範囲AR2側の外面に入射する光を拡散反射させる構成となっている。そして、導光部材50全体が、視野範囲の外側において、第2視野範囲AR2に沿って配置されており、下方位置となるにつれて孔の大きさ(開口領域)が狭くなるすり鉢状の構造となっている。このように、導光部材50は、第2視野範囲AR2の外側において第2視野範囲AR2を囲む構成で環状に配置されており、且つ上端部50aが読取口5の内縁部に近接して配置されている。導光部材50の上端部50aは、第2視野範囲AR2を囲む環状の端部構造となっており、このように環状に構成される上端部50aのいずれも、読取口5の内縁部の直下近傍に位置し、上端部50aのいずれの位置も、開口領域γの中心部よりも周縁部のほうが近くなっている。また、上端部50aのいずれの位置も、開口領域γでの視野範囲αの中心部P1よりも周縁部(境界線P2付近)のほうが近くなっている。
【0040】
なお、
図3では、一方の第1反射部54の領域を二点鎖線J11で概念的に示し、他方の第1反射部53の領域を二点鎖線J12で概念的に示している。また、一方の第2反射部51の領域を二点鎖線J21で示し、他方の第2反射部52の領域を二点鎖線J22で示している。また、
図10では、第1光源21aからの照明光の照射エリアを太線の破線で概念的に示しており、第1光源21bからの照明光の照射エリアを太線の実線で概念的に示しており、第2光源21cからの照明光の照射エリアを太線の二点鎖線で概念的に示しており、第2光源21dからの照明光の照射エリアを太線の一点鎖線で概念的に示している。
【0041】
このように、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dから照射された照明光は、すり鉢状に構成された導光部材50の壁面(第1反射部53,54及び第2反射部51,52の第2視野範囲AR2側の外面)に照射されるため、
図10のように平面視したときに、第1反射部53,54及び第2反射部51,52が全体的に明るく光ることになる。更に、
図4、
図5、
図7のように、第1反射部53,54及び第2反射部51,52はいずれも、平面方向において視野範囲AR2の中心(光軸L2)側が下位置となる構成であり、光軸L2から遠い側が上位置となる構成となっている。このため、読取口5の開口領域γ(プレート7の上面において読取口5から露出する領域)において、この領域γ内の視野範囲α(
図10において境界線P2に囲まれる領域)では、周縁部付近(境界線P2付近)に近い導光部材50の上端部50a付近(第1反射部53,54及び第2反射部51,52の上端部付近)からの反射光がその周縁部付近(境界線P2付近)に届きやすくなる。よって、開口領域γ内の視野範囲α(
図10において境界線P2に囲まれる領域)では、当該視野範囲αの周縁部付近(境界線P2付近)の照度が当該視野範囲αの中心部P1付近の照度と比較して相対的に高くなる。一方、開口領域γにおける視野範囲αの中心部P1は、周縁部付近(境界線P2付近)と比較して第1反射部53,54及び第2反射部51,52からの距離が遠いため、第1反射部53,54及び第2反射部51,52で反射した照明光は、開口領域γにおいて視野範囲αの周縁部よりも中心部P1に届きにくくなる。よって、開口領域γ内の視野範囲α(
図10において境界線P2に囲まれる領域)では、中心部P1付近の照度が周縁部付近(境界線P2付近)の照度と比較して相対的に低くなる。なお、
図10では、開口領域γにおいて視野範囲αの中心部P1付近の照度よりも照度が高くなる高照度領域βをハッチング領域として概念的に示している。開口領域γでは、このように高照度領域βが構成されるため、開口領域γにおいてプレート7の上面に密着するように物体を配置した場合、この物体では、高照度領域βの位置の照度が相対的に大きく、中心部P1付近の照度が相対的に小さくなり、高照度領域βが中心部P1付近よりも相対的に明るくなる。
【0042】
次に、アタッチメント60の詳細構成について、
図11~
図14を参照して詳述する。
図11~
図14に示すように、アタッチメント60は、例えばABS樹脂等の樹脂材料によって構成されるもので、情報読取装置1に組み付けられる基部70と、パスポート100が載置される載置部80と、この載置部80を基部70に対して支持する4つの支持部材91~94とを一体にして備えている。
【0043】
基部70は、載置面Fに載置される部位であって、ケース3の側壁部3cのうち前後方向両側に配置される一対の側壁に対してそれぞれ対向するように接触する側壁71および側壁72を備えている。側壁71および側壁72は、載置面Fからの高さが読取口5の高さとほぼ等しくなるように形成されている。また、側壁71および側壁72は、端部に形成される湾曲部にて側壁部3cの隅部に対して嵌合するように形成されている。
【0044】
載置部80は、一対の梁部81,82と、梁部81の一端側81aと梁部82の一端側82aとを連結する連結部83とを備えている。梁部81および梁部82は、一端側81aと一端側82aとの対向距離(
図12のW2参照)がパスポート100の幅(
図2のW1参照)に対して僅かに大きくなるように離れた状態で、連結部83とともに支持部材91,92により下方から支持されるように側壁71に連結されている。また、梁部81および梁部82は、他端側81bおよび他端側82bにて、支持部材93,94により下方から支持されるように側壁72に連結されている。
【0045】
梁部81の他端側81bには、載置されたパスポート100に対して位置決め手段として機能する位置決め部81cが設けられている。この位置決め部81cには、パスポート100の文字情報102側の外縁(以下、一縁101aともいう)が接触する接触面81dと、梁部81側の外縁(以下、側縁101bともいう)近傍の表示面101を下方から支持する支持面81eとが形成されている。また、梁部82の他端側82bには、載置されたパスポート100に対して位置決め手段として機能する位置決め部82cが設けられている。この位置決め部82cには、パスポート100の一縁101aが接触する接触面82dと、梁部82側の外縁(以下、側縁101cともいう)近傍の表示面101を下方から支持する支持面82eとが形成されている。
【0046】
接触面81dおよび接触面82dは、一縁101aにて接触するパスポート100の文字情報102が情報読取装置1の読取口5の中央に対向するように形成されている。また、支持面81eおよび支持面82eは、
図14に示すように、載置面Fからの高さが連結部83と等しくなるように形成されている。
【0047】
連結部83は、情報読取装置1の撮像エリア(第2視野範囲AR2)内に入り込まない位置にて梁部81の一端側81aと梁部82の一端側82aとを連結するように配置されている。
【0048】
各支持部材91~94の高さは、載置部80に載置されたパスポート100の文字情報102が、情報読取装置1の撮像エリア(第2視野範囲AR2)内にて撮像可能に位置するように設定されている。各支持部材91~94の高さは、例えば、載置部80に載置されたパスポート100と読取口5との距離が30mm程度となるように設定されている。
【0049】
このように構成されるアタッチメント60は、基部70における側壁71および側壁72の湾曲部にてケース3における側壁部3cの隅部に係合するように上方から組み付けることで、情報読取装置1に装着される(
図1参照)。その際、ケース3の側壁部3cのうち幅方向両側に配置される一対の側壁の中央側には基部70が接触しないので、この幅方向両側の側壁の中央側に設けられるケーブルやスピーカ口のような開口(図示略)等が基部70により覆われることもない。
【0050】
また、基部70の側壁71および側壁72は、載置面Fからの高さが読取口5の高さとほぼ等しくなるように形成されているので、載置部80を利用することなく情報コードなどが表示された表示媒体を読取口5にかざす場合でも、表示媒体を側壁71の上端面や側壁72の上端面を利用して読取口5に接触させるようにかざすことができる。すなわち、側壁71および側壁72を、表示媒体をかざす際のガイドとして機能させることができる。
【0051】
次に、上述のようにアタッチメント60が取り付けられた情報読取装置1に対してパスポート100の文字情報102を読み取らせる場合について、
図15および
図16を参照して説明する。
図15および
図16に示すように、パスポート100の一縁101aが梁部81の接触面81dと梁部82の接触面82dとに接触し、パスポート100の表示面101が梁部81の支持面81eおよび梁部82の支持面82eと連結部83とにより下方から支持されるように、パスポート100を載置部80に載置する。
【0052】
これにより、載置部80に載置されたパスポート100の文字情報102が、情報読取装置1の撮像エリア内に位置し、かつ、読取口5の中央に対向する。すなわち、文字情報102の中心が第2視野範囲AR2の光軸L2にほぼ一致する。これにより、撮像部23の受光面23aに文字情報102の像が結像され、撮像された表示情報が文字情報102であることから、この文字情報102が上記OCR技術を用いて認識される。
【0053】
以上説明したように、本実施形態に係るアタッチメント60では、情報読取装置1の上面に形成される読取口5に対して文字情報102を撮像可能にパスポート100を載置するための載置部80が設けられている。これにより、文字情報102を撮像可能な所定の距離に応じて載置部80に載置されたパスポート100と読取口5とを離すことができるので、上面に形成される読取口5に対して文字情報102を撮像可能な状態でパスポート100を容易に載置することができる。
【0054】
さらに、載置部80には、当該載置部80に載置されたパスポート100を読取口5に対して位置決めするための位置決め部81c,82cが形成される。これにより、位置決め部81c,82cにて位置決めされるようにパスポート100を載置部80に載置することで、読取口5に対する文字情報102の相対位置がばらつきにくくなるので、パスポート100が容易に載置可能になるだけでなく、パスポート100の文字情報102に関する読取性能を向上させることができる。
【0055】
特に、位置決め部81cの接触面81dおよび位置決め部82cの接触面82dは、位置決めされたパスポート100の文字情報102が読取口5の中央に対向するように形成されるので、文字情報102が読取可能に撮像されやすくなり、パスポート100の文字情報102に関する読取性能をさらに向上させることができる。
【0056】
そして、情報コードのように表示情報を読取口5に接触させた状態で読み取る表示媒体が読取対象である場合には、アタッチメント60を情報読取装置1から取り外すことで対応できる。これにより、表示情報(例えば、情報コード)を読取口5に接触させた状態で読み取る表示媒体と文字情報102を読取口5から上記所定の距離だけ離した状態で読み取るパスポート100との双方を読取対象とする情報読取装置1を容易に実現することができる。
【0057】
なお、文字情報102だけでなく顔写真等も撮像する必要があれば、位置決め部81cの接触面81dおよび位置決め部82cの接触面82dは、位置決めされたパスポート100の文字情報102や顔写真等が情報読取装置1の撮像エリア(第2視野範囲AR2)内にて撮像可能に位置するように形成される。これにより、位置決めされたパスポート100の文字情報102や顔写真等を好適に撮像することができる。
【0058】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るアタッチメントについて、
図17~
図24を参照して説明する。
本第2実施形態に係るアタッチメント60aは、パスポート100を挟持可能に形成される点が、上記第1実施形態に係るアタッチメントと異なる。したがって、第1実施形態のアタッチメントと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0059】
図17に示すように、本実施形態に係るアタッチメント60aは、上述したアタッチメント60と同様に、文字情報102を撮像する際にパスポート100を載置するための載置台として機能する情報読取装置用アタッチメントであり、情報読取装置1に対して着脱可能に形成されている。
【0060】
図18~
図22に示すように、本実施形態に係るアタッチメント60aは、上述したアタッチメント60に対して、載置部80に代えて載置部80aを採用するように構成されている。載置部80aは、一対の梁部84,85を備えており、梁部84の一端側84aと梁部85の一端側85aとが支持部材91,92により下方から支持されるように側壁71に連結され、梁部84の他端側84bと梁部85の他端側85bとが支持部材93,94により下方から支持されるように側壁72に連結されている。
【0061】
梁部84の一端側84aには、載置されたパスポート100に対して側縁101b近傍の表示面101を下方から支持する下側挟持面84cと、この下側挟持面84cの外側に連なる案内面84dとが形成されている。案内面84dは、パスポート100を下側挟持面84cに案内するための面であって、
図22に示すように、内側の下側挟持面84cに向けて滑らかに傾斜するように形成されている。梁部84の他端側84bには、載置されたパスポート100の側縁101b近傍に対して上方から接触する上側挟持面84eと、この上側挟持面84eとともに位置決め手段を構成する接触面84fとが形成されている。
【0062】
図21に示すように、上側挟持面84eは、下側挟持面84c側の端部が下側挟持面84cの端部を上方から覆うように延出している。下側挟持面84cおよび上側挟持面84eは、パスポート100の側縁101bを挟持する一方の挟持部86aとして構成されるもので、その隙間S(
図22参照)は、載置時のパスポート100の厚さよりも僅かに大きくなるように設定されている。
【0063】
また、梁部85の一端側85aには、載置されたパスポート100に対して側縁101c近傍の表示面101を下方から支持する下側挟持面85cと、この下側挟持面85cの外側に連なる案内面85dとが形成されている。案内面85dは、パスポート100を下側挟持面85cに案内するための面であって、内側の下側挟持面85cに向けて滑らかに傾斜するように形成されている。梁部85の他端側85bには、載置されたパスポート100の側縁101c近傍に対して上方から接触する上側挟持面85eと、この上側挟持面85eとともに位置決め手段を構成する接触面85fとが形成されている。
【0064】
上側挟持面85eは、下側挟持面85c側の端部が下側挟持面85cの端部を上方から覆うように延出している。下側挟持面85cおよび上側挟持面85eは、パスポート100の側縁101cを挟持する他方の挟持部86bとして構成されるもので、その隙間は、載置時のパスポート100の厚さよりも僅かに大きくなるように設定されている。
【0065】
梁部84の接触面84fと梁部85の接触面85fとは、一縁101aにて接触するパスポート100の文字情報102が情報読取装置1の読取口5の中央に対向するように形成されている。
【0066】
各支持部材91~94の高さは、一方の挟持部86aおよび他方の挟持部86bにより挟持されるように載置されたパスポート100の文字情報102が、情報読取装置1の撮像エリア(第2視野範囲AR2)内にて撮像可能に位置するように設定されている。
【0067】
このように構成されるアタッチメント60aは、基部70における側壁71および側壁72の湾曲部にてケース3における側壁部3cの隅部に係合するように上方から組み付けることで、情報読取装置1に装着される(
図17参照)。このようにアタッチメント60aが取り付けられた情報読取装置1に対してパスポート100の文字情報102を読み取らせる場合について、
図23および
図24を参照して説明する。
【0068】
まず、パスポート100を、その側縁101b,101c近傍の下面にて下側挟持面84cと下側挟持面85cとに対して上方から接触させる。その際、パスポート100は、案内面84dおよび案内面85dにより下側挟持面84c,85c上に案内されることとなる。この状態で、パスポート100を、その一縁101aが梁部84の接触面84fおよび梁部85の接触面85fに接触するまで押し込む。これにより、パスポート100は、
図23および
図24に示すように、載置部80aに対して、その側縁101bが一方の挟持部86aにより挟持されるとともに側縁101cが他方の挟持部86bにより挟持されるように載置される。
【0069】
これにより、載置部80aに載置されたパスポート100の文字情報102が、情報読取装置1の撮像エリア内に位置し、かつ、読取口5の中央に対向する。すなわち、文字情報102の中心が第2視野範囲AR2の光軸L2にほぼ一致する。これにより、撮像部23の受光面23aに文字情報102の像が結像され、撮像された表示情報が文字情報102であることから、この文字情報102が上記OCR技術を用いて認識される。
【0070】
以上説明したように、本実施形態に係るアタッチメント60では、載置部80aには、パスポート100の側縁101b,101cを上下方向から挟持する一方の挟持部86aおよび他方の挟持部86bが形成されるため、これら挟持部86a,86bにより挟持された状態でパスポート100が載置部80aに載置されることで、パスポート100を載置部80aに対して安定して載置することができる。
【0071】
特に、載置部80aの梁部84および梁部85には、パスポート100を一方の挟持部86aの下側挟持面84cや他方の挟持部86bの下側挟持面85cに案内する案内面84dおよび案内面85dが形成されるため、挟持部86a,86bに対してパスポート100を容易に挟持させることができる。
【0072】
なお、文字情報102だけでなく顔写真等も撮像する必要があれば、接触面84fおよび接触面85fは、位置決めされたパスポート100の文字情報102や顔写真等が情報読取装置1の撮像エリア(第2視野範囲AR2)内にて撮像可能に位置するように形成される。これにより、位置決めされたパスポート100の文字情報102や顔写真等を好適に撮像することができる。
【0073】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るアタッチメントについて、
図25を参照して説明する。
本第3実施形態に係るアタッチメント60bは、読取口5付近での光量のばらつきや光量不足を抑制するための反射部材95が設けられる点が、上記第1実施形態に係るアタッチメントと異なる。したがって、第1実施形態のアタッチメントと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0074】
図25に示すように、本実施形態に係るアタッチメント60bは、上述したアタッチメント60に対して反射部材95が追加されるように構成されている。この反射部材95は例えばミラーとして構成され、各支持部材91~94の内側面であって、周囲から入射する光を読取口5に向けて反射するように配置されている。
【0075】
これにより、上方に載置されたパスポート100により読取口5の上方が覆われる場合でも、反射部材95により周囲の光が読取口5に向けて反射されるため、読取口5付近での光量のばらつきや光量不足が抑制されやすくなる。このため、パスポート100により読取口5の上方が覆われることに起因する読取性能の低下を抑制することができる。
【0076】
なお、反射部材95は、各支持部材91~94の内側面に設けられることに限らず、例えば、載置部80の内側面に設けられてもよいし、各支持部材91~94と載置部80との双方の内側面に設けられてもよい。
【0077】
また、上述したアタッチメント60aに対して載置部80aおよび各支持部材91~94の内側面の少なくとも一部に反射部材95が設けられても、上記効果を奏する。
【0078】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る情報読取装置について、
図26および
図27を参照して説明する。
本第4実施形態に係る情報読取装置は、アタッチメントが組み付けられたことが検出されると所定の処理が行われる点が、上記第1実施形態に係る情報読取装置と異なる。したがって、第1実施形態の情報読取装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0079】
本実施形態に係る情報読取装置1は、制御手段として機能する制御回路40により、バーコードやQRコード等の情報コードを光学的に読み取るためのアルゴリズムが動作する第1モードと、上記情報コードの読み取りに加えてOCR技術を用いて文字情報等を認識するためのアルゴリズムが動作する第2モードとを、アタッチメントの組み付けの有無に応じて切り替えるように構成されている。ここで、OCR技術を用いて文字情報等を認識するための処理は、アタッチメントが組み付けられたことが検出されることで制御回路40により行われる「所定の処理」に相当し、第1モードの情報読取装置1では行うことができない処理である。
【0080】
特に、本実施形態では、上述した第1モードと第2モードとを切り替えるために、特定のパターンが用意されている。この特定のパターンが撮像部23によって撮像可能な状態である場合に上記第2モードに切り替えられ、上記特定のパターンが撮像部23によって撮像可能な状態でない場合に上記第1モードに切り替えられる。
【0081】
このため、本実施形態では、アタッチメントの表面のうち情報読取装置1に組み付けられた状態にて撮像部23により撮像される面に、上記特定のパターンが表示されている。具体的には、例えば、
図26に例示するように、アタッチメント60の載置部80における連結部83の下面は、情報読取装置1に組み付けられた状態にて読取口5に対向する対向面であって撮像部23により撮像される面であり、この下面には、連結部83の内縁83bよりも外側に特定のパターン87が貼り付けにより表示されている。この特定のパターン87は、白色のパターンと黒色のパターンとが一定の方向に沿い交互に配置されて形成されている。
【0082】
このため、
図26に示すアタッチメント60が情報読取装置1に組み付けられた状態で撮像部23を動作させると、
図27に示す撮像画像Tにおいて、常に、特定のパターン87が連結部83の一部とともに特定の位置(
図7の領域T1参照)に位置するように撮像される。なお、
図27や後述する
図29,
図30では、便宜上、連結部83の下面を簡素に図示し、連結部83を除くアタッチメント60の図示を省略している。
【0083】
そこで、本実施形態では、撮像部23により撮像される撮像画像について制御回路40による画像解析がなされて、
図27に示すように特定のパターン87が撮像されていると判断されると、アタッチメント60の組み付けが検出されて、上記第2モードに切り替えられる。一方、撮像部23により撮像される撮像画像に特定のパターン87が含まれていないと、アタッチメント60が組み付けられていないと判断されて、上記第2モードに切り替えられることなく上記第1モードが維持され、OCR機能が実施不可能となる。
【0084】
以上説明したように、本実施形態に係る情報読取装置1では、アタッチメントが組み付けられたことが検出されると、制御回路40により第2モードに切り替えられてOCR技術を用いて文字情報等を認識するための処理(所定の処理)が行われる。これにより、アタッチメントが情報読取装置1に組み付けられない限り上記所定の処理が行われることもないで、アタッチメントの組み付けの有無に応じて情報読取装置1の機能を制限することができる。
【0085】
特に、アタッチメント60に表示される特定のパターン87が撮像部23により撮像されることで、アタッチメント60の組み付けが検出される。これにより、パスポートや情報コード等の表示媒体を撮像するために必要な撮像部23を用いてアタッチメント60の組み付けが検出されるので、アタッチメント60の組み付けを検出するための専用部品が不要となり、情報読取装置1の部品点数の削減および製造コスト低減を図ることができる。
【0086】
なお、特定のパターン87は、アタッチメント60に表示されることに限らず、上述したアタッチメント60aやアタッチメント60b等、他のアタッチメントにも表示することができる。このようにしても、情報読取装置1へのアタッチメントの組み付け時にこのアタッチメントに表示された特定のパターン87が撮像部23により撮像されることで、当該アタッチメントの組み付けを検出することができる。例えば、
図28に例示するように、アタッチメント60aの載置部80における梁部84の下面に特定のパターン87が表示され、この特定のパターン87が撮像されることでも、アタッチメント60aの組み付けを検出することができる。
【0087】
なお、アタッチメントが組み付けられたことが検出されることで所定の処理を行う本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態にも適用することができる。
【0088】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る情報読取装置について、
図29を参照して説明する。
本第5実施形態に係る情報読取装置は、アタッチメントの組み付けの検出によって行われる所定の処理が特定のパターンの種別に応じて複数種類用意される点が、上記第4実施形態に係る情報読取装置と異なる。したがって、第4実施形態の情報読取装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0089】
本実施形態では、複数種類の特定のパターンとして、
図29に例示するように、3種類の特定のパターン87,87a,87bが用意されている。ここで、特定のパターン87aは、白色の中心円の外側に黒色のリング、白色のリング、黒色のリングが同心円状に配置するように形成されている。また、特定のパターン87bは、黒色の正方形の外側に白色の矩形状リング、黒色の矩形状リングが同心状に配置するように形成されている。
【0090】
そして、撮像部23により撮像される撮像画像Tのうち連結部83の下面の少なくとも一部に相当する特定の領域T2(
図29参照)にて検出される特定のパターンの種類に応じて制御回路40により所定のアルゴリズムが動作する。具体的には、本実施形態では、特定のパターン87が検出されると、OCR技術を用いて文字情報等を認識するためのアルゴリズムが動作する。また、特定のパターン87aが検出されると、バーコード等の一次元コードを光学的に読み取るためのアルゴリズムが動作し、特定のパターン87bが検出されると、QRコード等の二次元コードを光学的に読み取るためのアルゴリズムが動作する。
【0091】
このため、本実施形態では、例えば、特定のパターン87,87a,87bが全て撮像部23により撮像されて上記特定の領域T2内にて検出されることで、情報読取装置1は、一次元コードおよび二次元コードを読み取る機能とOCR機能とが実施可能となる。これに対して、例えば、特定のパターン87a,87bが撮像部23により撮像されて上記特定の領域T2内にて検出され特定のパターン87が検出されない場合には、情報読取装置1は、一次元コードおよび二次元コードを読み取る機能が実施可能となる一方で、OCR機能が実施不可能となる。
【0092】
以上説明したように、本実施形態に係る情報読取装置1では、アタッチメントの組み付けの検出によって行われる所定の処理は、撮像部23により撮像された特定のパターンの種類ごとに異なるため、アタッチメントを組み付けることで実施可能となる所定の処理を複数種類用意することができる。
【0093】
特に、撮像部23により撮像された撮像画像Tのうち特定の領域T2に含まれる1または2以上の特定のパターンについて所定の処理が行われるので、撮像画像Tのうち上記特定の領域T2と異なる領域に含まれる特定のパターンについては対応する所定の処理がなされることもない。これにより、意図しない特定のパターンに対応して不要な所定の処理が行われることを防止することができる。
【0094】
上記第5実施形態の変形例として、特定の領域T2内にて検出可能にアタッチメントに表示される特定のパターンは、所定のコード種別にて生成される一次元コードや二次元コード等の情報コードであってもよい。この場合、制御回路40にてなされる所定の処理は、撮像部23により特定のパターンとして撮像された情報コードと同じコード種別の情報コードのデコード処理とすることができる。
【0095】
例えば、
図30に例示するように、バーコードからなる特定のパターン87cとQRコードからなる特定のパターン87dが特定の領域T2内にて検出される場合には、撮像画像Tのうち特定の領域T2と異なる領域について、バーコードおよびQRコードを読み取る機能が実施可能となる。
【0096】
これにより、アタッチメントには、読み取りたいコード種別の情報コードを撮像部23にて撮像可能に表示するだけでよいので、アタッチメントに対して特定のパターンを容易に表示することができる。
【0097】
なお、アタッチメントの組み付けの検出によって行われる所定の処理が特定のパターンの種別に応じて複数種類用意される本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態にも適用することができる。
【0098】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る情報読取装置について、
図31~
図33を参照して説明する。
本第6実施形態に係る情報読取装置は、偽造防止機能を有するように特定のパターンが形成される点が、上記第4実施形態に係る情報読取装置と異なる。したがって、第4実施形態の情報読取装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0099】
本実施形態に係る情報読取装置1の利用方法として、同じ情報読取装置1を利用する者でも、限定された会員等のみに所定の処理の実施を許可し、他の者では当該所定の処理の実施を許可しないようにすることができる。しかしながら、上述したように特定のパターンを撮像部23にて撮像することで所定の処理の実施を許可する構成では、偽造された特定のパターンを撮像部23にて撮像することで、上記他の者でも当該所定の処理が実施されてしまう虞がある。
【0100】
そこで、本実施形態では、上記所定の処理に関する不正使用を防止するため、アタッチメントに表示する特定のパターンを、明色系パターンおよび暗色系パターンの二色のパターンから構成してそのコントラストが低くなるように生成する。具体的には、例えば、
図31に例示する特定のパターン88のように、明色系パターン89aと暗色系パターン89bとを一定の方向に沿い交互に配置し、これら明色系パターン89aおよび暗色系パターン89bのコントラストが低くなるように生成する。
【0101】
そして、撮像部23により撮像された撮像画像における特定のパターンの輝度値に関する信号とノイズとの比であるS/N比が所定の閾値以下であると、制御回路40による上記所定の処理の実施を許可し、S/N比が上記所定の閾値を超えるパターンを撮像しても、上記所定の処理の実施を許可しない。ここで、上記所定の閾値は、本実施形態では、特定のパターン88等、アタッチメントに表示される特定のパターンを撮像した際の撮像画像における輝度値に関するS/N比として想定される値よりもわずかに大きな値に設定されている。
【0102】
これにより、特定のパターン88に相当する特定のパターンを撮像部23により撮像した撮像画像では、
図32に例示するように、輝度値に関するS/N比が比較的低くなり、このS/N比が上記所定の閾値以下となることで、制御回路40による上記所定の処理の実施が許可される。一方、特定のパターン88に相当する特定のパターンを単にコピー(複写)して偽造したパターンでは、コントラストが低いことからその特定のパターンと同じようなコントラストに調整することが困難でありその特定のパターンが表示されてアタッチメントに貼り付けられている用紙の紙質も影響して、撮像画像から認識されるパターンが変化してしまう。この場合には、
図33に例示するように、偽造パターンを撮像した撮像画像では輝度値に関するS/N比が、低コントラストの正規のパターンに対して比較的高くなる。このため、同じ情報読取装置1を利用する場合でも、制御回路40により上記所定の処理が行われることもない。これにより、特定のパターンに偽造防止機能をもたせることができ、偽造された特定のパターンを利用した上記所定の処理の不正使用を防止することができる。
【0103】
なお、偽造防止機能を有するように特定のパターンが形成される本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態にも適用することができる。
【0104】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態に係るアタッチメントについて、
図34~
図37を参照して説明する。
本第7実施形態に係るアタッチメント60dは、載置部80に対して透明部62を有するプレート61を組み付けて構成される点が、上記第1実施形態に係るアタッチメントと異なる。したがって、第1実施形態のアタッチメントと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0105】
本発明が読取対象とする表示媒体は、変形しにくい規定形状のパスポートに限らず、稀に、例えば、表示情報を表示した表示面が柔らかい紙面や規定形状と異なる面から形成される場合がある。このように形成される表示媒体では、上記表示面が読取口5に対して対向するように載置部80に載置されにくく、そのために表示情報の読み取りが失敗してしまう場合がある。
【0106】
例えば、硬い表表紙や裏表紙に挟まれる比較的柔らかい用紙の表示面111に表示情報が表示されるパスポート110を読み取る場合、
図37に例示するように、載置部80への載置時に表示面111の先端側が支持面81eや支持面82eに支えられていないと、表示面111が下方に曲がってしまい、表示情報が上手く撮像できないという問題がある。また、例えば、表表紙や裏表紙が規定形状であっても表示情報が表示される表示面が規定形状よりも小さくなっているパスポートを読み取る場合にも、載置部80への載置時に表示面の先端側が支持面81eや支持面82eに支えられずに下方に曲がってしまい、表示情報が上手く撮像できないという問題がある。なお、
図37では、便宜上、情報読取装置1の図示を省略し、パスポート110に関して表示面111が形成される用紙を除く一部の表紙等を省略している。
【0107】
そこで、本実施形態に係るアタッチメント60dは、
図34および
図35に示すように、上述した載置部80に対してプレート61が新たに組み付けられるように構成されている。このプレート61は、梁部81の一端側81aと梁部82の一端側82aとの間にて支持面81eおよび支持面82eの上面と連結部83の上面とに接着等されて固定されている。これにより、プレート61は、その上面にて読取口5の中央に対向させたパスポート100の表示面101を下方から平面的に支えるように機能する。
【0108】
プレート61は、合成樹脂等からなる透明の平板状部材に対してその上面の一部をフィルム等により被覆することで透明部62と遮光部63とを有するように形成されている。上記被覆部分は、連結部83の上方の位置する第1被覆部分64aと、接触面81d,82d側の帯状の第2被覆部分64bとにより形成され、第1被覆部分64aと第2被覆部分64bとの間には長方形状の透明部分が形成される。このため、プレート61は、上記被覆部分64a,64bにて覆われていない部分、すなわち、文字情報102と読取口5との間に介在する部分が透明部62として構成され、上記被覆部分64a,64bにて覆われる部分、すなわち、透明部62を除く部分が遮光部63として構成される。
【0109】
また、第1被覆部分64aには、
図35に示すように、表示媒体の配置方法を容易に認識させるため、パスポート100をプレート61上に配置する際の配置方法を図示化した情報65等を表示することができる。なお、
図34では、便宜上、上記情報65の図示を省略している。また、
図34および
図35では、便宜上、透明部62を介して視認される部分を二点鎖線にて図示している。
【0110】
次に、上述のようにアタッチメント60dが取り付けられた情報読取装置1に対してパスポート100の文字情報102を読み取らせる場合について、
図36を参照して説明する。なお、
図36では、便宜上、情報読取装置1の図示を省略している。
【0111】
図36に示すように、パスポート100の一縁101aが梁部81の接触面81dと梁部82の接触面82dとに接触し、パスポート100の表示面101がプレート61の上面により下方から支持されるように、パスポート100を載置部80に載置する。このとき、表示面101はその全面にてプレート61の上面に接触しているので、パスポート100を上方から押さえることで、表示面101をプレート61の上面に押し付けることができる。
【0112】
このような押し付け状態では、載置部80に載置されたパスポート100の文字情報102が、情報読取装置1の透明部62を介した撮像エリア内に位置し、かつ、読取口5の中央に対向する。このような状態にて、撮像部23の受光面23aに文字情報102の像が結像され、撮像された表示情報が文字情報102であることから、この文字情報102が上記OCR技術を用いて認識される。
【0113】
以上説明したように、本実施形態に係るアタッチメント60dでは、載置部80に対して組み付けられて、パスポート100の少なくとも一部を下方から支えるプレート61が設けられている。そして、プレート61は、文字情報102と読取口5との間に介在する部分が透明部62として構成される。
【0114】
これにより、文字情報102が表示されるパスポート100の表示面101をプレート61に押し付けた状態でも透明部62を介して文字情報102を撮像できるため、表示情報を表示した表示面が柔らかい紙面や規定形状と異なる面等から形成される表示媒体であっても載置部80に安定して載置しやすくなるので、読み取りに関する作業性を向上させることができる。
【0115】
また、プレート61は、文字情報102と読取口5との間に介在する部分が透明部62として構成され、当該透明部62を除く部分が遮光部63として構成される。このように遮光部63があることから、この遮光部63を除く透明部62が表示情報を撮像するための撮像エリアとして認識されやすくなる。このため、プレート全体が透明部として構成される場合と比較して、読取口5に対して表示情報を撮像可能に向けやすくなり、読み取りに関する作業性をさらに向上させることができる。
【0116】
なお、プレート61は、上述した被覆部分64a,64bにより透明部62および遮光部63を有するように構成されることに限らず、載置部80の形状等に応じて、全て透明部として構成される場合を含めて少なくとも表示情報と読取口5との間に介在する部分が透明部として構成されてもよい。また、透明部62は、その表面が被覆部分64a,64bにより長方形状に形成されることに限らず、例えば、楕円形状等、撮像エリアとして認識されやすい形状に形成されてもよい。また、プレート61を載置部に組み付ける本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態にも適用することができる。
【0117】
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態に係るアタッチメントについて、
図38を参照して説明する。
本第8実施形態に係るアタッチメント60eは、組み付けられた情報読取装置1の読取口5の周囲を覆うように形成される点が、上記第1実施形態に係るアタッチメント60と異なる。したがって、第1実施形態のアタッチメントと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0118】
例えば、直上のスポット光源からの照射光など、強い外来光が情報読取装置1の読取口5に入射する可能性が有る環境等では、この外来光のために表示情報が読み取り容易に撮像できない場合がある。レンズ内部で外来光が反射等して、撮像した表示情報に対してともに撮像した外来光のためにかすれ等が生じるためである。
【0119】
そこで、本実施形態に係るアタッチメント60eは、
図38に示すように、載置部80cに載置された表示媒体(パスポート100)とにより読取口5を覆うための壁部200を備えるように構成されている。この壁部200は、位置決め部81cを有する梁部81および位置決め部82cを有する梁部82や連結部83を備えるように構成される載置部80cと一体であって、上壁201と周壁202とを備えるように形成されている。
【0120】
上壁201は、梁部81の他端側と梁部82の他端側とを連結することで、連結部83との間に開口203を構成するように形成されている。周壁202は、基部70および支持部材91~94の機能を兼ね備えるもので、載置部80cと読取口5との間を環状にて覆うように形成されている。これにより、アタッチメント60eを情報読取装置1に組み付けた状態では、開口203を除き、外来光が読取口5に入射し難くなる。
【0121】
このように構成されるアタッチメント60eを情報読取装置1に組み付けた状態で載置部80cにパスポート100を載置すると、パスポート100により開口203が覆われるため、このパスポート100および載置部80cや壁部200により読取口5が閉塞される閉塞空間が形成される。このため、強い外来光であっても読取口5に入射し難くなるので、パスポート100の文字情報(表示情報)102の撮像に関して外来光の影響を抑制することができる。
【0122】
本実施形態の変形例として、壁部200は、少なくとも一部が、透過部材204として、透過する光を拡散する拡散透過部材または透過する光を減衰する減衰透過部材により形成されてもよい。ここで、上記拡散透過部材は、例えば、透明部材の表面に微細な凹凸処理を施すことで形成することができる。また、上記減衰透過部材としては、例えば、特定の色の光を透過するカラーフィルターを採用することができる。これにより、拡散透過部材または減衰透過部材を設ける位置に応じて、上記閉塞空間内において撮像部23による視野範囲内を明るくする、もしくは視野範囲内の明るさを均一に近づけやすくなるので、強い外来光の影響を抑制しつつ、拡散透過部材または減衰透過部材を透過する外来光を表示情報に対する照明として利用しやすくすることができる。
【0123】
具体的には、壁部200は、撮像部23による視野範囲において照度不足が生じやすい領域に対して外来光を入射させるため、例えば、
図39の符号204にて例示するように、読取口5の短縁(前後方向に伸びる縁)側に位置する部位がそれぞれ拡散透過部材となるように形成することができる。撮像部23の視野範囲において、照度不足が生じやすい視野中心(光軸)から離れた視野範囲の外縁(長方形状となる視野範囲の長手方向両端の領域)は、読取口5の短縁側に位置するためである。これにより、視野範囲に対する照度を適切に調整することができ、表示情報を読み取り容易に撮像することができる。
【0124】
なお、壁部200や拡散透過部材または減衰透過部材を有するアタッチメントに関する本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態のアタッチメントにも適用することができる。
【0125】
[第9実施形態]
次に、本発明の第9実施形態に係る情報読取装置について、
図40~
図43を参照して説明する。
本第9実施形態に係る情報読取装置1aは、照明光源21と異なる補助光源を備える点が、上記第1実施形態に係る情報読取装置と異なる。したがって、第1実施形態の情報読取装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0126】
本実施形態に係る情報読取装置1aは、
図40および
図41に示すように、照明光源21だけでなく一対の補助光源22を備えるように構成されている。補助光源22は、制御回路40により制御されて、アタッチメント60の載置部80に載置されたパスポート(表示媒体)100の文字情報(表示情報)102に対して第2の照明光Lf2を照射するための光源として機能する。特に、補助光源22は、
図42に示すように、載置部80に載置されたパスポート100を撮像する際の撮像部23の長方形状の視野範囲ARaにおいて、照度不足が生じやすい視野中心(光軸)から離れた視野範囲の外縁(長方形状となる視野範囲の長手方向両端の領域)Saに対して第2の照明光Lf2を照射するようにそれぞれ読取口5の短縁側近傍に配置されている。なお、
図42では、便宜上、アタッチメント60の図示を省略している。
【0127】
ここで、補助光源22を設ける理由について、
図43を参照して説明する。なお、
図43では、二点鎖線X1-X1にて、読取口5近傍での照度分布(照明分布)を示し、二点鎖線X2a-X2aにて、載置部80近傍(二点鎖線X2-X2参照)における照明光源21のみによる照度分布を示し、二点鎖線X2b-X2bにて、載置部80近傍における補助光源22のみによる照度分布を示し、二点鎖線X2c-X2cにて、載置部80近傍における照明光源21および補助光源22による照度分布を示す。
【0128】
上述した情報読取装置1のように、視野範囲の中心部P1を通る照明光の照度よりも、視野範囲内の周縁部寄りに定められた所定の高照度領域βを通る照明光の照度のほうが大きくなるように照明光を導く照明光源21の構成(
図10参照)では、アタッチメント60が組み付けられていない状態で表示媒体が読取口5に直接かざされる場合に最適な照度分布となる(
図43の二点鎖線X1-X1参照)。すなわち、照明光源21は、アタッチメント60が組み付けられていない状態を基準に、読取口5にかざされる表示媒体の表示情報に対して第1の照明光Lf1を照射する主光源として機能する。
【0129】
一方、このような情報読取装置1の構成では、アタッチメント60の載置部80近傍(
図43の二点鎖線X2-X2参照)では、
図43の二点鎖線X2a-X2aに示すように、視野中心(光軸)から離れた視野範囲の外縁(
図42のSa参照)が暗くなり照度不足が生じてしまう。この照度不足は、読取口5近傍にて、視野範囲の中心部P1を通る照明光の照度と視野範囲内の周縁部寄りを通る照明光の照度とが等しくなるように照明光を導く従来の構成であっても、同様に生じる問題である。
【0130】
このように、載置部80近傍にて視野中心から離れた視野範囲の外縁(
図42のSa参照)で照度不足が生じると、その領域の表示情報を読み取り可能に撮像できない場合があり、この場合には、表示情報の読み取りが失敗してしまうという問題が生じる。
【0131】
このため、本実施形態では、
図43の二点鎖線X2b-X2bにて示すように、載置部80近傍にて視野中心から離れた視野範囲の外縁に対して第2の照明光Lf2を照射するように補助光源22を設ける。これにより、アタッチメント60の載置部80近傍では、第2の照明光Lf2により第1の照明光Lf1の照度不足部分が補われ、
図43の二点鎖線X2c-X2cに示すように、視野中心から離れた視野範囲の外縁での照度分布を改善して最適化することができる。
【0132】
以上説明したように、本実施形態に係る情報読取装置1aでは、アタッチメント60が組み付けられていない状態を基準に読取口5にかざされる表示媒体の表示情報に対して第1の照明光Lf1を照射する照明光源21と、載置部80に載置された表示媒体の表示情報に対して第2の照明光Lf2を照射する補助光源22と、が設けられている。これにより、アタッチメント60が組み付けられていない状態で表示媒体が読取口5にかざされる場合と、アタッチメント60が組み付けられた状態で載置部80に表示媒体が載置される場合とで、それぞれ照度分布を容易に最適化できるので、組み付けの有無にかかわらず表示情報を読み取り容易に撮像することができる。
【0133】
特に、補助光源22は、第2の照明光Lf2にて撮像部23による視野範囲の長手方向両端となる外縁を照射するように配置される。これにより、照度不足が生じやすい視野範囲の外縁に第2の照明光が照射されることで、視野範囲に対する照度を適切に調整することができ、表示情報を読み取り容易に撮像することができる。
【0134】
なお、補助光源22は、第2の照明光Lf2にて、撮像部23による視野範囲の長手方向両端となる外縁を照射するように配置されることに限らず、外来光等の環境を考慮して、撮像部23による視野範囲の外縁の少なくとも一部を照射するように配置されてもよい。また、補助光源22は、第2の照明光Lf2にて、撮像部23による視野範囲の長手方向両端となる外縁のうち、短手方向中央(
図42の符号Sa参照)を照射するように配置されてもよいし、当該外縁を短手方向に沿い帯状に照射するように配置されてもよい。
【0135】
また、補助光源22は、第2の照明光Lf2が直接撮像部23による視野範囲の長手方向両端となる外縁等に照射されるように配置されてもよいし、第2の照明光Lf2がアタッチメント60の光学的な透明部分を介して撮像部23による視野範囲の長手方向両端となる外縁等に照射されるように配置されてもよい。このように、第2の照明光Lf2を直接照射することで第2の照明光Lf2が減衰しないため、第2の照明光Lf2を効率的に利用することができる。また、補助光源22は、撮像部23による視野範囲の長手方向両端となる外縁に向けて第2の照明光Lf2を照射するように構成されることに限らず、撮像部23による視野範囲のうちの所望の領域に向けて第2の照明光Lf2を照射するように構成されてもよい。
【0136】
なお、補助光源22は、一対設けられることに限らず、照度不足を改善すべき箇所に応じて、1つ設けられてもよいし、3つ以上設けられてもよい。また、補助光源22を有する情報読取装置に関する本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態の情報読取装置にも適用することができる。
【0137】
[第10実施形態]
次に、本発明の第10実施形態に係るアタッチメントについて、
図44~
図46を参照して説明する。
本第10実施形態に係るアタッチメント60fは、上記第9実施形態と同様に情報読取装置1aに組み付けられるものであって、第2の照明光による照度を調整する部材が設けられる点が、上記第9実施形態におけるアタッチメント60と異なる。したがって、第9実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0138】
本実施形態に係るアタッチメント60fは、上記アタッチメント60に対して第1の照度調整部材210を追加するように構成されている。この第1の照度調整部材210は、
図44に示すように、基部211とこの基部211の上端に対して上方に拡がるように連結される反射部212とを備え、補助光源22から照射される第2の照明光Lf2を反射部212にて外側に向けて反射させるように配置されている。特に、反射部212は、外側に反射した第2の照明光Lf2が梁部81,82等にて反射して載置部80近傍において撮像部23による視野範囲の長手方向両端となる外縁に向かうようにその拡がり角度が設定されている。
【0139】
ここで、第1の照度調整部材210を設ける理由について、
図45および
図46を参照して説明する。
補助光源22としてLED等の様に照射角度が小さな光源(直進性の良い光源)を採用する場合、載置部80近傍(
図45の二点鎖線X2-X2参照)では、
図45の二点鎖線X2b-X2bからわかるように第2の照明光Lf2がスポット状の照明となるため、第2の照明光Lf2が撮像画像に映り込んでしまい、表示情報を読み取り可能に撮像できない場合がある。
【0140】
そこで、本実施形態では、第1の照度調整部材210により第2の照明光Lf2を間接照明的に利用する。
図46に示すように、補助光源22から照射される第2の照明光Lf2は、第1の照度調整部材210の反射部212にて外側に向けて反射された後、梁部81,82等にてさらに反射して内側に向かう。このような反射を繰り返すことで、第2の照明光Lf2による載置部80近傍での照度分布が平滑化される。なお、
図46では、
図44での位置決め部82c近傍での反射状態を拡大して図示しており、便宜上、第2の照明光Lf2を直線状にて示している。
【0141】
このように、LED等の様に照射角度が小さな光源を補助光源22として採用する場合でも、第2の照明光Lf2を間接照明的に利用することで載置部80近傍での第2の照明光Lf2の照度分布を容易に平滑化でき、第1の照明光Lf1とともに視野範囲に対する照度が適切に調整されることで、表示情報を読み取り容易に撮像することができる。特に、第2の照明光Lf2の照射角度を拡げるための専用のレンズ等も不要になり、補助光源22を有する情報読取装置1aが簡素化されて、装置自体の小型化を実現することができる。
【0142】
なお、第1の照度調整部材210は、基部211および反射部212を有するように形成されることに限らず、1回または複数回での反射を利用して第2の照明光Lf2を間接照明的に視野範囲の長手方向両端となる外縁に向けるように形成されてもよい。また、第1の照度調整部材210は、第2の照明光Lf2を全て反射させるように形成されることに限らず、第2の照明光Lf2の一部を間接照明的に反射させるように形成されてもよい。
【0143】
本実施形態の変形例として、第2の照明光Lf2を反射させて照度を調整する第1の照度調整部材210に代えて、第2の照明光Lf2を屈折または散乱させて照度を調整する第2の照度調整部材220を設けるようにアタッチメント60fを構成してもよい。この変形例では、
図47に示すように、第2の照度調整部材220を透過する第2の照明光Lf2が屈折または散乱することで、第2の照明光Lf2による載置部80近傍での照度分布が平滑化される。このようにしても、載置部80近傍での第2の照明光Lf2の照度分布を容易に平滑化でき、第1の照明光Lf1とともに視野範囲に対する照度が適切に調整されることで、表示情報を読み取り容易に撮像することができる。また、第2の照明光Lf2の照射角度を拡げるための専用のレンズ等も不要になり、補助光源22を有する情報読取装置1aが簡素化されて、装置自体の小型化を実現することができる。
【0144】
なお、第2の照度調整部材220は、第2の照明光Lf2を全て屈折または散乱させるように形成されることに限らず、第2の照明光Lf2の一部を屈折または散乱させるように形成されてもよい。
【0145】
なお、補助光源22に対して第1の照度調整部材210や第2の照度調整部材220を設けるアタッチメントに関する本実施形態の特徴的構成は、補助光源22を有する情報読取装置に対して組み付けられる他の実施形態のアタッチメントにも適用することができる。
【0146】
[第11実施形態]
次に、本発明の第11実施形態に係る情報読取装置について、
図48を参照して説明する。
本第11実施形態に係る情報読取装置1aは、利用状況等に応じて補助光源22の制御を変更する点が、上記第9実施形態に係る情報読取装置と異なる。したがって、第9実施形態の情報読取装置と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0147】
本実施形態では、光源制御手段として機能する制御回路40により補助光源22を制御することで、第2の照明光Lf2の波長、発光強度および発光タイミング(発光開始時期、発光時間、発光終了時期等)の少なくとも1つを利用状況等に応じて選択的に変更する。具体的には、本実施形態では、アタッチメント60が組み付けられているか否かを検出し、組み付け検出時に補助光源22を白色にて発光させて上述した照度分布改善のために利用し、組み付け未検出時に補助光源22を青色にて発光させて読取結果の報知に利用する。このため、補助光源22は、白色および青色の発光色を含めた複数での発光色にて所定の発光強度および発光タイミングで発光可能に構成される。なお、アタッチメント60の組み付けは、上述した特定のパターン87等の撮像に応じて検出されてもよいし、接触スイッチ等の検出手段を利用して検出されてもよい。
【0148】
以下、補助光源22等を制御する際に制御回路40にて行われる光源制御処理について、
図48に示すフローチャートを用いて説明する。
情報読取装置1aに対する所定の操作等に応じて制御回路40により光源制御処理が開始されると、まず、
図48のステップS101に示す判定処理にて、アタッチメント60が情報読取装置1aに組み付けられていることが検出されているか否かについて判定される。ここで、上述した検出方法によりアタッチメント60が情報読取装置1aに組み付けられていることが検出されると(S101でYes)、制御回路40により制御されて、照明光源21(第1光源21a,21bおよび第2光源21c,21d)により第1の照明光Lf1が照射されるとともに(S103)、補助光源22により第2の照明光Lf2が照射される(S105)。特に、補助光源22は、このようにアタッチメント60が情報読取装置1aに組み付けられた状態では、上述した照度分布改善のために白色の第2の照明光Lf2を照射するように制御される。
【0149】
これにより、第1の照明光Lf1および第2の照明光Lf2により載置部80近傍での照度分布が表示情報の撮像に適するように制御された状態にて、ステップS107に示す読取処理がなされ、撮像部23により撮像された表示情報を読み取るための処理がなされる。この読み取りが完了するまでステップS109にてNoと判定されて、上記ステップS103からの処理が繰り返される。
【0150】
そして、読み取り可能に表示情報が撮像されたことから表示情報の読み取りが完了すると(S109でYes)、ステップS111に示す読取完了報知処理がなされる。この処理では、補助光源22が上記ステップS105における発光状態と異なり青色の発光色にて第2の照明光Lf2を照射することで、ユーザに対して載置部80に載置された表示媒体の表示情報の読み取りが完了したことが報知される。そして、上記ステップS103からの処理が繰り返され、情報読取装置1aに対して所定の終了操作等がなされた場合に、本光源制御処理が終了する。
【0151】
一方、上記ステップS101に示す判定処理にて、アタッチメント60が情報読取装置1aに組み付けられていることが検出されない場合には(S101でNo)、制御回路40により制御されて、照明光源21により第1の照明光Lf1が照射され(S113)、補助光源22が消灯状態となる(S115)。これにより、第1の照明光Lf1により読取口5近傍での照度分布が表示情報の撮像に適するように制御された状態にて、ステップS117に示す読取処理がなされ、撮像部23により撮像された表示情報を読み取るための処理がなされる。この読み取りが完了するまでステップS119にてNoと判定されて、上記ステップS113からの処理が繰り返される。
【0152】
そして、読み取り可能に表示情報が撮像されたことから表示情報の読み取りが完了すると(S109でYes)、ステップS121に示す読取完了報知処理がなされる。この処理では、補助光源22が上記ステップS111における処理と同様に青色の発光色にて第2の照明光Lf2を照射することで、ユーザに対して読取口5にかざされた表示媒体の表示情報の読み取りが完了したことが報知される。そして、上記ステップS113からの処理が繰り返され、情報読取装置1aに対して所定の終了操作等がなされた場合に、本光源制御処理が終了する。
【0153】
以上説明したように、本実施形態に係る情報読取装置1aでは、光源制御手段として機能する制御回路40により補助光源22を制御することで、第2の照明光Lf2の発光色(波長)を制御する。特に、アタッチメントの組み付けが検出された場合における補助光源22の制御(S105)と、アタッチメントの組み付けが検出されない場合における補助光源22の制御(S115)と、を変更する。さらに、表示情報の読取結果に応じて補助光源22を制御することで第2の照明光Lf2を利用して読取結果を報知する(S111,S121)。
【0154】
これにより、アタッチメントの組み付け時に必要な補助光源22を、アタッチメントが組み付けられていない場合での表示情報の読取結果の報知に兼用でき、この兼用によって読取結果の報知に関する部品共用化を図ることで、低コスト化だけでなく装置自体の小型化をも実現することができる。なお、上記ステップS105における処理では、白色の第2の照明光Lf2を照射するように制御されることに限らず、他の発光色(波長)または所定の発光強度および発光タイミングにて第2の照明光Lf2を照射するように制御されてもよい。例えば、補助光源22は、その発光タイミングと撮像部23による撮像タイミングとを同期させるように制御されてもよい。また、上記ステップS111における処理では、青色の第2の照明光Lf2を照射するように制御されることに限らず、他の発光色(波長)または所定の発光強度および発光タイミングにて第2の照明光Lf2を照射するように制御されてもよい。同様に、ステップS121における処理では、青色の第2の照明光Lf2を照射するように制御されることに限らず、他の発光色(波長)または所定の発光強度および発光タイミングにて第2の照明光Lf2を照射するように制御されてもよいし、上記ステップS111における処理と異なる発光状態(例えば、異なる発光時間)にて第2の照明光Lf2を照射するように制御されてもよい。
【0155】
なお、補助光源22を、アタッチメントが組み付けられていない場合での表示情報の読取完了の報知だけでなく、読取結果の成否を含めた所定の情報の報知等に兼用することで、この兼用によって所定の情報の報知等に関する部品共用化を図り、低コスト化だけでなく装置自体の小型化をも実現することができる。
【0156】
また、補助光源22は、アタッチメントの組み付けの検出の有無にかかわらず、第2の照明光Lf2の波長(発光色)、発光強度および発光タイミングの少なくとも1つが制御回路40により制御されてもよい。これにより、様々な表示媒体を撮像する場合でも、その表示情報の撮像に適した照明の波長特性や照明強度等を考慮して補助光源22を制御することで、表示情報を読み取り容易に撮像することができる。また、上述した所定の情報の報知に関して、報知すべき所定の情報の種別に応じて第2の照明光Lf2の波長、発光強度および発光タイミングの少なくとも1つを制御することで、より多くの種別の情報を視認容易に報知することができる。
【0157】
特に、制御回路40は、通信インタフェース(図示略)を介して外部から入力される情報に応じて、上述した第2の照明光Lf2の波長、発光強度および発光タイミングの少なくとも1つを変更するように補助光源22を制御することができる。これにより、様々な表示媒体を撮像する場合でも、その表示情報の撮像に適した照明の波長特性や照明強度等を考慮して補助光源22を制御するための情報が外部から入力されることで、表示情報を読み取り容易に撮像することができる。
【0158】
例えば、表示情報の背景に赤色の模様をもつ表示媒体を撮像する場合には、照明光を赤色で発光させることで背景の模様の影響を少なくして表示情報の読み取りを容易にすることが可能であるが、一方、デフォルトの発光色として市場要求から赤色以外で設定したい場合がある。この場合であっても、ユーザの要求に応じて第2の照明光Lf2を赤色にて発光させるための情報が制御回路40に対して外部から入力されることで、デフォルト発光色としては設定していない赤色にて、第2の照明光Lf2が発光するように補助光源22が制御される。これにより、デフォルトの状態では汎用性が高い発光色(例えば白色)で第2の照明光Lf2を発光させ、デフォルト色の第2の照明光Lf2が読み取りに影響を及ぼす表示媒体では、その表示情報の背景等に適した色で第2の照明光Lf2を発光させることで、様々な表示媒体の表示情報を読み取り容易に撮像することができる。
【0159】
なお、利用状況等に応じて補助光源22の制御を変更する本実施形態の特徴的構成は、補助光源22を有する他の実施形態の情報読取装置にも適用することができる。
【0160】
[他の実施形態]
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)載置部80,80a,80cは、パスポート100が載置されるように形成されることに限らず、他の形状等の表示媒体が載置されるように形成されてもよい。
【0161】
(2)アタッチメント60,60b,60d,60fは、載置部80が1つ形成されることに限らず、載置部が複数形成されてもよい。また、アタッチメント60aは、載置部80aが1つ形成されることに限らず、載置部が複数形成されてもよい。また、アタッチメント60eは、載置部80cが1つ形成されることに限らず、載置部が複数形成されてもよい。例えば、アタッチメント60aであれば、各支持部材91~94の上部に設けられる上側の載置部80aとこの上側の載置部80aの直下であって各支持部材91~94の中間部位に設けられる下側の載置部80aとの2つの載置部80aを設けることもできる。このように載置部が複数個所形成されることで、複数の載置部のうち文字情報102(表示情報)の大きさや位置等に応じて選択した1つの載置部に対してパスポート100(表示媒体)を載置することで、文字情報102(表示情報)と読取口5との距離を容易に変更することができる。
【0162】
(3)載置部80,80a,80cは、情報読取装置1に対して着脱可能に形成されるアタッチメント60,60a,60b,60d,60e,60fの一部として形成されることに限らず、情報読取装置1,1aの外郭を構成するケース3に対して一体的に設けられてもよい。
【0163】
(4)載置部80,80a,80cは、パスポート100の一縁101aが情報読取装置1の幅方向に沿い載置されるように形成されることに限らず、例えば、
図49に示すアタッチメント60cの載置部80bのように、パスポート100の一縁101aが読取口5の対角線近傍に沿い載置されるように形成されてもよい。この場合、パスポート100の表示面101のうち一縁101aから離れた部位を下方から支持する支持部83aを支持部材91に設けることができる。これにより、文字情報102が読取口5に対して対向する領域を広くできるので、広い範囲の文字情報102であっても確実に撮像することができる。
【0164】
(5)基部70の側壁71および側壁72は、載置面Fからの高さが読取口5の高さとほぼ等しくなるように形成されることに限らず、読取口5の高さよりも低くなるように形成されてもよい。これにより、載置部80,80aを利用することなく表示媒体を読取口5にかざす場合でも、側壁71や側壁72に接触することもないので、表示媒体を読取口5にかざしやすくすることができる。
【0165】
(6)基部70の側壁71および側壁72は、載置面Fからの高さが読取口5の高さとほぼ等しくなるように形成されることに限らず、読取口5の高さよりも高くなるように形成されてもよい。この場合には、側壁71および側壁72のうち少なくとも読取口5の高さよりも高く部分を柔軟性の高い部材により構成することで、載置部80,80aを利用することなく表示媒体を読取口5にかざす場合でも、読取口5と表示媒体との衝突を防止または緩和でき、読取口5等を好適に保護することができる。
【0166】
(7)情報読取装置1,1aは、パスポート100に設けられるアンテナ(図示略)を利用してパスポート100に記録されたデータを読み取る無線通信機能を有するように構成されてもよい。
【0167】
(8)載置部80,80aは、4つの支持部材91~94を介して基部70に支持されるように構成されることに限らず、例えば、2つの支持部材を介して基部70に支持されるように構成されてもよい。
【0168】
(9)上記第4実施形態等において、アタッチメントの組み付けは、アタッチメントに表示された特定のパターンの撮像部23による撮像によって検出されることに限らず、他の検出手段を別途設けることで検出されてもよい。例えば、ケース3の外面に設けられる接触スイッチ等にて基部70との接触を検知することで、アタッチメントの組み付けを検出してもよい。
【0169】
(10)上記第4実施形態等においてアタッチメントの組み付けの検出に応じてなされる所定の処理は、一次元コードや二次元コード等の情報コードを光学的に読み取る機能の実施やOCR機能の実施に限らず、他の情報読取装置1にて実装可能な処理、例えば、ブザーの動作制限や照明光源21の照度制御であってもよい。特に、アタッチメントに表示される特定のパターンを、調整用の情報が読み取り可能に記録される情報コードとすることができる。この場合、上記情報コードの読み取りによってアタッチメントを検出するとともに、この読み取り結果に応じて行われる所定の処理に関するレベルを制御することができる。例えば、上記所定の処理が照明光源21の照度制御であって、読み取り結果に応じてその照度を調整することができる。
【符号の説明】
【0170】
1,1a…情報読取装置
3…ケース
5…読取口
21…照明光源(主光源)
22…補助光源
23…撮像部(撮像手段)
40…制御回路(読取手段,制御手段,検出手段,光制御手段)
60,60a,60b,60c,60d,60e,60f…アタッチメント(情報読取装置用アタッチメント)
61…プレート
62…透明部
63…遮光部
80,80a,80b,80c…載置部
81,82,84,85…梁部
81c,82c…位置決め部
84d,85d…案内面
84f,85f…接触面
86a,86b…挟持部
87,87a~87d,88…特定のパターン
100…パスポート(表示媒体)
102…文字情報(表示情報)
200…壁部
204…透過部材(拡散透過部材,減衰透過部材)
210…第1の照度調整部材
220…第2の照度調整部材
Lf1…第1の照明光
Lf2…第2の照明光