(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】計算装置、計算方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 15/02 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
G06F15/02 315N
G06F15/02 330B
G06F15/02 330D
(21)【出願番号】P 2021154622
(22)【出願日】2021-09-22
(62)【分割の表示】P 2017153584の分割
【原出願日】2017-08-08
【審査請求日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】P 2016185413
(32)【優先日】2016-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 博明
(72)【発明者】
【氏名】有川 和彦
(72)【発明者】
【氏名】高島 敏文
(72)【発明者】
【氏名】吉川 裕紀
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-049528(JP,A)
【文献】特開昭61-088358(JP,A)
【文献】特開2015-102881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の計算結果を取得する計算を1回以上実行した計算結果を種類毎に合計して複数種類の計算結果合計を取得する計算結果合計取得処理と、
特定キーの操作に応じて、前記計算結果合計のうち何れかの種類の計算結果合計が、表示部の表示桁を超えたか否かを判断する判断処理と、
前記判断処理において前記何れかの種類の計算結果合計が前記表示部の表示桁を超えていると判断した場合、前記計算結果合計が前記表示部の表示桁を超えていることを報知する報知処理と、を実行し、
前記報知処理の実行後、特定キーの操作に応じて、前記複数種類のうち何れか別の種類の前記計算結果合計が表示部の表示桁を超えたか否かを判断する第2判断処理をさらに実行する、
制御部を備える計算装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第2判断処理において前記何れか別の種類の前記計算結果合計が前記表示部の表示桁を超えていると判断した場合、前記何れか別の種類の前記計算結果合計が前記表示部の表示桁を超えていることを報知する第2報知処理を実行する、
請求項1記載の計算装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第2判断処理において前記何れか別の種類の前記計算結果合計が前記表示部の表示桁を超えていないと判断した場合、前記何れか別の種類の前記計算結果合計を前記表示部に表示する第2表示制御処理を実行する、
請求項2記載の計算装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記判断処理及び前記第2判断処理において前記計算結果合計が前記表示部の表示桁を超えていないと判断した場合、前記計算結果合計を前記表示部に表示する表示制御処理を実行する、
請求項1乃至3の何れか一項記載の計算装置。
【請求項5】
前記計算結果合計取得処理では、前記計算として行う異なる2つの計算の各計算毎に、複数種類の1回以上実行した計算結果を合計することで、異なる2つの計算結果合計を前記種類毎に取得し、
前記判断処理は、前記異なる2つの計算結果合計の前記種類毎の総合計である複数種類の計算結果総合計のうち何れかの種類の計算結果総合計が表示部の表示桁を超えたか否かを判断し、
前記報知処理は、前記判断処理において前記何れかの種類の計算結果総合計が前記表示部の表示桁を超えていると判断した場合、前記何れかの種類の計算結果総合計が前記表示部の表示桁を超えていることを報知する、
請求項1乃至4の何れか一項記載の計算装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記判断処理の後、前記計算結果合計の表示指示の操作が少なくとも行われると、前記判断処理の結果、前記何れかの種類の計算結果総合計が前記表示部の表示桁を超えていたか否かに関わらず、前記計算結果合計を前記表示部に表示する、
請求項5記載の計算装置。
【請求項7】
前記異なる2つの計算のうち一方の計算は、予め設定された第1税率を用いた計算であり、
前記異なる2つの計算のうち他方の計算は、前記第1税率とは異なる予め設定された第2税率を用いた計算である、
請求項5又は6記載の計算装置。
【請求項8】
前記異なる2つの計算のうち一方の計算は、予め設定された第1税率を用いた計算であり、
前記異なる2つの計算のうち他方の計算は、前記第1税率とは異なる予め設定された第2税率を用いた計算であり、
前記複数種類の計算結果は、税込額、税抜額及び税額のうち少なくとも2つである、
請求項5乃至7の何れか一項記載の計算装置。
【請求項9】
前記報知処理として、前記表示部にエラー表示、前記計算結果総合計の概数表示の少なくとも何れかを行う、
請求項5乃至8の何れか一項記載の計算装置。
【請求項10】
前記報知処理として、前記表示部にエラー表示及び前記計算結果合計の概数表示の少なくとも何れかを行う、
請求項1乃至4の何れか一項記載の計算装置。
【請求項11】
報知停止の指示操作に応じて、報知を停止する、
請求項1乃至10の何れか一項記載の計算装置。
【請求項12】
前記計算は予め設定された税率を用いた税計算であり、
前記複数種類の計算結果は、税込額、税抜額及び税額のうち少なくとも2つである、
請求項1乃至11の何れか一項記載の計算装置。
【請求項13】
計算装置の制御部により実行される方法であって、
複数種類の計算結果を取得する計算を1回以上実行した計算結果を種類毎に合計して複数種類の計算結果合計を取得する計算結果合計取得処理と、
特定キーの操作に応じて、前記計算結果合計のうち何れかの種類の計算結果合計が、表示部の表示桁を超えたか否かを判断する判断処理と、
前記判断処理において前記何れかの種類の計算結果合計が前記表示部の表示桁を超えていると判断した場合、前記計算結果合計が前記表示部の表示桁を超えていることを報知する報知処理と、を実行し、
前記報知処理の実行後、特定キーの操作に応じて、前記複数種類のうち何れか別の種類の前記計算結果合計が表示部の表示桁を超えたか否かを判断する第2判断処理をさらに実行する、
計算方法。
【請求項14】
計算装置のコンピュータによって、
複数種類の計算結果を取得する計算を1回以上実行した計算結果を種類毎に合計して複数種類の計算結果合計を取得する計算結果合計取得処理と、
特定キーの操作に応じて、前記計算結果合計のうち何れかの種類の計算結果合計が、表示部の表示桁を超えたか否かを判断する判断処理と、
前記判断処理において前記何れかの種類の計算結果合計が前記表示部の表示桁を超えていると判断した場合、前記計算結果合計が前記表示部の表示桁を超えていることを報知する報知処理と、を実行させ、
前記報知処理の実行後、特定キーの操作に応じて、前記複数種類のうち何れか別の種類の前記計算結果合計が表示部の表示桁を超えたか否かを判断する第2判断処理をさらに実行させる、
ためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計算装置、計算方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、小型電子式計算機において、表示し得るデータの桁数は表示部の表示桁数以内に制限される。このため、表示桁数を超えるデータの入力はできず、また、表示桁数を超えた計算結果のデータを全て表示することはできない。
【0003】
そこで、計算結果の整数桁が表示桁数を超えてオーバフローした場合は、エラー表示をし、計算結果のデータを、オーバフローした下位の桁を切り捨てて表示し、また、オーバフローした桁数を小数点により示すことで、当該計算結果を概数として知ることができるようになっている(概数エラー)。
【0004】
そして、概数エラーの状態では、キーがロックされ、以後のキー入力が禁止されるが、[C]キーの操作により当該概数エラーの状態(エラー表示/キーのロック)を解除することで、概数としての計算結果を次の計算に利用することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記小型電子式計算機を、例えば売上金額の計算等に使用する場合、異なる複数の合計額の総合計を計算した際に、当該総合計の計算結果が表示桁数を超えてオーバフローし、概数エラーの状態になることがある。
【0007】
特に、前記小型電子式計算機を、正確さが要求される計算に使用する場合、概数エラーとして表示された計算結果では表示桁数を超えてオーバフローした下位の桁の値が非表示とされてしまうことから、ユーザは、当該計算結果の正確な値を確認できず、次の計算を進めることができない。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、表示桁数を超える場合に適切に処理可能な計算装置、計算方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る計算装置は、複数種類の計算結果を取得する計算を1回以上実行した計算結果を種類毎に合計して複数種類の計算結果合計を取得する計算結果合計取得処理と、特定キーの操作に応じて、前記計算結果合計のうち何れかの種類の計算結果合計が、表示部の表示桁を超えたか否かを判断する判断処理と、前記判断処理において前記何れかの種類の計算結果合計が前記表示部の表示桁を超えていると判断した場合、前記計算結果合計が前記表示部の表示桁を超えていることを報知する報知処理と、を実行し、前記報知処理の実行後、特定キーの操作に応じて、前記複数種類のうち何れか別の種類の前記計算結果合計が表示部の表示桁を超えたか否かを判断する第2判断処理をさらに実行する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表示桁数を超える場合に適切に処理可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の計算装置の実施形態に係る電卓10の外観構成を示す正面図。
【
図2】本実施形態における電卓10の電子回路の機能的な構成を示すブロック図。
【
図3】本実施形態における電卓10の計算機能の動作(その1)を説明するためのフローチャート。
【
図4】本実施形態における電卓10の計算機能の動作(その2)を説明するためのフローチャート。
【
図5】本実施形態における電卓10の計算機能の動作(その3)を説明するためのフローチャート。
【
図6】本実施形態における電卓10の計算機能の動作(その4)を説明するためのフローチャート。
【
図7】本実施形態における電卓10の税計算機能を説明するための入力操作と表示の具体例(その1)を示す図。
【
図8】本実施形態における電卓10の税計算機能を説明するための入力操作と表示の具体例(その2)を示す図。
【
図9】本実施形態における電卓10の概数エラー機能を説明するための入力操作と表示の具体例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の計算装置の実施形態に係る電卓10の外観構成を示す正面図である。
【0014】
なお、計算装置は、電卓10の他、計算機能を有する(計算処理プログラムが実装された)パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、携帯電話機、タッチパネル式PDA(personal digital assistants)、電子ブック、携帯ゲーム機等として構成することができる。なお、電卓10のような物理的なキー(ボタン)が実装されていない計算装置は、電卓10のキーと同様な入力機能を有するソフトウェアキーボードを表示し、このソフトウェアキーボードに対するキー操作に応じて計算処理を実行する。
【0015】
図1に示す電卓10は、ジャストタイプの電卓10であり、端数処理(数値の丸め方法)について設定するためのラウンドセレクタ11yと小数点セレクタ11zが設けられている。
【0016】
本実施形態における電卓10は、複数の税率(以下では税率1(例えば「10%」)と税率2(例えば「8%」)の2つの税率)に基づいた税計算をする税計算機能、前記税計算機能により計算された計算結果のデータが表示桁数を超えた場合に概数エラーの表示を行なう概数エラー機能を有する。なお、本実施形態では、各種のデータは、数値を意味し、例えば、計算に用いられる数値などが該当する。
【0017】
電卓10の筐体正面には、複数のキーを含むキー入力部11および表示部12が設けられる。キー入力部11には、数値キー、演算キー、税計算機能キー、機能キー、が設けられる。数値キーは、例えば[00][0]~[9]のそれぞれに対応する複数のキーを含む。演算キーは、例えば[+](加算)キー、[-](減算)キー、[×](乗算)キー、[÷](除算)キー、[=]キーのそれぞれに対応する複数のキーを含む。税計算機能キーには、税込1計算キー(第1税計算キー)11b、税込2計算キー(第2税計算キー)11c、税抜1計算キー11d、税抜2計算キー11e、税計算合計キー11fが設けられる。機能キーは、例えばオールクリアキー([AC]キー11a)、クリアキー([C](エラー解除)キー11x)、複数のメモリキー([MRC][M-][M+])、グランドトータルキー([GT]キー)、[%]キー11gなどを含む。
【0018】
ラウンドセレクタ11yは、端数処理の計算方法を設定する。例えば、「F」設定は、表示部12に小数点以下を含む表示可能な最大桁の表示を指定する。「CUT」設定は、小数点セレクタ11zで指定された桁の切り捨てを指定する。「5/4」設定は、小数点セレクタ11zで指定した桁の四捨五入を指定する。小数点セレクタ11zは、小数点以下を何桁まで表示部12に表示させるかを設定する。なお、「ADD」設定は、入力された数値に対して所定の桁数への小数点設定を指定する。
【0019】
表示部12は、ドットマトリクス型の液晶表示ユニットからなる。表示部12には、キー入力部11のキーに対する操作により入力された数値が表示される。表示部12には、限られた行数分(例えば1行)の数値が最大12桁で表示される。また、表示部12の辺に沿って設けられた状態表示エリアには、設定中の計算モードや各種設定状態を示す文字や記号(シンボル)が表示される。
【0020】
図2は、本実施形態における電卓10の電子回路の機能的な構成を示すブロック図である。電卓10の電子回路は、CPU21を含む、コンピュータを構成する複数のユニットを備えている。
【0021】
CPU21は、メモリ22に記憶された計算処理プログラム22aを実行することにより、回路各部の動作を制御する。入力操作が行われると、CPU21は、キー入力部11からのキー入力信号により入力操作がされたキーを検出し、検出された各キーに応じた各種の演算処理を実行する。電卓10は、CPU21が計算処理プログラム22aに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウェアとハードウェアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べる計算機能による処理を含む計算処理を実現する。
【0022】
計算処理プログラム22aは、予めメモリ22に記憶されていても良いし、記録媒体読取部24を介してメモリカード等の外部記録媒体23から読み込まれても良いし、あるいは通信部25を介して通信ネットワークN(インターネット等を含む)上のサーバ30からダウンロードされても良い。
【0023】
メモリ22には、計算処理プログラム22aが記憶される他に、税率1合計メモリエリア22b、税率2合計メモリエリア22c、税合計メモリエリア22d、税合計後モードデータ22eなど各データを記憶するエリアが設けられる。なお、ここでは、メモリ22は、内部に複数のエリアを設け、記憶するプログラムやデータの種類に応じて、使用するエリアが決められている構成としたが、これに限らない。メモリ22は、複数のメモリを有し、記憶するプログラムやデータの種類に応じて、複数のメモリの中から使用するメモリが決められている構成としてもよい。また、メモリ22は、記憶手段に備えられたものであってもよい。
【0024】
税率1合計メモリエリア22bは、税率1に基づいた税計算により算出されるデータを記憶するためのエリアである。CPU21は、計算処理プログラム22aに記述された命令に従って、キー入力部11の入力操作により入力された税抜額データ(第1税抜額データ)を示す数値に対し、税率1を用いて税込額データ(第1税込額データ)及び税額データ(第1税額データ)を計算するが、税率1合計メモリエリア22bには、キー入力部11の入力操作により入力された第1税抜額データと、この第1税抜額データに対して求められた第1税込額データ及び第1税額データとが組となって記憶される。キー入力部11の入力操作により入力された第1税抜額データが複数の場合は、税率1合計メモリエリア22bに、第1税抜額データと、当該第1税抜額データに対して求められた第1税込額データ及び第1税額データとが組となって、各第1税抜額データ毎に記憶される。つまり、税率1合計メモリエリア22bには、キー入力部11の入力操作により入力された第1税抜額データの数の分だけ、第1税込額データ、第1税額データ、及び第1税抜額データが組となって記憶される。また、税率1合計メモリエリア22bには、少なくとも1つの数値に対応する第1税込額データの合計を示す第1税込合計額データ、第1税込合計額データに対応する第1税抜合計額データ、第1税込合計額データに対応する第1税合計額データが記憶される。
【0025】
税率2合計メモリエリア22cは、税率2に基づいた税計算により算出されるデータを記憶するためのエリアである。CPU21は、計算処理プログラム22aに記述された命令に従って、キー入力部11の入力操作により入力された税抜額データ(第2税抜額データ)を示す数値に対し、税率2を用いて税込額データ(第2税込額データ)及び税額データ(第2税額データ)を計算するが、税率2合計メモリエリア22cには、キー入力部11の入力操作により入力された第2税抜額データと、この第2税抜額データに対して求められた第2税込額データ及び第2税額データとが組となって記憶される。キー入力部11の入力操作により入力された第2税抜額データが複数の場合は、税率2合計メモリエリア22cに、第2税抜額データと、当該第2税抜額データに対して求められた第2税込額データ及び第2税額データとが組となって、各第2税抜額データ毎に記憶される。つまり、税率2合計メモリエリア22cには、キー入力部11の入力操作により入力された第2税抜額データの数の分だけ、第2税込額データ、第2税額データ、及び第2税抜額データが組となって記憶される。また、税率2合計メモリエリア22cには、少なくとも1つの数値に対応する第2税込額データの合計データを示す第2税込合計額データ、第2税込合計額データに対応する第2税抜合計額データ、第2税込合計額データに対応する第2税合計額データが記憶される。
【0026】
税合計メモリエリア22dは、税率1に基づいた税計算により算出される数値と、税率2に基づいた税計算により算出される数値の合計を示すデータを記憶するためのエリアである。税合計メモリエリア22dには、税計算合計キー11fの入力操作に応じて、第1税込合計額データと第2税込合計額データとを合計した税込総合計額データ、税込総合計額データに対応する税抜総合計額データ、税込総合計額データに対応する税総合計額データが記憶される。
【0027】
税合計後モードデータ22eは、税計算合計キー11fの入力操作に応じて税込総合計額データが算出された後の状態にあるか否か(税合計後モードオン/オフ)を示すデータである。
【0028】
税合計後モードは、税込総合計額データが算出された時にオンされ、税込1計算キー11b及び税込2計算キー11c以外のキー、例えば[AC]キー11aが操作された場合や数値キーが操作されることにより新たな数値入力が行われた場合にオフされる。
【0029】
税合計後モードがオン状態(税込総合計額の算出後の状態)の場合には、税込1計算キー11bあるいは税込2計算キー11cに対する操作が行われると、(第1/第2)税込合計額データが表示される(税込合計額表示制御処理)。そして同じキー(税込1計算キー11bあるいは税込2計算キー11c)が操作される毎に、(第1/第2)税込合計額データに対応する税抜合計額データ、(第1/第2)税込合計額データに対応する税合計額データを切り替えて順次表示させる。
【0030】
また、税合計後モードがオフ状態の場合(つまり税込総合計額の算出後でない状態)に、税込1計算キー11bあるいは税込2計算キー11cに対する操作が行われると、表示数値を税抜額データとした場合の(第1/第2)税込額データが表示される(税込額表示制御処理)。そして同じキー(税込1計算キー11bあるいは税込2計算キー11c)が操作されると、(第1/第2)税額データが表示される。
【0031】
次に、本実施形態における電卓10の動作について説明する。
図3、
図4、
図5及び
図6は、本実施形態における電卓10の計算機能の動作を説明するためのフローチャートである。
図7及び
図8は、本実施形態における電卓10の税計算機能を説明するための入力操作と表示の具体例を示す図である。
【0032】
ここでは、先ず一連の税計算機能を説明した後に、当該税計算機能による計算結果のデータが表示桁数(計算可能桁数:12)を超えて概数エラーになった場合の動作例について説明する。
【0033】
(税計算機能)
まず、ユーザは、計算を開始する前に表示をクリアするため、[AC]キー11aを操作(押下)する。CPU21は、[AC]キー11aが操作されると(ステップA1、Yes)、税計算に使用するメモリ22の各エリア、すなわち税率1合計メモリエリア22b、税率2合計メモリエリア22c、及び税合計メモリエリア22dを全てクリアする(ステップA2)。次に、CPU21は、税合計後モードデータ22eに記憶された税合計後モードをオフする(ステップA3)。
図8(A1)は、[AC]キー11aが操作された場合の表示例を示している。先の税計算結果データなどの数値が表示された状態で[AC]キー11aが操作された場合には、CPU21は、先に表示された数値をクリアし、表示部12に「0」を表示させる。
【0034】
図3に戻る。[AC]キー11aの入力操作の直後に(ステップA3からステップA1に戻った後に)、税込1計算キー11bに対する入力操作を検出した場合(ステップA1、A4、A6、No。ステップA8、A9、Yes)、CPU21は、税込1計算キー11bに対して設定された税率1を表示部12において表示させる(ステップA10)。本実施形態では、初期設定において、税率1として「10%」が設定されている。同様にして、[AC]キー11aの入力操作の直後に(ステップA3からステップA1に戻った後に)、税込2計算キー11cに対する入力操作を検出した場合(ステップA1、A4、A6、A8、No。
図5のステップA26、A27、Yes)、CPU21は、税込2計算キー11cに対して設定された税率2を表示部12において表示させる(ステップA28)。本実施形態では、初期設定において、税率2として「8%」が設定されている。
【0035】
次に、
図5のステップA28から
図3のステップA1に戻り、計算の対象とする数値を入力するためにユーザにより数値キーが操作されると(ステップA1、No。ステップA4、Yes)、CPU21は、入力操作された数値キーに応じた数値(数値データ)を入力し、入力された数値を表示部12において表示させる(ステップA5)。次に、CPU21は、税合計後モードデータ22eに記憶された税合計後モードをオフに維持して(ステップA3)、ステップA1に戻り、演算キーが操作されると(ステップA1、A4、No。ステップA6、Yes)、CPU21は、入力操作された演算キーに応じた演算(演算データ)を入力して、入力された演算のシンボル(記号)を表示部12の状態表示エリアにおいて表示させる(ステップA7)。ここで、CPU21は、入力された演算データと入力済みの数値データをもとに演算が実行できる場合には、この演算を実行し、演算途中の結果を表示部12に表示させる。次に、CPU21は、税合計後モードデータ22eに記憶された税合計後モードをオフに維持して(ステップA3)、ステップA1に戻る。以下、同様にして、数値データと演算データの入力が繰り返されることにより、CPU21は、入力された数値データと演算データとを順次記憶していく。そして、ユーザ操作により「=」(イコール)キーが操作されると、CPU21は、入力操作された演算キー(「=」キー)に応じた演算データを入力し、それまでに入力された数値データと演算データ(「=」データ)に応じた計算を実行し、計算結果を表示部12に表示させる(ステップA4~A7)。
【0036】
こうして、表示部12に数値が表示された状態において、税込1計算キー11bあるいは税込2計算キー11cの入力操作を検出した場合、CPU21は、表示部12に表示された税抜額データを示す数値に対して、入力操作がされた税計算キーに応じた税率をもとに税計算データを実行する。なお、前述した説明では、表示部12に表示された税計算の対象とされる数値は、演算によって得られた値とされているが、単に数値キーの入力操作により入力された数値を税計算の対象としてもよい。
【0037】
例えば、CPU21は、税込1計算キー11bの入力操作を検出した場合(ステップA8、Yes)、税合計後モードがオフ状態にあるため(ステップA9、No。ステップA11、Yes)、税計算の対象とする表示中の数値について、税率1(例えば「10%」)をもとに税込額データ及び税額データを計算して、表示中の数値が示す税抜額データと共に税率1合計メモリエリア22bに記憶させる(ステップA12)。次に、CPU21は、税率1をもとに計算した税込額データを表示部12に表示させる(ステップA13)。同様にして、数値キーの操作により入力された数値(あるいは演算により算出された数値)を表示部12に表示させた状態で(ステップA4~A7)、税込1計算キー11bの入力操作を検出した場合(ステップA8、Yes)、CPU21は、表示部12に表示中の数値について税率1をもとに税計算をして、計算結果を税率1合計メモリエリア22bに記憶させると共に税込額を表示部12に表示させる(ステップA8~A13)。すなわち、複数の数値に対する税計算を続けて指示することができる。
【0038】
また、CPU21は、税込2計算キー11cの入力操作を検出した場合(ステップA1、A4、A6、A8、No。
図5のステップA26、Yes。ステップA27、No)、税合計後モードがオフ状態にあるため(ステップA29、Yes)、税計算の対象とする表示中の数値について、税率2(例えば「8%」)をもとに税込額データ及び税額データを計算して、表示中の数値が示す税抜額データと共に税率2合計メモリエリア22cに記憶させる(ステップA30)。次に、CPU21は、税率2をもとに計算した税込額データを表示部12に表示させる(ステップA31)。同様にして、数値キーの操作により入力された数値(あるいは演算により算出された数値)を表示部12に表示させた状態で(ステップA4~A7)、税込2計算キー11cの入力操作を検出した場合(ステップA26、Yes)、CPU21は、表示部12に表示中の数値について税率2をもとに税計算をして、計算結果データを税率2合計メモリエリア22cに記憶させると共に税込額を表示部12に表示させる(ステップA26~A31)。
【0039】
以下、具体的な数値の入力と税計算の例について説明する。
図7は、以下の税計算機能の説明で使用する、入力される数値(税抜額)、税込額、税額の例を示す図である。
図8(B1)~
図8(B7)は、
図7に示す複数の数値(税抜額)が入力され、それぞれに対する税率が税込1計算キー11bまたは税込2計算キー11cにより指定されたことを示している。
【0040】
例えば
図8(B1)に示すように、数値「1000」が入力された後、税込1計算キー11bが操作されると、CPU21は、税率1をもとに算出した税込額「1100」を表示部12に表示させる。また、CPU21は、税率1をもとに算出した税込額を表示していることを表すシンボル「税1」を表示部12に表示させる。同様にして、数値「200」「5000」「1500」が入力され、それぞれに対して税込1計算キー11bが操作されると、CPU21は、
図8(B2)~
図8(B4)に示すように、各数値に対して税率1をもとに算出した税込額データを表示部12に表示させる。各数値に対する税計算の結果は、税率1合計メモリエリア22bに記憶される。
【0041】
また、例えば
図8(B5)に示すように、数値「2000」が入力された後、税込2計算キー11cが操作されると、CPU21は、税率2をもとに算出した税込額データ「2160」を表示部12に表示させる。また、CPU21は、税率2をもとに算出した税込額データを表示していることを表すシンボル「税2」を表示部12に表示させる。同様にして、数値「3000」「400」が入力され、それぞれに対して税込2計算キー11cが操作されると、CPU21は、
図8(B6)~
図8(B7)に示すように、各数値に対して税率2をもとに算出した税込額データを表示部12に表示させる。各数値に対する税計算の結果は、税率2合計メモリエリア22cに記憶される。
【0042】
こうして、本実施形態における電卓10は、入力された数値に対する税計算に用いる税率を、税込1計算キー11bあるいは税込2計算キー11cの操作によって任意に指定することができる。従って、例えば適用税率が異なる複数の商品の税込総合計額データを算出する場合に、適用税率が異なる複数の商品について、個々に税率を指定して税抜額データを入力することができるため、入力作業を容易にすることができる。
図8(B1)~
図8(B7)では、税率1を適用する数値と税率2を適用する数値について、それぞれ連続して税計算を実行しているが、税率1と税率2を混在して指定(個別に指定)して税計算を実行することができる。
【0043】
なお、税込額が表示されている状態において、税計算を指示するために操作したキー(税込1計算キー11bまたは税込2計算キー11c)を続けて操作すると、CPU21は、税込額表示を税額表示に切り替えて表示部12に表示させる。例えば、税率1をもとに算出された税込額データが表示されている時(
図3のステップA13)、税込1計算キー11bが操作された場合(ステップA14、Yes)、CPU21は、税率1をもとに算出した税額データを税率1合計メモリエリア22bから読み出して表示部12に表示させる(ステップA15)。さらに、続けて税込1計算キー11bが操作された場合(ステップA16、Yes)、ステップA13に戻り、CPU21は、税率1をもとに算出された税込額データを表示させる。また、税率2をもとに算出された税込額データが表示されている時(
図5のステップA31)、税込2計算キー11cが操作された場合(ステップA32、Yes)、CPU21は、税率2をもとに算出した税額を税率2合計メモリエリア22cから読み出して表示部12に表示させる(ステップA33)。さらに、続けて税込2計算キー11cが操作された場合(ステップA34、Yes)、ステップA31に戻り、CPU21は、税率2をもとに算出された税込額データを表示部12に表示させる。すなわち、電卓10は、税込1計算キー11bあるいは税込2計算キー11cの操作に応じて税込額データを算出した後、税込1計算キー11bあるいは税込2計算キー11cに対する操作毎に、税込額データの表示と税額データの表示を交互に切り替えて表示部12に表示させることができる。よって、税込額と税額とを容易に確認することができる。
【0044】
次に、税込額データあるいは税額データが表示された状態において、税計算合計キー11fが操作された場合(
図6のステップA44、Yes)、CPU21は、税合計後モードデータ22eに記憶された税合計後モードをオンする(ステップA55)。次に、CPU21は、税率1合計メモリエリア22bに記憶された税率1をもとに算出された税込額データの合計データ(第1税込合計額データ)と、税率2合計メモリエリア22cに記憶された税率2をもとに算出された税込額データの合計データ(第2税込合計額データ)とを総合計した税込総合計額データを計算して、税合計メモリエリア22dに記憶させる(ステップA45)。
【0045】
ここで、CPU21は、前記計算された税込総合計額データが、前記表示桁数(12桁)である計算可能桁を超えたか否か判断し(ステップA45a)、超えない場合に(ステップA45a、No)、当該税込総合計額データを表示部12に表示させる(ステップA45b)。
【0046】
電卓10は、税込総合計額データが表示部12に表示されている状態において、税計算合計キー11fを続けて操作することで、税込総合計額データの表示を、税抜総合計額データ、税総合計額データに順次切り替えて表示させることができる(税抜税総合計額表示制御処理)。
【0047】
税込総合計額データが表示されている時(ステップA45b)、税計算合計キー11fが操作された場合(ステップA46、Yes)、CPU21は、税率1合計メモリエリア22bと税率2合計メモリエリア22cに記憶されたデータをもとに、税込総合計額データに対応する税抜総合計額データを計算して税合計メモリエリア22dに記憶させる(ステップA47)。次に、CPU21は、前記計算された税抜総合計額データが、前記表示桁数(12桁)である計算可能桁を超えたか否か判断し(ステップA47a)、超えない場合に(ステップA47a、No)、当該税抜総合計額データを表示部12に表示させる(ステップA47b)。
【0048】
さらに、税抜総合計額データが表示されている時(ステップA47b)、税計算合計キー11fが操作された場合(ステップA48、Yes)、CPU21は、税率1合計メモリエリア22bと税率2合計メモリエリア22cに記憶されたデータをもとに、税込総合計額データに対応する税総合計額データを計算して税合計メモリエリア22dに記憶させる(ステップA49)。次に、CPU21は、前記計算された税合計額データが、前記表示桁数(12桁)である計算可能桁を超えたか否か判断し(ステップA49a)、超えない場合に(ステップA49a、No)、当該税総合計額データを表示部12に表示させる(ステップA49b)。
【0049】
さらに、税計算合計キー11fが操作された場合(ステップA50、Yes)、ステップA45に戻り、CPU21は、前記同様に税込総合計額データを計算して表示部12に表示させる(ステップA45~A45b)。
【0050】
すなわち、電卓10は、税計算合計キー11fの操作に応じて税込総合計額データを算出した後、税計算合計キー11fに対する操作毎に、税込総合計額データ、税込総合計額データに対応する税抜総合計額データ、税込総合計額データに対応する税総合計額データの表示を交互に切り替えることができる。よって、税込総合計額データ、税抜総合計額データ、税総合計額データを容易に確認することができる。
【0051】
図8(C1)~
図8(C3)には、税計算合計キー11fが操作された場合の表示例を示している。
図8(B1)~
図8(B7)に示す複数の数値について税計算がされた後、税計算合計キー11fが操作されると、CPU21は、
図8(C1)に示すように、税率1と税率2をそれぞれ適用した税込額データの総合計額データを示す税込総合計額データ「14302」を表示部12に表示させる。ここで、税計算合計キー11fが操作されると、CPU21は、
図8(C2)に示すように、税抜総合計額データ「13100」を表示部12に表示させる。さらに、税計算合計キー11fが操作されると、CPU21は、
図8(C3)に示すように、税総合計額データ「1202」を表示部12に表示させる(税抜税総合計額表示制御処理)。さらに、税計算合計キー11fが操作されると、CPU21は、税込総合計額データ「14302」を表示部12に表示させ、表示部12における表示内容が
図8(C1)に示すものに戻る。
【0052】
なお、CPU21は、前記計算された税込総合計額データが前記表示桁数(12桁)である計算可能桁を超えたと判断した場合(
図6のステップA45a、Yes)、当該税込総合計額データを、前記表示可能桁を超えた下位の桁を非表示にした概数として表示させ、概数エラーのシンボル(E)を表示させる(ステップA45c)。ここで、[C](エラー解除)キー11xが操作されると(ステップA45d、Yes)、前記概数エラー(E)の表示が解除され、前記概数データとしての税込総合計額データの表示が保持される(ステップA45e)。そして、税計算合計キー11fが続けて操作されるか否かの判断の待機状態になる(ステップA46)。
【0053】
また、CPU21は、前記同様に、前記計算された税抜総合計額データが前記表示桁数(12桁)である計算可能桁を超えたと判断した場合(ステップA47a、Yes)、当該税抜総合計額を、前記表示可能桁を超えた下位の桁を非表示にした概数として表示させ、概数エラーのシンボル(E)を表示させる(ステップA47c)。ここで、[C](エラー解除)キー11xが操作されると(ステップA47d、Yes)、前記概数エラー(E)の表示が解除され、前記概数データとしての税抜総合計額データの表示が保持される(ステップA47e)。そしてまた、税計算合計キー11fが続けて操作されるか否かの判断の待機状態になる(ステップA48)。
【0054】
さらに、CPU21は、前記同様に、前記計算された税総合計額データが前記表示桁数(12桁)である計算可能桁を超えたと判断した場合(ステップA49a、Yes)、当該税総合計額データを、前記表示可能桁を超えた下位の桁を非表示にした概数として表示させ、概数エラーのシンボル(E)を表示させる(ステップA49c)。ここで、[C](エラー解除)キー11xが操作されると(ステップA49d、Yes)、前記概数エラー(E)の表示が解除され、前記概数データとしての税総合計額データの表示が保持される(ステップA49e)。そしてまた、税計算合計キー11fが続けて操作されるか否かの判断の待機状態になる(ステップA50)。
【0055】
この税計算合計キー11fの操作に応じた計算結果データ(税込総合計額データ又は税抜総合計額データ又は税総合計額データ)のデータが概数データとして表示される場合の動作例については後述する。
【0056】
次に、税合計後モードがオン状態にされた後(税込総合計額が算出された後)、税込1計算キー11bまたは税込2計算キー11cが操作された場合について説明する。
【0057】
図8(C1)~
図8(C3)に示すように、税込総合計額データ、税抜総合計額データ、あるいは税総合計額データが表示部12に表示された状態において、税込1計算キー11bが操作された場合(
図3のステップA8、Yes)、CPU21は、税合計後モードがオン状態にあるため(ステップA9、A11、No)、少なくとも1つの数値に対応する第1税込額データの合計を示す第1税込合計額データを税率1合計メモリエリア22bから読み出して表示部12に表示させる(
図4のステップA17)。さらに、第1税込合計額データが表示部12に表示されている状態において(ステップA17)、税込1計算キー11bが操作された場合(ステップA18、Yes)、CPU21は、税率1合計メモリエリア22bから第1税込合計額データに対応する第1税抜合計額データを読み出して表示部12に表示させる(ステップA19)。さらに、第1税抜額データが表示部12に表示された状態において、税込1計算キー11bが操作された場合(ステップA20、Yes)、CPU21は、税率1合計メモリエリア22bから第1税込合計額データに対応する第1税合計額データを読み出して表示部12に表示させる(ステップA21)。すなわち、電卓10は、税込総合計額データが算出された後では、税込1計算キー11bに対する操作毎に、税率1をもとに算出された第1税込合計額データ、第1税抜合計額データ、第1税合計額データの何れかの表示に切り替えることができる。よって、第1税込合計額データ、第1税抜合計額データ、第1税合計額データを容易に確認することができる。
【0058】
図8(D1)~
図8(D3)には、税込1計算キー11bが操作された場合の表示部12での表示例を示している。
図8(C1)~
図8(C3)に示す表示がされている状態において税込1計算キー11bが操作されると、CPU21は、
図8(D1)に示すように、税率1をもとに算出された第1税込合計額データ「8470」を表示部12に表示させる。ここで、税込1計算キー11bが操作されると、CPU21は、
図8(D2)に示すように、第1税抜合計額データ「7700」を表示部12に表示させる。さらに、税込1計算キー11bが操作されると、CPU21は、
図8(D3)に示すように、第1税合計額データ「770」を表示部12に表示させる。さらに、税込1計算キー11bが操作されると、CPU21は、
図8(D1)に示す表示に戻り、第1税込合計額データ「8470」を表示部12に表示させる。
【0059】
なお、
図8(D1)~
図8(D3)に示す表示状態において税込2計算キー11cが操作された場合には(ステップA23、A24、A25、Yes)、CPU21は、以下に説明する
図8(E1)~
図8(E3)に示す第2税込合計額の表示に切り替える(
図5のステップA35)。また、
図8(D1)~
図8(D3)に示す表示状態において税計算合計キー11fが操作された場合には(
図4のステップA51、Yes)、CPU21は、前述した税込総合計額の表示状態に移行する(
図6のステップA45)。
【0060】
一方、
図8(C1)~
図8(C3)に示すように、税込総合計額データ、税抜総合計額データ、あるいは税総合計額データが表示部12に表示された状態において、税込2計算キー11cが操作された場合(
図5のステップA26、Yes)、CPU21は、税合計後モードがオン状態にあるため(ステップA29、No)、少なくとも1つの数値に対応する第2税込額データの合計データを示す第2税込合計額データを税率2合計メモリエリア22cから読み出して表示部12に表示させる(ステップA35)。さらに、第2税込合計額データが表示部12に表示されている状態において(ステップA35)、税込2計算キー11cが操作された場合(ステップA36、Yes)、CPU21は、税率2合計メモリエリア22cから第2税込合計額データに対応する第2税抜合計額データを読み出して表示部12に表示させる(ステップA37)。さらに、第2税抜額データが表示部12に表示された状態において、税込2計算キー11cが操作された場合(ステップA38、Yes)、CPU21は、税率2合計メモリエリア22cから第2税込合計額データに対応する第2税合計額データを読み出して表示部12に表示させる(ステップA39)。すなわち、電卓10は、税込総合計額データが算出された後では、税込2計算キー11cに対する操作毎に、税率2をもとに算出された第2税込合計額データ、第2税抜合計額データ、第2税合計額データの何れかの表示に切り替えることができる。よって、第2税込合計額データ、第2税抜合計額データ、第2税合計額データを容易に確認することができる。
【0061】
図8(E1)~
図8(E3)には、税込2計算キー11cが操作された場合の表示部12での表示例を示している。
図8(C1)~
図8(C3)に示す表示がされている状態において税込2計算キー11cが操作されると、CPU21は、
図8(E1)に示すように、税率2をもとに算出された第2税込合計額データ「5832」を表示部12に表示させる。ここで、税込2計算キー11cが操作されると、CPU21は、
図8(E2)に示すように、第2税抜合計額データ「5400」を表示部12に表示させる。さらに、税込2計算キー11cが操作されると、CPU21は、
図8(E3)に示すように、第2税合計額「432」を表示部12に表示させる。さらに、税込2計算キー11cが操作されると、CPU21は、
図8(E1)に示す表示に戻り、第2税込合計額データ「5832」を表示部12に表示させる。
【0062】
なお、
図8(E1)~
図8(E3)に示す表示状態において税込1計算キー11bが操作された場合には(ステップA41、A42、A43、Yes)、CPU21は、
図8(D1)~
図8(D3)に示す第1税込合計額データの表示に切り替える(
図3のステップA11、No。
図4のステップA17)。また、
図8(E1)~
図8(E3)に示す表示状態において税計算合計キー11fが操作された場合には(
図5のステップA52、Yes)、CPU21は、前述した税込総合計額データの表示状態に移行する(
図6のステップA45)。
【0063】
すなわち、電卓10は、税合計後モードがオン状態にある間、税込1計算キー11bと税込2計算キー11cの操作による簡単な操作により、税率1と税率2のそれぞれに対応する合計表示(
図8(D1)~
図8(D3)、
図8(E1)~
図8(E3))を、相互に切り替えて表示させることができる。また、電卓10は、税計算合計キー11fの操作により総合計表示(
図8(C1)~
図8(C3))に切り替えて表示させることができる。
【0064】
こうして、本実施形態における電卓10では、複数の税率のそれぞれに対応する税込1計算キー11bと税込2計算キー11cを用いた簡単な操作で複数の税率に基づいた税計算をし、税計算の内容を容易に確認することができる。
【0065】
(概数エラー機能)
図9は、本実施形態における電卓10の概数エラー機能を説明するための入力操作と表示の具体例を示す図である。
【0066】
ここでは、例えばインフレにより貨幣価値が著しく低い国の通貨で、2つの税率(税率1=10%,税率2=8%)が適用される各商品A~Dを対象に税計算を行なうと仮定する。
【0067】
まず、[AC]キー11aの操作に応じて、CPU21により、税率1合計メモリエリア22b、税率2合計メモリエリア22c、税合計メモリエリア22dがクリアされ、税合計後モードがオフに設定され、
図9(A)に示すように、表示部12に「0」が表示された状態で(
図3のステップA1~A3)、
図9(B)に示すように、税率1が適用される商品Aの価格の数値データ「5000…00」(5000億)が入力され(ステップA4、Yes。ステップA5)、税込1計算キー11bが操作される(ステップA8、Yes)。
【0068】
すると、税合計後モードはオフに設定されているため(ステップA9、No。ステップA11、Yes)、
図9(C)に示すように、CPU21は、税率1をもとに計算して税率1合計メモリエリア22bに記憶した税込額データ「5500…00」(5500億)を表示部12に表示させる(ステップA12、A13)。
【0069】
同様に、
図9(D)に示すように、税率1が適用される商品Bの価格の数値データ「3000…00」(3000億)が入力され(ステップA4、Yes。ステップA5)、税込1計算キー11bが操作されると(ステップA8、Yes)、CPU21は、税率1をもとに計算して税率1合計メモリエリア22bに記憶した税込額データ「3300…00」(3300億)を表示部12に表示させる(ステップA11、Yes。ステップA12、A13)。
【0070】
続いて、
図9(E)に示すように、税率2が適用される商品Cの価格の数値データ「1500…00」(1500億)が入力され(ステップA4、Yes。ステップA5)、税込2計算キー11cが操作されると(
図5のステップA26、Yes)、CPU21は、税率2をもとに計算して税率2合計メモリエリア22cに記憶した税込額データ「1620…00」(1620億)を表示部12に表示させる(ステップA29、Yes。ステップA30、A31)。
【0071】
同様に、
図9(F)に示すように、税率2が適用される商品Dの価格の数値データ「700…00」(700億)が入力され(
図3のステップA4、Yes。ステップA5)、税込2計算キー11cが操作されると(
図5のステップA26、Yes)、CPU21は、税率2をもとに計算して税率2合計メモリエリア22cに記憶した税込額データ「756…00」(756億)を表示部12に表示させる(ステップA29、Yes。ステップA30、A31)。
【0072】
そして、
図9(G)に示すように、税計算合計キー11fが操作されると(
図6のステップA44、Yes)、CPU21は、税合計後モードデータ22eに記憶された税合計後モードをオンにし(ステップA55)、税率1合計メモリエリア22bに記憶された税率1での商品A,Bの税込額の合計データ(第1税込合計額データ)「8800…00」(8800億)と、税率2合計メモリエリア22cに記憶された税率2での商品C,Dの税込額の合計データ(第2税込合計額データ)「2376…00」(2376億)とを総合計した税込総合計額データ「11176…00」(1兆1176億)を計算して、税合計メモリエリア22dに記憶させる(ステップA45)
この際、前記計算された税込総合計額データ「11176…00」(1兆1176億)は表示部12の表示桁数(12桁)である計算可能桁を1桁超えているので(ステップA45a、Yes)、CPU21は、当該税込総合計額を、前記表示可能桁を超えた下位1桁を非表示にした概数データ「1.1176…0」として表示させ、概数エラーのシンボル(E)を表示させる(ステップA45c)。
【0073】
ユーザは、前記表示された税込総合計額データの概数「1.1176…0」の上位1桁に小数点が表示されていることで、当該税込総合計額データが下位1桁を非表示とした概数であることを知ることができるが、非表示である下位1桁の数値が“0”であり、前記概数として表示された税込総合計額データが正確な数値であることを確認できないと、この税計算を正確なものとして先に進めることができない。
【0074】
ここで、
図9(H)に示すように、[C](エラー解除)キー11xが操作されると(ステップA45d、Yes)、CPU21は、前記概数エラー(E)の表示を解除し、前記概数としての税込総合計額データの表示「1.1176…0」を保持する(ステップA45e)。
【0075】
そして、前記概数データとして表示されている税込総合計額データ「1.1176…0」の内訳を見るため、まず、
図9(I)に示すように、税込1計算キー11bが操作されると(
図3のステップA8、Yes)、税合計後モードはオンに設定されているため(ステップA11、No)、CPU21は、税率1合計メモリエリア22bから第1税込額データの合計を示す第1税込合計額データ「8800…00」(8800億)を読み出して表示部12に表示させる(
図4のステップA17)。
【0076】
続いて、
図9(J)に示すように、税込2計算キー11cが操作されると(ステップA23、Yes)、税合計後モードはオンに設定されているため(
図5のステップA29、No)、CPU21は、税率2合計メモリエリア22cから第2税込額データの合計を示す第2税込合計額データ「2376…00」(2376億)を読み出して表示部12に表示させる(ステップA35)。
【0077】
これにより、ユーザは、前記概数データとして表示された税込総合計額データ「1.1176…0」の内訳である第1税込合計額データ「8800…00」(8800億)と第2税込合計額データ「2376…00」(2376億)の何れもその下1桁の数値が“0”であることを容易に確認でき、前記概数として表示された税込総合計額データ「1.1176…0」について、非表示である下位1桁の数値も“0”であり正確であることを確認することができる。
【0078】
そして、
図9(K)に示すように、再び税計算合計キー11fが操作されると(ステップA52、Yes)、CPU21は、前記同様に、税率1合計メモリエリア22bに記憶された税率1での商品A,Bの税込額データの合計データ(第1税込合計額データ)「8800…00」(8800億)と、税率2合計メモリエリア22cに記憶された税率2での商品C,Dの税込額データの合計データ(第2税込合計額データ)「2376…00」(2376億)とを総合計した税込総合計額データ「11176…00」(1兆1176億)を計算して、税合計メモリエリア22dに記憶させ(
図6のステップA45)、当該税込総合計額データを、下位1桁を非表示にした概数「1.1176…0」(概数エラー(E))として表示させる(ステップA45a、Yes。ステップA45c)。
【0079】
ここでまた、
図9(L)に示すように、[C](エラー解除)キー11xの操作により(ステップA45d、Yes)、前記概数エラー(E)の表示を解除し(ステップA45e)、
図9(M)に示すように、もう一度、税計算合計キー11fが操作されると(ステップA46、Yes)、CPU21は、税率1合計メモリエリア22bと税率2合計メモリエリア22cに記憶されたデータをもとに、前記税込総合計額データ「11176…00」(1兆1176億)に対応する税抜総合計額データ「10200…00」(1兆200億)を計算して税合計メモリエリア22dに記憶させる(ステップA47)。また、CPU21は、前記計算された税抜総合計額データ「10200…00」(1兆200億)が、表示部12の表示桁数(12桁)である計算可能桁を1桁超えたと判断し(ステップA47a、Yes)、当該税抜総合計額を、前記表示可能桁を超えた下位1桁を非表示にした概数「1.0200…0」として表示させ、概数エラーのシンボル(E)を表示させる(ステップA47c)。
【0080】
この際、ユーザは、前記各商品A~Dの税抜額データ(
図9(B)、
図9(D)、
図9(E)、
図9(F)参照)の何れもその下1桁の数値が“0”であることを知っているので、前記概数データとして表示された税抜総合計額データ「1.0200…0」について、非表示である下位1桁の数値も“0”であることを確認できる。
【0081】
ここでまた、
図9(N)に示すように、[C](エラー解除)キー11xの操作により(ステップA47d、Yes)、前記概数エラー(E)の表示を解除し(ステップA47e)、
図9(O)に示すように、更にもう一度、税計算合計キー11fが操作されると(ステップA48、Yes)、CPU21は、税率1合計メモリエリア22bと税率2合計メモリエリア22cに記憶されたデータをもとに、前記税込総合計額データ「11176…00」(1兆1176億)に対応する税総合計額データ「9760…00」(9760億)を計算して税合計メモリエリア22dに記憶させ(ステップA49)、当該税総合計額データを表示部12に表示させる(ステップA49a、No。ステップA49b)。
【0082】
したがって、前記構成の電卓10による税計算機能及び概数エラー機能によれば、税率1の商品の税抜額データである数値が入力され税込1計算キー(第1税計算キー)11bが操作されると、前記税率1での税込額データが計算され、税率1合計メモリエリア22bの第1税込合計額データとして加算され記憶される。同様に、税率2の商品の税抜額データである数値が入力され税込2計算キー(第2税計算キー)11cが操作されると、前記税率2での税込額データが計算され、税率2合計メモリエリア22cに第2税込合計額データとして加算され記憶される。
【0083】
そして、税計算合計キー11fが操作されると、税合計後モードがオンとなり、前記第1税込合計額データと第2税込合計額データとを総合計した税込総合計額データが計算されて表示部12に表示され、この際、当該税込総合計額データが表示桁数(計算可能桁数)を超えた場合はその超えた桁数分の下位桁を非表示とし上位桁に小数点を加えた概数(概数エラーE)として表示部12に表示される。
【0084】
この後、[C](エラー解除)キー11xの操作により前記概数エラーEを解除し、税込1計算キー11bが操作されると、税合計後モードがオンであることで、前記第1税込合計額データが読み出されて表示部12に表示され、また、税込2計算キー11cが操作されると、同様に前記第2税込合計額データが読み出されて表示部12に表示される。
【0085】
これにより、ユーザは、前記概数として表示部12に表示された税込総合計額データの内訳である第1税込合計額データと第2税込合計額データの何れもその下1桁の数値が“0”であるか否かを容易に確認することができ、前記概数として表示部12に表示された税込総合計額について、非表示である下位桁の数値も“0”であり正確であることを確認できる。
【0086】
よって、前記構成の電卓10によれば、税込額データの総合計計算時において概数エラーとなった場合に、オーバフローにより非表示となる下位の桁の値を容易に確認することが可能になる。
【0087】
なお、前述した説明では、税込1計算キー11bと税込2計算キー11cに対する入力操作がある場合を例にしているが、税抜1計算キー11dと税抜2計算キー11eに対する入力操作がある場合についても同様の処理を実行することも可能である。ただし、税抜1計算キー11dあるいは税抜2計算キー11eが操作された場合、CPU21は、税抜額データを税込額データよりも優先して表示させるものとする。その他は、税込1計算キー11bまたは税込2計算キー11cが操作された場合と同様に処理する。
本発明の実施例では、税計算についての実施例で説明したが、税込み総合計に限定されることなく、複数のメモリ(メモリ1、メモリ2)に対する加算キー(M+1,M+2)により各メモリを演算(加算)し、その後、各メモリを合計した値(M1+M2)を表示させるような電子機器についても適用可能である。
すなわち、本発明では、入力された税抜数値データ(第1計算データ)に対して、税込1キー(第1計算操作)が受け付けられると、入力された税抜数値に対する税込数値データが第1結果データとして税込1合計メモリに加算され、1又は複数加算された結果である第1合計データが第1税込合計メモリ(第1合計メモリ)に記憶される。そして、入力された税抜数値データ(第2計算データ)に対して、税込2キー(第2計算操作)が受け付けられると、入力された税抜数値に対する税込数値データが第2結果データとして税込2合計メモリに加算され、1又は複数加算された結果である第2合計データが第2税込合計メモリ(第2合計メモリ)に記憶される。そして、税込総合計キーが操作されると、前記第1合計メモリに1又は複数の第1結果データが加算された結果である第1税込合計データ(第1合計データ)と、前記第2合計メモリに1又は複数の第2結果データが加算された結果である第2税込合計データ(第2合計データ)とを総合計した税込総合計データ(総合計データ)が表示部の表示可能桁を超えたか否か判断される。そして前記総合計データが前記表示部の表示可能桁を超えたと判断された場合に税込総合計データ(総合計データ)の概数データが前記表示部に表示される(概数表示)。そして税込総合計データ(総合計データ)の概数データが前記表示部に表示された後に、ユーザ操作に応じて、第1税込合計データ(前記第1合計メモリに記憶された第1合計データ)又は第2税込合計データ(前記第2合計メモリに記憶された第2合計データ)が前記表示部に表示されることとなる。このように、本発明は税率毎の税込みキーと税率毎の税込合計、税込み総合計に限定されることなく、複数のメモリ(メモリ1、メモリ2)に対する加算キー(M+1,M+2)により各メモリを加算し、その後、各メモリを合計した値(M1+M2)を表示させるような電子機器についても適用可能である。
【0088】
また、前記実施形態において記載した手法、すなわち
図3~
図6のフローチャートに示す処理等の各手法は、コンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記録媒体に格納して配布することができる。そして、コンピュータは、外部記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、前記実施形態において説明した機能と同様の処理を実現することができる。
【0089】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態としてネットワーク(インターネット)上を伝送させることができ、このネットワーク(インターネット)に接続されたコンピュータ(サーバ装置等)からプログラムデータを取り込み、前述した実施形態と同様の機能を実現することもできる。
【0090】
なお、本願発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、前記実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0091】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0092】
[1]
入力された第1計算データに対する1又は複数の第1結果データをメモリ内の第1合計データに加算することによって前記第1合計データを更新するための第1計算操作を受け付ける第1計算受付手段と、
入力された第2計算データに対する1又は複数の第2結果データを前記メモリ内の第2合計データに加算することによって前記第2合計データを更新するための第2計算操作を受け付ける第2計算受付手段と、
前記メモリ内の第1合計データに前記第1結果データが加算された結果である、更新された第1合計データと、前記メモリ内の第2合計データに前記第2結果データが加算された結果である、更新された第2合計データとを計算した総演算データが表示部の表示可能桁を超えたか否かを判断する表示桁判断手段と、
前記表示桁判断手段により前記総演算データが前記表示部の表示可能桁を超えたと判断された場合に前記総演算データの概数データを前記表示部に表示させる概数表示制御手段と、
前記概数表示制御手段により前記総演算データの概数データが前記表示部に表示された場合に、ユーザ操作に応じて、前記メモリに記憶されている、前記更新された第1合計データ又は前記更新された第2合計データを前記表示部に表示させる個別合計表示制御手段と、
を備えた計算装置。
【0093】
[2]
前記第1計算受付手段は、第1税率に対応した第1税計算操作を受け付ける第1税計算受付手段であり、
前記第2計算受付手段は、第2税率に対応した第2税計算操作を受け付ける第2税計算受付手段であり、
入力されて前記表示部に表示された税抜額データに対して前記第1税計算受付手段により第1税計算操作が受け付けられた場合に、前記第1税率をもとに第1税込額データを計算する第1税込額計算手段と、
入力されて前記表示部に表示された税抜額データに対して前記第2税計算受付手段により第2税計算操作が受け付けられた場合に、前記第2税率をもとに第2税込額データを計算する第2税込額計算手段と、
前記第1税込額計算手段により計算された第1税込額データ、又は前記第1税込額計算手段により計算された複数の前記第1税込額データを合計したデータを、前記更新された第1合計データである第1税込合計額データとして前記メモリに記憶させる第1税込合計額記憶制御手段と、
前記第2税込額計算手段により計算された第2税込額データ、又は前記第2税込額計算手段により計算された複数の前記第2税込額データを合計したデータを、前記更新された第2合計データである第2税込合計額データとして前記メモリに記憶させる第2税込合計額記憶制御手段と、
をさらに備え、
前記表示桁判断手段は、前記メモリに記憶されている、前記第1税込合計額データと前記第2税込合計額データとを合計した税込総合計額データが、前記表示部の表示可能桁を超えたか否かを判断し、
前記概数表示制御手段は、前記表示桁判断手段により前記税込総合計額データが前記表示部の表示可能桁を超えたと判断された場合に当該税込総合計額データの概数データを前記表示部に表示させ、
前記個別合計表示制御手段は、前記概数表示制御手段により前記税込総合計額データの概数データが前記表示部に表示された場合に、ユーザ操作に応じて、前記メモリに記憶されている、前記第1税込合計額データ又は前記第2税込合計額データを前記表示部に表示させる税別合計表示制御手段を備えた、
[1]に記載の計算装置。
【0094】
[3]
税計算合計操作を受け付ける税計算合計受付手段を備え、
前記表示桁判断手段は、
前記税計算合計受付手段により前記税計算合計操作が受け付けられた場合に、前記メモリに記憶されている、前記第1税込合計額データと前記第2税込合計額データとを合計した税込総合計額データを計算する税込総合計計算手段を有し、
前記税込総合計計算手段により計算された前記税込総合計額データが前記表示部の表示可能桁を超えたか否かを判断する、
[2]に記載の計算装置。
【0095】
[4]
前記概数表示制御手段は、前記表示桁判断手段により前記税込総合計額データが前記表示部の表示可能桁を超えたと判断された場合に当該税込総合計額データの概数データをエラー記号を加えて前記表示部に表示させる概数エラー表示制御手段を有する、
[3]に記載の計算装置。
【0096】
[5]
前記税別合計表示制御手段は、前記概数表示制御手段により前記税込総合計額データの概数データが前記表示部に表示され、なおかつ、ユーザ操作に応じて前記概数エラー表示制御手段により表示された前記エラー記号の表示が解除された場合、(1)前記第1税計算受付手段により前記第1税計算操作が受け付けられたときは、前記メモリに記憶されている前記第1税込合計額データを前記表示部に表示させ、(2)前記第2税計算受付手段により前記第2税計算操作が受け付けられたときは、前記メモリに記憶されている前記第2税込合計額データを前記表示部に表示させる、
[4]に記載の計算装置。
【0097】
[6]
前記税計算合計受付手段による前記税計算合計操作の受け付けに応じて前記税込総合計計算手段により前記税込総合計額データを計算する際に、税合計後モードを設定する税合計後モード設定手段を備え、
前記税別合計表示制御手段は、前記税合計後モード設定手段により前記税合計後モードが設定された状態で、前記第1税計算受付手段により前記第1税計算操作が受け付けられた場合には、前記メモリに記憶されている前記第1税込合計額データを前記表示部に表示させ、前記第2税計算受付手段により前記第2税計算操作が受け付けられた場合には、前記メモリに記憶されている前記第2税込合計額データを前記表示部に表示させる、
[5]に記載の計算装置。
【0098】
[7]
前記表示部と、
前記メモリを備える記憶手段と、
を備えた、[1]乃至[6]の何れか1つに記載の計算装置。
【0099】
[8]
前記メモリは、
前記第1合計データが記憶される第1合計メモリと、
前記第2合計データが記憶される第2合計メモリと、
を有する、[1]乃至[7]の何れか1つに記載の計算装置。
【0100】
[9]
入力された第1計算データに対する1又は複数の第1結果データをメモリ内の第1合計データに加算することによって前記第1合計データを更新するための第1計算操作を受け付け、
入力された第2計算データに対する1又は複数の第2結果データを前記メモリ内の第2合計データに加算することによって前記第2合計データを更新するための第2計算操作を受け付け、
前記メモリ内の第1合計データに前記第1結果データが加算された結果である、更新された第1合計データと、前記メモリ内の第2合計データに前記第2結果データが加算された結果である、更新された第2合計データとを計算した総演算データが表示部の表示可能桁を超えたか否かを判断し、
前記総演算データが前記表示部の表示可能桁を超えたと判断された場合に前記総演算データの概数データを前記表示部に表示させ、
前記総演算データの概数データが前記表示部に表示された後に、ユーザ操作に応じて、前記メモリに記憶されている、前記更新された第1合計データ又は前記更新された第2合計データを前記表示部に表示させる、
計算方法。
【0101】
[10]
コンピュータを、
入力された第1計算データに対する1又は複数の第1結果データをメモリ内の第1合計データに加算することによって前記第1合計データを更新するための第1計算操作を受け付ける第1計算受付手段、
入力された第2計算データに対する1又は複数の第2結果データを前記メモリ内の第2合計データに加算することによって前記第2合計データを更新するための第2計算操作を受け付ける第2計算受付手段、
前記メモリ内の第1合計データに前記第1結果データが加算された結果である、更新された第1合計データと、前記メモリ内の第2合計データに前記第2結果データが加算された結果である、更新された第2合計データとを計算した総演算データが表示部の表示可能桁を超えたか否かを判断する表示桁判断手段、
前記表示桁判断手段により前記総演算データが前記表示部の表示可能桁を超えたと判断された場合に前記総演算データの概数データを前記表示部に表示させる概数表示制御手段、
前記概数表示制御手段により前記総演算データの概数データが前記表示部に表示された場合に、ユーザ操作に応じて、前記メモリに記憶されている、前記更新された第1合計データ又は前記更新された第2合計データを前記表示部に表示させる個別合計表示制御手段、
として機能させるためのコンピュータ読み込み可能なプログラム。
【符号の説明】
【0102】
10…電卓、11…キー入力部、11b…税込1計算キー、11c…税込2計算キー、11f…税計算合計キー、11x…[C](エラー解除)キー、12…表示部、21…CPU、22…メモリ、22a…計算処理プログラム、22b…税率1合計メモリエリア、22c…税率2合計メモリエリア、22d…税合計メモリエリア、22e…税合計後モードデータ。