(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】基板
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
B41J2/175 161
B41J2/175 175
B41J2/175 167
(21)【出願番号】P 2021214129
(22)【出願日】2021-12-28
【審査請求日】2022-09-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 修一
(72)【発明者】
【氏名】小杉 康彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 潤
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-226940(JP,A)
【文献】特表2018-537326(JP,A)
【文献】特開2007-196664(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111923598(CN,A)
【文献】中国実用新案第202428829(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに液体を導入する液体導入部と、前記液体導入部が設けられ液体収容容器を収容する収容部と、前記収容部に設けられた複数の装置側端子と、を備えた印刷装置に装着され、前記複数の装置側端子と接触するように構成される基板であって、
基材と、
前記基材に設けられたデバイスと、
前記基材に設けられた複数の端子と、を備え、
前記複数の端子は、少なくとも、第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、第5端子と、を含み、
前記第1端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第1装置側端子と接触するべき第1接触部を含み、
前記第2端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第2装置側端子と接触するべき第2接触部を含み、
前記第3端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第3装置側端子と接触するべき第3接触部を含み、
前記第4端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第4装置側端子と接触するべき第4接触部を含み、
前記第5端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第5装置側端子と接触するべき第5接触部を含み、
前記第1端子は、前記第1端子が、前記第2端子、前記第3端子、および前記第4端子のうち少なくとも1つと短絡しているか否かを検出するのに用いられ、
平面視で、
直交する2つの直線を第1仮想線および第2仮想線とし、前記基材に設けられた全ての端子の全ての接触部を前記第2仮想線に投影したとき、前記全ての接触部は異なる位置に投影され、前記全ての接触部の投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間を前記第1仮想線が通り、
前記第1仮想線に対して、一方の領域を第1領域、他方の領域を第2領域としたとき、前記全ての接触部のうち一部の接触部が前記第1領域に配置され、残りの接触部が前記第2領域に配置され、前記一部の接触部には前記第1接触部と前記第2接触部と前記第3接触部と前記第4接触部とが含まれ、前記残りの接触部には前記第5接触部が含まれ、
前記一部の接触部と前記残りの接触部とは前記第1仮想線について非対称に配置される、基板。
【請求項2】
請求項1に記載の基板であって、
前記第1接触部の投影位置と前記第5接触部の投影位置の間には、前記第2接触部、前記第3接触部、および前記第4接触部のうち、少なくとも1つの接触部が投影されるように配置された、基板。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の基板であって、
前記第1接触部の投影位置と前記第5接触部の投影位置の間には、前記第2接触部、前記第3接触部、および前記第4接触部のうち、いずれか2つ以上の接触部が投影されるように配置された、基板。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記第1接触部は、前記第2接触部、前記第3接触部、前記第4接触部のうち、いずれか2つの接触部の投影位置の間に投影されるように配置された、基板。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記第1接触部はデータ接触部であり、前記第1端子はデータ端子であり、
前記第2接触部はクロック接触部であり、前記第2端子はクロック端子であり、
前記第3接触部はリセット接触部であり、前記第3端子はリセット端子であり、
前記第4接触部は電源接触部であり、前記第4端子は電源端子であり、
前記第5接触部は接地接触部であり、前記第5端子は接地端子である、基板。
【請求項6】
請求項5に記載の基板であって、
前記電源接触部の投影位置と前記クロック接触部の投影位置の間には、前記データ接触部および前記リセット接触部のいずれか一方または両方が投影されるように配置され、前記リセット接触部は、その投影位置が前記電源接触部の投影位置の隣となるように配置された、基板。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の基板であって、
前記電源接触部は、その投影位置が前記データ接触部の投影位置の隣となるように配置された、基板。
【請求項8】
請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記クロック接触部は、前記接地接触部の投影位置と最も離れた位置に投影されるように配置され、
前記データ接触部、前記電源接触部、および前記リセット接触部は、前記第2仮想線上の前記クロック接触部の投影位置から前記接地接触部の投影位置に向かう方向に順番に投影されるように配置された、基板。
【請求項9】
請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記データ接触部と前記接地接触部との間の距離は、前記データ接触部と前記クロック接触部との間の距離よりも長い、基板。
【請求項10】
請求項5から請求項9までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記データ接触部と前記接地接触部との間の距離は、前記データ接触部と前記リセット接触部との間の距離よりも長い、基板。
【請求項11】
請求項5から請求項10までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記データ接触部と前記接地接触部との間の距離は、前記データ接触部と前記電源接触部との間の距離よりも長い、基板。
【請求項12】
請求項5から請求項11までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記第1領域において、前記接地接触部を除く接触部のうち、前記第2仮想線に投影されたときに前記接地接触部の投影位置と最も離れた位置に投影される接触部と、前記第2領域に設けられている前記接地接触部との前記第2仮想線に沿った方向における間隔をWaとするとき、
前記第1領域において、前記接地接触部を除く接触部のうち、前記第2仮想線に投影されたときに前記接地接触部の投影位置と最も近い位置に投影される接触部と、前記第2領域に設けられている前記接地接触部の間の前記第2仮想線に沿った方向における間隔は、Wa/2以上である、基板。
【請求項13】
請求項5から請求項12までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記第1領域において、前記接地接触部を除く接触部のうち、前記第2仮想線に投影されたときに前記接地接触部の投影位置と最も近い位置に投影される接触部と、前記第2領域に設けられている前記接地接触部との間には、他の接触部が存在しない、基板。
【請求項14】
請求項5から請求項13までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記データ接触部と前記クロック接触部とを結ぶ仮想線分上には、他の接触部が存在しない、基板。
【請求項15】
請求項5から請求項14までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記データ接触部と前記リセット接触部とを結ぶ仮想線分上には、他の接触部が存在しない、基板。
【請求項16】
請求項5から請求項15までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記データ接触部と前記電源接触部とを結ぶ仮想線分上には、他の接触部が存在しない、基板。
【請求項17】
請求項5から請求項16までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記基板が重力方向に沿った方向に装着される場合において、
前記クロック接触部、前記電源接触部、及び前記リセット接触部は、前記データ接触部よりも前記重力方向側に配置され、
前記クロック接触部、前記電源接触部、及び前記リセット接触部のうちの少なくとも1つの接触部は、前記データ接触部の投影位置と、前記接地接触部の投影位置の間に投影されるように配置された、基板。
【請求項18】
請求項5から請求項17までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記クロック接触部、前記データ接触部、前記電源接触部、前記リセット接触部、および前記接地接触部は、複数の列を形成するように配置されている、基板。
【請求項19】
請求項18に記載の基板であって、
前記複数の列は、2列で構成され、
前記第2仮想線上に投影したときに隣に投影される前記基材上の2つの接触部は異なる列を形成している、基板。
【請求項20】
請求項19に記載の基板であって、
前記データ接触部と、前記接地接触部は、異なる列に配置されており、
前記データ接触部と前記接地接触部の投影位置の間には、前記クロック接触部、前記電源接触部、前記リセット接触部のうちいずれかの接触部が投影されるように配置された、基板。
【請求項21】
請求項1から請求項20までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記第1端子は、さらに、前記基板が前記印刷装置に装着されているか否かを検出するのに用いられる、基板。
【請求項22】
請求項1から請求項21までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記第5端子は、接地端子であり、
前記第1端子、前記第2端子、前記第3端子、および前記第4端子に供給される電圧は、前記デバイスが受け入れ可能な電圧である、基板。
【請求項23】
請求項1から請求項22までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記第1仮想線は、前記基板が前記印刷装置に装着される装着方向の成分を含む方向に沿っている、基板。
【請求項24】
請求項1から請求項23までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記第4端子に供給される電圧は前記デバイスを駆動するのに用いられる、基板。
【請求項25】
請求項1から請求項24までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記デバイスは、前記第1端子と前記複数の端子のうち前記第1端子以外の端子とが短絡していないこと、および前記基板が前記印刷装置に装着されていること示す信号を出力する、基板。
【請求項26】
請求項1から請求項25までのいずれか1項に記載の基板であって、
前記デバイスには、前記液体収容容器に収容される液体に関する情報が記憶されている、基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板、液体収容容器、印刷システム、および、基板または液体収容容器の使用の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置に着脱可能に装着されるインクカートリッジについて、端子群が有する装着検出端子を用いてインクカートリッジの装着検出を行う技術が知られている(特許文献1)。端子群は、電源電圧よりも高い高電圧が印加される端子を含む4つの装着検出端子と5つのメモリー端子から構成されており、装着検出端子はメモリー端子を囲むように、端子群の四隅に配置されている。特許文献1では、装着検出端子が装置側端子と電気的に接続されていると検出された場合、印刷装置は、インクカートリッジが印刷装置に装着されていると判断する。
【0003】
また、印刷装置に着脱可能に装着されるインクカートリッジについて、メモリー端子を用いてインクカートリッジの装着検出を行う技術が知られている(特許文献2)。インクカートリッジに備えられたメモリーなどの記憶装置は、印刷装置などのホスト装置に接続されていることを通知するための応答信号を、リセット端子、クロック端子、データ端子のうちのいずれかの端子を介してホスト端子に出力する。ホスト装置は、記憶装置からの応答信号により、接続検出専用の端子を用いることなく、記憶装置がホスト装置に接続されているか否かを判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2012-029311号公報
【文献】特開2011-170740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1および2では、メモリー端子間の短絡検出については触れられていない。特許文献1では、仮に、メモリー端子間の短絡が発生した場合、インクカートリッジが印刷装置に装着されていると判断されても、印刷装置が正常に動作しない可能性や、インクカートリッジのメモリーに対する読み書きが正常に行えない可能性がある。特許文献2では、仮に、メモリー端子間の短絡が発生した場合、メモリーが印刷装置に本来の信号を出力することができず、メモリーが印刷装置に適正に接続されていることを、印刷装置が判断できない可能性がある。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、インクカートリッジ等の液体収容容器において、端子間の短絡発生の可能性を抑制できるような技術を提供することを目的の1つとする。または、仮に、少なくとも一部の端子間で短絡が発生した場合に、その短絡を検出できるような技術を提供することを目的の1つとする。本開示は、上記複数の目的のうち少なくとも1つを達成するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1形態によれば、印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに液体を導入する液体導入部と、前記液体導入部が設けられ液体収容容器を収容する収容部と、前記収容部に設けられた複数の装置側端子と、を備えた印刷装置に装着され、前記複数の装置側端子と接触するように構成される基板が提供される。この基板は、基材と、前記基材に設けられたデバイスと、前記基材に設けられた複数の端子と、を備え、前記複数の端子は、少なくとも、第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、第5端子と、を含み、前記第1端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第1装置側端子と接触するべき第1接触部を含み、前記第2端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第2装置側端子と接触するべき第2接触部を含み、前記第3端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第3装置側端子と接触するべき第3接触部を含み、前記第4端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第4装置側端子と接触するべき第4接触部を含み、前記第5端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第5装置側端子と接触するべき第5接触部を含み、前記第1端子は、前記第1端子が、前記第2端子、前記第3端子、および前記第4端子のうち少なくとも1つと短絡しているか否かを検出するのに用いられ、平面視で、直交する2つの直線を第1仮想線および第2仮想線とし、前記基材に設けられた全ての端子の全ての接触部を前記第2仮想線に投影したとき、前記全ての接触部は異なる位置に投影され、前記全ての接触部の投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間を前記第1仮想線が通り、前記第1仮想線に対して、一方の領域を第1領域、他方の領域を第2領域としたとき、前記全ての接触部のうち一部の接触部が前記第1領域に配置され、残りの接触部が前記第2領域に配置され、前記一部の接触部には前記第1接触部と前記第2接触部と前記第3接触部と前記第4接触部とが含まれ、前記残りの接触部には前記第5接触部が含まれ、前記一部の接触部と前記残りの接触部とは前記第1仮想線について非対称に配置される。
【0008】
本開示の第2形態によれば、印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに液体を導入する液体導入部と、前記液体導入部が設けられ液体収容容器を収容する収容部と、前記収容部に設けられた複数の装置側端子と、を備えた印刷装置に装着され、前記複数の装置側端子と接触するように構成される基板が提供される。この基板は、基材と、前記基材に設けられたデバイスと、前記基材に設けられた複数の端子と、を備え、前記複数の端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第1装置側端子と接触するべき第1接触部を含む第1端子と、その他の端子群と、を含み、前記その他の端子群は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第2装置側端子と接触するべき第2接触部を含む第2端子と、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第3装置側端子と接触するべき第3接触部を含む第3端子と、を少なくとも含み、前記第2端子は、前記第2端子が、前記その他の端子群のうち前記第2端子を除く前記その他の端子群の少なくとも1つと短絡しているか否かを検出するのに用いられ、平面視で、直交する2つの直線を第1仮想線および第2仮想線とし、前記基材に設けられた全ての端子の全ての接触部を前記第2仮想線に投影したとき、前記全ての接触部は異なる位置に投影され、前記全ての接触部の投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間を前記第1仮想線が通り、前記第1仮想線に対して、一方の領域を第1領域、他方の領域を第2領域としたとき、前記全ての接触部のうち一部の接触部が前記第1領域に配置され、残りの接触部が前記第2領域に配置され、前記一部の接触部には前記第2接触部と前記第3接触部とが含まれ、前記残りの接触部には前記第1接触部が含まれ、前記一部の接触部と前記残りの接触部とは前記第1仮想線について非対称に配置される。
【0009】
本開示の第3形態によれば、印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに液体を導入する液体導入部と、前記液体導入部が設けられ液体収容容器を収容する収容部と、前記収容部に設けられた複数の装置側端子と、を備えた印刷装置に装着され、前記複数の装置側端子と接触するように構成される基板が提供される。前記複数の装置側端子は、第1装置側端子と、第2装置側端子と、第3装置側端子と、第4装置側端子と、第5装置側端子と、を含み、平面視で、直交する2つの直線を第1仮想線および第2仮想線とし、前記第1装置側端子の接触部、前記第2装置側端子の接触部、前記第3装置側端子の接触部、前記第4装置側端子の接触部、および前記第5装置側端子の接触部を前記第2仮想線に投影したときの投影位置を、それぞれ、第1投影位置、第2投影位置、第3投影位置、第4投影位置、および第5投影位置としたとき、全ての装置側端子の接触部を前記第2仮想線に投影したとき、前記全ての装置側端子の接触部は異なる位置に投影され、前記全ての装置側端子の接触部の投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間を前記第1仮想線が通り、前記第1仮想線に対して、一方の領域を第1領域、他方の領域を第2領域としたとき、前記全ての装置側端子の接触部のうち一部の装置側端子の接触部が前記第1領域に配置され、残りの装置側端子の接触部が前記第2領域に配置され、前記一部の装置側端子の接触部には前記第1装置側端子の接触部と前記第2装置側端子の接触部と前記第3装置側端子の接触部と前記第4装置側端子の接触部とが含まれ、前記残りの装置側端子の接触部には前記第5装置側端子の接触部が含まれ、前記一部の装置側端子の接触部と前記残りの装置側端子の接触部とは前記第1仮想線について非対称に配置さる。この基板は、基材と、前記基材に設けられたデバイスと、前記基材に設けられた複数の端子と、を備え、前記複数の端子は、少なくとも、第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、第5端子と、を含み、前記第1端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置に装着されたとき前記印刷装置の複数の装置側端子のうちの対応する前記第1装置側端子と接触するべき第1接触部を含み、前記第2端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置に装着されたとき前記複数の装置側端子のうちの対応する前記第2装置側端子と接触するべき第2接触部を含み、前記第3端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置に装着されたとき前記複数の装置側端子のうちの対応する前記第3装置側端子と接触するべき第3接触部を含み、前記第4端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置に装着されたとき前記複数の装置側端子のうちの対応する前記第4装置側端子と接触するべき第4接触部を含み、前記第5端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置に装着されたとき前記複数の装置側端子のうちの対応する前記第5装置側端子と接触するべき第5接触部を含み、前記第1端子は、前記第1端子が、前記第2端子、前記第3端子、および前記第4端子のうち少なくとも1つと短絡しているか否かを検出するのに用いられる。
【0010】
本開示の第4形態によれば、印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに液体を導入する液体導入部と、前記液体導入部が設けられた収容部と、前記収容部に設けられた複数の装置側端子と、を備えた印刷装置の前記収容部に装着される液体収容容器が提供される。この液体収容容器は、液体を収容可能な液体収容体と、前記印刷装置の前記液体導入部に装着され、前記液体収容体から前記液体導入部に液体を供給する液体供給口を有する液体供給部と、デバイスと、複数の端子と、を備え、前記複数の端子は、少なくとも、第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、第5端子と、を含み、前記第1端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第1装置側端子と接触するべき第1接触部を含み、前記第2端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第2装置側端子と接触するべき第2接触部を含み、前記第3端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第3装置側端子と接触するべき第3接触部を含み、前記第4端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第4装置側端子と接触するべき第4接触部を含み、前記第5端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第5装置側端子と接触するべき第5接触部を含み、前記第1端子は、前記第1端子が、前記第2端子、前記第3端子、および前記第4端子のうち少なくとも1つと短絡しているか否かを検出するのに用いられ、平面視で、直交する2つの直線を第1仮想線および第2仮想線とし、前記液体収容容器に設けられた全ての端子の全ての接触部を前記第2仮想線に投影したとき、前記全ての接触部は異なる位置に投影され、前記全ての接触部の投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間を前記第1仮想線が通り、前記第1仮想線に対して、一方の領域を第1領域、他方の領域を第2領域としたとき、前記全ての接触部のうち一部の接触部が前記第1領域に配置され、残りの接触部が前記第2領域に配置され、前記一部の接触部には前記第1接触部と前記第2接触部と前記第3接触部と前記第4接触部とが含まれ、前記残りの接触部には前記第5接触部が含まれ、前記一部の接触部と前記残りの接触部とは前記第1仮想線について非対称に配置される。
【0011】
本開示の第5形態によれば、印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに液体を導入する液体導入部と、前記液体導入部が設けられた収容部と、前記収容部に設けられた複数の装置側端子と、を備えた印刷装置の前記収容部に装着される液体収容容器が提供される。この液体収容容器は、液体を収容可能な液体収容体と、前記印刷装置の前記液体導入部に装着され、前記液体収容体から前記液体導入部に液体を供給する液体供給口を有する液体供給部と、デバイスと、複数の端子と、を備え、前記複数の端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置の複数の装置側端子のうちの対応する第1装置側端子と接触するべき第1接触部を含む第1端子と、その他の端子群と、を含み、前記その他の端子群は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第2装置側端子と接触するべき第2接触部を含む第2端子と、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第3装置側端子と接触するべき第3接触部を含む第3端子と、を少なくとも含み、前記第2端子は、前記第2端子が、前記その他の端子群のうち前記第2端子を除く前記その他の端子群の少なくとも1つと短絡しているか否かを検出するのに用いられ、平面視で、直交する2つの直線を第1仮想線および第2仮想線とし、前記液体収容容器に設けられた全ての端子の全ての接触部を前記第2仮想線に投影したとき、前記全ての接触部は異なる位置に投影され、前記全ての接触部の投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間を前記第1仮想線が通り、前記第1仮想線に対して、一方の領域を第1領域、他方の領域を第2領域としたとき、前記全ての接触部のうち一部の接触部が前記第1領域に配置され、残りの接触部が前記第2領域に配置され、前記一部の接触部には前記第2接触部と前記第3接触部とが含まれ、前記残りの接触部には前記第1接触部が含まれ、前記一部の接触部と前記残りの接触部とは前記第1仮想線について非対称に配置される。
【0012】
本開示の第6形態によれば、印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに液体を導入する液体導入部と、前記液体導入部が設けられた収容部と、前記収容部に設けられた複数の装置側端子と、を備えた印刷装置の前記収容部に装着される液体収容容器が提供される。前記複数の装置側端子は、第1装置側端子と、第2装置側端子と、第3装置側端子と、第4装置側端子と、第5装置側端子と、を含み、平面視で、直交する2つの直線を第1仮想線および第2仮想線とし、前記第1装置側端子の接触部、前記第2装置側端子の接触部、前記第3装置側端子の接触部、前記第4装置側端子の接触部、および前記第5装置側端子の接触部を前記第2仮想線に投影したときの投影位置を、それぞれ、第1投影位置、第2投影位置、第3投影位置、第4投影位置、および第5投影位置としたとき、全ての装置側端子の接触部を前記第2仮想線に投影したとき、前記全ての装置側端子の接触部は異なる位置に投影され、前記全ての装置側端子の接触部の投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間を前記第1仮想線が通り、前記第1仮想線に対して、一方の領域を第1領域、他方の領域を第2領域としたとき、前記全ての装置側端子の接触部のうち一部の装置側端子の接触部が前記第1領域に配置され、残りの装置側端子の接触部が前記第2領域に配置され、前記一部の装置側端子の接触部には前記第1装置側端子の接触部と前記第2装置側端子の接触部と前記第3装置側端子の接触部と前記第4装置側端子の接触部とが含まれ、前記残りの装置側端子の接触部には前記第5装置側端子の接触部が含まれ、前記一部の装置側端子の接触部と前記残りの装置側端子の接触部とは前記第1仮想線について非対称に配置される。この液体収容容器は、液体を収容可能な液体収容体と、前記印刷装置の前記液体導入部に装着され、前記液体収容体から前記液体導入部に液体を供給する液体供給口を有する液体供給部と、デバイスと、複数の端子と、を備え、前記複数の端子は、少なくとも、第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、第5端子と、を含み、前記第1端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置に装着されたとき前記印刷装置の複数の装置側端子のうちの対応する前記第1装置側端子と接触するべき第1接触部を含み、前記第2端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置に装着されたとき前記複数の装置側端子のうちの対応する前記第2装置側端子と接触するべき第2接触部を含み、前記第3端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置に装着されたとき前記複数の装置側端子のうちの対応する前記第3装置側端子と接触するべき第3接触部を含み、前記第4端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置に装着されたとき前記複数の装置側端子のうちの対応する前記第4装置側端子と接触するべき第4接触部を含み、前記第5端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置に装着されたとき前記複数の装置側端子のうちの対応する前記第5装置側端子と接触するべき第5接触部を含み、前記第1端子は、前記第1端子が、前記第2端子、前記第3端子、および前記第4端子のうち少なくとも1つと短絡しているか否かを検出するのに用いられる。
【0013】
本開示の第7形態によれば、印刷システムが提供される。この印刷システムは、印刷装置と、液体を収容可能な液体収容体と、液体供給口を有する液体供給部と、デバイスと、複数の端子と、前記デバイスと前記複数の端子が設けられた基板と、を備え、前記印刷装置は、印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに液体を導入する液体導入部と、複数の装置側端子と、を備え、前記液体供給口は、前記液体収容体から前記印刷装置の前記液体導入部に液体を供給し、前記基板は、前記印刷装置に装着され、前記複数の装置側端子に接触するように構成されており、前記複数の端子は、少なくとも、第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、第5端子と、を含み、前記第1端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第1装置側端子と接触するべき第1接触部を含み、前記第2端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第2装置側端子と接触するべき第2接触部を含み、前記第3端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第3装置側端子と接触するべき第3接触部を含み、前記第4端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第4装置側端子と接触するべき第4接触部を含み、前記第5端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第5装置側端子と接触するべき第5接触部を含み、前記第1端子は、前記第1端子が、前記第2端子、前記第3端子、および前記第4端子のうち少なくとも1つと短絡しているか否かを検出するのに用いられ、平面視で、直交する2つの直線を第1仮想線および第2仮想線とし、前記基板に設けられた全ての端子の全ての接触部を前記第2仮想線に投影したとき、前記全ての接触部は異なる位置に投影され、前記全ての接触部の投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間を前記第1仮想線が通り、前記第1仮想線に対して、一方の領域を第1領域、他方の領域を第2領域としたとき、前記全ての接触部のうち一部の接触部が前記第1領域に配置され、残りの接触部が前記第2領域に配置され、前記一部の接触部には前記第1接触部と前記第2接触部と前記第3接触部と前記第4接触部とが含まれ、前記残りの接触部には前記第5接触部が含まれ、前記一部の接触部と前記残りの接触部とは前記第1仮想線について非対称に配置される。
【0014】
本開示の第8形態によれば、印刷システムが提供される。この印刷システムは、印刷装置と、前記印刷装置に装着される液体収容容器と、を備え、前記印刷装置は、印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに液体を導入する液体導入部と、複数の装置側端子と、を備え、前記液体収容容器は、液体を収容可能な液体収容体と、前記液体収容体から前記印刷装置の前記液体導入部に液体を供給する液体供給口を有する液体供給部と、デバイスと、複数の端子と、を備え、前記複数の端子は、少なくとも、第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、第5端子と、を含み、前記第1端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第1装置側端子と接触するべき第1接触部を含み、前記第2端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第2装置側端子と接触するべき第2接触部を含み、前記第3端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第3装置側端子と接触するべき第3接触部を含み、前記第4端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第4装置側端子と接触するべき第4接触部を含み、前記第5端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第5装置側端子と接触するべき第5接触部を含み、前記第1端子は、前記第1端子が、前記第2端子、前記第3端子、および前記第4端子のうち少なくとも1つと短絡しているか否かを検出するのに用いられ、平面視で、直交する2つの直線を第1仮想線および第2仮想線とし、前記液体収容容器に設けられた全ての端子の全ての接触部を前記第2仮想線に投影したとき、前記全ての接触部は異なる位置に投影され、前記全ての接触部の投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間を前記第1仮想線が通り、前記第1仮想線に対して、一方の領域を第1領域、他方の領域を第2領域としたとき、前記全ての接触部のうち一部の接触部が前記第1領域に配置され、残りの接触部が前記第2領域に配置され、前記一部の接触部には前記第1接触部と前記第2接触部と前記第3接触部と前記第4接触部とが含まれ、前記残りの接触部には前記第5接触部が含まれ、前記一部の接触部と前記残りの接触部とは前記第1仮想線について非対称に配置される。
【0015】
本開示の第9形態によれば、印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに液体を導入する液体導入部と、前記液体導入部が設けられ液体収容容器を収容する収容部と、前記収容部に設けられた複数の装置側端子と、を備えた印刷装置に装着され、前記複数の装置側端子と接触するように構成される基板の使用が提供される。この基板の使用は、基材と、前記基材に設けられたデバイスと、前記基材に設けられた複数の端子と、を備え、前記複数の端子は、少なくとも、第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、第5端子と、を含み、前記第1端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第1装置側端子と接触するべき第1接触部を含み、前記第2端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第2装置側端子と接触するべき第2接触部を含み、前記第3端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第3装置側端子と接触するべき第3接触部を含み、前記第4端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第4装置側端子と接触するべき第4接触部を含み、前記第5端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第5装置側端子と接触するべき第5接触部を含み、前記第1端子は、前記第1端子が、前記第2端子、前記第3端子、および前記第4端子のうち少なくとも1つと短絡しているか否かを検出するのに用いられ、平面視で、直交する2つの直線を第1仮想線および第2仮想線とし、前記基材に設けられた全ての端子の全ての接触部を前記第2仮想線に投影したとき、前記全ての接触部は異なる位置に投影され、前記全ての接触部の投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間を前記第1仮想線が通り、前記第1仮想線に対して、一方の領域を第1領域、他方の領域を第2領域としたとき、前記全ての接触部のうち一部の接触部が前記第1領域に配置され、残りの接触部が前記第2領域に配置され、前記一部の接触部には前記第1接触部と前記第2接触部と前記第3接触部と前記第4接触部とが含まれ、前記残りの接触部には前記第5接触部が含まれ、前記一部の接触部と前記残りの接触部とは前記第1仮想線について非対称に配置される。
【0016】
本開示の第10形態によれば、印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに液体を導入する液体導入部と、前記液体導入部が設けられた収容部と、前記収容部に設けられた複数の装置側端子と、を備えた印刷装置の前記収容部に装着される液体収容容器の使用が提供される。この液体収容容器の使用は、液体を収容可能な液体収容体と、前記印刷装置の前記液体導入部に装着され、前記液体収容体から前記液体導入部に液体を供給する液体供給口を有する液体供給部と、デバイスと、複数の端子と、を備え、前記複数の端子は、少なくとも、第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、第5端子と、を含み、前記第1端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第1装置側端子と接触するべき第1接触部を含み、前記第2端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第2装置側端子と接触するべき第2接触部を含み、前記第3端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第3装置側端子と接触するべき第3接触部を含み、前記第4端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第4装置側端子と接触するべき第4接触部を含み、前記第5端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第5装置側端子と接触するべき第5接触部を含み、前記第1端子は、前記第1端子が、前記第2端子、前記第3端子、および前記第4端子のうち少なくとも1つと短絡しているか否かを検出するのに用いられ、平面視で、直交する2つの直線を第1仮想線および第2仮想線とし、前記液体収容容器に設けられた全ての端子の全ての接触部を前記第2仮想線に投影したとき、前記全ての接触部は異なる位置に投影され、前記全ての接触部の投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間を前記第1仮想線が通り、前記第1仮想線に対して、一方の領域を第1領域、他方の領域を第2領域としたとき、前記全ての接触部のうち一部の接触部が前記第1領域に配置され、残りの接触部が前記第2領域に配置され、前記一部の接触部には前記第1接触部と前記第2接触部と前記第3接触部と前記第4接触部とが含まれ、前記残りの接触部には前記第5接触部が含まれ、前記一部の接触部と前記残りの接触部とは前記第1仮想線について非対称に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】印刷システムのハードウェア構成を示す斜視図。
【
図7A】液体収容容器がキャリッジに装着される様子を示す図。
【
図8】印刷システムの電気的な構成を模式的に示した図。
【
図9】印刷装置の機能構成を1つの液体収容容器と共に示す図。
【
図10A】接続状態の判定処理のうち印刷装置が実行する処理のフローチャート。
【
図10B】接続状態の判定処理のうちデバイスが実行する処理のフローチャート。
【
図11A】印刷装置が要求信号を出力するときのタイミングチャート。
【
図11B】デバイスが第1応答信号と第2応答信号を出力するときのタイミングチャート。
【
図12】主制御部が実行する接続状態の判定処理の概要を示す図。
【
図13A】接続状態の判定処理の第1のタイミングチャート。
【
図13B】接続状態の判定処理の第2のタイミングチャート。
【
図14A】接続状態の判定処理の第3のタイミングチャート。
【
図14B】接続状態の判定処理の第4のタイミングチャート。
【
図15】接続状態の判定処理の第5のタイミングチャート。
【
図16A】接続状態の判定処理の第6のタイミングチャート。
【
図16B】接続状態の判定処理の第7のタイミングチャート。
【
図17】接続状態の判定処理の第8のタイミングチャート。
【
図18A】接続状態の判定処理の第9のタイミングチャート。
【
図18B】接続状態の判定処理の第10のタイミングチャート。
【
図19】接続状態の判定処理の第11のタイミングチャート。
【
図20A】接続状態の判定処理の第12のタイミングチャート。
【
図20B】接続状態の判定処理の第13のタイミングチャート。
【
図20C】接続状態の判定処理のその他の具体例を説明するための図。
【
図21A】他の実施形態1としての基板を説明する図。
【
図22】他の実施形態2としての2パターンの基板を示す図。
【
図23】他の実施形態3としての2パターンの基板を示す図。
【
図24】他の実施形態4としての2パターンの基板を示す図。
【
図25】他の実施形態4としての2パターンの基板を示す図。
【
図26】他の実施形態5としての基板を説明する図。
【
図27】他の実施形態6としての2パターンの基板を示す図。
【
図29】他の実施形態1としての液体収容容器を示す斜視図。
【
図30】他の実施形態2としての液体収容容器を示す斜視図。
【
図32】他の実施形態3としての液体収容容器を示す斜視図。
【
図33】他の実施形態4としての液体収容容器を示す斜視図。
【
図34】他の実施形態5としての液体収容容器を示す斜視図。
【
図35】他の実施形態6としての液体収容容器を示す斜視図。
【
図36】他の実施形態7としての液体収容容器を示す図。
【
図37】他の実施形態8としての液体収容容器を示す図。
【
図38】他の実施形態9としての液体収容容器を示す斜視図。
【
図40】液体収容容器を印刷装置の収容部に装着する過程を説明する第1図。
【
図41】液体収容容器を印刷装置の収容部に装着する過程を説明する第2図。
【
図43】他の実施形態1としての印刷システムを示す図。
【
図44】他の実施形態2としての印刷システムを示す図。
【
図45】他の実施形態3としての印刷システムを示す図。
【
図46】他の実施形態4としての印刷システムを示す図。
【
図47A】6つの液体収容容器を備える印刷システムにおける第1のタイミングチャート。
【
図47B】6つの液体収容容器を備える印刷システムにおける第2のタイミングチャート。
【
図48】6つの液体収容容器を備える印刷システムの電気的な構成を模式的に示した図。
【
図49】他の実施形態1としてのデバイスを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
A.第1実施形態:
A1.ハードウェア構成:
図1および
図2を参照して、印刷システム1000の概要を説明する。
図1は、印刷システム1000のハードウェア構成を示す斜視図である。
図2は、印刷システム1000の概略構成を示す説明図である。
図1には、互いに直交するX軸,Y軸,Z軸を付している。X軸,Y軸,Z軸の矢印が向いている方向は、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を示している。X軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を、それぞれ+X方向,+Y方向,+Z方向とする。X軸,Y軸,Z軸の矢印が向いている方向と逆の方向が、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向である。X軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向を、それぞれ-X方向,-Y方向,-Z方向とする。X軸,Y軸,Z軸に沿った方向で正負を問わないものを、それぞれX方向,Y方向,Z方向とよぶ。これ以降に示す図及び説明についても同様である。他の図に描かれたX軸、Y軸、Z軸は、
図1のX軸、Y軸、Z軸に対応している。
図1において、印刷システム1000の通常の使用姿勢において、印刷システム1000の正面方向を+Y方向とする。+Z方向を重力方向とし、-Z方向を反重力方向とする。
【0019】
印刷システム1000は、印刷装置20と、複数の液体収容容器100とを備えている。印刷装置20は、具体的には、インクジェットプリンターである。液体収容容器100は、具体的には、インクカートリッジである。印刷装置20は、ヘッド駆動機構と、主走査送り機構と、副走査送り機構と、を備えている。
【0020】
ヘッド駆動機構は、キャリッジ30を備えている。キャリッジ30は、収容部4と、印刷ヘッド5と、を備える。収容部4は、4個の液体収容容器100を着脱可能に装着するように構成されている。本開示において、「液体収容容器100が印刷装置20に装着されている」とは、液体収容容器100が印刷装置20に物理的に取り付けられ、後述する端子290の接触部cpが後述する装置側端子490に電気的に接続されることをいう。4個の液体収容容器100はそれぞれ、収容部4の予め定められた位置に収容される。本開示において、4個の液体収容容器100はそれぞれ、互いに異なる色の液体を収容している。液体は、具体的にはインクであり、以降インクと表記する。4個の液体収容容器100を区別して示す場合には、液体収容容器100A~100Dと表記する。キャリッジ30は、液体収容容器100を交換できる交換位置と、液体収容容器100を交換できない待機位置に移動可能に構成されている。
【0021】
印刷ヘッド5は、キャリッジ30の+Z方向の面に設けられている。印刷ヘッド5の+Z方向を向く面には、インク滴を吐出する複数のノズルが設けられている。各ノズルは、キャリッジ30内の流路を介して、収容部4に装着された液体収容容器100A~100Dのいずれかに接続されている。収容部4には、後述する液体導入部6と、後述する接続機構400と、が設けられている。液体導入部6は、液体収容容器100の後述する液体供給口104opと着脱可能に構成されている。液体導入部6は、液体収容容器100からインクを供給され、キャリッジ30内の流路を介して、印刷ヘッド5にインクを導入する。接続機構400は、後述する複数の装置側端子490を有する。
【0022】
主走査送り機構は、駆動ベルト36と、キャリッジモーター32と、摺動軸34と、プーリ38と、を備えている。駆動ベルト36は、無端ベルトであり、キャリッジモーター32とプーリ38との間に張設されている。駆動ベルト36には、キャリッジ30が固定されている。摺動軸34は、後述する紙送りローラー26の軸と並行に設けられており、キャリッジ30を摺動可能に保持している。キャリッジモーター32が回転することにより、駆動ベルト36に固定されたキャリッジ30は、摺動軸34に沿って+X方向および-X方向に移動する。
【0023】
副走査送り機構は、紙送りモーター22と、紙送りローラー26と、を備えている。紙送りモーター22が回転することにより、紙送りローラー26は、印刷媒体PAをY方向に搬送する。
【0024】
印刷装置20は、さらに、主制御部40を備える。主制御部40は、ケーブル31によって、キャリッジ30と接続されている。ケーブル31には、バス46が形成されており、主制御部40は、バス46を介してキャリッジ30の後述する副制御基板500と電気的に接続されている。
【0025】
主制御部40は、上記の各機構を制御して印刷処理を実現する。主制御部40は、例えば、コンピューター90から、コネクター80を介して、ユーザーの印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブの内容に基づき、印刷を実行する。印刷媒体PAが紙送りローラー26によって+Y方向に搬送され、キャリッジ30に設けられた印刷ヘッド5が駆動ベルト36によって+X方向および-X方向に移動することにより、印刷ヘッド5から+Z方向に吐出されるインクは、印刷媒体PA上の任意の場所に着弾し、画像が形成される。本開示において、「画像」は文字や記号を含む。本開示において、キャリッジ30が移動する+X方向および-X方向を、まとめて「主走査方向」と呼ぶ。印刷媒体PAを紙送りする-Y方向および+Y方向を、まとめて「副走査方向」と呼ぶ。
【0026】
印刷装置20は、さらに、操作部70を備える。ユーザーは、操作部70を用いて、印刷装置20の各種の設定を行ったり、印刷装置20のステータスを確認したりする。
【0027】
上記のように、印刷装置20は、印刷ヘッド5と、印刷ヘッド5に液体を導入する液体導入部6と、液体導入部6が設けられ液体収容容器100を収容する収容部4と、複数の装置側端子490と、を備える。印刷ヘッド5は印刷装置20に設けられている。印刷ヘッド5は液体収容容器100には設けられていない。印刷ヘッド5が液体収容容器100に備えられている形態は、本開示と技術分野を異にする。
【0028】
図3および
図4を参照して、液体収容容器100の構成について説明する。
図3は、液体収容容器100の構成を示す第1斜視図である。
図4は、液体収容容器100の構成を示す第2斜視図である。液体収容容器100についてのX軸、Y軸、Z軸の向きは、
図1と同様、X方向とY方向とに平行な水平面に印刷装置20が配置され、かつ、印刷装置20に液体収容容器100が装着された状態を基準としている。
【0029】
図3および
図4に示すように、液体収容容器100の外観形状は略直方体形状である。
図3に示すように、液体収容容器100は、液体としてのインクを収容可能な液体収容体101と、液体供給口104opを有する液体供給部104と、基板120と、を備えている。
【0030】
液体収容体101は、液体収容容器100の外殻を形成する。液体収容体101は、第1壁101wfと、第2壁101wrと、第3壁101wbと、第4壁101wuと、第5壁101wsaと、第6壁101wsbと、を有する。これらの6つの壁101wf,101wr,101wb,101wu,101wsa,101wsbによって、インクを収容するインク室150が液体収容体101の内側に区画されている。第1壁101wfは、+Y方向側の壁であり、前壁を構成する。前壁は、印刷システム1000の正面側を向いている。第2壁101wrは、第1壁101wfと対向する。第2壁101wrは、-Y方向側の壁であり、後壁を構成する。後壁は、印刷システム1000の後面側を向いている。第3壁101wbは、第1壁101wfおよび第2壁101wrと交差し、本実施形態では実質的に直交する。第3壁101wbは、+Z方向側の壁であり、底壁を構成する。第4壁101wuは、第1壁101wfおよび第2壁101wrと交差し、本実施形態では実質的に直交する。第4壁101wuは、第3壁101wbと対向する。第4壁101wuは、-Z方向側の壁であり、上壁を構成する。第5壁101wsaは、第1壁101wf~第4壁101wuと交差し、本実施形態では実質的に直交する。第5壁101wsaは、-X方向側の壁であり、右側壁を構成する。第6壁101wsbは、第1壁101wf~第4壁101wuと交差し、本実施形態では実質的に直交する。第6壁101wsbは、第5壁101wsaと対向する。第6壁101wsbは、+X方向側の壁であり、左側壁を構成する。
【0031】
液体供給部104は、第3壁101wbから突出する筒状部材である。液体供給口104opは、液体供給部104の先端側に位置する。液体供給口104opは、液体収容体101のインク室150と連通し、印刷装置20のキャリッジ30に液体収容容器100が装着されたときに、キャリッジ30の後述する液体導入部6にインクを供給する。液体供給口104opは、フィルム104fによって封止されている。液体供給口104opは、液体導入部6と着脱可能に構成されている。液体収容容器100をキャリッジ30に装着する際、液体導入部6によって、フィルム104fが破られる。インク室150に収容されているインクは、液体導入部6を介して、印刷装置20の印刷ヘッド5に供給される。インク室150のインクが消費されるに伴って、インク室150には、図示しない大気開放孔から空気が導入される。
【0032】
液体収容容器100を印刷装置20のキャリッジ30に装着する方向を装着方向MDとする。装着方向MDは、基板120を印刷装置20のキャリッジ30に装着する方向でもある。本実施形態では、装着方向MDは+Z方向である。互いに直交する2つの方向を第1方向FDおよび第2方向SDとする。第1方向FDは、装着方向MDの成分を含む方向である。本実施形態では、第1方向FDは、Z方向であり、第2方向SDはX方向である。第1方向FDは、基板120の前面120faに実質的に沿った方向である。
【0033】
第1方向FDは、以下の様にも定義される。例えば、第1方向FDは、液体供給口104opを含む仮想面に垂直な方向である。例えば、第1方向FDは、液体収容容器100や基板120がキャリッジ30に装着されるとき、後述する端子290上を後述する印刷装置20の装置側端子490が通過する方向である。例えば、第1方向FDは、印刷装置20の複数の装置側端子490が配列される方向と直交する方向である。他の実施形態において、前面120faが装着方向MDに対して傾斜している場合には、第1方向FDは装着方向MDと異なる方向となる。
【0034】
基板120は、液体収容容器100に用いられる。本実施形態では、
図4に示すように、基板120は、液体収容体101の第2壁101wrに設けられている。基板120の詳細については後述する。
【0035】
第2壁101wrには、2つの突起Pr1、Pr2が形成されている。これらの突起Pr1、Pr2は、-Y方向に突出している。基板120には、これらの突起Pr1、Pr2をそれぞれ受け入れる穴122と切り欠き121とが形成されている。穴122は、基板120の液体供給部104側の端部の中央に形成され、切り欠き121は、基板120の液体供給部104とは反対側の端部の中央に形成されている。基板120を第2壁101wrに固定するとき、突起Pr1、Pr2は、穴122、切り欠き121に、それぞれ挿入される。基板120が第2壁101wrに挿入された後、これらの突起Pr1、Pr2の先端が潰される。これにより、基板120は、第2壁101wrに固定される。なお、基板120を第2壁101wrに固定する手段は、これに限定されない。
【0036】
本実施形態において、基板120が設けられた第2壁101wrに垂直な方向から液体収容容器100をみたとき、基板120は液体供給口104opの中心軸と後述する第1仮想線C1とが重なるように配置されている。液体供給口104opの中心軸上には、後述する接触部cpが配置されていない。
【0037】
図3に示すように、液体収容容器100は、さらに、液体検出部材110を備える。液体検出部材110は、液体収容体101の内部に固定されている。液体検出部材110は、印刷装置20が液体収容容器100のインク残量を検出するのに用いられる部材である。液体検出部材110は、例えば、光学的にインク残量を検出するためのプリズムであってもよいし、圧電体を2枚の対向する電極で挟んだ圧電素子であってもよいし、電極間の抵抗の違いによってインク残量を検出する2つの電極であってもよい。なお、液体検出部材110は設けられなくても良い。
【0038】
図5および
図6を参照して、基板120の詳細について説明する。
図5は、基板120の構成を示す第1の図である。
図6は、基板120の構成を示す第2の図である。
図6に示すように、基板120は、基材120bdと、複数の端子290と、デバイス130と、図示しない配線と、を備える。基板120は、この他の構成を含んでいてもよい。基材120bdは、前面120faと裏面120fbとを有する。本実施形態では、前面120faと裏面120fbとはそれぞれ平面である。基材120bdは、リジット基板やフレキシブル基板等を構成する材料で構成されても良い。端子290は、金箔などの導電体で形成されている。
【0039】
本開示において「表面」は例えば以下のように定義される。例えば「表面」は、基材120bdのうち、液体収容容器100や基板120が印刷装置20に装着されたときに後述する装置側端子490に対向する面である。例えば「表面」は、基材120bdのうち、液体収容容器100や基板120が印刷装置20に装着されたときに後述する装置側端子490に対向する面に加え、端子290が形成されている面である。例えば「表面」は、基材120bdのうち、後述する接触部cpを含む面である。本実施形態では「表面」は前面120faである。他の実施形態において、特筆しない限り「表面」は前面120faである。
【0040】
図5に示すように、複数の端子290は、データ端子210と、クロック端子220と、電源端子230と、リセット端子240と、接地端子250と、を含む。各端子210,220,230,240,250は、デバイス130に接続されている。各端子210~250は、それぞれ、基材120bdの前面120faおよび裏面120fbに設けられた配線パターン層や基材120bdの内部に設けられたスルーホールを介して、デバイス130と電気的に接続されている。データ端子210は、デバイス130と印刷装置20との間でデータ信号SDAを送受信するのに用いられる。ここで「信号」とは、電圧の変化をいう。データ端子210を介して送受信される信号には、例えば、後述する記憶部138に記憶される各種データを示す信号や、後述する処理部136によって制御され、記憶部138には記憶されない信号や、印刷装置20の主制御部40や副制御部50によって制御され、記憶部138に記憶されない信号が含まれる。クロック端子220は、印刷装置20からデバイス130にクロック信号SCKを送信するのに用いられる。電源端子230は、印刷装置20からデバイス130に電源電圧VDDを供給するのに用いられる。リセット端子240は、印刷装置20からデバイス130にリセット信号RSTを送信するのに用いられる。接地端子250は、印刷装置20の後述する装置側端子450を介して接地されている。データ端子210、クロック端子220、電源端子230、およびリセット端子240に供給される電圧は、デバイス130が受け入れ可能な電圧である。各端子210~240に供給される電圧の範囲は同等であり、本実施形態では、約0V~約3.3Vである。デバイス130が受け入れ可能な電圧とは、例えば、印刷ヘッド5を駆動するのに用いられる電圧よりも低い電圧、電源電圧VDDと同程度の電圧、デバイス130の耐電圧よりも小さい電圧、デバイス130が破壊されない電圧、またはデバイス130が誤動作しない電圧である。ここで、出荷検査に使用されるチェック端子は、本開示の端子290には含まれない。チェック端子とは、液体収容容器100が印刷装置20に装着されたときに印刷装置20の装置側端子490と接触しない端子である。チェック端子は、後述する接触部cpを形成しない。
【0041】
図5に示すように、各端子210,220,230,240,250は、液体収容容器100が収容部4に装着されたとき、印刷装置20の接続機構400が有する複数の装置側端子490のうち対応する装置側端子410,420,430,440,450に接触するべき接触部cpを含む。データ端子210の接触部cpをデータ接触部cpdとも呼ぶ。クロック端子220の接触部cpをクロック接触部cpcとも呼ぶ。電源端子230の接触部cpを電源接触部cpvdとも呼ぶ。リセット端子240の接触部cpをリセット接触部cprとも呼ぶ。接地端子250の接触部cpを接地接触部cpvsとも呼ぶ。接触部cpは、液体収容容器100が収容部4に装着されたとき、装置側端子410,420,430,440,450と接触するべき、各端子210,220,230,240,250上の一部の領域であり、液体収容容器100単体でも認識されうる領域である。基板120には、データ接触部cpd,クロック接触部cpc,電源接触部cpvd,リセット接触部cpr,および接地接触部cpvsが存在する。端子290と、印刷装置20の装置側端子490との接続に関しては後述する。端子290とそれに対応する接触部cpは上記の端子210~250の他にあってもよい。
【0042】
データ端子210は、データ端子210が、クロック端子220、電源端子230、およびリセット端子240のうち少なくとも1つと短絡しているか否か、を検出するのに用いられる。具体的には、データ端子210は、データ端子210が、クロック端子220、電源端子230、およびリセット端子240のうち少なくとも1つと後述する短絡状態であるか否か、を検出するのに用いられる。データ端子210は、液体収容容器100が印刷装置20に装着されているか否かを検出するのに用いられる。具体的には、データ端子210は、液体収容容器100が後述する装着完了状態であるかまたは後述する非装着完了状態であるかを検出するのに用いられる。
【0043】
以下、基板120を平面視する。
図5に示すように、直交する2つの直線を第1仮想線C1および第2仮想線C2とする。本実施形態では、第1仮想線C1は第1方向FDに
伸びる線であり、第2仮想線C2は、第2方向SDに
伸びる線である。本実施形態では、基材120bdの表面120faに実質的に沿った2つの直交する直線を、第1仮想線C1および第2仮想線C2としている。
【0044】
基板120の基材120bdに設けられた全ての端子290の全ての接触部cpを第2仮想線C2に投影したとする。本実施形態では、データ接触部cpd、クロック接触部cpc、電源接触部cpvd、リセット接触部cpr、および接地接触部cpvsを第2仮想線C2に投影したとする。接触部cpの投影位置について、データ接触部cpdの投影位置をswdとし、クロック接触部cpcの投影位置をswcとし、電源接触部cpvdの投影位置をswvdとし、リセット接触部cprの投影位置をswrとし、接地接触部cpvsの投影位置をswvsとする。各投影位置swd,swc,swvd,swr,swvsは、各接触部cpd,cpc,cpvd,cpr,cpvsから第2仮想線C2に対して垂直に投影した正射影である。このとき、全ての接触部cpは異なる位置に投影される。データ接触部cpd、クロック接触部cpc、電源接触部cpvd、リセット接触部cpr、および接地接触部cpvsは、各接触部cpを通る第1仮想線C1に沿ったそれぞれの仮想線が、互いに重なったり交わったりすることなく、平行となるように、配置されている。またこのとき、全ての接触部cpの投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間MPを第1仮想線C1が通る。本実施形態では、データ接触部cpd、クロック接触部cpc、電源接触部cpvd、およびリセット接触部cprの投影位置swd,swc,swvd,swrのうち、接地接触部cpvsの投影位置swvsと最も離れた位置に配置された接触部の投影位置と、接地接触部cpvsの投影位置swvsの中間MPを第1仮想線C1が通っている。本実施形態では、クロック接触部cpcの投影位置swcと接地接触部cpvsの投影位置swvsの中間を第1仮想線C1が通っている。
【0045】
第1仮想線C1に対して、基板120の基材120bdの一方の領域を第1領域Rg1とし、基板120の基材120bdの他方の領域を第2領域Rg2とする。本実施形態では、第1領域Rg1は第1仮想線C1よりも第2方向SDの負方向である-X方向側の領域であり、第2領域Rg2は第1仮想線C1よりも第2方向SDの正方向である+X方向側の領域である。第1領域Rg1は第1仮想線C1を挟む基板120の一方の領域でもあり、第2領域Rg2は第1仮想線C1を挟む基板120の他方の領域でもある。全ての接触部cpのうち一部の接触部cpaが第1領域Rg1に配置され、残りの接触部cpbが第2領域Rg2に配置される。第1領域Rg1に配置される一部の接触部cpaには、データ接触部cpdと、クロック接触部cpcと、電源接触部cpvと、リセット接触部cprとが含まれる。第2領域Rg2に配置される残りの接触部cpbには、接地接触部cpvsが含まれる。第1仮想線C1を挟んで一方の側にはクロック接触部cpcと、データ接触部cpdと、リセット接触部cprと、電源接触部cpvdとが配置され、他方の側には接地接触部cpvsが配置されている。一部の接触部cpaと残りの接触部cpbとは第1仮想線C1について非対称に配置される。第1仮想線C1上に接触部cpは設けられていない。
【0046】
接地接触部cpvsは、複数の接触部cpのうちで、第2方向SDの正方向である+X方向における最も端に配置されている。クロック接触部cpc、データ接触部cpd、電源接触部cpvd、およびリセット接触部cprのうち、いずれか1つの接触部cpは、複数の接触部cpのうちで、第2方向SDの負方向である-X方向における最も端に配置されている。このいずれか1つの接触部cpは、複数の接触部cpのうちで第2方向SDの最も一方の側に位置する。接地接触部cpvsは、複数の接触部cpのうちで第2方向SDの最も他方の側に位置する。第1領域Rg1において、接地接触部cpvsを除く接触部cpのうち、第2仮想線C2に投影されたときに接地接触部cpvsの投影位置swvsと最も離れた位置に投影される接触部cpと、第2領域Rg2に設けられている接地接触部cpvsの第2仮想線C2に沿った方向における間隔はWaである。本実施形態では、クロック接触部cpcの投影位置swcと接地接触部cpvsの投影位置swvsの第2仮想線C2に沿った方向における間隔がWaである。本実施形態では、クロック接触部cpと接地接触部cpvsとの第2方向SDにおける距離は距離Waである。
【0047】
データ接触部cpd,クロック接触部cpc,電源接触部cpvd,およびリセット接触部cprは、接地接触部cpvsから遠ざけて配置することが好ましい。例えば、第1領域Rg1において、接地接触部cpvsを除く接触部cpのうち、第2仮想線C2に投影されたときに接地接触部cpvsの投影位置swvsと最も近い位置に投影される接触部cpと、第2領域Rg2に設けられている接地接触部cpvsの間の第2仮想線C2に沿った方向における間隔は、Wa/2以上である。本実施形態において、第1領域Rg1において、接地接触部cpvsを除く接触部cpd,cpvd,cpr,cpvdのうち、第2方向SDの正方向側に位置するリセット接触部cprと、第2領域Rg2に設けられている接地接触部cpvsの間の第2方向SDにおける間隔は、Wa/2以上である。例えば、第1領域Rg1において、接地接触部cpvsを除く接触部cpのうち、第2仮想線C2に投影されたときに接地接触部cpvsの投影位置swvsと最も近い位置に投影される接触部cpと、第2領域Rg2に設けられている接地接触部cpvsとの間には、端子290を介してデバイス130に接続される他の接触部cpが存在しない。本実施形態では、第1領域Rg1において第2方向SDの正方向である+X方向側の最も端に設けられているリセット接触部cprと、第2領域Rg2に設けられている接地接触部cpvsとの間の領域には、端子290を介してデバイス130に接続される他の接触部cpが存在しない。例えば、基板120に配置された他の接触部cpd,cpc,cpvd,cprや接地接触部cpvsが、第1仮想線C1上に設けられない。
【0048】
基板120には、データ接触部cpdの投影位置swdと接地接触部cpvsの投影位置swvsの間には、クロック接触部cpc、電源接触部cpvd、およびリセット接触部cprのうち、少なくとも1つの接触部cpが投影されるように配置されている。好ましくは、基板120には、データ接触部cpdの投影位置swdと接地接触部cpvsの投影位置swvsの間には、クロック接触部cpc、電源接触部cpvd、およびリセット接触部cprのうち、いずれか2つ以上の接触部cpが投影されるように配置されている。本実施形態において、基板120には、データ接触部cpdの投影位置swdと接地接触部cpvsの投影位置swvsの間には、電源接触部cpvd、およびリセット接触部cprが投影されるように配置されている。
【0049】
基板120には、データ接触部cpdは、電源接触部cpvd、リセット接触部cpr、クロック接触部cpcのうち、いずれか2つの接触部cpの投影位置の間に投影されるように配置されている。データ接触部cpdは、第2仮想線C2上において最も端に投影される接触部とはならない。本実施形態において、データ接触部cpdは、クロック接触部cpcと、電源接触部cpvdの投影位置の間に投影されるように配置されている。
【0050】
基板120には、電源接触部cpvdの投影位置swvdとクロック接触部cpcの投影位置swcの間には、データ接触部cpdおよびリセット接触部cprのいずれか一方または両方が投影されるように配置されている。また、リセット接触部cprは、その投影位置swrが電源接触部cpvdの投影位置swvdの隣となるように配置されている。本実施形態において、基板120には、電源接触部cpvdの投影位置swvdとクロック接触部cpcの投影位置swcの間には、データ接触部cpdが投影されるように配置されている。「隣となるように配置されている」とは、必ずしも一の接触部と他の接触部とが最も近くにあることを意味しない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、一の接触部と他の接触部との間に他の構成が配置されていても良い。
【0051】
基板120には、電源接触部cpvdは、その投影位置swvdがデータ接触部cpdの投影位置swdの隣となるように配置されている。
【0052】
本実施形態において、基板120には、クロック接触部cpcは、接地接触部cpvsの投影位置swvsと最も離れた位置に投影されるように配置されている。また、データ接触部cpd、電源接触部cpvd、およびリセット接触部cprは、第2仮想線C2のクロック接触部cpcの投影位置swcから接地接触部cpvsの投影位置swvsに向かう方向に順番に投影されるように配置されている。クロック接触部cpcは、第2方向SDの負方向である-X方向における最も端に位置している。クロック接触部cpc以外の接触部cpは、第2方向SDの負方向である-X方向から正方向である+X方向に向かって、データ接触部cpd、電源接触部cpvd、リセット接触部cpr、の順に配置されている。複数の接触部cpは、各々の投影位置が、-X方向から+X方向に向かって、クロック接触部cpc、データ接触部cpd,電源接触部cpvd,リセット接触部cpr,接地接触部cpvsの順になるように配置されている。
【0053】
クロック接触部cpc、データ接触部cpd、電源接触部cpvd、リセット接触部cpr、および接地接触部cpvsは、複数の列を形成するように配置される。複数の列は、第2仮想線C2に平行であり、第1仮想線C1に垂直である。本実施形態では、複数の接触部cpは、第1方向FDと垂直な列を2列形成するように配置されており、2列の方向は、第2方向SDに平行である。2つの列同士が並ぶ方向は、第1仮想線C1に沿った方向であり、本実施形態では、第1方向FDに沿った方向である。2つの列を第1列R1、第2列R2と呼ぶ。第1列R1は、クロック接触部cpcと電源接触部cpvdと接地接触部cpvsとによって形成される。第2列R2は、データ接触部cpdとリセット接触部cprとによって形成される。第2列R2を形成するデータ接触部cpdとリセット接触部cprと、第1列R1を形成するクロック接触部cpcと電源接触部cpvdと接地接触部cpvsは、互いの接触部cpが第1仮想線C1の方向に並ばないように、互い違いに配置され、いわゆる千鳥状の配置を構成している。第2仮想線C2上に投影したときに隣に投影される基材120bd上の2つの接触部cpは異なる列を形成している。データ接触部cpdと、接地接触部cpvsとは異なる列に配置されている。データ接触部cpdの投影位置swdと接地接触部cpvsの投影位置swvsの間には、クロック接触部cpc、電源接触部cpvd、およびリセット接触部cprのうちいずれかの接触部cpが投影されるように配置されている。本実施形態では、データ接触部cpdの投影位置swdと接地接触部cpvsの投影位置swvsの間には、リセット接触部cprと電源接触部cpvdとが投影されるように配置されている。なお、本実施形態では、各端子210~250の接触部cpは、第1列R1と第2列R2とを形成するように配置されているが、これに限定されるものではない。例えば、各端子210~250の接触部cpは、3列や4列を形成するように配置されてもよい。列は1つの接触部cpによっても形成され得る。
【0054】
接地接触部cpvsとリセット接触部cprとの距離を距離Danとする。データ接触部cpdとクロック接触部cpcとの距離を距離Dbnとする。データ接触部cpdと接地接触部cpvsとの距離を距離Dcnとする。データ接触部cpdとリセット接触部cprとの距離を距離Ddnとする。データ接触部cpdと電源接触部cpvdとの距離をDenとする。この場合、距離Dcnは、距離Dbnよりも長い。距離Dcnは、距離Denよりも長い。距離Dcnは、距離Ddnよりも長い。本実施形態では、距離Dbnと距離Denは同じである。データ接触部cpdと、接地接触部cpvsを除く複数の接触部cpのうちでデータ接触部cpdに最も遠い接触部cpとの距離は、距離Dbnと距離Denである。この場合、距離Danは、距離Dbnや距離Denよりも長い。
【0055】
クロック接触部cpcと、リセット接触部cprと、電源接触部cpvdとが、データ接触部cpdと接地接触部cpvsとの間で、データ接触部cpdを囲むように、データ接触部cpdと隣り合って配置されている。クロック接触部cpcと、リセット接触部cprと、電源接触部cpvdとを通る仮想円Vcrの内側に、データ接触部cpdが配置されることで、クロック接触部cpcと、リセット接触部cprと、電源接触部cpvdとがデータ接触部cpdを取り囲む。
【0056】
クロック接触部cpcとデータ接触部cpdとを結ぶ仮想線分を第1線分FLとし、リセット接触部cprとデータ接触部cpdとを結ぶ仮想線分を第2線分SLとし、電源接触部cpvdとデータ接触部cpdを結ぶ仮想線分を第3線分TLとする。第1線分FL上には、クロック接触部cpcおよびデータ接触部cpdとは異なる他の端子290の接触部cpは存在していない。第2線分SL上には、リセット接触部cprおよびデータ接触部cpdとは異なる他の端子290の接触部cpは存在していない。第3線分TL上には、電源接触部cpvdおよびデータ接触部cpdとは異なる端子290の接触部cpは存在していない。
【0057】
本実施形態では、5つの端子210~250についても、上記の各接触部cpd,cpc,cpvd,cpr,cpvsと同じ位置関係を有する。つまり、第1領域Rg1には、データ端子210と、クロック端子220と、リセット端子240と、電源端子230とが配置されている。第2領域Rg2には、接地端子250が配置されている。第1線分FL上には、クロック端子220およびデータ端子210とは異なる他の端子290は配置されていない。第2線分SL上には、リセット端子240およびデータ端子210とは異なる他の端子290は配置されていない。第3線分TL上には、電源端子230およびデータ端子210とは異なる端子290は配置されていない。
【0058】
上記のように、データ端子210は、データ端子210と、クロック端子220、リセット端子240、および電源端子250とが短絡が生じているか否か、および液体収容容器100が印刷装置20装着されているか否か、を検出するのに用いられるものであり、本開示における接触部cpの配置の少なくとも一部は、このような検出を可能とするべく定められたものである。
【0059】
図6に示すように、デバイス130は、基材120bdに設けられるように構成されている。デバイス130は、処理部136を備える。本実施形態では、デバイス130は、処理部136と、記憶部138とを備える。デバイス130は、樹脂139によってモールド(封止)されている。なお、デバイス130は、別の方法で基材120bdに搭載されても良い。
【0060】
処理部136は、例えば、回路によって構成される。処理部136は、端子210~250と接続しており、端子210~250に入出力される信号や電圧を制御する。処理部136は、CPUなどの高度な演算処理機能を有する回路であっても良い。処理部136の詳細は後述する。
【0061】
記憶部138は、例えば、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリーによって構成される。記憶部138は、液体収容容器100に関する情報を記憶する。液体収容容器100に関する情報は、例えば、インクの消費量、インクの色、液体収容容器100の製造年月日、液体収容容器100の識別情報などである。本実施形態では、液体収容容器100A~100Dにはそれぞれ識別情報として「1」~「4」が割り当てられている。
【0062】
図7A~
図7Cを参照して、キャリッジ30の構成と、キャリッジ30に液体収容容器100が装着される様子を説明する。
図7Aは、液体収容容器100がキャリッジ30に装着される様子を示す図である。
図7Bは、接続機構400を示す第1の図である。
図7Cは、接続機構400を示す第2の図である。
【0063】
キャリッジ30は、収容部4と、印刷ヘッド5とを備えている。収容部4は、印刷ヘッド5の上に配置され、複数の液体収容容器100を着脱可能に構成されている。収容部4の内部には、液体収容容器100が装着される装着室65が形成されている。本実施形態では、装着室65は、液体収容容器100A~100Dの数に対応して4つ設けられている。印刷ヘッド5は、複数のノズルと、複数の圧電素子と、を含み、各圧電素子に印加される電圧に応じて各ノズルからインク滴を吐出し、印刷媒体PA上にドットを形成する。収容部4には、液体導入部6と、副制御基板500と、接続機構400と、が設けられている。液体導入部6は、印刷システム1000の通常の使用姿勢において印刷ヘッド5の上に配置され、液体収容容器100の液体供給口104opから印刷ヘッド5にインクを導入する。本実施形態では、液体導入部6は、液体収容容器100A~100Dの数に対応して4つ設けられている。副制御基板500には、複数の副制御基板端子510,520,530,540,550と、副制御部50とが実装されている。複数の副制御基板端子510,520,530,540,550を区別することなく用いる場合には、符号590を用いる。複数の副制御基板端子590は、装着室65ごとに設けられている。複数の副制御基板端子590は、副制御基板500の配線を介して副制御部50と電気的に接続されている。副制御部50は、例えば、キャリッジ回路として構成され、
図2に示す主制御部40と協働して液体収容容器100に関連する制御を行う。
【0064】
液体収容容器100は、装着方向MDに挿入されることにより、印刷装置20の
収容部4に装着される。液体収容容器100は、装着方向MDと反対の方向に抜かれることにより、収容部4から取り外される。このようにして、液体収容容器100は、印刷装置20に着脱可能に装着される。液体収容容器100が収容部4に装着されているとき、デバイス130は、端子290、接続機構400、副制御基板500、および
図2に示すバス46を介して、主制御部40に電気的に接続される。
【0065】
図7Bおよび
図7Cに示すように、接続機構400は、端子保持部405と、端子保持部405に保持された、複数の接触部形成部材403と、を備える。接続機構400は、液体収容容器100A~100Dごと、すなわち装着室65ごとに設けられている。
図7Bに示すように、端子保持部405は、複数のスリット301を有する。接触部形成部材403は、導電性と弾性とを有している。接触部形成部材403はスリット301に嵌め込まれる。本実施形態では、各接続機構400について、接触部形成部材403は、端子290の数と同じ5つ設けられている。
図7Bに示すように、5つの接触部形成部材403を区別して用いる場合には、符号「403A」,「403B」,「403C」,「404D」,「404E」を用いる。なお、本実施形態において、接続機構400のスリット301は9つ設けられ、一定の間隔で配置されているが、接触部形成部材403の数と一致させてもよい。
【0066】
図7Cに示すように、接触部形成部材403は
、端子290と副制御基板500の副制御基板端子590とを電気的に接続する部材である。接触部形成部材403のうち、装着室65側に面した部分は、装置側端子490を形成する。装置側端子490は、端子290と接触するべき装置側端子490の接触部dcpを含む。本実施形態では、装置側端子490は、接触部形成部材403のうち、最も装着室65側に面した部分、すなわち最も装着室65側に突出した部分が、端子290と接触し、装置側端子490の接触部dcpを形成している。装置側端子490の接触部dcpは、本実施形態に限られない。例えば、装置側端子490のうち最も装着室65側に突出した部分以外の部分に、端子290が接触しても良い。接触部形成部材403のうち、副制御基板500側に突出した部分は、副制御基板端子590と接触する中継端子439を形成する。
【0067】
装置側端子490を区別して用いる場合には、符号「410」,「420」,「430」,「440」,「450」を用いる。中継端子439を区別して用いる場合には、符号「431」,「432」,「433」,「434」,「435」を用いる。装置側端子410と中継端子431とは、接触部形成部材403Aに形成されている。装置側端子420と中継端子432とは、接触部形成部材403Bに形成されている。装置側端子430と中継端子433とは、接触部形成部材403Cに形成されている。装置側端子440と中継端子434とは、接触部形成部材403Dに形成されている。装置側端子450と中継端子435とは、接触部形成部材403Eに形成されている。装置側端子410を装置側データ端子とも呼び、装置側端子420を装置側クロック端子とも呼び、装置側端子430を装置側電源端子とも呼び、装置側端子440を装置側リセット端子とも呼び、装置側端子450を装置側接地端子とも呼ぶ。
【0068】
接触部形成部材403Aは、データ端子210と副制御基板端子510とを電気的に接続する。装置側端子410がデータ端子210と接触し、中継端子431が副制御基板端子510と接触する。接触部形成部材403Bは、クロック端子220と副制御基板端子520とを電気的に接続する。装置側端子420がクロック端子220と接触し、中継端子432が副制御基板端子520と接触する。接触部形成部材403Cは、電源端子230と副制御基板端子530とを電気的に接続する。装置側端子430が電源端子230と接触し、中継端子433が副制御基板端子530と接触する。接触部形成部材403Dは、リセット端子240と副制御基板端子540とを電気的に接続する。装置側端子440がリセット端子240と接触し、中継端子434が副制御基板端子540と接触する。接触部形成部材403Eは、接地端子250と副制御基板端子550とを電気的に接続する。装置側端子450が接地端子250と接触し、中継端子435が副制御基板端子550と接触する。
【0069】
端子210,220,230,240,250は、液体収容容器100が収容部4に装着されたとき、装置側端子410,420,430,440,450と接触することで電気的に接続される。接続機構400の装置側端子410,420,430,440,450は、副制御基板500上の副制御基板端子590と接触することで電気的に接続される。副制御基板500の副制御基板端子590は、副制御部50と配線によって電気的に接続される。これにより、各端子210,220,230,240,250は副制御部50と電気的に接続される。
【0070】
なお、液体収容容器100における各接触部cpとの位置関係や、各接触部cpと他の要素、例えば第1仮想線C1との位置関係は、装置側端子410~450の接触部dcpについても同様にあてはまる。液体収容容器100における各接触部cpの配置と、装置側端子490の接触部dcpの配置は、鏡像の関係にある。
図7Bに示すように、装置側データ端子410の接触部dcpを、装置側データ接触部dcpdとも呼ぶ。装置側クロック端子420の接触部dcpを装置側クロック接触部dcpcとも呼ぶ。装置側電源端子430の接触部dcpを装置側電源接触部dcpvdとも呼ぶ。装置側リセット端子440の接触部dcpを装置側リセット接触部dcprとも呼ぶ。装置側接地端子450の接触部dcpを装置側接地接触部dcpvsとも呼ぶ。
【0071】
図7Bに示すように、接続機構400を平面視する。直交する2つの直線を第1仮想線C1および第2仮想線C2とする。
図7Bでは、第1仮想線C1は第1方向FDに沿った方向であり、第2仮想線C2は、第2方向SDに沿った方向である。本実施形態では、端子保持部405の表面に実質的に沿った2つの直交する直線を、第1仮想線C1および第2仮想線C2としている。
【0072】
接続機構400が有する全ての装置側端子の接触部dcpを第2仮想線C2に投影したとする。本実施形態では、データ端子210に対応する装置側データ接触部dcpd、クロック端子220に対応する装置側クロック接触部dcpc、電源端子230に対応する装置側電源接触部dcpvd、リセット端子240に対応する装置側リセット接触部dcpr、接地端子250に対応する装置側接地接触部dcpvsを第2仮想線C2に投影したとする。装置側端子の接触部dcpの投影位置について、装置側データ接触部dcpdの投影位置をswdとし、装置側クロック接触部dcpcの投影位置をswcとし、装置側電源接触部dcpvdの投影位置をswvdとし、装置側リセット接触部dcprの投影位置をswrとし、装置側接地接触部dcpvsの投影位置をswvsとする。各投影位置swd,swc,swvd,swr,swvsは、各装置側端子の接触部dcpから第2仮想線C2に対して垂直に投影した正射影である。このとき、全ての装置側端子の接触部dcpは異なる位置に投影される。装置側データ接触部dcpd、装置側クロック接触部dcpc、装置側電源接触部dcpvd、装置側リセット接触部dcpr、および装置側接地接触部dcpvsは、異なる位置に投影される。装置側データ接触部dcpd、装置側クロック接触部dcpc、装置側電源接触部dcpvd、装置側リセット接触部dcpr、および装置側接地接触部dcpvsは、各装置側端子の接触部dcpを通る第1仮想線C1に沿ったそれぞれの仮想線が、互いに重なったり交わったりすることなく、平行となるように、配置されている。またこのとき、全ての装置側端子の接触部dcpの投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間MPを第1仮想線C1が通る。本実施形態では、装置側データ接触部dcpd、装置側クロック接触部dcpc、装置側電源接触部dcpvd、および装置側リセット接触部dcprの投影位置swd,swc,swvd,swrのうち、装置側接地接触部dcpvsの投影位置swvsと最も離れた位置に配置された接触部の投影位置と、装置側接地接触部dcpvsの投影位置swvsの中間MPを第1仮想線C1が通っている。本実施形態では、装置側クロック接触部dcpcの投影位置swcと装置側接地接触部dcpvsの投影位置swvsの中間を前記第1仮想線C1が通っている。
【0073】
第1仮想線C1に対して、接続機構400の一方の領域を第1領域Rg1とし、接続機構400の他方の領域を第2領域Rg2とする。この場合、第1領域Rg1には、装置側端子410,420,430,440が配置され、第2領域Rg2には、装置側端子450が配置される。本実施形態では、第1領域Rg1は第1仮想線C1よりも第2方向SDの負方向である-X方向側の領域であり、第2領域Rg2は第1仮想線C1よりも第2方向SDの正方向である+X方向側の領域である。第1領域Rg1は第1仮想線C1を挟む接続機構400の一方の領域でもあり、第2領域Rg2は第1仮想線C1を挟む接続機構400の他方の領域でもある。全ての装置側端子の接触部dcpのうち一部の接触部dcpaが第1領域Rg1に配置され、残りの接触部dcpbが第2領域Rg2に配置される。第1領域Rg1に配置される一部の接触部dcpaには、装置側データ接触部dcpdと、装置側クロック接触部dcpcと、装置側電源接触部dcpvと、装置側リセット接触部dcprとが含まれる。第2領域Rg2に配置される残りの接触部dcpbには、装置側接地接触部dcpvsが含まれる。第1仮想線C1を挟んで一方の側には装置側クロック接触部dcpcと、装置側データ接触部dcpdと、装置側リセット接触部dcprと、装置側電源接触部dcpvdとが配置され、他方の側には装置側接地接触部dcpvsが配置されている。一部の接触部dcpaと残りの接触部dcpbとは第1仮想線C1について非対称に配置される。第1仮想線C1上に装置側端子の接触部dcpは設けられていない。
【0074】
図7Bに示すように、装置側接地接触部dcpvsは、複数の装置側端子の接触部dcpのうちで、第2方向SDの正方向である+X方向における最も端に配置されている。装置側クロック接触部dcpc、装置側データ接触部dcpd、装置側電源接触部dcpvd、および装置側リセット接触部dcprのうち、いずれか1つの装置側端子の接触部dcpは、複数の装置側端子の接触部dcpのうちで、第2方向SDの負方向である-X方向における最も端に配置されている。このいずれか1つの装置側端子の接触部dcpは、複数の装置側端子の接触部dcpのうちで第2方向SDの最も一方の側に位置する。装置側接地接触部dcpvsは、複数の装置側端子の接触部dcpのうちで第2方向SDの最も他方の側に位置する。第1領域Rg1において、装置側接地接触部dcpvsを除く装置側端子の接触部dcpのうち、第2仮想線C2に投影されたときに投影位置swvsと最も離れた位置に投影される接触部dcpと、第2領域Rg2に設けられている装置側接地接触部dcpvsの第2仮想線C2に沿った方向における間隔はWaである。
【0075】
装置側データ接触部dcpd,装置側クロック接触部dcpc,装置側電源接触部dcpd,および装置側リセット接触部dcprは、装置側接地端子接触部dcpvsから遠ざけて配置することが好ましい。例えば、第1領域Rg1において、装置側接地接触部dcpvsを除く装置側端子490の接触部dcpのうちで、第2仮想線C2に投影されたときに投影位置swvsと最も近い位置に投影される接触部dcpと、第2領域Rg2に設けられている装置側接地接触部dcpvsの間の第2仮想線C2に沿った方向における間隔は、Wa/2以上である。例えば、第1領域Rg1において、装置側接地接触部dcpvsを除く装置側端子の接触部dcpのうち、第2仮想線C2に投影されたときに投影位置swvsと最も近い位置に投影される装置側端子の接触部dcpと、第2領域Rg2に設けられている装置側接地接触部dcpvsとの間には、他の装置側端子の接触部dcpが存在しない。本実施形態では、第1領域Rg1において第2方向SDの正方向である+X方向側の最も端に設けられている装置側リセット接触部dcprと、第2領域Rg2に設けられている装置側接地接触部dcpvsとの間の領域には、他の装置側端子の接触部dcpは存在しない。例えば、装置側端子410~440の接触部dcpや装置側接地接触部dcpvsが、第1仮想線C1上に設けられていない。
【0076】
装置側データ接触部dcpdの投影位置swdと、装置側接地接触部dcpvsの投影位置swvsの間には、装置側クロック接触部dcpc、装置側電源接触部dcpvd、および装置側リセット接触部dcprのうち、少なくとも1つの装置側端子の接触部dcpが投影されるように配置されている。好ましくは、装置側データ接触部dcpdの投影位置swdと、装置側接地接触部dcpvsの投影位置swvsの間には、装置側クロック接触部dcpc、装置側電源接触部dcpvd、および装置側リセット接触部dcprのうち、いずれか2つ以上の装置側端子の接触部dcpが投影されるように配置されている。
【0077】
装置側データ端子dcpdは、装置側クロック接触部dcpc、装置側電源接触部dcpvd、装置側リセット接触部dcprのうち、いずれか2つの装置側端子の接触部dcpの投影位置の間に投影されるように配置されている。装置側データ接触部dcpdは、第2仮想線C2上において最も端に投影される接触部とはならない。本実施形態において、装置側データ接触部dcpdは、装置側クロック接触部dcpcと装置側電源接触部dcpvdの投影位置の間に投影されるように配置されている。
【0078】
装置側電源接触部dcpvdの投影位置swvdと、装置側クロック接触部dcpcの投影位置swcの間には、装置側データ接触部dcpdおよび装置側リセット接触部dcprのいずれか一方または両方が投影されるように配置されている。また、装置側リセット接触部dcprは、その投影位置swrが装置側電源接触部dcpvdの投影位置swvdの隣となるように配置されている。本実施形態において、装置側電源接触部dcpvdの投影位置swvdと装置側クロック接触部dcpcの投影位置swcの間には、装置側データ接触部dcpdが投影されるように配置されている。
【0079】
装置側電源接触部dcprは、その投影位置swvdが装置側データ接触部dcpdの投影位置swdの隣となるように配置されている。
【0080】
本実施形態において、装置側クロック接触部dcpcは、装置側接地接触部dcpvsの投影位置swvsと最も離れた位置に投影されるように配置されている。また、装置側データ接触部dcpd、装置側電源接触部dcpvd、および装置側リセット接触部dcprは、第2仮想線C2の装置側クロック接触部dcpcの投影位置swcから装置側接地接触部dcpvsの投影位置swvsに向かう方向に順番に投影されるように配置されている。装置側クロック接触部dcpcは、第2方向SDの負方向である-X方向における最も端に位置している。装置側クロック接触部dcpc以外の装置側端子の接触部dcpは、第2方向SDの負方向である-X方向から正方向である+X方向に向かって、装置側データ接触部dcpd、装置側電源接触部dcpvd、装置側リセット接触部dcpr、の順に配置されている。複数の装置側端子の接触部dcpは、各々の投影位置が、-X方向から+X方向に向かって、装置側クロック接触部dcpc、装置側データ接触部dcpd、装置側電源接触部dcpvd、装置側リセット接触部dcpr、装置側接地接触部dcpvsの順になるように配置されている。
【0081】
装置側クロック接触部dcpc、装置側データ接触部dcpd、装置側電源接触部dcpvd、装置側リセット接触部dcpr、および装置側接地接触部dcpvsは、複数の列を形成するように配置される。複数の列は、第2仮想線C2に平行であり、第1仮想線C1に垂直である。本実施形態では、複数の装置側端子の接触部dcpは、第1方向FDと垂直な列を2列形成するように配置されており、2列の方向は、第2方向SDに平行である。2つの列同士が並ぶ方向は、第1仮想線C1に沿った方向であり、本実施形態では、第1方向FDに沿った方向である。2つの列を第1列R1、第2列R2と呼ぶ。第1列R1は、装置側クロック接触部dcpcと装置側電源接触部dcpvdと装置側接地接触部dcpvsとによって形成される。第2列R2は、装置側データ接触部dcpdと装置側リセット接触部dcprとによって形成される。第2列R2を形成する装置側データ接触部dcpdと装置側リセット接触部dcprと、第1列R1を形成する装置側クロック接触部dcpcと装置側電源接触部dcpvdと装置側接地接触部dcpvsは、互いの接触部dcpが第1仮想線C1の方向に並ばないように、互い違いに配置され、いわゆる千鳥状の配置を構成している。第2仮想線C2上に投影したときに隣に投影される2つ隣の装置側端子の接触部dcpは異なる列を形成している。装置側データ接触部dcpdと、装置側接地接触部dcpvsとは異なる列に配置されている。装置側データ接触部dcpdの投影位置swdと装置側接地接触部dcpvsの投影位置swvsの間には、装置側クロック接触部dcpc、装置側電源接触部dcpvd、および装置側リセット接触部dcprのうちいずれかの装置側端子の接触部dcpが投影されるように配置されている。本実施形態では、装置側データ接触部dcpdの投影位置swdと装置側接地接触部dcpvsの投影位置swvsの間には、装置側リセット接触部dcprと装置側電源接触部dcpvdとが投影されるように配置されている。なお、本実施形態では、各装置側端子410~450の接触部dcpは、第1列R1と第2列R2とを形成するように配置されているが、これに限定されるものではない。例えば、各装置側端子410~450の接触部dcpは、3列や4列などの列を形成するように配置されてもよい。列は1つの装置側端子の接触部dcpによっても形成され得る。
【0082】
装置側接地接触部dcpvsと、装置側リセット接触部dcprとの距離を距離DAnとする。装置側データ接触部dcpdと装置側クロック接触部dcpcとの距離を距離DBnとする。装置側データ接触部dcpdと装置側接地接触部dcpvsとの距離を距離DCnとする。装置側データ接触部dcpdと装置側リセット接触部dcprとの距離を距離DDnとする。装置側データ接触部dcpdと装置側電源接触部dcpvdとの距離をDEnとする。この場合、距離DCnは、距離DBnよりも長い。距離DCnは、距離DEnよりも長い。距離DCnは、距離DDnよりも長い。本実施形態では、距離DBnと距離DEnは同じである。装置側データ接触部dcpdと、装置側接地接触部dcpvsを除く複数の装置側端子の接触部dcpのうちで装置側データ接触部dcpdに最も遠い装置側端子の接触部dcpとの距離は、距離DBnと距離DEnである。この場合、距離DAnは、距離DBnや距離DEnよりも長い。
【0083】
装置側クロック接触部dcpcと装置側データ接触部dcpdとを結ぶ仮想線分を第1線分fLとし、装置側リセット接触部dcprと装置側データ接触部dcpdとを結ぶ仮想線分を第2線分sLとし、装置側電源接触部dcpvdと装置側データ接触部dcpdを結ぶ仮想線分を第3線分tLとする。第1線分fL上には、装置側クロック接触部dcpcおよび装置側データ接触部dcpdとは異なる他の装置側端子の接触部dcpは存在していない。第2線分sL上には、装置側リセット接触部dcprおよび装置側データ接触部dcpdとは異なる他の装置側端子の接触部dcpは存在していない。第3線分tL上には、装置側電源接触部dcpvdおよび装置側データ接触部dcpdとは異なる装置側端子の接触部dcpは存在していない。
【0084】
データ端子210は第1端子とも呼ぶことができる。クロック端子220はその他の端子に含まれる第2端子とも呼ぶことができる。リセット端子240はその他の端子に含まれる第3端子とも呼ぶことができる。電源端子230はその他の端子に含まれる第4端子とも呼ぶことができる。接地端子250はその他の端子に含まれる第5端子とも呼ぶことができる。データ接触部cpdは第1接触部とも呼ぶことができる。クロック接触部cpcは第2接触部とも呼ぶことができる。リセット接触部cprは第3接触部とも呼ぶことができる。電源接触部cpvdは第4接触部とも呼ぶことができる。接地接触部cpvsは第5接触部とも呼ぶことができる。また第1端子以外の端子をその他端子群とも呼ぶことができる。端子210~250等の、基板120や液体収容容器100に設けられる端子は、基板側端子や容器側端子とも呼ぶことができる。
【0085】
装置側端子410を第1装置側端子とも呼ぶことができる。装置側端子420を第2装置側端子とも呼ぶことができる。装置側端子430を第3装置側端子とも呼ぶことができる。装置側端子440を第4装置側端子とも呼ぶことができる。装置側端子450を第5装置側端子とも呼ぶことができる。第1装置側端子410の投影位置を第1投影位置と呼ぶことができる。第2装置側端子420の投影位置を第2投影位置と呼ぶことができる。第3装置側端子430の投影位置を第3投影位置と呼ぶことができる。第4装置側端子440の投影位置を第4投影位置と呼ぶことができる。第5装置側端子450の投影位置を第5投影位置と呼ぶことができる。
【0086】
A2.印刷システムの各種状態の説明:
本開示において、「装着完了状態」とは、液体収容容器100が印刷装置20に装着されており、端子290間において短絡が発生していない状態をいう。上記のように、本開示において「液体収容容器100が印刷装置20に装着されている」とは、液体収容容器100が印刷装置20に物理的に取り付けられ、端子290の接触部cpが装置側端子490に電気的に接続されていることをいう。装着完了状態は、印刷装置20とデバイス130との間で通信ができる状態である。「非装着完了状態」とは、液体収容容器100が、印刷装置20の収容部4に装着されていない状態、または液体収容容器100が印刷装置20の収容部4に取り付けられているが、装置側端子490と接触部cpとの間で接触不良が生じている状態をいう。「短絡状態」とは、液体収容容器100が印刷装置20の収容部4に装着されているが、端子290間において短絡が生じている状態をいう。例えば、データ端子210とクロック端子220が短絡している場合、「データ端子210とクロック端子220が短絡状態である」という。
【0087】
「接続状態」とは、(i)装着完了状態、(ii)非装着完了状態、(iii)短絡状態、のいずれかである。「接続状態の判定」は、液体収容容器100が前述の(i)~(iii)のうちどの状態にあるかを判定することをいう。
【0088】
A3.電気的構成およびソフトウェア構成:
A3-1.電気的構成:
図8は、印刷システム1000の電気的な構成を模式的に示した図である。
図8において、4つの液体収容容器100A,100B,100C,100Dがそれぞれ有する基板120やデバイス130について区別する場合には、末尾に「A」,「B」,「C」,「D」を付している。各デバイス130A~130Dには、液体収容容器100A~100Dの識別情報が記憶されている。例えば、各デバイス130A~130Dには、液体収容容器100A~100Dに収容される液体に関する情報が記憶されている。識別情報は、
図8においてはID=1~4で表されている。主制御部40と副制御部50とは、印刷装置20の動作を制御する制御ユニット39を構成する。
【0089】
副制御部50と、液体収容容器100A~100Dとは、複数の線によって電気的に接続される。複数の線は、リセット線LRSTと、クロック線LSCKと、電源線LVDDと、データ線LSDAと、接地線LVSSとを含む。リセット線LRSTと、クロック線LSCKと、電源線LVDDと、データ線LSDAは、液体収容容器100A~100Dのそれぞれに対して独立して設けられている。接地線LVSSは、液体収容容器100A~100Dに共通して設けられている。リセット線LRSTと、クロック線LSCKと、電源線LVDDと、データ線LSDAについて、対応する液体収容容器100A~100Dに電気的に接続される線を区別する場合には、末尾に「1」~「4」を付す。この「1」~「4」は、液体収容容器100A~100Dの識別情報「1」~「4」に対応している。
【0090】
副制御部50において、リセット信号RSTを出力する端子をホスト端子HRSTとし、クロック信号SCKを出力する端子をホスト端子HSCKとし、電源電圧VDDを出力する端子をホスト端子HVDDとし、データ信号SDAを出力および入力する端子をホスト端子HSDAとする。ホスト端子HVSSは接地されている。ホスト端子HSDA,HRST,HSCK,HVDDについて、対応する液体収容容器100A~100Dに接続される端子を区別する場合には、末尾に「1」~「4」を付す。この「1」~「4」は、液体収容容器100A~100Dの識別情報「1」~「4」に対応している。副制御部50と主制御部40とはバス46を介して電気的に接続される。副制御部50は、線LRST,LSCK,LVDD,LSDA,LVSSを含む接続バス45を介して、各種信号や電圧を液体収容容器100A~100Dのデバイス130A~130Dに個別に送信する。
【0091】
リセット線LRSTは、制御ユニット39がデバイス130にリセット信号RSTを送信するのに用いられる導電線である。リセット信号RSTは、後述する要求信号RSを受け付け可能な状態にする信号である。制御ユニット39がデバイス130に送信するリセット信号RSTがハイレベルからローレベルになることで、処理部136のうち要求信号RSを受け付ける部分が初期状態になり、リセット信号RSTがローレベルからハイレベルとなることで、新たな要求信号RSが受け付け可能となる。クロック線LSCKは、制御ユニット39がデバイス130にクロック信号SCKを送信するのに用いられる導電線である。クロック信号SCKは、ローレベルとハイレベルとが交互かつ所定の周期で繰り返される信号である。データ線LSDAは、制御ユニット39とデバイス130との間でデータ信号SDAを送受信するのに用いられる導電線である。データ信号SDAは、制御ユニット39とデバイス130との間で同期をとるために、クロック信号SCKに同期して送受信される。例えば、データ信号SDAは、クロック信号SCKの立ち上がりまたは立ち下がり時をトリガーとして送受信される。リセット信号RST、データ信号SDA、クロック信号SCKは、ハイレベルまたはローレベルのいずれかをとる。以下では、ハイレベルを符号「H」や「1」でも表し、ローレベルを符号「L」や「0」でも表す。なお、データ線LSDAに接続されたホスト端子HSDAは、副制御部50内においてプルダウン抵抗を介して接地されている。これにより、副制御部50とデバイス130との間でデータ信号SDAの送受信がされていないときには、副制御部50のホスト端子HSDAの駆動状態はローレベルに保持される。
【0092】
接地線LVSSは、デバイス130の接地電位VSSを定める導電線である。接地電位VSSは例えば0Vに設定される。電源線LVDDは、制御ユニット39がデバイス130に動作電圧となる電源電圧VDDを供給するのに用いられる導電線である。電源電圧VDDは、所定の閾値よりも高い電圧である。本実施形態において、電源電圧VDDは、接地電位VSSに対して、例えば3.3V程度の電位が用いられる。なお、電源電圧VDDに用いられる電位は、デバイス130の種類に応じて異なる値であってもよい。
【0093】
図9は、印刷装置20の機能構成を1つの液体収容容器100と共に示す図である。印刷装置20は、表示パネル495と、電源441と、主制御部40と、副制御部50とを備えている。表示パネル495は、ユーザーに印刷装置20の動作状態や、液体収容容器100A~100Dのエラー、デバイス130に記憶されているインク消費量、インクの色、製造年月日などの通知を行うのに用いられる。液体収容容器100が装着完了状態であるとき、表示パネル495には、例えば、液体収容容器100が装着されたことをユーザーに伝える表示や、印刷システム1000が印刷可能な状態である旨の表示や、液体収容容器100の収容されているインクの残量の表示などがなされる。表示パネル495は、例えば、
図2の操作部70に設けられる。電源441は、ロジック回路に用いられる通常の電源であり、定格3.3Vである。電源441の電圧は、副制御部50に供給され、必要に応じて他の回路にも供給される。
【0094】
主制御部40は、CPU415と、装置側第1記憶部416と、を有している。CPU415は、装置側第1記憶部416に記憶された各種プログラムを実行することで、印刷装置20の動作を制御する。例えば、主制御部40は、表示パネル495の動作を制御したり、副制御部50の動作を制御したりする。CPU415は、装置側第1記憶部416に記憶された各種プログラムを実行することで、判定部411として機能する。判定部411は、装着判定部412と短絡判定部414とを有する。装着判定部412は、液体収容容器100が装着されているか否かの判定を行う。短絡判定部414は、端子290間において短絡が生じているか否かの判定を行う。
副制御部50は、切替部511と、装置側第2記憶部516とを備える。切替部511は、図示しないレジスターと、レジスターに接続された図示しないアナログスイッチとで構成される。CPU415が、レジスターに「1」を書き込むと、アナログスイッチが導通状態となる。これにより、CPU415と基板120とが接続された状態に切り替えられる。CPU415が、レジスターに「0」を書き込むと、アナログスイッチが非導通状態となる。これにより、CPU415と基板120とが接続されていない状態に切り替えられる。
【0095】
装置側第2記憶部516は、判定情報を記憶する。判定情報は、後述する接続状態の判定処理に用いられる情報である。判定情報は、後述する要求信号RSに対して、データ端子210から出力される電圧を検出値とする情報である。判定部411は、接続状態の判定処理を実行する際に、判定情報を装置側第2記憶部516から読み出す。
【0096】
副制御部50は、接続バス45を介して要求信号RSを液体収容容器100A~100Dの各デバイス130A~130Dに送信する。要求信号RSは、副制御部50のホスト端子HSDAから出力され、液体収容容器100A~100Dの各データ端子210に入力される。要求信号RSは、デバイス130A~130Dごとに、要求信号RSに対する応答対象となる液体収容容器100A~100Dが識別できるコマンドを含む。判定部411は、要求信号RSに対する液体収容容器100A~100Dの各データ端子210から出力される電圧を用いて、液体収容容器100A~100Dの接続状態の判定処理を行う。要求信号RSの詳細は後述する。
【0097】
デバイス130の処理部136は、印刷装置20からクロック端子220に入力されたクロック信号SCKに同期して、データ線LSDAを介して、印刷装置20と通信する。例えば、クロック信号SCKの立ち上がり時または立ち下がり時をトリガーとして、信号が送受信される。処理部136は、端子210~250に入出力される信号や電圧を制御する。例えば、要求信号RSに応じてデータ線LSDAを介して応答信号FS,SSをデータ端子210へ出力する。処理部136は、スリーステートバッファーを含む。スリーステートバッファーは、ローレベルの電圧を出力する状態、ハイレベルの電圧を出力する状態、ハイインピーダンス状態の3つの駆動状態を持つ。スリーステートバッファーは、データ端子210に接続されている。これより、本開示においては、データ端子210の駆動状態を示す用語として、「ローレベル」、「ハイレベル」、及び「ハイインピーダンス」を用いる。記憶部138は、複数のメモリーセルが2次元マトリクス状に配置されたメモリーセルアレイによって構成される。処理部136と記憶部138は、ビット線とワード線とによって接続されている。処理部136は、各端子210~250と記憶部138に、電気的に接続されている。
【0098】
A3-2.ソフトウェア構成(接続状態の判定処理)の概要:
図10Aおよび
図10Bを参照して、印刷システム1000が実行する接続状態の判定処理を説明する。
図10Aは、接続状態の判定処理のうち印刷装置20が実行する処理のフローチャートである。
図10Bは、接続状態の判定処理のうちデバイス130が実行する処理のフローチャートである。
【0099】
図10Aに示すように、接続状態の判定処理では、印刷装置20は次のような処理を実行する。ステップS301において、副制御部50は液体収容容器100のデバイス130へ要求信号RSを送信する。その後、副制御部50は、液体収容容器100のデータ端子210から出力される電圧を検出する。具体的には、ステップS302では、副制御部50は所定の第1タイミングt1において、液体収容容器100のデータ端子210から出力された電圧を検出する。ステップS303では、副制御部50は所定の第2タイミングt2において、液体収容容器100のデータ端子210から出力された電圧を検出する。ステップS304では、副制御部50は所定の第3タイミングt3において、液体収容容器100のデータ端子210から出力された電圧を検出する。第1タイミングt1~第3タイミングt3はそれぞれ異なるタイミングである。第1タイミングt1~第3タイミングt3において副制御部50が検出した電圧は、検出値として、副制御部50の装置側第2記憶部516に記憶される。ステップS305では、主制御部40の判定部411が、装置側第2記憶部516から検出値を読み出す。ステップS306では、主制御部40は第1タイミングt1~第3タイミングt3において副制御部50が検出した検出値をもとに接続状態の判定を行う。
【0100】
図10Bに示すように、接続状態の判定処理において、デバイス130は、次のような処理を行う。ステップS101において、デバイス130の処理部136は、印刷装置20からデータ端子210に要求信号RSが入力されたか否かを判断する。データ端子210に要求信号RSが入力されたと判断した場合、ステップ
S102において、デバイス130の処理部136は、自身が印刷装置20への応答を要求されているか否かを判断する。印刷装置20への応答を要求されていると判断した場合、デバイス130の処理部136は、ステップS103において、データ端子210に第1応答信号FSを出力する。デバイス130の処理部136は、第1応答信号FSを出力した後に、ステップS104において、第2応答信号SSをデータ端子210に出力する。第1応答信号FSおよび第2応答信号SSは、データ端子210から印刷装置20に出力される。ステップS102において、印刷装置20への応答が要求されていないと判断した場合、デバイス130の処理部136は、処理を終了する。
【0101】
図11A~
図11Dを参照して、要求信号RS、第1応答信号FS、第2応答信号SSの概要と出力タイミングを説明する。
図11Aは、印刷装置20がデータ端子210に要求信号RSを出力するときのタイミングチャートである。
図11Bは、デバイス130がデータ端子210に第1応答信号FSと第2応答信号SSを出力するときのタイミングチャートである。
図11Cは、第1応答信号FSの詳細を示す図である。
図11Dは、第2応答信号SSの詳細を示す図である。
図11Bのタイミングチャートは、
図11Aのタイミングチャートに続いて実行される。
図11A~
図11Dにおいて、「H」は信号がハイレベルであることを示し、「L」は信号がローレベルであることを示す。点線は、端子290の駆動状態がハイインピーダンスであることを示し、端子290から信号が出力されていないことを示す。なお、副制御部50のホスト端子HSDAは、プルダウン抵抗を介して接地されている。よって、制御ユニット39は、端子290の駆動状態がハイインピーダンスであり端子290から信号が出力されていないことと、端子290からローレベルの電圧が出力されていることを、区別することができない。しかし、例えば、データ端子210と電源端子230を接続するプルアップ抵抗を用いれば、データ端子290の駆動状態がハイインピーダンスであることが確認される。
図11Aなどに示すVDD、RST、SCK、およびSDA1~SDA4は、対応する線LVDD、LRST、LSCK、およびLSDA1~LSDA4によって、対応する端子290を介して送受信される信号または供給される電圧を意味する。コマンド期間CMT、第1応答期間RT1、および第2応答期間RT2におけるサイクルD1~D9は、各期間においてクロック信号SCKのローレベルとハイレベルが繰り返される単位期間を表す。この単位期間におけるクロック信号SCKを「周期」と呼ぶ。
【0102】
図11Aおよび
図11Bに示すタイミングチャートは、予め定めたタイミングをトリガーとして実行される。予め定めたタイミングとは、例えば、印刷装置20が起動され電源441がONとなったタイミングや、液体収容容器100を交換したタイミングや、ユーザーからの指示を受けたタイミングや、印刷装置20が印刷を実行しておらずキャリッジ30がホームポジションに位置するタイミングである。以下では、電源441がONになったタイミングをトリガーにして実行される例を説明する。
【0103】
図11Aに示すように、制御ユニット39は、最初に、電源電圧VDDをハイレベルにする。制御ユニット39は、電源電圧VDDがハイレベルとなった後、予め定めた時間経過後にリセット信号RSTをローレベルからハイレベルにする。制御ユニット39は、リセット信号RSTをハイレベルにした後、クロック信号SCKをデバイス130に送信する。制御ユニット39は、リセット信号RSTをハイレベルにした後、要求信号RSをデバイス130に送信する。要求信号RSは、第1実行コマンドBCC1と、第1識別データDB1と、第1パリティデータP1と、第2実行コマンドBCC2と、第2識別データDB2と、第2パリティデータP2と、を含む。
【0104】
要求信号RSについて詳細に説明する。制御ユニット39は、リセット信号RSTをハイレベルにした後、コマンド期間CMTのサイクルD1およびサイクルD2において、第1実行コマンドBCC1をデバイス130A~130Dに送信する。第1実行コマンドBCC1は、2ビットのデータであり、主制御部40が接続状態の判定処理を実行することを示すコマンドである。制御ユニット39は、サイクルD1において電圧をハイレベル、サイクルD2において電圧をローレベルに設定することで第1実行コマンドBCC1を生成する。
【0105】
制御ユニット39は、第1実行コマンドBCC1の次に、サイクルD3~サイクルD8において、第1識別データDB1をデバイス130A~130Dに送信する。第1識別データDB1は6ビットのデータであり、応答を要求する液体収容容器100A~100Dを識別する。第1識別データDB1では、各デバイス130A~130Dに対してそれぞれ対応するビットが割り当てられている。1ビット目であるサイクルD3および2ビット目であるサイクルD4は、他の実施形態において印刷装置20が液体収容容器100を6つ搭載する場合に用いることができる。第1識別データDB1において、3ビット目であるサイクルD5が液体収容容器100Dに対応し、4ビット目であるサイクルD6が液体収容容器100Cに対応し、5ビット目であるサイクルD7が液体収容容器100Bに対応し、6ビット目であるサイクルD8が液体収容容器100Aに対応する。液体収容容器100Aのデバイス130Aに送信される第1識別データDB1は、6ビット目であるサイクルD8においてハイレベルであり、残りのビットはローレベルである。液体収容容器100Bのデバイス130Bに送信される第1識別データDB1は、5ビット目であるサイクルD7においてハイレベルであり、残りのビットはローレベルである。液体収容容器100Cのデバイス130Cに送信される第1識別データDB1は、4ビット目であるサイクルD6においてハイレベルであり、残りのビットはローレベルである。液体収容容器100Dのデバイス130Dに送信される第1識別データDB1は、3ビット目であるサイクルD5においてハイレベルであり、残りのビットはローレベルである。要求信号RSは、液体収容容器100A~100Dのデバイス130A~130Dごとに異なる波形を有する。
【0106】
第1識別データDB1の次に、制御ユニット39は、サイクルD9において、第1パリティデータP1をデバイス130A~130Dに送信する。第1パリティデータP1は1ビットのデータである。本実施形態では、第1パリティデータP1は、奇数パリティである。
【0107】
第1パリティデータP1の次に、制御ユニット39は、2ビットの第2実行コマンドBCC2をデバイス130A~130Dに送信する。第2実行コマンドBCC2は、第1実行コマンドBCC1を反転させていない同一のデータである。第2実行コマンドBCC2の次に、制御ユニット39は、6ビットの第2識別データDB2をデバイス130A~130Dに送信する。第2識別データDB2は、第1識別データDB1を反転させていない同一のデータである。第2識別データDB2の次に、制御ユニット39は、1ビットの第2パリティデータP2をデバイス130A~130Dに送信する。
【0108】
第1実行コマンドBCC1、第1識別データDB1、および第1パリティデータP1をあわせて第1コマンドとも呼ぶ。第2実行コマンドBCC2、第2識別データDB2、および第2パリティデータP2をあわせて第2コマンドとも呼ぶ。コマンド期間CMTのうち、制御ユニット39がデバイス130に第1コマンドを送信する期間を第1コマンド期間とも呼ぶ。コマンド期間CMTのうち、制御ユニット39がデバイス130に第2コマンドを送信する期間を第2コマンド期間とも呼ぶ。第1コマンドおよび第2コマンドは反転していない同一のデータである。他の実施形態では、第1コマンドおよび第2コマンドは互いに反転していても良い。
【0109】
上記のように、デバイス130には、最初に、電源電圧VDDが印刷装置20から電源端子230に入力される。デバイス130には、電源電圧VDDが印刷装置20から電源端子230に入力された後、リセット信号RSTが低リセット電圧から高リセット電圧に変化することで、高リセット電圧が印刷装置20からリセット端子240に入力される。デバイス130には、高リセット電圧が印刷装置20からリセット端子240に入力された後、クロック信号SCKが印刷装置20からクロック端子220に入力される。デバイス130には、高リセット電圧が印刷装置20からリセット端子240に入力された後、要求信号RSが印刷装置20からデータ端子210に入力される。ここで、電源電圧VDDは、閾値よりも高いハイレベルとしての電圧である。リセット信号RSTは、ローレベルとしての低リセット電圧と、低リセット電圧よりも高いハイレベルとしての高リセット電圧とを含む信号である。低リセット電圧は閾値としての基準リセット電圧よりも低い電圧であり、高リセット電圧は閾値としての基準リセット電圧よりも高い電圧である。基準リセット電圧は、ハイレベルとローレベルとを判定する基準となる電圧である。クロック信号SCKは、ロ―レベルとしての低クロック電圧と、低クロック電圧よりも高いハイレベルとしての高クロック電圧とが、交互および所定の周期で繰り返される信号である。低クロック電圧は閾値としての基準クロック電圧よりも低い電圧であり、高クロック電圧は閾値としての基準クロック電圧よりも高い電圧である。基準クロック電圧は、ハイレベルとローレベルとを判定する基準となる電圧である。各閾値は、例えば、電源441の電位と、接地電位のとの間に設定される。
【0110】
図11Bに示すように、要求信号RSが制御ユニット39からデバイス130に送信された後、印刷装置20への応答が要求されたデバイス130は、第1応答信号FSと第2応答信号SSとをデータ端子210に出力する。第1応答信号
FSおよび第2応答信号
SSは、データ端子210と、クロック端子220、電源端子230、およびリセット端子240が短絡していないこと、および液体収容容器100が印刷装置20に装着されていること、を印刷装置20が判定するのに用いられる信号である。要求信号RSは、第1識別データDB1において液体収容容器100A~100Dを個別に指定した波形を有する。自身が指定された要求信号RSを印刷装置20から受信した場合、デバイス130A~130Dは、第1応答信号FSおよび第2応答信号SSをデータ端子210に出力する。第1応答信号FSは、第1応答期間RT1において出力される。第2応答信号SSは、第1応答期間RT1の次の期間である第2応答期間RT2において出力される。
【0111】
第1応答期間RT1では、まず、サイクルD1およびサイクルD2において、印刷装置20がデータ線LSDAを介して送受信する信号の方向切替処理が実行される。制御ユニット39は、要求信号RSをデバイス130に送信した後、サイクルD1において、データ線LSDAの電位を0Vにすることでデータ線LSDAの電荷を抜く。その後、制御ユニット39は、サイクルD2において、副制御部50のホスト端子HSDAの駆動状態をハイインピーダンスに設定する。これにより、印刷装置20は信号を入力可能な状態になる。一方、デバイス130の処理部136は、クロック信号SCKに同期して要求信号RSを受信した後、サイクルD1において、各データ端子210の駆動状態をハイインピーダンスに設定する。これは、印刷装置20の制御ユニット39によってデータ線LSDAの電荷が抜かれている間に、データ端子210から信号が出力されるのを防ぐためである。デバイス130の処理部136は、サイクルD2においても同様に、データ端子210の駆動状態をハイインピーダンスに設定する。この第1応答期間RT1の最初の2ビットは、要求信号RSと第1応答期間RT1の信号とのビット数を同じにするためのダミービットとしても機能する。第1応答期間RT1を構成するクロック信号SCKのサイクル数は、要求信号RSが同期するクロック信号SCKのサイクル数と同じである。
【0112】
次に、サイクル
D5~サイクルD8において、各デバイス130の処理部136は、予め定められたタイミングで、第1応答信号FSをデータ端子210に出力する。第1応答信号FSは、クロック信号SCKの1つの周期ごとに、異なる処理部136A~136Dから出力される。第1応答信号FSは、ローレベルの電圧を含む。
図11Cに示すように、第1応答信号FSは、クロック信号SCKがハイレベルの期間においてデータ端子210に出力される信号である。第1応答信号FSは、クロック信号SCKがハイレベルの期間において、ローレベルである。デバイス130の処理部136は、クロック端子220に入力される電圧がローレベルからハイレベルに変化した場合、データ端子210にローレベルの電圧を出力する。
【0113】
上記のように、第1応答信号FSは、閾値としての基準第1応答電圧よりも低いローレベルとしての低第1応答電圧を含む。基準第1応答電圧は、ローレベルとハイレベルとを判定する基準となる電圧であり、例えば、電源441の電圧と、接地電位の電圧との間に設定される。
【0114】
図11Bに示すように、第1タイミングt1は、第1応答期間RT1のサイクル
D5~サイクルD8の各々において、クロック信号SCKがハイレベルの期間に設定される。第1タイミングt1は、第1応答信号FSがローレベルとなる期間に設定されている。
図11Cに示すように、デバイス130は、クロック信号SCKの1つの周期において、クロック信号SCKがハイレベルである期間において、第1タイミングt1よりも前に、ローレベルの電圧をデータ端子210に出力する。
【0115】
図11Bに示すように、第1応答期間RT1のサイクルD9は、第1コマンド期間と第1応答期間RT1のビット数を同じにするダミービットとして機能する。
【0116】
第2応答期間RT2では、
図11Bに示すように、制御ユニット39は、データ線LSDAの電位を0Vにすることでデータ線LSDAの電荷を抜く。デバイス130の処理部136は、サイクルD1において、データ端子210の駆動状態をハイインピーダンスに設定する。サイクルD2においても、デバイス130の処理部136は、データ端子210の駆動状態をハイインピーダンスに設定する。この第2応答期間RT2の最初の2ビットは、要求信号RSと第2応答期間RT2の信号とのビット数を同じにするダミービットとしても機能する。第2応答期間RT2を構成するクロック信号SCKのサイクル数は、要求信号RSが同期するクロック信号SCKのサイクル数と同じである。
【0117】
次に、サイクル
D5~サイクルD8において、各デバイス130の処理部136は、予め定められたタイミングで、第2応答信号SSをデータ端子210に出力する。第2応答信号SSは、クロック信号SCKの1つの周期ごとに異なる処理部136A~136Dから出力される。第2応答信号SSは、ローレベルの電圧とハイレベルの電圧とを含む。
図11Dに示すように、第2応答信号SSの波形は、クロック端子220に入力されるクロック信号SCKの波形と逆位相である。第2応答信号SSは、クロック信号SCKがローレベルである期間においてハイレベルを含み、クロック信号SCKがハイレベルである期間においてローレベルを含む。
【0118】
上記のように、第2応答信号SSは、ローレベルとしての低第2応答電圧と、低第2応答電圧よりも高いハイレベルとしての高第2応答電圧とを含む。低第2応答電圧は閾値としての基準第2応答電圧よりも低い電圧であり、高第2応答電圧は閾値としての基準第2応答電圧よりも高い電圧である。基準第2応答電圧は、ローレベルとハイレベルとを判定する基準となる電圧であり、例えば、電源441の電圧と、接地電位の電圧との間に設定される。基準第2応答電圧は、基準第1応答電圧と同じであってもよいし、異なっていてもよい。第2応答信号SSの波形は、第1応答信号FSの波形と異なる。
【0119】
図11Bに示すように、第2タイミングt2は、第2応答期間RT2のサイクル
D5~サイクルD8の各々において、クロック信号SCKがローレベルの期間に設定される。第2タイミングt2は、第2応答信号SSがハイレベルとなる期間に設定される。第3タイミングt3は、第2応答期間RT2のサイクル
D5~サイクルD8の各々において、クロック信号SCKがハイレベルの期間に設定される。第3タイミングt3は、第2応答信号SSがローレベルとなる期間に設定される。
図11Dに示すように、デバイス130は、クロック信号SCKの1つの周期において、クロック信号SCKがローレベルである期間において、第2タイミングt2よりも前に、ハイレベルの電圧をデータ端子210に出力する。デバイス130は、クロック信号SCKの1つの周期において、ハイレベルである期間において、第3タイミングt3よりも前に、ローレベルの電圧をデータ端子210に出力する。
【0120】
図11Bに示すように、第2応答期間RT2のサイクルD9は、第2コマンド期間と第2応答期間RT2のビット数を同じにするダミービットデータとして機能する。
【0121】
液体収容容器100A~100Dのデバイス130A~130Dごとに、第1応答信号FSと第2応答信号SSの出力期間は異なる。本実施形態では、デバイス130は、識別情報に対応したクロック信号SCKの1つの周期において、第1応答信号FSや第2応答信号SSを出力する。
図11Bに示すように、液体収容容器100Aは第1応答期間RT1および第2応答期間RT2のそれぞれのサイクルD8において第1応答信号FSや第2応答信号SSをデータ端子210に出力する。液体収容容器100Bは第1応答期間RT1および第2応答期間RT2のそれぞれのサイクルD7において第1応答信号FSや第2応答信号SSをデータ端子210に出力する。液体収容容器100Cは第1応答期間RT1および第2応答期間RT2のそれぞれのサイクルD6において第1応答信号FSや第2応答信号SSをデータ端子210に出力する。液体収容容器100Dは第1応答期間RT1および第2応答期間RT2のそれぞれのサイクルD5において第1応答信号FSや第2応答信号SSをデータ端子210に出力する。
【0122】
図11Bに示すように、デバイス130は、所定数の周期を有するクロック信号SCKがクロック端子220に入力された場合、データ端子210の駆動状態をハイインピーダンスからローレベルに切り替えることにより第1応答信号FSを出力する。例えば、
図11Bに示すように、デバイス130Aは、第1応答期間RT1におけるサイクルD1~D7において、クロック信号SCKがクロック端子220に入力された場合、データ端子210の駆動状態をハイインピーダンスからローレベルに切り替えることで第1応答信号FSを出力する。デバイス130は、データ端子210の
駆動状態をローレベルからハイインピーダンスに切り替えることにより第1応答信号FSの出力を終了する。例えば、
図11Bに示すように、デバイス130Aは、第1応答期間RT1におけるサイクルD8において第1応答信号FSを出力した後に、データ端子210の駆動状態をハイインピーダンスに切り替えることで、第1応答信号FSの出力を終了する。
【0123】
図11Bに示すように、デバイス130は、所定数の周期を有するクロック信号SCKがクロック端子220に入力された場合、データ端子210の駆動状態をハイインピーダンスからハイレベルに切り替えることにより、第2応答信号SSを出力する。例えば、
図11Bに示すように、デバイス130Aは、第2応答期間RT2におけるサイクルD1~D7において、クロック信号SCKがクロック端子220に入力された場合、データ端子210の駆動状態をハイインピーダンスからハイレベルに切り替えることにより、第2応答信号SSを出力する。デバイス130は、データ端子210の駆動状態をローレベルからハイインピーダンスに切り替えることにより、第2応答信号SSの出力を終了する。例えば、
図11Bに示すように、デバイス130Aは、第2応答期間RT2におけるサイクルD8において第2応答信号
SSを出力した後に、データ端子210の駆動状態をローレベルからハイインピーダンスに切り替えることで、第2応答信号SSの出力を終了する。
【0124】
上記のように、デバイス130は、要求信号RSがデータ端子210に入力された後、第1応答信号FSをデータ端子210に出力し、第1応答信号FSを出力した後、第2応答信号SSをデータ端子210に出力する。デバイス130は、データ端子210と、クロック端子220、電源端子230、およびリセット端子240とが短絡していないとき、以下を実行する。
図11Cに示すように、デバイス130は、クロック端子
220に入力される電圧が高クロック電圧である期間における所定の第1タイミングt1において、第1期待値として、低第1応答電圧をデータ端子210に出力する。
図11Dに示すように、デバイス130は、低第1応答電圧を出力した後、クロック端子
220に入力される電圧が低クロック電圧である第2タイミングt2において、第2期待値として、高第2応答電圧をデータ端子210に出力する。
図11Dに示すように、デバイス130は、高第2応答電圧を出力した後、クロック端子
220に入力される電圧が高クロック電圧である第3タイミングt3において、第3期待値として、低第2応答電圧をデータ端子210に出力する。
【0125】
第1応答信号FSはローレベルで構成される。第1応答信号FSのローレベルは、データ端子210とデータ端子210以外の端子220,230,240,250とが短絡していないことを示す。第2応答信号SSは、ハイレベルとローレベルで構成される。第2応答信号SSのハイレベルは、液体収容容器100が印刷装置20に装着されていることを示す。第2応答信号SSのローレベルは、データ端子210とデータ端子210以外の端子220,230,240,250とが短絡していないことを示す。
【0126】
A3-3.ソフトウェア構成(接続状態の判定処理)の詳細:
図12を参照して、主制御部40が実行する接続状態の判定処理を説明する。
図12は、主制御部40が実行する接続状態の判定処理の概要を示す図である。
図12に示すように、主制御部40は、第1タイミングt1~第3タイミングt3における液体収容容器100のデータ端子210から出力される電圧の組み合わせを用いて接続状態の判定を行う。第1タイミングt1~第3タイミングt3は、上記の
図11Bを用いた説明のごとく、液体収容容器100A~100Dに応じてサイクルD5~D8の期間に割り当てられている。第1タイミングt1~第3タイミングt3のそれぞれにおける液体収容容器100のデータ端子210から出力される電圧の期待値は、液体収容容器100が装着完了状態である場合にデータ端子210から出力される電圧であり、第1タイミングt1ではローレベル、第2タイミングt2ではハイレベル、第3タイミングt3ではローレベルとなる。主制御部40の判定部
411は、液体収容容器100のデータ端子210から出力される電圧が、期待値と同じである第1の場合には、液体収容容器100が装着完了状態であり、「容器有り」と判定する。
【0127】
液体収容容器100のデータ端子210から出力される電圧が、第1タイミングt1~第3タイミングt3のそれぞれにおいてローレベルである第2の場合には、主制御部40の判定部411は、液体収容容器100が非装着完了状態であり、「容器無し」と判定する。
【0128】
液体収容容器100のデータ端子210から出力される電圧が、第1タイミングt1でハイレベル、第2タイミングt2でローレベル、第3タイミングt3でハイレベルである第3の場合には、主制御部40の判定部
411は、データ端子210とクロック端子220とが短絡状態であり、「短絡有り」と判定する。データ端子210とクロック端子220とが短絡している場合、データ端子210の電圧は、クロック端子220の電圧と同程度となる。
図11Bのクロック信号SCKと同様に、液体収容容器100のデータ端子210から出力される電圧は、第1タイミングt1ではハイレベル、第2タイミングt2ではローレベル、第3タイミングt3ではハイレベルとなる。このように、データ端子210、電源端子230、リセット端子240、およびクロック端子220のうち、データ端子210とクロック端子220とが短絡しているとき、第1タイミングt1~第3タイミングt3において、デバイス130に接続されたデータ端子210から印刷装置20の制御ユニット39に出力される
電圧は以下のように構成される。データ端子210から出力される電圧は、第1タイミングt1において第1期待値と異なり、第2タイミングt2において第2期待値と異なり、第3タイミングt3において第3期待値と異なる。
【0129】
液体収容容器100のデータ端子210から出力される電圧が、第1タイミングt1~第3タイミングt3のそれぞれにおいてハイレベルである第4の場合には、主制御部40の判定部
411は、データ端子210と電源端子230とが短絡状態であるか、データ端子210とリセット端子240とが短絡状態であるか、の少なくとも一方であり、「短絡有り」と判定する。データ端子210と電源端子230とが短絡している場合、または、データ端子210とリセット端子240とが短絡している場合、データ端子210の電圧は、電源端子230の電圧やリセット端子240の電圧と同程度となる。
図11Bに示すように、第1応答期間RT1や第2応答期間RT2では、電源端子230とリセット端子240はハイレベルであるため、液体収容容器100のデータ端子210から出力される電圧は、第1タイミングt1~第3タイミングt3のそれぞれにおいてハイレベルとなる。このように、データ端子210、電源端子230、リセット端子240、およびクロック端子220のうち、データ端子210と電源端子230とが短絡しているときと、データ端子210とリセット端子240とが短絡しているときとの少なくとも一方のとき、第1タイミングt1~第3タイミングt3において、デバイス130に接続されたデータ端子210から印刷装置20の制御ユニット39に出力される電圧は以下のように構成される。データ端子210から出力される
電圧は、第1タイミングt1において第1期待値と異なり、第2タイミングt2において第2期待値と同じ、第3タイミングt3において第3期待値と異なる。
【0130】
上記のように、印刷装置20は、まず、第1タイミングt1において、データ端子210とデータ端子210以外の端子220,230,240,250とが短絡がしていないことを検出する。その上で、第2タイミングt2において、液体収容容器100が印刷装置20に装着されていることを検出する。さらに、第3タイミングt3において、再度データ端子210とデータ端子210以外の端子220,230,240,250とが短絡がしていないことを確認する。第1タイミングt1~第3タイミングt3においてデータ端子210から出力される電圧を検出することにより、液体収容容器100が装着完了状態であることが確認される。後述するように、データ端子210と他の端子220,230,240,250との短絡は、第1応答期間RT1および第2応答期間RT2内で発生する場合も想定される。第2タイミングt2の前である第1タイミングt1と、第2タイミングt2の後である第3タイミングt3で、データ端子210と他の端子220,230,240,250とが短絡がしていないことを検出することにより、液体収容容器100が装着完了状態であることが精度良く確認される。このように、液体収容容器100の装着検出機構と、端子290間の短絡検出機構は、それぞれ独立の構成として認められる。
【0131】
データ端子210とクロック端子220とが短絡していないことを印刷装置20が検出する際には、データ端子210とクロック端子220とが短絡したときに印刷装置20によって検出される電圧と、データ端子210とクロック端子220とが短絡していないときに印刷装置20によって検出される電圧とが、区別できる必要がある。クロック信号SCKの1つの周期には、ローレベルの期間とハイレベルの期間とがある。データ端子210とクロック端子220とが短絡していないとき、その1つの周期においてローレベルの期間に、デバイス130がハイレベルと同じ電圧をデータ端子210に出力する形態では、データ端子210とクロック端子220とが短絡したときもデバイス130がハイレベルと同じ電圧を出力することになる。その結果、データ端子210からの出力を検出した印刷装置20は、データ端子210とクロック端子220とが短絡していないのか、データ端子210とクロック端子220とが短絡しているのかの区別がつかなくなる。第1タイミングt1~第3タイミングt3において、デバイス130がクロック信号SCKの電圧と異なる電圧をデータ端子210に出力することにより、印刷装置20は、データ端子210とクロック端子220とが短絡したときに印刷装置によって検出される電圧と、データ端子210とクロック端子220とが短絡していないときに印刷装置によって検出される電圧とを、区別することができる。データ端子210と電源端子230とが短絡した場合、およびデータ端子210とリセット端子240とが短絡した場合も、同様である。
【0132】
図13A~
図20Bを参照して、接続状態の判定処理の具体例を説明する。以下に示す第1具体例~第9具体例では、1つの液体収容容器100Aを例に説明する。第2具体例~第9具体例において、
図13A~
図20Bに示す波形は、実際に観測される端子290の電圧の例を模式的に示している。制御ユニット39は、データ端子210から出力される電圧を、予め定められた閾値に基づいて、ハイレベルまたはローレベルのどちらかであると認識する。
【0133】
(第1具体例)
第1具体例では、液体収容容器100Aが装着完了状態である場合を説明する。
図13Aは、接続状態の判定処理の第1のタイミングチャートである。
図13Bは、接続状態の判定処理の第2のタイミングチャートである。
図13Aに示すように、副制御部50は、コマンド期間CMTにおいて要求信号RSを液体収容容器100Aのデバイス130Aに送信する。デバイス130Aに送信される要求信号RSは、対象となる液体収容容器100Aを指定するために、サイクルD8のビットがハイレベルとなる。
図13Bに示すように、装着完了状態では、副制御部50は、データ端子210から、第1応答期間RT1におけるサイクルD8の第1タイミングt1においてローレベル、第2応答期間RT2におけるサイクルD8の第2タイミングt2においてハイレベル、第2応答期間RT2におけるサイクルD8の第3タイミングt3においてローレベルを検出する。この場合、主制御部40の判定部421は、第1タイミングt1~第3タイミングt3のそれぞれにおいて、期待値と検出値とが同じであるため、液体収容容器100Aについて、「容器有り」と判定する。
【0134】
(第2具体例)
第2具体例では、データ端子210とクロック端子220との短絡が発生した場合における接続状態の判定処理を説明する。
図14Aは、接続状態の判定処理の第3のタイミングチャートである。
図14Bは、接続状態の判定処理の第4のタイミングチャートである。
図14Aにおいて、コマンド期間CMT前のタイミングtaにおいて、液体収容容器100Aのデータ端子210とクロック端子220との短絡が発生したとする。
図14Bに示すように、データ端子210から出力される電圧の変化は、クロック端子220の信号と同様になる。副制御部50は、データ端子210から、第1応答期間RT1におけるサイクルD8の第1タイミングt1においてハイレベル、第2応答期間RT2におけるサイクルD8の第2タイミングt2においてローレベル、第2応答期間RT2におけるサイクルD8の第3タイミングt3においてハイレベルを検出する。この場合、データ端子210とクロック端子220が短絡状態であり、主制御部の判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0135】
(第3具体例)
第3具体例では、データ端子210とクロック端子220との短絡が発生した場合における接続状態の判定処理を説明する。第3具体例は、デバイス130が要求信号
RSを受信した後に、データ端子210とクロック端子220との短絡が発生したという点で、第2具体例とは異なる。
図15は、接続状態の判定処理の第5のタイミングチャートである。第1応答期間RT1のタイミングtbにおいて、液体収容容器100Aのデータ端子210とクロック端子220との短絡が発生したとする。この場合、データ端子210から出力される信号は、クロック端子220の信号と同じになる。よって、副制御部50は、データ端子210から、第1応答期間RT1におけるサイクルD8の第1タイミングt1においてハイレベル、第2応答期間RT2におけるサイクルD8の第2タイミングt2においてローレベル、第2応答期間RT2におけるサイクルD8の第3タイミングt3においてハイレベルを検出する。この場合、液体収容容器100Aについて、データ端子210とクロック端子220が短絡状態であり、主制御部40の判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0136】
(第4具体例)
第4具体例は、データ端子210と電源端子230との短絡が発生した場合における接続状態の判定処理を説明する。
図16Aは、接続状態の判定処理の第6のタイミングチャートである。
図16Bは、接続状態の判定処理の第7のタイミングチャートである。
図16Aおよび
図16Bでは、コマンド期間CMT前のタイミングtaにおいて、液体収容容器100Aのデータ端子210と電源端子230との短絡が発生したとする。
図16Bに示すように、データ端子210から出力される電圧の変化は、電源端子230の信号と同じになる。副制御部50は、データ端子210から、第1応答期間RT1におけるサイクルD8の第1タイミングt1においてハイレベル、第2応答期間RT2におけるサイクルD8の第2タイミングt2においてハイレベル、第2応答期間RT2におけるサイクルD8の第3タイミングt3においてハイレベルを検出する。この場合、液体収容容器100Aについて、データ端子210と電源端子230が短絡状態であり、主制御部40の判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0137】
(第5具体例)
第5具体例では、データ端子210と電源端子230との短絡が発生した場合における接続状態の判定処理を説明する。第5具体例は、デバイス130が要求信号RSを受信した後に、データ端子210と電源端子230との短絡が発生したという点で、第4具体例とは異なる。
図17は、接続状態の判定処理の第8のタイミングチャートである。第1応答期間RT1のタイミングtbにおいて、液体収容容器100Aのデータ端子210と電源端子230との短絡が発生したとする。この場合、データ端子210から出力される信号は、電源端子230の信号と同じになる。よって、副制御部50は、データ端子210から、第1応答期間RT1におけるサイクルD8の第1タイミングt1においてハイレベル、第2応答期間におけるサイクルD8
の第2タイミングt2においてハイレベル、第2応答期間におけるサイクルD8の第3タイミングt3においてハイレベルを検出する。この場合、液体収容容器100Aについて、データ端子210と電源端子230が短絡状態であり、主制御部40の判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0138】
(第6具体例)
第6具体例では、データ端子210とリセット端子240との短絡が発生した場合における接続状態の判定処理を説明する。
図18Aは、接続状態の判定処理の第9のタイミングチャートである。
図18Bは、接続状態の判定処理の第10のタイミングチャートである。
図18Aおよび
図18Bでは、コマンド期間CMT前のタイミングtaにおいて、液体収容容器100Aのデータ端子210とリセット端子240との短絡が発生したとする。
図18Bに示すように、データ端子210から出力される電圧の変化は、リセット端子240の信号と同じになる。よって、副制御部50は、データ端子210から、第1応答期間におけるサイクルD8の第1タイミングt1においてハイレベル、第2応答期間におけるサイクルD8の第2タイミングt2においてハイレベル、第2応答期間におけるサイクルD8の第3タイミングt3においてハイレベルを検出する。この場合、液体収容容器100Aについて、データ端子210とリセット端子240が短絡状態であり、主制御部40の判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0139】
(第7具体例)
第7具体例では、データ端子210とリセット端子240との短絡が発生した場合における接続状態の判定処理を説明する。第7具体例では、デバイス130が要求信号RSを受信した後に、データ端子210とリセット端子240との短絡が発生したという点で、第6具体例とは異なる。
図19は、接続状態の判定処理の第11のタイミングチャートである。第1応答期間RT1のタイミングtbにおいて、液体収容容器100Aのデータ端子210とリセット端子240との短絡が発生したとする。この場合、データ端子210から出力される信号は、リセット端子240の信号と同じになる。よって、副制御部50は、データ端子210から、第1応答期間におけるサイクルD8の第1タイミングt1においてハイレベル、第2応答期間におけるサイクルD8の第2タイミングt2においてハイレベル、第2応答期間におけるサイクルD8の第3タイミングt3においてハイレベルを検出する。この場合、液体収容容器100Aについて、データ端子210とリセット端子240が短絡状態であり、主制御部40の判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0140】
(第8具体例)
第8具体例では、液体収容容器100Aが非装着完了状態である場合を説明する。詳細には、第8具体例では、デバイス130Aが要求信号RSを受信する前に液体収容容器100Aが収容部4から取り外された場合を説明する。
図20Aは、接続状態の判定処理の第12のタイミングチャートである。液体収容容器100Aが収容部4に装着されていない場合、副制御部50のホスト端子HSDA1の駆動状態は、接続されているプルダウン抵抗により、ローレベルとなる。よって、副制御部50は、第1応答期間RT1におけるサイクルD8の第1タイミングt1においてローレベル、第2応答期間RT2におけるサイクルD8の第2タイミングt2においてローレベル、第2応答期間RT2におけるサイクル
D8の第3タイミングt3においてローレベルを検出する。この場合、液体収容容器100Aについて、非装着完了状態であり、主制御部40の判定部421は、「容器無し」と判定する。
【0141】
(第9具体例)
第9具体例では、第1応答期間RT1の途中で液体収容容器100Aが収容部4から取り外された場合を説明する。
図20Bは、接続状態の判定処理の第13のタイミングチャートである。副制御部50は、第1応答期間RT1におけるサイクルD8の第1タイミングt1においてローレベル、第2応答期間RT2におけるサイクルD8の第2タイミングt2においてローレベル、第2応答期間RT2におけるサイクルD8の第3タイミングt3においてローレベルを検出する。この場合、液体収容容器100Aについて、非装着完了状態であり、主制御部40の判定部421は、「容器無し」と判定する。
【0142】
(その他の具体例)
その他の具体例では、種々の接続状態と、接続状態ごとの判定部421による判定結果を説明する。
図20Cは、接続状態の判定処理のその他の具体例を説明する図である。接続状態の判定処理においては、第1タイミングt1および第3タイミングt3における検出値のうち、少なくともどちらか一方が期待値と異なる場合、主制御部40の判定部411は「短絡有り」と判定する。
【0143】
No.1の場合は、第1タイミングt1よりも前のタイミングtにおいて、データ端子210とクロック端子220とが短絡している場合である。この場合、基板120はデータ端子210から、印刷装置20に対して、第1タイミングt1において第1期待値とは異なるハイレベルの電圧を出力し、第2タイミングt2において第2期待値とは異なるローレベルの電圧を出力し、第3タイミングt3において、第3期待値と異なるハイレベルの電圧を出力する。この場合、判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0144】
No.2の場合は、第1タイミングt1の後から第2タイミングt2よりも前までのタイミングtにおいて、データ端子210とクロック端子220とが短絡した場合である。この場合、基板120はデータ端子210から、印刷装置20に対して、第1タイミングt1において第1期待値と同じローレベルの電圧を出力し、第2タイミングt2において第2期待値とは異なるローレベルの電圧を出力し、第3タイミングt3において、第3期待値と異なるハイレベルの電圧を出力する。この場合、判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0145】
No.3の場合は、第2タイミングt2の後から第3タイミングt3よりも前までのタイミングtにおいて、データ端子210とクロック端子220とが短絡した場合である。この場合、基板120はデータ端子210から、印刷装置20に対して、第1タイミングt1において第1期待値と同じローレベルの電圧を出力し、第2タイミングt2において第2期待値とは同じハイレベルの電圧を出力し、第3タイミングt3において、第3期待値と異なるハイレベルの電圧を出力する。この場合、判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0146】
No.4の場合は、第1タイミングt1の後から第2タイミングt2よりも前までのタイミングtにおいて、データ端子210とクロック端子220との短絡が解消した場合である。この場合、基板120はデータ端子210から、印刷装置20に対して、第1タイミングt1において第1期待値と異なるハイレベルの電圧を出力し、第2タイミングt2において第2期待値とは同じハイレベルの電圧を出力し、第3タイミングt3において、第3期待値と同じローレベルの電圧を出力する。この場合、判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0147】
No.5の場合は、第2タイミングt2の後から第3タイミングt3よりも前までのタイミングtにおいて、データ端子210とクロック端子220との短絡が解消した場合である。この場合、基板120はデータ端子210から、印刷装置20に対して、第1タイミングt1において第1期待値と異なるハイレベルの電圧を出力し、第2タイミングt2において第2期待値と異なるローレベルの電圧を出力し、第3タイミングt3において、第3期待値と同じローレベルの電圧を出力する。この場合、判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0148】
No.6の場合は、第1タイミングt1よりも前のタイミングtにおいて、データ端子210と電源端子230とが短絡しているときと、データ端子210とリセット端子240とが短絡しているときとの少なくとも一方の場合である。この場合、基板120はデータ端子210から、印刷装置20に対して、第1タイミングt1において第1期待値と異なるハイレベルの電圧を出力し、第2タイミングt2において第2期待値と同じハイレベルの電圧を出力し、第3タイミングt3において、第3期待値と異なるハイレベルの電圧を出力する。この場合、判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0149】
No.7の場合は、第1タイミングt1の後から第2タイミングt2より前のタイミングtにおいて、データ端子210と電源端子230とが短絡した場合、またはデータ端子210とリセット端子240とが短絡した場合の少なくとも一方である。この場合、基板120はデータ端子210から、印刷装置20に対して、第1タイミングt1において第1期待値と同じローレベルの電圧を出力し、第2タイミングt2において第2期待値と同じハイレベルの電圧を出力し、第3タイミングt3において、第3期待値と異なるハイレベルの電圧を出力する。この場合、判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0150】
No.8の場合は、第2タイミングt2の後から第3タイミングt3より前のタイミングtにおいて、データ端子210と電源端子230とが短絡した場合と、データ端子210とリセット端子240とが短絡した場合の少なくとも一方である。この場合、基板120はデータ端子210から、印刷装置20に対して、第1タイミングt1において第1期待値と同じローレベルの電圧を出力し、第2タイミングt2において第2期待値と同じハイレベルの電圧を出力し、第3タイミングt3において、第3期待値と異なるハイレベルの電圧を出力する。この場合、判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0151】
No.9の場合は、第1タイミングt1の後から第2タイミングt2より前のタイミングtにおいて、データ端子210と電源端子230との短絡が解消し、データ端子210とリセット端子240との短絡が解消した場合である。この場合、基板120はデータ端子210から、印刷装置20に対して、第1タイミングt1において第1期待値と異なるハイレベルの電圧を出力し、第2タイミングt2において第2期待値と同じハイレベルの電圧を出力し、第3タイミングt3において、第3期待値と同じローレベルの電圧を出力する。この場合、判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0152】
No.10の場合は、第2タイミングt2の後から第3タイミングt3より前のタイミングtにおいて、データ端子210と電源端子230との短絡が解消し、データ端子210とリセット端子240との短絡が解消した場合である。この場合、基板120はデータ端子210から、印刷装置20に対して、第1タイミングt1において第1期待値と異なるハイレベルの電圧を出力し、第2タイミングt2において第2期待値と同じハイレベルの電圧を出力し、第3タイミングt3において、第3期待値と同じローレベルの電圧を出力する。この場合、判定部411は、「短絡有り」と判定する。
【0153】
A3-4.その他のソフトウェア構成:
上記第1実施形態において、デバイス130は、要求信号RSを受信している場合において、印刷装置20が第1印刷指示に基づく印刷中に第2印刷指示を受信した場合、第1印刷指示に基づく印刷が終了した後、第2印刷指示に基づく印刷を開始する前に、第1応答信号FSおよび第2応答信号SSをデータ端子210に出力してもよい。デバイス130は、要求信号RSを受信している場合において、印刷装置が印刷ヘッド5のクリーニング指示を受信した場合、クリーニングを実行する前に、第1応答信号FSおよび第2応答信号SSをデータ端子210に出力してもよい。デバイス130は、要求信号RSを受信した場合において、キャリッジ30が液体収容容器100を交換することができる交換位置において、第1応答信号FSおよび第2応答信号SSをデータ端子210に出力し、さらに、キャリッジ30が交換位置から液体収容容器100を交換できない待機位置に移動した場合、第1応答信号FSおよび第2応答信号SSをデータ端子210に出力してもよい。交換位置は、例えば、ホームポジションのときのキャリッジ30の位置である。
【0154】
第1応答信号FSは第1信号とも呼ぶことができる。第2応答信号SSは第2信号とも呼ぶことができる。低第1応答電圧は、第1低電圧とも呼ぶことができる。高第1応答電圧は、第1高電圧とも呼ぶことができる。低第2応答電圧は、第2低電圧とも呼ぶことができる。高第2応答電圧は、第2高電圧とも呼ぶことができる。低クロック電圧は、低電圧とも呼ぶことができる。高クロック電圧は、高電圧とも呼ぶことができる。低リセット電圧は、低電圧とも呼ぶことができる。高リセット電圧は、高電圧とも呼ぶことができる。
【0155】
A4.第1実施形態の他の実施形態:
A4-1.基板に関する他の実施形態1:
図21Aは、他の実施形態1としての基板を説明する図である。
図21Aは、複数の接触部cpの配置の組み合わせ例を示している。データ接触部cpd,クロック接触部cpc,電源接触部cpvd,リセット接触部cpr,および接地接触部cpvsの配置は上記第1実施形態に限定されるものではなく、図
21Aの組み合わせNo.1~No.24に示すように、他の配置であってもよい。組み合わせNo.1~No.24では、第1領域Rg1にクロック接触部cpc、データ接触部cpd、電源接触部cpvd、およびリセット接触部cprが配置され、第2領域Rg2に接地接触部cpvsが配置される組み合わせである。
【0156】
上記接触部cpの配置の組み合わせにおいて、No.1~No.18までは、データ接触部cpdの投影位置swdと接地接触部cpvsの投影位置swvsの間には、クロック接触部cpc、電源接触部cpvd、およびリセット接触部cprのうち、少なくとも1つの接触部cpが投影されるように配置されている。上記接触部cpの配置の組み合わせにおいて、No.1~No.12までは、データ接触部cpdの投影位置swdと接地接触部cpvsの投影位置swvsの間には、クロック接触部cpc、電源接触部cpvd、およびリセット接触部cprのうち、いずれか2つ以上の接触部cpが投影されるように配置されている。上記接触部cpの配置の組み合わせにおいて、No.1~No.6およびNo.13~No.18では、データ接触部cpdは、電源接触部cpvd、リセット接触部cpr、クロック接触部cpcのうち、いずれか2つの接触部cpの投影位置の間に投影されるように配置されている。上記接触部cpの配置の組み合わせにおいて、No.1,3,8,11,14,15,20,23では、電源接触部cpvdとクロック接触部cpcの間には、データ接触部cpdおよびリセット接触部cprのいずれかまたは両方が投影されるように配置され、リセット接触部cprは、その投影位置swrが電源接触部cpvdの投影位置swvdの隣となるように配置されている。上記接触部cpの配置の組み合わせにおいて、No.1,2,6~8,13,14,16,23,24では、電源接触部cpvdは、その投影位置swvdがデータ接触部cpdの投影位置swdの隣となるように配置されている。上記接触部cpの配置の組み合わせにおいて、No.1では、クロック接触部cpcは、接地接触部cpvsの投影位置swvsと最も離れた位置に投影されるように配置され、データ接触部cpd、電源接触部cpvd、およびリセット接触部cprは、第2仮想線C2上のクロック接触部cpcの投影位置swcから接地接触部cpvsの投影位置swvsに向かう方向に順番に投影されるように配置されている。
【0157】
図21Bは、
図21AのNo.2およびNo.3に示す配置例を示している。基板120bは、図
21AのNo.2に示す配置例であり、
図5に示す基板120との異なる点は、クロック接触部cpcとリセット接触部cprとの位置関係が入れ替わっている点である。基板120cは、図
21AのNo.3に示す配置例であり、
図5に示す基板120との異なる点は電源接触部cpvdとリセット接触部cprとの位置関係が入れ替わっている点である。
【0158】
図21Aに示す接触部cpの配置の組み合わせは、データ端子210、クロック端子220、電源端子230、リセット端子240、接地端子250の配置の組み合わせにも同様に適用できる。
図21Aに示す接触部cpの配置の組み合わせは、装置側端子490の配置の組み合わせにも適用できる。
【0159】
上記第1実施形態及び
図21A,21Bでは、接地接触部cpvsが第2領域Rg2に配置されているが、接地接触部cpvs以外の接触部を第2領域Rg2に配置しても良い。例えば、データ接触部
cpd、電源接触部cpvd、リセット接触部cpr、および接地接触部cpvsを第1領域Rg1に配置し、クロック接触部cpcを第2領域Rg2に配置しても良い。例えば、データ接触部
cpd、クロック接触部cpc、電源接触部cpvd、および接地接触部cpvsを第1領域Rg1に配置し、リセット接触部cprを第2領域Rg2に配置しても良い。例えば、データ接触部
cpd、クロック接触部cpc、リセット接触部cpr、および接地接触部cpvsを第1領域Rg1に配置し、電源接触部cpvdを第2領域Rg2に配置しても良い。例えば、クロック接触部cpc、電源接触部cpvd、リセット接触部cpr、および接地接触部cpvsを第1領域Rg1に配置し、デ―タ接触部cpdを第2領域Rg2に配置しても良い。これらの形態においても、第1領域Rg1に配置される接触部cpと第2領域Rg2に配置される接触部cpの配置関係は、上記第1実施形態と同様である。
【0160】
A4-2.基板に関する他の実施形態2:
図22は、他の実施形態2としての2パターンの基板120dおよび基板120eを示す図である。接地接触部250の配置は、上記第1実施形態に限定されるものではなく、他の配置でも良い。基板120dは、接地接触部cpvsの配置が
図5に示す基板120とは異なる。基板120dの接地接触部cpvsは、第2列R2を形成するように配置されている。基板120dが用いられる場合には、
図7A,7Bに示す接続機構400は、基板120の接地接触部cpvsに対応した装置側端子を備える。接地接触部cpvsの数は、上記第1実施形態に限定されるものではなく、2つ以上でも良い。基板120eは、接地接触部cpvsの数が
図5に示す基板120と異なる。基板120eは、2つの接地端子250a、250bを備え、各々接地接触部cpvsを含む。基板120eが用いられる場合には、
図7A,7Bに示す接続機構400は、2つの接地端子250a,250bに対応した2つの装置側端子を備える。基板120eのデータ接触部cpd、クロック接触部cpc、電源接触部
cpvd、およびリセット接触部cprの配置は、
図5に示す基板120と同じである。接地端子250aの接地接触部cpvs,接地端子250bの接地接触部cpvsは、第1仮想線C1に沿った方向において異なる位置に配置されている。一方の接地端子250aの接地接触部cpvsは、第2列R2を形成するように配置されている。他方の接地端子250bの接地接触部cpvsは、第1列R1を形成するように配置されている。
【0161】
A4-3.基板に関する他の実施形態3:
図23は、他の実施形態3としての2パターンの基板120fおよび基板120gを示す図である。接地端子250の大きさは、上記第1実施形態に限定されるものではなく、他の大きさであっても良い。基板120fの接地端子250cおよび基板120gの接地端子250dは、
図5に示す接地端子250よりも大きい。接地端子250cは、第1列R1と第2列R2に亘って形成されている。接地端子250cは、第1仮想線C1に沿った方向について、基板120fの中央部CMPを跨って配置されている。基板120gの接地端子250dは、さらに、第1領域Rg1と第2領域Rg2とに亘って形成されている。接地端子250dは、第1仮想線C1を跨って配置されている。
【0162】
A4-4.基板に関する他の実施形態4:
図24は、他の実施形態4としての2パターンの基板120ab,120acを示す図である。
図25は、他の実施形態4として2パターンの基板120ad,120ae示す図である。端子210~250の形状は、上記第1実施形態に限定されるものではなく、他の形状であっても良い。
図24に示すように、基板120abの端子210~250は、第1列R1および第2列R2に跨るように形成され、第1仮想線C1に沿って細長い形状をしている。基板120acの端子210~250は、基板120の端子210~250のような矩形状の部分に加え、第1仮想線C1に沿った細長い形状の部分を有する。基板120adのデータ端子210は、第1仮想線C1および第2仮想線C2に沿った方向に屈曲している部分を有する。基板120aeのデータ端子210は、電源端子230の一部を取り囲むように、第1仮想線C1および第2仮想線C2に沿った方向に屈曲している部分を有する。このようにしても、端子210~250の各接触部cpの位置関係は、上記第1実施形態の
図5に示す各接触部cpの位置関係と同じである。
【0163】
A4-5.基板に関する他の実施形態5:
図26は、他の実施形態5としての基板120Tdを説明する図である。
図26のうち上段の図は、基板120Tdを示している。
図26のうち下段の図は、基板120Tdに対応する接続機構400Tdを模式的に示している。上記第1実施形態における基板120では、複数の接触部cpは2つの列を形成するように配置されていたが、これに限定されない。基板120Tdでは、接触部は3つの列を形成するように配置されている。データ接触部cpdと接地接触部cpvsは、第3
列を形成している。このように、接触部cpが第1仮想線C1に沿った方向において第1実施形態における接触部cpの配置と異なっていたとしても、第2仮想線C2への投影位置は変わらない。基板120Tdが重力方向に沿った方向に装着される場合において、基板120Tdでは、クロック接触部cpc、電源接触部cpvd、及びリセット接触部cprは、データ接触部cpdよりも重力方向側である+Z方向側に配置されている。また、クロック接触部cpc、電源接触部cpvd、及びリセット接触部cprのうちの少なくとも1つの接触部cpc,cpvd,cprは、接触部cpを第2仮想線C2に投影したとき、データ接触部cpdの投影位置swdと接地接触部cpvsの投影位置swvsの間に投影されるように配置されている。データ接触部
cpdや接地接触部cpvs以外の接触部cpも、本実施形態のデータ接触部
cpdや接地接触部cpvsと同様に、第1仮想線C1に沿った方向において第1実施形態における接触部cpとは異なる位置に配置されても良い。上記の各接触部cpの位置関係は、装置側端子490の各接触部cpについても同様の関係を有する。基板120Tdが重力方向に沿った方向に装着される場合において、装置側クロック接触部dcpc、装置側電源接触部dcpvd、及び装置側リセット接触部dcprは、装置側データ接触部dcpdよりも重力方向側である+Z方向側に配置されている。また、装置側クロック接触部dcpc、装置側電源接触部dcpvd、及び装置側リセット接触部dcprのうちの少なくとも1つの接触部dcpc,dcpvd,dcprは、接触部dcpを第2仮想線C2に投影したとき、装置側データ接触部dcpdの投影位置swdと装置側接地接触部dcpvsの投影位置swvsの間に投影されるように配置されている。
【0164】
A4-6.基板に関する他の実施形態6:
図27は、基板に関する他の実施形態6としての2パターンの基板120U,120Vを示す図である。基板120の基材120bdの形態は、上記第1実施形態に限られない。基板120Uは、4つの液体収容容器100A~100Dに対して共通に用いられる。この場合、4つの液体収容容器100A~100Dは一体に形成されていてもよい。基板120Uは、第1基板領域120UAと、第2基板領域120UBと、第3基板領域120UCと、第4基板領域120UDとを備える。第1基板領域120UAは、液体収容容器100Aに用いられ端子290が配置された領域である。第2基板領域120UBは、液体収容容器100Bに用いられる端子290が配置された領域である。第3基板領域120UCは、液体収容容器100Cに用いられる端子290が配置された領域である。第4基板領域120UDは、液体収容容器100Dに用いられる端子290が配置された領域である。第1基板領域120UA~第4基板領域120UDは、それぞれ独立した基板とみなしてもよい。基板120Uの裏面120fbには、4つの液体収容容器100A~100Dに用いられる4つのデバイス130A~130Dが設けられている。各基板領域120UA~120UDの端子290は、対応するデバイス130A~130Dに、図示しない配線パターン層や基板120Uに配置されたスルーホールを介して接続されている。ここで、各デバイス130A~130Dには共通の電源端子230を介して電源電圧VDDが供給される。本実施形態では、共通の電源端子230は、第1基板領域120UAの端子290に設けられている。よって、基板120Uにおいて、電源端子230は、第2基板領域120UB~
第4基板領域120UDの端子290には、設けられていない。上記のように、端子290のうち一部の端子を複数のデバイス130A~130Dに対して共通に用いてもよい。
【0165】
上記第1実施形態では、基板120の基材120bdは単一の部材で構成されていたが、これに限られず、複数の基材から構成されても良い。基板120Vでは、デバイス130と端子290とが単一の基材ではなく、別々の基材124a、124bに配置されている。基板120Vは、第1基材124aと第2基材124bとを有する。第1基材124aと第2基材124bとは導電線EL等によって電気的に接続されている。第1基材124aと第2基材124bとは、材質が異なる。第1基材124aは例えばリジット基材であり、第2基材124bはシート状基材である。第1基材124aの前面120faaには、デバイス130が樹脂139によってモールドされている。第2基材124bの前面120fabには、端子290が配置されている。
【0166】
A4-7.基板に関する他の実施形態7:
図28は、基板に関する他の実施形態7の基板120Xを示す図である。上記第1実施形態では、
図5に示すように、端子290の種類は、データ端子210、クロック端子220、電源端子230、リセット端子240、接地端子250の5種類であったが、これに限定されるものではなく、5種類よりも少なくてもよい。例えば、基板120Xは、データ端子210、クロック端子220、電源端子230、および接地端子250を有する。基板120Xは、リセット端子240を有していない。この場合、リセット信号RSTは、例えばデバイス130の処理部136においてクロック信号SCKを用いて生成される。例えば、基板120Xにおいて、電源端子230を設けなくても良い。この場合、電源電圧VDDは、例えばデバイス130の処理部136においてクロック信号SCKを用いて生成される。例えば、基板120Xにおいて、電源端子230を設け、リセット端子240を設けなくても良い。このように、上記第1実施形態の端子290は、リセット端子240と電源端子230との少なくとも一方を備えていなくてもよい。本実施形態の場合、基板120の端子290において、接地端子250以外の端子290を「その他の端子群」と呼ぶ。本実施形態では、接地端子250は第1端子とも呼ぶことができる。データ端子210は第2端子とも呼ぶことができる。クロック端子220は第3端子とも呼ぶことができる。接地接触部
cpvsは第1接触部とも呼ぶことができる。データ接触部
cpdは第2接触部とも呼ぶことができる。クロック接触部
cpcは第3接触部とも呼ぶことができる。
【0167】
A4-8.基板に関する他の実施形態8:
本開示の実施形態において、端子290や接触部cpの配置が第1仮想線C1を挟んで入れ替わった配置であってもよい。第1列を構成する端子と第2列を構成する端子が入れ替わった配置であっても良い。
【0168】
A4-9.液体収容容器の他の実施形態1:
本開示の液体収容容器は、
図3に示す液体収容容器100に限らず、他の構成であってもよい。以下に、液体収容容器100の他の実施形態について説明する。
図3および
図4に示す上記第1実施形態の液体収容容器100や、液体収容容器の他の実施形態同士で同様の構成について、同一符号を付すと共に適宜説明を省略する。なお、
図4に示す収容部4等,印刷装置20の構成は、液体収容容器の構成に対応させて変更される。
【0169】
図29は、液体収容容器の他の実施形態1としての液体収容容器100pを示す斜視図である。液体収容容器100pは、液体収容体101と、液体供給口104opを有する液体供給部104と、基板120とを備える。液体収容体101は内部にインクを収容するインク室150を形成する。液体供給部104は、底壁101wbに形成され、インク室150と連通する。基板120は、液体収容体101の第3壁101wbと第2壁101wrとが交差するコーナー部89に設けられている。液体収容容器100pは、第1壁101wfの突起状の第2容器係合部320を、収容部4が有する凹部に係合させた後に、第2容器係合部320を支点として液体収容容器
100pを回転装着方向RDに回転移動させることで、収容部4に装着される。装着完了状態では、第2壁101wrの突起状の第1容器係合部310が、収容部4のレバーに係合する。本実施形態において、装着方向MDは、+Z方向と-Y方向の成分を含み、第1方向F
DはZ方向
の正負両方とY方向の
正負両方の成分を含む。
【0170】
A4-10.液体収容容器の他の実施形態2:
図30は、液体収容容器の他の実施形態2としての液体収容容器100qを示す斜視図である。
図31は、液体収容容器100qの基板120周辺の拡大図である。
図30に示すように、液体収容容器100qは、液体収容体101と、液体供給口104opを有する液体供給部104と、基板120とを備える。液体収容体101の内部には、インクを収容する図示しない液体収容袋が配置されている。液体収容袋は可撓性を有し、インク室150として機能する。液体供給部104は、液体収容袋に設けられ、液体収容体101の前壁101wfに形成された開口部424に配置されている。基板120は、液体収容体101の第2壁101wrと第4壁101wuとが交差するコーナー部89aに設けられている。コーナー部89aは液体収容体101の内方に窪んだ凹部である。本実施形態において、装着方向MDは-Y方向であり、第1方向FD
はY方向
の正負両方とZ方向
の正負両方の成分とを含む。
【0171】
A4-11.液体収容容器の他の実施形態3:
図32は、液体収容容器の他の実施形態3としての液体収容容器100rを示す斜視図である。液体収容容器100rは、-Y方向が装着方向MDとなる。液体収容容器100rは、液体収容体101と、液体供給口104opを有する液体供給部104と、基板120とを備える。液体収容体101の内部には、インクを収容する図示しない液体収容袋が配置されている。この液体収容袋は可撓性を有し、インク室150として機能する。液体供給部104は、液体収容袋に設けられ、液体収容体101の第2壁101wrに形成された開口部424に配置されている。基板120は、液体収容体101の第2壁101wrと第4壁101wuとが交差するコーナー部89aに設けられている。コーナー部89aは液体収容体101の内方に窪んだ凹部である。液体収容体101の第3壁101wbには、溝状の容器側係合構造425が形成されている。容器側係合構造425は、液体収容容器100rの装着完了状態において、収容部4の突起状の装置側係合構造と係合することで、液体収容容器100の取り外し方向である+Y方向側の動きを規制する。本実施形態において、装着方向MDは-Y方向であり、第1方向FD
はY方向
の正負両方とZ方向
の正負両方の成分を含む。
【0172】
A4-12.液体収容容器の他の実施形態4:
図33は、液体収容容器の他の実施形態4としての液体収容容器100sを示す斜視図である。液体収容容器100sは、印刷装置20に引き出し可能に設けられたケース61に着脱可能に収容された後に、ケース61と共に印刷装置20に装着される。液体収容容器100sは、液体収容袋111と、液体収容袋111の-Y方向側の一端部に取り付けられた接続部材112と、を有する。本実施形態では、液体収容袋111および接続部材112が液体収容体として機能する。液体収容袋111は、可撓性を有する。インク室150として機能する液体収容袋111の-Y方向側には液体供給口104opを有する液体供給部104が設けられている。液体供給部104は、接続部材112の第2壁101wrに形成された開口部424に配置されている。基板120は、接続部材112の第2壁101wrに形成された凹部であるコーナー部89aに配置されている。本実施形態において、装着方向MDは-Y方向であり、第1方向FD
はY方向
の正負両方とZ方向
の正負両方の成分を含む。
【0173】
A4-13.液体収容容器の他の実施形態5:
図34は、液体収容容器の他の実施形態5としての液体収容容器100wを示す斜視図である。液体収容容器100wにおいて、基板120は、装着完了状態において、水平な面となる第4壁101wuに配置されている。第4壁101wuは、装着完了状態において上壁を構成する。液体収容容器100wは、
図3および
図4に示す液体収容容器100と同様に、液体収容体101と、液体供給口104opを有する液体供給部104と、を備える。液体収容体101の内部には、インクを収容する可撓性を有する図示しない液体収容袋が配置されている。この液体収容袋がインク室150として機能する。液体供給部104は、液体収容袋に設けられ、液体収容体101の第2壁101wrに形成された開口部424に配置されている。本実施形態において、装着方向MDはーY方向であり、第1方向FD
はY方向の
正負両方である。
【0174】
A4-14.液体収容容器の他の実施形態6:
図35は、液体収容容器の他の実施形態6としての液体収容容器100xを示す斜視図である。液体収容容器100xにおいて、基板120は、装着完了状態において、垂直な面となる第5壁101wsaに配置されている。第5壁101wsaは、装着完了状態において側壁を構成する。液体収容容器100xは、
図3および
図4に示す液体収容容器100と同様に、液体収容体101と、液体供給口104opを有する液体供給部104と、を備える。液体収容体101の内部には、インクを収容する可撓性を有する図示しない液体収容袋が配置されている。この液体収容袋がインク室150として機能する。液体供給部104は、液体収容袋に設けられ、液体収容体101の第2壁101wrに形成された開口部424に配置されている。本実施形態において、装着方向MDはーY方向であり、第1方向FD
はY方向
の正負両方である。
【0175】
A4-15.液体収容容器の他の実施形態7:
図36は、液体収容容器の他の実施形態7としての液体収容容器100yを示す図である。上記第1実施形態の液体収容容器100は、
図3および
図4に示すように、液体収容体101と基板120が一体に構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、液体収容容器100yは、インク室150を形成する液体収容体101yaと、基板120が取り付けられたアダプター101ybとを有する。液体供給部104は、液体収容体101yaに形成されている。液体収容体101yaは、凹形状のアダプター101ybに取り外し可能に収容される。アダプター101ybは、液体収容体101yaを収容するケースとして機能する。アダプター101ybの第3壁101wbには、液体供給部104が挿通される開口部134が形成されている。液体収容体101yaは、図示しない固定部材を用いて、アダプター101ybに固定されてもよい。液体収容体101yaは、アダプター101ybに固定されなくても良い。
【0176】
A4-16.液体収容容器の他の実施形態8:
図37は、液体収容容器の他の実施形態8としての液体収容容器100gおよび100hを示す図である。上記第1実施形態の液体収容容器100は、
図4~
図6に示すように、複数の端子290とデバイス130が基材120bdに配置されていたが、これに限定されるものではない。液体収容容器100gでは、複数の端子290とデバイス130が基材120bdを介することなく直接に液体収容体101の第2壁101wrに配置されている。複数の端子290とデバイス130とは図示しない配線パターンなどによって電気的に接続されている。このように、液体収容体101と、複数の端子290と、デバイス130と、は液体収容容器100gとして一体に構成されてもよい。
【0177】
液体収容容器100hでは、複数の端子290は基材120bdを介することなく直接に液体収容体101の第2壁101wrに配置されている。デバイス130は、取付基材120hに配置され、取付基材120hを介して液体収容体101の第2壁101wrに配置されている。複数の端子290とデバイス130とは図示しない配線パターンなどによって電気的に接続されている。このように、液体収容体101と、複数の端子290と、は液体収容容器100hとして一体に構成され、デバイス130は別体に構成されてもよい。
【0178】
A4-17.液体収容容器の他の実施形態9:
図38は、液体収容容器の他の実施形態9としての液体収容容器100zを示す斜視図である。
図39は、液体収容容器100zの基板120周辺の拡大図である。他の実施形態9の各図に示すXYZ軸は、液体収容容器100zが印刷装置の後述する収容部に挿入が完了したときの状態を基準にしている。液体収容容器100zは、印刷装置に装着する際に、2つの装着操作を行う。本実施形態では、第1方向FDはY方向成分とZ方向成分とを有し、第2方向SDはX方向である。
図38に示すように、液体収容容器100zは、液体収容体101zと、液体供給口104opを有する液体供給部104と、基板120とを備える。液体収容体101zは、液体を収容可能な収容本体101zaと、収容本体101zaに取り付けられたカバー部材101zbとを有する。液体供給部104は、カバー部材101zbによって形成された液体収容体101zの第3壁101wbに形成された開口部424に配置されている。基板120は、液体収容体101zの第2壁101wrと第3壁101wbとが交差するコーナー部89zに設けられている。コーナー部89zは液体収容体101zの内方に窪んだ凹部である。
【0179】
図39に示すように、基板120は、
図5とは向きが異なり、データ端子210とリセット端子240とが、クロック端子220と電源端子230と接地端子250よりも-Z方向側に位置する。
【0180】
図40は、液体収容容器100zを印刷装置の収容部4zに装着する過程を説明する第1図である。
図41は、液体収容容器100zを印刷装置の収容部4zに装着する過程を説明する第2図である。
図42は、液体収容容器100zの装着完了状態を示す図である。収容部4zは、図示しない印刷ヘッドとは異なる場所に配置されている。収容部4zと印刷ヘッドとは図示しない液体流通管で連通している。収容部4zに装着された液体収容容器
100zの液体は、液体流通管を通って印刷ヘッドに供給される。
【0181】
図40に示すように、液体収容容器100zは、水平方向である第1装着方向MD1に液体収容容器100zを移動させることで、収容部4zの着脱開口部474を介して、液体収容容器100zを収容部4zの装着室65に挿入する。第1装着方向MD1は、
-Y方向である。
【0182】
図41に示すように、液体収容容器100zを第1装着方向MD1に押し進め、収容部4zが有する接続機構400の装置側端子490と、基板120の端子290との接触が完了する。
図41に示す液体収容容器100zの第2壁101wr側を押し下げることで、収容部4zに設けられた回転支点Rpを中心として、液体収容容器100zが重力方向成分を有する第2装着方向MD2に回転移動する。第2装着方向MD2は、+Z方向と+
Y方向の成分を有する。
【0183】
図42に示すように、液体収容容器100zの第2装着方向MD2への回転移動が完了した場合、液体収容容器100zの液体供給部104と、収容部4zの液体導入部6とが接続する。本実施形態では、第1装着方向MD1と第2装着方向MD2のいずれか一方が装着方向MDである。
【0184】
A4-18.液体収容容器の他の実施形態10:
上記第1実施形態や他の実施形態において、液体収容容器100はインクカートリッジであったが、これに限定されるものではない。液体収容容器100は、例えば、廃液収容容器でも良い。廃液収容容器は、例えば、印刷装置20が印刷ヘッド5のクリーニングを実行した場合に、印刷ヘッド5のノズルから吐出された廃液を収容する容器である。
【0185】
A4-19.印刷システムの他の実施形態1:
本開示の印刷システムは、
図1に示す印刷システム1000に限定されるものではない。
図43は、印刷システムの他の実施形態1としての印刷システム1000Aを示す図である。上記第1実施形態では、
図1に示すように、液体収容容器100がキャリッジ30に装着されるオンキャリッジと呼ばれる構成としたが、これに限定されるものではない。液体収容容器100がキャリッジ30と異なる他の場所に装着されるオフキャリッジと呼ばれる構成としてもよい。印刷システム1000Aは、オフキャリッジタイプの印刷システムであり、印刷装置20Aと、液体収容容器100Tとを備える。印刷装置20Aは、印刷ヘッド5を備えるキャリッジ30を有する。液体収容容器100Tは、キャリッジ30とは異なる場所に配置された容器装着部600に着脱可能に装着される。液体収容容器100Tについても、第1実施形態の液体収容容器100と同様に、液体収容体と、インク供給口を有する液体収容部と、基板とを備えている。印刷装置20Aには、例えば、
図30~
図35に示す液体収容容器100q~100xが装着される。印刷装置20Aは、印刷装置20と同様に、接続状態の判定処理を実行する。
【0186】
A4-20.印刷システムの他の実施形態2:
図44は、印刷システムの他の実施形態2としての印刷システム1000Cを示す図である。上記第1実施形態では、
図1に示すように、液体収容容器100を着脱可能に装着する収容部4が、印刷装置20の本体内に配置されていたが、収容部4の位置はこれに限定されるものではない。
図45に示す印刷システム1000Cでは、印刷装置20Cが有する収容部4Cは、印刷装置20Cの本体201の外側に配置されている。収容部4Cは、
図7Aおよび
図7Cに示すように、液体導入部6と接続機構400と副制御基板500とを備える。液体導入部6と本体201内に配置された印刷ヘッド5とは、可撓性を有する液体流通管105によって連通している。液体流通管105は、液体導入部6の数に応じて複数設けられている。複数の液体流通管105は、1つの保護チューブ106内に収容されている。また、印刷装置20Cは、副制御基板500と本体201内に位置する図示しない主制御部40とを接続して、各種信号を送受信する行うバス107を有する。図
44に示す液体収容容器100についても、上記第1実施形態の液体収容容器100と同様に、液体収容体と、液体供給口を有する液体供給部と、基板とを備えている。印刷装置20Cは、印刷装置20と同様に、接続状態の判定処理を実行する。
【0187】
A4-21.印刷システムの他の実施形態3:
図45は、印刷システムの他の実施形態3としての印刷システム1000Dを示す図である。印刷システム1000Dは、上記第1実施形態と同様に4つの液体収容容器100A,100B,100C,100Dと、
図1に示す印刷装置20とを備える。液体収容容器100A~100Dは、一体に形成されていてもよいし、それぞれが個別に形成されていてもよい。液体収容容器100A~100Dには、印刷システム
1000D外に配置された外付けの液体貯留部814および液体流通管812を介して
、液体が補充される。
図45において、液体貯留部814および液体流通管812のうち、各液体収容容器100A~100Dに対応する要素には、末尾に「A」~「D」を付している。
【0188】
A4-22.印刷システムの他の実施形態4:
図46は、印刷システムの他の実施形態4としての印刷システム1000Eを示す図である。印刷システム1000Eは、基板120を有するアダプター101Eと、液体を収容可能な液体収容体824と、液体流通管822と、
図1に示す印刷装置20とを備える。アダプター101Eは、収容部4に着脱自在に装着できる。液体流通管822は、液体収容体824と液体導入部6とを接続し、液体供給部として機能する。液体流通管822のうち液体導入部6に接続される部分は、液体供給口として機能する。アダプター101Eと液体流通管822と液体収容体824は、4つずつ設けられている。印刷システム1000Eにおいて、「装着完了状態」とは、基板120を有するアダプター101Eが印刷装置
20に装着されており、端子290間において短絡が発生していない状態をいう。本実施形態において、「基板120が印刷装置20に装着されている」とは、基板120が印刷装置20に物理的に取り付けられ、端子290の接触部cpが装置側端子490に電気的に接続されていることをいう。基板120のデータ端子210は、基板120が印刷装置20に装着されているか否かを検出するのに用いられる。印刷装置20の装着判定部412は、基板120が装着されているか否かの判定を行う。第1応答信号RT1および第2応答信号RT2は、基板120が印刷装置20に装着されていることを、印刷装置20が判定するのに用いられる信号である。
【0189】
A4-23.電気的構成およびソフトウェア構成に関する他の実施形態:
上記第1実施形態では、
図1に示すように、4つの液体収容容器100A~100Dが収容部4に着脱可能に装着されていたが、収容部4に着脱可能に装着される液体収容容器100の数はこれに限定されるものではない。以下に、
図47Aおよび
図47Bを用いて、6つの液体収容容器100が収容部4に着脱可能に装着される印刷システム1000における接続状態の判定処理のタイミングチャートを説明する。6つの液体収容容器100には、例えば、異なる色のインクが収容される。
図47Aおよび
図47Bは、装着完了状態において、液体収容容器100の端子290に入出力される信号を模式的に示すタイミングチャートである。
図47Aは、6つの液体収容容器100A~100Fを備える印刷システム1000における第1のタイミングチャートである。
図47Bは、6つの液体収容容器100A~100Fを備える印刷システム1000における第2のタイミングチャートである。
図47Aは
図11Aに相当する図であり、
図47Bは
図11Bに相当する図である。図
47Aおよび図
47Bに示すVDD,RST,SCK,SDA1~SDA6は、対応する線LVDD、LRST、LSCK、およびLSDA1~LSDA6によって、対応する端子290を介して送受信される信号または供給される電圧を意味する。
【0190】
図47Aに示す要求信号RSと、
図11Aに示す要求信号RSとの異なる点は、
図47Aに示すコマンド期間CMTのサイクルD4,D3のビットが、5つ目の液体収容容器100Eと6つ目の液体収容容器100Fを指定するために割り当てられている点である。液体収容容器100Eのデバイス130Eに接続されたデータ線LSDA5を介して送信される要求信号RSには、第1識別データDB1のうち2ビット目がハイレベルとなり、残りのビットはローレベルとなる。液体収容容器100Fのデバイス130Fに接続されたデータ線LSDA6を介して送信される要求信号RSについては、第1識別データDB1のうち1ビット目がハイレベルとなり、残りのビットはローレベルとなる。
【0191】
図47Bに示すタイミングチャートと、
図11Bに示すタイミングチャートの異なる点は、液体収容容器100E,100Fに対応する第1応答信号FSおよび第2応答信号SSの波形が追加された点である。液体収容容器100Eのデバイス130Eは、第1応答期間RT1のサイクルD4において第1応答信号FSをデータ端子210に出力し、第2応答期間RT2のサイクルD4において第2応答信号SSをデータ端子210に出力する。液体収容容器100Fのデバイス130Fは、第1応答期間RT1のサイクルD3において第1応答信号FSをデータ端子210に出力し、第2応答期間RT2のサイクルD3において第2応答信号SSをデータ端子210に出力する。
【0192】
図48は、6つの液体収容容器100A~100Fを備える印刷システム1000の電気的な構成を模式的に示した図である。
図48において、
図8に示す電気的な構成と同様の構成については同一符号を付すと共に適宜説明を省略する。
図48の電気的な構成と
図8に示す電気的な構成との異なる点は、
図8では接地線LVSSを除く他の線LSDA,LRST,LSCK,LVDDは、4つの液体収容容器100A~100Dに対応して独立して設けられていたが、
図48ではデータ線LSDAを除く他の線LRST,LSCK,LVDDは、複数のデバイス130に対して共通に用いられる。なお、
図48においても、接地線LVSSは、6つの液体収容容器100A~100Fのデバイス130A~130Fに対して共通に用いられる。
【0193】
図48に示すように、副制御部50のホスト端子HVDD2に電気的に接続された電源線LVDD2は、装着完了状態において、2つのデバイス130B,130Eに電気的に接続される。副制御部50のホスト端子HRST2に電気的に接続されたリセット線LRST2は、装着完了状態において、2つのデバイス130B,130Cに電気的に接続される。副制御部50のホスト端子HSCK2に電気的に接続されたクロック線LSCK2は、装着完了状態において、2つのデバイス130B,130Dに電気的に接続される。副制御部50のホスト端子HVDD4に電気的に接続された電源線LVDD4は、装着完了状態において、2つのデバイス130C,130Dに電気的に接続される。副制御部50のホスト端子HRST4に電気的に接続されたリセット線LRST4は、装着完了状態において、2つのデバイス130D,130Eに電気的に接続される。副制御部50のホスト端子HSCK4に電気的に接続されたクロック線LSCK4は、装着完了状態において、2つのデバイス130C,130Eに電気的に接続される。デバイス130Aに電気的に接続される線LSDA1,LVDD1,LRST1,LSCK1と、デバイス130Fに対して電気的に接続される線LSDA6,LVDD6,LRST6,LSCK6は、他のデバイス130と併用されることなく独立に用いられる。
【0194】
図48に示す印刷システム1000の電気的な構成について、一部の構成を4つの液体収容容器100A~100Dを備える
図1に示す印刷システム1000に適用してもよい。例えば、
図48に示す液体収容容器100B~100Eを、
図1に示す印刷システム1000の液体収容容器100A~100Dに置き換えて用いてもよい。例えば、
図48に示す液体収容容器100A,100B,100E,100Fを、
図1に示す印刷システム1000の液体収容容器100A~100Dに置き換えて用いてもよい。
【0195】
A4-24.デバイスに関する他の実施形態1:
上記第1実施形態では、
図6に示すように、デバイス130は処理部136と記憶部138とを備えていたが、これに限定されるものではない。
図49は、デバイス130に関する他の実施形態1としてのデバイス130a,130bを示す図である。デバイス130aは、処理部136を備えているが、記憶部138を備えていない。記憶部138とデバイス130とは別体であってもよい。この場合、記憶部138は、デバイス130bの処理部136と電気的に接続されている。デバイス130bは、第1処理部136aと、第2処理部136bと、記憶部138と、を備えている。第1処理部136aは、記憶部138と接続されている。第2処理部136bは、第1処理部
136aと端子210~250に接続されている。このような形態において、第1処理部136aおよび第2処理部136bは、全体として、処理部として機能する。このように、デバイス130bは複数の処理部136a,136bを有していてもよい。
【0196】
A4-25.デバイスに関する他の実施形態2:
上記第1実施形態では、
図11Cに示すように、クロック信号SCKがハイレベルの全期間において、第1応答信号FSが出力されていたが、これに限定されるものではない。例えば、デバイス130は、クロック信号SCKがハイレベルである期間の一部において、第1応答信号FSをデータ端子210に出力してもよい。例えば、デバイス130は、クロック信号SCKがハイレベルである期間において、第1応答信号FSを出力した後、データ端子210の駆動状態をハイインピーダンスとしてもよい。例えば、デバイス130は、クロック信号SCKの1つの周期において、クロック信号SCKがローレベルである期間およびクロック信号がハイレベルである期間において、ロ―レベルを含む第1応答信号FSを出力してもよい。
【0197】
A4-26.デバイスに関する他の実施形態3:
上記第1実施形態では、接続状態の判定処理において、
図11Aおよび
図11Bに示すようにクロック信号SCKの周波数は一定であったが、一定でなくてもよい。例えば、第2応答期間RT2におけるクロック信号SCKの周波数は、第1応答期間RT1におけるクロック信号SCKの周波数よりも低く設定してもよい。第2応答信号SSには、異なる電圧が含まれている。第2応答期間RT2では、クロック信号SCKの周波数を第1応答期間RT1よりも低く設定し、第2応答信号SSを第1応答信号FSよりも長く出力するようにしても良い。
【0198】
A4-27.デバイスに関する他の実施形態4:
上記第1実施形態において、デバイス130の処理部136は、リセット信号RSTがハイレベルの間、第1応答期間RT1と第2応答期間RT2とをこの順番で繰り返し設けることで、第1応答信号FSと第2応答信号SSを繰り返し出力してもよい。デバイス130の処理部136は、第2応答信号SSのうちローレベルの電圧をデータ端子210に出力した後、要求信号RSが再びデータ端子210に入力された場合、第1応答信号FSと第2応答信号SSをデータ端子210に出力してもよい。
【0199】
A4-28.デバイスに関する他の実施形態5:
上記第1実施形態において、
図11Bに示すように、クロック信号SCKの立ち上がりおよび立ち下がりと、第1応答期間RT1における第1応答信号FSなどの信号や、第2応答期間RT2における第2応答信号SSなどの信号の立ち上がりおよび立ち下がりとは同じタイミングであったが、これに限定されるものではない。例えば、第1応答期間RT1における第1応答信号FSなどの信号や、第2応答期間RT2における第2応答信号SSなどの信号の立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングは、クロック信号SCKの立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングから遅れていてもよい。
【0200】
A4-29.デバイスに関する他の実施形態6:
上記第1実施形態において、デバイス130A~130Dの処理部136A~136Dは、第1応答信号FSおよび第2応答信号SSを、クロック信号SCKのそれぞれ異なる周期においてデータ端子210に出力するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、デバイス130A~130Dの処理部136A~136Dは、第1応答信号FSおよび第2応答信号SSを、クロック信号SCKの同じ周期において出力しても良い。接続状態の判定処理においては、印刷装置20は、各デバイス130A~130Dに電気的に接続された個々のデータ線LSDA1~LSDA4を介して信号を送受信する。そのため、第1応答期間RT1や第2応答期間RT2に同じサイクルにおいてデバイス130A~130Dから第1応答信号FSや第2応答信号SSがデータ端子210に出力されたとしても、印刷装置20の副制御部50は、第1タイミングt1~第3タイミングt3の各々において、データ端子210から出力された電圧を検出することができる。この場合、要求信号RSは、コマンド期間CMTの対応するビットにおいてハイレベルに設定される。
【0201】
例えば、デバイス130A~130Dの処理部136A~136Dは、第1応答信号FSおよび第2応答信号SSを、第1応答期間RT1や第2応答期間RT2のサイクルD3~サイクルD8の全てにおいて、データ端子210に出力しても良い。この場合、第1応答期間RT1のサイクルD3~D8の全てにおいて、第1タイミングt1が設けられても良い。第2応答期間RT2のサイクルD3~D8の全てにおいて、第2タイミングt2や第3タイミングt3が設けられても良い。
【0202】
A4-30.デバイスの他の実施形態7:
上記第1実施形態において、デバイス130A~130Dの処理部136A~136Dは、第1応答期間のサイクルD8~サイクルD5において、第1応答信号FSおよび第2応答信号SSをデータ端子210に出力するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、デバイス130A~130Dの処理部136A~136Dは、第1応答期間のサイクルD5~サイクルD8において、第1応答信号FSおよび第2応答信号SSをデータ端子210に出力しても良い。この場合、要求信号RSは、コマンド期間CMTの対応するビットにおいてハイレベルに設定される。
【0203】
A4-31.デバイスに関する他の実施形態8:
上記第1実施形態において、デバイス130は、データ端子210に要求信号RSが入力され、データ端子210に第1応答信号FSおよび第2応答信号SSを出力するようになっているが、要求信号RSが入力される端子は、データ端子210以外の端子であっても良い。同様に、第1応答信号FSおよび第2応答信号SSを出力する端子は、データ端子210以外の端子であっても良い。その場合、デバイス130とその端子が接続されている。
【0204】
B.他の形態:
本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、以下に記載する各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上記の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上記の目的の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。以下の各形態は、本開示の全ての構成を備える必要はない。以下の各形態は、上記の課題を解決するため、または、上記の目的を達成するための最低限の構成を備えていれば良い。一の形態に対応する効果は、特に記載しない限り、他の形態に対応する効果とは独立したものである。組み合わせた形態においては、その組み合わせた形態に対応する効果を奏する。
【0205】
(1)本開示の第1形態によれば、印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに液体を導入する液体導入部と、前記液体導入部が設けられ液体収容容器を収容する収容部と、前記収容部に設けられた複数の装置側端子と、を備えた印刷装置に装着され、前記複数の装置側端子と接触するように構成される基板が提供される。この基板は、基材と、前記基材に設けられたデバイスと、前記基材に設けられた複数の端子と、を備え、前記複数の端子は、少なくとも、第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、第5端子と、を含み、前記第1端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第1装置側端子と接触するべき第1接触部を含み、前記第2端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第2装置側端子と接触するべき第2接触部を含み、前記第3端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第3装置側端子と接触するべき第3接触部を含み、前記第4端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第4装置側端子と接触するべき第4接触部を含み、前記第5端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第5装置側端子と接触するべき第5接触部を含み、前記第1端子は、前記第1端子が、前記第2端子、前記第3端子、および前記第4端子のうち少なくとも1つと短絡しているか否かを検出するのに用いられ、平面視で、直交する2つの直線を第1仮想線および第2仮想線とし、前記基材に設けられた全ての端子の全ての接触部を前記第2仮想線に投影したとき、前記全ての接触部は異なる位置に投影され、前記全ての接触部の投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間を前記第1仮想線が通り、前記第1仮想線に対して、一方の領域を第1領域、他方の領域を第2領域としたとき、前記全ての接触部のうち一部の接触部が前記第1領域に配置され、残りの接触部が前記第2領域に配置され、前記一部の接触部には前記第1接触部と前記第2接触部と前記第3接触部と前記第4接触部とが含まれ、前記残りの接触部には前記第5接触部が含まれ、前記一部の接触部と前記残りの接触部とは前記第1仮想線について非対称に配置される。
【0206】
端子の接触部には、異物が集まりやすい。例えば、装置側端子と端子との間に異物が挟み込まれてしまうことがある。例えば、基板の端子が重力方向の成分を含む面に配置された場合、重力方向上側から基板に向かって異物が侵入してきたとき、その異物は端子の接触部にトラップされ、そこに留まることがある。例えば、異物が液体である場合、その液体は、毛細管力の影響で、端子の接触部に集まりやすい。よって、端子の配置ではなく、端子の接触部の配置を規定することにより、端子の面積や形状等に関わらず、短絡発生の可能性を抑制することができる。本形態では、基板において、第1領域に第1接触部と第2接触部と第3接触部と第4接触部とが配置され、第2領域に他の接触部との短絡を抑制したい第5接触部が配置される。このように接触部を配置することにより、短絡発生の可能性を抑制することができる。その理由として、第5接触部は他の端子の接触部から離れており、他の接触部との距離を確保されているので、第5接触部と他の接触部との短絡発生の可能性を抑制することができる。また接触部付近には異物が集まりやすいが第5接触部と他の接触部との間には距離が確保されているため、第5接触部と他の接触部とが近距離で配置されている場合に比べて、第5接触部に集まった異物は他の端子の接触部に届きにくい。また、第1接触部~第4接触部に集まった異物は、第5端子の接触部に届きにくい。これは、端子の面積や形状がいかなる形態であろうとも同様である。異物としては、例えば、インクやペットの尿等、導電性を有する液体や、針金、ホチキスの芯、シャープペンシルの芯等、導電性を有する固体が挙げられる。これらの異物が現実に発生する可能性の大小に拘わらず、その可能性がゼロでない限り、異物に起因する短絡が発生する可能性がある。本形態では、その可能性を抑制できる。
【0207】
複数の端子の中には、端子間の短絡の発生を抑制するために、他の接触部と離して配置したい接触部が存在する。離したい接触部を第5接触部としたとき、第1仮想線に対して一方の領域である第1領域に第1~第4接触部を配置し、他方の領域である第2領域に第5接触部を配置する。つまり、第1領域の接触部と第2領域の接触部とは第1仮想線について非対称になるように前記基材に配置される。
【0208】
本形態では、全ての接触部は、第2仮想線に沿った方向において異なる位置に投影されるように配置されている。第1仮想線の方向が装着方向を含んでいる場合、異物が存在していると、液体収容容器を印刷装置に装着する過程において異物が装置側端子により引きずられ、端子間の短絡が発生する可能性がある。全ての接触部を第2仮想線に投影したときに異なる位置に投影されるように基材上の全ての接触部が配置されることにより、短絡発生の可能性を抑制することができる。第1接触部に着目した場合、第1接触部を通る第1仮想線に沿った直線上において、第1接触部以外の接触部は位置していない。一方、第2仮想線に沿った方向においては、第1接触部以外の接触部が位置する。この位置関係は、第1接触部以外の接触部についても同様である。そのため、第1仮想線に沿った方向において短絡が発生する蓋然性よりも、第2仮想線に沿った方向を含む方向において短絡が発生する蓋然性の方が高い。第2仮想線に沿った方向における接触部の配置を規定することにより、短絡発生の可能性を抑制することができる。または、第2仮想線上において異なる位置に投影されるように、基材上に全ての接触部が配置することにより、基材上の第2仮想線に沿った方向において接触部間の間隔を確保することができるため、端子間の短絡発生の可能性を抑制することができる。
【0209】
(2)上記形態において、前記第1接触部の投影位置と前記第5接触部の投影位置の間には、前記第2接触部、前記第3接触部、および前記第4接触部のうち、少なくとも1つの接触部が投影されるように配置されてもよい。この形態によれば、第1接触部の投影位置と第5接触部の投影位置の間には、第2接触部、第3接触部、および第4接触部のうち、少なくとも1つの接触部が投影されるように配置されることにより、第1接触部と第5接触部の間には、第2仮想線に沿った方向において一定の間隔が生じる。これにより、第1接触部と第5接触部を第2仮想線に沿った方向において相対的に離すことができるため、第1端子と第5端子との短絡発生の可能性を抑制することができる。
【0210】
(3)上記形態において、前記第1接触部の投影位置と前記第5接触部の投影位置の間には、前記第2接触部、前記第3接触部、および前記第4接触部のうち、いずれか2つ以上の接触部が投影されるように配置されてもよい。この形態によれば、第2仮想線において第1接触部と第5接触部の投影位置の間に他の接触部が2つ以上配置されることにより、第1接触部と第5接触部の間には、第2仮想線に沿った方向において一定の間隔が生じる。これにより、第1接触部と第5接触部を第2仮想線に沿った方向において相対的に離すことができるため、第1端子と第5端子との短絡発生の可能性をより抑制することができる。
【0211】
(4)上記形態において、前記第1接触部は、前記第2接触部、前記第3接触部、前記第4接触部のうち、いずれか2つの接触部の投影位置の間に投影されるように配置されてもよい。この形態によれば、第1接触部が第2接触部、第3接触部、第4接触部のうち、いずれか2つの接触部の投影位置の間に投影されるように配置されることにより、第1接触部に挟まれるように配置される接触部の間には、第2仮想線に沿った方向において一定の間隔が生じる。これにより、これらの接触部を第2仮想線に沿った方向において相対的に離すことができるため、これらの接触部を有する端子間の短絡発生の可能性をより抑制することができる。
【0212】
(5)上記形態において、前記第1接触部はデータ接触部であり、前記第1端子はデータ端子であり、前記第2接触部はクロック接触部であり、前記第2端子はクロック端子であり、前記第3接触部はリセット接触部であり、前記第3端子はリセット端子であり、前記第4接触部は電源接触部であり、前記第4端子は電源端子であり、前記第5接触部は接地接触部であり、前記第5端子は接地端子であってもよい。この形態によれば、接地端子と、データ端子、クロック端子、リセット端子、および電源端子との短絡発生の可能性を抑制することができる。
【0213】
(6)上記形態において、前記電源接触部の投影位置と前記クロック接触部の投影位置の間には、前記データ接触部および前記リセット接触部のいずれか一方または両方が投影されるように配置され、前記リセット接触部は、その投影位置が前記電源接触部の投影位置の隣となるように配置されてもよい。クロック信号がローレベルである期間は、リセット信号がローレベルである期間よりも長い。つまり、電源端子とクロック端子が短絡した場合にデバイスに与える負荷の方が、電源端子とリセット端子が短絡した場合に基板に与える負荷の方よりも大きい。これより、電源端子とリセット端子の短絡発生よりも、電源端子とクロック端子の短絡発生を抑制させることが好ましい。この形態によれば、電源接触部およびクロック接触部との間には、第2仮想線に沿った方向において一定の間隔が生じる。これにより、電源接触部およびクロック接触部を第2仮想線に沿った方向において相対的に離すことができるため、電源端子およびクロック端子の短絡発生の可能性をより抑制することができる。短絡が発生した場合の基板に与える負荷を比較的抑制することができる。
【0214】
(7)上記形態において、前記電源接触部は、その投影位置が前記データ接触部の投影位置の隣となるように配置されてもよい。この形態によれば、電源端子の駆動能力はデータ端子の駆動能力よりも高く、データ端子が電源端子と短絡すると、データ端子の電圧が高くなりやすい。第2仮想線に沿った方向において、データ接触部の隣の接触部を電源接触部とすることにより、仮に、データ端子と電源端子が短絡した場合であっても、短絡を速やかに検出することができる。
【0215】
(8)上記形態において、前記クロック接触部は、前記接地接触部の投影位置と最も離れた位置に投影されるように配置され、前記データ接触部、前記電源接触部、および前記リセット接触部は、前記第2仮想線上の前記クロック接触部の投影位置から前記接地接触部の投影位置に向かう方向に順番に投影されるように配置されてもよい。この形態によれば、上記の効果を奏する。
【0216】
(9)上記形態において、前記データ接触部と前記接地接触部との間の距離は、前記データ接触部と前記クロック接触部との間の距離よりも長くてもよい。この形態によれば、データ端子とクロック端子の短絡発生の可能性よりも、データ端子と接地端子との短絡発生の可能性を抑制することができる。
【0217】
(10)上記形態において、前記データ接触部と前記接地接触部との間の距離は、前記データ接触部と前記リセット接触部との間の距離よりも長くてもよい。この形態によれば、データ端子とリセット端子の短絡発生の可能性よりも、データ端子と接地端子との短絡発生の可能性を抑制することができる。
【0218】
(11)上記形態において、前記データ接触部と前記接地接触部との間の距離は、前記データ接触部と前記電源接触部との間の距離よりも長くてもよい。この形態によれば、データ端子と電源端子の短絡発生の可能性よりも、データ端子と接地端子との短絡発生の可能性を抑制することができる。
【0219】
(12)上記形態において、前記第1領域において、前記接地接触部を除く前記接触部のうち、前記第2仮想線に投影されたときに前記接地接触部の投影位置と最も離れた位置に投影される接触部と、前記第2領域に設けられている前記接地接触部との前記第2仮想線に沿った方向における間隔をWaとするとき、前記第1領域において、前記接地接触部を除く接触部のうち、前記第2仮想線に投影されたときに前記接地接触部の投影位置と最も近い位置に投影される接触部と、前記第2領域に設けられている前記接地接触部の間の前記第2仮想線に沿った方向における間隔は、Wa/2以上であってもよい。この形態によれば、第1領域の最も接地接触部側に位置する接触部と接地接触部の間に、第2仮想線に沿った方向においてWa/2以上の間隔が保持できるため、接地端子と接地端子以外の端子との間の短絡発生の可能性を抑制することができる。
【0220】
(13)上記形態において、前記第1領域において、前記接地接触部を除く接触部のうち、前記第2仮想線に投影されたときに前記接地接触部の投影位置と最も近い位置に投影される接触部と、前記第2領域に設けられている前記接地接触部との間には、他の接触部が存在しなくてもよい。この形態によれば、第1領域の最も接地接触部側に位置する接触部と接地接触部の間に他の接触部が存在しないため、接地端子と接地端子以外の端子との短絡発生の可能性を抑制することができる。
【0221】
(14)上記形態において、前記データ接触部と前記クロック接触部とを結ぶ仮想線分上には、他の接触部が存在しなくてもよい。この形態によれば、仮にデータ端子とクロック端子とが短絡した場合であっても、その短絡を早期に検出することができる。
【0222】
(15)上記形態において、前記データ接触部と前記リセット接触部とを結ぶ仮想線分上には、他の接触部が存在しなくてもよい。この形態によれば、仮にデータ端子とリセット端子とが短絡した場合であっても、その短絡を早期に検出することができる。
【0223】
(16)上記形態において、前記データ接触部と前記電源接触部とを結ぶ仮想線分上には、他の接触部が存在しなくてもよい。この形態によれば、仮にデータ端子と電源端子とが短絡した場合であっても、その短絡を早期に検出することができる。
【0224】
(17)上記形態において、前記基板が重力方向に沿った方向に装着される場合において、前記クロック接触部、前記電源接触部、及び前記リセット接触部は、前記データ接触部よりも前記重力方向側に配置され、前記クロック接触部、前記電源接触部、及び前記リセット接触部のうちの少なくとも1つの接触部は、前記データ接触部の投影位置と、前記接地接触部の投影位置の間に投影されるように配置されてもよい。この形態によれば、導電性の高い液体などの異物が重力方向に沿って落下した際、データ端子と接地端子とが短絡する前に、データ接触部を除く複数のその他の接触部を有する端子のいずれかが短絡することにより、データ端子とその他の接触部を含む端子との短絡を検出し、データ端子と接地端子との短絡発生の可能性を抑制することができる。
【0225】
(18)上記形態において、前記クロック接触部、前記データ接触部、前記電源接触部、前記リセット接触部、および前記接地接触部は、複数の列を形成するように配置されていてもよい。この形態によれば、限られた領域内に効率よく接触部を配置することができる。
【0226】
(19)上記形態において、前記複数の列は、2列で構成され、前記第2仮想線上に投影したときに隣に投影される前記基材上の2つの接触部は異なる列を形成していてもよい。この形態によれば、限られた領域内に効率よく接触部を配置することができる。
【0227】
(20)上記形態において、前記データ接触部と、前記接地接触部は、異なる列に配置されており、前記データ接触部と前記接地接触部の投影位置の間には、前記クロック接触部、前記電源接触部、前記リセット接触部のうちいずれかの接触部が投影されるように配置されていてもよい。この形態によれば、接地接触部とデータ接触部を異なる列に配置し、その間に他の接触部を配置することにより、データ端子と電源端子との短絡発生の可能性を抑制することができる。仮に、データ端子と他の接触部を含む端子とが短絡した場合であっても、その短絡を容易に検出することができる。
【0228】
(21)上記形態において、前記第1端子は、さらに、前記基板が前記印刷装置に装着されているか否かを検出するのに用いられていてもよい。この形態によれば、第1端子を用いて、基板が印刷装置に装着されているか否かを検出することができる。
【0229】
(22)上記形態において、前記第5端子は、接地端子であり、前記第1端子、前記第2端子、前記第3端子、および前記第4端子に供給される電圧は、前記デバイスが受け入れ可能な電圧であってもよい。デバイスが受け入れ可能な電圧とは、例えば、印刷ヘッドを駆動するのに用いられる電圧よりも低い電圧、電源電圧と同程度の電圧、デバイスの耐電圧よりも小さい電圧、または、デバイスが破壊されない誤動作しない電圧をいう。この形態によれば、デバイスに受け入れ可能な電圧が入力されることにより、デバイスが破壊に至る可能性の抑制や、誤動作の可能性の抑制を実現しつつ、仮に少なくとも一部の端子間で短絡が発生したとしても、その短絡を印刷装置が検出することができる。
【0230】
(23)上記形態において、前記第1仮想線は、前記基板が前記印刷装置に装着される装着方向の成分を含む方向に沿っていてもよい。
【0231】
(24)上記形態において、前記第4端子に供給される電圧は前記デバイスを駆動するのに用いられてもよい。
【0232】
(25)上記形態において、前記デバイスは、前記第1端子と前記複数の端子のうち前記第1端子以外の端子とが短絡していないこと、および前記基板が前記印刷装置に装着されていること示す信号を出力してもよい。
【0233】
(26)上記形態において、前記デバイスには、前記液体収容容器に収容される液体に関する情報が記憶されていてもよい。
【0234】
(27)本開示の第2形態によれば、印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに液体を導入する液体導入部と、前記液体導入部が設けられ液体収容容器を収容する収容部と、前記収容部に設けられた複数の装置側端子と、を備えた印刷装置に装着され、前記複数の装置側端子と接触するように構成される基板が提供される。この基板は、基材と、前記基材に設けられたデバイスと、前記基材に設けられた複数の端子と、を備え、前記複数の端子は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第1装置側端子と接触するべき第1接触部を含む第1端子と、その他の端子群と、を含み、前記その他の端子群は、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第2装置側端子と接触するべき第2接触部を含む第2端子と、前記デバイスに接続され、前記複数の装置側端子のうちの対応する第3装置側端子と接触するべき第3接触部を含む第3端子と、を少なくとも含み、前記第2端子は、前記第2端子が、前記その他の端子群のうち前記第2端子を除く前記その他の端子群の少なくとも1つと短絡しているか否かを検出するのに用いられ、平面視で、直交する2つの直線を第1仮想線および第2仮想線とし、前記基材に設けられた全ての端子の全ての接触部を前記第2仮想線に投影したとき、前記全ての接触部は異なる位置に投影され、前記全ての接触部の投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間を前記第1仮想線が通り、前記第1仮想線に対して、一方の領域を第1領域、他方の領域を第2領域としたとき、前記全ての接触部のうち一部の接触部が前記第1領域に配置され、残りの接触部が前記第2領域に配置され、前記一部の接触部には前記第2接触部と前記第3接触部とが含まれ、前記残りの接触部には前記第1接触部が含まれ、前記一部の接触部と前記残りの接触部とは前記第1仮想線について非対称に配置される。
【0235】
端子の接触部には、異物が集まりやすい。例えば、装置側端子と端子との間に異物が挟み込まれてしまうことがある。例えば、基板の端子が重力方向の成分を含む面に配置された場合、重力方向上側から基板に向かって異物が侵入してきたとき、その異物は端子の接触部にトラップされ、そこに留まることがある。例えば、異物が液体である場合、その液体は、毛細管力の影響で、端子の接触部に集まりやすい。よって、端子の配置ではなく、端子の接触部の配置を規定することにより、端子の面積や形状等に関わらず、短絡発生の可能性を抑制することができる。本形態では、基板において、第1領域に第2接触部と第3接触部がされ、第2領域には一部の接触部との短絡を抑制したい第1接触部が配置される。このように接触部を配置することにより、短絡の可能性を抑制することができる。その理由として、第1接触部は他の端子の接触部から離れており、他の接触部との距離を確保されているので、第1接触部と他の接触部との短絡発生の可能性を抑制することができる。また接触部付近には異物が集まりやすいが第1接触部と他の接触部との間には距離が確保されているため、第1接触部と他の接触部とが近距離で配置されている場合に比べて、第1接触部に集まった異物は他の端子に届きにくい。また、第2接触部~第3接触部に集まった異物は、第1端子に届きにくい。これは、端子の面積や形状がいかなる形態であろうとも同様である。
【0236】
本形態では、その他の端子群には少なくとも第2端子と第3端子とが含まれていればよい。例えば、その他の端子群が第2端子と第3端子のみである場合、基材上における接触部の数を少なくすることができる。基材上における接触部の配置の自由度があがり、端子間の短絡発生の可能性をより抑制することができる。
【0237】
複数の端子の中には、端子間の短絡の発生を抑制するために、他の接触部と離して配置したい接触部が存在する。離したい接触部を第1接触部としたとき、第1仮想線に対して一方の領域である第1領域に第2接触部と第3接触部を配置し、他方の領域である第2領域に第1接触部を配置する。つまり、第1領域の接触部と第2領域の接触部とは第1仮想線について非対称になるように前記基材に配置される。
【0238】
本形態では、全ての接触部は、第2仮想線に沿った方向において異なる位置に投影されるように配置されている。第1仮想線の方向が装着方向を含んでいる場合、異物が存在していると、液体収容容器を印刷装置に装着する過程において異物が装置側端子により引きずられ、端子間の短絡が発生する可能性がある。全ての接触部を第2仮想線に投影したときに異なる位置に投影されるように基材上の全ての接触部が配置されることにより、短絡発生の可能性を抑制することができる。第1接触部に着目した場合、第1接触部を通る第1仮想線に沿った直線上において、第1接触部以外の接触部は位置していない。一方、第2仮想線に沿った方向においては、第1接触部以外の接触部が位置する。この位置関係は、第1接触部以外の接触部についても同様である。そのため、第1仮想線に沿った方向において短絡が発生する蓋然性よりも、第2仮想線に沿った方向を含む方向において短絡が発生する蓋然性の方が高い。第2仮想線に沿った方向における接触部の配置を規定することにより、短絡発生の可能性を抑制することができる。または、第2仮想線上において異なる位置に投影されるように、基材上に全ての接触部が配置することにより、基材上の第2仮想線に沿った方向において接触部間の間隔を確保することができるため、端子間の短絡発生の可能性を抑制することができる。
【0239】
(28)上記形態において、前記第1接触部は、接地接触部であり、前記第1端子は、接地端子であり、前記第2接触部は、データ接触部であり、前記第2端子は、データ端子であり、前記第3接触部は、クロック接触部であり、前記第3端子は、クロック端子であってもよい。この形態によれば、接地接触部と、データ接触部およびクロック接触部との短絡発生の可能性を抑制することができる。
【0240】
(29)本開示の第3形態によれば、印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに液体を導入する液体導入部と、前記液体導入部が設けられ液体収容容器を収容する収容部と、前記収容部に設けられた複数の装置側端子と、を備えた印刷装置に装着され、前記複数の装置側端子と接触するように構成される基板が提供される。前記複数の装置側端子は、第1装置側端子と、第2装置側端子と、第3装置側端子と、第4装置側端子と、第5装置側端子と、を含み、平面視で、直交する2つの直線を第1仮想線および第2仮想線とし、前記第1装置側端子の接触部、前記第2装置側端子の接触部、前記第3装置側端子の接触部、前記第4装置側端子の接触部、および前記第5装置側端子の接触部を前記第2仮想線に投影したときの投影位置を、それぞれ、第1投影位置、第2投影位置、第3投影位置、第4投影位置、および第5投影位置としたとき、全ての装置側端子の接触部を前記第2仮想線に投影したとき、前記全ての装置側端子の接触部は異なる位置に投影され、前記全ての装置側端子の接触部の投影位置のうち最も離れた2つの投影位置の中間を前記第1仮想線が通り、前記第1仮想線に対して、一方の領域を第1領域、他方の領域を第2領域としたとき、前記全ての装置側端子の接触部のうち一部の装置側端子の接触部が前記第1領域に配置され、残りの装置側端子の接触部が前記第2領域に配置され、前記一部の装置側端子の接触部には前記第1装置側端子の接触部と前記第2装置側端子の接触部と前記第3装置側端子の接触部と前記第4装置側端子の接触部とが含まれ、前記残りの装置側端子の接触部には前記第5装置側端子の接触部が含まれ、前記一部の装置側端子の接触部と前記残りの装置側端子の接触部とは前記第1仮想線について非対称に配置さる。この基板は、基材と、前記基材に設けられたデバイスと、前記基材に設けられた複数の端子と、を備え、前記複数の端子は、少なくとも、第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、第5端子と、を含み、前記第1端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置に装着されたとき前記印刷装置の複数の装置側端子のうちの対応する前記第1装置側端子と接触するべき第1接触部を含み、前記第2端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置に装着されたとき前記複数の装置側端子のうちの対応する前記第2装置側端子と接触するべき第2接触部を含み、前記第3端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置に装着されたとき前記複数の装置側端子のうちの対応する前記第3装置側端子と接触するべき第3接触部を含み、前記第4端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置に装着されたとき前記複数の装置側端子のうちの対応する前記第4装置側端子と接触するべき第4接触部を含み、前記第5端子は、前記デバイスに接続され、前記印刷装置に装着されたとき前記複数の装置側端子のうちの対応する前記第5装置側端子と接触するべき第5接触部を含み、前記第1端子は、前記第1端子が、前記第2端子、前記第3端子、および前記第4端子のうち少なくとも1つと短絡しているか否かを検出するのに用いられる。
【0241】
端子の接触部には、異物が集まりやすい。例えば、装置側端子と端子との間に異物が挟み込まれてしまうことがある。例えば、基板の端子が重力方向の成分を含む面に配置された場合、重力方向上側から基板に向かって異物が侵入してきたとき、その異物は端子の接触部にトラップされ、そこに留まることがある。例えば、異物が液体である場合、その液体は、毛細管力の影響で、端子の接触部に集まりやすい。よって、端子の配置ではなく、端子の接触部の配置を規定することにより、端子の面積や形状等に関わらず、短絡発生の可能性を抑制することができる。本形態では、複数の装置側端子について、第1領域に第1装置側端子の接触部と第2装置側端子の接触部と第3装置側端子の接触部と第4装置側端子の接触部とが配置され、第2領域に他の接触部との短絡を抑制したい第5装置側端子の接触部が配置され、基板において、それらの装置側端子の接触部に対応するように、第1接触部~第5接触部が基材上に設けられている。このように接触部を配置することにより、短絡発生の可能性を抑制することができる。その理由として、第5接触部は他の端子の接触部から離れており、他の接触部との距離を確保されているので、第5接触部と他の接触部との短絡発生の可能性を抑制することができる。また接触部付近には異物が集まりやすいが第5接触部と他の接触部との間には距離が確保されているため、第5接触部と他の接触部とが近距離で配置されている場合に比べて、第5接触部に集まった異物は他の端子の接触部に届きにくい。また、第1接触部~第4接触部に集まった異物は、第5端子の接触部に届きにくい。これは、端子の面積や形状がいかなる形態であろうとも同様である。異物としては、上記第1形態と同様の異物が挙げられる。これらの異物が現実に発生する可能性の大小に拘わらず、その可能性がゼロでない限り、異物に起因する短絡が発生する可能性がある。本形態では、その可能性を抑制できる。
【0242】
複数の端子の中には、端子間の短絡の発生を抑制するために、他の接触部と離して配置したい接触部が存在する。離したい接触部を第5接触部としたとき、第1仮想線に対して一方の領域である第1領域に第1装置側端子~第4装置側端子に対応する第1~第4接触部を基材上に配置し、他方の領域である第2領域に第5装置側端子に対応する第5接触部を基材上に配置する。つまり、第1領域の接触部と第2領域の接触部とは第1仮想線について非対称になるように前記基材に配置される。
【0243】
本形態では、全ての装置側端子の接触部に対応する接触部は、第2仮想線に沿った方向において異なる位置に投影されるように配置されている。第1仮想線の方向が装着方向を含んでいる場合、異物が存在していると、液体収容容器を印刷装置に装着する過程において異物が装置側端子により引きずられ、端子間の短絡が発生する可能性がある。全ての装置側端子の接触部を第2仮想線に投影したときに異なる位置に投影されるように基材上の全ての接触部が配置されることにより、短絡発生の可能性を抑制することができる。第1接触部に着目した場合、第1接触部を通る第1仮想線に沿った直線上において、第1接触部以外の接触部は位置していない。一方、第2仮想線に沿った方向においては、第1接触部以外の接触部が位置する。この位置関係は、第1接触部以外の接触部についても同様である。そのため、第1仮想線に沿った方向において短絡が発生する蓋然性よりも、第2仮想線に沿った方向を含む方向において短絡が発生する蓋然性の方が高い。第2仮想線に沿った方向における接触部の配置を規定することにより、短絡発生の可能性を抑制することができる。または、第2仮想線上において異なる位置に投影されるように、基材上に全ての接触部が配置することにより、基材上の第2仮想線に沿った方向において接触部間の間隔を確保することができるため、端子間の短絡発生の可能性を抑制することができる。
【0244】
本開示は、上記形態の他に、液体収容容器、印刷システム、基板の使用、液体収容容器の使用、基板または液体収容容器などの製造方法などの形態で実現することができる。
【符号の説明】
【0245】
4,4C,4z…収容部、5…印刷ヘッド、6…液体導入部、20,20A,20C…印刷装置、22…モーター、26…ローラー、30…キャリッジ、31…ケーブル、32…キャリッジモーター、34…摺動軸、36…駆動ベルト、38…プーリ、39…制御ユニット、40…主制御部、45…接続バス、46…バス、50…副制御部、61…ケース、65…装着室、70…操作部、80…コネクター、89、89a,89z…コーナー部、90…コンピューター、100,100A~100F,100T,100g,100h,100p~100s,100w,100x,100y,100z…液体収容容器、101,101z…液体収容体、101wf…第1壁、101wr…第2壁、101wb…第3壁、101wu…第4壁、101wsa…第5壁、101wsb…第6壁、101ya…液体収容体、101yb…アダプター、101za…収容本体、101zb…カバー部材、104…液体供給部、104f…フィルム、104op…液体供給口、105…液体流通管、106…保護チューブ、107…バス、110…液体検出部材、111…液体収容袋、112…接続部材、120,120A~F,120Td,120U,120V,120X,120ab,120ac,120ad,120ae,120b,120c,120d,120e,120f、120g…基板、120bd…基材、120h…取付基材、120UA…第1基板領域、120UB…第2基板領域、120UC…第3基板領域、120UD…第4基板領域、120fa,120faa,120fab…前面、120fb…裏面、121…切り欠き、122…穴、124a…第1基材、124b…第2基材、130,130A~130F,130a,130b…デバイス、134…開口部、136,136A~D…処理部、136a…第1処理部、136b…第2処理部、138…記憶部、139…樹脂、150…インク室、201…本体、210…データ端子、220…クロック端子、230…電源端子、240…リセット端子、250,250a,250b,250c,250d…接地端子、290…端子、301…スリット、310…第1容器係合部、320…第2容器係合部、400,400Td…接続機構、403,403A~403E…接触部形成部材、405…端子保持部、410…装置側端子、411…判定部、412…装着判定部、414…短絡判定部、415…CPU、416…装置側第1記憶部、410,420,430,440,450、490…装置側端子、421…判定部、424…開口部、425…容器側係合構造、431~435,439…中継端子、441…電源、474…着脱開口部、495…表示パネル、500…副制御基板、510,520,530,540,550,590…副制御基板端子、511…切替部、516…装置側第2記憶部、600…容器装着部、812,812A~D,822…液体流通管、814,814A~D…液体貯留部、824…液体収容体、1000、1000A,1000C,1000D,1000E…印刷システム、BCC1…第1実行コマンド、BCC2…第2実行コマンド、C1…第1仮想線、C2…第2仮想線、CMP…中央部、CMT…コマンド期間、D1~D9…サイクル、Dan~Den,DAn~DEn…距離,DB1…第1識別データ、DB2…第2識別データ、EL…導電線、FD…第1方向,FS…第1応答信号、FL,fL…第1線分、HSDA、HSDA1~HSDA6,HVDD,HVDD1~HVDD4,HVDD6,HRST,HRST1~HRST4,HRST6,HSCK,HSCK1~HSCK4,HSCK6,HVSS…ホスト端子、LSDA、LSDA1~LSDA6…データ線、LVDD,LVDD1~LVDD4,LVDD6…電源線、LRST,LRST1~LRST4,LRST6…リセット線、LSCK,LSCK1~LSCK4,LSCK6…クロック線、LVSS…接地線、MD…装着方向、MD1…第1装着方向、MD2…第2装着方向、MP…中間点、P1…第1パリティデータ、P2…第2パリティデータ、PA…印刷媒体、Pr1,Pr2…突起、R1…第1列、R2…第2列、RD…回転装着方向、RS…要求信号、RST…リセット信号、Rg1…第1領域、Rg2…第2領域、Rp…回転中心、SCK…クロック信号、SD…第2方向、SDA,SDA1~SDA6…データ信号、SL,sL…第2線分、SS…第2応答信号、TL,tL…第3線分、VDD…電源電圧、VSS…接地電位、Vcr…仮想円、Wa…距離、cp…接触部、cpa…一部の接触部、cpb…残りの接触部、cpc…クロック接触部、cpd…データ接触部、cpr…リセット接触部、cpvd…電源接触部、cpvs…接地接触部、dcp…装置側端子の接触部、dcpa…一部の接触部、dcpb…残りの接触部、dcpc…装置側クロック接触部、dcpd…装置側データ接触部、dcpr…装置側リセット接触部、dcpvd…装置側電源接触部、dcpvs…装置側接地接触部、t1…第1タイミング、t2…第2タイミング、t3…第3タイミング、t,ta,tb…タイミング、swc,swd,swvd,swr,swvs…投影位置