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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】太陽光発電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20221115BHJP
   H02S 40/30 20140101ALI20221115BHJP
【FI】
H02J3/38 130
H02J3/38 180
H02S40/30
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021501493
(86)(22)【出願日】2019-02-28
(86)【国際出願番号】 JP2019007825
(87)【国際公開番号】W WO2020174657
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100206760
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 惇
(72)【発明者】
【氏名】小倉 遼
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 智子
(72)【発明者】
【氏名】マーティン エリカ
(72)【発明者】
【氏名】内田 強士
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-225243(JP,A)
【文献】特開2004-241789(JP,A)
【文献】特開2004-094660(JP,A)
【文献】特開2014-068509(JP,A)
【文献】特開平08-163717(JP,A)
【文献】特開2004-015868(JP,A)
【文献】特表2017-519470(JP,A)
【文献】国際公開第2010/004622(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/38
H02S 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽電池モジュールをそれぞれ含み互いに直列に接続された複数の太陽電池モジュールグループを含むストリングと、
前記ストリングに接続され、前記太陽電池モジュールから出力される直流電力を交流電力に変換するインバータと、
前記太陽電池モジュールグループ間を接続する電路にそれぞれ設置され、前記インバータからの制御信号に応じて前記太陽電池モジュールグループ間の接続を遮断する遮断装置と、
を備える、太陽光発電システム。
【請求項2】
前記遮断装置は、前記太陽電池モジュールからの電力によって駆動される、
請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項3】
前記インバータは、電力線通信によって前記遮断装置に制御信号を出力する、
請求項1又は2に記載の太陽光発電システム。
【請求項4】
前記遮断装置は、前記太陽電池モジュールに外付けされる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
【請求項5】
前記遮断装置は、前記インバータからの信号を受信する信号受信部と、前記太陽電池モジュールグループ間の接続が遮断された状態において前記信号受信部が前記インバータからの信号を受信するためのバイパス回路と、を含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
【請求項6】
前記遮断装置は、前記インバータからの制御信号に応じて前記太陽電池モジュールグループ間の接続を遮断した後、前記インバータに電圧信号を出力する、
請求項5に記載の太陽光発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
米国では、火災時等の緊急時に消防士を感電等から保護することを目的として、太陽光発電システムに対して、緊急時に太陽光発電システムによる発電を即座に停止するいわゆるラピッドシャットダウン機能の導入がNEC(米国電気工事規定)によって義務付けられている。例えば、特許文献1では、インバータの動作状態に応じて、太陽電池モジュールからインバータへの電力の出力を停止させる太陽光発電システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2012-511299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
太陽光発電システムにおいて、火災時等における消防士のさらなる安全性の向上を図るには、例えば、ラピッドシャットダウン機能を備える遮断装置を太陽電池モジュール毎に設置することが好ましい。しかしながら、太陽電池モジュール毎に遮断装置を設置した場合、遮断装置の設置コストが高くなる。
【0005】
本発明の課題は、太陽光発電システムにおいて、遮断装置の設置コストの低減、及び安全性の向上を両立できる太陽光発電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る太陽光発電システムは、ストリングと、インバータと、遮断装置と、を備える。ストリングは、互いに直列に接続された複数の太陽電池モジュールグループを含む。太陽電池モジュールグループは、複数の太陽電池モジュールを含む。インバータは、ストリングに接続され、太陽電池モジュールから出力される直流電力を交流電力に変換する。遮断装置は、太陽電池モジュールグループ間を接続する電路にそれぞれ設置され、インバータからの制御信号に応じて太陽電池モジュールグループ間の接続を遮断する。
【0007】
この太陽光発電システムでは、遮断装置によって太陽電池モジュールグループ間の接続を遮断することができる。すなわち、複数の太陽電池モジュールを遮断装置によってまとめて遮断することができる。これにより、太陽電池モジュール毎に遮断装置を設置する場合に比べて、遮断装置の設置コストの低減を図ることができる。また、ストリング単位で太陽電池モジュールとインバータとを遮断する場合に比べて、より安全性の高い太陽光発電システムを提供することができる
好ましくは、遮断装置は、太陽電池モジュールからの電力によって駆動される。この場合は、例えば、既存の太陽光発電システムに遮断装置を設置するときにおいて、インバータと遮断装置とを接続して遮断装置の電源を確保する必要がない。これにより、インバータと遮断装置とを接続する追加配線を省略することができるので、遮断装置の設置コストの低減を図ることができる。
【0008】
好ましくは、インバータは、電力線通信によって遮断装置に制御信号を出力する。この場合は、既存の太陽光発電システムに遮断装置を設置するときに、インバータと遮断装置との通信を確保するための追加配線を省略することができるので、遮断装置の設置コストの低減を図ることができる。
【0009】
好ましくは、遮断装置は、太陽電池モジュールに外付けされる。この場合は、既存の太陽光発電システムへの遮断装置の設置が容易にできる。
【0010】
好ましくは、遮断装置は、インバータからの信号を受信する信号受信部と、太陽電池モジュールグループ間の接続が遮断された状態において信号受信部がインバータからの信号を受信するためのバイパス回路と、を含む。この場合は、太陽電池モジュールグループ間の接続が遮断された状態にあるときに、インバータからの信号に応じて、太陽電池モジュールグループ間の接続が遮断された状態を解除することができる。
【0011】
好ましくは、遮断装置は、インバータからの制御信号に応じて太陽電池モジュールグループ間の接続を遮断した後、インバータに電圧信号を出力する。この場合は、遮断装置によって太陽電池モジュールグループ間の接続が遮断された後、インバータ側で遮断装置が正常に動作しているか否かを電圧信号によって確認することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、太陽光発電システムにおいて、遮断装置の設置コストの低減、及び安全性の向上を両立できる太陽光発電システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一態様に係る太陽光発電システムの構成を模式的に示すブロック図である。
図2図2は、遮断装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図3図3は、レギュレータの構成を模式的に示す回路図である。
図4図4は、遮断装置の動作モードの一例を説明する図である。
図5図5は、遮断装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の一態様に係る太陽光発電システム1の構成を模式的に示すブロック図である。太陽光発電システム1は、ストリング2と、インバータ3と、複数の遮断装置4a~4cと、を備える。
【0015】
ストリング2は、互いに直列に接続された複数の太陽電池モジュールグループ5A~5Dを含む。太陽電池モジュールグループ5A~5Dのそれぞれは、複数の太陽電池モジュール5aを含む。本実施形態における太陽電池モジュールグループ5A~5Dのそれぞれは、直列に接続された4個の太陽電池モジュール5aを含む。すなわち、ストリング2は、直列に接続された16個の太陽電池モジュール5aを含む。なお、太陽光発電システム1は、ストリング2が並列に複数連結された太陽電池アレイを含んでもよい。
【0016】
太陽電池モジュール5aは、太陽光を受けて電力を発電し、発電した電力をインバータ3に出力する。太陽電池モジュール5aの開放電圧は、例えば、50Vである。
【0017】
インバータ3は、電力線6を介してストリング2に接続される。インバータ3は、太陽電池モジュール5aから出力される直流電力を交流電力に変換する。インバータ3は、電力系統7に接続されており、交流電力を商用電力系統や負荷装置に供給する。
【0018】
詳細には、インバータ3は、DC/DCコンバータ3aと、DC/ACインバータ3bと、制御部3cと、を含む。DC/DCコンバータ3aは、太陽電池モジュール5aから出力される電力の電圧を所定の電圧に変換して、DC/ACインバータ3bに入力する。DC/ACインバータ3bは、DC/DCコンバータ3aを介して、太陽電池モジュール5aから出力される直流電力を交流電力に変換する。制御部3cは、CPUやメモリ等を含み、DC/DCコンバータ3a及びDC/ACインバータ3bを制御する。また、制御部3cは、電力線通信によって遮断装置4a~4cに制御信号を出力する。
【0019】
遮断装置4a~4cは、太陽電池モジュールグループ5A~5D間を接続する電路8a~8cにそれぞれ設置される。遮断装置4a~4cは、太陽電池モジュール5aに外付けされている。遮断装置4a~4cは、インバータ3の制御部3cからの制御信号に応じて太陽電池モジュールグループ5A~5D間の接続を遮断する。また、遮断装置4a~4cは、インバータ3からの制御信号に応じて太陽電池モジュールグループ5A~5D間の接続を遮断した後、インバータ3に電圧信号(例えば1V)を出力する。
【0020】
電路8aは、太陽電池モジュールグループ5Aと太陽電池モジュールグループ5Bとを接続する電路である。遮断装置4aは、電路8aに設置され、インバータ3の制御部3cからの制御信号に応じて電路8aを遮断する。
【0021】
電路8bは、太陽電池モジュールグループ5Bと太陽電池モジュールグループ5Cとを接続する電路である。遮断装置4bは、電路8bに設置され、インバータ3の制御部3cからの制御信号に応じて電路8bを遮断する。
【0022】
電路8cは、太陽電池モジュールグループ5Cと太陽電池モジュールグループ5Dとを接続する電路である。遮断装置4cは、電路8cに設置され、インバータ3の制御部3cからの制御信号に応じて電路8cを遮断する。
【0023】
図2は、遮断装置4aの構成を模式的に示すブロック図である。遮断装置4aは、太陽電池モジュール5aで発電された電力によって駆動される。詳細には、遮断装置4aは、レギュレータ11と、信号受信部12と、リレー制御部13と、リレー14と、バイパス回路15と、を含む。
【0024】
レギュレータ11は、太陽電池モジュールグループ5Aの太陽電池モジュール5aで発電された電力を電源として遮断装置4aを駆動させる駆動電源を生成し、遮断装置4aに安定した駆動電源を供給する。図3は、レギュレータ11の構成を模式的に示す回路図である。レギュレータ11の構成は、周知の構成であり、入力端子21a,21b、出力端子22a,22b、ラインフィルタ23、コンデンサ24,25、昇圧回路26、スイッチング素子27、制御回路28、トランス29、ダイオード30、DC/DCコンバータ31、フィードバック回路32等を含む。
【0025】
信号受信部12は、インバータ3の制御部3cからの制御信号を受信して、受信した制御信号をリレー制御部13に出力する。詳細には、インバータ3の制御部3cからの制御信号を検出する信号検出部16を介して、信号受信部12はインバータ3の制御部3cからの制御信号を受信する。また、信号受信部12は、インバータ3からの制御信号に応じて太陽電池モジュールグループ5A~5D間の接続が遮断された後、インバータ3に電力線6を介して電圧信号(例えば1V)を出力する。
【0026】
リレー制御部13は、信号受信部12から出力された信号に基づいて、リレー14のコイルに流れる電流値を制御して、リレー14の接点を開閉制御する。
【0027】
リレー14は、例えば、接点が直列に接続されたメカニカルリレーであり、高電圧の直流電流を開閉可能である。遮断装置4aに駆動電源が供給されていないとき、リレー14の接点は、常に開いた状態にある。すなわち、遮断装置4a~4cが駆動していないときは、太陽電池モジュールグループ5Aと~5D間の接続が遮断された状態にある。
【0028】
バイパス回路15は、遮断装置4aが遮断状態のときに制御部3cからの制御信号を信号受信部12が受信できるようにするための回路である。太陽電池モジュールグループ5Aと~5D間の接続が遮断された状態のとき、信号受信部12は、バイパス回路15を介して、制御部3cからの制御信号を受信することができる。また、バイパス回路15を設けることで、信号受信部12から出力される電圧信号をインバータ3側で受信することができる。なお、遮断装置4b及び遮断装置4cの構成は、遮断装置4aと同様の構成であるため説明を省略する。
【0029】
次に、図4を参照して遮断装置4aの動作モードの一例について説明する。遮断装置4aの動作モードは、スタートモード、アクティブモード、安全モードの3つの動作モードを含む。安全モードは、通常遮断モードと、緊急安全遮断モードと、を含む。したがって、遮断装置4aは、スタートモード、アクティブモード、通常遮断モード、及び緊急安全遮断モードの4つの動作モードで動作する。
【0030】
スタートモードとは、太陽電池モジュール5aに太陽光が当たり始めたときのモードである。このとき、太陽電池モジュール5aは、太陽光を受けて電力を発電する。そして、太陽電池モジュール5aで発電された電力からレギュレータ11が生成した駆動電源によって遮断装置4aが駆動される。遮断装置4aが駆動されてリレー制御部13が信号受信部12を介してインバータ3の制御部3cからの制御信号を受信すると、図5に示すように、リレー制御部13はリレー14の接点を閉じるように制御する。これにより、太陽電池モジュールグループ5Aと太陽電池モジュールグループ5Bが遮断装置4aを介して接続され、太陽電池モジュール5aで発電された電力がインバータ3に出力される。
【0031】
アクティブモードは、太陽電池モジュール5aが日中に太陽光を受けて発電している状態であり、実質的にスタートモードと同じである。したがって、アクティブモードでは、遮断装置4aを介して太陽電池モジュールグループ5Aと太陽電池モジュールグループ5Bが接続された状態にある。すなわち、遮断装置4a~4cを介して太陽電池モジュールグループ5A~5D間が接続された状態にあり、太陽電池モジュール5aが発電した電力がインバータ3に出力される。
【0032】
通常遮断モードは、夜間、或いは雨等の天候の影響で、太陽電池モジュール5aが太陽光を受けていないときのモードである。したがって、通常遮断モードでは、太陽電池モジュール5aによって電力が発電されておらず、遮断装置4aに駆動電源が供給されていない。このため、通常遮断モードでは、太陽電池モジュールグループ5A~5D間の接続が遮断されている。通常遮断モードでは、インバータ3の制御部3cから遮断装置4a~4cに制御信号は出力されない。なお、通常遮断モードにおいてインバータ3にAC電源から電力が供給されている場合は、制御信号がON状態、すなわち、インバータ3の制御部3cからの制御信号が常に出力されている状態であってもよい。
【0033】
通常遮断モードにおいて、天候が不安定で太陽電池モジュール5aの発電が不安定な状態のときは、インバータ3の制御部3cの制御信号に応じてリレー制御部13がリレー14の接点を開閉制御する。
【0034】
緊急安全遮断モードは、スタートモード、或いはアクティブモード中に、太陽電池モジュールグループ5A~5D間の接続を遮断して、太陽電池モジュール5aからインバータ3への電力の出力を停止させるモードである。本実施形態では、図1に示すように、操作スイッチ35がインバータ3に接続されており、遮断装置4aがスタートモード、或いはアクティブモード中のときに操作スイッチ35が操作されると、遮断装置4aの動作モードが緊急安全遮断モードに切り替わる。
【0035】
詳細には、操作スイッチ35が操作されると、制御部3cは、太陽電池モジュールグループ5A~5D間の接続を遮断させるための緊急遮断用の制御信号を出力する。緊急遮断用の制御信号を信号検出部16が検出すると、信号受信部12及びリレー制御部13を介して、リレー14の接点が開かれ、図1に示すように、太陽電池モジュールグループ5A~5D間の接続が遮断される。なお、遮断装置4a~4cは、緊急遮断用の制御信号が出力された場合だけでなく、スタートモード、或いはアクティブモード中にインバータ3の制御部3cから出力されている制御信号が一定周期停止されたことを検出した場合も、太陽電池モジュールグループ5A~5D間の接続を遮断するように構成してもよい。
【0036】
上記構成の太陽光発電システム1では、遮断装置4a~4cの動作モードが緊急安全遮断モードのときに、遮断装置4a~4cによって太陽電池モジュールグループ5A~5D間の接続が遮断される。これにより、複数の太陽電池モジュール5a(本実施形態では4個の太陽電池モジュール)をまとめて遮断することができるので、太陽電池モジュール5a毎に遮断装置を設置する場合に比べて、遮断装置の設置コストの低減を図ることができる。
【0037】
また、ストリング2単位で太陽電池モジュール5aとインバータ3とを遮断する場合に比べて、より安全性の高い太陽光発電システム1を提供することができる。具体的には、太陽電池モジュール5aの開放電圧が50Vの場合、本実施形態における太陽電池モジュールグループ5A~5D毎の開放電圧は200Vであり、ストリング2の開放電圧は800Vとなる。したがって、太陽電池モジュールグループ5A~5D間の接続が遮断された後、太陽電池モジュール5aが発電を継続した場合、太陽電池モジュールグループ5A~5Dの電圧は最大で200Vとなり、ストリング2単位でインバータ3との接続を遮断した場合に比べてより安全性が高くなる。
【0038】
また、太陽光発電システム1では、電力線6を利用して遮断装置4a~4cの駆動電源及びインバータ3との通信を確保することができる。これにより、例えば、既存の太陽光発電システムに遮断装置4a~4cを設置するときに、インバータ3と遮断装置4a~4cとを接続する追加配線を必要としない。このため、既存の太陽光発電システムに遮断装置4a~4cを設置する際の設置コストの低減を図ることができる。
【0039】
また、遮断装置4a~4cにバイパス回路15を設けることで、遮断装置4a~4cの動作モードを、制御部3cの制御信号に応じて緊急安全遮断モードからスタートモードに切り替えることができる。
【0040】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0041】
前記実施形態では、太陽電池モジュールグループ5A~5Dのそれぞれが、4個の太陽電池モジュール5aを含んでいたが、太陽電池モジュール5aの個数は前記実施形態に限定されるものではない。また、太陽電池モジュールグループ5A~5Dのそれぞれが必ずしも同じ個数の太陽電池モジュール5aを含む必要はない。例えば、太陽電池モジュールグループ5Aが4個の太陽電池モジュール5aを含み、太陽電池モジュールグループ5Bが5個の太陽電池モジュール5aを含んでもよい。
【0042】
前記実施形態では、ストリング2が4つの太陽電池モジュールグループ5A~5Dを含んでいたが、太陽電池モジュールグループの数は前記実施形態に限定されるものではない。例えば、ストリング2が5つの太陽電池モジュールグループを含んでもよい。また、遮断装置4a~4cの配置や設置個数は、前記実施形態に限定されるものではない。
【0043】
前記実施形態では、操作スイッチ35の操作によって緊急安全遮断モードへの切り替えを実施していたが、スタートモード、或いはアクティブモードから緊急安全遮断モードへの切り替えは、前記実施形態に限定されるものではない。例えば、太陽光発電システム1に太陽電池モジュール5aの出力状態を検出するセンサを設けてもよい。インバータ3の制御部3cは、センサで検出された太陽電池モジュール5aの出力状態から異常を検出したときに制御信号を停止して、太陽電池モジュールグループ5A~5D間の接続を遮断してもよい。或いは、インバータ3に火災報知器又は火災警報器を接続して、インバータ3が火災報知器又は火災警報器から信号を受信したときに、制御部3cからの制御信号を停止して、太陽電池モジュールグループ5A~5D間の接続を遮断してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明によれば、太陽光発電システムにおいて、遮断装置の設置コストの低減、及び安全性の向上を両立できる太陽光発電システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 太陽光発電システム
2 ストリング
3 インバータ
4a~4c 遮断装置
5A~5D 太陽電池モジュールグループ
5a 太陽電池モジュール
6 電力線
8a~8c 電路
12 信号受信部
15 バイパス回路
図1
図2
図3
図4
図5